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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 801-900
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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 801-900

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μ's - μ’s Best Album Best Live! Collection II - きっと青春が聞こえる (2013-06-24 18:46:57)

これは正直「普通の曲」という印象。「普通にいい曲」。
いや、サビに向けて盛り上がっていく構成、ちょっと切なさも感じさせつつ、爽やかで盛り上がるサビ、お約束なギターソロとか、ポップスとしては申し分のないクオリティなんですけど、他の楽曲の主張の強さが念頭にあるとどうにも物足りない…。アニメのエンディングに使われた曲なので、あんまり主張が強過ぎるのは良くなかったのかも。


μ's - μ’s Best Album Best Live! Collection II - ススメ→トゥモロウ ★★★ (2013-06-24 18:46:21)

可愛いコーラスや歌い方に誤魔化されがちですけど、何気にリズムがロックっぽくて凄くかっこいい曲だったりします。Aメロでは抑制しつつ情熱が押さえ切れてない感じ、Bメロはキメを多用してボルテージを上げつつ、サビで思わずヘドバンしたくなるような激しいリズムで盛り上げ…と、メロディのテンションの高まりとドラムパターンが完璧にリンクしてるのが素晴らしい。アッパーなグルーヴ感がとても心地良い。なのにサビメロはバラード調で歌っても様になる泣きっぷりですからね。ホント良い曲だわ…。華やかなブラスも入ってちょっとパンキッシュな印象もある曲。


HAVOHEJ - Kembatinan Premaster (2013-06-23 23:14:19)

2009年発表の2nd。

PROFANATICAのメンバーによるブラックで、以前のアルバムにはPROFANATICAの楽曲の再録版も収録していたりという経緯から、本隊とさほど変わりない不敬で汚らわしいブラックだと思ってましたが…とてもそんなものでは!もっとカルトで人を寄せ付けないナニカですよ、これは…。

PROFANATICAを酸で溶かしたような崩壊しかけたWARブラックに、ノイズ要素を掛け合わせてまるで地獄の釜が煮えるかのような音像を実現し、そこにKRIEGを思わせる野蛮極まりない絶叫を乗せたスタイル。WARブラックでも普通もう少しリフにメロディを練りこむだろうし、ここまで非メロディアスな音源も珍しい…というくらい、メロディを殺し徹底した音像勝負の作品。

こういうノイズ音源って、聴き手のイマジネーションを刺激する触媒になってくれる事が多いんですけど、これはただただどす黒くて暴力的な音塊という感じですね。聴き手を選ぶにも程がある…というか、正直私でもこれはキツいです(笑)。PROFANATICAやKRIEG、VON辺りのアメリカ産カルトブラックが行ける方であっても、かなり覚悟して聴かれたほうが宜しいかと…。


HAVOHEJ ★★ (2013-06-23 23:03:09)

PROFANATICAのPaul Ledney氏による独りブラック。
バンド名はJehovahの逆さ読みから。


NYDVIND - Sworn to the Elders ★★★ (2013-06-22 23:19:59)

2010年発表の2nd。

男臭い哀愁ペイガンメロディをこれでもかと練り込んだギターワークを武器に、ブラスト爆走やスラッシーな疾走も交えミッドテンポ中心で壮大、かつドラマ性たっぷりに展開していく、かなりヴァイキングメタルに寄ったメロディックブラックメタル…簡潔に言えばそんな感じの作風ですが、このバンド、本当にフランス産なんでしょうか…(笑)。
メロディの濃さといい展開の大仰さといい、北欧のバンドよりヴァイキングらしいヴァイキングなんですけど(笑)。曲タイトルも「North」「Nordic」と言った単語が散見されますし。むしろフランス人のフィルターを一回通している分、「ヴァイキングらしさ」が更に煮詰まって、色濃く反映されているのかもしれませんね。

もちろん濃厚なだけでなく、音作りのクオリティも高く、ギターリフの厚みのある重厚でタイトなプロダクションは楽曲の壮大なムードを更に助長してますし、デス声と朗々としたクリーンを使い分けるヴォーカルは個人的にかなり好み。…と言うのも、EMPERORの「Anthems~」期のIhsahnの威厳のある歌声を時々彷彿とさせるんですよね、このクリーンヴォーカル。良い声過ぎて聴き惚れる…。

そして楽曲そのものも実に素晴らしい。特に3曲目「To Enter the Realm of the Ravenlord」は男臭いギターメロとクリーンの掛け合いが余りにも濃厚、かつTAAKE辺りを思わせる土着哀愁メロが聴けるかなりの名曲。哀愁だけでなく、儚さも秘めたメロディが聴ける「Upon the Throne of North」、エピックな展開の「Nordic Dawn」、珍しく笛クサメロも登場する「Icewinds Unleashed」など、どの曲にも聴かせ所があって金太郎飴になってないのが良いですよね。「ヴァイキング流儀の叙情トレモロの横行するメロブラ」という縛りの中でしっかり曲を個性付け出来てるのは本当センス良いと思う。

ヴァイキング系でも例えばSVARTSOTやEQUILIBRIUMのような民族楽器や笛全開のものよりも、KAMPFARやHELRUNAR、NATTSOL辺りの、リフのメロディ重視のメロブラに近い音楽性のバンドが好みの方にお勧め。


DYNFARI - Sem Skugginn ★★★ (2013-06-22 17:32:50)

2012年発表の2nd。

作風的には寒々しい音像に時折SEやアンビエンス重視のキーボードなどを交えて展開する、いわゆるアトモスフェリックブラックで、VINTERRIKETやCOLDWORLD辺りの流れを汲む路線ですが…こちらはキーボードはあくまでスパイス程度で、バンドサウンドの強い音…というか、むしろスローパートなんかはスラッジに通じる重さを感じるくらい、低音も効いた音作りで、他の同系統のバンドとは一線を画した音。

スローパートの苦痛が降りかかってくるような絶望感も然る事ながら、幽鬼的なトレモロを纏っての疾走パートには鬼気迫るものすら感じられ、まるで悪霊の起こした超自然的で悪意に満ちた吹雪に凍らされるかのよう。VINTERRIKETがこのまま凍死するのもいいか…という感じなら、こちらは「今死んだら悪霊に魂を食われてしまう」みたいな、背筋も同時に凍らせるような怖さがある感じ。

そうした音作りだけに、同系統のコールド/アトモスフェリック路線のブラックよりもずっと聴いていて消耗するような作風なんですよね。それだけに魔性な雰囲気も色濃く、充実感もある音源なんですが…疲れているときはちょっと遠慮したい音かも(笑)。


DYNFARI ★★ (2013-06-22 17:31:43)

アイスランド産アトモスフェリック・ブラック。
去年CODE666と契約し、2枚目のアルバムをリリース。


AVERSIO HUMANITATIS - Abandonment Ritual ★★★ (2013-06-22 17:26:25)

2011年発表の1st。
最初はEgg of Nihilismからテープで250枚限定という限られたリリースでしたが、翌年Self Mutilation ServiceによりCD化されました。CD盤は500枚限定。

なんか裏ジャケの曲名を見てるだけで、世の中に不満を持ってるのがヒシヒシと伝わってきそうですけど(笑)、意外なことに鬱ブラックとしてはかなり聴きやすい路線。多少ノイジーながら厚みのあるリフ、適正な音量で鳴らされるドラムによる音作りはブラック慣れしていれば心地良さしか感じませんし、スローパートに重きを置きすぎず、ブラスト疾走を多用し、ロック的なミディアムも交えたドラマティックながら(このジャンルとしては)コンパクトな曲構成もあって、鬱系としては非常に求心力に富んだ音。

そして鬱系のトレードマークである、主にトレモロリフによって奏でられる鬱メロディ、これがまた素晴らしい…。幽玄を通り越して、幽鬼的に聴こえる、非常にダウナーで分かりやすいネガティビティの篭もった怨念メロディ。作り手の鬱感情にメロディ一つで聴き手を強制シンクロさせるような力があると思う。リフのノイズ質を強調して見せたり、リバーブを掛けた奥行きのある音に怨メロディを響かせたりといった、少し実験的な音作りもネガティブな世界観により深みを与えている感じですね。

ただまあ、ここまでネガティビティが聴き手に伝わりやすいのは鬱ブラックとして逆にどうか…とも思わなくもないかも。内に篭もったような自己満足的な部分があまり感じられない分、外向きの音に聴こえるというか。個人的には分かりやすい方が好きなので、このバンドの作風はかなりツボですけど。正直500枚限定はもったいないと思います。


AVERSIO HUMANITATIS ★★ (2013-06-22 17:20:11)

スペイン産鬱ブラック。
PRIMIGENIUMのライブメンバーでもあるLugubre氏が在籍。


KOLDBRANN - Vertigo ★★★ (2013-06-22 17:18:20)

2013年発表の3rd。

作風は一言で言えば、CARPATHIAN FORESTやURGEHAL、ENTHRAL辺りのバンドの流れを汲む、オールドスクールな側面も強く感じさせる、いわゆる「True Norwegian Black Metal」そのものという感じの音で、主要メンバーが関わるNATTELECARRIERよりも更にストレートな音なんですが…特に物凄く特徴のある路線という訳ではないのに、これが物凄くかっこいいんですよね。個人的には「ストロングスタイル」という言葉を思い出しました。

スラッシーでノリのいい刻みも多用しつつ、ブラックらしい土着的で薄暗い不気味さ、邪悪なメロウさを感じさせるフレーズも盛り込んだリフワーク、ブラスト爆走もある程度ありつつ、ロック寄りのダイナミックなミディアム、スラッシュビートによる体が自然に動く疾走、粘着質なスローなどを交えたリズムワークなど、曲作りは非常に丁寧。決して実験的な音ではありませんが、近年のSATYRICONやCODE辺りに通じる「深み」がある音だと思うんですよね。

いちいち音の要素を掻い摘んで説明せずとも、ノルウェーのブラックが好きであれば聴いて一瞬で体が反応してしまうような音。クオリティの高さ、メタルとしての熱気と、ブラックとしての不気味さを両立させる、TNBMでもセンスの高さの光る一枚。ノルウェー産ブラックを追っているのであれば購入ド安定な作品です。


KOLDBRANN ★★ (2013-06-22 17:17:28)

ノルウェー産ブラック。
元URGEHAL、現NATTELECARRIERのMannevond氏らによるバンド。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - soldier game ★★★ (2013-06-22 17:16:03)

クールな中に情熱を感じさせる曲調、というのは「ダイヤモンドプリンセスの憂鬱」とも共通した点ですが、こちらはもっとメロディのキャッチーさ・クサさを強調した仕上がりで、更に扇情的・挑発的な雰囲気の強い楽曲になってますね。ブラスの特徴的なフレーズから入り、スラップベースとパーカッションの絡み、ピアノのグリッサンドを経て、ストリングスによるクッサクサでパッションに満ちたメロディへと繋がる間奏も凝ってて滅茶苦茶かっこいい。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - Snow halation ★★★ (2013-06-22 17:15:15)

これは一聴しただけで、「プロジェクトにとってなにか特別な意味のある楽曲なんだろうな…」と察しがついてしまうほど、風格がある楽曲ですね。切なさの中に、夢へと駆け出していくかのようなポジティブさを感じるメロディが素晴らしい。雪を割って花が芽吹き始める如き繊細なオープニングから、雪原に青空が広がるようなサビへの展開も見事。ここまでアレンジもメロディもドラマティックにされるともうグゥの音も出ないですね。特にサビ後半の展開は赤面しそうなレベルのクサさなので、クサメロファンにも大推薦。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - Wonderful Rush ★★★ (2013-06-22 17:14:14)

