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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2401-2500

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MANIPULATED SLAVES - The Legendary Black Jade ★★ (2018-11-18 12:22:44)

関西のメロデス系スラッシュメタルバンドが2002年にリリースした2nd。個人的にはボーカルのスタイルがグロウルか否かの違いでイエテボリ系列に連なるサウンドだと思う。そちら方面には明るくないので詳しい事は分からないが、IN FLAMESのCOLONYやCLAYMANl辺りの音楽性に近いだろう。叙情性と劇的な展開、スラッシュならではのアグレッションとスピード感、デスメタル系の攻撃性と正統派サウンドといっても遜色のない丁寧な作り込、どこに重きを置いて聴くかで評価も一変しそうな多様性があるのも面白みなんでしょう。泣きのクサメロもスピード感も分かりやすいと言うのがメロデスの人気の一つ、その部分を明確に押さえているが強みですね。個性は薄めだが日本人らしい拘りが効いてる。リリース時的にはタイムリーな音楽性だったでしょう。


Syu - CRYING STARS -STAND PROUD!- ★★★ (2018-11-18 11:41:11)

個人的にはガルネリウスにハマらなかった事もあり、毎回楽しみなシリーズだったが中々食指が伸びなかった。何と言ってもガルネリウスでもカヴァーアルバムを出していたし、聴いた事がない曲も3曲あり、さらには小野正利先生が5曲も歌ったりとガルネリウス感がハンパなく、ずっと二の足を踏んでいました。
しかし坂本英三フリークとしては、彼が参加するアルバムを聴かないと言う不義理は出来ませんので迷わず購入。オープニングから坂本英三が魂の籠った不器用な歌声で魅了と、STAND PROUD!シリーズの名に相応しいアルバムに仕上がっています。

主役たるSYUの選曲も無難なもが多く、自身のバンドで行っているカヴァー大会との差別化を図っている。むこうはマニアックな選曲でファンを泣かせていますからね。歌心のあるプレイは勿論だがワウを噛ませた泣きのギターから、ペトルーシのフレーズを重視しつつも流麗に弾き倒す技巧と表現力に肉薄、まさに彼の渾身のプレイを堪能できる一枚ですね。
また若いギタリストともバトルと展開、リードヴォーカルも務めスパイナルコードファン以外にも歌える面もアピールと、SYUの魅力を知ってもらうにはうってつけでしょう。

個人的にはどうしてもガルネリウス感が漂い参加メンバーも偏っているよなぁと思うのだが、逆を言えば彼の同期でガチンコのメタルバンドがいないと言う現実問題の表れで、人材不足を物語っているのかも知れないが、多くのファンにとっては問題は生じないでしょう。若い人たちが楽しめる選曲というのが最大のポイントでしょうね。聴きやすいバラードも入れ優しさに溢れた好カヴァー集でした。


Syu - CRYING STARS -STAND PROUD!- - The Spirit Carries On ★★★ (2018-11-18 11:20:39)

本家を聴き比べても遜色のない完コピ大会
拘りに抜いて渾身のプレイに頭が下がります
今のテクノロジーなら簡単に手直し可能
歌だって機材が勝手にピッチ調整までしてくれる
そんな時代に生身の人間がテクノロジーにあがない
プレイをするなんてね
聴いている側だって判別がつかないのに
そこに対するこだわりが凄い
そういう意味でも感動出来るハイライト的な一曲


Syu - CRYING STARS -STAND PROUD!- - I Remember You ★★★ (2018-11-18 11:16:44)

アメリカンロックバラードを2曲も収録とは驚きです
小野先生は何を歌っても上手い
オリジナルもかなり高いキーを歌っているのでベストな選出でしょう
そしてオリジナルを超えるギタープレイが感動を運んできます
ただオマケ感が漂う選曲だった


Syu - CRYING STARS -STAND PROUD!- - Red Sky ★★★ (2018-11-18 11:14:40)

剛球一直線な坂本英三流の色気とパワーヴォイスがステキだ
魂が籠っている渾身の歌でしょう
トーン一発に拘るマイケルギターもたまらん
拘りの好カヴァーだ
口うるさいマイケルファンを黙らせるだけの魅力に溢れている
リズム隊も堅実だよ


Syu - CRYING STARS -STAND PROUD!- - Against the Wind ★★ (2018-11-18 11:10:39)

小野先生の歌が素晴らしい
本家よりも歌いきれている感じが凄いよね
ガルネリウスチームによるカヴァー
いろいろとねじ込んでいるが無難な選曲だった


Syu - CRYING STARS -STAND PROUD!- - Alone ★★★ (2018-11-18 11:08:24)

ギターアルバムにHEARTのバラードを選曲とは以外です
ソロでは歌心のあるプレイで魅了
絶妙な弾き回しで感動を運んできます
歌入れのAKANE LIVがガイドヴォーカルみたいなのがチョイと残念
歌い慣れていない感じが強い
それでもTV東京カラオケ選手権では味わえない臨場感が素晴らしい
なんだかんだ言って一番好きなカヴァーだったりする


Syu - CRYING STARS -STAND PROUD!- - We’ll Burn the Sky ★★★ (2018-11-18 11:04:22)

イントロのエモーショナルなギター
そして小野先生の歌の入り方
何度聞いてもゾクゾクさせられるねぇ
情念たっぷりの初期スコピ節を完璧にリスペクト
本家に肉薄する渾身の一曲ですね
小野先生もギターも凄いんだよなぁ


Syu - CRYING STARS -STAND PROUD!- - Never Die ★★★ (2018-11-18 11:01:13)

イントロのギターがイイですね
いきなり突っ込んできたら単なるコピー大会になるからね
インギーとSyuの違いを楽しめる一曲
やはり並のギタリストではない
バックを固めるメンツも堅実だ
そして小野正利の歌声もベストでしょう


Syu - CRYING STARS -STAND PROUD!- - The Damnation Game ★★★ (2018-11-18 10:56:50)

凍てついたメロディックメタルに切れ込むNOVのカミソリシャウト
無理無駄のないタイトな演奏は本家を凌ぐ出来栄えだ


Syu - CRYING STARS -STAND PROUD!- - Street Lethal ★★★ (2018-11-18 10:53:39)

オリジナルもドラムの勢いが凄いのだが
ここでも完全に推進力となり牽引している
バカテク軍団によるスリリングなカヴァー
坂本英三は力が入り過ぎた(笑)
その不器用さが坂本英三なんだろう
粒だった上品なギターを弾く男だよ


SABBAT (日本) - Fetishism ★★ (2018-11-17 14:51:45)

日本が世界に誇るカルトメタルの代表格。その名は魔女の宴に相応しい熱狂的な支持層を獲得している。禍々しくも美しい、邪悪なる暗黒様式の則ったデスメタルサウンドは、もし正統なフォローをメディアから受けていたら、日本国内における北欧のバンドによるメロデスブームにのり、猫も杓子もメロデス最高と急激に呼ばれ出す、あのクソダサい事象は起こらなかったでしょう。当時から彼らの存在をフォローするマニアが多くいた事を明確に提示しておきたい。そして彼らの影響を受けたバンドが国内外に多くいることも重ねて提示しておきたいですね。

ローファイな音質から繰り出される邪悪なる鋼鉄の刃が聴き手の理性を切り裂き、瘴気に塗れたノイズサウンドが未知なる世界へと誘います。汚らしいデスヴォイスが唸り上げる闇夜への咆哮、演奏の粗さや音質の悪さを逆に生かした演出力が、殺伐とした空気を生み出し近寄りがたい魔力を発揮している。禍々しいサウンドの中で憂いのあるメロディが、ダークな設えの中で優雅に舞うパートも聴きどころだ。その絶妙な割り振りに、この道を極めんとするバンドの姿勢には貫禄すら漂いますね。


Ария(ARIA) - Проклятье Морей ★★★ (2018-11-17 14:07:48)

ロシアンメタルの皇帝。我らがアーリアが4年の時を経てリリースされたスタジオアルバム。その間にもベストやライブアルバムなどをリリース、世界市場にも打って出ると言う好機を迎え遂にはアメリカでのライブを行ったと言うのだから驚きです。トランプ政権になったんで今は厳しいでしょうけど、自ら開いた門戸を閉じる事無くユーロ圏のみならず西側諸国にも、その名を轟かして欲しいものです。
サウンドの方は変わりません。ロシアンな独特のメロディセンスと、アイアンメイデンに触発された古典的HM/HRサウンドを軸にドラマ性の高いアーリアワールドを披露しています。ここ数作は多少なりとも時代への接近を彼らなりに意識した部分は感じられたが、今作ではそういった要素を排除。自らの信念たるメタルスピリットを完璧に描き上げた構築美学は、過去最強の出来栄えを誇るでしょう。自らとして、そしてロシアンメタルとしても新たなる聖典とも呼ぶべき快作。
静と動のコントラスを生かした劇的な展開、練り込まれた深遠なるドラマ、古典的な様式を硬くなに守る伝統様式、現存する正統派と定義されるバンドの中でも最高峰に位置するバンドに相応しい内容となっています。

広大なロシアの地は勿論ですが、東欧圏のみならずユーロ圏では絶大な知名度を誇るロシアのメタルパイオニア。その存在をありがたがる事無く出している音が、いまだに現役感を損なうどころか、より深く進化しているのが最大のポイントだ。
ツインギターコンビが織りなすドラマティックなアンサンブルの数々、緊張感を高めつつボトムを支えるリズムプレイ、そしてバンドの顔となるシンガーの見事な歌いっぷり。メロディアスで叙情性も高いのに、刺激的な攻撃性が放つ高揚感と豊かなドラマ、東欧のみならず欧州産HM/HRが持つエッセンスを網羅した集大成とも言える一枚だろう。またミキシングにロイZが参加しているも安心材料の一つでしょう。

まだ見ぬ大物、こういうバンドを招聘出来て初めてメタルフェスなんだけどね。アメリカで人気のオシャレメタルに興味を持てない筋金入りのコアなファンに目を向けて欲しいねぇ。


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - Open Arms ★★★ (2018-11-16 12:32:29)

もはやスタンダードなロッカバラードと言っても差し支えのない
ジャーニーの名曲をしっとりと歌い上げています
以前にも歌入れしているので新鮮味はないがアルバムを閉めるのに相応しい一曲でしたね


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - Lovedrive ★★★ (2018-11-16 12:29:45)

オリジナルも高いキーを歌っているのですが
小野先生は完璧に歌い上げています
へヴィメタルモノマネ選手権なら優勝する出来栄えだ
クラウス・マイネの憑依ぶりに驚嘆です
これもベストテイクと言えるだろう


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - I Want Out ★★★ (2018-11-16 12:27:47)

ガルネリウスと親和性の高いハロウィーンをカヴァーしたのは
ファンにとって喜ばしい選曲だろう
聴く前から出来ると分かっていたんですが
自分の持ち歌のように堂に入った歌っぷりは流石


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - Fool For Your Loving ★★★ (2018-11-16 12:12:14)

小野先生がカヴァーデイルを歌う
色気のある節回しも魅力的だ
演奏はメタル度の高いアレンジに仕上げている
コージー的なドラムも耳を惹くねぇ
ソロは少し弾き過ぎかもですね


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - Stranded ★★ (2018-11-16 12:08:24)

