この曲を聴け!
失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3001-3100

MyPage

失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | 119 | 120 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133
モバイル向きページ 
失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3001-3100

0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | 119 | 120 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - I'm Still Alive ★★ (2018-02-18 12:32:11)

跳ねがあるグルーヴィーさとスラッシーナリズムパートの対比が面白い
攻撃的な一曲だ
唐突にフェードアウトするのに驚いたけどね


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - Soul On Fire ★★★ (2018-02-18 12:29:53)

往年の空気を纏ったLOUDNESSらしい一曲
キャッチーなリフワークも耳を惹きますね
歌メロも哀愁があってエエです
沸々と燃え上がるメタリックなナンバー
タイトル通りのイメージ通りでしょう
ナチュラルトーンのギターも懐かしいね
ロックンロールしているわ


INSULT KILL - Vultures & Hyenas ★★★ (2018-02-18 12:23:02)

近年のメタルシーンにおける成熟ぶりには本当に驚かされる。この音が2017年の新譜だというのだからね。根ざしているのは完全にオールドスクールと烙印を押され隅っこに追いやられた、昔ながらのスラッシュサウンドだ。
クランチーなリフワークもあるが、アメリカンと言うよりはヨーロピアン調のマイナーメロディが耳を惹くパートも多くあり、正統的なメタル色の強さも魅力の一つだ。でもドライブ感のあるグルーブやキャッチーなリフも飛び出すアイデアの面白さなどはEXODUS辺りの影響も感じられ、そこがスラッシュ特有のユーモアなセンスというか、ファニー感があったりと激しく煩いのに、親しみやすいという究極の矛盾を複合しているのが面白い。
エッジの切り立ったギターが急転直下で切れ込んでくる起伏に富んだアレンジのスリリングさに、80年代型のスラッシュメタルをど真ん中で受け止め自分たち流に再構築した仕様は、1stとしては十分すぎる程の出来栄えを誇っているでしょう。
迫力のあるリズムプレイとテクニカルさにも息をのむし、個性は薄いかも知ればいがクオリティの高い楽曲とアレンジセンスに、圧倒的な信頼感と魅力を感じますね


SLEAZY WIZARD - STONE DEAD ★★★ (2018-02-17 15:18:31)

へヴィメタルの魅力を端的に伝えるスピーディかつアグレッシブなファストナンバーを中心に、男の哀愁と煙ったいロックな渋みが醸し出すサウンドが魅力のバンドでした。メタルならではのドライブ感や、ツボを押さえた構成力の高さに唸りますね。インディーズ制作ということで音質のユルさは如何ともしがたいが、それを補って有り余る、勢いと曲の良さに全てが許されてしまいます。
これがドイツのバンドと紹介されたらウケも違うのでしょうが、日本人と言うだけで毛嫌いされるという、偏見めいたものが、根底にあり認知度が低いのであれば残念です。
今や国内も含め世界的に成熟しつつある活況著しいメタルシーン。今だからこそ、再評価して欲しいバンドですね。ヘヴィでスラッシーなアグレッションを土台としつつも豪快にドライヴする骨太サウンドは一聴の価値ありですからね。


Temple Balls - Traded Dreams ★★★ (2018-02-17 15:11:10)

フィンランドの若手4人組による記念すべき1st。いろんなところで語られていますが、ハノイロックスやガンズ、モトリー、スキッドロウなどのワイルド系のロックサウンドを下地に、いかにも北欧らしい糖度の高い甘美なメロディが優美に彩る、活きの良さが満載。どの曲もシングルカットされてもおかしくない快活さに、思わず身体が勝手に動き出すのですが、80年代のメタルを堪能した人には懐かしくもあり、今の若い人にとっては逆に新鮮な響きになるのでしょうかね。
ポップでキャッチーさも豊かだが、ギターオリエンテッドな作風に終始しているので、歯ごたえは十分にありますよ。

それにしても、ここ数年のリバイバルブームには本当に驚かされる。この音が2017年の年末にメジャーレーベルからリリースされるんだからね。しかも北欧でしょ。一頃はメディアから伝わる情報は皆、メロデスばかりだったからね。
勝手に亡きものにされそうになった、古典的ロックサウンドが今、こうして新時代に高らかに鳴らされているのが、好みであろうとなかろうと心底嬉しいです。
この手の音楽の復権はブームではなく、メタルシーンの成熟そのものなんだろう。


FOREIGNER - Can't Slow Down - Angel Tonight ★★★ (2018-02-16 16:02:29)

温かみはあるがウエッティなムードに包まれています
それがフォリナーの魅力なんでしょう
ケリー・ハンセンは見事に重責を果たしていますよ
往年の空気を纏ったらしい一曲に焦がれます
サビメロは何度聞いても胸キュンさせられるねぇ
ベタですけど


FOREIGNER - Can't Slow Down - As Long as I Live ★★★ (2018-02-16 15:59:04)

センチメンタルやんかぁ
胸キュンやでー
繊細なタッチとロックな躍動感
押さえ目だが随所の燃えるロックスピリットが息づいています
上手いこと料理してますねぇ
ベタだがベタに敵うもんなしですね
新生フォリナーここにありですよ
国内盤は何故6年も遅れたんだ


FOREIGNER - Can't Slow Down - I Can't Give Up ★★★ (2018-02-16 15:57:01)

叙情味たっぷり
ピアノをバックに歌いあげます
ベタですがドラマ性の高い泣きのバラードナンバー
濡れてはいるが湿らないアメリカンさが絶妙だ
マーティ・フレデリクセンはエエ仕事をしているよ


FOREIGNER - Can't Slow Down - When It Comes to Love ★★★ (2018-02-16 15:54:16)

国内盤は6年遅れの2015年にリリースされました
フックのある哀愁のメロディが満載
全盛期に肉薄する一曲
ケリー・ハンセンもウエッティな曲調を上手く歌いこなしている
新生フォリナーの魅力を伝えていますね


FOREIGNER - Unusual Heat - I'll Fight for You ★★★ (2018-02-16 15:50:19)

ジョニー・エドワーズが歌うバラード
時代的にキラキラ系は受け入れられるワケもなく
シリアスな作風を貫いています
乾いた大地に潤いを与える情緒のあるメロディが印象的
歌が少々硬いかねぇ


FOREIGNER - Agent Provocateur - That Was Yesterday ★★★ (2018-02-16 15:44:49)

沸々と燃え盛るルーの歌声が素晴らしい
アルバムの2曲目に相応しいメロディックなロックナンバー


FOREIGNER - Inside Information - Heart Turns to Stone ★★★ (2018-02-16 15:42:11)

AOR系の歌モノロックが好きな人にとってはたまらん曲でしょう
隙のないアレンジとセンスに脱帽
流石の一言に尽きる


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - On the Way to Moonstone ★★★ (2018-02-16 15:34:25)

Blue Oyster Cultのエリック・ブルームが客演
かれの渋みのある歌声がハマる古典的なブルースロック
そこに軽めのストリングスが挟まれるのがカッコいい
良いアイデアですね
ギターもトーン一発に賭けていますね


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Pictures of My Lonely Days ★★★ (2018-02-16 15:31:07)

ドラマーにカーマイン・アピス
シンガーはポール・ショティーノの二人が客演
アルバムの中では軽快なノリと欧州的なメロディが冴える一曲です
古典的なクラシカルロックサウンドを支えるギターと
オルガンに耳がいきますね


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - City of Lites ★★★ (2018-02-16 15:26:46)

KANSASのスティーブ・ウォルッシュが歌っています
モダンな雰囲気のギターサウンドをバックに歌うと言うのが斬新
コーラスハーモニーを多用したのも面白いですね
この曲調に人選とニヤリとさせられました


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Where Do You Hide the Blues You've Got ★★★ (2018-02-16 15:24:00)

リッチー風味満点の枯れたギターが印象的ですね
オルガンも聴いており懐かしい雰囲気が一杯ですね
メロウなバラード調の一曲
グレン。ヒューズは何を歌っても上手い
そして自分のカラーの染め上げますね


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Beggar of Love ★★ (2018-02-16 15:20:17)

歌うはジェイムス・クリスチャン
ご機嫌なファンキーかつソウルな70代型のロックナンバー
こういう曲を歌うジェイムスも珍しいですね
少々窮屈に感じるかなぁ


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Rose in Hell ★★★ (2018-02-16 15:17:18)

ここでシンガーを務めるのはヴォイスオブゴット
我らがグレン・ヒューズです
第3期DP風のファンキーかつハードな一曲
オルガンも活躍していますね
ちなみにドラムはイアン・ペイスですよ


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Fire and Wate ★★ (2018-02-16 15:14:22)

歌うはエンリコS.マディディーニという人物
FREEのカヴァーですがオリジナルのファンキーさは皆無
へヴィなグルーブを基調としたハードなアレンジを施しています
主役たるギターが自由闊達に弾いていますね


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Not Dead Yet ★★ (2018-02-16 15:10:35)

RAINBOWのパロディのような出だしです
そこを楽しめるのかが評価をわけるでしょう
歌うは我らがグラハム・ボネット
だからこの曲調なんでしょう
グラハム師匠はチョイとガナリすぎでした


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Slave of Time ★★★ (2018-02-16 15:08:41)

オープニングは乾いたアメリカンロック
カントリーな南部の風が吹いていますね
唄うはケリー・キーリングです


VOLCANO - Irregular ★★★ (2018-02-13 22:12:32)

ここ数年、精力的な活動を行う屍忌蛇率いるVOLCANOの最新作が2018年の1月に早くもリリース。今回はバンドメンバーの選曲による渾身のカヴァーアルバム集となります。なにかと、この手の企画モノをリリースしている屍忌蛇ですから、新鮮味は薄いのかも知れませんが、個人的には選曲の旨味に思わず手が出てしまいます。なまじ中途半端なメンバーで録音するよりも気心の知れたメンバーの録音の方が安定感はあるだろうし、個人的にはカミソリシャウターのNOVがどう歌いこなすかに興味津々、そこに屍忌蛇の泣きの旋律が絡めば、至高のカヴァー集になる事はソロ名義の作品で証明済みですからね。マニアとしては期待値も大いに上がりました。
ある意味、同時期に活動していたXのカヴァーは関係者の涙を誘う選曲だろうし、出来栄えもNOVが歌う事で元曲の魅力も倍増。さらに攻撃的なリズムプレイによって迫力もこれまた倍増と、いいことずくめの好カヴァー。個人的には④や⑩のカヴァーよりも②の方が以外だったりするのですが、随所に屍忌蛇印の泣きメロを導入しつつも、元曲のイメージを損なわないアレンジ力で聴き手を魅了。これぞリスペクト精神を忘れないカヴァー集でしょうね。①も⑦も良かったけど、個人的には思い入れも含め⑥のカヴァーがハイライトでした。NOVのヴィブラートを掛けまくったカミソリシャウトのカッコいいこと、何故かオネエ口調になる『いい加減にしなさいよ♪今に痛い目にあうわよ~♪』は痺れるね。L.Aメタルとメンバーの相性も意外性があり面白く、またVOLCANO流に染めあがているのも面白い。これぞこの手の作品の魅力でしょう。やらされているのではなく、バンドが楽しんでいるのが一番に聴いていて楽しいですねでもインギーはやっぱり難しいよね。

1. 1789 / SILVER MOUNTAIN
2. Invaders / IRON MAIDEN
3. Headhunter / KROKUS
4. Don't Tell Me You Love Me / NIGHT RANGER
5. Rise And Fall / HELLOWEEN
6. Hard Blow / FLATBACKER
7. Bring Me The Night / OVERKILL
8. I'll See The Light Tonight / YNGWIE MALMSTEEN
9. I'll Kill You / X
10. Home Sweet Home / MOTLEY CRUE


SAXON - Thunderbolt - Roadie's Song ★★★ (2018-02-12 16:03:39)

英国的な泣きメロと力強いポジティブさが背中を押してくれます
ロックンロール賛歌的なニュアンスが漂っていますね
へヴィでダークな曲調が多かったので最後にこういう曲があると感動も倍増しますね
シンプルさが余計に耳を惹きます


SAXON - Thunderbolt - Speed Merchants ★★ (2018-02-12 15:57:33)

