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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1301-1400

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MANILLA ROAD - Mystification ★★★ (2020-10-20 12:43:29)

世界中にコアなファンを持つカルトメタル番長が1987年にリリースしたフルアルバム。走り出しそうで走らない濃密なエピックメタルを展開するバンドでしたが、ここでは一転、当時台頭するスラッシュシーンを迎合するように、ドカドカとド派手に突っ走る①にひっくり返りました。何の予備知識もなかっただけに、このバンドにもこんな時代があったんかいと初見の驚きは相当なもんですよ。
夜中に起き冷蔵庫に冷やしあるお茶を麦茶かなんかと思い飲んだら、ルイボスティーだった時の驚きに匹敵する、不意打ち感に驚きました。②も勇猛果敢なエピカル度もあるが勢いのある姿勢を崩しておらず、その変貌ぶりに驚かされる。相変わらず歌は魔界村な世界を抑揚の少ない歌唱スタイルを用いて朗々と歌い上げているが、随分と様変わりした印象を受ける。

おそらくメタルの持つカタルシス、スピード、キャッチーさ、そしてパワーと言った衝動性に惹かれる方なら、今作の方向性は大いに歓迎でしょう。マニラロード初心者には、この方が取っ付きやすいかもしれませんね。

個人的には無駄とも言えるほど、仰々しいむせ返るような世界観強めのサウンドこそマニラロードと思っているので、違和感はあるのだが、そういう先入観を捨てて聴けば作品のクオリティは高く、新機軸を打ち出しつつも、勇壮なスタンスを取りづ付けており、広く聴き手を呼び込むことに成功している。そして、聴き込むほどに評価を改め続けている一枚でもある。

エピックメタルファンにとっては違うのかもしれないが、自己主張の強いメンバーが互いを睨み合いながらも共鳴し合う、喧嘩奏法サウンドは圧倒的な音圧を誇っており、低予算などモノともしない一触即発のステゴロハイエナジーサウンドを披露しております。こういうのは理屈ではありません。ある意味野性的とも言える荒々しい猛りが、聴き手の闘争心に火をつけるでしょうね。
そんな喧騒なサウンドの中でも、マーク・シェルトンの唄は自分のペースを乱しません。そしてバンドも絶妙な一体感を持ってトリオバンドとは思えない厚みのある演奏で魅了します。

全然人気薄の知名度激低くなんですが、この手のスタイルは必ず日本でも需要のあるサウンドだけに、チャレンジして欲しいですね。走るエピックメタルって、こんなに脂っこくてカッコいいんだということを知って欲しい。個人的にも愛して止まない一枚です。


ZZ TOP - Eliminator - Gimme All Your Lovin' ★★★ (2020-10-16 14:31:27)

洗練されていますねぇ
それでありながらも保守的な南部の香りがします
そんな武骨なロックスピリットとMTVへと移行する時代を見越した一曲ですね


DEF LEPPARD - Hysteria - Love Bites ★★★ (2020-10-16 14:26:16)

売れ線ですねぇ
売れ線志向を極めている
ロック度は激薄だが時代を射抜いている
新生デフ・レパードを決定づけたようなバラードタイプのヒットソング
反則負けである
個人的にはコッソリ聴いていた想い出の一曲
フラれら後に良く口ずさんだなぁ(涙)


AUTOGRAPH - Sign In Please - Turn Up the Radio ★★★ (2020-10-16 14:10:53)

やりにいっているなぁ
やりにいっている名曲です
この普遍的な響き
THE80年代なラジオ向けの大衆ロックソングです
このコーラスだってギリギリでロックに留まっている
そのセンスが最高に好きです
なんだかんだで今でも聴きたくなりますね
狙い過ぎが癖になります
ギターも巧者


KIX - Blow My Fuse - Don't Close Your Eyes ★★★ (2020-10-16 14:06:44)

青春時代を思い出す想い出の一曲
なんだかんだで良く聴きました
でもスラッシュから入ったので仲間に馬鹿にされそうなので
コッソリと聴いておりました
デニス・ストラットンがビージーズを聴いていて
メイデンのメンバーに馬鹿にされバンドを止めたみたいな逸話に共感しますよ

珠玉のアメリカンロッカバラード
今だからこそ多くの人に聴いて欲しいですね
時代を超越して愛される定番だと思います
クセが強めなのがいつまでも愛される要因です


TOKYO BLADE - Night of the Blade - Night of the Blade ★★★ (2020-10-16 14:01:43)

このバンドの名前をシーンに轟かせた代表曲
NWOBHMな雄々しくも荒々しい疾走ナンバー
歌メロも歌声も英国じゃないですかねぇ
メイデンよろしくな濃密な展開もたまらん
ヘヴィメタルの様式が詰まっていますねぇ


VAN HALEN - OU812 - Mine All Mine ★★★ (2020-10-16 13:58:09)

夜の高速道でかっ飛ばしたくなるようなアーバンな洗練度のある一曲
サミー・ヘイガーの声が有機的に絡む
時代を感じさせるサウンドメイクだが
それだけヴァン・ヘイレンの存在が大きくなっていた証拠だろう


W.A.S.P. - The Last Command - Sex Drive ★★★ (2020-10-16 13:53:49)

なんかどっかで聴いたことあるぞなリフがね
英国ロックからの様式を受け継いでいるからこそなアイデアです
W.A.S.Pの前身バンドSISTER時代から演奏されている一曲
この明快なノリの良さと毒気
そしてチョイ切ない系のメロディがエエのでしょうね


W.A.S.P. - The Last Command - Wild Child ★★★ (2020-10-16 13:47:47)

ブラッキー・ローレンス節炸裂のW.A.S.Pと言えばな名曲中の名曲
個人的にも大好物な一曲
でも後年、ブラッキーはこのアイデアを擦り倒すとは夢にも思わなんだ
それでも溺愛してしまう
歌メロがたまらん


CHROME MOLLY - You Can't Have It All ★★★ (2020-10-16 13:34:34)

既に英国では下火となりつつあったメタルシーン、そんな厳しめの環境の中で遅咲きのデビューを果たしのがコチラのバンド。力強い歌い手のパフォーマンス力に魅了、その憂いのある沸騰型ヴォイスに英国の血を感じずにはいられません。
これを知らずして英国ロックを語るなかれと言いたくなるほど、英国中の英国なハードサウンドを牽引している。

適度に散りばめられるメジャーな質感も程々に、ロックに対する真摯な姿勢を打ち出し絶妙なバランス感覚で魅了。楽曲そのもので勝負を賭けているのがなにより嬉しい。
当時としても鮮度とよりも熟成、派手さよりも堅実という玄人好みの音楽性、少々うっとしいと感じる歌声も、それは彼らの強み。ハードなロックに似合う本格派の歌唱スタイルに唸る。

このバンド最大の売りはデビュー作から既に風格が漂っており、定番の匂いがプンプン漂っていること、それでありながらも古典ではない、新しい歓声を取り込んでいるのが最大のポイント。イイ歳こいたオッサンが聴いても恥ずかしくないメジャー感は最高に気持ちがいい。若い頃よりも今の方がしっくりくるのも、その辺りの作りにあるのでしょうね。
ネアカなアメリカンロックは苦手、でもメジャーな風格のある普遍的なロックが聴きたいと思うマニアにはうってつけの一枚でしょう。知る人ぞ知るマニア向けのバンドでない隠れた名品ですよ。


ENGLISH DOGS - Metalmorphosis ★★★ (2020-10-16 12:58:31)

1986年にリリースされた3曲入りのEP。相変わらず軽めのミックスにパンク時代の名残はあるが、音楽性は正当性の強めなヘヴィメタル色を増強。ツインリードのハモリパートも強化と、不思議な味わいの音楽性に変換されている。
まさにメタルバンドがパンクしかしらないプロデューサーのもと、音源を制作したような奇妙奇天烈なハイブリットスタイルを披露。完全に自分たちの流儀のスタイルへと昇華されており、そこに疑問を挟む余地など見当たらない。歌い手も濁り強めだが、メロディを追い歌い込む姿勢と取っており成長の跡も伺える。
全てにおいて正当性の強いメタルサウンドに接近した為に、パンクから入ったマニアには物足りないだろうが、メタルサイドとしては、この路線変更は歓迎ムードだろう。
個人的には、もう少しパンク強めの方が個性があったように感じるという、摩訶不思議アドベンチャーな不満を覚えてしまうのだが、3曲で17分を過ぎる大盛ハイブリット定食を出されたら文句も出ません。展開もメロディもパワーも十分兼ね備えていますからね。
リメイクされた死霊のはらわたを思い出すジャケットも魅力。


ENGLISH DOGS - Forward Into Battle ★★★ (2020-10-16 12:34:26)

元々はパンク/ハードコアスタイルの音楽性だったが徐々にメタルへと接近、今作はパンクサウンドを下地に、正統性の強いメタルへと憧憬も垣間見えるクロスオーバースタイルへと昇華、吐き捨て型のパンクヴォーカルに対して、ドラマティックなギターが登場したりと、メイデン風味も感じさせるなど、一筋縄ではいかぬ多様性を披露。
ときには勢いのあるギャングコーラス風もあったりと、スラッシャーにも勧められる過激さも完備、少々軽めの音質ではあるが、首筋辺りが疼くスピード命の楽曲は魅力的ですね。
勢い重視の楽曲ではあるが、耳をすませば意外と複雑な拘っており、テンションの高い演奏を相まって独自のスタンスで攻めている。個人的にはもう少し深みのあるミックスの方が好きだし、パンク気味の唄はドストライクとはならないが、これまたギターチームが、予想もしない角度からメロディアスかつ正当性の強めのアプローチで印象的なフレーズを放り込んでくるから嫌いになれません。
粗めの演奏もイイ感じのハイブリット感を誘発、パンクバンドの持つフットワークの軽さと、重厚なメタルが出会い、互いが自己主張した元祖クロスオーバースタイルのメタル/パンクバンドの一つだろう。


White Pigs - Songs of Sin ★★★ (2020-10-15 08:52:06)

結成当初はハードコアパンクスだっと言われるコネチカット出身のスラッシュ系バンドの1st。とにかく音楽性を一口で表現することの難しいバンドであり、かつてはCombat RecordsからEP出したりもしているのだが、クロスオーバースタイルのバンドだ。ヴォーカルの持って行き方などは明らかにパンクハードコアスタイル、しかしギターは随所にメロディアスなフレーズも導入する様式美系にも通ずる美意識の持ち主、国も音楽性も違うが我が国のDEAD ENDにも通ずるような型にハマりきらないサウンドです。

B面の最初になる5曲目のLAMBS BLOODを聴いたのが、このバンド初体験、直情的なビートが突っ込んでくるスピードナンバーだが、メロディを追うパンクヴォーカルとソロでが俄然色艶が煌めくギターと、不思議な感覚のバンドだった。恐らくバンドの本質は8曲目のBOBBYのようなNWOBHMやモーターヘッドなどに通ずるパンキッシュなハードスタイルなのかもしれないが、このアルバムでは芸達者のギターを武器に、単純明快に走るだけではない小ドラマが存在する。
その2面性を殺すことなくハマった時のパワーと破壊力に魅入るのだが、噛み合っていない瞬間もあり、イマイチ乗り切れないと感じさせるが評価を分ける最大のポイント。

最近まで存在を忘れていましたが、棚を整理していたらポコッと出てきました。こういうのはサブスクリプションでは絶対にないからなぁ。便利さは出会いの場を広げたが、記憶を呼び覚ましてはくれない。難しい問題だなぁ。


ASSASSIN - The Upcoming Terror - Assassin ★★★ (2020-10-15 08:22:02)

アコギのパートをアクセントに静と動を巧みに演出
アコギパートの美しさに思わず息を飲みます
だからこそ剛毅に打ち鳴らされるヘヴィネスサウンドが体の奥深くまで侵入
大切にしたい倫理観を掘り投げ
ひたすら音に身を委ね首を振りまくりましょう


ASSASSIN - The Upcoming Terror - Holy Terror ★★★ (2020-10-15 08:19:19)

圧巻のツインリードの驚きます
激しさの中にある刹那な美しさ
前曲のアコギアレンジとは別に感じさせる美意識
単なる過激さだけではない芸の細やかさを見せつけた
勿論暴れていますよ


ASSASSIN - The Upcoming Terror ★★★ (2020-10-15 08:15:02)

あれ?消えてんなぁ??

