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DEATH ANGEL - Act III - A Room With a View ★★★ (2020-09-02 02:25:53)

乾いたアコギの旋律に導かれ始まるバラード
絶妙な光沢のあるフレーズがベッタリとさせてないのがより効果的に働いている
素直に耳に響く哀愁のメロディ
一音一音丁寧につま弾かれるアコギ
バンドの可能性を押し上げたバラードだろう
久しぶりに聴いたが良いねぇ


MOTORHEAD - 1916 - Love Me Forever ★★★ (2020-09-02 02:22:20)

バラエティ豊かなアルバムの中でも一際インパクトの強い
彼等のイメージを変えるようなバラード
この曲があるおかげでアルバムに大きな起伏が出来
アルバムの展開にドラマを持ち込んでいる
レミーのしわがれも声も悪ないぞ


TESTAMENT - Souls of Black - The Legacy ★★★ (2020-09-02 02:18:11)

ドラマティックな泣かせの名バラード
アレックスのギターが絶品
繊細なトーンから情感たっぷりのギタープレイまで展開を考えたソロも素晴らしい
その圧倒的な存在感で楽曲を盛り立てています
メタリカっぽいという声もあるが
スラッシュ系のバラードとしては理想的とも言える魅力がある


FLOTSAM AND JETSAM - The Cold - Better Off Dead ★★★ (2020-09-02 02:10:31)

アコースティックな出だし
エリックの熱を帯びたエモーショナルな歌声
バンドサウンドになってから一気に激情が爆発
静と動のコントラストを明確に描くことでドラマ性も格段にアップ
懐の深いバンドサウンドで魅了してくれました
スラッシュ系が取り上げるバラードとしては出色のできでしょう


RAMOS - Living in the Light ★★★ (2020-09-02 02:03:03)

LE MANSとしてSHRAPNELから世に出たときは速弾き系だったが、次のTHE STORMでは一転メロディ派のロックバンドで活躍する腕利きギタリストとして再登場(LE MANSもSHRAPNELから離れたらメロディアスサウンドに変貌)、その類まれなセンスを生かし名を上げる。
今ではFRONTIERSお抱えというのか、仕事人として多くのプロジェクトに顔を出すギタリストの、ジョシュ・ラモスがラモス名義でリリースした歌モノのソロアルバム。FRONTIERS仲間も多数参加、ケリー・ハンセンと共同プロデュースの立場をとり極上のメロディアスHM/HRサウンドを仕上げてきました。
シンガーにはジェフ・スコット・ソートがいたメロディアスロックバンドEYESにジェフの後任として参加していた、マーク・ウェイツの名前もあったりと、マニアなら食指も動くラインナップが集結、レーベルの安定感も手伝い容易に手が出せる布陣となっています。
楽曲中心、唄をたっぷりに聴かせる仕様ではあるが、軟弱なソフトロックとは一線を画す、ラモスのエモーショナルなギターが随所に顔を出し、曲を邪魔することなく絶妙なさじ加減で存在感を誇示。そのバランス感覚に感嘆あるにみ、ハードな曲もいいが、エモーションを込めた泣かせのバラードなどで聴けるソロは、彼の独壇場とも言えるハイライトシーンとなり、溜息が連発で駄々洩れですよ。
上手いギターと良質なメロディに抱かれ、日々の喧騒を離れ癒されたい。しかしロックな歯ごたえが欲しい、そんなメロディ派のマニアにはうってつけのアルバムでしょう。
シンガーのマークもジェフ・スコット・ソートの声にやすりを掛けスッキリとさせた声質で、歌い方もジェフにそっくりですから、このジャーニータイプとも言えるメロディアスロックにピッタリの人材だったでしょう。
キーボードやピアノの使い方も抜群、リズムプレイもキレがあり、良質な仕事をこなしています。流石はFRONTIERSだなぁ。


RAMOS - Living in the Light - Tell Me Why ★★★ (2020-09-02 01:42:55)

タメを効かしたギター
流麗に流れる美旋律
ジョシュ・ラモスのセンスの味わえる名曲
ジェフ・スコット・ソート似の歌声もバチコーンとハマっています
これだからメロディアスロックは止められん
そしてFrontiersだよなぁ


Glasgow - Zero Four One - Under the Lights ★★ (2020-08-31 19:13:04)

1984年にリリースしたEP収録のメロディアスミドルナンバー
キーボードが装飾しているために印象はガラリと変わるのだが
根幹にある素朴だが憂いのある空気感は残っている
こういう方向性のバンドだが
アルバムでは大きく大衆向けに傾いてしまい
昔からのファンを落胆させた


Glasgow - Zero Four One - Secret in the Dark ★★★ (2020-08-31 19:04:06)

Manfred Mann's Earth Bandのクリス・トンプソンが書いたメロディアスなナンバー
1985年にエリック・マーティンも取り上げています
クリスがいつ発表したのか知りませんのですが、一応世に3回出ている曲です
後期Manfred Mann's Earth Bandに収録されても違和感のない爽快な曲を
NWOBHMバンドが取り上げる違和感は拭えませんが
こういう曲をやることがデビューの条件だったように感じてしまいます
元々キーボードもおらんしね
ほぼ忠実にクリスヴァージョンをなぞった軽めのシンプルな演奏
シングルカット第一弾
バンドの本分とはもっともかけ離れた曲です…世知辛いなぁ
熱を帯びた沸騰型ヴォイスだけが唯一NWOBHM時代を思い出さてくれます
最初聴いた時は冗談だろうと思いましたよ
事情を知らなければメロディアスなヒットナンバーとして耳に響くでしょう


ERIC MARTIN - Eric Martin - Secrets in the Dark ★★★ (2020-08-31 18:52:53)

Manfred Mann's Earth Bandのシンガーだったクリス・トンプソン提供
彼もソロで唄っているのだが
どちらが先かは分かりません
ギターでスティーブ・ルカサーが客演
爽快感のあるメロディアスロックに絡む熱を帯びたエリックの歌声
両者の特性が合わさりうっとうしさを回避
上手くやっているわ


ERIC MARTIN - Eric Martin ★★★ (2020-08-31 18:48:21)

永遠のベビーフェイス、エリック・マーティンのソロ転向第一弾のアルバム。ニール・ショーンが楽曲を提供、ランディ・ジャクソンやスティーブ・ルカサーらの客演もあるが、プロデューサーにギター、そして曲作りにも関与したダニー・コルッチマーのエッセンスが強めで、オシャレでアーバンな空気のAOR調のロックナンバーが収録。既に完成しているエリックの黒っぽいフィーリングを生かした歌声もバッチリとハマり、アルバムはゴールドディスクを獲得。MR.BIGファンは勿論だが、彼の歌声に惚れ込んだマニアなら大いに楽しめる仕様になっています。
マイケル・ボルトンの⑦なんかもハマっていますよね。ニールのペンによる⑥なんかも軽快で爽やか、スティーブが参加した③も耳を惹きますね。
エモーショナルなハスキーヴォイス、こういうソフトロックを歌ってもパンチが効いているなぁ感じさせるのがエリック・マーティンの人気の秘訣なのでしょう。


SABER TIGER - Money [ 7" Ep + Cd ] - Final Crisis ★★★ (2020-08-30 20:29:29)

下山の迫力満点の歌声
牙を剥き出しに獲物を狙う北の狂獣サウンドに相応しい疾走ナンバー
このメロディと飛翔する展開がたまらん
起承転結のある展開ヘヴィメタルにもつ熱いドラマ性
そのカタルシスの開放がカッコいい
最近のサーベルの不満のある人なら
大歓迎のサーベルらしい密度の濃いストレートなメタルソングとして
ビンビンに心に響くでしょう
どんな形であれHARD GERAの曲が世間に認知されるのはありがたい


SABER TIGER - Money [ 7" Ep + Cd ] ★★★ (2020-08-30 20:22:50)

2019年にアナログシングルとCDを抱き合わせでリリースした一品。
収録曲は
[ アナログ 7インチEP 収録曲 ]
A1 Money
B1 Final Crisis
[ CD 収録曲 ]
01. Money
02. Final Crisis
03. Fast As A Shark (ACCEPT Cover) - Bonus Track
04. High Wire (BADLANDS Cover) - Bonus Track

これを見たら買うでしょうよ。ずるいわ。カヴァー曲も美味しいけど、個人的には、マシーンさんこと田中康晴がサーベル脱退後に、結成していたHARDGEARの代表曲を取り上げていること、この名曲がサーベル名義で復活したことが嬉しい。
オリジナルヴァージョンに対する思い入れが強すぎるために、英詩に変更された違和感は拭えないが、最強のメンバーでリメイクされたことに異論などなく、どのような形であれ多くの人に知って欲しい道産子メタルの名曲です。

カヴァー2曲も美味しいが、BADLANDSは面白い試みだった。


BLINDMAN - ペイン・フォー・ザ・プレジャー ★★★ (2020-08-30 20:01:56)

KINGレコードから晴れてメジャーデビューを果たすも短命に終わりバンドは一旦解散。プレインである中村達也はキーボードの井上とREDRISEを結成、イケメンヴォーカルを迎え入れ活動するも、BLINDMANのような魅力を持ち合わせてはいなかった。単純に音楽性云々よりも、歌い手の表現力不足に尽きるのだが、そんな頭打ちの中で中村達也が再度バンド活動に向け尽力、高谷アニー学も戻り盤石の態勢で2006年にバンドは再始動アルバムをリリース。ファンとしては待ち望んでい元の鞘に収まってくれた事に素直に歓喜したい。

中村達也の魂を紡ぐハートフルメロディ、高谷のハスキーなエモーショナルヴォイスがあれば、このバンドは成立することを証明、また、この二人に存在するマジック、この二人だからこそ感じさせる風格、その圧倒的な存在感のおかげで日本版WHITESNAKEと呼んでも大げさではない、芯の太い古典ロックのカッコよさに身震いさせられる。

特筆すべきは中村のソングライティング力、耳を惹くフック満載のメロディ、そして一音一音に込められたエモーション、無駄のない音選びとフレージングの上手さに、改めて舌を巻きました。古臭いだけではないブルージーな本格派ハードサウンドの旨味、その至高のサウンドに必要不可欠なのは高谷の唄なのだろうが、多くのファンが待ち望んでいたスタイルに落ち着いたことでバンドは新たなる求心力を身に着けたことになったはずである。
良くも悪くも、このバンドらしい音に収まった。それらを進歩がないと感じるのか、安定の定番と感じるかで評価も分かれるのだが、どう見ても志半ばで解散した印象しかないバンドが、早めに復帰したのは本当に嬉しかった。ブランクも感じないし、全てが好転している、そんな思いが一番強いアルバムである。


TOKYO BLADE - Dark Revolution ★★★ (2020-08-30 19:36:12)

前作と同じラインナップが揃いリリースされたアルバム。数多くのメンバーチェンジ&音楽性の変遷と形骸化していた時代もあったが、近年は腰を下ろし落ち着いた活動をしているように感じる。往年のメンバーシップの復権、音楽性も同様にNWOBHM仕込みの骨太なスタイルと、このバンドらしいポップセンスも生かしたハイブリットサウンド披露、そこに今風のサウンドプロダクションも盛り込み、懐かしさだけではない現代に舞い降りた古典ロックとして地に足がついている。

こういう音楽とバンドに新しいものを求めてはいけない。しかしノスタルジーをくすぐるだけのバンドでもない。彼等が世の中に提示しているのは、ヘヴィメタルの源流たる音楽性の再構築だ。そして、それらが現代に通用するスタイルであることを高らかに宣言している。今を無視しないだけで、この古めかしい音色が気骨溢れるノスタルジックNWOBHMとして復活するのだから面白い試みですね。
パワー、スピード、メタリックな質感、そして適度な隙間のあるハードサウンドの旨味、全てが無駄なく絶妙に絡んでいる。こういうスタイルは直ぐに飽きが来るのが欠点ではあるのだが、古典メタルを知りたい若い人にはとっつきやすい音楽性であろう。


