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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2301-2400

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ELIXIR - The Son of Odin - Treachery ★★★ (2019-01-03 12:10:58)

回転するリフワーク
けたたましいドラミング
激しくも重々しいへヴィなサウンドがカッコいい
英国的な翳りと哀愁NWOBHMな一曲ですね


PRAYING MANTIS - Captured Alive in Tokyo City - Captured City ★★★ (2019-01-03 12:06:57)

幻の名曲をエンディングに収録とはね
泣かせる演出ですよ
マンティスファンにとっては思いで深い哀愁のナンバー
ゲイリー・バーテンが歌おうがなんだろうが
こうして日の目を浴びた事に意義がある


TANK - Sturmpanzer ★★ (2019-01-03 12:00:06)

アルジー・ワード一人で作り上げた、もう一つのタンク。ややこしい事この上ないのですが、アルジーの不器用な歌声が看板だっただけに、武骨なメタルサウンドに、この声が乗っかればTANKらしさも倍増だ。
全般的な詰めの甘さや、デモ音源的な手触りから抜け切れていないように感じるのだが、初期のパンクスピリットからNWOBHMを抜けた叙情派風味満点の時代までを網羅した作風は、アルジーファンなら大いに楽しめるでしょう。

1979年に勃発したNWOBHM、ことして40周年を迎えます。アルジーには、もう一度、華を咲かせて欲しいね


BATTLEFIELD - We Come to Fight ★★ (2018-12-28 09:10:35)

女性シンガー、コーネリア・エルンストを擁するツインギター編成のスピード/スラッシュ系メタルバンドのデビューEP。シングルノートでガラガラゴロゴロと勢いよく突っ込んでくるが、かなりの粗削りなあらびき団ぶりを発揮する。でもそこがクサレマイナーメタルマニアのハートに火をつける要因。レコーディング技術やテクニックなどクソ喰らえと言わんばかりに、何かをブチ破ろうと型破りなスピード感に、色んな意味で擦り傷まみれの殺傷力がある。
スピードに特化したスタイルではあるが、メロディに気を配しており、楽曲構成にも気を配っている。バランス感覚はけして悪くはない。自主製作故の脆弱な環境がポテンシャルの高さを生かしていない面はあるが、それで切り捨てるには惜しいサウンドだ。
日本でいえばメジャーデビュー前のAIONとかを思い出す、攻撃性とメロディのバランスには通ずる要素もあり、日本人的な感性でも楽しめるだろう。ドイツ産と言うのも、そういった要因なのかもしれない。身も蓋もないスピード命な作風は、5曲入りのEPとしてはギリセーフ。7曲入りなら飽きるだろう。そんな音楽性もまた、クサレマニアにはたまらんのです。初心者厳禁なアングラメタルに興味のあるスピード狂なら楽しめるでしょう。


ZED YAGO - Pilgrimage ★★★ (2018-12-28 08:40:44)

デビュー作である前作に『The Flying Dutchman』という曲があるのだが、このバンドにとっては、このタイトルに全てがある。有名な幽霊船の話でパイレーツカリビアンのジャック・スパローのキャラ設定になども影響を与えている。その船長がオランダ人なのだ。そしてこの話をテーマに有名なクラシックの作曲家ワグナーがオペラを創作、そのコンセプトをバンドに組みこみ音楽性を作り上げたのがバンドの成り立ちとなる。前作もコンセプト色を感じるが、今作もその流れを継承。
そしてオープニングからワグナーの曲を引用したりと、シリアスな鋼の硬質サウンドを披露。欧州的翳りのあるメロディと光沢のある艶めかしいサウンドは唯一無二の個性を放っている。
英語が分からないので、どこまで幽霊船に拘ったストーリー展開が行われているか見当もつかないが、DIO風の正統派サウンドは、十分すぎるほどの世界観を演出している。当時日本一権威のある雑誌では、そんなコンセプトには触れずに、歌がイマイチと言われ低評価を喰らったアルバム。だから輸入盤市場でも動きが悪かったと言うが、結局バンドは、今作リリース後にレーベルとの関係もこじらせバンドは解散。短命に終わったが為にイマイチ認知されなかったというのもマイナーな存在で終わった要因だろう。
シンガーのユッタ嬢は、新たにVelvet Viper結成へと動き出す。こうして改めて音源に触れると、ある意味、このバンドはVelvet Viper前身とも言えるだろう。
ダークな設えの叙情派メタルサウンドが好みの方なら大いに楽しめるでしょうね。


ZED YAGO - From Over Yonder ★★★ (2018-12-27 01:52:32)

ドイツロック界の草分け的な女性シンガーのユッタ嬢がフロントを飾るバンドの1st。オープニングから堂に入った本格派の王道HM/HRサウンドを披露。歯応えのあるハードさとダイナミズムに仰け反ります。次の②はオペラと言うのかシンフォニックな楽曲を用意、歌はなく語りで終わりへヴィな③へと流れてきます。
欧州的な叙情性とミドルテンポ中心の楽曲はパワーが漲っている。歌メロも練り上げられており、②で魅せた展開が他の楽曲にも通ずる面があり、大げさではないがドラマを感じさせるパートもあったりする。
演奏は至ってシリアス、大真面目な展開はドイツのバンドらしい生真面目さが前に出ているが、派手なギターソロなど印象的なパートも用意されており、速さを求める方にはウケないだろうが、DIOなどに代表される、メタリックな質感と様式美然とした世界観が好きな人なら大いに楽しめるでしょう。
CHASTAINのようなギターヒーローはいないが、バランス感覚は負けてない。同系統ならUS産のHELLIONよりも情緒があるので、このバンドの方が好みだ。ミドルテンポ中心でも最後まで聴かせた手腕は褒めるべき点、そしてパワフルな楽曲に負けない歌声あっての評価でもある。やはり正統派は歌が命と思わずにはいられませんね。


BRESLAU - Volksmusik ★★★ (2018-12-27 01:31:06)

ドイツ人ギタリスト、アレックス・パルシュ率いるバンドの1st。ここでフロントを飾るのが、Velvet Viperユッタ・ウェインホールド嬢です。リリースは1982年ですから、彼女はキャリアのあるシンガーとして今でも現役とは驚きましたよ。
ここで聴けるサウンドは古典的なハードサウンド、パワーコードをかき鳴らすブルースベースの縦ノリロックサウンドは、AC/DCなどに代表される陽性なヤツです。これといって大きな仕掛けもなく淡々と進む構成は普遍的なロックサウンドが好物の人にとっては、おかわり自由の食べ放題感覚でご機嫌でしょうが、苦手な人にとっては、味も素っ気もありゃしない雑な大味サウンドとなりますので、趣味趣向によって大きく評価を分けるでしょう。ましてやドイツ語で歌っているので、語感が気になる人なら尚更です。

主役のアレックス氏もテクニックで勝負するタイプではないようで、その渋さを讃えたギタープレイはブルースベースだが、太くてコシのあるトーンを響かせ、多彩なフレーズを盛り込んでくる。誰が聴いてもノレるような王道スタイルを派手に盛り込み、渋さと同じくらいギンギンに聴かせてくれる。古典的なハードサウンドマニアには、行きつけの大衆食堂のような居心地の良さがあるでしょうね。


LONE AGE - Mama Look at Me Now ★★★ (2018-12-27 01:08:55)

Zed Yagoのギタリスト、グナール・ヘイセが中心となり結成されたバンドの1st。ここで聴けるのは厳つ目のメタルサウンドではなく、グナールのエモーショナルなギターをフィーチャーしたオーソドックスなサウンドを披露。狙うはWHITESNAKEのような味のあるスタイルへと向かっています。
適度なポップさとハードサウンドは聴き心地も上々で、個性は薄いがソツなく纏めた手腕は見事。有名なメンバーがいなくとも、実力者が集えば、これくらいの出来栄えは当然なんだと言えるほど、注文通りの音楽性だ。
ダイナミックなロックサウンドに、時折絡ませる爽やかさも悪くない、むしろポップな隠し味を際立たせる薬味としては持ってこいとも言える調理の仕方も上手い。
凝ったアレンジなど導入しなくとも充実したアレンジと演奏力は、派手さはないがワイルドなロックテイストも十分に感じさせる。
全体的に個性不足で平均点と言えなくもないが、今のご時世、こういった普通のサウンドは、ある意味貴重である。リリースが1992年、当時でも絶滅に瀕していたサウンドだった。
チョイブルージーな普遍的HM/HRが好きな人なら大いに楽しめるだろう。


VICIOUS RUMORS - Warball ★★★ (2018-12-26 02:18:47)

US産パワーメタルの最高峰に位置する伝説のバンドによる原点回帰を告げるカムバック賞アルバム第一弾。90年代から始まるへヴィネスブームに飲み込まれ、初期のファンにとっては迷走期と呼べる時代からの脱却に歓喜ですが、それ以上に嬉しいのは、過去にすり寄るだけではないモダン時代も無駄にはしていないアレンジが見事。このアルバム一枚で喧嘩別れした実力派シンガーのジェイムズ・リヴェラも素晴らしいパフォーマンスを披露と、天国のカール・アルバートも成仏出来たでしょう。彼の没後は、それくらい本分を見失っていたと酷評されていましたからね。

このバンドの魅力とは何か、それはへヴィでアグレッシブなサウンドだが、メロディアスな側面の失わないと言うバランス感覚が最大の売りだった。活きのいいリフワークとアイデア豊富なツインギターの絡み、ジェフ・ソープのキレまくりのシュレッドギターもハマり、多くの場面でスリリングな見せ場を作りだしている。ダイナミックなのにキメの細かいサウンドはメタルな耳には、この上なく心地が良い。へヴィでダークだが、聴きやすく感じるのも、このあたりのアレンジがキマっているからだろう。

JPなどの先人達が築き上げたスタイルを研磨した2000年以降の正統派メタルのあり方を提示してくれた起死回生の一撃。往年のリズム隊も復帰なども、話題性だけではなく本当の意味での復活作となった。


METAL CHURCH - A Light in the Dark ★★ (2018-12-26 02:00:22)

パワーメタルよりのスラッシュサウンドが売りで、緊張感の高い演奏と緻密な構成力、そこにダークな設えを施し聴き手をグイッとねじ伏せるようなパワーフルサウンドを聴かせるバンドだった。時代の流れもありバンドとしての存続は難しく活動は尻すぼみ1995年にバンドは解散となるのですが、98年には早々と復活とベテランバンドとして細々ながらも活動を継続していました。
今作で歌うマイク・モンローも歴代シンガーに負ける事のないパワーヴォイスを披露、一癖も二癖もあるMetal Churchサウンドとの相性も上々だ。
全般的に地味目の作風なのは欧州基盤の正統派メタル路線を突き進んでいる為、ましてはUS産のパワーメタルと言えばこういう、生真面目なスタイルになる、OMENあたりも愛想の良くないサウンドだが、そこがUS産ならではの魅力なんだと思う。日本人的には、フックに乏しいとなるので、イマイチウケが良くないのだろう。
タイプの違う曲を揃えた頭4曲の流れも悪くないし、繊細さも加味された質実剛健サウンドの⑤、10分弱の大作だが場面展開も多く、ダレる事無く最後まで聴かせる⑥など、パワー&スラッシュではないが、全盛期のQueensrycheがBlack Sabbathをカヴァーしているようで面白い。その後に続くリズムカルな⑦、キャッチーさも加味した拘りの⑧と流れ良く進む。
全般的な地味さと、キメ技一発の大技をかましてくれると良かったのだが(タイガーマスクや藤波との遺恨で話題を呼んだ長州力などの影に隠れた、キャラの薄い木村健悟が人気を得る為に、無理やり編み出した稲妻レッグラリアットのようなヤツね)
学生街にあるワンコインで腹いっぱい食わせてくれる食べログ無用の大衆食堂のような、変わり映えのない、これぞメタルな安定感はある。それが最大の聴きどころだ。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - We Wish You a Metal Xmas and a Headbanging New Year ★★ (2018-12-23 17:23:06)

豪華アーティストが一堂に介したクリスマスを祝うコンピ作。

1.We Wish You A Merry Xmas (Jeff Scott Soto / Bruce Kulick / Bob Kulick / Chris Wyse / Ray Luzier)

2.Run Rudolph Run (Lemmy / Billy F. Gibbons / Dave Grohl)

3.Santa Claws is Coming to Town (Alice Cooper / John 5 / Billy Sheehan / Vinny Appice)

4.God Rest Ye Merry Gentlemen (Ronnie James Dio / Tony Iommi / Rudy Sarzo / Simon Wright)

