この曲を聴け!
失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3101-3200

MyPage

失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | 119 | 120 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133
モバイル向きページ 
失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3101-3200

0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | 119 | 120 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133


SANDROSE - Sandrose - Underground Session (Chorea) ★★★ (2017-12-12 13:55:14)

11分を超えるインストナンバー
ジャジーな色合いの濃い前半から徐々に
神秘的なプログレ風味が強くなる展開が面白い
時代が時代だけに音は薄いが
それでも重厚感を損なわないアレンジセンスに唸りますね


LOVEBITES - Awakening From Abyss ★★★ (2017-12-12 13:19:30)

昨今の国産HM/HRシーンの活況ぶりには驚かされますが(ある意味CDが売れない時代の副産物ともいえる事に複雑な思いがある)。EPをリリースしてから半年もせずにデビューアルバムをリリースしてきた彼女達、EPから4曲を持ってきているので実質新曲は7曲と言う微妙な空気はあれど、グランジ以降のメタルサウンドは勿論、元気溌剌として若い女の子ならではのポップロックから、オジサン好みのオールドスクール風味のメタルまで多彩な楽曲を収録、ツボを押さえたアレンジは往年の空気感を巧みに演出する事に成功。いろんな大人のアドバイスもあるんだろうなぁとは推察できるが、飽和状態の女性のみのバンド形態に終止符を打つような実力が備わっており、少々出来過ぎ感はあれど、これでLIVEでも同様の演奏力をキープできるなら頼もしい存在となるでしょう。
パワー負けしない演奏力を生かしたメロディックパワーメタルは、嬢メタル界屈指の完成度を誇っていますよ。
ところで、そろそろ嬢メタルを売るのに、明らかな修正写真を使うのは止めて欲しい。ハードルあげるの可愛そうですよ。男と違ってモテたくてバンド始めましたとは違う、肝の据わった感が、女性にはあるのでね。いろんな意味でセクハラな気がする。


SHOW-YA - PROGRESS ★★★ (2017-12-12 12:55:57)

2005年にオリジナルメンバーによる再結成を果たしてからオリジナルアルバムをリリースするまでに時間を要して彼女達。2012年に待望の復活作を世に送り出した後はコンスタントに作品をリリース、カヴァーアルバムを2枚挟んでの、復帰2作目がコチラになります。往年のSHOW-YAサウンドをそのままに、歌えるHM/HR路線は健在と、彼女達のファンが待ち望んだスタイルを踏襲してきました。男負けしない硬派なロックサウンドに乗っかる耳馴染みの良いキャッチーなメロディ、的確な演奏が支える楽曲はどれもが高い水準をキープしており、現役感を損なわない熱量を保持しています。
リメイクで幕が開くのはどうなのかと思うが、彼女達を知らないご新規さんには、ありがたい選曲なのかも知れません。ちなみに限界LOVERSのリメイクは2ヴァージョンあり、ボートラには、先日現役引退を表明したJ-POP界の歌姫、安室奈美恵ちゃんが客演しているので、彼女のファンなら押さえて欲しいですね。しっかり寺田恵子と歌い分け、存在感をアピールしていますよ。
それにしても50歳を超えたと思われるオバサマ達の気合いの入った演奏に耳が持って行かれますね。老獪なテクニックで衰えを感じさせない歌もテンションを下げさせないし、五十嵐の的確なリフワークは心地よいですよ。


JOURNEY - Frontiers - Rubicon ★★★ (2017-12-10 15:54:32)

スケールの大きいバンドサウンドを堪能出来ますね
こういう大らかなノリがアメリカンロック
アルバムのラストに壮大なナンバーを放り込んできましたね
フェードアウトがチョイと残念でした


JOURNEY - Frontiers - Frontiers ★★★ (2017-12-10 15:49:49)

こちらも初期の路線を思わせるプログレハードタイプの一曲
泥臭さを排した洗練された響きとポップセンスが活きています
産業ロックと揶揄されたバンドでしたが
ここでは明確な自己主張を行っていますね


JOURNEY - Frontiers - Troubled Child ★★★ (2017-12-10 15:46:11)

透明感のある扇情的なメロディ
アメリカンなマイルドさ
絶妙なさじ加減で酔わせます
初期のプログレ路線的な魅力もまたイイ


JOURNEY - Frontiers - Edge of the Blade ★★★ (2017-12-10 15:42:39)

最後まで聞き洩らす事を許さない気合いの入った一曲
二ール渾身のギタープレイに燃えます


JOURNEY - Frontiers ★★★ (2017-12-10 15:39:52)

アメリカンロックにおける一つの大きな雛型を形成したバンドといっても過言ではない彼らの代表作とも言える一枚。ジョナサン・ケインの加入によって音楽性をより洗練された高尚な域へと上り詰めた彼ら、長きに渡る経験とテクニックに裏打ちされた演奏力の高さに支えられた、細部にまで拘った音作りなど、単なる売れ線モノのロックバンドとは明らかに一線を画すもので、ワタクシも子供だった時代は、このようなソフトケイスされた音楽を目の敵にしており、インギーばりにジャーニーなんざ、オカマの聴く音楽だと、人権問題に発展するような暴言を吐いたものですが、これが、歳を経て物事の分別がつくようになったら、メチャクチャ心に染みいる音楽と変わり、愛すべきスタイルになるんだから驚きですよ。
本当に10代、20代の時にこのようなサイトがあったら、とんでもない書き込みをして、数年後に切腹ものの羞恥心を味わう事となったでしょう。発言は消せないわな。本当にゾッとします。流石にオジサンになると、2、3年前にアカンと思った作品が、急にカッコいいとブレブレな事にはなりませんが、若い頃はホントもうグッラグラでした。ホントに恥ずかしくて思い出したくもないわ。

そんな個人的に羞恥心を抱えた思い出深いアルバムですが、乾いたアメリカンロックとは違う、どこか切ない哀愁美に満ちたメロディ、重厚なコーラスハーモニーを配したサビの華やかさ、実に聴かせ方の上手いバンドでした。時には感情を剥き出しにしたハードなソロから、タメを効かせた情感たっぷりのフレージング、小技を効かせつつもロックな精神性と強く感じさせる力強いリフワークまで、テクニシャンぶりも巧みにねじ込む二ール・ショーンのギターも素晴らしいが、やはり、天性の才を感じさせるスティーブ。ペリーの歌唱が、このバンドをアメリカンロックの代表格まで押し上げているでしょう。ねっとりと絡みつくエモーショナルな歌声から、良く抜ける高音域の美しさ、甘く鼻にかかったような歌い回しだがスコーンと突き抜けますよね。その余裕綽々ぶりが本当にセクシーでカッコいい。個人的には語尾に掛けるヴィブラートに尋常じゃない上手さを感じますね。本当に素晴らしいシンガーです。多くのフォロワーも生み出したの頷ける存在でしたよ。
初期の頃にあったプログレ路線ではないが、皆が主役と言うバンド形成も、また正しい形だと思うので、彼らの功績は色んな意味でも大きいでしょう。前作『ESCAPE』と同様。メロディ派なら外す事の出来ない一枚ですね。そしてハードさも際立った作品だと思いますよ。


RAVEN - ExtermiNation ★★★ (2017-12-09 13:30:07)

前作から6年ぶりにリリースされたフルアルバム。初期の頃に通ずるヤバい空気は健在、破天荒極まりない暴走感と、キレたナイフ(By出川哲朗)と呼ばれるぶち切れシャウト、そしてハイテンションに絡むリードプレイの数々、アームをド派手に駆使したソロなど、全盛期を凌ぐ雰囲気を醸し出しており、経験からくる熟練度の高い暴れっぷりに余裕すら感じます。
小インストを挟んでの15曲は、少々テンコ盛りの脂っこさがあり、ダレそうになりますが、小気味よく突っ走るスピードメタルを上手い事挟み、飽きさせない工夫を凝らしてきたベテランの心遣いに感謝します。
紆余曲折を経て辿りついた原点回帰を高らかに叫ぶ意欲作。そのギラギラとし野心溢れる大人げない暴走メタルこそ、彼らが愚直なまでに拘ってきたスタイルではないでしょうか、最後まで途切れる事のない緊張感と凄み、スリリングに攻めまくるギターと強靭なリズムプレイの数々、ここにきて眩いばかりに鮮烈なる衝撃を走らせていますね。バカメタルじゃない、猛烈さが好きですねぇ。キャッチーだが媚を売らないっての流石ですよ。


RAVEN - Walk Through Fire ★★★ (2017-12-09 13:11:08)

NWOBHM勢の中でもスピードに特化したサウンドで人気を博した彼ら、メタルバブルの時代でも若干のモデルチェンジを果たしながらも、その勢い重視の破天荒な暴走サウンドを研ぎ澄ましながらアジャストする事に成功。けしてメジャーな存在とは言えないが、この手のスピードメタル勢にとってアイコンとなる存在だったでしょう。
そんな彼らも流石に90年代の波には、抗う事が出来ず活動は停滞、再浮上の兆しもないままに多くの時間を過ごしてきましたが、2009年リリースの今作は、あのハイテンションなシャウトから、傍若無人極まりない暴走スタイルへと帰還。勿論、単に暴れ倒すだけではない、余裕から来る整合感も増量と、その堂に入ったパフォーマンスは圧巻の一言、大人げない激烈さと熟練された一体感が独特の間を生み出している。ここにきて経験値から来る質の高いバラエティに富んだ楽曲を揃えてきた事に改めて唸りましたね。


MYSTO DYSTO - The Rules Have Been Disturbed ★★★ (2017-12-07 18:54:58)

Mandatorの前身バンドというか、オランダ時代に名乗っていたのがコチラになります。おそらくバンド名がエフェクターのペダルにちなんでいたのが、よくなかったんじゃないのかなぁと勝手に推察しますが、このバンドはスピードメタル愛好家の間では幻の作品と崇められ、オリジナルのアナログ盤は数万円の価格がつくほど、2006年にCD化されましたが限定品の為、直ぐに完売。こちらに登録されているのは、2006年バージョンで、デモ音源を2曲追加したもの、そして2017年に晴れてDark Symphoniesからオリジナル8曲+デモ『No AIDS in Hell』の4曲を完全追加されたものが再発されました。こちらも限定品故に見つけるのは難しいでしょうが、なぜマニアが血眼になって捜しているかを、その耳で確かめて欲しいですね。

その過激なツービートのリズムから、うねりを上げ暴れ倒す強靭なグルーブで鉄壁のディフェンスを司るリズム隊、そこに乗っかるのは角度のある鋭角的なリフワークに、急転直下のアグレッションを司る二本のギター、ガタピシ列車に揺られてはいますが、一寸先の展開を読ませない工夫を凝らしたスピード/スラッシュメタルサウンドには、マニアならずとも息を飲む迫力でしょう。
スピードと攻撃性に焦点を絞り込み、全エネルギーを注ぎ込んだ欧州産の叙情味溢れるスピードメタルサウンドのカッコよさに、改めて自分の趣味趣向を再確認させられますね。ドイツのAgent Steel、初期Running Wildや初期Savage Graceあたりが好きな方ならグッとくること間違いなしな一品です。
でも歌がイマイチなんで、一般的にはチョイと厳しいですよね。その壁を乗り越えるのがメタル愛でしょう。ドラマティックなスピードメタルやでぇ


FAIR WARNING - Fair Warning ★★★ (2017-12-07 18:22:32)

ZENOのメンバーによって結成されたドイツ産メロディアスHM/HRバンドの記念すべき1st。本国は大手のWEAからリリースされるも全く話題にならなかった彼らですが、わが国、日本では大ブレイク、哀愁美溢れる叙情的なフレーズと力強い歌声がマッチした極上のメロディックHM/HRサウンドを披露。ウリ・ロート直伝のスカイギターを駆使した、ヘルゲ・エンゲルゲの天かけるスカイギターサウンドにうっとり、そのどこまでも上り詰めるクリアーな高音域を駆使したソロに悶絶です。
ウリ・リトゲンもようやっとパーマネントなバンド活動の足がかりを見つけ、その天賦の才を遺憾なく発揮。重厚なサウンドではあるが、メジャー感の鋭い良質な楽曲を惜しげもなく盛り込み、今作が1stにも関わらず、彼らの代表作と押す人が多いのも頷ける時代を彩る名盤でしょう。時代的に1992年ってのも日本でウケた要因かと思いますよ。多くのファンは、このようなポジティブなメロディを有する普遍的魅力に溢れた叙情派バンドを求めていたのかも知れません。
スカイギターばかりに話題が集まりそうですが、個人的には脇に徹する機会の多いアンディ・マレッツクのギターソロをフィーチャーした⑧など、何度聞いても泣かされますね。


GWAR - This Toilet Earth ★★ (2017-12-07 18:07:58)

放送コードに引っ掛かりまくりの演出が一部のマニアに支持される、アングラミクスチャーロックの旗手として人気を博していたアメリカの着ぐるみ軍団による4th。リリース時が1994年ですからね。どれくらいグルーブメタルな方向性に進んでいるのかと思ったら、ド頭から裏切られました。ホーンセクションを大胆に取り込んだGWARサウンドの奇襲攻撃に面を喰らっていたら、そのまま、パンキッシュなスピードメタルで畳み掛け、息もつかせぬ攻勢に驚きです。
前作よりはメタル度は薄まりましたが、彼らなりに時代との折り合いをつけないで、自分達の音楽成分を変えるだけで、新しいモノが作れるんだと言う事を誇示する事に成功。その実験的な方向性に、賛否もあったのでしょうが、収録曲の半数が3分を切るようなコンパクトなモノばかりで、聴き手にストレスと無駄足を踏ませないアイデアは良心的ですよね。
個人的には影響を受けない音楽性だし、全然好みではないのですが、この手のバイオレントかつノイジーなミクスチャー系のロックサウンドは、早い段階で確立されていたという事実を知ってもらいたいですね。
あと、普段は英詩なんで、意味も分からないし、雰囲気で楽しめるタチなのだが、⑨の歌詞ややりすぎじゃないのかね。B.D.FってBaby dick fuckの省略語でしょう。サビで連呼しすぎだろうよ。


GWAR - America Must Be Destroyed ★★ (2017-12-07 17:45:22)

その過激なショーが一部では話題となった、メタル系は勿論、パンク、ハードコア、ジャズ、ファンク、ラップといった音楽全般を取り込んだ、なんでもありのゴッタ煮サウンドでも話題となったバンド。わが国ではオフザケ感を誘発する着ぐるみ姿に、R指定で知性を感じないおバカなショーが全く受け入れられず、音以前に存在がNGだったバンドなのですが、後年あの日本一権威ある商業誌において100点満点の評価を受けたSlipknotや同じ着ぐるみ軍団のLORDIやロブ・ゾンビなどが、こぞって影響を受けたと公言された事で評価が一周回って540度は変わった彼らですが、今作を聴けば、その影響が大きかったのも頷けるでしょう。
今作はMetal Bladeからリリースと言うのもあって前作よりも硬質感がUP、ドラムの音は相変わらず軽めだがタイトに絞り上げた事でグッとメタル度が増し鋭い牙をむき出しにしてきましたね。
そのモンスターキャラがハッタリにならない攻撃性が宿った事で、音に説得力も増し、ミクスチャー系のラウドサウンドが好みの方には大いに楽しめる要素も増えたと思います。個人的には、この手の音楽性に引き寄せられるモノは少ないのだが、豊富なアイデアを破たんさせぬアレンジ力の高さには、目を見張るものがありますね。
アメリカをぶっ壊せと訳せば良いのか、物騒なタイトルも、地球征服を企む宇宙人キャラのイメージから来るもんだと思っていましたが、ある意味、既存の音楽シーンをぶっ壊せとでも、言いたげなニュアンスを今作からは感じますね。それだけ、一枚のアルバムの中に色んなモノを取り込み、ド派手に完結させていると言うことなんですがね。


