刻みまくるリフはスラッシュならでは、その中に叙情的とも言えるスピーディーなソロパートを持ち込むギターワークの旨味、じりじりとした焦燥感を煽りまくるリズムプレイの盤石さ、スラッシュメタルの攻撃性を見事に補完している。アルバム一枚を残し解散した為に、今や忘れ去られた存在だが、2007年にポーランドのMetal Mindからリマスター再発。そして2018年には High Rollerからも再発されていますので、ベイエリアとは違う欧州ならではの真骨頂を味わって欲しい。
参加メンバーはコチラです 1. Rock Of You Like A Hurricane (Bobby Kimball) 2. Passion Rules The Game (John Parr) 3. Loving You Sunday Morning (Michael Voss) 4. Is There Anybody There? (Alex Ligertwood) 5. You Give Me All I Need (Don Dokken) 6. Make It Real (Doogie White) 7. Dynamite (Johnny Gioeli) 8. Arizona (Thomas Perry) 9. Love Is Blind (Paul Shortino) 10. Don't Make No Promises (Jack Russell) 11. Falling In Love (Gary Barden) 12. Another Piece Of Meat (Tony Martin) 13. Animal Magnetism (Michael Nagy) 14. Let It Shine (Al Crespo)
THE MAN自体が究極のトリビュートバンドという立ち位置の為に、全曲カヴァーとなっているが、これが興味深い。ある意味、ベタ過ぎて避ける曲などが中心の為に、いささかフレッシュ感は少なめとなっているかも知れないが、個人的には逆に、ここまで素直な曲が多いと興味も倍増。ANTHEM組がJPの曲をどう料理するのか楽しみで仕方がありません。柴田直人の趣味嗜好を考えれば以外ではないのだが、やはりHEEPのJULY MORNINGなど、キーボードのYUHKIなしには成り立たない予想外のカヴァーもあり興味は尽きない。
まずは一部のマニアを覗いて評判の悪いJUNP THE GUN時代を彷彿とさせるナンバーの登場に驚いた。そこに最新のテクノロジーを導入しているのだからパワーメタル路線を期待するファンにとっては肩すかしを喰らうだろう。次の②も同様の路線となっているのも同じく驚きである。ケンとロニーの二人のアイデアなのか?それともレーベルの意向なのかは想像でしかないのだが、今や盟友と呼んでも差し支えのない、自身もミュージシャンでありギターも唄もやる、プロデューサーのジェイコブ・ハンセンの助力によるところは間違いないだろう。 古さに埋没しない現代的なサウンドプロダクション。その為に全体的に軽めに仕上がっている。ギターもシャリシャリとしたものとなり、ファットなへヴィサウンドとは一線を画すものである。全てにおいてワールドワイド仕様の為に、このバンドの個性と言うのが薄まっているのも残念だが、今の時代にアジャストしつつ、自らが求められるブランドへの過渡期と考えれば大いに納得出来るだろう。 JUNP THE GUNはロジャー・グローバーを迎え威厳溢れる正統派スタイルへの接近だった。それまでの彼らにあるポップフィーリングと欧州的な香り、そこにハード&へヴィを持ちん込んだ初期の時代を上手く消化したものだった。今作も同じようなメロディアス路線だが、より現代的なへヴィサウンドとポップフィーリングを前面に出した作風であり、初期の頃とは完全に決別したものだろう。
バンド内のゴタゴタ劇。そして時代の流れというのも意識したのか、このバンド独特のクセの強さが薄まりスリルも減退したと言われるのだが、神出鬼没に飛び跳ねるギタープレイも妙技、複雑な進行や転調もバンド全員で難なく対応出来ており、巷で言われるほど酷い内容にはなっていない。へヴィなグルーブもあるが、メンバーチェンジがもたらした功罪と言えるのか、いままで以上に自由度が増し、シュミーア時代との違いを楽しめるかが最大のポイントだろう。トリッキーなギタープレイは遊び心も満載に映り、こじんまりとまとまった音質のせいで伝わりずらいが、垢抜けた印象さえ受けるんだから面白い。へヴィロックな如きのウネリ、スラッシーなキレ、損なわれなかった攻撃性にバンドの新しい可能性を発見する事が出来ました。トリッキーなフレーズも勿論だが、狂気の感じさせるリフワークなど、マイク・シフリンガーを中心にしっかりと、このバンドらしく仕上げてきました。 The Knackの大ヒットナンバー⑤のカヴァーなんて、今作ならではの遊びじゃないですかね。
日本のハードコア/パンクスを語る上では外す事の出来ないバンドTHE COMES。メンバーチェンジに伴いシンガーだったチトセ嬢を中心にバンド名を改名。音楽性もメタルよりのスタイルへと変換。オープニングの『I CAN BELIEVE ONLY MIND』などシンセに導かれスタートと、予想を裏切るようなドラマティックな楽曲を展開、ハードコア/パンクス時代の匂いを消す事に成功と、バンド名を変えてリスタートしたのは気の迷いではないと言う事を高らかに宣言していきます。 ドスを効かせシャウティングする唄もメロディを追いかけ日本的なスタンスでアプローチを掛けてきているのも印象的。メタルバンド的なアプローチとは、チョイと違う作り込も個性となり響いてきます。 80年代中期のGIRLSCHOOL的なサウンドとの類似性もあり、そっち方面が好きな方なら大いに楽しめるでしょう。弾けるジャパニーズパンクロックメタル。懐かしいなぁ。
90年代に入り、PANTERAの1stは強力だという人たちに出くわした。何を言っているのかと不思議な気持ちになったのだが、直ぐに理由が判明。メジャーデビュー盤のCOWBOYS FROM HELLを1stとして売り出したんですね。 今となってはそんな感違いを起こらないでしょうが、全米を席巻したようなグルーブメタルはやっていませんので気を付けてくださいませ。
ヴォーカルの持って生き方などジョー・エリオットに似ていると言われたりと、音楽性も『On Through The Night』似ていると言われたりするのだが、あそこまでの完成度はなく、自主製作盤ならではの緩さのある若気の至りが詰まったデビュー作。他のアメリカンロック勢のような陽性な雰囲気よりも、根暗な部分もあったりと自分達の空気感を出そうと工夫しているのがポイント。 演奏も稚拙な面も目立つが、ギターヒーロー然とした技を披露するリードプレイなど面白みはある。また楽曲もバラエティに富んでおり、試行錯誤と言うよりもありったけのアイデアを全て披露したという感じなのも好感が持てますね。華やかなL.Aスタイルとは違うがメインストリームを無視していないのもテキサスならではのなのかな? とりあえずギターが凄いってのは日本のインディ系みたいですね。