かの有名な商業誌から50点を喰らったいわくのある一枚。まだまだスラッシュメタルへの理解は低く、マニア向けだったんだろう。特にこの手のレビューを担当する人もいなく、翻訳家のさこたはつみさんが専門だったと聴く。これは深民さんが下したらしいが、こういうスピード重視の不条理なサウンドというのは嫌いな人はトコトン駄目でしょうね。
個人的に、スラッシュ系からメタルを聴き始めたので、この手のスタイルはアホのように耳にしました。
もし、雑誌を片手に音楽を聴いていたら一生出会えなかったと思います。

一気呵成に突っ込んでくるスピード命の音楽性、そのもっさりとした音質に難を示したくなるが、マチェーテを片手に備えぶん回す暴力的なサウンドは今聴いても十分刺激的、断末魔の叫びをあげる歌声と、制御不能と化した大型重機が暴れ回るが如き修羅場を想起させるリズムプレイに恐れ慄きます。

当時はアメリカやイギリスよりも格下扱いされていたジャーマンメタルシーン、そういった理論整然としたメジャーロック勢とは一線を画す、地下メタルサウンドの凄みは今作からビンビンに溢れ出ており、シーン全体をひっくり返すようなパワーが蓄積されていた。
拘りぬいたアグレッション、汚らしく騒々しいサウンドではあるが、単なるメタリカのフォロワー群とは違い、自分達のカラーを打ち出そうとしている。彼等もルーツは同じ、NWOBHMだしパンクもある、しかし一つのジャンルにハメ込まれることを拒絶するようなアレンジと構成があり、聴き進むにつれ、その味付けの多彩さに驚かされる。勿論、諸先輩方の影響も大だが、個性を見いだそうと努力を怠っていないのは評価できるだろう。

ハッと息を飲むほどに美しいアコギをフィーチャーした⑤など顕著に表れているのではないだろうか。細分化されたメタルシーンだが、今は随分と洗練されたものだ。この時代でしか味わえない、初期衝動を震わす地下メタルサウンドの凄み、既にこういうリズムアレンジを行っていたバンドがいたんだという事を知って欲しいですね。


BATTLE BEAST - Steel - Enter the Metal World ★★ (2020-10-13 14:39:00)

ノリの良いロックアンセムです
キーボードがバリバリ効いていますよ


HELLOWEEN - The Dark Ride - Mr. Torture ★★★ (2020-10-13 14:37:25)

このバンドのイメージにピッタリですね
どのような時代にアジャストしようとも
あのメロディが飛び出しますから


BON JOVI - Lost Highway - We Got It Going On ★★★ (2020-10-13 14:33:20)

どっから聴いてもBON JOVIですね
忖度してるなぁって思いますよ


EUROPE - The Final Countdown - Heart of Stone ★★★ (2020-10-13 14:31:42)

地味な曲と言われがちですが
ヒット系の曲が多い中でアルバムをビシッと〆ている
十分メロディアスだし売れそうな曲ですよ
歌メロも歌声も素晴らしい
バックの演奏も適切
脂の乗っている時期だと確認できる
ジョン・ノーラムは抜ける必要なかったよなぁ


BLUE MURDER - Nothin' But Trouble - We All Fall Down ★★★ (2020-10-13 14:28:10)

SEでサイレンが使われる曲はカッコいい説を唱えたい
そんな期待を裏切らないアイリッシュフレーバーもあるハードロック
屈強な男のダンディズムが漂うのがいい
でもサイクスの声もリジィをイメージさせるなぁ
狙ったかね


KEEL - The Right to Rock - Speed Demon ★★★ (2020-10-13 14:23:54)

メロディがイイですよね
勢いとノリの良さもバランスがイイ
ロンがもっと器用な歌い手だったらね
でもこれがKEELですから
かっちりまとまっているけど熱い


DANGER DANGER - Screw It! - Crazy Nites ★★★ (2020-10-13 14:20:41)

ご機嫌です
弾けとるねぇ
チョイ切ないメロディが顔を覗かせるのが良い


ZZ TOP - Eliminator - Sharp Dressed Man ★★★ (2020-10-13 14:18:26)

超絶ブルージーなディスコ調のロックナンバーと思っている
1983年仕様のZZ TOPサウンドは古典に新しさも盛り込み自分たちの流儀を貫いている
ブレない姿が最高にカッコいい


DISTURBED - Ten Thousand Fists - Ten Thousand Fists ★★ (2020-10-13 14:12:23)

突き放すだけではない親しみやすさも持ってきた
機械仕掛けのトライバルなリズム
時代を見据え計算されている


KORN - The Paradigm Shift - Prey for Me ★★ (2020-10-13 14:09:34)

移り変わるシーンの中で辛酸をなめてきたバンドでもある
革新を求められてきたが
ある意味後退したと言われようが自らを確立させる定番を生み出す事は悪いことではない
リズムの刻みもエグイ
でも個人的にはオシャレロックすぎる


SCORPIONS - Sting in the Tail - The Best Is Yet to Come ★★★ (2020-10-13 13:56:29)

メジャー仕様の哀愁のバラード
こういう曲が似合うバンドになりました


JOE SATRIANI - Super Colossal - Crowd Chant ★★★ (2020-10-13 13:54:53)

有名なインストナンバーですね
ライブを想定して書いたと言われていますが
個人的にはいつ聴いても魂が奮い立たされます
そして最後に涙が薄っすらと滲むほどの感動を覚えるのです
正気では聴けない大好物な一曲
本物のロックがここにある


DAVID LEE ROTH - Skyscraper - Just Like Paradise ★★★ (2020-10-13 13:50:31)

狙い過ぎですが売れるわな
完成度の高い80年代なロックソング
こういうの無性に聴きたくなる時があります
この時代を生き抜いてきましたのでね


CHEAP TRICK - In Color - Oh Caroline ★★★ (2020-10-13 13:46:53)

グラマラスで退廃的な魅力のあるハードナンバーに力強い歌声が良く似合う
地味目の曲なのかもしれないがチョイチョイ聴いている


PSYCHIC POSSESSOR - Toxin Diffusion ★★ (2020-10-12 13:53:07)

スラッシュ大国と言われる南米はブラジル産のブラッケンドなサウンドが売りのトリオバンドのよる1st。ギターはVulcanoでデビュー後、Ritualを結成。その後、名前を変更してアルバムをリリースしたのだが、とにかく音質が良くない。その劣悪な環境が、逆に禍々しいイーブルさを演出、時折スラッシュサンバみたいな展開になるのが、全然溶け込んでいないのだが、そういうのも含め、このインチキ臭さが最大の魅力となっている。
音楽的な理論や整合性など糞喰らえ、チープで汚らしいノイズを撒き散らし聴き手の感性を逆撫でしていく様は、ある意味痛快だが、苦手は人はトコトン駄目だろう。スラッシュの嫌われる要素が強めなのが肝ですからね。
唸るダーティーなヴォーカル、だらしのない暴力的なサウンドは大胆不敵な笑みを浮かべ、地下メタル特有の腐敗臭漂う悪魔降臨サウンドは下手さを武器にロックそのものを蹂躙している。


BUCK DHARMA - Flat Out ★★ (2020-10-11 20:59:51)

BOCのギター兼ヴォーカルのドナルド“buck dharma”ローザーが1982年にリリースしたソロアルバム。BOCではやれない曲を思いっきりやるぞな空気もあるが、彼が歌うメロディなど、ひんやりとした空気が纏いBOCにも通ずる雰囲気が満載。②などを聴けば隠せないなぁと感じる。
続く③もどこかハーモニーの美しいソフトな曲なのに、どこか不気味と感じさせるのもドナルドの持ち味なんだろう。歌詞が分からないから、そう聴こえるだけなのかもしれないが、なんとなくそう感じさせる。
全般的にはポップでソフトケイスされたサウンドだ。ソロだけに彼のギターもフィーチャーさせている。クールでアーバンな感性、そこにロックな情熱が青白い炎を燃やし沸々と燃え盛る、誤魔化しの効かないインストナンバーの⑧などを聴けば顕著だろう。ラストはカヴァーソングで〆る構成もソロだからこそ許されるアイデア。
アーティストとしての彼のルーツたる音楽性を垣間見ることが出来るでしょう。個人的には、あまり重なる部分の少ないアーティストではあるのだが、アメリカ人なのに乾いた感性を持ち込まないセンスの持ち主であることに驚く。そこが彼の魅力でしょう。CD化の際にはボートラとしてGamera is Missingを収録。ゴジラの次はガメラなんかいとツッコまずにはいられない、いかしたインストナンバーですよ。


MADAM REY - ブラッディ・ローゼズ ★★★ (2020-10-10 16:03:14)

田尾さんが、自分の嫁がメタルバンドのヴォーカルとしてデビューすることに困惑した話を忘れられません。しかも、物凄く恥ずかしそうに、嫁の音源の告知までしていましたね。
なんだか色物感MAXの空気が漂うマダムレイですが、バックを固めるメンバーが熱い。メタル系アーティストを従え歌上げるマダムレイ嬢だが、声が可愛い。ロックを歌うには線が細すぎる。熱量の高いハードな演奏に埋もれているのだが、マダムがメタルに掛ける情熱は本物だ。そこに共感して耳を傾けれるかが重要だろう。
メロディアスな楽曲、そして横関の本気のプレイと、お膳立ては揃っている。あとは彼女の努力次第だろうが、色物臭を打ち消すほどの力量が備わっていなかったのが残念である(菊池桃子のロック宣言、ラ・ムーを思い出す)。
曲はイイ、悪ふざけでもない。それだけに、いろんなものが邪魔をして正当に評価をうけれていない現状が残念だ。いい歳こしたオバはんの悪ふざけではない、本気のロック魂を燃やしたメロディアスハードサウンドの完成度はけして低くないぞ。それにしても横関は持っていない男だ。彼の唄入りに名盤ないぞ。インスト以外で魅了してくれよである。


Seiren - Under the Blue Wave ★★ (2020-10-10 15:47:41)

キーボード込みの女性5人組による国産HM/HRバンドが1991年にリリースしたEP。オープニングから日本人好みのメロディアスなハードナンバーで幕が開けるが、不安定な演奏や、様にならない、がなる唄と力量不足が目立つ。まさに日本が抱える問題点を浮き彫りになった叙情派サウンドを披露。やってんなぁとなるのだが、好きモノにとはたまらない愛着があるのは事実。歌謡テイスト満載のメロウな②の方がバンドに似合っているが、やはり、やりたいことに力量が追い付いていないという事で結審するだろう。
それでも最近ちょいちょい目にする寄せ集めのガールズメタル系よりも好感が持てるのは事実。キーボードをアクセントにメロディに拘りも持つハードスタイルを墓標に活動していた姿に共感を覚えますね。
船乗りたちを魅了した美声の半獣の女神セイレーン。そんな大それた存在にはなれなかったが、こういう時代だからこそ、こんなんもあったぞと言いたいですね。


ALDIOUS - EvokeⅡ 2010–2020 ★★★ (2020-10-10 15:28:01)

R!Nちゃんが正式に加入してか今まで以上に快進撃を遂げる2枚目のリ・レコーディングベスト。本来であれば、彼女たちが地道に続けるプロモーション活動に走るのだが、コロナのせいでライブが行えないのが残念。正直、この唄ならどこかで見てみようと思ったのが正直な気持ちだっただけにである。
バンドの顔である唄が強化されたことにより違うバンドに生まれ変わったという印象がある。嬢メタルという以上、見た目重視のフロントマンは、わき役に助けられる力量不足のアイドル女優が主演する深夜ドラマのような2線級の仕上がりだっただけに、新たに加わった華のある歌える女性の存在は大きい。ただ歌えるだけでなくライブでも安定感がある、これでバンドに馴染んてきたらと思うと、伸びしろの大きさも考えると尚更だろう。
今作も前作同様、バンド本来が伝えたかったメロディアスHM/HRバンドとしての魅力が倍増した。誰が好きか嫌いの話をしているのではなく上手い下手の話のなので、趣味嗜好とは別の次元の評価である。
そりゃANTHEMだって、俺は坂本英三の方が好きだといって、それを非難する奴の方がチェだぜ。でも坂本の方が森川よりもパワーがあると言われたら、それはセンスを疑うことになる。

R!Nちゃんの加入は可能性を広げた。ハードナンバーから彼女のフィールドとなるポップスもイケる、彼女たちが売れるには必要なピースだったろう。多角的にグレードアップされた楽曲、ロックバンドとしての鋭利な感性が研ぎ澄まされグサッと刺さってくる。攻撃的な部分を聴かせるだけではない叙情性もあるバンドだっただけに、R!Nちゃんのスタイルを反映させつつも、メタルヴァージョンとして構築した唄は、メンバーチェンジという不満を押さえ込むだけの力が備わっていた。