5.Silver Bells (Geoff Tate / Carlos Cavazo / James Lomenzo / Ray Luzier)

6.Little Drummer Boy (Doug Pinnick / George Lynch / Billy Sheehan / Simon Phillips)

7.Santa Claus Is Back in Town (Tim "Ripper" Owens / Steve Morse / Juan Garcia / Marco Mendoza / Vinny Appice)

8.Silent Night (Chuck Billy / Scott Ian / Jon Donais / Chris Wyse / John Tempesta)

9.Deck the Halls (Oni Logan / Craig Goldy / Tony Franklin / John Tempesta)

10.Grandma Got Run Over By A Reindeer (Stephen Pearcy / Tracii Guns / Bob Kulick / Billy Sheehan / Greg Bissonette)

11.Rockin' Around the Xmas Tree (Joe Lynn Turner / Bruce Kulick / Bob Kulick / Rudy Sarzo / Simon Wright)

12.Happy Xmas (War Is Over) (Tommy Shaw / Steve Lukather / Marco Mendoza / Kenny Aronoff)

13.O Christmas Tree (Doro Pesch / Frankie Banali/ Michael Schenker / Tony Franklin)

14.Auld Lang Syne (Girlschool)

これだけの曲とメンバーが揃えばメタルなクリスマス気分を存分に楽しめるでしょう。みんな大真面目にクリスマスソングを自分たち流に染め上げています。


TREAT - Coup de Grace ★★★ (2018-12-22 07:12:50)

時代の流れに抗う術もなく解散に追いやられたバンドは数知れず。北欧のTreatもメインストリーム寄りのバンドではあったが、萎んでいくシーンの中でフェードアウト。そして2010年にリバイバルブームの追い風もあり、再始動を果たす事となる。シンガーとソングライティングチームの復権はファンにとっては期待も大きいでしょうが、今作の変貌ぶりにも驚いた。
デビュー時から常に○○風のイメージが強かったバンド。作品前に時代の流れを読み、どれがTreatなのかと言いたくなる楽曲も多く4thなどかなり、やりに行ったアルバムであり、売れる為ならば、なりふり構わないという姿勢も伺える八方美人バンドと言えるようなメインストリームロックであった。
今作は、洗練されたメジャー感を武器に、過去にはない自らのアイデンティティが息づいている。3rdの後にリリースされるのは、こういったサウンドじゃなかったのかねぇと言いたくなる充実した内容になっています。

欧州的な泣きメロを生かしたフックに富んだ哀愁のメロディとメジャーな洗練度。紆余曲折を経て辿りつたいた音楽性が過去一番個性的であり、北欧のバンドらしさを感じさせるとは因果を感じずにはいられません。漫画ベルセルク風に例えるのなら、これも不文律という奴なんでしょう。
過去の作風を期待すると、かなり冷ややかなメロディが強調されている為、違和感を覚えるかも知れませんが、北欧メタルが好きな方なら安心して楽しめるでしょうね。


TREAT - Treat ★★ (2018-12-22 06:43:26)

デビュー時からアメリカンロック志向が強かった北欧のバンド。作品を重ねる度にメインストリーム寄りの作品を連発、前作など良く言えば間口を広げた、悪く言えば散漫になった、そんな印象を強めた中でシンガーが元Swedish Eroticaのマッツ・レヴィンに交代。察しの早い方なら音楽性が、どっちの方向に進んだかは分かるでしょうね。
そんな予想通りの作風に舵を切ったアルバム。時代は1992年ですからね、メインストリームと言っても華やかなサウンドではなくへヴィでグルーブ感の強いサウンドが主流、彼らもその路線にならい方向転換です。
頭3曲が余りにも今までの流れと違うために多くのファンは戸惑ったでしょう。個人的には前作もかなり前半、やりに言っているので正直言って驚いていない。むしろアルバム全部、琴線に引っ掛かる事など皆無なので問題では無かったりする。

④以降はマッツの骨太な歌唱スタイルも生きるエモーショナルかつグルーヴィーだがメロディは北欧産と言う離れ業サウンドを披露。アメリカン度は楽曲によって配分は変わるが、このあたりも前作の流れを踏襲しており驚く事ではない。大きな変化と言えば時代であり、このバンドは常に時代を見据え音楽性を拡散してきた主流派タイプと言えるだろう。
グランジ・オルタナブームをも飲み込もうとした頭3曲でダメージを喰らったファンは、ベホイミ程度の回復呪文では戦えない程の深手を負ったのだろうが、④⑥⑦⑩などはマッツ・レヴィン加入の意義を存分に味わえる楽曲が揃っていると思う。アメリカン志向と欧州テイストの融合。マイナーではなくメジャーな質感を明確に感じさせる楽曲は、このバンドの名に恥じない名曲でしょうね。

ちょっとでもモダン臭がしてきたら拒絶反応を示す潔癖なファンには薦めませんが、前作のように時代に合わせ変貌するのが、このバンドと思える方なら、92年仕様のTreatとして割り切り楽しめるでしょう。ワタクシも今回、久しぶりに頭3曲を聴きました。
重ね重ね言いますが④以降はアメリカンのバンドにはない、メロディセンスが味わえます。それが北欧でありTreatなんですよね。

そう言えばEuropeの再結成作もダークな70年代型ロックに回帰していたが、今作も同じような感覚で作り上げられたのかも知れませんね。実に興味深い仕上がりでした。


DREAM POLICE - Dream Police ★★ (2018-12-22 06:23:31)

オリジナルのリリースは1990年であるデビュー作。わが国では2年遅れの92年にリリースされるも、その時の帯タタキが凄い。
解散記念盤『ドリームポリスはこんなに素晴らしいバンドでした。』である。
91年に2ndで国内デビューを果たしプロモーションによる来日も決まっていた矢先の解散劇にリリース元もひっくり返ったでしょうね。契約してリリースしたのに金を返せと言いたいでしょう。エピックレコードもご立腹だったでしょうねぇ。
そんな短命なバンドだった為に、日本でもイマイチ認知のないバンド。音楽性も当時流行りのブルージーさも加味したアメリカンロック、所謂BACK TO 70’の煽りを受けたノルウェーのバンドでした。
オープニングからブルースハープも飛び出す乾いたサウンドを披露したりと方向性は完全に定まっている、パワフルだがエモーショナルな歌い手もロック然とした熱さがあり、この手の楽曲には良く似合う。バックの演奏も堅実で派手さはないが的確だ。北欧のマイナーバンドと言う匂いを全く感じさせないワールドワイドな作り込も上々、これならスカンジナビア半島を飛び出し活動も出来るでしょうと言いたくなる優れた一品です。
リリース当時は、この手のアメリカンロックは嗜好に合わなかったので完全にスルー、90年代の中頃まで無視でした。記憶では世界中から、バットボーイズ系のロックやブルースロックバンドは雨後の筍の如く世に氾濫していたのでね。

『Surrender』のようなゴスペル調のブルージーなナンバーや、スローバラードの『When The Sun Goes Down』、はみだし刑事情熱系(風吹じゅんです)なホットな熱情とクールな哀愁が調和したシングル向けの『Little Angel』などが好みなのだが、バンドの本分としては、アメリカンロック志向なので、90年代初頭のサウンドが好みの方はドンピシャでしょう。

バンド解散後、シンガーのルネ・アンデルセンはソロに転向、ギターのトロン・ホルターはティニーの愛称でWig Wam参加しています。


ANGELICA - Angelica ★★★ (2018-12-20 12:10:15)

カナダ出身のギタリスト、デニス・キャメロンの流麗なプレイを盛り込んだ叙情派歌モノ路線のバンドによる1st。裏ジャケなどにクレジットされるVoはAndy Lyonとなっているが、今作で歌入れしているのはロブ・ロックである。
インペリテリなどでハイトーンをかましまくっているロブだが、ここでは力む事無くリラックスした歌唱スタイルをとっており魅力的だ。歌を中心とした作りでも、俄然光り出すのがデニスのソロパート。もっとフィーチューしても良いのではと思うのだが、バンドとしてのバランスを大切にしているのか、出ずっぱりの目立ちたがりギターではないのは好感が持てる。
それだけに、もう少しリズム隊などの力強さが加われば、楽曲の中でもメリハリが際立つのだが、サウンドのソフトさ悪い方向に傾いてしまい、ダイナミズムに欠けている為、曲の良さが生きてこないのが残念。キャッチーでポップ性を強調したメロディラインの親しみやすさ、スリルと伴うギターが揃っているだけに、余計に気になる。
そんな欠点をも補うのが歌心溢れるギタープレイに尽きるのだが、そこの魅力を見出せるかがポイントだろう。ロブのハートウォームな歌も新鮮な響きを与えてくれ楽しみも倍増出来る、多角的な魅力を内包した優れた一品ですよ。


BATON ROUGE - Shake Your Soul ★★★ (2018-12-18 16:11:37)

プロデュースのみならず楽曲制作にも大きく関わっているジャック・ポンティ。そのかいあってかフックに富んだ哀愁のメロディと纏ったサビメロ&コーラスワークが随所に張り巡らされ、熱を帯びた本格派のハードサウンドとの相性も上々で、クールでね熱情が激しく燃えがあるという抜群の相乗効果を生み出している。
タイトで堅実な演奏はライブで培ったもの、新人でも既に貫禄する漂っているのだからね、アメリカのバンドは本当にレベルが高いよ。
90年代を意識してるから当然、華やかで能天気とはいかない、だから軽薄さもなく豪快だが細部に渡り構成された楽曲の質は高いのだ。
しかし残念ながら本国でも時流の流れもあり売れず、日本でも酒井康氏の点数の割に辛辣な意見に引っ張られ、多くのアメリカンロックマニアからも支持を受けられず話題に上る事はなかった。本当に残念である。こういう質の高いバンドにであると出会うと、運も実力の内とは良く言ったものだなぁと感慨深い思いになりますねぇ。

能天気なパーティーロックは苦手だ。メロディアスだが泣きまくりの北欧や煮え切らない英国は嫌だ。そんな本格派のサウンドが好みの方には、楽しんでもらえる要素も大でしょう。硬軟交えたサウンドは聴き応えタップリですよ。


TREAT - The Pleasure Principle ★★★ (2018-12-18 15:22:37)

オープニングからアメリカン志向が炸裂、そして一聴して洗練度も上がっており、バンドとしての成長を感じさせます。キラキラとしてキーボードとビックコーラス、哀愁のあるフックなメロディと弾けるポップセンスも上々に嫌みなく聴かせてくれます。
北欧のBON JOVIとはよくぞ言ったもの、陽性ハードポップサウンドの合間に、北欧産ならではの哀愁路線のハードポップナンバーを巧みに盛り込み、BON JOVIの1stのようなスタイルへと昇華しています。
北欧の光と影を讃えた躍動する叙情派ハードポップサウンド、自身のアイディンティティを損なわないアレンジと溢れ出る透き通ったメロディラインは、爽快感とともに甘く切なく胸に迫ってきます。


TREAT - Scratch and Bite ★★★ (2018-12-17 17:12:48)

エキサイティングなサウンドが甘い衝撃を呼ぶ!スウェーデンのニューヒーロー”トリート”ワイルドでセクシーな甘い罠からは、逃れられない!!の帯タタキに、香ばしい青春時代の思い出が蘇ります。北欧らしい甘さと欧州風味満点の叙情的なメロディ、ライトな質感は大衆性を帯び、ヒット曲を生み出そうとする空気が充満している。
リリース当時、日本ではL.Aの次は北欧だと言わんばかりに、雨後の筍の如く、本国でもマイナーな存在を持ちあげリリースしていた。そんな後押しも大きく、日本では割と人気の高かったバンド。今作で聴ける北欧的ワビサビは、島国感情を擽る情緒があり、嫌みのないポップセンスとライトな感性は、甘美な叙情性を大きく魅せてくれる。同郷のDa Vinci辺りが好きな人はマストでしょう。

ちょっと盛り過ぎじゃないとの笑えそうな、帯タタキの文言も、アルバムを聴き進めるほどに、これ考えた人はセンスあるなぁと唸らせる秀逸なコメントでしたね。そして日本一権威ある雑誌の評価を真に受けたファンの多さによって(評論家に意見に流され過ぎじゃ)どっちつかずのバンドと酷評されてしまったデビュー作。
ハードさは薄いが北欧ハードポップらしい音楽性を体感させてくれる優れた一品である事は疑いようもなく、L.Aファッションに身を包んだ北欧サウンドと呼べるバランスの取れた名盤だと思いますよ。
CD化の際にシングルなどに収録されていた⑩『On The Outside』⑪『Danger Games』も追加。これがまたカッコいいんだよなぁ。