SAMANTHA 7 - Samantha 7 ★★ (2020-08-30 19:21:03)

POISONのギターとして知られるC.Cデヴィルが立ち上げたパワーポップバンドの1st。時期がオリジナルPOISONと重なりゴチャゴチャとしていて、イマイチ印象に残っていないのですが、C.C自らがヴォーカルとギターも担当と意欲満載のアルバムだったことに変わりはなく、プロデューサーにジャック・ブレイズ、サポートにジョン・カロドナーの助力を受けスタートしていた。
パンキッシュな勢いすら感じさせるポップロック、その生々しいギターの音など、時代性を十分い見越しており、古めかしいオールディーズ風のサウンドに今のエッセンスを巧みに盛り込んでいる。こっち方面のオルタナサウンドには詳しくないので蘊蓄は語れないが、これぞアメリカなパワーポップ系が好きな方なら大いに楽しめる内容でしょう。
合い間に挟まれるバラードも効果的に機能、パワーポップちょっとうっとしいなぁと思い始めるくらいで顔を出すのが良かった。


COCOBAT - Cocobat Crunch ★★★ (2020-08-29 01:56:13)

一躍このバンドの名前をシーンに浸透させた記念すべき1st。既に世界中で起こる脱メタル、スラッシュメタル勢も当然、グルーヴィーな方向性に傾いていたが、このバンドの早い段階で、その空気を読んでいたかのような一筋縄ではいかぬ音楽性を披露。TAKE-SHITのブリンブリンのスラップベースと刻まれるギターの絡みは、このバンドの顔となりバンドサウンド牽引、勢いだけでない④のような曲でも、強烈なうねりが聴き手を心地よく麻痺させていく。
リリース時は、もっとストレートなものを好んでいたので、激ハマりとはいかなかったが、多様性を帯びたクロスオーバースタイルは、古さに埋没しない新鮮なアイデアを持ち込んでおり、今聴いても、その鮮度の高さに驚かされる。
厳密にジャンル分けするとメタルではないのかもしれないが、ザッカザカのブリブリと書いてある帯び叩きに、誇張無しと言える強烈なグルーブに魅入られますね。
久びりに聴きましたが、エエアルバムやなぁ。様式に捕らわれないが無理のない音楽性というのは説得力が違うわな。


KISS - Love Gun - Then She Kissed Me ★★ (2020-08-29 01:32:16)

女性ヴォーカルグループのクリスタルズが1963年にヒットさせた曲のカヴァー
そういう理由で古めかしい音色になっているのでしょうね
こういうのも有りなのがキッスの魅力なんだろう


KISS - Love Gun - Shock Me ★★★ (2020-08-29 01:28:16)

エースのペンによるロックナンバー
唄のエースが務めています
ギターソロも見せ場となっていますね


KISS - Love Gun - Got Love for Sale ★★★ (2020-08-29 01:25:16)

ジーン・シモンズがリードヴォーカル担当
いかにもキッスらしい荒々しい快活なロックナンバー
お得意のパターン化している曲でもある


KISS - Love Gun - I Stole Your Love ★★★ (2020-08-29 01:22:14)

荒々しいロックサウンドと絶妙なキャッチネスさがたまらん
ポールの艶のある歌声もハマりますね


ALCATRAZZ - Born Innocent - Polar Bear ★★★ (2020-08-28 23:26:03)

アルバムの2曲目だがオープニングナンバーと言えるインパクトがある
新生アルカトラスとしての矜持を守った一曲


220VOLT - Lethal Illusion - Sauron ★★★ (2020-08-24 13:00:26)

幻のシングル盤に収録のヘヴィなミドルナンバー
サウロンというタイトル通り禍々しいサウンドが耳を惹きます
メジャーデビュー以降というかアメリカでの成功を夢見てポップなスタイルに変貌した
姿しか知らない方は驚くでしょうね
オリジナルは1982年
彼等も古典から影響をたっぷりうけています
誰がなんと言おうともコレはドゥームメタルですよ


ANGEL SWORD - Rebels Beyond the Pale ★★★ (2020-08-24 12:50:47)

北欧はフィンランドから登場した若手4人組、彼らが奏でるはドライな音色がドライブする初期型NWOBHM、垢抜けない音色ともっさりとしたリズム、適度に湿り気を帯びたメロディ、たいした技巧などないバンドなのだが、ツインギター編成4人組が一体となり生み出す、この古典的な音色。だみ声ヴォーカルの嘘くささも更なる拍車を掛け、全体から醸し出される半地下サウンドに咽びます。
とにかく、シケシケのスカスカなサウンドメイクを作り上げたあたりは、完全に狙ったんだろうが、以外とキャッチーでポップなナンバーも挟んだりと、四畳半一間の青春メタルにならぬような工夫をしているも好感が持てる。好きモノにはたらないのだが、需要の狭い音楽性ではある。昔のNWOBHMが聴きたければ再発盤に手を出せば済むからだ。
しかし、このスタイルを継承するバンドがいなくては困るのも事実、NWOBHMは単なる事象にならず、特定のバンドだけをさすものでもない、あの時代に生まれた一つの音楽性と問うものならば、このバンドのスタイルは支持されるべき音楽性であろう。マニアご用達ではあるのだが、トラディショナルな音を今のテクノロジーで聴きたいという若い人たちにもトライして欲しい一品です。


Ultra-Violent - Crime for Revenge ★★★ (2020-08-23 18:27:32)

詳しいバイオはさっぱりだが、パンク/ハードコアシーンではカルト的な人気を誇るUKパンクスのシングル。激しい感情をぶつけてくるようなオープニングナンバーのカッコいいこと、パンク特有の荒涼とした荒くれ感と勢い重視の姿勢、その摩擦度の高さがグイグイと引っ張り畳みかけてくるからたまりません。2分にも満たないのは、メタルサイドとしては喰い足りない印象はあれど、これがパンクなんだと言われれば大いに納得です。ギャリギャリと下品に回転する3曲目の疾走感も、スピード狂なら大いに楽しめる仕様。狂暴性だけじゃないキャッチーさもあるのがパンクの強み。スカッといきたい時なんかにはちょうど良い尺でしょうね。


Hell Voice Hell Guitar - Memorable Songs ★★ (2020-08-23 18:12:19)

勉強不足で知りませんでした、下山兄貴と石原慎一郎によるロックデュオによる3枚目の作品になるらしい。なんとなく二人で小さいところを回っていたのは知っていましたが、アコギ一本でやっているんだろうなぁと決めつけ、手を出していなかったのですが、今作はハードなロックを日本語詞により伸び伸びと兄貴が歌い上げる仕様。やたらと生活臭が滲み出る歌詞の歌もあったりするのだが、シャイカーに兄貴が参加したような石原節満載のナンバーもあり、聴きごたえは十分。これでSLYのようなゴリゴリのメタルソングがあればなんて贅沢も言いたくなりますが、こういうカラフルな色の楽曲でも、兄貴の存在感はブリンとしており、二人の相性の良さと形に捕らわれない曲を作っているので無限の可能性の感じさせます。
温かみのある二人の生き様が詰まったロックアルバム。本格的すぎない遊びが満載だからイイんですよね。


下山 武徳 - The Power of Redemption ★★★ (2020-08-23 17:52:11)

ソロでは少々オッサン臭い匂いがする作品が多い下山兄貴。サーベルのような密度の濃いバンドで唄うのも良いが、もっとオーセンティックなサウンドにかぶりつく兄貴も見たいなぁという、ファンの期待に応えるかのようなソロアルバムをリリースしてくれました。日頃小さいところを一緒に回っている山本恭司に山下昌良や石原慎一郎、寺沢功一のベテラン組に、水野、磯田、本間の同郷ドラマー3人、恩讐を乗り越え共演機会も増えた島紀史。YUHKIとSYUのGALNERYUS組の合流にマッド大内も名を連ねる豪華ラインナップによる、ど派手なソロアルバムが2020年にリリースされました。ど真ん中のヘヴィメタルと向き合った兄貴、会心の一撃となるソロアルバム。待ってましたと心の底から思いましたね。

いい意味で肩の力を抜き、リラックスした歌唱スタイルを放り込み、その獅子なる雄叫びは北の大地を揺るがし、下山武徳ここにありと言わんばかりのハイパフォーマンスを披露。手練手管の寝業師たちの多彩な楽曲を、自分のものとし完璧に歌い上げています。この楽曲を引き連れソロライブと行きたいのでしょうが、今のご時世ではね(FLATBACKERのトリビュートバンドSOLIDBACKERもあったしなぁ)

豪華ラインナップを従え、自らの集大成のようなバラエティに富んだ楽曲を歌い上げた兄貴の剛柔兼ね備えた魂の歌声、サーベルよりも、伸び伸びと歌っている印象が強いのが因果ですかね。山本恭司作曲のバラードで占める展開に、あたしゃ胸が焦がれたねぇ。泣かされましたよ。本当に素晴らしい歌い手でした。このまま、ドメスティックな存在で終わらせるのは惜しい存在だよ。


Saki - The One ★★ (2020-08-18 14:38:59)

CYNTIAのフロントマンで知られるSAKI嬢のソロアルバム。プロデューサーに地獄カルテットなどで知られる7弦ギターの使い手小林信一の名もあり、メタル系のサウンドに落ち着くんだろうなぁと思ったら、期待を裏切らないバリエーション豊かな楽曲でおもてなし、CYNTIAファンなら大満足だろうし、浜田麻里系のメロディアスロック好きも大いに楽しめる仕様となっています。EDMなビートもビンビン出てきますが、今では当たり前の事でしょうね。
オジサンにはピンと来なくても若い人たちの好奇心をくすぐる遊びもあり、彼女の可能性をパッケージしていますね。それはバラード系なんかにも如実に表れていますが、唄が上手いだけではない表情を付け、SAKIというアーティストを披露しています。
本来、メタルを愛しているわけではない職業アーティストな彼女、それでもライブではサッパリなアニソン系の歌い手とは違う確かな実力の元、地に足のついたパフォーマンス力で聴き手を魅了していきます。
X-JAPAN以降の国産メタルやアニソン系が好きな人ならツボにはまる曲も多いでしょう。オジサンたちにはSHOW-YAのカヴァーがあるので、懐かしみましょう。


CROWLEY - Evil Bride ★★★ (2020-08-18 14:00:51)

遂に完全復活を遂げた名古屋産伝説のサタニックHM/HRバンド待望のフルアルバム。メンバー古久保の死を乗り越えてのリリースだけにファンにとっては胸に去来する思いを多々ありますが、今作はいい意味でグランジ以降のスタイルも取り込み、古さに埋没しない現役感満載のトラディショナルサウンドを披露。このバンドらしいサタニカルさも前面に出しているので、往年のファンは勿論だが、新規さんが聴いても安心できるクオリティを誇示。古くて新しい王道スタイルで見事に帰還しました。これで過去の遺産にすがらなくても活動できる基盤を作り上げましたね。
ナイトレンジャーのケリ・ケリーがソロで2曲、宇宙海賊のEITA嬢は楽曲提供&PVにも参加と復活作に華を添えてくれました。
オーセンティックなプレイではあるが、バンドに新鮮な風を送ってくれた新加入のKENTの存在も大きい。これを機にコンスタントに作品をリリースして欲しいですね。こうなると名古屋と言えばSNIPERの復活だなぁ。


ICE TIGER - Love 'n' Crime ★★★ (2020-08-14 13:24:15)

