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Warmachine - Warrior's Soul ★★★ (2017-06-19 14:14:28)

シンガーに元Unitedの古井義明を擁する東京のパワーメタル寄りのスラッシュメタルバンドが2015年にリリースしたシングル。日本人好みの扇情的なメロディとスリリングなプレイを決めるツインギター、アグレッシブかつヘヴィなグルーブが生みだすアッパーなリズム、その中にキャッチネスさも巧みの取り込みつつも、攻撃性を一切緩めいない音楽性は、ある種のカタルシスを開放する事に成功。まさにヘヴィメタルな音楽性を司るドラマ性と、スピーディーな曲調に印象的なメロディを乗せ、しかも分かりやすいという仕事を丁寧に行いつつも、勢いよく迫っています。2曲では、まだまだバンドの全容を見えてきませんが、フルアルバムを聴きたいと思わせるクオリティは十分保持しています。LIVEではUnitedの曲もカヴァーする彼ら、次はMetal Battle Japanでも勝ち抜いて契約出来るとエエですね。


ERUPTION - Cloaks of Oblivion ★★★ (2017-06-19 13:40:39)

2004年から活動を開始したスロベニア出身のバンドがリリースした3rd。スタスタスタターンと小気味よく刻まれるドラムとクランチーなリフワークが醸し出す往年の空気、発声法とマイク調整に頼らない、歌い込めるシンガーの咆哮と懐かしい響きを現代風にアップデートした音楽性は、スラッシュ風味もあるが、ストロングなパワーメタル色も強く、ありそうであまりないVICIOUS RUMORS、METAL CHURCHといった陰影をクッキリと映し出したクールでダークなUS産パワーメタル系バンドの色が強く滲み出ており、緩急を効かせたツインリードのメロディックなフレージングは、押しあい、へし合いとせめぎ立てながら、感情の起伏を巧みに表現しています。激しくも美しいドラマ性、まさにメタルな世界観を見事に構築した音楽性は、実に堂に入った貫禄があり、ヘヴィメタルここにありな、精神性が強く反映されていますね。
ある種の伝統芸能を実直に引き継ぐ姿勢、それは、もとを辿ればNWOBHMだろう。そこにJP仕込のアグレッションを加味し、ドラマ性の高いアレンジとスピーディーな曲調にメロディを乗せる、あの手法だ。親しみやすさとは別のシリアスで閉塞感のある世界観に息も詰まりそうな緊張感を味わいジックリと耳を傾けて欲しいです。保守的な音楽性だが、しっかりと今を伝える事を忘れていないのが最大の肝でしょうね。アメリカ追従のトレンド主義ではない、地に足を着け今の時代をしっかりと生きている。そこが最大の聴きどころでしょう。
紅一点のキュートな女性ベーシストの存在も、むさ苦しい男子ばかりの工業高校に通う、丁度良い感じのルックスを持つ女生徒のようで、エエ感じで華を添えていますね。
全然違うのですが、個人的には何故か古井義明時代のユナイテッドを思い出してしまった。辞めてなければこんな感じになっていたんじゃないのかな?なんてフト思いましたね。


AL ATKINS - Judgement Day ★★★ (2017-06-18 13:32:13)

Judas PriestがまだFreightと名乗っていた頃から1973年までシンガーの座を務めていたアル・アトキンスがリリースした1stソロアルバム。リリース時、話題になったのが『Victim of Changes』のアトキンスヴァージョンが収録されている事、触れ込みとしてはこちらがオリジナルのアレンジだ、などと聴かされていたので俄然期待に胸が膨らみましたね。確かに時代性を考えるとJPヴァージョンよりは少々ブルース色が強いのですが、出来栄えとしては甲乙つけがたい仕上がりになっており、アトキンスの歌声も十分、金看板に泥を塗らない仕様になっていますね。
ある意味、伝説のシンガー初お目見えとしては、やや華やかさに欠ける代物で、マニアックな要素も強いですが、ブリティッシュ然とした作りと、目新しさのない音楽性は、今となっては逆に貴重なモノで、地味な作風とは言えども堅実な作りと演者による一体感のあるパフォーマンスは、聴き応え十分。ソロアルバムと言うよりも、アル・アトキンスバンドと言った趣向と思われる構成が、そのバンド感を生みだしているのでしょう。
こういう音楽を聴いていると、これが英国のバーミンガムから生まれたロックサウンドなんだろうと妙に納得させられますよね。


KISSIN' DYNAMITE - Generation Goodbye ★★★ (2017-06-18 13:12:17)

NWOTHMの旗手といっても過言ではない、ドイツの若手HM/HRバンドが放つ通産5枚目のアルバム。オープニングから活きのいいナンバーが飛び出し今作も自身が培ってきた音楽性にブレを感じさせる事無く小気味良く突き進み、一気に最後まで聴かせてくれます。デビュー作から8年、円熟味を増した堂に入ったパフォーマンス旨み、ある意味、ありもんのアイデアを再構築しただけだと言う意見も聞こえてきそうですが、初期の頃から貫かれるビックなアリーナ風サウンドと、質実剛健なジャーマンメタルとの融合を見事に果たし研磨してきた自信が音となり表れているでしょうね。
シーケンサーを多用したデジタルサウンド、それに負けじと華やかでキレキレのツインギターによる、目の覚めるようなフラッシーなプレイの数々、生身の人間力から繰り出される豪快なリズムプレイと表現力の増した歌声、どれもが一級品だ。
⑦では女性シンガーとドュエットを挟みアクセントになっているのも印象的でしたね。個人的には、やや深みに欠ける音楽性なので熱心に聴きこむ程ではないのですが、一気呵成に突っ走る豪快なサウンドの放つ視聴後の爽快感と、期待を裏切らないメタルファンに対するおもてなしの精神には共感を覚えますね。メタルを聴き始めた若い人には、おススメの一品でしょう。


CHINA - Sign in the Sky ★★★ (2017-06-17 14:11:15)

VoがスイスのCROWNやKROKUSで活動していた、パトリック・メイソンに交代、この交代は大成功で、スイスのBON JOVIと紹介されたポップで叙情的な音楽性にピッタリとマッチ、層の厚いコーラスワークを従え抜群の歌唱力で迫っています。ある意味、確信犯とも言えるソフトケイスされたポップロック路線に、ハードさやスピードを求める方にはチト厳しい内容になっているかとは思いますが、溌剌としたポップフィーリングに彩られた叙情派ロックサウンドは普遍的な魅力を秘めており、哀愁漂うキャッチーなメロディを優しく包み込むパトリックのパフォーマンスに魅了されるでしょうね。
ヨーロピアンテイスト溢れる透明感、スケールの大きいアリーナ風ロックとの融合を高次元で果たし、全編に渡り嫌味なく構成された楽曲は聴き応え十分、ソフトロックやバラードのみならず、瑞々しいポップフィーリングが弾ける⑦なんてアルバムの前後半の句読点のような役割を果たし、アルバム単位で聴いてもダレる事は無いでしょう。フックに富んだ哀愁のメロディ、そのフレーズに弱い歌モノロックマニア必聴と言われる誉れ高き名盤。
サウンドプロダクションも軟派な印象を与えぬよう深みがあるのも好印象。ちなみにプロデューサーは我らがEZOの2ndを手掛けたステファン・ギャルファスで、彼は山田雅樹のボーカルアドバイザーとしても知られていますし、確か元はミュージシャンとして活動してた人物としても知られていますね。


Tsunami - Tough Under Fire ★★★ (2017-06-17 13:37:23)

