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ARCTURUS - Sideshow Symphonies - Shipwrecked Frontier Pioneer ★★★ (2006-09-30 01:41:33)

音質については本当、明らかに大ポカやらかしましたね。万死に値します。
しかし名曲は、引っ込んだ音質などものともしません。様々な展開を見せる力強い突進力+歌唱で攻める前半も格好良いですが、中盤の宇宙的浮遊感から立ち上がってくるドラマ性といったらもう、筆舌に尽くし難い。
音色に気を使った、派手になり過ぎないSverdのプレイは絶賛するしかないです。


ARCTURUS - Sideshow Symphonies - White Noise Monster (2006-09-30 02:28:30)

3rdに収録されていても違和感なさそうな突進メタルですから、期待を裏切るわけはなく。遊び心が混ざってて素敵です。


ARCTURUS - The Sham Mirrors ★★ (2006-08-10 02:43:00)

02年発表の3rdアルバム。1stはメインギター、前作では多分ギターソロだけ弾いてたCarl-August Tidemann(G.)はもう参加しておりません。SkollことHuge Steven James Mingay(B.)は1曲のみ参加。・・・個人的にかなり悲しい。
2ndが好きだった私の第一印象は「普っ通ー!!」でして、シンフォニック・メタルとしての価値なんか正直どうでもええわと買って数年あんまり聴いてなかったんですが、改めて聴き返してみると、聴き易くはなっていますがシアトリカル・メタルとして優れている事に間違いない音楽だと思えました。
前作は個人的にダーク・シアトリカル・メタルと位置付けてますが、「ダーク」が抜けて「シンフォニック」もしくは「スペイシー」がくっついて、丸くなった感じかと。
前作と較べればそりゃ楽曲は普通にメタルっぽいですが、他のシンフォニック・メタル勢と較べるとかなり異常(プログレッシブ)な音楽だと思います。
デス声も1曲除いてないし、ブラック・メタルに偏見のあるメタラーに対して最初に聴かせる音として非常に優れているでしょう。参加メンバーもブラック界ではそうそうたるメンツですし。
でもこれはブラック・メタルではないですね。
前作は、滲み出る俗悪と発狂感覚が私のブラック・メタル魂を刺激したんですが、今作にはないです。ないから駄目だという意見を見た事はありませんが・・・。


ARCTURUS - The Sham Mirrors - Collapse Generation (2006-08-10 01:25:53)

Hellhammer様!!
この曲聴いてると、LIMBONIC ARTにヘルプしてもらいたかったなどという余計願望を抱いてしまう、煌びやかな突進インスト。


ARCTURUS - The Sham Mirrors - For to End Yet Again ★★★ (2006-08-10 02:05:30)

ビ、ビン・ラディン!?・・・そうか、2002年だしな。だがタイトルはサミュエル・ベケット・・・展開も普通なのかぶっ飛んでるのかいまいちよく分からんスペイシー不条理?ドラマ10分。メロディアスで綺麗な曲だと言えるが、すごーい変な曲だと思います。
2nd好きとしては、冒頭のいやに軽快なリフと気だるいボーカル、最後の壮大なシンセに乗る語りにそそられるわけです。


ARCTURUS - The Sham Mirrors - Kinetic (2006-08-10 02:12:50)

エンタープライズ発進!!
SEやらエフェクトやら乱舞するシンフォニック・ギャラクシー・メタル。


ARCTURUS - The Sham Mirrors - Nightmare Heaven ★★ (2006-08-10 01:10:10)

不気味に蠢くリフ展開に突如差し込むピアノが儚くも哀しい・・・。
中間部のエレクトロニックな暗黒から盛り上がっていく展開もドラマティックだ・・・っていうか盛り上がり過ぎてちょっと可笑しい。「フォーッ!!」


ARCTURUS - The Sham Mirrors - Star-Crossed ★★ (2006-08-10 01:42:53)

繊細かつ激しいエレクトリック・ピアノの旋律と不穏なリフの対比、その中を語りから始まるボーカルが縫って進み、力強く盛り上がっていく。
個人的に、イントロはSHADOW GALLERY(2nd)を思い起こしました。


AT THE GATES - Slaughter of the Soul ★★ (2006-04-25 01:55:00)

前作(3rd)はメロディックなリフによる情感に覆われていたが、今作では無慈悲で冷徹、鋭利な刃物のようなリフに変わり、デス/スラッシュが本来持っていたメタル的攻撃衝動が疾走するアルバムとなっている。「スラッシュメタルが好き」と言いながら「このアルバムが嫌い」と言う人は「頭がおかしい」か「言語感覚がおかしい」かのどちらか。
前作にあったような分かり易いメロディは曲中ピンポイントで出て来るが、それよりも、無慈悲なリフ一つ一つが実は男泣きしていて、アルバム全体を覆う悲哀の量は変わらないと思う。


AT THE GATES - Slaughter of the Soul - Slaughter of the Soul ★★★ (2006-04-25 01:59:55)

イントロでやられる。
あと、この曲が一番「男泣き」の感覚が強いかと。


AT THE GATES - Slaughter of the Soul - Suicide Nation ★★★ (2006-04-25 02:09:51)

裏アクセントリフと表アクセントリフが混ざってるんだね・・・言葉にすると味気ないが、この疾走感と蹂躙感は癖になるわ。
デス/スラッシュって素晴らしい音楽だと改めて思える。


AT THE GATES - Terminal Spirit Disease ★★ (2006-04-25 00:57:00)

94年発表の3rdアルバム。
ここから、作曲クレジットがのほとんどが「Bjorler/Bjorler/At the Gates」、レコーディングスタジオ「STUDIO FREDMAN」、プロデューサー「Fredrik Nordstom」となってクオリティが鬼のように上がる。プログレッシブ路線は完全廃棄、伝統的なメタル/スラッシュの疾走感に焦点を絞った作曲によって、萌芽に過ぎなかったメロディセンスが全面開花、全てのリフに情感が宿り、歯切れの増したTomasの怒りの叫びを伴ってここに深い哀切と暴力衝動が疾駆するメロディック・デス・メタルの一つの完成形を見る事になった。
調べてみると、DISSECTIONの1st「THE SOMBERLAIN」、DARK TRANQUILLITYの1st「SKYDANCER」が93年、IN FLAMESの1st「LUNAR STRAIN」、OPETHの1st「ORCHID」、そしてこのアルバムが94年に発表されている。当時のスウェーデン地下で一体何が起こっていたのか・・・。
スタジオ録音6曲とライブ録音3曲という変則仕様。新ギタリストにMartin Larssonが加入している。


AT THE GATES - Terminal Spirit Disease - Terminal Spirit Disease ★★★ (2006-04-25 02:23:38)

よく聴けばこの曲は、3/4拍子と4/4拍子を絡めたミドルテンポの曲だ。でも疾走感はある。その上ギターリフが泣ける。さらにデス声なのにサビでの歌唱に悲しみが宿ってる。


AT THE GATES - The Red in the Sky Is Ours ★★ (2006-04-24 22:21:00)

92発表の1stフルアルバム。
このアルバムはデスラッシュではなくプログレッシブ・デスと言え、4th「SLAUGHTER OF THE SOUL」の影はほとんど見て取れない。ヴァイオリニストを含む6人編成、せわしなく落ち着かない展開、乱舞するメロディック・リフ・・・「メロディック・デス」という言葉すら生まれてない時期、北欧の地下で行われていた新しい形のデスメタルを作り出す為の「プログレッシブ」な実験から出てきた、異形のデスメタルであろう。
脈絡がない変態的展開に下手糞なヴァイオリンにチープ極まる音質と、負の要素が溢れているにも関わらず、それらに目を瞑って聴き続けられる理由は、3rd以降如何なく発揮される事になるメロディ感覚の萌芽だ。特にAndersの泣きの感覚が支配する⑤ 「Windows」が出色だが、どう贔屓目に見ても二流のデスメタルなのに、気付くと悪いと思えなくなっている・・・いや、4thを先に聴いている人がどう思うかは何とも言えないが・・・。
ちなみに、まだベースのJonasが曲作りにほとんど関わっておらず、それどころか、メンバー写真には別のベーシストが写っていたりします。


AT THE GATES - The Red in the Sky Is Ours - Windows (2006-04-25 03:04:11)

展開は何が何だかという感じですけど、ギターの泣きっぷりは2ndの「THE BURNNING DARKNESS」と同等、っていうか似てる。
初期AT THE GATESを代表する曲と言い切ってしまおう!展開はどうかと思うが!


