お隣韓国のベテランHM/HRバンドが1988年にリリースした記念すべきデビューアルバム。いきなりAC/DC風のご機嫌なロックナンバー「I'm Your Man」でスタート、シンガーもボン・スコット風に歌ったりと随分なりきっていますが(ソロは何故かマイケル・シャンカー風)⑥曲目に収録された「Rock the Speed」のような疾走ナンバーがあったり、韓流バラードがあったりとバラエティに富んでいるというか、1stということで方向性が定まっていないというのか、不安定な演奏に、更なる拍車を掛ける要素となり、安定感に欠けてはいますが、アジアの血をザワつかせるメロディと熱量は十分に伝わってきますので駄作といって切り捨てる事は出来ませんね。韓流ブームって言ってもメタルは全然、日本に伝わってこないし、あのキム・ギョンホもメタルに界での活動をについて『俺は単なるマイナー歌手では終わりたくない』と一般紙のインタビューに答えていたもんね。
1. Into the Light - Tony Martin 2. Shame On You- Bert Heerink 3. Tonight - Joe Lynn Turner 4. Rock Me - Paul Shortino 5. Remember Me - Rob Rock 6. Lay You Down To Rest - Mitch Malloy 7. In The Heart Of The Young - Tony Mills 8. Dirty Games - David Reece 9. Down The Drain - Paul Sabu 10. Only 4 Ever - Torben Schmidt 11. Maniac - Michael Voss
1. Voodoo Woman - James Christian 2. Wild Thing - Jean Beauvoir 3. Nightingale - Terry Brock 4. Over And Done - Dan Reed 5. Phoenix Rising - Johnny Gioeli 6. Irresistible - Harry Hess 7. China In Your Hands - Göran Edman 8. Underloved - Robin Beck 9. Slip Away - Steve Overland 10. Love Is Blind - Gary Barden
01. Intro 02. Starlight 03. Living For Tonite 04. Flash Rockin Man 05. London Leatherboys 06. Midnight Mover 07. Breaker 08. Head Over Heels 09. Neon Night 10. Princess Of The Dawn 11. Winterdreams 12. Restless And Wild 13. Son Of A Bitch
ディスク 2
01. Up To The Limit 02. Wrong Is Right 03. Midnight Highway 04. Screaming For A Love-Bite 05. Monsterman 06. T.V. War 07. Losers And Winners 08. Metal Heart 09. I m A Rebel 10. Fast As A Shark 11. Balls To The Wall 12. Burning 13. Outro
齢70を迎える(迎えたのかな?)唯一無二のパワーヴォイスシンガー、グラハム・ボネットがダリオ・モロと組んだプロジェクトチームによるフルアルバム。最近のグラハムの精力的な活動にはファンとして嬉しい限りですね。公私にわたるパートナーとのバンドも良かったですが、こちらも完全にグラハムの歌声を生かしたオーセンティックなHM/HRで真っ向勝負、全編に渡りダリオも、RainbowやAlcatrazzを意識した楽曲&オマージュ的なプレイをねじ込み、聞き手の好奇心を煽りますね。 正直言って加齢による衰えがないとは言いませんが、魅力的なメロを歌い上げるグラハム節に、マニアならずとも奮い立たされるでしょうね。いやいや本当に凄いですよ。ダリオと多くの活動を共にするリズム隊の屈強なリズムプレイの旨味、そこの上でダリオが堅実だが、今回は楽しんでいる感が伝わる賑やかなギタープレイで応戦、その頂点にグラハムが存在するという盤石の態勢で挑んでいるので、その筋の音楽性を期待するファンは勿論ですが、オーセンティックな色のつき過ぎないHM/HRサウンドが大好きな方は存分に楽しんでもらえるでしょう。お約束感満載のカヴァーも2曲ありまるのでRainbowマニアは無視できないでしょうね(日本版にはALL NIGHT LONGがボートラ追加)。こうして改めて聞かされると、言っちゃいけないのはわかるのですが。グラハム師匠よ、あと10年早くやってくれい。時間がないんじゃ。