7年ぶりにリリースされたカルフォルニア出身のバンドによる2nd。ベースのマックス・ロード以外のメンバーは新メンバーによるレコーディング、二人の日本人ギタリストは脱退、でもボーカル兼ギターはKoshi "K.O." Shoyaだし、ドラムもSteve Tsutsumi とクレジットされているのでアジアの血は受け継がれているのでしょう?
7年間のブランクの間にバンドは音楽性をより研磨する事に成功、ある意味、洗練されたメインストリームよりの音楽性になったと言えなくもないが、DOKKENスタイルの叙情派アメリカンロックにシフトチェンジ、勿論、ギターオリエンテッドな作風を貫いており、攻撃性は緩めていない。それはTOOTH AND NAILをLOUDNESS風に仕上げたような疾走ナンバー④や突進力のあるグルーブと叙情的なツインリードが映えるミドルハイの⑧などにも見られるし、エモーショナルなギターをフューチャーした③、ダークな⑨など本格派バンドとしてデビューを果たした彼らの矜持を感じますね。
こういう路線になると、少々歌の弱さが気になるし雑な歌い回しだと思うが、小奇麗に纏め上げるだけではない、ドカドカ激しく打ち鳴らされるリズムプレイのパワフルさや、しっかりと構築されたギタープレイなどが、欠点を十分補っているので安心して聴いていられますね。USマイナーメタルシーンに燦然と輝く隠れた一品と言われ中古市場でも、それなりの値段をつけられるマニアックな一品ですが、安価なコピープレス盤も出ていますので、DOKKEN+KEELにシュラプネル系のソロがねじ込まれる音楽性に興味のある方は手にとって欲しいですね。


Tsunami - Tsunami - Revenge ★★★ (2017-06-16 15:16:07)

シャープですね
US産ならではのメタリックな味わいです
頭の日本語もう少し何とかならんかったかね(笑)
3分を切る無駄のない構成が好きです
日本語以外は迫力満点ですよ


Tsunami - Tsunami - You'll Never Lay a Finger on Me ★★★ (2017-06-16 15:13:16)

ヘヴィなグルーブが楽曲を牽引していますね
この手のナンバーもバンドの魅力の一つ
ソロではバトルを展開してますよ


Tsunami - Tsunami - Ninja ★★★ (2017-06-16 15:09:48)

忍者の神秘的なイメージを描いているのかな?
アルバムの中でも異質なイメージを与える楽曲
大真面目に忍者と向き合っていますね
静と動のコントラストを描きダイナミックに仕上げています


Tsunami - Tsunami - Fire Water ★★★ (2017-06-16 15:06:00)

アルバムのオープニングナンバー
渋めのアメリカンロックに焦がれます


Tsunami (2017-06-16 15:03:28)

昨夜、放送されたクレイジージャーニーの北斎特集を見て、なるほど、今まで全く気にも掛けていませんでしたが、似てると言うかモチーフにしたと言える構図ですよね。火薬さんのコメント見なかったら永遠に気がつかなかったでしょう。


LISA DOMINIQUE - Gypsy Rider ★★★ (2017-06-16 14:59:01)

当時ケラング誌の企画などで、かなりプッシュされていたと言われるイギリス人女性シンガー、リサ・ドミニクの1991年リリースのソロアルバム第二弾。前作よりもソフトな路線にシフトしたとも言われていますが、しっとりとした叙情的メロディを歌いあげる彼女のパフォーマンスも上々で、バックを支える本格派志向のサウンドとも合致し、前作よりも売れたいんじゃ感に無理目な印象が薄くなり、エエ感じでハードさとポップさのバランス感覚が取れていますね。
全てにおいて前作を凌ぐ内容なのですが、1stは大手ダウンロードサイトで手に入るのに、今作は安易なリプロ盤かオリジナルの作品を探すしかなく、作品としてはこちらの方が上なので、彼女の魅力を味わうなら今作から聴いて欲しいですね。哀愁のあるメロディが映えるハードポップサウンドは、歌モノロックを愛する方にはグッとくるものがありますよ。哀メロありロックありバラードありと安定感のある演奏と楽曲に支えられた彼女のパフォーマンスも悪くないですからね。
それにしても、良く出来たアレンジを前に、当時のKISSなどを思い出させますね。嫌味ないわなぁ。


LISA DOMINIQUE - Rock 'n' Roll Lady ★★ (2017-06-16 14:45:25)

Marino The Bandのシンガーだったリサ・ドミニクが1989年にリリースしたソロ転向後の第一弾アルバム。ギターに前身バンドのマリノさんが全面参加しているように、単純に彼女を前面に出し売りたいという関係者の意向も見え隠れするのですが、半裸をさらしたジャケも細身すぎてセクシーさにチョイと欠けるのも残念な仕上がりで、女人禁制を掲げる潔癖症のマニアから反感も買う代物と誰も得をしていないのが気になりますね(安い洋モノポルノなルックスが更に拍車を掛けますね)
肝心の楽曲ですが、チョイハード目の歌モノポップロックが目白押し、アルバムタイトルに偽り無しのストレートな音楽性に嫌味など全くなく、何を聴かせたいかを明確に定めているのが好印象です。その反面、余りにも余白が少なく、ともすれば何を引っ掛からずに、最後までサラリと流れてしまう個性不足が評価を分けるでしょうね。
今日一日を飾る一発目に選ばなくとも、ハードな調べの合間に聴く耳休めに丁度良い、軽快なノリとバックの本格派志向ぶりが心地よく、アレンジ全般を見ても遊ばない分、ストーンと落ち着いて聴かせてくれるのが、この手の堅実なロックサウンドの肝なのかも知れませんね。


MINDLESS SINNER - Turn on the Power ★★★ (2017-06-15 15:33:50)

北欧はスウェーデン出身の5人組が1985年にリリースした1st。この強烈なインパクトを残す意味不明なジャケットに、当時のクサレマニアをたじろがせたマイナーメタルの隠れた名盤と呼び声の高い一枚なのですが、エッジの効いたメタルギターとランニングベース、バンドの屋台骨を支えるハードなドラムと、JP、メイデンと言ったメタルバンドを参考に、北欧メタルの流儀に乗っ取り再構築された一枚。折り目正しい正調HM/HR路線の中に、煌めく北欧テイストが何とも言えないバンド独自の味わいを感じさせ、重厚で劇的な展開を施した作風は、メタル愛に満ち溢れており、どこか親しみやすいメロディの持って行き方などお国柄の成せる技に、胸が焦がれますね。少々ぶっきらぼうな面があり、煩雑とした印象を受けるのですが、メタル的な叙情美溢れる音楽性に共感を覚えずには入られませんね。
この後、バンドは時代の流れを鑑みたのか、音楽性をよりソフトでメロディックな方向性にシフトチェンジ、バンド名のMindlessと変えて数年活動を行うのですが、歌い手のヘタウマ感を考えると、この路線を極めた方が良かったのになぁと思いますが、売れないと飯食えないもんぁと妙に納得させるクオリティではありますね。
ちなみに今作は2003年に再発されたモノと2015年に再発されたヴァージョンがあるのですが、ボートラ扱いの音源が違いますので、マニアなら無視できないでしょうね。


MINDLESS SINNER - Missin' Pieces ★★★ (2017-06-15 15:12:02)

MINDLESS SINNERというバンド名で活動していたスウェーデンのバンドがMINDLESSと改名してから1989年にリリースされた通産2枚目に当たるフルアルバム。
当時の北欧ブランドそのまんまな、糖度の高い透明感溢れるメロディックロックが満載、ALIENやMADISONなどに見られる、適度なエッジを効かせつつも煌びやかなオーロラサウンドの持つ魅力は、ありがちなスタイルではありますが、充実度の高いモノが多数収録され、その筋のマニアなら胸キュン必死な内容を保持しています。
楽曲ありきの音楽性故に、大事になってくるのは歌なのですが、この歌がこのバンド最大の問題点。どこか不安定なギリギリの歌唱が、個人的にどうも乗り切れず、しかもミックスが歌を前に出しているモノだから尚更気がかりにと、好悪の基準となる要因でしょうね。
2003年にCD化された際に、2枚組のボートラが大増量された一品。デモ音源にLIVE、さらにはお蔵入りの次作が丸々収録とお得感満載のボリューミーな再発盤がありますので、往年の北欧スタイルに目が無いと言うマニアなら、一度はトライして欲しい一品ですね。北欧メタルの美点が詰まっていますよ。


NIGHT RANGER - High Road ★★★ (2017-06-13 14:27:28)

前作で完全復活を遂げたと言っても過言ではないナイトレンジャーの通産10枚目の節目となるスタジオアルバム。30年以上のキャリアを考えると多いとは言えませんが、自身の培った音楽性を寸分の狂いなく踏襲。前作で聴かせた瑞々しいポップフィーリングとロックなダイナミズムの融合は健在。このメンツで築き上げたナイトレンジャーなグルーブ、相棒は変われどアームプレイを押し込み派手なソロを聴かせ、新相棒も気を利かせたプレイで旧来のファンを喜ばせる事を忘れない気配りもあり、80年代的なエッセンスを嫌みなく取り込みつつも、昔の名前で出ています的な要素も皆無と充実のバンドサウンドを披露しています。18番のバラードもこれくらいヘヴィな音像の中に取り込まれる方がメリハリが効いていていいですね。昔のようなメタリックギターが無いと淋しいと言う意見も分かりますが、2000年を通過した等身大の魅力が詰まった今の方が無理を感じないので、これで良いと思いますよ。