過去の音源を愛するファンには申し訳ないのだが、あまり聴き込むことなく埋もれていたが、R!Nちゃん加入後は聴く機会も増えたが、やはり比較するのは可哀そうだ。スタイル云々ではない次元が違うのである。この逸材がいつまで、バンドに留まってくれるかは分からないが、新体制のもと制約から解放された新生アルディアスサウンドを聴きたいものである。


SHIVA(80'S) - Firedance ★★★ (2020-10-10 15:02:09)

NWOBHM期にリリースされたプログレ寄りのバンドによるアルバム。RUSH同様のトリオ編成というのも眩しいのいのですが、コンピ作に提供した②を聴けば分かるように一筋縄ではいかぬアレンジと英国特有のどんより系のメロディ、その湿り気ったぷりの叙情性に咽びます。
重厚で劇的な英国流儀、そのプログレッシブなエッセンスは聴き手に迎合することなくアーティスティックな姿勢を貫き圧倒していく、ライブではどこまでやれるのか分からないが、これを再現できるのなら素直に高く評価するだろう。
音質はけして良くないが、NWOBHMにも通ずる生々しい荒っぽさ、静と動の起伏を生み出すシャープな展開の中でギラリとした個性を放ち、耳に残るリフやメロディが聴き手の知性面を刺激、ストレートなロックバンドでは味わえないお楽しみがある。
重量感のあるリズムとヘヴィな音像のギターには、時代の流れを意識したと思わせる手触りがあり、単なるRUSHのフォロワーで片づけられないのもNWOBHM時期デビューの所以だろう。
こうして改めて聴くと英国的な匂いがプンプンと漂っている。そしていかにNWOBHMが多様性を帯びたムーブメントだったかが理解できるだろう。比較するならLIMELIGHTが一番だろうが、徹底したという点ではこちらのバンドに軍配を上げる。


HELLION - Up From the Depths ★★★ (2020-10-09 13:24:07)

1998年に突如リリースされたコンピ作。①はBITCHとのカップリングシングルに収録された曲。②~⑤はHellion収録のやつで、複数のレーベルから収録曲違いでリリースされたものから抜粋。ヴァージョン違いなどあるのかもしれないが比較したことがないので不明。個人的に、興味を注がれたのが⑥~⑨収録の楽曲。未聴だった1988年リリースの4曲入りEP『Postcards from the Asylum』が丸々収録されたことに尽きる。JPのカヴァーもやっているので、女ロニーと呼ばれたアン・ボイレンがハルフォードを歌うというのはマニアならずともグッときますよね。
ウェンディ・ディオの助力も得ていた時期のリリースだけにミキシングでアンジェロ・アルクリが参加、レーベルとしては随分と力の入ったEPだった。そりゃ自分のレーベルだもん気合いはいるわな。
こうして時系列に収録されることでアン嬢の成長も見て取れ、暗黒様式美サウンドの変遷も分かり、寄せ集めのコンピ作ではあるが、参加メンバーも含めバンドの本質に触れることが出来る。ある意味、裏ベスト的な意味合いもあったりと、谷間のエースが大活躍みたいなノリではあるのだが、裏街道を走るUSパワーメタルの真髄に触れることが出来るでしょう。
男性優位な社会で、女性がロックをやるのは大変です。曲云々の前に容姿を問われてしまう。下手すりゃ、それが評価の要因になるのだから恐ろしい。


CHRIS VON ROHR - The Good, the Bad, and the Dög ★★★ (2020-10-06 19:19:34)

クロークスのベーシスト、クリス・フォン・ローアは1987年に『HAMMMER&TONGUE』というソロアルバムをリリースしているのだが、収録曲が同じです。レーベルも同じ、詳しいバイオは分からないが同じ商品を再発する際にタイトルを変えたのか?と思うのですが、何故?ですねぇ。
主役はクリス、彼が歌もギターもベースも弾きつつ、基本はトリオ編成という布陣。出している音もオープニングからZEPの曲を引用したりと、クロークスとの違うは何処にあるんだと、物凄いツッコミを入れたいのだが、勢いのある本家と比較しても遜色のないクオリティを有しているので、マニアならずとも手に取って楽しめる一枚に仕上げています。
③では、マーク・ストレイスが、⑧ではフェルナンド・ヴァン・アーブが顔を出し、同僚のソロに華を添えているのも微笑ましく、やはりソロでやる意味があるのか感は漂うのだが、味わい深い楽曲勝負のソロ作は、ツボを押さえており試聴感は悪くない。
ソロなんだから、もう少し野心を剥き出しても良いのに、相変わらずも味方につけ、多くのロックファンを迎え撃つお馴染み感に、好感が持てますね。イキイキとエキサイティングな演奏をしているのに、フレッシュ感がないってのがクロークス関連なんだろうか?なんだかんだ言っても嫌いになれないお楽しみが詰まっているのがイイのです。バラードあり、ロックありのコンビニエンスストアな手ごろさが最高なのです。


LIEGE LORD - Burn to My Touch ★★★ (2020-10-06 18:54:29)

前作から2年のインターバルを経てリリースされた2nd。方向性は変わらないストレートなサウンドで勝負だが、オープニングナンバーなど、メイデンよろしくな展開を設け違いを見せている。しかし、そのプログレッシブなリズムの導入が上手くいっておらず、不安定さをアピールすることに繋がったのは残念。ベースもバキバキと自己主張を前に出しハリス強めになったのも面白いだけに惜しい。
それでも、正攻法で迫るバンドサウンドは迫力十分。流麗でキレのあるツインリードが乗り出せば、このバンドの魅力もギラリと鈍色の光を放ち、光沢なまめかしいコンクリートサウンドを披露していきます。
USパワーメタルの名盤と呼ばれる3枚目へと続くバンドの系譜、今作を聴けば彼らが順当な成長を見せていたのが伺えますね。少々、キメの一手に欠けるアルバムではありますが、随所に拘りと、ダラッと流れぬように、気を配った作風は耳を傾ける価値は大ありです。先輩たちの後塵を拝すだけではない、勢いがありますからね。


LIONHEART - Unearthed - Raiders of the Lost Archives - Lionheart ★★★ (2020-10-05 20:49:17)

HOT TONIGHTでデビューした時は
かなりアメリカン市場を意識していました
この曲を聴けば
そんなことをしなくとも十分通用したと思える
大衆性とハードテイストを併せ持っていたと思います
ワイルドなデニスのギターも悪くない
ハーモニーの美しさも健在
このバンドらしい瑞々しいポップフィーリングと大衆性を完備した代表曲の一つ


LIONHEART - Unearthed - Raiders of the Lost Archives ★★★ (2020-10-05 20:44:25)

あれ~?確実にコメントしたような気がする…
過去にも何度かあるのだが消されたような…
バグって俺のだけなくなるなんてあり得るのかね?

今は亡きポニーキャニオンの洋楽レーベルからリリースされた、プレイングマンティスの結成20周年を祝うためにリリースされた、デニス・ストラットンが結成したバンドによる、幻のデモ音源集。これがマニア泣かせの激熱商品。
このバンドに興味がなければ意味はないのかも知れないが、どのような形で音楽的な変遷があったかを知れたりと、実に価値のある一枚。ニコ・マクブレインが一曲、ドラムを叩いたり、フィル・ランゾンがキーボードで参加とか、歌っているのはチャド・スミスだけじゃないとか、お楽しみが満載。
初期の頃は、より英国的でNWOBHM的なエッセンスも強く、実際DISC1のオープニングであるLIONHEARTはコンピ作にも収録され、マニアの中では知られたバンドでした。
デニス・ストラットン、スティーブ・マン、ロッキー・ニュートンの三人がいたのが重要なのですが、この3人による美しいコーラスハーモニーを生かしたメロディアスサウンドは、どの時代も健在でした。
デモ音源の商品化ですから、音質云々を言っても仕方がありません。幻の英国産メロディアスHM/HRバンドのデモ音源集。その価値を見出せる同志はも多いでしょうが、今となっては入手困難な一品。どこか再発してくんないかねぇ。今のタイミングは丁度いいと思うんだけどなぁ。勿体ないっす。

このバンドの本質は、幻のデモ集にある。いかにして音楽的な変遷を重ね、メジャーデビューしたとのかを知ることが出来るでしょう。間違っても1stのスタイルが、このバンドの本分なんてことはありません。


LIONHEART - The Reality Of Miracles ★★★ (2020-10-05 20:18:49)

奇跡の復活を果たした前作から、ついに待望の完全新作がリリース。シンガーは前回同様リー・スモールが担当。彼のエモーショナルで温かみのある歌声とコーラスハーモニーを中心とした作りは、このバンドの真骨頂。アメリカンなライトロックに手を出していないので、前作を支持した方なら安心して聴けるでしょう。
とにかくフックのある哀愁美に満ち溢れたメロディがテンコ盛り、適度なハードさも忘れることなく放り込み、デニスとスティーブのツインギターは、互いを高め合い尊重し合うかのように相性の良さを見せつけ、このバンドの推進力となりバンドを牽引、盤石のソングライティング力とかけ合わせれば、その破壊力は相当なものとなるでしょう。
メロディ派の心に永遠に寄り添ってくれる、メロディアスHM/HRの名盤が新たに誕生しましたね。

求められることを、おくびにも出さずにやり切る奥ゆかしさにグッときましたね。こういうベタをベテランが変な色を出さずにやるってのは、簡単なようで難しいですよ。色が薄い分、中途半端なものを出せば、それは即不満へとつながりますからね。

阿吽の呼吸から生み出されるベテランバンドの妙味。ハードテイストも損なわない楽曲も合い間に用意し、シングルカット向けのソフトケイスされたサウンドだけで終わっていないのも素晴らしい。主役は二人のギターと言いたいが、彼等が一番聴かせたいのは、コーラスハーモニーだし楽曲。そして、熟練のアンサンブルの頂点に君臨するのは、リー・スモールの唄だというのがポイントだろう。無理無駄のないアレンジセンス、何を聴かせたいかを明確に定めたバンドに敵なし、メロディ派ならマストな一枚と言える仕上がりに膝を打ちました。
こういうアルバムは大好物です。速いだけや過激なだけがメタル系ではないと思い知らせてくれますね。日本人好みの曲を書くのが上手いバンドだなぁ。

日頃、メインに聴くのが板起こしのような音質の悪い、半地下NWOBHMなんで余計に、耳に響きますね。そしてリー・スモールは歌が上手いなぁ。


LIAR - Straight From the Hip ★★ (2020-10-05 19:59:05)

エジソン・ライトハウスのデイブ・テイラーが中心となり立ち上げたバンドが1977年にリリースした1st。英国的な情緒のあるメロディ、ブルージーではあるが、情念たっぷりというわけではなく、程よくキャッチーさをまぶしたサウンドは聴きやすく、滋味深い味わいがある。シンプルなプレイではあるがエモーションも感じられ、英国のバンドらしいシニカルさが、何とも言えないアクセントとなり、聴き手の耳を優しく刺激してくれる。
クレジットにスティーブ・マンがギターで参加しているが、彼がどこまで関与してるかは聴くだけでは分からいが、いずれにしろオーセンティックなプレイは派手さと引き換えに抜群の安定感があり、ニンマリとさせてくれます。


KANE ROBERTS - The New Normal ★★ (2020-10-04 19:38:00)

Frontiersから久しぶりにリリースされた通産4枚目のソロアルバム。昔のスタイルを丸々やるのではなく今の時代性をしっかりと完備、多彩なゲストを迎えメロディアスかつヘヴィなケイン・ロバーツサウンドを披露しています。
特に③ではアリス・クーパーとアリッサ・ホワイト・グラスを迎えトリプルヴォーカルまで披露してるのだから話題性にも事欠かない、⑦ではリジー・ヘイルが曲を提供したりと美味しい情報も多いだろう。
参加メンバーも懐かしい顔だけではない今の人脈も駆使しているのが、昔の名前で出ていますとは違う現役感をアピールする事に成功はしている。
個人的にはストライクとなる音楽性ではないのですが、この時代性を射抜きつつも自身のカラーを投影した質の高い音楽性は、かつて音楽業界を牛耳っていたゲフィンレコードを思い出しました。
硬質なギター、重量感のあるリズム、現代的なエッセンスを含んだモダン性、それらをケインのエンターテイメント性で纏めたサウンド、ソロアルバムなんだから、もう少しケビン強めでも良かったんですが、それが今の時代なんですかね。


