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mokusatuさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 301-400

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mokusatuさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 301-400
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MESHUGGAH ★★ (2006-08-07 02:19:00)

http://www.drummagazine.com/html/modules.php?op=modload&name=
News&file=article&sid=1383&mode=thread&order=0&thold=0
このサイトにMESHUGGAHのドラムの譜面があるんですが、2nd収録曲「Beneath」のイントロ間違ってないですか?
4/4拍子*2+5/16拍子で書いてありますが、シンバル聞く限り9/8拍子*4、つまりわざわざ変拍子にしなくていいと思うのですが・・・。
「ダーダダッダダ」のリフを2拍+16分音符1個で書くという難解な事やってますが、これは「ダー」の部分が(9/8拍子の)8分音符4つで、「ダダッダダ」が5つで計9つ、つまり単なる1小節のリフだとしか思えません。シンバルも頭拍打ってるだけでは。
書くべき場所が間違ってるかもしれませんが、どうにも気になって仕方ないもんで・・・どなたか検証していただけないですか?


MESHUGGAH ★★ (2006-08-11 21:29:00)

>s.h.i.さん
おおー!!ありがとうございます~☆ヽ(゜∀゜)メ(゜∀゜)メ(゜∀゜)ノ
これで「ドラム専門サイトにイチャモンつけてる馬鹿丸出しの素人」呼ばわりされなくて済みます!!(被害妄想ですw)
>ほとんどが4/4で記譜できますよ~
やはりそうですよねー!!「厳密に言えば、変拍子はほとんどない」という確認をしたかったのに先述のような事が書いてあって、その時は「もしや世界で俺一人の勘違いなのか」と一瞬絶望しましたよ・・・。
(確かに4/4でも無理矢理表記出来ますが、にしてもシンバルの位置が間違ってるし、最後5/16ではなくて4/16でしょう)
>リスナーフレンドリーというか、前衛を試みているわけではないバンドだと思うのですよ個人的には
確かに拍子は一線は越えてませんね。
しかし4thアルバム辺りは「一体誰がどう楽しんでいるんだ」と思わなくはないですw。もうこれは変拍子リフっていうか、リフですらないですよ。
なので私はレビューでトランスだと書きましたが・・・。


MESHUGGAH - Chaosphere ★★ (2006-06-03 02:21:00)

98年発表の3rdアルバム。
前作「DESTROY ERASE IMPROVE」は、ヒトを超越した変拍子感覚が起承転結などの既成概念を嘲笑いまくるプログレッシブ・スラッシュ・アルバムだったと思うが、今作は徹頭徹尾ヘヴィでごり押し、イカれた拍子感覚を見せつけるわけではなくベースにした「音塊」が殴りつけてくるようなスラッシュ/ヘヴィ・メタル。
MESHUGGAH初心者に薦めるとして、奇抜さを好む人には前作、ブルータルなものを好む人には今作がいいかと。あと・・・まーいないと思うが、気味悪いのが良いとか言われれば「NOTHING」で。


MESHUGGAH - Nothing ★★ (2006-06-03 01:44:00)

2004年発表4thアルバム。
前作「CHAOSPHERE」からスピードが抜け落ち、リフもヘヴィというか這いつくばるようなウネウネしたものになり、明らかにこのアルバムは「スラッシュ・メタル」ではなくなったし、最早ヘヴィ・メタル・ファンに薦めるべきではないものだと思う。
拍子を無視しすぎの変態リフこそアイデンティティ、と悟った上で試みられているのは、内省的な感情が渦巻くだけ渦巻いて渦巻きっぱなしの「テクニカル・ドゥーム・トランス」、と言ってみる。私はこっちの方が好み。
私は前作と較べてリフの感触が「エモーショナルになった」と感じた。それは逆に機械的変拍子感覚が(メタルの格好良さでなく)背景になったと言え、曲毎の差異も薄くなってきた事も相まって、次作「CATCH 33」はドラム打ち込みアルバム全1曲という方向に進化、というのも頷けなくもないと思った。


MESHUGGAH - The True Human Design - Futile Bread Machine ★★★ (2006-06-02 23:55:48)

私は寡聞にして、これ以上ふざけた曲を知らない。
スラッシャーをして「首が振れない」と言わしめるほど無茶な曲のキャンプファイヤーバージョンを作る事に意味などあるかッ!!
・・・皆で集まって炎を囲み「手拍子よろしく」などと煽って「おー」と応えて意気込み充分いざ曲を始めてみたところで、連発される裏アクセントリフに誰も付いて行けずことごとくバラッバラな手拍子が夜空に響き渡るだけに決まっとるだろうがッ!!


MOONSPELL ★★ (2006-05-27 17:04:00)

公式HPのPV見ましたが・・・いつからこのバンドはCRADLE OF FILTHのコピーバンドになってしまったんでしょうか・・・。


MOONSPELL - Sin/pecado ★★ (2006-05-27 15:28:00)

97年発表の3rdアルバム。「PECADO」は「SIN」のポルトガル語。
確かにこれは「ゴシック」の範疇に入るアルバムと言え、当時業界を席巻していたであろう、デジタル・ゴシックの波を被ってはいますが、「君ら結局流行に飲まれてるだけやん」とはとても言えないものです。
ゴシックのムード作り・メロディ感覚やデジタルの無機質さだけでなく、TYPE O NEGATIVEあたりの色気も取り込んだこの、ポルトガル産バンドのアルバムは、神聖に対抗する為の「厳粛さ」と、耽美とは違う「妖艶さ」が合体したような独自のゴシック・ロックで、アンチ・キリスト=粗野で野蛮でブルータルとするバンド群とは別次元の宗教性があります。
楽曲・アレンジメントの幅も多種多様で、屈強でありながら混沌、妖艶と無機質の交歓、歌い易い重苦しさなど、様々な要素を違和感なく料理して仕上げています。寡聞にして言わせて貰えば、このアルバムと同様の世界、そして完成度は、少なくともゴシックの中ではないと思います。
ただ、一体どんなバンドが好きな人に薦めればいいのかよく分からない。
前作におけるゴシック特有の感覚も、次作における攻撃性もなく、変なもの好きに薦めるにしてアヴァンギャルドさがないし・・・う~ん・・・ボーカルが TYPE O NEGATIVEと同等にディープな声を出すので(OCTOBER LUSTしか知らんが)、女性に薦めればいいのだろうか・・・あんなエロではないから聴いてて恥ずかしくないし。


MOONSPELL - Sin/pecado - Let the Children Cum to Me.... ★★★ (2006-05-27 02:07:16)

アルバム中では特に、ゴシック・ファンとして安心して聴ける曲ですね。
神聖とすら言える厳粛なムードの中に漂う、哀愁たっぷりのギターメロディが耳から離れなくなります。
数年前、不意に頭に浮かんだメロディがあって、誰の曲だったか分からず片っ端から所持してるアルバム聞き返してみたらこの曲だった、という経験があるんで、☆は3つ付けるしかありません。


MOONSPELL - The Butterfly Effect ★★ (2006-05-27 16:57:00)

99年発表の4th。
前作「SIN/PECADO」の延長線上の独自性を期待してましたが、完全に「デジタル・ゴシック・デス・メタル」に鞍替え(デス声も大復活)してます。このアルバムで人気が出たというのも、これだけアグレッシブにメタルしてれば頷けます。
ディープで妖艶なボーカルがRAMMSTEINやSAMAELとの差異になってます(③「CAN'T BEE」⑧「DISAPPER HERE」に顕著)。ファストナンバーとスローナンバーが上手く織り交ぜられ、ジャズ・アレンジも上手くはまって飽きずに聴き通せる、優れたデジタル・メタル・アルバムです。


MY DYING BRIDE - As the Flower Withers ★★ (2006-04-27 03:04:00)

92年発表の1st。このバンドの特徴と言えるヴァイオリンをプレイするMartinは、まだゲストプレイヤーとなっている。
ヴァイオリンの悲壮な音色による絶望的ムード、引き摺るようなドゥーミーなリフ、デスメタル然とした疾走パートなど、様々な展開を見せる大作志向の耽美ゴシック・デス。
音質は劣悪、演奏力は稚拙、雰囲気はあるがメロディはない、など素直に楽しめるとは言いにくいが、当時の状況を鑑みれば、非常にプログレッシブな音楽である。それに、彼らは技巧に走らなかったからだと思うが、どのパートも根本的に理解しやすいと思う。魅力的かどうかは別として、冗長でもないというか。
彼らはゴシック・メタル・バンドと認識されていると思うが、このアルバムはまだゴシック「デス」メタルなので注意。