NIGHT RANGER - Somewhere in California ★★★ (2017-06-13 14:15:37)

盟友ジェフ・ワトソンが抜け、ケリー、ブラッド、ジャックの3人が中心となりバンドを切り盛りする事に、時代はリバイバルブームまっただ中、その余波の中で今作は復帰後のヘヴィな路線を継承しつつも、初期の頃に感じられた爽快だが、どこかセンチメンタルなメロディが復活、嫌みのない快活さと、洗練された楽曲が持つ普遍の魅力は今までの集大成と言って良いほど充実しており、まさに旧来のファンを納得させれるような幅広い音楽性を披露。新ギタリスト、ジョエル・ホークストラもジェフを意識したプレイで、往年のギターバトルを再演したりと、本当の意味での復活作はこれだなぁと思わせる手応えを感じますね。そして聴き手の耳を喜ばせる明朗快活なロックサウンドに思わず笑みがこぼれましたね。


NIGHT RANGER - Hole in the Sun ★★★ (2017-06-13 13:57:01)

前作『SEVEN』から約9年ぶりにリリースしたアルバム。活動は停滞していたようですが解散する事無く継続していたようですね。今作の音楽性もかつてのような瑞々しいポップフィーリングは封印。時代性を加味したヘヴィなリフワークも取り込み、ファットな音像と共に今の時代を生き抜くスタイルを披露しています。ツインギターも絡みも少ないし、ハーモニーは効かせているが質が違うと言うのがファンにとって物足りなさを覚えるでしょうね。とは言いつつもヘヴィな音像の中に組み込まれるポップさには質は違えどナイトレンジャーなポップさを十分に感じ取ることが出来るので、過去の焼き回しに埋没しない等身大のバンドとしての在り方を模索していたのかなぁと思いますね。
正直、このメンバーで、乾いたアメリカンロック路線を進む事に意味があるのかと言われると答えに困るのですが、質の高い音楽性は健在なので、復帰後の彼らの路線を支持する方には迷う事無く手に取る事が出来る一枚ですね。


NIGHT RANGER - Neverland ★★★ (2017-06-12 14:17:51)

国内盤は我らがZero Corporationからリリースされたオリジナルメンバーによる復活作。解散前のソフトなポップを路線の復活でもなく、また安易な初期の焼き回しでもない、しっかりと1997年にやるべくハードなアメリカンロック路線を披露。厚みのあるツインボーカルによる強力なハーモニー、派手目のツインギターと、自らの持ち味を遺憾なく発揮。これぞナイトレンジャーな王道路線にオンパレードに往年のファンは勿論、泣かないメロディックロックが好きな人には安心して耳を傾ける事が出来るでしょう。当時のアメリカでこの路線での復活は相当厳しいモノがあり、覚悟も入ったでしょうが、BIG IN JAPANと揶揄されようが、本分とも言える音楽性で勝負を掛けれたのが、ファンの方にとっては嬉しい誤算だったかと思いますよ。だってこの時期、復活した往年のバンドは皆、それなら、そのメンツじゃなくてもいいんじゃないのって音楽性が多かったですからね。
爽快なメロディを生かしたポップなナンバーや、王道バラードに、気持ちよく駆け抜けるハードサウンドを用意し、自身の復活劇を強く印象付ける事に成功した一枚ですね


NIGHT RANGER - Man in Motion (2017-06-12 13:57:05)

前作のコマーシャル路線を押し進めた一枚。ハードに駆け抜ける疾走ナンバーは影を潜めましたが、アメリカンで大らかなグルーブを生かしたミドルナンバーを中心に、ソツなく纏めてきた印象の強い一枚。ある意味、俺たちはこの路線を極めるんだと言わんばかりの堂に入った風格は出てきましたが、バブリーなサウンドメイクは完全にコマーシャル性を高めた装いだし(キース・オルセンを迎えたんだからね)どこか窮屈でヤラされている感も漂い、その辺りのバランスに耳がついて行けるかが最大のポイントでしょう。初期の頃から貫かれるコマーシャル性とハードさを両立させたバランス感覚の良さ、そしてタイプの異なるツインギターの旨み、全てが中途半端な印象を与える今作、進学校にいる奴が、夏休み期間だけ悪ぶるような、マイルドヤンキー臭が全開なのがハードなモノを好む初期のファンから敬遠され、また売れ線バンドにしては自己主張が強すぎたのか、セールス的に振るわずバンドは解散へ向かう事になったのが残念ですね。


NIGHT RANGER - Man in Motion - Here She Comes Again ★★★ (2017-06-12 13:40:10)

ボブ・ハリガンJrかぁ
軽やかな感触とバブリーなリズムセクションの音質
メロディの持って生き方も王道だね


NIGHT RANGER - Man in Motion - Half Way to the Sun ★★★ (2017-06-12 13:37:45)

ツインボーカル&ツインギターの旨みを堪能しましょう
アルバムの中ではハードな印象の強い一曲


NIGHT RANGER - Man in Motion - I Did It for Love ★★★ (2017-06-12 13:33:46)

ラス・バラードのペンによる哀メロナンバー
ジョー・リン・ターナーの歌声が聞こえてきそうですね
サビの明るさがナイトレンジャースタイルなのかな


NIGHT RANGER - Big Life - The Secret of My Success (From the Motion Picture Soundtrack, "The Secret of My Sucess") ★★★ (2017-06-10 13:51:41)

映画のイメージにピッタリな曲ですね
アルマゲドンのテーマを歌うエアロスミス同様
バンドの本質とは違う所にありますが
良く出来たポップソングです
聴いていて楽しい気分に浸れますね


NIGHT RANGER - Big Life - Hearts Away ★★★ (2017-06-10 13:49:32)

お約束感満載ですがエエですね
売れ線上等ですよ
こう言う曲を上手に料理し聴かせてくれるバンドサウンドが素晴らしい


NIGHT RANGER - Big Life - Rain Comes Crashing Down ★★★ (2017-06-10 13:47:29)

初期の頃にも通ずる世界観が好きですね
ポップはポップでも質が違います
シリアスですなぁ


NIGHT RANGER - Big Life - Better Let It Go ★★★ (2017-06-10 13:45:40)

ナイトレンジャーらしい爽快な一曲
流石のアレンジですね
腐っても鯛ですなぁ


NIGHT RANGER - 7 Wishes ★★★ (2017-06-10 13:28:13)

順調にセールスを重ね成功を収めている脂の乗ったバンドが1985年にリリースした3枚目。まずはドラマ性の高い演出を施したタイトルトラック①で始まるという、今までの流れとは違う貫禄のある楽曲からスタート、サンドメイクでは早速、今までよりライトな方向に傾いていますが、爽快な②、ナイトレンジャー節炸裂と言っても過言ではない胸キュンポップロックな③、力強いコーラスハーモニーも印象的な④、シングル向けのバラード⑤と商業的なアプローチにも抜かりなく計算された楽曲を盛り込み流れ良く進みます。そして装いも新たにメロディックで押しの強いハードな⑥で後半戦スタートといった趣の構成は見事だ(レコードで言う所のB面ですね)。
品行方正なロックサウンド、爽快なメロディ、派手なギターとツインボーカルの旨み、今までの流れをしっかりと押さえつつ、より幅広いファン層に向けた作りは、相変わらずスキが無くレベルの高い一枚だなぁと感心させられますね。


NIGHT RANGER - Midnight Madness - Chippin' Away ★★★ (2017-06-09 14:49:40)

ツインギター&ツインボーカルの旨みを堪能できる一曲
ナイトレンジャーな魅力に溢れていますね
あらゆるタイプの曲でも楽しませてくれる懐の深さに脱帽です
メロディがエエよ


NIGHT RANGER - Midnight Madness - Passion Play ★★★ (2017-06-09 14:47:43)