煽りパートや掛け合い、ライトなラップパートなどをふんだんに用いた、終始ハイテンションな楽曲。ここまでテンション高く煽りパート入れたりすると、逆に内輪受けっぽくなりそうですが、メロディがしっかりしてる(というレベルじゃなくて、極上に良い)ので、ポピュラリティを全く損なっていないのが素晴らしい。後半、散々盛り上がった後のどメロウなパート、からの再び盛り上げての開放感溢れるサビへの展開とか反則でしょう…。
この曲は特にヴォーカルのパート割りがいいですね。Pileさんが伸びのある歌唱で聴かせ、徳井さんが切り込み隊長となって皆で煽りまくった後、内田さんの可愛メロウな歌声に繋ぐ流れが美しすぎる。作り手も愛情をもってやってるんだろうな…というのが凄く伝わってきます。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - ダイヤモンドプリンセスの憂鬱 ★★ (2013-06-22 17:13:32)

R&B風のリズム、物憂げな感じのメロディがどこかクールな雰囲気を醸し出す楽曲。どこか情熱を秘めているようなムードがあり、熱に浮かされたような空気感もありますね。良く聴くと色々な音が入っていてアレンジはやはり相当凝ってる(特にシンセの音色選びのセンスが秀逸)んですが、歌メロや歌唱でしっかり親しみやすい仕上がりになってるバランス感覚が良いです。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - sweet & sweet holiday ★★★ (2013-06-22 17:12:41)

最初はSnow halation辺りの派手なクサメロ曲に耳が行くんですけど、良く聴くと何気にこういう可愛らしくガーリーなポップソングの出来が物凄く良かったりする。女の子たちがスイーツ囲みながらガールズトークしてるような平和さ。それも他人の悪口とか絶対話題にしてなさそうなピュアさ。こういう曲は、これくらい毒がない方が良いですね。私も混ざりたい、っていうかこんな悪意のない世界の住人になりたいですもん(笑)。この曲を聴けば4分間だけそんな無邪気な世界へトリップ出来ます。疲れた時に聴くとホッとして溜息が出る…。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - 僕らのLIVE 君とのLIFE ★★★ (2013-06-22 17:11:51)

これが一番最初のシングルらしいですね。
アイドルソングの魅力は合いの手のある…という主旨のことを、某超有名メタルギタリストも仰ってましたが、まさしくこの曲はそういう意味で正しくアイドルソングしてると言えるでしょう。間奏のヴォーカル掛け合いは勿論、主旋律の合間に入るブラスやピアノのお陰でテンションは常に右肩上がり。
しかし、これがプロジェクトの1曲目って完璧過ぎるでしょう。頭のどキャッチーなギターメロが来た時点で何か楽しい事が始まりそうなワクワク感があるし、その期待感を何倍にもブーストするサビも本当に素晴らしい。リアルタイムで聴いた人は恐らくプロジェクトの成功を確信した人も多かったのでは。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - あ・の・ね・が・ん・ば・れ! ★★ (2013-06-22 17:11:00)

ちょっとスパニッシュ入ったようなクッサい歌メロがかなりのインパクトを放つ楽曲。当然クサメロ好きには大推薦ではあるんですが、ちょっとサビが大袈裟過ぎて聴き疲れを覚えてしまうんですよね…。サビに至るまでのメロディの流れは完璧だし、サビフレーズの後半は凄く好きなんですけど…。


μ's - 海色少女に魅せられて - 私たちは未来の花 ★★★ (2013-06-22 00:08:38)

鼓や笛を使い、和風なムードを演出しつつ、哀愁メロディをブチ撒きつつの疾走!これはメタルとアニソンの両刀使いならば聴き逃し厳禁な楽曲でしょう!まるで陰陽座がメタルではなく、アニメソングを音楽の様式に選んでたらこんな曲を作りそう…という感じの曲。そしてサビ後半は昭和歌謡曲モードに入ったcali≠gari…というか、桜井青さんが書きそうなメロディなんですよね。意外にヴィジュアル系好きもこういう曲好きかも。ヴォーカルの声がシリアスで張りのある感じなのも良いですね。


μ's - ことりLovin' You - スピカテリブル ★★★ (2013-06-22 00:06:53)

ベースやアコギのフレーズが胸が詰まるような切なさを演出しつつ、アップダウンの多いシリアスな哀愁メロで疾走する楽曲それ自体も本当に素晴らしいんですが、この曲はヴォーカルワークありきだと思う。可愛い声に可愛い歌い回しだと個人的にはトゥー・マッチに感じるんですが、この曲はシンガーに甘く可愛い声質の内田さんを起用しつつ、歌い方はシリアス。声の可愛らしさも、楽曲の切迫感も、この取り合わせによってかなり強まっているように感じます。かっこいいのに、切ない溜息が出そうになる曲。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - after school NAVIGATORS ★★ (2013-06-22 00:05:34)

これ、明らかにBabymetalですよね(笑)。いくら本格的にアイドル演ってるプロジェクトだからって、そんなところまで行かなくても…(笑)。個人的には台詞的な部分がちょっと可愛らし過ぎる気はしますが、やっぱり重低音響かせつつ疾走しつつのアニソン流儀のキャッチネスブチ撒きメロディにはどうしようもなく惹かれるのです。しかし、ベストアルバムのトリにこれですか…結構ビックリした人も多いのでは。


μ's - μ’s Best Album Best Live! Collection II - 輝夜の城で踊りたい ★★★ (2013-06-21 23:58:57)

μ’sの曲は大体聴いたんですが、私の中でダントツに気に入ったのはこれ。
耽美系ゴシックをベースに、アニメソングのキャッチネスでチューンアップしたようなメロディがもうツボ過ぎてツボ過ぎて…。キャッチーで美しいだけでなく、聴き手を挑戦的な気持ちにさせるような煽情感があるのが本当に素晴らしいんです。Aメロから煽りまくり、サビで最高潮のテンションを迎えるメロディの流れも実に良い。ハロプロっぽいダンサブルなリズムも相俟って、超が付く名曲に仕上がってます。カップリングだけど完璧に表題曲を喰ってる…。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - Daring!! ★★★ (2013-06-21 23:56:38)

この曲は個人的に最近(One Two Three辺り)のモーニング娘。のダンサブル路線に近い楽曲だと思うんですが、音も構成ももっと分かりやすく仕上げてきた感じですね。個人的にはこれくらい分かりやすい方が好み。キャッチーなコーラスと挑発的な合いの手の掛け合い、サビの抜けのいい高音など、シンガーのPileさんの魅力が詰まった楽曲。「True Diva」も買ってしまおうかなぁ…。
タイトルが「Darling」でなく「Daring」なのは、歌詞の内容と、「敢えて…する」「恐れずに…する」という意味の動詞「Dare」の現在分詞形を引っ掛けてるから?発音は思いっきり「Darling」ですけど。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - ラブノベルス ★★★ (2013-06-21 23:54:15)

最初ベストを借りて聴いた時は、ゆる~いコーラスパートや合いの手でちょっと引き気味になり、飛ばしてしまったんですけど…フルコーラス聴いたら超名曲でした。なんだろう、この緊張感のあるサビのメロディは…。ちょっとJanne Da Arcっぽい感じも。サビとのギャップの合わせ技で、気が付いたらコーラスパートのユルさも妙に癖になってました。ちなみに、後からソロVerも聴かせて貰ったんですが、サビで徳井さんがシリアスで張り気味の歌唱、Pileさんが巻き舌気味のコミカルで可愛らしい歌唱と、他の曲から受けるイメージと逆の歌い方をしてたのがかなり興味深かったです。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - 恋のシグナルRin rin rin! ★★★ (2013-06-21 23:52:49)

アイドルの可愛らしさ+モータウン風の跳ねたビートの楽曲に外れなし、とは良く言いますが、この曲も実に素晴らしいですね。日常的の風景を描きながら、苦いリアリティを徹底的に排除したような、優しくてスイートな世界観。リアルな歌詞も好きだけど、やっぱりアイドルにはこういうある意味での幻想を持たせてくれる世界観を求めてしまうのです。タイトルがRingじゃないのは、キャラ名に引っ掛けてでしょうか。


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - まほうつかいはじめました! ★★★ (2013-06-21 23:50:29)

歌声こそ如何にもなアニメ声ながら、パンキッシュな演奏にアニメソング屈指の明朗で元気いっぱいなメロディが乗る、アニソンの中でも屈指といえるキャッチネスを放つ楽曲。初めて友人に聴かされた時は、「これ主題歌だよね?」って3回くらい聞きましたもん(実際は登場人物「矢澤にこ」のキャラクターソング)。ブラスが軽快さを更に煽るサビは、正にキャッチネスの極北。これ以上キャッチーな歌メロがあるなら教えてほしい(笑)。
サビは男性が出せるギリギリの音域でのロングトーンが続くので、男性がハードコア調の血管切れそうなガナリ声ハイトーンとかで歌っても何気にサマになりそう。演奏もパンクロック風ですし。しかし、ラスサビ前のシャウト(?)は何回聴いても何言ってるか分からない…


μ's - μ's Best Album Best Live Collection - Love Marginal ★★★ (2013-06-21 23:48:09)

「輝夜の城で踊りたい」が黄金期のモーニング娘。をモチーフとした楽曲なら、こちらはプラチナ期の世界観を引き継いだ楽曲と言えるでしょうか。切なく抑えた感じながら、どこか物語も感じさせるドラマティックなメロディが絶品。何気にギターメロにかなり泣き要素入ってるのも良いですね。アンサンブルにおいて歌の強い構成のポップスなのに、物語的で情景的な仕上がりなのはやはりアニメ文化発祥の楽曲の強みでしょうか。


NONTINUUM - Dwelling in Oceans ★★ (2013-06-20 22:27:29)

2010年発表の4曲入りEP。
と言っても演奏時間は30分近くありボリュームもなかなか。

出ているレーベル、海をモチーフに使ったジャケットや楽曲名などから大体の予想が付く通り、鬱ブラックのスタイルとシューゲイザー的儚さを融合させたような、アンビエント要素の強いポストブラック。トレモロリフを多用し、儚げなメロディを繊細なノイズ質に乗せて美しい情景を描きつつ、ゆったりと展開していく作風。ヴォーカルが変に裏返ったような滑稽な叫びではなく、ガチの歪み切った絶叫なのも個人的には好感触。

似た系統のシューゲイザー・ブラックと比較しても、例えばブラストでの疾走を取り入れたりといったドラマ性もなく、ひたすら淡々と情景を描くことに徹している分、やや作風としてはマニアックと言えるかもしれません。ただ、この徹底振りが、意識が緩やかに海の中を揺蕩うような、意識下に働きかけてくるような雰囲気を醸し出しているんですよね。「生命の神秘」みたいな言葉を思い出しました(笑)。

名前が似ているKONTINUUM辺りと比べても、大分マニアックで人を選ぶ作風だと思います…が、聴きづらい音ではなく波長が合うかどうかなので、ジャケを見てピンと来たら試してみてもいいかも。


NONTINUUM ★★ (2013-06-20 22:24:54)

オーストラリア産ディプレッシブ/ポストブラック。
鬱ブラックを多く輩出した事で有名な韓国のレーベル、Misanthropic ArtよりEPをリリース後、自主制作で1枚目のアルバムを発表したものの現在は解散してしまった模様。


B'Z - C'mon - ピルグリム ★★★ (2013-06-16 23:42:19)

B'zのバラードには素晴らしいものが多いですけど、ここにきてキャリアの中でも最高クラスのものを生み出せたんじゃないでしょうか…。この哀愁だけでなく、日本人的な侘び寂びの感じられる、儚く切ないメロディ、正に作曲家松本孝弘の面目躍如という感じ。恋愛について歌っているだけじゃない深みを感じるというか、幼い頃に見た情景がふと思い浮かんで、不意に胸が詰まるようなあの感じ、それを音楽で体験出来るような楽曲。余りにも集中して聴いてるとマジ泣きしそうになるんですよね…。