レミー・キルスターに捧げたアルバムに相応しいスピードナンバー
往年の空気と攻撃性を緩めない新旧の魅力が詰まっていますかね
ライブ映えする一曲でしょう


SAXON - Thunderbolt - A Wizard’s Tale ★★★ (2018-02-12 15:55:01)

目まぐるしく場面展開する攻撃的かつメロディックな一曲
4分を切るコンパクトさがエエです
グイグイと攻めてきますなぁ


SAXON - Thunderbolt - Sniper ★★ (2018-02-12 15:52:05)

タイトに締め上げたリズムプレイが耳を惹きますね
ストレートな疾走感もお約束ですがファンにとってはありがたい一曲でしょう


SAXON - Thunderbolt - Sons of Odin ★★★ (2018-02-12 15:50:18)

後半の楔となるメロウかつへヴィなミドルナンバー
堂に入ったビフの歌いっぷりも素晴らしいですね
ブリティッシュロックの威厳を感じますね
もったいつけて何かが起きそうで何も起きないのがサクソンなのですよ
サクソン流HAVEN AND HELLってとこかね


SAXON - Thunderbolt - Predator ★★★ (2018-02-12 15:45:49)

捕食者というタイトルもしっくりくるへヴィな一曲
Amon Amarthのヨハン・へグがグロウルでゲスト参加
新しい事にも果敢に挑戦していますね


SAXON - Thunderbolt - They Played Rock and Roll (2018-02-12 15:41:09)

Nosferatuから間髪入れずに開始するNWOBHMな回顧録歌詞が懐かしさを誘発する古典的なロックナンバー
古めかしいアルバムの中に本当に古い曲があると案外厳しいモノですね
曲単位では悪くないが流れ的には蛇足感がハンパなく
iTunesに取り込んだ際は曲順を最後にしてボートラ扱いにしました
あの世にいったらレミー・キルスターに殴られるな(笑)
スピード感やノリの良さを重要視する方には気にならないかと思いますが
構成など細かい事を気にすると厳しいのです
やり過ぎ感がねぇ
狙い過ぎじゃないッスかねぇ


SAXON - Thunderbolt - Nosferatu (The Vampires Waltz) ★★★ (2018-02-12 15:35:44)

珍しくキーボードをフィーチャーしていますね
クラシカルだがシンフォニックという程大げさでもはい
高貴なムードで酔わせるドラマ性の高いミドルナンバー
これも前の曲との流れが良く満足度も高いですね


SAXON - Thunderbolt - The Secret of Flight ★★★ (2018-02-12 15:31:17)

鷲は舞い降りた
へヴィメタルのクルセーダーズ
SAXONの降臨です
前の曲との流れも良く早くもハイライトを迎える
メロディックなリフワークも聴き応え十分
歌メロも練り込まれていますね
クラシックな王道スタイルへの帰還
今作のテーマとも言える一曲でしょう


SAXON - Thunderbolt - Thunderbolt ★★★ (2018-02-12 15:28:21)

動画サイトなどに先行配信されていたアルバムのタイトルトラック
しなやかなへヴィグルーブが躍動するサクソン流パワーメタル
メロディックなフレージングもあり視聴感は抜群に高い
クラシックなメタルサウンドと新たしいエッセンスが同居した快作です
アルバムの幕開けに相応しい一曲ですね
老獪なテクニックを駆使して衰えを隠すビフの歌声も悪くない


WISHBONE ASH - Number the Brave ★★ (2018-02-10 18:33:52)

バンドの創始者とも言えるマーティン・ターナーが脱退、代わりに迎えられたのが英国ロック界の貴公子ジョン・ウェットンが参加したのがコチラになります。高貴な声の持ち主として知られるジョンが、フォーキーな叙情派ロックサウンドとどのように絡むのかと思ったら、オシャレでファンキーなアメリカンロックの『Loaded 』で幕開けと、随分と肩透かしを食らうのですが、そのノリは結構な勢いで続き③曲目に収録された『Underground』で持ち直すも、オシャレなアメリカン志向のロックサウンドが多く収録されイケそうでイケない気まずい雰囲気になるのですが、だからマーティン・ターナーやめたんかぁとなりましたね。
またジョン・ウェットンよりも他のメンバーも活躍も目立ち、彼が俄然色めき立ったのが自身が提供した『That's That』くらいという仕様にバンドの迷走ぶりを感じずにはいられません。
そういう方向性や立ち位置に嫌気がさしたのか今作リリース後、早々とジョンは脱退。後任にトレバー・ボルダーが迎えられえるとは驚きました。アグレッションやハードさがウリのバンドではないので、ソフトでオシャレなロックサウンドである事に嫌悪感は抱かせないが、英国的な叙情性が薄まると求心力の低下に繋がるのは否めないかと思います。
それでも随所に拘りのプレイも持ってくる辺りには、このバンドの出自が英国である事を誇示していると思いますよ。80年代初頭のニューウェーブな波を意識した作風に時代を感じますが、それ系も気にならない守備範囲の広いロックファンなら楽しめる要素も大きいのではないでしょうか?ハードなモノを好む方にとっては、シャラシャラしたギターが活躍する大半の楽曲に怒りを覚えるでしょう。でも合間にねじ込まれる英国風味が滲み出たロックナンバーに、気分も持ち直すんですけどね。


WISHBONE ASH - Raw to the Bone - Don't You Mess ★★★ (2018-02-10 15:48:00)

WISHBONE ASHか否かは別として
エモーショナルかつ躍動感のあるマーヴィンの歌声に良いしてます


WISHBONE ASH - Raw to the Bone - Cell of Fame ★★★ (2018-02-10 15:42:53)

英国的叙情味満点のメロディが華麗に躍動します
オライアンことマーヴィン・スペンスの歌声もバッチリハマっていますね
透明感とハードなロックサウンドが見事に結実しています
ノリのよいグルーブはこのラインナップならではの旨味かね


WISHBONE ASH - Illuminations ★★★ (2018-02-10 15:39:23)

80年代に一旦活動を停止するも復活を果たした英国の老舗バンドが1996年にリリースしたアルバム。メンバーはアンディ・パウエルのみと言う事で、ある意味ソロアルバム的なニュアンスもありますが、彼が居ればWISHBONE ASHといっても過言ではないので問題はないでしょう。
英国風味満点、トラディショナルな響きには、あの望郷心をくすぐる哀愁美が満載。湿り気を帯びた叙情性の高いメロディを軸に、芳醇なメロディを紡ぐ二本のギター、アコギを織り交ぜ多彩なギターワークで聴き手を魅了。往年の空気を再現しつつも古臭さを一掃したサウンドプロダクションは聴きやすさを誘発。メロディ派のマニアならグッとくること間違いなしでしょう。割と長めの曲もあるのですが、難解な要素など微塵もなく、優美な叙情性と言う看板を掲げ、あくまでもムードで酔わせるスタイルをとっているので、AOR系のソフトロックなどが好きな人が聴いても満足出来るでしょうね。
ロックの持つ有機的なエモーション、彼らは熱さよりもクールさなのだが、その往年のブリティシュトラッドロックを極めたアーティスティックな面と、ソフトな歌モノ路線とのバランス感覚と巧みに保つ事で、自らも金看板を守っていますね。


ALDO NOVA - Aldo Nova ★★★ (2018-02-07 19:59:04)

今やプロデュースやソングライターとして知られる存在となり、アーティストとしては忘れ去られた感のある天才マルチプレイヤーのアルド・ノヴァ氏。彼の名前を一躍世に知らしめる事になった記念すべきデビューアルバムがコチラになります。
ハードなギターと鍵盤楽器を軸に、キャッチーかつ優美なメロディが華麗に舞い踊るという手法をとっており、ポップな曲調なのだが、猛烈な哀愁美を擁したメロディや、渋く光る叙情性も完備、産業ロックと揶揄される音楽性かも知れませんが、随所に拘りの演出を設けており、甘美なハードポップナンバーの上を軽快なリズムが踊る⑤なども収録、軟弱な要素よりも、本格派の設えを施したハードポップの名盤としてメロディ派のマニアに強く勧めたい一品ですね。
REO Speedwagonあたりと比較される事も多い彼らでしたが、甘美な歌声に絡む哀愁美にはカナダの風を強く感じるし、その本格派の音作りは、むしろASIAからプログレ臭を取っ払った音楽性とも思え、コンパクトな楽曲に、こだわりの展開を持ち込む辺りにも、玄人好みのアレンジセンスが光り、視聴後の満足度は高いでしょう。
歌を前に出した軽めのサウンドプロダクションが気になるし、中性的な歌声も苦手な人もいるでしょう、でもハードなギターを嫌みなく聴かせるバランス感覚は秀逸かと思いますよ。


ZZ TOP - Eliminator ★★★ (2018-02-07 19:30:26)

テンガロンハットって言うの?カウボーイの帽子をかぶり、恰幅のいい体系の男がサングラスに、何十年伸ばしているのと聴きたくなる顎鬚姿が何とも言えない風貌で、インパクトも大きなモノでした。
80年代中期にハードなモノを聴くようになった思春期真っ只中のワタクシでしたが、彼らは、その当時割と日本のメディアでも取り上げられるような存在であり、来日時などはチョイとしたニュースにもなっていました。それほど、売り上げを残した作品をリリースしていたのですが、今作は彼らの名前を広く世に知れ渡る事に貢献した一枚でしょう。
勝手に思っているアメリカ南部のカウボーイ魂、そんな精神性をハードなブギーサウンドに乗せて、渋くかき鳴らしています。リリ-ス時が1983年なのですが、当時としても十分に古典的なサウンドだったろうが、シンセサイザーなどの電子音を、さらりとねじ込む事で、当時としてのモダンさを補完、その成果も手伝いAC/DC同様、変わり映えのないハードブギースタイルを確立しています。


WISHBONE ASH - Raw to the Bone ★★★ (2018-02-07 19:13:38)

個人的にWISHBONE ASHの音源に初めて触れたのが今作。事前に聞かされていたイメージとは異なるサウンドではあったが、今作が他のカタログと比べると異質な方向性であった事を後に知る事になります。WISHBONE ASHと言えば、トリプルヴォーカルに、湿り気を帯びた哀愁のメロディを奏でるツインリードの調べ、英国風味満点のトラディショナルなフレージングの旨味、それらが幾重にも折り重なり美しくハモるのだが、今作には、そんな要素は皆無。
勿論、英国的なムードも満点だし、ちょいブルージーな要素もあるが湿り気という点も全然違う、またマイルドな感触と明るいポップセンスが前に出た作風に、かつての面影もない、でもこれもWISHBONE ASHという魅力には富んでおり、アンディ・パウエルを中心としたバンドサウンドの新たなる可能性を示唆している。
これも1985年と言う時代の波だったんでしょう、と理解できますが、かつての姿を知る筋金入りのファンからはすこぶる評判が悪かったと言われる一枚ではあります。ワタクシのようなライトリスナーにとっては、ポップな明るさの中にある、英国的な響きに琴線がチョコチョコと触れられる瞬間があり、質の違う湿り気を楽しんでいます。
そして最大の主役は、今アルバムを残してバンドをさる事になったオライアンこと、マーヴィン・スペンスの透明感のあるエモーショナルな歌声を堪能できる一枚として、歌モノロックを愛する方には強く勧めたい一枚ですね。
1985年と言う空気を思いっきり吸い込んだ、ポップでストレートな作風に舵を切った意欲作。バンドの活動に一旦、区切りをつける事にもなりましたが、2枚組で再発も決まった今作。丸ごとアメリカンになった分けではないので(英国的な叙情性のある曲も収録されている)、是非ともトライして欲しい一品です。


PARADOX - Pangea ★★★ (2018-02-05 01:54:28)