ツインギター&ツインボーカルの旨みを堪能できる一曲
強力な前後に挟まれ地味目の印象を持たれるが
これぞナイトレンジャーな魅力に溢れていると思います
スキがないんですよねアレンジに
でも余白を残しているのが素晴らしい


NIGHT RANGER - Midnight Madness ★★★ (2017-06-09 14:45:04)

前作同様、元気いっぱいもう一杯なアメリカンロックで幕が開ける2nd。その方向性は前作の成功による後押しなのか、自身から漲るモノなのか、より一層の表現力の豊かさをアピールする事に成功。シングルとして大成功を収める④や非の打ちどころのない⑦の魅力たる、爽快感と甘酸っぱいひと夏の恋を思わせる憂いのあるメロディの融合。これらのヒット曲に引っ張られより多くのリスナーを獲得する事に成功したのでしょうが、バンドの本分たる魅力はそれだけには留まらず①のようなノリノリのアメリカンロックは勿論、②③のながれのカッコよさ足るや(特に③のメロディックなハード路線のカッコよさに悶絶)、バラードを挟み、優等生極まりないがロック然としたダイナミックな⑤もつパワーはバンドの根幹を成すモノ、単なるソフトケイスされたバラードバンドなどとは、大違いの魅力を体感する事が出来るでしょう。名曲⑦の前後で存在が霞みそうですが、ナイトレンジャーな魅力溢れる⑥⑧のバランス感覚の良さも見逃せませんね。キーボードを前面に押しつつもハードな質感を損なわない工夫と、ボーカルハーモニーを強烈に生かしたアレンジセンス、そこにねじ込まれるツインギターの派手目のプレイの数々、1stと共にアーティスティックな一面にも触れる事の出来るナイトレンジャーのなんたるかを存分に味わう事の出来る一枚ですね。


NIGHT RANGER - Dawn Patrol - Play Rough ★★★ (2017-06-09 14:26:57)

ツインギター&ツインボーカルの旨みを堪能できます
何気ない曲でもバンドの魅力を端的に表現しています
ハードな質感と爽快感が丁度良い感じですね


NIGHT RANGER - Dawn Patrol - Can't Find Me a Thrill ★★★ (2017-06-09 14:24:36)

ツインリード&ツインボーカルの旨みを体感できますよね
Aメロが好きです
キュンってなるわ


NIGHT RANGER - Dawn Patrol ★★★ (2017-06-09 14:23:03)

後年シングルでリリースしたバラードを中心にスマッシュヒットを飛ばした事により、ポップロックバンドの代表格のように扱われる事の多かったベテランアメリカンロックバンドの記念すべき1st。
既にある程度のキャリアのあるメンツが揃っているので、その実力の程は折り紙つき、オープニングの①から遺憾なく才能を発揮しているのですが、タイプの異なるギタリスト二人によるソロは圧巻だし、フェードアウトする事無くバチーンと曲を〆てくれた事で気持ち良く次の曲に進む事が出来るのが最高にカッコいい。甘口な②を聴き進めての①の余韻に浸りながら、この爽快な曲調を楽しめるのも素晴らしい構成力だ。
女性が華やかなメイクを施すようにアランのキーボードが楽曲に華やかな装飾を装い、二人のボーカルが強力なハーモニーを武器に彩りを装い、そしてツインギターによる、火花散る技巧のぶつかり合いが、バンドの個性的な魅力を誘発する事に成功。その感触の優しさ故に、スリルは薄いかもしれないが、質の高いパフォーマンスはディズニー制作のアクション映画のような、品行方正だがダイナミズムに溢れたスキのない作りが施されており、気持ちよく聴きこむ事が出来ますね。
派手なバンドの代表曲①もいいが、ミュージシャンシップの賜物だよなと思わせる憂い系の⑤の盛り上げ方の巧さや、バンド名を冠した⑩など後半の流れが好きですね。⑥なんてキュンとさせるじゃん。


大村孝佳 - Devils in the Dark ★★★ (2017-06-07 15:53:41)

Liv Moonを経てBabymetalとのお仕事もこなす若手辣腕ギタリストの一人、大村孝佳がシンガーにアカネ・リブやラッセル・クロウ、LIVEでも共演を果たしたマーティー・フリードマンなど多彩なゲストを迎え入れ2013年にリリースしたソロアルバム。速いパッセージを織り込んだメロディックなギタープレイは健在。曲を殺さない弾き倒し方もカッコ良く決まり、ここ数年、自身のソロ以外での活動が無駄になっていない事を見事に証明してくれました。テクニックに埋没しない、聴かせる事と凄技で聴き手を圧倒する事の離れ業を見事にやってのけているようで、その充実したプレイを前に個人的には聴いていてワクワクゾクゾクとさせられましたね。
情感たっぷりなインストナンバーからマーティーとのバトルまで収録、歌モノも歌い手の資質を考えた適材適所にはめ込んでおり、その辺りにも不満はないでしょう。日本人好みのメロディックメタルサウンドを多くにリスナーを惹きつける要素も大。Babymetalとのお仕事を契機に、ここで一発名前を挙げて欲しいですね。


BAD LOSER - Utter Indifference - The Right Answer ★★★ (2017-06-07 15:18:04)

スケールの大きいバンドサウンドに酔いしれます
温かみのある南の歌声もピッタリと優しく寄り添っていますよ
バンドの魅力を端的に物語っていますね


BAD LOSER - Utter Indifference - Tear It up ★★★ (2017-06-07 15:15:58)

甘口な楽曲が続いたのでスピードナンバーには否が応でも反応しますかね
南の甘い歌とタイトなリズムプレイが援護射撃
ツボを押さえたイブシ銀のギターも光ります
ソロでは藤井とバトルして欲しかったなぁ
あえてキーボードを押さえたアレンジがハードさを演出していますがね


BAD LOSER - Utter Indifference - Get into Action ★★★ (2017-06-07 15:12:14)

藤井の多彩な鍵盤プレイも光りますね
イブシ銀のギターもエエ辛みを魅せています
甘口な曲が多い中ではハード目の歯ごたえのあるインストナンバー


BAD LOSER - Utter Indifference - Black Wall ★★★ (2017-06-07 15:09:41)

キーボードを大胆に生かしたメロディックなミドルナンバー
聴き応えがありますね
デモ音源よりも短くなっています


BAD LOSER - Utter Indifference - Back Street ★★★ (2017-06-07 15:07:05)

アルバムのオープニングナンバー
軽やかだがどっしりとした風格を感じさせます
的確なアレンジがメロディ派のハートを射抜きますね


BAD LOSER - Utter Indifference - 1945 ★★★ (2017-06-07 15:05:19)

のちにEPにも収録される哀愁のメロディックHM/HRナンバー
Hurry Scuaryにも通ずる魅力がありますね


ACID - Live in Belgium '84 ★★★ (2017-06-05 17:12:38)

2009年に突如世に出た1984年にベルギーで行われたLIVE音源。正直音のバランスも悪く商品としてはかなりの荒削りだが、マニアとしては当時の熱気と共にパッケージされたバンドの等身大の魅力を体感できる一枚として、リリース時は熱心に耳を傾けましたね。意外とシンガーのケイト嬢がパフォーマンス力を下げる事無く歌いきっているのにも驚きました。どこか甘く舌ったらずな歌声が醸し出す野良猫スケ番ロックなヤサグレ感がたまらんわい。そして機材トラブルも含め、ミスもそのままにギミックなしのLIVE音源を届けてくれた、荒くれ暴走ベルギーメタルが放つ乾坤一擲のパフォーマンスに焦がれました。


Acid - Don't Lose Your Dreams ★★ (2017-06-05 16:43:40)

ドイツのトリオバンドが1989年に苦節10年を経てリリースした1st。当時のドイツと言えばカボチャメタルをイメージさせるのですが、こちらのバンドが出している音は、あのSINNERばりの哀愁路線のHM/HRサウンドを披露。シングルギターなのですが、ハモリのツインリードが飛び出したりとLIVEでの再現に不安もあるのですが、屈強な男のダンディズム溢れるTHIN LIZZY風サウンドとジャーマンメタルの相性は悪くないのは証明済みなので、その筋のマニアならニアニアとしながら楽しむ事が出来るでしょう。全10曲34分のランニングタイムが示すようにコンパクトな楽曲が適度な疾走感を伴い小気味よく進む構成も見事にハマり気軽に楽しめるのも好印象。意外とあるようでないのが、SINNERタイプなんでね。でもね、歌は雰囲気モノのヘタだし、あぶなっかしい演奏なんですが(雪崩式ブレンバスター並みの破壊力にズッコケますよ)クサレD級メタルを愛でる性質のワタクシは大いに楽しんでいます。