AT THE GATES - With Fear I Kiss the Burning Darkness ★★ (2006-04-24 23:15:00)

93年発表の2nd。
私が所持している邦盤の帯文句には「・・・前作とは異なる方向性を打ち出した・・・」とあるが、どう聴いても基本路線は1stと大差はない。次々と忙しく展開するプログレッシブ・デスメタルで、作曲クレジットから推測するにAlf中心で作られたからだろうが、展開がより複雑で分かりにくく、難解なアルバムだと思う・・・Alfは⑤や1stの「NEVERWHERE」を聴く限りいいメロディを書くのに、どうしても複雑怪奇な展開にするんだよなぁ・・・やはりまだ二流の域を出たと言い難いし、言うまでもなくデスラッシュとは言えない。音質とTomasのデス声が良くなっている。jonasはまだ作曲クレジットに載ってない。
このアルバムを最後にAlf Svenssonが脱退(その後Oxiplegatzへ)。


AT THE GATES - With Fear I Kiss the Burning Darkness - Primal Breath (2006-04-25 02:30:58)

このアルバムを最後に脱退したAlfの遺産かと。
曲展開は無闇で冗長だけど、差し込まれるメロディに一聴の価値はある。


AT THE GATES - With Fear I Kiss the Burning Darkness - The Burning Darkness ★★ (2006-04-25 02:51:27)

二分強しかない小曲だが、二本のギターがひたすら泣きの旋律を奏で続けていて胸に迫るものがある。
複雑で難解なアルバムに含まれているだけあって、何気に5/4拍子メインで5/8拍子+6/8拍子やら混在する無茶な事やってますが、難解な印象は微塵もない。それは情感の表現に成功しているからでしょう。
でもこのオリジナルより、3rd収録の(ボーナスでない)ライブ版の方がテンポ速めだしボーカルもいいと思ってたり・・・。


ATROX ★★ (2006-05-26 02:30:00)

>Usher-to-the-ETHERさん
今MonikaのHPにあるインタビューを読んでみたんですが、逆じゃないですかね。
「ORGASM」を聴いてはないんで分かりませんが、「ORGASM」では今までの歌い方に自信がなくしてしまって"Contentum"(2nd)の時のように“weird"でもなく“indian, arabian influenced"もあまりない歌い方になっている、と読みましたが、私の訳し間違いですかね・・・どうでしょう?
しかし・・・レーベル側から「もっと普通に歌え」と言われてたみたいっすねー・・・その方が女性ボーカルメタルとして売れるからだろうけど、個人的には「ふざけんな!」と言いたいわ・・・まー、Monika自身がお気に入りのアルバムが「TERRESTRIALS」と言ってるのが救いですけど・・・。


ATROX ★★ (2006-05-26 11:36:00)

>Usher-to-the-ETHERさん
読みました。
つまり、前作までは入念に(あの独特の)ボーカルラインを作ってレコーディングに臨んだけど、問題(独特のボーカルラインへの反発が無視出来なくなった)が起こったため、(独特のボーカルラインを完全に捨てて)スタジオで即興で作った、という意味ですかね・・・。
「ORGASM」聴いてないんで即興の良さがあるかないか分かりませんが・・・インタビューアの「全く特異な作品ですね!(They are quite unusual...)」という問い掛けに対する、Monikaの「どこが?(not THAT unusual I think)」という返答が全てかなーと思いますね・・・。
ちなみに私が読んだのはこのページですttp://edvardsensingers.free.fr/indexmonika.htm
一応先頭h抜きましたが、これ直リンクになるんですか?


ATROX - Mesmerised ★★ (2006-09-19 01:20:00)

97年発表の1stアルバム。
同郷のバンドTHE 3RD AND THE MORTAL(1st)、IN THE WOODS...(1st)に近い雰囲気がありますが、おそらく最もメタルぽいというか、男性と女性ボーカルを擁しているところなんかからもゴシック・メタルと呼ぶ人も多そうな音です。
THE 3RD AND THE MORTALのように妖精を幻視するほどの神秘はなく、初期IN THE WOODS...のように静寂と発狂が豪快に展開されるわけでもなく、比較的個性は薄いですが、ただやっぱりノルウェイの矜持というか、上記に挙げたバンド同様に森林から発せられる妖気みたいなものが強くあって、耽美的というより幻惑的、ゴシックを冠するほどには重くなくて軽い感じ・・・浮遊感がある。似たバンドを辿っていくとMANESを通ってBURZUMに辿り着くという、静的ブラックもしくはアンビエント・ブラックの雰囲気があります(MANESは良く知りませんが)。
で、女性ボーカルMonikaですけど、時折その異常な声域の広さとアラビア/インドぽい音階・歌唱法を垣間見せますが・・・エキセントリック/ヒステリック/イノセンスを握りつぶして飲み込んだ挙句、それを小悪魔と堕天使の二重人格を駆使して放出しているような「あの」ボーカルは聴けません。凄い普通に妖しく歌ってます。
2nd、3rdの後にどうぞ、という事でしょうか。


ATROX - Terrestrials ★★ (2006-04-07 18:08:00)

このバンドはやはり、元The 3rd and the MortalのAnn-Mari Edvardsenの妹がボ-カルだったり、発売元がブラック/デス/ゴシックをメインに扱うSeason of Mistだったりするから、真っ当なメタルファンの手に届きにくいのは仕方ないと思う。だが、このCDは先述したものとは何の関係もない。ブラックではなく、デスでもなく、ゴシックでもない。そういったカテゴリを飛び越えた場所にこのバンドは存在している。言ってみればプログレであってメタルなのだが、発売元のバイオグラフィーにある「スキゾフレニック・メタル」がもっとも核心を突いた言い方だろう。
個人的な表現をさせてもらうと、
「発狂した元ちとせが結成したメタルバンド」
とか、
「女の亡霊に取り憑かれたCynic」
とか、
「性転換して喜ぶDevil Doll」
といった趣。ジャンルにこだわらず聴かれるべきバンドだろう。
聴き続けていると、その妖艶で不気味で涅槃じみた「あちら」側の魅力に、魂が誘惑されて、要らない肉体を自殺させた後、肉体を離れた魂が「あちら」に辿り着いて快楽に溺れて戻って来なくなってしまった・・・そんな、危険な白昼夢を見るほどの魅力がある。

あと、このCDを買うきっかけとなったレビュー主、Usher-to-the-ETHER氏に感謝したい。素晴らしい出会いをありがとう。


ATROX - Terrestrials - Mare's Nest ★★★ (2006-04-12 12:25:22)

歌い、語り、囁き、呟き、喘(あえ)ぎ、叫び、喚(わめ)き、呻(うめ)くソプラノヴォ-カル千変万化の六分間。
微かな呻き声が高音ソプラノ絶叫へ転移する瞬間は、何度聴いても恐怖を感じる。


BALSAGOTH - BATTLE MAGIC - BLOOD SLAKES THE SAND AT CIRCUS MAXIMUS (2006-04-24 18:06:30)

この曲を聴けば、ま、前作のダーク・サーガ路線を期待してる俺が間違ってたと納得せざるを得ない。どう聴いてもこれはBAL-SAGOTH版エレクトリカル・パレードで、気味の良くないクラシックです。でもインストに9分費やすところがらしいと言えばらしい。
個人的には、インストなのに何故、歌詞が3ページ弱もあるのかと問いたい。


BALSAGOTH - BATTLE MAGIC - THE DARK LIEGE OF CHAOS IS UNLEASHED AT THE ENSORCELLED SHRINE OF A'ZIRA-KAI (THE SPLENDOUR OF A THOUSAND SWORDS GLEAMIMG BENEATH THE BLAZON OF THE HYPERBOREAN EMPIRE PARTⅡ) (2006-04-24 18:45:40)

タイトル、鍵括弧の中とか要らない気もしたが、もう意地で。とても訳す気にならんがイントロ聴くと、タイトルは「いざ行かん!我が軍の勝利の為に」で満場一致すると思うわ。愉快にも程がある。
「楽しい行軍」パートは後半、両軍衝突したのか疾走パートへ変貌します。でもこのアルバムの中では4分台と短く、まとまった聴き易い曲ですよ。
あと3ページみっちり埋めてる歌詞ですが、早口選手権の優勝者でも呼ばないと4分で言い尽くせないと思う。


BALSAGOTH - STARFIRE BURNING UPON THE ICE-VEILED THRONE OF ULTIMA THULE - IN THE RAVEN-HAUNTED FORESTS OF DARKENHOLD,WHERE SHADOWS REIGN AND THE HUES OF SUNLIGHT NEVER DANCE ★★ (2006-04-24 03:06:31)

タイトルの長さはアルバム中二番目・・・まだ上がある・・・。
曲の基本は相変わらずシンフォニック世界の語り部が突如「ィエエエエーッ!」と発狂して走り回る展開ですが、この曲には明確にサビというか、曲の落としどころがはっきりとあります。シンフォニックシンセとギターメロディの掛け合いみたいな感じで、メタル的格好良さに哀愁も含まれてて印象に残ります。


BALSAGOTH - STARFIRE BURNING UPON THE ICE-VEILED THRONE OF ULTIMA THULE - SMMONING THE GUARDIANS OF THE ASTRAL GATE ★★ (2006-04-24 02:47:54)

ギターに乗った語りから一転、突貫馬鹿一代狂乱スピードメタルの世界へようこそ。後はもう暴れ狂おうや。
と言いつつも、テンポ落としてノリ変える展開なんかはかなり格好良い。


BLUT AUS NORD - MoRT ★★ (2006-11-15 12:55:00)