ミルキィホームズ - Colourful Garden - 恋の調査報告書 ★★★ (2013-06-16 23:09:50)

Aメロ、Bメロ、サビの全てが弩級のキャッチネスを放ち、しかもAメロは1コーラス目と2コーラス目で全く違うメロディ、その上煽りパートまで兼ね備えたやたら豪華な作りの楽曲。この分かりやすい盛り上がり、やはりアニソンはこうでないと!って感じです。最初「まだですー」「あーゆーれでぃ?」とかの台詞がクドく感じたんですが、聴きまくってたらなんか可愛く思えてきてしまった…。ちなみに、この曲を歌わせて、サビのフレーズ「ん?」「うん。」をCELTIC FROSTの「ウッ!」みたいな感じで言う人は間違いなくメタラー。


ミルキィホームズ - To-gather!!!! - パーティーパーティー! ★★★ (2013-06-16 23:01:30)

凄くかわいい曲ですね、普段ブラックとかエグい曲聴いてる私が聴いたら浄化されて死んでしまいそうなくらい(笑)。可愛さのベクトルが、変に媚びてる感じではなくて、身近に感じられるような、気取らないガーリーさなのが良いですね。跳ねたリズムにどキャッチーなリズムが乗る構成は、単純に盛り上がれる。聴いてて楽しい気分になれる名曲です。


LUSTRE - They Awoke to the Scent of Spring ★★★ (2013-06-16 22:23:12)

2012年発表の3rd。

以前聴いた1stは、余りにも「アトモスフェリックである事」に徹し過ぎている感があったんですが、割と有名なレーベル(De Tenebrarum Prinpicio)に移籍したこともあって、新譜を購入したんですが…なんか段違いに良くなってる印象。1stの頃は、深遠な世界観を描いてはいたものの、聴き手にアピールするような聴きやすさに欠けた感じでしたが、今作はよりリスナーフレンドリーになった感じ。と言っても、あくまで「アトモスフェリック・ブラックというジャンルにおいて」ですけど。

バンドサウンド入りの前半2曲、アンビエントに徹底したインスト2曲の計4曲で約40分という構成ですが、1stと比べると音像の変化のさせ方が大胆で、それがある意味での聴きやすさの一因になっている気がします。ギターメロディとノイズの交じり合った、神秘のヴェールに包まれた中で、緩やかに破滅に向かうかのような音作り、聴き手をメランコリックな幻想に惹き込んで行くキーボードのメロディなど、深遠な世界観は全く薄れずに聴きやすくなってるのが素晴らしい。

正直1stは気分じゃないときは絶対聴けないような音だし、敢えて人にもお勧めはしなかったんですが、こちらはアトモス系好きであればかなりお勧め。聴き手を引き込もうとする力は段違いだと思います。ホント、1st聴いて切らなくて良かったと思う。


DODSFALL - Den Svarte Skogen ★★ (2013-06-16 11:52:07)

2011年発表の1st。

このバンドって、2009年結成ですよね…?本当は15年前じゃないの?と言いたくなるくらい、堂に入ったオールドスクール・ブラックメタルを展開。ブラックらしい邪気を撒き散らしつつ、時にスラッシーさも感じさせる、メタリックながら黒いリフ捌きを中心に展開していく楽曲は、まるでGORGOROTHとDISSECTIONの中間を取ったような作風。

クリアで音圧のある音作りながら、多少刺々しさも残したプロダクションもブラック然としてますし、ヴォーカルの多少細いながらエグく潰れたがなり声も如何にもブラックメタルしてて非常にかっこいい。時折毒が効きつつも、メロディアスなトレモロを入れてくる展開も印象深いですし、オールドスクールなブラックが好きであれば反応せずにはいられないような音。

2010年代の作品ながら、ブラック黎明期の作品を聴いているような気分にさせてくれるアルバム。特に初期GORGOROTHのような混じりっ気なしの、かつメタルとしてのドラマ性もあるブラックメタルが好きな方にお勧め。


DODSFALL ★★ (2013-06-16 11:50:23)

元はメキシコのIshtar氏によって結成されたブラックメタルバンド。後に元ANCIENTのV-Rex氏らが加入し(現在は脱退)、ノルウェーを拠点に活動しているとか。


ENDEZZMA - Erotik Nekrosis ★★★ (2013-06-16 11:39:17)

2012年発表の1st。

2012年に残念ながらお亡くなりになったURGEHALのTrondr Nefas氏らが参加するブラックメタルバンド…との事ですが、これがURGEHALやCARPATHIAN FOREST、GORGOROTH辺りのオールドスクールなブラックメタルバンドに、オカルティックなキーボードややや前衛的な展開を加味したような路線で、独特の病んだムードがあって非常にかっこいい仕上がりなんですよね。

まず面子が面子だけに、ブラックメタル部分は安定のかっこよさ。オールドスクールなリフを中心に、メロウであったり不気味であったり、アングラな熱気を感じさせたり様々なフレーズを入れて展開するギターワークからして、一流のノルウェジアン・ブラックって感じだし、キーボードの音色選びのセンスも、バンドの熱気やノリを殺さずにホラーでプログレッシブな雰囲気を与えているあたりかなりセンス良いです。呻きとがなりの中間のようなヴォーカルは、正直好みじゃないんですけど、不気味エモーショナルで曲には合ってると思います。

オールドスクールな熱気・邪気と、前衛じみた奇怪な雰囲気が見事に合わさった、かなりの良盤。しっかりブラックの芯を残しつつ、普通のバンドにはない独特の雰囲気を出してる作品で、これを聴くと本当にTrondr Nefas氏というミュージシャンの死が惜しまれますね…。ご冥福をお祈りします。


DECLINE OF THE I - Inhibition ★★★ (2013-06-15 16:34:27)

2012年発表の1st。

ポストブラックって、バンドによってはブラック本来の持つ暗黒性やネガティビティからかけ離れた世界観を演出していて、個人的には物足りないと思うバンドが少なくないんですが、このバンドは流石MERRIMACKみたいなドス黒い音出してるバンドのメンバーが演ってるだけあって、並の鬱ブラック以上に病んだ音出してますね…。

作風的には、閉塞感を強く感じさせる、ドゥーミーに歪みを引き摺るような質感のリフにフランス産らしい病んだ耽美さを感じさせるメロディを練り込み、地下室めいた薄暗い雰囲気を演出しつつ、プログラミングやノイズ、打ち込みのリズムなどのインダストリアル要素、キーボードや女性ヴォーカル等も取り入れて前衛的に展開していく、アーティスティックで病的な感性のポストブラック。

ただし、キーボードやサンプリング等の全く開放感のない音色選びのセンス、真性ブラック的な威厳を感じさせるがなりを聴かせるヴォーカル等から感じられる暗黒なムード作りは徹底されていて、ポストな展開に引き摺られてそれが薄まったりする事が全く無いのが素晴らしい。美しくもネガティブでほんと浸れる音になってると思う。奇妙なリズム展開なども見られ凝った作りの音ですが、知的なのに狂ってる感じが良いですよね。

がっつり暗黒ムード出してるポストブラックと言う事で、個人的にもかなりお勧めの作品。部屋暗くして独りで聴くにはうってつけのアルバムですよ。


DECLINE OF THE I ★★ (2013-06-15 16:32:26)

フランス産ポストブラック。
MERRIMACK、VORKREISTなどのメンバーによるプロジェクト。


SILENT LEGES INTER ARMA - Silent Leges Inter Arma ★★★ (2013-06-15 16:27:32)

2012年発表の1st。

セールでかなり安価だった上、出してるレーベルも有名どころ(Eisenwald)なので、取り合えず押さえておこう…くらいの気持ちで購入しましたが、これは当たりですね。低音の効いたプロダクション、速いだけでなく重さも感じられるドラミング、ハーモニクスを交えたりヘヴィさも垣間見せるリフ、凄みの聴いた低音グロウル…など、デスメタル的な特色も備えた、なかなかハイクオリティなジャーマンブラック。

一言で言えばそんな感じなんですけど、デス的な重さ・暴虐性の強いバンドとしては珍しく、トレモロリフなどに込められたメロディにフレンチブラックに通じる、病んだ美しさが感じられるんですよね。しかもその聴かせ方も一本調子ではなく、有機的にうねるような展開でメロディを聴かせてくれる所がまた素晴らしい。低音が効き、ヘヴィな質感を生みつつも、モダンになりすぎず若干生々しい感触も残している音作りも個人的には好みですね。

分かりやすい、けど単調でない聴かせ所を持ったブラックで、正直これならフルプライス出して購入しても全く後悔はしなかったであろう出来。デス寄りで、かつ病みメロウな作風という組み合わせに惹かれる方は是非。


SILENT LEGES INTER ARMA ★★ (2013-06-15 16:26:48)

ドイツ産ブラック。
バンド名はキケロの引用で、「戦時下に法は沈黙する」という意味だとか。


JOTUNSPOR - Gleipnirs Smeder ★★ (2013-06-15 13:14:03)

2006年発表の1st。

GORGOROTH人脈によるブラックメタルという事ですが…GORGOROTHとは似て非なる路線の、上質なノルウェジアン・ブラックという感じの音ですね。ブラックメタルらしい狂気や邪悪さ、そしてメロウさを秘めつつも、しっかりメタルしているギターリフなんかは正にGORGOROTHらしいハイセンスさですが、こちらの方は凶暴さよりも頽廃的な空気感や暗黒なムードに重きを置いている印象。

暗黒アンビエントや破滅的なドゥーミーな楽曲を挟みつつ進行するスタイルは、まるでノルウェジアンブラックの王道に、鬱ブラックや(「Si~」期の)DEATHSPELL OMEGAの闇を取り入れたかのよう。ただ、アンビエントパートに少々冗長な部分があったり、エフェクト掛けすぎて生々しい狂気が減退してるようなヴォーカルはカリスマ性に欠けたり、痒い所にあとちょっとで手が届かないようなもどかしさも感じる…かも。

と言っても、安定のノルウェー古参クオリティはありますので、黎明期バンドの人脈を積極的に追ってるようなマニアなら確実に楽しめる一品でしょう。焼け爛れた廃墟のような荒廃感はGORGOROTHにはないものですし、こちらもお勧め。


JOTUNSPOR ★★ (2013-06-15 13:10:45)

現WARDRUNAのKvitrafn氏、現GOD SEEDのKing氏というGORGOROTH絡みのメンバーによるブラックメタル。2006年にCandlelightより一枚のアルバムをリリースしてますが、現在は活動していない模様。


BANNERWAR - Centuries of Heathen Might (2013-06-15 01:49:05)

2006年発表の2nd。

いかにもペイガンらしい、アコギを交えたオープニングで浸っていると…突然嫌がらせのように(笑)金属質なノイジーさ全開のギターリフが爆音で奏でられ、一瞬耳が死にそうになりました…。ULVERの3rdと張り合おうとするかのような、強烈なジギジギ・ギターサウンド。この時点でもう初心者は回れ右かもしれません。

しかし、肝心の楽曲の方はなかなか。ギターリフには時折国旗をバックに掲揚しているかの如きペイガン勇壮メロが練りこまれ、印象に残るし、ブラスト疾走時の暴虐性、ヴォーカルの絶叫の凶悪度もかなり高い。何気にしっかり緩急付いた展開であったり、メロウなベースであったり、楽曲の作りは結構丁寧だと思う。

という訳で決して悪くないアルバムですが、ULVERの3rdのどノイジー+どメロウという閃光めいた対比と比べると、ちょっとインパクトに欠けるのは事実かも。正直この音聴いててキツイんですよね…(苦笑)。金属質な、耳を劈くようなギターの音色こそ好みという人であれば、評価は格段に高くなるでしょう。


BANNERWAR ★★ (2013-06-15 01:47:12)

