AMERICAN TEARSを率いていたマーク・マンゴールドは、新たな成功を目指すべく音楽性やメンバーを変更。そして辿りついたバンドがコチラになります。前身のバンドではマークのキーボードを軸としたプログレサウンドでもあったが、今作ではその路線を封印。より親しみやすいコマーシャル路線を極めることで成功への足がかりと作った。 オリジナルは1980年、LOUDNESSでもお馴染のATCOと契約、全米デビューとなります。RAINBOWと同じマネージメントだった関係で第一回のモンスターオブロックの参加もあり、デビュー作ながら手ごたえのある成功を収めている。
マーク・マンゴールドを中心にオリジナルメンバーが集結、日本でも1stとのカップリングで再発された幻の2ndもありますが、正式な2枚目がこのような形でリリースされるとは驚きですね。しかもリメイクではなく新曲が中心という作風に驚かされる。それだけに丸ごと叙情派AOR寄りのプログレスタイルではなく、ブルージーさやロックなハードさを強調したような楽曲も散見され、その味わい深さは単なる回顧録では終わらない現役感を演出している。 よっ!待ってました!!と声を掛けたくなる①で幕開け、そのドラマ性と感動的な楽曲構成に心も奪われ、②では、確信的なやり口で『Don’t You Know What Love Is』を想起させたりと憎い演出で感動を倍増させてくれます。 熟成されたダグ・ハワードの唄い回しもバッチリとハマり復活劇をよりドラマティックなモノへと変換してくれます。
スコーピオンズのフォロワーといっても差し支えがない、泣きを誘発する叙情的かつ透明感のあるメロディとポップフィーリングをふんだんに含んだメジャーサウンドが増量された3rd。活きのよいギターリフ、華やかさを誘発するギターワーク、でもけっして軟弱に聴かせないハードさが絶妙なバランス感覚を保ち、一度聴けば十分に耳に残る印象的なフレーズとインパクトを誇り、これほどのクオリティのサウンドが全然認知されていないのは残念至極。叙情派メロディックHM/HRサウンドが好きな方なら是非とも手に取って欲しい一品ですね。丸みを帯びたソフトなトーンとエキサイティングなエナジーが迸る熱きロックスピリットに打ちのめされました。個人的には2ndのオープニングナンバー『Heavy Metal Queen』級の曲がオープニングだったらよかったなぁと、聴く度にいつも思いますね。ラストが良いだけにね。