おめでとうございます。傑作、というか完成形じゃないですか。
前EP「THEMATIC~」の拡散した視野は悪くも良くもありましたけど、今作は正反対に、自分達の独自性に焦点を絞った形で、その他のアンビエント/スーサイド/暗鬱系ブラックの中でも孤高の異形性を顕示していると思います。
端的に言って、これはメタルではない、と言えます。
メタルとして聴くと、ボーカルラインがありません。リフがありません。メロディがありません。ドラムパターンがありません。楽曲構成がありません。当然、曲毎の差異がありません(曲名もない)。恐ろしく単調でつまらない、「もや」みたいなアルバムです。
けれども、これはブラック・メタルと申せましょう。
つまりそれだけ、メタルの概念が完全に瓦解するぎりぎり、崩壊するぎりぎり、もう少し形が崩れると別の音楽(ただのダーク/インダストリアル・アンビエント)になってしまという、非常に危うい、絶妙な場所に立っています。本当、瀬戸際です。境界例です。メタルとして捉えると、あらゆるパートが気を狂わせる為に存在しています。ギターとかドラムとかパターンとして追おうとするとホンマヤバイです。頭がおかしくなります。

トレモロ・リフもマシン・ブラストも完全消滅、ブラック・メタルとしても随分辺境の音ですけど、暗鬱ブラックやってBURZUMの影が見えないというのは偉業ではないでしょうか。さらに、驚愕のノーマル・ボーカルによる味付けが、このバンドの将来を明るく照らしております(なんて感動的なんだ!!)。プログレを経由して世界に羽ばたいて下さい。
未だにバンド名は読めませんけども。


BLUT AUS NORD - The Work Which Transforms God ★★ (2006-09-09 21:29:00)

うひゃひゃひゃひゃ、これは最高だ。
ブラックだろうがデスだろうが、エクストリーム(極端な)・ミュージックと呼べるものは何かしら病気持ちの音楽だと思いますけど、こいつらは一体どんだけの病気を併発してんだ、と心配になりますな・・・「疫病神」の称号を与えたいですね。03年発表の4thらしいです。
ブラック・メタルって割と「躁病」が評価されやすいですが、私のような「鬱病」派にとっては、何と言うか願ったり叶ったりみたいな音です。ブラストもありますけど全くメインではなくて、不協和音の不安定さと得体の知れないホラーの空気が土台としてあって、まー・・・そこに骨格としてブラック・メタルみたいなものがくっついてる、と言っていいです。構成とかありますけど、大方、リフらしいリフはありません。
つまりこれは、ブラック・メタルとアンビエント・ミュージックの境界線にあると言えますかね。マシン・ドラムもいささかドラム・ビートという概念を崩しにかかっていて、インダストリアル的なところに踏み込み始めているかと。
ボーカルは2人くらいゲスト参加ですけど、それは非常に象徴的で、このアルバムは「メイン・ボーカルがない」と考えていいと思います。歌詞も載ってないですし、別に調べたくもならないです。
つまり、喚き声もブラストもあって音質もいかにもプリミティブなのに、ブラック・メタルを逸脱しかかっているアルバムでしょう。ブラック・メタルみたいなダーク・プログレと言えます・・・実際オフィシャルの「好きなバンド」にGENESISやPINK FROIDが挙がってますしね・・・アルバムのどこにもそんな片鱗はありませんがw。
XASTHURはすぐBURZUMを想起するのに、このアルバムはあまり想わないのは、そういう事だと思います(無論BURZUMの子供である事は間違いないですが)。
タイトルも素晴らしいですねぇ・・・何となく訳すと「神性変換作品」ですか?切迫するにもほどがある悪夢を見て死ぬほど寝汗をかくのが好きな方はmust buyですよ!!

おそらくギター、ベース、(ドラム含む)デジタル関係の三人編成と思われますが、ブックレットに何も書いてないので確認出来ません。

あと、私が購入したものは05年に再発された、「THEMATIC EMANATION OF ARCHETYPAL MULTIPLICITY(05年発表のEP)」との2枚組みでしたよ。


BLUT AUS NORD - The Work Which Transforms God - Axis ★★ (2006-09-09 14:07:32)

人間業じゃない豪速マシン・ブラストで幕開けですが、そこに何の嫌味もないのは、最早音楽性がメタルの管轄外だからでしょうかね。
しかしこのアルバム、どの曲も展開すればするほど盛り下がってくのが面白くて仕方ないわw。


BLUT AUS NORD - The Work Which Transforms God - Inner Mental Cage ★★ (2006-09-09 15:07:36)

デジタルの恐怖といった趣。ブラック的絶叫のピンポイントな使い方がまた素敵です。


BLUT AUS NORD - The Work Which Transforms God - Metamorphosis ★★★ (2006-09-09 02:58:32)

マシン・ドラムで生ドラムみたいな事するのも、ま、いいですけど、その逆ってのも可能性があるわけで。
この曲のマシン・ドラムに何があるかつーと、ギクシャク感・不安定感ですよ。ドラミングの歴史からすればおそらくギャグっつーか、ドラムになってないでしょうね。
でもこのバンドはそもそも、リフがリフの体を成しておらず、不協和音/ノイズ(ギター)にさらに恐怖と不穏(SE・喚き声)があるだけなんで、そこに機械だけに正確無比にネジを外してくるリズムが加わればそれは正に、鬼に金棒。
素晴らしくブッ壊れたプリミティブ・アンビエント・ブラックです。


BLUT AUS NORD - The Work Which Transforms God - Our Blessed Frozen Cells ★★ (2006-09-09 03:14:51)

イントロが何気に泣いてますねー。アルバム中では割とまともなリフが続いてXASTHURみたいでもある・・・後半のシンセのメロディがまた憂鬱で雄大ですなぁ・・・。
ただ、あまりにも普遍的スーサイド・ブラックすぎて「らしくない」とも言えます・・・いや、名曲には間違いないですよ。ひとしきり感動して、死にたくなります。


BLUT AUS NORD - The Work Which Transforms God - Procession of the Dead Clowns ★★ (2006-09-09 15:16:08)

アルバムのアウトロに位置しているインスト。
淡々と刻まれる重いリズムに、メロディが雄大に流れて行く。
展開らしいものも全くない10分であり、思う存分憂鬱に浸れる反ヒーリング・ミュージックだ。


BLUT AUS NORD - The Work Which Transforms God - The Choir of the Dead ★★ (2006-09-09 14:34:46)

実質アルバム1曲目。いきなり6分なんで、嫌いな人は1曲も聴けないと思います。不協和音と不穏と不吉のカオス・・・「不」ばっかだw。
ミドル・テンポ・パートのパターンがどうにも掴めない冗談みたいなドラムがツボすぎ。最早不条理です。


BLUT AUS NORD - Thematic Emanation of Archetypal Multiplicity ★★ (2006-11-14 03:58:00)

5th(2006年)が4thの路線に戻ったので、このEP(2005年)は実験作であると言えそうです。もう全然ブラック・メタルではないです。ほとんどボーカルもギターもないので、メタルでもない。ダーク・ダンジョン・ミュージックとでも申しましょうか。
実質3曲入りで、どれも曲調が違いますが、廃墟と化した工業都市のような荒涼としたイメージは統一されていなくもなく、精神をじくじくと蝕む雰囲気はこのバンドらしいといえばらしいので、反ヒーリング・ミュージックとして期待を裏切る事はないでしょう。
4thや5thのようなブラック・メタル的邪気はない音響系インダストリアル/エレクトロニカ音楽とはいえ、清らかさや美しさなどに意欲を向けず、「さあ今度も新しい病気を生み出すぞ!!」といった間違った方向への気力が相変わらず溌剌としていますので、そこが頼もしいです。
いやしかし、イントロからアウトロまで、虫けら一匹見当たらない生命感のなさは何なんでしょうか。


BORKNAGAR - Borknagar - Vintervredets sjelesagn ★★★ (2006-07-26 01:59:55)

メロディック大爆走ブラック!!このバンド真性ではないので、邪悪さより爽快さが強いんですよ。初期BAL-SAGOTHみたいな感じ?
爆走パートの次に勇壮なコーラスが出て来て落ち着いた、と思ったら爆走、ギターメロディを生かしたミドルパートが来たね、と思ったらまた爆走、このドラマティックで死に物狂いな突貫根性は敬意に値する。突貫ブラックの大名曲!!