MY DYING BRIDE - Like Gods of the Sun ★★ (2006-04-27 20:55:00)

前作までの大作主義が消え、最も長い曲でなんと、たった7分半(これまでのアルバムでは全て12 分台)。ミドルテンポパートがメインになり、リフにメタル感が宿って耽美意識は減退、音質が良くなって鬱屈感を喪失、耽美系「ドゥーム・メタル」ではなく、ヴァイオリンを導入した暗黒系「ヘヴィ・メタル」になっている。それでも充分重苦しい陰鬱な世界だが、デス/ゴシックに興味ないメタラーを巻き込むにはこの辺りが良さそうだ。
暗黒世界から抜け出せないマニアからすれば、正直なところ・・・聴いてて疲れたから、3rdを聴き返してみたら、元気になってきた、って感じですか(えぇ、事実です)。


MY DYING BRIDE - Like Gods of the Sun - For You ★★ (2006-04-27 21:21:08)

アルバム全体としては薄くなった哀愁は、この曲の静寂パートにまとめられたのではないか。
静かなアルペジオと、うっすらと敷かれるシンセの上を、消え入りそうなギターが微笑んでいるのだ。


MY DYING BRIDE - The Angel and the Dark River ★★ (2006-04-27 15:46:00)

無機質で警告音のようなギター、バイオリン、ピアノ、主旋律、それぞれが孤立しながら無限の共鳴を起こすメランコリック・ゴシックの傑作と個人的に断言したい①、-27℃さんが仰っているように、チャーチオルガンっぽい不協和音が神聖な狂気を醸し出す②、アトモスフェリックなノイズが不安を掻き立てる③、ヴァイオリンメインで6分台と聴き易い④、アコースティック・バラードとドゥームパートの対比が美しい⑤、1st時のようなデスメタルパートを巧みに織り込んだ⑥・・・これだけ特徴を並べ立ててみても結局、駄目な人は「キモイ」の一言で終了するであろう、優れた耽美ゴシックアルバム。
基本路線は前作同様暗黒と絶望に支配された世界だが、デス声が完全消滅した事もあってか、比較的憂愁、哀愁が強く漂っている。幸せだった時代の記憶が少しずつ剥がれ落ちていき、無残な現実が露呈して泣き伏せるような残酷で悲しいドラマが展開・・・あぁ・・・書いてて鬱になってきた!うわははははは!気分を切り換える手段を用意してから聴いて下さい。現実に希望がない人は聴いてはいけない。
95 年発表の3rdアルバム。


MY DYING BRIDE - The Angel and the Dark River - The Cry of Mankind ★★★ (2006-04-27 18:12:29)

「孤独」の表現を「バンド」で演奏する、という矛盾点を克服した、私が知る限り、唯一の曲。私の人生「最高の曲」として5本の指に入る。
イントロから繰り返される無機質なギターフレーズも、煌びやかで儚いピアノも、憂愁を発散するリフも、リフに接触しながら蠢くベースも、苦悩を吐露する声も、アウトロに到っても繰り返されている無機質なギターフレーズも、全てが絡み合って進行しているはずなのに、気付けば単体で成り立っているようにも聴こえ、実は全員が背を向けて無関係な演奏をしているのに何もかもが奇跡的に噛み合って一つの楽曲を存在させているような、全パートが無限に共鳴している錯覚を、私は覚える。
それは、このバンドがデビュー当時から持っていた、「雰囲気を最重視する」という分かり易い姿勢の成せる業だろう。言い換えれば、演奏技術をひけらかす気も、演奏者として目立つ気もないという事だ。
各パートの孤独性を完全に均一に出来るが故に、「バンド」という意識を用いずに楽曲の孤独感を成立させ、だからこそ、成立した楽曲から聴くと演奏者が見えなくなる。演奏者が見えなくなる事が音楽が持つ理想の一つと言って何か問題があるだろうか。
・・・などと思ってたのに、ベスト盤に入ってなくてちょっとヘコんだ。


MY DYING BRIDE - The Dreadful Hours ★★ (2006-05-20 15:39:00)

2001年発表7thアルバム。KeyヘルプでBAL-SAGOTHのJonny Maudlinが参加。
5th、6thアルバムは持っておらず、このバンドのCDを購入したのは4th「LIKE GODS OF THE SUN」以来10年振りなんですが、いや、驚きました。「懐かしい」どころじゃないです。
1st収録曲をリメイクしてるから「それなりに原点回帰してるんだろう」と思ってましたが・・・何と、リメイク曲が何一つ違和感なくアルバムに溶け込んでおり、つまり、音楽性は何だか1stっぽい、という有り得なさ。何故そこまで何もかも回帰してますか!?聴いてたらもう、呆れを通り越して、失笑通り越して、突如悟りが開いて泣けます。6thからバンドロゴが1st・ 2nd時に戻ってる事にもっと早く気付くべきでした。
「バイオリンをメンバーとして加入させたのは間違いだった」とでもいうような、哀愁は少なくメロディも少なくつまりあまり耽美的でなく、でもデス声は大復活してフックも薄く(メタルとしては)冗長な「鬱屈絶望メタル」という事で、救いようのなさはそれはもう完璧。地下水脈に絶える事なき暗黒の流れ。もう永遠にこのまま続けてください。


MY DYING BRIDE - The Dreadful Hours - My Hope, the Destroyer (2006-05-23 01:13:04)

このバンドにしてはテンポは速く、メタリックなリフもあって聴き易い。
後半の泣きのハモリは必殺級なのだから、そういうパートをもっと増やしてくださいお願いします。


MY DYING BRIDE - Trinity ★★ (2006-05-01 23:27:00)

95年、3rdの後に発売されたEP集。
内容は、1stフルより前に発表された1stEP「SYMPHONAIRE INFERUNUS ET SPERA EMPYRIUM」から全3曲、1sフル後の2ndEP「THE THRASH OF NAKED LIMBS」から全3曲、2ndフル後の3rdEP「I AM THE BLOODY EARTH」からは2曲だけ、再発でない3rdフルの限定デジパック盤のボーナストラックだった「THE SEXUALITY OR BEREAVEMENT」、で計9曲です。
どれもこれもフルアルバムに入っててもおかしくない曲ばかりだと思います。個人的には東洋呪術のような(と日本人が言うのもどうなのかと思うが)アンビエント・インスト「LE CERF MALADE」が実験的で面白く聴けました。こういうのはEPだからこそ出来るものかと。
平均7分という曲の長さも、このバンドにしては聴き易いCDに思えます。
でも、「THE CROWN OF SYMPATHY」のRemixバージョンは意義はさっぱり分かんない。・・・2ndアルバム全体からサンプリングしたはずなのに原型を全く留めてないインダストリアル・インスト「TRANSCENDING(INTO THE EXOUISITE)」の方が余程面白いと思うが・・・(この曲、3rdEP収録なのに何故かこのアルバムに収録されてない)。


MY DYING BRIDE - Trinity - I Am the Bloody Earth ★★ (2006-05-02 01:34:26)

2nd発表から約一年後に出された2ndEPのタイトルトラック。
ノリやすいデス/ドゥームパート、ヴァイオリンによる哀愁の旋律もさることながら、このバンドにしては珍しく、デス声を使い分けた対話っぽい演出が良い味出してます。


MY DYING BRIDE - Turn Loose the Swans ★★ (2006-04-27 04:27:00)

93年発表の2nd。
ヴァイオリン・ピアノ担当Martin正式加入でバイオリン大増強、ボーカルが低音で歌い込むスタイルに変わってデス声大激減、「デス」が取れてメランコリック・ドゥームに様変わりした。相も変わらずの大作志向なのだが、ひっったすら重い足取りの上を、バイオリンがさらに憂鬱を煽り立てて楽曲は徹頭徹尾沈降、結構手軽に意気消沈出来て、心置きなく絶望と後悔の波に酔う事が出来る(「酔わないといけないんですか」という質問は禁句)。
個人的に「自殺系」というとBURZUMのような、メランコリーを超越した感じを想起してしまうのだが、そうではなくて「耽美絶望系」とでも言うか、ちゃんと「美しい」絶望音楽です。当時のBUURN!のインタビューで、「俺たちはこんな音楽作ってるけど、人生はとてもポジティブ」とか言ってる。