角川映画の迷作と誉れ高い?草刈正雄がフリーのロードレーサー役を熱演した『汚れた英雄』の主題歌やアニメの主題歌などを歌い日本でも認知度の高かった彼女が1983年にリリースした1st。AOR調の歌モノを中心とした打ち込みビートも導入したダンサンブルなロックナンバーから、ソフトロックに王道バラードあり、チョット マッテ クダサイという歌詞が飛び出す、親日ぶりをアピールするナンバーもあったりと多様性に富んだ楽曲が収録された一枚。 自身もミュージシャン稼業をとして裏表で活動を行い、多くのアーティストのバックコーラスを担当、その仕事ぶりが多くのミュージシャンから賞賛を受けたミュージシャンでした。また自身もバンドのベース兼リードシンガーを担当したりと、凄い実力者です。 そのトレーニングを積んだ歌声は、上手いが故の個性不足ではありますが(みんな似てしまう)、力強さを損なわないキュートでパンチの効いたパフォーマンスは、歌モノロックが好きな人なら安心して身を任せる事が出来るでしょうね。個人的には③④⑤のベタな楽曲が並ぶ展開が好きです。特に⑤曲目のハードポップな『Call Of The Wild』なんて『汚れた英雄』路線で好きですよ。
前年にリリースされた『El reino olvidado』のボーカルを、ギタリストご用達のドゥギー・ホワイトに差し替え&全編英詩に変更して2009年にリリースされたワールドワイドヴァージョン。 マイルドだがエモーショナルで味わいのある歌声が魅力のドゥギー、かつてはリッチーに見出され再結成RAINBOWに参戦した実績があるわけですから、RATA BLANCAに合わないわけが無いのですが、ありもんの歌メロを英詩に変更して歌うのは、流石に分が悪く楽曲の無難さと相俟って、ドゥギーの淡白さがマイナスに作用してしまったのが残念です。ハマっている時は気にならないのですがね、ぶっきらぼうで手持ち無沙汰感がハンパなく感じるパートがあり、乗り切れないのが気になる所。個人的にはオリジナルヴァージョンの方が好きなのですが、バリラーリがどうしても英語で歌いたくないと言うのなら、このラインナップで南米を飛び出し大きな世界で勝負を掛けて欲しいと思いましたね。ドゥギーの実力はこんなもんじゃないはずですからと、辛口ばかり叩きましたが、楽曲の質が下がったわけでもなく、オリジナルとの比較での話ですからRAINBOW直系の様式美HM/HRが大好物な方なら安心して聴けるでしょう。ドゥギーは実に上手いシンガーですよ、ありもんの中で詩も違うのに健闘していますよ。
元々はSecond Chanceというバンド名で活動していましたがメジャーデビューを機に改名してリリースされたのがコチラ。アメリカのバンドなのでドライな感触と、時代性を加味したメジャー感はあるが騒々しいパワーメタル色も強く、何とも形容しがたい音楽性のバンドです。ラフで派手目の楽曲が多いのです⑤ではアコギをフューチャーしたバラードタイプの曲もあったり、おまけに歌詞のコンセプトはクリスチャンだというのだから情報量の多さに心の整理もつきませんよね。 とにかくパワフルさとメジャー感のかみ合わせによる質感が聴き手の嗜好を問う内容となるでしょうね。ハマっているときの大胆不敵さと外れた時の気持ち悪さが評価を分けますね。 豪快と言うかゴチャゴチャしていると言うか、軽めのミックスとけたたましさが何とも言えない感触を生みだしているのですが、そんなリズムプレイで客演しているのがRavenやDeath Row、伝説のPentagramでドラムを叩くジョー・ハッセルベンダーの名前があるのはマニアにとって見逃せませんよね。久しぶりに聴きましたが、JPのPoint of EntryとRam It Downを足してTurboで割ったような音楽性をなのかぁと思いましたね。
Rata Blancaのシンガー、アドリアン・バリラーリのソロアルバム第二弾は世界的に有名なPOPS/ROCKソングをスペイン語でカヴァーした作品となりました。線は細いが独特の情熱的な節回しが、どの曲にも新しい風を吹かせ、完全にバリラーリ風に歌いきっているのが素晴らしい。アルゼンチンの至宝Rata Blancaの金看板を背負ってきた男のパフォーマンスに魅入りましたね。何処までも熱量の高い歌声はロックは勿論、ポップソングでも力量を発揮⑥なんてリッチーよろしくなギターも含め彼らの曲となっていますよね。⑦ではアルゼンチンのジャズロックバンド?Memphis la Bluseraのシンガー、アドリアン・オテロとデュエットしたりと面白い工夫もあり、⑥を境とした選曲の違いを含め楽しんで欲しいですね。ちなみに⑧はバリラーリがRata Blancaを抜けた後に組んだバンドAlianzaのリメイクです。 