BURZUM - Hvis lyset tar oss - Inn i slottet fra drømmen ★★★ (2006-04-16 23:56:23)

イントロからもう、シンプルなリフの執拗な反復が病的。たった一つのリフでここまで狂気を表現したものはそうあるまい。
あと、スローパートに入った後(4分03秒くらい)の奇声が、どうしても私には真似出来ない(しなくていいんだけど)。


Bal-Sagoth - BATTLE MAGIC ★★ (2006-04-24 16:54:00)

98年発表の3rd。
ジャケがアメリカンコミックみたいになってますが、音像もそんな感じに変化してます。ダーク・サーガではなく、ヒロイック・ファンタジーと言える世界観。ブラックメタルっぽい攻撃性が減退した代わりに煌びやかなミドル・スローパートが浮上、シンフォニックアレンジも全体的に明るくなっている印象を受けます・・・ま、シンフォニック・スピード・メタル・オブ・やりすぎ系の基本理念は変わってませんが。
突貫魂の薄れはブラックメタルファンとしては寂しいんだけど、今聴いてたら、野山を越えていく戦士達の行軍やら、森を彷徨って辿り着いた湖で戯れる妖精やら、森を抜けた先の丘から見えた広大な朝焼けの絶景やら、見知らぬ都市での不可解なパレードやら、色んな情景が思い浮かんで何だか楽しくなってきちゃったよ。


Bal-Sagoth - BATTLE MAGIC - BLOOD SLAKES THE SAND AT CIRCUS MAXIMUS (2006-04-24 18:06:30)

この曲を聴けば、ま、前作のダーク・サーガ路線を期待してる俺が間違ってたと納得せざるを得ない。どう聴いてもこれはBAL-SAGOTH版エレクトリカル・パレードで、気味の良くないクラシックです。でもインストに9分費やすところがらしいと言えばらしい。
個人的には、インストなのに何故、歌詞が3ページ弱もあるのかと問いたい。


Bal-Sagoth - BATTLE MAGIC - THE DARK LIEGE OF CHAOS IS UNLEASHED AT THE ENSORCELLED SHRINE OF A'ZIRA-KAI (THE SPLENDOUR OF A THOUSAND SWORDS GLEAMIMG BENEATH THE BLAZON OF THE HYPERBOREAN EMPIRE PARTⅡ) (2006-04-24 18:45:40)

タイトル、鍵括弧の中とか要らない気もしたが、もう意地で。とても訳す気にならんがイントロ聴くと、タイトルは「いざ行かん!我が軍の勝利の為に」で満場一致すると思うわ。愉快にも程がある。
「楽しい行軍」パートは後半、両軍衝突したのか疾走パートへ変貌します。でもこのアルバムの中では4分台と短く、まとまった聴き易い曲ですよ。
あと3ページみっちり埋めてる歌詞ですが、早口選手権の優勝者でも呼ばないと4分で言い尽くせないと思う。


Bal-Sagoth - STARFIRE BURNING UPON THE ICE-VEILED THRONE OF ULTIMA THULE ★★ (2006-04-24 02:33:00)

96年発表の2nd(この年には、以前のレーベルメイトCradle of Filthが「Dusk and Her Embrace」を発表してますね)。ちなみにBal-Sagothというバンド名はロバート・E.ハワードの小説から取ったそうで。
Cradle of Filthがホラー風味のデカダン世界を構築したのと同様のレベルで、こちらはダーク・ファンタジー・サーガを物語っています・・・いや、その情熱の迸り加減は、推測ですけど、両バンドの全アルバムの中でもこれが一番ではないですかね。だってアルバムタイトルからして長過ぎでしょう?略になってない!曲のタイトルはもっと凄い事になってまして、それはもう、「この曲を聴け!」に登録するの嫌になるくらいっすよ。
曲の方も、やりすぎなシンフォニック・シンセと抑えきれない突貫ブラック根性が矢継ぎ早に「これでもか!」というほど繰り返されるシンフォニック・ブラック・アホ・メタルです(良い意味で)。サーガの世界観にに酔い過ぎてか曲単位では印象に残りにくい感じですが、そんな小言言うよりこの愛すべきB級メタルと共に叫んで暴れまわる方が100倍楽しいですね。
ま、さすがに彼らも全体的にタイトルが長過ぎると反省したのか、次のアルバムではその辺考慮されています。
3rdアルバムのタイトルは、「Battle Magic」・・・そりゃ略し過ぎだろ!


Bal-Sagoth - STARFIRE BURNING UPON THE ICE-VEILED THRONE OF ULTIMA THULE - IN THE RAVEN-HAUNTED FORESTS OF DARKENHOLD,WHERE SHADOWS REIGN AND THE HUES OF SUNLIGHT NEVER DANCE ★★ (2006-04-24 03:06:31)

タイトルの長さはアルバム中二番目・・・まだ上がある・・・。
曲の基本は相変わらずシンフォニック世界の語り部が突如「ィエエエエーッ!」と発狂して走り回る展開ですが、この曲には明確にサビというか、曲の落としどころがはっきりとあります。シンフォニックシンセとギターメロディの掛け合いみたいな感じで、メタル的格好良さに哀愁も含まれてて印象に残ります。


Bal-Sagoth - STARFIRE BURNING UPON THE ICE-VEILED THRONE OF ULTIMA THULE - SMMONING THE GUARDIANS OF THE ASTRAL GATE ★★ (2006-04-24 02:47:54)

ギターに乗った語りから一転、突貫馬鹿一代狂乱スピードメタルの世界へようこそ。後はもう暴れ狂おうや。
と言いつつも、テンポ落としてノリ変える展開なんかはかなり格好良い。


CADAVER INC. - Discipline ★★ (2006-05-28 00:43:00)

何なんでしょうかこのハイスピード・テクニカル・突貫・血飛沫・メタルとしての鬼のクオリティは。
スラッシュ/デスから引き継いだ残忍で殺傷力の高いリフ・ワークを、90年代ブラック・メタルが培ったブラスト技術+絶叫の手法で彩ったといった趣で、まー、うるさいわ忙しいわ狂ってるわ笑うしかないわですけど、曲は3分台で聴き易い上、展開もブラストに頼り過ぎずメタル的な格好良さもアリときてつまり、初心者スラッシャーからブラックマニアまで全員納得せざるを得ないこの問答無用さ加減は実のところノルウェーの奇跡ではないでしょうか。
私はこれ正直、ブラック・メタルと言わない方がいいと思います。邪悪(Evil)とは言えないし、音質も比較的普通で、マニアのものにしておくべきでないかと・・・いやApollyonは時折発狂しますけど。
無理に例えるなら、1349の「BEYOND THE APOCALYPSE」とORIGINの「INFOMIS INFINITAS INHUMANITAS」を足して2で割った感じですか・・・まー、何が一番狂ってるかといえば、CADAVERの日本盤を出しといてこれは出さなかったトイズ・ファクトリーだと思いますが・・・。
メンバーは、CADAVERからの中心人物Neddo(っていうかAnders Odden。SATYRICONやMAYHEMに少し関わってます。G。)に、"関わったバンド多過ぎ"Czral(っていうかCarl- Michael。Dr。)と、"関わったバンド多過ぎ・その2"Appolyon(Vo)と、無名のベーシスト。


CADAVER INC. - Discipline - Deliverance ★★★ (2006-05-30 01:29:14)

ミドル~ファスト・テンポも格好良く叩けるからブラストも生きてくる、といういい見本になる曲ですね。ドラマティック暴動スペシャル。
1曲目はブラスト大全開で、2曲目にこの、複雑で激しい構成の曲が来るというのは優れた曲順だと思う。


CADAVER INC. - Discipline - Killtech ★★ (2006-05-30 00:50:11)

この曲のイントロからブリッジへの突入が、アルバムの中で一番痺れたパートです。「行くぞオラァーッ!!」って感じ。いや全曲そんな感じですが。
ゲストでFaustが何か喋ってます。


CADAVER INC. - Discipline - Manic ★★★ (2006-05-30 01:04:04)

鬼ッ速のスラッシュ・ビートがド偉い格好良さ!!何すかこのシンバル!!
さらにツーバスの鬼連打やら鬼のブラストやらもう鬼だらけだ!!
タイトルは「躁病」でいいのか?いいよね。正にそんな感じ。躁の鬼です。


CADAVER INC. - Discipline - Reptile Robots ★★ (2006-05-30 10:41:18)

これは8曲目です。
私にとって⑦⑧⑨の流れがこのアルバムのハイライトになってる原因を探ると、私の好みがブルータリティではなく、メロディだからでしょう。
この曲のどこがメロディックやねんという感じですが、リフ自体は忙しく動いてて音の流れはある。緩急もありますしリフが印象に残るのです。


CADAVER INC. - Discipline - Rupture ★★★ (2006-05-30 01:52:20)

この曲のボーカルが、アルバム中で突出して発狂してますが、この歌を超越した、天まで届く厭世の叫びはクレジットからしてもしや、Fenriz御大だろうか?!
どちらにせよ、もう「ウヤワワワワーッ!!」って感じで歌詞読む気ないし!!Lord Wormもびっくりの格好良さ(悪い意味で)!!


CANNIBAL CORPSE - Vile - Absolute Hatred ★★ (2006-10-30 18:25:06)

ミドルテンポ・デスですけど、意味分かんない変拍子感覚がギター・ソロ・バトルへと疾走する展開が巧み。
ソロ・バトルの合いの手「HATREEEED!!」がイカしてるわー。


CARCASS - Heartwork ★★ (2006-11-29 03:04:00)

「迫力」「暴力」といった要素で聴かせる音でなく、どちらかと言えば繊細かつ病的なデス・メタルであると思います。曲構成は「突進」「騒乱」といった感覚は排除、ミドルテンポの導入などにより落ち着いており、メタリックで整然と構築されてます(様式に則っていると言えばいいのか)。
Bill Steer(G.)のリフは前作から格段に進歩していると思います。音の運び方がいちいち分かりにくく盛り上がらない、グラインド・コアやりすぎて気が触れたようなリフばかりで、これが非常に繊細で醜く、気高い。私はこのリフの音を追うのが死ぬほど好きでして、濁流の蠢きのような③「NO LOVE LOST」、疾走する旋律が押しなべて病的な⑦「ARBEIT MACHT FLEISCH」、複雑な構成が絶望の帝王のような貫禄しか醸し出さない⑧「BLIND BLEEDING THE BLIND」(何故ここまで盛り上がりませんか)は個人的大名曲ですが、これが土台です。
対してMichael Amott(G.)は、前作収録「INCARNATED SOLVENT ABUSE」でも発揮されたとても掴み易い疾走感+旋律の美しさを大幅に盛り込んでおり、おそらく④「HEARTWORK」⑥「THIS MORTAL COIL」に強くある、言葉に変え難い高揚感を持つ流血と疾走のツイン・リード・パートは、この人によってもたらされたのではないかと私は考えてます。
この2人の対比です。そういうヨーロピアン・デス・メタルです。ゴアを通過しないと出来ない稀有な(そして歴史的な)アルバムだという事を、なによりKen Owenのもたり気味ドラムが語っている気がします。このドラムがスラッシュ/デス的なビートを「上手く叩けなかった」事は、奇跡的に重要である気が脳にまどろんでますが、どうでしょう。