中盤ポップロックが並ぶので損している
曲単位が悪くないのに残念だ
バックもメタル度が高いかね


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - Angel Don’t Cry ★★★ (2018-11-16 12:06:27)

TOTOのカヴァー
オリジナルはファーギー・フレデリクセンが歌う
その時代を選んだのが憎い
そして本家にも負けない伸びやかな歌声が聴き手を魅了するでしょう
小野先生にはこの路線のアルバムを作って欲しいと思いましたね


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - Never Surrender ★★★ (2018-11-16 12:03:26)

小野先生がカル・スワンをカヴァーするとは予想外です
そして予想以上にカル・スワンぽく歌っていました
激ハマりのカヴァーになるとは懐の深いシンガーだよ
これを機会にLIONの存在を若い人にも知って欲しいねぇ
ただガルネリウスとLIONの親和性が高いとは言えないのが気になるけどね


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - Mighty Wings ★★★ (2018-11-16 11:59:38)

この歌入れは本当に素晴らしい
個人的にはベストテイクと言えるほど
小野先生の声が生き生きとしている
ポップでキャッチーなロックソングなのにパワフル
それもこれも小野先生の歌によるのだが
オリジナルに思い入れの強い人もこのヴァージョンの素晴らしさにふっ飛ばされるでしょう


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - Rock ’n’ Roll Children ★★★ (2018-11-16 11:55:56)

DIO校長の曲を小野先生がカヴァーするとは
高音域のみならず中音域も力強く魅力がある事を知らしめています
選曲の渋さもアレンジも全てが◎
構築された名曲だなぁ


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - Tonight I’m Falling ★★★ (2018-11-16 11:52:57)

TNTの曲は小野先生の声で聴きたいですよね
クリアーな美声にうっとりですよ
こうした曲を聴き若い人が元曲に興味を持ってもらえれば幸いです
ベタな選曲やったでぇ


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - Spotlight Kid ★★★ (2018-11-16 11:51:03)

小野先生が歌う事でイメージも変わってきた
ガルネリウスファンにとっても鮮烈なるインパクトを残す
レジェンダリーなカヴァー曲
バックの熱の籠った演奏にも汗が噴き出します
ヘイって掛け声も再現したんですね(笑)


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- - Lady Of Winter ★★★ (2018-11-16 11:48:09)

知る人ぞ知るエピソード
クリムゾングローリーの前座を務めた小野がライブで歌った曲
それをオープニングに持ってくるとは色んな意味で興味深い選曲だ
透明感のある声は美しくも力強い
小野正利の魅力を端的に伝えている素晴らしい歌入れだ


CRO-MAGS - Best Wishes ★★★ (2018-11-16 11:27:27)

ニューヨーク・ハードコアパンクスの顔とも言われたハーレー・フラナガンのバンドと言われたていたので、鉄下駄履いて走り回るガチャガチャとしたスケーターロック的なものを想像していたら見事に裏切られました。
何物にも属さないクールな感性は都会的、冷めた狂気をはらんではいるが、ここで聴けるサウンドは純然たるへヴィメタルの様式に属したスラッシュサウンドを披露。

METALLICAがNWOBHMなら、俺たちはハードコアからの影響なんだと言わんばかりの厳ついメタルサウンドで勝負、専任シンガーも抜けフラナガンがベースと兼任する形で歌入れしているのだが、そういう要素もマイナスに働く事無く、逆に無感情な冷徹さが加味されている。メタリックなギターと突破力の高いへヴィグルーブの絡み、ハードコアテイストもあるのだが、それ以上に強く感じられるのは丹念に構築された格式高いメタルマナー、徹底的に贅肉をそぎ落としたマッチョでソリッドなサウンドは、力任せに突進するだけではない整合感がある。

それでありながらも精神を不安定な気持ちにさせる混沌としたパワーも内包。なんとも言えない怪しげな世界観、破滅的な面を際立たせるエネルギーも充満、良く聴けば多様な顔を覗かせる楽曲の雑食感が肝だろう。尖りまくったパンキッシュなアジテーションヴォーカルも2ndの顔なんだなぁ。


STRIKER - Play to Win ★★ (2018-11-16 11:11:00)

カナダの若手正統派HM/HRバンドによる5th。華々しい80年代的サウンドを主軸にメタルバンドならではの躍動感溢れるへヴィグルーブを引っ提げ勢いよく駆け抜けていきます。作り込みの上手さも先人達をお手本に今の時代に再提示、けして焼き回しのパロディに陥らないの強みだが、ややメインストリーム寄りに偏り過ぎたきらいはある。その辺りに評価も分かれそうですが、洗練されたメジャー級のサウンドが主食の方なら安心して手を出せる優良物件でしょうね。
堅実なギタープレイもメロディアスだしハードに迫っている。正統派という枠組みの中で自由奔放に振る舞う王道サウンドは、売れるぞと言うギラギラとした野心に満ち溢れている。


KUNI - Rock ★★ (2018-11-15 16:23:46)

マスクを被ったレフティスナイパー、単身渡米、自らの人脈を駆使し有名アーティストをバックに従えアルバムをリリースした男。その快進撃は多くのミュージシャン志望の若者の希望となったし、彼の派手な速弾きとバランスの取れた本格派のサウンドは、国籍無用のワールドワイドな作風だった。
結局、大きな成功を収める事が出来ずに帰国。裏方稼業に回っていたKUNIが2011年に復活のアルバムをリリース。

期待の内容は、デモ音源の製品化と言う期待通りとは言い難い内容だった。特にラフミックスの音源を、そのまま製品化してしまい、権利の関係などあり勝手にマスタリング出来なかったのだろう。それにしても惜しい内容だ。マーク・ボールズが5曲も歌入れしている、艶のある伸びやかな歌声と、メロディアスなサウンドの相性は抜群の相乗効果を生み出し、デモ音源でも、ずば抜けたパフォーマンス力を発揮。改めて素晴らしいシンガーだということを確認出来ます。
全10曲中、インストは2曲。歌入り8曲の内容通りバンド形式のサウンドになっているので、マークの歌声を存分に楽しめます。ラストはKISSのRock 'n Roll All Nightをギルビー・クラークが歌っていますが、このあたりのお遊び感が、アルバムのクオリティを下げており、未発表のデモ集感がエグい。そんな中で④⑤は日本人シンガーが担当。④はSex MachinegunsのAnchangが担当。そして⑤はAsukaという女性シンガーが歌うのですが、彼女は完全に足を引っ張っています。
その為マーク・ボールズの歌を楽しむような作風に落ち着いているが、デモ音源なんで大目に見て欲しいと思いますね。
個人的にはKUNI復活を喚起させるような、惜しい内容に終始したデモ集。本気のTake Off the Masqueをみたいものです。


METALUCIFER - Heavy Metal Hunter ★★★ (2018-11-14 14:40:57)

世界中のカルトマニアから絶大な支持を受ける国産メタルの勇者METALUCIFERが1996年にリリースした6曲入りのEP。今までの何度か再発されてきましたが枚数が少ないために、中々世に出回らない幻の一品だったのですが、今回めでたくSkol Recordsからダウンロード盤が出る事により世界中のマニアを歓喜させたレアアイテム。

1. Heavy Metal Hunter (Part 1)
2. Monster of the Earth
3. Fallen Angel
4. Wolf Man (Japanese version)
5. Bloody Countess (Japanese version)
6. Headbanging (Japanese version)

1stから日本語ヴァージョン3曲とヴァージョン違いを1曲と新曲により全6曲収録。
咽び泣く哀愁のツインリード。適度な疾走感、そして狙っているアナログなローファイサウンドと、まるでNWOBHMバンドのデモ音源でも聴いているような錯覚に陥るのだが、これが純然たる日本人から繰り出されているのだから驚きです。
正直ドラムのリズムパターンなど面白みに欠けるし、マニアックな空気が流れるのだが、このアングラ臭漂うNWOBHMサウンドは、多くのマニアにとって求心力の強いものであり、ズンドコ感も下手な歌も含め独特のドラマ性を生み出している。
NWOBHMマニアなら、この哀愁溢れるツインリードに胸を焦がして欲しいです。


BABY TUCKOO - Force Majeure ★★ (2018-11-14 14:18:44)

オリジナルは1986年、Music For Nationsからリリースされた2nd。国内盤はそのMusic For Nations 10Th aniverseryと銘打たれてポニーキャニオンから1996年にCD化再発された一品。90年代の日本は勢いがあり、グランジブームの裏で、このようなマニア泣かせの隠れた一品を数多く再発していましたね。今作もそうでしたが世界初のCD化、所謂リイシュー盤というのを多く世に送り出していました。しかもオリジナルより1曲多くってのもマニア泣かせの仕様でした。

英国的な煮え切れないメロディと歯ごたえのあるサウンドは聴き応え十分、ハードポップと紹介されていたのですが、そんな甘い空気はなく、便秘気味のデイブ・メニケッティがずっと踏ん張っているような、力の入った歌とハードなギターは堅実であり、陽気なノリなど排除。軽めのキーボードや多少やわらかめのフレーズなど、キャッチーな仕掛けはあるが、ハードポップという表現はズバリと当てはまらないでしょうね。
歯切れのいい演奏とパワフルな歌声、そこに英国ポップス風味も盛り込み、やはりパワフルに聴かせる仕様は、古典的な響きを奏で適度に耳を刺激してくれる。
一頃は世界中のコレクターが血眼になって捜していた一品だと言うのだが?そこまでのクオリティもないと思うが…伝統的な英国スタイルのハードサウンドに興味のある方はトライする価値はあるかと思います。アトミック・トミーMのいたUFOに近い音楽性でしょうね。
ちなみにシンガーのロブ・アーミテージは一瞬ではあるが、ウド・ダークシュナイダーを解雇したACCEPTに籍を置いた事でも知られる人物ですよ。


PHANTOM LORD - Evil Never Sleeps ★★★ (2018-11-13 13:55:16)

中学生のいたずら書きのような画力による残忍なジャケに萎えかけますが、こちらの参加メンバーが熱い。ギターはVirgin Steeleのジャック・スター、もう一人のギターはThorでお馴染みのスティーブ・プライス。ベースはジャックとの共演も多いネッド・メロニ。ドラムはRAVENやPentagramなどで活躍する、これまたジャックとの共演が多いジョー・ハッセンヴェンダー。そしてシンガーの座はUSパワーメタルのAttackerにいたジョン・レオネの5人によるUSパワーメタル連合軍によるプロジェクトバンド。
8曲入りで30分を切る内容なだけにフルアルバムと呼んでいいのかは分からないが、JPからドラマ性を抜きスピード感だけを高めたようパワーメタリックサウンドは、駆け引き無用、とにかくメタリックな質感を伴いキレ味鋭く一気に走り抜けていきます。その無愛想さに一瞬たじろぎますが、気がつけばリピートしたくなる魅力がある。まぁ、シンプルなスピードメタルなんで、もう一度内容を確認したいという思いも強いんですけどね。
1986年にリリースされたファントム・ロードの2枚目。ライブ活動などあったのかは分からないが、ここから3曲ほど、Jack Starr's Burning Starrの『No Turning Back!』に流れているので違いを確かめる意味でも貴重な一品かもしれません。長らく廃盤でしたが、Skol Recordsから再発盤が出ています。一番楽に手に入れるのはダウンロード盤が一番ですね。
へヴィメタルの魅力たるダサカッコよさを抽出した名盤ですよ。