THE UGLY KINGS - Darkness Is My Home ★★★ (2020-10-04 19:08:06)

オープニングからいぶし銀の哀愁美が砂煙に交じりながら、ユラユラと揺らめいていきます。このブルージーな味付けのハードサウンドの持つパワーは、何とも形容しがたい魅力があり、ドイツのレーベルではあるが彼らはオーストラリアのバンドだというのが面白い。その意外性に驚かされるが、ここで聴けるサウンドは人を突き放すようなひんやりとした感触、そして人間臭さのあるエモーションが爆音と共に渦を巻き弾き出されている。
聴き手の感性にグッと沁み込んでくる濃度の高い古典ロックの響き。アルコール強めの酒を飲んだ時に、頭にグイっとアルコールが回る、あの感覚に似ている。ファズの掛かったギター、生々しいヘヴィグルーブを叩き出すリズム隊の旨味、そのガレージロックにも通ずる剥き出しの感性が、サザンロックとも交わり合う事で独自のスタンスを構築、その悲哀に満ちたパワーブルースは心地よく聴き手を酔わせていく。
新たなるロックシーンを形成しつつある昨今のハードシーン、このバンドもそういう流れの中で異彩を放つ一つだろう。クールでニヒルなサウンドはRival Sonsあたりを思い出しましたね。


HYDRA - From Light to the Abyss ★★★ (2020-10-04 18:49:10)

ポーランドの4人組による1st。サウンドは初期型サバスに影響を受けたドゥーム/ストーナーサウンド。ヴォーカル処理もオジーを意識した作り込みをしているし狙いは完璧だ。全5曲だが36分とボリュームは多め、それだけにむせ返るような濃密な世界観が待っている。
オジーサバスを意識した①②、特に後者は後期オジーサバスと思える味付けをしており、個人的にはそこが楽しい。根暗な音なのに美しさが漂う③、そして不気味に蠢く④は英国の香りが凄く漂い、70年代ロックの系譜を順当に引き継いでいるようで、細かい描写を盛り込み聴き手を楽しませてくれる。そして歪んだ空間が口を開け待っている⑤で幕が閉じます。全般的に感じる重苦しい空気、その鈍重なリズムは聴き手に圧し掛かり、彼等が奏でる異形なる世界へとさらっていくようだ。

鈍重ドゥームではあるがサウンドプロダクションがスッキリとしており、分離が良いのは、この手のサウンドが苦手な人にも取っ付き易い仕様になっています。でも速い曲はまったくないので、それを求めるなら無用なスタイルですね。

ドロドロに濁ったブルースフィーリングや鬱屈とした病的な精神性でもないし、欧州らしい悲哀のあるメロディが強めなのがポイントですね。真正ドゥームファンにとっては、逆にそこが物足りないのかもしれませんが、聴きやすく纏めたサウンドメイクに軍配を上げます。ギターサウンドをオーセンティックな作りではあるが場面に合わせ多彩な表情を見せるたのも面白い。


HITTMAN - Destroy All Humans ★★★ (2020-10-03 13:16:36)

知らないうちに復活していたアメリカの老舗正統派HM/HRバンドの3枚目。いきなりRAINBOWタッチの中近東風メロディが耳を惹くあの曲っぽい奴の登場に驚きます。あれこんなバンドだったっけ?が第一印象だ。その後も、思いのほかオーセンティックな味付けのHM/HRサウンドが登場するのに驚かされる。この復活劇は、彼等にとって必要な熟成期間だったのかと思わせる仕様になっている。

RAINBOW化というよりはRATA BLANCA化と個人的には言いたいのだが、これでNo Remorse Recordsからのリリースも頷けますね。昔から音だけ聴けば、アメリカとは思えない欧州志向のスタイルだっただけに驚きはないが、このドラマ性を有するガチンコメタルサウンドの需要は確実にあるのもであり、彼等が昔の名前だけで出ているバンドではないのが伺えるのも好印象。今後はコンスタントに作品をリリースし空白の期間を埋めてもらいたいものです。


都会的な洗練度は、マイナーバンドにありがちな野暮ったさは見事に排斥、哀愁を帯びたメタリックサウンドは深い情感を生み出し聴き手を魅了していきます。細かいことを言いだすと、色んな拝借が気にかかるのが個人的な不満ではあるが、オジサンになると許容範囲がガバガバなので、何でも許せるようになりました。

ここは素直に志半ばで倒れたベテランによる捲土重来と思い聴いて欲しいですね。


HEAVY PETTIN' - Lettin' Loose - Shadows of the Night ★★★ (2020-10-03 13:00:54)

こちらもシングルカットされたROCK MEのB面として収録された
メロディアスな奴です
やりにいっていますが彼等流のサウンドに仕立ています
この硬軟交えたバランス感覚が売りだった


HEAVY PETTIN' - Lettin' Loose - Roll the Dice ★★★ (2020-10-03 12:54:36)

彼等の名をシーンに知らしめた疾走ナンバー
後年NEATが監修したシングルコレクションなどで聴けるようになったが
現在はボートラとして収録されています
英国的な哀愁美が炸裂するハードナンバー
これぞNWOBHMな魅力が満載です
これも名曲だなぁ
何度聴いても熱くなりますよ


HEAVY PETTIN' - Lettin' Loose ★★★ (2020-10-03 12:49:04)

1982年にNEATからシングルをリリース、そこでの成功を契機にPolydorとのディールを手にすることになる。大手の影響もあるのかブライアン・メイがプロデュースに名を連ねるなど、NWOBHMファイターとしては異例のバックアップ体制なのに驚かされる。その期待を受けるようにオープニングからNEAT時代とは打って変わってソフトケイスされたメロディアスナンバーで幕開け、その流れを壊すことなく②③④と進むが⑤では一転、HM/HRバンドとしての本性を剥き出し牙を光らせます。

その後も、硬軟交えたバランス感覚で勝負、このバンドがDEF LEPPARDを手本にしたのは疑いのないような構成もあり、2、3枚目のライトな方向性のアルバムよりもハードな質感に騙される人もいるが、露骨なやり口が目に付くのが印象的。また、間違ってもメイデンなどの硬派なバンドと比較して聴くような音楽性でもない。
しかし英国的哀愁漂うメロディと、嫌味にならない大衆性、その両面を際立たせることに成功した手腕は見事、湿り気を帯びたツインギターと良く伸びるハイトーンとの組み合わせの効果的に機能、マニアご用達で終わらせるには惜しいバンドですね。
幅広い層に訴えかけられる音楽性、1983年という時代を射抜くような質の高い名盤ですよ。


人間椅子 (2020-09-30 20:11:03)

帰ってきた人間椅子倶楽部~配信ライブ編~
10月4日まで無料とは太っ腹ですね
悪魔の手毬唄とか懐かしいわ


HELLION - The Witching Hour ★★ (2020-09-30 20:03:18)

Screams in the Nightのメンバーを戻し1999年にリリースされたEP。相変わらずアン嬢のパワフルな歌声は健在、音楽性もチェットのトリッキーかつテクニカルなギターを主軸としたパワフルサウンドを披露。4曲では物足りないと思わせるクオリティを誇示してくれました(Screams in the Nightからのデモ2曲と、こぼれた2曲なんですけどね)。
とは言いつつも2000年を目前としているのかと言いたくなる低音質な仕上がりには苦言を呈したくなりますた、チェットの癖の強いフレージングのアイデアが面白く、このバンドの可能性を感じずにはいられません。
今となっては、この音源、本当はいつのモノなんだと気になるのですが、詳しいバイオはサッパリなので割愛します(なんか昔の音源をCD化しただけな気がする)。

こういうマニア向けの商品が多いバンドだけに、イマイチ認知度を高められないのは残念だが、正統派HM/HRが好きな方は、このバンドの音源に触れて欲しいですね。

ちなみに今作でドラムを叩いているのは、最近、昔のマテリアルを小出しいて小遣い稼ぎしている、ドン・ドッケン率いるDOKKENの初期の音源で参加しているグレッグ・ペッカです。マニアならグッときますよね。


HELLION - Hellion ★★★ (2020-09-30 19:38:42)

女性版ロニー・ジェイムス・ディオなどと呼ばれ正統派マニアから支持された女性シンガー、アン・ボイレン率いるバンドのデビューEP。オリジナルは4曲入りだが、イギリスのMusic for Nationsと契約の際には2曲追加して6曲入りとなり世に出ている。わたし自身が知っているのも6曲入りで、所持しているのはRoadrunnerから出た奴。ちなみに1986年に再発されたNew Renaissanceヴァージョンは曲目が違うので注意が必要です。
下記収録曲
Side A
1.Break the Spell
2.Don't Take No
3.Backstabber
Side B
4.Lookin' for a Good Time
5.Driving Hard
6.Up from the Depths

ストレートなメタルソングのA面とアメリカンな要素が膨らんだB面との対比も面白く、このバンドがアメリカ出身であり、最初に目を付けたのがイギリスだったというのが分かる仕様となっている。
歌い手としては、まだ粗さが残るアン嬢だが、堅実さと派手さの両面で迫るツインギターを従え、フロントマンとしての重責を見事に果たしている。

お披露目としては十分なインパクトを残した今作。このまま順調に進むかと思いきや、フルアルバムのリリースが1987年までかかり、前身のDB時代からのメンバーも去り、バンドが動いていたのが気になるところ。アメリカよりもヨーロッパ、特にイギリスではそこそこの成功を収めていたと言われるだけに、4年の空白の期間は長かったと言えよう。

このバンド、今も活動しているがフルアルバムのリリースが少なくEPやコンピ作が多い。2014年にはTo Hellion and Backなる2枚組のベストを出しているが、完全制覇とはいかないのが残念ですね。

そんなアン・ボイレン姐さんですが、実は彼女、New Renaissance Recordsのオーナーだったと知って驚きました。姐さん、ポンコツレーベルの主催者だったんですね。二足の草鞋は履けぬですよ。


HELLIóN - Hellión ★★ (2020-09-30 19:15:09)

南米はアルゼンチンのメタルシーンを語る上では外せないマリオ・イアンがいた事でも知られる伝説のバンドによる1st。影響を受けるのはJPスタイルの王道HM/HRサウンド。その実直な姿勢には、思わず笑みもこぼれますが、若気の至りが詰まっているのは間違いない。ファルセットが耳障りな歌も、あまり時間を掛けずにレコーディングしたと思われるチープなサウンドメイクも含め、懐かしさが一杯だ、
日頃雑誌で紹介される大手メディア発のゴージャスなサウンドに馴染んだ耳では、相当厳しいだろうが、俺は正統派ヘヴィメタルが大好きなんだと、有名無名に関わらず耳にしたい猛者には、たまらんものがあるでしょう。
南米の情熱よりも欧州風味のクールさ、そして③などで耳にできる大衆性も完備しているのは嬉しい誤算ではないだろうか、この手のバンドにありがちなガチムチの鋼鉄一方向スタイルではない柔軟さも魅せているのは、逆に好感が持てるが、邪魔だと思う人もいるでしょう。先人たちのアイデアを実直に継承していただけに、今作一枚を残し散ってしまったのは残念ですね。


HELLION - Rebel's Curse ★★★ (2020-09-30 18:59:55)

南米はコロンビア若き野郎ども3人が世に送り届ける2枚目のフルアルバム。南米特有のチープな音作りもわざとやっているような気がする、血塗られたブラッケンドさ、そのイーブルな感触と身も蓋もないスピード命の音楽性、初期型ジャーマンメタルテイストもたっぷりの注入された音楽は、懐かしきピュアスラッシュそのもの、癇に障るハイピッチな歌声も若々しく可愛い。
有名どころと比較して、あれこれダメ出しするのは簡単だが、こういう青春迸る交じりっけなしのサウンドを聴くと、そんな事はどうでも良くなります。先人たちから受け継いで音楽性を順当に紡ぐスタイルは、なんら非難されるものではない。こういうバンドは無条件で応援したくなりますよ。
ラストはカナダの古参スラッシャーSacrificeをカヴァー、これもいいフィーリングでやり切っている。まだまだこれからの若者だが、伸びしろは十分あるだろう。期待したいですね。