誰の琴線にも触れようとしなかったバンドのこのアルバムの日本盤帯文句は「あなたの琴線に触れる」で御座いましたね。93年発表4thアルバム。


CARCASS - Heartwork - Arbeit macht Fleisch ★★★ (2006-12-02 00:54:25)

原題「ARBEIT MACHT FLEISCH」。
お先真っ暗な世の中を時間に急かされて生きる感じの、絶望的な疾走感が堪らないですね。
この歌詞で、「Blood,sweet,toil,tears」のサビに華があったら嘘になります。この盛り上がらなさが素敵な地獄なのです。対比として旋律のあるソロが、残酷なほどの甘美さを持ち得ています。曲の終わり方も格好良いです。


CARCASS - Heartwork - Blind Bleeding the Blind ★★ (2006-12-02 01:36:43)

ソロの掛け合いも盛り込まれながら、重いドラマが展開するダーク・メタル。デス・メタルではない気がします。
これを歌モノとして聴くのはデス声に慣れないと難しいかもしれない。疾走感もありませんし・・・冒頭の高揚感のなさといったらないです。


CARCASS - Heartwork - Doctrinal Expletives ★★★ (2006-12-02 01:54:17)

世の中を皮肉って嘲笑ってるようなひょうきんさがあり、アルバムの中では浮いてると思います。中途半端なノリの良さ・キャッチーさが、返って吐き気をもよおすと言うか。
このアルバムは⑦⑧⑨が地味なんで、確かに隠れた名曲かもしれない。


CARCASS - Heartwork - Heartwork ★★★ (2006-11-30 02:59:43)

聴き易さも含め、やっぱりこれが最高の楽曲です。鮮血が霧のように噴出すツイン・リード、情感豊かなソロ、キャッチーなサビ、緩急織り交ぜた構成・・・デス・メタル史上に燦然と輝いているはずです!!


CARCASS - Heartwork - No Love Lost ★★★ (2006-11-30 02:40:50)

PV見るまで何の印象にも残りませんでした御免なさい。それくらい素晴らしい映像なので是非。

Bill Steerによる感情が死にまくったリフだけで構成されてます。しかもミドルテンポ。この世の終わりです。正に「憎しみだけが残る」。
次作「SWANSONG」とつながりは強い曲と言えなくもない。


CARCASS - Necroticism - Descanting the Insalubrious ★★ (2006-11-25 16:47:00)

92年発3rd。
Ken Owen(Dr.)作のバラバラ死体のような構成で聴かせる前半から、グラインド/ゴアというより歪で病的な甘美さ持つBill Steer(G.)主導の後半へと流れて行く印象は、そのままこのバンドの変遷・転換点としての記録となっていると思われます。
Michael Amott(G.)主導の⑤「硫酸どろどろなんでも溶かす」もあり、これも名曲でありましょう。
次作「HEARTWORK」と較べると、ヘヴィさ・シリアスさよりもグラインドぽい軽快さ・コミカルな感じがまだあり、歌詞からしてもそうですが、ヘヴィ・メタルとして見れば「何の冗談だ」と言われるアルバムではあります。
私は「HEARTWORK」が、特にBillの作るリフが好きなんで、④「由緒正しき屠殺場」⑥「肉体不協和音」⑦「リゼルジン酸による嘔吐、吐瀉物による洗浄」辺りが好みです。

ちなみに邦題の中では、⑧「若き臨床科医の肖像」が中原昌也の短編のタイトルみたいで良い(グロは別にどうとも思わないんで)。


CARCASS - Necroticism - Descanting the Insalubrious - Carneous Cacoffiny (2006-11-25 21:16:53)

ギターソロ以降の叙情性が次作「HEARTWORK」に匹敵は、してませんけど(構成に整合性がない)、歪んだ描写から突然出て来る旋律にハッとさせられます。


CARCASS - Necroticism - Descanting the Insalubrious - Incarnated Solvent Abuse ★★★ (2006-11-25 14:50:18)

原題は「INCARNATED SOLVENT ABUSE」です。
Amottが持ち込んだ、グラインド的でないデス/スラッシュ的疾走感が生かされたHM/HRとして非常にキャッチーな楽曲であると思います。構成の妙によって発生する瞬発力ならCARCASSの中で一番かと。
旋律的にもさることながら、展開のつなぎとして機能するSteerのソロがお見事(Amottについては言うまでもなく)。


CARCASS - Necroticism - Descanting the Insalubrious - Lavaging Expectorate of Lysergide Composition ★★ (2006-11-25 21:36:45)

原題「LAVAGING EXPECTORATE OR LYSERGIDE COMPOSITION」。
言い訳しようないタイトルに反して、なんと楽曲はアルバム中一番真っ当。
ゴアでもメロデスでもなく、これは(歌詞読まなければ)泣きと哀愁のヨーロピアン・デス・メタルだと思います。ソロはAmottだけでなく、Steerまで泣きまくっており、その点だけで判断すればこの曲、「HEARTWORK」のどの曲よりも上です。隠れた名曲だと思いました。
「リゼルジン酸による嘔吐、吐瀉物による洗浄は隠れた名曲」。
人生で二度と聞く事のない言い回しですな。


CARCASS - Necroticism - Descanting the Insalubrious - Pedigree Butchery ★★ (2006-11-25 15:14:58)

邦題「由緒正しき屠殺場」。
次作「HEARTWORK」に通じる名曲だと思います(展開が一部グラインド臭いですが)。
両ギターがソロを二回弾いてる時点で驚きますが、最後のSteerソロの後の(肉汁を旨みを想起させる)甘美な情景は悶絶必至。


CARCASS - Reek of Putrefaction ★★ (2006-11-23 14:35:00)

音楽ではないですね。嫌悪感の塊、破滅へまっしぐらサウンドです。死体のプールを高笑いしながら背泳ぎしつつ「生命とは何か」と自問自答するような気持ち悪さがありますよ。
腐った内臓のような音質に、四肢が乱れ飛んでゆくような演奏のドタバタ感が、これでこそ完璧なのだ!!と思い付いた次の瞬間どうでもよくなってる感じです。


CARCASS - Swansong - Cross My Heart (2006-12-01 02:22:18)

絶望的に盛り上がらないサビが、心底救いようがありません。これぞダーク・メタル。


CARPATHIAN FOREST - We're Going to Hell for This-over a Decade of Perversions - Bloody Fucking Nekro Hell ★★★ (2006-07-05 03:11:03)

冒涜の爆発と疾走ここに極まれリの1分間で御座いますよ。
これ聴いてライブで叫びたくならなかったら嘘だ。


CARPATHIAN FOREST - We're Going to Hell for This-over a Decade of Perversions - I Am Possessed ★★★ (2006-07-05 03:00:38)

この女声の使い方は面白い。耽美と無縁の、全くもって冒涜的な使用法であって、「女性性は貶めてナンボ」というこのバンドらしいエロ格好良いブラック/スラッシュ・メタル。
真面目に言えば、このバンドは美醜対比の可能性を(主に冒涜方向に)広げてくれている。


CARPATHIAN FOREST - We're Going to Hollywood for This ★★ (2006-10-08 03:19:00)

04年発表のライブDVDです。メインのライブは60分ですが、DVDという大容量メディアのありがたみを痛感するボーナスの内容は以下の通りです。
・WACKENでのステージ(30分)
・昔のライブのブート(20分)
・「DEFENDING THE TRONE OF EVIL」のレコーディング風景(10分)
・ビデオクリップ一本
・NATTEFROSTインダビュー
以上が映像。さらにボーナスで音源があり、デモやらライブやらプリプロやらGRIMM(このバンドの前身と思われる)の音源やらで計18曲。全て見聞きすれば3時間くらいかかりそう。出し惜しみしないにも程がありますよ。

で、メインのショウについては・・・私は相当派手なパフォーマンスをするバンドと思ってましたが、意外に淡々としてました。NATTEFROST(Vo.)はギターを弾いてないんだからもっと色々動き回るものと思っていたらマイク・スタンドの前からほとんど動きません(無論、腕振り上げたり煽ったりと色々やってますが)。ま、WACKENのライブの方はステージ広さもあって結構動き回っているんで、トータルで不満足はしないと思います。
特筆すべきはダンサーの存在で、ほぼ全裸の女性ダンサー2人、と書くと何か色めき立ちますが、詳しく言うと、えっと・・・過剰に脂肪を貯えられた、老齢の女性達です・・・はっきり言えば・・・デブの婆さん 2人がバンドの後ろでフラフラと歩いておられるのですな。当然の如く、全く見たくありません。毒々しいにも程がある!!
いやしかし、エロ+グロ= 邪悪=「ダンサーは裸のお婆様」というこの答えを出したのは、ひとえにNATTEFROSTの慧眼と申せましょう。エロティシズムにこだわるCRADLE OF FILTHの先を行ってますね。見直しましたよ(負の方向に)。永遠のアンダーグラウンド・エンターテイナー・カリスマとして頑張って下さい。

