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AT THE GATES - With Fear I Kiss the Burning Darkness - The Burning Darkness ★★ (2006-04-25 02:51:27)

二分強しかない小曲だが、二本のギターがひたすら泣きの旋律を奏で続けていて胸に迫るものがある。
複雑で難解なアルバムに含まれているだけあって、何気に5/4拍子メインで5/8拍子+6/8拍子やら混在する無茶な事やってますが、難解な印象は微塵もない。それは情感の表現に成功しているからでしょう。
でもこのオリジナルより、3rd収録の(ボーナスでない)ライブ版の方がテンポ速めだしボーカルもいいと思ってたり・・・。


AT THE GATES - With Fear I Kiss the Burning Darkness - Primal Breath (2006-04-25 02:30:58)

このアルバムを最後に脱退したAlfの遺産かと。
曲展開は無闇で冗長だけど、差し込まれるメロディに一聴の価値はある。


AT THE GATES - Terminal Spirit Disease - Terminal Spirit Disease ★★★ (2006-04-25 02:23:38)

よく聴けばこの曲は、3/4拍子と4/4拍子を絡めたミドルテンポの曲だ。でも疾走感はある。その上ギターリフが泣ける。さらにデス声なのにサビでの歌唱に悲しみが宿ってる。


AT THE GATES - Slaughter of the Soul - Suicide Nation ★★★ (2006-04-25 02:09:51)

裏アクセントリフと表アクセントリフが混ざってるんだね・・・言葉にすると味気ないが、この疾走感と蹂躙感は癖になるわ。
デス/スラッシュって素晴らしい音楽だと改めて思える。


AT THE GATES - Slaughter of the Soul - Slaughter of the Soul ★★★ (2006-04-25 01:59:55)

イントロでやられる。
あと、この曲が一番「男泣き」の感覚が強いかと。


AT THE GATES - Slaughter of the Soul ★★ (2006-04-25 01:55:00)

前作(3rd)はメロディックなリフによる情感に覆われていたが、今作では無慈悲で冷徹、鋭利な刃物のようなリフに変わり、デス/スラッシュが本来持っていたメタル的攻撃衝動が疾走するアルバムとなっている。「スラッシュメタルが好き」と言いながら「このアルバムが嫌い」と言う人は「頭がおかしい」か「言語感覚がおかしい」かのどちらか。
前作にあったような分かり易いメロディは曲中ピンポイントで出て来るが、それよりも、無慈悲なリフ一つ一つが実は男泣きしていて、アルバム全体を覆う悲哀の量は変わらないと思う。


AT THE GATES - Terminal Spirit Disease ★★ (2006-04-25 00:57:00)

94年発表の3rdアルバム。
ここから、作曲クレジットがのほとんどが「Bjorler/Bjorler/At the Gates」、レコーディングスタジオ「STUDIO FREDMAN」、プロデューサー「Fredrik Nordstom」となってクオリティが鬼のように上がる。プログレッシブ路線は完全廃棄、伝統的なメタル/スラッシュの疾走感に焦点を絞った作曲によって、萌芽に過ぎなかったメロディセンスが全面開花、全てのリフに情感が宿り、歯切れの増したTomasの怒りの叫びを伴ってここに深い哀切と暴力衝動が疾駆するメロディック・デス・メタルの一つの完成形を見る事になった。
調べてみると、DISSECTIONの1st「THE SOMBERLAIN」、DARK TRANQUILLITYの1st「SKYDANCER」が93年、IN FLAMESの1st「LUNAR STRAIN」、OPETHの1st「ORCHID」、そしてこのアルバムが94年に発表されている。当時のスウェーデン地下で一体何が起こっていたのか・・・。
スタジオ録音6曲とライブ録音3曲という変則仕様。新ギタリストにMartin Larssonが加入している。


AT THE GATES - With Fear I Kiss the Burning Darkness ★★ (2006-04-24 23:15:00)

93年発表の2nd。
私が所持している邦盤の帯文句には「・・・前作とは異なる方向性を打ち出した・・・」とあるが、どう聴いても基本路線は1stと大差はない。次々と忙しく展開するプログレッシブ・デスメタルで、作曲クレジットから推測するにAlf中心で作られたからだろうが、展開がより複雑で分かりにくく、難解なアルバムだと思う・・・Alfは⑤や1stの「NEVERWHERE」を聴く限りいいメロディを書くのに、どうしても複雑怪奇な展開にするんだよなぁ・・・やはりまだ二流の域を出たと言い難いし、言うまでもなくデスラッシュとは言えない。音質とTomasのデス声が良くなっている。jonasはまだ作曲クレジットに載ってない。
このアルバムを最後にAlf Svenssonが脱退(その後Oxiplegatzへ)。


AT THE GATES - The Red in the Sky Is Ours ★★ (2006-04-24 22:21:00)

92発表の1stフルアルバム。
このアルバムはデスラッシュではなくプログレッシブ・デスと言え、4th「SLAUGHTER OF THE SOUL」の影はほとんど見て取れない。ヴァイオリニストを含む6人編成、せわしなく落ち着かない展開、乱舞するメロディック・リフ・・・「メロディック・デス」という言葉すら生まれてない時期、北欧の地下で行われていた新しい形のデスメタルを作り出す為の「プログレッシブ」な実験から出てきた、異形のデスメタルであろう。
脈絡がない変態的展開に下手糞なヴァイオリンにチープ極まる音質と、負の要素が溢れているにも関わらず、それらに目を瞑って聴き続けられる理由は、3rd以降如何なく発揮される事になるメロディ感覚の萌芽だ。特にAndersの泣きの感覚が支配する⑤ 「Windows」が出色だが、どう贔屓目に見ても二流のデスメタルなのに、気付くと悪いと思えなくなっている・・・いや、4thを先に聴いている人がどう思うかは何とも言えないが・・・。
ちなみに、まだベースのJonasが曲作りにほとんど関わっておらず、それどころか、メンバー写真には別のベーシストが写っていたりします。


Bal-Sagoth - BATTLE MAGIC - THE DARK LIEGE OF CHAOS IS UNLEASHED AT THE ENSORCELLED SHRINE OF A'ZIRA-KAI (THE SPLENDOUR OF A THOUSAND SWORDS GLEAMIMG BENEATH THE BLAZON OF THE HYPERBOREAN EMPIRE PARTⅡ) (2006-04-24 18:45:40)

タイトル、鍵括弧の中とか要らない気もしたが、もう意地で。とても訳す気にならんがイントロ聴くと、タイトルは「いざ行かん!我が軍の勝利の為に」で満場一致すると思うわ。愉快にも程がある。
「楽しい行軍」パートは後半、両軍衝突したのか疾走パートへ変貌します。でもこのアルバムの中では4分台と短く、まとまった聴き易い曲ですよ。
あと3ページみっちり埋めてる歌詞ですが、早口選手権の優勝者でも呼ばないと4分で言い尽くせないと思う。