XYZ - Forbidden Demos 1985/1991 ★★★ (2018-12-17 16:48:04)

アメリカの正統派HM/HRバンドXYZの未発表曲とデモ音源を一まとめにしたコンピ作。18曲入りのボリューム感だが、ドン・ドッケンがプロデュースした1stの違いとか、硬軟交えたメロディアスアメリカンロックのカッコよさ満開の1986年前後の録音ものなど、彼らの音楽的変遷などを知る事が出来る貴重な一枚。デモと言っても十分、商品として聴けるレベルであり、おまけ程度のボートラとは一線を画すホンマもんのデモ集だった。
イマイチ、日本でも跳ねず、時代の流れ的に本国でもウケなかった。しかし地に足のついた音楽性と質の高いパフォーマンスは本格派のバンドの名前に偽りなし、へヴィで鋭角的なリズム説得力のある歌声、ハードなギターもソツなく纏め、バンド全体で勝負している姿は好感が持てる。
個人的には印象に残っていないが武富士のCMで使われたらしいHI LIFEがボビー・ピッパーとマーク・ディグリオがギターを弾く2ヴァージョン収録。マニア泣かせの選曲となっています。それにしても、このバンドは何故、売れなかったのだろう。アメリカ人が好きそうな大陸的なグルーブと、堅実なサウンドは大いなるセールスポイントだったと思うのだが?テリー・イルースも上手いんだけどなぁ


TREAT - Organized Crime - Gimme One More Night ★★★ (2018-12-17 16:26:47)

裏でなるキーボードもカッコいい
全体的なバランスと言う点ではかなり高い
今作に相応しい楽曲だ
コーラスワークなど北欧風味も満点
ブルージーな渋さと軽やかさが調和した隠れた名曲だ
地味だがアルバムには必要な曲です


TREAT - Organized Crime ★★★ (2018-12-17 16:23:04)

オープニングからブルージーな要素も加わり、前作以上にアメリカンな音楽性が増量。パーティーロック風味の②も北欧3割アメリカン7割ときて、またブルージーなイントロの③と進み、今までと明らかに感触の違うバンドサウンドを叩きつけ、やはり彼らが狙うのはアメリカ進出なんだろうと言う事が窺い知れますね。
北欧マニアとしては肩透かし感はハンパないのだが、寒々しい北欧サウンドの④、甘さとハードエッジさが絶妙な⑤と流れ、盛り返す事に成功。そのあともバランスを変えながら北欧とアメリカンをブレンドした楽曲を披露しながら最後まで進んでいきます。
どうしても散漫な印象を持ってしまうのだが、前作よりもサウンドメイクにメリハリが生まれロックなダイナミズムは増量、男前度も上がり、全てが絶妙に調和したメジャー級のサウンドへと昇華している。欧州風味とブルージーさも加味された前半も、ソツなくまとまっているし、突き抜けた部分はないが、安定感は過去最高だろう。


TREAT - Dreamhunter - The Winner ★★ (2018-12-16 16:11:15)

アルバムを閉める曲にしては地味だが
大陸的なグルーブも取り込んだミドルナンバー
アメリカンな雰囲気もあるが冷ややかさは間違いなく北欧のものだ


TREAT - Dreamhunter - Save Yourself ★★★ (2018-12-16 16:08:32)

北欧らしい魅力に溢れています
ブルージーな隠し味も効いている
世界戦略を視野に知れた味付け
国際色豊かなポップロックナンバー
キーボードの使い方など拘っている
シンプルなリズムと聴かせる部分の構成力の豊かさも絶妙だ


TREAT - Dreamhunter - Dancing on the Edge ★★★ (2018-12-16 16:04:14)

ゆったりとしたグルーブでも北欧の風を吹かせまくっています
中盤のインストパートなど北欧ブランド以外の何物でもない
スカンジナヴィアとアメリカ大陸の折衷サウンドですね
上手く調理しているよ
分かりやすいナンバーに隠れていますがイイ曲です


TREAT - Dreamhunter ★★★ (2018-12-16 16:01:30)

BON JOVIの三枚目の成功やEUROPEのスマッシュヒットなど、特にBON JOVIの勢いは凄まじく、音楽シーンを塗り替える事となり、多くのボンジョヴクローンを生み出す事になった。
デビュー当初からワールドワイドな活動を視野に知れていたTREATも、ここで一気に大衆志向と洗練度をアップ。キラキラとしたキーボードを軸に華やかなポップロックサウンドを披露。冷ややかなメロディは間違いなく北欧的だし、ロックなリズムとハードさも失わないオシャレなサウンドメイクは、いかにもメタルバブル全盛のスタイルだ。
しかし、このバンドからは北欧ならではの哀愁美と叙情的なメロディ、それらはまるで満点の星空に架かる七色のオーロラと例えられるほどの美しい情景を掴みとる事が出来ます。何を聴かせたいのか、自分達のアイデンティティは何処にあるのか、そんな自己主張と商業ベースが絶妙に乗った出世作。セールスに結び付かなくとも、我が国では好意的に受け止められビックインジャパンの名を欲しいままにしていましたね。


DON BARNES - Ride the Storm ★★★ (2018-12-14 15:47:55)

38Specialのシンガーとして知られるドン・バーンズのソロ。1989年にレコーディングを済ませるもお蔵入りしていた幻の一品が2017年にようやく世に出ました。
参加メンバーもマイクとジェフのポーカロ兄弟、ティム・ピアースやダン・ハフ、デニー・カーマッシ、キーボードではジャズ系で有名なアラン・パスクア、ソングライターチームもマーティン・ブライリーを中心に職人軍団が前面バックアップ。
メロディアスなサザンロックで知られる38Specialですが、今作は更に泥臭さを排除、無国籍とも言える洗練された味わいとロックな熱さが共存した、優れた歌モノ作品へと仕上げています。とは言いつつもドンが歌えば、サザンロックな渋みが漂う。
元のリリースが1989年ですから、その当時を想起させる懐かしいサウンドです。しかし、この手の音楽性に流行り廃りはありません。質の高い楽曲と堅実なパフォーマンスに彩られたサウンドに裏切りはありませんね。


PHIL LANZON - If You Think I'm Crazy ★★★ (2018-12-14 15:28:31)

かつてはセッションプレイヤーとして多くの仕事をこなし、今ではUriah Heepの鍵盤奏者として知られるフィル・ランゾンのソロアルバム第一弾。
類まれな才能を持ち合わせたフィル・ランゾン。Uriah Heepにおけるオーケストレーションなど、彼がいなければ実現できないのだが、今作でも、その能力を発揮。英国トラッド風味と壮麗なオーケストレーションを絡ませたサウンドは、何を聴かせたいかを明確に誇示しており、その高いドラマ性と、心に響く素直なメロディセンスが高次元で融合。大げさに成り過ぎないが、ドラマティックという離れ業を見事にやってのけています。
ローレンス・コッティルとクレイグ・ブルンデルの職人コンビによるリズム隊も、フィルと同様のセッションワーカー。ギターはIt Bitesのジョン・ミッチェル、彼を2曲リードシンガーも務めています。他にもエイドリアン・スミスのPsycho Motelで歌っていたアンディ・マキンも参加。フィルも2曲歌入れしています。
気心の知れた仲間で作り上げたフィル・ランゾン渾身のソロ作。よくよくクレジットをみるとKINOのメンバーとフィルが共演しているのだから、重厚なプログレサウンドも収録されるのは納得。緊張と緩和を上手く使い分けています。
至高のメロセンスと誉れ高き英国プログレハードサウンド、本家本元がやるんだから、悪いわけがないよね。


DAVE HILL - Welcome to the Real World ★★★ (2018-12-14 14:48:32)

DEMONの看板シンガー、デイブ・ヒルのソロ。オリジナルは1993年にリリース。その作品が2014年にリミックス&ボートラ4曲追加で復活となるのですが、まずは1993年にソロが出ていた事に驚いた。DEMONは1992年に『Blow-Out』をリリースしている。バンドの終焉はシーンの衰退とセールスを上げられない為のフェードアウトと思っていたが、DEMONのラストアルバムの翌年には。バンドのブレインだったデイブがソロを出している。しかも参加メンバーはDEMONのメンツだ。勉強不足で全く知らなかったですね。

出している音はDEMON時代から培われているポップセンスを生かしたブリティッシュロック。哀愁と英国的な翳りのあるメロディ、そこに絡むデイブのオッサン声、ソロアルバムの意味がないくらいDEMONに通ずる音楽性に終始している。
したがって時系列でバンドに触れてきたファンなら違和感なく楽しめるでしょう。こういう作風もありだと思えるはずです。いぶし銀のメロディアスロック。年季の入り方が違う、色んな方面に喰い込んで行けそうな魅力を孕んだ力作に唸りますね。分かりやすい派手なモノを好む方には、全くウケないでしょうが、マニアにはたまらんものがありますね。それにしてもデイブさんがソロ出していたなんで全く知らんかった。


HELLHOUND - Let Metal Rule the World - Mr. Heavy Metal ★★★ (2018-12-12 15:44:17)

リフにリズムとドが付くへヴィメタルサウンドだ
類型的なスタイルだが一歩間違えるとパロディになる
その難業をカッコ良く聴かせるセンスが素晴らしい
誰でも出来そうなスタイルだが実は一番難しい
そしてベタを極めないと
奇をてらった事も上手く出来ないんですけどね


HELLHOUND - Let Metal Rule the World ★★★ (2018-12-12 15:41:40)

海外での評価も彼らにとっては活動への意欲につながったのか、コンスタントに作品をリリース。今回も徹頭徹尾メタル愛に溢れたサウンドを披露している。多少音楽性の幅を広げている感はあるが、EDMのリズムを取り込んだわけでもない、永遠のメタルキッズにとっては一聴して身体に馴染む、あの王道路線をひたすら貫いている。
2014年にはへヴィメタルの聖地、ヴァッケンのステージに立ち、たった4曲の演奏だったのに観客を歓喜の渦に巻き込み、アンコールの声を上げさせたのは有名な話である。名前で音楽の良しあしが決まらない審美眼のある、メタルマニアなら必ずや満足してもらえるサウンドがここにあるだろう。へヴィメタルの名のもとに、剛直に繰り広げられる一代メタル馬鹿サウンドに、恋い焦がれますね。とは言いつつも、類型的なスタイルですから、飽きのサイクルは早いんだけどね。


U.D.O. - Steelfactory - The Devil Is an Angel ★★★ (2018-12-12 15:23:06)

切れ味鋭い勇壮なミドルナンバー
キャッチーな歌メロもブチ込み馴染みやすくしている
地響き男声コーラスも逞しさを倍増
流麗なソロもキマっている
どこを切ってもウドサウンド
ライブ映えするメタルアンセムだね


U.D.O. - Steelfactory - Rising High ★★★ (2018-12-12 15:19:20)

ベタ中のベタ
高揚感のある勇壮なメロディが駆け抜けるACCEPTスタイルを継承する
U.D.O.サウンドに悶絶
キメのフレーズなど泣きまくりのツインリードで聴きたかった
ソロもスリリングな掛け合いで聴きたい
その辺りの物足りなさを感じるのが難点


U.D.O. - Steelfactory - Blood on Fire ★★★ (2018-12-12 15:14:32)

ロシア人の血がこのメロディを奏でさせるのか
アンドレイのトリッキーなフレーズも魅力だが
ここで聴ける王道的なプレイも素晴らしい
哀愁を倍増させる男声コーラスの逞しさ
そしてウドの声も衰えを感じさせない


U.D.O. - Steelfactory ★★★ (2018-12-12 15:09:46)

近年のウドはACCEPTの曲だけのソロライブを行ったりと過去と真正面から向かってきた、それはもう2度とU.D.O.のライブではACCEPTの曲はやらないと言う決別の意味もある。そんな強い意志をもってリリースされた最新作は、初期の頃を彷彿とさせるような音楽性を取っており、本家よりもACCEPTしたサウンドを披露。剛毅でパワフルなスタイルだが、耳馴染みの良いポップセンスも巧みに散りばめ全ての楽曲をバランスよく聴かせてくれる。
シングルギター編成のため、やや深みに欠ける面はあるのだが、ウドの実子を新ドラマーに迎え活動出来るキャリアを汚す事無く、へヴィメタルの中のへヴィメタルな金看板サウンドを真っ向勝負で聴かせてくれる。
スリルは減退したが熟練度は上がった。次はツインギター編成でレコーディングに挑んで欲しい。