MY DYING BRIDE - Turn Loose the Swans - Sear Me McmxcⅢ ★★ (2006-04-27 19:27:21)

CD聴き始めると普通、垂れ幕が「上がる」と表現するもんだが、これが1曲目にあると、上がってた事に気付かなかった垂れ幕が「下がって」しまう。
重ーいシンセと哀しいヴァイオリンの調べをバックに、暗ーい呟きが7分も。クラシックの持つ哀愁を迷いなく悪利用するその姿勢に乾杯。


NAGLFAR - Diabolical ★★ (2006-10-16 02:32:00)

1stから3年後の98年発表2nd。今作からドラムがMattias Grahnです。
リフはメロディックとはいえ、叙情とは言いがたいブルータル・ブラック、いわゆる慟哭サウンドになりました。同郷のMARDUKスタイルでメロディック・デスやったとでも申しましょうか。
しかし、いわゆるノルウェー・ブラック勢とは決定的に「音圧」が違います。ギターの音質は割とブラック的に「シャー」という擬音ですけど、ドラムが、特にバスドラが凄く硬くて重く、さらにスネアがかなり小さい(ブラスト時などほとんど聞こえません)。シンバル系もEMPERORやSATYRICONと較べれば恐ろしく鳴ってない。
結果ブラックぽい騒がしさがなく、圧倒的に硬質の突進力が毅然と貫かれるブラック・メタル・アルバムとなっています。ドラマーの交代がまた超大吉と出て、疾駆感の揺るぎなさ、格好良さが尋常ではないです(日本盤にはEPバージョンが収録されてますが、較べると本当音圧が違いがよく分かります)。
私はマニアからすれば屁みたいな枚数しか音源を所持してないでしょうが、ブルータル・ブラックとしては理想的な音であると感じてます。平たく言えばすごーい好きなんです。転じてドラマーも大好きです。

その上で、③「12'TH RISING 」の為だけにでも買うべきアルバムでありましょう。


NAGLFAR - Diabolical - 12'th Rising ★★★ (2006-10-16 02:58:54)

メロディック・デス/ブラックを代表する、NAGLFAR一世一代の大名曲であると信じております(今現在3rd以降は知らないんで)。
何が凄いんだと問われても、これ、と言えるものがないというか、何故こんなに素晴らしいのかよく分からないのですけど、怒気に満ちたツーバスの上を流れるトレモロ・メロディに封じられた感情が、展開の妙によって突如「ブワッ!!」と爆発的に理解出来る瞬間があって、購入して数年経ちますけど未だに冷静に聴けません。何度聴いても涙ぐみます・・・洗脳されてるのかな。


NAGLFAR - Vittra ★★ (2006-10-14 23:36:00)

95年発デビュー・アルバム。ドラムがMattias Grahnではありません。
今現在4thまで出てますが、これだけ毛色が違うんではないでしょうか。言い方が難しいですが、ブラックぽいメロディック・デスであると思います。楽曲は突進力や重さより叙情を優先しているようで、音圧も薄い。
トレモロ命なリフ展開にブラック臭がしますが、スピードはブラックというほど速くなく、リフ自体はひたすらにメロディを追って歪な感じが全くない上、時折IRON MAIDENというかIN FLAMESの1stみたいなリフが聞こえてくるので、結果「・・・ああ、マイナー・メタル of スウェーデン in '95」という感慨に浸れる音で御座いましょう。
これと合わせてSACRILEGEとかEUCHARISTとかもどうぞ。時代が感じられます。


NAGLFAR - Vittra - Emerging From Her Weepings (2006-10-14 21:10:13)

「ドラマティックな大作を作ったるぜ!!」という意気込みがイントロから感じられますな。
テンポを抑えたスウェディッシュ・トレモロ・メロディが、朽ち果てた情景を切々と描いて行きます。
デビューアルバムですし、さすがに不器用な感じがありますけど(器用さを売りにしてるバンドではないですが)、メロディのドラマ性のみで6分半もてばそれは才能と言えましょう。終わり際などちょっと感動しましたよ。


NEUROSIS - A Sun That Never Sets ★★ (2006-08-02 01:09:00)

ほんのすこしの平安も許さない前作からすれば、幾分とっつきの良い01年発表の7thアルバム。ボーカルがDave Edwardson(B.)からギタリスト2人に代わって、メロディを追うノーマルボーカル+絶叫になっています。
自己内省の核爆発の後に彼らが提示した世界は、人間ではなく生物としてのヒトの、Bloodを通って辿り着くRootsとしてのAnimism or AnimalismつまりSupernatureをヘヴィかつ真摯に描くSunという大宇宙的視座・・・すいません、自分でも何言ってるかさっぱり分かりません。
言葉より、グロテスクなほど緻密で「赤は血の色」なジャケットの世界観を見てもらった方がイメージしやすいと思います。森羅万象を操舵する馬鹿でっかい音です。
ヘヴィ・パートは天変地異を想起させ、静かなパートはそのスケール故か、神の啓示、精霊の語りといった趣で、「絶望と葛藤」ではなく「超自然的な神秘とねじれ」を描いている印象。とはいえ、ハイ・クオリティな発狂レベルの音像は何も変わってないですが。

BGMになりません。聴いてて全く愉快ではありません。耐性のない人には拷問音楽以外何物でもありません。
これは音楽ではなく体験だと思います。


NEUROSIS - A Sun That Never Sets - Crawl Back In ★★ (2006-08-02 02:22:37)

おー何かメランコリックだ。というか中間部のメロディが繊細で美しい。
悲しみのスピリチュアル・ドゥーム。イントロの時点で投げないで下さい。


NEUROSIS - A Sun That Never Sets - Falling Unknown ★★ (2006-08-02 02:07:04)

13分も聴けてしまうのは音像の説得力が違うからなんでしょう。


NEUROSIS - A Sun That Never Sets - From the Hill ★★★ (2006-08-02 01:47:32)

割れる大地、荒れ狂う海、轟く雷鳴、噴出すマグマ。そんな地球の終わりが見える。
凄惨過ぎて怖いです。


NEUROSIS - Times of Grace ★★ (2006-08-01 02:43:00)

憤怒、絶望、信仰、怨嗟、脆弱な自我と神性の希求、噴出する欺瞞と無垢な魂、それら全ての混濁と、爆発と、拡散。
私の表現力ではこれで限界。
精神の崩れ落ちる音が聴けます。

個人的には人生のベストアルバムの一つで、数少ない「愛してる」アルバム。
これより重い音や遅い音やうるさい音はいくらでも手元にあるのに、このアルバム以上に切実な音は未だに見つからない。個人的な事だとは思うが、理由が全く分からない。
99年発表、6thアルバム。


NEUROSIS - Times of Grace - Away ★★★ (2006-08-01 03:02:58)

曲のタイプにチェックを入れる気に全くなれない。
自我が崩壊した直後の精神の空白。・・・そして・・・
・・・
最後はもう・・・何も言えません・・・。


NEUROSIS - Times of Grace - End of the Harvest ★★★ (2006-08-01 03:45:42)

強迫的焦燥感は、さらに切迫して、じきに拒否反応に似た戦慄を起こす。視覚が、聴覚が、存在が揺らぐ。


NEUROSIS - Times of Grace - The Doorway ★★★ (2006-08-01 04:04:21)

イントロに続く1曲目。
圧倒的迫力の不安と恐怖のヘヴィ・ミュージック。平穏が消し飛ぶ。


NEUROSIS - Times of Grace - The Last You'll Know ★★★ (2006-08-01 04:29:49)

破滅がら逃れる安易な救済などない。
後半のノイジーな展開はそう言っている気がする。


NEUROSIS - Times of Grace - The Road to Sovereignty ★★★ (2006-08-01 03:21:53)

アウトロ。
格調高く優雅な音でありながら、土の中を這い回る不気味な軟体生物を想起する。


NEUROSIS - Times of Grace - Times of Grace ★★★ (2006-08-01 03:31:40)