オリジナルは1991年に自主制作盤を世に送り出したのが最初と言われている、オーストラリア出身のハードポップ系バンドのデビュー作。
オープニングの①こそザラついた感触こそあるが、徐々に透明感溢れる叙情的なメロディが増量、まずは③で大団円を迎えます。とにかく絵に描いたような鮮やかな③の登場に驚きます。北欧風味をチョイと感じさせるのだが、歌い手が野太い声の持ち主なので繊細さの中にロックな熱量を放出しています。
それ以降も剛柔兼ね備えたグラム系HM/HRサウンドで魅了。もう少し早いデビューであれば、認知度も上げられたろうが90年代では分が悪い。
時代に抹殺されたオーストラリア産のメロディアスサウンド、ハードでダイナミックなロックサウンドと爽快感溢れる泣かせのメロディを曲間に散りばめ、硬軟のバランスを取った一枚。視聴感の良さも手伝いメロディ派なら大いに楽しめるでしょう。甘いだけじゃないのが良いんだよね。時々ジェフ・スコット・ソートを思い出させる歌い手も、噛み合った瞬間の逞しさも上々だ。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Mikazuki in Rock ★★★ (2020-08-11 13:59:20)

フジ系で放送された特撮ヒーローもの『鉄甲機ミカヅキ』のサントラ。
下記が収録曲
1.Crescent Moon
2.Theme For Kazeo
3.AIT Theme Orchestral Intro
4.AIT Theme
5.Lost Memories Theme
6.Lost Memories Strings
7.Black Moon Symphony
8.Nana
9.Idom
10.Devil Inside
11.Lost Memories Vocal

①が戦隊ものらしい高揚感のあるナンバーで幕開け、シャ乱Qのハタケ作曲。唄うはドン・ドッケン、ギターにポール・ギルバートという布陣。この話題性が一部、マニアの間でどんな曲なんだと話題になった。
期待に答えるようなメロディアスなHM/HRナンバーなのだが、ドンの歌が弱い。衰えを隠し切れないドンに残念な気分を味わうが、ポールがキレッキレなので無問題である。
続く②が①のアコギヴァージョンにあれっとなるが、③は何かが始まりそうなオーケストレーションがバリバリに効いたた曲が登場、サントラらしいですよね。
続く④はダグ・アルドリッチ作のインストナンバー、彼のギターも楽しめる軽快なグルーブが心地よく疾走、ハードでロックなダイナミズムを堪能、どう考えても子供向けじゃないのだが、ノリノリで楽しめる。
本当に、特撮ヒーローモノなのに、全然子供に忖度しない音楽が詰まっていることに驚かされるのだが、いったい誰に聴かせたかったのか疑問だらけですが、こちらは大いに楽しんでいます。

⑤ではリッチー・コッチェンが客演、このサントラでは重要ナンバーらしく、続く⑥、唄入りの⑪とアレンジ違いが楽しめます。落ち着いた雰囲気の中ジャジーでムーディーなギターで魅了、ウットリのその世界観に酔いしれます。
⑦はダグ作のインストナンバー、3分以上、モゴモゴ曇り空中継みたいな緩い音がするだけで何も起きないのですが、途中からヘヴィな音像が登場、小さいお子さんを恐怖のどん底に誘うような不気味でダークな曲調に笑いも出るが、ロックな大人には迫力満点のヘヴィロックに唸る。全然子供向けじゃない。
ストリングスな⑧に続き、⑨ではデヴィン・ダウンゼントが大フィーチャー、小さい子供がお漏らしするようなド級のヘヴィロックをお見舞い、親子共々逃げ出しますよ。
⑩も地中深くで何かが蠢きだすようなSEなので、怖い曲が続きます。そして個人的には完全にダレましたよ。
ラストに3度目の登場となるLost Memoriesが唄入りで登場。歌うはグラビアアイドルとして活躍した、キリリとした顔立ちの原史奈さんの登場。完全にアルバムを台無しにしている感はあるのだが(歌詞の世界観もミカヅキに関係あるのか?)ある意味、これが特撮ヒーローのタイアップソングだろうということで、一般的なご家庭にとっては、恐怖が続いたので、一服の清涼剤となったでしょうね。

昔、CDショップで、ドン・ドッケンやポール・ギルバート参加という文字を見て驚いた記憶がある。聴いてみたいという欲求が凄くあったが、一曲の為に3000円近く払うのはキチイと考え断念(たしかフィギアみたいのが付いていた記憶もある)定額制サービスのおかげで楽しんでいます。
とにかく、念願叶って①が聴けたのが嬉しい、前半は機能していたのもうれしかったが、やはりお金を出すには少々厳しいと言わざるを得ないのが、歴史に埋もれた名曲をマニアには知って欲しいですね。坂本英三が①をカヴァーしていますが、あれは良かったなぁ。


BLACK SWAN - Shake the World ★★ (2020-08-10 13:40:58)

ロビン・マッコーリー、レブ・ビーチ、ジェフ・ピルソン、マット・スターの4人が結集したスーパーロックグループと巷で呼ばれるバンドの1st。レーベルはFrontiersときてますからね。その筋のファンにとっては安心材料でしょう。有名人が集まり逆につまらなくなる悪例は枚挙としてありますから。そんな不安材料を吹き飛ばすお膳立ては揃っていますが、出している音は元気なハードサウンド、ロビンの押しの強い歌声を前面に出し、泣かせの叙情的な要素など排除、欧州的なエッセンスではない躍動感のあるハードサウンドはレブとジェフが持ち込んだ要素だろう。
ロビンの暑苦しい歌声のせいで、味付けが濃くなり、些か情緒に欠ける音楽性になってしまったのは個人的には残念だが、もう少し肩の力を抜かせて唄う叙情派ナンバーなどを設けたら印象も違うのでしょうが、とにかく味が濃いアルバムである。ジェフ・ピルソンプロデュースによる作風なのですが、軽快でありながらも骨太なロックスタイルは、確信犯的なフレーズを導入することで定番と化すことに成功。ロビン、レブ、ジェフのソングライティングチームによる、ワールドワイドな感性を発揮することで多様なメタルファンを迎え入れる音楽性の獲得に成功した。無難ではあるが、冒険心を感じさせる面もあり、期待に答えたと言えよう。


ANNIHILATOR - Ballistic, Sadistic ★★★ (2020-08-10 13:18:12)

原点回帰を歌うバンドは多いのだが、なかなかどうしてこちらが思っているのとは違うよなぁが多い中で、今作は完全に初期の作風に回帰している。迷いを捨てたというのか、完全に狙ったという方が適切なのだろう、とにかく振り切り方が清い。ある種の確信犯的な手法、スラッシーな展開の中に設けられた構成など、確実に過去作の影響が強く滲み出ている。耳を澄ませば、あれやこれやとなるのですがジェフ・ウォーターズが全権を握っているプロジェクトバンドなので、ファンであれば大きな問題は起きないでしょう。
ジェフの拘りが詰まった作風、懐かしいクリーンなアルペジオを聴きながら、熱くハードでテクニカルなことをスタイリッシュに聴かせる男だったなぁと懐かしみました。ある意味、入門編になる一枚かもしれませんね。
テクニカルなのにキャッチーなメロディ、ジェフの紡ぐ扇情的なフレーズの旨味、彼の18番を大盤振る舞いした原点回帰作。コンパクトに纏め上げる手法も手伝い聴きやすい一枚へと仕上がりました。


Breakout - Burning Lights ★★★ (2020-08-10 12:53:29)

紅一点の女性シンガー、マイラ・オリベイラ擁するブラジル産4人組による1st。オープニングからどこかで聴いたことがあるリフにズッコケそうにやりますが、本人たちは大まじめです。それは2曲目以降も続き、とにかく自分たちの好きな事を思いっきりやり切っていますね。NWOBHM直系の古典スタイル、そこに多方面からアイデアを活用、往年のヘヴィメタルソングへの憧憬を込めた実直な音楽性を披露している。
潔癖な人なら許すまじとなるのだろうが、そういうのも込みで是非とも楽しんでもらいたい。お金のかかっていないレコーディング、その平坦な音作りに、今ならプロトゥールでチャチャと作ってもマシなんじゃないかと思うのだが、嘘のない録音方法にライブ感を楽しみました。想い出作りの一枚のような手作り感も昔のインディーズ系のバンドみたいで、懐かしい空気が満載。地下室メタルの代表例のようなバンド像です。上手い下手では語れないメタル愛溢れる情熱のブラジリアンHM/HRサウンド。昨今、巷に溢れかえっている、ソプラノヴォイスじゃないロックな歌声があるだけで十分です。妙に女の色気を売らないのも正解です。


BLAZING RUST - Armed to Exist ★★ (2020-08-10 12:36:14)

ツインギター編成5人組によるロシア産正統派HM/HRバンドの1st。レーベルはドイツのPURE STEELです。出している音は完全に80年代型のHM/HRスタイル。その懐かしい空気に付き合えるかが最大のポイントなのだが、ここにいる5人は、他のバンドでも活動しており、シンガーも他ではギターで活躍と数名のパートチェンジもあったりと、ある意味、プロジェクト的な匂いも発散、さらに英詩で唄うときているから、けしてドメスティック活動で終わるつもりはないと推察できる。だからドイツのレーベルと契約できたのでしょう。それだけにロシア特有のメロディや癖がないので、そっち方面を求めると少々食い足りないのだが、所謂NWOTHM軍の一員として楽しめる要素は強いでしょう。
プレイ&楽曲共に若干の詰めの甘さはあるのだが、ツボを押さえた演奏とアレンジは古典派にとってはマストな要素、いい意味でのキャッチーさと欧州由来の叙情性、そこにメイデンよろしくなアレンジも盛り込み、懐かしい空気を充満させている。
何も生み出さない古典スタイルの再構築です、こんなもん聴くなら○○を聞き直した方が役に立つと言われたら返す言葉も見つかりませんが、ノスタルジーに浸り、昔はこんなのゴロゴロいたわと楽しめるマニアご用達のサウンドに目がない人には安心して手が出せるでしょう。適度に早くハードに迫る4分少々のドラマ、ベタに敵うもんなしを体感出来ますよ。


THEM - Manor of the Se7en Gables ★★★ (2020-08-04 18:42:40)

前作は顕著にマーシフル・フェイト、キングダイアモンドからの影響が大きい音楽性だったのだが、今作では大枠のイメージこそ、彼らからの影響を感じさせるが2枚目のアルバムという事もあってか、オリジナルティを大きく出してきた。
ダークホラーファンタジーをコンセプトとした作り込みは、スラッシーさも大幅に加味され加速度も増している。

とはいいつつも、ファルセットを交えた奇怪な歌い回しやシャウトなどキングダイアモンドを彷彿とさせるし、闇の語り部として、暗黒の言霊を並べる姿は本家に肉薄する存在感を発揮、ここまでやられたら文句も出ません。この辺りに、パロディ的に匂いを感じると、とてもじゃないが手を出せないバンドとなるのでしょうが、マーシフルフェイト中毒に汚染され、パロディでは終わらない、自分たちのカラーを前のめりに出してきたことで、素材が生き生きとしている。これが俺たちの大好きな事、徹底的にやり切る姿に腹が座っているなぁと感じます。自らのルーツを示し新たなる解釈を交え作り上げた渾身の一枚、こういう姿勢は逆に高潔に感じます。究極のフォロワーバンド。日本でも十分需要のある音楽性でしょう。


HIGH SPIRITS - Hard To Stop ★★ (2020-08-04 18:14:54)

知る人ぞ知るアメリカ人一人メタルプロジェクトの4枚目。ニュージャージー出身のクリス・ブラックは、プレイヤーのみならずプロデュースも担当と、筋金入りのメタルマニアなんだろうが、この作品以外にも、複数のバンドを掛け持ち(別プロジェクトともいう)とにかくメタルに人生を捧げたアホである。そのアホっぷりは、かつて自らレーベルを立ち上げ運営していた程だ。
そんなメタル馬鹿一代が捧げるのは、爽快感もあるメロディアスな本格派のHM/HRサウンド。どこかで聴いたことがあるフレーズも皆でシェアするお得意の奴、飛びぬけたプレイがあるわけでもない。歴史に残るようなリフもリズムパターンも用意できるわけではない、ただ単に愛するメタルを奏で続ける、その清い姿勢に付き合えるかがポイント。
このマニアご用達過ぎる音楽性ゆえに、メジャー流通のハイクオリティなアルバムを嗜む一般的な方には、とてもじゃないがおススメできないのだが、ライナーノーツ掲載など糞くらえ、同人誌メタルを聴き、チビチビと酒が進むマニアにはたまらんものがあるでしょう。
あばたもえくぼという事で、同級生の学園祭デビューと思いお付き合い頂ければと思います。