チャーリー・スタインハウアー以外のメンバーを一新してリリースされた一枚。まさか新メンバーに新進気鋭のギターヒーロー、ガスGが参加するとは驚きです。そのガスGの目の覚めるようなギターワークも殺すことなく、このバンドらしいアグレッシブな叙情派パワーメタルサウンドを披露。チャーリー流儀の攻撃性と叙情性の両面をバランスよく際立たせる事に成功。起伏に富んだアレンジを司る、風雲急を告げるツインギターのスリル満点の構築美。鋭角的なリフワークから繰り出される、畳み掛けるアグレッションと扇情的なメロディによるクロスアタックに悶絶。ツボを突く哀愁たっぷりのメロディと全般的に支配されるシリアスさと重苦しい閉塞感、だからといって大げさな展開になることなく、シャープに、そして峻烈なるアジテーションが一塊となり突っ込んでくる様には、スリル満点の破壊力を秘めています。パワフルだがスラッシーな躍動感を疎かにしていないのが、このバンドらしいですよね。


OUTRAGE - Raging Out ★★★ (2018-02-05 01:41:01)

橋本直樹の本格復帰から今まで以上に精力的な活動を行う彼ら、その勢いをそのままにパッケージしたような勢いに満ちた最新作がコチラ。あらゆる試練を乗り越え復活を果たした彼らに揺るぎはなし、叙情的なメロディを配したスピーディーなスラッシュナンバーを中心に据え、多様性を帯びたドラマティックなナンバーを散りばめると言う大人げない対応でファンのハートを鷲掴み。ブルンブルンと唸りを上げながら野性的なグルーブを刻む安井のベース、パワーヒッティングドラムの丹下による盤石のリズム隊を従え、そのすべてをコントロールするが如く、スリムに生まれ変わった阿部のギターは、剥き出しのアグレッションとエモーショナルなトーンを駆使したギターで魅了。このバンドの旨味を最大限に増幅しています。その強靭なるアンサンブルの頂点に君臨するのは、どこまでも挑発的なパフォーマンスで聴き手を煽りたてるは、橋本の凄みは増した歌声、まさに今が最盛期と呼ぶに相応しいでしょう。
ツボを押さえたアレンジと曲作りによる、最上級のスラッシュサウンドを築き上げた彼ら。余裕はあるのに隙を見せない、そのワルっぽいムードも過去最強にカッコよく聞こえますね。


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- ★★ (2018-02-03 21:59:40)

レコーディング前から次はワールドワイドなリリースになると噂をされた最新作。それまでもずっと昔のファン心理をくすぐるような原点回帰を促すタイトルやニュースはあったが、蓋を開ければさして回帰をしておらず、いつものラウドネスだったのだが、今回ばかりは、レコード会社もアメリカじゃなくドイツ、ここが一番大きいポイントで、所謂トレンド至上主義のアメリカンマーケット主導ではなく、欧州規模の会社が導いているというのが、ファンにとっては追い風となるニュースでした。その前にリリースされた初期のセルフリメイク作『Samsara Flight ~輪廻飛翔~』での大いなる復調ぶりも、更なる風を吹かせる要因ともなり(各メディアも猛プッシ)、Spiritual Canoe以来やってこなかった発売日にアルバムを購入というミーハー根性を久しぶりに出しました。といってもダウンロード盤なんですけどね。

SEの次から、往年のスタイルを想起させる楽曲とサウンドメイクに驚き、昨今のへヴィネス路線を残しつつも、ナチュラルなトーンも生かした高崎ギターは、魅力的なメロディやリフを奏でる事に専念。彼の中で、どこまで湧き出るインド神を押さえ挑んだのかは分かりませんが、今作は数十年ぶりといっても良いほどメロディックなフレーズを構築する事に着手。
勿論、それは安易な初期への邂逅などではなく、On the Prowlリリース時に明らかにギターへのアプローチを変えた高崎。その後、訪れるパンテラ化で一気に変貌しすぎた為に、語られなくなったが、随分と『On the Prowl』で生まれ変わったモノだ。今作は、その『On the Prowl』次にリリースされたようなスタンダードな作風であり、まさに今を生き抜く正統派HM/HRバンドとしての帰還となった事が最大の聴きどころだろう。

所謂、ここには多くのファンが待ち望みガチなIN THE MIRRORパート2もSDIもCRAZY DOCTORもない。ノリノリのパーティロックもない。それらの派手な即効性の高いナンバーも待ち望んだファンにとっては、肩透かしなのかも知れませんが、そんな昔の看板を担ぎ出さなくとも、日本が世界に誇るへヴィメタルのパイオニアとしての自負がサウンドとなり表れ、今のラウドネスとしての存在感をアピールする事に成功。
勿論、時代性を飲み込んだモダン化やインドサウンドへの傾倒、その型にハマらないフリーフォームな発想とサイケな世界観、今まで積み上げてきた、時代性との折り合いをつけての原点回帰志向へと舵を切れた事が、今作における圧倒的な信頼への基盤となっている。

実質的オープニングの②における往年の魅力を発散したサウンドの旨味。予想外のフェードアウトも印象的なアグレッションだが、乗り易いグルーブとメロディが印象的な③。昔からあるパターンのラウドネス節を堪能できるクラシックな④、二井原実先輩の歌声も映えますね、無理に張り上げないのが逆に好印象です。へヴィな山下のベースも印象的だしアコギの入れ方も素敵なへヴィでメロウなラウドネスらしい魅力に富んだ⑤、複雑な事やごっついへヴィな音像に拘らなくともメロディの良さがイキイキとしてますよね。メロウな⑥など、新機軸的な立ち位置と古典的な色が共存しており、今までの迷い道も全く無駄にしておらず、ここでも二井原実先輩の歌声は実に魅力的です。鈴木のドラミングが映えるアグレッシブな⑦、2000年以降のラウドネスな魅力に包まれていますね。エキゾチックなインストナンバーの⑧、これがあるから今アルバムは無理を感じないんですよね。曲も短めで丁度よく聴かせてくれます。上手いバンドだね。

後半の開始を告げるアッパーな⑨。タッピングから始まるってのも懐かしいね。懐かしい雰囲気と2000年以降の彼らの魅力が上手く結実しており無理を感じないのも好印象。クラシックなへヴィメタルの魅力を内包した、お約束なラウンドネスソングとも言える⑩。メロディックな歌メロが充実感を与えるへヴィなミドルナンバー⑪。ダークなへヴィバラード⑫、ここで聴ける二井原実先輩の歌は、ソウルなフィーリングがギラリと光りを放っていますね。力強くも哀愁漂うへヴィなミドルナンバーの持つ凄みと説得力にゾクゾクとさせられます。

自らが育んだへヴィメタルの象徴ともいえる原点への帰還。しかしそれは安易な着想ではない、浮遊感のあるメロディにインド的フレーズ、それらをスパイスにモダン化も無視することなく、起承転結のハッキリとした構築美に、かつての姿をダブらせ、豊富なアイデアを正統性というスタイルで纏め上げた方向性にまずは安堵します。
そりゃそうよ。急に今まではなかった事で、THUNDER IN THE EASTのパロディみたいなもんやられたらね。

思い起こせば、初期の3枚から激剣霊化の流れや、インド3部作などを除くと、アルバム毎に音楽性が変わっていた彼ら、HM/HRというフィールドの中なのか否かという意見はあれど、実験的なスタイルへの挑戦を捨てずに進んできた高崎晃の信念とは。
その答えは次のアルバムの方向性に委ねられそうですが、ようやく本分とも言えるフィールドへの帰還に、彼らの世界進出の後押しになるような作風だった事が嬉しいですね。

でも10年は前にやって欲しいかったけどさぁ。


W.A.S.P. - WASP ★★★ (2018-02-03 00:44:01)

股間にノコギリの歯をつけ、過激なライブパフォーマンスで人気を博したブラッキー・ローレンス率いるW.A.S.Pのデビューアルバム。そのキワモノ系の路線を維持する過激で猥雑な歌詞とワイルドだがポップで親しみやすい音楽性は実に魅力的で(日本人なんでワシは歌詞の意味がわからん)CD化された際には、先行シングルでアルバムには未収録だったAnimal (Fuck Like A Beast)を一曲目にもってきたりと、今作の魅力は倍増。乾いてはいるが欧州的なメロディが映える王道HM/HRサウンドが素直に耳に飛び込んでくる心地よさに満ち溢れている。
ロックの持っているワイルドさと、洗練されたポップセンスと快活な楽曲の数々は聴き応え十分。メジャー感満載ながらも毒気のあるブラッキー節を存分に堪能してもらいたいですね。ゴシップ雑誌並みの話題性を引っ提げ、イメージ戦略を巧みに仕掛けた彼らは、色んな意味でショックロックでしたよ。


BOOMERANG - Boomerang ★★★ (2018-01-26 19:38:17)

ヴァニラファッジのマーク・ステインが新たに立ち上げたバンドがコチラ。時代は1971年、レッド・ツッエペリンの成功などをウケ、世に言うハードロックブームが巻き起こる事に、その匂いを嗅ぎ取ったマークが実践した音楽性は、ブルースベースのグルーヴィーロックサウンドを披露。若いミュージシャンを従え、やりたい事を思いっきりやると言う方向性に進み、ヴァニラファッジ時代の先鋭的なアートロック路線とは違えど、そこには漲る野心とやる気に満ちており、古くて新しい新鮮な音楽性は無名の若手ミュージシャンの技量があってこそのサウンドでしたが、正直、わが国では、今の今も全く知られていないという事実に愕然とさせられます。
ブルースを基調としているものも、ファンキーでサイケな音楽性はバラエティに富んでおり、へヴィグルーブに、まとわりつくオルガンの音色と渋めのギター(若干15歳というのだからを面白いですね)、アメリカンなライトさはあるが、オルガンとピアノの音色にオーケストレーションが絡むファンタジックな⑥など聴き応え十分なバラードナンバーも盛り込み、そんな簡単なバンドじゃないよと言う事を誇示しています。

このアルバムで特筆すべきはオープニングを飾る①に尽きる、へヴィなグルーブが跳ねまくるブルースロックナンバーに悶絶。DPの名曲SMOKE ON THE WATERのファンクロックヴァージョンと言いたくなるようなアイデアが詰まっており、唄い回しもカヴァーディル風で実に面白い。勿論、コチラの方が先なんだが、第3期DP風の⑦なんかもあり、個人的には、とても不思議な気分を味わいました。もしDPよりも先にコチラを知っていたら、第3期の事をどう思ったんだろうと思いを馳せますね。ちなみに、こちらもベースがヴォーカルを兼務するというツインヴォーカル編成ですからね。実に面白いです。
売上的に、パッとせずにバンドは程なく解散。その短い活動の為、知られることなく歴史に埋もれているのですが、個人的には絶対にジャケットが良くなかったと思うんですよね。だって髭もじゃの原住民が、草で出来た腰巻一枚の半裸姿で鎌みたいな武器とブーメランを構えているだけのシンプルなジャケットだもん。音楽性なんて絶対に伝わらないもんね。
中身は濃厚なんだけどなぁ。


Export - Living in the Fear of the Private Eye ★★★ (2018-01-24 20:59:23)

プロデューサーにランス・クインを迎え、1986年にリリースされた3rd。出自は時期的にNWOBHMだが、ここで聴けるのは英国的ハードさと湿り気のあるメロディが映えるハードポップサウンドを披露。軽薄になる事のない生真面目さと、良質なメロディの融合が実に居心地がよいサウンドを響かせ、その筋のマニアなら必ずや満足して頂けるでしょう。
間口を確実に広げるキーボードとアコギの活用の上手さ、そして沸々と燃え盛るパショネイト溢れる燻銀のギター、そこに絡むエモーショナルな歌声、楽曲自体は派手さに欠けているが、ツボを押さえたアレンジと情緒溢れる熱情型のロックサウンドは、どれも魅力に富んでおり、サバイバー辺りにも通ずる親しみやすさと玄人好みの渋さがギラリと光り輝きます。コーラスワークの重ね方もプロデューサーの手腕によると事だし、ギターも色気のあるトーンで酔わせてくれる。
バンドとしては、アメリカンマーケットを意識した作風で打って出たが、今作をもってバンドは解散。AOR系のメロディックロックマニアには、知られている存在だが、アルバム単位での連動性がなかったのが、一般的なマニア筋にも浸透しなかったのが痛手だったのだろう。オリジナルは米国のEPICから、2010年にはアメリカンロックの再発盤に強いRock Candyから出ていますよ。
ちなみに歌モノ好きとしては、ボブ・ハリガンJrやマックス・ベーコンが楽曲提供しているのも見逃せませんね。