SATAN - Suspended Sentence ★★★ (2017-05-31 13:02:24)

ブライアン・ロスと袖を分かち、新シンガーにルー・タイラーを迎えバンド名をBlind Furyと改名、アルバムをリリースするもバンドは短命に終わり、メンバーチェンジと同時にバンド名をSatanに戻しリリースされた2ndだが通産3枚目とも言えるのが今作。その迷走ぶりが示すように1st以降の作品の認知度がイマイチ低く、その英国メタルのイメージを具現化したようなシンガー、ブライアン・ロスとは余りにも違う歌い手とのアグレッシブな方向性へと進んだ事による感触の違いで敬遠されているのなら残念なのですが、二本のギターが所狭しと暴れ倒しつつも美麗なフレーズを盛り込んだ濃密な世界観はまさにSatanここにありと言わんばかりの自己主張がハンパなく鳴り響いており、英国的な様式と時代を見越したアグレッションの融合が高次元で結びついています。さすがは大手Steamhammerとの契約に漕ぎつけただけの事はありますね。とは言え軽めのリズムセクションには殺意すら覚えますが、このラインナップで流れ込んだ次のバンドPariahでありそうなスラッシーなナンバーから、ドラマティックな様式美系のパワーメタルありと緩急を効かせた楽曲は、新たにシンガーの座に就いたマイケル・ジャクソン氏のダーティーな声質との相性も悪くなく新たなる可能性を示唆していますね。

今作リリース後、まもなくバンドはよりアグレッションを極めた方向性へ向かうべくPariahと改名してアルバムを2枚リリース、1990年を前にバンドは活動停止を余儀なくされるのですが、個人的には作品云々よりも、その腰の据わりの悪さと、レーベルに責務を押しつけるだけではなく、バンド自身のプロモーション活動事体に問題があったと思っています。毎年のようにコロコロと名前が変わり、アルバム出し取ったらファンもついて行きづらいっすよね。

スティーブ・ラムジーとラス・ティッピンズによるアイデア豊富なリフワークから派手なリードプレイを楽曲に持ちこみ、ドラマ性とアグレッションを併せ持った楽曲で聴き手も魅了しているのだから、現在の認知度が残念でなりませんよ(ドッタンバッタンしとるけどね)。
今作単品のCD化は記憶にありませんが、前年度リリースの4曲入りEPとのカップリングでCD化もされたし大手ダウンロードサイトでも安価で手に入るので、マニアなら手元に置いときたくなる一品でしょうね。


WHITE WIDDOW - Serenade ★★★ (2017-05-30 14:02:03)

オーストラリアのバンドなのですが、軽やかなキーボードにフラッシーかつテクニカルなギターがねじ込まれる80年代型のメインストリームHM/HRサウンドを踏襲。嫌みのない音楽性は先人達の美味しい所を余すことなく披露、個性不足感は否めませんが、奇をてらわないアレンジと曲作りは、好きのもには安心安全の高品質ブランドとして、心を開放し耳を傾ける事が出来ますね。
ビックギターとビックコーラス、嫌いな人にはトコトン嫌われそうですが、ZEROコーポレーションが現存していたら絶対にほっとかない的確にツボを押さえた作風は、ある意味BIG IN JAPANなアルバムだ。
メインストリームと言っても昨今のアメリカンロックとはチョイと違うので、所謂グランジ以降のヘヴィロックの影響を受けたリフワークは出てこないし、2000年以降のヘヴィロックバンドに見られるラップのグルーブを持ちこんだヘヴィサウンドは皆無だ。
それ故に、物足りないと感じる面も強いでしょうが、美的センス溢れる普遍のメロディは万人に受け入れられる要素も大、アルバム単位で聴いても飽きさせないバランス感覚の良さ、エッジは聴いているが感触のよいギター、ハードなドラム、個性不足な歌い手も逆に方向性の妨げにはなっておらず、キーボードの使い方も含め、良く計算された一品ですね。
メロディ派は勿論ですが歌モノHM/HRを愛する方ならマストバイな一品でしょう。普段、貧乏くさいマイナーメタルばかりを聴いている貧相なワタクシの耳には尚更そう感じましたね。


Vanishing Point - Twilight Zone ★★ (2017-05-30 13:43:12)

自主制作ですが1988年リリースの記念すべき1st。音質はアレですが、大上翼はベースに専念して新たにキーボードプレイヤーが加入、5人編成になったのも功を奏しているのですかね。線の細さを隠す為なのか、ボーカルの処理の仕方も気になりますが、前作にあったバランスの悪さは改善されバンドとしての成長を感じるのが最大の聴きどころ。音楽的路線も幅は広げてきてますが前作同様、歌謡ロックな様式美系サウンドを踏襲。定番だし甘口カレーなんですが、妙な古臭さが何とも言えない懐かし空気を醸し出し、こちらも4年に一度は聴きたくなる一品ですね。
ある意味、国産HM/HRの欠点が抽出されているような感覚が聴き手を思いっきり選ぶだろうし、他に聴くべき作品はいくらでもあるのですが、様式美系に目が無い猛者なら無視する事は出来ないでしょう。


Vanishing Point - Fantasy of Future ★★ (2017-05-30 13:26:12)

水木麗とベースとキーボードを兼務する大上翼の女性二人とMr.SHINJIと名乗るインギー大好きギター塙神技(こんな字だったような?)、ドラムのNoguchi Kazuhikoの4人が参加する1987年リリースの7曲入りEP。
歌謡テイスト満載の歌メロとアニソンよろしくなメロディ、そこにねじ込まれる日本人好みのコッテコテの様式美系サウンドにむせかえりますが、自主制作とは言え、この奥行きのない平坦な作りと、歌とキーボードを妙に前に出したミックスのキテレツ感、キックの聞こえてこないドラムに代表されるような穴だらけのボトムでは迫力が全然伝わらず、せめてチョコレートの紗々ぐらいの小まめにギュッとした穴だったらなぁと思いますが、とにかく迫力に欠ける音作りが、メタル系としては大いに不満を覚えますが、良く鳴り響くキーボードが作りだすドラマ性は様式美系を愛するモノには、ノッペリとした歌も、歌謡テイスト満載の歌詞も、雑なギターも含め、どうしても無視する事が出来ず、4年に一度は向き合いたくなるオリンピックイヤーな作品ですね(全7曲36分少々のランニングタイムを長いと感じさせる作品はそうあるもんじゃないぞ)


SENTINEL BEAST - Up From the Ashes ★★★ (2017-05-23 17:15:21)

2007年頃に女性看板シンガーだったデビー・ガンが復活、その勢いもあったのか、今作は初期のデモ音源を商品化させた一品。幻の1st収録の別ヴァージョンもあったり、マニアなら聴き比べるのも一興でしょうかね。ラスト2曲は1987年レコーディングのモノで、1stリリース後と言うのもあり、多少なりとも音楽的な変換もありそうですが、ドスを効かせたパワーメタルサウンドの破壊力たるやね。デモ音源らしいラフミックスと相俟って独自の色合いを濃く映し出しています。初期の頃から変わらぬUSマイナーメタルバンドらしい、けたたましいサウンドはマニアならずとも、つんのめって転げ出すカッチョ良さにビンビンとメタル魂を震わせるでしょう。でも耐性のない方には少々厳しいかも知れませんね。
スピード命、このドサグレ野良猫スケ番ロックな歌声に共感出来るマイナーメタルを愛する猛者には、言わずもがなな一品ですよ。EXODUSなど多くのスラッシュ系バンドと同系統にあるデモ音源を聴いたときと同じような感覚を味わいましたね。NWOBHM、メイデン、JPなどの影響が強いんですよ。


SENTINEL BEAST - Depths of Death ★★★ (2017-05-23 16:57:31)