さらに、1000枚限定でボーナスディスクがついており、PCのデータ(映像)が入ってます。
この内容については明言を避けたい。
銃殺、斬殺、死体損壊、あとウンコが大好きな方が感涙しそうなものだとだけ。私は、再び見返す事がなさそうです。
まあ、NATTEFROSTの素顔が見れた事も驚きましたけど、まさか○○○まで拝見出来るとは夢にも思わなかったねぇ・・・。


CELTIC FROST - Monotheist ★★ (2006-09-19 03:32:00)

素晴らしい、素晴らしい、素晴らしい・・・何度書けば気が済むのか分からんが、これは素晴らしい。
いないと思うが、テンポが遅いから「これはゴシック・メタル」などという輩がいたら、そいつには正拳突きを食らわさねばなるまい。ゴシック・メタルは基本、耽美の意識が宿っているものだと個人的に思っているが、これはその逆。「美」の意識が全くない。世の中のあらゆる「病」を背負って立つ音楽だ。
心臓、肝臓、胃、すい臓やら咽頭やら身体のあらゆる部位に癌が転移し、何一つ機能している部位がないはずなのに、「それでも生きている」化け物。そこら辺のエクストリーム・ミュージシャンと同じ人間とは、とても思えない。
「魔界に通じる」とか「魔界のBGM」とかそんなもんではなくて、おそらく、CELTIC FROSTというバンドが「魔界そのもの」なのだろう・・・。
他にも色々書きたいけど、今作しか知らないので止めます。


CHILDREN OF BODOM - Something Wild ★★ (2006-09-24 01:07:00)

これは奇跡的な、偶然の産物としてしか生み出せないアルバムじゃないかと思ってます。
ブラック・メタルなのかデス・メタルなのかとかジャンルの話はどうでもよくて、まだ10代だった彼らが、速くって、アグレッシブで、テクニカルで、構成もクラシックから引用したりと何か凝っててとか、とにかく、その頃の彼らにおいて「格好良ければそれでいい」という、非常に荒々しい感性「だけ」で作られたアルバムではないでしょうか。
ま、どんなバンドも1stはそういう勢いが前に出るもんですけど、このバンドが例外なのはプレイヤー全員が揃いも揃って馬鹿テクだった事で、高度なテクニックや(おそらく)難度の高いクラシカル・フレーズを、荒々しさ(ワイルドさ)の為の要素として扱えてしまえたのでしょう。
結果として、新人としては驚異的に複雑なフレーズが、新人らしい突貫根性でもって最初から最後まで荒れ狂うという、信じ難く格好良い作品となっています。

2ndであっさりと洗練されてそれはそれでいいんですけど、このアルバムは「未洗練の良さとクオリティ」という、そうそう相容れない二つの要素が同居している稀有な作品です。


CHILDREN OF BODOM - Something Wild - Children of Bodom ★★★ (2006-09-24 01:59:51)

シンセが引っ張りまくり。ソロも素晴らしいです。
あと、これくらい色々展開してくれた方が何が何だかよく分からなくて好きだなあ。


CHILDREN OF BODOM - Something Wild - Deadnight Warrior ★★★ (2006-09-24 01:27:09)

1曲目からギターの「弾きまくりたくてしゃあない感」がたまらんのですよ。フレーズ前にスライド入れ過ぎだ!!ソロの終わりも何じゃコリャですよ。


CHILDREN OF BODOM - Something Wild - In the Shadows ★★★ (2006-09-24 01:33:11)

ドラマティックですけど、展開が何かもうやけくそです。やけくそな格好良さ。いやもうこれでいいのです。
私は1stではこの曲が一番好き。


CHILDREN OF BODOM - Something Wild - Touch Like Angel of Death ★★ (2006-09-24 01:53:35)

走り倒さない落ち着いたテンポにクラシカルなメイン・リフが印象的です。これは聴き易いですね。


CODE ★★ (2006-08-12 16:50:00)

正確なバンド表記は<CODE>。
オフィシャルHP http://www.codeblackmetal.co.uk/
それにしてもDHGはどうなったのだろうか・・・オフィシャルが消えてますが・・・。CD出ないならKvohstには<CODE>の2ndを作って欲しいなー。


CODE - Nouveau Gloaming ★★ (2006-08-12 14:29:00)

私は今まで約100枚ほどのCDのレビューを書いたが、それらは全てこのCD、このバンドを一人でも多くの人に気に入ってもらう為、引いてはブラック・メタルの未来の為である、と言っても過言ではなかった。
このバンドの「ブラック・メタルとしての」評価を高める為には何が必要で、何を捨てねばならないか、その価値観が私の全レビューの根底に流れていたりするのです。
断るまでもないと思いますが、私は<CODE>信者です。2005年発表の1st。

『(90年代初期のブラック・メタルには)「催眠的(幻惑的)」でありながら「残忍」みたいに両極端な要素が混ざった、ミステリアスで独特のムードがあったよ。昔のアルバム…初期EMPERORとか初期BURZUMとか、そういった独特のムードが素晴らしかった。「とにかく速くてブルータルであればいい」なんて事はなかったはずで、(中略)俺達はそういったムードをしっかり汲み取って、新しいブラック・メタルを作っている』(海外サイト上のインタビューを意訳)

最近のENSLAVEDやSATYRICONに近い、私が「新世紀型ブラック・メタル」と勝手に呼ぶスタイルである。ブラック・メタルが秘めている「麻薬」の現代的抽出法。
・・・と言えば何か格好良いが、つまりブラストはほぼ「ない」、ボーカルが特徴的なほど狂って「ない」、メロディアスと言えるほどでは「ない」、SEはあるけどシンセは「ない」、評価しようとすればもう泣きたくなるほど、一般的なブラック・メタルの美点が突出してない。
言い換えれば、前述のインタビューにあるように、ムードは確固として受け継ぎ、表面的な部分は意欲的に刷新しているブラック・メタル・スタイルである。
ブラック特有の引き攣ったリフが全編を支配するものの、疾走感ではなく停滞感を重視する圧迫的ミドル~スローテンポ、BURZUM辺りのドゥーム/アンビエント要素を取り込んだ絶望的耽美意識、デス声と同等なほどに繰り広げられる暗鬱なコーラスワーク、地獄の濁流の中を這いずりながら歌い上げるようなベースライン・・・。
シンフォニックを完全除去してヘヴィ・メタルに接近したARCTURUS「ASPERIA HIEMS SYMPONIA」、ノーマルボーカルを取り入れて音楽性を高めたBURZUM「DET SOM ENGANG VER」とも言えますが、最も的確なのは、普遍的ブラックに接近したVED BUENDS ENDE...「WRITTEN IN WATER」。
「WRITTEN IN WATER」をHRにするとVIRUSの「CARHEART」になり、BMにするとこのアルバムになると思います(でもHRなのに「CARHEART」の方が狂ってますがw)。
ENSLAVED やSATYRICONが何作も経て作り上げているスタイルを、いきなり凄まじい完成度で作り上げた奇跡の作品。ブラストも北欧的メロディもないからといって評価を投げないで欲しい。もしかすると、このアルバムを包み込んでいるのは英国的湿り気かもしれない。
・・・手段に目(耳)を奪われて、目的を見失ってはならない!!・・・
私はこのアルバムを聴いてそう確信した。新世紀ブラック・メタルの未来の指標となる一枚であると断言しよう。
Vo.、 G.*2がイギリス、B.、Dr.がノルウェーの人。Kvohst(Vo.)はVOID、DHG(元DODHEIMSGARD)に、Viper(B.)は Victonik(G.)としてDHG、VED BUENDS ENDE...、AURA NOIRに参加、ArwarikiaR(Dr.)は伝説的ULVERの元メンバー(ってKvohstが言ってたんだもん)。
1曲目の歌詞にFenriz参加。歌詞は概ねAndrew Nicol(詩人?)から拝借している。

最後にもう一つ過激なインタビューを。無論意訳。
『俺達は、他のどのバンドよりも、ブラック・メタルの理想に近付いてると思うよ。そもそも音楽は…嫌悪だとか・・・戦争による死が、破壊が、みたいに、退屈でくだらない事ばっかりじゃなくて、もっと表現出来る事が沢山あるわけでさ…まー、そういうくだらないブラック・メタルを求めるっていうなら、俺らの事は放っておいて、ANAAL NATHRACHとかMARDUKを買いに行けばいいんだよ』
繰り返すが、私は<CODE>信者である。


CODE - Nouveau Gloaming - A Cloud Formed Teardrop Asylum ★★★ (2006-08-12 15:21:02)

このアルバムを代表する曲でしょう。
ドゥームとブラック、コーラスとデス声の完璧な融合による絶望と寂寥渦巻く高濃度の五里霧中。発散される情感が悲し過ぎる・・・。
スロー・ブラックとして世に知れ渡ってくれ!!