JACK STARR'S GUARDIANS OF THE FLAME - Under a Savage Sky ★★ (2018-11-13 13:33:47)

知る人ぞ知るフランス人ギタリスト、ジャック・スターの別プロジェクト。ムッチムチのガチガチなメタルギターを奏でるジャックのギターは健在。今回はエピカルな要素も増量と毎度お馴染みのテイストとは違う面を見せているのが、Guardians Of The Flame名義という事なのだろう。息詰まるようなパワー一辺倒のサウンドは聴きやすいとは言えないが、これぞメタルと呼ぶに相応しい硬質感は、USアングラメタルの一群に属するジャック・スター関連ならではの味わい。ドが付く程のメタル道は、借りもののフレーズも好意的に受け止めさせるほどの力がある。その合わせ技一本で押し切る力技に思わず笑みがこぼれますね。
オリジナルはギリシャのCult Metal Classics Recordsから2003年にリリースされた一品。それが2018年にダウンロード盤で復活、今度はポーランドのSkol Recordsからと、マニアに愛されていますよね。

癖が強いので聴き手を選びますが、スピーディーでキレはあるが、どこかぎこちないと感じさせるジャックの存在感の強さ。盟友とも呼べるネッド・メロニとジョー・ハッセルベンダーによる屈強なリズムプレイ。そこにオランダのPictureなどでシンガーを務めたサミー・アヴィガルの歌声が乗り、ファンタジックな世界観を剛毅なスタイルで演出している。
そちら方面のエピックメタルを愛するマニアなら猛烈に引き寄せられるでしょうね。一般的な感性でいくと一曲目からクドいので胃もたれしそうになるサウンドだと思います。


IMPELLITTERI - Live! Fast! Loud! - Stand in Line ★★★ (2018-11-12 13:28:36)

インペリテリの名を広く知らしめたアルバムから
今の作風とは違いが分かりますね
歌うはロブ・ロック
何度聞いても良い曲だなぁ


IMPELLITTERI - Live! Fast! Loud! ★★ (2018-11-12 13:26:38)

ファンクラブ限定でリリースされた日本国内のツアーの模様を収めたブートライブ音源。その甲斐あって生々しいインペリテリのライブが体感できる一品だ。バランスの悪さや手直しをしていないという時点でも資料的な価値は高い。
1998年リリースなのだがデビューEPからEye of the Hurricaneまでの楽曲とオマケ的なDPの『HIGHWAY STAR』のカヴァーも収録の全16曲入りのライブアルバム。巷ではライブはイマイチと言われていたインペリテリですが、このアルバムを聴く限りはワンマンではないバンドとして機能しているし、ギターも十分スリリングだ。硬めのメタリックリフの高速シュレッドも劇的なスピードプレイも期待通り決まっているぞ。脇を固めるメンバーの鉄壁の布陣と呼べる程、インペリテリと共鳴しないバンドサウンドを高めている。妙に生っぽい音質だけに荒さも含め、コチラに息遣いまで聴こえてきそうだ。

オフィシャルのライブ音源を出していないインペリテリ。そろそろ世に送り出して欲しいね。動くバンドも観てみたいもんです。


MASTERMIND - From Here to Eternity ★★★ (2018-11-12 13:08:57)

2ndを大手ポニーキャニオンからリリースした実績もある国産ネオクラパワーメタルバンドの4th。と言ってもリメイク2曲にSE的なインスト2曲の9曲入りの為、情報としては少々弱いのだが、出している音を聴けば納得の一枚。
この手のサウンドを歌うには少々クセの強い歌声なのだが歪みきったハイトーンは個性的であり、バンドの看板として機能している。良く動きベースの存在感、バンドサウンドの推進力となるパワフルなドラムと屋台骨を支えるリズム隊は強固な守りを見せボトムを支えている。クラシカルなフレーズもバンバン決めるメロディアスなツインリードは常にスリリング、そのアイデアはベタなものであろうと、切れ味の鋭さと畳み掛ける迫力のある展開は聴く者を圧倒するだろう。
ギターのフレージングなどにもキメるところとソロやバッキングなどに、両者の違いを設けたりと工夫を凝らし、通り一辺倒になりがちなスタイルのサウンドにオリジナルティを持ち込んでいる。また細部に拘ったアレンジはゲスト参加のキーボードプレイヤー達の貢献度も大きいと、マンネリ打破を目指しているようで好感が持てますね。
叙情派路線の正攻法で迫るパワーメタルサウンド、ネオクラ風味もふんだんに盛り込んだ今作は、小奇麗過ぎると感じるのだが、徹頭徹尾メタリックな作風に染まっている。
それにしても存在感のあるベースプレイヤーだなぁ。


STRANGEWAYS - Native Sons - Only a Fool ★★★ (2018-11-11 12:21:42)

アルバムのオープニングはこちらの方が良かったのでは?
メロディアスで優美なソフトロック
よっ!待ってました!と声を掛けたくなる
お待ちかねの一曲ですね


STRANGEWAYS - Native Sons - Stand Up and Shout ★★★ (2018-11-11 12:18:49)

⑥もギターが目立ちましたが
この曲も弾くべき所で弾きまくっています
押しの強いエモーショナルヴォイスに負けない
絶妙なハード&メロディアスサウンドの襲いかかり方も絶妙だ
キーボードを上手く使っているよ
もう少しでダサくなるからね


STRANGEWAYS - Native Sons - Empty Streets ★★★ (2018-11-11 12:16:28)

Journeyタイプの名曲ですね
熱く燃えるも爽快感のある歌声も映える
適度なハードさと湿り気のある哀愁のメロディ
コーラスワークも含め聴きどころの多い一曲


STRANGEWAYS - Native Sons ★★★ (2018-11-11 12:14:12)

地味で中途半端な印象を残すオープニングのせいで損しているなぁと思わせるも、口の肥えた歌モノロックファンを唸らせる楽曲とパフォーマンスで魅了するバンドの出世作。シンガーに情感豊かな歌唱スタイルがスティーブ・ペリーに肉薄する実力の持ち主、テリー・ブロックの加入がバンドサウンドを大きく飛躍させた。
キャッチーで躍動感のあるロックサウンドは、歌を聴かせる事をメインに据え置いても軟派にさせないアレンジメントは流石の一言。○○の亜流と言えなくもないが、この普遍的魅力を携えた楽曲は、湿り気もあるが爽快感を漂わせる哀愁のメロディを軸とし上品に仕上げている。巧みなフックの儲け方、大陸的とも言えるロックなダイナミズム、叙情的なフレーズの洗練度、どれをとっても一級品の優れた一品です。多くの歌モノロックマニアに愛される名盤。多くのマニアに聴いて欲しい一品です。


SHOW-YA - MASQUERADE SHOW - ターロン・オフ・キング (爪王) ★★★ (2018-11-10 13:04:28)

歌謡ポップスばかり収録されているアルバムの中で完全に浮きまくっている
関東様式美メタルバンドのヘレンの代表曲をカヴァー
この曲をやるのは早すぎた
もう少し実力をつけないとね
それとミックスが弱すぎる
彼女達のガス抜きの為に収録されたのかね?
当時としてはヘレンの名を世に知らしてくれた偉業に感謝です


SHOW-YA - TRADE LAST - 地下水道の月 ★★ (2018-11-10 12:58:19)

7分超えのスローバラード
若々しい声も微笑ましい
一人気を吐く五十嵐のギターが色んな意味で泣かせる


SHOW-YA - AURORA - 兵士の肖像 ★★★ (2018-11-10 12:45:23)

DEEP PURPLE+KING CRIMSON÷SHOW-YAな一曲
今までにないタイプのハードさが耳を惹きますね
歌のパートとインストパートの対比が絶妙だ
ストーリー性の高い歌詞も曲のイメージに合っている


SHOW-YA - PROGRESS - 限界LOVERS feat Namie Amuro ★★★ (2018-11-10 12:40:02)

彼女達のヒット曲
ゲストに安室奈美恵ちゃんを迎え寺田と歌い分けています
色んな意味で豪華ですが
アムロちゃんが本気で歌っているのは好感が持てます
J-POPの歌姫もロックを歌うにはチョイと弱い
それでも場違い感を出していない彼女の歌唱力は素晴らしいです


SABER TIGER - Obscure Diversity - The Worst Enemy ★★★ (2018-11-10 12:35:30)

PVも作られているしアルバムのリードトラックという位置づけでしょう
緻密なサーベルサウンドにワールドワイドな風を送り込んでいます
吼えるだけではない下山の歌唱スタイルも聴きやすさを誘発
メロディも際立たせつつダイナミックさを失わない新生サーベルを印象付ける一曲ですね


SABER TIGER - Obscure Diversity - Paradigm and Parody ★★★ (2018-11-10 12:30:53)

サビでキャッチーに跳ねたのに驚いた
サーベルらしいイントロからは想像もつかない持って生き方でしたね
これもレーベルの意向なんだろう
メロディアスでテクニカルなソロも耳を惹きますね
下山もこれくらい肩の力を抜いても魅力は損なわれない


SHOW-YA - AURORA ★★★ (2018-11-10 12:26:08)

寺田恵子カンバック後はライブ活動に精を出しバンドの結束を固めてきたガールズロックの先駆者と呼ばれる彼女達。ここ最近はコンスタントにアルバムをリリース。メンバー間のわだかまりも乗り越え完全復活を印象付けています。
とくに、再始動後は音楽性のスタンスを自分達のやりたいHM/HRを中心としたものとなり、中途半端なポップスは一切やらなくなったのも好印象。今作でも彼女達らしい歌謡テイストの強い歌モノハードサウンドを散りばめた王道路線で勝負。特に驚いたのがオープニングの①まるでDPのCHILD IN TIMEが始まったのかと思うほどシリアスな空気のイントロに驚いた。中盤のパートもシリアスな空気を壊さない展開に、ここまで本格的なサウンドを聞かせてこなかった彼女達にとっては、大きくイメージを変えさせる懐の深さを感じます。②以降はキャッチーなSHOW-YA流ロックを披露。どの曲も耳馴染みも良くフックを設けたハードサウンドは敷居も低く、J-ROCKファンをも取り込める魅力を放っている。
作詩陣も懐かしい顔が揃い済み、安藤和彦、森雪之丞に湯川れい子まで担ぎ出し往年の空気感を出しました。迷いのない音楽性、進むべき親しみやすいハードサウンドは等身大の魅力を携えていました。個人的には、ギターの五十嵐美貴さんが、少し大人しいように感じますね。あえてなのか事情があるのか分かりませんが、一曲の作曲していないしチョイと気になりましたね。


CARRIE - Secrets ★★ (2018-11-09 13:19:19)

Mad Maxを抜けたギターのウィルフリード・シュナイダーとドラムのウウェ・スタルクらが参加するバンドのデビュー作。フロントにはアネルネミ・ディンドルフなるトルコ系のドイツ人女性シンガーも据え置き、正攻法で迫る攻撃的なHM/HRサウンドを披露。オープニングが地味目の曲で始まるため肩透かしを喰らうのだが、アルバムは尻上がりにテンポアップする構成になっている。
ツインギターにキーボードもいる6人編成、それでありながらもメインストリーム寄りのポップさではなく伝統的なハードサウンドで勝負を掛けてきた姿は好感が持てますね。
アルバム一枚の短命で終わったバンド。リリースは1985年、レコード会社も閉鎖したマイナーなEarthshaker Recordsとくれば、オフィシャルな再発盤も望めないでしょうが、プロデューサーのクレジットに、あのラルフ・ヒューベルトの名前があるのに驚きです。彼のキャリアとしては、かなり初期の頃に手掛けたプロデュース作でしょうね。