カオス、混沌、うねり、狂気。
ある意味アルバム最後の曲だが、それが一番カオティックというのは・・・。


NEUROSIS - Times of Grace - Under the Surface ★★★ (2006-08-01 04:11:54)

救われないほど揺らぐ人間の感情は、悲壮な絶唱によって発散される。
ただ、発散される。


NILE - Black Seeds of Vengeance ★★ (2006-09-21 02:09:00)

2000年発表の2ndアルバムです。
私はドラミングで押しまくるブルータル・デス(例えばKRISIUNとかCRYPTOPSYとか)をあまり好きにならないのですけど、例外的に、これは私の推薦盤であったりします。
KRISIUNもCRYPTOPSYもこのバンドの次作も・・・何というか、騒音圧殺音楽であると思うのですが、これは圧殺ではなく疾走音楽と言え、ドラムとか、ま、そりゃ一朝一夕に出来るもんではないですが、小細工のない物凄くシンプルな疾走感があって、スラッシュの延長線上としてのデス・メタルが土台となっていると言えます。
構成の緩急も非常に沢山あって静と動のダイナミズムは幅広いですし、矜持であるエジプト旋律及び効果音も独特で、語弊があるとは思いますけど、私はこのアルバム「メロディック・ブルータル・デス」と言ってもいいのではないかと思ってます。終盤のMORBID AMGELの如き厳粛なムードも素敵ですねぇ・・・。
次作は正直凄い疲れるアルバムですけど、これは割とスカッと爽やかになれる。とにかく分かり易いんで、初心者にもお薦めです。


NILE - Black Seeds of Vengeance - Defiling the Gates of Ishtar ★★★ (2006-09-21 02:24:59)

これはいいです。名曲ですよ。単音旋律を巧みに取り入れたリフ+地獄の雄叫びボーカルに歪な威厳がありますな。終わりのスローパートもコーラス雄々しくてスケールがでかすぎます。


NILE - Black Seeds of Vengeance - Masturbating the War God ★★★ (2006-09-21 02:37:09)

この唸り以外の何物でもないボーカル、歌唱というより最早語りになっております。重々しい語りと超速ブラストとの対比に呪い殺されそうですな。
後半のメロディックなムードがまた感動的です。


NILE - Black Seeds of Vengeance - Nas Akhu Khan She En Asbiu (2006-09-21 02:43:50)

これはテクニカル・やけくそ・デス。イントロの馬鹿っぽさが素敵!!


NILE - Black Seeds of Vengeance - To Dream of Ur ★★★ (2006-09-21 02:53:17)

MORBID ANGRLばりの圧倒的厳粛さと威圧的なほどの風格を漂わせる大曲だ。疾走のない重い足取りで描かれる、比類なきスケールのエジプトの暗黒である。


NILE - In Their Darkened Shrines ★★ (2006-09-21 04:01:00)

正直買ってしばらくあまり聴いてませんでした。私はこれ、前作2ndと全然違うと思います。
曲の緩急が比較的薄くなって、メロディも差し込まれなくなって、休憩出来る静かなパートも少なくなって、結果曲が似ている、ドラム・スタイルが複雑になって単純な疾走感に浸れなくなっている、でもブルータリティは上がっていて疲れる・・・とにかくどうにも褒められませんでした。
が、明らかにクオリティは上がっている。そこが良く理解出来なかったんですけど・・・。
結局これは、ブルータル・メタルではなく、ブルータル・アートではないかと。
伝統的ヘヴィ・メタルの価値観で計るとブルータルである事を評価しそうになるんですけど(私が伝統的価値観を熟知しているか非常に疑問ですが)、ポップスしか聴かない人にヘヴィ・メタルを聴かせたら「うるさい音楽だね」と言われて「そりゃ当たり前じゃん」と言ってしまうのと同様、「凄くブルータルだね」という感想のその先、つまりエジプト暗黒物語を汲み取らねばならないのでしょう。
CRYPTOPSYはまだLord Wormの声が面白いんで笑ってごまかせるんですけど、彼らは凄い真剣で隙がなさ過ぎて(曲も長い)、そこがアートだ、などと言わせしめるところでしょう・・・。
言い換えると超ブルータル・プログレッシブ・ロックとも言えますか、言えませんか。


NOKTURNAL MORTUM - Nechrist - In the Fire of the Wooden Churches ★★★ (2006-12-07 19:18:31)

スラブの大地が燃え上がっている・・・怨念と哀愁が絡み合っていくドラマティック・ブラック。
終盤、疾走するスラヴォニック・フォークロアが感動的。泣きます。


NOKTURNAL MORTUM - Nechrist - Nechrist:the Dance of Swords ★★★ (2006-12-07 21:48:57)

民族音楽とブラックの融合ですけど、どっちが土台なのか全く分からない次元まで来ている凄まじい楽曲です。印象に違和感はあっても、構成に違和感はないと思います。
こんな曲他の誰が作れるんだ、と思いつつ聴いていくと、スラブに対する畏怖めいたものを感じますよ。これぞ唯一無二。


ON THORNS I LAY - Orama ★★ (2006-07-03 12:51:00)

ギリシャ産ゴシック・メタルの97年発表の2nd。アトランティスをテーマにしたアルバムらしい。
ギリシャの特色って何なんだろう。ROTTING CHIRISTとTHE ELYSIAN FIELDSくらいしか知りませんが・・・まー、1曲目の戦争SEから、わけわからんブラスト?ビートに穏やかなギターメロディーが乗る展開にむせ返る(嫌な)マイナー感が漂いますが、大体そういうアルバムで御座いました。
ゴシック色の強いIRON MAIDEN系ヘヴィ・メタルという事で初期DARKSEED(最近は知らん)が一番近いかと思いますが、そこから勢いと泣きを削いで、代わりに女声とシンセと(多分)ディストーションじゃない澄んだギターメロディーで透明感を加えた感じです、のに、ボーカルは容赦ないデス声。カテゴリは、耽美とまで行かない、「ゴシック・デス・透明系」と言えるマイルドな味わい。この妙過ぎるバランスがギリシャなんでしょうか。
今はどうやら違うらしいですが、このアルバムはHOLY RECORDS発ですのでつまり期待を裏切らないズレっぷり(でも本人達は真面目にやっているんだろう)。マイナー・メタル・ラバーは是非とも挑戦して頂いて、HOLY RECORDSの偉大さを再確認すると良いと思います。


OPETH ★★ (2006-09-12 02:43:00)

あのー、10月に輸入盤でとんでもないものが出るっぽいですけど・・・。
何かBOXSETとか書いてありますけど・・・4枚組とか・・・書いてありますけど・・・詳細がどこにも書かれてませんが・・・これは一体何なんでしょうか・・・。


OPETH - Morningrise ★★ (2006-07-29 03:28:00)

私はこのアルバムジャケットがホンマ大好きでして。ゴシック的でもありブラック的でもある静謐な一枚のモノクロ写真・・・絵画にはない霊力を感じます!!異論は聞かん!!
音楽的にも確かな成長が聴いて取れて、存在そのものが大好きな96年発表の2ndアルバム。66分全5曲!!バンドロゴもキマってる!!前作に引き続き監視役にDan Swano、当然スタジオはUnisound。
前作にあったアンビエントパートやピアノインストがなくなり、前作よりも統一感が出て引き締まった印象。音質は繊細さを伴って落ち着いており、アレンジ力は確実な進歩を見せて唐突さはほとんどない。相変わらずの大作指向は10分未満の曲がないどころか20分の曲を生み出しており、さすがに「冗長じゃない」と胸を張って言えないが、プログレに耐えられる人なら特に問題はない。
焦点が絞られた楽曲群によって徹底される、寂寞と狂気が戯れる妖美な影の世界。3rd以降のヘヴィさとは無縁の、清水の如き哀愁が流れ続ける完成されたメロディック・トワイライト・メタル・・・どうしてこの方向性でもう1作くらい作ってくれなかったんだ!!ちくしょう!!