ギリシャ産ブラックメタルバンド。
GRAVELANDのトリビュート盤に参加した事からも分かる通り、ペイガン/NS思想を持って活動しているバンドのようです。


GERM - Wish ★★★ (2013-06-12 22:51:41)

2012年発表の1st。

鬱ブラック好きの間で話題を呼んだAUSTEREのメンバーによる新プロジェクトという事ですが…ブラックメタル的な要素はヴォーカルの裏返り気味の悲痛な絶叫、うっすらノイジーな音作り、一部で聴けるブラスト疾走くらいで、シューゲイザー的な儚さとエレクトロニカ的な近代性の方が目インディッシュになったような作風。普通のブラックファンには軟弱、鬱系好きには絶望感が足りないとか言われそうですけど、個人的にはこの作風、実はかなり好きなんですよね。

ただ儚いだけ、綺麗なだけの音だと、私的にはどうしても退屈に思えてしまうんですが、このバンドの作風は民族調のメロディや悲哀の篭もったピアノなどで分かりやすい哀愁があるパートであるとか、電子音だけでなく、リズムまで打ち込みにした硬質な感触のパートであるとか、パートによって聴き心地がかなり異なる上、悲痛絶叫等のブラック要素がピリッと雰囲気を締めているため、飽きずかつ心地良く聴ける。しかもどのパートも感性が近代的で儚い雰囲気で統一されてるため、散漫な感じもしないのが良いですね。

お洒落な音…なのかもしれませんが、雰囲気系になりすぎず、展開を丁度良く設けているバランスの良さが個人的にはかなりツボな作品。ヴォーカルのクリーンがなよなよしていてカリスマ性に欠けるのは唯一不満なので、欲を言えばOPETHのMichaelクラスのクリーンが欲しかった所ですね。


GERM ★★ (2013-06-12 22:51:00)

AUSTEREを始め、GREY WATERS、NAZXUL、PESTILENTIAL SHADOWS、WOODS OF DESOLATIONなどに関与していた事でも知られる、オーストラリアの鬱メタルの旗手、Sorrow氏によるプロジェクト。以前在籍したバンドよりも更にブラック離れした音。


ミルキィホームズ - To-gather!!!! - グッデイ・エブリデイ ★★★ (2013-06-12 22:45:52)

メロディや歌詞は確かにガーリーで可愛らしい感じなのに、バンドサウンドが妙にハードな作りなのがユニークな楽曲。…なんですけど、決してミスマッチという訳ではなく、溢れんばかりの元気を楽曲に注いでいるのが面白いですよね。聴いていて爽快になれる、溌溂としたノリのいい楽曲。…でも最初歌詞見た時はかまぼこを枕元に置いて寝てるのかと思ってビックリしました(笑)。まさかネコの名前とは…。


ミルキィホームズ - To-gather!!!! - ヒロイン探偵物語 ★★★ (2013-06-12 22:40:42)

昭和…までいかない、近過去っぽい歌謡クサメロと、ティンパニなどを利用したややスケールの大きい感じのオケが上手く噛み合い、青空を思わせる爽やかさを感じさせてくれる楽曲。楽曲も本当に素晴らしいんですが、この曲は佐々木さんの歌声が感動的なまでにフィットしてるからこその名曲だと思います。「可憐」なのに「前向き」「元気良く」って無茶苦茶難しいオーダーだと思うんですけど、それをこれ以上なく表現出来ていると思う。この曲の奇跡的なまでのマッチ感とか、技術ではどうにもならない部分に、私は感動を覚えるんですよね。


YSENGRIN - To Endotaton ★★★ (2013-06-11 23:51:28)

2012年発表の3rd。
1曲のみ40分というなかなかラジカルな構成の作品。

某アーカイブやショップの紹介では、デス/ブラック/ドゥームとして紹介されていましたが、ブラックメタル的な邪悪トレモロやデスメタル的なブラストは一部で聴けるのみで、メロディアスなフレーズを挟みつつ刻みを入れて展開するギターワーク、ドラマ性を重視しつつもミッドテンポ中心のリズム構成などからは、むしろゴシックメタルに近い雰囲気もある気がします。

ただ、葬式ドゥームすら行けそうなやたらディープな低音グロウル、低音のしっかり聴いたプロダクションと妖しいギターメロ、神秘的なチャーチオルガンなどが組み合わさってできる淫靡でいかがわしい音像などが発散する儀式的な雰囲気などは、やはりブラックやドゥームに近い気がしますね。展開には前衛的な部分もあり、パーカッションや女性の喘ぎSEなども取り入れたりするパートもありますが、それらの要素が儀式に立ち会うような臨場感をうまく与えているように思います。

流石に40分もあると長さを感じない…とまでは行きませんが、40分間を質の高い妖しげメタルの縛りをしっかり守りつつ、様々な展開・アイデアで聴かせてくれる作品なので、金太郎飴な曲が並ぶアルバムよりも付き合っててずっと楽しい作品に仕上がってると思います。いかがわしく儀式的なブラックが好きな方は是非。


YSENGRIN ★★ (2013-06-11 23:50:40)

フランス産デス/ブラック/ドゥームメタルバンド。
AORLHACやDARKENHOLDなどと4WAYスプリットを出した事も。
あと何気にMUTIILATIONと人脈的な繋がりがあるとか。


KATAXU - Hunger of Elements ★★ (2013-06-02 11:53:29)

2005年発表の2nd。

ポーランドのペイガン人脈によるバンドですが、音自体は直接的なペイガン/フォークではなく、アトモスフェリックなキーボードがバンドサウンドを包み込み、神秘的・神話的・オカルティックな雰囲気を演出する、シンフォニック・ブラックそのものという感じの作風で、キーボード中心の音像などは初期LIMBONIC ARTに近い感じですね。メロディの傾向としてはミステリアス・クラシカルな感じで、民族性をダイレクトにではなく、神話方面から解釈したような雰囲気。

現実と幻想の境目を曖昧にするかのようなキーボードに包み込まれた中で、叙情的なメロディを紡ぎあげるトレモロ、バンドサウンドを抱擁するばかりでなく、キラキラした音色やフレーズを使い、更に音を日常から切り離していくキーボードなど、耳を惹く箇所はかなり多いです。戦争の真っ只中にいるかのような、殺気立ったヴォーカルも凄みが効いてますね…。ただ、ギターもキーボードも印象的なフレーズを引いていない、つなぎ/引きのパートがちょっと弱いのが玉に瑕でしょうか…マイナーなバンドで引きが上手いバンドの方が珍しいという気もしますけど。

ポーランドのペイガン人脈を追ってる方、アトモスフェリックなシンフォニックブラックが好きな方のどちらにもお勧め。ペイガン系はバンドによって民族要素の解釈が色々で、聴いていて面白いですね。


LORD MANTIS - Pervertor ★★ (2013-06-02 11:07:30)

2012年発表の2nd。

スラッジの引き摺るような重さとブラックメタルの邪悪さを融合させた音楽性、同郷でかつNACHTMYSTIUM絡みの人脈という事で、このちょっと前に出たWOLVHAMMERを思わせる部分も多い作品ですが、作風の趣向自体は大分異なる感じですね。炸裂感がストレートなかっこよさにも繋がっていたWOLVHAMMERと比べると、こちらはより暗黒ムードを重視した粘性の高い音で、その分疾走パートも少なめ。

ギターのフレーズもブラックの寒々しさや叙情性よりは、カオティックで殺伐としたものを中心に弾いている感じで、それがスラッジ由来の灼け付くようなノイジーな音色とも相俟って、実体を持ったかのようなリアルなどす黒さを感じさせてくれますね。ヴォーカルはエフェクトが掛かってるせいでどうも狂性を殺いでしまっている感じなのが惜しいですが、「at the Mouth」での脳みそを弄くられているような喘ぎ絶叫を始め、パフォーマンス自体は殺気があって悪くないです。

全体的にWOLVHAMMERよりも暗黒マニア向けの音…と言いたい所ですが、50歩100歩というか、こんなバンドをチェックするような人はほぼ確実に暗黒マニアだと思うので(笑)、あまりマニアック度に差はないかも。名門Candlelightらしくしっかり作りこまれた音ですので、その手の音楽を好む方は安心して手を出せる音源です。


WOLVHAMMER - The Obsidian Plains ★★★ (2013-06-01 21:15:30)

2011年発表の2nd。

ショップの紹介によると、スラッジ要素のあるブラックとの事で、割とマニアックな路線を想像していましたが…これ、ストレートに滅茶苦茶かっこいいですね。スラッジ・ドゥーム由来の、街に火の手が上がるような絶望的な引き摺りノイズを塗したリフが視界を黒く染めつつ、ハードコア的な炸裂感のある疾走パートを多く含む展開で聴き手を蹂躙していく、破壊的なブラックメタル。

スラッジ要素の強いバンドにしては意外に少なめのスローパートも、荒廃した雰囲気が上手く演出され、破壊的な疾走パートとの対比もあってかなり魅力的に聴こえる。また、頻度はそれ程多いわけではないものの、ブラック由来のトレモロリフには毒々しいメロディが塗り込められており、展開にインパクトを与えてくれてますね。ブラックメタル特有の高音絶叫と、ハードコア的な怒号を使い分けるヴォーカルも、しっかり邪悪さを感じさせるパフォーマンスでかっこいいです。

これはかなりお勧めです。邪悪なんだけど、重いんだけど、破滅的・破壊的なんだけど、聴いていてスカッとするような、炸裂感のあるかっこよさ。一発でその手の愛好家を引き込める力を持った作品だと思います。


MARBLEBOG - Forestheart ★★ (2013-06-01 19:07:50)

2005年発表の2nd。

ペイガン/アンビエントブラックとして、某ディスクガイドでも紹介されるなど、ある程度の知名度を誇る彼らですが、これはなかなか興味深い音源ですね。ギターリフに込められたメロディこそペイガン的な叙情性を感じさせるものの、根底にはBURZUMの影響が流れていそうな作風の音。

ミディアム中心で、時折バタバタしたリズムを取り入れたドラムパートは「Hvis Lyset Tar Oss」期のBURZUMっぽいですし、ギターリフの金属質な音色は「Filosofem」アルバムのそれをもう少し聴きやすくしたような質感。ヴォーカルの真に迫った絶叫も、当時のCountの叫びに肉薄するような迫力があって、非常にかっこいい。

ただ、初期BURZUMとペイガンブラックを繋ぐリンクとしての面白さというのはあるんですが、作品そのものを見るともう少し展開があった方が個人的には良かったかな…とも。メロディがBURZUM的な陶酔・涅槃的な感じではなく、叙情的・メロウ方向に向いてる感じなので、ドラマ性もある程度あった方が映えた気もします。民族メロ好きで落ち着いたものが好きであればどハマりするかも。


AGRUSS - Morok ★★★ (2013-06-01 17:49:24)

2012年発表の1st。

端的に言ってしまえば、アトモスフェリック・ブラック的な包み込むようなどす黒さを感じさせるディストーションと、刻みやメロディアスなフレーズ等を仕込んだ、メタリックなかっこよさも感じさせるリフを組み合わせた、暗黒度の非常に高いメロディック・ブラック…とでも言えそうな路線なんですが、そんな単純な説明では言い表せない程のカオスを感じさせてくれる、かなりの邪悪盤。

まずヴォーカルの表現力、これが何気に素晴らしい。地を這うような低音グロウルから、喉が張り裂けるような絶叫までを使いこなし、狂性たっぷりに聴き手を圧倒していくようなパフォーマンスも然る事ながら、そのスタイルと、作品の邪悪で重苦しい靄に包まれるような、黒い音質がこの上なくマッチして非常に混沌とした雰囲気に。楽曲の方も、例えばカオティックなメロディとうねるベースを絡ませるパートを設けてみたり、この手の定型をある程度守りつつ、テンプレに嵌まり過ぎない豊かな展開があって、それがまたカルトさを感じさせるんですよね。