CODE - Nouveau Gloaming - Brass Dogs ★★★ (2006-08-12 15:00:34)

VED BUENDS ENDE...に通じる幻惑的なアンビエント/ドゥーム色の強い絶望の漂流。
気だるいボーカルワーク、嘲笑的ベースライン、救いのない7分間。


CODE - Nouveau Gloaming - Ghost Formula (2006-08-12 16:12:28)

アンビエント・ドゥーム、アルバム最長9分。デス声はほぼなく淡々とアルペジオが進行、さすがにこれはブラックではないです。
呟きや囁きが重なっていく幽玄かつ幻惑的な涅槃。私はANATHEMAっぽく感じたりしました。
それにしてもKvohstの声はこういう雰囲気にバッチリ合いますね。これからも頑張って下さい。


CODE - Nouveau Gloaming - Radium ★★★ (2006-08-12 15:55:53)

このバンドにViper(Victonik)が加入した事は本当に大きい。言ってしまえば、もし彼が加入しなかったら、確実にこんなに面白いアルバムにならなかったはずだ。
この曲はそれを強く実感する。あからさまにベースがメロディ弾いてます。VED BUENDS ENDE...でSkollの魂を受け継いだのだろうか?
1曲目同様ミドル・ブラックの傑作。デス声の掛け合いも卑しくて最高。
そして中間部からの展開が有り得ない!!馬鹿みたいに格好良い!!メロディで、ではなく、リフが格好良過ぎて泣きそうになったわ。


CODE - Nouveau Gloaming - The Cotton Optic ★★★ (2006-08-12 14:52:38)

アルバム1曲目。
摩擦係数の高いリフがじりじり脳を侵食する正統的ミドルテンポ・ブラック。サビのデス声による掛け合いが痺れ過ぎる。
これ以上のミドル・ブラックはそう現れないであろう。


CODE - Nouveau Gloaming - Tyburn ★★★ (2006-08-12 15:43:39)

ついに来た、ArwarikiaR本領発揮。うわはははは、やっぱ最高だ。
元々この人は派手なプレイをしない、と言うより「堅実で効果的なドラム」以上のプレイをしない人だ。「余計な金物など一切入れてたまるか」という禁欲的ブラストに目眩がする。ULVERの3rdが脳裏をよぎるねぇ・・・。
ブラストはこれだけだが、このピンポイントの使い方は好きです。
曲の方は、相変わらず暗ーいコーラスが鬱にさせてくれますし、終わりのボーカルメロディは切なく、そして美しい。


CRADLE OF FILTH - Cruelty and the Beast ★★ (2006-05-21 02:08:00)

発売された当時、前作「DUSK AND HER ENBRACE」を崇め奉っていた私は、「泣き」どころか「哀愁」すら薄いこのアルバムの楽曲群とパタパタドラムに心底絶望、2度ほど聴いた後「大駄作」の烙印を押して部屋の奥に封じ込め、その後、このバンドを思い出す事は、最近までなかった。
改めて聴き直してみると、「シアトリカル・デカダンス・ドラマ」ではないが、「ドラマティック・ダーク・スラッシュ・メタル」としてとても楽しめた。疾走感に重きを置いた作風で、その疾走感を失わないようにして、装飾もドラマも付随しているように感じる。全編スラッシーでメタリックな快感で構成されており、翻って、前作はプログレッシブなアルバムと言えるのかもしれない。
哀愁はないが、その分恐怖と不穏が際立っているわけで、それはつまり、このバンドの幅広い表現力の証左だったのだな、と今更反省した次第です。輸入限定盤だけ取っておいて良かったと思うし、このサイトの存在を知って本当に良かった。
今度また、MIDIANから買い始めようと思います。


CRADLE OF FILTH - Dusk and Her Embrace ★★ (2006-05-15 17:06:00)

前ミニ・アルバムと較べて基本路線は同じ「シアトリカル・デカダンス・ドラマ」だが、そこにさらに、哀愁の旋律が全編を覆い尽くし、シンセも女声もブラストも何もかも哀しみに向かって収斂されていく。特に④「A GOTHIC ROMANCE(RED ROSES FOR THE DEVIL'S WHORE)」、⑥「MALICE THROUGH THE LOOKING GLASS」、⑨「BEAUTY SLEPT IN SODOM」のようなバラードパートの出現が顕著な例で、個人的には、これ以上壮大に悲劇に酔える音楽を知らない。猛烈に泣ける。
悲壮のドラマが猛然と疾走するメロディック・ブラックの超大傑作。捨て曲一切なし。完璧。神の作品。何百回聴いたか分からない・・・という行き過ぎの絶賛は、日本盤と輸入デジパック盤と棺桶ケース盤を所持している私には許されると信じる。
個人的には⑤「NOCTURNAL SUPREMACY '96」を外して聴いて欲しい、96年発表の2ndアルバム。
ちなみに、「Daniの奇声が受け付けない」という意見をよく見るが、私にはその意味が分からない。理解不能。初聴時から「素晴らしい」以外の感想を持った事がない。


CRADLE OF FILTH - The Principle of Evil Made Flesh ★★ (2006-05-15 14:55:00)

94年発表の記念すべき1stアルバム。
いやはや、まずジャケが最高過ぎ。女吸血鬼が女性を襲ってるわけですが、まー単純に言って、裸の女性二人が血塗れで抱き合ってますな。いやーエロい。何度見てもエロいです。しかし、金がなかったのか内ジャケは至ってシンプルで、独特のデカダンス世界はありません。
音の方は、次作以降繰り広げられる「シアトリカル・デカダンス・ドラマ」の雛型というか、複雑でメロディックな「ドラマティック・スラッシュ・メタル」と言えます。
音質が良くなくて、シンセの音色が薄っぺらく豪華とは言えない上、装飾以上には扱われていないので明確に分かりますがこのバンド、「ブラックメタル」と言われていても、端から「どれだけ速く演奏するか」という勝負に乗ってないんですよね。「暴虐」よりも「耽美」の意識が強い。このアルバムの時点は装飾塗れの暗黒絵巻ではないしスラッシュ的な聴き易さがあるという点で、案外「CRUELTY AND THE BEAST」が気に入っている方はすんなり受け入れられるかもしれません(それより後は聴いた事ありませんが)。
Daniのボーカルスタイルもデス/スラッシュに近く、超音波絶叫もなく、濁っているけど狂ってません。
繰り返しますが音質は悪いです。
この時点で既にギター、ベース等の表記はなく、皆さん「Satanic War Noise」や「Winter Evening Storms」等を担当しておられます(何じゃそりゃ)。


CRADLE OF FILTH - V Empire or Dark Faerytales in Phallustein ★★ (2006-05-15 15:49:00)

96年発表の1stに次ぐミニ・アルバム。
1stと較べるといきなり音圧が格段に上がっていて、冒頭のリフからもう禍々しさが違う。Daniのボーカルも高音絶叫から低音咆哮まで幅広く駆使、さらに女性ボーカルもSarah Jezebel Deva等が全面的に参加して演劇性が過剰なほど加わり、ド派手になったオーケストレーションがまたドラマを煽って煽って煽りまくって疾走・狂気・頽廃・哀切・恐怖・官能が暴風雨の如く暴れ回るシアトリカル・デカダンス・ドラマがここに完成している。1stと基本的に音楽性は変わってないのだが、凄まじい装飾の嵐でとても同じに聴こえない。
「DUSK AND HER EMBRACE」が好きなら聴かずに死ねないアルバム。
ここからジャケが良い感じになってますが、メンバー写真は全員が全員瞳孔がなくなってて怖いです。


CRYPTOPSY - Once Was Not ★★ (2006-05-13 02:56:00)

個人的に、3rd、4thと期待を裏切られ続けたが、2ndまで在籍していたLord Worm(Vo)復帰と聞いて喜び勇んで購入、その期待は完全に満たされた。素晴らしいデス・ボーカルである。さすがに1st、2nd時のようにはいかないが、これでも充分・・・いや、Mike Desarvoの後任であるのだから、これぐらい歌っぽい方が3rd以降のファンも安心なのかもしれない・・・いや、しかし、凄いボーカルだ。
デス声って実は歌(Vocal)というより、パーカッション(Throat)に近いものだが、この人のボーカルスタイルは、パーカッシブな心地良さすら消そうとする。つまり、こんなに音楽的に価値のない、酷いボーカルってないんじゃないかと(日本盤ボーナスのライブと原曲を比較すると特にそう思う)。
このバンドはアルバムを重ねる毎に、テクニカルな部分ばかりが増長し、そして、技術ばかり取り上げられてしまった。結果、近作は複雑化・難解化し、聴き手としては、通して聴くだけでも精一杯のアルバムだったと思う・・・だが、Lord Wormの無価値なボーカルは、バックの技巧や複雑さを相殺、展開を泥濘化する。逆に、これほどの技術を駆使して盛り立ててようやく、Lord Wormの声に生気が、意味が宿る(言い換えれば、「Lord Worm+下手糞な楽器陣」のバンドって、誰も見向きしない気がしませんか)。
デス史上最高峰の楽器陣と、デス史上最底辺ボーカルの組み合わせ・・・この、デス・メタル史上最大の矛盾・葛藤・無駄・馬鹿馬鹿しさこそが、CRYPTOPSYの魅力だと、私は断じて疑わない。Lord Worm出演のPVも最高だった。次作もよろしくお願いします。


