Black Oak Arkansasのシンガーとして知られるジム・ダンディが1984年にリリースしたソロ。サザンロックで知られるバンドのソロなので、どういう方向性に向かっているのかと思ったら、南部臭のそこそこに、84年的なアプローチにも果敢に挑んでおり、そのオッサン臭い歌声は如何ともしがたいが、曲によってはキーボードを上手く絡ませ音楽的なアプローチの幅を広げている印象が強い、勿論、無頼なロックもあるし、ピアノをバックに雄大な大地を優しく見つめるバラード系もあるのだが、時にはVAN HEALENのアルバムJUNP的な作風にも挑み、フレッシュ感を演出。勿論、泥だらけではあるのだが、今の時代に改めて聴けば、面白い発見が出来る。 基本は、豪快で無頼なロックサウンドが基調である。サザンロックにも軸足を置いてはいる、しかし、そのイメージだけに留まらない豊は音楽性、キャリアの成せる技なのでしょう。スケールの大きなロックサウンドの持つ無限の可能性。その乾坤一擲な野望に魅入られます。 味わい深い曲が多いんだよなぁ。オジサンになるとグッと沁みてきます。乾いた大地に根を下ろし自然と向き合い生活をする人々の強さ、その大いなる恵みと畏怖が、このアルバムから感じる瞬間がありますね。 ちなみにリードギターとしてクレジットされるスティーブ・ヌネンマッハーは、後にスティービー・ブレイズと呼び名を変え、Lillian Axeで活躍する、あの人です。
SLADEと言えば、グラムロックの大御所であり、カヴァーされた「Cum On Feel the Noize」の原曲バンドくらいのイメージしかなかった。大人になり少し金回りも良くなった90年代の中頃、音楽シーンの変遷についていけず自分探しの旅に出てた。自らのルーツたる音楽を見直す、これは本当に大きな出来事であり、今の自分を形成するのに凄く役に立った。 ある意味、グランジムーブメントのおかげで、速い段階で覚醒への兆しを見つけれたので今となっては感謝している。 このバンドも、そんな時期に触れたベテラン集団の一つでしたが、これが底抜けに明るく楽しいだけじゃない、英国的な陰りとパンチの効いたパワーポップサウンドを聴かせており、何とも頼もしいと思わせる趣向を取っている。 バカっぽいビジュアルにだまされそうになるが、頭のいい人たちであり、腕のあるバンドだという事に気が付かされた。
バンドブームの波に押し込まれたジャパニーズハードシーン、その勢いはヴィジュアル系の登場で息の根を止められたが、解散&方向性にメスが入っきた大御所たちも離散集合を繰り返す中で、結成されたのがコチラ、44マグナムにリアクション、プレゼンス、メイクアップの4バンドから集合。特にメインソングライターを担当した44マグナムの吉川は曲作りの上手さに定評があり、彼が主軸のバンドとして活動するのであれば、どういう方向に向かうのか興味もありました。 2曲目のジョーン・ジェットがやった『I Love Rock N' Roll』をカヴァーしたりと、4曲の中にメッセージを込め、端的に魅力を詰め込んできた。 メロディアスでキャッチーなジャパニーズアメリカンロックの①はファンの間では大切な曲らしい、③は明るくアメリカンと、このバンドの本流となる一曲。そして直線的に迫るハードサウンドの④、これもワビサビを大切にした展開を持ち込み、ブアッーと突っ込んでくるだけではない。このバンドらしさを盛り込んでいる。 バンドブームに刃を立てたベテラン組の逆襲、彼等はその先陣を切っていった。
NIGHT RANGERのギタリストとして有名なブラッド・ギルズが多くの仲間を迎えリリースされたソロアルバム。歌モノは2曲、いずれもグレッグ・オールマンが担当するという贅沢な仕様、キーボードにディレク・シュリニアンも参加、半数以上の曲でブラッドと共作と、興味を引く情報も多く、その期待にそうような勢いのある作風に仕上げている作品。