OPETH - Morningrise - Advent ★★★ (2006-07-29 14:18:32)

前作のイントロと較べればもうガッツポーズもんの始まり方である。
デスの獰猛さ、泣きのツインリード、アコースティックな幽玄等々がこれでもかと叙情的にブチ込まれており、黒い死の海に溺れていきます。
14分は長くないと言えば嘘だが、起承転結を超越したドラマを客観的に測らない方がいい。浸るか浸らないか、それだけだ。


OPETH - Morningrise - Nectar (2006-07-29 12:42:18)

前の曲「THE NIGHT AND THE SILENT WATER」と比較すれば、カオティックなムードがあるナンバーだろう。比較すれば。
しかしこのバンドは、ベースラインが全くもってデス・メタルしてなくて面白い。


OPETH - Morningrise - The Night and the Silent Water ★★★ (2006-07-29 12:28:54)

デス的野蛮さはなく、穏やかな流れが悠久を感じさせる落ち着いたナンバー。
故に、最後に表れる緊張感あるパートが際立っている。


OPETH - Morningrise - To Bid You Farewell ★★★ (2006-07-29 11:36:39)

アルバムの最後を締める、「切ないにもほどがあるぞ」と涙しながら呟いてしまうバラードであろう。デス声はない。ある意味、アルバムのアウトロ。
しかし11分のバラードって他に知らんぞ。


OPETH - My Arms, Your Hearse ★★ (2006-07-29 17:07:00)

前作までは現世の悲しみを引き摺っている亡霊のようなサウンドだったが、アルバム2枚作ってるうちに輪廻転生したらしい・・・で、あろうことか、転生先が鬼のように屈強なモンスターだった、みたいな強い音になっている。一言で言えばヘヴィ・メタルになった98年発表の3rd。リズム隊もここで固まったようだ。
獰猛なデス・メタル・パートがヘヴィ・メタルよりカオティックに渦巻きながら、叙情性は相変わらず幽玄な儚さを描くという、美醜対比を極めんとするドラマティック・デス/ゴシックである。とにかくデス・メタル以外何物でもない荒々しい迫力はとても同じバンドと思えない。楽曲の指向が変わった事もあるが、さすがFredrik Nordstrom、スウェディッシュ・デスの表番長の貫禄であろうか。
10分超えは1曲もなし、驚愕の6分台の曲の出現はアングラマニア的落胆があるが、普通に考えればこれで正解です。
EMPERORにおけるテクニカル・メタルへのこだわりを叙情プログレへのこだわりにすりかえると、案外こんな感じにならんかな?

個人的な事を言わせてもらうと、発売当時から今まで、前作のような「メロディックであればある程良い」とする美学が消え失せたこのアルバムは大いなる失望をもたらした人生最大級かつ完全無欠の大駄作で記憶から消えていたんだが、久々に聴き返してまず浮かんだ言葉は「なんて格好良いんだろう」。
未だCDラックにあった事自体奇跡ですけど・・・よっぽど俺は2ndの可能性を捨て切れなかったらしい(今日捨てました)。


OPETH - Orchid ★★ (2006-07-28 02:44:00)

90年代初頭のスウェーデンにおける、プログレッシブ(メロディック)・デス・メタル一派の中でも群を抜いた個性をもって表れた95年発表の1stアルバム。
10年経った今だからはっきり言えるが、全体的に見ればこれはメロディック・デスでも何でもないな・・・クレジットの「The Following Bands」にEMPERORの名前があるのが何とも感慨深い・・・あ、当時レーベルメイトだったのか。
1 曲目は長尺の鈍足メロディック・デスと言えるのだが、全体で見れば速さと暴力性のない、フォークとアンビエントとデスを取り込んだプログッレッシブ・ダーク・メタルと言えそうだ。
黎明期メロディック・デスによく見られるメロディに頼り過ぎなアレンジで、3rd以降のヘヴィさはアレンジ的にも音質的にも皆無、亡霊を呼び寄せそうなアンビエントパートなどはブラック・メタル的でもある。つまり音像が軽くてゴシック要素はない。
おそらく、3rd以降から先に聴くと不気味に思えるのではないかと推測する。
プログレッシブ・ラブ転じた大作ラブ精神は良いとして、この時点のアレンジ力で10分超えの曲ばっか並べるのはさすがにキツかったというか、時折唐突にも程がある展開が見受けられる。
それを踏まえても、この個性的な音楽は充分聴き応えがあるし、光ってます。ついでに盤面も青く光ってますね。デス・メタルにあるまじき妙なCDやなぁ・・・。
プロデューサーは、スウェディッシュ・デスの裏番長Dan Swano御大。


OPETH - Orchid - In Mist She Was Standing (2006-07-29 01:10:34)

ツインギターによるハモり命な単音メロディが流れ続けるメロディック・デス14分。3rd以降と較べれば、そりゃあマイナー感全開ですけど、このやりすぎなメロディがこの頃にしかない味なわけで。
アルバム中では、起承転結が明確で分かり易いと思います(このバンドの場合分かり易けりゃいいわけじゃないが)。


OPETH - Orchid - The Twilight Is My Robe ★★★ (2006-07-29 01:55:36)

これは凄い。ヘヴィなデスやらアコギによる寂寥やらノーマルボーカルやら派手なギターソロやらが11分間次々展開するのに唐突さがなく、飽きもしない。リフは全て格好良く、メロディは常にばっちり決まる。
1stアルバム中一押しです!!


OPETH - Orchid - Under the Weeping Moon ★★ (2006-07-29 01:22:01)

1曲目と打って変わって、幻惑的なアヴァンギャルド・メタル10分である。中盤の幽玄なパートは、THE 3RD AND THE MORTALの1stや後期BURZUM(!!)辺りの静的ブラックに通じるだろう。
後半にちょっと出て来る変態プログレみたいなパートが好きだ。


OPETH - Still Life ★★ (2006-07-31 03:09:00)

前作で方向性を固めたのだろうが、一体どんな現象が発生すればこんなにクオリティが上がるのか?
細やかにして病的、歪にして精緻極まるアレンジの楽曲群が問答無用の説得力でストーリーを描く、3rd時と違う意味でとても同じバンドと思えない99年発表の4thアルバム。前作が鬼のような存在感だとしたら、今作は鬼神です。神の領域です。
とにかくアレンジの精密さが桁外れに向上している・・・いや表現が生温い、完全に次元が違っている。前作の中核にあったのは単に獰猛なデス・メタル・リフだったが、今作はヘヴィ・メタルを一足飛びに越えてプログレ的ヘヴィ・リフというか、なんか独自の歪み方をした異形のリフである。これがまた緻密で複雑なのに、そこから何の違和感もなくいつのまにかやたら哀愁のある儚いパートに移行しているのである。御免なさい・・・いや、何か意味もなく謝りたくなってしまった。
で、そんな展開ばっかで8分とか10分とかの物語を描いてしまうのだが、さらにそんな曲ばっか7曲もあるわけで、聴き終わる頃には現世を離れて幽体離脱する事必至である。
とここまで考えて、何気にこのバンドのやりたい事というのは1stから変わってないのだなと思った。ファンタジーでもないスプラッタでもないサタニズムでもない、他のバンドのどれとも違う、憂愁と絶望が支配する異世界の表現。それが一線級の音楽性を持ったわけだからそりゃあ恐いもんなしである。99年の作品とはいえぶったまげました。
後期EMPEROR同様、本質的な意味でのプログレッシブ・デス・メタルであると思う(EMPERORはブラック・メタルだが)。


OPETH - Still Life - Benighted ★★ (2006-08-05 02:05:31)

低~中音域で漂う、深い霧の向こうから囁くような歌だ。
夜に一人車の中で聴いてると幽かな妖気が出ました。


OPETH - Still Life - Face of Melinda ★★★ (2006-08-05 02:21:14)

所持しているのは輸入盤なんでおおまかに訳しただけですが、歌詞読みながら聴くと、特にバラードパートが切なくて仕方ない・・・。
おぉ、MELINDA・・・。


OPETH - Still Life - Godhead's Lament ★★★ (2006-07-30 13:37:36)

病的なリフの緊張感が凄まじい迫力。アコースティックパートの儚さと相まって、時空を揺るがす歪んだ怒号と聖なる救済の光が交錯する様は正に神格の嘆き(Godhead's Lament)。
10分にする必然性のある展開とこれは文句付けようない!!


