最近までリリースされていたことを忘れていたジョン・ノーラムのソロバンドによるライブアルバム。FACE IT LIVEという事でグレン・ヒューズが降臨しているのかと思いきや、ここでメインを張るのはブルージーな歌唱スタイルがウリのリーフ・スンディン。 だけに、彼の性質に合う合わないとかもありますが、低迷時期のブルース&モダンヘヴィネス時代の楽曲は少なく、ヨーロッパ時代の楽曲やゲイリー・ムーア大好きぶりも伺わせるカヴァーもありと、聴き応えタップリと言えよう。 中盤で光るバラード『In Your Eyes』などリーフの持ち味を生きており、このラインナップにおける可能性を感じます。MCを挟んでの⑩に流れる展開もグットとダレそうになる中盤も逃げ切りラストまでテンションを下げる事無く完走してくれます。 少々できすぎライブではあるが、1997年という時代に、こういうスタイルのサウンドを堪能できたのは正統派マニアにとってはありがたい事でしょうね。リリース時、スルーをしたので、最近まで耳にすることのなかったライブアルバム。 ジョン・ノーラムファンは勿論ですが、ブルージーなハードサウンドが好みの方ならば大いに楽しめるでしょうね。
元GREAT KING RATのリーフ・スンディン(Vo)ら、スウェーデン人ミュージシャンを引き連れて'97年に行われた、ソロとしては初めてのジョン・ノーラム(G)の来日公演の模様を収めた実況録音盤。発売元は勿論「LIVE IN JAPAN商法」でお馴染みのZEROコーポレーションですよ。 “FACE THE TRUTH”で幕が上がり“SCREAM OF ANGER”にて幕が降りる本編は、CDの容量限界ギリギリまで使って、4枚のソロ作(1st~4th)及びEUROPE時代の楽曲から万遍なくチョイスされていた当日のライブのセットリストをほぼ忠実に再現。 選曲はこれがベストか?と問われれば「そうでもない」と即答できますし、何よりバンドと観衆の掛け合いの類が殆どない、ソリッド過ぎる作りも好みが分かれるところではありますが。 それでも、ギターを身体器官の一部のように自在に操るジョン・ノーラムのGプレイ、ヨラン・エドマンやケリー・キーリングは勿論のこと、グレン・ヒューズ時代の楽曲すら不安げなく歌いこなすリーフ・スンディンの熱唱等、白熱のパフォーマンスの前にはそうした不満もフェードアウトしていきます。リリース当時はあまり良い評判を耳にしなかった3rdや4thからの楽曲も、ここで聴く分には十二分にカッコイイ。 ジョン・ノーラムのソロ時代を手っ取り早く振り返りたいという向きにお薦めの1枚かと。
北欧メタルの持つ透明感と、ゲイリー・ムーア~THIN LIZZY的HRサウンドとが巧みに溶け合わされた、ソロ・アーティスト、ジョン・ノーラムの最高傑作の呼び声も高い'92年発表の2ndソロ・アルバム。 楽曲のクオリティのみならず、それを支える参加ミュージシャン達も結構豪華。囁かれていた不仲説を粉砕するEUROPEの盟友ジョーイ・テンペスト(Vo)、DON DOKKEN時代の仕事仲間ビリー・ホワイト(G)とピーター・バルテス(B)、そしてアルバムのメイン・シンガーを務めるのは歌神グレン・ヒューズ(Vo)・・・どうです、この布陣。まるでジョン・ノーラムというギタリストの過去/現在/未来を総括するかのようではありませんか。 特にグレンのソウルフルなVoは、アルバムの品質のみならず「格」の向上にも大きく貢献。とても絶賛ヤク中街道邁進中(当時)とは思えぬ、張りも伸びも艶もある歌声を終始響かせていて、流石THE GOD OF VOICE。中でもハード・ドライヴィンに本編OPを飾るアルバム表題曲①は名曲中の名曲ですよ。(ぶっちゃけ、この曲のインパクトが本編の印象を霞ませているきらいもあるのですが) 他にも哀愁のバラード③、ジョーイ・テンペストのエモーショナルな歌声が彩を添える⑥(浮いてないよねぇ)、HUGHES/THRALLコンビ作曲の⑩(PHENOMENAのカヴァー)等、優れた楽曲が目白押しなので、ジョン・ノーラムのソロ作に触れるのならば、まずはこのアルバムからどうぞ。