97年リリースの3作目。明らかにDebut, Postとは異なる、メランコリックな幽玄世界。力強いブレイクビーツに壮麗なストリングスが織り成す音模様は、まさにBjorkの本領発揮といったところか。音楽学校で10年学んだ経験がここで花開いたとも言えよう(彼女はアカデミズムのスノッブさをあくまで嫌うのであるが。)もうここでのBjorkは、あの可愛いエルフではなく、アイスランドの大地の化身のようですらある。ミニマムながらも激情的な曲が多い中で、特にHunter, Jogaは荒々しい自然そのものを連想させ、秀逸。BacheloretteやAll is full of loveなど有名曲も収録。アルバム全体としては前2作ほどのキャッチーさはないにせよ、成熟度は断然本作の方が上でしょう。聴き込むほどにはまること間違いなし。ちなみに、もう既に人間に見えない(笑)ジャケデザインはAlexandar McQueenの衣装を着たBjorkを、Nick Knightが撮影したもの。ビジュアルの凝りようも要注目です。
2003年リリース。Debut, Post, Homogenic, VespertineのライブバージョンCDに加えて、Bjorkが各アルバムについて語ったインタビュー・ブックレットと、DVD(5曲入り)付き。但しDVDの方は、It's oh so quiet以外、他にリリースされてるDVDと同じ映像が収録されてるので、あまりお得感は期待できないかも。個人的には、このBOXセットを買うよりはライブやPVのDVDの方を買った方が楽しめるんじゃないかなと思いますが。コアファンのアイテムとして。
1995年リリース、Debutに続くソロ作第2弾。故郷アイスランドへの手紙というコンセプトの元、ジャケでもHussein Chalayanによる封筒のジャケを着た彼女。Debut時のシャイさは影を潜め、ここでの彼女は挑戦的な強い視線を投げかける。ハードテクノArmy of Meで幕開けるこのアルバム、全体を通して前作を踏襲したかのようだが、より一層実験性を高めた緻密な音作りが印象的。途中ミュージカル・ソング(It's Oh So Quiet)をカバーしたりと、クラシカルな趣味も覗わせる。Hyper-balladは現在でもファンの間で人気を誇る一曲で、Vespertineツアー時もこの曲ではかなりの盛り上がりを見せていました。本作でBjorkを知ったという人も多いのでは?キャッチーで聴きやすいです。
Bjorkの名を世界に知らしめた映画主演作「Dancer in the Dark」のサントラ。Bjorkは全7曲を書き下ろすが、映画監督Lars Von Trierと度々衝突したこともあって、制作は困難を極めたらしい。80人編成のオーケストラを起用したOpeningのOvertureや、工場の機械音からミュージカル音楽へと展開するCvalda、次第に視力を失ってゆく主人公Selmaの心情を表したI've seen it all(電車のレールの音と、Thom YorkeのゆらめくVo.が印象的)、対してあくまでSelmaを救いたいと願ったBjork自身の想いがそのまま歌になったかのようなNew Worldなどなど、とにかく映画音楽として完璧な出来と言って差し支えないでしょう。通常のソロ作とは位置付けが異なりますが、映画とセットで是非聴いてほしい作品です。
オリジナル作品としては4年のブランクを経て発表された、ソロ4作目。2001年リリース。もうこれはなんて言ったらいいんでしょうねぇ。。。優美で、繊細で、intimateで。心の叫びをそのままボリューム大!!の声で表現しているイメージが強いBjorkですが、ここでは引き算のアプローチが冴え渡り、ヘッドフォンで聴くと、聴いてるこちらがドギマギしちゃうほどの親密さ。サウンドも、エレクトロニック・ビートにハープ、チェレスタ、オルゴール、ストリングスに合唱隊まで加わって、Bjorkワールド全開!ジャケの白鳥ドレス(Marjan Pejoski)とも相俟って、アイスランドの厳しくも美しい冬を連想させる。乱暴ですが、全曲必聴。是非全曲通して聴いてほしい。出来れば英Royal Opera Houseで収録されたツアーDVDもセットで。
