オリジナルのリリースは1990年であるデビュー作。わが国では2年遅れの92年にリリースされるも、その時の帯タタキが凄い。 解散記念盤『ドリームポリスはこんなに素晴らしいバンドでした。』である。 91年に2ndで国内デビューを果たしプロモーションによる来日も決まっていた矢先の解散劇にリリース元もひっくり返ったでしょうね。契約してリリースしたのに金を返せと言いたいでしょう。エピックレコードもご立腹だったでしょうねぇ。 そんな短命なバンドだった為に、日本でもイマイチ認知のないバンド。音楽性も当時流行りのブルージーさも加味したアメリカンロック、所謂BACK TO 70’の煽りを受けたノルウェーのバンドでした。 オープニングからブルースハープも飛び出す乾いたサウンドを披露したりと方向性は完全に定まっている、パワフルだがエモーショナルな歌い手もロック然とした熱さがあり、この手の楽曲には良く似合う。バックの演奏も堅実で派手さはないが的確だ。北欧のマイナーバンドと言う匂いを全く感じさせないワールドワイドな作り込も上々、これならスカンジナビア半島を飛び出し活動も出来るでしょうと言いたくなる優れた一品です。 リリース当時は、この手のアメリカンロックは嗜好に合わなかったので完全にスルー、90年代の中頃まで無視でした。記憶では世界中から、バットボーイズ系のロックやブルースロックバンドは雨後の筍の如く世に氾濫していたのでね。
『Surrender』のようなゴスペル調のブルージーなナンバーや、スローバラードの『When The Sun Goes Down』、はみだし刑事情熱系(風吹じゅんです)なホットな熱情とクールな哀愁が調和したシングル向けの『Little Angel』などが好みなのだが、バンドの本分としては、アメリカンロック志向なので、90年代初頭のサウンドが好みの方はドンピシャでしょう。
配信盤が出ないので、我慢しきりれずに高価なボックスを買ってしまった。久々の大物買いである。個人的にはせっせと、彼らの作品をコンプリートしたので、大きく購買欲を擽られた商品ではないのだが、デジタルリマスターと大好きな4曲入りEP『Dog Fight』や貴重なシングル盤の『Dog Fight』がCD化された事は喜ばしい事だ。特にEPは名曲がずらりと並ぶライブでも定番の名曲集。 アグレッシブな『Metal Saber』やブルージーで感動的な『Water Night』、ダンサンブルな『Stop the Motion』、メッサーシュミットカミン、空を見ろ『Dog Fight』が高音質で聴けるのが嬉しい。 他にも未発表のライブ音源もあり、やはりマニアにとっては興味を擽られる一品だ。また新規さんには、このセットで彼らの魅力を文字通りコンプリート出来るのも素晴らしい出来事であり、手が出しやすい商品である。
BURRN!の藤木さんも同じ苦情を寄せていたよと、お知り合いに教えてもらったのだが、実はライブDVDに収録されているAll Night Metal Party '84 to '85の映像がイマイチ良くない。何故か音質が劣化しているのだ、映像も粗いしね。マスターテープの問題だろうが、今のテクノロジーなんで、もう少し立体的な音像で再現して欲しかった。
檻の中で覆面を被った男がド派手なドラムを叩くパフォーマンスで話題になったサンダースティック。元アイアンメイデンのドラマーであり、脱退後はサムソンのドラマーとして知られている。どこかキワモノ的なイメージが付いたサンダースティックがサムソン脱退後に立ち上げたバンドがコチラ。キャラ設定のあるド派手なメイク姿もキワモノ感を継続、紅一点の女性シンガーもロック的と言うよりはセクシーな節回しで妖艶さもあり、キャラが際立っている。彼女の歌声も生かしたポップロック風味の強いサウンドは、グラマラスでありながらも派手なドラムを中心にバランスよく作り上げようと努力している。 真面目にオフザケしていると言える音楽性、その質は低いわけがないくキャッチーで聴きやすいハードサウンドは、色んな意味でキャラを際立たせた方向性と上手く絡み合っていた。 一発これといったキメ曲があれば、バンドとしての魅力も伝わりやすいのだが、真面目さが勝っていると思われ想像以上にしっかりとしたサウンドだった。 CD化の際にはEP+未発表5曲追加のタイトル『Echoes from the Analogue Asylum』という商品が流通されています。 英国ハードサウンドマニアなら、キャラの濃いサンダースティックさんを見逃すわけにはいきませんよね。ちなみにプロデュースや作曲の大半を手掛けるバリー・グラハムはサンダースティックの本名です。