Bal-Sagoth - BATTLE MAGIC - BLOOD SLAKES THE SAND AT CIRCUS MAXIMUS (2006-04-24 18:06:30)

この曲を聴けば、ま、前作のダーク・サーガ路線を期待してる俺が間違ってたと納得せざるを得ない。どう聴いてもこれはBAL-SAGOTH版エレクトリカル・パレードで、気味の良くないクラシックです。でもインストに9分費やすところがらしいと言えばらしい。
個人的には、インストなのに何故、歌詞が3ページ弱もあるのかと問いたい。


Bal-Sagoth - BATTLE MAGIC ★★ (2006-04-24 16:54:00)

98年発表の3rd。
ジャケがアメリカンコミックみたいになってますが、音像もそんな感じに変化してます。ダーク・サーガではなく、ヒロイック・ファンタジーと言える世界観。ブラックメタルっぽい攻撃性が減退した代わりに煌びやかなミドル・スローパートが浮上、シンフォニックアレンジも全体的に明るくなっている印象を受けます・・・ま、シンフォニック・スピード・メタル・オブ・やりすぎ系の基本理念は変わってませんが。
突貫魂の薄れはブラックメタルファンとしては寂しいんだけど、今聴いてたら、野山を越えていく戦士達の行軍やら、森を彷徨って辿り着いた湖で戯れる妖精やら、森を抜けた先の丘から見えた広大な朝焼けの絶景やら、見知らぬ都市での不可解なパレードやら、色んな情景が思い浮かんで何だか楽しくなってきちゃったよ。


LIMBONIC ART - Epitome of Illusions ★★ (2006-04-24 04:35:00)

98年に発表された、1st以前のデモのリ・レコーディング盤。
このバンドの出現でブラックメタルの進化は打ち止めになった、という旨の記事を見た事があったが、聴いてみて納得した。これは「メロディック・ブラック」と言うより、「シンフォニック・ブラック」と言うより、何と言うか「ブラック・シンフォニー」であって、シンセサイザーが装飾の立場を越えている。というか、こっちがメインになっている。ここまでやると、ブラックメタルという騒がしい人間性を統べる神の旋律とでも言いたくなるし、だからこそギャラクシー・ブラックという呼称はぴったりだと思った。ブラックメタルの矜持がメロディによって、これ以上ないほどに蹂躙されていると思う。
加えてドラムが全て打ち込みであるがこれは、バンド解散後にMorfeusが結成したDIMENSION F3Hを聴いていくと、辿り着く先はメタルライブ会場ではなくダンスフロアというか、ブラストビート・レイブ・ミュージックではないのかとすら思えてくる。それくらいメタルの味わいが薄い。
冗長な部分は多いとはいえこれは、人間同士の戦争すら温かみを覚えてしまうほどの、神の手による人類浄化・惑星浄化音楽である。一曲目のイントロを聴いて私が想起したのは、YESの「Close to the Edge」だった。無論あんな複雑な音楽ではないが、壮大さは比肩している。


Bal-Sagoth - STARFIRE BURNING UPON THE ICE-VEILED THRONE OF ULTIMA THULE - IN THE RAVEN-HAUNTED FORESTS OF DARKENHOLD,WHERE SHADOWS REIGN AND THE HUES OF SUNLIGHT NEVER DANCE ★★ (2006-04-24 03:06:31)

タイトルの長さはアルバム中二番目・・・まだ上がある・・・。
曲の基本は相変わらずシンフォニック世界の語り部が突如「ィエエエエーッ!」と発狂して走り回る展開ですが、この曲には明確にサビというか、曲の落としどころがはっきりとあります。シンフォニックシンセとギターメロディの掛け合いみたいな感じで、メタル的格好良さに哀愁も含まれてて印象に残ります。


Bal-Sagoth - STARFIRE BURNING UPON THE ICE-VEILED THRONE OF ULTIMA THULE - SMMONING THE GUARDIANS OF THE ASTRAL GATE ★★ (2006-04-24 02:47:54)

ギターに乗った語りから一転、突貫馬鹿一代狂乱スピードメタルの世界へようこそ。後はもう暴れ狂おうや。
と言いつつも、テンポ落としてノリ変える展開なんかはかなり格好良い。


Bal-Sagoth - STARFIRE BURNING UPON THE ICE-VEILED THRONE OF ULTIMA THULE ★★ (2006-04-24 02:33:00)

96年発表の2nd(この年には、以前のレーベルメイトCradle of Filthが「Dusk and Her Embrace」を発表してますね)。ちなみにBal-Sagothというバンド名はロバート・E.ハワードの小説から取ったそうで。
Cradle of Filthがホラー風味のデカダン世界を構築したのと同様のレベルで、こちらはダーク・ファンタジー・サーガを物語っています・・・いや、その情熱の迸り加減は、推測ですけど、両バンドの全アルバムの中でもこれが一番ではないですかね。だってアルバムタイトルからして長過ぎでしょう?略になってない!曲のタイトルはもっと凄い事になってまして、それはもう、「この曲を聴け!」に登録するの嫌になるくらいっすよ。
曲の方も、やりすぎなシンフォニック・シンセと抑えきれない突貫ブラック根性が矢継ぎ早に「これでもか!」というほど繰り返されるシンフォニック・ブラック・アホ・メタルです(良い意味で)。サーガの世界観にに酔い過ぎてか曲単位では印象に残りにくい感じですが、そんな小言言うよりこの愛すべきB級メタルと共に叫んで暴れまわる方が100倍楽しいですね。
ま、さすがに彼らも全体的にタイトルが長過ぎると反省したのか、次のアルバムではその辺考慮されています。
3rdアルバムのタイトルは、「Battle Magic」・・・そりゃ略し過ぎだろ!