OPETH - Still Life - Moonlapse Vertigo ★★ (2006-08-05 02:14:48)

静と動、美と醜が波のように押しては返す。
展開はドラマティック、リフもダイナミックで病んだ感じがなく聴き易いです。


OPETH - Still Life - White Cluster ★★ (2006-08-05 02:45:19)

切り変わりの激しい混沌とした展開が前作以前ぽい。こういうのが一曲くらいあると変化があっていいです。
あと、このバンドとの比較にDREAM THEATERが出てくるわけが何となく分かりました。


ORIGIN - Informis Infinitas Inhumanitas ★★ (2006-04-22 03:47:00)

2002年発表の2nd。
別に「ブルータル」=ドラムテク披露会でなくていいのですけど。徹頭徹尾ブラストかまされたところで驚くのは最初だけで、じき飽きる。デスだろうと何だろうと、緩急というか曲構成がまずあるべきだ、と思った。だって、「ドラムが鬼」以外に大した特徴も挙げられないのですけど・・・1stと違って。
言い方変えれば、超一級高品質憤怒心頭血管破裂ブルータルデスメタル地獄。
これはこれで素敵。


ORIGIN - Origin ★★ (2006-04-22 03:20:00)

2000年発表の1stアルバム。
私は2005年に発売された1stと2ndのカップリング2枚組みを購入したが、聴く頻度は圧倒的にこちらの方が高い。
2ndはハイスピード・テクニカル・ブルータル・デス以外の何物でもないが、これは違う。こっちはどちらかというとインダストリアル・デス・メタルである。つまり高度なテクニックを用いる方向が、CRYPTOPSYではなく、MESHUGGAH(特に3rd以降)に近いのだと思う。
過剰な暴力性=非人間的とするスタイルではなく、「人間性・生命感の削除」という意味でいかに「機械的」になれるか、を理想としたスタイルだから、基本的にメタルの快楽が薄い。ブルータル・デスとしてはスピードは突出してないし、ギターリフに格好良さはなく全体的に淡白で、曲毎の印象も大きな差はない。
だが、これでいい。
OBITUARYの「WORLD DEMISE」と同様、これでいいのだ。
ブラストとかタム回しがどうこう以上にフレーズの何もかもがいちいち偏執的なドラム・ビートに、その上を連動してるだけのギター・リフ、さらにその上にまた連動してるだけのリズム楽器になっているデス声、というリズム・アンサンブルが独自のものとして完成されているから、それを延々続ければいいのだ。本当、それだけしかないです。このストイックさに惚れる。
生命を超越した宇宙的圧殺音楽であり、インダストリアルを凌駕するコズミック・リズムビート・デス。OBITUARYもMESHUGGAHも大好物という方は是非是非是非。


ORIGIN - Origin - Disease Called Man ★★★ (2006-09-14 02:27:41)

しんみりとした語りとSEきたなー、と思ったら曲調やっぱ同じかいw。
これも疾走感がある。で、例によってスネアが鬼のように。


ORIGIN - Origin - Infliction ★★★ (2006-09-14 02:19:20)

この曲は格好良いですね。何が格好良いかと言うと、第二デス声が。「ギャッ!!」「ギャッ!!」ってやつ。パーカッション的ブラック声というか。声質も好きです。


ORIGIN - Origin - Inner Reflections ★★★ (2006-09-14 02:37:24)

最後は結構つーか比較的真っ当な獰猛さが徹底されているような。
終わりにようやくメタルらしい格好良いリフが出て来て、宇宙の彼方へ消えて行きます。ドラムは相変わらず信じ難い速さでスネア打ってますがw。


ORIGIN - Origin - Lethal Manipulation (The Bonecrusher Chronicles) ★★★ (2006-09-14 02:51:24)

1曲目からいきなりドラムがおかしい。スネアが早過ぎる。シンバルが派手過ぎ。フレーズを色々入れ過ぎ。常に妙な事やらんと落ち着かんのか?ギターリフのどうでもよさがまた素敵過ぎる。
私は1:26や2:05あたりの、ギター以外全部消えた後に、全員で小節の頭に一拍「ドッ」って入れる音、この音の長さがすっごい好きなんですよ。スタッカート気味に「ガッ」って感じじゃない、「ドオッ」って感じ。この重みが最高です。些細な事ですが。


ORIGIN - Origin - Manimal Instincts ★★★ (2006-09-14 02:14:39)

イントロの会話がいいアクセントに(何言ってるかは知らん)。
これは割と普通の疾走感がある。だが何故にここまでスネアに頼りますか・・・恐ろしい事になってますな。
しかしリフは途中でスライドで「ギュオ~ンギュオ~ン」と間延び。何故・・・。終わり際「オッオッ!!」とうなるボーカルもいいというか、面白い。


ORIGIN - Origin - Mental Torment ★★★ (2006-09-14 02:06:42)

中間のベースとシンバルの掛け合いがおかしい。デスの凄みもへったくれもない凄まじい軽さ。ずっこけるわ。リフは結構獰猛な感じなのに。
というかこの曲聴いてる時点で気付いたが、このアルバム、デスにしてはバスドラが前に出てないのだな。むしろシンバルとスネアが前。それがそもそも間違ってる、というか間違えてみたのだろう。2ndバージョンと聴き較べれば一聴瞭然、力点が全く変わっている!!


ORIGIN - Origin - Origin ★★★ (2006-09-14 01:57:16)

イントロからJon Longstreth節炸裂。デスなのにこんなシンバルの入れ方で良し!!としたところが凄いわ。
終わりのデス声が素晴らしいです。ロングトーンデス声。感情がありません。


ORIGIN - Origin - Sociocide ★★★ (2006-09-14 01:48:35)

リフだけ聴けばどうしようもなくデス・メタルなのだがなー。それ以外の何物でもない。だがドラムがデスにあるまじき派手さである。
途中でボーカルエフェクトがかかるが、特別印象的ではない。つーか笑う。


ORIGIN - Origin - Vomit You Out ★★★ (2006-09-14 01:39:37)

このアルバムに微塵もシリアスさを感じないのはやっぱドラムのせいだな、と思った。おもちゃじゃないんだから、金物をどんだけ入れたら気が済むのか・・・。
アウトロのツーバスがまた笑える。


QUEENSRYCHE - Promised Land ★★ (2006-09-20 01:48:00)

ヘヴィ・メタルを聴き始めた頃に触れた、前々作である4th「OPERATION: MINDCRIME」は良さが分かるまで時間が掛かったのだが、これは一発だった。音質、音像、雰囲気を通して、アーティストを私の人格が共鳴しているのではないかとすら思える数少ないアルバム。音楽的な関連性は全くありませんけど、THE 3RD AND THE MORTALの「IN THIS ROOM」と同じ括りに入ってます。細かい部分はどうでもよくて、この異形の世界観が存在してくれているだけで嬉しい、とかそういう感じ。
楽曲だけ見ても素晴らしいですが、やっぱり不気味とも言える音像というか、歌い上げるだけでないシアトリカルなボーカルの表現力や、全編に張り巡らされた不穏かつ混沌としたSE・効果音・デジタル処理の作りこみ、それら全て含めた雰囲気が限りなく曇っていて最高に格好良い。そしてまたその表現・発想の幅がとっても多様です。聴いていて本当に楽しい。⑤「BRIDGE」⑧「LADY JANE」⑪「SOMEONE ELSE?」のようなバラードぽい、穏やかな絶望感も落ち着いて浸れます。

一応このレビューの信憑性の為に言っておくと、私は、前作「EMPIRE」の曲のタイトルどころかワンフレーズすら思い出すことが出来ません。


SADIST ★★ (2006-05-04 02:25:00)

今更このバンドのレビューに情熱傾けて何の意味があるのかよく分からんけど、どうやらまだ解散してないみたいだし、復活を祈り続けます。


SADIST ★★ (2006-08-30 23:57:00)

うわー!!本当だ!!すげー!!4th買ってないから買わないといかんなこれは!!
いやー・・・これは感涙モノだなぁ・・・何故かカタカナで「サディスト」とあるサイトデザインも感涙モノw。
毎度こちらの予想を裏切ってクオリティは裏切らなかったバンドだから、深く考えずのんびり待つ事にしよう。
再発はIRON MAIDENの「WRATHCHILD」が収録されてるようだし、もう一枚買ってもいいなー。トリビュート・アルバムの中で突出してアレンジが個性的でしたからねぇ・・・。