硬めの歌声と、屈強なリフワーク、そして剛毅に打ち鳴らされるリズムプレイ。そこにキーボードが空間を広げる演出を施し、キメのフレーズがあるという構成。叙情性もあるし、工夫を凝らした音楽性ではあるが、やはり硬さからくる地味さは拭えない。それでも最後まで聴かせるのは多様性のある楽曲によるとことが大きい、やはり曲順は重要だ。
そういえばWARLOCKの初期の作風もこんな感じだったような気がする。


TORCH - Electrikiss ★★★ (2018-11-09 12:46:13)

初期スウェーデンメタルを語る上では外せないバンドによる2nd。日本にいると所謂、ヨーロッパの成功によりスウェーデンのメタルと言うのはメロディアスで甘美なものいうイメージが定着しているのだが、やはりこの国でも当然イギリスからの風を吹くわけで、NWOBHMからの影響は大きい。今作では伝統的なスタンスは変えずに、JP仕込みの豪快なHM/HRサウンドを披露している。多少なりとも時代を見据え明るめの曲もある事はあるのだが、武骨さが上回りパワーで押し切ってしまうのも微笑ましい。

洗練度などクソ喰らえ、メロディアスなんてメタルに必要ない。ロックなパワーと歪んだロッキンシャウトをお見舞いするぜと、ステゴロスタイルの喧嘩道サウンドで時代と対峙しています。残念ながら結果は敗北となりましたが、こういうのをへヴィメタルと呼びに相応しい剛毅なサウンドを轟かしています。誤解を恐れずに言えば、へヴィメタルなんてダサいからカッコいいと思っている。その時代に媚びない不器用さに、メタルの美学を感じています。売れる事とは別のベクトルを放つバンド。ヒットチャートとは無縁の精神性。先鋭されたロックスピリット、そんな魅力がメタルにはあると思う。
このバンドには、その洗練度とは無縁のスタンスに、この道を極めんとする気骨さが滲み出ていると思う。その男気こそ最大の魅力であろう。
でもこのアルバムが売れなかったのは、意味不明なジャケットのせいだと思う。全然コンセプトが伝わらないぞ(笑)


MAD MAX - Mad Max ★★ (2018-11-09 12:19:28)

ドイツ産の正統派HM/HRバンドが1982年にリリースしたデビュー作。当時のタイトルはスバリ『Heavy Metal』でしたが、2009年にポーランドのMetal Mind Productionsからの再発盤ではタイトルが『Mad Max』に改変、どうやらタイトル『Heavy Metal』は自主製作盤のみだけで、オフィシャルリリースの商品は『Mad Max』だったらしい。

時代はNWOBHMの嵐が吹きあれる80年代の初頭。その勢いはヨーロッパ全土に拡散していくのですが、このバンドもご多分に漏れずNWOBHM直系、歯応えのあるリフワークと剛毅なリズムに押し出されるメタリックなサウンドを披露。欧州的なメロディを引っ提げ力強く突進していきます。あまりにも実直なスタイル故に個性は薄いのだが、マイケル・ヴォスも参加していないと言う事で、素朴なという言葉がフィットするスタンダードなハードサウンドを響かせている。

所謂ハロウィーン登場前のドイツという事になるのだが、ハロウィーンにはとても興味深い話がある。彼らの魅力は、明るく朗らかで純朴なメジャーキーによるメロディがあると思うのだが、あのメロセンスと言うのはドイツを中心にオーストリアやポーランド位までで流行ったシュラガーと呼ばれるサウンドによる影響が強いらしい、日本で言うところの昭和歌謡、ムード歌謡的なものに該当するのだろうが、そのドイツ近郊の国で1960年代に流行った音楽を、ハードロックに持ち込み成功したのがハロウィーン。日本ではジャーマンメタルと言えばACCEPTやSCORPIONSよりもハロウィーンの方がイメージも影響も強いのだろうが、それは実に限定的な話で、ドイツでも稀有なスタイルだったと言える。彼らのスタイルはごく限られた地域でウケた歌謡曲のメロディを導入したと言う事なのだ。そして、そのシュラガーは80年代には下火になったのだが、90年代にはユーロビートなどに大胆に持ち込まれ、知らず知らずの内に多くの人が耳にする音楽になっているらしいと、欧州経済と文化に詳しい、大学の講師に教えてもらった事がある。どこまで本当なのかは分からないが、ハロウィーンサウンドの根幹となる、コミカルタッチのメジャーキーサウンドは紛れもなくシュラガーの影響だと言うのは、こういうバンドの音を聴けば合点がいく。

そして地味だしキャッチーさも足りないが、それでもロックの塊のような豪快なサウンドには、何物にも属さない古典的なスタイルを踏襲する生真面目なHM/HRサウンドであったのは間違いない。むしろ欧州的なスタンスのサウンドと言うのはコチラの方が正統と思えるからね、文化の成り立ちを知ると知らないとでは全然話が違ってくるのも面白い。


EARTHSHAKER - The Story Goes on ★★★ (2018-11-08 14:08:22)

1994年に一旦バンドの歴史に幕が下りるも2000年を目前とした年末に再始動を果たす、国産HM/HRバンドの最高峰に位置するベテランバンドが結成35周年を祝うべくリリースされた最新作。
哀愁系の歌メロをバックに躍動感のあるハードサウンドが乗るというスタイルを、そのままに今作では再始動後のバンドに加入しなかったキーボードの永川敏郎が参加。遂にバンドは5人体制に戻る。
バッキングにおける専任キーボードの復帰はバンドサウンドの強化に貢献。間口の広いシェイカーサウンドの演出力を高めています

流石に西田昌史の衰えは隠せない。ある意味等身大の枯れた味わいが増えている。それでも老獪なテクニックを駆使しながら、切ないメロディを情感たっぷりで歌い上げるマーシー節は健在。叙情派ギタリスト石原慎一郎とのコンビネーションも相乗効果を生み出し、歌えるハードサウンドの先駆者としての金看板は守られている。

貪欲に新しい音楽性にも挑むバンド、大筋では変わらないがリズムプレイの鮮度や、細やかなアレンジの妙味など、けして昔のアイデアをこするだけではない現役感が最大の強みだろう。本来、彼らのようなバンドがJ-ROCKバンドとメタル系アーティストとの橋渡し的な役割を務め、メディアにも取り上げられたり、クソみたいなバンド崩れや、アイドルにラッパーが出る日本の名ばかりのロックフェスなどの、トリを務めてもらう位の存在感と可能性の高い音楽性を持ち合わせているのだが、そういった現実が訪れないのは残念だ。

近年も精力的なライブ活動を行うベテランバンド。年齢的な衰えは、そう遠くない未来に現役終了の日を迎える事となるだろう。西田昌史の声が健在の内に、もうひと花咲かせて欲しいと思わずにはいられませんね。


SABER TIGER - Obscure Diversity - The Forever Throne ★★★ (2018-11-07 12:22:33)

サーベルタイガーらしい扇情的なメロディが感動を運ぶパワーバラード
いつもより薄味に仕上げたのも良かった
これもヨーロッパ基準によるワールドワイドヴァージョンという事だろう
いつもなら下山も味濃い目に歌うもんね
これくらいで丁度よいよ


GLENN HUGHES - Sweet Revenge ★★★ (2018-11-07 12:12:57)

90年代の中頃から精力的な活動を続ける稀代の名シンガー、VOICE OF GODの名を欲しいままにしているグレン・ヒューズが1989年にロビン・ジョージと組んでアルバムを作るも契約に至らず埋もれていた一品。ロビン・ジョージがライセンスを取りようやく2008年に世に出たのが今作です。
薬と酒に溺れ多くの問題を抱えていたグレン。その為に80年代と言う大切な時期にキャリアを築く事が出来なかった。そんな私生活に問題を抱える扱いづらい男の黒歴史時代の作品でも、そんあ不安を微塵も感じさせないソウルフルな歌声を聴かせているのだから驚きです。グレン関連は黒っぽさが強く、ハードさが薄めの曲が多い。その為にイマイチのめり込めないんだという方も多いでしょう。今作は全ての曲でロビン・ジョージが主導権を握っているだけに、中途半端なソウルは無し、ロックシンガーとしてのグレンの旨味をたっぷり味わえるサウンドとなっています。
あくまでもデモ的な音源です。もう少し手直しも必要でしょう。そんな環境下でも凄みを感じさせるグレンのパフォーマンスに脱帽。堅実なブリティッシュロックに華やかさを持ち込んだグレンの存在感の大きさに助けられていますね。

契約に至らなかったグレンは、DOKKENを解散させたドン・ドッケンの新たなるバンド、DON DOKKENにヴォーカルアドバイザーとして参加。アルバム用に作られた曲にグレンが歌を吹き込んだデモがブートとして出回るのですが、ソウルを歌わないグレンの力強さに脱帽です。その後、あのアルバムを歌うドンには役者が違うと本気で思いました。そんな才能に溢れた男が、日の目を浴びる事無く埋もれていたんだから…自分が悪いんですけどね。
その後はジェフ・タウンズと曲を作るもリリースに至らず、ジョン・ノーラムの2枚目のアルバムに参加。ツアーに出るも薬と酒を止めれずにグレンはジョンを満足させる事は出来なかった。1994年に、その北欧人脈を頼り、ソロアルバムをリリース。日本と北欧で火が付き再び復活の足がかりと掴むまでの過渡期を知りたいファンにとってもありがたいアルバムですよ。
⑦は映画ハイランダーで聴けます。


THOMAS VIKSTROM - If I Could Fly ★★★ (2018-11-07 11:49:21)

シンガーとして類まれな才能を持ち合わせているトーマス・ヴィクストロムのソロアルバム。海上のポツンと浮かぶ岩にギター片手に腰を掛け笑顔を浮かぶジャケに購入を躊躇させるのだが、そんな不安をふっ飛ばすほどの優れた内容を誇る一品。

ロックシンガーのみならずプロのオペラ歌手の顔を持つトーマス。確かなテクニックとキャリアに裏打ちされた歌声は、どんな曲調にもフィット。北欧産のサウンドではあるのだが、よりワールドワイドでメジャー感の強い作風を押し出す事に成功。アコギを多用した大陸的な香りもあれば、透明感溢れるメロディを乗せたり、時にはミート・ローフのようなコーラスを多用したりとバラエティに富んだ楽曲を見事に歌いきっている。押しの強い声ではないので個性的とは言えないが、親しみやすい哀愁のメロディを次々と提示、そのメロディセンスはコーラスワークにも発揮、ソツのない作り込みの楽曲は亜流と揶揄されても、煌びやかさで押し切れる魅力がある。本当に聴けば聴くほど、新しい発見もあり、多くの人が関わり制作されたんだなぁと感じさせる芸の細やかさも聴きどころだ。
リリース時、日本ではメジャーなシンガーではなかった為に、輸入盤屋に在庫を抱えさせた一枚。その後の活躍のおかげでダウンロード盤が出るまでは、世界中のメロディ派が血眼になって捜し高価格で取引されていたという幻のアルバムに昇格。歌モノロックが好きな人ならグッとくるでしょうね。
してくる