HIGH TENSION - Under Tension ★★ (2018-01-23 22:51:20)

ドイツのツインギター編成の4人組が1986年にリリースした2nd。ドイツと言えばHelloweenタッチのコミカルなスピードメタルを想起される方も多いでしょうが、個人的にはSCORPIONSだしACCEPTだ。もっと言えばRUNNING WILDだしGrave Diggerの方がしっくりくるのだが、このバンドも、後にわが国では隆盛を極めるHelloweenタイプとは一線を画す音楽性を信条としたバンドでしたね。

渡米後のSCORPIONS的なメジャー感もあるし、ある意味、同じドイツ人でアメリカでも成功したドン・ドッケンにも通ずるメロセンスもあるかと思います。そこに気骨のあるジャーマンメタルが乗っかるのだが、時代性を巧みに取り込んだ、正統性の強いHM/HRサウンドは、BONFIREまでの洗練度はないが、ドイツ人によるバブリーではないL.Aメタル風とも言える大衆性と硬質感を取り込んでいて、何とも言えない不思議な魅力がある。それは欧州的な湿り気のあるメロディに尽きるのだが、これぞ俺たちと言える個性に欠けている面がマイナスなんでしょう。それは⑨のモロパクリに起因しているような…だって誰が聴いてもモトリーのToo Young to Fall in Loveだもんね。
いい意味でのラフさと力いっぱい演奏する姿は気持ちがいい。ドイツ人らしい生真面目さが息づいているのも面白い。簡単に○○風と言えない魅力が最大の聴きどころでしょう。そしてモトリーファンは⑨を聴いてくださいよ。


BURN - Spark To A Flame ★★ (2018-01-22 16:46:24)

1993年にキーボードを生かした爽快感のあるメロディックHM/HRサウンドを引っ提げデビューを果たした彼らが2年後の1995年にリリースした2ndがこちら。時代的に95年ですからね。どのような音楽性で勝負を掛けるのか不安はありましたが、概ね、前作の流れを引き継ぐ世界観を踏襲。しかし時代の流れ的にキーボードのボリュームを幾度絞る事になり、魅力的だった軽やかさは半減、歌を聴かせる方向性ではあるが、上手い歌い手ではないのというジレンマも抱え、そのあたりの匙加減に評価も別れる要因でしょう。
キーボードを効果的に活用した華やかさ、英国のバンドでありながらもアメリカンナイズドされた柔らかくキャッチーなサウンドは聴き応えがあっただけに、その旨味を封印せざるおえなかった95年という時代背景に臍を噛みます。
派手なギターヒーローも存在しない主役不在の地味目なバンドサウンド故に、スピーディーで派手なメタルを好む方には退屈極まりない、音楽性に映るでしょう。でもここにあるのは、メロディックでキャッチーな英国風味の初期BON JOVIサウンドと言えなくもない魅力に富んでおり、中盤からはキーボードも増量された楽曲も顔を出すので、前作を気に入った方なら楽しんでもらえると思いますよ。こういう音楽は地味なのではなく、渋いと感じて欲しいっすね。


HELL IN THE CLUB - Let the Games Begin ★★ (2018-01-19 02:10:33)

Secret Sphereのリズム隊とElvenkingのシンガーが合流して立ち上げたサイドプロジェクトがコチラ。イタリアの4人組が選んだ音楽性が、甘いメロディと分厚いコーラスワークが耳を惹く麗しき80年代後半のバブリーなアメリカンロックサウンドを披露。
躍動感のあるへヴィグルーブの腰のあたりに来る心地よさ、シンプルだが優雅で華やかさもあるリードギター、カラッとしたアメリカンロック志向だが、瑞々しいメロディには欧州の風を感じる事もでき、FIREHOUSEのような叙情派アメリカンロックが好きな方にはピンとくる要素も強いでしょう。
往年のスタイルを踏襲するが故に、新鮮さは皆無だが、単なる焼き回しでは終わらない、時代の流れをしっかりと汲み取り、2011年の王道HM/HRサウンドを展開しているのが心憎い。シンプルだが活きのいいハードサウンドは普遍の魅力に彩られていますね。


PRETTY BOY FLOYD - Public Enemies - Feel The Heat ★★★ (2018-01-17 17:22:52)

ノリノリのご機嫌なヤツです
ワイルドかつハードに駆け抜けていきますよ


L.A. GUNS - The Missing Peace - Speed ★★★ (2018-01-17 17:18:28)

L.A.GUNSの新たなる名曲の誕生であろう
本文とは違うのかもしれないが
このラフな雰囲気を醸しつつも
キッチリと仕上げてきた職人技に痺れます


L.A. GUNS - The Missing Peace ★★★ (2018-01-17 17:16:49)

PRETTY BOY FLOYDで驚いていたら、こちらもFrontiersから最新作をリリースしていたんですね。しかも久しぶりに、フィル・ルイスとトレイシー・ガンズが揃い踏みでしょう。浮かれたレコード会社じゃないしファンじゃなくとも期待値が高まりますよね。DP風味も取り込んだタイトル通りのスピーディーな②のワイルドでエキサイティングなハードロックサウンドに悶絶。と驚きましたよね。へヴィなリフワークが耳を惹く③、クールなアイデアが詰まった陰鬱なロックナンバーの④と前半からフックに富んだ楽曲が目白押し、クセは強いがエモーショナルでセクシーなフィル・ルイスの歌声は健在、そこに絡むワイルドかつ華やかなトレイシーのギターは全盛期のそれを超えているとも言える充実のプレイで魅了。L.A.GUNSの完全復活を告げる内容を誇っているでしょう。
⑤のようなセンチメンタルなバラードも、このバンドならではの旨味が満載、ご機嫌な⑥もあるしね。個人的には⑨のような退廃的な美意識に包まれたエモーショナルなナンバーが大好物ですね。このバンドのイメージにもピッタリだし。ノリのよいワイルドな⑩もあるし、最後までテンションが下がることなく駆け抜ける、緩急を効かせた一枚に死角は見当たりません。まさに今が全盛期と言える内容でしょう。ベテランバンドの気合いの入りように、少々、昔の名前で出てるいんじゃないのぉ、たかをくくっていた自分を恥じますよ。ゴメンネL.A.GUNSである。


PRETTY BOY FLOYD - Public Enemies ★★★ (2018-01-17 16:49:55)

グラマラスな衣装とメイク、ポップでキャッチーな華やかさの中に毒々しいケバさもある、まさにL.Aメタル集大成とも言える混じりっ気のない音楽性を引っ提げ89年に鮮烈なるデビューを飾った彼ら、うつろいでいく時代の中でも、揺ぎ無いスタイルを誇示いていたかれらが2017年にリリースした待望のフルアルバム。お約束とも言えるモトリーの未発表曲の⑨やラストに収録されたStarzのマイケル・リー・スミスの楽曲など、おもてなしの心を忘れないユニークなカヴァーを収録していますが、それにもましてオリジナルナンバーのキレは、今まで以上に瑞々しく弾けており、これぞPRETTY BOY FLOYDという楽曲が目白押し、はじき出すマシンガンな如き軽快なスピードナンバー②なんて、モロに80年代後期の、あの音が封じ込められていると思いますよ。個性的な歌声を武器に、パワフルでキャッチーなハードロックサウンドの旨味は過去最強とも言えるでしょうね。ダイナミックなハードサウンドとポップロックの両面を併せ持つ、毒々しくも華やかで小洒落た今作は、10年以上、ファンを待たせただけの事はありますね。
こんな軽薄なもんワシャ好かんという意見も十分に理解出来ますが、ロックのもつ猥雑さ、背徳の倫理観、そこにロックの魅力をプンプンと漂わせていますよね。上手い下手では評価を下せない、まさにロックな魅力に包まれたサウンドだと思います。
普段は主食で聴くことは少ないのですが、この手の音楽は青春時代を、完全に通り抜けているので捨てる事は出来ませんね。スティーヴ・サマーズとクリスティ・メジャーズの二人しかオリジナルメンバーはいませんが、この声があればPRETTY BOY FLOYDですよ。久しぶりにL.Aメタルで燃えましたね。国内盤はKINGですが、元はFrontiers Recordsからでしょ。この手のサウンドも Frontiersは手掛けるんだね。ありがたいッス。


SPELLBOUND - ROCKIN' RECKLESS ★★★ (2018-01-14 14:12:24)

1stの翌年にリリースされた2nd。間髪いれずの創作活動でしたが、音楽性をより明確に定めラフなパワーを内包したアメリカンスタイルとも言えるロックサウンドへ移行。1stの頃にあったようなぎこちなさも幾分解消され、メジャー感もUP、演奏もタイトにシェイプ、5曲目のShot Of Loveではサックスも登場させたりと、アレンジ面も含め成長の跡も伺えますね。勿論、ロック然とした粗さも残っており、売れ線になびいた訳でもないので安心して身を任せる事が出来るでしょう。
古き良き北欧スタイルが息づいているのですが、耳馴染みの良いメジャー級の音楽に慣れている人には、少々ラフ過ぎるのかも知れませんが、ロックの初期衝動を擽るようなワイルドでハードなロックスタイルを貫いており、その生真面目な品行方正さと相まって独特のカラー打ち出しているでしょう。全てにおいて1stを超えたと言える力作。北欧メタルの成り立ちに興味のあるマニアなら、手にとって欲しい一品ですね。


SPELLBOUND - Breaking The Spell - Crack Up The Sky ★★★ (2018-01-14 13:46:25)

パープル風味だしサミー・ヘイガー風味でもある
北欧らしいラフなロックサウンドが心地よいです


SPELLBOUND - Breaking The Spell - Passion Kills ★★★ (2018-01-14 13:44:54)

北欧の風が吹いてるわぁ
甘美なヤツやでぇ
典型的なロッカバラードですよ


SPELLBOUND - Breaking The Spell ★★★ (2018-01-14 13:43:40)

北欧メタルの黎明期と言えば良いのか?1983年にバンドはスタート。Swedish Metalなるコンピ作に、あのUniverse等と参加。その後、リリースされたのが今作になります。ラフな歌声とラフなロックサウンドの絡みは意外と明るく健康的に聴けるのだが、そこにねじ込まれるのは北欧ブランドならではの哀愁美と湿り気のあるメロディ、その絶妙なバランス感覚は、この時代ならではのモノであり、甘美な北欧のトーンとラフさとの噛み合わせの悪さが逆に癖になる魅力を発散しているのだから不思議です。
また北欧らしさを司るクラシカルテイスト溢れるツインギターによる普遍的な調べにもメタルならではの醍醐味を味わえますかね。

押しの一曲がないと言われたデビュー作。次はメインストリームに接近と言う事で音楽性も変わる彼ら、このバンドのピュアなメタルスピリットを感じる事が出来る今作が個人的には一番好きですね。何よりも冷ややかで、ほんのりの泣かせるメロディってが北欧なんですよ。
メジャー級のポップな北欧サウンドでない、凍てついた荒々しいメロディに北欧メタルの旨味を存分に味わえますのでね。


Glasgow - Zero Four One ★★★ (2018-01-14 13:10:04)

スコットランドはグラスゴー出身の4人組、出身地をそのままバンド名にするというお茶目な人たちですが、出している音は本格派の英国風味満点のキーボードが活躍するソフトなメロディックHM/HR路線で勝負。1984年にNEATからシングルをリリースした実績もあり、NWOBHM後期にデビューを果たしているバンドではある。
今作リリースは折しもメタルバブル全盛の1987年ですからね、それ相応のメジャー感満載のメロディック路線ではあるが、装飾過多に陥る事もなく、じっくりとメロディを聴かせる手法をとっており、その感触の柔らかさも手伝い、実に優しいメタルサウンドへと仕上げています。シンプルなビートを打ち鳴らす硬派な①、クリス・トンプソンが提供したAOR調の②、バンドの本分と言える重厚な雰囲気を味わえる③、軽やかなポップロックの④と頭4曲続けてバラエティに富んだ楽曲を披露、LIONHERATやDERA、BRONZ、FMあたりの音楽性が好きな方なら存分に楽しんでもらえるでしょう。
英国だし出自がNWOBHMの中からなんで、ポップでキャッチーと言っても、突き抜けるの事のない煮え切らないメロディ、でもって憂いのあるドンヨリ系なんで、そのあたりが苦手な人は手を出さない方が良いでしょうね。
また専任キーボードはいませんが、要所でキーボードが大活躍、その音楽性の間口を広げ、シンプルなビートの合間で華麗に躍動しているのですが、そのあたりにも、このバンドの本来の方向性と、レーベルとの思惑みたいなものが交差しているようで、ああだ、こうだと楽しみたくなりますね。だって絶対、不満だったと思うよ。ロックバンドならああいうアレンジはね(メジャーデビュー前の音楽性とはかなり違うしね)