IN THE WOODS - Strange in Stereo ★★ (2006-04-23 03:52:00)

99年発表の3rd。
元々アンビエント志向(っていうか大作志向)があったバンドだが、進化の方向性はULVERやTHE 3RD AND THE MORTALと同じで、SEが大幅に導入、形式より雰囲気が重視されており、さしずめアンビエント・ダーク・メタルと言える内容。10分台の曲はなくなり、5分台が基本となって聴き易くなっている。
ボーカル表現も増え、不協和音の使用なども面白い。が、相変わらず男声の魅力は薄いし、相変わらずメロディの印象が弱い。あと個人的意見として、Ann-Mari Edvardsen時代のTHE 3RD AND THE MORTALに似てる部分があるな、と。
アンビエント・メタルを薦めるとして、メタルっぽさをあまり好まない私はTHE 3RD AND THE MORTALを推すが、メタルを好む人からすればこっちの方が気に入るかもしれない。


IN THE WOODS - Omnio ★★ (2006-04-23 02:35:00)

97年発表の2nd。このアルバムからメンバー表記があるので確実だが、ドラムのKobroはCARPATHIAN FORESTでも叩いている。
このアルバムで完全にデス/ブラック要素が消失した。
こんなところで言うべき事でもないと思うが・・・この界隈のバンドが邪悪・狂気・暴力といった要素を取り払った時、大概失望とともに浮かび上がるのは、人を超越したデス声やブラック声って、実は、稚拙さの担保になっているという事実だ。つまり、演奏や楽曲構成・編曲の稚拙さを許す為のシンボルであって前提であってつまり、ルールである気がする。
そして、嫌悪を振り撒く絶叫や暴走と、哀切や寂寥を奏でるメロディの同居という、門外漢から失笑されそうなその美と醜の対比が、いかに、危ういバランスの上でしか成り立たない優れた表現であるかを思い知らされる。
このアルバムは、前作にあったブラック的疾走も喚き声もほぼない、女声も取り入れた、スロー・ミドルテンポ中心で大作志向のプログレッシブ・メタルである。前作の笑ってしまうほど馬鹿馬鹿しい神秘と狂気の対比を望めば、裏切られる。ならばプログレとして捉えると、ノーマルボーカルを中心とした楽曲の割にそのボーカルに大した魅力がなく、展開は滑らかなのだが逆に言えばリフやメロディに刺激が少なく起伏もなく、結果的に茫洋とした印象しか残らない。
3rd「STRANGE IN STEREO」になれば、大作主義はなくなり、弦楽器やエレクトロニックな装飾が施されたアンビエント・ダーク・メタルとしてまぁ面白くなるので、正直、3rdに到る「つなぎ」以上の価値が私には見出せなかった。
こんなレビュー載ておくべきかどうか非常に疑問なので、誰か褒めて下さい・・・CARPATHIAN FORESTマニアの方とか・・・どうか購入の検討を。


ORIGIN - Informis Infinitas Inhumanitas ★★ (2006-04-22 03:47:00)

2002年発表の2nd。
別に「ブルータル」=ドラムテク披露会でなくていいのですけど。徹頭徹尾ブラストかまされたところで驚くのは最初だけで、じき飽きる。デスだろうと何だろうと、緩急というか曲構成がまずあるべきだ、と思った。だって、「ドラムが鬼」以外に大した特徴も挙げられないのですけど・・・1stと違って。
言い方変えれば、超一級高品質憤怒心頭血管破裂ブルータルデスメタル地獄。
これはこれで素敵。


ORIGIN - Origin ★★ (2006-04-22 03:20:00)

2000年発表の1stアルバム。
私は2005年に発売された1stと2ndのカップリング2枚組みを購入したが、聴く頻度は圧倒的にこちらの方が高い。
2ndはハイスピード・テクニカル・ブルータル・デス以外の何物でもないが、これは違う。こっちはどちらかというとインダストリアル・デス・メタルである。つまり高度なテクニックを用いる方向が、CRYPTOPSYではなく、MESHUGGAH(特に3rd以降)に近いのだと思う。
過剰な暴力性=非人間的とするスタイルではなく、「人間性・生命感の削除」という意味でいかに「機械的」になれるか、を理想としたスタイルだから、基本的にメタルの快楽が薄い。ブルータル・デスとしてはスピードは突出してないし、ギターリフに格好良さはなく全体的に淡白で、曲毎の印象も大きな差はない。
だが、これでいい。
OBITUARYの「WORLD DEMISE」と同様、これでいいのだ。
ブラストとかタム回しがどうこう以上にフレーズの何もかもがいちいち偏執的なドラム・ビートに、その上を連動してるだけのギター・リフ、さらにその上にまた連動してるだけのリズム楽器になっているデス声、というリズム・アンサンブルが独自のものとして完成されているから、それを延々続ければいいのだ。本当、それだけしかないです。このストイックさに惚れる。
生命を超越した宇宙的圧殺音楽であり、インダストリアルを凌駕するコズミック・リズムビート・デス。OBITUARYもMESHUGGAHも大好物という方は是非是非是非。


MAYHEM - Grand Declaration of War - A Time to Die ★★ (2006-04-22 01:52:42)

Hellhammerが何故「鬼神」と呼ばれるか知りたければ、この曲を聴けばいい。「ブラストがいかに速いか」などという背比べを無意味化・児戯化するアヴァンギャルド・ブラスト・ロックンロール。
リスナーを殺す為の時間は、2分も要らない。


DIMMU BORGIR - Puritanical Euphoric Misanthropia - Sympozium ★★ (2006-04-22 01:15:26)

壮麗にもほどがあるオーケストレーションをバックに従えたメタルパートから一転、壮絶ブラストビートに雪崩れ込む展開は、本当、「ブラックメタル聴き続けて良かった」と思えるカタルシスがある。


DIMMU BORGIR - Alive in Torment ★★ (2006-04-21 04:25:00)

02年発表ミニライブ盤。でも収録曲は全て、DVD「WORLD MISANTHROPY」に収録されているかと・・・。DVD買うと要らなくなるという点で、EMPERORの「EMPERIAL LIVE CEREMONY」と同じ・・・何だろう、このよく分からん二度売り商法は。
ライブとしては、どうしてもドラムに耳が行ってしまうというか、それ以外に耳が行かないというか。
CDが顔の形をしてるので、初めて見るとかなり驚きます。CDの穴を固定しないタイプのトレイに入れてプレイボタンを押すのにちょっと勇気が要ります。プレイヤーの中でガリガリガリと暴れまわるんじゃないのかとビクビクしますな。実際どうなるかは、秘密。


DIMMU BORGIR - Godless Savage Garden ★★ (2006-04-21 03:55:00)

98年発表の、3rdアルバム後のミニアルバム。邦題「暴虐の楽園」で邦盤ボーナストラックに「MOURNIG PALACE」のライブ。調べて分かったけど日本盤さ、ミニアルバムの値段が2600円て何様?海外盤同様文字が浮き出てる特殊ジャケなのか?
収録曲は、おそらく3rdから収録漏れした①③、1st収録曲のリレコーディング②④、ACCEPTのカバー⑤、ライブ音源⑥⑦⑧で以上8曲(邦盤は+1)。
とにかく、妖精に導かれて森に迷い込んでいくような妖しい美しさを持つ④が出色の出来栄え(原曲は知らない)、なんだけど、邦盤の3rdにも入ってるしな。⑤も原曲知らないが、何の違和感もない。ぴったりじゃん。
ライブも2nd、3rdからの選曲だし、この頃が気に入れば良い物ですよ。裏ジャケもちょいエロいし。・・・しかしいくら40分収録されてるからって2600円はなぁ・・・。