下山 武徳 - Way of Life ★★★ (2020-08-03 18:10:10)

バルト三国にツアーに出るなど、精力的な活動を続けていたサーベルタイガーのリードシンガー、下山のアコースティックソロアルバム。彼がギター片手に全国を回る夜会も、彼のキャリアとしてはライフワークと呼べるほど数をこなしているので、こういうスタイルのアルバムが出ることに驚きはない。
むしろ、これも彼の顔の一つと捉えることが無難でしょう。Hallelujahに枯葉というカヴァーソングも無理なくハマり、そこに既発音源の母へ、Dec、Alwaysなども収録、新旧入り混じっか楽曲を、全て自分色に染め上げ聴き手を魅了。テクニック云々では語れない、彼の心に訴えかける魂の歌声に聴き惚れます。
少々、野太いタフな声が顔を出す瞬間もあるのだが、ここでは、ロックなフィーリングを抑え、下山の芸達者ぶりを発揮しているのがポイント。サーベル組や青柳慎太郎の顔馴染み以外に、ツアーも共にした山本恭司の参加もあったりと話題性は十分、アコースティックサウンドもイケるハードマニアなら大いに楽しめるでしょう。
個人的には、少々オッサン臭い匂いがするので熱心に耳を傾ける作品ではないが、気分に合わせ2、3曲チョイスして楽しんだ時の味わいは満足度も高いですよ。


Lyin Rampant - Up and Cumin ★★★ (2020-08-02 16:51:24)

元TYTANのギター兼ヴォーカルのステュワーティー・アダムスがHEAVY PETTINから離れたエディ・トレーナーとタム・クリーマーらと合流して結成されたバンドのデビューアルバム。1987年に今作を残したきりで詳しいバイオは知られていないが、英国的な憂いのある叙情的なメロディが爽快感のあるポップサウンドと濃密に絡み合い、洗練されたハードテイストと嫌味なく融合、売れたい路線ではあるが、本格派の手触りの残し、歌モノ系のライトヘヴィソングマニアなら大いに楽しめるでしょう。

こういう本格的なメロディアスサウンドを作り込んだのに、オレンジ色がかった配色が目に痛いセクシー系の女性が映り込むジャケが大損している。あのジャケならもっと軽薄でインチキ臭いロックが飛び出してくると思いますよ。

サブタイトル(SAYONARA)とある⑦曲目のSay Goodbyeなんてキラキラ系のキーボードを隠し味に、日本人好みの哀愁と情緒があったりと、十分に需要のあるサウンドに仕上がっている。真面目に作り込んでいるだけに知名度が低かろうが、メンバーから小粒感が漂うが、質の高さは標準をクリア、メロディ派のハードマニアなら手にして損はしないでしょう。かつては中古市場でも破格の値段で取引された一品。それがダウンロード市場では安価で手に入るのだから、ありがたい世の中です。

個人的には、こういった蒸し暑い夏の日に、クールダウンさせるのにピッタリの一枚。甘すぎず酸っぱすぎない情緒のある。大人のメロディアスハードポップサウンドってのは、あまりないのでね。ギターがしっかりと自己主張出来ているからハードさも補完されているのもありがたい。


ALCATRAZZ - Born Innocent - Dirty like the City ★★★ (2020-08-02 01:36:02)

PVを見てメンバーの半分が還暦過ぎというおじいちゃん感に笑みもこぼれますが
先行公開された曲の中では一番耳に残ります
そしてアルバムのハイライトでしょうね
スティーブ・ヴァイ作曲
なんとも因果な結果となった


ALCATRAZZ - Born Innocent - Warth Lane ★★★ (2020-08-02 01:29:59)

ダリオ・モロのいぶし銀のギターが冴えるムーディーな一曲
メロウさや妖しさも楽しめるのがポイント
グラハムの衰えも気になるが
全員でフォローしているように聴こえるのが面白い


ALCATRAZZ - Born Innocent ★★ (2020-08-02 01:27:04)

ジョー・リン・ターナーとツアーしたりと、アルカトラス名義での活動はあったが、ついに最新作をリリースしてきた。正直、グラハムボネットグループがあるので、アルカトラス再始動に驚きはないのだが、やはり今作の目玉は豪華ゲストの客演&楽曲提供だろう。
クリス・インペリテリにスティーブ・ヴァイ、ダリオ・モロ、ボブ・キューリックといった同じ飯の釜を喰った仲間に、若井望、ドン・ヴァン・スタヴァン、ジェフ・ウォーターズの名前もあったりと、バンドの再始動に華を添えている。
そのメンツのおかげでバンドサウンドはバラエティ豊かなものになってはいるが、果たして再始動アルカトラスとして見ると、これで良かったのかという疑問は湧き出てくる。それも、多くのファンがインギー時代の再来を匂わせた事により過度の期待をしてしまったからなのだが、個人的にも一番耳に残ったのが先行公開された、ヴァイのペンによる⑥だったりしていたので、ある程度、おもてたんと違うと予想は出来ていた。

速いだけの①でつまずき、②で回復するも、若井の書いたポジティブなメロディアスサウンドは出番的に早いと感じ、ムードのある④、狙い過ぎた⑤と続き、今一つエンジンがかからぬまま、ヴァイの⑥に行く展開は残念な気がしてならない。ボブの曲は毛色が違うし、ダリオのムーディーな古典メタルも悪くないが、流れが悪いアルバムのせいで損している。ジェフ・ウォーターズがリードギターで客演する、ジミー・ウォルドーの⑨は今までにない斬新さがあって耳を惹くが、やはり流れの悪さのせいで損している。もっとストレートな曲の合間に聴きたかったというのが個人的な思いだ。

曲単位で行けば不満の少ないのだが、昔の名前を担ぎ出しただけに、もっとやりようはあったと思う。参加メンバーの話題性や、復活の予感を感じさせるラインナップ、そういうものに期待をし過ぎたのかもしれないが。もっとベタなものを聴きたかった。そういう曲が合い間に2曲くらいあれば、スムーズに進む気がするのだが、やはり、この手の音楽が好きではないグラハムボネットにとっては、周り次第という事なのだろう。

これで国内盤はボートラ2曲追加の15曲入りだというのだから、ちょっと本気でいかないとヤバいでしょうね。

総じて感触は悪くない。ラストにブラス大活躍の曲まで用意したバラエティに富んだ一枚。多くのグラハムファンの慮った、全時代対応の音楽性に落ち着いたと言える一枚。なにはともあれ、グラハムが真っ当なハードサウンドを歌うというだけで、ファンは満足出来るでしょうね。
個人的には、やはり残り少ない現役生活の中で決定打になるようなアルバムを作って欲しい。マジでもう一度、柴田直人とアルバムを作りべきであろう。そう思わずにはいられないモヤモヤの残るアルバムとなった。


SERGEANT - Streetwise ★★★ (2020-07-31 18:51:20)

オリジナルは1986年リリースの2枚目。前作はやや拡散方向にあった音楽性だったが、今作はキーボードを前に出しつつも、バンドサウンドを中心とした堅実な作り込みとアレンジが冴えており、英国的な湿り気と情緒の強いハードサウンドで勝負。いい意味での洗練度とポップセンスを放り込みつつ多彩な楽曲を用意、その絶妙なバランス感覚は口うるさいロックファンの不満を黙らせるだけの説得力がある。

1986年という時代もそこそこに意識をしているが、燃え上がるロックな情念もそこにあり甘口にさせないキリっとしまったロックテイストが肝だろう。誰が主役ではない楽曲中心のバンド運営も今となっては貴重。こういう本格派のグループというのはシーンにとっては必要不可欠だと思う。
1stアルバムを叩き台にドラマ性と膨らませた叙情派メロディアスHM/HRサウンドは質実剛健な一枚へと仕上がっている。


SERGEANT - Sergeant - I've Got to Know ★★★ (2020-07-30 16:41:26)

ハードさと爽快感が
絶妙に絡み弾んでいます
こういうアレンジと聴かせ方が
このバンドの旨味
単なる大衆路線バンドではない堅実さ
そのハードテイストは大人が聴いても恥ずかしくない作りになっている


SERGEANT - Sergeant - Make Your Move ★★★ (2020-07-30 16:34:49)

憂いのある英国的なメロディ
そこにキーボードが爽快な風を送っています
このバンドの魅力を端的に伝えています
泣かせ具合が絶妙なんです


SERGEANT - Sergeant ★★★ (2020-07-30 16:25:40)

スイスとイギリスの混合チームによる1984年にリリースされた1st。オープニングはキャッチーで弾むような陽性ロックで幕開け、その素直さに思わず笑みもこぼれますが、二曲目以降も割と陽性のロックナンバーが顔を出す構成、そこに爽快感のあるキーボードを隠し味に、ハード目のギターも飛び出し、硬軟のバランスを上手く取りながら、スイスと英国の競演を楽しめます。
歌い手もオライアンことマーヴィン・スペンス辺りを思わせるエモーションとソウルフルな歌声を持っており、後に
Forcefieldに参加した人物でも知られているように実力は十分。この英国的湿り気とスイスの爽快な風を受け止めながら、楽曲の魅力を適切に伝えてくれます。
ハードな面をしっかりとアピールしつつも、泥臭くない洗練度、行きすぎる前の産業ロック勢からの影響も強い普遍的音楽。歌モノマニアなら大いに楽しめるでしょう。一撃必殺はないかも知れませんが、味わい深いマニア泣かせの堅実さがたまりません。


KROKUS - Hoodoo ★★★ (2020-07-27 18:34:41)

メンバーチェンジの多いイメージがすっかり定着したスイスを代表するベテランロッカー、とうとう往年のラインナップが戻り繰り出されるサウンドはも往年の70年代型ロック。ステッペン・ウルフのカヴァー③も違和感なく溶け込む古典スタイルの踏襲。しかし、単なる懐古趣味ではなく、酸いも甘いも嚙み分けるベテラン達による、本物のロックをやっているのがポイント。AC/DCの影響下にあるリフワークも、昔のメンバーが揃ったんだから当然と言える音楽性、それがパロディに聴かせないのが、このグループの強みだろう。
滋味深い、大人のハードサウンド。すぐに口ずさめるシンプルさ。代わり映えのない音楽性だが、深化することで発展した究極のマンネリズムに勝てるものなしと言えるスタイルを極めたと言えよう。

もはや解散したグループだ、それだけにこういう路線も良いのだが、もう一度、ガッツリのメタルアルバムが聴きたかった、Headhunter路線が難しくても、せめてHeart Attackくらいはやって欲しかったなぁと心残りですが、売れないと飯食えないからなぁ。それにクロークスと言えばな、アルバムは国によって違うでしょう。ないものねだりでした。


KROKUS - Hellraiser ★★★ (2020-07-27 18:17:34)