シンガー、ミック・ボイルは硬めの歌唱スタイルで柔軟さに欠けてはいるが、ドン・ウィルクのような熱唱型のシンガーであり、唄えないメロを唄うタイプではないので、安心できるし、何より、ポップでメロディックと言っても、湿度の高い、芯のある英国サウンドである事がマニアにとっては嬉しい限りですね。
所謂ビックコーラスとか売れ線ですよーと言う、あざとさがないのも好印象。
恐らく今回のアルバムでは。ガイドヴォーカルがいて歌い方も変えさせられたんでしょう。シングルやEP時代とは音楽性も全然違うからね矯正させられていますね。
そこを知っていると知らないとでは全然聴こえてくる音も違うでしょう。美辞麗句が踊るライナーが見てみたいものだなぁ。その時代をフォローして、この音になったと言及しているんだろうか?やらされているのか?やりに行ったのかしりたいねぇ。

今作リリース後、シングル2枚を残しバンドは1988年に解散。日本ではオリジナルの翌年にアルバムがリリース。既にバンドは実態を留めていなかったというのだから、切ないですよね。
もしも方向性を変えさせられて売れなかったのならバンド解散するわな。
フルアルバムリリース後の活動が少なかった為に、メロディ派のマニアからは幻のバンドと言われ、オフィシャルの再発もなく、国内のみならず海外のマニアがオリジナルのCDを血眼で捜す事となる隠れた一品。我が家にあるのはレンタル型落ちの商品な為に歌詞カードもライナーもついていない代物なのだが、プロ仕様のリプロ盤なら手に入るかと思います。
ちなみにアルバムタイトルの041ってのは、グラスゴーの市外局番?ですよ。バンド名に続き地元愛に溢れてますなぁ。


PROVIDENCE - And I'll Recite an Old Myth From... ★★★ (2018-01-09 15:13:59)

国産プログレHM/HRバンドが1990年にリリースした1st。80年代前半からメンバーチェンジを繰り返しつつ活動を続けてきた彼ら、4曲入りで50分を超える内容なので、一曲の長さに肝を冷やすロックファンも多いかも知れませんが、このバンドはプログレバンドにありがちな、シュールな世界観の没頭するような事はなく、テクニック志向と言うよりも、久保田の歌ありきのバンドサウンド志向に舵をとっており、実に聴きやすく纏め上げています。
勿論、プログレファンが聴いても物足りなさを覚えぬような、多種多様な仕掛けを設け、そのドラマ性に破綻を起こさせない場面展開で聴き手を魅了。作詩作曲を手掛けるキーボード奏者の塚田 円の手腕によるところも大きいのでしょう。
随所に渡りブリブリとした弾力のあるベースプレイで存在感を発揮し続ける広瀬泰行、独特のタイム感でリズムをキープするドラムの杉山雄一はSABER TIGERで叩いていた事でも知られていますね。
温かみのある久保田陽子の歌い回しも凛とした力強さを宿しており、この手のサウンドを唄うのにピッタリの逸材と言えよう。フックのあるメロセンスを遺憾なく発揮して歌い上げていますよね。
とにかくテクニックに偏重しなくとも、多彩なアイデアとアレンジセンスを持って、独自の世界観を創造した姿勢は、多くのロックファンを引き付ける要素も大きいでしょう。空間的演出に余念のないギターとキーボードの絡み、独自の世界を見事に華開かせていますね。
北の大地を揺るがす伝説のプログレHM/HRバンドの記念すべきデビュー作。お値打ちで再発された今が買い時でしょう。


Emotion - Emotional Kiss ★★ (2018-01-09 14:28:46)

ザナドゥ・ドラゴンスレイヤー伝説というアニメに主題歌とエンディングテーマを提供したシングル盤をリリースした事もあり、そのあたりのマニアにも知られた存在だろうし、ムルバスにサブラベルズのメンバーが合体してデビューした事でも知られるバンドの1stアルバム。
感じるままにROCK!!ストレートに、ライトに、そしてハードに、これがピュア・ロック!!キャッチーなメロディ満載のハード・ロック・サウンドは痛快だ!!
と勇ましい帯タタキ文ではありましたが、ロックのもつダイナミズムさをスポイルしたミックスが全てのように感じますね。
また岸本友彦も下手ではないが、表情に乏しいのっぺりとした歌声に終始しており、アイデア自体は悪くないのに、抑揚のない歌唱スタイルは、何を唄っても変わらないという欠点を露呈。こんなもん誰がデビューさせたんだと暴言の一つも吐きたくなりますが(サブラベルズ抜けてまでやる音楽かというファンの戯言です、お許しください涙)。この時代のメジャーデビューしたバンドっぽいライトなアメリカンロックを日本人がやったというお決まりの方向性。ハードでもないがポップでもないという奴です。
テクニックに裏打ちされたプレイの数々はスリルはないが安定感は抜群。キメ細かい日本人的エッセンスも嫌みなく抽出されており、ライトな歌謡スタイルの日本語ロックが好きな人なら大いに楽しめるでしょう。松川純一郎の滑らかな運指から繰り出されるギタープレイなど、流石のテクニシャンぶりを感じますよ。

NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTIONの罠に自らハマり、買う予定なかったとのに、買ってもうたよ。たいして聴く予定もないのに、持っていないと気が治まらない我が身の性を恨みます。PROVIDENCEは久保田陽子時代のは中古で手に入れたが2ndがあるのは知らなかった。サブリナも待っているぞ。恐るべしKINGレコードよ。


早川めぐみ - Cinderella Syndrome - ワイルド・ワン ★★ (2018-01-08 18:07:41)

スージー・クワトロの大ヒットナンバーをカヴァー
だれだ企画を通した奴は
とご立腹ですよ
誤魔化し利かないジャンである
めぐみちゃんのワイルドスタイルに付き合えるかが肝
アルバムのオープニングナンバーですからね
いきなり不安感がMAXでしたよ


早川めぐみ - Cinderella Syndrome - Sleepless Night ★★ (2018-01-08 18:03:38)

期待感を煽るイントロ
そしてハードに切れ込んでくる立体感のあるリフ
ユニゾンも決まり一気に行きたいのですがね
甘い歌声が全てです
ドラマ性の高い魅力的なメロディックロックですよ
RIO作曲の作詩はジョージ吾妻
ここでもタック松本はイケイケのソロを披露しています


早川めぐみ - Cinderella Syndrome - I Just Wanna Rock You ★★ (2018-01-08 18:00:12)

作詩作曲ジョージ吾妻
ハードなリフワークも耳に付きますね
アルバム随一の本格派のハードサウンドにうねります
無理に英語に歌わせなくとも…壊滅的です
それがめぐみちゃんの魅力なんですよん
だって地球は丸いんだもん


早川めぐみ - Cinderella Syndrome - 素敵なサマーボーイ ★★ (2018-01-08 17:56:31)

タイトルのイメージ通りポップセンスが弾ける歌謡ロック
イケイケのソロですね
もう少し素直に歌わせても良かったんじゃないの?


早川めぐみ - Cinderella Syndrome - 過激にRock'n Roll ★★ (2018-01-08 17:52:16)

橘高文彦がギターで客演
タイトルに負けないワイルドなロックナンバー
途中で登場する掛け合い風のやり取りに苦笑いが…
めぐみちゃんは何時になくワイルドに迫っていますよ
A面のラストにてシンデレラサイドを閉めてくれました


早川めぐみ - Cinderella Syndrome - 涙のTonight ★★ (2018-01-08 17:47:38)

歌謡テイスト満載のロックナンバー
ハードなリフワークもカッコいいのですがね
スリルのある楽曲だが
めぐみちゃんがねぇ
何故か水泳大会のワイプで歌うめぐみちゃんの姿が頭をよぎります


早川めぐみ - Cinderella Syndrome - Don't You Know ★★ (2018-01-08 17:44:45)

キーボードを効果的に使い軽やかな印象を与えています
タック松本のソロも印象的ですね
シンプルだがベースも踊っていますよ
片言に聞こえる英語詩に失笑もありそうですが
めぐみちゃんは頑張っています
彼女が悪いんじゃない無理させた大人が悪いんだ


早川めぐみ - Cinderella Syndrome - 恋はノー・ ノー・ ノー! ★★ (2018-01-08 17:36:56)

作詩亜蘭知子/作曲長戸大幸によるシングルカットされた一曲
いかにもな歌謡ポップスロックです
無理なく歌う姿に何故か安堵します


早川めぐみ - Cinderella Syndrome - Lover ★★ (2018-01-08 17:29:59)

作詩作曲は東京X-RAYのRIO
アルバムのラストにてB面を締めくくるバラード
ギターソロの後に登場する多重コーラスのパートが耳を惹きますね
ワビサビのある雄大なメロディとスケールの大きいバンドサウンドが印象的でした


早川めぐみ - Cinderella Syndrome ★★ (2018-01-08 17:22:16)

1stを1985年に2月にリリース。その2ヵ月後には4曲入りのカヴァー集によるミニアルバム。それから2ヵ月後に今作がリリースされるのですが、いくらアイドル的な立ち位置とは言え、やり過ぎ感はハンパなく感じるのが今作の問題点だし、彼女の売り出し方の問題点だろう。ミニアルバムに書いてあったアイドル的プロフィール。両想いより片思いが好きととか、カレーライスの隠し味にこぶ茶とか、パンチの効いたコメントを忘れる事の出来ないワタクシにとって、心の整理がつかないまま、手に取った今作でしたね。なんだか青春時代の甘酸っぱいノスタルジーに浸りたくなるのですが、破壊力のある今作は、そんなオッサンの望郷心を木っ端みじんに破壊していきます。

「歌謡メタル・エンジェルめぐちゃんのセカンド・アルバム! (歌謡曲+ロック)÷2=早川めぐみ <アイドル・メタル> !!」
と銘打った帯タタキ。ビキニ姿で笑顔を浮かべるフロントカバー。でもって裏返すと、ウエディングドレス姿のめぐみちゃんが登場。1stのポリス以来のコスプレにマニアも大興奮でしょうか?ねぇ…

色んな意味で破壊力を増した今作ですが、前2作に参加したギターの松本孝弘を中心としたメンバーが揃い踏み、テクニック的に申し分ないバックを従え、主役を張るめぐみちゃんですが、頑張って声を歪ませロックシンガー然としたパフォーマンスを披露しようとするも、如何ともしがたい歌唱力不足が目につき、今まで以上に厳しい方向性へと傾いています。
確かにポップなアメリカンロックスタイルではあるが、日本人的叙情性も加味されたりと、そのバランス感覚の狭間で彼女の歌声が溺れています。
なまじ本格派志向の楽曲と演奏が聞こえてくるので、尚更、目についてしまいますね。その欠点が気になるとアルバムを完走するのは不可能なのですが、全編に渡り、一発大きな旗を揚げてやるぞと言わんばかりに野心溢れる、ギラついたメタルギターを弾く松本孝弘のフラッシーなプレイの数々、それだけでも聞いてやって欲しいですね。
CD化もないしダウンロード盤も出ていないので、なかなか聴く機会のない作品なのかも知れませんが、昨今の嬢メタルと言うのは、あえてなんだろうが、厳つさよりも壮麗な面をフューチャーした楽曲が多く、歌い回しも似たり寄ったりと以外と個性に欠けるバンドが多い。クオリティは高いが、どこかヨソ行きでロック然とした魅力に乏しく、個人的に物足りなさを覚えるのだが、今作は昨今のバンドよりも明らかにライトな作風なれど、作り手の中にある純然たるロックスピリットが燦然と輝いていて、違う意味での個性と言うものを猛烈に感じますね。
キーボードも入り軟弱なハードサウンドだ。歌も下手だ。聴くに堪えないものもあるだろう。それでも惹きつける魅力があるのは、整合性とは無縁のロックサウンドに重きを置いている事に他ならないと思います。
芸能界的成功とアーティスティックな世界観の両立を図ろうと苦心した一枚。マニアを自負する猛者なら手にとって欲しいですね。
今のテクノロジーならもっと上手く歌録り出来るよなぁ。