DIMMU BORGIR - Enthrone Darkness Triumphant ★★ (2006-04-21 03:18:00)

5thアルバム「PURITANICAL EUPHORIC MISANTHROPIA」より前の作品への書き込みの少なさに驚いた。私はもう「昔のDIMMU BORGIR」ファンなんだな・・・えっと97年発表の3rdアルバムです。日本盤ボーナストラックは「GODLESS SAVAGE GARDEN」にも収録されている「RAABJORN(以下略)」と悪音質のライブ2曲。
5th以降しか知らない人からすれば、愕然とするほどの音圧・攻撃性のなさだろうが、少なくともこの頃のDIMMU BORGIRの魅力は、嵐のような暴虐のドラマではなく、メロディアスなシンフォニックアレンジの分かり易さだった。ブラック特有の禍々しさではなく、ブラック特有の美しさが彼らの武器だった。せわしなく複雑に展開したCRADLE OF FILTHの「DASK AND HER EMBRACE」(96年発表)とは対象的に、荘厳にそびえ建つ黒い城(Dimmu Borgir)の存在感を示したアルバムだと思う。
どっしりしたミドルテンポの「MOURNING PALACE」から始まって、メタルバラードと言える「A SUCCUBUS IN RAPTURE」で締めくくられているなど、久々に聴いた私でさえ驚いた。
必要なドラマーの技量が跳ね上がっている最近の傾向は、自らの首を絞めかねないから、これ聴いて見直したらどうかなぁ・・・次のドラム、Hellhammerでしょ?もうその上はないんだよ?


MAYHEM - Wolf's Lair Abyss ★★ (2006-04-20 14:25:00)

初のフルアルバムがプレイしているギタリストの「追悼盤」というこれ以上ない衝撃から、3年間の沈黙を経て再結成、リリースされたアルバム。
普通そんなもの前作を越えるどころか、対等に扱えるものにもならんはずだ。殺人事件という凶行の偏見からもそうだし、リーダー死んじゃってるから音楽的にもつながらんだろうし。
なのに、なのに、恐ろしい事にこのミニアルバム、ユーロニモスが刺されたけど「死ななかったら」こんなアルバム作ったんじゃないかと思えるという信じられない連続性と、質の向上があります。
「THE TRUE MAYHEM」の名を恥じないものとなった原因は、新加入のBlasphemerではなく・・・個人的な推測でしかないけど・・・このアルバムに少なからず関わったであろうThe Jesters、つまりULVERのGarmとKnutではないのか・・・タイトルのWolfといい・・・歌詞カード裏のウイリアム・ブレイクの絵といい・・・。


MAYHEM - De Mysteriis Dom Sathanas - Funeral Fog ★★★ (2006-04-20 04:38:46)

いきなりイントロから世間に背を向けた疾走のドラマ展開、弦楽器陣とドラムが意図的に一拍ずれて入るリフなど、狂った本能を冷たい知性で統制する手つきこそ、ユーロニモスの真骨頂か。
そして、自らを含めた現実全てへの憎しみを抑えきれないボーカルが聴き手を明確に呪い殺しにかかってくる。
鋭すぎる「虚無」と「憎悪」の間に「正気」が入る余地などない、ブラックメタルの中のブラックメタル。


IN THE WOODS - Heart of Ages ★★ (2006-04-18 04:39:00)

ブラックメタル黎明期を地味に盛り上げたバンドの一つでしょう。楽曲は基本7~15分と長めで、プログレと言えなくもないのは、日本盤がマーキー/ベル・アンティークから発売された事からも分かります。
歌詞は・・・ブラックメタルと言えば「悪魔崇拝」「絶叫」「ブラスト」しか思い付かない方には驚かれるでしょうが・・・えっと一言で言って「大自然の素晴らしさ」です。本当です。バンド名もそうじゃないすか。ブラックメタルって実は土着的な音楽なんですよ。「Death」とか「Satan」と同等に「Forest」「Winter」とかもよく出てくるんで。
ただこの人達、自然信仰はいいんですけどちょっと行き過ぎというか・・・「森林に包まれて」「葉からこぼれる光が」などという言葉はどこにもなくて・・・ヴァイキングの歴史も同時に語っているせいか無闇に猛々しくて、スケールがでかいんですよ。
男が傷付きながら大自然を彷徨っていたら、何が起こったのか突然「俺は輝く・・・俺は輝く・・・プリマ・マーテルの力」「永遠におまえの中に、俺はナイト」とか言い出したり、知恵の神が血管に流れ始めて「俺は巨匠」といきなり豪語するのに「だが神ではない」と謙遜するとかどうにも付いていけない。
曲もそれに合わせて作られており、幻想的で美しい旋律の中を男声が情熱的に歌い上げている、と思ったら何が起こったのか「ァオーゥッ!」と叫んで発狂、バックも負けじとスピードを上げていったりとか。そうやって絶叫しまくった挙句に「・・・というわけで」とか素に戻って語られても困るんだが。
こうして大自然を歴史と神の視点で語っておきながら、ボーナストラックが「ホワイト・ラビット(白いうさぎ)」というのも腑に落ちない。


ULVER - Nattens madrigal: Aatte hymne til ulven i manden - Hymn VII: Of Wolf and Destiny ★★★ (2006-04-18 03:07:01)

メインリフは本当にシンプル。メロディがあると言いにくい、が、涙を見ないと哀しみが見抜けないような奴に用はないって事か。


ULVER - Nattens madrigal: Aatte hymne til ulven i manden ★★ (2006-04-18 02:41:00)

「美醜対比」という言葉はこの手のジャンルによく使われる表現だが、このアルバムには究極の暴虐・野蛮の中に、究極の美が隠されている。
聴き始めた頃はド劣悪音質にしんどくなってCD止めたりしてたが、慣れてきた頃一曲目の後半で、不意に涙ぐんでいた覚えがある。「自らの身体を傷付けないと表せない感情がある」と理解出来ない奴は去れよ!誰にも越えようがないメロディック・ブラックの頂点。
さらによく聴くと、Skollのベースがほとんどオブリガート(副旋律)になっている事が分かった。ベースが泣いている!多分だけど、ブラックメタルでこんなベースラインない。
あとさらに、これはどうでもいいんだが、知人にメンバーの写真見せたらAismalを指差してこう言った。
「こいつは絶対人肉喰っている」