日本ではイマイチ人気の出ないU.D.O.。日本人の権威主義、これはDNAに刷り込まれたものだろう。水戸黄門の印籠にひれ伏すように、JPがストレートなスピードナンバーをチョロッとやれば、最高だと持ち上げられる。個人的には、その先入観と名前を捨てて音楽を聴いて素晴らしいと思えるかが重要なんだと言いたい。余計なバイアスは評価を見誤ってしまう。
へヴィメタルという名のもとで、今、もっとも信頼して聴けるバンドは、彼らをおいて他にいないだろう。これといった仕掛けや、目先の新しさなど必要ない。アルバムタイトルに偽りなしの、高品質作品を全世界に発送しましたね。


SABBRABELLS - Sabbrabells Complete Box ★★★ (2018-12-11 15:14:40)

配信盤が出ないので、我慢しきりれずに高価なボックスを買ってしまった。久々の大物買いである。個人的にはせっせと、彼らの作品をコンプリートしたので、大きく購買欲を擽られた商品ではないのだが、デジタルリマスターと大好きな4曲入りEP『Dog Fight』や貴重なシングル盤の『Dog Fight』がCD化された事は喜ばしい事だ。特にEPは名曲がずらりと並ぶライブでも定番の名曲集。
アグレッシブな『Metal Saber』やブルージーで感動的な『Water Night』、ダンサンブルな『Stop the Motion』、メッサーシュミットカミン、空を見ろ『Dog Fight』が高音質で聴けるのが嬉しい。
他にも未発表のライブ音源もあり、やはりマニアにとっては興味を擽られる一品だ。また新規さんには、このセットで彼らの魅力を文字通りコンプリート出来るのも素晴らしい出来事であり、手が出しやすい商品である。

BURRN!の藤木さんも同じ苦情を寄せていたよと、お知り合いに教えてもらったのだが、実はライブDVDに収録されているAll Night Metal Party '84 to '85の映像がイマイチ良くない。何故か音質が劣化しているのだ、映像も粗いしね。マスターテープの問題だろうが、今のテクノロジーなんで、もう少し立体的な音像で再現して欲しかった。

いずれにしろ、新旧のファンを満足される最大限の努力をした貴重な一品。どうせなら高橋喜一が引き連れた、もう一つのサブラベルズの音源&映像も収録して欲しかった。


THUNDERSTICK - Beauty and the Beasts ★★★ (2018-12-11 14:15:31)

檻の中で覆面を被った男がド派手なドラムを叩くパフォーマンスで話題になったサンダースティック。元アイアンメイデンのドラマーであり、脱退後はサムソンのドラマーとして知られている。どこかキワモノ的なイメージが付いたサンダースティックがサムソン脱退後に立ち上げたバンドがコチラ。キャラ設定のあるド派手なメイク姿もキワモノ感を継続、紅一点の女性シンガーもロック的と言うよりはセクシーな節回しで妖艶さもあり、キャラが際立っている。彼女の歌声も生かしたポップロック風味の強いサウンドは、グラマラスでありながらも派手なドラムを中心にバランスよく作り上げようと努力している。
真面目にオフザケしていると言える音楽性、その質は低いわけがないくキャッチーで聴きやすいハードサウンドは、色んな意味でキャラを際立たせた方向性と上手く絡み合っていた。
一発これといったキメ曲があれば、バンドとしての魅力も伝わりやすいのだが、真面目さが勝っていると思われ想像以上にしっかりとしたサウンドだった。
CD化の際にはEP+未発表5曲追加のタイトル『Echoes from the Analogue Asylum』という商品が流通されています。
英国ハードサウンドマニアなら、キャラの濃いサンダースティックさんを見逃すわけにはいきませんよね。ちなみにプロデュースや作曲の大半を手掛けるバリー・グラハムはサンダースティックの本名です。


HAMMERHEAD - The Sin Eater ★★★ (2018-12-11 13:57:58)

幻のNWOBHMバンドによる再結成後の2015年にリリースした2枚目のアルバム。レーベルは我らがHigh Roller Recordsとくれば安心して聴いていられます。英国風味満点の叙情派サウンド。そのどんよりと煮え切らないメロディにマニアならたまりませんが、彼らの音楽性は高いドラマ性も有しており7曲入りで60分をチョイ切るランニングタイムで、その中身の濃さを理解してもらえると思います。シンガーの歌い回しも含めトニー・マーティン時代のサバスを思い出しますが、あそこまで本格的ではありません。
ギターリフ一発に込められた情念、なんてことはないのだが若者には出せない渋みが、このバンドには宿っている。湿り気たっぷりの哀愁味と適度な隙間のあるサウンド、これぞブリティッシュという魅力に溢れている。
キャッチーで走り出す、サビでは大合唱、そんな一見さんにも優しいサウンドが主食の人には、到底すすめられないが、NWOBHMマニアにはたまらんでしょうね。


HELLHOUND - Metal Fire From Hell ★★★ (2018-12-10 15:44:36)

わが国が世界に誇れる地獄のメタル番犬、HELLHOUNDの2nd。デビュー作から世界中にいる流行り廃りに左右されないダイハードなメタルファンから熱烈な支持を受けていた彼ら、今作を引っ提げ海外のフェスにも参戦、ドイツで行われたKeep It True XI Festivalの熱演はライブアルバムとしてパッケージされている。
へヴィメタルのなんたるかを濃厚に抽出したサウンドは、一歩間違えればパロディだ。皆が名前を伏せているから余計に、その要素も強まる、大手メディアも相手にしてくれない。しかし、ここで聴けるサウンドは嘘偽りが一切ないガチンコのメタルであり、徹頭徹尾先人達が作り上げた様式に則り、自分達のスタイルとして提示してくれている。
へヴィメタルという言葉に恋い焦がれ、人生を生み外した猛者なら(アホみたいに作品を買ったりライブに行かなければ家が一軒立つってヤツです)必ずや胸に響くでしょうね。
ノスタルジーでは終わらない言い訳無用のガチンコサウンド、豪快に踏みならされるドラムの激しさ、重厚なラインを刻むベース、切り立ったメタルリフのカッコよさ、そしてハイトーンスクリームする歪んだ歌声、初期衝動を擽りまくるへヴィメタルサウンドに胸が熱くなりますね。
若い人にこそ、普遍的メタルの魅力を体感して欲しい。海外のアーティストではなく日本にもいるのだから。


DANGER - Keep out ★★ (2018-12-10 15:10:21)

北欧はスウェーデンの若手5人組が2004年にリリースした記念すべきデビュー作。ベタなバンド名にアルバムタイトルから、工事現場の立ち入り禁止のイメージしか出てきませんが、彼らが2004年に世に披露したサウンドは隆盛を極めた北欧初のメロデスでもなければ、ポップロックでもないガチンコの正統派HM/HR。ド頭から鋭利なリフワークが急降下するNWOBHM丸出しの疾走ナンバーで幕開け、その後も手綱を緩める事無くゴリゴリの正統派スタイルで勝負をかけます。流石デビュー作と言う事で、露骨な拝借や○○あの曲みたいだなぁと、気になる面はあるのだが、当時の世相を考えると勝負してきたなと応援したくなりますね。
音だけ聴けば北欧産とは思えないオールドスタイル、それはEUROPEの成功前に北欧シーンを映し出しているようで実に興味深い。


REACTION - 未発表demo (2018-12-09 16:44:08)

20090411とCDに刻印されている。斉藤康之追悼ライブで配布された未発表デモ音源

下記に収録曲と参加メンバーを表記します。

Non Title
Etarnal
狂った果実
Fallin'~キミノタメニ

Vo:木村 直樹
G:斎藤 "YASU" 康之
B:反町 "YUKI" 哲之
Ds:梅沢 "HIRO" 康博

再結成を果たしていたREACTION、シンガー以外はメンバーが再結集(加藤純也は引退している)。かつての勢いを取り戻したようなスタイルに進んでいるが、デモはデモである。
良くも悪くもV系色も強く、タイトルのない①などANTEHMの曲をルナシーがカヴァーしているのかと錯覚するほど、手前味噌感が強い。それでもファンなら在りし日の姿を重ね合わせ楽しむのが一番だろう。また硬派なV系サウンドは一定の需要はあるはずだ。


REACTION - TWIST&SHOUT ★★★ (2018-12-09 16:29:45)

アルバムタイトルにジャケットワークを見れば、音楽性の変化に驚きませんが、それまでのへヴィなソリッド感を捨てて、明るくノリの良いロック色を大幅に強めてきました。このアルバムを最後に解散してしまうので、罪作りなアルバムを言われているのだが、加藤純也の声にもっとも似合っているシンプルなロックサウンドは、なんら批判されるものではなく、実は一番バンド的に無理が生じていない。それほどまでに、今までの作風におけるヴォーカルパフォーマンスはライブでの再現力も含め、大きな問題だった。

無理がない分、まとまりは過去最強だが、多くのファンを裏切った形にあるという、痛し痒しな現象に陥ったのは皮肉なものである。冷静になって聴けば、こういうコマーシャル性の高いアルバムと言うのは、どのバンドも一度は通る道であり、次の一手を期待する価値は十分にあったのだが、彼らを取り巻く環境も大きく変わったのが音楽性の変更にも繋がり、加藤純也脱退、そして解散への道へと進む事となったのだろう。当時はBOOWYに代表されるビートロック系がミュージックシーンを塗り替え、鬼やっこ姐さんとRGのモノマネでお馴染みのバービー・ボーイズやブルーハーツなどが出来てたので、REACTIONも今までのようにはいかなかったと推察される。

こうして時を経てじっくり聴けば、メタル色は薄れたものの、彼ららしい疾走感とノリの良さを加味したハードさと、ハッタリ感の強いロック色が絶妙に絡む好盤だと思う。楽曲もサウンドどもメリハリが効いていて、粗が目立たないのも最大の聴きどころだ。個人的には、このバンドは昔は苦手であり熱心に聴かなかったが、今の方が楽しんで聴ける。加藤純也に対する免疫が出来たのも大きい。そういう意味での、音楽性的には初期の方が好きだが、加藤純也のバックの演奏が噛みあっているのは間違いなく今作が一番だ。かつて、音楽性の変更について行けず、見放したファンにも、もう一度聴いて欲しいバラエティに富んだ一枚ですね。


REACTION - REACTION ★★★ (2018-12-09 16:13:31)

バンド名をアルバムタイトルにしただけの事はある充実感の強い一枚。それまでの彼らの集大成を感じさせるラフなパワーを内包した力作だ。梅沢と反町のリズムプレイは相変わらずパワフルでタイト、今まで以上にバンドサウンドのキャスティングボードを握っている印象を与えるほど、グイグイと前に出てきている。斉藤のギターもシンプルだが切れ味鋭いリフワークを武器にカッチリと聴かせている。焦点を絞り込みバンドとしての方向性を明確に示唆したのも成功。勢いで押し切るだけではない技巧が効いている。
ハードにドライヴィングするグルーブはいつ聴いても強烈だ。それだけに加藤純也のジャパニーズロック臭さが評価を分ける最大のポイント。そこを飲みこめるなら大いに楽しめるでしょう。


REACTION - TRUE IMITATION ★★★ (2018-12-09 15:58:36)

過去2作の反省を踏まえたのか随分と練り込んできた楽曲とパフォーマンス力も上がった力作。バンドとして大きく飛躍しているが、彼らの疾走感を求めるファンにとっては厳しい内容となった。確かに①など肩透かしを喰らった感はある、③のラフなロックナンバーも初期の彼らを求めた人には不評だったが、総じてクオリティは高くなっており、求めるモノによって大きく評価を分けるだろう。ある意味、メンバーが加藤純也の声に寄ってきて作り上げたサウンドともいえる。
いい意味で一歩大人になったアルバム。アンサンブルの向上は目を見張るものがある。色んな意味で捻くれたセンスが爆発している。最短で目的地に到達させない、凝ったギターワークも面白い。相変わらず梅沢のパワフルなドラムはテンションが高い。もっと高い評価を受けるべきドラマーだと思う。


REACTION - AGITATOR ★★★ (2018-12-09 15:45:32)