個人的には、ほぼテレビ東京歌ウマ選手権の最高峰のような作風であり、カラオケ大会感は否めないが、ガチンコでカヴァーしている凄みは十分に伝わるので大いに楽しみました。単なるカヴァーで終わらせなかったのはパフォーマンス力の高さだが、実は全編スペイン語で歌いきったと言うのが一番なのかもしれません。 初見で聴いたときは違和感ありましたけどね。U2はあんまり知らんかったから、まだイケたけど、次のボンちゃんはニヤニヤしちゃったし、なんか気持ちの整理がつかないまま、Queenの名曲にいき、まてまてまて、置いてきぼりの感情と折り合いのつかないままMR.BIGにAerosmithと流れ動悸も止まらずに進む展開に、アルマゲドン級の違和感を受けまくり、ニヤつきも止まりませんでした。ほんと、そのうち、ありの~♪ ままの~♪ 姿見せるのよ~♪ って歌いながらMay-Jが出てくるんじゃないかとドキドキしたもんね。
下記が英訳とオリジナルバンドになります。 ①I Still Haven't Found What I'm Looking For – U2 ②This Ain't a Love Song - Bon Jovi ③Love of My Life – Queen ④To Be With You – Mr. Big ⑤I Don't Want to Miss a Thing - Aerosmith ⑥Angel - Robbie Williams) ⑦That's Life - Frank Sinatra ⑧Pasión Prohibida - Alianza ⑨Fragile - Sting ⑩I Do It For You - Bryan Adams
Various – Sabbath Crosses Tributo A Black Sabbath アルゼンチンのBlackstar Crosses Productionsというレコード会社からリリースされたトリビュートアルバム。 レーベル所属のアーティストを中心とした作りになっていますが、それ以外にもアルゼンチンの至宝Rata Blancaがゲストにグレン・ヒューズを迎えたり、当時はソロだったBarilariが楽曲を提供したりと、気になるメンバーも揃い、選曲の無難さも手伝い。アルゼンティーナなメンツがサバスの名曲をどう料理するかに興味を湧きますよね。 以下参加メンバーと収録曲です
1.Nativo - War Pigs 2.Barilari - Heaven And Hell 3.Plan 4 - TV Crimes 4.Magika - Anno Mundi 5.Rata Blanca & Glenn Hughes - No Stranger To Love 6.Sauron - Zero The Hero 7.Horcas & Andres Gimenez - Children Of The Grave 8.O'Connor - Supernaut 9.Beto Vazquez Infinity - Die Young 10.Los Natas - Paranoid
レイカという女性シンガーをデビューさせたかったのか、福村BabaChan高志を中心とした京都人脈と言われる、ほぼほぼRajasだしX-Rayなメンバーが揃いレコーディングを敢行。楽曲提供まで行い完全バックアップ体制をとっての新人としては豪華なラインナップによる1992年作のデビューミニアルバム。手練手管のメンツからなる魅力はハードポップスタイルのオープニングナンバー『Return to Your Town』から見事に炸裂。適度なエッジを伴ったハードギターとソフトな装飾を纏うキーボード、良く歌うベースと福村のドラミングの相性は抜群の相乗効果を生みだし、歌を邪魔しない手応えのあるハードサウンドで勝負を掛けてきています。演歌にも通ずる和のテイストが出過ぎるが故の古臭さやに時代性を思いっきり感じますが、やはりレイカ嬢のパフォーマンスが聴き手の判断基準となるでしょうね。硬い歌い回しと余裕のなさ、そのヤラされている感に歌唱力不足という面を強く感じてしまい、せっかくのバンドサウンドの魅力を削いでいるなぁと感じてしまいますね。 楽曲提供にコーラスなどでも参加している藤本朗が歌えばエエんじゃないかとも思いますが、それじゃ昔のメンツだし、やはり女性を前に出して売りにいったのかなぁと感じずにはいられません。そういう先入観がマイナスな方向に向いてしまうのですが、余計な事に囚われずに聴くと、違う景色も見えてくるので、女性シンガーによるハードサウンドが大好物な方なら楽しんでもらえるでしょうね。 福村、オズマこと臼井考文、藤本らが提供した楽曲はどれも日本人らしいメロディに彩られたハードサウンドですので、ビーイング系のハードポップマニアが聴いても存分に楽しめるでしょう。打ち込みじゃないんですけどね。にしてもなぁ、ストライクゾーンの甘さがなぁ。我が身を恨むよ。