Metal Blade主催のコンピ作Metal Massacre VIIにも楽曲を提供している。US産のスピード/スラッシュHM/HRバンドの記念すべき1st。とにかくアグレッシブかつスピーディーな楽曲が目白押し、US産マイナーメタルらしいガチャガチャとしたやかましさ故に、整合感の高いキャッチーなメジャー級の作品に慣れた人には、かなり厳しいモノとなるでしょうね。たぶん、煩いわと言われ音量を下げられるかチェンジを余儀なくされる代物でしょう。
しかし個人的にはこれぞメタルだよなぁと言わしめる怒気と破壊力に恐れ戦き、何物も寄せ付けない誉れ高きメタルスピリットを存分に味わい崇め祭りたくなります。音楽性に関しては火薬さんのコメントに付け加える要素はなし(いつもそう思っているのですが)とにかく当時のメタルシーンの底力を体感したい人は是非とも手にとって欲しい一品です(大手ダウンロードサイトで安価で手に入るのでね)


DAGGER - Not Afraid Of The Night ★★★ (2017-05-22 14:08:38)

Hell'S Daggerと言うバンド名からDaggerに改名しリリースした1st。1985年と言う時代の空気を吸い込んだサウンドとファッションは所謂グラム系と呼ばれる一群なのだが、カナダ産らしく、ビシッと一本筋の通ったシリアスな雰囲気がありバカっぽさと言うか軽薄さは幾度感じさせないのが肝だろう。その生真面目さが、どっちつかずな印象を与えイマイチ跳ねる事無く今作リリースを最後にバンドは活動休止。そのせいもあり知名度も皆無となるのですが、大陸的おおらかなグルーブとキーボードをフューチャーして空間を広げたポピュリズム溢れる音楽性の質はけして低いモノではないので、その筋の湿り気たっぷりで泣き泣きのメロディが苦手だと言う方には十分に楽しんでもらえる要素も強いですね。ポップロックあり元気なハードブギーありと、王道ロックサウンドをしっかりと押さえた堅実さが安定感を運んでいますよ。


COBRA - First Strike ★★★ (2017-05-20 18:08:08)

不世出の天才ヴォーカリストといっても過言ではないジミ・ジェイミソンがシンガーを務めるバンドのデビュー作。ギターは後にAISAやGotthard、Krokusに参加するマンディ・メイヤー、そしてリズム隊もKrokusに参加するジェフ・クラウンとトミー・カイザーの二人がいる、ある意味スーパーバンドとなります。その名うてのミュージシャンが集いし音楽性は、男前なハードさと、洗練されたクールながら熱を帯びたロックサウンドが鳴り響く、硬派なメロディックHM/HRサウンドを披露。SurvivorやAISAなんかよりもハードな色も濃く、それでありながらもメロウなフレーズを惜しげもなくねじ込み、咽び泣かれる熱を帯びたクールヴォイスとテクニックに裏打ちされたアレンジメントが随所に蔓延り、ガッチリとロック色をキープ、そしてポピュリズムを満たすべく洗練度と質の高い楽曲を収録する事に成功、バラードからポップソングまで満遍なく放り込み、最後まで中だるみなく緊張感を保ちながら押しとおすのだから凄いですよね。

個人的にSurvivorの曲単位は素晴らしいが通して聴くと、優等生過ぎてどうもダレるし、その反動で物凄いヘヴィなモノを聴きたくなる衝動に襲われるのだが、今作はその両面を上手に抑えているのが最大のポイントとなっています。プロデューサーに迎えられたトム・アロムの手腕ならエエ仕事をしましたね。
質の高い音楽性故に今作のみで終わったのが残念なのですが、これぞ隠れた名盤として歌モノHM/HRマニアには強くおススメしたいですね。


INEPSY - Rock'n'Roll Babylon ★★★ (2017-05-19 14:36:03)

カナダのツインギター編成、4人組による1st。砂煙上げ突進してくる様はまさに初期TANKだしMOTORHEAD風味満点だ。しわがれた酒焼けヴォイスも尚更、その空気感を生みだすだろう。キャッチーでパンキッシュ、ロックンロールなグルーブと突破力のあるリズムはメタルファンの耳を楽しませる事も可能だろうし、ある意味、パンクファンも十分に満足させられる要因も十分に感じられ、そのバランス感覚が最大の聴きどころだろうし面白さにもつながると思います。ハードコアパンクスの流儀に乗っ取った激しいビートと枠組みのしっかりとしたメタルな世界観が激しく絡み合っている様が、実に丁度良いバイオレントな空気を生みだしオリジナルティを確立しているのも興味深いですね。


IRON DOGS - Cold Bitch ★★★ (2017-05-19 14:22:00)

ボーカル、ギター、ベースをこなすJo CapitalicideとドラムのDan Leeによるプロジェクトチームなのかな?自身が愛するメタルはこれなんだと言わんばかりの自己主張がエグイ。2012年のモノとは思えないペラい音質、これは狙ったんじゃなければね、と思わせる作り込みの拘りが好悪を分ける要因でしょう。MOTORHEADやTANKといった荒々しいパンキッシュさとドラマ性と称えたメタルな世界観はメイデン風、その両者の特性を持てあますことなく融合する事に成功、そこに荒々しさMAXのヘタウマな演奏が乗っかるのだからね。。好きモノにはたまらない、NWOBHM直系のスピードメタルのオンパレードに咽びます。
個人的にはもう少し落ち着いて欲しいのですが、雪原の上に全裸にマントを纏う血だらけの女性が剣を構えているジャケを見た時に想像は出来ていたので、問題ナッシングですよ。でも万人には進めるのは憚られますね。


GRINDPAD - Sharkbite! ★★★ (2017-05-19 14:00:23)

オランダ産のスラッシュメタルバンドが2017年にリリースした4枚目のEP。懐かしきクランチーなリフワーク、スタスタスタターンと駆け抜けるドラムの響き、往年のベイエリアスタイルの匂いがプンプンと漂う音楽性に、個性不足は否めないが、あの時代の空気をそのままにパッケージし現代に再構築した作りは、全5曲16分と言うランニングタイムの短さも手伝い、一気に聴かせてくれます。ありがちな手法故に、こんなもん、○○の模倣だし質の低いパクリだから、オリジナルを聴いた方がましだ言われると、返す言葉もまぁまぁないのですが、皆がシェアするアイデアなんだよと好意的に受け止め楽しんで欲しいですね。個人的には初期衝動を擽る熱の籠った音楽性と小気味いいスピードナンバーの連発に、首の疼きが止まりません。また過剰なデフォルメをしない生っぽい音も好きだし、好きな事を全力でやっていると思わせる、凄みとキレ味の鋭さにうねりますね。噛みつかんばかりの獰猛さがたまらんねぇ。


FIERCE HEART - Fierce Heart ★★★ (2017-05-17 15:20:57)

後にクリスチャンHM/HRバンドWHITECROSSのギタリストとして名を馳せるレックス・キャロルがギターを弾くバンドの1st。ベース兼ボーカルのラリー・エルキンスのジョー・リン・ターナー+ジェイムス・クリスチャン÷2な歌声が映えるストレートでパワフルかつブルージーなアメリカンロックサウンドを披露、当時国内盤がポリドールからリリースされるだけのクオリティは十分保持されていますね。楽曲によっては繊細なメロディを生かしたバラードや叙情的なポップサウンドなども用意されていますが、キーボードを隠し味に、間口は広めだが口うるさい玄人も唸らされるアレンジメントが効いており、ハードさを損なわないダイナミックなサウンドはロックの醍醐味を存分に感じさせるもの、とにかくパワフルだがダンサンブルなグルーブが心地よく鳴り響き、多彩なギターワークが根幹をなすアメリカンロックかく在るべきなスタイルをギミックなしにぶつけていますね。
ちなみに今作でミキシングのみならずドラムを叩きバンドを助けたのが、樋口宗孝や二井原実のLOUDNEE組にEARTHSHAKERの石原慎一郎とBLIZARDの寺沢功一らで結成されたSLYのようなメタル系以外にも、ポピュラーミュージックでも辣腕を振るう、エンジニアのクリス・ロード・アルジですよ。


THE GREAT KAT - Worship Me or Die ★★★ (2017-05-15 17:37:27)