待望のメジャーデビュー第1弾。前作で感じられたL.A風味を強めた作品が多くなったが、斉藤の切れ味鋭いリフワークとトリッキーなフレージングもアクセントとなり、そこにパワフルな梅沢のドラムがバンドサウンドを牽引、反町とのリズムプレイは安定感もあり屈強なスクラムを組んでいる。色んな意味でラフな加藤純也の噛み合わせが全ての評価を左右するような面があり、このバタ臭さも含め苦手な人はトコトンダメだろう。
ロックの持つワルッぽさやハッタリ感が上手く出せているのは加藤純也のキャラによるところも大きく、このラフなサウンドをカラーも握っているのも彼なのが面白い。
大味なロックナンバーよりも、パワフルさとキメの細やかさが際立つ②③の方がバンドの魅力を強く感じる。


REACTION - INSANE ★★★ (2018-12-09 15:32:44)

激しいライブパフォーマンスとノリの良い楽曲が人気だったREACTIONが満を持してリリースしたフルアルバム。あっという間にファーストプレスが完売。累計で1万枚を超える大ヒットとなり、名実ともにインディーズの帝王と呼ばれる事になった。
キレのよい斉藤のギターワーク。パワフルな疾走ナンバーもあるが、ノリの良いキャッチネス差も盛り込んだ楽曲はバラエティ豊かであり、当時台頭してきたL.A勢からの影響もふんだんに伺える。
切れ味鋭い斉藤のギターと楽曲の相性は過去最高の出来栄えを誇る半面、新ヴォーカル加藤純也の消化不良気味のパフォーマンスがポイント。良く言えばラフさを持ち込んでいるが、フェイクまみれのライブパフォーマンスなどを含め、適任と呼ぶにはチョイと厳しい人材になったのは残念だ。梅沢と反町のリズム隊もボトムを支えているが、ミックスの関係で、こちらもパワーダウン感が否めない、その辺りが、バンド本来の魅力を殺いでいるようで残念と、気になる面が多い。
ライブで体感出来るパワフルさをパッケージする難しさを感じますね。それでも今作が当時、多くのロックキッズをノックアウトしたのは疑いようのないサウンドですよ。


REACTION - ALL NIGHT METAL PARTY '84 to '85 ★★★ (2018-12-09 15:13:31)

目黒の鹿鳴館でSabbrabells、Flying Vision、Murbas等と行われた年越しイベントのライブ音源。歌うは3代目シンガーの元Murbusの岸本友彦、にちにEMOTIONやアニメ、ゲーム関連などで歌入れした事でも知られています。

短期間でシンガーがコロコロ変わるのは何故なのか?という疑問はありますが、インディーズ時代からパフォーマンス力に定評のあった岸本の参加は、バンドにマイナスな要素もなく、今までの系統とも合致しているので違和感がない。これの声は平坦で抑揚のない面が強いのだが、ここで聴けるライブ盤は、そんな要素も少なく、岸本が関わってきたスタジオ作のパフォーマンスはなんだったのかと言いたくなる。
タイトでパワフルな演奏、このバンドがチャラチャラとしたヴィジュアル重視の存在で無かったのは知られていると事なのだが、メジャーデビュー後のイメージの方が強いため、今一つ軟弱なバンドと囚われがちだ。特にルックスや音楽性の変遷にも44マグナムから大阪色をとったようなバンドだと揶揄される事も多かったのだが、梅沢のパワフルなドラムに弾き出されるように、ライブならではの活きのいい演奏は、丁度いい加減のラフさも加わり実に生々しい。等身大のバンドの魅力に触れる事が出来る.
メジャーデビュー後のアメリカンスタイルと想像すると驚かされるだろ、情緒のある暗く湿ったサウンドは日本人らしいスタイルと言える。最初はコッチだったんだよ。垢抜けないかもしれないけどね。

A面
LOST MY HEART
DON'T STOP
LUST
B面
JOY RIDE
DARK ILLUSION
LONESOME KNIGHT


REACTION - Joy Ride / Lonesome Knight - Lonesome Knight ★★★ (2018-12-09 14:55:55)

突破力のある重戦車ドラムがエグい
バンドを支えるのは梅沢だろう
オリジナルとのアレンジの違いやシンガーの好みなども含め
コチラのヴァージョンの方が好きです
ただ走るだけではない展開も日本人的なキメの細やかさも好きだなぁ


REACTION - Joy Ride / Lonesome Knight - Joy Ride ★★★ (2018-12-09 14:52:47)

梅沢のドラムが強烈
反町のベースも良く走る
鳴沢も丁寧に歌っている
バンドの勢いがパッケージされた好盤だ
斉藤のギターもテクニック云々ではない魅力がある


REACTION - Joy Ride / Lonesome Knight ★★★ (2018-12-09 14:49:08)

雑誌ロッキンFの付録2曲入りフォノシート。シンガーが2代目の鳴沢浩幸に変更。
彼らの代表曲と言われるJOY RIDEとLONESOME KNIGHTが収録された貴重な一枚。
後にアルバムに入るヴァージョンとの違いを楽しむのが一番ですね。アレンジが異なるのでファンなら必聴です。


REACTION - Reaction - Lust ★★★ (2018-12-09 14:37:25)

スローな出だしからバラードなのかと思ったら一転
激しく走りだす
起承転結のある展開は聴いていて心地よい
青臭さはあれどバンドの持っているポテンシャルを注ぎ込んだ
意味のあるデモ音源
西野の日本人的な歌い回しも懐かしい


REACTION - Reaction - Red Heat ★★★ (2018-12-09 14:34:47)

梅沢のツインバスドラムが最高にカッコいい
パワフルな疾走ナンバー
しっとりとしたメロディを丁寧に歌うのは初代シンガーの西野隆
トリッキーなギターリフも耳を惹く


LOVEBITES - Clockwork Immortality ★★★ (2018-12-08 17:00:54)

今や日の本を代表するHM/HRバンドへとのし上がったガールズメタルの最高峰LOVEBOTESの2nd。すでにNUCLEAR BLASTからのリリースも決まっていたりと、その活動は既に国内を突き破っている。彼女達の海外での快進撃は日本一権威ある雑誌に嫌われているBABYMETALの活躍によるところも大きいのだが(スリップノットやブレットフォーマイヴァレンタインを大絶賛して、これからのメタルはこれなんだとレコード会社にいいなりになり紹介したのに、なぜBABYMETALはダメなんだ?ワタクシは全員ダメなので聴く事もないし褒めないが、でもレビューして酷評はしませんよ。良い悪い関係なく海外の大御所と同じステージに立ちまくるBABYMETALを無視する理由が見当たらない。そしてアルディアスばかりを表紙にする別冊を出す意味を聴いてみたいものだ。バランスが悪くないのかね?気持ちがわるい。スリップノットやブレットフォーマイヴァレンタイン、BABYMETALも同じ括りの新生代サウンドじゃないのかね?)
このバンド最大の売りは確実なテクニックと楽曲の強みにあるところが大きい。海外では容姿を褒めちぎるのはセクハラになるので、そこをフィーチャーする日本的な評価はないのも真っ当な人気を示す指針になる。偏った提灯記事もないので信頼がおける。
そんな脂の乗った勢いを加速させる意欲作。やや狙いに言ったオールドテイストが強かった作風を一新、現代的なエッセンスと普遍的メタルの流儀に則った流麗なメロディと峻烈なる攻撃性を纏ったサウンドは、彼女達のスタイルへと昇華されている。

どうしても、誰かにやらされている感覚は拭えないが、媚を売りまくった女を出さないパフォーマンスは海外のメタルマニアのハートをキャッチしたのは間違いない。地に足をつけたパフォーマンスこそへヴィメタル最大の魅力だからだ。
ポップ性も強調される親しみやすいキャッチーなメロディライン、そのメロディ重視の姿勢と、迫力溢れる重厚なリズムプレイの屈強さ、そしてシュレッドさもキレまくっているアグレッシブなギターチームの魅力。歌い手もカラオケ大会選手権とは違う、確かなパフォーマンス力、英語が堪能は女性なのかは分からないが、少々堅苦しく聴こえるのは難点なのだが、それでも高いところから中音域を駆使して歌い上げる姿は好感が持てるし、やはり海外でも認めれもらえた要因だろう。

バランスの取れた高純度のメロディアスHM/HRサウンドに国籍やジャンルなど不問、2、3年前にデビューした新人とは思えない、完成度の高いサウンドは、これからも大きな話題性を継続するだろう。燃え上がるハードなサウンドのみならず泣きのバラードも収録、劇的な楽曲をバランスよく配置することで視聴感も抜群に良くなっている。

個人的には、ウンコみたいなシッケシケのNWOBHMや汚らしいZ級のバンドを愛す身なので、この手のバンドに熱心になれないのだが、質の高さは疑いようがない。本当に細部に渡り作り込まれた一品だ。これが彼女達だけで作ったと言うのなら、とんでもないソングライティングチームとなるだろう。


TORA TORA - Surprise Attack ★★★ (2018-12-07 17:27:14)

トラトラときたら真珠湾攻撃で有名な暗号『トラトラ、ニイタカヤマノボレ』を真っ先に思い出します。MAXのヒット曲ってもチョイとイメージできますがね(笑)
メンフィスからやってきた若手4人組が聴かせてくれるサウンドは、ノリノリの古典ロックの89年ヴァージョン。歌い手もマーク・ケンドールなどに代表されるZEP風味満点の歌い回しを披露。若いのに熟成されたサウンドとノリの良さを巧みにブレンド。CINDERELLAなどと同路線に位置するバンドだろう。躍動感溢れるロックなリズム、身体が勝手に動き出すシンプルなサウンドは耳馴染みも良く安定感も抜群だった。しかし全般的に、そのまま最後まで流れてしまいガチなのが残念。一曲の完成度は高いのにトータルとなると、チョイと飽きがくるのだが、それは嗜好の問題。この手のアメリカンロックが好きな方なら大いに楽しめるでしょう。何と言っても、こういう古典スタイルの良さは親しみやすさにある、パクっているという意味ではなく、初めて聴いたとは思えない愛着があるからだ。


FLESH & BLOOD - Blues for Daze ★★ (2018-12-07 16:43:41)

あのマーク・マンゴールドがダニー・ヴォーンとタッグを組む、しかもレーベルは英国のNow&Thenとくればメロディアス系に強い、ギターにはアル・ピトレリの名前がある、こうなると俄然興味を湧きますがアルバムタイトル『BLUES FOR DAZE』に、サイケなジャケット…リリースは1997年、うーむ、これはAOR風味のメロディアスなロックじゃないな?と聴く前に飲み込みましたが、予想通り90年代に流行ったBACK TO 70'サウンドでした。
参加メンバーやキャリアを期待すると完全に肩透かしを喰らいますが、Black Crowesあたりの埃っぽいブルースロックをイメージして頂けると想像出来るかと思います。せっかくのスーパーバンドなんだからと思いますが、これも時代の流れと言うモノ、古典的なブルースロックが好きな人なら大いに楽しめるでしょう。


DIRTY TRASHROAD - Dirty Trashroad - Cybernetic Crime ★★★ (2018-12-04 12:39:34)

シングルカットされているだけに他の曲とは毛色が違う
日本でも巻き起こったスーパーバンドの一つ
藤本泰司の粘りっこいギターも魅力的
変化自在のディストーションヴォイスを駆使する竹内光雄も絵になる男だ


LAZY - 宇宙船地球号 - LONELY STAR ★★★ (2018-12-04 12:34:18)

作詩作曲をファニーこと田中宏幸が担当
アルバムを締めくくるのに相応しいドラマティックな一曲
チョイハード目のポップロック風だが
刹那なメロディがグッと耳を惹くプログレ風な構築性が最大の聴きどころ
メンバーのプレイアビリティの高さにも目を見張る


LAZY - 宇宙船地球号 - 美しい予感 ★★ (2018-12-04 12:29:00)

アイドル路線をイメージさせるポップス
リンゴとはちみつがとろける甘さが効いてます
時代性もあり古臭く聴いていてハズいのですが
これもLAZYです
歌はファニーが担当


LAZY - 宇宙船地球号 - 僕らの国でも ★★ (2018-12-04 12:25:49)

アイドル時代のファンを慮ったようなポップロック
曲順的に絶妙な位置に収録


LAZY - 宇宙船地球号 - EARTH ARK (宇宙船地球号) ★★★ (2018-12-04 12:23:48)

起承転結のハッキリとした展開
その高いドラマ性が発揮された名曲
このアルバムのハイライトだろう
ミッシェルもロックシンガーとしての魅力を振りまいています
パワフルなリズムプレイもハードなバッキングもカッコいい