これは新興のバンドでもかなり良い線行ってる作品なのではないでしょうか。メロディックブラックのドラマ性と、暗黒アトモスフェリックブラックの禁忌に触れたような邪悪さ、その二つを見事に融合させる事に成功した、かなりの良盤ですよ。


Von Branden - Flammenreich ★★ (2013-06-01 17:28:02)

2012年発表の2nd。

ブラック特有の、禍々しいエナジーを放出するようなどす黒いディストーションを音像の真ん中に据えつつ、トレモロリフやリードギターが儚く神秘的で、時に幽玄さを感じさせるメロディを紡ぎながら進行する、シューゲイザー寄りの感性を持ったブラックメタル。ドリーミーというよりはナイトメアな音像、汚くエモーショナルな濁声ガナリヴォーカルなど、この手のブラックの中では直接的な攻撃性も強めの音。

このバンドの音楽性は、クラシックやジャズ等からも影響を受けているという事なんですが…そういった要素はあくまで副次的で、基本はシューゲイザー系ブラックな感じなのがちょっと物足りないかも。そういう素養があるなら、個人的にはもっとあからさまにやってくれた方が面白くなったような気もします。ただ、黒い音像の中に神秘的なメロディが仄めく様は、ちょっと最近のLUNAR AURORAを思わせる所もあるので、その点はかなり好みなんですが。

という訳で、シューゲイザー寄りのブラックは好きだけど、ブラックメタル本来の邪悪さや攻撃性はある程度保っていないと駄目…という人はかなりハマる作品なのではないでしょうか。私としてはもっと雑多な面を押し出して欲しかった感はありますが。


ミルキィホームズ - シングル曲 - プロローグは明日色 ★★★ (2013-06-01 17:26:49)

この曲、なんかラルクのTetsuya作曲のポップサイドの楽曲っぽい雰囲気があるんですよね…。特にLINKとかGOOD LUCK MY WAYとかの、2000年代半ば以降のシングル曲っぽい感じ。サビのピースフルな高揚感とかっこよさを両立させているメロディなんかもそうだし、爽やかなストリングスの使い方なんかもそれっぽい。当然、個人的にはツボを突かれました。カラオケで男性にキーをちょっと下げてhydeの物真似をしながら歌ってもらったら面白いかも(笑)。


L'Arc〜en〜Ciel - BUTTERFLY - CHASE ★★★ (2013-06-01 17:17:15)

これはかっこいいですね。
以前の、特にSMILE以前のhyde氏の歌唱って、ライブDVDとかで見せるラフで迫力のある歌い方と比べると、音源では丁寧に歌いすぎてて…と思うことが多々あったんですが、この曲はライブ歌唱の迫力を、良い感じにスタジオに持ち込めてる感じがしますね。特に「get away」の伸びのある高音から、ダーティながなり声への以降が絶品過ぎる…。カラオケでhyde氏の物真似をしたがる人は沢山いますが、これを聴くとその気持ちがすっごくよく分かる(笑)。「Revelation」「死の灰」辺りもこんな感じで歌って欲しかったなぁ…。


MASTER'S HAMMER - Vracejte Konve Na Misto ★★★ (2013-05-16 21:28:17)

2012年発表の5th。

非北欧のバンドではシーンの最初期から活動するキャリアの持ち主であったり、初期作のオリジナル盤がプレミア価格で取引されていたり、何気にトリビュート盤まで出ている…等という情報から、ただものでないバンドであることは予想が付きましたが…いやはや、という感じですね。私はこの作品がMASTER’S HAMMERとのファーストコンタクトでしたが、ただただ翻弄・圧倒されるばかりでした。ほんと異星人にでもあったような感じ。

路線としては、ブラックメタルを演奏の主軸としつつも、そこに様々なエクスペリメンタルな要素をぶち込んでくるカルト系アヴァンギャルドという感じですが、根幹を成すバンドサウンドが意外にも骨太なのが、まず特徴の一つですね。スラッシーでメタリックなリフ捌きは何気にストレートにかっこよく、音質もしっかりしているため、ある意味では聴きやすい音、ではあるのかも。

そしてそこにぶち込む実験要素がまた素晴らしいです、常軌を逸してます。トライバルなパーカッションや民族楽器風のが妙な音色の楽器が生み出す、曼荼羅を背に麝香を焚くかの如き宗教的なムードも然る事ながら、電子音やサイバーなフレーズをも用いた先進的な部分も当たり前のように同居させているのが何とも…。持続音により禍々しさが上がり、電子音との対比で妖しさがより強調され、邪悪なムードは更に高まっている感じ。時折Attila Csihar風にも聞こえるダミ声がなりも妖しさを強調。

…この手のブラックって、アヴァンギャルドなパートのみを取り出してみると、ただのプログレや前衛音楽であったり、ブラックメタル本来の邪悪さ・カルト志向から離れた感性で構築されていたりといった事が珍しくないですが、このバンドはブラックメタル要素とアヴァン要素が不可分一体となっているのが素晴らしいんですよね。メタルから変に逸脱せず、しかもちゃんと音楽としてユニークで、非常に面白いものとして仕上げているというか。

いや、これは良い作品ですね。カルトな支持を得ているというのも十分に分かるアルバムでした。センスと才能を兼ね備えた人間が、ダーク方向にそれを発揮したらどうなるかを、身をもって体感させてくれるような作品。SIGHやTHE MEADS OF ASPHODELが好きな方には特にお勧めの逸品です。


MASTER'S HAMMER ★★ (2013-05-16 21:27:03)

チェコ産アヴァンギャルド・ブラック。
80年代後半より活動し、ブラック好きの間でも一部の熱狂的な支持を得ているバンド。


MALEVOLENTIA - EX OBLIVION ★★ (2013-05-15 20:33:11)

2011年発表の2nd。

一言で言えば、トレモロリフと派手なオーケストレーションによるメロディアスに聴かせつつ、ブラストを中心に爆走する、分かりやすいシンフォニック・ブラックではありますが…クトゥルフ神話などをモチーフにしているせいなのか、同系統のバンドと比べるとメロディが華美というよりも、戦慄がどこまでも加速していくような、どこか不気味な雰囲気も伴っているという特徴がありますね。

その傾向が、フランス産らしい耽美な感覚とも相俟って、邪悪さと美しさの同居する、カルトながら引き込まれるようなメロディ使いに仕上がっているように思います。女性ヴォーカリストであるSpleen氏の、男性顔負けの獰猛さと、時折声を裏返らせながら絶叫するヒステリックさを併せ持ったパフォーマンスも、楽曲の持つ禁忌に触れるようなおぞましさを助長している感じがします。

音質はメジャーなバンドと比べると少し平べったい感じがしてしまい、キーがかなり壮大なフレーズを弾いていても、例えばANOREXIA NERVOSAやSCARS OF CHAOSのような「ド派手」な音像にはならない感じなんですが、逆に禍々しさや陰惨さの演出という意味ではこの音でこそ、という気もします。個人的に、ドラムの音の洪水にキーボードやトレモロリフが呑み込まれるミックスは苦手なので、これくらい湿った音の方が良く思えたり。

シンフォニック・ブラックのファンならば鉄板のクオリティ。ただ、現時点ではジャンルの中で飛び抜けた何かがある…という訳ではないので、シンフォブラックにどっぷりな人以外はメジャーバンドを聴いてからでも遅くはないかも。


MALEVOLENTIA ★★ (2013-05-15 20:32:19)

フランス産シンフォニックブラック。
OTARGOSのメンバーが在籍。


IUVENES - Towards Sources of Honour and Pride ★★ (2013-05-13 00:02:02)

2005年発表の3rd。

…バンド名がGRAVELANDそのまんまなフォントで記載されており、しかも発売元があのNo Colours…これでもしペイガン系の音を出してなかったら嘘だよなぁ…と思ってましたが、案の定ペイガンブラックでした。LORD WIND的な壮大なシンセサイザーによるアンビエントに、少しダーティなクリーンヴォーカルと申し訳程度のバンドサウンドを足したような作風で、中期以降のGRAVELANDにも通じる、世界観が広がるような音。

前述したとおり、基本的にバンドサウンドはごくシンプルなものなんですが、それが上手くキーボードと交じり合って雄大で勇ましい雰囲気を醸し出しているんですよね。キーボードの音も、バンドサウンドもはっきり言ってチープといえばチープではあるんですが…まあGRAVELANDやLORD WIND辺りのNo Colours絡みのポリッシュ・ペイガンを愛聴しているような聴き手には全く気にならないかと。

アンビエント寄りのペイガン・ブラックが好きな方にお勧め。GRAVELANDやLORD WINDを聴いて気に入った方が次に手を出すものとしてもいいかもしれません。


ANAL BLASPHEMY - Profane Fornication Ejaculation (2013-05-12 23:58:00)

2010年発表の2nd。

このバンドも、ショップではデス要素を取り入れたブラックという風に紹介されていましたが…BEHEMOTHやBELPHEGOR辺りの様に、デスのダイレクトな攻撃性を取り入れたバンドとは違い、オールドスクール・デスのダーティな部分を取り込み、泥臭くダーティで冒涜的な雰囲気を取り込んだ作風ですね。ヴォーカルのスタイルもブラックよりデスに近い、唸るようなグロウル。

音の篭もらせ方が絶妙で、結果としてウォーブラックに近い、ヴォルヴォルしたアングラの熱気を感じさせる音に仕上がった感じ。トレモロによるメロディアスさや、モダンな音質によるブルータリティなど、分かりやすいかっこよさではないですが、泥臭い音作りからは不敬で野卑なムードを強烈に発しています。

ブラックの中でも「アングラな熱気」の感じられる音が好みの人にお勧め、ですが、プリブラ系のシャーシャーした高音域強調系よりも、低音を強調したヴォルヴォル系の音作りがツボな人は特に気に入りそう。


VIÐR (VITHR) - HEDENSK SKIKK OG TRO ★★★ (2013-05-10 21:25:43)

2012年発表の1st。

ザラザラした質感の、擦り込むようなリフを中心に、緩急付けた展開で聴かせる、割とストレートなブラックメタル。トレモロ含有率はそれほど高くないものの、所々で聴ける土着性を感じさせるフレーズなんかは如何にもノルウェー産のバンドという感じがしますね。…個人的にこの作品で特筆だと思うのは、音作りの上手さですね。ザラついたリフの醸し出すくすんだような音像が、どこか儀式めいた雰囲気を醸し出しつつも、ドラムの音はあくまで抜けよく、ダイナミズムを殺していないのが良い感じ。

…作風的に、メロディアスなリードギターによる土着フレーズで聴かせる部分があったり、ヴァイキング的朗唱を取り入れたり、近年のSATYRICON的な威風を感じさせるミディアム、女性ヴォーカルを入れた妖艶なパートなど、楽曲の展開にはかなり幅を持たせているんですが、それら展開の妙を損なうほどRAWではなく、あくまで「くすんだ感じ」の音作りなのが素晴らしいんですよね。メロウなリードギターが音像に溶け込んでいたり、威風のあるパートではグルーミーな質感も同時に感じさせたり、この音作りは作風に対して完璧にプラスに働いている印象。

2008年結成、1枚目のアルバムを出したばかりという、このジャンルでは新進気鋭のバンドですが、しっかり筋の通ったノルウェジアン・ブラックを演っていてかなり好印象。その手のマニアならば押さえておいて損はないバンドかと。


VIÐR (VITHR) ★★ (2013-05-10 21:23:47)

ノルウェー産ブラックメタルバンド
CDの側面等ではVIðRと表記されている事もあるので、探す際は注意。


IRDORATH - DEKONSTRUKTEUR DES FLEISCHES ★★★ (2013-05-10 21:21:09)