MEPHISTOFELES (2020-09-29 13:57:05)

kamiko!さん

初めまして。私は基本、定額制サービスを受けています。マイナーはものはBandCanpを利用。したがってパッケージ商品に興味がなく、エロ画像の存在も商品購入前の情報収集で知ったまでです。
ですから、現物は所持していません。あしからず。


CRUELLA - Vengeance Is Mine ★★★ (2020-09-29 12:58:18)

アメリカはオレゴンからやってきたパワー/スピードメタル系バンドのデビュー作。オープニングからシュラプネル系かと思わせるほどのクラシカル仕立てのスピードプレイが飛び出します。その後もギターソロは派手目にキメていますが、少々やり過ぎ感は滲み出ているのはご愛敬。無頼で武骨なサウンドの中にねじ込まれる欧州風味は、このバンドの売りとなっています。とはいえ少々ちぐはぐに感じる場面もあったりと、まだまだ改善の余地はありますが、愛想のないパワフルな音楽性、フックに乏しい歌メロなど、US産のアングラサウンドならではの味わい深さにグッときますね。耐性の無い方には少々退屈に感じるかもしれませんが、腹の据わったパワフルサウンドに対する需要は確実に存在するでしょう。
もう少し歌い込めるシンガーの方が、この手のサウンドには必要なのですが、無いものねだりは良くないという事で折り合いをつけて楽しんでいます。


PAGAN - PAGAN ★★★ (2020-09-29 12:34:01)

オリジナルのリリースは1990年、国内盤は翌年メルダックから出ている。北欧のメロディアスHM/HRバンドの1st。オープニングからコーラス多めの展開に驚き、そして思いの他、陽性な面が出ているが憂いのあるメロディもあり、流石は北欧産じゃないかいと嬉しくなります。
レーベルこそマイナー系ですが、サウンドの方はワールドワイドな展開を視野に入れいるという事でしょう、一括りの枠にハマらない多彩な楽曲を用意、ZEPのカヴァー、移民の唄をQUEEN風に仕立てるとは夢にも思わなんだ。
そのあとは勢いのあるワイルドな疾走ナンバーでパンチを食らわし、5曲目には同郷の大先輩BISCAYAカヴァーソングまで放り込んでくるんだから多彩ですよね。
散漫になりがちな楽曲を北欧風味でパッケージ。何が飛び出すか分からないアイデアはQUEENに通ずるものもあるのか、それともBISCAYAの血を受け継いでいる証なのか、いずれにしろ芸達者なメンバーが揃っているので、十分メタルな耳を刺激し楽しませてくれるでしょう。


MEPHISTOFELES - Satan Sex Ceremonies ★★★ (2020-09-26 12:44:19)

南米はアルゼンチン産のドゥームロックバンドの3枚目。背徳感MAXのジャケにたじろぎますが(こんなもん思春期の子供が持っとったら親は心配するぞ)中開は更にOUTです(チ〇コくわえをモロ出ししちゃダメよダメダメ)。

そんなR-指定ど真ん中のバンドが繰り出すサウンドはサバス直系の血塗られドゥームサウンド。拘りぬいたローファイな音作り、そのブーストされた音色は、彼等が演出する腐敗臭漂う魔界の回廊に漂う瘴気そのもの、触れるだけで穢れれる忌まわしきサウンドに、このバンドの徹底した成り切りぶりに笑みもこぼれます。

オカルト神秘主義を貫く鈍重なる不気味なリフワーク、そして幻惑するヘヴィグルーブは過剰なほどに左右に揺らめく事で独特の間合いを生み出している。混沌とした闇夜のヘヴィロック、濃密に絡みあるアンサンブルから弾き出される、胡散臭ささに眩暈を覚えます。

粘り腰のヘヴィグルーブは時にこちらを睨みつけ、背徳的な世界へと誘います。その威圧的な音から発せられる禍々しい音色が持つ説得力。焼け付くような不快感が聴き手を蹂躙、なぜか恥じらいを覚えてしまうのが、この手のバンドの持ち味でしょう。歌い手もオジーを意識、初期サバスが好きな方ならマストな一枚でしょう。


MEDUSA - First Step Beyond ★★★ (2020-09-25 20:30:53)

2013年にリリースされたカルトメタルバンドのデモ音源の商品化。元の音源は1975年のモノというのだから驚きです。出してる音源もサイケでガレージな古典ロック、アメリカンロックの始祖とも呼ばれるバンド群と比べても遜色のない個性とクオリティがあり、ギター、ベース、ドラムが絶妙なタイム感をまとい交じり混沌した世界観を演出、どこかひんやりとした悲哀のあるメロディが、独特のアシッド感と混ざり合い、鬱積とした空気を生み出している。
ソリッドで攻撃的なビートもあれば、幻惑するリズムも顔を覗かせ一曲の中に多様性を盛り込み、音楽的な説得力も補完。○○風の何々バンドと簡単に括るのは、彼等に対して失礼だなぁと本能的に感じさせてくるのも魅力。

70年代というアートロックにも通ずるイマジネーション溢れる音楽紀行、その多様性は破綻することなく一曲の中に組み込まれヘヴィロックに留まらずフォーキーなバラードさえ手なずけるのだから恐れ入る。
このバンドが、世に出ることなく消えたのは何故なのかと興味は尽きないが詳しいバイオはサッパリだ。


TOKYO - Fasten Seat Belts ★★★ (2020-09-22 18:26:03)

アルバムタイトルがシートベルトを締めろでしょ、そしてオープニングがケイコですよ。前作のヒット曲東京のあととは言え、そりゃないだろうと潔癖な方なら聴く前からシラケムードに包まれるでしょう。小松政夫のカラス芸も飛び出しそうですが、そこは、騙されて欲しいですね。
前作同様、ワールドワイドな感性に彩られた無国籍サウンドは多彩な楽曲を用意。各ミュージシャンのバックボーンを余すことなく披露。そのセンスアレンジセンスの高さに唸らされます。空間を広げるシンセの響き、ピアノで泣かせたと思えば、スペイシーの空間を駆け抜けます。時にはタイトに酔わせる変化自在のリズミカルなプレイ、コーラスワークも強いし、職人技が冴えるギターと、スキのないバンドですね。
歌モノロックファンは勿論ですが、ハードサウンドで疲弊した耳を休ませるには丁度良い、教養の豊かさも完備したロックサウンドってありがたいですよね。


TOKYO - Tokyo ★★★ (2020-09-22 18:13:28)

Michael Wynn Bandで活躍したロビン・ムセンビクラーはオーストリア時代のバンド仲間、フリッツ・マツカに再び声をかけ動き出す、ベースはアフリカ系ミュージシャン、ケン・タイラーが加わり、キーボードのみならずコンポーズとしても貢献したロタール・クレル、そしてドイツのHM/HRバンドSchlossのシンガーだった、クラウス・ルーリーも参加と5人編成のバンドして始動。
ポッと出の新人ではないミュージシャンだけに、音楽性の質は高くワールドワイドな洗練性の高いメロディアスサウンドを披露。曲によってはサックスまで飛び出すのだから、その音楽的土壌の豊かさに舌を巻きますね。無理無駄のないアレンジと、ミュージシャンとしての懐の深さ、曲に合わせ3人のシンガーが歌い分けるというのもバンドの武器となり最大限の魅力を発揮してるでしょう。
一頃、このような歌モノばかりを聴き漁る時期があったからこそ知ることが出来たのだが、今となっては忘れ去られた存在でしょう。個人的には、名曲①を聴くためだけにも歌モノマニアなら手に取って欲しいと思いますね。
安心安全の定額制サービスのおかげで、本当に知識さえあれば、バリ得で楽しめますので、探してみてください。

東京で出会った女性と恋に落ちた外国人が、国に帰らなければいけないみたいな話です。タイトル通り演歌な世界だし、フォークな世界ですが、親しみやすい欧州的哀愁のメロディに胸キュンです。


MYSTIC PROPHECY - Monuments Uncovered ★★★ (2020-09-22 17:26:20)

かつてはガス.Gがリードギターとして名を連ねていたことでも知られる、ドイツ人シンガーのR.Dリアパキス率いる多国籍軍によるカヴァーアルバム。有名なアーティストのヒット曲をメタルアレンジで無難にカヴァー、オリジナルの味を損なう不作法をしていないので、タイトルや誰が歌っているかは分からないが、一度くらいは耳にしたことがあるような曲が多いので、好奇心をくすぐる内容になっている。でも何度も繰り返し聴くようなアルバムでもないような気がするのは、無難な選曲&アレンジによるのだが、こういうお祭り企画アルバム自体は悪いアイデアではない。そんなプロのカラオケ大会の中で一際異彩を放つのが⑨曲目のTOKYOだろう、誰の曲なんだと、頭を悩ませるでしょうが、始まってからさらに驚かされるでしょう、ドイツのメロディアスロックバンドが1981年にリリースしたアルバムのオープニングナンバー、シングルカットもされているので売れたのかもしれませんが、名曲群の中で、意外性の山倉状態に驚かされます。そんな名曲群の中にあっても違和感がないメロディアスロックナンバー、こういうチョイスは嬉しいですよね。

往年のヒット曲をパワフルかつメロディアスはメタリックサウンドへと昇華させたカラオケ大会アルバム。なんだかんだ言って個人的にはちょいちょい手を出すアルバムです。ド派手にメタルアレンジをねじ込んでいるのも面白いしね。

1.You Keep Me Hangin' On (The Supremes cover)
2.Hot Stuff (Donna Summer cover)
3.Shadow on the Wall (Mike Oldfield cover)
4.Are You Gonna Go My Way (Lenny Kravitz cover)
5.I'm Still Standing (Elton John cover)
6.Because the Night (Patti Smith cover)
7.Space Lord (Monster Magnet cover)
8.Get It On (T. Rex cover)
9.Tokyo (Tokyo cover)
10.Proud Mary (Creedence Clearwater Revival cover)


BERGGREN KERSLAKE BAND - The Sun Has Gone Hazy ★★★ (2020-09-21 14:37:21)

ドイツのRazorbackで唄い、アレッサンドロ・デル・ヴェッキオのプロジェクトRevolution RoadやSnakes in ParadiseにThe Company of Snakesでフロントマンを務めたスウェーデン出身のステファン・ベルグレンとリー・カースレイクの二人によるプロジェクトチーム。

曲作りではリーとステファンの二人がクレジットされているが、唄以外にもギター、キーボードにプロデュースと八面六臂の大活躍をするのはステファン。ある意味、ソロアルバム的なニュアンスが強いのだが、出している音は古めかしい古典ロックに彩られた一枚。WHITESNAKE風味満点のブルージーサウンドに、エモーショナルなステファンの歌声は似合うのは既に実証済み、彼は爽快感も持ち合わせているので、砂交じりのざらつき感を緩和さえているのは聴きやすさに繋がっているが、そこが物足りないと思う筋金入りのマニアもいるだろう。

良くも悪くも個性を出さないドラム。大きなグルーブを持ちいらないリーのドラムも、ともすれば情念たっぷりのブルースロックの濃度を高めてしまうのだが、彼の主張の少なさが逆に生きており、スマートな英国紳士と呼ぶべきマナーの良いロックドラムの旨味に目を細めてしまいます。

レーベルがAOR Heavenだけに、メロディアススタイルも強め、明快なフレーズと練り込まれたアレンジセンス、余計なものを省き、古典から引用されたアイデアを無理なく押し込め自分達流に染め上げている手腕は見事。
世代を超えて楽しめるオーソドックスな作り込みも、あざとくないので好感が持てますね。これで良いのです。心が温まるねぇ。定番なんで飽きることなく一生聴けるのが嬉しいね。


BLINDMAN - Re-rise ★★★ (2020-09-21 14:09:18)

専任キーボードも加わりバンドの体制は強化、ベースは夜叉で活躍していた山本征史がゲスト参加で穴を埋める形でレコーディングが敢行。メンバーチェンジがもたらした影響なのか、ハードなリフが耳を惹く攻撃性の高いノリの良いナンバーで幕開けと、いきなりかましてきましたね。それでありながらもTHEブラインドマンな作りにニンマリです。その流れを壊さずにメロディを大切にした硬軟交えたハードサウンドを披露。このバンドの何たるかを明確に表現していきます。