CODE RED - Fang of the Sun ★★★ (2018-01-08 16:47:00)

前作から10年ぶりにリリースされたスラッシャー待望の2nd。銃撃戦さながらの激烈なスラッシュナンバーは勿論だが、ヨーロピアン調の哀愁に溢れたメロディを導入したパートもあったりと、弾力のあるへヴィグルーブが狂ったように暴れ倒すスラッシュサウンドは健在。この10年間の間にリリースされたスプリットCDからのリメイクや1stのリメイクもあったりと、純粋な新作ばかりではないが、この10年間の彼らのありようと、新メンバーを迎えたバンド体制としての挨拶代わりという意味合いもあるのでしょうが、とにかくクオリティの高い強烈な一枚へと仕上げています。
個人的なイメージとしては、もっと激烈なハードコアスタイルのスラッシュサウンドだと思っていたが、扇情的といっても差し支えないほど、男の哀愁を纏った叙情的なフレーズも随所に顔を出し、前作とは違った印象を強く感じましたね。
とは言いつつも、暫く1stの方はご無沙汰しているので、これを機に合わせて聴きなおそうかと思いました。激しいリフやスピード感に寄り掛かるだけではないワビサビに日本人らしいキメ細やかさを感じますが、へヴィなリズムと突破力に満ち溢れた楽曲が持つ普遍的魅力に、スラッシュメタルかくあるべしと言いたくなります。メロディを際立たせたパートも導入した事で、今まで以上に間口も広がり、奥行きを広げてきたアレンジセンスに目を見張りますね。

世界を取り巻くスラッシュメタルのリバイバルブーム。南米は勿論だが、スペインやイタリア、ドイツにギリシャ、他にも東欧圏でも散見出来るオールドスタイルのスラッシュメタル。その流れは確実に裾野を広げていると思います。その流れにわが国日本も乗るべく、次作はもう少し短いインターバルで出してほしいですね。それにしても強烈な一枚だなぁ。首筋が疼きっぱなしの39分でしたよ。


STAN BUSH - Change the World ★★★ (2018-01-08 16:13:40)

AOR系のソフトロックを愛するマニアの間では外す事の出来ないブランドとして知られるスタン・ブッシュがセルフリメイクの②や④などを含む2017年にリリースした一枚。
スタン・ブッシュの情感豊かな歌声が紡ぐ、爽快だが哀愁のあるメロディ、その親しみやすさとウエッティな感触には、独特の高貴なムードも漂い、作品全体を包み込む温和なムードと相まって、至高のメロディックロックサウンドへと昇華しています。

聴きやすく纏め上げた曲作りの上手さもさることながら、どこをどう捻ると感動できるのかという完全なる攻略法を身に付けたスタン・ブッシュサウンドに欠点らしい問題点など見当たらず、その筋のマニアには安心して手を出せる一品となっているでしょう。
口当たりの良さも手伝い気がつけば何度もリピートさせる魅力を携えた一枚。大衆性とロック然とした躍動感、シンプルだが最小限のプレイで最大限の効果を発揮する術を知っているからこそ、聴き込む程に味わい深さも増すというものですよ。そんな普遍的魅力がここにはありますね。


ANTHEM - Ready to Ride ★★ (2017-12-29 13:00:53)

NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTIONと銘打ったキャンペーン、その中でも今作がよもや単体でCD化してくるとは思わなんだ(アースシェイカーのブロンディガールにExciting Miniの製品化にも同様に驚きましたがね)。
ベスト盤やオリジナルアルバムの再発盤のボートラとして、バラ売りで収録された事はありますが、確かに正規の形でのCD化は初ですね。値段の手ごろな1000円+税でしょう。しかもキャンペーン内容がズルイんだよね。101枚順を追ってリリースする作品から4枚買うと1枚好きなものと無料で交換出来るだもん。安価に背中を押され買いたくなるわ。音質もよくなっているんでしょ。
その商魂ぶりに、賛辞を送りますよ。個人的には保存状態の良いアナログ盤の中古をもっているのですが、4枚購入する為に、手にするか思案中の一品です。

福田洋也がアンサー時代にプレイしていたと言われる『READY TO RIDE』、そして初期のライブでは重要なレパートリーだった、福田のペンによるブリティシュテイストたっぷりの叙情派疾走ナンバー『SHED』。さらには1stの英詩ヴァージョン3曲です。初期のアンセムを未聴の方は勿論ですが、この時代ならではのパワーメタルサウンドを味わいたいマニアなら押さえておいて損はしないでしょうね。


EARTHSHAKER - Shaker's Shakies ★★ (2017-12-29 12:37:35)

日本を代表するベテランHM/HRバンドの彼らが、1987年にリリースしたEP。OverrunとAftershockの間にリリースされた作品なのですが、丁度その間を行く音楽性になっていて興味深い仕上がりですよ。専任キーボードを加入させ音楽性を拡散していった彼ら、往年のシェイカー節を堪能できるオープニングの『SHADOW』、ご機嫌なロックソング『心までは』、永川の加入を強く印象付けた、キーボードから始まるシリアスな雰囲気の濃いインストナンバー『ORANGE AGENT』、そして名曲MOREを『置きざりし刻~"MORE"』と改名したリメイク。正直MOREは完成した楽曲なので余計な手を加えない方がと思いますが(後年こするだけこすったリメイクシリーズの一つとしては、もっとも異色の出来栄えです)永川敏郎加入を受けアレンジを加える事に成功。鍵盤プレイとシャラのギターが、より劇的な展開に持ち込み、ガラリと印象を変えてきました。
個人的には、まぁやらんくても良かったヴァージョンなんですがね。CD化の際にはExciting Mini IIから4曲を追加収録。
少々やりにいった⑤曲目の『Love Dreamer』はあれですが、⑥の『Take My Heart』ベースの甲斐貴之がリードボーカルを務めるポップソングで弾けたキャッチネスさが、心地よい彼ららしい一曲としてLIVEでも重要なレパートリーとして知られています。ラストには武道館のLIVE盤から収録時間の関係でボツになった名曲『ありがとう君に』を収録と、けっこうなボリューム感を誇っている一枚でしたね。

わたくしが所持しているのは1991年リリースのレンタル型落ち中古品故に、歌詞カードもない粗悪品なのですが、NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTIONという復刻版を世に送り出す。一代キャンペーンの元に今作が2017年に、久しぶりに商品化されております。所謂、J-popファン向けの雑誌や、ビジュアル系専門誌のインタビューなどでは、アーティスト側は語りませんが、アースシェイカー程、初期の頃のヴィジュアル系バンドに影響を与えたバンドはいないと言われています。シャム・シェイドのシンガーなど、西田昌史風の歌い回しだったりと、多方面に影響を残しているのも間違いないでしょう。そっち方面に、詳しくないので、余計な事は言いませんが、今回の復刻版シリーズを機会に、真偽のほどを確かめるのも、お楽しみの一つではないでしょうか?

それにしてもAKBには感謝しかありません、彼女達がCDを売りまくってくれるおかげで、母体のKINGレコードも大儲け、そのバブルのおかげでNEXUSが復活したと完全に思っていますからね。本当にありがたいッス。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project ★★ (2017-12-24 15:43:24)

ある意味、究極の企画モノを言えるドイツバンドによるクリスマスソングのカヴァー集。こんなもんバカ野郎と罵声を浴びせるのは簡単だが、ここは年に一度の浮かれ気分を甘受して大いに楽しんで欲しいですね。
ちなみにこの企画は1995年にTANKARDのゲレことアンドレア・ジェレミアが中心となり再稼働。X-Mas Project Vol. IIをリリースするも話題に上らず直ぐに終わりましたが、X-Mas Project Vol. I + IIというタイトルでコンピレーション作が出たりしていますので、比較的手に入れやすいかも知れませんね。


ELIZA - Battle Field ★★★ (2017-12-23 15:18:02)

かつてSABER TIGER、FAST DRAWと共に道産子3大メタルバンドとして関東圏でもライブを行った幻のバンドが、2017年に復活の狼煙を上げる過去の楽曲をセルフリメイクしたフルアルバムをリリース。往年のメンバーの復活と共に、今回のアルバムでフロントマンを務めるのが、ド派手なメイクとスラッシーなサウンドで人気のあったDiall、Harkenkreuz、Grudge/Curseのシンガーとして活躍、その後AlkaloidのAngelさんの後任として、御大木下昭仁率いるSaber Tigerのシンガーを務めていた、知る人ぞ知る実力派の叫さんが参加。

オリジナルシンガー伊藤竜吾はハイトーン系のシンガーだが線の細さは否めず、やはり国産バンドの最大の問題点とされる歌の弱さを補完する事を出来ないタイプだった。個人的には、逆にそこに愛着があり味のある歌い手として、愛聴するバンドではあったが、彼らが奏でる扇情的な泣きのメロディと快活なキャッチネスさを塗したジャパニーズメタルをパンチの効いた歌声で楽しんでみたいと思っていたので、このメンバーでも復活は大いに刺激を受け、最近はめっきり買わなくなったCDをリリースに合わせて即日購入。
何枚プレスしたかは分からないが直ぐに完売とアナウンスされていたのは驚きでした。彼らの音楽性を愛するファンが全国にいるのはメンバーと縁も所縁もないワタクシでも嬉しい限りでしたよ。本当に国産メタルシーンの活況ぶりを肌で感じます。いろんな意味でSNSが発達し、皆と共有するツールと思われたカラオケ&ヒットソングの構図が壊れ、CDが売れなくなった功罪なんでしょうかね。ELIZA復活は本当に嬉しいです。

聴きなれた楽曲ですが、オリジナルの方は音質も緩く、バンドサウンドのダイナミズムに欠けたものだったので、それらが少しでも太くなっているのならば、楽曲本来の魅力を引き出すことにもなるだろうし、叫さんのクセのあるキリキリと切れ込んでくるハイトーンにより、男前度もアップするのは間違いないと、聴く前から想像していたのですが、その期待に見事に応えてくれました。
テクノロジーの発達の賜物なんでしょうが、オリジナルと比べれば音質もグッと良くなり、日本人好みの哀愁のメロディを放り込むセンスとツボを抑えたアレンジは、往年の空気を損なわすことなく現代にアップデート、単なるノスタルジーでは終わらる事のない、現役感を損なわない一体感のあるバンドサウンドで聴き手を魅了するでしょう。
アップテンポでキャッチーなアメリカンなロックを歌う叫さんもカッチリとハマり、ある意味伊藤竜吾風味もあったりと、元曲のイメージを損なわない歌声で魅了。ポテンシャルの高かったオリジナルソングの底上げに協力しています。
個人的にはセルフリメイクとの事ですが半分くらいは、知らない曲だったので大いに楽しみましたね。こういう企画物は復活作としては、大歓迎ですよ。世間の熱が冷めぬうちにオリジナルアルバムを是非ともリリースして欲しいですね。名古屋のCROWLEYも復活しているし、松本龍似も復活しているし、国産HM/HRから目が離せませんね。ええ一年になりましたよ。


STONE EDGE - Gypsy of the Night ★★★ (2017-12-23 14:29:50)