MAD BUTCHER - Metal Lightning Attack ★★ (2017-12-07 17:25:11)

ドイツ産ツインギター編成の4人組が1985年リリースした1st。所謂HELLOWEENタイプの明るい疾走メタルとは一線を画す。バイオレントな空気に包まれた欧州産ならではのダークさもあるスピードメタルサウンドを披露。頭からかなり怪しい演奏で幕が開きますが、音楽的理論や譜割りなんて無視、男どアホウへヴィメタルなド直球の姿勢に、思わずのけぞります。その破天荒ぶりは、スポ根アニメの金字塔、巨人の星より、肩を痛めた星一徹が編み出した魔送球、一塁送球時に走者の顔面をかすめる危険球を編み出し選手生命を維持しようとした星一徹、それに対して一塁を守る川上哲治が言い放った『星君、今のはビーンボールじゃなかぁ』の名場面を思い起こさせるような、香ばしいメタル愛溢れるガッタガタのアグレッションに、どうノレば良いのか分かりませんが、とにかく、彼らは真摯にへヴィメタル道を追求しているのです。そのわき見を振らずに突き進む姿に激しく共感しますが、もう少し練習してからレコーディングに挑めよと言いたくなる不安定さを前にしても、ニタニタと笑みをこぼしながら楽しんでいる我が身が憎いです(涙)。
アイデアも豊富、いろんなバンドの影響を下地に作り上げた初期衝動溢れるスピードメタルにジャーマンメタルの真髄を見ますよね。とはいえ自らをメタルハリーと呼ばせるベース兼ボーカルのハリー・エルブラヒトのヘナチョコヴォイスにテンションも下がりますが、時より切れ込んでくるツインリードのハモリなど、聴かせる要素も大。強引なまでの剛球メタルサウンドに燃えるモノがありますよ。でも今の音ではないので、マイナーメタルに耐性のある方じゃないと厳しいでしょうね。


GWAR - Scumdogs of the Universe ★★ (2017-12-05 15:52:20)

その奇抜な着ぐるみ姿とエログロ、ナンセンスなステージが話題となったバンドの2nd。日本一権威ある商業誌にはケチョンケチョンにやられたバンドでしたが、2000年以降はLORDIやSLIPKNOTのメンバーが、こぞってGWARからも影響を受けました的な事を言った途端に、旗色が変わった事でも有名でしたね。ワタクシも大人ですから、Metal Blade Japanあたりから広告費ももらっているからね、そりゃ分かるけど『当時はごめんね』と言った方が良いと思うくらい、バカにされた存在でした。たしかにブートですが、彼らのショーを見たときは驚きました。宇宙人コスプレの半裸の女性が股間からナシ汁プッシャーの聖水プレーを楽しみ、最前列の観客が浴びるのは勿論ですが、メンバーもマングリ返しで楽しむ始末、そりゃ、少年少女の事を思えば忖度しますよ。皆に聴けとは言わんよね。でも自分達のスタンスがどれだけ影響があるのかは、考えて欲しかった、ロックに検閲をかけちゃねぇ。
とオッサンの戯言で始まりましたが、このバンドは宇宙から地球を支配しに来たみたいなコンセプトのバンドで、歌詞もそんな世界観を歌っていると思いますが、英語の分かる人にとっては、相当偏差値の低い内容らしく、そのあたりも潔癖なロックファンの反感を買ったと思われますが、本当の意味でパンク、ハードコア寄りのメタルサウンドを披露、歌メロらしいメロに乗せて歌わないというのもロックの本分だろうし、軽めのドラムサウンドによって全般的にメタルな深みや重みもないが、このドライさはパンク的な魅力だろう。それに彼らのサウンドは十分、刺激的で色んな意味でバランスをとっており、ノイジーだが聴きやすくまとめるという、見た目とは裏腹な大人の対応をとっており、本当は物凄く真面目で真剣に、着ぐるみきてるんだろうなぁと思います。そう思うと興ざめするので、あの過激なショーにつながると思いますが、そのあたりを理解出来るジャンル的にも柔軟な方なら大いに楽しめるでしょう。個人的には軽めなんで、そこまで喰いつきは良くないのですが、彼らには、あの姿も含め元祖的な色を強く感じるので、LORDIやSLIPKNOTからハードなモノを知った若い人にこそ、トライして欲しいです。当時の論調もしらんしね。
個人的には、そんなに好きじゃないのでが、やっぱり今聴いても十分革新的で、新しい事にチャレンジしていたバンドだと強く思いますね。そんな後続にもリスペクトされ、確実に影響を及ぼした彼らのアルバム。潔癖症じゃない方も一口いってほしいなぁ。


TORMENTRESS - Operation Torment ★★★ (2017-12-04 14:36:10)

メンバー5人が全員女性と言う珍しい構成のシンガポール産のスラッシュメタルバンドが2014年にリリースした1st。レーベルはオールドスクールなバンドを手掛けるInfernö Recordsと来てますからね。出している音に期待が持てますが、その女性感を全く出さないスタイルは頼もしい限り、ドスの効いたニージー嬢のパフォーマンスを勢いよく飛び込んでおり、繊細さとアグレッションが同居したスピード/スラッシュメタル系のサウンドを牽引、その先人達の影響をあからさまに取り込んだスタイルには批判もありそうですが、逆にメタル愛溢れる実直な姿に好感が持てるから不思議なモノです。
シンガポールという地で、女性のスラッシュメタルバンドが音楽だけで飯が喰えるのかは、甚だ疑問ですが、彼女達が仕事の傍らに、細々と活動している姿を思うと、応援せざるおえません。媚を売らずに好きなものを追求する姿って尊いですよね。いくら嬢メタルブームったって結局は商業ベースに乗らないとデビュー出来ないもん。体力もテクニックも必要なスラッシュなんて手を出しませんからね。だいたいが可愛く見えないからね、女性のスラッシュなんてものは、そんな男性優位な世知辛い世の中で世界的に見ても希少なバンドと思える彼女達、このまま、ピュアに突き進み個性を磨いてほしいですね。


BEYOND THE BLACK - Lost in Forever ★★★ (2017-12-02 14:05:50)

ルックスのみならず卓越した技術を持ち合わせる新進気鋭の女性シンガー、ジェニファー・ハーベン率いるバンドの2nd。前作同様、耽美的だが壮麗で瑞々しいメロディをシンフォニックに味付けしたドラマティックなバンドサウンドを披露。これぞゴシックメタルだと言わんばかりの退廃的ムードに、欧州由来の泣きのメロディを配した力強いメタルサウンドに乗せ、ジェニファーが癒しのウイスパーヴォイスで応戦するという手法は、前作よりもメリハリと抑揚とつける事によって聴きやすさも倍増と、その剛柔のバランス感覚を高めた事によって、ターゲットをより明確に見据えることに成功。間口を逆に広げる事になっている点も見逃せませんね。個人的には今風のメジャー感が増したことで、逆に好みとは外れる形にはなったのだが、この手のゴシックメタルが好きな人なら、無視できないクオリティは誇っていると思いますよ。
特にジェニファーの歌声は前作以上に幅を広げ表現力も増しました。その艶やかな美声にうっとりとさせられるのではないでしょうか、またリードギターも装飾過多なインストプレイの合間を縫って印象的なフレーズをねじ込んできますから、マニアは要チェックでしょう。


Blue Stealer - Take the Dream - Ride over ★★★ (2017-12-02 13:50:48)

スリリングなインストナンバー
こちらは小島聡の入場曲らしい
戸谷の王道からトリッキーなプレイまで堪能しましょう


Blue Stealer - Take the Dream - Joker ~聖地へ~ ★★★ (2017-12-02 13:48:14)

佐々木健介のイメージソング
なぜジョーカーなのか?
プロレスファンに聴いてみたいですねぇ
戸谷の攻撃的なリフワークが映える勇壮な様式美ナンバー
山本朋子の中音域を駆使した逃げないロックな歌声がカッコいい


Blue Stealer - Take the Dream - Take the Dream ★★★ (2017-12-02 13:44:37)

キャッチーだが勇壮なメロディが映える一曲
山本朋子は上手い歌い手だった
こじんまりとしたサウンドプロダクションが本来の魅力を殺いでいるのが残念
戸谷の挑発的なソロも印象的でしたね


Blue Stealer - Take the Dream ★★ (2017-12-02 13:41:03)

VOLFEEDの山本朋子がZENITHのメンバーと組んでメジャーデビューを果たす、しかもプロレスとのタイアップ企画で、リリースされのは1996年ですからね。HM/HR氷河期にメジャーデビューとは、いかなるタイアップであれ、ありがたい出来事だと喜んだ思いがあります。若かりし佐々木健介が映り込むジャケット、TAKE THE DREAMって書いてあるだけでBLUE STEALER感なしには驚きましたが、さらに驚いたのは、その内容で、⑦⑧がボーナストラック扱い、その⑦は馳浩と佐々木健介の試合後インタビューが9分27秒、そして⑧は馳浩の入場テーマ、それを手掛けるのはN.J.P.UNITなる別のグループ、彼らは④の西村修のテーマも手掛けるという代物、全8曲入りで関係ないの3曲に、もう一つはTAKE THE DREAMのインストバージョン。結局、歌入りは2曲で他はインストとインタビューという、プロレスファンに偏った構成のアルバムと言う事が店頭で判明。
おもてたんと違う。とりあえずCDを手に取ったものの、買うか棚に戻すかを相当迷いました。絶対にやばい奴だ。2500円もするしねぇ。しかし廃盤になったら再発はまずないだろう。中古でも見かけないだろう。その二点押して購入を決意。今もってボリュームが小さく、聴きとれないインタビューを最後まで聞いたことはないし、そもそもBLUE STEALER以外をまともに聴いた事がない。
そんな思いで何を目当てに買うのかと言われたら、そこに山があるからだとしか答える事が出来ず、もはやマニアの性と恨むしかない。そんなマニアにこそ、捧げたい一品ではあるが、佐々木健介20th Anniversary Special Editionと称した作品にBLUE STEALER関連がこちらから4曲聴けますので、今でも比較的、手に入れやすい状況かと思います。ちなみに何故4曲かと言うと、③のRIDE OVERは小島聡のテーマだからなんですね。ややこしいわぁ。
そして中途半端なケバいメイクを施したメンバーショットに軽く引いて欲しくないですねぇ。特にドラムの堀江のチーママ、マダム感には笑いも出ます。往年の個性派俳優、コミカルなタッチで人気のあった大泉 滉かと思いました(笑)

以下収録曲
オリジナルに敬意を払った記入方法でいかせていただきます。

1. ジョーカー~聖地へ(佐々木健介イメージ・ソング)
2. テイク・ザ・ドリーム~閃光(佐々木健介入場ヴァージョン)
3. ライド・オーヴァー~煽風(小島聡入場テーマ)
4. ヴァイオレンス・ウインド~超翔(西村修入場テーマ)
5. テイク・ザ・ドリーム~閃光(佐々木健介ウィナー・ヴァージョン)
6. ストリーム~果てなき夢
7. 1996年1月4日東京ドーム馳浩・佐々木健介試合後インタービュー
8. トゥー・ハーツ(馳浩入場テーマ)

②③④⑥⑧:インストゥルメンタル
①②③⑤⑥:演奏/ブルー・スティーラー
④⑧:演奏/N.J.Pユニット


音質はあれだが、勇壮なメロディが映える様式美ナンバー①、入場曲にぴったりのキャッチーではやり勇壮な②はインスト、歌いりは勝った時に流れる⑤。スリリングなインストナンバー③、エモーショナルな戸谷のギターを堪能できる⑥とBLUE STEALER関連で素直に楽しむのが一番です。結局、今作は中古市場でも出回り、投げ売りで売られていることもシバシバ。いろんな意味で国産HM/HRの氷河期にデビューすることがいかに困難だったかを物語る一枚でしたね。プロレスファンは勿論でしょうが、様式美マニアなら押さえておきたくなりますよね。


WARDRUM - Awakening ★★★ (2017-12-01 13:21:12)

前作から3年のインターバルを置いてリリースされた4th。活動が停滞していたのかなぁと余計な心配をするのですが、3年の空白は無駄にはなっておらず、熟成された良質の叙情派パワーメタルサウンドを披露。ソングライティングの半分を担当する、バンドの中心人物ステルギオス・クールーのパワードラムに牽引されるように、頭から小気味よく進行。オールフィンガーピッキングと言うギターも話題性では留まらないキレと才で聴き手の好奇心をくすぐる続ける事に成功。アレンジとフレージングの旨味は過去最高の出来栄えを誇り、バンドの顔として君臨しています。
もう一人の主役たる、灼熱のシンガー、ヤニス・パパドプロスの多彩な歌声も才気に溢れており、パワーのみならず、ふり幅の大きいエモーションを携えた稀有な存在としてフロントマンというポジションを誇示しています。
こうして耳を澄ませると、このバンドは全員が主役たる力量を秘めており、誰に光を照らすかで楽しみ方が違ってくるという、色彩美豊かな魅力に富んでおり、その楽しみ方も千差万別といったところでしょうかね。
しなやかに躍動するへヴィグルーブ、哀愁たっぷりの叙情的なメロディとテクニカルなギターサウンド、重厚だが聴きやすく纏め上げた手腕に一日の長を感じずにはいられません。


BEYOND THE BLACK - Songs of Love and Death ★★★ (2017-12-01 12:57:17)

麗しの女性シンガー、ジェニファー・ハーベンを中心として結成されたドイツ産ゴシカルHM/HRバンドの記念すべきデビュー作。多彩なゲスト参加に、プロデュースにサシャ・ピートが絡んだりと、レーベルの気合いの入りように驚きますが、その期待に応えるように、フォーキーでトラディショナルな音楽とダイナミックなロックサウンドの融合を、諸先輩たちの手法をお手本にガップリ四つ取り込む姿勢に、この手の音楽を愛する方なら身を出さずにはいられない熱量を放出しているでしょう。
才色兼備という言葉が当てはまるジェニファーの歌い回しも、この手のバンドにありがちな、裏声でフワフワのパヤパヤな可愛い奴じゃないので個人的にも大いに楽しめる事になりました。
壮麗なシンフォニックサウンドによる陰影を際立させたアレンジ、そこに絡む有機的な歌声、緩急をコントロールする、若いのに芸達者なバンドサウンド、ダイナミックなグルーブと可憐な哀愁美溢れるメロディの融合、装飾は多いが無駄を省いたアレンジの旨味に惹き寄せられます。
個人的には、この手のゴシック調のHM/HRは語れる程、聴いていないし、もし彼らが誰かの度を越した模倣をしていても気がつかないのですが、鮮烈なるフレーズを紡ぐギターは聴き惚れるし、美女と野獣の対比をコントロールするヴォーカルパートも絶妙だ。2017年にLOUDPARKにも参加したと言うのだから、期待の程も伺えますね。その影響もあるのか、2年遅れで国内盤もリリースされた一品。質の高いドラマ性と哀愁のメロディの酔いしれたマニアなら押さえておいて損はしないでしょう。
⑤ではKissin' Dynamiteのシンガーと歌い分けています。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Hard Rock Summit Unplugged Band ★★ (2017-11-29 16:31:43)