VENUS & MARS - GRAND TRINE - Take It for What It is ★★★ (2018-11-06 11:00:44)

歌メロがいいんだよなぁ
泣きすぎない乾いた感触もエエです
哀メロロックプロジェクトのオープニングに相応しい
チョイ切ないハードポップナンバーです


VENUS & MARS - GRAND TRINE ★★★ (2018-11-06 10:53:32)

ダイアナ・デウィットとロビン・ランダルの女性二人によるロックデュオ。FMやマーク・フリーなどに楽曲を提供。それ以外にも数多くのセッションワークをこなしていた彼女達。そのキャリアと実力を試すかのように、瑞々しいポップセンスと哀愁のメロディが優しく求めある優美なサウンドが華麗に舞うハードポップサウンドのオンパレードに心も穏やかに、優雅なひと時が訪れますね。

2ndもそうだったのですが、リリース元が弱小だった為に、今一つ認知度の低い彼女達。2ndは国内盤があったが、今作は輸入盤のみ、しかも側は怪しげで安っぽい商品だった為にジャケ買いされる事もなく幻の一品となっていた。
今ではダウンロード盤が安く手に入る事となる世界中の哀メロ派の手元に届くのですが、この高品質サウンドが再発される事もなく埋もれていたんだから驚きですね。
2ndよりもロック色も強めな一枚。無駄を排したコンパクトな楽曲の充実度はデビュー作とは思えないクオリティを保持しています。歌モノを愛する哀メロ派はマストな一枚ですね。


WHITESNAKE - Forevermore - Forevermore ★★★ (2018-11-05 12:31:26)

アコースティカルなパートからへヴィなバンドアレンジへ移行
少々やり過ぎなきらいはあるが
これが新生ホワイトスネイクなんだろう
壮大なイメージを抱かせる一曲
濃厚だ


WHITESNAKE - Forevermore - My Evil Ways ★★★ (2018-11-05 12:29:23)

ギタリスト二人の絡みを楽しめる
ライブ映えする一曲だろう
派手目で渋くてメロディックでノリが良い


WHITESNAKE - Forevermore - Whipping Boy Blues ★★★ (2018-11-05 12:26:08)

派手目の曲だが渋さも十分にある
レイトバックしたサウンドと現在のテクノロジーの融合
二人のギタリストも持ち味を発揮している


WHITESNAKE - Forevermore - Fare Thee Well ★★ (2018-11-05 12:24:11)

レイトバックしすぎな気もするが懐かしい雰囲気を味わえる
こうなると声の衰えが気になるところだ
派手にせずに最後まで淡々と聴かせたアイデアは良かった


WHITESNAKE - Forevermore - Dogs in the Street ★★★ (2018-11-05 12:21:43)

ちょっと狙い過ぎの曲調だ
お約束感よりも二匹目のドジョウ感が強め
それでも許せるのが今アルバムだろう
ソロは両者の違いを楽しませる


WHITESNAKE - Forevermore - Love & Treat Me Right ★★★ (2018-11-05 12:19:47)

シンプルだがキレのあるリフもカッコいいですね
割とノリの良いキャッチーさがあるのに
カヴァーデイルが歌うとグッと大人の魅力が激増する
衰えは否めないが
それでもセクシーな節回しも曲に似合っている
やはり主役はカヴァーデイルだなぁ


WHITESNAKE - Forevermore - One of These Days ★★★ (2018-11-05 12:17:32)

アコースティカルなナンバー
爽やか系なのにカヴァーデイルが歌うとブルージーさが滲み出る
スライドギターをここでも大きく取り上げている


WHITESNAKE - Forevermore - I Need You (Shine a Light) ★★★ (2018-11-05 12:15:48)

サビメロが印象的
なんと形容すればよいのか?所謂モータウン系って奴なんでしょう
80年代のモンスターアルバムに収録されても違和感のない曲だ


WHITESNAKE - Forevermore - Tell Me How ★★★ (2018-11-05 12:13:35)

古典的なロックのヴァイブが息づいている
余白のある音も懐かしい
身体を揺らすリズムだよ


WHITESNAKE - Forevermore - Easier Said Than Done ★★★ (2018-11-05 12:11:14)

ホワイトスネイクのイメージを忠実に守っています
少々寄せにいった感が強いのですが…ね
シンプルで味のある曲が似合うバンドだよ


WHITESNAKE - Forevermore - Love Will Set You Free ★★★ (2018-11-05 12:09:16)

カル・スワンの声が聞こえてきそうな一曲
ダグ・アルドリッチお得意のパターンが上手くハマっている
まぁ白蛇らしさは別の話だけどね


WHITESNAKE - Forevermore - All Out of Luck ★★★ (2018-11-05 12:06:54)

モダンでグルーヴィーなへヴィロック
レブ・ビーチのテクニカルで派手なプレイが耳を惹く


WHITESNAKE - Forevermore - Steal Your Heart Away ★★★ (2018-11-05 12:05:17)

懐かしい雰囲気が漂うへヴィロックナンバー
渋さを醸し出すのはスライドバー
ソロも渋め目のハードさが熱い
新生ホワイトスネイクを印象付けている


ALCATRAZZ - Breaking The Heart Of The City: The Very Best Of Alcatrazz - SET ME FREE (LIVE REHEARSAL VOCAL TAKE) ★★ (2018-11-04 10:27:17)

グラハムのソロLine-Upから
ナイトゲームス以外もやっていたんだね
貴重なテイクですが
マニア向けのブート音源と言えよう


ALCATRAZZ - Breaking The Heart Of The City: The Very Best Of Alcatrazz - UNDERCOVER (REMIX)* FROM 12″ TBS ★★ (2018-11-04 10:19:24)

3枚目のアルバムより先行リリースされたシングル
ヴァージョン違いを楽しむ貴重盤だ


ALCATRAZZ - Breaking The Heart Of The City: The Very Best Of Alcatrazz - S.O.S. (YNGWIE MALMSTEEN AUDITION) ★★ (2018-11-04 10:13:55)

インギーもオーディションを受けたのか?関係者へのお披露目だったのか?
真偽は分からないが貴重なテイクではないのか?
でもこういうの商品化するのは反則のような気がする
資料的な価値とマニア泣かせの一品である


ALCATRAZZ - Alcatrazz Live in Tokyo(東京逃亡者) ★★★ (2018-11-04 10:07:33)

2016年にダウンロード限定音源として登場したのがコチラ。しかもアートワークには東京逃亡者なる文字も踊る一品。バイオは分からないが、恐らく1984年に中野サンプラザで行われたライブ音源だと思う。

収録曲はコチラ。
1.Too Young to Die, Too Drunk to Live
2.Hiroshima Mon Amour
3.Night Games
4.Big Foot
5.Island in the Sun
6.Kree Nakoorie
7.Since You Been Gone
8.Suffer Me
9.Desert Song
10.Evil Eye
11.Guitar Crash
12.All Night Long
13.Lost in Hollywood
14.Koujou no Tsuki
15.Something Else

Live Sentenceのほぼ完全版といった内容だ。
Live Sentenceは元は9曲入りの不完全ヴァージョン。特にフェードアウトしてLost in Hollywoodのイントロが聴こえ、これから一盛り上がりで終わるヴァージョンだったのだが、その後、2010年にカットされた7曲を追加されたヴァージョンがリリースされたが、曲順はバラバラの仕様だった。 それがThe Ultimate Fortress Rock Setなる5枚のCD+DVDをリリース。これがとんでもない安価で確か6000円くらいで買えた商品。DVDはインギー+ヴァイ時代(共に収録曲が既発映像よりも多い)にプロモなどを収録されたマニアなら腰を上げずにはいられない商品なのだが、その中に入っているLive Sentenceが、このダウンロード音源と同じものではないだろうか?タイトルトラックから消えているがKree Nakoorieの後にComing Bachもやっている。ややこしいがBOXセットにはComing Bachはクレジットされている。そしてなんといっても曲順を戻し収録され直しているのがポイントだった。
正直BOXセット購入後に、ダウンロード音源があった事に、悔しい思いはしたが、他にもEscape From Alcatrazz - Japan June 2015 - The Graham Bonnet Bandのライブ音源やヴァイ、インギー時代のデモなどを網羅した、かなりのお得盤があるのだ。

2017年にはBreaking the Heart of the City - The Very Best of Alcatrazz 1983-1986なるタイトルの3枚組がリリース、そちらもリハーサルテイクなどブート的な手法の音源込みの企画モノがリリースされる。
さらに2018年にはThe Official Bootleg Box Set 1983-1986 - Live Demos Rehearsalsという企画モノがリリース。6枚組の6枚目なんかはDangerous Games Writing Sessions, 1985/1986というダニー・ジョンソン時代のレア音源集だ。しかもダニー・ジョンソン歌っているのもあるしね。くっ~、こんなん世に出したら反則だろうという音源のオンパレードだったグラハム関連集。

全部手を出したらキリがないぞと分かっていても欲しくなるのがマニアの性なのだ。ダラダラと関係ない事を書き連ねたが、今作もそんな乱発時にひっそりと世に出た音源。ところが、これも貴重な音源になるのだ。何故ならば、Live Sentenceとは違い手直ししていない音源になると思う。グラハムのヨレヨレもそのままに収録、生々しい演奏は完全に製品化する前のリアルライブ盤と言える音源なのだ。
上記のような作品集に手を出すのは大変だがダウンロード限定の今作は1200円の安価。曲順も直されているしマニアなら手を出したくなる一品でしょう。
そして9月の終わりには、海外版も含めデジタルリマスターしたLive Sentenceの完全盤に当たるLIVE IN JAPAN 84が遂に出ました。しかもJET TO JETが収録されているヤツです。そちらは未聴なんで比較できませんが、仕上がりの違いを楽しむのもマニアならではですよね。


SILVER MOUNTAIN - hibiya –LIVE IN JAPAN ’85– ★★ (2018-10-30 14:54:45)

日本での80年代は多数のアーティストが一堂に会したイベントなど盛んに行われていた。82年にY&Tをゲストに迎え行われた伝説のライブ『JAPAN HEAVYMETAL FESTIVAL』は有名だったろう、何度も回数を重ね84年は渡英したVOW WOWの雄姿も見れた。
大小イベントを数えたらキリがないほど各地で開催されたメタル系のライブイベント。
今作は「JAPAN HEAVY METAL FESTIVAL VOL 5」と銘打たれ、日比谷野外音楽堂で行われた。出演バンドは、マリノ、ラジャス、アンセム、フラットバッカー、聖飢魔Ⅱ、そしてシルヴァー・マウンテン。

今作は日本限定で商品化された幻のライブアルバム。当時のステージアクションにおけるアマチュア臭、そして垢ぬけないルックスと、大物ゲスト的な扱いなのに、随分と肩透かしを喰らったと言われたのがポイント。その映像やライブを体験していない身としては、音だけ聴けば、いかにもシルヴァー・マウンテンらいしいというか、ヨナス・ハンソンらしい、いなたさとクラシカルな北欧テイストが音に表れており、酷評されるほどの内容ではない。

恐らく経験者の多くは、音を聴く度の当日のパフォーマンスが蘇り聴くに堪えないとなるのだろう。このシルヴァー・マウンテンショックは、業界関係者にダメージを与え、北欧ではライブを行う環境が少なく、パフォーマンスに問題があるかも知れないから気をつけろとなる。