どの曲にもフックがあり、一音一音に込められた思いに心が震えさせられます。定番であり続けることの難しさ、マンネリ化に陥ることなく攻めの姿勢を崩さないからこそ辿り着けた境地だろう。
前作が難攻不落のメロディアスロックならば、今作は怒涛の快進撃を続ける野心に満ちた意欲作だろう。ハードフィーリングがダイナミックなグルーブを伴い、聴き手を飲み込み打ち付ける。そして体に染み入るは、優しさに満ち溢れたハートフルメロディ、熟練の名工が作り上げた慈愛に満ちたハードサウンドの奥深さに打ちのめされました。
古くて新しい定番サウンドの決定版。このバンドの精神性に揺ぎ無しです。


BLINDMAN - Subconscious In Xperience ★★★ (2020-09-21 13:56:39)

再結成後リリースされた2枚目。ベースが代わりキーボードも抜けた中でのレコーディングとなりましたが、ブレインたる中村達也のコンポーズは健在、キーボードをゲストで乗り切った分、アレンジ的にキーボードは押さえ気味だが、充実した楽曲群に陰りはなく、むしろ中村のギターと躍動するリズムプレイが前に出ており歯応えを感じる。
ブラインドマンというグループの何たるかを抽出したような音楽性は、無難に感じさせるパートもあったりと、何度か聴くうちに喰い足りなさを覚えるのだが、これは、このバンドに対する贅沢な不満であり、通常のバンドでは難癖レベルなので無問題。
普遍的メロディが放つ親しみやすさ、その歌心溢れるプレイと高谷の情感を込めた歌声の相性の良さに舌を巻きます。伝統的なスタイルと保持しつつも、古さに埋没しない斬新さを感じさせる表現力の高さ。その硬軟交えたバランス感覚に秀でたロックサウンドに改めてひれ伏しますね。
ハートフルメロディの大洪水、そのピチピチとした鮮度の高さにメロディアスロックの活き作りと言いたくなります。ブレないことの大切さを雄弁に語る鉄壁の守りを敷いた名盤です。


LUCIFER - Lucifer III ★★★ (2020-09-20 13:08:01)

懐メロ全開のヴィンテージロックバンドに変貌を遂げた2枚目にして通算3枚目のアルバム。こういうのが大手メジャーからリリースされるのだから驚きです。
ヨハナ嬢の妖しくもけだるい歌声は、重く引きずるようなリフと濃密に絡み、独特の風合いを披露。時には妖艶なる喘ぎにも似たセクシャルさもあり、このバンドの独自性を高めているのが印象的。マニアックな古典ロック的ニュアンスも強めだが、同じくらい懐かしさから醸し出される親しみやすさ、本格派の音作りなのに、敷居が下がっているのはフロントマンたる彼女のパフォーマンス力に尽きるだろう。
この手のヴィンテージロックバンドの魅力たる、聴き手を麻痺させるようなトリップ感も残しているのが肝。聴きやすいがマニアックさに手抜かりがないのが良かった。


ZAKK SABBATH - Vertigo ★★ (2020-09-20 12:43:01)

ザック・ワイルドがサバス50周年を祝うが為に世に出したカヴァーアルバム。自らオジー役を買って出るほどの気合の入りようだが、レコーディングに対する思いまでカヴァー、24時間のリミットを設けライブ&アナログ録音方法を選択、当時の環境まで再現する究極のトリビュートアルバムとなっている。
おどろくほどオジーの唄を再現しているが、声の重ね方などは80年代以降のオジーと言えよう。全般的に面白い試みである、名前のあるミュージシャンだから成功したとも言えるが、こういう試みはファンにとっては、興味のそそられる内容ではあるが、マニアお楽しみという域からは抜け出せていないのがもどかしい。

しかし、ここまで徹底的にやりきれば、共感できる部分は多く参加ミュージシャンから発せられる強い意志を感じずにはいられません。単なるコピー大会だが、時折、自我がポロっと出る瞬間などドキッとする場面もあったりと、オリジナルと聴き比べるのもお楽しみでしょう。
オリジナルより音質も良くなっているので、それも若い人にはありがたいでしょうかね。でも、ギーザーのエゴ丸出しのベースはもっとエグイぞ。


本城美沙子 - FORESIGHT (2020-09-18 14:10:51)

今作のリリース時に20歳になったんですね。帯び叩きに書いてあって驚きました。高校生でデビュー、2~3年の間に何枚フルアルバムを作ったんだと心配しかしませんよ。そんな駆け足のメタルクィーン人生の終わりを感じさせるジャケットですが、サウンドの方は、アイドル路線は徹底的にやり込んでいます。多少AOR調の歌モノロックもありますがジャケに釣り合う内容に収まりました。ギターは北島健二、サウンドアドバイザーにジョージ吾妻、小暮シャケ武彦やファンキー末吉、トミー・マクレンドンらが作曲者にクレジットとハード系アーティストと完全に手を切っていないのが憎い。そのせいで、マニアは手を出してしまうのです。
そういった、ここまで来たら最後まで付き合おうじゃないかと腹を括った筋金入りもマニア以外にはお勧めできませんが、アイドル歌謡に興味のある方なら楽しめるかもです。


本城美沙子 - DREAMER ★★ (2020-09-18 13:45:08)

やっすいチョイエロ風のジャケから一転、魔女っ娘イメージを払拭するようなジャケットに驚くとともに不安がよぎりますね。オープニングはデビッドボウイで有名な奴のカヴァー、こりゃ、相当なアイドルもんになっているぞと不安になったのですが、客演しているアーティストがX-RAY組の参戦に大谷令文、土方隆行がギタリストにクレジット、今回は臼井孝文に西田昌史も楽曲を提供しているので、露骨なアイドルにはならんだろうなぁと、踏むことがギリギリで出来ましたね。キーボードで参戦する笹路正徳のアレンジも音楽性を広げ、音数を埋めるような愚行はなくバランスよく収まり、彼女の唄も無理目を止めさせたおかげで、今まで以上に聴きやすくまとまっている。
その反面、ハードさは薄まったが、ストレスは軽減されるというハードサウンドを愛する者にとっては痛し痒しな結果となった。松澤浩明が曲を書き令文がギターは弾く③なんて、今作を象徴するようなバランス感覚に秀でている、マーシーのスローナンバー④もアレンジ一つで大化けできるポテンシャルを秘めている。
今作は全て未沙子嬢が歌えるかを起点に作られたと感じますね。そこが全てを決心するでしょう。こんなもん、アイドルが歌う歌謡曲じゃないかと言われると、その通りと言いますが、アニメの主題歌のような軽快なロック風、歌謡曲って、必ずヒットチャートを賑やかしているので、そっち方面がイケる方なら楽しめる要素も大でしょう。
参加メンバーの矜持が顔を出す瞬間もあり、バッサリと切り捨てられないのがマニア泣かせです。


本城美沙子 - TRAMPLING DOWN〜麗華 ★★ (2020-09-18 13:21:03)

前作とは打って変わりお馴染みの日本人アーティストによりレコーディングを敢行。笹路正徳はキーボードで参加しているが、プロデュースの座にジョージ吾妻が再登板、青山純、土方隆行、渡辺健の職人組に、湯浅晋、広瀬さとし、大谷令文らが客演、湯浅と広瀬は楽曲も提供、他に松澤浩明の名前もあり、前作のようなキーボードがメインを張るスタイルとは違うものになると予見させるラインナップとなった。
デビューして2年、二十歳そこそこの女の子にシンガーとしての上澄みなどなく、相変わらず歌唱力不足は否めないが、楽曲はメロディアスなハードサウンドで統一、アン・ルイスやACTIONがやりそうな歌謡ロックもあったりと聴きやすく纏めています。
正直、昭和のホラー映画のようなイントロ長めの笹路作の曲が始まった時は、魔女っ娘感をむやみに出しているなぁと、失敗の予感が漂ったのですが、今作は昭和歌謡路線です。懐メロ臭もプンプンです。そこに愛着と覚え懐かしめるかが最大のポイントでしょう。笹路のシンセが煩わしくないのは良かった。時折切れ込んでくるメロディアスなソロも耳を惹く場面有り。こういうところにロックを感じますが、全般的に昭和歌謡ロックですね。


Heartache City - Heartache City ★★★ (2020-09-17 01:00:41)

ギターとドラムを務めるのはUS産の正統派HM/HRバンドで知られるRattlefaceのロン・サックスとディヴッド・ホワイト、紅一点のベーシスト、ワンダ・オルフェスはThe Iron Maidensで活躍する彼女、そして歌うはステファン・フォンテーヌというマニア泣かせの実力派集団が2000年前後に録音した音源。正式な商品が当時リリースされたのかは現物を見たことがないので分からないが、BandCanpを通じて2015年には世に出ている貴重な一品です。

ど派手に突っ走るわけではないが、2000年代にアメリカの地で、ここまで本格派のメロディアスサウンドで勝負を賭けようとしたバンドがいた事に驚かされる。トレンドなど糞喰らえ丁寧に積み上げた叙情美のあるフレーズと、大陸的なグルーヴ、そして少々衰えを感じるがステファンの歌声は、古き良きメロディックロックの旨味を倍増、そのダイナミックな叙情派アメリカンロックに華を添えてくれます。
バラードも多めだしミドルナンバー主体の構成の為に、ガツーンとスピードナンバーが欲しくなるので、その辺りが個人的には不満なのだが、方向性を定め技巧派ギタリストが、ここぞとソロで派手目のプレイをねじ込んでくるの姿には2000年と思うと好感が持てたりと、簡単に切り捨てられない我が身を恨みます。こんなことしているから散財するんだよなぁ。
高い声だけじゃないステファン・フォンテーヌの歌声を楽しむのも一興ですよ。彼はミック・ボックスの目に留まった人物ですからね。


Ringleader - If Licks Could Kill ★★★ (2020-09-17 00:33:39)

ジョシュアのデビューEPで唄い、ピーター・ゴルビーが抜け心肺停止状態だったユーライア・ヒープに参加したことで知られるスティーブン・フォンテーヌがヴォーカルを担当したUS産メロディアスロックの1st。
快活な大陸的グルーブはアメリカならでは、そこに甘めのハイトーンヴォイスを絡めるが、意外とレンジも広く個性は薄めだがスティーブンの歌声は多彩な楽曲を見事にさばいている。ギターも職人肌だし、キーボードも何でもかんでも出しゃばらないのでバランス感覚も上々と真面目に取り込み、そつなく作り上げている印象を受けますね。

MTVを沸かした80年代の名曲群にシャッフルされても違和感のない音作り。その精度の高さにアメリカのミュージックシーンに対する信頼と底力を感じずにはいられません。ベタと感じさせる難しさがある。下手な奴がやるとこれほど、様にならない音楽性はありませんからね。久しぶりに聴きましたが、国籍を問わないメロディ派のマニアなら楽しめるでしょう


本城美沙子 - TRIGGER ★★ (2020-09-15 15:20:13)

魔女3部作と呼ばれる初期のアルバム3枚を僅か2年以内にリリースしてきた彼女。そのハイペースぶりに驚かされるが、芸能界の恐るべしやり口に嫌悪感を覚えてしまいます。
短いスパンの中でリリースされた4枚目の今作は、一部ロンドンレコーディングも行われており、未沙子嬢がロンドンの地に足を踏み入れたかは不明だが、笹路正徳をアレンジャー&キーボードプレイヤーとして迎え入れ、バックにはメイデン脱退後、ポール・ディアノが結成したLONE WOLFのメンバーを迎え今作は制作されています。何故?LONE WOLFのメンバーが参加したのかに興味を惹かれますが、彼女が進んだ方向性はキーボードを前面に出した歌モノロックサウンドに移行。前作からライトなアメリカンロックもあったが、この歌謡曲にチョイ足しハードの路線に進んだのは、チョイと残念である。
確かにポール・ディアノも一発目の音楽性はライトな歌モノだっただけに、腑に落ちる点はあるのだが、ディアノと行動を共にしたツインギターコンビなど、もう少し見せ場を設けてやって欲しいと思わずにはいられない。また歌唱力で勝負できるわけではない未沙子嬢の、歌モノ路線が売れるとは思えないが、芸能界なんてなにが起こるか分かりませんが、やはり彼女のファン層を考えると中途半端と言わざるを得ないだろう。
X-RAYの藤本朗のコーラスが目立ちまくる⑤などを聴けば、尚更そういう気持ちになるのだが、昨今の、嬢メタルブームとは違うニュアンスの80年代型サウンドに耳を傾けるのも一興ですよ。あーだこーだと、勝手な憶測を立て楽しみのも温故知新ですからね。


HIROSHIMA - Taste of Death ★★★ (2020-09-14 13:34:50)