シンガーに小野正利、Rajasの森川邦子、ギターはMarinoの大谷令文、キーボードに永川敏郎等を迎え、業界関係者が集う会場で行われた当日の映像つきのアコースティックライヴ盤。リリースが2004年ですから小野さんは、まだソロシンガーですね。
当時、盛んに行われていたHARD ROCK SUMMIT、今作はそのアンプラグドヴァージョンなのですが、正直、なんだか緊張感に欠けたショーであり、特にDVDの方を見ていただくと、それは顕著なのですが、参加するミュージシャンはガチンコで頑張っているので、その努力に耳を傾けるのが一番、どうしても業界関係者の姿がチラホラと脳裏をよぎりますが、小野さんは何を歌っても上手い。センちゃんこと森川邦子は④⑤⑥で歌いますが、全て日本語、選曲の渋さも手伝い、なんとなく昭和歌謡ステージ感が漂い、少々バタ臭い雰囲気に恥ずかしい気分を味わいます。特にCharが売れる為に書いた⑥なんてね。どうせなら桑名正博のセクシャルバイオレットNo.1とかもやりゃ良かったのにと思いますが、そのあたりもロックに無縁の業界関係者を慮った忖度なんでしょうかね。

何度も聴くようなアルバムじゃないし、この時期にアンプラグドなど、もうやり尽くした感があり、新鮮味も皆無だ。それでも手にしたのは、当時、うだつの上がらない小野さんがメタルを歌うって言う事に興味を惹かれたのが最大のポイント。彼はHARD ROCK SUMMITの常連でもあったしね。ロックのスタンダードを上手い歌で聴きたい、そんな当たり前の事をさらりとこなす実力派のパフォーマンスを楽しみましょう。


①②③④⑧⑨⑩小野正利
⑤⑥⑦森川邦子

①Is This Love (Whitesnake)
②Open Arms (Journey)
③Endless Rain (X-JAPAN)
④Holiday (Scorpions)
⑤The Rose (Bette Midler)
⑥気絶するほど悩ましい (Char)
⑦Mercedes Benz (Janis Joplin)
⑧Parisienne Walkways (Gary Moore)
⑨People Get Ready (Rod Stewart)
⑩Dream On (Aerosmith)


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Make It Shine Vol.1 - Zenith / Time to Be Free ★★★ (2017-11-29 15:58:19)

尾崎の書く歌メロはエエねぇ
ワビサビのある甘美なメロが耳を惹きます
キーボードをフューチャーした大作様式美HM/HR
戸谷のギター巧者ぶりを楽しみましょう


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Make It Shine Vol.1 - Zenith / Suicide ★★★ (2017-11-29 15:57:19)

場面展開の多い重厚な一曲
尾崎の甘美なメロセンスがここでも発揮されています
最後まで聴き逃させないアレンジセンスが肝


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Make It Shine Vol.1 - Led Stream / Storm Of Wing ★★ (2017-11-29 15:54:31)

ドラムなど顕著だが
本当にこの音で良かったのかと思うショボさがいかんともしがたいが
なかなかのテクニシャンが揃ったバンドサウンドが楽しめる
ベースも上手いのに聞こえねぇなぁ


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Make It Shine Vol.1 - Led Stream / Rise Again ★★★ (2017-11-29 15:51:45)

キャッチーな歌メロが耳を惹きます
線の細いハイトーンが耳障りですが
そこが気にならない人には多いに楽しめるでしょう
ジャーマンメタル風なキャッチネスが面白い


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Make It Shine Vol.1 - Crystal Clear / Road to High ★★★ (2017-11-29 15:49:54)

力強さと甘美なメロディが混ざり合う様式美ナンバー
外さないアレンジセンスに魅了
長田と西本のリズム隊も強力だ


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Make It Shine Vol.1 - Crystal Clear / Introduction ~ Second War In Heaven ★★ (2017-11-29 15:43:55)

田口政敏がキーボードとして客演
やはりこの手の様式美HM/HRナンバーには必要ですかね
ライナーにも書いてあるが
やはり二部構成のギターソロと
ベースの西部によるタッピングソロが聴きどころ
歌はあれだが緊張感のある演奏が堪能できる


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Make It Shine Vol.1 - 加瀬竜哉 / Tilt It! ★★★ (2017-11-29 15:40:22)

今アルバムに参加したギタリストに日下部バーニー正則と金谷幸久が参加したインストナンバー
歌心溢れるインストとして楽しめますが
各自のソロに耳を傾けるのが最大のお楽しみでしょう
やはり映像でみたいですよね
このシリーズのVTもあるので興味のある方はソチラもチェックです


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Make It Shine Vol.1 - 加瀬竜哉 / Cecilia (Remix Version) ★★★ (2017-11-29 15:37:29)

加瀬竜哉のソロアルバムの限定ボーナス商品として
Tシャツとカセットテープがついてきたのですが
今作はそのカセットに収録された曲のリメイク
哀愁のメロディが迸る様式美ナンバー
甘美なメロディを力強いが男泣きの歌声で迫る坂本英三のパフォーマンスに魅了
ツボを押さえたアレンジは流石ですね
加瀬さんは素晴らしいコンポーザーでしょう


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Make It Shine Vol.1 ★★★ (2017-11-29 15:33:27)

シーンを語る上では外すことのできない、今は亡き国産メロディックHM/HRの総本山マンドレイク・ルート・コーポレーションからリリースされた記念すべきオムニバスCDの第1弾。
創始者であるウリ川本氏のライナーノーツの全てが記載されていると思いますが(ライナーを引用すると、雑誌のグラビアを飾るヴィジュアル系に憧れ、楽器の練習よりも化粧の練習に精を出すようになった。シーンを支えるファン層はアイドル・タレントと同じ視点でバンドを追いかけきたなど、当時の世相を射抜く鋭い視点で書かれているものでしたよ。)

彼の熱い思いが込められた一品としてマニアから愛されるレーベルの作品なので期待値も高めでしたが、音質の脆弱さもさることながら、やはり歌が弱い。国産HM/HRバンドが常に抱えている問題を露呈したままの未完成な作風に終始した作品となり、やっぱりダメかというのが大勢を決する意見でしょう。
とても耐性のない若い人に勧める事も憚られるのですが、個人的には、その欠点も含め、どうしても切り捨てる事は出来ず、手に取りたくなる一品です。
特に今作リリースを記念したLIVEでCrystal Clearの島とZenithの尾崎が出会わなければCONCERT MOONは誕生しなかったと言われているので、尚更の事でしたよ。
また加瀬さんは、この中でも群を抜く出来栄えでした。それも既発音源のリメイクで歌っているのが坂本英三ですからね。場違い感がハンパないです。ある意味、収録曲を埋め合わせるために呼ばれたんかいと深読みすら出るのですが、今作のラストでは、複数のギタリストが加瀬主導でソロを回すインストも収録されていたりと、面白い試みもあり、聴きようによっては国産HM/HRシーンの新たなるムーブメントを起こす、直前のオムニバス作品として前向きに捉える事が出来る一品でしょう。

島のソロが入ると俄然色艶が出るCrystal Clear、歌い手が水曜どうでしょうでお馴染みの鈴井貴之がカツラかぶって歌っているみたいで集中出来ないが(写真も似ているが出来れば映像を探してほしい)。ギターソロの後にベースをフューチャーしたパートを設けたりと工夫を凝らしているし、ジャーマンライクなLed StreamのRise Againや、尾崎のZenithは後にBlue Steelerでメジャーデビューを果たす戸谷勉もいるし、キーボードを生かした本格派のメロディックHM/HR路線を極めており、甘い歌メロもバッチリとハマり、今作の中で突出した完成度を誇っていますね。

なんだかんだ言っても、粗削りだが何かを秘めたバンドに出会い、その動向に気を揉みながら楽しむのがオムニバスアルバムの正しい楽しみ方だと思っているので、確実に年1は通して楽しむ愛聴盤ですよ。


JAG PANZER - Thane to the Throne ★★★ (2017-11-28 15:52:11)

シェイクスピアの『Macbeth』を描いたコンセプトアルバム。こういうアイデアに取り込んだのは初めてかと思いますが、3作続けてドイツのCentury Media Recordsからリリースされているだけに、既定路線とも言えるパワー漲るダークなUS産HM/HRサウンドを踏襲。17曲のうち、長短5曲のインストを挟み、ストリングスアレンジも盛り込んだりと、前作から見え始めたドラマ性を大幅に導入、しっかりとコンセプトアルバムとして纏めてきました。
ミドルレンジの重厚なへヴィロックが中心のバンドなので、キャッチーさは薄味ですが、今回のようなコンセプト作に傾倒することで楽曲にストーリー性が加わり、聴き手の興味を擽り続ける事に成功しているでしょう。
リードギターのクリス・ブロデリックのギターも押し引きを心得た濃密なプレイで聴き手を魅了しています。また、ハリー・コンクリンも悲運に満ちた狂気の盟主マクベスの悲痛なる叫びをメタルソングに乗せて歌いきっていると思いますよ。
マクベス読んだ事ないし、ストーリーも劇団新幹線で知ったようなもんですが(内野聖陽さんは鑑識官のドラマ臨場は素晴らしかったがロックを歌うのはチョイと厳しかったですね)、そもそも英詩がサッパリわからない。
なんでコンセプトアルバムは雰囲気でしか味わえないが、個人的には楽しめました。重厚なへヴィサウンドを従えたドラマ性溢れる濃厚な世界観を存分に味わいましたので、ストリングスアレンジがいい意味で濃さを薄めているのでね。


WARDRUM - Messenger ★★★ (2017-11-28 15:23:05)

スラッシュ大国と目されるギリシャ発の正統派HM/HRバンドが2013年にリリースした3rd。翌年にはSPIRITUAL BEASTより今作がリリースと本邦初公開となった一枚。
ラインナップも前回と同じチームと言うのが功を奏したのか、メロディの充実ぶりは目を見張るものがあり、どこか雇われシンガー的だった、実力派ヴォーカリスト、ヤニス・パパドプロスが本領発揮。ロイ・カーンばりの朗々と歌ったかと思えば、マイク・ヴェセーラばりにハイトーンスクリームする変化自在のパフォーマンスで魅了。同じバンドの同じ歌い手とは思えない、仕上がりに国内盤がリリースされるのも納得の出来栄えなのですが、それをさらに裏付けるのが盤石の楽器隊。ソリッドなへヴィグルーブを生み出すコスタス・スカンダリスとステルギオス・クールーの押し上げによる、パワーメタルサウンドの破壊力たるや、そこに熱情が迸る歌声が乗り、憂いのあるメロディを感情の赴くままに爆発させるギターが絡むのだから、正攻法で迫るHM/HRが好きな方ならガッツポーズも出るでしょうね。
コスタ・ヴィレトのギターはアイデア豊富で面白いですね。それにしても、サビでは皆がシンガロングしたくなるようなキャッチネスさを放り込んだアイデアの勝ちでしょう。前作を遥かに超えたK点テレマークを決めた大ジャンプ出世作に興奮必死です。


STEVIE SALAS - Back From the Living ★★★ (2017-11-28 15:00:02)

ヌーノ・ベッテンコートの登場や、レット・ホット・チリペッパーズなどの成功を受け、わが国でも空前のファンクロックブームが訪れる。その中でいち早く脚光を浴びたのがファンク界の大御所ジョージ・クリントンに見出され、ミュージシャン稼業をスタートさせたスティーブ・サラスですが、こちらはカラーコード名義でリリースした3枚目のアルバム。実は日本では成功したがアメリカではそこまで知られておらず、今作も国内先行リリースで、かなり遅れてから向こうでもリリースされたというのだから、ちょっと不思議ですよね。こういうファンクロックってアメリカでメチャクチャ流行っているみたいな事を雑誌で書いてたぞ…である。怖いわ。ピュアに真に受けていたら大火事の焼死してまうど…である。
でもLiving Colourも売れていたから、間違いではない。サラスはチャンスを掴めなかったんだなぁ。

日本人気先行の彼でしたが、ここでは自慢のジミヘン風のファンキーなロックサウンドを披露。相棒のTMスティーブンス&ブライアン・ティッシーによるへヴィグルーブを従え、やりたい事を思いっきりやるというスタンスを貫いており、曲によっては、かなりファンク色は薄味だったりするが、TMスティーブンスの粘っこいベースは強力だ。
ジミヘン譲りのサイケなブルースロックに絡む、存在感のあるギター、お得意のコード進行とオブリガードを濃密に絡み合う、官能的な音色に魅了されますね。
ファンク、ブルース、ハードロックに穏やかなスローナンバーまで幅広く収録した今作、そのギター成分は楽曲に応じて違うが、我々には出せないホンマもんのグルーブに酔いしれたいマニアにはたまらんもんがあるでしょう。
グレン・ヒューズのソロにありがちな中途半端さはない。基本は図太いギターだが、サラスは一つのジャンルに収まりきらないバラエティに富んだ楽曲を披露してくれました。
ファンクロックなんて門外漢も甚だしいワタクシですが、そんな素人には実に分かりやすいファンキーなリズムと、ダンサンブルで軽快なビートは敷居の低いものでしたよ。


JOEY TAFOLLA - Out of the Sun ★★★ (2017-11-27 15:18:12)

SHRAPNEL RECORDS三羽ガラスとも言われるポール・ギルバート、トニー・マカパインらと同時期にデビューした、元JAG PANZERのジョーイ・タフォーラの記念すべきソロアルバム第一弾。レーベルメイトのマカパインがキーボードプレイヤーとして全面参加、他にもポールが4曲も競演を果たしたりと、話題性も多いのですが、ジョーイのギタープレイは、その正確にピッキングプレイもさることながら華麗に舞うスウィープ、アルペジオと優美なネオクラギタープレイで魅了。
ある意味SHRAPNEL RECORDSと言えばな音楽性ではありますが、明らかにコード進行など、インギーのそれとは違うアプローチをとっており、むしろマカパインのソロに似ていると言える音楽性であります。一口にインギー印のネオクラギターといっても、フレージングやちょっとしたニュアンスの違いを巧みに際立たせることによって、俄然色艶の違いが明確になるのだから実に面白いですね。それもこれもマカパインの影響が大きいんだろうなぁと言う事が推察されますね。
ちなみに今作でベースをプレイするのはアルバムには参加しませんでしたが、インギーと一緒にプレイしていた、ウォーリー・ヴォス、さらにドラムはDriverやRob RockにJag Panzerのレイノルド・カールソンが叩いています。


JAG PANZER - The Age of Mastery ★★★ (2017-11-27 13:02:38)