前作はスイスで売れて成功したと思われたのだが、フェルナンド・ヴァン・アーブがバンドを離れるという大事件が勃発。オリジナルメンバーがいない中でバンドはマーク・ストレイスを中心に活動。前作から参加のギター、ドミニク・ヴァベス。90年代から出たり入ったりのトニー・キャステルがベースを引き続き担当。新しい血としてドラムに、あのステファン・シュワルツマン、ギターはマンディ・メイヤーときたんですから驚きです。
この新しい血の導入が、どう音楽性に影響を及ぼすのかと思いましたが、プロデュースを担当する気鋭のデニス・ワードの下、マーク・ストレイスの歌声を生かした、クロークスのキャリアを網羅したような作風に落ち着いた。
とにかく、前作にあった温和なムードを打破、悪っぽいイメージを音に込め、その中で大衆的なスタイルをあったりと、バラエティ色も豊かなベテランによる全時代対応の総決算スタイルを取っている。
やはり、メタリックなスピードナンバーがあったのが良かった。こういう曲がなければ、哀愁のバラードも引き立たんよ。リードギターを担当したマンディ・メイヤーは引き出しの多い多彩なギタースタイルで魅了。
ある意味、マーク・ストレイスのソロアルバムと言っても過言ではないラインナップを、クロークス風味でまとめることで成立させたアルバム。デニス・ワードのおかげでメロディに情緒が増したのなら、彼の起用は大正解だったろう。


KROKUS - Rock the Block ★★ (2020-07-27 17:54:09)

再びシンガーの座にマーク・ストレイスが復帰したアルバム。とにかくメンバーの出入りの多いバンドだった。
そのマークとフェルナンド・ヴァン・アーブが中心となり、制作された音楽性は実に古典的なロックスタイルへと回帰。4枚目のアルバムで感じられたNWOBHMを意識した作り込みよりも古いスタイルへの帰還。前作の凡庸な音楽性から比べればフックもあるし、メリハリもある。それだけに感触は良くなっているが、そう何度も手にしたくなるほど、即効性も攻撃力もなく、プログレ時代の次にやっていたような古めかしい、ロックを現代的なエッセンスを盛り込み作り上げた一枚となった。決定打に欠けるが、前作の汚名を返上する役目は果たしている。
14曲あるので、やはり血が滾る熱血ハードロックが聴きたいと思うのがファン心理というものですが、それも人それぞれ、求めるもので評価も分かれるでしょう。
前14曲、その大半がシングル向けのキャッチーなロックナンバーで埋め尽くされた今作。スイスでは売れたんだから、この回帰作は必要だったんだろう。


GLENN HUGHES - Burning Japan Live ★★★ (2020-07-24 13:00:32)

80年代という、ある意味、最も大切な時代を無駄に過ごした男。その天賦の才に誰もが嫉妬を覚えるほど、ファンキーな歌唱スタイルと、リッチー・ブラックモア以上にステージでは派手に動き回るスター性、迫力満点の歌声と、豪快なベース、彼はミュージシャンとして類まれな才能を持ち合わせていた。

重度のドラック依存&アルコールと、まさにロックな生き様を送る自堕落な人生、何度も周りが手を差し伸べるもダメだった。90年代の頭、ジョン・ノーラムとタッグを組み、起死回生を狙うもグレンの悪癖は抜けず、流石のジョンも離れざれる状況にあったと言われる。そんなミュージックシーンの底辺まで落ち、頼ったのは北欧のミュージシャン。彼らとのコラボは奇跡を起こし、こうしてライブアルバムを制作できるまでグレンは自信と向き合うことが出来た。

悪癖と手を切ったグレンに怖いものはない。鬼に金棒となった稀代のファンキーロッカーが完全復活。あのファンキーでソウルフルな歌声もそのままに、長く低迷した時代を肥やしとした貫禄のステージングは、本当に最後まで完走できるのかグレンなんて、勝手に思ったりするのだが、そんな思いは杞憂に終わる。

もはやパープルファミリーの現役では、誰も唄えない名曲①をカヴァーディル抜きでも成立することを証明、個人的にはグレンが歌うパートが大好きだったので、これは大ありの大正解。このライブが凄い事になる予感させた。
ソロアルバムを中心とした作りだが、選曲に大きな問題はなく、彼のスター性もそのままに、華やかでソウルフルな歌声に脱帽。③なんてグレンの独壇場でしょう。その後もDPありトラピーズあり、お初のヒューズ/スロールの登場に悶絶必死。心底痺れました。

我らがZEROコーポレーションが記録した偉業。グレンの復活を後押し、国内盤は1994年、翌年ドイツのSteamhammerがリリースと、グレンが遂にカムバックしたんだと世界中に知らしめる事となった。
そういう意味でも歴史に残る奇跡のライブアルバム。ヴォイスオブロック、グレン・ヒューズの降臨に、嘘くさい歓声すらも味方につけている。


U.D.O. - We Are One ★★ (2020-07-23 18:45:17)

なんの予備知識もなく聴いたので驚いた。今作はドイツ連邦軍軍楽隊が全面バックアップ、アレンジのみならず曲作りにも関与と、今までの作風とは一線を画すスタイルを取っている。基本はウドが培ってきたジャーマンメタルを継承するものなのだが、そこに吹奏楽団がファンファーレとちょっと笑ってしまいました。

こういうアイデアって、個人的には軍歌メタル大将、凱旋MarchのシンガーだったMASA斎藤さんもやっていた奴なんで、本当にニヤニヤしましたね。

キャリアのあるウドが、こういう企画モノに本気で取り込むアイデアは悪くない、むしろ面白いとも思うのだが、やはり最高にカッコいいアイデアだと思う瞬間と、吹奏楽が合わんなぁと思う展開が一曲の中に同時に訪れたりするので、その辺りの割り振りが、好みを分けるでしょうね。
女性シンガーをフィーチャーした③から④への流れも、好きモノにはたまらないのでしょうが、メタルに吹奏楽団いらんなぁとも思える。しかし、こういう意表を突く組み合わせを楽しむのが今作最大に聴きどころなのでしょうね。

明るくポジティブ、それでいて、ウドの鋼鉄精神を昇華させたスタイルは、クラシカルサウンドとの相性も悪いわけがなく、そこに新しい乗り物となるドイツ連邦軍軍楽隊を持ち込み、クラシックメタルは勿論だが、チョイとファンキーな曲までやってのけました。


COZY POWELL - Octopuss - Octopuss ★★★ (2020-07-21 12:20:38)

これぞコージー・パウエル
強烈なアタック音
激しいのに美しいシンバルワーク
生々しいタムタム
たまらんものがありすぎます
そして地味に聴こえるが裏に回り
独創的なフレーズを鳴らすコリン・ホッジキソンの上手さ
両者の相性の良さを存分に知らしめた名インストナンバー
そして二人とも大人げないくらい負けん気をもって闘っています
同じ目的をもちゴールも一緒なのに
最後に出し抜こうとする様が素敵すぎる


COZY POWELL - Octopuss - 633 Squadron ★★ (2020-07-21 12:14:22)

WHITESNAKEのライブでも展開されたオーケストラとの共演曲
夢が叶ったということなのだろう


COZY POWELL - Octopuss - Up on the Downs ★★★ (2020-07-21 12:13:17)

無駄に音数を埋めるのではなく
適度な隙間を作り優雅に展開するファンク色もそこそこのインストナンバー
メル・ギャレーの色が上手く溶け込んでいます
こういう曲でも適切なドラムを披露できるコージー
メルも気持ちよさそうにギターを弾いていますね
少々大人しめのオープニングでしたが
多様性を感じさせる今作の幕開けには相応しい一曲


COZY POWELL - Octopuss - The Rattler ★★★ (2020-07-21 12:09:49)

バラードの次なんで曲順としては絶妙です
ジョン・ロードのハモンドが唸ります
ジェントルな空気をもってサウンドを牽引
コージーの踊るようなリズミカルなドラム
その轟音が軽快にドライヴィングする様に惚れ惚れしますね
メル・ギャレーのギターも唄う唄う
ノリの良いインストナンバーに仕上がりました
助演男優賞は間違いなくジョン・ロードです


COZY POWELL - Octopuss - Dartmoore ★★★ (2020-07-21 12:03:32)

ゲイリー・ムーアとドン・エイリー参戦の泣かせのインストナンバー
お約束の泣かせシリーズなのでフレッシュ感はないが
この3人にはマジックが存在するのは間違いない
ピアノがええのよ
ドンは上手い
コージーのフィルの挟み方も押しが強いらしさ全開
もう一人の主役ゲイリーの生々しいタッチのギターが泣かせます


COZY POWELL - Octopuss - Princetown ★★★ (2020-07-21 11:57:40)

幾重にも織りなすアンサンブルの旨味
鉄壁の絡みをメル、コリン、ジョンが見せつける
とにかくテクニックに申し分ないメンバーが
コージーとバトルロイヤルといった様相だろう
エグイなぁ


COZY POWELL - Octopuss - Formula One ★★★ (2020-07-21 11:53:26)

ファンク色もそこそこに
ここではメロディアスなギターで魅了したメル・ギャレー
その隙間を埋めるようにコージーは我の強いドラムで応酬
アルバム随一のハードさも完備
このラインナップの旨味を存分に堪能できる


COZY POWELL - Octopuss ★★★ (2020-07-21 11:48:45)

結局、マイケル・シャンカーとは長く続かなかった稀代の名ドラマー、コージー・パウエル。セッションに明け暮れ、次なる展望を見据える中で、リリースされた3枚目のソロアルバム。
メル・ギャレー、コリン・ホッジキンソン、ジョン・ロードが全面バックアップ、この事実だけでもマニアなら興奮しますよね。おまけにラストソングはカヴァーディルが楽曲提供。もはやWHITESNAKEの姉妹作品と言っても大げさではない、裏テーマを感じさせる、いろんな意味でターニングポイントになったアルバム。
歌モノを止め、再びインスト中心の作品に戻したが、どちらかと言うとメル・ギャレー色の強い、味のある作風に落ち着いたと言えよう。念願が叶いフルオーケストラとの共演まで果たしたコージー、ハードドラムを期待すると、少々物足りないのかも知れないが、色彩美豊かな楽曲の中で、彼がどんなドラムを挟んでくるかを楽しめるという面では、1stにも負けない充実度を誇っている。②③の流れなどは正にライブそのものの展開と言えるだろう。
ビックネームの参加が少ないとかで、イマイチ影が薄いアルバムになっているのだが、ゲイリー・ムーアどドン・エイリーが今回も⑦で参戦、メル・ギャレーのいかしたロックギターが楽しめる⑤、名手コリンとコージーの熟練のバトルが楽しめる③、ファンキーな味もある①、オーケストラが再び参戦する④、コージー、コリン、ジョン・ロードの3人のマジックが確認できる⑥、これぞコージーなドラムが飛び出すいぶし銀の⑧とバラエティに富んだ楽曲を、実力派が完全サポート、音質も含め一級品のクオリティを誇示している優れた一品です。


COZY POWELL - Tilt - Sooner or Later ★★ (2020-07-20 17:42:12)

セッションで知り合ったギルビー・グレゴリーのペンによる歌モノ
ジョン・クックのキーボードもイイ仕事していますね
踊るようにキャッチーなフレーズをタクト
こんなにソフト路線の歌モノなのに
コージーの我の強いドラムワークに笑いもこみ上げます
でもなんでアルバムに収録したんだろう
契約の関係なのか多忙だったのか?