ULVER - Perdition City: Music to an Interior Film ★★ (2006-04-18 01:37:00)

「Music to an Interior Film」と銘打たれてます。インテリアは「部屋の内装」という意味ではなくて、Interior=「内部の」と考えてつまり心の中の映像、結果「妄想を広げる為の音楽」ではないでしょうか?
さらに「This Music for the Station Before and After Sleep.Headphones and Darkness Recommended」とあります。私は英語はアレなので分かんないのですが、「寝る時に聴け」かもしくは「静まり返った駅周辺で聴け」なのか・・・。付属のブックレット見ると後者っぽいんですけどね。PERDITION CITYだし。
実際夜の駅周辺で聴いてみた事あるんですが、風景が突然近未来化して面白かったです。つまり、知人と海を見に行ったら大時化で外にも出られず、何となく藤圭子(演歌)のCDを車の中で再生したら、突然周囲が寂れた漁村になって二人で大笑いした事がありますが、似たようなもんでしょうかね。今も部屋の電気消して聴きながら書いてますが、パソコン周りが恐怖のサイバー空間になってます。ただ、こういったエレクトロニカは比較対象がないので良し悪しは測れません。
私はそれほどいいメタル耳を持ってないので、こうして様々なジャンルの音楽を聴くきっかけを与えてくれるのは有難いですね。これからも好きでいたいバンドです(と言いつつこれ以降のCD買ってないのは内緒)。


ULVER - Kveldssanger ★★ (2006-04-18 00:49:00)

http://en.wikipedia.org/wiki/Kveldssanger
↑タイトルの英訳はここにありますね。歌詞まではないですが。アルバムタイトルは「Twilight Songs」
このアルバムは、北欧のフォークソング集です、言ってしまえば。
ノルウェーの大自然を思い浮かべて、つっても無理だから、近場の森や山などにキャンプにでも行って、夜空を見上げながら聴くと何とはなしに泣けてくるんじゃなかろうか。
ブラックメタルとしては(違うけど)、北欧人の狂気と自然の関係に思いを巡らすのも一興。


ARCTURUS - Aspera Hiems Symfonia - To Thou Who Dwellest in the Night ★★★ (2006-04-17 15:08:27)

メロディ陣は優雅にゆっくり流れるのに、せわしなく動くドラムによってやたら疾走感があるシンフォニック・メタル。
というかこの曲はHellhammerの独壇場。曲の緩急が全て彼のドラムによって付けられていて、ドラム聴いてるだけで楽しい。
シンフォ・ブラック界で、未だこの疾走感に似た曲を聴かないのは、やはりドラムビートがブラック・メタルしてないからだろうか?ブラストブラストとツーバスにこだわり過ぎるのも問題だな、と反省・・・疾走感=ブラストというわけじゃないですねえ。


ARCTURUS - La Masquerade Infernale - Ad Astra ★★★ (2006-04-17 04:53:22)

ブラックメタルに限らずメタル界を見渡しても、これほどドラマティックなインストゥルメンタル・メタルがどこにあるというんだ?
バイオリン、チェロによる悲壮なムードを操るSverdのキーボード、静謐を劇的に打ち破るHellhammerのツーバスの鋭さ、剥き出しになった鋼鉄の上で飛翔するAugustのギター・・・ブラックメタル界の重鎮による面目躍如、というか下手すると普通のメタルとか要らなくなるはず。


ARCTURUS - La Masquerade Infernale - Of Nails and Sinners ★★★ (2006-04-17 04:13:02)

この曲ほど「曲のタイプ」のチェックを迷ったものはない。どれも当て嵌まらねぇよ。挙句これだし(だって間違ってないもん)。
パイプオルガンが鳴り響く教会でひざまずいて祈ろうとしたら、コントみたいに床が抜けて阿鼻叫喚の地獄巡りするような曲。
何言ってるか分からないだろうが、俺も何聴いてるか分からない。


ARCTURUS - La Masquerade Infernale - The Throne of Tragedy (2006-04-17 03:16:50)

ギターとキーボードに明確に泣きの旋律があってボーカルも哀愁漂わせてて、構成は割と普通の曲のはずなんだが、どういうわけか蛆虫みたいなコーラスが長々と入っててどうにも感動出来ない。
結果、印象が「蛆虫コーラスの曲」になる困った曲。
曲のタイプは「蛆虫」にチェックを入れようと思ったが、見当たらなかった。


ARCTURUS - La Masquerade Infernale - The Chaos Path ★★★ (2006-04-17 03:02:34)

重っ苦しいリフで幕が開いて始まる不気味なメタル演劇。
シンフォニックなのかインダストリアルなのか狂ってるのか筋書き通りなのか笑えばいいのか気持ち悪いのか何が何やらさっぱり分かりません。


ARCTURUS - La Masquerade Infernale ★★ (2006-04-17 02:36:00)

私はこのアルバム凄く好きです。
前作のオーロラをあしらったジャケットから一変、胡散臭さ爆発のチープ極まりないジャケットになってます。こんな馬鹿丸出しのジャケ、そうないよ。
だが、音の方は前作から較べて音質、楽曲の多様性・質、SE・弦楽器・管楽器をも用いる装飾の幅と、あらゆる要素が有り得ないスケールにまで向上、暗黒と、優雅と、哄笑と、暴力と、卑猥と、静謐と、神秘と、低俗やらあらゆるものが渾然一体となった理解不可能プログレッシブ不条理発狂オペラティック・メタル舞踏会?な代物で変態モノ好きは買って損なし!と断言出来る。それは逆に「シンフォニック・ブラック」を期待すると裏切られるという事だ。
前作もそうだったが、このバンドの基本姿勢は「Garmのボーカルの為のメタリック実験装置」なのでは。Sverdが指揮を振った次作から方向性が変わった事からもそう思う。


ARCTURUS - Aspera Hiems Symfonia ★★ (2006-04-17 01:52:00)

ブラックメタル然とした①の素晴らしさによって「シンフォニック・ブラック」と言われるが、少なくとも1stと2ndは「シアトリカル・ダーク・メタル」と呼んだ方が分かり易いと思う。事実①以外にファストテンポの曲はなく、Garmのボーカルは全体で聴くと、デス声よりノーマルボイスが主だ。
不気味なコーラスワーク、密やかな耳打ち、卑しい呟きから歪んだ絶叫まで駆使するボーカルが、確かな技術を持つ演奏陣によってきらびやかに展開していく不気味な世界。
似たようなテンポの曲が多い為ダレなくもないが、この神秘的妖しさはブラックメタル界において唯一無二だ。


ANATHEMA - Eternity - Radiance ★★★ (2006-04-16 23:43:47)

不協和音、男声の呟き、女声コーラスを従えて、ギターが理性と狂気の狭間を泳いでいく。
救われない自意識を描写しながらドラマティックに盛り上がるこの曲が何を伝えようとしているのか、深く考えたくはない。


ANATHEMA - Eternity - Cries on the Wind ★★★ (2006-04-15 13:56:05)

ゴシック的な圧力がエジプト風味も交えてゆったりと進行する曲。
しかし後半鋭いギターが切り込んで雰囲気は一変、胸の内の悲哀を必死に抑えるようなDanielのギターワークに震える。
しかし、Danielは頭拍取り辛いリフ好きだなぁ・・・俺も大好きだ!