前作から1年足らずでリリースされた4th。やはりギターのジョーイ・タフォーラはいませんが、今回は新たに後にMegadethに参加する、ギター巧者のクリス・ブロデリックが初参加。その後継続するラインナップが揃う記念すべきアルバムなんですが、前作で再提示したダークでへヴィな正調US産パワーメタルサウンドを踏襲。コンパクトながらドラマ性を有した楽曲は聴き応え十分。前作よりも分かりやすい面もあったりと、クリス・ブロデリックの鮮烈なるリードプレイも相まって感触もよくなりましたね。伸びやかなハイトーンを軽く決める王道パワーメタルな疾走ナンバー②などに顕著に表れているでしょう。本国アメリカでは全く相手にされない音楽性でしょうが、欧州では需要があり活動の拠点を移すことにも成功する彼ら、剛直だが明快な方向性を貫く姿勢に共感しますね。これぞへヴィメタルな魅力に溢れているでしょう。


JAG PANZER - The Fourth Judgement ★★★ (2017-11-27 12:47:00)

1984年にThe Tyrantことハリー・コンクリンとジョーイ・タフォーラを迎え1stをリリース。強烈なハイトーンと速弾きをフューチャーしたUS産ならではの、コンクリートパワーメタルサウンドを披露、ジョーイがシュラプネル系のギタリストとして脚光を浴びた時に、このバンドもチョイとした話題になりましたが、その後、継続的な活動を続けるも軌道には乗らず、やっとの思いで1994年に2ndのリリースに漕ぎ着ける。音楽性は時代性を反映したモダンなモノと言う事でファンの期待を大きく裏切る形で失速。
 
今作はそれから3年、前作には不参加だったハリー&ジョーイが復帰してリリースされた原点回帰を高らかに告げる3rd。オープニングからヴァイオリンをフューチャーする、ダークでムーディーなミドルナンバーで幕開け、ゴロゴロを岩石が転がり落ちるが如きへヴィロックと、ドラマ性を加味した正攻法で迫ってきた姿勢に、まずは安堵。
その後も重心の低いミドルナンバーを中心に、時には感触の良い疾走ナンバーも混ぜ合わせ、男臭い勇壮なUS産パワーメタルで真っ向勝負を仕掛けてきました。
正直、この手の音楽性は日本ではウケないだろう。シンガロングしたくなるようなキャッチーなパートも、メリハリの効いたスピードメタルも彼らはやらない、しかし剛毅なるパワーメタルサウンドを聴かされると、どうしようもなくメタル魂が共鳴します。
ハリー&ジョーイが復帰した事により表現力も増し、脇を固める熟練のメンバー達の妙味によって、ドラマ性を打ち立てる事に成功しています。商業的な成功を収められなくとも、この高潔なる精神性が息づく正調US産パワーメタルの凄みに圧倒されますね。


DOOM - Still Can't the Dead ★★ (2017-11-26 14:06:16)

2014年に再結成のアナウンスを受けた、一筋縄ではいかないアバンギャルドなスラッシュサウンドを轟かせたバンドの復活第一弾アルバムがこちら。メンバーの死などを受け、妙に神格化されていた印象が強い彼らでしたが、ミュージシャンにありがちな、曼荼羅な精神世界に突っ込んだ音楽性へと倒錯した時代から一転、初期の頃に通ずる、ジャンル不問のクロスオーヴァースタイルの音楽性へと回帰。なんとも形容しがたい藤田のねじくれた感性が、そのままに爆発するノイジーなギターと絶唱、ストレートな作風とは無縁の変拍子を多用した楽曲は、藤田の頭の中で描かれる仮想空間を見せられているようで、とても不思議な感覚に囚われます。それがこのバンドの真髄なんでしょう。個人的にな難解なバンドサウンドではあるが、唯一無二の個性を出しつつも破綻しないアイデアを持ちわせる事は何よりも素晴らしいと思うし、どんなジャンルであれ、やはり媚を売らないという姿勢は高潔なものですよ。
そこにこのバンドならではの強さ表れていると思います。


OUTRAGE - GENESIS I - 香り ★★★ (2017-11-26 13:44:05)

この荒涼とした空気にアウトレイジの美学を感じます
なるほど
こうやって聴かされると重なる面があるんですね


OUTRAGE - GENESIS I - ふざけるんじゃねえよ ★★★ (2017-11-26 13:42:05)

アナーキーはなんとなくわかるが
頭脳警察にも影響を受けていたのか?
チョイと驚きですが
このやるせない切なさと
若さに故に訪れる焦燥感に駆られる衝動
上手くアウトレイジになっていますね
かなりハマっていますよ


OUTRAGE - GENESIS I - 御意見無用 ★★★ (2017-11-26 13:35:39)

元曲は知りませんがTHE MOPSのカヴァー
アウトレイジのルーツたる一曲して
違和感なく溶け込んでいるのが面白い
レッドツェペリンですよね


OUTRAGE - Outraged ★★★ (2017-11-26 13:28:23)

橋本直樹の復帰は本格的なモノなんだとファンにとっては決定打となった黄金期のラインナップ復活による2作目。アルバムを一聴して感じる事は、それまで培ってきた音楽性というものを無理なく押し込める事に成功、今、アメリカではこんなもの流行っているとか完全無視、自身のルーツたるスタイルを純粋培養し、ロックバンドかくあるべきといった自然体でカキ鳴らす姿に威風堂々とした威厳みたいものを感じます。あくまでも攻めの姿勢を崩さない剛毅なメタルサウンド、そこにねじ込まれる男泣きを誘発する哀愁美、エッジの切り立った構成力溢れるメタルナンバーから、安井義博らしいへヴィグルーブが心地よくウネる原始的サウンドまで、全てに必然性が感じられ妥協点など見つからないミュージシャンシップの充実ぶりが、今作の出来栄えを雄弁に物語っているでしょう。FINAL DAYの続編とも言える前作、そして今作の流れと言うのも自然の営みなんでしょう。自身が紡ぎ続けてきたへヴィミュージックの系譜、今作もまた言い訳のない、乾坤一擲なアウトレイジメタルの凄みに圧倒されました。


WARDRUM - Desolation ★★ (2017-11-25 15:11:03)

前作の好評を受け一年後にリリースされた2nd。まずは大幅にサウンドプロダクションが向上、プレイ、楽曲、共にメリハリも生まれ、より剛毅でメロディックなパワーメタルサウンドに移行。その音楽性の根幹を支えるのはギターのコスタ・ヴィレトとベースのに成らずプロデューサーとしても名を連ねるコスタス・スカンダリスなのですが、元Until Rainで現Beast in Blackのヤニス・パパドプロスのパフォーマンスが最大の貢献でしょう。
曲に合わせ表情豊かに歌い上げる彼の灼熱の歌声は、憂いのある熱情型パワーメタルには必要不可欠、バンドの推進力となり、その魅力を発揮しています。楽曲の質と演奏の精度も高まり、本国ギリシャを中心に話題を集める事に成功、直ぐに3rdの制作へと進める事となるのですが、このバンドの新たなる門出を祝うのに相応しいアルバムでしょう。実質1stとも言える快作でしたね。


WARDRUM - Spadework ★★ (2017-11-25 14:52:38)

Plays fingerstyleって…嘘だろうと思わずにはいられない情熱的なリードプレイを聞かせる孤高のギタリスト、コスタ・ヴェルト率いるバンドの1st。シンガーはイタリア人のピエロ・レポラレとアルバニア系のギリシャ人による混合チーム。
少々メリハリに欠ける面はあるが、情熱的なメロディがクールに装うへヴィメタルサウンドを披露。この手の熱き血潮を滾らせる剛毅なHM/HRサウンドが大好きな方なら楽しんでもらえるでしょう。
このバンドが本領を発揮するのは次作以降のなるのだが、彼らの歴史を紐解くうえでもマニアなら一度は聴いてほしい一品ですね。


AXXION - Back in Time ★★★ (2017-11-24 14:54:44)

アリソン・サンダーランドの取り合いにサー・シュレッドが勝ったと妄想させる元Skull Fistの二人が中心となり立ち上げたバンドの2nd。前作よりもタイトに締め上げた事により、キレ、スピードが共にアップ。へヴィメタルサウンドが持つ、ヒロイズム溢れる男臭いメロディも大幅に導入され、前作から確実に成長を遂げてきましたね。
もはや、やり尽くされた感のあるトラディショナルなHM/HRサウンドですから、真新しさなの皆無なのですが、80年代型のHM/HRを知らない若い人や、ノスタルジーに浸りたいオールドファンにとっては安心して聴けますね。何といっても国内盤がSPIRITUAL BEASTから出ているというのもマニアには好材料でしょう。冒険心はないが堅実なプレイと楽曲は、永遠のメタルキッズに寄り添ってくれる頼もしい存在ですよ。キャッチーで活きのいい、あの王道HM/HRが寸分の狂いなく披露されていますから。

前回はThorのカヴァーと言うマニアっぷりを見せてくれましたが今回もTyran' Paceという痺れる選曲でマニア心を擽ってきましたよ。


VOLCANO - Leviathan ★★ (2017-11-24 14:32:59)

ここ近年、コンスタントにアルバムをリリースしてきたVOLCANOですが3年連続でリリースとは驚いた。彼らの場合は、屍忌蛇の奏でる泣きの旋律を擁した攻撃性を緩めないメタルサウンドを信条としています。アグレッションと叙情味溢れるメロディ、それらを両立する作業を行う余念のなさに耳を奪われますが、今作も良質な泣きメロと男臭スピードメタルを惜しげもなく披露。金床で打ちつけられ鍛え抜かれたNOVのストロングヴォイスとの相性も抜群の相乗効果を生み、彼らのファンであれば多くの方が満足出来る仕上がりとなりました。
個人的には、このバンドお得意のゾクゾクと煽りたてる攻撃性とスリリングなプレイ、そこに刻まれる泣きの慟哭、全てに必然性があり、無駄を排したコンパクトさが最大の魅力だと思っていたが、3年連続というのもあるのか、少々大味な面が散見出来たりと、緻密さに欠ける面が気になったりするのですが、それも彼ら故に不満であり、相変わらず心を熱く濡らすソロなどを聴かされると、飲み込まされますよね。
コンスタントな活動は順調なバンド運営を物語るもの、何をとトラブルを抱える屍忌蛇でしたが、上手くやれているのなら、これ幸いです。次作はもう少しソロ前のパートなど、練り込んで欲しいね。深みのあるVOLCANOサウンドに期待しますよ。


VULCANO - Bloody Vengeance ★★★ (2017-11-24 14:16:36)

南米はブラジリアンスラッシャーによる記念すべきスタジオアルバム第一弾(デビュー作はLIVE盤なので)。南米お得意の荒々しい邪気を孕んだ、VENOM由来のチープで騒々しいブラッケンドな極悪メタルサウンドを披露。はき捨てる濁声ヴォイス、神経を逆なでする性急なビート、多少のズレなどモノともしない荒さが、リバーブの掛かったミックスによって、何とも言えないアングラ臭を発散、その禍々しい暴走感と邪悪なイメージに拍車を掛ける演奏と歌の絡みに、これぞデスメタルだよなぁと言いたくなりますね。
SEPULTURA、SARCOFAGOやHOLOCAUSTといったバンドも、そうであるように、個人的には南米系のスラッシュと言えば真っ先に思い出される音ではありますね。打ち鳴らされるブラストビート、騒々しくチープなサウンドではあるが、その中にもキャッチーなリフなんかを用意しているのが、この手のバンドのもうひとつに魅力でもあります。
個人的には、整合感と汗臭いまでの男を前に出したスピードメタルの方が好みなので、この手のジャンルは余り手を出しませんが、年に一度は手に取り、こちらの聴覚を蹂躙し理性を崩壊させるような、狂騒感に満ち溢れた音楽を聴き、自分の中に眠るコアなメタルスピリットを呼び起こしますよ。


LOUDNESS - SAMSARA FLIGHT ~輪廻飛翔~ ★★★ (2017-11-23 20:32:57)

またかよぉと言いたくなるセルフリメイク&ベストアルバム。彼らのベストアルバムめちゃくちゃリリースされているからね。そんなもんまともに付き合ったら破産するわい。それにセルフリメイクでしょ。マイクの時にやったしさ、元曲をぶっ壊した新生LoudnessなRockshocksヴァージョンあるじゃんと、Thunder in the East 30th Anniversaryで気をよくしちゃったのぉ、またやりやがって、その手は喰わんわいと軽く拒否をきめかねていたのですがね。最近、かなりお得な値段で手に入るとの事で購入を決意、結論から行くとヤラれましたね。久しぶりに殺られましたよ。
初期の3枚に拘り現メンバーの手による選曲&リメイクと言う事なのですが、全盛期さながらのスタイルに回帰。音質も以前のモノよりも当然良くなっているので、カビ臭い古さを一掃。Rockshocksで感じた違和感もなく今の時代にアップデートすることに成功と多くのファンが望む形でのリメイクに着手してくれました。
山下と鈴木のド迫力のリズム隊が生み出す屈強なリズムプレイの凄みたるや、確かに聴きなれた樋口ドラムとは違いますが、鈴木のパワーヒッティングドラムもまた、後任を務めるのに相応しい人材である事を今作で明確に物語っているでしょう。山下のベースも音像がクリアになりしっかりと聞こえるようになったしね。
肝心の高崎も妙なインド感を出さずに期待にこたえる渾身のリードプレイを披露。研ぎ澄まされた感性が爆発するが如きキレまくりのリフワークから、元曲のイメージを損なわない緻密なアレンジによるソロワーク、そのアイデア豊富なリードプレイの数々に、世界が認める天賦の才を発揮していると言えるでしょう。本当に目から鱗ですよ。
そして特筆すべきは二井原実先輩の歌でしょう。55歳を過ぎたオッサンとは思えないパワフルな歌声で魅了。良く昔の方が高い声が出ていたと言われますが、それはちょっと違っていて、今の方が高いレンジをフォローしているし、何より声が強くなっています。昔の方が細く繊細だったので、違う感触から声が出ていないと感じるのでしょうが、実際は今の方が高いところを歌っていますのでね。もし、二井原実先輩が衰えを隠しながら歌っていたら、今作の感触はかなり変わっていたでしょう。先輩の熱情が迸るハイトーンヴォイスの艶やかで色気のあるパフォーマンスが最大の聴きどころ、鍛錬を怠らずに努力をした証拠ですね。
毛も薄くなり体系も変わりましたが、熟練されたパフォーマンスに魅了されっぱなしでした。

手放しで大絶賛ですが、それは今までの歴史があったからに過ぎず、今作は古いマテリアルのリメイクに過ぎない。ある意味、昔の名前で出ていますな作品です。それは前向きなリメイクなのか昨今のリバイバルブームに乗っただけかのかは分かりませんが、ここで聴けるサウンドとミックスは、まさに再結成されてから、多くのファンが待ち望んだ方向性だと思います。
個人的には遅すぎた決断であり、何をいまさらと素直になれなかったりしますが、柴田直人と一緒に凄いアルバム作れたんじゃないのとか思ったりするのでね。しかし既にアナウンスされた次のアルバムはヨーロッパでのリリースも決まっていたりと、今作が起点となりようやく進むべき道を決めたのであれば、大いに支持をしたいと思います。
ドイツを中心にツアーを行い、今度は東欧圏など攻めて欲しいね。ロシアでアーリアとツアーなんて見てみたいわ。
そして次は撃剣霊化にSoldier of Fortuneのセルフリメイクも聴いてみたい。


LOUDNESS - THE SUN WILL RISE AGAIN ★★ (2017-11-23 17:14:28)