日本語に訳すと『私を崇拝するか死ぬか』というタイトルと持つ、往年の大映ドラマでも言わねえぞと突っ込まずにはいられないセーラー服反逆同盟な(スケジュールが忙しくキャスティングされた中山美穂が他の演者と共演シーンの少なかった記憶があるドラマ、仙道敦子とのダブル主演とも言えるが、ワタクシは弓削 ルリ役を演じた山本理沙派です。ちなみにVIXENならシェア・ぺターゼン派)
イメージを抱かせるが、その期待に沿ったハチャメチャなネオクラスタイルのスピードメタルサウンドを披露。よりキレまくりなのは次作ですが、今作も負けず劣らずの破天荒さを披露、所狭しとカット様のクラシカルギターのオンパレードにビビります。もう少し間を考えた方が聴きやすいに決まっているのですが、今作はカット様の責め苦に耐えれるメタルドM大集合なので、『私を崇拝するか死ぬか』を地で行く猛者限定の一品として、当時のマニア筋を恐れひれ伏せさせていましたね(-100点か100点かの二者択一な作品)。
かくゆうワタクシも、いつも5曲目の『DIE DIE DIE』辺りのコーラスパートまでくると、余りの責めの強さに耐えれず中座を余儀なくされるのですが、予定調和なんて嫌だ、俺を裏切って欲しい、そんなブッ飛んでるメタルが聴きたいと思う方には2007年にポーランドのMetal Mind Productionsからリマスターで再発されましたので、カット様の手ほどきによる無間地獄に招待されてはいかがでしょうか?それにしても今回、久しぶりに通して聴いたけど、肩凝ったわ。目がシバシバしてますよ。


THE GREAT KAT - Beethoven on Speed ★★★ (2017-05-15 17:12:33)

今よりも色んな事におおらかだった80年代、その中でもゴシップネタに事欠かなかった、名門ジュリアード音楽院出身の経歴を持つメタルビッチ嬢王の名を欲しいままにした(今も現役、是非とも動画を探してみて欲しい)Great Kat嬢のソロプロジェクト第2弾。その豊かな音楽性をバックボーンに確かなテクニックはあるが、破天荒極まりない楽曲構成に、初見で聴いたときは唖然としてしまい。最後まで辿りつけず、口をポカーンと開け無言のままケースに閉まった青春時代。修行の足りなかった我が身を恥じるのですが、今作における超絶無敵のネオクラギターと、ハイピッチで喚き立てるカット嬢の歌い回しにビビりっぱなし、筋もめちゃくちゃなスプラッターホラームービーを終始魅せられているような不快感に、評価も超絶にナシな方向に傾きそうですが、ハマった時の破壊力は相当なモノがあり、とりあえず、面白くないけど、なんかスゲェもんを見たような不快感が、一周回って、逆にもう一度味わいたいと思わせるのだから恐ろしや。
好きモノだけが通る道故に、万人に進める事は理性が許しませんが、本能では是非とも試してもらいたいと思わずにはいられない、究極のハチャメチャなネオクラサウンドに脳みそが蕩け出します。随所に設けられるクラシカルな楽曲を引用したパート、彼女が培った音楽的土壌、きっとエエとこのお嬢サンだったのに、都会に出てきて、突然ロックを知り人生を踏み外したようなストーリーを想起させてしまい(親御さんの事を思うと涙が…)余計な心配もするのですが、マイナーメタルにすっかり耐性が出来た我が身としては、年に一度は聴きたくなる一品です。本来クラシックってのは裏切りの連続なのかも知れませんね。


AXE CRAZY - Ride on the Night ★★★ (2017-05-15 16:39:31)

Axe Crazyというバンド名を聴かされるとイメージが湧くのがNWOBHM界でも随一のスピードを誇ったJAGUARの代表曲を思い出すのですが、このバンドはまさに、その音楽性を現在に蘇らせたような方向性をとっており、その筋のスピードメタルが好きな人ならたまらんモノがあるでしょう。疾走するツービート、タイトなドラムとメイデンよろしくなベース、随所に盛り込まれるツインリードの印象的なフレーズ、歌い手の線の細さは少々頼りないが、愛すべきNWOBHMスタイルを前に戯言は無用。濃密な80年代エキスを、しじみエキスばりに薄める事も無く、でも飲みやすいようにコーティングした作りになっており、古くて新しい正統派サウンドとして若い人にも十分、楽しんでもらえるでしょう。グランジ以降のアメリカを通さないメタルと言うのは、ある意味、メジャー級のレコード会社からのリリースとなると、ほぼ皆無なのですが、天下のNo Remorse Recordsからは、こういった音源がドンドンとリリースされるので、マニアなら安心して聴く事が出来るでしょう。温故知新に埋没しない新時代の正統派メタルに胸躍りますね。ポーランド出身の5人組、2014年にはミニアルバムをリリース。その2年後に迎えた待望の1st。NWOBHM、JAGUAR、ハリス風ベース、これらのキーワードにピンと来るならマストバイなアイテムですかね。
このバンド、てっきりコメントしていると思っていた。老いは怖いなぁ。コメントしてると本気で思ってたもんね。


Thunderheart - Night of the Warriors ★★ (2017-05-10 14:47:06)

スペインはマドリッド産の正統派HM/HRバンドが2015年にリリースした1st。トリオ編成と言う事なのですが、それなりのキャリアがあると言うメンツが揃ったので、記念に作ったデモ音源集ではないので安心して聴けますね。そして方向性もスペインらしい情熱的な血沸き肉踊るメロディックメタルサウンドを披露。まさにNWOTHMな作風故に食傷気味だなぁと感じる人もいるでしょうが、パワー&メロディ、スピードの三拍子が揃った音楽性は、その筋のマニアなら見逃す事を許さないクオリティは保持しているので手を出しても怪我する事はないでしょう。それにしてもヘヴィメタルのグローバル化は目覚ましいモノがある、商業大国アメリカの主流となるヘヴィロックなど見向きをしなくとも作品がリリース出来るのだから時代は変わったなぁと大きく感じますね。豆に新譜をチェックする事のないワタクシですが、ここ2、3年の充実ぶりには目を見張るものがある、自身の音楽性を鑑みると今が一番、ヘヴィメタルの春を感じますね。


Satan's Hallow - SATAN'S HALLOW ★★★ (2017-05-10 14:21:03)

イリノイ州はシカゴを中心に活動を行っていた女性シンガー、マンディ・マッテイーロを擁する5人組による2017年リリースの1st。(マイナーなドイツのレーベルだったので手に入れるのに苦労したわ、何故ダウンロード版がないんじゃ)
ドイツのUnderground Power Recordsからのリリースと言う事なのですが、マイナーレーベル故に知名度は低くとも作品のクオリティは申し分なく、まだ5月ですが今年度のマイナーメタルシーン一番の名盤と言っても過言ではない出来栄えを誇る一品。シャッフル調の渋めのナンバーもありますが、NWOBHMの洗礼を受けたトラディショナルな王道サウンドを披露、余りにも実直なスタイル故に余白の少なさに不満を感じる趣もあるでしょうが、ツボを押さえまくったメロディックなツインリード、ボトムを支えるベースとタイトでアタッキーなドラミングの旨み、そして無理する事無く歌い込める女性シンガーの存在、全てが丁度良く収まり、やりすぎ感の無さが本当に聴いていて気持ちがよい。
様式美的なムードもあるが、より屈強で哀愁のメロディが程良く絡み合う絶妙なハードさが最大に聴きどころでょう。もはやこの手の音楽性はNWOTHMなどと呼ばれる一過性のモノではない事を証明するような勢いを感じさせるのも頼もしい限りですね。
色彩豊かな作風を彩るツインリード、シャープなリズムセクションのメタリックな響き、これぞヘヴィメタルですよ。古めかしい音だけど、個人的にはドンピシャリです。でもこの手の作風は実直過ぎて飽きのサイクルが早いのが玉に傷なんですけどね。


NORDIC UNION - Nordic Union ★★★ (2017-05-05 15:32:18)