あのMandrake RootからリリースされたオムニバスアルバムMAKE IT SHINE Vol.2に2曲提供していた実績のある、関東のアグレッシブかつドラマ性を生かしたへヴィメタルサウンドを信条としていたバンドが1995年にリリースした1st。正直、オムニバスで聴いた女性シンガーJakeyのパフォーマンスが好きになれずに、このアルバムがリリースされていたのは知っていたが完全に無視していた。後年、その評価を改める事になるのだが、その時には手に入れるチャンスを逃し、ずっと探し求めていた一品がようやっと手に入りました。
オープニングの約8分にも及ぶ大作ナンバーから、その一筋縄ではいかない捻くれたセンスが炸裂、起承転結を設けつつも随所に他ではお目見え出来ないアレンジも盛り込み最後まで飽きさせることなく聴かせる手腕が見事。正統性の強いパワーメタルソングから、ベイエリア風のクランチーなリフが飛び出す攻撃的なナンバーまで多彩な楽曲を収録、聴きようによって音楽性も変わると言うスタイルは面白い試みであり、リーダーでありギタリストのJIRO氏の突出した才能を窺い知る事が出来ますね。
とにかく場面展開の多いアレンジと日本人臭さを押さえたメロセンス、そこに絡みつく鋼の叙情派パワーメタルサウンドに悶絶します。クランチーなスラッシュサウンドでも嗅ぎとれる欧州風味のフォーキーさ、そこには凍てついた東欧的な空気もあったりと、本当に面白いサウンドだと思います。
惜しむらくは、やはりサウンドプロダクションの脆弱さ、技量のあるメンバーなのにバランスの悪さが如何ともしがたく魅力も半減、これではドラムが可哀想だ。と苦言もありますが、それをもっても有り余るアイデアが聴き手を魅了するでしょう。
本当に1996年当時、バカにしていた事は大いに恥じるべきだし、自分で耳をひきちぎり謝罪したい気分です。今日まで手に入れられなかった事は痛恨の極みでした。わしゃアホやでぇ。

QUEENSRYCHE風味のスラッシーなパワーメタルサウンドが好きな方なら聴いて損はしないでしょうね。小手先のアイデアで誤魔化さない拘りぬいた展開は聴き応えタップリですよ。


STONE EDGE - Gypsy of the Night - Show It All ★★★ (2017-12-23 14:06:21)

アルバムの中ではチョイと異質な印象を受けるが
これもバンドの本分とも言えるドラマティックな展開を設けており
その捻くれたセンスが効いていますよね
単純に走るだけではいパワフルな疾走ナンバー


STONE EDGE - Gypsy of the Night - Gypsy of the Night ★★★ (2017-12-23 14:04:26)

アルバムのオープニングを飾る8分をチョイ切る大作ナンバー
工夫を凝らしたアレンジが随所に顔を出す一曲
このバンドの魅力を抽出していると言えるでしょう
鐘の音から始まりギターが派手に暴れるという出だしもインパクト大だ


STONE EDGE - Gypsy of the Night - Young Blood ★★★ (2017-12-23 13:58:11)

屈強でリズミカルなユニゾンパートが印象的ですね
場面展開の多い一曲だがアイデア過多に陥らず昇華させる手腕は見事
キチンとしたサウンドプロダクションで聴いてみたかった
中盤に訪れるメロウなパートにはハッと息を飲みましたね
エンディングに向けて加速するのもカッコいい
最後まで聴き洩らす事を許さないドラマ性の高い一曲


STONE EDGE - Gypsy of the Night - Live in Peace ★★★ (2017-12-23 13:53:08)

クランチーなリフワークが映える古典的なスラッシュソング
音質の薄っぺらさとバランスにが疑問があり魅力を半減しているが
このバンドのポテンシャルの高さを感じさせる一曲
男性によるギャングコーラスも魅力的です


STONE EDGE - Gypsy of the Night - A Red Light ★★★ (2017-12-23 13:48:45)

バラエティに富んだアルバムの中でも異色な楽曲でしょうか
ミステリアスかつダークな欧州産型のパワーメタルサウンドで勝負
ワビサビのある日本人らしいキメ細やかさも好きですね
5曲目ってのも秀逸でした
悲しげで憂いのあるメロディを力強く鳴らしています


STONE EDGE - Gypsy of the Night - Feel the Pain ★★★ (2017-12-23 13:46:17)

静かな出だしから一転
急転直下のスラッシュサウンドへと変貌
でもってメロディックなパワーメタルの要素も大
ザクザクと刻まれるへヴィでクランチーなリフワークもカッコいいですね
ギャングコーラスもこれまたカッコいい


Crystal Arrow - Flight of Crystal Arrow ★★★ (2017-12-22 18:53:35)

関西圏を中心に活動を行う国産HM/HRバンドが2016年にリリースされた1st。キーボード込みの5人編成と関西とくれば、コテコテの様式美メタルを想像しますが、このバンドも同系統で語られる部類ではあるが、より間口の広い音楽性を披露。紅一点の女性シンガー廣田直子の伸びやかで力強い歌声を中心に、キーボードを交えたクラシカルかつメロディアスな王道サウンドは、歌謡テイストも満載で、そのやり過ぎ感に評価も別れるのだが、バラエティに富んだ楽曲が収録され、8曲入りと言うボリュームも手伝いストレスなく最後まで聴き通す事が可能です。
メンバーショットから醸し出される、オヤジバンドコンテスト的な匂いがプンプンと漂い、そのアマチュア臭から来る現役感を損なう姿は大きくマイナス、特にシンガー廣田さんの、肝っ玉母さんが無理した感が頭にチラつくと、音が入ってこないという問題点もあり、知らなければ気にならないのだが、見ちゃうと厳しいのだ。彼女の場合は、なまじ実力があるだけの尚更タチが悪い。個人的にヴィジュアルに拘るタイプではないが、このバンドの欠点は、もう少し見られ方を気にするべきである。
類型的なスタイル故に個性は薄いが、全編に渡り耳馴染みよいキャッチネスさと様式美系サウンドの聴かせ方を十分に心得たバンドだけに、アマチュア臭は死活問題のように思える。
バンドって難しいなぁ。上手いだけじゃ成立しない部分がある。色が付き過ぎているのも大問題だが、あまりにもイケてないのも問題だもんね。でもここで聴ける安定感のあるバンドサウンドと、ツボを押さえたアレンジの旨味は、それらを凌駕する魅力に富んでいるのも事実なんですよ。


Ripe - A Moment of Forever ★★★ (2017-12-20 14:53:05)

デンマーク産の正統派HM/HRバンドが2010年にリリースした2nd。欧州産ならではの叙情性とダークさを加味しつつも、ガッツィーな古典的スタイルを踏襲する音楽性を真っ向勝負で披露。強靭で柔軟なリズム隊を従え、流麗に歌い上げるギターワークの旨味、二本のギターから繰り出される熱の籠ったプレイの数々は聴き手の好奇心を満たす事に成功、その強烈なアンサンブルの頂点に君臨する、シンガーのマイケル・バソホルム・ダールの堂々たる熱唱と相まって、通産2枚目とは思えない貫禄に満ち溢れていますね。
とは言え、類型的なスタイルでもあるし、所謂即効性の高い、分かりやすいポップな疾走ナンバーなどを用意していないので、そのあたりを求めるファンにとってはつまらないでしょうが、パワフルかつメロディックな正統派サウンドの持つ普遍的な魅力を継承する姿は頼もしさもあり、その筋のファンにはたまらない音楽性となるでしょう。質の高いパフォーマンスに彩られた堅実な楽曲の数々は聴いていて気持ちがいいですね。勿論グランジ以降の正統派サウンドですので古臭は皆無ですよ。
それにしても上手いシンガーだなぁ。そりゃArtilleryに誘われもするわな。


NAZARETH - Razamanaz ★★★ (2017-12-17 13:32:35)

プロデューサーにロジャー・グローヴァーを迎えハードロックサウンドへと方向転換を果たした彼らの記念すべき出世作とった3枚目のアルバム。オープニングの①から小気味いいハードブギーな疾走ナンバーで幕がテンションも上がるのですが、カヴァーソングを②③と立て続けに放つも、その出来栄えには、彼らが目指す方向性を暗に示唆しており、大らかな大陸的グルーブを生かした普遍的ロックサウンドが根幹にあるんだという事を語っています。スコットランドのバンドと言う事ですが、泥臭い骨太なハードサウンドの持つグルーブが心地よく鳴り響き、シンプルなギターリフとビートから繰り出されるドライブ感が最高にクールです。
こういう埃っぽい楽曲に色気のあるダン・マッカファーティの濁声ヴォイスもピッタリとハマりますね。カラッと乾いたアメリカンなサウンドの中でも、一際異彩を放つのは⑦のような情念のある英国寄りのへヴィブルースが飛び出してくるのも魅力的ですよね。そんな簡単なバンドじゃないぞと言う、気概を猛烈に感じますよ。


PAT TRAVERS - Heat in the Street ★★★ (2017-12-17 13:07:18)

ロック魂を揺さぶる男臭いギタープレイで人気があったパット・トラヴァースのソロ第四弾。日本では一年遅れでリリースされましたね。今作では相棒にパット・スロールを迎えた事も広く認知される要因となったのですが、主役は歌もギターも兼務するもうひとりのパットである事に変わりはなく、ペンタトニックスケールを力技でねじ込むエモーショナルなソロなど、彼の持ち味が存分に発揮、古典的ブルースロックを自分なりに咀嚼した音楽性は、スタンダードな響きであるが、その中にも心に染みるトーン一発に掛けた情念もあるし、テクニックのみならずホットなフィーリングで魅了する、豪胆なロックサウンドに絡みつくトラヴァースのギターを堪能したい方にはお勧めの一品ですね。本格派のギターサウンドに磨きが掛かっていますよ。


ATOMIC ROOSTER - In Hearing Of ★★★ (2017-12-17 12:44:02)

前作ではダークでへヴィな面を際立たせた英国ロックサウンドを打ち立てた彼ら、そのオカルティックなハード&へヴィな古典ロックの響きには畏怖の念を抱かせるような伝統と格式にまとわりつく緊張感がみなぎっていましたが、今作は専任シンガーにピート・フレンチを加え新たなる方向性へと舵を切っています。
勿論英国のバンドですからね、晴れやかな能天気さは皆無ですが、ピアノが主導権を握り進行していくという革新的な手法のハードロックサウンドを披露する①、その流れを損なわない、ブラスロックなジャージーさとグルーヴィーさが絶妙な絡みを見せる②、ピアノをバックに歌い上げるジャジーなバラードタイプの③、緊張感溢れるジャズフィーリングを生かしたハードロックなインストナンバー④うねりを上げるへヴィグルーブと重さとハモンドによるバトルは必聴でしょう。
このように前作とは明らかに違う方法論ではあるが、これもまた英国伝統のロックサウンドとして、前作同様押さえておかないといけない名盤ですね。スローナンバーだがDPを彷彿とさせる⑤、ハードなロックチューンが欲しい人にはハードなオルガンとワイルドなギターが絡む⑥とバラエティに富んだ楽曲が収録されていますよ。
多彩な鍵盤プレイに彩られた作風ですが、このカッチリと纏っている中でもルーズな色気を発散するリズムプレイに旨味は相当な味わいがあるし、ジミ渋なギターだが、シンプルなコード進行の中でも要所にギラリと光らせる技をもっており、楽曲の旨味を膨らませていますよね。


TEMPEST - Tempest ★★★ (2017-12-16 19:25:16)

Colosseumのドラマー、ジョン・ハイズマンが中心となり結成された英国のプログレバンドによる記念すべき1st。天才ギタリスト、アラン・ホールワーズを世に出した事でも有名なバンドです。
プログレバンドに属する音楽性として認識されてはいますが、アランのハードなギターリフが主軸とした楽曲構成になっており、ジャジー風味もあるが、古典的なハードロックサウンドとして十二分に楽しむ事が出来る70年代を代表する名盤でしょう。
あちこちで語り尽くされた事ですが、この時点ではまだ控えでもアランのレガート系の速弾きは、スリルに富んでおり、彼のギタープレイの旨味を存分に体感できる優れた一品としても知られていますね。正確なピッキングの速弾きも変態的なスケールの運用も基本的なテクニックとスバ抜けたアイデアの賜物なんだと言う事を強く認識しますよ。
ついついアランにばかり目がいきがちですが、リーダたるジョンのドラムも抜群のキレとリズム感を擁しており、ベースのマーク・クラークと共に盤石のリズムプレイでバンドサウンドの根幹を支えています。そして熱気のあるパフォーマンスで魅了するのはポール・ウィリアムス、親しみやすいメロディとテクニカルなアンサンブルの頂点に君臨。見事にバカテク集団のフロントマンと言う重責を果たしていますね。
このバンド、スタジオアルバム2枚のライブ1枚、アランは今作で抜け、バンドも僅か2年チョイで解散した為、イマイチ認知度は低いのですが、質の高い音楽性は勿論ですが、アランを世に送り出したという一点においても、そのインパクトは絶大だったと言えるでしょう。