撃魂霊刀というサブタイトルは4枚目の『撃剣霊化』からでアートワークの旭日旗は『THUNDER IN THE EAST』からと、随分と過去の財産にしがみついた印象を持たせる今作、今までも原点回帰をアナウンスするアルバムをリリースしてきましたが、ここまで露骨なのは初めてで、随分な集金作業をしてきたなぁと思ったのが個人的な感想(音楽性はモダンなままなのに過去のノスタルジーを渇望しているファンには気の毒なほど、そそられる手法)。当然、後ろ向き過ぎる活動には興味を持てないので完全スルーを決めていたのですが、未開封の新品を500円以下で手に入れるチャンスがリリースして間もない頃に訪れたので購入、ネガティブなイメージは視聴意欲を刺激しなかったのですが、概ね当時の彼らのスタイルを踏襲。
わりとキャッチーなリフワークや往年のイメージを刺激する楽曲も散りばめ、往年のファンの事を慮った面も感じさせつつ、2000年以降のモダンさも残しヘヴィだか聴きやすいという作風にまとめた一品。構築美溢れた楽曲群を愛する初期のファンにとっては今作もどっちつかずのI WANT YOUな事に変わりはありませんが、そんなBACK TO THE 80’だけは個人的に勘弁してくれと思っているので、彼らの歴史を語る上でメンツを保てた一枚となるでしょう。自らが築いた伝統を壊し再構築した近年の作風に通じる意欲作、一筋縄ではいかないスリルと革新さの比率が評価を分けるのでしょうが、安易な原点回帰ではない攻めの姿勢は大いに評価できますね。
でも、その後、素直にファンの意向を踏まえクラシックシリーズをLIVEや作品で連発するとは夢にも思いませんでした。特に海外では尚更の事だったりします。2017年に行われたクラシックシリーズなんて、二井原実先輩全盛期を凌ぐ歌声で実力を発揮していましたね。そろそろ進むべき方向を決める時でしょう。
アメリカで受けているへヴィなおしゃれメタルサウンドを意識し続けるのか、二井原実先輩のソウルフルな歌声を生かした、かつての自分たちを今の時代にアップテートした正統派サウンドに舵を切るのかをね。


人間椅子 - 異次元からの咆哮 ★★ (2017-11-23 16:59:55)

昨今の商業ベースに乗り成功を収めてきた勢いがそのままにパッケージされた2017年リリースの最新作。相変わらずの、社会風刺の利いた日本語歌詞、古い楽器に拘り再現される古典的ロックの響き、彼らのルーツを包み隠さずに持ち込むアイデアも健在で、昨今の彼らを聴きファンになった方は勿論ですが、メタル系なのにスローな曲が多いのは意味のわからんと思うドゥーム系が苦手な方などには安心して手を出せるでしょう。今回は頭3曲がキレのあるアッパーな曲で幕開けしているのも好印象でしょうね。
個人的にはスッキリとした味わいの曲が多く、土着的なフレーズと情念のある歌詞はあるのに、どこか物足りなさがあるのですが、それは初期の作風が好みなだけで、彼らは何も裏切っておらず、アーティストとしての信念をもった数少ないミュージシャンである事に変わりはなく趣味嗜好の問題だけでしょう。
メジャー流通の作品で、これほど時代性を無視し、作り上げるアルバムなど皆無だと思っているので、その貫く精神性に一番ロックを感じますね。妙なポップセンスを発揮する和嶋の⑤も破綻してないし、テルミン大活躍の⑥、ストレートなロックナンバー⑦とバラエティに富んでいますよ。
自分たちの血肉となるアーティストに対するリスペクトと忘れない遊び心、記念すべき20枚目のアルバムにて、今が全盛期のように感じさせる脂の乗った熱演が素晴らしい。


V1 - Armageddon: End of the Beginning ★★ (2017-11-20 14:44:01)

ファミリツリーを完成させるのが困難なバンドの一つと言われるバンドIRON MAIDENにほぼ同時期在籍していて、同時期に辞めたと思われるギターのテリー・ワップラムとシンガーのデニス・ウィルコックがMAIDEN脱退後、直ぐに立ち上げたバンドがこちらになりのですが、2015年突如、High Roller RecordsからGIBRALTARとのスプリットCDがリリースされる。幻のバンドの音源にマニア筋にとっても驚きは隠せなかったでしょうが、2017年に自主制作でフルアルバムをリリースするとは驚きです。
ミュージシャンとして、どのような人生を歩んできたのかは分かりませんが、二代目シンガーの座を射止めたデニスが進んだ音楽性とは?過去のマテリアルの寄せ集めなのか新録なのか?全く分かりませんでしたが、興味本位で購入を決意。
古典的な英国的世界観に則ったロックサウンドを披露。煮え切らないがドンヨリとした湿度のあるメロディが軽快なビートを伴い走るという展開は、ある意味NWOBHMな雰囲気もあり懐かしい空気に包まれております。
メイデンファミリーツリーを追いかけるマニアにとっては、希少価値も高いでしょうが、一般的なロックファンにとっては、ほぼスルーですかねぇ。楽曲においては初期メイデンを意識したものもあるかとは思いますが、ラストの大作ナンバーなど、無理した感もあったりして、なんだか微笑ましい気分を味わえます。個人的には、あの時代を生きた人間による古典的ロックを楽しみました。

余談ですが、IRON MAIDENにキーボード奏者が一瞬いて、その関係性でバンドがもつれ今作に参加している二人が抜け、その代わりに加入したのがポール・ディアノであり、ディブ・マーレイのみのシングルギター時代があり、すでにデモ音源もあったという。
世間的にはThe Soundhouse Tapesが初音源という認知で高いが、Strange Worldなどは録音されていた。
昔、読んだ雑誌では、メイデンもパンクの影響を受けて、それを意識したのが初期の作風に表れシンガーもポール・ディアノのようなパワーシャウティングシンガーを探していたとの事だが、定説を補強する為のデマっぽい。ハリスは最初からStrange Worldのようなドラマティックな曲を用意していた。というのがメイデンマニアには浸透、むしろ、そういうパンキッシュなモノもあえて用意したんだというのが、正しいらしい。
スティーブがMAIDEN結成前にデニス・ウィルコックと活動していたSMILERでは、のちにRunning Freeのカップリングとなるburning ambitionの元曲などをプレイしていたというのも裏付ける要素なんだとかさ。もっと言うとProwlerとかデニス・ウィルコックも歌っていたんだってね。
確かに初代シンガーのポール・マリオ・デイの歌声を聴いても、2代目のデニス・ウィルコックの歌声を聴いてもパンク色など皆無だ。
しかし、二人が辞めたのは方向性の違いなのは確かなので、やっぱり真偽の程は難しいですよね。そこが
メイデンヒストリーの面白いところで謎めいた初期の成り立ちへと繋がるのです。なんといってもNWOBHMの立役者ですからね。すべてはNWOBHMの成り立ちに答えがあると思いますよ。


AOR - The Secrets of L.A. ★★★ (2017-11-19 17:37:38)

こちらも国内盤がルビコンからリリースされているフレデリック・スラマのメロディックロックプロジェクト第9弾かな?こちらもリードギターでトミー・ディナンダーが参加、さらにはマイケル・ランドゥの名前もあったり、歌い手もファーギー・フレデリクセンにジェフ・スコット・ソート、ジム・ジッドヘッド、ボブ・ハリス、ロビン・ベックにヨラン・エドマン、ミカエル・アーランドソンなど豪華ラインナップが客演、ありがちなAOR風のメロディックロックに、各自が彩りと味わいを増強。
何を聞かせたいかを明確に絞り込み、余すことなく伝えきるという方向性は大いに買い出し、マニアなら安心して手を出せるでしょう。その半面スリルは皆無だし、ありきたりな楽曲も多いのは事実なのだが、ワタクシのようなライトな感覚で無作法極まりない雑穀主義の音楽人生を歩むモノには問題無で楽しんでいます。個人的に、ベタに敵うもんはないと思っていますのでね。


AOR - L.A. Connection ★★ (2017-11-19 17:26:42)

バンド名がAORでタイトルが『L.A. CONNECTION』だから寄せ集めのコンピレーションアルバムと勝手に思っていたら、フランス人ギタリスト、フレデリック・スラマが90年から始めたプロジェクトチームによる11作目のオリジナルアルバムと言うのだから驚きです。参加メンバーも豪華でリードギタリストして、このプロジェクトにうってつけのトミーディナンダーが全面参加、さらにシンガーとして複数の有名アーティストが参加、シカゴのビル・チャップマンとその奥方でいらっしゃるタマラ。さらにはポール・サブーにジェフ・パリスの名前もあり、その筋の歌モノロックサウンドをお求めの方なら安心して手を出せるラインナップが揃っているのも魅力ですよね。
今作がリリースされるまで、このプロジェクトの事は全く知らなかったのですが、国内盤はルビコンからボートラ2曲追加でリリースされているので、マニアならいかないとイケないでしょう。
期待を全く裏切らない良質な歌モノロックサウンドのオンパレードに心も洗われますよ。フックに富んだ哀愁のメロディ、そこに絡む有機的な響きのある、クールでホットな歌声と、エモーション迸るリードギターにガッツポーズも出ます。
でもやり尽くされた奴なんで苦手な人は退屈極まりないフニャチンロックとなり早々と眠気に襲われるかもですね。また精通しすぎるマニアには、またこれかと叱られる要素も大なのが玉に傷かな?


STEEL INFERNO - Aesthetics of Decay ★★★ (2017-11-19 16:57:55)

女性シンガーのカレンさんとギターのラーズはデンマーク人、もう一人のギター、パトリックはギリシャ、ドラマーのクルシシュトフはポーランド、ベースのティエリーはフランス人という国籍も性別も異なる、メタル大好き連合によるバンドが2016年にリリースした1st。
正直メンバーショットから醸し出されるド素人臭に、フェイスブックかなんかのSNSで知り合ったメタル同好会的な匂いがキツ目で、特にシンガーの紅一点なカレンさんの、ステラおばさんぶりには危険な要素も大だが(田舎に嫁いだアンジェラアキ風)、出ている音は欧州由来の泣きメロを孕んだスピードHM/HRサウンドを信条とした、懐かしきトラディショナルサウンドを披露。真っ先に思い出されるのはACIDとなるのだが、カレンさんに、あそこまでの気合いの入ったスケ番ぶりもなく、迫力不足感はあるのだが、国は違えど思いは一つと言わんばかりの思いが伝わる真摯なメタル愛に溢れた音楽性は、マイナーメタルを愛する猛者の感性を猛烈に刺激する出入り禁止な魅力に溢れており、トレンド追求なメジャー級の作品ばかりを聴き、道を見失いかけているマニアにこそ是非ともチャレンジして欲しいですね。
でも似たような曲調が続きメリハリに欠ける面もあるので、通して聴くのはチョイとキツいかもしれませんがね。この辺りがマイナーバンドの最大の問題点でしょう。ダレることなく聴かせるのもプロの技ですからね。

それにしても、このバンド、実態があるのだろうか?LIVEは行っているのか?メンバーショットを見るたびに気になるのだが、カレンさんメガネ掛けてるもんね。普通のやつだよ。大勝負の宣材写真で普通のメガネ掛けて映る?
でも、その着飾らない姿勢が、ぼかぁ好きだなぁ。
楽天の監督に就任した田尾安志が恥ずかしそうに嫁がマダム・レイでデビューしましたって番宣させられた姿を思い出します。
ちなみにフランスのInfernö RecordsからリリースされたCD盤のみ、一曲多く収録されています。それがデンマークのメタルクィーンこと、Kim SixxのMagic Swordが収録。メタル愛に溢れた選曲ですね。


DARK ANGEL - We Have Arrived ★★★ (2017-11-18 17:15:11)

彼らの記念すべきデビューアルバムがコチラ。まだまだ青臭い一面は拭えませんが、荒々しいツインギターコンビによるリフワークの旨味など、少々強引な展開もなんのその、若さにまかせたエネルギッシュな演奏と相まって、METALLICA同様NWOBHMをよりスピーディでアグレッシブにビルドアップした音楽性を踏襲。俺たちのやりたい事はここにあるんだと、言わんばかりの急転直下のリフワークが聴き手の感性に鋭く突き刺さってきます。
彼らの名前が知れ渡るのは次作だし、音楽的熟成度では4thを押す人が圧倒的に多いでしょうが、英国勢の音楽性を自分たちなりの解釈でぶった切る今作もまた、スラッシュメタル創世記を語る上では外すことの出来ない一枚かと思いますよ。
演奏の上手い下手など、お構いなしの荒法師な剛腕メタルも微笑ましいです。


DARK ANGEL - Darkness Descends ★★★ (2017-11-18 17:02:38)

結成当初はTANKやJAGUARなどのNWOBHM勢に影響を受け結成、その後、同じようなルーツを持つMETALLICAに感化され進んだ音楽性がTHEスラッシュとなったのですが、禍々しいまでにノイジーでブルタリティ溢れる音楽性を披露したのが1986年リリースの今作。パワー、スピード、アグレッションと全てにおいて前作を凌ぐ内容となっているのですが、その一役を完全に担っているのが名手ジーン・ホグランの加入によるもの、数多あるスラッシュメタルを喰らってきた猛者でも、彼の破壊力抜群のドラミングには、舌を巻いたでしょうね。バンドサウンドのボトムをガッツリと支え押し出す鬼神の如き様に、今作が名盤へと昇華した最大の功労者はジーンなのですが、エリック・メイヤーとジム・ダーキンによるツインギターも馬鹿馬鹿しいまでに、狂乱の荒くれギターで応戦と耳を惹きつけるものがありますよ。のちにVADERがカヴァーした名曲④も小技が効いており、芸達者な一面を見せているのも印象的でしたね。それにしても強烈な一枚でしたね。スラッシュメタルと言う側面から見ても、今作が彼らの代表作でしょう。個人的には間違いなくそう思いますよ。それにしても騒々しい奴らだわ。


DEMOLITION HAMMER - Epidemic of Violence ★★★ (2017-11-18 16:46:21)

自棄のやんぱちやけっぱちと言わんばかりに、目に入るものすべてをぶち壊しながら突撃してくる様が痛快極まりないですね。
小細工無用とにかく一気呵成に突っ走ります。耳をつんざくばかりの鋭角的なギターサウンドが、恐ろしいまでの殺傷力を伴い切れ掛かってくるんだからね。ブレーキなど踏むきのない暴走ぶり、その一体感を生み出すタイトなリズムプレイにも悶絶します。
SLAYERあたりにも通ずるハードコア・パンクス勢譲りの加速力と、チリチリと五感をザワつかせる集燥感みたいなものも、この手の音楽性の専売特許、ギラついた野心よりも颯爽としたクールな感性は彼らがニューヨーカーたる所以か。
ズルむけの感性が聴き手の良心を破壊するが如き、暴走流儀に則った無愛想な疾走感がスラッシュメタルの根幹を支える最大の魅力だろうと個人的には思っているのですが、彼らは実直にやりきっていますよ。そこが最大の聴きどころでしょう。


REVOLUTION SAINTS - Revolution Saints ★★★ (2017-11-18 16:28:19)