LAZY - 宇宙船地球号 - 遥かなるマザーランド ★★★ (2018-12-04 12:20:57)

高崎晃のソロアルバムでもリメイクされたドラマティックで美しいインストナンバー
こういう曲を作れるセンスに驚かされる
テクニックに埋没しない歌心溢れるプレイに魅了されました


LAZY - 宇宙船地球号 - TIME GAP ★★★ (2018-12-04 12:18:55)

メロウさもある甘口のポップロック
だが芯の強いロックナンバーでもある
音質はあれだがリフもブリティッシュ
ポッキーのキーボードも空間を広げている


LAZY - 宇宙船地球号 - 天使が見たものは ★★★ (2018-12-04 12:16:52)

コンセプト色の強いアルバムだけに意味のある歌詞に興味が惹かれる
シリアスなスローナンバー
アイドルの枠を飛び抜けたバンドだね
歌詞を書いているのは伊達歩これは伊集院静が作詩するときのペンネーム


LAZY - 宇宙船地球号 - DREAMY EXPRESS TRIP ★★★ (2018-12-04 12:12:14)

いきなり2曲目でスージーがヴォーカルを担当
①の流れを引き継ぎ勢いを殺さない展開も良い
随所にハードなプレイをねじ込んだ気合いの入りようもカッコいい
高崎スージー晃大爆発である


SACRIFICE (CANADA) - The Ones I Condemn ★★★ (2018-12-04 12:06:50)

雑誌の評価も低くB級はおろかC級、D級扱いを受けていたカナディアンスラッシャーの再始動一発目のフルアルバム。かつての面影は何処へいったのか、言いたくなるほどソリッドでタイトに生まれ変わっている。SLAYERタイプのスラッシュメタルと知られていたが、激烈に刻まれるリフワーク、重厚なる爆音がウネリ上げるリズムプレイと、明らかにバンドサウンドが向上、マシーンの如き冷徹なるスピード感もひたすらクール、どちからと言えば剛直なるスラッシュメタルだが安易な過去の焼き回しで無いのは好感が持てる。

徹底的にやりきる事で生じる、スラッシュ特有の強面感もグッと顔を出し、その場から逃げだしたくなるような焦燥感にかられるのもポイント。オールドスクールと揶揄されるサウンドかも知れないが、徹頭徹尾やりきる姿には爽快感すら漂いますね。
バンドとしては、過去の集大成的な位置にある復帰作。現時点での代表作と呼べる一品でしょう。


浜田麻里 - Aestetica ★★★ (2018-12-03 14:19:55)

日本の音楽業界と言う特殊な環境の中で活動を余儀なくされた浜田麻里。メタルシンガーとしてデビューしてからの彼女はけして順風満帆とは言えなかったろう。メタルシンガーとして脚光を浴びた彼女、週刊誌などにステージ上のパンチラなど載せられたり(恐らく彼女のためのイメージ戦略、週刊誌側がそんなもん撮るわけがない)、中森明菜と衣装さんが同じとか?どうでもよい情報を流す始末。ライブなどスポットライトを浴びるのは彼女のみで、バックメンバーは暗がりのステージで黙々と演奏していた。ギターソロでもスポットは当たらず、彼女の映像作品など見ていてつまらない。女性と言うモノをこれでもかと売り込まれた。上手い下手は関係ないエロいかエロくないか?そんなアーティストとしての入り口を誇張される環境、おかげでコアなメタルファンからはソッポを向かれ完全なる色モノ扱いだ。
抜群の歌唱力を生かし路線変更。その甲斐あって紅白に出場打診されるまでヒット。その後の躍進ぶりを遠くから眺めていましたね。

今作はメタル系アーティストと海外組を融合、作曲クレジットもバランスを考え硬軟交えた楽曲を用意。ハードだがメロウさを前面に押し出した作風に回帰。それらは遊びを徹底的に排除し、勢いのあるハードナンバーから浮遊感漂う不思議な感覚のロックナンバーまで幅広く収録。主役たる浜田麻里のパフォーマンスは息遣いが伝わるようなリアルさがあり、ポップスしかしらないファンにとってもロックシンガーの魅力を存分に味わえる一枚へと仕上げてきました。

長きにわたって培われた経験と修練の賜物と言える確かな歌唱力。澄み切ったハイトーンの美しさは唯一無二の存在感を放っている。ハードさを保ちつつも押し引きを得た楽曲群を、繊細な歌声で色付けするパフォーマンに魅了されました。
何を聴かせたいか明確に定めたサウンド、それは彼女の中の二面性を巧みに伝えきっている。ハードサウンドも良いが中盤に用意されたメロディアスな歌モノで聴かせる情感の豊かさは見事だ。キャッチーで切ない⑤など彼女の真骨頂だろう。


浜田麻里 - Aestetica - Once Again ★★★ (2018-12-03 13:54:48)

クロージングソングはしっとりとしたバラード
彼女の美声にうっとりと酔いしれます
上手いと言う事は本当に素晴らしい
カラオケ自慢の歌手とは基礎が違うよなぁ


浜田麻里 - Aestetica - Stand Out ★★★ (2018-12-03 13:52:46)

ハード目のメロディアスな一曲
アルバムの流れ的に印象に残らないのが残念
やや狙いにいった感もある
曲単位では悪くない
澄んだ空気が張り詰めた広がりのあるロックナンバーだ


浜田麻里 - Aestetica - St. Radiance ★★ (2018-12-03 13:50:18)

打ち込みのビートが強めの歌モノロック
曲単位では彼女の魅力に溢れているが
ハードなモノを愛するマニアにとっては流れ的に飽きる
スパニッシュ風味のアコギからのソロも悪くないのに残念だ


浜田麻里 - Aestetica - Universe After Rain ★★★ (2018-12-03 13:47:46)

メロディの作り方が上手い
マイナー調なのにポジティブな空気に包まれている
ポップでキャッチーな大人のロック
ハードなアルバムに収録されていても違和感がない
最大公約数のファンを喜ばせるアイデアは悪くない


浜田麻里 - Aestetica - Times ★★★ (2018-12-03 13:45:37)

情感豊かで繊細な歌声が味わえます
サビでパッと開ける展開も美味しい
王道ロッカバラード
彼女のファンなら大いに満足でしょう


HELLHOUND - Tokyo Flying V Massacre ★★★ (2018-12-03 12:15:26)

元はカナダのEXCITERのトリビュートバンドが出発点なんだとか、自らが愛してやまないへヴィメタルサウンドに対して何一つ気負うことなく実直に表現した音楽性。先人達が提示してくれたアイデアを徹底的に金床で打ち付け製錬された音楽に嘘偽りなどなし、それは混じりっ気なしメタルバカサウンドに胸が熱くなります。時代は2006年、彼らには先見の目があった。世界的にごく一般のメタルサウンドが見直された時期に、タイミングよくリリースしたが為に海外で人気を博すことに、ネットの普及もあり瞬く間に世界中のコアなファンに支持されることになるとは驚きですね。
メンバーの名前を見れば分かると思いますが、名のあるミュージシャンによる覆面バンドみたいなもんですからね。想像もしない反響だったと思いますよ。

へヴィメタルをこよなく愛するメタル馬鹿軍団が追求したへヴィメタル博覧会。これが俺たちだと言える音楽性を持っているバンドは強い。流行りものに乗っかるなら乗り続けるしかない。風俗や文化を反映するのは当然だが、それはシーンや音楽業界全体の流れ、バンド自らが宗旨替えしたら終わりでしょうよ。このパワー漲るエキサイトメントこそへヴィメタル最大の旨味だ。


SWEET - Give Us a Wink ★★★ (2018-12-02 12:43:05)

これも権利関係がややこしいヤツ。RCA盤と米Capitol盤では収録内容が違う奴。プロデュースなども含め彼らは常にこういった諸問題を抱えていたんだなぁ。
ハードロックスタイルに変更して3枚目。ヒット性を秘めた曲もスタンバイ。インパクトは前2作の方が上かもしれないが、バランスと練り込み具合は過去最高だろう。ブルースベースのハードなギターと激しいドラミング、コーラスワークこそQUEEN風の多重録音を増やしたが、ガリっとした歯ごたえのある演奏は舐められる要素など皆無。この時代の彼らがいかに脂が乗っていたかを味わって欲しい。ロックの持つダイナミズムを鮮烈なる衝動をもって具現化したスタイルの完成。ポップでバラエティに富んだサウンドはSWEETの様式を確立した。


SWEET - Desolation Boulevard ★★★ (2018-12-02 12:18:26)

ハードロック路線に転向後、バンドの環境は変わり権利関係が顔を出す形になった。英国やヨーロッパ盤と米国盤では内容の違うモノがリリース。米盤は前作をリリース出来ない関係で、過去の曲と新曲を混ぜたものが流通している。日本盤も当時はそうだったと聴くが現物を見た事がないので分からない。これに関してはダウンロード盤など存在するが米盤なので注意が必要だ。
前作の流れを踏襲したスタイルだが、ギターのアンディ・スコットは前作以上にイニシアチブを握れたのかハードさが前に出ており聴き応え十分。グラム色よりもロックのもついなたさを大きくする事で独特のグルーブを生み出している。
なまじルックスが良かったが故に、アイドル的な流れでデビューさせられた彼ら、今作を聴けば、そんな先入観はふっ飛ばされるだろう。コマーシャル性とハードロックの融合。このスタイルは多くのバンドに影響を及ぼしている。
映画の影響でQUEENが話題になっているようなので、同時期に活躍したSWEETを売るなら今でしょう。これほどの多彩なサウンドを封じ込めたアルバムが正規の形で世に流通していないのも残念だし、そもそも誰も知らない状態なのが切ない。


SWEET - Sweet Fanny Adams ★★★ (2018-12-02 12:02:37)

60年代後半から70年代前半に巻き起こったグラムロックブーム、その流れにノリデビューを果たしスターダムを駆け上った人気バンドのSWEET。次にハードロックブームが登場した時には、すかさず便乗。今作のオリジナルリリースは1974年巧みに路線変更しています。多くのアーティストがカヴァーする事で知られる①など、DPのSPEED KINGをパワーポップ風味でアレンジしたようなカラフルさもあり自分達のイメージを損なわないやり方も上手い。その流れは②以降にも繋がり、DPのポップロックにQUEEN風の大げさなコーラスを盛り込み新鮮な風を送っている。
コマーシャル性豊かな④なんてベイシティローラーズに通ずるスタイルで、SWEETがいかに後世にバンドに影響を及ぼしているかが分かりますね。それほどまでに多様性のあるサウンドはハードでポップでグラムでブリティシュしています。

これほどの名盤が、なぜ日本でイマイチ知られていないのか?ひとえに権利の関係でCD化が見送られていたからです。国内盤もリリースされているのか?大手通販サイトも2005年のドイツ盤のみ。RCAと米Capitolの間にある問題点が未だにクリアにされていないのかダウンロード盤もない代物。不遇過ぎるぞSWEET。ここは大手ユニバーサルに一肌脱いでもらって世に送り出して欲しいですね。歴史に残る名盤なんだけどなぁ。


DAVID BYRON - Take No Prisoners ★★★ (2018-12-01 14:20:21)

Uriah Heepのシンガー、デヴィッド・バイロンが1975年にリリースしたソロアルバム。同時期にケン・ヘンズレイもソロをリリースしたりと、バンドとしてマンネリ化していたUriah Heepのメンバーがこぞって別の動きを模索していた時期に出ているが、今としては興味深い。参加メンバーのミック・ボックスやリー・カースレイクにケンとUriah Heep組も多く、ジョン・ウエットンがメロトロンで参加したりと興味のそそられるラインナップが名を連ねる。その期待はメロトロン爆発の①で味わえるのだが、個人的んには②以降のリラックスしたムードで味わえるバイロンの歌声の方が生き生きとしており、またソロを出すなら違う音楽性で勝負して欲しいという願望もあり、彼のロックシンガーとしての多彩さを味わいました。ブルースフィーリング溢れるソウルフルな節回しも新鮮、ケン・ヘンズレイの下で窮屈そうに歌う姿より何倍も魅力的に映ります。中々CD化の声が掛からなかった一品ですが、ようやく2017年に流通を開始、これを機会にUriah Heepの全盛期を支えたシンガーの魅力に触れて欲しいですね。


FAR CORPORATION - Solitude ★★ (2018-12-01 13:59:54)