70年代から活動していた北欧の古参HM/HRグループが1984年にリリースした1st。原始的なロックの源流ではあるが、倦怠感や投げやりな陶酔感とは無縁なのが、北欧出身という事なのか、豪快なリフ、リズムを従えてはいるが、北欧ならではの冷ややかなメロディが顔を覗かせており、シンプルなビートの合間を縫うような叙情性に耳が行きますね。コーラスワークの重ね方もドラマ性を増幅、シンプルな構成なのに濃厚に映り込む③のような曲を聴かされると、只者ではないなぁと思いますね。それ以降も豪胆さと繊細さを巧みに盛り込んだ楽曲が登場。古めかしいロックは苦手という人にもトライして欲しい、親しみやすさがある。
NWOBHMとも違うし、ヨーロッパに代表されるような糖度の高いメロディとロマンティックなムードでもない、その無頼な元祖北欧ロックの旨味、燃え盛る熱情と美しさを醸し出す叙情性、アルバム一枚で消えた幻のバンドではあるが、ブレない筋の通った音楽性は無名だからで埋もれさせるのが勿体ないと思いますね。
ギタープレイの自己主張具合も古典的。アンサンブルの作りも懐かしい。これでいいのだと思うお約束がいっぱいである。やっぱメロディに情緒があるのが欧州なんだろうなぁ。


FOGHAT - Live ★★★ (2020-09-14 12:54:27)

英国のバンドでありながら渡米して活動していた生粋のライブバンドによる歴史に名を残すライブ盤がコチラ。サザンロック的な風合いも感じさせるが、小気味よく弾き出されるリフワークには英国産ハードブギーテイストも色濃く残し、無駄な装飾を省いたシンプルロックのダイナミズムにグイグイと引っ張られるでしょう。
アメリカ大陸制覇を目指した音楽性、速くもないのに加速度を感じさせるグルーブ、時には野性的と感じさせる、その骨太なサウンドは圧倒的な存在感を誇っている。
トータルで40分を切る構成も清い姿勢に映り、気が付けば何度もリピートさせる魅力あるのが、このバンドの肝だろう。
ライブならではの緊張感と熱を帯びた空気、スタジオ盤以上に尖りまくった感情に支配される生々しいロックサウンドの持つ説得力は、何年たっても色あせません。楽しいハードブギーなのに、どこか重厚な存在感を放っているのも印象的ですね。

余談ですが、⑤はビック・ジョーの相性で知られる黒人シンガー、ジョー・ターナーが1950年代に発表した曲です。色んなアーティストが取り上げております。ブルースロックから派生したハードロック。その源流として後世に引き継がれる名曲の一つでしょう。


VICIOUS RUMORS - Celebration Decay ★★★ (2020-09-13 14:47:00)

もはやジェフ・ソープさえいれば、このバンドは存続するという事なのだろう。メンバーは入れ替わったが、ジェフの創作意欲に陰りはなく、このバンドらしいダークでミステリアスな雰囲気のあるテクニカルなギタープレイを堪能できるパワーメタルは健在。懐古趣味に走らない現代的なエッセンスも忘れることなく自らが積み上げた過去と対峙、剛毅に打ち鳴らされる無頼な鋼鉄サウンドと、技巧的なプレイの数々、その圧倒的なサウンドが全てを覆いつくしていくが、アメリカのバンドなので、少々情緒に欠けているので、ハッキリとした歌メロで昇天したいと思うマニアには物足りないかもしれませんが、妙な色気を出したポップソングなどを排除しているので、昔から彼らを応援しているマニアにとっては、一本筋が通っているので安心して聴けるでしょうね。80年代的な要素も意識して取り込んでいるように感じられるのもプラスでしょう。


THUNDERMOTHER - Thundermother ★★★ (2020-09-13 14:29:49)

北欧はスウェーデン産の本格派ガールズロックバンドのフルアルバム。金髪姿も麗しいクレア・カニンガムは抜けてしまったが、歌声に的には劣らない女性シンガー、ゲルニカ・マンチーニを迎え(顔に割には太り過ぎだぞ)フロントマン離脱の危機を見事に回避している。その説得力のある歌声と存在感により、バンドは次のステージへと確実に向かっている。
骨太で埃っぽいハードサウンドを真っ向からかき鳴らす彼女たち、妙な色仕掛けなど一切ないガチンコスタイルに単純にカッコいいと思うのだが、この手のスタイルは島国日本においては情緒に欠けるし、そもそも女というだけで厳しい環境に置かれる。なかなか日本デビューとはいかないが、ヴァッケンのステージも立てる実力があるので、この手の古典ロックに、北欧ならではのワビサビを導入できるヴィンテージロックを欲しがる同志ならば大いに楽しんでもらえるでしょう。
女性だけのグループを聴いている=ひよっているなど、前時代的な話です。いまだに頭なの中でゼロ戦飛んでいる軍国主義者の妄想ですよ。FUCK OFFです。


SUNSTORM - Edge of Tomorrow - Edge of Tomorrow ★★★ (2020-09-13 14:05:01)

ベタ中のベタですが大好物です
ジョーの熱を帯びた円熟味の唄がいい


SUNSTORM - Edge of Tomorrow ★★★ (2020-09-13 14:04:29)

メロディアスロックの総本山と呼んでも差し支えのないFrontiers Recordsと(日本のレーベルもこういう存在に成り得たはずである)ミスターメロディアスロック、我らがジョー・リン・ターナーがタッグを組むメロディアスロックプロジェクトのフルアルバム。プロデュースにアレサンドロ・デル・ヴェッキオ、リードギターに気鋭のシモーネ・ムラローニを迎え盤石の態勢で挑んでいる。
レーベルに対する信頼も厚く、このプロジェクトチームがトチ狂ったことなどするわけもなく名前を見ただけで安心して手を出せる仕様になっているのが凄い。そして期待を裏切らない展開がスタートボタンともに現れ、あっという間に至高の世界へと誘ってくれますよ。
軟弱と言われかねないジョーの世界観も、硬軟交えた楽曲に楔を打ち込む名手のおかげで鮮烈なるリードプレイを披露、シモーネのギターは邪魔をすることなく自己主張を忘れないという離れ業をやってのけたおかげで、今作の主役を最大限に盛り立てている。円熟味を増したジョーの歌声、懐かしさを醸し出すメロとハートウォーミングな歌唱により、多くのマニアのハートを鷲掴んでいくでしょうね。
個人的には古さの中に、新しさも感じられフレッシュな印象を持つこともできた。ソングライティングチームの恐るべき完成度の高い仕事に脱帽でした。


BITCHES SIN - The First Temptation ★★★ (2020-09-12 18:49:25)

幻のデモ音源+BBCフライデーショーからのラブ音源を足してリリースされたコンピ作。マニアとしては、初期のデモ音源が復刻されたことが嬉しいですね。
哀愁を振りまきながらシャッフルビートが走り抜ける①で掴みはOK、隙間のあるリフとリズムの懐かしさにレトロ感も漂いますが、ワンフレーズで聴き手をNWOBHMの世界に誘ってくれるのですからたまりません。
元がデモ音源ですので詰めの甘さは否めませんが資料的にも価値の高い音源を、オフィシャルな形で掘り起こしてくれたことには大感謝です。いなたいロックもあるが、湿り気のあるメロディを従え走り出すパートのカッコよさ、ブリティッシュロックの伝統を引き継ぐ、哀愁美のある旋律が華麗に踊りだす叙情派スタイルにグッと惹き寄せられます。
硬派なスタイルのみならず、メロウなフレーズまで飛び出すセンスあふれる音作りに、大きな可能性を感じますね。

NEATからリリースされたシングルの成功により、正式なデビューを果たす彼ら、今作を聴けば、綿々と続く伝統に彩られた叙情派サウンドに魅了されるでしょう。音質云々では語れない初期衝動、その伝統に忠実なフレージングに魅了されますよ。


Van Camp - Too Wild to Tame ★★★ (2020-09-10 18:28:31)

詳しいバンドの経緯は分からないがジャケに一人ギターを弾く姿が映り込むのがベルギー産スピードメタルバンドKILLERのギタリストShorty、EX KILLERと書かれおまけにFeaturing Shortyと書かれているジャケット、ドラムもDouble Bear名義ではあるがKILLERのロバート・コーガン、ベース兼ボーカルに、もう一人のギター、ツインギターの4人編成と完全にKILLERと同じ体制、そしてバンド名のVAN CAMPはShortyの本名、ポール・ヴァン・キャンプから来ている、ソロアルバム的なものなのか?それとも新たなるバンドなのかと複雑な感情を抱ぎスタートすれば、出している音はKILLER譲りにスピードと欧州由来のメロディがメタリックに叩き上げ研磨されたスタイル、このメンバーに対する期待を見事に受け止め昇華している。相変わらずのツインボーカル体制だったのも良かった。

KILLERが1984年にアルバムを出した後、90年まで音源がリリースされなかったのは、Shortyの課外活動があったせいなのかと思ったが、KILLER自体が1987年に一度解散しており、このバンドは、その意思を引き継ぐ形だったと考えるのが普通でしょうね。

男臭い気骨溢れる暴走メタルサウンドの旨味、そこに整合性も高めた正統性の強いスタイルを持ち込み、理論整然としつつもKILLER時代のスピード狂ぶりを感じさせる音楽性は、その筋のマニアを歓喜させるには十分な破壊力を持ち合わせ、正統派HM/HR好きとスピード狂の両面から追いかけてきたファンを楽しませる仕様に仕上がっている。
⑤では、ババババーンでお馴染みの運命のフレーズや第九の歓喜の歌だったかな?パートなどクラシカルテイストを盛り込んだインストナンバーを持ち込んだりと(他にもクラシックからの転用がありそうですね)、主役たるShorty大爆発である。

単体でのCD化は知りませんが、ありがたいことに2019年にKILLERがリリースしたBOXセット『Vol 2: Only the Strong Survive 1988-2015』に晴れて収録。サブスクリプションでも楽しめるようになりました。

音楽性の幅を広げ、癖が強めのハイパーパワー/スピードメタル時代よりも、一般層にとっつきやすい仕様にしたのは大正解でしょう。久しぶりに聴きましたが、こういうの大好きですね。二本のギターが紡ぐ荒々しくも叙情味溢れるフレーズ、ドカドカ刻まれる無頼なリズム、KILLERファンの期待も完全に受け止めていますよ。


WARHEAD - The Day After ★★★ (2020-09-10 17:51:45)

ベルギー産、クサレパワー/スピードメタルバンドによる2枚目。とにかく力技のごり押しスピードサウンドが売りのバンド。その勢い重視の姿勢にスピード狂ならグッとくるでしょうね。メロディを追いかけ歌う手法のシンガーと、摩擦度の高いスラッシーな演奏と絡み合い、どこか粗暴で味気ない部分もあるのに、情緒というのかヨーロピアンスタイルのメロディも溶け合い、ベルギー特有のむさ苦しい暴走スタイルへと昇華している。
先輩格のKILLERやCROSSFIRE、OSTROGOTHバンドが紡ぐ路線に、当時台頭しつつあったスラッシュサウンドを取り入れ、新たなる路線の開拓と言ったところでしょうかね。
無鉄砲に突っ込んで転ぶ、ブサイクさもあるが、それ以上にスピードとパワーに比重を置いた姿勢はメタル愛に対する忠誠心の表れ、売れる音楽性ではないが、ヘヴィメタルの世界に足を突っ込んだ同志としては見過ごすことのできない、ダーティかつパワー漲るスピードメタルに拳を振り上げずにはいられません。マイナーな存在だしレーベルもMausoleumだし、売れる要素も皆無だが、プレスラッシュというのか初期型スラッシュを掘り起こしたと思うマニアや、メタルの歴史に触れたいと思う若い人にこそトライして欲しいサウンドの一つである。元ネタも明け透けな瞬間もあるが、正攻法で迫るHM/HRスタイルを基軸に、時代性を加味させた音楽性は、時に恐ろしいほどギラリとした先鋭的感性を披露していますよ。侮るなかれベルギー産メタルを、そしてMausoleum Recordsも再考して欲しいねぇ。
日本でも、あのレーベルを特化した個人サイトがあることに度肝抜かれましたからね。


ACTION - Overload ★★ (2020-09-08 20:57:40)