1990年に一度CD化されるも売れ行きは良くなく廃盤。2009年にポーランドのMetal Mind Productionsがリマスター再発するまで幻の一品と呼ばれていた。それにしても日本限定の商品を海外のレーベルが復刻させるとは、しかもシルヴァー・マウンテンをね。中々手に入りづらい一品の為、レア感は変わらないのだが、北欧マニアなら資料的価値も含め押さえて欲しい一品です。初期北欧メタルを語る上では外せないバンドですからね。


DIO - Finding the Sacred Heart: Live in Philly 1986 ★★ (2018-10-30 14:13:10)

DVD&CD2枚の3枚組の商品が2013年にリリース。音質も改善され完全体として蘇った。ヴィヴィアン・キャンベル脱退後のツアーと言う事で色んな憶測もありますが、脂の乗ったロニーのパフォーマンスは常に素晴らしく、この夜も絶好調と言えるだろう。個人的に、やはりTIME TO BURNのライブヴァージョンがあるというのがポイントで、曲自体は地味目のつまらないものなのだが、この希少価値一本に持っていかれる。
ヴィヴィアンほど、個性のないギターだが、リッチースタイルのグレイグの加入はけして間違えではない。今回のライブで忠実にプレイしようとする姿や、グレイグ流の解釈などギターヒーロー然とした佇まいで新旧のギタースタイルを提示した。元々、リッチータイプだが、派手なタッピングなども器用にこなせるギタリストなので、1986年以降のメタルシーンを乗り切るために白羽の矢がたったと言えるだろう。まぁ、一説には腕を磨いたヴィヴィアンがロニーを喰う程の人気と実力を身に付けた事に嫉妬した為、地味な相棒を連れてきたと言われているのですがね。

新たなる相棒と盤石のベテラン組の融合、新生DIOの門出を占う貴重なライブ音源。その実態を確認する上でのライブ映像は貴重だと思いますよ。ただ、古い映像を上手く加工しているのだが映像と音の違いに、見ていると戸惑うだろう。まるでアフレコのような感覚に陥る。細かい事なのだが、その辺りが気になると、のめり込めなくなるのが難点だ。


STATUS QUO - On the Level ★★★ (2018-10-29 15:38:45)

日本では絶望的に人気のないバンドの一つ。その世界との差に驚くのですが、このスタンダードなブリティッシュハードブギーサウンドは全くウケない。ワタクシも10代の頃に聴いた時は古臭いロックの一言で片づけましたが、90年代の中頃に聴き評価も一変、今ではありがとうグランジ/オルタナブームと言いたい。
そんな彼らもデビュー当初は、ヒラヒラの服着たサイケポップだったというのだから驚きだ。70年代に入りハードブギーサウンドに転向、リック・バーフェットとフランシス・ロッシの二人が中心となりバンドを牽引。ザラついたブルースベースのサウンドを根幹に軽快なグルーブがノリの良さを誘発、シンプルな味付け故のハード&キャッチネスさがダイレクトに伝わる音楽性のテンションは高く普遍的な魅力を発散している。
個人的にロックと言えば真っ先に思い出させる音ではあるが、やはりフックに富んだメロディと言うのがないとキツイという方の意見も頷ける普遍的ロックサウンド。しかし、これぞハードロック誕生と言いたくなるような小気味の良さとシンプルなビートがあるのも事実。どちらに重きを置くかで評価も分かれるだろうが、全英1位という功績が示すように、英国の良心とも言えるスタンダードな刻みに身体が勝手に動き出しますね。SAXONなどの英国勢に引き継がれるハードブギー、AOR志向のポップロック風味にならずともチャートのTOPに立てたのが70年代なんだろう。


38 SPECIAL - Tour de Force ★★★ (2018-10-29 15:12:33)

日本とアメリカでは圧倒的に認知度の違うバンドの代表格と言えるバンドの一つが38SPECIAL。飛行機事故でメンバーを失った悲劇のバンドLynyrd Skynyrd(こちらも日本で人気なし)のロニー・ヴァン・ザントの弟ジョニー・ヴァン・ザント、ドン・バーンズらが中心となりバンドは結成。当初は南部譲りの泥臭いロックがスタートだったが、徐々に洗練度が加わりAOR調のポップロック風味を増量する事に成功。基本はブルースベースのロックなのだが、それをメロディックな叙情派路線でコーティング、その本格的な風合いが絶妙な絡みを魅せ、売れ線志向なのに芯のあるサウンドへと昇華、本国でもプラチナディスクを獲得するほどの成功を収める。
時代性の流れというのもあり、彼らはその匂いを嗅ぎ取り見事に大成した。ジャジーなコード進行、若さと同居する南部の渋み、多彩な魅力を持つ楽曲を一まとめの方向へと向かわせバンドサウンドの勝ちだろう。アルバム単位で楽しめる、バラつきのないクオリティの高い楽曲。甘さを含んだ男のロックサウンドは、産業ロックと言われる部類ではあるが、けして軟弱なものではない。TOTOやJOURNEYなどイケる口なら存分に楽しめるだろう。
普遍的な魅力。洗練されているがロックと言えばなムードに包まれている。


THE STORM - Eye of the Storm ★★★ (2018-10-27 13:27:29)

レコード会社の方針転換に憂き目にあい、大御所チームのアルバムもお蔵入りする悲劇が訪れる。1995年リリースだが、国内盤は2年遅れの1997年にAVEXのBareknuckleからリリースされた。

プロデュースで参加するボブ・マーレットもソングライティングチームに参加。普遍的なメロディックロックを打ち立ててきた。シンプルだが玄人ウケするようなギターを絡ませるジョシュ・ラモスの存在感。そして押し引きを心得たエモーショナルな歌声のケヴィン・チャルファントのパフォーマンス力の図抜けた高さ、完全にJourney路線だが丁寧に作り込まれた職人技が映えるバンドサウンド。アメリカン産業ロック特有とも言えるムードを纏った爽やかなポップロックが耳を心地よく刺激していきます。スリルはないが安定感のあるサウンドは、1995年にアメリカンロックの良心が舞い戻ってきましたね。

リリース時にバンドは解散。実態のないバンドでしたが世に出た事は喜ばしい出来事です。しかしBareknuckleは、その話題に触れずにサラッと売っていた記憶がある。このレーベルには再発盤なども新譜のように振る舞う傾向があった記憶がある。この辺りが業界に嫌われた要因かも知れない。割と再発や復刻の場合は帯に書いてあるもんだよね。


URIAH HEEP - Outsider ★★ (2018-10-27 12:53:52)

長年バンドを支えたベーシスト、トレヴァー・ボルダーに捧げたと銘打たれたアルバム。近年のアルバム同様、年齢を感じさせない若々しい勢いを感じさせる作風を継承。そこにバーニー・ショウのマイルドな明るい声を生かしたポップロック風味を取り込み、無理をしない等身大の魅力を反映、緊張感は減退したが皆で作りだすアンサンブルなど、旨味は変わらないサウンドを披露している。

こうなるとバーニーがURIAH HEEPに適任だったのかという問題が頭をよぎるのだが、現体制によるストレスのない環境がライブバンドとして活路を見出した、ベテランにとって必要不可欠な人材なのは疑いようがない。良くも悪くもハードポップ風味が増量されたのが気になるところだろう。

名のあるベテランが守りに入らず、攻めている姿勢。過去の財産を食いつぶす不甲斐ない大御所、中堅を尻目に、ミック・ボックスとフィル・ランゾンはバンドを牽引している。シンプルだが攻めのギターと、独特の空気感を生み出すオルガンの音色。これもURIAH HEEPだと言わしめる両者の存在感があれば、このバンドに終わりは来ないだろう。


URIAH HEEP - Outsider - One Minute ★★ (2018-10-27 12:40:24)

バーニーの声が映えるポップロック
スローな出だしも良かった
ドイツを基盤に安定した活動を継続する英国のベテランバンド
こういうシングル向けのロックアンセムを作り続けていますね
フィル・ランゾンが丁寧な仕事をしている


URIAH HEEP - Outsider - The Outsider ★★★ (2018-10-27 12:34:52)

メロディックで勢いのある一曲
オルガンが効いてますね
ミックのギターも若々しい
現体制による精力的なツアーの賜物だろう
還暦過ぎのお爺ちゃんバンドとは思えん


URIAH HEEP - Outsider - Speed Of Sound ★★ (2018-10-27 12:30:30)

バーニーの温かみのある声が映えるポップロック
シンプルに仕立てた事で逆に深みも出た
不思議な魅力があるオープニングナンバー


URIAH HEEP - Into the Wild - Trail of Diamonds ★★★ (2018-10-27 12:25:34)

味わい深い一曲
何か殻を破った印象を受ける
バーニー体制でも昔のようにやれると証明した


PAUL SHORTINO - It's About Time ★★★ (2018-10-26 19:07:20)

ROUGH CUTTのヴォーカルとして知られる骨太なハスキーヴォイスが魅力のシンガー、ポール・ショーティーノがSHORTINO名義でリリースしたソロアルバム。国内盤はAVEXのBareknuckleです。
彼が録音して売り込んでいた音源を一まとめにした作品。実情はそういうことだが音楽性は彼のソウルフルなパワーヴォイスを生かしたブルージーなアメリカンロック。男臭い哀愁がとめどなく溢れ出るポールの歌声に魅了されるでしょうね。特にバラードなどは絶品の味わいでしょう。このアルバムは泥臭さだけではないメロディの洗練度とスタンダードな作風に終始したことにより、安定感を際立たせたのが最大のポイントでしょう。身体に沁み入るロックなグルーブ、その心地よさはアルコールによりジンワリと酔いどれ気分を味わう感覚に似ている。


HELL DUMP - Pretty Horror Show ★★★ (2018-10-26 18:37:32)

茨城県つくば研究学園都市のロボットテクノロジーが生んだ人造人間バンド、それがHELL DUMPという事です。そのノリに付き合えなければ一ミリも許容する事が出来ない国産メタルバンドの1st。
まぁメイク&コスチューム姿から醸し出されるお遊び感は、メタルを愚弄すんじゃないぞとキレたくなるでしょう。そんなもんじゃないぞと言えばそれまですが、セックスマシンガンズや冠徹哉の世界を楽しめるマニアならイケるでしょう。
また懐の深いメタルマニアも楽しめるかと思います。豪快なスピードメタルの合間にラップテイストもあり、ミクスチャー系のラウドロックからガチンコメタルまで幅広く手を出しています。アホなようで賢い典型例のメタルバンドですが、シリアスさの欠片もないバンドに対する風当たりは相当なものでしょう。スリップノットのような外国人がやる分には歌詞はストレートに伝わらないので許されるが、日本人で日本語となると完全にアウトだもんね。世知辛いッス。
またアルバムのジャケを見て購買欲が湧くとも思えません、全てをひっくるめてのゲテモノ感がハンパない。メタルバンドでメガネを掛けている奴を初めて見たと言いたい。その狙いすましたキワモノ設定が踏み絵なんだろう。