TOTOのボビー・キンボールやスティーブ・ルカサー、21GUNS組のスコット・ゴーハム、リーフ・ヨハンセン、さらにはサイモン・フィリップスやロビン・マッコリーなど参加したプロジェクトチームによるAOR風の歌モノロックサウンドを披露。
終始リラックスしたムードの為に緊張感はないが、質の高い歌モノサウンドを味わえる好盤。メロディアスかつポップセンス溢れる楽曲群は屈託のないキャッチネスさを堪能出来ます。近いところではフェノメナプロジェクトからミステリアスさを抜いたようなサウンドでしょうかね


ECHOPARK - Pretty Lies ★★ (2018-12-01 13:35:03)

Eloyのクラウス・ピーター・マッツィオルが立ち上げたシンセプログレバンド。ギターにハーマン・フランク、ヴォーカルはマイケル・フレキシグとドイツ人脈を駆使したラインナップ。おまけの③と⑩でジーノ・ロートがゲスト参加、これはメロディアスなHM/HRサウンドを期待するのですが、残念ながら全くの別方向です。
打ち込みベースの機械的なサウンド、そこに浮遊感のあるメロディが流れ淡々と演奏されると言うスタイルをとっている。この手の音楽に詳しくないので例えようがないが、マイケルが強烈なハイトーンをかます事無く中低音域で歌い上げると言うパフォーマンスに終始しているのが面白い。


JUNKO - So Deep ★★★ (2018-11-30 12:06:33)

今なら流行語大賞間違いなし(笑)『顔は止めなボディにしな』のフレーズで一世を風靡し、コアラの元嫁でお馴染みの現国会議員、三原じゅん子氏がJUNKO名義で活動していた時期にリリースしたハード&へヴィな一枚。
参加メンバーもそうる透や松本孝弘が前面バックアップと本気度の高さを伺えるのですが、その事実をさらに押し上げるのが、楽曲提供したラインナップ③は福田純と橘高文彦のAROUGE、④は西田昌史と石原慎一郎のEARTHSHAKER、⑤の作曲は44マグナムの広瀬さとし、⑦は二井原実と高崎晃のLOUDNESSによる楽曲も収録とオリジナルとの聴き比べも込みで楽しめますよね。特に④⑦を松本孝弘が弾くと言うのも興味がそそられるところ、エッジの立ったフラッシーなプレイを堪能してもらいたいですね。

主役はJUNKO氏ですが、個人的には、秘密警察早川めぐみや射手座のFreaky早瀬ルミナで鍛えられているので、歯応えのあるハード&へヴィな演奏によって欠点もオブラードに包み込み、最後まで楽しませてくれます。チョイハスキーでドスを効かせるも不安定な歌声は、一度気になったら完走は不可能。商業誌でも40点を献上してますからね。ましてはアイドル崩れですからケチョンケチョンの酷評ですが、思いのほかバックの熱演と楽曲の良さに助けられ、意外とイケるんですよね。謎のソングライター、HAWARD KILLY氏は良い曲を書くんだよねぇ。

今作単体でのCD化もダウンロード盤もないのですが(定価3万越えで14枚組のBOXセットに収録)80年代中期に乱発された女性シンガーによるHM/HR作品の中では上位に食い込む一品。雑誌の影響&つっぱりキャラの三原順子、芸能界的な戦略とマイナスなイメージが多すぎたのかも知れませんが、マニアなら大いに楽しめる内容でしょう。松本は、ここぞという場面で弾きまくっていますからね。

①So Deep
作詞:勝田誠 作曲:HAWARD KILLY

②City's Lonely Life
作詞:勝田誠 作曲:HAWARD KILLY

③Wire Rock
作詞:福田純 作曲:福田純・橘高文彦

④SHADOW
作詞:西田昌史 作曲:石原慎一郎

⑤Hurry Over
作詞:鷹塔章 作曲:広瀬さとし


⑥We Want Rock
作詞:鷹塔章 作曲:HAWARD KILLY

⑦Angel Dust
作詞:二井原実 作曲:高崎晃

⑧Wild Cat
作詞:JUNKO 作曲:HAWARD KILLY

⑨I believe So
作詞:鷹塔章 作曲:HAWARD KILLY


RIOT V - The Official Bootleg Box Set Volume 1: 1976-1980 ★★★ (2018-11-29 11:48:06)

イギリスのHear No Evil Recordingsから2017年に突如リリースされた6枚組のレアライブ音源。その生々しいブート音源に権利関係やギャラの問題なの複雑な人間模様が頭を過りますが、何と言っても主要メインバー2名が他界した、今だからこそノスタルジーに浸る意味でもタイムリーな一枚だったと思います。初期ならではのカヴァー曲もあったりとマニアならずとも身を乗り出したくなりますね。小さいクラブハウスのブート音源ばかりと思いきや、ラストは、あのドニトンで開かれたモンスターオブロックの貴重な音源、生々しいサウンドは当時の彼らを知る上では貴重な一枚でしょう。
あくまでもオフィシャルな形でまとめられた希少なライブ音源。すでに市場に出回っているブートもあるが、在りし日の姿に思いを馳せる事が出来る貴重なライブですね。


浜田麻里 - Aestetica - Steps In The Sand ★★★ (2018-11-29 11:37:25)

大槻啓之のペンによる不思議な魅力のある曲
浮遊感のあるメロディと潤いがしっとりとした気分にさせてくれる
レコーディングは外国人組です


浜田麻里 - Aestetica - Crescendo ★★★ (2018-11-29 11:30:16)

甘いなぁ
ええ所を突いてきましたね
曲順的にベストです
乾いた大地に潤いを与える瑞々しさが丁度よい
やりすぎてないのよぉ


浜田麻里 - Aestetica - Stella ★★★ (2018-11-29 11:27:40)

浜田麻里の美声に酔いしれます
ロックを離れた時期のファンも満足させるバラード
確かな歌唱力に支えられたパフォーマンスはジャンルを超越して支持されるべき
上手いと言う事は凄い事なのでね


浜田麻里 - Aestetica - Unconscious Beauty ★★★ (2018-11-29 11:25:20)

リズム隊は寺沢と宮脇組
ギターは盟友と呼んでも良い増崎考司
メロディアスでしなやかなビートが駆け抜けるキャッチーな一曲
キーボードを生かした王道的なナンバーですね
迷いがないから新鮮さに満ちている


浜田麻里 - Aestetica - Somebody’s Calling ★★★ (2018-11-29 11:20:22)

増田隆宣のペンによる神々しいまでに鮮烈なる重厚な疾走ナンバー
日頃の鬱憤を晴らすようにミュージシャンとしての辣腕をふるっています
本間と満園のリズム隊も豪華だなぁ


浜田麻里 - Aestetica - Stay Gold ★★★ (2018-11-29 11:14:40)

シリアスなミドルナンバー
どっしりと構えた姿はアルバムのオープニングにピッタリ
ギターでは高崎晃が客演


THE LOU GRAMM BAND - The Lou Gramm Band ★★★ (2018-11-27 14:38:58)

Foreignerで一時代を築いた名シンガー、ルー・グラム。90年代に大病を患いミュージシャン人生が危ぶまれる事に、復帰困難の事態を撥ね退けシーンにカムバックするのですが、このバンドはソロなどで共演のあるリチャード、ベンのグラム兄弟に声を掛け結成。終始リラックスしたムードも漂い、後遺症なのか?衰えはあるがルー・グラム現在のパフォーマンスを確認。良くも悪くもケレン味のないサウンドなだけに、地味さは拭えないが、良いメロディを歌い上げています。その効果はブルージーさもノリのよりリズムも自然体で鳴らされており、すんなりと身体に入ってくる。ロックってこういうの言うんだよなぁと安心させてくれる一枚ですね。


VINCE NEIL - Tattoos & Tequila ★★★ (2018-11-27 14:17:33)

①と⑤を除いてはカヴァー曲が中心のソロアルバム。モトリークルーに復帰後のソロなので、以前のような挑発的なスタイルの音楽性ではありません。衰えはあれど、一聴して分かる個性的な声を聴けば、どれもがモトリー印が満載。改めて個性的な声の持ち主だと言う事を確認しましたね。その中でもトレイシー・ガンズとニッキー・シックスの名前もクレジットされているメロウなロッカバラード⑤に興味が持っていかれます。今作の為の書き下ろしなのか、それともモトリーの未発表曲なのか?興味も尽きませんね。
カヴァーも参加メンバーは無難ですが、選曲は拘りが感じられ面白味も十分。そんな中でも⑧のスコーピオンズには少々驚きました。いずれにしろロックシンガー、ヴィンスの歌声に惚れたマニアなら満足出来る一枚でしょう。朴訥とした⑨なんて、今までのヴィンスとはまた違った魅力もあり、リラックスして好きですねぇ。


ADX - Non serviam ★★★ (2018-11-26 14:24:11)

フランスのHM/HRシーンを語る上では外す事の出来ないレジャンダリーなバンド。90年代に一度は歴史に終止符を打つも2006年に復活。今作で再始動4枚目となる。豪快打ち鳴らされるアグレッションなリズムとパワーリフ、そして欧州由来の叙情的なメロディがパワフルに疾走する王道パターンを踏襲。コッテコテのへヴィメタルサウンド故に新しい発見など少ないが、かつての姿よりはメロディに気を配しており。破壊的なサウンドではなく構築美に溢れたへヴィメタルな正面攻撃の連発だ。


PAGEANT - 螺鈿幻想 ★★★ (2018-11-23 15:31:45)

NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTIONシリーズにて2018年に再びCD化されたページェントの1st。
何とも言えない幻想的だが怪奇というかホラー色すら漂わせるジャケットに見入りますが、このバンドはその期待に応えるような神秘主義の幻想的なサウンドを聴かせてくれる。
ダークな色合いの中で激しい感情の起伏が表現されるアグレッシブと感じるほど、緊張感の高いインタープレイと言える技巧の数々。そこにフルートの音色も盛り込み、叙情的な楽曲の創造性はこちらの予想を遥かに超えており、アイデアと独創性に満ちている。叙情的プログレッシブロックの系譜なのだが、ハードなバッキングや引っ掛かりのあるリフなどを駆使するギター、幻想的な世界へと誘うキーボートと、ストーリーテラーのような存在感を発揮するフルートの音色、それらが幻想的な世界への道案内となり、壮大な世界観を演出、さらにはダイナミックなリズムセクションは多彩なリズムチェンジのみならず、楽曲の楔となりハードな側面を存分にアピール、ギターと絡む事により、いっそうダイナミックなプログレハード色を強めている。
キーボードプレイのみならず、バンドの顔として重要な役割を占めるのがヴォーカルも兼務する永井博子のパフォーマンス。精巧なアレンジとダークメルヘンファンタージーと言える音楽性をより色濃くするのが、美しくも儚い悲哀のメロディに乗せて歌われる怪奇な歌詞。そして楽曲の世界観にリンクする独特の存在感は、聴き手の深層心理に切れ込んできて、こちらの理性を蹂躙。変化自在の歌声と場面展開豊かな演奏が、強烈な自我を放ち、このバンドのカタルシスを解放している。

ドラマティックという言葉が生ぬるい演出力を支える演奏技術、そしてダークメルヘンファンタジーな歌詞を紡ぐ比類なき完成度と緻密な世界、ワタクシの駄文では語る術もないです。
だからこそ、セルロイドの空ではギターの中嶋一晃が歌う必要ななかったと思う。リードシンガーを張れる実力がないので完全に世界観を壊しているが残念である。


BLACK PAGE - Open the Next Page ★★★ (2018-11-23 14:42:44)

昨年の年末から今年の頭にかけ怒涛のリリースを敢行したNEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTIONの一つとして復活した国産プログレバンドのデビュー作。Key兼Voの小川文明氏を中心としてバンドはスタート、参加メンバーは実弟でG.小川逸史。Bは小嶺恒夫、Dsは手数王でお馴染みの菅沼孝三の4人。そしてアディショナル扱いですが女性Voの久保多美子さんがレコーディングに参加。

出している音は厳つ目のハードなプログレではなく、洗練されたシティポップにも通ずるようなオシャレさと、幻想的で幽玄な世界観は正にファンタジックな精神世界に通ずるプログレスタイルを演出しており、ロックと言う雛型をは一線を画すが、技巧派集団が奏でるテクニカルなサウンドはジャズやフュージョンといった形態をも飲み込み、独特の風合いを出している。
そのプログレの醍醐味とも言える、各パートがぶつかり合う緊張感溢れるプレイ、透明感溢れる幻想的なメロディ、そこに親しみやすさも盛り込み、テクニカルさに洗練された美意識を持ち込んでいる。
ハードなモノを主食とする身としては、いささか喰い足りないのだが、クールで端正なギターも、絶妙なリズムチェンジを繰り返すドラムも、冴えわたるセンスフルなベースも、そして変拍子や不協和音の上で空間を押し広げるキーボードも、その独創性豊かな感性は、新しい可能性と魅力を世に伝えるものとなっているでしょう。