ANATHEMA - Eternity ★★ (2006-04-15 04:45:00)

96年発表3rdアルバム。
いきなり① 「Sentient」と②「Angelica」の素晴らしさに圧倒される。前作との比較どころか、現実の予定が全部吹っ飛ぶほどの衝撃が走る事請け合い。胸を締め付ける狂おしさで咽び泣くDanielのギターに感情が動かなければ、人間ではない。メタルもゴシックも何も関係ない。音とか音楽とかギターとか CDとかCDの普及とか、それらは全てこういった感動の為にあるはずだ。表現が駄目なら事実を述べるが、私は日本盤買った後さらに、曲数の少ない(再発ではない)輸入デジパック限定盤をまた購入した。それくらいの価値があったし、今もある。
が。
アルバム全体で見ると、この冒頭2曲は「浮いている」事に気付く。ここまで感情をあらわにした楽曲は、実は、他にはない。前作までの病んだ美意識は、この2曲を除いて、やはりこのアルバムにもしっかりと受け継がれている。私のような、その「病気度」を好んだファンからすれば、冒頭2曲は「やれば出来る」事を示した余裕であって、そこでまたこのバンドに惚れ込む事になったのだった。

前作の咆哮型ボーカルは消え、真っ当な「歌唱」がANATHEMA史上初めて採用されている。楽曲は3~5分台となり、重苦しさも絶望も感じられず、一聴しただけで明らかにゴシック/デスの影が消えた事が分かる。「ヘヴィメタル・アルバム」だと言ってしまえる質感だ。が、それはこのバンドの健全性の証左では、決してない。彼らはここに来て、その癒せない病んだ美意識を、ゴシックという「ジャンル」に頼らずとも表現できるほどに成長したのだ。見栄えの良い装飾を纏ったその内側は、前作同様地獄のような絶望に満たされている。
最も分かり易いのが④「Eternity part1」だ。バンド史上最もスピーディーで疾走感があり、シンセも豪快に乗せて、さぁ盛り上るぞ・・・と思いきや、サビに辿り着いてみると、疾走感は消えないのに、いきなりボーカルが消えるのだ。サビの肝心なところに、何も用意されてない。それでも起承転結を当たり前のように成し遂げるこの曲の空虚さ。裏切りの演出。ANATHEMAが獲得したものは、こういった巧妙さであると思う。
ベースのDuncanの名前が多くクレジットされており、彼が主導権を握って制作されたのかもしれないが、彼の作詞・曲は良くも悪くも分かり易過ぎる(④も彼)。やはり美意識の実権を握るのは、Daniel Cavanaghであろう。
最後に、私のANATHEMA理解を大いに助けてくれた平野和祥氏の日本盤ライナーノーツから引用したい。
「今やこのバンドは、ダークさやヘヴィさの要素を直接的に描写しようとしているのではない、むしろ彼らはデス・メタルの暗黒主義の中で異様な形に変容した美意識に基づくサウンドを用いて、それらを聴き手の感性の中から呼び起こそうとしているのではなかろうか。」


ANATHEMA - The Silent Enigma - A Dying Wish ★★★ (2006-04-15 03:16:14)

激しく、そしてドラマティックに展開する絶望絵巻。
ギターメロディは印象に残るが、全体的には何一つ救いになってない。地獄の淵で浸る哀愁は、単に虚しい。


ANATHEMA - The Silent Enigma ★★ (2006-04-15 03:01:00)

95年発表の2ndフルアルバム。前ボーカリストは解雇(その後 THE BLOOD DIVINEへ)、ギターのVincentがボーカル兼任している。
音楽性は前ミニアルバムの延長線上にあるものの、ボーカルが攻撃的咆哮(デス声というほどではない)に変わって、これまでで最もメタルっぽいアルバム。
・・・のはずなのだが・・・
相変わらず重苦しさに妥協はない、加えてさらに息苦しい、一緒に歌える部分はない、泣けるメロディもない、フレーズのループがよくある、その上楽曲は7,8 分台、という事で、ANATHEMAのアルバムの中でも薦めにくさは筆頭格である事が、今日、分かりました。私はこのアルバムが最も好きだったのに・・・。

曲名を私なりに訳してみる。
①妄想の幻惑(Restless Oblivion) ②濃々霧(Shroud of Frost) ③孤独(・・・Alone)
④栄光の終焉(Sunset of Age) ⑤夢精(Nocturnal Emission) ⑥紺碧の黄昏(Cerulean Twilight)
⑦恍惚への逃避(The Silent Enigma) ⑧遺言(A Dying Wish) ⑨黒蘭(Black Orchid)
あー・・・まさにこんな感じのアルバムです。


ANATHEMA - Pentecost Iii ★★ (2006-04-15 01:29:00)

95年発表の2ndミニアルバム。現在は92年発表のミニアルバムTHE CRESTFALLENとのカップリングCDとして発売されている。
ボーカルがデス声から苦悩を吐露するような歌唱に変化、音質とアレンジの向上もあって暗黒的神秘のスケールが格段に拡がった。耽美意識はメロディではなく精神へと向かい、輝きのない小宇宙の存在感を、静かに、しかし確実な歩みで、強固にしていく。悲しみや切なさなどの感傷も許されない、ただただ苦悩と後悔に苛まれる死際の美しさに浸れる40分間。


ANATHEMA - Serenades ★★ (2006-04-15 00:51:00)

93年発表の1stフルアルバム。
前ミニアルバム同様、スローゴシックの中に病的耽美意識が映える重苦しい神秘世界・・・と言いたいのだが、「実験的」と言えるツインギターリフと、良いとは言い難い音質が、神秘に辿り着く前に苦笑しなくもない。
それでも、切なさに浸れるメロディは随所にあるし、「THE SILENT ENIGMA」で生かされ始めるDanielのオーケストラアレンジメントの片鱗がインスト2曲に見受けられもするので、他のアルバムの後に、買って損はない。


ANATHEMA - The Crestfallen ★★ (2006-04-14 23:20:00)