前作から半年チョイとでリリースされたアルバム。アイドル歌手並みのスパンに心配になるのだが、こういう方向性に進むと決め、かねてから残していたマテリアルがあるのか、精力的な活動に驚きますね。
音楽性は前作で魅せたロックンロール路線に、チョイハードテイストを盛り込み、WARNING IN THE NIGHT+MOVIN' AND ROCKIN'といった具合に収めてきた。少々キメ曲に欠けている面はあるのだが、バラエティに飛び過ぎないよう統一感を持たせようと工面した形跡があり、新たなるレコード会社との折衷案も見え隠れするのが面白い。バンドブームに先駆け、一般層に喰い込めるポテンシャルを発揮するために、高橋ヨシロウが進んだ道という事なのだろう。ギターが広川 大輔に変わり3枚目になるのだが、もう少し彼は弾きたいだろうなぁ。


Maxx Warrior - Maxx Warrior ★★★ (2020-09-07 16:49:37)

元気はつらつオロナミンCなオープニングナンバーで勢いよく幕開け、全4曲入りだけに、その加速度を落とすことなく派手にかっ飛ばしていきます。ノリの良い小気味いいリズムと派手なツインギター、そのエネルギッシュな演奏に負けない、マイルドで伸びやかな歌声とお膳立ては揃っていましたね。
このバンド1985年に自主制作盤を出した後、U.S. Metal Recordsから1986年に再発盤を出しているが、その時にはバンドは解散していたらしい。その為に次の一手が出なかったのだが、アメリカのバンドらしいドライさが、ど派手な楽曲と嫌味なく絡み、突っ走る様は実に爽快だった。ラストは埃っぽさもあるブルージーなメロウなアメリカンロックを披露する器用さも魅力だったんだろう。ギターチームも悪くないだけに残念である。
このバンド、一部のマニアから興味を持たれているのは、ここでリードシンガーを務めるCJスネアことカール・スネアの若かりし頃の唄を確認できるからです。この時点で既に彼の声を確立されている。FIRE HOUSEマニアならほっとけないですよね。


THOR - The Edge of Hell - Intro / Heads Will Turn ★★★ (2020-09-07 16:21:10)

地味目なオープニングですが
ほんのりと哀愁漂うサビのおかげでフックが感じられる
こういう地味曲をTHOR様は良くやっているので個人的には無問題


THOR - The Edge of Hell - The Challenge ★★★ (2020-09-07 16:19:33)

ど派手に火を吹くミドルハイナンバー
ドドドドドドドドドと攻撃的なリズムが突進
そこにTHOR様が悠々と闊歩していきます
歌メロの親しみやすく
攻撃性も高くグイグイと惹き寄せられる魅力がある
キーボードの使い方も効果的ですね


THOR - The Edge of Hell - We Live to Rock ★★★ (2020-09-07 16:15:26)

大地を踏み鳴らす
豪快で爽快なロックアンセム
これもTHOR様らしい一曲
アルバムを〆るのに相応しいですね


THOR - The Edge of Hell - Energy ★★★ (2020-09-07 16:12:44)

ド頭からビックコーラスもぶっこみ
ど派手に賑やかにキャッチーに吹っ飛びます
TUOR様によるロックアンセムの登場です


THOR - The Edge of Hell ★★★ (2020-09-07 16:10:31)

ボディービルのチャンピオンの経歴を持ち異色のロックミュージシャン、北欧神話の神様を名乗る元祖ぶるうたすシンガーのソーが、Tritonzと名乗りリリースした映画のサントラを兼ねたアルバム。どんな映画か見たことないので分からないが、彼が主役を務めているとのことです。
このアルバムをリリース後、一旦、歩みを止めるのですが、この人、複数の名義で音源をリリースしている、ややこしい経歴もありイマイチ認知度を上げきれていない。キャラは十分に立っているのに残念である。

出しているサウンドはマッチな男らしい勇壮さヘヴィメタルサウンドを披露。走り出しそうで走らないエピカルなスタイルだが、今回はそこに絶妙なポップセンスを導入、そのおかげで歌メロにフックが増量され聴きやすくまとまり、胸焼けを起こしそうなエピカルHM/HRの世界を中和している。

とは言え歌が抜群に上手いわけでもないキャラ重視の男だけに、イマイチ跳ねないのかもしれませんが、懐かしいシャリシャリとしたギターサウンドから繰り広げられる派手目のプレイ、映画のサントラという指向のおかげで、賑やかな要素も増えていたりと、ロックンロールサーカス開園と言った雰囲気があり、ミドルナンバー中心にも関わらず十分耳を楽しませてくれます。

コンセプト色の強いアルバムなのだろうが、適度に隙間のあるサウンドは、敷居も低く難解な要素などなし。SE的なものは⑧くらいで、唄入りのコンパクトなものが多いので繰り返し聴いても苦にならないだろう。久しぶりに聴いたが、昔よりも感触が良くなっている。歳をとると丸くなるなぁ。


HEAVY PETTIN' - Prodigal Songs ★★★ (2020-09-06 14:47:39)

2007年にリリースされた彼等の未発表曲集。こういうのは未消化な部分が多くヴォリュームもバラバラだったりして、イマイチ音源として没頭できなかったりするのですが、これが激アツの名曲連発。

収録曲はこちら

1. Break It Down
2. Don't Blow Your Chances
3. I Don't Care What You Say Anymore
4. Keep on Believing
5. Merry Go Round
6. Don't Walk Away
7. Hot Women
8. Speed Kills
9. Knock 'em Dead
10. My Love For You
11. Nightmare
12. Once is Enough
13. That's the Way

情緒のあるメロディが映える①からメタリックに疾走する②の流れにノックアウト、デフ・レパードの後継者と呼ばれるに相応しい硬軟交えた魅力を炸裂と、未発表にしていたのが勿体ないと心の底から思えるクオリティ。これがもっと早く出ていれば今日の評価も違ったのになぁと思わずにはいられない楽曲が多数収録。勿論、完全アメリカン市場狙いの曲もあるので、その対比を聴き比べ楽しむのも一興でしょう。

やはりこのバンドには、鋭いエッジの立ったギターサウンドが良く似合う。それがあってのハイトーンヴォイスだろう。路線変更も受け入れ巧みにコントロール出来た器用さが、涙を呑んでの路線変更に繋がったのかなぁ。
そんな勝手な深読みをしながら楽しんでいます。


HEAVY PETTIN' - Big Bang ★★★ (2020-09-06 14:31:40)

ひっそりと1989年にリリースされた3枚目のアルバム。それもその筈で、既に解散したバンドのお蔵入り作が世に出た形となった。1987年には、ここから②⑦を収録した3曲入りのEPをPOLYDORから出していただけに、持ちこたえられなかったのは残念である。厚みのあるコーラスワークの使い方やリフやコード進行など、デフレパードに似ていると陰口を叩かれるバンドだったが、性急すぎた音楽性の変貌、そのイメージチェンジのえげつなさにメンバー共々ついてこれなかったのかなぁと勝手に推察しますね。
2ndの方向性をさらに推し進め、ポップロック度も倍増。キーボードも多用し軽やかなハードポップサウンドを大導入。THIS IS AMERICA~と爽快な歌が始まった途端に、一旦停止を押したもんねぇ。
それでも耳を澄ませば、強力なハイトーンは甘めの曲に良く絡み個性を発揮、ツインギターコンビも複雑ではあろうが、時折メタリックなバンドだったんだということを思い起こさせてくれる瞬間もあり、お仕事感が出ているのが辛い。しかし、完全に迷いを払拭し、徹底的にやり切った音楽性、英国産ハードポップサウンドの魅力は、何ら避難されるものではなく、その手のメロディアスロックが好きな人なら大いに楽しめるでしょう。
先行シングルの②なんてホーンセクションも絡み、大人の魅力を発散、しっとりとした情緒のある音楽性を堪能できますよ。ミキシング&プロデュースにトニー・タバナーの名前もあり、丸々アメリカンにならずに済んでいますね。

このバンドが直面した問題。メタルにおける英国市場の没落、新たなる行き場を求め米国仕様になるしかなかった。しかし、捨てきれなかったメタルバンドの矜持。ヴォーカル・ハーモニー中心のソフト路線に進もうとも、デフ・レパードには成り切れなかった。それに尽きますね。

当時はわりと否定的だったのに、今の方がノリノリで聴けるのだから不思議です。なかなか見かける機会の少ない一品でしたが、Burntout Wreckordsから、シングル収録のみの2曲をボートラで追加されて再発されています。そっちは聴いたことがないので詳細は分かりませんが、目まぐるしく移り変わる当時のミュージックシーン、このバンドを通して栄枯盛衰を肌で感じてください。


ACTION - Movin' and Rockin' ★★ (2020-09-05 12:52:07)

聴くと怪我するぜ、みたいな文言が帯び叩きに書いてあった記憶がありますね。
前作はメタリックな要素を膨らまし男臭さも増量しましたが、今作はワイルドさを残しつつも、よりオーセンティックなロックサウンドへと回帰。彼等らしい歌謡テイストとの相性も良く、高橋ヨシロウの声質を考えると、これくらいのハードさの方がしっくりくることはくる。器用に立ち回れるし、古くからのファンもいるバンドだけについてくるだろうが、前作の硬派さが薄まったのはチョイと残念。また、露骨な拝借感も気になるところ、その反面、アルバムの統一感も高まり全体の平均値が上がったというのは皮肉な結果となった。


ACTION - Warning in the Night - M-93R ★★★ (2020-09-05 12:44:58)

アルバムを〆るのはワイルドかつ男臭さ溢れるハードなインストナンバー
唄なしの方がカッコいいじゃないかぁと部外者は思うのですが
最後にこういう曲を持ってくるのが面白い
またアルバムを最初から聴きたくなりますね


ACTION - Warning in the Night - City Fighter ★★ (2020-09-05 12:42:10)

ワイルドかつハードなミドルナンバー
もう少し迫力の欲しいところだが
この隙間だらけで軽いのがアクションなんだろう


ACTION - Warning in the Night - Roll over Junk Lady ★★ (2020-09-05 12:41:09)

アクションお得意のワイルドなロックナンバー
広がりのあるご機嫌な展開もらしい


ACTION - Warning in the Night - Bowy 1984 ★★★ (2020-09-05 12:40:21)

グッと男っぽいイメージを抱かせたオープニングナンバー
それでいながらアクションらしいポップセンスも忘れていない
ヨシロウの甘い声では限界を感じさせる路線ではあった


ACTION - Warning in the Night - 100,000 Volt ★★ (2020-09-05 12:38:06)

オリジナルよりもタイトにシェイプ
当時としては現代的にアップデート
でも代表曲だけにオリジナルに対する思いも強いだろう


HEAVY PETTIN' - Rock Ain't Dead ★★★ (2020-09-02 12:47:14)

アルバムジャケットを見た瞬間からやってんなぁと、嫌な予感が頭をよぎるのですが、今作は焦点を絞ったことによりデフ・レパード化に拍車は掛かっているが、フォロワーとしてはトップクラスのクオリティを保持、むしろバンドの個性がギラリと光り見事に路線変更に成功。この程度でアメリカンなんちゃらで叩かれるのは酷である。
メジャーレーベルに打って出れば音楽性にメスを入れられるのは当然で、むしろ、彼等は初期の頃に見せたデフ・レパード臭さを巧みに昇華することで、大衆性とアーティスティックな面を両立させている。
もはや違うバンドレベルになったと言われれば返す言葉も見つからないが、多くのバンドが変換期を迎えていた時代の業と言えるだろう。
哀愁のメロディと大衆性を帯びたポップセンスを大増量、コーラスワークも厚みも増しビックロック化しているが、この泣かせ具合が絶妙な配合でアメリカン臭さを打ち消し、独自のスタイルを披露。統一感のある作風なのに飽きが来ないようバラエティに富んだ楽曲を収録することで、1stから流れてきたファンの戸惑いを受け流している。

個人的には、こっちを先に聴いたので、1stのシャープさに驚いたものである。そして、デフ・レパートに似たバンドと教えてもらったが、今作のマイルド路線よりも、1stに収録された数曲の方が、やりに行っていて驚いたものである。
感触はソフトケイスされたが音楽性の質は高い、NWOBHMファイターとしては見事に変貌した好例であろう。

でも1stから入った人が受け入れられないといった気持ちも理解できるが、オジサンとなった今では全然問題なしである。


HEAVY PETTIN' - Rock Ain't Dead - Rock Ain't Dead ★★★ (2020-09-02 12:33:04)

いいですねぇ
叙情的な哀愁美が溢れています
そこに極上の大衆性を盛り込み嫌味なく聴かせてくれます
今作の方向性を案に示唆するロックアンセム
メジャーフィールドに果敢に挑む姿にグッときます