DARK TRANQUILLITY - Haven - Fabric ★★★ (2006-10-09 17:30:04)

ミドルテンポのメランコリック・デスの理想型の一つかと思います。
デス声による激情によって綴られる悲しみのドラマ。最小限の展開にフックもバッチリ、完璧です。


DARK TRANQUILLITY - Skydancer ★★ (2006-07-06 02:52:00)

93年発表のデビューアルバム。ボーカルは現IN FLAMESのAnders Friden、次のミニアルバム(カップリングされている「OF CHAOS AND ETERNAL NIGHT」)からボーカルを担当するMikael Stanneはギターを弾いている。
当時の、スウェーデンの地下実験から生まれたプログレッシブ・デスの一形態。
メロディック・デスという言葉は当然あるわけない頃で、「デス・メタルをメロディックにプレイする」などと言えば鼻で笑われた時代であったに違いない(今でも知らない人からすればそうか)。そこにこんなアルバムが出て来たとなれば、一体どれほどのインパクトがあったか、想像に難くない。何せ、「メロディックでない」部分を探すのが難しいのだから。
コードリフの格好良さや、デスの重さは捨て、ただただ「メロディ」が矢継ぎ早に、そして徹頭徹尾疾走及び展開するスタイル・・・それがこのアルバムにおいて、このバンドが編み出した奥義であろう。今現在では楽曲も演奏も稚拙極まりないが、果たしてここまで・・・最早やけくそと言えるまでにメロディを追ったデス・メタルが他にあるのかと問うてみた時、改めて、メロディック・デス・メタル・ファンとして、このアルバムが成した偉業を称えたくなる・・・いやまあ、基本的な印象は、馬鹿みたいにメロディが走り回るやけくそ音楽なんですが。
ゆったりとした叙情パート、アコギの導入、デス・バラード、デス声に対しノーマル男声と女声による対比、ダブルデス声・・・効果的か否かは別にしてとにかく色んな事をやっており、全体で見ればこのアルバムはやはり、プログレッシブ・デスと言えると思う。

「OF CHAOS AND ETERNAL NIGHT」の方は楽曲も演奏も無理がなくなって、2nd同様の完成されたメロディック・デスが聴ける。


DARK TRANQUILLITY - Skydancer - Away,delight,away ★★ (2006-07-06 03:05:44)

本来ミニアルバム収録曲だが、1stのクオリティからすれば驚嘆する程の出来栄えだろう。
疾走を抑えて情感にこだわった哀愁溢れるミッドテンポ・メロディック・デス。じわじわ効いてくる展開が巧みだ。
・・・しかしこの終わり方は何なんですかッ!!


DARK TRANQUILLITY - Skydancer - In Tears Bereaved ★★ (2006-07-06 01:32:15)

何なんだこの馬鹿なイントロのデス声!!馬鹿にも程があるぞ!!
2nd以降にはない、知性を振り切る若さが素晴らしいやけくそメタル。でも阿呆みたいにメロディック。ブラストもあります。


DARK TRANQUILLITY - Skydancer - My Faeryland Forgotten ★★ (2006-07-06 01:16:02)

いやー私はこの、イントロから剥き出しのやけくそな感じが大好きでして。「やけくそメタル」の名曲!!
ギターもベースもホンマ走り回りゃいいってもんじゃないぞ本当。面白過ぎる。


DARK TRANQUILLITY - Skydancer - Skywards ★★ (2006-07-06 01:42:53)

何かもう突っ走る楽曲に歌(歌詞)が付いて行ってなくないですか?
「こんなモン歌えるか!!アホーッ!!」というAndersの叫びが聞こえる名曲ですな。
その上でこの終わり方ですか。ふざけるのもいい加減にしてください。


DARK TRANQUILLITY - The Gallery ★★ (2006-10-09 04:48:00)

基本1stと一緒です。クオリティが上がったメロディック・プログレシッブ・デス。95年発。
前作は、部屋の中で見境なく暴れ回ってたら家ごと壊れちゃって収拾つかなくなったようなアルバムでしたが、今作は壊れてません。まあ、部屋の中は片付ける気になれないくらいとっちらかってますけども。
前作ほどでないにしろ、単音旋律弾きまくりたいんだねうんうんと頷いてたら、アルバム聴き終えるまで頷きっぱなしという素晴らしさです。ギターは分かるとしても、ベースの方、明らかにやりすぎです・・・3人目のギタリストですか?曲によっては笑ってしまいますよ。

私は何度聴いても②「SILENCE~」が最も強く印象に残ります。


DARK TRANQUILLITY - The Gallery - Silence, and the Firmament Withdrew ★★ (2006-07-17 00:36:20)

メランコリックなメロディーがゆったりと紡がれるパワーバラードですかね。メロディーはやりすぎ感がなく、雄大な情感がある。
2ndではこの曲が一番好き、などと言う私はそもそも、疾走感自体あまり好きじゃないのかもしれません(などと言いつつエクストリーム・メタルばっか聴いてるんですが)。


DARK TRANQUILLITY - The Mind's I ★★ (2006-10-09 15:37:00)

2ndよりこれ、という方結構いらっしゃるのですね。私もです。AT THE GATES「SLAUGHTER OF THE SOUL」みたいなスタイルに近付いたような印象もある97年発3rd。
八方破れの暴れっぷりがなくなってストイックになり、とても落ち着いたメランコリーが漂うデス・メタルだと思います。メロディも見せつけるのでなく落とし込んである感じで、泣きというより陰りの音楽、ゴシック・メタルみたいなデスラッシュと言えるのではないでしょうか。
比較すれば地味なんでしょうけど、部屋で一人浸りたくなるデスラッシュというのもあまりないような気がします。


DARK TRANQUILLITY - The Mind's I - Razorfever ★★ (2006-10-09 13:31:28)

正しくは「RAZORFEVER」ですね。
1st、2ndの頻繁に展開する暴動感が、3rdの疾走感が上手く融合した曲と言えましょう。あまりメランコリックではない上、起承転、で終わってる気もしますが、私は初期DARK TRANQUILLITYの中で一番好きな曲です。


DARKTHRONE - A Blaze in the Northern Sky ★★ (2006-07-27 15:36:00)

1stと比較すると、ジャケットもメンバーの写真も音も、人知を超越した何かに取り憑かれたとしか思えない2nd。91年発表。ベーシストは憑依を逃れて脱退に成功した模様。
前作もホラーのムードが多少あったが、プレイボタン押した途端始まる呪詛詠唱、ディストーションを超えて身体への悪影響以外何もない音質、ファストパートによる憤怒描写の追加、デス的咆哮というより憎悪を喚き散らす絶叫ボーカル・・・恐怖感を徹底的に突き詰めた結果出て来たのはデスとスラッシュの極悪感のみを純粋培養したような音で、異形音楽としては前作から凄まじい進化を見せていると言える。
思うに、前作のようなB級テクニカル/プログレッシブ・デス(つまりただの変なデス・メタル)のままだったら、あっという間にシーンの中に埋もれたであろう事は容易に想像がつく。楽曲としては無闇な展開がなくなった今作の方が断然分かり易くドラマティック、曲は基本5~7分台全6曲で、構成に無理はなく曲毎の個性も明確だ(1stは3分台が11 曲)。
ブラック・メタルの開始点であろうが、音質を除けばミドル~ファストパートを駆使する病んだスラッシュ・メタルであって、スピードを期待して聴くと「何だこのたるいブラックは!!」などと思ってしまいます。それは私の事ですな。どうもすみません。
あと、音質は初期VENOMと較べれば5倍くらいましです(リマスター盤所持)。


DARKTHRONE - A Blaze in the Northern Sky - In the Shadow of the Horns ★★★ (2006-07-26 13:17:13)

由緒正しきドラマティック・ぶっ壊れメタル。ダーティ、ラウド、ロックロールを越えたEvil Musicだ!!・・・言い換えれば、メタルとしてはほとんどノイズ。
ミドルテンポパートは特に歌唱前提でしか成り立たんと思えるのに、ボーカルに歌唱の意識が皆無・・・聴いてられるか!!(誉め言葉)
しかし後半の疾走感・アコギの導入にある知性が、全て計算されている事を匂わせる。


DARKTHRONE - A Blaze in the Northern Sky - Kathaarian Life Code ★★★ (2006-07-27 22:05:42)

アルバム1曲目から、この糞音質音楽を10分も聴かされる。なんて質の高い嫌がらせなんだろう。
だが展開はそんなに悪くない。冒頭の爆走など筆舌に尽くし難いし、その後はずっしり重いミドルテンポ・デス(と言っていいか分からんが)が「こんな音を待っていた!!」と口走るまで許されない拷問の如きしつこさで続く。
そうだ!!私はこんな音を待っていたんだ!!


DARKTHRONE - A Blaze in the Northern Sky - Paragon Belial ★★★ (2006-07-27 15:57:03)

1stの曲っぽいミドルテンポ・デス、のはずなんだが、ボーカルがデス声じゃないのでデス・メタルに聴こえない・・・Nocturno Culto、ぶっ壊れてるなぁ・・・。
構成は本当に上手くなってますな。後半のギターとかなかなかメロウでいいです。