Night Songsのイメージのままこのアルバムに手を出したのですが、まぁブルージーでブルージーで度肝抜かれました。このアルバム聴くたび、ロシアでBJやGorky Park、Ozzy、Scorpionsらとライブやった時に、Tomが観客に何度も何度も、「Gypsy Road」のコール&レスポンスをトライしていたのを思い出す。。。ド派手なルックスとバンド名で誤解されそうだけど、Tomは非常にシリアスなフロント・マン。様式美を重んじるHR界にあって、あの独特の哀愁漂うたたずまいと唯一無二のボーカル、それだけで他のHRバンドと確実に一線を画していたんじゃないかと思います。
97年発表の名盤。私はコレとPointが大大大好きなんですが、初めて聴く方には華やかさがある分、こっち推しておこうかな?全体的に遊園地音楽風で、コンセプトが一貫したアルバムなんですけど、それでいてこぢんまりまとまった印象が一切ない。むしろやりたい放題。しかもクォリティは非常に高い。Count 5 or 6辺り聴けば、超ド級メタらーなアナタでも、「こりゃ付け焼刃じゃ出来んな」と納得していただけるのでは?小山田くん見てると、「ちょっと内向的でアブナイ子供にうっかり凶器(音楽)持たせたら、どエライことしでかしやがった!」ってイメージがあるんですよね・・・(なんだそれは?)とりあえず、必聴盤ってことで!
オリジナルアルバムとしては前作Fantasmaから4年のブランクを経てリリースされた本作(待ったよ!笑)。ミニマルな紙ジャケにまずはドキドキですが、蓋を開ければ、ポップあり環境音楽風あり、メタル風あり(言わずもがな、I Hate Hate)相変わらずのやりたい放題ぶりです。②Point of View Pointでは、♪left right top point (down)という詞の意味に合わせて、小山田くんの声がスピーカのあちこちから聴こえてきて、ヘッドフォンで聴くとまさに音で目をまわしそう(笑)。このイタズラ小僧気味なセンスにはいい意味で恣意的なものを感じて、やられました。アート性を高めつつもポップな手触りはしっかり残す、この辺のさじ加減がCorneliusの魅力なんだと思います。
Wanted Dead or Aliveの世界から更にカウボーイ・ワールドへ突き進んだアルバムですね。でも正直、私はこれでBONJOVI解散になっちまったらどうしようと気が気でなく、売れないでくれ売れないでくれと思っていました(爆)でも表題曲といい、結構売れちゃいましたね。後期BONJOVIが好きな人にはすんなり入りやすいアルバムでしょう。
これはスゴクいいアルバムですよ!POP LIFE後、活動休止を決定したJAMが置き土産(?)として行った東京ドームライブと、恵比寿ガーデンホールでのシークレットライブを、ノンカット収録。YUKIの若干寒い(笑)MCも全て無修正。3枚組の大ボリューム、小写真集付き。私は声を大にして言いたい、「こういうアルバム、もっと皆出すべきです!!」聴き始めた当初は、超初期曲をやってくれたガーデンホールの勢いづいちゃってトマラナイぶりにやられましたが、今となってはストイックな東京ドームの方が好きかな。ちなみに、この時の映像はPOP LIFE SUICIDE 1,2として発売されています(残念ながらこちらはノンカットではありません)
'00年発売のJAM初ベスト。シングルはBrand New Wave Upper Groundまで収録、おまけ的に非シングルのKYOTOも入ってます。このKYOTOはギタリストTAKUYAの世界観の片鱗がかいま見れ、後に彼のソロ・アルバムに受け継がれていくという意味でとても重要。もちろん、そんなごたくも必要ない、美しい曲です。解散後にまた別のベストが焼きなおし的に出たので、今買うならそちらの方がいいのかもしれません。個人的にはジャケの美しさとコンパクトさで、こっちを取りますが。