NEKTAR - Fortyfied - A Tab in the Ocean ★★★ (2017-12-16 18:51:31)

質の高いメロディと豪快なグルーブ
味わい深い芳醇なフレーズとキレを擁するギター
スリルと共にプログレハードなロックの醍醐味を存分に味わう事が出来るでしょう
多彩な鍵盤プレイの表現力とアプローチの豊富さに舌を巻きますね


NEKTAR - A Tab in the Ocean ★★★ (2017-12-16 18:49:16)

メンバーはイギリス出身なのに、ドイツのBacillus Recordsと契約を交わし主戦場としていたプログレバンドの2nd。オープニングから16分を超える大作ナンバーでスタート、荘厳な響きを奏でるオルガン、時にはジャジーに迫ったりと主役たるリードプレイで牽引しつつも、それにも負けずにハードなグルーブで見せ場を設けるリズム隊の力強さ、その盤石なるリズムの上に、ハードなギターが顔を出し存在感をアピールしたりと、場面に応じて各パートの熱量も変わってくるが、一曲の中に多様性を帯びた展開の持つスリルとアイデアは優美な叙情性と攻撃性を兼ね備えており、想像力に満ち溢れています。
気軽に楽しめるようなロックスタイルではないが、ハードなオルガンとへヴィグルーブが心地よい③など、第2期ディープ・パープルがジョン・ロード主導でハードロックサウンドに進みました的なニュアンスを醸し出しており、古典的なロックの持つ激しいヴァイブを体感できるでしょう。間髪いれずに④に流れ込む展開も秀逸で、メリハリのある展開を設ける事で単調にならずに、飽きさせることなく最後まで聴かせるという構成力の高さに唸ります。
この手のプログレサウンドの中では、ザラついたギターサウンドを用いる事で差別化を図ったなら大正解。幽玄なるシンフォニックな鍵盤プレイの中で、強烈なリズムプレイ同様、力強いロックサウンドの根幹を支える事となり楽曲に厚みを持たせています。
難解なプログレサウンドが苦手な人にとっても、ハードさが前に出ている分だけ親しみやすさもあり、高いスキルを要する技巧的な面と併せて楽しむ事が出来るでしょう。


HUMMINGBIRD - Hummingbird ★★ (2017-12-15 14:21:11)

第二期ジェフ・ベックグループにいた、ボブ・テンチ、マックス・ミドルトン、クライブ・チャーマンらが結成したバンドの1st。どこかジャジーな雰囲気のあるブルースベースのロックサウンドを中心にファンキーなグルーブを取り込んだりと、ロックのもつ埃っぽさとジャジーな洗練さを同居させた仕上がりは、独特の味わいを醸し出し英国的な魅力を発散しています。
曲によってはボブの歌声を生かしたAOR風味からマックスのキーボードを前面に出したジャズロックもあったりと、ハードでエッジの立った音楽性が好みの方には、退屈極まりない一枚となるでしょうが、ジェフ・ベックなブルースロックの⑤なんて、渋くてカッコいいですよ、滋味深いギターのバニー・ホランドのプレイに引き寄せられますね。


MAGMA - Köhntarkösz ★★★ (2017-12-15 13:54:04)

クリスチャン・ヴァンデール率いるフランスのプログレジャズロックバンドの4th。4曲入りで41分ってマジかと、不安な要素も大でしょうが、オドロオドロしいダークな暗黒ロックを展開、その奇妙奇天烈な世界観はオープニングから炸裂しますが、前作よりもより深層心理訴えかけるような、不穏な空気を増量することで、より個性を確立することに成功。相変わらず歌らしい歌はないが、その呪術的な呻き声が恐怖心をあおり、聴き手に重くのしかかってきます。
その冥府に迷い込んだような暗黒面をフィーチャーした音楽性は前作よりも、ロック色も強まり、邪悪さに磨きが掛かっているのも見逃せませんね。そんな中でもやっぱり『Ork Alarm』も不気味さは過去に類を見ない仕上がりだし(エンディングの笑い声的なものの気持ち悪さは秀逸です)、『Coltrane Sündïa』神秘的な音色を奏でる美しきインストナンバー、ピアノの音色に導かれ誘われるのは、神か悪魔か、はたまたこの世の終わりか、神聖なる宗教音楽的な響きの中にある不気味さに汗が出ますね。本当はこういうのが一番怖いのかも知れません。アナログではKöhntarkösz, Part 1と2はA面B面に分かれているのですがCD化の際につなげてきたのは正解でしょう。SFタッチのホラー映画をみているような独特の世界観にズブズブと沈み込んでいきますね。とにかくこのバンドの魅力を内包したKöhntarkösz, Part 1と2はプログレファン必見ではないでしょうか、ワタクシの貧相な文才ではとても表現出来ない、凄みを味わってください。迫りくる恐怖と荘厳なる神秘の音色、その両面を味わえる他に類を見ない緊迫感に押しつぶされますよ。


MAGMA - Mëkanïk Dëstruktïẁ Kömmandöh ★★★ (2017-12-15 13:28:44)

クリスチャン・ヴァンデール率いるフランスのプログレバンドの3rd。今作は核戦争によって破壊された惑星コバイアから、我々人類に向けたメッセージをテーマにしたコンセプトアルバム。アルバムで歌われる言語は英語でもフランス語でもない、ヴァンデール自ら創作したコバイア語なるもので歌われるというように、非常に難解な印象を与える一品。女性コーラスを多用した宗教音楽のような、神秘的でどこかオカルティックな世界観は、まるで映画をみせられているような錯覚に陥り、聴き手をグイグイと引き寄せるでしょう。基本はジャズロックなんだが、なんと形容したらよいのか当てはまる言葉が見つけられず、オペラあり、宗教音楽ありな、とにかく型にはめて語るのが難しい音楽性である。歌と言うよりはコーラスワークが中心だし、コバイア語だし、不気味だし、でも高い演奏力に支えられたインプロめいたカウンターアクションの数々に興奮を覚えます。

その難解なイメージがとっつきにくさを誘発しているが、70年代のロックを古臭いものとして片付けてはいけない、オリジナルティに満ちたモノがこの時代にはあるのです。混沌としたロック創世記、その溢れだす力を感じ取ってほしいですね。


ATOMIC ROOSTER - Death Walks Behind You ★★★ (2017-12-13 13:35:13)

1stではあのカール・パーマーがドラムを叩き、シンガーのみならず、ギターも担当していたニック・グラハムが抜け(レコーディングではベースも担当するマルチぶり)。新メンバーを二人迎え、ベースレスという非常に貴重なラインナップでレコーディングが行なわれた2nd。主役たる鍵盤奏者のヴィンセント・クレインが奏でるハモンド・オルガンの妖しげな音色を生かした、暗黒面をフィーチャーした色気のある古典的ロックサウンドを展開、不気味なアルバムジャケットが醸し出す、オカルト神秘主義を後押しするような、アングラへヴィロックが放つ不穏な空気にむせ返ります。メンバーチェンジがもたらしか功罪とも言える音楽的進化は、1971年という時代背景も手伝い、ミステリアスな要素を多分に膨らましているでしょう。
ブラックサバスのオカルティックさとは違う魅力を放つバンド、ある意味ロックと鍵盤楽器を理想的な形で融合させたともいえる、知性に溢れており、オルガンとギターが密接に絡み合う事で生まれる魔術的で幻想的なへヴィロックは、今なお聴き手の好奇心を刺激するでしょう。その魅力は①に凝縮されているが、激しいドラムのインタープレイが絡み最高にクールなハードサウンドを轟かす④、ベース不在を感じさせないへヴィなオルガンと熱量の高いハードなギタープレイがカッコいい⑤など名曲も多数収録されています。サバスと双璧をなす暗黒面をフィーチャーした今作は英国ロック史に燦然と輝く名盤でしょう。


CACTUS - Cactus ★★★ (2017-12-13 13:05:05)

Vanilla Fudgeのリズム隊だったカーマイン・アピスとティム・ボガードが、ジェフ・ベックのラブコールに応えバンド結成に動くも、ジェフの怪我でバンド結成のアイデアは頓挫。ヴォーカルにラスティ・デイとギターのジム・マッカーティを迎え、その隙間を埋めるべく結成されたのがコチラになります。ブルースのスタンダードナンバーの①からハイテンションの演奏が炸裂、豪放磊落でへヴィグルーブに負けじと、自由闊達に弾き倒すギターがとにかくクール、強靭なリズム隊に目を奪われがちだが、マッカーティのギターは実に色気と野心に溢れていてギラギラと光り輝いています。
力強いグルーブを押し出した荒々しいパフォーマンスは、インパクト大のテクニックと同じくらい強烈ですね。人に語れるほど、70年代のロックに精通してはいないが、このバンドの魅力は①に凝縮されているでしょう。


FOGHAT - Energized ★★★ (2017-12-13 12:29:06)

英国のバンドだがアメリカのBearsvilleと契約を交わしてデビューを果たしたバンドの3rd。元Savoy Brownのメンバーが母体となっているので、ブルージーなロックスタイルだが、オープニングからTrain Kept A Rollin'の自分達ヴァージョンで幕を開けると言う大技を展開、女性コーラスを生かしたサザンロック風味の楽曲も用意したりとアメリカ寄りのハードサウンドで勝負していましたね。ハードブギー調に改良したバディ・ホリーの⑥も面白い仕上がりで、これぞロックンロールと言える魅力に溢れている。
キャッチーでパワフルなリズムの心地よさ、はじき出されるグルーブ、それらを司るギターの旨味、いまどきブルースベースのハードブギーサウンドなど流行らないだろうが、若い人にこそ聴いてほしいスタンダードな既知に富んだ一枚ですよ。


BILLY IDOL - Speed (original Sound Track) - Speed ★★★ (2017-12-12 14:26:24)

ビリー・アイドルの曲の中で最もハードな部類に入る曲なのかな?
映画の主題歌なのですが
クールなビリーの歌い回しがピッタリと楽曲にあっています
スパイスの効いたハードなギターサウンドがカッコいい
映画のイメージにも良く合いますね


BILLY IDOL - Rebel Yell - Rebel Yell ★★★ (2017-12-12 14:20:51)

マット・シナーなどメタル系アーティストも取り上げる事のある
ビリー・アイドルの代表曲
かつて坂上忍がミッドナイトダンスだったかな?そんなタイトルでカヴァーしてました
キーボード主体のポップなニューウェーブサウンドなのだが
ギターのハードさが絶妙に絡む
そしてビリーの悪っぽい歌い方も絶妙だ
この一曲だけは無性に聴きたくなりますね


SANDROSE - Sandrose - To Take Him Away ★★★ (2017-12-12 14:07:19)

扇情的なフレーズを奏でるリードプレイに泣かされます
淡い情景を淡々と刻む歌声も
いい意味で硬さがマッチしており一番この曲が合っていると思います
とにかく泣かせるわ
バックで雄弁に流れるオルガンの音色も素晴らしい
5分を超えたあたりのSandrose感がエグい
皆が自分なりの神秘的な大地を思い浮かべるでしょう
チープな表現になるが本当にそうなのでね


SANDROSE - Sandrose - Old Dom Is Dead ★★★ (2017-12-12 14:00:43)

病室の窓を眺め
『あの木の葉が全て枯れ落ちたら私の死ぬのね』
そんなベタなシーンを回想させられるような一曲です
なんのこっちゃ伝わりませんが
前半は枯れた味わいのフィーキーなバラードなのですが
後半は熱量を高め盛り上がっていきます
メロトロンの響きにもたれ掛かる切なげな歌声
そして短い命を燃やすように最後は訴えてきますよ
ギターもエモーショナルに絡みます