メロディックHM/HRの総本山といっても過言ではないでしょう、イタリアのFRONTIERSからリリースされたプロジェクトチームによる2015年リリースの1st。
主役が以外や以外、名ドラマーとして名高いディーン・カストロノヴァの歌を前面に出した作品と言うのだから驚きです。脇を固めるのが歌えるベーシスト、ジャック・ブレイズにギターはダグ・アルドリッチと来ていますからね。安定安心のブランド力を発揮していますが、そこにソングライティングチームとして迎えられたのがアレッサンドロ・デル・ヴェッキオでしょ。
その筋のマニアなら安心して手を出せる作品なのですが、不安材料とも言えるシンガーのディーンですが、ハスキーでエモーショナルな歌声を披露、軽快なロックナンバーから、情念たっぷりのメロディックロックまで器用に歌いこなし、懸念された問題点を見事に払拭、正直LIVEではどうなるんだろうという不安はありますが、そこはジャック・ブレイズが埋めてくれる事を期待してたいものですが、このプロジェクトチーム企画モノの一発屋で終わることなく2017年に第二弾をリリースしているので、内容もさることながら、皆のやる気も十分に伝わる出来栄えを誇っているでしょう。
脇に回っても、けして手を抜かない男、ダグ・アルドリッチもエモーショナルなギタープレイで華を添えていますね。ある意味、最大の功労者かも知れませんよ。
ディーンの歌声を聴いて、ヒューゴとかを真っ先に思い出しました。JOURNEYタイプのブライトな普遍的ロックサウンドをお探しの方なら間違いなく聴いて損はしないでしょう。流石はFRONTIERSと思わせる力作ですよ。


BONDED BY BLOOD - Feed the Beast ★★★ (2017-11-17 14:25:14)

バンド名からも推察されるようにEXODUSの影響をモロに受けているのがわかりますね。速さに拘りつつもタイトに締め上げたリズムプレイが生み出す躍動感、そこにザクザクと刻まれるギターが加わり、ヴァイオレントだが爽快感すら味わえる正調スラッシュサウンドを堪能出来る一品。これがデビュー作と言うのだから末恐ろしいと思わせるバンドでしたね。
アイデア豊富なギタープレイの数々、緊迫感みなぎるリズムプレイの迫力、高度なテクニックに裏打ちされたフックラインの多さ、それらを纏め上げ回収する手腕に目を細めます。歌い手もド迫力の音楽性に埋没することなく跳ねた歌唱スタイルで応酬する様にもEXODUSな雰囲気を感じますよね。


SADUS - A Vision of Misery ★★★ (2017-11-17 14:05:52)

やたらとフレットレスベースが持ち上げられるバンドとして有名なのですが??
個人的には1992年によくぞ、ここまでスピードに特化したベイエリア風の典型的なスラッシュサウンドで勝負を掛けてきたなぁというのが最大の聴きどころ。爆音を轟かす中でも、二本のギターが軸となり、暴力的な音楽性の中でもメロディックなパートを担ったりと個性的なプレイを披露。また以前にもましてテクニカルな要素も大きくなり、激烈なスピード感と不穏な空気が爆発するが如きなパワーとエネルギーに悶絶。無愛想だが無機質なマシーンの如き正確無比なプレイの応酬に耳が持って行かれます。
良く動きまわるベースも凄いが、やはりドライブ感溢れる手数の多いドラミングが加わることで、このバンドにしか出せないグルーブが熟成される様にスラッシュメタルの醍醐味を味わえると思います。


SADUS - Swallowed in Black ★★★ (2017-11-15 01:53:33)

自主製作盤の1stがチョイとした話題となり、ROADRUNNER傘下のR/C Recordsよりリリースされたのがコチラ。前作同様、リフとリズムが相当前のめりに突っ走る暴力的な音楽性を披露。そこに切迫感に満ちたハイテンションボーカルが絡み、異常なまでの緊張感を生み出す事に成功。
すべてを飲み込むブラストビート気味のドラミングも超強力で、聴きていてゾクゾクと煽りたてられます。スピードに特化した狂乱のハイクオリティな演奏力に支えられた楽曲は前作よりも起伏に富んでおり、緩急による、ふり幅を設けたのも功を奏していますね。こういう楽曲を聴くとマシンガンで大量虐殺を行う非人道的で凄惨な画が思い浮かぶのだが、その血生臭いまでの陰惨さがスラッシュメタルの魅力なんでしょう。本能大解放。狂乱の宴ですね。こちらの理性を奪う程のスピード感にただただ圧倒されました。


SADUS - Chemical Exposure ★★★ (2017-11-15 01:34:51)

1988年にリリースした1st『Illusions』を1991年に権利の関係なのか名前が変わり再発されたのがこちら。とにかくスピード重視の作風にテンションも上がりますが、後のスタイルを考えると若さに任せた青臭さが微笑ましいですね。TestamentやDeathのような音楽性に留まらず、Sebastian BachのソロにArtensionなどにも参加したフレットレスベースの使い手、スティーヴ・ディジョルジオが居たりと、テクニック的にも魅力があり、そのスピード重視のハイテンション極まりないプレイにフレットレスベースが絡むという変態的な要素も強めだが、スピードだけに巻き込まれずにメロディを殺さない演奏力というのが一番の魅力。
正直スラッシュに、このベースが合うのかという疑問は、この時点では拭えないが、個性的なサウンドとして一役買っているのは間違いないでしょう。矢継ぎ早に繰り出される暴力的なスピードナンバーの数々に圧倒されるでしょうね。よう動き回るベースだわな。それらを巻き込んで皆が一丸となり走り出していますよ。クールなアイデアですね。


斉藤さおり - Loose ★★★ (2017-11-14 16:23:05)

ハードサウンド転向後1990年にリリースした第二弾アルバム。前作の流れを踏襲しつつも、より進化したスタイルを披露。挑発的なジャケット同様、攻めてはいますが、まだまだハードな歌モノロックとしては弱く、J-POP臭も当然キツメですが、前作にあった、やらせれている感のタドタドしさというか、窮屈な感じが薄まったので作品に統一感が出てきたのが最大の聴きどころでしょう。
主役たる斉藤さおりさんの歌の上手さに磨きがかかり、より逞しい印象を残しているも上々です。
日本語で歌うが故に、ストレートに耳に飛び込んでくるカッコ悪さが個人的には最大の肝で、とくに西田昌史作曲の④タイトルがカタカナで「サソリスト」…カッコ悪いわぁ。曲は良く出来た歌モノハードポップナンバーなだけに余計に残念ですね。
バックを支えるメンバーはセッションワークで鳴らしたプロ中のプロ集団ですからね。少々タイトなレコーディングスケジュールなんだろうなぁとは思いますが、ギターの鎌田ジョージは職人肌のプロですね。ドラムを叩く青山純の名前も懐かしいです。
アイドル風味がのこった前作と、次のアルバムを時系列で聴けば、彼女がどのような遍歴を行ったのかが如実に分かり興味深いものとなりました。丁度間をとった作風ですね。
男に媚を売らない歌というのは実に頼もしく聞こえます。売るんだったら舌ったらずで、媚を売りまくった可愛い歌い方があるのだからさ。そこが一番ロックしている部分でしょう。


TONY MILLS - Freeway to the Afterlife ★★ (2017-11-14 16:05:38)

Shy、Siam、TNTのボーカルとして知られるトニー・ミルズが2005年にリリースしたソロアルバムがこちら、作風はアコースティカルな歌モノを中心としたロック色がかなり薄めのAOR風の一枚。
とくに驚いたのは彼の必殺技と言えるクリアーな高音ヴォイスを封印。中音域を生かしたマイルドな歌唱スタイルで勝負。正直、パッときいたら誰が歌っているのか気がつかないでしょう。女性コーラスをフューチャーしたゴスペル調のナンバーから大らかなカントリー風のナンバーまでと、彼のキャリアとは無縁の音楽性で勝負を掛けているし、彼のハイトーンに惚れている人にはとっては物足りない一枚となりますが、個人的には、これくらいリラックスして歌う姿も魅力的に映り、正直、彼の歌の上手さを再確認する事となりました。曲によってはテリー・ブロックが歌っているのかなぁなんて思えるようなお約束のナンバーもあったりと、ミュージシャンとしての懐の深さを披露しているでしょう。
しかしハードテイストが薄いので、正直だれるし、大人しい作風ゆえに眠気も訪れるのが評価を分ける最大のポイント。本気のAORではないし、日本で言うところのAORとしては薄い。そこが分かれ道でしょうね。しかし彼はハイトーンなどに頼らなくとも十分、やっていけるシンガーと認識させれたのは収穫でしょうね。


MOON STRUCK - Moon Struck ★★★ (2017-11-11 12:30:29)

関西様式美HM/HRの脈々と連なる系譜を継承するバンドが1998年にリリースした4曲入りのEP。メインソングライターでベースの古井善次は、Volfeedで活動していたが、シンガーの山本朋子が引き抜かれる形なのか、古井が合流しなかったか分かりませんがBlue Stealerでメジャーデビューを果たしたことでバンドは解散。その後、直ぐに始動したのがこちらのバンドになります。こちらも同じく女性シンガーのMIKOTO嬢をフロントに据え、奏でるは麗しき紫色に輝く虹サウンド。その安心安定のブランド力に彩られた屈強な意思を反映する音楽性に、初期Rainbowスタイルをより濃厚にしたTerra Rosaなど、あの音に飢えているマニアなら間違いなく満足するでしょう。LIVEでのパフォーマンス力をイマイチ伝えきれなかったMandrake Rootのオムニバスアルバム『Make It Shine Vol. 2』よりも確実に成長を遂げた姿を披露する事が出来ているのが今作最大の聴きどころ。4曲入りではとても満足できない、ハイクオリティな一枚にマニアならずとも興奮するでしょうね。


Black Master Mountain - Chronus ★★★ (2017-11-06 20:57:41)

Roxcyなどで活動していたベーシスト門脇 潤一郎氏が音頭をとり結成されたバンドがこちら、2012年から活動していたそうですが、勉強不足で知りませんでした。そしてこのバンドでフロントマンを務める人物が、関西を代表する叙情派HM/HRバンドWOLFのシンガーだった松本龍似。
家業を継ぐ為に隠居したと言われた松本が2012年に復活していたなんて露ほども知りませんでした。今作は2017年の1月に4曲入りのシングルCDとしてリリース。枚数も限定だった為に、現在は廃盤状態の一品。今のところ配信なども行っておらず、手に入れるのは難しいのでしょうが、WOLF松本の完全復活を告げる一品なだけに、マニアのみならず正統性の強いHM/HRを愛する方ならマストバイな作品でしょう。
キャリアに裏打ちされたベテランが揃っているので、妙な色気を出すことなく安定感のあるサウンドを披露。その古典的なスタイルの音楽性ゆえに、真新しい面は薄いでしょうが、トーン一発に色気がある伊藤 学のギターは堅実だし、キーボードの田口 雅敏の空間演出の妙味、この二人は松本が居たHurtlessのリズム隊でもあったんですね、その職人技のリズムアレンジにも目を見張るものがありますが、それら熟練のメンバーが奏でるアンサンブルの頂点に君臨するのは、伸びやかでマイルドな独特のトーンを操る松本の歌声があってでしょう。現行4曲では、そのバンドの全容は見えてきませんが、いずれも歌心を大切にしたメロディックHM/HRサウンドに終始しているので安心して身を任せる事が出来るでしょう。④みたいな甘い叙情派ナンバーもバッチリとはまっていましたよ。
最近まで知らんかったもんね。このバンドの存在。今年一番はDA VINCIの復活だと思っていたが、WOLF松本の復活の方が大きいな。感慨深いっす(感涙)


AIR RAID - Point of Impact - Madness ★★★ (2017-11-05 14:08:09)

これもやったなぁ
やりに行ったなぁ
ロックン・ロルフ船長が旗振っていますよ
でも北欧の風が吹いているよね


AIR RAID - Point of Impact - Bound to Destroy ★★★ (2017-11-05 14:06:04)

高速回転するリフワーク
煮え切らない歌メロ
やりやがったなぁ
完全にNWOBHMを意識していますよね
現代のテクノロジーで蘇らせたね
あたしゃね一本取られました


AIR RAID - Point of Impact ★★★ (2017-11-05 14:01:43)

SPIRITUAL BEASTから国内盤もリリースされた若手NWOTHMが2014年にリリースした2nd。オープニングから実直なHM/HRサウンドで幕が開ける展開にメタル魂も燃え上がりますが、メイデンよろしくなギャロップビートと突破力の高いドラマティックなお約束サウンド、はたまたランニングワイルドよろしくな高揚感の高いストロングメタルといい、良くも悪くも先人たちの影響を全く隠そうとしない作風は、メンバー全員の芸名を考えると、大真面目なおふざけ感が無きにしも非ずで、そのあたりにパロディ臭を嗅ぎ取ってしまうと、まともに聞くことは出来なくなるのですが、前作同様、古典的な80年代初期のメタルサウンドに特化した音楽性は、オジサン達の慰み者で終わるだけではないクオリティを保持しており、若い人達にも十分訴求するだけの魅力はあると思いますよ。この手のサウンドには、お約束のハイトーン系のシンガーも用意しているし、扇情的なツインリードのハモリから、大衆剣劇の如くド派手に立ち回るソロパートなど、飽きさせない工夫が嬉しい限りです。
なんだかスティーブン・セガールの沈黙シリーズをみているようなB級感も拭えないが、多分、狙ってそこをついてきているように感じますね。所詮へヴィメタルなんてものは、胡散臭さが魅力の一つでしょうってね。今作を聴き、何故かJPのPV、銀行強盗に押し入る謎の設定と、しょっぱい映像が貫かれる『Breaking The Law』を思い出しました。
やっぱり愛すべきへヴィメタルサウンドですよ。ワタクシにはね。


ANNIHILATOR - Suicide Society ★★★ (2017-11-05 13:44:32)

今作はドラム以外のパートをジェフ・ウォーターズが一人で担当する事に、勿論レコーディング全般も彼が行うのだから、もはやジェフの独壇場。蓋を開けるまでは、どんな音が飛び出すかは分からないのが、彼らのアルバムなのですが、今作ではモダンへヴィネス時代は勿論ですが、METALLICAよろしく時代の正調スラッシュ風味や、正統性の強いHM/HRナンバーまでと網羅、ジェフの音楽性に触れていたマニアなら、必ずやどれかに引っ掛かるような作りがなされており、一聴して過去の集大成的な印象が強い一枚と感じました。
鋭利に刻まれるリフワークの殺傷力の高さ、エモーショナルなパートとメカニカルなパートとの対比と成分量、これがANNIHILATORなんだろうなぁと納得させる作品でしょう。随所に魅力的な歌メロなんかもあったりして、ジェフのシンガーとしての成長も大きく後押ししているのも見逃せませんね。
へヴィなサウンドの中にぶち込まれる、歯の浮くようなキャッチネスさに現代アメリカが望むへヴィロックの在り方を見たようで、妙に勉強になりました。そして、それをやっても似合うのが、ジェフが鬼才と呼ばれる所以なんでしょうと納得しましたね。


ANNIHILATOR - For the Demented ★★★ (2017-11-05 13:26:03)