わが国が世界に誇れる地獄のメタル番犬、HELLHOUNDの2nd。デビュー作から世界中にいる流行り廃りに左右されないダイハードなメタルファンから熱烈な支持を受けていた彼ら、今作を引っ提げ海外のフェスにも参戦、ドイツで行われたKeep It True XI Festivalの熱演はライブアルバムとしてパッケージされている。 へヴィメタルのなんたるかを濃厚に抽出したサウンドは、一歩間違えればパロディだ。皆が名前を伏せているから余計に、その要素も強まる、大手メディアも相手にしてくれない。しかし、ここで聴けるサウンドは嘘偽りが一切ないガチンコのメタルであり、徹頭徹尾先人達が作り上げた様式に則り、自分達のスタイルとして提示してくれている。 へヴィメタルという言葉に恋い焦がれ、人生を生み外した猛者なら(アホみたいに作品を買ったりライブに行かなければ家が一軒立つってヤツです)必ずや胸に響くでしょうね。 ノスタルジーでは終わらない言い訳無用のガチンコサウンド、豪快に踏みならされるドラムの激しさ、重厚なラインを刻むベース、切り立ったメタルリフのカッコよさ、そしてハイトーンスクリームする歪んだ歌声、初期衝動を擽りまくるへヴィメタルサウンドに胸が熱くなりますね。 若い人にこそ、普遍的メタルの魅力を体感して欲しい。海外のアーティストではなく日本にもいるのだから。
あのマーク・マンゴールドがダニー・ヴォーンとタッグを組む、しかもレーベルは英国のNow&Thenとくればメロディアス系に強い、ギターにはアル・ピトレリの名前がある、こうなると俄然興味を湧きますがアルバムタイトル『BLUES FOR DAZE』に、サイケなジャケット…リリースは1997年、うーむ、これはAOR風味のメロディアスなロックじゃないな?と聴く前に飲み込みましたが、予想通り90年代に流行ったBACK TO 70'サウンドでした。 参加メンバーやキャリアを期待すると完全に肩透かしを喰らいますが、Black Crowesあたりの埃っぽいブルースロックをイメージして頂けると想像出来るかと思います。せっかくのスーパーバンドなんだからと思いますが、これも時代の流れと言うモノ、古典的なブルースロックが好きな人なら大いに楽しめるでしょう。
イギリスのHear No Evil Recordingsから2017年に突如リリースされた6枚組のレアライブ音源。その生々しいブート音源に権利関係やギャラの問題なの複雑な人間模様が頭を過りますが、何と言っても主要メインバー2名が他界した、今だからこそノスタルジーに浸る意味でもタイムリーな一枚だったと思います。初期ならではのカヴァー曲もあったりとマニアならずとも身を乗り出したくなりますね。小さいクラブハウスのブート音源ばかりと思いきや、ラストは、あのドニトンで開かれたモンスターオブロックの貴重な音源、生々しいサウンドは当時の彼らを知る上では貴重な一枚でしょう。 あくまでもオフィシャルな形でまとめられた希少なライブ音源。すでに市場に出回っているブートもあるが、在りし日の姿に思いを馳せる事が出来る貴重なライブですね。
昨年の年末から今年の頭にかけ怒涛のリリースを敢行したNEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTIONの一つとして復活した国産プログレバンドのデビュー作。Key兼Voの小川文明氏を中心としてバンドはスタート、参加メンバーは実弟でG.小川逸史。Bは小嶺恒夫、Dsは手数王でお馴染みの菅沼孝三の4人。そしてアディショナル扱いですが女性Voの久保多美子さんがレコーディングに参加。
JAPANESE ASSAULT FEST 14の雄姿が今だ語り草となるNWOBHMのレジェンドによる最新作。濃厚に絡むツインギターはあくまでも攻撃的な調べを奏でビシャビシャに湿ったフレーズで興奮させる。起承転結のあるダイナミックな展開。NWOBHM当時を再現するような近代的地下室サウンド、そのアングラ感を損なわず今の時代を生き抜く現役感は皆が一体となり独特の空間を演出する事で生み出されている。ハッキリいって今が全盛期、もはや昔のイメージに拘る事もない、どこかダークな設えもバンド名やジャケットからのイメージを反映、NWOBHM由来の荒々しさと相まって妖しさも全開だ。 復権された古典HM/HRの威信。今作はSATANにとって新たなるレガシーとなる一枚だろう。