SADIST - Above the Light ★★ (2006-05-04 02:03:00)

93年発表、SADISTのデビュー・アルバムは少なくとも、昨今のメロディック・デス界隈に全くない音である。
IRON MAIDENスタイルと言える北欧的哀愁はこのアルバムには一切ない。だが、北欧産のどのアルバムよりも、煌びやかで、気高く、情熱的な叙情性に満ち満ちている。デスメタルパートと同等、どころかそれ以上に、静かで落ち着いた叙情パートがアルバムを支配している。その対比のダイナミズムを過剰に煽り立てる多種多様なシンセ装飾の、「クラシカル」なのに「シンフォニック」でないという特異性。静も動も巧みにこなす3ピースアンサンブルと、一級のテクニックを駆使するTommy のギターワーク。ギターソロのおいて発散されるその気高い哀愁は、かのマイケル・アモットにも比肩すると言い切ってしまおう。
確かに、ボーカルに何の魅力もないし、音質もチープだ。だがそんな事とは無関係に、このアルバム・このバンドの音楽性を「誰も引き継げなかった」から、有象無象のデスメタル界に埋もれてしまったように思えて、悲しくなる。


SADIST - Above the Light - Enslaver of Lies ★★★ (2006-05-04 12:51:16)

デス声に惑わされてはいけない。憤怒の疾走から哀切のギターソロまで複雑に展開するプログレッシブ・メタル。デスメタルの暴力を手段として利用する手腕は見事と言う他ない。


SADIST - Above the Light - Hell in Myself ★★★ (2006-05-04 13:21:22)

こんなデスメタル、そうそうないです(邦盤解説には「チェンバーロックとデスメタルの融合というに相応しい」とあります)。前半部と後半部を掛け合わせたのでしょうが、要素が巧みに混ぜられていて不思議と違和感がなく、アルバム中でも浮いてない。
妖しくも朗らかで、恐ろしいのに崇高な世界。


SADIST - Above the Light - Sometimes They Come Back ★★★ (2006-05-04 02:42:43)

ミッドテンポ・デスでじわりじわりと侵食された大地から、芽吹いてくる叙情・・・小さな芽が、若木となって、枝を伸ばし、大樹となって、花を撒き散らすが如きTommyのギターソロがもたらす、その壮大さを聴け!!


SADIST - Crust ★★ (2006-05-05 18:21:00)

2ndでシンセはやりきったのか、「これ、デスメタルじゃないよね」と我に返ったのか、今度は思いっきり直情的なモダン・デスメタルに変貌してます。歌詞が「だって俺ら、サディストだし」という開き直り過ぎな内容に変わりまして、叙情も哀愁もオリエンタリズムもガックリ肩を落としてますな。歌い上げるのは「殺してぇ!!」「刻みてぇ!!」「血が見てぇ!!」という激情で、まあ、まさにそれは確かにまさしくデスメタルなんですけども、曲は3分台で音質も「いかにもデス」という感じで聴き易いのは「あんたらちょっと日和過ぎではないですか」と言ってみたくもなります。
とはいえ。
デスメタルとしては紛れもない超怒級のクオリティを持つ一級の作品である事は間違いなく、ヒトに潜む攻撃衝動は正確無比に表現される上、アンビエント風シンフォニック・シンセがその野蛮を賛美するかように妖艶で魅力的に彩ってリスナーの脳に流し込まれるという、そこらのヘヴィ・メタル・カス・バンドなど殲滅するような、恐ろしく殺傷力(品質)の高い殺戮マシンのようなアルバムに仕上がってます。凄すぎてある意味ポップ。つまり、百人に聴かせれば百人が殺意に目覚めそうな気がする。
Tommy(ギター・キーボード)以外全員入れ替わってますがバンドの技量も向上、テクニカルなアンサンブルを余裕でこなして整合感は微塵もブレてません。特にドラムのOinos。こいつはメッチャクチャ上手いだろ!!ソロもこなす Andy(B。1st時から出戻り)のうねりある存在感、様々なデス声を駆使する上気だるい呟きも入れてくるTrevor(Vo)、いや、一体どんだけ美点が思い付くんだこのアルバムは・・・もういいわ。97年発表。
個人的には「モダン・スピリチュアル・デス」と名付けたい。暴力衝動に洗脳されたい人は買おう!!


SADIST - Crust - 'Fools' and Dolts ★★ (2006-05-05 20:23:22)

イントロのSEから、ひたすら聴き手を急き立てる不穏と衝動・・・そして爆発、暴走、Fool、Fool、Fool、発狂していくボーカル・・・。
メロディなどなくてもSADISTは、情感の描写に困らないのだ。


SADIST - Crust - Christmas Beat ★★ (2006-05-05 21:50:22)

この曲の何がクリスマスなのか・・・歌詞はどうも、情動を抑えきれない男がレイプした、ってだけに思いますが、その日がクリスマスなの?だとしたらえげつないな。
キラキラ光る華やかなムードの中、獰猛で粘っこく始まり、レイプ、じゃなくて切れ味鋭いパートへ雪崩れ込んでその後も疾走と弛緩を繰り返して展開。良いですよ。
・・・曲が、ね。


SADIST - Crust - Obsession-Compulsion ★★★ (2006-05-05 21:08:04)

これはAndy(B)がメインで作ったんだろうなぁ、と推測出来る。ベースが暴れ回っとる!!Bソロもあるし。☆3つなのは、ベース経験者の贔屓目もありますかね。
MESHUGGAHかっ!!というリフからメロディックな展開も清々しい。


SADIST - Crust - Perversion Lust Orgasm ★★★ (2006-05-05 20:36:16)

不気味なSE、妖しい旋律を奏でるシンセ、ヘヴィなモダン・アンサンブル、多彩な展開、デス声から恍惚に病んだ呟きまで幅広いボーカルと、新生SADISTの魅力が詰まった1曲目。
あとドラムが凄えよ。


SADIST - Tribe ★★ (2006-05-05 02:35:00)

1stから3年・・・その間、ノルウェーのブラックメタルバンド・MAYHEM内に起きた凶行の衝撃がアングラ・メタルシーンを駆け巡り、AT THE GATES、DISSECTION、IN FLAMESなどによるスウェーデンのメロディック・デス・メタル勢が台頭、CRADLE OF FILTH、DIMMU BORGIR、BAL-SAGOTHなどシンフォニック・ブラックも活発化しており、デス/ブラックシーンはまさに活況を呈して、96年。
そんな状況に発表されたこのアルバムは、そんなシーンの変化を鋭敏に察知、当時の影響をもろに被っている・・・事はなく、影響は全く見られない、どころか時代の流れを清々しいほど完全無視、好き勝手に独自の進化に邁進した内容だ。
前作はあくまでも「デスメタル」という土台の上に、クラシカルな装飾など異ジャンルの音楽性を取り入れていたが、今作はもう「デスメタル」と言えない。デス特有の突貫根性はゼロに近くミドルテンポ主体、そしてシンセの派手さが不可思議な方向に爆発、展開もメタルの範疇を見失った自由さで、ここに唯一無二の「神秘と怪奇渦巻く変態メタル」の堂々完成と相成ってます・・・もしHoly Recordsから発売されてたら「さもありなん」って言ったと思うわ。
肝はやはりシンセで、(多分オリエンタルと言っていいと思うが)この界隈ではそう見られないほどの多様な音色・質感に、さらにSEが加わり、その自己主張は「装飾」ならば明らかに越権行為と言える倣岸さ。そうして溢れるムードは、相変わらずスウェーデン勢のような哀愁一辺倒ではなく、崇高・荘厳・煌びやかでさらに、今作はデスパートが減じた分狂気も担ってもう、叙情的でもクラシカルでもなく、民族音楽みたいというか何かひたすら不気味。前作のような哀愁深いクラシカル・デスを期待すると、確実に評価を誤る。
ただ、デスパートがほぼなくなって、静と動のダイナミズムは減じてますね。曲の長さが基本4分台と実はすっきりしてますし(でも分かり辛いんだが)。
前作からB&VoのAndyが脱退、新たにChicco(B)とZanna(Vo)が加わっている。Zannaの声は、しわがれたTomas Lindberg(AT THE GATES、LOCKUP)といった趣なのだが、デス声というより普通の「わめき」に近い為嫌悪感は薄く、かすれた声質ながら牙をむくそのボーカルは、弱さと怒りを常に発散してて、個人的には大好き。
今作は、無理して比較するなら「シンセを取り入れすぎたDEATH」と言えなくない・・・かもしれない。


SADIST - Tribe - From Bellatrix to Betelgeuse ★★★ (2006-05-05 15:16:08)

・・・未開の密林に辿り着き、そこで見上げた夜空の美しさと暗闇の恐ろしさを想起する・・・
シンセが奏でる煌びやかで壮大な旋律から、メタリックで圧迫感のある展開、そして、Tommyによる、神掛かった哀愁と神秘を発散するソロに泣かずにいられるかッ!!
このインストの存在を、ARCTURUSの「AD ASTRA」同様、デスメタル愛好者は誇らしく思うべきだ。


SADIST - Tribe - India ★★★ (2006-05-05 16:04:46)

タイトル通りインド音楽を取り入れてるのか?オリエンタルな響きが支配するプログレッシブ・密教・デス。
涅槃にGO!!という感じ?なの?あぁ、想像すると気持ち悪い!!