日本では残念ながらメタル系は一般的なものではありません。大御所ですら音楽だけで飯を食うのが難しい現状ですよ。音楽だけで勝負出来ない土壌だから、彼らのようなスタイルが生まれるのです。音だけ聴けばメタルシファーのようにメタル道を極めています。それだけにキャラを頼らないとメディアに出られないのが残念。禁断の果実に手を出したら最後、真面目な事は一切許されませんからね。先輩達が討ち死にする姿を目の当たりにしている世代なはずなので今後の動向にも注目が集まりそうです。
YouTubeなどでライブ映像を探しスベリ散らしている姿を見て笑うのも一興ですよ。ハイポジションでギターを構えるアメーバ伊澤のいじられキャラぶりに注目も集まりそうだ。ひ弱な身体のサイボーグなんて見た事無いぞ(笑)

熱い、ダサい、イモくさいの三拍子を掲げ、地獄のダンプカーが発進するぞ!ガソリン満タンだ!さあ君も乗り遅れるな!地獄のダンプカーに乗り、目指すは 『色物界の頂点』 だ。と言い切るバンド。どうして今作を買ったか今もって自分自身理解できないのだが(笑)馬鹿メタルに付き合いたい気分にさせる力技があるバンドだ。


PAUL LAINE - Stick It In Your Ear ★★ (2018-10-26 18:06:00)

のちにDanger Dangerに加入、歌唱力のみならずメロディメイカーとしての才能も発揮したマルチプレイヤーのポール・レインが20歳ソコソコでリリースした1st。レーベルは大手のエレクトラ、プロデュースにブルース・フェバーンとバックアップ体制は整いました。端正なルックスは華やかな歌モノロックとの相性も抜群、楽曲に埋もれる事のない熱を帯びた喉を披露。実力に違いのない新人の登場となったのですが、日本一権威のある雑誌で低評価を喰らい、その文言を信じて疑わない狂信者の圧力のもと、残念ながら大きなリアクションを得る事が出来なかった不運の男。日本だけの話なら良かったがリリース時期が1990年というのもあり、本国でも思った成功をウケることが出来なかった。ルックスの良さを一番とするミュージックライフの女性編集者なら良かったのにね。やはりゴット伊藤を双璧をなす巨匠の酒井氏に叩かれたお終いでした。残念ですね。

実際雑誌を読んでいないので分かりませんが、伝聞ですが今でも覚えています、『BON JHON BOVIと名乗り、パロディですと言えば良い』みたいな事を論評したとか、気持ちは何となくわかりますよ、溢れ返った音楽だしね。でもブルース・フェバーンと言えばなんで、レコード会社オーダーでしょう、イケメンの彼を売りたいとね。茶碗洗いながらでも⑦とか聴けばBON JOVIだなぁと思いますからね。それでもRIOTの最新作よりはマシだよと言いたい。
それに酒井氏の個人的な思いで抹殺されたバンドは数知れず、他の編集者もジャケが酷いから減点とか、音楽に関係のない評価があったりしたのだから気にする事もないのですが、思いのほか世論は流されると言う事も身にしみて味わいました。

ワタクシ個人はこのアルバムを聴いたのが90年の中くらいなので偏見はありませんが、当時ならレコード会社やりすぎだぞと文句言っていたと思います。バラード⑧もモロBON JOVIだもんね。
80年代に培った売れる方程式を大導入したロックアルバム。全編○○風である。したがって潔癖な方は絶対に聴かない方が良い。酒井氏は64点つけましたが、その感性を支持するなら本作は限りなく0点になります、それほど類似性が高い作品ですから、しかし、その類似性を許容し皆がシェアするアイデアじゃないかと、歓迎出来るなら評価は確実に平均点を凌ぐ良品となるでしょう。

爽やかでキャッチーなメロディはフックに富んでおり洗練されている。そこに暑苦しいと言えるほど熱気のある歌が乗る姿は骨太さと作り込みのバランスが絶妙だ。

バラエティ番組のタイアップソングにもなった③など始めはBON JOVIのあの曲が始まったと思うほどの衝撃もありますが、2周回った今だからこそ楽しめるんじゃないでしょうか?
ひさしぶりに聴きましたがBON JHON BOVIの例えは秀逸だと思いますよ。レビューの全文を読みたいとすら思えます。そしてこれを聴き楽しめる我が身の緩さが恨めしい。


BERNIE MARSDEN - And about time too ★★★ (2018-10-25 12:53:51)

1998年にCD化された国内盤がリリース。まさかのAEVXはBareknuckle、しかもボートラ3曲追加盤です。マニアにとってはエエ仕事をしてくれたなぁとなるのですが、大して話題にならなかったように記憶している。

バーニーのソロ第一弾に相応しく豪華ゲストが客演。コージー・パウエル、サイモン・フィリップス、イアン・ペイス、ジャック・ブルース、ニール・マーレイ、ドン・エイリー、ジョン・ロードが顔をそろえることに、スリリングなインストナンバーは勿論だが、バーニーがヴォーカルと務めるバラードからジャジーなど多彩な楽曲を用意。少々ロック色は薄味かもしれないが独特のタイム感を生かしたプレイは、どれもがエモーショナルな響きを携えており、華麗に舞っている。フレーズの作り方も上手で、味のあるソロアルバムに仕上げてきた。


AFFAIR - Face to Face - Wish You Were Here ★★ (2018-10-25 12:36:01)

力技の歌声とポップロックの相性
この曲がイケるなら他の曲も大丈夫でしょう
これがこのバンドなんでね


AFFAIR - Face to Face - Free 'N Easy ★★★ (2018-10-25 12:33:57)

爽快感と勢いのある一曲
こういう曲をサラリとやれるのが
このバンドの魅力


AFFAIR - Face to Face ★★★ (2018-10-25 12:28:53)

ギターのボビー・アルトヴェーターがプロデュースに作曲とすべての実権を握るプロジェクトのデビュー作。国内盤はAVEXのBareknuckleです。
適度なハードさとロックスピリットも根ざしたサウンドは、ドイツ産らしい堅実な作りが施されており、職人技の冴えわたる丁寧な作品。この手のメロディックサウンドは丁寧さがあればある程良い。
ここで歌うのがCrossfireにOstrogoth等のベルギー産パワーメタルバンドのシンガーを務めたピーター・ディ・ウィント。確かにMysteryにもいたけど、あの力技の野暮ったい声がねぇ、ここまでこなれているとは驚きです。本人も相当修練を重ねたでしょう。抑え気味ですが我慢できずにパワーメタルシンガーの顔をのぞかせるのはご愛敬、少々大げさに歌い上げる瞬間も様になっています。随分と成長したなぁと感心しました。無難だがコーラスワークの付け方など爽快感もありフックになっている、このあたりも暑苦しい歌声を緩和するのに手伝っていますね。

叙情味のある欧州テイスト、その親しみやすいメロディはヨーロッパの大衆音楽に通ずる魅力があり(シュラガーってやつだっかな?)この手のバンドに無くてはならない魅力を携えている。これは多くの欧州系のバンドに通ずることなのだが、90年代に、この純度の高さは見逃せませんね。バラード⑥から温かみのあるアコースティカルなインストナンバー⑦への流れ、そこからガッツィーだがメロディアスな⑧へと進む姿に頼もしい。他にもハイライトとなる場面も多く訪れ、どの曲にも時代性を見越したアレンジが嫌みなく取り込まれているのも素晴らしい。


SILENT WITNESS - Silent Witness ★★★ (2018-10-24 18:35:05)

ロバート・メイソンが新たに立ち上げたバンドの触れ込みで紹介されたニューアクト。国内盤はAEVXはBareknuckleです。
ロバートが主役で大丈夫なのかという不安はあるのですが、メロディ重視のアメリカンな楽曲はどれもがフックに富んでおり聴き応えも十分。特にギターは巧者だし、リズム隊もシンプルなプレイに徹しバンドを支えている。そのバックの堅実さは、古典的なギタープレイの影響もあり、振り切ったリンチ・モブを、より中庸的なスタイルに戻したようだ。
溌剌とした瑞々しいメロディ、癖のない楽曲、ミックス的に安っぽさもあるのだが、思いのほか垢ぬけた爽やか路線だった。
こうなると、エモーショナルだが声質の軽いロバートの存在が好悪の全てを握るでしょうね。それでも新人離れした高品質サウンドであることに変わりはない。
そして1997年に、よくぞこんなに80年代テイストの強い爽やかアメリカンロックをやったなぁと思ったら、実は80年代にレコーディングを済ませるもお蔵になった音源らしく、ロバート・メイソンの知名度が上がった事がきっかけで世に出た一枚らしい。
この時点でバンドに実態があったかは不明である。だから日本とイギリスのEscapeからしかリリースされなかったんだなぁと納得です。そしてギターもヒーロー然とした佇まいが漂っているのも、ロバートも軽めなのも理解できたと言う事です。


LOCOMOTIVE BREATH - Train of New Events ★★ (2018-10-24 18:08:44)

NWOBHMの影響下にある北欧スタイルでマニアに知られるOVERDRIVEのギタリスト、ヤン・スタークが中心となり結成されたバンド。シンガーはA.C.Tで歌うヘルマン・サミング。
出だしの数曲こそ北欧風のメロディック路線にメジャー感を足したような楽曲だったが、中盤はモダンさも加味されたへヴィでダークな曲が増え、繊細な節回しのヘルマンに合うとは思えないが、メリハリの効いた楽曲などでは彼のメロセンスが生かされており、グルーヴィーな曲調の中でも十分に魅力を発揮している。
ヤン・スタークもソローパートなどでは、自身のテクニックを惜しげのなく詰め込みバンドを牽引、一筋縄ではいかないアレンジの楽曲の中で歌と共に楔になっています。粘り腰のリズムプレイもイイぞ。
もう少し焦点を絞った方が聴き手には優しいのだが、これも1997年と言う事だろう。
AEVXのBareknuckleは、こんなバンドまで世に送り出していたんだね。


TOTAL STRANGER - Total Stranger ★★★ (2018-10-23 18:27:13)

今は亡きAVEXはBareknuckleから1997年にリリースされた1st。浮ついたレコード会社が立ち上げたレーベルだけにイマイチ認知度も低いのだろうが、個人的にはZERO亡きあとのメロディアスシーンを支えた一つだと思っている。なんたってTouchの完全版といえる2枚組も出しているし、SAXONに泣きながら疾走する叙情派メタルVOLCANOもここからだ、他にもStand Proud!シリーズもここから、他にもバーニー・マースデンやファーギー・フレデリクソンなどの有名どころのソロやSantersにY&Tなどの渋いところも押さえつつ、DAKOTAやVenus&Marsなどの希少価値の高いAOR系に、Subwayなどのメロディアス系を中心としたバンドを沢山輩出しているのだが、一部を除けばどの作品も話題にならなかった。厳密にいえば雑誌で取り上げてもらえなかったと思っている。

単に広告費をケチったのか、今まで培ってきたドメスティックな芸能界的ノリできたのかは分からないが、とにかく雑誌などでも相手にしてもらっていない感が強かった。特に日本一権威ある商業誌での評価は軒並み低く、好意的なレビュー見かけなかった印象も強く残っている。この辺りは確証のないワタクシの曖昧な心象でしかないが、どうせ好意的な記事でも書けと広告費も出すしイベントもやるから、提灯記事を掛けと持ちかけ相手にされなかったと勝手に思っています。やっぱウドーには逆らえないよ。AVEXがメタル系に金を捻出するとは思えない。海外アーティストを恒久的に招聘しながら育てる難しさ、その道に精通している担当者がいないとね、無理だわな。呉越同舟、やっぱり泥船には乗れないわね。