11月にリリースされたばかりの最新作。この手の新作を発売日に手にすることは皆無に等しいのですが、作風が気にいならにということでタダ同然で手元に転がってくる事に、そんなにお気に召さない一品なのかと身構えていたら、なんてこたぁない今の時代を生き抜くANNIHILATORサウンドでした。
前作からジェフ・ウォーターズが歌っているとの事ですが、クオリティを下げる事もないので安心して聴けますね。
オールドスクールと表現される古典的なスタイルを保持しつつも、メカニカルなサウンドメイクはバンドの本分だし、主戦場がアメリカの彼らにとっては至極まっとうな方向性に舵を切っており、いい意味でのモダンさも難なくジェフ・ウォーターズ流儀に則り表現されていますよね。
初期の頃を思わせる遊び心も満載。マシーンの如き正確な刻みのリフワークの独創性、へヴィメタルなアグレッションを有した峻烈なるエモーション、その燃え滾る熱情が放たれるソロなどは、このバンドならではの真骨頂。またへヴィロックサウンドの合間に組み込まれるスローナンバーなども、アクセントとなりアルバム単位で楽しめる一品と仕上げてきているでしょう。
ワタクシのようなオールドスクール極まりないオッサンには、ハイカラな音楽性なのですが、若い人にとっては、新旧のへヴィロックサウンドを意識させる作りには大いに好奇心を擽られるだろうし、何より一寸先の展開が読み切れない、場面展開の多いジェフ・ウォーターズメタルに引き寄せられるでしょうね。
このバンドはある意味、ジェフのソロプロジェクトですから作品前にメンバーが変わる事に驚きはありませんが、今回は相棒にアーロン・ホンマという日系人らしき人物が居るのも気になるとこと、是非、このメンツで来日公演でも行い元気な姿を見せて欲しいものです。でもやっぱ専任シンガーが居た方がエエんですけどね。それと個人的には今はこういうミックスが流行りなのかな?と思いましたね。ワシにはオシャレ過ぎるんだなぁ。


J.D.K.BAND - Falcom J.d.k.band1 ★★★ (2017-11-03 17:39:32)

伝説の国産メタルバンドMurbasのシンガーであり、日下部正則のソロやSABBRABELLSの松川純一郎らと組んだEMOTIONのシンガーとして知られる岸本友彦が中心人物となり、日本ファルコムのゲームミュージックをロックアレンジしたのがこちらの作品になります。岸本が編曲とプログラミングを兼ねているので中心人物と目されていますが、メンバーの大半はEMOTIONだし、キーボードにはHELLENの高梨康治が参加、高梨は今やサウンドクリエイターとして大成功を収める人物、ナルトやプリキャア関連で大儲け、さらにはプロレス系に、ゲームミュージックにアニメ関連、そしてアイドルまでと幅広く手掛け、会社も立ち上げ成功して良かったなぁと思いますね。
そして客演するギターは日下部正則、松川純一郎、白田一秀の三人。国産メタルマニアなら興味も惹かれるメンツが揃っていますが、リズムプレイが打ち込みということで少々軽いサウンドメイクに終始していますが、高梨の色彩豊かな鍵盤プレイの華麗な指さばきによって、そのあたりの不満も抑え込む事に成功。元々ゲームミュージックなんでと割り切って聴けば問題はないでしょうが、へヴィにガツンとくるものは少ないので、そのあたりの刺激を求める方には不満でしょうね。でも逆にアニソン系が好きな方なら存分に楽しめる要素も大きいでしょうね。高揚感のあるドラマティックな展開がテンコ盛りですからね。
ミックスの仕方がロックとしては軟弱過ぎるのが最大の問題点ですが、インストナンバーの合間に挟まれる岸本がリードシンガーと務める楽曲もポジティブな雰囲気があり、仲間を引き連れモンスター退治の旅に出たくなります。でも、岸本の抑揚のない平坦な歌が耳につくのも気になるところで、EMOTIONの作品に馴染めなかった事を思い出しましたね。
その幻のEMOTIONの長らく廃盤だったアルバムが年末に再発されるので、この機会に手を出さないと二度とチャンスは巡ってこないとは思っているのですが、個人的にはイケない雰囲気大です(笑)
しかし今作のような良質なゲームミュージックを元にアレンジを手掛ける才能のあるミュージシャンが揃っていたバンド、EMOTIONがらみの今作を聴き楽しんだロックファンには是非ともトライして頂きたいなと思います。


MAX BACON - The Higher You Climb ★★★ (2017-11-03 17:24:34)

BRONZ、GTR、PHENOMENAなどに参加した英国人シンガー、マックス・ベーコンが1995年にリリースしたソロアルバム。参加メンバーもジェフ・タウンズやスコット・ゴーハム、スティーブ・ハケット、スティーブ・ハウなど名だたるメンバーが参加、客演のみならず楽曲提供も行い、GTR風というかAISA風の楽曲が目白押し、そこにマックスのマイルドで伸びやかな癖のない透き通った歌声が絡むのだから、その筋のマニアなら間違いなく手にとって損はしないでしょう。
あくまでも主役はマックスなので歌中心の作りですがAOR系のハードサウンドの核となる部分は、英国的な伝統美と爽快感のあるメロディなので、その芯の太さには、成功を夢見る大いなる野望と実力派シンガーとしての魅力を感じますね。
無難な作りでも参加メンバーが醸し出す威厳めいたモノには、やはり引き寄せる力というがマジックが確実に存在しています。冷ややかでクリアーな音像の中にある、鋭く輝く光る感性とセンスあふれるアレンジは、やはり一日の長というものでしょう。


Rage N' Rox - Rage n' Rox ★★ (2017-10-26 20:05:21)

US産AOR系のHM/HRバンドが1989年にリリースした1st。このバンドの軸になるのがシンガー、タマラ・ディームスとゴルディ・ディームスの二人。同じ姓を名乗るので兄弟なのか?親戚なのか?夫婦なのか詳しいバイオは分かりませんが、タマラ嬢の、トレーニングを積んだと思われる、下地のしっかりとした歌声とゴルディの派手でフラッシーなギターを主軸とした歌モノサウンドを披露。あまりにも類型的な楽曲が並び、その筋のマニアにとっては興奮度も薄めとなるでしょうが、逆を言えば期待を裏切らない王道サウンドで勝負、デボラ・ハリーばりのパンチの効いた歌声は、個人的にはステファニー・ヴォジャースを彷彿とさせるもので、しっかりしてるよなぁと安心して聴いてられますね。
BON JOVIの成功以降、雨後の筍のごとく世に出てきた音楽性ではありますが、安定感のある作り込は総じてクオリティも高く、適度なハードさと躍動するリズム、ロックテイストを損なわないダイナミックさは気持ちがいいんですよね。
でも改めて女性シンガーの歌モノを聴くとVIXENって個性があったと思いますね。上手いだけじゃモノ足りないッスよ。


Coven - The Advent ★★★ (2017-10-24 21:18:55)

FASTKILLのギタリスト伊東 昭博が女性シンガーTAKAと作り上げたバンドがこちら、2016年にデモ音源をリリースすると立ち待ちマニアの間で話題に上ることとなる。
その勢いは国内に留まらず海外のレーベルの目に留まり、今作はフィンランドのSvart Recordsから2017年の9月にリリース。歌詞は全編日本語、それでも海外のレーベルが手を上げるのだから時代は変わりましたね。ジャケットもクールジャパンよろしくな二次元チックな世界観で表現、個人的にはピンと来るものはないが、なんでもいいので認知され売れるなら大歓迎ですよ。

出している音は麗しのブリティッシュサウンド、哀愁のツインリードが劇走するNWOBHM丸出しのオールドスタイルに咽び泣きます。正直、この手のサウンドの先輩は70年代なら野獣(のけものと読む)。90年代から現在まで精力的に活動する伝説のMetaluciferや舘真二のMagnesiumといますが、このバンドもクオリティはそれらの諸先輩たちに比肩するもので、むしろ、音質的にはスッキリとクリアーに仕上げることで聴きやすさを誘発、ある意味、今っぽさも補完していますね。
とはいえ類型的なサウンドだし、熱心な国産HM/HRマニアな方にとっては、尚更新鮮味など感じないでしょうが、インディ系のCDショップなどではちょっとしたお祭り状態の猛烈プッシュされる一枚。ここは素直に乗ってみるのも一興でしょうよ。4曲入りのEPなので、全容は見えてきませんが、適度な疾走感をまとった哀愁のNWOBHMサウンドが好物な方なら大いに楽しんでもらえるでしょう。
線の細い歌い手も含め、なんだか幻のバンドの復刻音源を聴いているみたいで懐かしかったです。即効性が高いうえに訪れる飽きのサイクルの早さは否めないんですけどね。
こう聞くとMetaluciferの殿堂入は勿論ですが、舘真二のMagnesiumのやりきった感や、浅井兄弟によるBlind Witchの気合いに入りようには恐れ入りましたね。バンドってのは一日の長があるんだね。今作が気に入った方は、MetaluciferとMagnesiumは要チェックでしょう。


斉藤さおり - Lady ★★★ (2017-10-23 19:39:08)

第3回ミス・セブンティーンコンテスト準グランプリを受賞という華々しい経歴を持つ彼女が、大手レコード会社CBS/SONYと契約を絶ち、自分の進みたい方向性を目指しPLATZに移籍後リリースした。ハードサウンド転向第一弾のアルバムがこちら。リリースは1989年ですからね。まだまだバブルの風を吹いていますよ~。
サウンドプロデュース&アレンジャーに笹路正徳を迎え、キーボードとハードなギターを多用したビーイング系の歌モノ路線で勝負。ベースは坂井紀雄、ドラムは渡嘉敷祐一、ギターに土方 隆行という熟練のメンバー揃え脇をガッチリと固めています。タイトルも日本語でジャケットもパッと見では、完全にアイドルの作品となるのですが、出している音は本格的なロックサウンドを志向しており、①②③⑦ではEARTHSHAKERの西田昌史が楽曲提供。⑥ではZIGGYの森重樹一の名前もあったりと、アイドルポップスとは一線を画すメンツが参加しているので、彼女の出自となるアイドル出身に偏見が多少なりともある方のハードルは下げているかと思います。実際にプログレバンドMARIAH、NAZCAのメンバーがバックで参加しているんだから、ミックスの軽さはいかんともしがたいのですが、ハードサウンドを愛するマニアなら、その裏にある芯の太さを確認することは出来ますよ。

主役たる斉藤さおり嬢もキュートなルックスから想像もつかない中音域を生かした太いロックな歌声を披露。ハードサウンドに負けない堂々としたパフォーマンスで魅了してくれますよ。とはいいつつも楽曲的にはハード目の曲半分、J-POP半分なので、この辺りは所属事務所と、彼女のやりたい事の折衷案だったのかなぁと勝手に推察しますが、ハードなギターと豪快なグルーブが心地よい①、中期EARTHSHAKERな②、Vシネマなのかな?首都高トライアルに提供したハードポップな③、この曲で歌う彼女のハリと艶は一番ですかね。バックが張り切っています⑤なんですが、J-POPなんだけど、メンバーが大人しくしてられなかったんでしょうね(笑)スケールの大きいサウンドですよ。ZIGGYっぽい⑥、オシャレな叙情派ロックの⑦あたりは、ハード目の歌モノロックを愛する方ならイケるように思います。


Scheherazade - Once More ★★★ (2017-10-23 04:33:13)

所謂、関西HM/HRシーンを語る上では外すことのできないバンドがNOVELAの前身となるSCHEHERAZADE。このバンド時代は短命に終わりますがNOVELA解散後の1989年に再始動、1992年に念願の?1stをリリースするのですが、活動は尻すぼみして一旦活動を停止して、各々が自身のソロ活動へと進んでいたはずです。
2010年ころに再度メンバーが揃い本格的に動き出すのですが、今作はまさに日本のプログレシーンの黎明期から活動するVo五十嵐久勝、G.平山照継、B.大久保寿太郎の3人に、Ds堀江睦男、Keyに永川敏郎が合流、歴戦の兵が集いしスパーグループとなって再始動。先の見せないスリリングな場面展開は勿論ですが、ドラマティックという言葉では、片付ける事を許さないダイナミックなグルーブと共に飲み込んでいく、劇的な世界を演出するギターとキーボードによるアンサンブルの重厚感、彼らが一体となり奏で上げるテクニカルかつシンフォニックな叙情詩の数々はまさに、気軽に聴くことを許さない密度の濃さを誇っており、国産プログレバンドの底力を雄弁に物語っています。

正直このバンドも、NOVELAも知ってはいたが、シンガー五十嵐のヴィブラードの掛けた個性的なハイトーンが苦手で(基本的にハイトーン一本のシンガーが得意ではない)まともに聞く事もなかった。そのアレルギーがずっとあり、平山のソロも大久保が立ち上げたSTARLESSも、GERARDやVIENNAも聴かず嫌いしていました。

今もって五十嵐の歌唱スタイルは苦手だったりするのですが(美輪明宏ロックを歌うみたいな感じがします)、プログレハードなる音楽性を先駆者として世に知らしめた彼らの魅力は、それをも凌駕しており、初期Uriah HeepがRainbowの楽曲を自分たちの解釈で演奏しているような雰囲気があり、難解さよりも親しみやすい即効性も高く聴きやすさも十分に感じられ、ワタクシのような門外漢でも十分に楽しめる要素が最大の聴きどころでしょう。
難しい事をやっているのに聴きやすさを伴っているってのは本当に凄い事ですからね。


AIRRACE - Shaft of Light ★★★ (2017-10-22 05:02:00)

Moreのギタリストだったローリー・マンズワースが立ち上げたバンドがこちら、ドラムにはジェイソン・ボーナムが参加、シンガーの座には英国ハードポップマニアの間では知られるキース・マレル。そしてプロデューサーにボー・ヒルときていますからね。お膳立ても揃い期待値もあがりますが、ご多分にもれず、その期待に応えるような極上のハードポップサウンドを披露。オリジナルのリリースが1984年ですからね、その時代背景を考えると、かなり洗練された音作りを敢行、少々電子音過ぎるきらいはあるが、奥行きのある洒落た音像はボー・ヒルの手腕によるもの、More時代はキャラの濃いケニー・コックスの影に隠れてしまったローリーの堅実なプレイで脇を固め良質の楽曲を用意。適度なキーボードの使用も軽薄にならぬように工夫を凝らしつつも空間演出に貢献、深みのある英国的なシリアスさと、軽やかなAOR調の売れ線志向との合致を絶妙な間で果たすことに成功。ジェイソン・ボーナムのドラムが必要としないサウンドではあるが、レコード契約には一役も二役も彼の存在が重要だったでしょうね。なんといってもジョン・ボーナムの息子が世に出たバンドなのですからね。
MAMA'S BOYSから牙を抜いたアルバムで歌い、地味になったフェノメナプロジェクトの第3弾で歌ったりと、実力はあるのに、作品に恵まれなかったキース・マレルですが、今作レコーディングの時点で、すでに確立したパフォーマンスを披露。フロントマンとしての重責を見事に果たしています。
時代的には先取りをしたようなオシャレな歌モノサウンドだったのですが、全然話題に上らずにバンドは今作を持って一旦解散。2011年に復活アルバムをリリースする事となったのですが、軽めのサウンドだが、叙情的なメロディと上手い歌に酔いしれたい、ハードポップマニアなら手にとって損はしないでしょう。英国ならFMとかSTRANGEWAYSあたりが好きな人ならマストバイな一品ですね。アメリカのバンドにはない情緒がありますから。