2010年発表の2nd。

ショップの紹介でもデス寄りの音として紹介されていましたが、1曲目を聴く限りスラッシュメタルを更に重くしたような、ヘヴィな音作りに、正統派やメロデスに通じるメロウなメロディを取り込んだ、メタリックでダイナミックな音で、確かにヴォーカルを除いてブラック色少ないかな…と思いましたが、シンフォでオカルティックなイントロまで取り入れた2曲目でブラック流儀のトレモロが解禁、そこからはデスメタルの重さやかっこよさと、ブラックの邪悪メロウが心地良く入り混じった作風に。

この作品、前述の1曲目を始め、曲によっては殆どブラックメタルらしさを感じられなかったりするんですけど、それにも増してギターワークがかっこいいんですよね。ブラックらしいトレモロも勿論良いんですけど、それ以上に耳を惹くのが正統派やメロデスのような、メタリックにギラ付きつつもメロウ鎖を加味するフレーズ。これがスピードだけに頼らず破壊力を生み出す、ヘヴィな音像と融合すると、思わず圧倒されそうになってしまうほど。メリハリの効いた、ドラマティックな仕上がりの作品。何気にドイツ語での押韻を多用した、キレの良いヴォーカルも良い仕事してると思います。

根っからのブラック好きは、アンチクオリティ・アンチメジャー志向でない事に逆に物足りなさを覚える可能性もありますが、真性やプリブラだけでなく、メロデスやメロブラを平行して聴いている人にはかなりお勧め。むしろブラック愛好家以外にもアピールできそうな質の高さがあると思います。


B'Z - C'mon - デッドエンド ★★★ (2013-05-05 10:17:04)

これ、凄くいい曲だと思います。
確かにB'zの定番という感じのロック曲なんですけど、どこか切迫したようなシリアスな雰囲気があって、それが松本さん得意の哀愁メロディの魅力を引き出していると思う。無責任な前向きさではない歌詞も素晴らしいです。こういう状況にいる時って、なかなかこの歌詞のような心境にはなれないものですけど、この曲を聴いて「こういう考え方もあるんだ」って気付けた人もいるのでは。しかし、何で稲葉さんはJロックでは最大の成功者のうちの一人といっても過言でないのに、こう挫折した人、挫折しそうな人の気持ちが分かるんですかね…?


THYRANE - Hypnotic ★★ (2013-05-05 10:15:55)

2003年発表の3rd。
このバンドは初期作がクオリティの高いシンフォニック・ブラックでその手を好むリスナーから高い評価を受けていますけど、この作品は既に脱ブラック化がかなり進んでますね…。

刻みを多用した、メロデスに近いリフワークとミッドテンポ中心のグルーヴィでキャッチーなバンドサウンドに、元シンフォブラックバンドらしい妖しくクラシカルなフレーズや、メカニカルな音色を取り入れたキーボードを乗せた音で、THE KOVENANTや近年のSATYRICON、SAMAEL辺りに近い作風に仕上がってます。流石にシンフォ系で高い評価を得ていただけあって、キーボードのメロディは印象深いものがあって良い感じ。

ただ、正直ブラックメタルらしさが殆どないリフワークは、聴いていてちょっと淡白さを覚えてしまうのも確かなんですよね…。この辺り、作風は変化してもSATYRICONのように邪悪なメロディは残しておくとか、SAMAELのようにどキャッチーでメジャー志向になってしまうか、大胆に耳を惹く部分が欲しかった所。音質もかなり整ってると思うし、質が低いという事は全くありませんが…まあ単純に好みの問題でしょうね。

上記のバンドを始め、DISMAL EUPHONYやDIMENSION F3H、MORTIISなどインダストリアルな方向に活路を見出すバンドは少なくないですが、その辺りのブラック的感性を残したインダストリアル作品を蒐集している方なら聴いて損はないと思います。


THYRANE ★★ (2013-05-05 10:09:06)

フィンランド産シンフォニック・ブラック。
後期はインダストリアルな方向に音楽性を変化させていったバンド。


B'Z - ACTION - 光芒 ★★★ (2013-05-05 09:26:54)

元から超名曲のポテンシャルを秘めた曲だと思ってましたけど、案の定ライブで大化けしてましたね。この1曲を聴けただけでも、ACTIONのライブDVDを買った価値があるというものです。とにかく大サビの熱唱を通り越した、命を削るかの如き絶唱、そして松本さんのギターソロによる大団円…ちょっと凹んでる時に聴いたら無理矢理立ち上がらされるようなパワーを感じますよ。会場にいた人の中には、生きる気力を貰った人も少なくないんじゃないでしょうか。マジで。


L'ARC-EN-CIEL - BUTTERFLY - X X X ★★★ (2013-05-05 09:21:30)

これは他のどのバンドにも真似できない世界観だと思う。
この歌唱を完全コピーできるシンガーはいるかもしれないけど、思いついて実行できる人はhyde氏をおいて他にいないと思う。こういう曲を聴くと、やっぱり彼って他のシンガーより「ヴィジョンが見えているヴォーカリスト」だと思うんですよね。そのヴィジョンを具体化するような、作曲及び編曲能力も見事としか言い様がないです。こんなに妖艶なのに、しっかりポピュラリティと両立させている辺り本当に凄いと思う。


IN THE FROST - IN THE FROST ★★★ (2013-05-04 11:50:43)

2012年発表の1st。

ブラックメタル、それもアトモスフェリック系を愛聴する人であれば、もうバンド名を聴いただけで作風の想像が付いてしまいそうですよね。ブラックメタル特有の歪みの強い音質と、陰影の濃い、寒々しいトレモロリフ、幽玄なキーボードやアルペジオなどが絡み、冷涼な雰囲気を演出するブラック。聴くだけで体温が奪われていくような音作りが実に心地良い。…というか、このバンド名で寒々しさが感じられない音楽やってたら詐欺だと思う(笑)。

ただ、このバンドは泣きの入った哀愁系のリードギターを含むパートが多かったり、ドラムの音作りが意外にもタイトな感じであったりするせいか、他のアトモスフェリック系のバンドと比べると、どこかメタルとしてのダイナミズムも重視されているような印象を受けるんですよね。それでも寒々しいムードはしっかり醸し出せているのが素晴らしい。楽曲に神秘性を加味するような、キーボードの音色選びのセンスもかなり良いと思います。

ぶっちゃけ、バンド名でピンと来たなら買い、って感じで良いと思います。VINTERRIKETやCOLDWORLDほどメタル離れした音でないので、逆に聴きやすく感じる人も多いかも。


IN THE FROST ★★ (2013-05-04 11:50:13)

ポーランド産コールド・ブラック。
昨年Pest Productionsより1枚目のアルバムをリリース。


TOTAL HATE - DEPOPULATING PLANET EARTH ★★ (2013-05-04 11:32:07)

2008年発表の1st。
著名なブラックメタルバンドの作品を多くリリースしているAgoniaより発売。

タイプとしてはまごうことなきプリミティブ・ブラックですが、ひたすらミニマルに展開していくタイプではなく、オールドスクールな躍動感やファストブラック並の殺気の篭もった爆走などが作り出す殺伐としたムードを、RAWな音質が更に掻き立てる、アングラな雰囲気を強く出しつつも、地下臭いダイナミズムも感じられる作風。

猛獣を思わせるような獰猛さと、ダウナーな病的さを併せ持ったヴォーカルの絶叫といい、北欧プリブラを思わせる荒涼感のあるリフといい、しっかりジャンルのツボを押さえた音。音質は安定してノイジーでRAW、まあこのジャンルの平均といった所ですが…何故かタイトルトラックの5曲目の、メロいリードが入るパートで破綻寸前の音になるのがやたら生々しくて怖いんですよね。個人的にはこのパートはアルバムでも最大の聴き所だと思う。

最初流して聴いてたときはいきなりポンコツな音になったので何かと思いましたが、実は疾走パートが凶悪だったり、楽曲の作りもしっかりしていたりで、(あくまでプリブラの価値観で)ハイレベルな音。プリミティブブラックを聴かない日はない、ってくらいジャンルにどっぷりな方にはお勧めです。


TOTAL HATE ★★ (2013-05-04 11:30:23)

おお、渋いバンドが追加されている…(笑)。
ARMAGEDDAやKRIEG、MARBLEBOG、NYLTALGIAなど、ある程度知名度のあるブラックメタルバンドで活動していた事でも知られる、Winterheart氏が加入したバンドですね。何気に1stはAgoniaからリリースしてたりします。


ACRIMONIOUS - PURULENCE ★★★ (2013-05-02 23:02:41)

2009年発表の1st。

よくレビューサイトや通販サイト、メタル系CDショップ等でDEATHSPELL OMEGAが引き合いに出されている通り、DSOが「Si Monumentum~」アルバムで見せたような、不穏で宗教じみたメロディを取り入れた、禍々しさに満ちたブラックメタル。DSOの「Si~」ほど思索性やコンセプト性に富む訳ではないものの、こちらはプリブラにも通じるオールドスクールな衝動性も感じられる音で、DSOのプリブラ期と「Si~」アルバムを繋ぐミッシングリンク的な作風といえるのかも。

基本はそんな感じの宗教色強い不穏なブラックですが、何気に楽曲の展開に幅を持たせているんですよね。例えば2曲目では近年のWATAIN的な、ストレートにかっこいい畳み掛けが聴けるし、5曲目の一部ではちょっとクサめなトレモロの絡みまで聴かせてくれたり。タイトルトラックでもある6曲目の、隠微なギターノイズの中で繰り広げられる不吉なメロディと脈動するミドルテンポの生み出す邪悪ムードも良い感じ。色々展開に工夫はしていますが、決して「ブラックメタルである」「邪悪で宗教的である」ことは崩さないので、ある意味安心して聴けます。

ややRAWさを残しつつもフレーズをしっかり聴かせてくれる絶妙なプロダクション、ドスの効いた凄みを感じさせる中音域がなりヴォーカル等、どの要素もレベル高く纏まっているし、かなりの良盤だと思います。目新しさとかはないですけど、ブラック好きなら買って損はない作品かと。


FROZEN DAWN - The Old Prophecy of Winterland ★★★ (2013-05-01 21:53:56)

2011年発表の1st。
SATYRICONの「Fuel for Hatred」のカヴァー入り。

一応、人並みにメロディックブラックは聴いてるつもりなんですが…この作品は結構な衝撃を受けましたね…。寒々しいトレモロやメロウなリードギターを武器に、緩急を上手く付けて聴かせる、作風それ自体は典型的なメロディックブラックなんですが…とにかくメロディが前に出て主張しまくるのが大きな特徴。クサメタルにどっぷり漬かった人間がDISSECTIONを聴いてその寒々しいメロディの虜になったら、こんな音を作り出す気がします。ごく短いオープニング曲「Cold Winds」の、余りにキャッチーな寒冷トレモロや馬鹿ッ速いドラムロールの時点で、このバンドが派手好きな感性を持っていることは最早確定的でしたけど(笑)。

メロディはしっかり寒々しさや邪悪さといった、ブラックメタルならではの感性が宿っているのに、余りにもそれを前に出しているせいで、最早クサメタルに半分足を突っ込みかけているようなメロメロ具合。ただメロウさや寒々しさがあるだけでなく、しっかり楽曲の展開に合わせてメロディの質感を変えてくる辺り、メロディへの嗅覚は確かなものがあると言って間違いないでしょう。メロディをがっつり強調しつつも、各楽器の音はしっかり聴き取れる音作りはモダンとは言えないものの、決して悪くはないですし、楽曲の展開もメロディの良さを生かすような起伏が設けられていて、なかなかに巧み。メジャー志向な音ではないかもしれませんが、メロブラ好きなら納得できるクオリティは間違いなくあるでしょう。