COZY POWELL - Tilt - The Right Side ★★★ (2020-07-20 17:32:31)

メル・コリンズのサックスが渋い
歌も渋い
ファンキーなノリの中でもコージーはバシバシとドラムをキメています
コージーお得意のジャム的な音の作りも功を奏しています
ちなみにギターレスです
アルバムの中でも最も個性的な曲でしょう


COZY POWELL - Tilt - The Blister ★★★ (2020-07-20 17:27:35)

ゲイリーとドンの曲作
参加メンバーのコージーを含め上記3人
それだけに前作同様の相性の良さを存分に見せつけた
スピーディーな展開をより一層煽るギタークレイジー
猛烈なギターを弾くゲイリーに対して
コージーは大人げないプレイを連発
後半に向けて劇的に盛り上がる怒涛の展開も脱糞ものの衝撃
アホやでとにやけるほど
コージーは鬼神の如きフィルインを連発の雷鳴ドラムを轟かせている


COZY POWELL - Tilt - Hot Rock ★★★ (2020-07-20 17:22:20)

これもヤン・ハマー作曲
ギターはジェフ・ベック
キーボードとムーグでベース不在を埋めるのはジョン・クック
良く動くリズムパートを裏でジェフ・ベックは存在感を発揮
コージーと互角に渡り合える凄腕ぶりを発揮しています
音楽は名前で聴くものではありませんが
誰がどう聞いてもベックのギターは耳を捉えますね
惜しむらくは何故か音質が良くないこと
誰が悪いんだと戦犯を見つけたい気分です


COZY POWELL - Tilt - Living a Lie ★★★ (2020-07-20 17:17:15)

バーニー、ドン、コージーの共作によるスローナンバー
ここで唄うはBedlamで同じ釜の飯を喰ったフランク・アイネロ
彼のファルセットを交えた甘い歌声がブルージーな曲に透明度の高い哀愁をまぶします
泣かせのギターに咽びますが
ズシズシと重たいドラムを挟み込むコージーのドラムが凄い
こういうスローナンバーでも我を通し曲を壊さないドラムというのは
そう簡単に叩けるものではない派手な曲に耳がいきがちだが
これがコージーでしょうと言いたいです


COZY POWELL - Tilt ★★★ (2020-07-20 17:08:40)

前作の好評を受け2年後にはスタジオに再度集結したコージーのソロアルバム第2弾。前作とは打って変わってヴォーカル入りの曲を入れ、ドラマーのインストアルバムというスタンスから方向転換。そのかいあって随分をバラエティに富んだ印象を受ける。
参加メンバーも前作からドン・エイリー、ゲイリー・ムーア、ジャック・ブルースの参加もあるが、ドンはRAINBOWとの仕事で多忙を極め、前作のようなフル参加とはいかず、ジャックも顔出し程度、そういうのも方向性に影響を及ぼしていると思うのだが、代わりに念願のジェフ・ベックの参加もあり、話題性は十分だった。
他にもジョン・クック、Curved Airのグレゴリー・カービー、MSGのクリス・グレン、エルマー・ガントリー等が参戦。この華々しいコージー・パウエルのソロアルバムに華を添えている。
何故、邦題がサンダーストームになったのかはイマイチ理解できないが、前作のような勢いがあるんだという事をアピールしたかったのだろうと推察しています。
歌が入り、方向性が散漫になったとか、ソフトになったみたいなことを当時、雑誌などで批評された為に真に受ける人もいたらしいが、前作同様、日本では商業的な成功を収め、内容はけして前作に劣るものではない。

特に、ジェフとゲイリーのギターを一枚のアルバムの中で楽しめというのも贅沢な話だし、ジョン・ロードのソロで歌るエルマー・ガントリーがいたり、ニール・マーレイ、バーニー・マースデンと共演したりと、後のWHITESNAKE参加の呼び水にもなったとか、成らなかったとか、チョイとしたゴシップもあったりと、楽しみ方もいろいろありますよと言いたいですね。
後半、始まるセッション式の音源も、歌モノのバックで的確なプレイを挟むコージーの職人ぶり、彼はけして腕っぷしの強さだけではないと雄弁に物語るプレイで魅了。スローナンバーでも見せるコージーっぷり、あのフィルの入れ方に、彼の魅力を感じます。


Star Fighter - Metal Hero ★★★ (2020-07-19 19:54:21)

全ての楽器を担当するスティーブ・ヘイズとヴォーカルのロス・パーシーの二人によるメタルプロジェクトいよるデビューアルバム・出している音が渋い、メイデン+JPを隠し味に、スコーピオンズ風味で大胆に味付け、ロスの歌い回しもクラウス・マイネを彷彿とさせる場面もあったりと、古き良きメロディアスHM/HRサウンドが大好きな人にはたまらない音楽性を貫いています。

オーストラリア出身のシンガーと(訛りなんてわかりません)アメリカ人の二人とは思えない情緒のある音楽性、それでいてベッタリとしないのは、出身国のおかげということか、このポップ過ぎず、メタリック過ぎない、メランコリックなダークテイストも加味させたサウンドは、スコーピオンズとの類似性も高く、絶妙なバランス感覚を持ち合わせている。それはメロウな旋律に絡む歌声も音楽性と合致、クドクならぬよう絶妙に回避している。こういったところにも影響の強さが表れていると言えよう。

無駄にスピード勝負じゃない聴かせるスタイルも好印象、そして全編ギターソロで客演しているのは、あのマーク・マギーですからね、マニアなら食指も伸びますよ。
古典スタイル故に、真新しさは皆無ですが、ソフトとも言えるメロディとダイナミックなサウンドの共存を果たした音楽性は、流行り廃りで消えるものではない。音楽とはそういうものでなくてはいけない。そう高らかに宣言しているように聴こえます。


TONY IOMMI - The 1996 DEP Sessions ★★★ (2020-07-14 14:14:42)

マニア泣かせのブートレック作品『EIGHTH STAR』。本作はそのデモ音源を正式な商品として世に送り出した、コレクター商品的な側面の強いアルバム。
それ故に、方向性が定まっているとは言い難いアルバム。二人の共作たる『SEVENTH STAR』のような英国風味の強いメロディアス路線とは違い、ヘヴィなアイオミ節もそこそこに、グレンのファンキーな音楽性も巧みに取り込み、折り合いをつけて楽曲を作り上げている。
両者のマジックが存在する①、歌モノ②を挟み、グレンのファンキーな要素をアイオミ節で味付けした③、グレン色が強めの曲が続き、ヘヴィなリフが耳を惹くアイオミお得意のダーク路線の⑥が炸裂。グレンは上手いが、暗黒様式美には似合わないことを示しているのが皮肉。それでも力技で聴き手をねじ伏せる圧巻のパフォーマンス力に改めてひれ伏しました。
基本はデモ、本格的に完成させた音源ではないということを加味して聴いてもらいたい。そうすれば、細かい詰めの甘さも気になることなく、このエキセントリックな組み合わせを堪能できるでしょう。グレンとアイオミの二人にも火花散るマジックは存在する、その魅力は英国的な湿り気と情緒のある⑦なんかにも溢れているでしょう。


THE SIGN - THE SIGN OF LIFE ★★★ (2020-07-14 13:54:50)

懐かしい名前ランディ・ジャクソンを筆頭に、その世界では知られた有名人、マーク・マンゴールド、テリー・ブロック、ビリー・グリア、そしてボビーロンディネリという実力派が揃った、スーパーロックグループのデビュー作。

このメンツならと勝手にAOR調のメロディアスロックをやるんだろうと高を括っていたら、いい意味で完全に裏切られました。アメリカンプログレ畑が揃っているだけに、そんな甘い予想を覆し、ここで披露するのはドラマ性を有したロック抒情詩。立ち位置を明確にしながらを互いを高め意識し合うことで生まれる緊張感。そこから立ち昇る影は、ミート風のオペラロックから、カンサスに歌モノ路線のピンク・フロイドまでと多彩を極めている。

昔の名前で出ていますな懐古趣味を出したりすることのない現役感溢れる音楽性の持つフレッシュな感性に大いなる刺激を受けました。名のあるベテランが、守りの入らずに攻めの姿勢に転じたことで生まれた、このメロディアスプログレハード路線。極めたもんが辿り着ける抜群の守備範囲の広さ、そのおかげで多方面から追っかけてきたファンを満足させるクオリティとなった。今聴いても十分に通ずる音楽性であろう。


MISDEMEANOR - Misdemeanor ★★★ (2020-07-14 13:32:25)

90年代から活動を続ける女性5人組、スウェーデン産のスラッジ/ストーナー系ロックバンド待望の1st。
ギミックなし、ドレスアップなお色気など必要なしの本格的なスタイルで勝負。甘めのトーンを生かしつつ、時にはひんやりとしたメロディを乗せたりとしながらも、突き放すような歌い回しが独特の風合いを決めている。
リズムセクションも粘り腰のグルーブで幻惑、聴き手を幽玄なる未知の世界へと誘ってくれる。
埃っぽさのあるざらついたギター、その気合の入りようは性別云々で語られるような軟弱な要素は皆無。ひたすら貫かれる60、70年代の古典ロックに通ずる砂交じりの濃度の濃さ、爆音の向こうから聴こえてくる投げやりな倦怠感。シンプルだからこそ体感できる激しい爆裂感、その先にあるのは、繊細さも含ませた熱量の高いリアルロックサウンドときたもんだ。
デビュー作ながら、早くも感じさせる揺ぎ無い音楽性。この売れる事とは無縁の高潔なるロックスピリットに敬意を払いますね。


CHASTAIN - In Dementia ★★★ (2020-07-13 13:22:42)

アルバムジャケットから漂う生々しいオルタナ感、前作よりはメタル度は増しているが、スタイルとしては流行りもんに手を出した感触が強め。それでもメロディやスピード、ギターアプローチと、モダン化しすぎた前作よりは、戻っているのでファンにとっては、気休め程度とは言え安堵を覚える内容に落ち着いている。

特筆すべきは、2作目の参加になるケイト・フレンチの柔軟な歌唱スタイルの披露。パワー一辺倒では押し切らない、ヘヴィロックに合わせ表情豊かに声色を使い分け、妖艶なる破壊神たる魅力を発揮している。
新たなる女帝の誕生と思わせる、堂に入った歌い回しに恐れ入るのだが、運も実力の内ということか、こういう音楽性では、オルタナファンにとってもメタル系にとっても中途半端、需要の狭い音楽性に陥っているために、幾度話題に上ることはなかった。色のみならず確かに実力を持ち合わせていたケイト・フレンチを生かしきれなかったのは残念でならない。当時、彼女はラリー・ハウの嫁さんとして知られていたが、離婚後はコブラ・キングと再婚。そして一緒にバンド活動していましたね。


CHASTAIN - Sick Society ★★★ (2020-07-13 13:11:02)

看板シンガーだったレザー・レオーネが脱退。というかバンドが解散状態となっていたチャステイン総帥率いるバンドが新たに20代前半の美形女性シンガーを迎えリスタートさせたフルアルバム。
サウンドは完全に90年代仕様のヘヴィグルーブが音を埋め尽くすモダンスタイル。とにかく初期の頃の様式美然としたアメリカンパワーメタル路線とは完全に決別した内容だ。

そてにしても、アメリカのロックシーンは人材の宝庫だ。レザーの後任を見事に果たしたケイト嬢のハイパフォーマンスに脱帽。レザーにも負けず劣らずのパワーヴォイスに、女性らしい甘さを巧みに織り込み、女性シンガーであることを高らかに宣言している。音楽性は好みからかけ離れているために幾度、興奮することはないのだが、こういった音楽に耐性もできた今では、この歌声に惚れ惚れする。その為に、3年に一回くらいはフルで手を出す一品。

歳をとると楽しみ方を身につけれるようになるんですよね。新人離れした貫禄の歌声、それが今作最大に聴きどころでしょう。


COZY POWELL - Tilt - Cat Moves ★★ (2020-07-12 18:18:54)

前作では叶わなかったジェフ・ベックとの共演をついに果たす
ベースはジャック・ブルースという夢のラインナップ
ヤン・ハマー作曲なのでジェフ・ベックのソロの雰囲気に近い


COZY POWELL - Over the Top ★★★ (2020-07-12 18:08:00)

ドラムのソロアルバムとしては異例の売り上げを記録したコージーのソロアルバム第一弾。ドラムセットもYAMAHAに変えたのも功を奏したのか、日本では爆発的な売り上げとなったのは有名な話ですね。

今作において最も重要なキーパーソンは二人、当時、契約を失っていたジャック・ブルースの全面参加、そして楽曲提供のみならず、あらゆる面でコージーをフォローしたドン・エイリーの存在なくして成り立つことなどなかったろう。
ドラマーであってクリエイターではないコージー、ドンの協力なくしてソロアルバムの完成などなかったと思える。それほど、ドンは愛機CS80を駆使してくれた。