92年発表のデビュー・ミニアルバム。現在は、95年発表の2ndミニ・アルバムPENTECOSTIIIとのカップリングCDとして発売されている。
陰鬱と苦悩と絶望を表現するジャンル・ゴシックメタルの、その黎明期を支えたバンドのデビュー作だけあって、ひたすら暗、重、遅の三拍子が揃ったアルバムではある。が、そこから滲み出る耽美意識の質において既に、当時のレーベル仲間MY DYIND BRIDEやPARADISE LOSTと差別化されるだけのものが聴き取れる。
ただ彼らの耽美感覚は、聴き手の琴線に触れて涙腺を刺激するような悲哀のドラマ構築に作用しない。メロディの鍵を握るDaniel(とVincent兄弟)のギターは、蠢く孤独の内側にひたすら閉じ込もる。故にANATHEMAは、「好き」だと言いたいのに、「好き」な理由が挙げ辛い。
彼らはただ素朴で美しい花を、誰の手にも届かない闇の中にだけに咲かせて、侵され朽ちていくその様には目を背け、俯いている。
そんな無力感があまりにも切ない。


SATYRICON - Megiddo ★★ (2006-04-14 04:41:00)

97年発表のミニアルバム。ケースの表面がプリントされていて格好良いです、ていうかその格好良さが気に入って購入した記憶がある。
収録曲は、①Nemesis DIvina収録「The Dawn of New Age」のリミックスバージョン
②「Night of Divine Power」と改題されたDark Medieval Times収録「The Dark Castle in the Deep Forest」のリ・レコーディング
③Nemesis DIvina収録「Forhekset」のライブ
④モーターヘッドの「Orgasmatron」のカバー、以上4曲。
ちなみに②はベスト盤Ten Horns - Ten Diademsにも収録されている。
聴き所は個人的に③だが、音質はこもってるし、「楽曲がライブでちゃんと再現されている」以上の感想が浮かばない。②④は元の曲を聴いた事ないので何とも言えない。①は悪くないけど良いとも言えない・・・。
けど、格好良いケースは1500円強払っても惜しくない物です。私には。


1349 - Beyond the Apocalypse - Aiwass-Aeon ★★ (2006-04-14 02:58:23)

イントロでぶちかましたブラストビートが、後半突然ぶり返す狂気的展開で二度死ねる曲。
いや、こっちが死ぬ前にFrostが死なないか心配になるが・・・。


1349 - Beyond the Apocalypse - Singer of Strange Songs ★★★ (2006-04-14 02:48:27)

ねっとりとしたスローパートで溜めて溜めた後ブラストとスラッシュビートによる核爆発が繰り返されたと思いきや慟哭のスローパートを挟み込んで泣かしにかかったりと壮絶なドラマ性を持つドラマティックブラックの理想形の一つ。
後半、執拗に繰り返されるブラストビートに戦慄が止まらん!!


THE 3RD AND THE MORTAL - In This Room - Hollow ★★★ (2006-04-14 02:13:26)

精神異常者による、言語を超越した「虚空」との対話、みたいな。
我々聞き手にはその内容が全く理解出来ない。
だが、彼らは仲良くなったように思える。
(すいません、インストだから言いたい放題言ってます・・・)


THE 3RD AND THE MORTAL - In This Room - A Touch Of・・・ ★★★ (2006-04-14 02:05:55)

精神異常者の、瞳の焦点が合わないが故の伸びやかなマインドトリップ、とでも言えばいいか。
ちょっと楽しそうだ。


THE 3RD AND THE MORTAL - In This Room ★★ (2006-04-13 17:35:00)

97年発表の3rd。前作同様、Ann-Mari Edvardsenがボーカル。
まず断っておきたい。私は「Tears Laid In Earth」「Painting On Glass」「Project Bluebook」とこのアルバムを持っているが、このアルバムが一番好き、いや言ってしまえば、このアルバムしか好きじゃない。巷で言われている難解さは微塵も感じない。その割に「Painting~」は難解で聴けない。「Tears~」は冗長で聴けない。こんな耳をしている私のレビューが参考になるのか、甚だ疑問に思う。だが誰も書いてないし、本当に好きなアルバムなので書いておく。

まず楽曲以前に、音が素晴らしい。輸入盤ジャケットのような、ざらざらして、くぐもった感じのSEとノイズが楽曲の背後にいつも流れていて、おぞましく、不穏な空気が支配している。クラシック的でない女声は、ソプラノボーカルのように幻想的でない、現実的な厭世や狂気、精神破綻を表現出来ていて聴き易く、病んだ心象風景は乱れる事がない。
アルバムは全13曲。コマーシャルな歌ものが①⑥⑬に置かれてアルバムを引き締めているため勘違いされているようだが、このアルバムは歌を聴く音楽ではない (多分これは Kariが残した悪影響)。歌唱だけで勝負する楽曲が少ない為インスト曲が多く感じるが、ボーカル(声)が入ってない曲は実は④と⑫しかない。女声は、熱っぽい歌唱から、切実な祈り、孤独な呟き、病棟からの奇声、死際の断末魔までこなす豊かな表現力で、歌と声の垣根を壊し続ける。弦・鍵盤・SEも同様、美と狂気の狭間で、メロディがノイズに堕す瞬間を、同時にその逆を、虎視眈々と狙っている。

「私の人格を音楽化したらこうなる」と思えるほどのアルバムだからこそ、個人的過ぎるし正直、あまりお薦めはしない。じゃあ書かなきゃいいのだが、過小評価どころか見向きもされてないこのアルバムが何だか可愛そうだったので・・・。あと、以前BUURN!のレビューで、確か70点くらい付けられてて、一人憤慨してたあの頃の気持ちを晴らさせて頂きました (笑)。


THEATRE OF TRAGEDY - Aegis - Samantha ★★ (2006-04-13 14:54:04)

ボーナストラックだけあって(良く言えば)シンプルな曲。歌詞も凄い短くて、サビはソプラノボーカルが「ららら~」としか歌ってない。
が、それが逆に儚くて、印象深かったりする。


THEATRE OF TRAGEDY - Aegis - Poppaea ★★★ (2006-04-13 14:46:03)

タイトルは、歌を聴く限り「ポペア」でいいのでは。
サビにかけて高音域へと盛り上がっていくソプラノボーカルに対し、いつまでも低音域を彷徨い続ける男声ボーカル・・・。男としては、この無常な世界に泣き伏せるしかありません(笑)
(わー重複しちゃった!ごめんなさい!)


