前年にリリースされた『El reino olvidado』のボーカルを、ギタリストご用達のドゥギー・ホワイトに差し替え&全編英詩に変更して2009年にリリースされたワールドワイドヴァージョン。 マイルドだがエモーショナルで味わいのある歌声が魅力のドゥギー、かつてはリッチーに見出され再結成RAINBOWに参戦した実績があるわけですから、RATA BLANCAに合わないわけが無いのですが、ありもんの歌メロを英詩に変更して歌うのは、流石に分が悪く楽曲の無難さと相俟って、ドゥギーの淡白さがマイナスに作用してしまったのが残念です。ハマっている時は気にならないのですがね、ぶっきらぼうで手持ち無沙汰感がハンパなく感じるパートがあり、乗り切れないのが気になる所。個人的にはオリジナルヴァージョンの方が好きなのですが、バリラーリがどうしても英語で歌いたくないと言うのなら、このラインナップで南米を飛び出し大きな世界で勝負を掛けて欲しいと思いましたね。ドゥギーの実力はこんなもんじゃないはずですからと、辛口ばかり叩きましたが、楽曲の質が下がったわけでもなく、オリジナルとの比較での話ですからRAINBOW直系の様式美HM/HRが大好物な方なら安心して聴けるでしょう。ドゥギーは実に上手いシンガーですよ、ありもんの中で詩も違うのに健闘していますよ。
これもFaster than Speed of Lightという3枚組のBOXセットに収録されています。ある意味、聖地と言っても大げさじゃないクラブチッタ川崎でのライブ音源、彼らの熱いステージがそのままパッケージ、ライブならではの臨場感あふれるプレイは、このバンドの専売特許と言えるパワフルなステージを伝えるもの、選曲的に微妙な空気も流れるが、逆に今となっては貴重な時代の音源となるので、別の角度から見るとレア感は相当アップ、何よりスタジオ作よりも魅力的に感じさせたのがポイント。 ライブとスタジオテイクは別なんだぜと高らかに宣言、作り込み過ぎた名ばかりのライブ盤とは一線を画す出来栄えにニンマリします。