この3人による組み合わせの凄さ、そのケミストリーには感嘆あるのみ。随所にオブリを噛ませたジャック・ブルースのベース、彼と分かるフレーズの旨味など存分に披露して聴き手の耳を楽しませてくれた。彼くらい自己主張できなければ激しい音圧のドラムに飲み込まれるだろう。ジャック・ブルースなくして、今作の完成度は上がらなかったと断言できるほどの存在感を誇示してくれた。

強弱のバランス感覚が素晴らしいドラム、その回りを縦横無尽に駆け巡る、イマジネーション溢れるドンの色彩美豊かなフレージングの旨味、ドンの計算されつくしたプレイは、スタジオにおいてどれだけ頼もしい存在だったか、裏のプロデューサーだろうし、彼がMVPとも言える八面六臂の大活躍。創作面の立役者だったろう。

ゲイリー・ムーアが客演した話題性と相性の良さ、ライブ録音の②において、コージーとゲイリー、両雄が並び立つ構造は十分なインパクトを誇る。でもジャックとドンがいなければ、あそこまでの緊張感と興奮度は生まれなかったと言いたい。①のイントロはコージーの大切なフレーズ、オープニングの2曲ですっかりファンの心を掴み、盟友、バーニー・マースデンが楽曲提供&客演の④でトドメをさした。

⑥はゲイリー・ムーアがカヴァーして有名になったジェフ・ベックに捧げた一曲。⑦はドラムソロの演出を再現とやりたい放題やっています。

主役たるコージー・パウエルは、仲間に支えられ見事なアルバムを作り上げた。彼が我儘気ままな王様であれば、こういったエネルギッシュなアルバムには仕上がらなかったはず、そのバランス感覚の鋭さと、男としての器量が生み出した歴史的なドラマーのインストアルバム。力任せに叩いているわけではない、ましてやテクノロジーを駆使した作り物でもない、生身の人間から放たれるヴァイブ、その強い波動が、見事に花開いたわけである。レギュラーグリップから放たれる雷鳴、その柔軟なパワードラムに楽器を持つものは驚嘆した。


COZY POWELL - Over the Top - Sweet Poison ★★★ (2020-07-12 17:44:19)

前半が派手だっただけに後半の開始は地味に感じる
参加メンバーも堅実なメンツに代わったとは言え少々こじんまりとしている
落ち着いた場面も必要だったという事だろう
こういうナンバーでもコージーの腕っぷしの強いドラムが映える
そしてジェック・ブルースは鬼っぷりを見せつけてくれた


COZY POWELL - Over the Top - The Loner ★★★ (2020-07-12 17:39:43)

コージーとは気心の知れたハンブルパイコンビが客演
ドンもマックス・ミドルトンの席を譲っている
本来はジェフ・ベックが参加予定も流れてしまった
ゲイリー・ムーアのカヴァーバージョンが有名すぎる
そういった相性の問題もあり都度あることにコージーとゲイリーの競演を望む声は多かった
ゲイリーと比較するのはナンセンス
このヴァージョンは気の合う仲間がノリでやっただけではない緊張感あふれるプレイが聴きどころ
このメンバーにもマジックは存在していた


COZY POWELL - Over the Top - Over the Top ★★★ (2020-07-11 20:10:00)

ジャック・ブルースがブリブリブリと我儘なベースを弾いていますねぇ
ドンも曲作りに大きく関与しているだけに我が物顔でシンセを扱います
本物のオーケストラを呼ぼうとしたコージーですが夢は叶わず
ドラマーのソロですからいいのですが
ドラムソロをまんま収録するアイデアってエグイよね
そんな荒業を披露して魅了できるのが彼の魅力です
このしなやかでゴン太な音を叩き出せるのが
強靭な手首の強さだというのですが
日本人のポテンシャルじゃないよな
野球でいうことろのバリー・ボンズみたいなもんでしょう
桁違いの破壊力で魅了した大人げないコージーが大好きです
これレギュラーグリップで叩いてたんだもんなぁ
そしてレギュラーグリップだからの粘りなんだってさ
ドラムは叩けんから分からん


COZY POWELL - Over the Top - El Sid ★★★ (2020-07-11 19:55:53)

柴田直人がコージーのトリビュートで取り上げた曲
この曲を選んだ柴田さんのセンスにニヤニヤさせられました
流石はプロのミュージシャン
作曲とギターはバーニー・マースデン
バーニーの渋いギタープレイにグッと惹き寄せられます
ドンのピアノが効いているねぇ
多彩な鍵盤プレイで魅了してくれます
ジャックとドンの対決も後半に飛び出します
何度聴いてもあそこで興奮しますよ
コージーが脇に徹している為に地味な曲と扱われるのですが
インパクト勝負ではない味わい深さがアルバム随一
そして最もコージーらしいドラムワークが収録されている
ダーチッチってやつでしょう
オジサンになるとこの曲が凄く染みてくる
いぶし銀の名インストナンバーですね


COZY POWELL - Over the Top - Heidi Goes to Town ★★★ (2020-07-11 19:48:22)

コージーの愛犬に捧げられた曲なんだとか?
そんな逸話を聴いた記憶があります
ドン・エイリー作曲
コージー・ドン・ジャックの三人がフレーズを決めたうえで
呼吸を合わせ展開していく様に興奮
音圧とバトルが凄かった②の次ってのもいいんだよね


COZY POWELL - Over the Top - Killer ★★★ (2020-07-11 19:43:18)

ドン・エイリー作曲
ゲイリー・ムーアをゲストに迎えバトルを展開
ライブレコーディングということで息遣いまで聞こえてきそうなスリルに興奮
右と左に分かれゲイリーとドンはぶつかり合う
その合間を縫うようにジャックが魅惑のベースラインで応酬
本当に彼は個性豊かなベーシストですね
計算されつくしたドンのフレーズは後半に向けてゲイリーとデットヒートを展開していきます
とにかく息を飲みますね
これがアルバムのハイライトと押す人も多いでしょうね
御大のドラムは破壊力抜群の横綱相撲
その喧嘩買いますと言わんばかりに桁違いの迫力を見せてくれました
でも他の3人が凄いから破壊力も倍増しているんですけどね


COZY POWELL - Over the Top - Theme 1 ★★★ (2020-07-11 19:35:20)

コージーのヒット曲として知られる『DANCE WITH THE DEVIL』をイントロに導入
オルガンではなくシンセサイザーの使い手の印象が強いドン・エイリーが見事なフレーズで応酬
ドンは印象的なメロディを弾き武骨なドラムの合間に美しい彩を添えている
オブリガードをキメまくるジャック・ブルースのえげつなさ
ある意味全員が主役と言える好プレイを連発だからカッコいい
当時コージーはレギュラーグリップで叩いていたのを知った時はちびりかけたね
コージーのアタック音に耳がイキがちですが
シンバルワークの綺麗な事
やりよるなぁ
この曲に限らずジャック・ブルースは凄いベースを弾きまくっている
作曲ジョージ・マーティン


SKYCLAD - A Burnt Offering for the Bone Idol ★★★ (2020-07-10 13:45:41)

元祖フォークメタルバンドとして世界的に有名なグループの2枚目。国内盤はちょいと遅れてビクターからリリースされましたね。前作にほんのりとぶっこんだフォーク/トラッド色を大増量、まだまだ手探りの実験的な部分は多いが、従来のヘヴィメタルサウンドに新しい要素をふんだんに盛り込み、オリジナルティを上げてきた。NWOBHMファイターとして知られるスティーブ・ラムゼイも楽曲構成のみならず、ギタリストとしても大活躍、彼のイマジネーション豊かな才能を遺憾なく発揮、ヘヴィメタルというジャンルに新たなる可能性と、革新的な音楽性を持ち込んだ。

今では誰も信じないでしょうが、こういうメロディの強い音楽に吐き捨てタイプの歌が乗るというのは、もったいないオバケが出るぞと大批判を喰らったわけです。曲はいいのに唄がダメとね。
後年イエテボリスタイルと呼ばれるメロデスブームの時の手の平返しには、こちらも背骨が折れるぐらい仰け反りました。そういった不当な扱いを受けた元祖フォーク/トラッドメタルバンドですが、日本ではイマイチだし、アメリカでもウケんかったが、ヨーロッパを中心としたアングラ界では、熱狂的な支持者を集め、多くのフォロワーを生むのは周知の事実なのですが、悲しいかな、90年代のメディアの評価は恐ろしいほど信者に影響を及ぼし、彼らが本来受けるべく敬意を払われていないのが残念です。

ここで繰り広げられる音に触れて欲しい。王道を行く正統派スタイルと濃密に絡むフォーク/トラッドサウンド。吐き捨てヴォーカルと扇情的な泣かせのメロディとの抱き合わせサウンドの精度の高さ、その密度の高い知性溢れる音楽性に、2000年以降から脈々と続く、ジャンルの礎になった音楽がここにあると知るでしょうね。
正直、フォークメタルもゴシック系も、メロデスも門外漢なので、詳しく類似性を指摘できないが、そんなワタクシでも、このアルバムから本格的に始まる、スカイクラッドの示した音楽性が、どれほど影響を及ぼしているのか知っているつもりです。


TWISTED SISTER - Love Is for Suckers - Wake Up (The Sleeping Giant) ★★★ (2020-07-08 11:28:17)

バンドとしては切羽詰まった状況だったんだろうが
堂に入ったベテラン感に唸ります
こういうおおらかなヘヴィロックが良く似合うバンドだった
本人が思うより色が付きすぎたのが残念
良いバンドだ


MARTYR - Darkness at Time's Edge - Into the Abyss ★★★ (2020-07-08 11:20:04)

このアルバムのハイライト
憂いのあるメロディに絡むツインリード
濃密な世界観にはエピックメタルに通ずるドラマ性もある
いい意味での古典の踏襲に拘りを強く感じます


MARTYR - Darkness at Time's Edge ★★★ (2020-07-08 11:18:03)

老舗オランダ産HM/HRバンドの2枚目。NWOBHM直系、メイデン印満載の前作から一転、より音楽性を絞り込みスケールアップすることに成功。破天荒なスピード感は薄まったが、アンサンブルの向上と際立ったベースのハリス色を抑え込みトータルバランスで勝負を賭けてきた。
王道スタイルではあるが、個性を磨き上げ鍛練した音楽性は揺ぎ無きメタルスピリット溢れるもの、その実直に彩られたヨーロピアンスタイルのサウンドは、無機質なソリッド感と憂い溢れる情緒が絶妙なバランス感覚を伴い絡み、音楽性に深みを与えている。
メタル特有のドラマ性、その広がりのある激奏激音にカタルシスを感じます。
既に1986年でも古臭い、古典スタイルを真っ向勝負で挑んでいるからです。ここまで、丁寧に作り込み細部に拘られたらメタルを愛するものとしてグッときますよね。
パッと聴けばスピードが足りない、地味だと感じるのだろうけど、2枚目にしてドーンと構えた牢名主感に、不敵やなぁと思いましたね。
2019年に我が国でライブを行い、記念すべきライブ盤もリリースしている、オランダの生ける伝説。愛すべき正統派スタイルに拘りを持つマニアなら、一度はトライして頂きたいバンドですよ。


WARRANT - Born Again ★★★ (2020-07-07 13:08:16)