バンド活動は上手くいかず、菅沼は多くのセッションワークに精を出す事に、リーダの小川文明も筋肉少女帯関連やすかんちでのサポート活動が有名だろう。


Scheherazade - Scheherazade (2018-11-23 14:06:03)

お役に立てたなら、これ幸いです。
ワタクシこそ、いつも火薬先輩から刺激を受けております。
比類なき完成度を誇る文章。時にはウィットに富んだ文面、足元にも及びません。
今後も火薬先輩のコメントを楽しみにしております。


VIXEN - Made in Hawaii ★★★ (2018-11-22 13:26:33)

こちらのヴィクセンはマーティー・フリードマンがギターを弾くハワイの方です。タイトルも思いっきりメイドインハワイときてるもんねぇ。サウンドの方は陽気なハワイとは思えないマイナーキー連発の叙情派路線。泣きのメロディも盛り込みドラマ性を際立たせようと苦心している姿は好感が持てますね。とはいいつつもアイデアを具現化出来ていない、たどたどしさもありますが、マーティーは既に泣かせのマインドを持っており、持てる限りのテクニックを駆使している。
そのマイナー調のメロディはアメリカ=大陸的というノリをは完全に一線を画すもので、我々日本人に馴染みやすいワビサビがある。
スピーディーで攻撃的な楽曲の中に独特のエッセンスを散りばめているのが最大の聴きどころ。音質も良くないしヘロヘロな演奏だが、若気の至りでは終わらない、何かを猛烈に感じ取る事が出来るだろう。
ここで歌うのは女性シンガー、キム・ラ・チャンス。正直、頭とケツにあるインストナンバーがバンドの本領発揮と思えるのが、実情だろう。そりゃハワイで泣きのメタルやるなんて人材不足でしょうよ。


PARASITE - Parasite ★★ (2018-11-22 13:06:39)

1984年に5曲入りのEPをリリースして解散してしまったスウェーデンの4人組。当時、国内にも輸入盤が多く入り比較的、手に入りやすい一品だった。その為にマニアには、そこそこ知られる存在で、初期北欧HM/HRメタルらしい、クラシカルフレーバーたっぷりの哀愁路線が楽しめる。とは言っても洗練とは程遠い青臭いサウンドは、ダイナミズムに欠けた平坦なミックスを相まって、耐性のない方にとっては脱力だろう。こういうの聴くとUniverseって凄かったなぁ。
しかし初期北欧路線を語る上では外せない音楽性であり、Madisonあたりが好きな方にはピンとくるものがあるでしょう。このクリアーで寒々としたメロディセンスはお国柄のなせる技、そこに島国日本人の情緒に訴えかけるものがある。
すでにギリシャの名門、世界的な価値あるリイシュー盤を世に送り出す我らがNo Remorseから年末に再発も決定。クサレマニアなら手にとって損はしないでしょう。最近Blacksmithやジェフ・スコット・ソートが歌うPantherを発掘したりと今後も目が離せないレーベルですよ。


BURNING WITCHES - Hexenhammer ★★ (2018-11-22 11:30:20)

あの忌まわしき魔女狩りを正当化する経典とも言える『HEXENHAMMER』をタイトルに持ってきた、バンド名に由来するコンセプト色も大正解だろう。スイスから登場した女性5人組のツインギターバンド。ドスを効かせて歌い込めるガチンコメタルシンガーのセリイナ嬢の肝の据わったパフォーマンスを筆頭に、ザクザクと刻まれるツインギターの剛毅さなど、まさに新時代の正統派HM/HRと呼ぶに相応しい出で立ちだろう。
前作同様スイスメタルの先駆者でありレジェンドとも言えるV.O. PulverとDestructionのシュミューアがプロデュースを担当。それだけにJPやメイデンスタイルのみならずスラッシーな一面ものぞかせるのだが、前作でも気にはなっていた、低音パートの迫力不足、どうにもそこのパワーが弱く楽曲に勢いを与えられていないように感じるのが難点。ステージ映えするメンバーが揃っているだけに、そこの弱さを改善するべきだろう。
女と言う媚を売らない骨太で厳ついガチンコメタル、無愛想に打ち鳴らされるへヴィメタルは大胆不敵な野心が漲っている。


EVIL-LÿN - The Night of Delusions ★★★ (2018-11-20 12:13:56)

北欧はフィンランド出身の正統派HM/HRバンドが2012年にリリースしたデビューEP。ここでシンガーを務めるのは紅一点のヨハンナ・ルッタ。彼女のドスを効かせた歌声は今一つノリきれてはいないが、北欧らしい叙情性と歯ごたえのあるハードサウンドは聴き応え十分。まさにトゥルーメタルとかピュアメタルと呼ばれるNWOTHMの一群に加われる鮮度を誇っている。
新人とは思えない落ち着き払ったパワフルな演奏と浮ついていない佇まい、アイデア豊富な楽曲との相乗効果は計り知れないインパクトがあり、へヴィメタルに対する深い愛情を感じずにはいられません。
やや表現力に難のある歌い手だが、深みのあるパワフルなHM/HRサウンドは、多くのマニアに訴求するだけの魅力がある。


SATAN - Cruel Magic ★★★ (2018-11-20 11:46:33)

JAPANESE ASSAULT FEST 14の雄姿が今だ語り草となるNWOBHMのレジェンドによる最新作。濃厚に絡むツインギターはあくまでも攻撃的な調べを奏でビシャビシャに湿ったフレーズで興奮させる。起承転結のあるダイナミックな展開。NWOBHM当時を再現するような近代的地下室サウンド、そのアングラ感を損なわず今の時代を生き抜く現役感は皆が一体となり独特の空間を演出する事で生み出されている。ハッキリいって今が全盛期、もはや昔のイメージに拘る事もない、どこかダークな設えもバンド名やジャケットからのイメージを反映、NWOBHM由来の荒々しさと相まって妖しさも全開だ。
復権された古典HM/HRの威信。今作はSATANにとって新たなるレガシーとなる一枚だろう。


子供ばんど - Kodomo Band Rock ★★ (2018-11-20 10:59:30)

うじきつよし率いる国産ロッカーのラストアルバム。レコード会社もビクターに移籍。常に海外を視野に活動をしていた彼らだったが、今作は彼らの歴史を網羅したようなバラエティに富んだ内容となっており、北斗の拳に提供したようなデジタル歌謡ロックとは決別、本格的なスタイルへと回帰した。このバンドは常に茨の道を歩いていた。ハードサウンドと言うには明るく軽い乗り出し、日本語歌詞もフォークソングみたいな生活臭が滲み出たモノ過ぎでカッコ悪く、微妙な噛み合わせのものが多い。
それでも和音コード、ロックリフ一発のドライブ感のあるポップロックは青空の下が似合う、爽快さもありスタンダードなロック書くあるべきな姿がある。
また今作には島国日本的な情緒のあるメロディもあり、アメリカのノリでは出せない魅力もある。色んな意味でドメスティック過ぎるが、ロックに対する真摯な姿勢が表れているのだ。
形骸化していたロックと言う言葉。菊池桃子ロック歌手宣言ラ・ムーは一生忘れない出来事だ。日本にとってロックと言う言葉は、想像以上に軽いものであり、うじきつよしのような情熱をもって硬派な活動を目指しても実入りは少ない。
旧知の仲のリック・デリンジャーを頼り海外での活動を模索するも、そこまでの個性はなかった。このアルバムを聴けば、方々に気を配りバランスを考えて作られた苦心の跡が伺えるロックアルバムになっている。

解散後はうじきはタレント活動に精をだす。当時は魂を売った売国奴扱いだったのだが、どうせ金儲けするなら愛すべきロックではない道を選んだように感じるのはワタクシだけでしょうか?
一番好きなものを金儲けだけの手段に変換するのは辛いからね。そういう純粋さがあればこそ、鬼のようなライブの数をこなし、ソニーレコードと方向性の違いで袖を分けたあと、自主レーベルからアルバムを作ったりしないよね。
そんな深読みをさせる一枚だった。リリース時は1988年、当時のワタクシにこのような音楽を許容できるスペースはなく、見向きもしませんでしたが、オジサンになり、イメージや見た目だけの問題で判別するのではない、審美眼を少しは身につけたと思うので、彼らの本質であるロックという部分に触れて楽しむ事が出来ます。

2011年に往年のメンバーが再結集。かつてはRAINBOWの国内ツアーのオープニングを務めたバンドです。和製ロックの真髄を見せて欲しいねぇ。


KILLER - Ladykiller ★★★ (2018-11-19 12:00:12)

こちらはスイスのKILLERです。出している音はロックンロールリフを駆使するストレートなハードサウンド、その激しく揺れるロックサウンドは原始的な響きを持つスタイルで、AC/DC直系とも言える豪快なスタイルを継承。曲によってはかなり、やりに言っているものもあるのですが、懸命にこのスタイルの音楽をかき鳴らす姿に嘘臭さを感じる事はなく、愛するべきものを力いっぱいやってるなぁという姿勢に好感が持てます。大陸的なグルーブとメロディ、無駄をそぎ落としシンプルに研磨しているが、ゴツゴツとした粗めの手触りが、これぞロックと言いたくなるスタイルを貫いており、古典的なヴァイブが息づている。ただバラードなんかもあるのだが、バリエーションの少ないスタイルの上に、歌も演奏もやや一本気なところがあるので、日本ではウケないスタイルの音楽なのかも知れませんね。AC/DCやSTATUS QUO、NAZARETHなどの古典ロックが好きな人なら大いに楽しめるでしょう。
ジャケのイメージと全然音が違うもんなぁ。


KILLER - Immortal ★★★ (2018-11-19 11:31:59)

ベルギーを代表するハイテンションスピードメタルバンドが2000年に再始動後2枚目のアルバム。レーベルは勿論Mausoleum Recordsです。ここで聴ける音はかつてのような暴走スタイル一本勝負ではなく、押し引きを得たバランスの取れた正統派サウンドに重きを置いており、初期のイメージと違うのですが、実直な正統派という枠組みを生かし音楽性を広げてきています。まるで○○みたいな曲もあったりするのですが、自分達の信じる道と突き進む姿は好感が持てます。ラストに泣きのインストなんかも持ってきて工夫を凝らしていますよね。
今時のスタイルとはかけ離れた音故に、若い人にとってはオッサン臭いと煙たがられるかも知れませんが、これぞ正統派HM/HRサウンドと呼ぶに相応しい年季が入っています。硬軟交えたバランス感覚を身に付けたベテランによる復活の一撃。マイナーメタルからの脱却を目指した新生スタイルも悪くはないです。だから塩っ辛い歌声でお馴染みのShortyも気張るだけじゃない柔軟な歌声を披露しているんだね。キーボードも上手く使っているよ。本当に間口が広がっているなぁ。


AXE STEELER - On the Run ★★ (2018-11-19 10:46:19)

南米はコロンビア産の正統派HM/HRバンドは2018年にリリースした1st。出している音は鋭利なリフワークが突っ込んでくるNWOBHM直系のスピードメタルサウンド。その捻りのないストレートな展開はマニア心を擽るのですが、イマイチキレ不足の演奏と、歌いきれないヴォーカルのおかげで、物凄いB級感は発散。このアングラ臭にクラクラと目眩に襲われますが、地下室サウンドが大好物のマニアにはたまりませんよね。走るだけと思いきや、メロウなインストナンバーも挟みアルバムの流れに起伏を作っている。それに耳を澄ませばツインギターコンビは随所に魅力的なフレーズもねじ込もうと努力しており、伝統的英国様式サウンドから受けた影響を微塵も隠さずに取り込み、ドラマ性を高めようと苦心する姿は好感が持てますね。
次回はもう少し丁寧な録音を試み、よりよい環境でミキシング出来れば良いですね。今の時代にチョイと厳しい分離の悪さや、音質の緩さを感じますので、コーラスワークも80年代初期みたいな感じで、無名のNWOBHMバンドの発掘良品状態になっていますからね。でもその辺りにアンテナを張っているマニアならグッとくるでしょう。裏切らないんだよねNWOBHMスタイルのバンドはさぁ。
この素っ頓狂なシャウトをキメるシンガーなんて、2018年では考えられないよ。