散々、憶測文を載せたところで、今作は歌モノロックファンなら間違いなくグッとくること間違いなしの名盤です。90年代にここまでエモーショナルでホットなサウンドなのに泣かせる素直なメロディ、その両方を楽しめるなんてね。当時、日本でも人気のあったHarem Scarem路線ですからね。大衆性を嫌みなく溶け込ませロックなパッショネイトでパッケージしたサウンド、カナダ産らしい木目の細かい作り込みと大らかなグルーブ、なんでこれが当時話題にならなかったのか?雑誌で何点だったんだ?そもそも紹介されたのか?そんな事が頭をよぎらせるほどの力作です。

今作のプレス枚数が絶望的に少ない為、海外ではマニアが高値をつけ欲しがったレア盤。それほどのクオリティの高い音楽なんです。Von Grooveのバックアップをウケのデビューですから、このあたりも安心材料でしょう。
ちなみに今作は、彼らが2002年にEscape Musicからリリースした2枚目のアルバム『Obsession』にボートラとして収録。そっちは未聴なんですが、同じマテリアルかと思いますので、そちらの方が手に入りやすいと思います。

Von Groove、Hardlineなどの熱量のあるメロディアスHM/HRファンならイケると思うなぁ。


MAESTRO ALEX GREGORY - Paganini's Last Stand - Dealer from Hell ★★★ (2018-10-23 17:36:41)

クラシックナンバーをモチーフにしたアルバムだけに
その手のフレーズが顔を出しますね
ダークなスタートだが色んな仕掛けがあるストーリ仕立てが面白い
軽やかなパートで歌うマークの繊細な節回しも魅力的
上手いシンガーだが埋もれていた時代が長かったと思う


MAESTRO ALEX GREGORY - Paganini's Last Stand - Fairytales Won't Die ★★★ (2018-10-23 17:32:54)

青天井な強烈ハイトーンに魅了されますね
マークのハイノートは本当に魅力的です
素晴らしいわ
感動です


MAESTRO ALEX GREGORY - Paganini's Last Stand ★★ (2018-10-23 17:23:57)

自分の名前にマエストロまでつけちゃうネオクラギタリストによるデビューアルバム。リリースは1992年、YMと彫られた墓石の横にあるのはSVの墓石、それに放尿をするという、なんとも強気なジャケを載せたギタリストなのだが、肝心のギタープレイが色んな意味でインパクト大だ。なんたって4弦のマンダリンギターを開発しちゃう人なんで、本当にクラシカルなものに精通しているのかもしれないが、ここで聴けるギターはかなり危なっかしいものが多く、ネオクラファンからは失笑モノの噛ませ犬アルバムと蔑まされる一枚。これでよくもインギーとヴァイ様をディスったなとファンなら中指を立てるでしょうね。本人も客観的に聴けば白目むきたくなると思うのですが、随所に生っぽいナイロン弦のギターはそれらしい雰囲気を作り出している。けして馬鹿ではないとおもうのだが…

個人的にマーク・ボールズが3曲ゲスト参加しているのですが、驚異的なハイトーンが炸裂する情念たっぷりのへヴィバラード③、一曲の中に多様性を設けたドラマ仕立ての⑦など、全盛期のマークの凄さを存分に味わえます。マーク・ファンなら押さえておきたい一品ですよ。


GAMA BOMB - Citizen Brain ★★★ (2018-10-19 15:05:40)

北アイルランド出身の5人組による2nd。1stは自主製作なので世間に広く認知されたのは今作からでしょうね。
スタスタスタターンとキレのいいドラムと、刻むベースが生み出すグルーブ。そして技巧的なギターコンビの大胆で迫力のあるプレイ、その高いスキルを存分に生かしたサウンドは誉れ高きベイエリアスタイルの古典的なスラッシュ。
2008年に若手がここまで実直に往年のスタイルを踏襲してくるとは驚きです。完全にリバイバルブームきているなぁと実感した瞬間でもありますね。
先人達が提示してくれた様々なモチーフをしっかりと自分達に吸収。その中で培養されたアイデアを一直線に聴かせています。そんなスラッシュの旨味とも言える身も蓋もないスピード命な感性に、キャッチーなセンスも存分に含ませ、楽しく聴かせるのもセンスの高さ、しなる鋼鉄の鞭のようなしなやかさと、鋭敏なる攻撃性、2008年にスラッシュメタルかくあるべきなスタイルを再認識させてくれたバンドでしょうね。


JONAH QUIZZ - Anthology 1980-1982 ★★★ (2018-10-19 14:36:37)

多くの輸入盤店が大絶賛をしたスウェーデンのバンドによるデモ音源の製品化。レーベルはアメリカのStormSpell Records。マニアですよね。
専門店が手放しの絶賛でしたが、これが大げさなセールストークではく実にツボを突いた批評を展開しており、正にNWOBHMの影響もモロにウケたスウェーデン産の攻撃的なサウンドに悶絶。甘口な北欧的ムードなど木っ端みじんに吹き飛ばすツインリードの疾走感にグイグイと引き寄せられます。正直、北欧産と言われなければ叙情味の強いNWOBHMバンドとして疑いを持たなかったでしょう。
荒々しいプレイングマンティスと形容すれば良いのか、泣かせの叙情的なフレーズもあるば、勢いよく突っ込んでくる様は正にNWOBHM的だ。

1.Attack
2.Gå
3.Nattsvarta ögon
4.Hjärtlös stad
5.Förstör inte ditt liv
6.Varför
7.Skyarna
8.Dödsängeln
9.Behöver dig

上記の通りタイトルはスウェーデン語。歌詞も当然スウェーデン語です。そういった語感を気にする人には辛いかも知れませんが、吹き荒れるブリザードサウンドのクオリティの高さに不満も解消出来るでしょう。
あのEuropeを輩出したRockSM in 1982にもエントリーされた彼らは、敗れはしたが質の高い楽曲を世に送り出していたのは間違いない。特にデモ音源の第二弾にあたる①から④の流れは今でも十分通用するかと思いますよ。
ちばみにここで歌うJohan LängquistはCandlemassの1stで歌っている人です。


BLAZON STONE - War of the Roses ★★★ (2018-10-17 14:08:34)

バンド名もさることながら楽曲の4小節も聴けば彼らがロックン・ロルフ船長率いるRUNNING WILDのフォロワーだと気付くでしょう。その成り切りぶりたるやね、全ての実権を握るのはヴォーカル以外のパートを一人で務めるCed氏。彼のメタルマニアっぷりに驚かされるのだが、彼はこのバンド以外にも複数のプロジェクトを動かしており、多くのバンドで同じようなスタンスで活動する才人である、と言うよりもメタル馬鹿という言葉が似合う究極のマニアだろう。
派手なパイロをぶっ放すステージでも人気だったRUNNING WILD、ヨーロッパ全土を股に掛け活動していたからこそ、スウェーデンの地から、こんなに気合いの入ったフォロワーが生まれたのでしょう。

しかし、このバンドは単なるフォロワーで終わることなど無く精鋭を欠く本家を凌ぐキレまくった海賊メタルを聴かせてくれるマニア泣かせのバンド。確かにRUNNING WILDそのものだが、本家の持ち味を再構築、よりメロディックで勇壮なサウンドを轟かせている。往年のスタイルに肉薄はおろか超えてきたアイデア。ここまでいったらロルフ船長を脅かす海賊の登場と好意的に受け止めるべきだろう。模倣の域かもしれないが、ここまでやりきれば清々しい気持ちにさせてくれる。
日本では一度もライブを行わなかったRUNNING WILD。あっちはギャラも高さそうだから、こちらを代わりに招聘するのも一興だろう。似たり寄ったりの楽曲だけど、この押しの強い屈強なリフとリズム、傷を負いながらも大海原を駆け抜けた男達による勇壮なメロディ、ヴァイキングじゃない海賊メタル真骨頂を寸分の狂いなくダイレクトに体感させてくれる彼ら、日いづる国への上陸へヨーソローといかんかね?


RUNNING WILD - Rapid Foray ★★ (2018-10-17 13:41:53)

惜しまれつつも2009年にロックン・ロルフ船長の航海は一旦終わるのですが、2011年に新たなる財宝を求めメタルシーンへと帰還。パーマネントな相棒はギターのピーター・ジョーダンのみで、あとは傭兵を雇う形でバンドは動いている。
ロックン・ロルフ船長のかじ取りに口を挟むものがいなければ航海に迷いはなし、メタルシーンの大海原を一直線に突っ切ります。

本国ドイツでの人気に陰りはなく今作もスマッシュヒット。相も変わらずのロルフ節連発に、何のアルバムのどの曲を聴いているのかデジャブ感満載に、夢見心地ですが、苦手な人には強烈な船酔い気分を味あわせるお馴染みの作風である。
仄かな哀愁と魂を鼓舞する勇壮なメロディ、これこそ勇猛果敢に大自然との勝負に挑み続ける海の男そのものであろう。恐るべしロルフ節。一周半回って逆に、この路線が逞しいと感じます。なんだかんだいって継続は力なりだな。


BEWARP - Funk'd Rapt'd Trash'd ★★★ (2018-10-17 13:20:43)

凄腕ギタリスト、ディック・ビワープ率いるバンドが1992年にリリースした記念すべき1st。世界中を席巻するアメリカンバブルは北欧はスウェーデンの地までも飛び火、音だけ聴けば完全にファンクロック路線のハードサウンドです。
でも隠せないお国柄とも言えるメロディセンスがチョイチョイ絡んでくるのがミソ。全般的にどこかで聴いた事のあるような楽曲がチラホラ顔を出すのはご愛嬌として、ここは頭を空っぽに、北欧産のパーティーロックを楽しんで欲しい。
勝手に身体が動き出すようなノリの良いグルーブをビートをたたき出すリズム隊の華やかさ、スウィープにタッピングとテクニカルなソロは派手さを極めており、時折楽曲に似合わないほどフラッシーなプレイもある。流石はリーダーと言いたくなるのだが、なんとも奇妙な取り合わせだ。とにかくギターは巧者で、キーボードをフィーチャーしている為、ボリュームは抑え気味だがバッキングでもテクニックを惜しげもなく披露している。
一発で耳に残るようなキャッチーなメロディラインは、瞬時に口づさめる親しみやすさを誘発、借りもんのアイデアでも洗練されたサウンドは、ひたすら華やかで躍動感に満ちている。雰囲気だけでいけばWarrantの北欧版と言ったところかな。
それにしても④はAerosmithに怒られないのかね(笑)他にもやり過ぎ感が凄いっすよ。そういう意味でも、お気楽なベストヒット的な楽しみ方も可能な一枚でしょう。くれぐれもコンプライアンスに厳しい潔癖症なマニアにはススメられません。大ヒット曲は直後で無ければ皆でシェアしていいアイデアです。
そういう意味でも今作はギリギリ、レッド回避のイエローカードです。その旨味を恐れる事無く調理したバンドの逃げ勝ちでしょう。
ただ反省したのか次のアルバムは、もう少しオーソドックスなスタイルに修正。そこで歌うのは北欧ヴォーカルマスターの、ピート・サンドベリです。北欧マニアなら身を乗り出したくなるバンドですよね。