SADIST - Tribe - The Ninth Wave ★★ (2006-05-05 12:12:20)

この曲が、難解と言えるアルバム「TRIBE」の核を、最も分かり易く伝えていると思う。
つまり、デス声で、割と疾走感があって、不穏な雰囲気があって、シンセが主導権握って乱舞して、で、「ギターリフがありません」けどそれでもデスメタルと呼びますか、と。
ていうかこの曲、趣がLIMBONIC ARTに近い・・・と思ったら「TRIBE」、LIMBONIC ARTの1stと発売年が一緒かよ。不遇にも程があるなこのバンド。


SADIST - Tribe - Tribe (2006-05-05 15:41:41)

4分しかないとは思えない程に矢継ぎ早かつ多彩に展開する実験的なカオティック・テクニカル・ドラマであろう。
様々な叙情性や攻撃性が描かれるのにGソロもBソロもあって、曲の印象がどうにも言葉にならない。


SAMAEL ★★ (2006-05-10 16:19:00)

ずーっとドイツのバンドだと思ってたが、スイスのバンドだったとは。
「これぞドイツ」と思ってた私は一体どうすればいいのだろう・・・。


SAMAEL - Passage ★★ (2006-05-10 15:21:00)

96年発表の4th。
以前はブラックメタルだったらしいが(未聴)、このアルバムはインダストリアル・ゴシック・メタル。
このバンドが先達なわけだからこの例えは失礼だろうが、「人間味のないRAMMSTEIN」と言える。
ドラムは打ち込み、全編ミッドテンポで進む重いリフが、シンフォニックな華やかさでない、オペラティックと言える壮大で憂愁をたたえたシンセに覆われる、冷徹・荘厳・無慈悲な世界。
徹底的に硬質な音塊の存在感もさることながら、オーケストレーションが奏でる旋律が冷たくも哀しく、無慈悲ではあるが無機質な印象はない。狂気的情感に溢れた強固なゴシックの世界・・・それはまさに、ジャケに大きく写されている月が象徴しているだろう。
このアルバムしか持ってないが、独自性・クオリティ共に申し分なく(似たようなテンポが続くので少しダレるが)、もっと多くの人に聴かれるべきバンドだろう。ちなみに全編デス声です。


SAMAEL - Passage - Angel's Decay ★★ (2006-05-10 15:56:00)

儚く哀しいピアノのメロディをバックに、苦悩と葛藤がじわりじわりと聴き手を侵食するインダストリアル・メランコリック・ドラマ。
深みのあるVorphの低音ボーカルを堪能せよ!!


SAMAEL - Passage - Moonskin ★★★ (2006-05-10 15:38:25)

ピアノの旋律がメインのSAMEL風メタルバラードか。
見上げた月に、夜空に、失った恋人を永遠に捜し求めているような、壮大な哀愁に満ちている。紛れもない名曲。


SATYRICON ★★ (2006-05-12 01:27:00)

日本盤出てたんですね。良い事聞いた!!探してみよう。
私の住まいは田舎なのでツタヤにはないだろうなぁ。タワレコですら微妙・・・IN FLAMESの旧譜も揃わないような店ですから。
・・・そんな、アングラ系は期待できない店なのに、以前、どういうわけか、BURZUMの「Det Som Engang Var」が置いてあった時は卒倒するかと思いましたが。


SATYRICON ★★ (2006-06-08 18:06:00)

今月号のBurrn!にSatyricon(Satyr)のインタビューきましたね!
Satyrのブラック・メタル観が理解出来る、優れたインタビューだと思います。


SATYRICON ★★ (2006-09-16 16:33:00)

DARK MEDIEVAL TIMESのアルバムのイントロですが、WHEN/WriterCakebox(おそらくベスト)の「Death in the Blue Lake-Excerpts」にありました。
これは抜粋版のようで、元々はおそらくもっと長い曲なのでしょう。が、元曲が収録されてるアルバムは売ってるところ見たことないので確かめようもございません。

ちなみにWHENはメタルではなく・・・おそらく古今東西あらゆる音楽と音をサンプリングしまくった音楽というか・・・ディズニーランドと四谷怪談とダンスフロアと土着的祝祭が同時に体験できるアルバムというか、2枚組み全39曲ブッ通しで聴いたら明らかに・・・何つーか、瞳の焦点が合わなくなる感じです。
SEが「シュオオオ」とか「ズウーン」とか「どっしゃああん」とか多くて素晴らしく病んでますけど、パートによっては恐ろしくメロディックで聴き易いところが逆に気分悪ーい・・・です。


SATYRICON - Dark Medieval Times ★★ (2006-07-18 02:21:00)

93年発表の1stアルバム。
ブラック・メタルを大別すれば、メタリックな攻撃性やスピードを重視する「スラッシュ/デスの進化系」と、雰囲気や情念を重視する「アンビエント/アヴァンギャルド系」の二つに分けられると、個人的には、思っている。
SATYRICON は3rd「NEMESIS DIVINA」の印象が強く、てっきり前者に属するバンドだと思っていたが、このデビュー・アルバムは明らかに後者。「ノルウェーの暗い森の奥深くに集う亡霊の物語」といった印象を持てるアンビエント・ブラック・メタル・・・もしくは・・・Satyrは時折叫んだり呟いたりしてるだけでボーカルラインはないに等しいし、展開はアヴァンギャルドっていうか変テコで把握が難しいし、1曲目のイントロはWHENの曲から拝借しているし(WHENについては 2006年現在Jester Records所属なので詳しくはそちらで)ダーク・プログレでもいいかもしれない。
アコギやフルートも出て来るのでフォーク色も強く、2nd・3rd辺りのBURZUMと、初期ULVERを足して2で割った感じだろうか?思いっきりメロディックにすると初期 DIMMU BORGIRになりそうでもある。1st時のTHE 3RD AND THE MORTALも同系統に加えられそうなので、STORMやったのも頷ける。
とにかく、まぁ、呆れるほど暗鬱な地獄の音像。攻撃性は大してないのだが、まーとにかく暗い!!怖い!!気味悪い!!とここまで一般リスナーを突き放せば言う事は何もありません。個人的にSATYRICONの肝だと思っているひねくれた展開も満載という事で、死人音楽として100点満点です。

あと、SATYRICONの創設にCarl-Mikaelが関わっていたというが、クレジットには既に名前がないっぽい。


SATYRICON - Dark Medieval Times - Dark Medieval Times ★★★ (2006-07-18 02:56:09)

ゆったりとした邪念描写が何とも雄大。鬱蒼とした森に吸い込まれていくようだ。
アウトロに向かってフルートとアコギのメロディック・フォークの世界になり、森を抜け出したのかな、と思ったらやっぱり幻想でした、みたいな邪悪な展開で終結。最高。


SATYRICON - Dark Medieval Times - Skyggedans ★★★ (2006-07-18 03:14:50)

3分台の曲なのに全体の印象が言葉にならんという素敵な曲。
中間部のアコギパートのぶっ壊れ具合がいいです。終わりのシンセも、メロディックに恐怖を煽ってていいムード。