メタルバブル末期に登場、その恩恵をギリギリのところで受け、またシーンの活性化にも貢献した彼ら。看板シンガーの脱退、音楽性の変貌など、苦難の時期を乗り越え辿り着いたのが今作。
既にシーンの中では、昔の音楽性に戻る時期でもあった、CDを売るのではなくライブ興行に活路を見出すバンド運営。会場に訪れるオジサンたちをもてなすには、往年のスタイルへの回帰は必然だったと思われる。
そんな時期でのリリースだけに、このバンドも昔のスタイルへ帰還。メンバーもヴォーカルを除き黄金期へカムバックとお膳立ては揃っている。
流石に、まんま80年代なんて馬鹿げた選択はしていないので、2000年以降のスタイルを取り込み自分たち流儀に再構築。あの声あってのバンドだなぁという、無いものねだり感は膨らむのだが、ヘヴィでルーズな現代的ロックサウンドは、古典と向き合い新しいスタイルを披露してくれた。
少しでもモダンな匂いがすればアレルギーを起こし犯罪者と罵りたくなる、潔癖症の方には、当然進められるものではないが、順当に育んできた音楽性、これはこれでありでしょう。古いことをそのまんまやらなくてよかったです。


GOATCORE - Goatcore ★★ (2020-07-07 12:55:35)

Vo.山羊智詞、G.足立祐二、B.MARRY、Ds.梅田一哉の4人からなるパンクロックバンドの1st。刺激的な歌詞やパンキッシュな音楽性、そこに心を込めて叫ぶ歌声、ドラムも直情的で派手なビートを刻み、ベースもテクニシャンぶりを発揮、一筋縄ではいかない多様な音楽性を放り込み、各々が自己主張を繰り広げている。歌い手も、迫力満点の凄みを魅せるが、ジャパニーズロックの範疇から飛び出すものではない。そこに足立のギターはアヴァンギャルドな要素を強めで放り込み、このバンドでしか味わえない闇鍋サウンドが完成。次に何が飛び出すか分からないハイセンスさと、この手の音楽に造詣がないので形容しがたいのだが、独自性をアピールしていると言えよう。
7曲入りのアルバムを残し割と短命だった活動。その為に、イマイチ知られていないのだが、クロスオーバースタイルのハードサウンドもイケる方ならチャレンジする価値はあるかと思います。


TONY IOMMI - Fused ★★★ (2020-07-07 12:41:38)

2005年と言えば混迷するメタルシーンの中にあって、少なからず原点回帰を思案するバンドも増える時期だった。そんな
何かが起こりそうな時代にリリースされた、ブリティッシュロックレジェンド二人によるプロジェクトアルバム。

うねりを上げるアイオミのギターに絡むは我らがヴォイスオブロック、グレン・ヒューズの降臨。既にこの二人のコラボレーションから派生されるマジックは体感済み、あとはどの音楽性に照準を合わせ展開するかだが、ここでは、むやみやたらに若者を意識したスタイルは排除、勿論、2000年以降のヘヴィロックスタイルではあるが、アイオミのイメージを壊さない重厚なサウンドを披露。様式美系ではない暗黒ヘヴィロックでおもてなしです。

ロニーやマーティンと比べ憂いのないグレンの歌声、軽さという点ではオジーと変わらないが、オジーとは比較のしようもないほどテクニシャン。その技巧面を情感を乗せてコントロール、多種多様な楽曲の中でファンクを抑えロックシンガーに専念、まさにヴォイスオブゴットぶりを魅せつけてくれます。
前半の今風ヘヴィ路線よりも中盤以降のメロディを生かした楽曲の方が両者の特性と思惑が合致しているように感じるのも、このアルバムのお楽しみの一つ。この二人のコラボには、まだまだマジックは存在するんだという事を知らしめてくれた。類まれな表現力を持ち合わせた歌唱力、その存在感に驚かされるのだが、それにも負けず、アイオミが自分の色を無理なく打ち出し究極のマッチングを見せてくれた。
ヘヴィな部分と叙情的なフレーズの出し入れの上手さ、テクノロジー頼みではない生身の温かさがあるのが良かった。


WHITESNAKE - The Purple Tour - Burn ★★ (2020-07-05 20:04:22)

20年は前に歌えなくなった曲をライブの頭に持ってくるとは正解だったのか?
ギターチームは新しい解釈で挑みクラシックソングに花を添えている
グレン・ヒューズは今でも歌えるがカヴァーディルの凋落ぶりに溜息しか出ません
ロックミュージシャンの現役引退
KISSも辞めるしなぁ
難しい局面を迎えていますね
バックの演奏はエネルギッシュ


IMPELLITTERI - Venom - Face The Enemy ★★ (2020-07-05 19:58:14)

速さやオペラティックな歌唱だけがインペリテリではないと言いたげですね
こういう曲のPVを作ったフロンティアは偉い
サビもギターソロ&その前もいつものパターンです
これがインペリテリ節ですね
類似曲が多すぎるので素直に耳に入ってきませんが
お約束こそインペリテリなので問題なし
これについてこれなければ何も耳に入ってこないアーティストである


TRIXTER - Trixter - One in a Million ★★★ (2020-07-05 19:49:22)

爽快感のあるメロディの中にある刹那
この甘酸っぱさが王道アメリカン色を強めています
メロディ派なら手を出したくなる曲でしょう
ベタに適うもんなし


VINNIE VINCENT INVASION - All Systems Go - That Time of Year ★★★ (2020-07-05 19:44:39)

メロウなハードナンバー
マークもキンキンのハイトーンを抑え男らしく迫っています
これくらいの方がセクシーな声も生きてきます
サビもエエねぇ
洗練されているが男前のハードスタイルを前に出しているのも好感が持てます
売れ線志向の曲ですが
じっくりと耳を傾けたい魅力が満載です


ANNIHILATOR - Ballistic, Sadistic - Psycho Ward ★★★ (2020-07-05 19:34:38)

初期の頃のエッセンスが強めのアルバムだけに
複雑な構成と王道メタルスタイルを上手くハイブリットさせている
この曲に限らず昔の名前で出ています的な匂いがするのだが
こういう曲は嫌いになれません
懐かしいわ
でも潔癖な方ならアルバムの3曲目ですが不安になるでしょうね。


ANNIHILATOR - Ballistic, Sadistic - Armed to the Teeth ★★★ (2020-07-05 19:32:04)

拘りの構成もあるがキャッチネスさも同じくらい前に出している
複雑なのに聴きやすい
これもメタルの楽しみ方です
このリズミカルなグルーブに体が動き出します
もっとエキセントリックなプレイが欲しくなるのも彼らが凄い技巧派集団だか
上手いって事は素晴らしいねぇ
余裕綽々なんだよなぁ


GRAVE DIGGER - Healed By Metal - Lawbreaker ★★★ (2020-07-05 19:22:28)

何かに似ているなぁなんてアラ探しは御法度のバンドなのです
ですからこれで良いのです
シンプルかつ耳なじみの良いリフワークから弾き出される王道メタルサウンド
パワフルかつ勇壮なバンドサウンドは彼らの真骨頂
この気骨溢れるメタルスピリットと覚えやすいリフレインの大導入
色んな意味でメタルの中のメタルを味わえます


CRAZY LIXX - Ruff Justice - Wild Child ★★★ (2020-07-05 19:17:38)

やりにいっていますねぇ
完全に狙いすましています
ハードでワイルド
そしてビックコーラスをぶち込みメチャクチャ耳なじみが良い
売れるぞー
この心意気に一票を投じます
カヴァーディル雄叫びシャウトもカッコいい


TWISTED SISTER - Love Is for Suckers - Hot Love ★★★ (2020-07-05 19:10:45)

80年代の音やでぇ
イントロを聴くだけであの時代にタイムスリップさせてくれます
売れ線ロックですが
漲るパワーにバンドの矜持を感じます
俺たちはメタルバンドだと高らかに叫んでいますよ
皆で口ずさめる
これぞパワーポップって呼びたいね


U.D.O. - Steelfactory - One Heart One Soul ★★★ (2020-07-05 19:03:56)

メタリックな哀愁のメロディ
この扇情的なフレーズにウド印を感じます
お得意のメランコリックなメロディをぶち込み
悲壮感を漂わせ力強く突き進んでいきます
こういう曲にウドの声は良く似合う
お約束感満載なのが逆に大好き


DORO - Forever Warriors - All for Metal ★★★ (2020-07-05 19:00:18)

新たなるメタルアンセムの誕生
皆で拳を振り上げシンガロング
国籍も性別も肌の色も関係ないメタルソング
メタルを愛するものなら肩を並べ酒を酌み交わし
一緒に歌い叫びたいね
ALL FOR METALとね
こういう曲が死ぬほど好きです
理屈抜きに大好きなんですね
PVもエエわ


TOKYO BLADE - Ain't Misbehavin' - Heartbreaker ★★★ (2020-07-05 18:49:59)

もったいつけた長めのイントロも悪くない
こういう方向性に進んだかと驚きはあるが
英国らしいどんより系の煮え切らないメロディ
フックはあるがヌルっとしているのがやっぱりだよなぁ
荒っぽいギターもNWOBHMファイターの矜持
なんだかんだで今でも聴くアルバムのオープニングナンバー


PALE DIVINE - Thunder Perfect Mind ★★★ (2020-07-02 18:31:51)

ペンシルベニア州が生んだ正調ドゥームバンドによる1st。ドゥームサウンド特有の濃密に絡みあう灼熱のヘヴィグルーブ、そこざらついた荒っぽい歌声が乗り、沁み込んだブルース臭が何とも言えな味付けを施し、グイグイと迫るギタープレイも理想的ともいえる仕様。とにかく音数で勝負するのではないシンプルさ、演出を必要最小限に抑えつつも、演者が個性をぶつけ絡み合う事で弾き出されるエネルギー、その佇まいは実に地に足の着いたものだ。
これぞロックと言える武骨な粗さと、重々しいサウンドの隙間を駆け抜ける殺伐とした荒涼感、売れる事とは別のベクトルは放つ姿勢に、リアルロックファンなら大いにシンパシーを感じるでしょう。
70年代ロックから洗礼を浴びた若者たちが紡ぐ混沌としたロックサウンドの凄み、彼らが奏でる重心低く迫る激渋ヘヴィグルーブに肩までつかり、深く沈み込んでいきます。


PRETTY MAIDS - Undress Your Madness (2020-07-02 17:58:19)

欧州のメタルシーンの重鎮と言っても差し支えのないベテランバンド。メジャーシーンとの戦いの上で試行錯誤を繰り返してきた彼らだが、2019年のアルバムは大胆に売れる音楽性に舵を切っている。
若い人は知らないかもしれないが名盤『Jump the Gun』がリリースされた時など、軟弱になった、ロジャー・グローバーに殺されたとか、売れ線になびきやがってと、一部のマニアから強烈なダメ出しを受けたのですが、今作など、そんな賛否があったなんてことは木っ端微塵に吹き飛ばす、ハイパーメジャーハードポップウルトラヒットアルバムに仕上がっています。頭から数曲聴き、もうそろそろエンジンがかかるだろうと待っていたら、そのまま最後までラストラン完走。
これじゃ、BON JOVIのヨーロッパヴァージョンだよと、思えるほど、売れるたいアルバムである。
いつノーラ・ローヒモが歌いだすんだと、思えるほど今のシーンを打ち抜ている。ここまでやり切ったら文句は言えません。あとは個人の趣味嗜好の問題。とにかく今すぎる。

個人的には、貧乏くさいB級NWOBHMとか、シコシコ聴いて喜ぶたちなので、この売れたい音に、メタルバンドが持ち合わせる、聴き手を熱くさせるカタルシスはないが、プリティメイズの若さに驚かされました。本当に圧倒されましたね。
自分たちの伝統などお構いなしの姿勢に感服しました。何事も中途半端は良くない、ここまでやり切らないとね。

叩き上げバンドによる熱量の高いハードサウンドを期待するマニアにとっては眠くなるようなポップス志向ですが、歌モノが好きな人なら大いに楽しめるでしょう。

でもロニー・アトキンスもケン・ハマーも必要ないアルバムではある。そこが賛否を大きく分けるでしょうね。前作にあった牙がないんですよね。野心もないんですよね。売れたいだけしか感じないんですよ。そこが痛々しい。Frontiers Recordsの悪いところでたなぁ。