本人達の意向がどうなのかは知りませんが、クサメタル界でも十二分に通用するであろうクサさを持った、クサメロブラの名盤のお出ましです。ブラック好きのみならず、トレモロリフによって紡がれる、繊細なメロディ目当てでブラックも聴くようなクサメタラー諸兄にも大推薦。これは素晴らしい。


FROZEN DAWN ★★ (2013-05-01 21:52:18)

スペイン産メロディックブラック。
今まで聴いたメロブラの中でも屈指のメロディアスさを誇る作風のバンド。


DUSKEN - ΠΥΡΙΜΑΝΗΣ (pyrimanes) ★★ (2013-04-30 10:31:47)

2008年発表の2nd。

ブラックメタルらしい邪悪な雰囲気を纏ったトレモロリフを武器に、しっかりした展開を緩急付けて聴かせる、王道のブラックで、端的に言ってWATAIN辺りに近い音。ある程度クリアさも保ちつつ、湿り気も含み陰鬱さを助長する音質、WATAINのErik氏に通じる憎悪を込めたドスの効いたがなり、トレモロに頼り切らない楽曲構成、フレンチ勢に通じる毒のある宗教じみたメロディ等、各要素レベル高く纏め上げられている感じ。

但しWATAINやVALKYRJA辺りの、似た系統のバンドと比べると、こちらはメタリックな高揚感はかなり抑え目で、むしろディプレッシブ・ブラックに通じるような沈み込むような陰鬱さも伴っているのが特徴ですね。儀式的な雰囲気が強い音作り、平坦気味に擦り込むようなリフを多用するギターワークの傾向等がそういうムードを作り上げているように思います。上記したバンドに比べると、もうちょっとアングラ・マイナー志向な感じ。

まあ安定のWTCクオリティなので、この手のブラックが好きならば買って損に思うことはまずないかと。最近のブラックはこれくらいのカルトバンドの作品でも、過去の名盤群より聴きやすい音作りになってる傾向があるように思います。良くも悪くもですけど…。


DUSKEN ★★ (2013-04-30 10:30:23)

ドイツ産ブラック。
World Terror Committeeより2枚のアルバムを出してます。


METI BHUVAH - Ⅱ (2013-04-30 10:27:46)

2009年発表の2nd。

バンド名にサンスクリット語(「地軸」の意)を用いていたり、メンバーがレーベルを運営し、そこから自らの作品も出していたり、背景を聞いただけでなんか気合入ってる感じですが…音の方は関連バンドのSOLI DIABOLI GLORIAよりも、更に上級者向けな感じですね。

ノイジーでガビガビした音質が耳を聾する、RAW音質によるオールドスクールなプリブラという感じですが、オールドスクールなバンドにありがちな高揚感は殆どなく、どこか気が滅入ってくるような陰鬱さを感じる音。特にメロディアスという訳でもないのに、地下臭い音作りのせいかやたら陰気に聴こえます。ごく一部で聴けるメロウなトレモロでは意外にも良質なメロディを奏でていたりしますが、そもそもメロディは余り重視されていないような作風。

これは気分が合うときに聴けば心地良く陶酔出来そうですが、普段から聴くにはちょっと辛いかな…って感じですね。上級者向けというかややフェチ向けかも。殺気の篭もったヴォーカルとか悪くないですけど。


METI BHUVAH ★★ (2013-04-30 10:26:13)

ロシア産ブラック。
SOLI DIABOLI GLORIAのメンバーが絡んでます。


CAPRICORNUS - Alone Against All ★★ (2013-04-26 22:50:20)

2004年発表の1st。
残念ながらこのアルバムをリリースして活動を停止した模様。

ポーランドにおけるペイガン/NSブラックのシーンの重要人物であったCapricornus氏ですが、この作品は典型的なプリミティブブラックという感じの音を出してますね。陰鬱さ8割、メロウさ2割くらいの荒涼としたリフを主体としたプリブラの合間に、瞑想的アンビエントなインストを挟んで雰囲気を演出していく作風。粗くて薄い音作りも、リフの荒涼とした感触を上手く助長してます。

7曲目「Bombing Certain Land」のリフ使い等、パートによってはメロウさを押し出してくる部分もありますが、基本的には渋めのプリミティブだと思う。時折用いるオールドスクールな刻みや、高音絶叫ではなく、恫喝するようながなりを聴かせるヴォーカルもあって、殺伐とした感触もかなり強めの仕上がり。民族的というよりは、現代社会への反抗的なイメージの強い音ですね。

ペイガンのメロウさやスケール感が好きな方にはお勧め出来ませんが、プリミティブ好きならすぐにでも受け入れられるであろう音。狂気を派手にぶちまけるタイプではなく、無骨で渋めのタイプを好む方は是非。浸れます。


CAPRICORNUS ★★ (2013-04-26 22:48:48)

初期GRAVELANDにも在籍した、ポーランドのペイガンシーンの重要人物。
ソロとしてはEPやスプリットの他、2004年にアルバムを一枚リリースしています。


ETERNAL MAJESTY - Wounds of Hatred and Slavery ★★★ (2013-04-26 22:47:38)

2006年発表の2nd。

同郷のカルトバンドであるANTAEUSとメンバーが関連していたり、スプリットを出したり深い繋がりを持つバンドという事で、ちょっと身構えてしまいましたが…意外にもアンダーグラウンド成分は少なめな、メタルとして至極真っ当な作風のメロディックブラック。やや粗めの音色のリフに、寒々しいメロディのトレモロを仕込んで来る作風は、フランスのバンドながらスウェディッシュ勢に近いスタイルだと思います。

このバンド、何気に楽曲の作りがかなり丁寧ですよね。リズムにしてもブラスト一辺倒でなく、緩急を上手く付けて展開するし、メロウなベースラインを前に出したりアトモスフェリックなキーで寒々しさを強調したり、結構展開のパターンも豊富。対してヴォーカルは、裏返る寸前のような歪み切った野獣的絶叫で、「ギエエエエエ!!」系のロングトーンが特に素晴らしい(笑)。質の高い音ながら、衝動性の高さもしっかり残している辺りが良い感じ。この手の音にしては雰囲気がメロデスっぽくなってないのも、個人的には好ましいポイント。

某ガイドブックでも紹介されていたり、フレンチメロブラを語る際によく話題に上がるバンドのようですが、確かにそれを裏付けるクオリティがあると思います。DISSECTIONやNAGLFARなど、メロブラの有名どころを一通り聴いた次に手を出す物件としてもかなりお勧め。


SOLI DIABOLI GLORIA - SOLI DIABOLI GLORIA ★★ (2013-04-26 22:44:44)

2009年発表の1st。

バンド名やアートワーク等から、おそらくDEATHSPELL OMEGA大好きなんだろうな…と思っていたら、本当にDSOのカヴァーまで演っちゃってますね…。その事からも察せる通り、初期DSOにも通じる、オールドスクールなプリミティブブラックなんですが…金属質な響きを強調したやたらRAWなドラムと、刃物系のノイズを撒き散らすギターリフが交じり合った血腥い音塊が聴き手を責め苛む、かなりカルトな雰囲気の音。

但し、フレンチブラックの病んだ雰囲気にも通じる、悪のオーラを纏うようなメロディ使い、プリブラとしては緩急の付いた展開、聴き手の喉元を食いちぎろうとするような、いっそ小気味良いほどに歪んだ絶叫ヴォーカルなど、各要素は悪くないんですよね。この荒々しい音質を受け入れられるかどうかで、評価が大きく変わってくる作品だと思います。個人的にはブラックを聴く気分じゃない時だとちょっと辛い音かも。

そんな訳で、悪くはないけれど、正直初心者にお勧めできるほどの作品ではないかも。DEATHSPELL OMEGAの初期作辺りを一通り揃えたくらいのリスナーならお勧めできるかもしれません。


GONTYNA KRY - The Blood of Our Fathers ★★★ (2013-04-24 22:27:15)

2008年発表の2nd。

ディスクガイドやファンジンでも紹介されていたバンドで、ペイガンメタル愛好家から非常に高い評価を得ている…という事は知っていたんですが、実際に買ってみて驚きました。これ、予想以上に素晴らしいです。民族楽器や民族調のキーボードを作曲の主軸に据えるペイガンメタルバンドも多いですが、このバンドはギターにより神秘的なメロディを丁寧に紡ぎ上げていくスタイル。

このギターワークが、本当に素晴らしいんですよね…。トレモロだけに頼らず、リードギターによるフレーズも緻密に重ねて練り上げた音からは、個人的には後期(特に「Prometheus」アルバム)EMPERORと共通するような、熱に浮かされて悪夢に魘されるような、狂的な美しさを感じれらます。刻みも多用し、劇的に展開する音はアトモスフェリックというよりはメタリックな感触なんですが、安直にキーボードを重ねるよりも深遠な神秘性が醸し出されているように思います。

このバンドの作風ならばもっと音が重くても神秘性は損なわれないだろうし、個人的にはもうちょっとヘヴィな音作りでも良かったかな…と思うのと、演奏時間がやや短めなのがネックですが、十分名盤と言って良いアルバムだと思います。こういう、狂熱に浮かされたような神秘性を持ってるバンドって、ペイガン系の中でもレアだと思うんですよね。


GONTYNA KRY ★★ (2013-04-24 22:24:55)

ポーランド産ペイガンブラック。
バンド名は「血の寺院」という意味らしいです。


ANHEDONIA - Der Schrei der Natur ★★★ (2013-04-24 22:21:10)

2008年発表の1st。666枚限定のリリース。
100本限定でイントロ・アウトロ無しのカセット版も出ているとか。

作風としては、俯いてとぼとぼと宛ても無く歩いているような、沈痛さを滲ませたテンポに、このジャンルを愛好するリスナーが求めている陰鬱さをそのまま形にしたようなド鬱なメロディによるトレモロと、音像を弱々しく包み込むようなギターノイズがネガティブに結合したギターワークを乗せた、典型的な鬱ブラック。鬱感情がそのまま垂れ流しになっているような、ある意味自然な感触を覚える音で、波長が合えば非常に心地良く聴ける感じですね。

何気にこのバンド、リズムやギターフレーズの展開の仕方が丁寧で、それがこの自然な鬱感情の流れを感じさせる作風に繋がっている気がします。ただミニマルなだけではない、作りこまれたネガティビティという感じ。音量がかなり小さめなのは個人的には正直マイナスですが、それが今にもフェイドアウトする寸前のような儚さを醸し出しているのは事実かと。ヴォーカルの弱々しさも、声が枯れるまで叫んだ後も尚、感情の残滓を叫びつくそうとするかのような壮絶さを感じさせますね…。

良くも悪くもジャンルのファン向けの音だと思います。鬱ブラック自体好きであれば買い、そうでなければ後回しでもいいかも。まあこのバンドについて検索するくらい鬱ブラックに嵌まっている人なら、確実に波長は合うという気はしますけど(笑)。


ANHEDONIA ★★ (2013-04-24 22:20:29)

ポーランド産鬱ブラック。
かのPest Productionsより一枚のアルバムをリリースしてますが、鬱ブラック好きの間で高い評価を得ている模様。


AOSOTH - Iv:arrow in Heart ★★★ (2013-04-23 23:34:10)

2013年発表の4th。

オールドスクールな印象も強かった1stと比べると、随分深遠な方向に舵を切ってきましたね…。最早「粗い」「ノイジー」では済まされない、暗黒のエナジーが凝縮されているような、凄みの効いた音色のリフと、不穏とか不吉とかを通り越し、聴いてるだけで不幸が降りかかってきそうな邪悪なトレモロを用い、スケールの大きな禍々しさを演出していく音。パーカッションやSEを用いたパートや、混沌とした雰囲気を孕んだ大作主義の展開なども合わさり、血腥さと宗教的な深淵さを両立した仕上がりになっていると思います。