斉藤さおり - Love'less - See You Soon? ★★ (2017-10-19 04:44:49)

リリカルですね
肩の力を抜いて歌っています
ええ雰囲気の軽やかなJ-POPな一曲です
キュンとさせる素直なメロディが印象的です
これが大内義昭節なのか?
なんだか広瀬香美が歌いだしそうな雰囲気ですね


斉藤さおり - Love'less - …And I Love You ★★ (2017-10-19 04:42:09)

プロデューサーつながりなのかな?
田村直美作曲の元気モリモリになりそうなJ-POPソング
ノビノビと歌っているのが印象的ですね


斉藤さおり - Love'less - 横顔 ★★★ (2017-10-19 04:40:23)

ボサノバ調の一曲
サビメロの力強さね
ええシンガーですよ


斉藤さおり - Love'less - Love Sensation ~tough Version~ ★★★ (2017-10-19 04:36:54)

西田昌史作です
イントロキーボードからしてRUNAWAY風ですね
哀愁のハードポップソングを歌う
さおり嬢は実に魅力的ですね
①②⑦とこの曲がハードポップマニアにオススメですね
横関のソロはチョイと浮いているな


斉藤さおり - Love'less - Night Trap ★★★ (2017-10-19 04:34:37)

横関のド派手なソロが頭から炸裂
アルバム随一のハードな一曲
パンチの効いた彼女の歌声も悪くないです
この路線でアルバム作って欲しいね


斉藤さおり - Love'less - 綺麗な男 ★★★ (2017-10-19 04:30:00)

力強さと繊細さのコントラストを描き切っていますね
こういう作風のアルバムの中でビシッと楔を打ち込んでいますね
そつなく纏め上げる手腕に聴き惚れます
通なアレンジに唸りますね
聴かせ方が上手い


斉藤さおり - Love'less - 悪い予感 ★★★ (2017-10-19 04:26:04)

作詩さおり嬢/作曲大内義昭
J-POP風哀愁のロックソング
アレンジ一つでどっちにも転びそうですね
彼女の歌声が真に迫っています


斉藤さおり - Love'less - そ・れ・で・も ★★★ (2017-10-19 04:21:21)

作詞でさおり嬢も貢献
曲は西田昌史です
アースシェイカー風の歌モノロック
歌メロの持っていき方などマーシー節が炸裂していますよ
哀愁のハードポップナンバーに胸キュンですね
ギターは鎌田ジョージですよ


斉藤さおり - Love'less - As Soon As Possible ★★★ (2017-10-19 04:17:31)

西田昌史が提供したスケールの大きい叙情派ハードポップナンバー
ギターソロで横関が客演しているのも見逃せません
リズムプレイも迫力がありミックス的にも攻めていますね
普段J-POPしか聴かない人にはウルサイと感じるでしょう


NORWAY - Night Dreams ★★★ (2017-10-17 12:35:12)

ノルウェーというバンド名なのに、何故かニュージャージー出身というややこさでチョイと有名なメロディックHM/HRバンドの記念すべき1st。これでゴリゴリのハードコアメタルでもやっていたらどないしようかと不安な気持ちもありそうですが、そこはバンド名から推察できるようなスウィート路線の音楽性で勝負。アメリカのバンドなんで、モロに北欧風とはいきませんが、AOR風の洗練された叙情派HM/HRサウンドが目白押し、嫌みのないキャッチネスさと、コマーシャルリズムを追求した音楽性は、どれも質が高く、スリルはないが抜群の安定感を披露。ロック然としたダイナミズムと歌モノの融合、煌びやかさと透明感のあるメロディ、詰めの甘さもあるが、哀愁を滲ませたメロセンスの才覚に唸りますね。
聴かせる事を中心としたミドルナンバーが中心ですので、ポップだろうが軽かろうが、ダンスミュージックだろうが、テンポが速くなくとダメだという人には、眠くなるような一品でしょうが、メロディを愛するマニアなら楽しんでもらえるでしょう。
今作に一番近い音楽性は、ICONの『Night Of The Crime』ですね。あの音に共感出来るマニアなら手を出しても損はしないでしょう。


POWER TRIP - Manifest Decimation ★★ (2017-10-16 19:10:04)

テキサス出身のヤングスラッシャー5人組による記念すべき1st。ドッカンバッカン打ち鳴らされるスラッシュビート、ザクザクと刻まれるリフワーク、その一寸先も見えないスリリングな展開と相まって往年のバンドが持つ空気を体感、METALLICAだしEXODUSだしTESTAMENTだしと先人たちの影響も自分たちなりに咀嚼、ある意味、ハードコアテイストも塗された楽曲は、クロスオーバー的な魅力もあったりと、一筋縄ではいかない音楽性は実に魅力的です。
その懐かしさを演出するのがリヴァーブの掛かったボーカル処理なのですが、個人的には少々やり過ぎで、スーパー銭湯で録音したのかと言いたくなる程、深く掛かっているのが難点。
どこまでも荒々しい演奏なのに、何故か頭にタオルを巻き、演奏後には腰に手を当て、フルーツ牛乳やコーヒー牛乳を飲みほしている姿が想起されのめり込めなかったりするのですが(笑)
ボーカル処理が気にならない方なら、怒気を孕んだオールドテイストむき出しのハードコアスラッシュサウンドに悶絶すること間違いなしのキレた一品ですよ。


Darby Mills and the Unsung Heroes - Never Look Back ★★★ (2017-10-16 18:48:12)

Headpinsのシンガーだった、ダービー・ミルズ嬢が立ち上げたロックプロジェクト第一弾。彼女のハスキーでパンチの効いた歌声を中心に奏でるのは耳馴染みの良い哀愁のメロディックロック。勿論、緩急を聴かせる意味でもホンキートンクな楽曲も用意したりとバラエティに富んだ構成に抜かりはなく、キラキラとしたキーボードとハードなギターを巧みに配色した①②③の流れは歌モノロックを愛するマニアなら琴線に触れること間違いなしの良品です。それ以外にも隙のない楽曲が目白押しで、全10曲最後まで味がしななっても噛みしめる事が出来るでしょう。
カナダのWarner Musicから1991年にリリース、時期的にも悪かったのか全然に話題に上らなかった彼女ですが、音楽性的にはVIXENやロビン・ベックといった麗しの叙情派サウンドを想起させるもので、その筋のマニアにはトライしてもらいたい一品ですね。持っていたのも忘れていたくらい、久しぶりに聴きましたが、暫くは愛聴盤になりそうです。堅実な演奏と裏切らない展開、合間に切れ込んでくる職人技のギター、媚を売らないパワフルな歌声、エエわ。上手いってのは素晴らしい。⑦を聴いてエアロスミスすぎるとか言っちゃダメよん。あれは皆でシェアしてもいいヤツだからさぁ


CLIMB - Take a Chance ★★★ (2017-10-04 15:25:46)

我が国日本限定でリリースされた、読売巨人軍の助っ人選手ウォーレン・クロマティが死球を受け骨折、シーズン最終戦まで棒に振ったのに、そのオフにリリースされたクライム唯一のアルバム。骨折した男がいつドラムを叩いたんだという疑問もさることながら、野球選手のバンドという色モノ感がハンパなく漂い、セールス的に振るわなかったのですが、リリース当時は歌番組は勿論ですが、バラエティ番組などにも出演して音源を紹介していましたね。
西武との日本シリーズで見せた緩慢な守備とは違い、ここではテンポよくドラムを刻むクロマティ、思わぬ才能とセンスを見せましたが、曲調的にもソフトなAOR調のロックサウンドだしキーボードもバリバリだし、ドラムも電子加工され過ぎ出しと、結局、クロマティ氏の実力の程は伺いしてませんが(骨折して野球できないのにドラム叩いているって理解が及びません)、シンガーとして大活躍するジョー・ハミルトンの歌声が素晴らしく、マイルドだが厚みのあるソウルフルな歌声はソフトロックを歌うには十分すぎるほどの存在感は発揮、全然知らない人なのですが、アメリカって国は毎度のことですが、本当に実力者が多いんだなぁと認識させられましたね。
カントリー調からダンサンブルナンバーに王道ソフトロックと幅広く収録、好みに合わせてチョイスして頂ければ、歌モノマニアなら一定の評価を下せる内容かと思いますよ。個人的にはお約束感満載の①、ゲディ・リーが参加したメロディックな歌モノナンバー④、ラス・バラード作の⑥あたりが好みですね。
ちなみに今作はあの人は今的なネタモノアイテム的な扱いを受ける一品なんでしょうが、品質の高さは折り紙つき、キーボードにでイブ・ローゼンサルが参加、バックボーカルにルー・グラムやゲディ・リー、ミッチ・マロイなども参加して華を添えています。
その話題性に頼らなくても十分な内容なので、AOR系の音楽性が好きな方なら安心して聴けるでしょう。
それを証拠に海外のコレクターが血眼になって捜し求め、リプロ盤まで存在するくらいですからね。やっぱクロマティはイメージが悪すぎるよ、シーズンオフの音楽活動でしょ、でも翌年は打ちなくったからね、最高打率も叩いたし、でも守備の手抜きは治らんかった、日本の野球に嫌気がさしたんだろうなぁ、そして引退後直ぐに暴露本でしょ。そりゃ嫌われるよ。でも何となく気持ちが分かります。

晩節を汚しダーティーなイメージがついたクロマティ氏、そのせいで再発が見送られているなら残念ですね。


Bashful Alley - It's About Time ★★★ (2017-10-02 16:23:33)

激レアな発掘良品リリースには定評のあるHigh Vaultage Recordsから2005年にリリースされた。82年リリースのシングル2曲&デモ音源8曲プラスの10曲からなるコンピレーションアルバム。幻のNWOBHMバンドのコンピ作にマニアなら興奮も隠しきれないでしょうが、泣きメロ満載、哀愁の叙情派ブリティッシュHM/HR①の『Running Blind』シャープなギターが切り込んでくるへヴィで攻撃的な②の『My, My, My』。キャッチーさも光る⑥の『Why Can't You See』など名曲も多数収録、昨今の音に慣れている人には音質的に厳しいものがあるでしょうが、当時のサウンドをリアルタイムで体感できるようなシケシケのスッカスカな音こそ、NWOBHM、だと思っているので、この手の音源に触れたいと思う方には強く勧めたいですね。シングルだった①②の流れは出色の出来だし、このクオリティを持ってもデビューに漕ぎ着けられないほど、当時は混沌とした玉虫色の時代背景を想像させるし、それ以前にブームがいかに短いものだったかを物語りますよね。
NWOBHMというのはパンクの影響も取り込んだ攻撃的なサウンドが信条で、所謂、PRAYING MANTISに代表される叙情的なサウンドは稀有な存在なんだと20代の中頃まで信じて疑わなかったが、全然そんなことなく、このバンドのように哀愁のメロディをふんだんに取り込んだ叙情派バンドは多数いたことを知ったと時は騙された気分で一杯でしたね。全然雑誌でそんな事を言ってなかったじゃんである。
英国的な叙情性とロックな攻撃性を併せ持つサウンドのお探しの方なら楽しんでもらえるでしょう。隠れた名曲ってNWOBHMには多すぎるんですよね。掴みきれんわい。


ACCEPT - The Rise of Chaos - No Regrets ★★★ (2017-09-29 14:41:47)

好戦的なリズムに乗せて勢いよく駆け抜けてきますが
哀愁のパートを放り込みクールダウンと見せかけ
アクセプト重戦車サウンドが突進していきます
キャッチーなリフワークだが重厚感を損なわない手腕はお見事です


ACCEPT - The Rise of Chaos - Worlds Colliding ★★★ (2017-09-29 14:35:31)

哀愁度の高いマークの歌メロが好きです
キャッチーだしシンプルな構成だからこし誤魔化しがきかない
彼らのもう一つの魅力を端的に物語っています
歌えるソロも好きですよ


ACCEPT - The Rise of Chaos - Carry the Weight ★★★ (2017-09-29 14:32:33)

随所に設けられる扇情的なフレージングの旨味
勢いに乗って突っ走るだけではないベテランの技に魅了
新たなるツインギターコンビにも期待が持てますね


ACCEPT - The Rise of Chaos ★★★ (2017-09-29 14:27:41)

現在の欧州におけるトレンドを伝えるような生々しく、そしてへヴィな音像を叩きつけてきた意欲作。盟友になりつつあるアンディ・スニープの手腕による、モダンさも補完された音作りとの相性も良く、全盛期の流れを汲みつつも、けっして過去の焼き回しでは終わらない制作意欲に頭が下がりますね。
所謂『Fast As A Shark』や『Braker』のような即効性と求心力の高いスピードナンバーはないかもしれないが、哀愁とキャッチーさを併せ持った男気あふれる④のような曲を放り込んでも違和感を感じさせないのは見事、ウドよりも柔軟さがあるマーク・トーニロの存在も際立ちますね。また随所に設けられるウルフの扇情的なフレージングの旨味、単に流れで弾くのではなく、スピードに乗らずにスローダウンさせるなど、改めて上手いなぁと感心させられましたね。
アクセプト印満載の③渋い④そして好戦的なリズムが耳を惹く緩急を織り交ぜた⑤と3曲の流れは絶品でしょう。
前作『BLIND RAGE』を聴き、分かりやすさに欠けると感じた人には、厳しい路線となるだろうが、多様性を帯びた楽曲を一つの方向性に集約し男気溢れる任侠メタルサウンドへと仕上げた手腕に改めて舌を巻きましたね。今作を聴き、このバンド暫くは安泰でしょう。そしてウドじゃないアクセプトは認められないと言う頑固なファンにこそ聴いて欲しい一枚でもあります。今作にはこれまでの音楽性を集約したような魅力を感じるはずですから、そしてマークの柔軟だがパワーを落とさない金切りヴォイスの官能的な響きを堪能して欲しいですね。欧州全般を股に掛け快進撃を続ける彼ら、今が全盛期をいっても過言ではない、メタルシーンの王者たる威厳と充実感に必ずや満足を覚えると思いますよ。聴き込むほどに新たなる発見も出来る実に魅力的な一枚へと仕上げてきましたね。


ACCEPT - I'm a Rebel ★★ (2017-09-29 14:04:22)

1stが大コケしたためにレコード会社の介入&プレッシャーを受け制作された2nd。全体的に軽めのポップな印象を受けるが、タイトなビートを強調した①に代表されるように方向性の拡散度は薄めで進みたい方向を示唆することに成功。②以降もシンプルだがメタリックな要素も前作より感じられ、視聴後の感触はけっして悪くない、むしろ音質も演奏レベルもあがり個性的な面の見えてきたりと好感の持てる作りとなっています。個人的にもハードなサウンドの合間に聴く小休止的な活用にピッタリで年に数回は通して聴くアルバムでもありますね。
後年の姿を想像するとコチラも違和感は拭えないかもしれないが、ピーターが歌う叙情味たっぷりのバラード③など聴かされると、駄作と切り捨てるのは惜しいですよ。また、ポップでシンプルになった分、ウドのメタリックなシャウティングボーカルとウルフの叙情派ギタリストとしてのセンスが頭角を現しているのが如実に伝わってくるのも魅力ですよね。
ちなみにライブでも結構取り上げられた①ですが、楽曲提供者ジョー・アレキサンダーさんは、AC/DCのアレックス・ヤングさんですよ。