THEATRE OF TRAGEDY - Aegis - Venus ★★★ (2006-04-13 14:38:04)

美しく叙情的なソプラノ・ハーモニーから一転、ヘヴィリフにパーカッシブなデス声が割り込んでくる対比が見事。
さらに、そのデス声を退けて自由に歌い上げるソプラノに開放感があって素晴らしい。


THEATRE OF TRAGEDY - Musique ★★ (2006-04-13 13:57:00)

00年発表の4th。ギタリスト一人とベーシストが脱退している。弦楽器陣は何とも冷遇されるバンドだな・・・。
ジャケットやシンプルなタイトルから予想は付くが、デス/ゴシック的な暗黒的神秘は跡形もなく霧散、PARADISE LOSTによってもたらされた(らしい)デジタル・ゴシックの影響をもろに被っている。シンフォニックな装飾はなく、概ね曲は3分台で、時には「軽快」「ダンサブル」とすら言える曲もあり、決定的に今までの「ゴシックメタル」ではない。
確かに初聴時は驚かざるを得ないが、こういうものとして聴けば、デジタルビートに清楚なソプラノボーカルが浮遊している不思議な世界であり、メタルファン以外にも薦められそうで、さしずめ「デジタル・ダーク・ポップ」とも言いたくなるアルバム。
前作までと切り離して捉えるか、ソプラノボーカル・Livの可能性を探る一枚として捉えれば、十二分に楽しめる。
ただ、この手のバンドにありがちだが、デス声を止めて普通に歌う男性ボーカルは普通に下手糞。


THEATRE OF TRAGEDY - Aegis ★★ (2006-04-13 04:54:00)

98年発表の3rd。多分ギタリスト二人入れ替わってます。
ここでデス声がほぼ完全に消滅。曲調に陰りはあるが、果たしてゴシックメタルの中に留めておくべきか疑問に思う音楽にまで成長した。女性ボーカル(+男声)もののプログレの中に入れても何の問題もないと思う。2ndまでと較べ、視聴対象は格段に拡がっているから、ゴシック初心者に薦めたいアルバム・・・というか、ソプラノボーカルが「嫌い」という方以外は聴いて損はありません。それ以外何も言う必要がない。
だって、似てるらしいけど、PARADISE LOSTほとんど聴いた事ないし。
私が所持しているのは限定デジパック版だが、「SAMANTHA」「VENUS」「POPPAEA」の流れは何度聞いても素晴らしい・・・。


THEATRE OF TRAGEDY - Velvet Darkness They Fear - And When He Falleth ★★★ (2006-04-13 04:24:07)

シンセが重要な位置にあるバンドにもかかわらず、シンセを完全に排除し、もう一つの売りである男女の対話ボーカルのみを前面に出す事により、その魅力をを最大限引き出した曲。
男の歪んだ叫びと絶望の呟きを感じて、天使が嘆いている、そんな情景が思い浮かぶ。
このバンドにしか作りえなかったであろう、珠玉のゴシックメタルバラード。


THEATRE OF TRAGEDY - Velvet Darkness They Fear ★★ (2006-04-13 04:02:00)

96年発表の2nd。どうでもいいが、ギタリストが一人変わっている。
男性ボーカルはデス声一辺倒ではなくなり、ソプラノボーカルは表情豊かになり、SEが多用されKeyの音色も多様になって、明らかにアルバムの完成度は向上している。
ひたすら寂寞かつ荒涼としていた前作に較べ、今作は悲壮なドラマが感じられる。それだけ情感のスケールが上がったという事だろう。


THEATRE OF TRAGEDY - Theatre of Tragedy - Sweet Art Thou (2006-04-13 03:01:29)

1stでは唯一と言っていい、ミドルテンポで、メタルらしい攻撃的な雰囲気のある曲。だがだからこそ、ソプラノボーカルの儚さとピアノの哀愁が際立っている。
この曲の方向性が、2nd以降強調されていったとも思える。


THEATRE OF TRAGEDY - Theatre of Tragedy ★★ (2006-04-13 02:48:00)

95年に発表された1st。LEAVES' EYESのLivが在籍していた。
当時、デス/ゴシックと呼ばれる暗黒音楽において女性ボーカルが彩りを添える場合は、なかったわけではないが、男性ボーカルと共に女性ボーカルが正式メンバーとして加入しているバンドは非常に稀で、画期的だった覚えがある。美と醜の対比が滞りなく進化していく現実に、私は心躍っていたような。
音楽的には、全編スローなゴシックメタルなのだが、繊細なソプラノボーカルがデス声と全く対等に主張してくるので、陰鬱さはあまりなく、儚げで耽美的な世界に心地良く酔う事が出来る。
ボーカル二人は全く異なる歌詞を対話するように歌っており、オペラ・演劇的演出をしている点も面白い。
1stだけあって至らない面もあるが(個人的にはKeyの演奏力が何とも・・・)、ゴシックの可能性を切り拓いたアルバムとして、未だ褪せない魅力がある。


ATROX - Terrestrials - Mare's Nest ★★★ (2006-04-12 12:25:22)

歌い、語り、囁き、呟き、喘(あえ)ぎ、叫び、喚(わめ)き、呻(うめ)くソプラノヴォ-カル千変万化の六分間。
微かな呻き声が高音ソプラノ絶叫へ転移する瞬間は、何度聴いても恐怖を感じる。


ATROX - Terrestrials ★★ (2006-04-07 18:08:00)

このバンドはやはり、元The 3rd and the MortalのAnn-Mari Edvardsenの妹がボ-カルだったり、発売元がブラック/デス/ゴシックをメインに扱うSeason of Mistだったりするから、真っ当なメタルファンの手に届きにくいのは仕方ないと思う。だが、このCDは先述したものとは何の関係もない。ブラックではなく、デスでもなく、ゴシックでもない。そういったカテゴリを飛び越えた場所にこのバンドは存在している。言ってみればプログレであってメタルなのだが、発売元のバイオグラフィーにある「スキゾフレニック・メタル」がもっとも核心を突いた言い方だろう。
個人的な表現をさせてもらうと、
「発狂した元ちとせが結成したメタルバンド」
とか、
「女の亡霊に取り憑かれたCynic」
とか、
「性転換して喜ぶDevil Doll」
といった趣。ジャンルにこだわらず聴かれるべきバンドだろう。
聴き続けていると、その妖艶で不気味で涅槃じみた「あちら」側の魅力に、魂が誘惑されて、要らない肉体を自殺させた後、肉体を離れた魂が「あちら」に辿り着いて快楽に溺れて戻って来なくなってしまった・・・そんな、危険な白昼夢を見るほどの魅力がある。

あと、このCDを買うきっかけとなったレビュー主、Usher-to-the-ETHER氏に感謝したい。素晴らしい出会いをありがとう。