確かに、大作主義な作風であったり、宗教的な深遠さを感じさせる雰囲気、不穏なメロディ使い等という点では、巷で言われている通りDEATHSPELL OMEGAに通じる点もあると思いますが…MkM氏の臓腑から生々しい憎悪を吐き出すかのような、憎しみの篭もったがなり声、ANTAEUSに通じる、暴虐なだけではない、殺気すら感じる殺伐とした疾走パートなど、このバンドならではと言った部分もしっかり残してあり、全く模倣めいた感じはしないのが素晴らしい。

しかし、ドゥーミーなミドルパートの、邪悪な力が目視できそうなレベルの凄みの効き具合も然る事ながら、疾走パートがリフとの兼ね合いでヤバい事になってますね…。禍々しいトレモロと暴虐疾走の組み合わせでは恍惚感すら感じるし、ギュルギュルと焦燥感を煽るようなリフと組み合わさった時は何かに追い立てられるような、不安極まりない気分になるし…こういう、単なる邪悪さを超えた何かを感じさせてくれる所に、個人的には高尚さを感じたりもするんですが、この音に対して「高尚」なんて褒め方したら、逆に殺されそうですよね(笑)。

ただ、唯一の不満はジャケが微妙な事でしょうか…なんか数年後に特価品コーナーで投げ売られてそうなチープさを感じるんですが…。それ以外は文句ないです。擬似的に、地獄を体感できるような凄まじさの作品。


SUPPLICIUM - Magna Atra Missa ★★★ (2013-04-23 23:30:01)

2010年発表の1st。
ジャケやタイトルのフォントも良い感じだし、レーベルも信頼できるところ(Those Opposed)だし…ということで、何となく手に取ってみたんですが、何気に超良盤なんじゃないでしょうか、これ。

タイプとしては、少々プリミティブな質感もありつつ、どこか荘厳さも感じさせる粗く擦り込むようなノイジーなリフで荒廃した雰囲気を醸し出しつつ、要所で浮き上がるようにトレモロを前に出して聴かせる、割と王道のスタイルですが…粗い音作りによる閉塞感のある地下ムード漂う暗黒性といい、トレモロに込められたフランス産のバンドらしい頽廃美といい、ブラックメタルの邪悪さの演出のレベルが非常に高く、いわゆる「ツボ」を抑えた音、という感じ。

特にトレモロリフのメロディセンスが素晴らしく、かのDEATHSPELL OMEGAがプログレッシブな方向に行く前の、サタニックな雰囲気に近いものがあると思います。例えばDSOの「Si~」アルバムと比べると、コンセプト性や構築性では譲るものの、こちらはメロディアスさやトレモロの美しさ・邪悪さをより強調した仕上がり。トレモロリフのノイジーな音質への映え具合が実に素晴らしく、その音自体が凄く神秘的なものに思えてしまうほど。10分超えの曲も多い大作主義の作風ですが、メロブラ好きならトレモロの邪悪美に翻弄されっぱなしで長さを忘れてしまうかも。

あまり知名度は高くないようですが、かなりお勧めの作品。余談ですが、この作品もブックレットが良い匂いなんですよね…(笑)。イタリアのGRIGORIの1stとかもそうでしたが、使ってるインクのせいでしょうか。


CRUXIFICTION - The Coming ★★★ (2013-04-19 14:31:01)

2011年発表の1st。
これはメロブラでもかなりドラマティックな作品ですね。

基本はブラストも交えつつ緩急付けたリズムに、メロウなトレモロリフや、やや粗くノイジー気味なリフを絡ませた典型的なブラックメタルのスタイルですが、泣きメロのギターソロ(パートによってはツインリードまである)を長めにフィーチャーしたり、チャーチオルガンとバンドサウンドの絡みがあったり、アルペジオがアトモスフェリックな空間を演出したり、展開にかなり工夫が見られ、衝動性よりも構築美やドラマ性を重視した仕上がりの音。

音圧、フレーズの聴き取りやすさなど、音質面でも申し分なしで、純粋にメタルとして非常にクオリティの高い音と言えるかと。何気に刻みを利用して厚みを出すパートもかっこよかったり。トレモロなどに見られるメロディの美しさはフランス産のバンドらしさを醸し出してますが、リフのザリザリした、氷の礫が吹き付けるような感触はジャーマンブラックに通じるものがあると思う。これらの要素が上手く絡み合って、メロブラの中でも「耳に残る」音になっているように思います。

メタルとしてのクオリティの高さ、構築美を重視した曲作りから、アングライズムやカルトな空気感は感じられませんが、純粋に質の高い暗黒音楽としてはかなりお勧めできる逸品。マニアックでないブラックもそれはそれで素晴らしいですよ。


CRUXIFICTION ★★ (2013-04-19 14:29:44)

フランス産ブラックメタルバンド。
バンド名はCrucifixionではないので注意。


BURIAL HORDES - WAR, REVENGE AND TOTAL ANNIHILATION ★★ (2013-04-19 14:26:46)

2005年発表の1st。

ややRAWなギターノイズや割れ気味にがなるヴォーカルが真性ブラックの凄みを醸し出しつつも、甘くならない程度にメロウで毒も効いたトレモロを入れてくる、王道とも言えるタイプのブラックで、タイプとしてはWATAINや、同郷で人脈的にも繋がりのあるENSHADOWEDを思わせる音ですね。厚みはありつつも、多少ノイジーな音作りのせいか、有名どころのバンドと比べるとアングラ度は少々高い印象も。

ただ、音作りに荒々しさを残しているせいか、ブラスト激走時の爆発力や迫力はかなりのものだし、テンポを落とす部分でも殺伐としたムードが漂ってるし、決して同系統のバンドに埋没しない凄みを持っているように思います。トレモロリフのヒリヒリした質感や、この手としては短めに纏まった楽曲構成も、爆発力や殺伐ムードを助長しているのではないかと。

衝動性だけでは片付けられない、メタルとしての確固たるクオリティと、ブラックメタルの荒々しさを上手く両立させている、なかなかの良盤だと思います。ジャンルの基本バンドをある程度聴いた方にお勧め。


BLODHEMN - Holmengraa ★★★ (2013-04-18 18:02:32)

2012年発表の1st。

ノルウェー産らしい邪悪なだけではない、土着性を帯びたメロウさも感じられるトレモロを武器としつつ、所々にオールドスクールな熱気のあるパートを挟みドラマ性を演出する、いかにも「True Norwegian Black Metal」といった感じの作風で、TAAKEやGORGOROTH辺りを直接的に連想させるような音。モダン過ぎずRAW過ぎずな、湿り気を帯びたプロダクションも土着的なメロウさ、オールドスクールな熱気としっかり合っていて良い感じ。

ただ、このバンドはDISSECTIONをカヴァーしている事からも分かる通り、上記のバンドと比べると、スウェディッシュ的なダイレクトな叙情性を感じさせるようなメロディが多いような気がするんですよね。そのお陰で適度なメロディアスさが保たれていて、聴きやすく仕上がっている感じ。「いかにも」な音なので、際立った個性がある訳ではありませんが…上記バンドに通じるような、凡百のバンドに無い風格のある空気感が、1stにして醸し出せている気がするんですよね。…まあ、スタイルが好みなのでかなり贔屓目も入ってると思いますが。

あとこのバンド、かなり堂に入ったバンドサウンドを出しているので意外だったんですが、実は独りブラックらしいですね。レビューを書くに当たって調べていてちょっと驚きました。KEEP OF KALESSINやENSLAVEDのリリースで知られるIndie Recordingsが目を付けるだけの事はある良質な物件ですので、ストレートなノルウェー産ブラックが好きな方は是非。


BLODHEMN ★★ (2013-04-18 18:00:45)

マルチプレイヤーInvisus氏によるノルウェーのブラック。
去年Indie Recordingsより初のフルアルバムをリリース。


VLAD TEPES - March to the Black Holocaust ★★★ (2013-04-18 17:58:27)

95年のBELKETREとのスプリット音源。
私は「War Funeral March」とのカップリング盤(ブート?)で聴きましたが…。

以前購入した「La Morte Luna」が、フレーズが聞き取れないようなあまりにも酷い音質で、「確かにアングラでカルトな雰囲気はあるけど、私には無理かも…」とこのバンドを見限りかけてたんですが、とんでもない思い違いでした。VLAD TEPESって偉大なバンドだったんですね…これはマジで素晴らしい。
まずフレーズの反復を楽しむ事すら困難な「La Luna Morte」と比べると段違いに音質が良いです。確かに粗い音質ではあるんですが、DARKTHRONEの3部作やSATANIC WARMASTERの初期作などプリブラの代表的な作品が聴ければ全然行けるレベルで、フレーズや楽曲の展開がしっかり楽しめます。ディスコグラフィを見ると、こっちの方が古い音源なのに…。

そうして楽曲の輪郭が露わになると、如何にこのバンドがブラックメタルとして優れたセンスを持っていたのかが良く分かりますね…。まるで初期EMPERORのような、凍てつく邪悪さを発散するリフを持った曲、アンダーグラウンドの熱気をダイレクトに伝えるオールドスクールな曲、12分を持ち前のリフセンスで聴かせるエピックな大作、フレンチブラックらしい毒々しいメロディの曲…何気にプリブラとしてはバラエティ豊かな作風ですが、どの曲も素晴らしいです。

確かに、本気度満点のヴォーカルが醸し出す危険な雰囲気、低音質、低演奏力を逆手に取った衝動性なども、カルトな支持を得る一因にはなっていると思います。しかし、それらはこの作品の魅力のほんの一部であって、楽曲自体がブラックメタルとして本当に素晴らしい事が、真にこの作品の魅力だと思うんですよね…。EMPERORの1stやMAYHEMの1st、BURZUMの3rdに通じるような、ある意味奇跡的な雰囲気を纏っていると言っても過言ではないとすら思います。ジャンルの本質を衝いているような素晴らしさだと思う。

正直、見限りかけた身としては横っ面を張り飛ばされたような衝撃を受けました。これが、Les legions Noiresの真髄か…骨の髄まで思い知らされてしまった気分。初心者厳禁、なんて野暮な事は言いません。今年Drakkarが再発盤をリリースしてますし、手に入れやすくなったと思うのでブラックが好きならば是非!例え初心者であろうと、波長が合う人なら問答無用で引き込むようなパワーは間違いなく持っているかと。


DENIAL OF GOD - Death and the Beyond ★★ (2013-04-10 01:15:53)

2012年発表の2nd。

関連バンドにPANZERCHRISTがいたので勝手にアグレッシブな音を想像していましたが、これは意外。ブラストパートも時折交えつつも、基本的にミディアム中心に、サタニックで恐怖感を煽るような、ダークな雰囲気たっぷりに進行していく、オカルトなブラックメタル。薄暗い雰囲気を醸し出すピアノ、耽美で邪悪なメロディを紡ぎ上げるトレモロなど、メロのセンスはかなり良く、暗闇で蝋燭が揺らめく中儀式を執り行うかのようなアトモスフェリックな感触もありますね。

ただ、多くのアトモスフェリックな作風のブラックメタルバンドが、アンビエント方向に接近する事でメタリックさの度合いを薄めていくのに対し、この作品は普遍的なHR/HMからの影響も強い感じがします。ハードロックっぽい音の揺らし方がよりオカルトなムードを強めていたり、泣きの入ったフレーズやアンサンブルの力強さが、特にミディアムパートにおいて説得力を与えていたり、それがバンドの方向性としっかり合ってる所が素晴らしい。この辺りは古豪らしいキャリアを感じさせますね…。

正直自分のツボのど真ん中に嵌まる作品というわけではないんですが、若手のバンドには無い聴き応えや深みを感じる作品。波長が合う人が聴いたら名盤に感じるかもしれません。