Frontiers Recordsに所縁のある北欧ならびにレーベルを代表するソングライターの一人がエリク・モーテンソンが、レーベルの意向を受け、PRETTY MAIDSのロニー・アトキンスとコンビを組んだプロジェクトチームによる第一弾のアルバム。北欧らしい煌びやかで繊細なメロディが華麗に舞う、あの路線を真っ向から取り組むロニーのパフォーマンスは圧巻の一言。ハスキーでやや武骨な声質のロニーだが、甘めのキャッチーな曲からネオクラ風味の曲まで、ファンの間では評判の悪い『JUMP THE GUN』を彷彿とさせる歌い回しで見事に期待に応えていますね。どこを切っても北欧風味満載のメロディック路線故に、日頃からこの手の歌モノHM/HRが好きな人にはたまりませんが、所謂、速くないとダメって人には少々辛いかも知れませんね。
フックに富んだ甘美なメロディの応酬、それらをロニーが歌えば、ある意味PRETTY MAIDSに聞こえてしまうと言う、彼の個性と力技に驚いたし、プロジェクトチームにありがちな、ボツ曲の寄せ集めではないクオリティの高い楽曲を用意している事に驚きましたね。そりゃ国内盤は天下のワードレコーズから出るわな。
甘い北欧風ナンバーとガッツ溢れるロニーの究極のミスマッチ感が最大の聴きどころでしょう。よう纏めたわ。ギターソロもグッとくるパートがあるね。エリク・モーテンソンの才が爆発してますよ。優しい曲やで、包容力がハンパない、普段雑誌のレビューが踊るメジャー級の作品に触れる機会が少ないので尚更、そう感じますね。テンションを下げる事無く最後まで走る抜けるとはアッパレだ。


KAREN LAWRENCE - Rip and Tear - Out of the Blue ★★★ (2017-05-03 11:26:08)

ロックなパッショネイトが青白い炎となりチリチリと燃えています
上手い歌と演奏に支えられたプロフェッショナルな一曲
聴きやすさが丁度良い


KAREN LAWRENCE - Rip and Tear - Never Enough ★★★ (2017-05-03 11:21:54)

L.A.JETSの時代とは雰囲気がチョイと違いますね
歌モノロックをしっとりと歌い上げています
上手いね
パンチが効いています
哀愁のある歌モノロックが好きな人ならイケるでしょう


LOUDNESS - MASTERS OF LOUDNESS - Master of the Highway ★★ (2017-05-03 11:16:58)

EZO,ANTEHM,LOUDNSSが合体
ヘヴィだがキャッチーなリフがモロにラウドネスだ
その使い回し感が評価の分かれ目でしょう
全体的なデジャブ感も狙ったんでしょうね


DANGER ZONE - Fire Fire ★★★ (2017-05-03 11:10:26)

イタリアメロディックメタルの至宝
幻のバンドによるデジタル配信限定のソロ
我らが道産子メタルEZOの代表曲FIRE FIREをカヴァー
こんな歌い手だった?と思わせる絶唱に引き寄せられます
MASAKIには及ばないが雰囲気が出ていますね
海外のバンドに取り上げられた事が嬉しい
余計なアレンジなしがなお嬉しいッス


TRIUMPH - Allied Forces - Magic Power ★★★ (2017-05-01 14:46:04)

マジックパワーって雰囲気の曲ですね
健康的ねんですがキュンとさせるメロディ
ひと夏の恋って感じがしますよ


TRIUMPH - Thunder Seven - Follow Your Heart ★★★ (2017-05-01 14:43:53)

計算してますね
盛り上げるわ
ポピュリズムを極めたハードな調べ
スバらしいっす


TRIUMPH - Thunder Seven - Spellbound ★★★ (2017-05-01 14:39:19)

ハードにロッキンしています
1984年って時代を感じさせる音だぁ
意味の分からんPVも時代ですね
スケールの大きなアリーナサウンドに悶絶
器用だから何をやっても似合うね


TRIUMPH - Never Surrender - Never Surrender ★★★ (2017-05-01 14:36:29)

洒落がきいてますね
オツです
ひんやりとした感触と熱を帯びた歌声
絶妙な絡みを見せていますなぁ


TRIUMPH - Just a Game - Lay It on the Line ★★★ (2017-05-01 14:33:49)

泣かせるわ
初めて聴いたときは鳥肌が立ちましたね
今聴いても心をザワワさせる一品
エモーションですよ
燃え盛る哀愁
冷たくて熱い名曲です


Muthas Pride - Dream of the Future ★★★ (2017-04-29 15:13:06)

MARINOが魔里乃と名乗っていた時代の旧友、筒井 佳二と吉田LEO隆が中心となり1999年に結成されたバンドが2016年にリリースしたフルアルバム。今作で歌うはHURRY SCUARY、BAD LOOSERのフロントマン南安秀が復活、伸びやかで温かみのある歌声を披露、少々衰えは隠せないが南節とも言えるメロディックなフレーズを歌いこなしていましたね。

音楽性としては、実にオーソドックスなスタイルのロックサウンドを披露。筒井のキーボードと南の歌を軸に、繰り広げられる70年代型の国産様式美サウンドに咽びますね。若い人には古臭い音だし、甘口な南の歌メロも少々迫力に欠けるのかも知れない。でもこのクサい歌心も日本人の良心として、これからも消える事無く寄り添って欲しいと思わずにはいられない暖か味があり、歌謡曲っぽいなぁでは切り捨てられない魅力があります。でもBAD LOOSERよりも古臭いけどね(このコテコテ感が関西圏の成せる技ならワシャ何も言いますまい)

甘めのメロディックロックの中にもFINAL GAMEのようなハードな疾走ナンバーも盛り込みバランスをとっているのが憎い。耳馴染みの良いメロと適度なハードさ、ロックのもつラフさとパワーはありつつも、大味に聴かせないアレンジもベテランならではの味わいでしょう。グルッと回って若い人たちに新鮮に聞こえるのか、往年のメタルバンド野獣とかが好きな人達が耳を傾ける懐古主義バンドで終わるのかは分かりませんが、次の作品も聴きたいと思わせる力作でした。でもこの世界観、嫌いじゃないけどちょっとハズいわ。


POWERSQARD - Metal Majesty ★★★ (2017-04-29 14:39:45)

関西を拠点に活動していた国産HM/HRバンドが1998年の年末にリリースした5曲入りのEP。哀愁のあるメロディが駆け抜ける正統派サウンドは、HELLOWEEN、ACCEPT、IRON MAIDENといったアーティストの影響も強く表れ、所謂ありがちなスタイルだが日本人好みのアレンジを効かせており、その辺りのありがち感が評価を分けそうですね。そしてインディーズ故の音質のヌルさに目を瞑っても、シンガーの息も絶え絶えに苦しそうに歌う姿が大幅に足を引っ張り聴き手のテンションを下げるのも、これまた国産メタルにありがちなマイナスポイントと気になる事も多々ありますが(もう少し丁寧に演奏して欲しい)時代は1998年、息を潜めるように氷河期時代のシーンを生き抜いてきたバンドの心意気は、そのまま音になり表れており、パワフルなツインバス、ランニングするベース、ツボを突くツインリードのハモリ、そのメタル愛溢れる精神性と様式を堅守する美姿勢を前にすると憎めきれませんよね。人生観が短所よりも長所を愛でて楽しむ性質故に、今作も2年に一度は手に取りたくなる一品です。
ちなみにシンガーの坂口高志はMARINOの吉田レオ隆の後任としてMUTHAS PRIDEに参加していますね。そしてドラマーはYAMA-BとAxBites,Gunbridgeで活動を共にしているアントン前田氏です。


TUMOURBOY - Damaged System ★★★ (2017-04-25 15:00:43)

チャイニーズスラッシャーが2017年にリリースしたフルアルバムなのかな?全9曲入りで26分をチョイと超えるランニングタイムなのですが、これが一気呵成に突っ走ります。耳馴染みの良いキャッチーだが癖の強いリフワーク、そしてドライブ感満載のリズム隊が生みだすグルーブ、それらが混然一体となりグイグイと迫ってくる姿は実の清々しく、正直どこかで聴いた事があるものもあるが、9曲入りで26分しかランニングタイムが無い事が証明される小気味の良さも手伝いノリノリで最後まで楽しめるのが一番の聴きどころ、トリッキーなソロも飛び足したりと、とにかく楽しい雰囲気が一杯だ。昨今のトラディショナルなメタルの復権は本当に目覚ましいと肌で感じるが、このようなオールドもオールドなスラッシュもゾクゾクと表れている事に驚嘆させられる。正直、昔のスラッシュシーンよりも賑わっている印象も強いし、精度も質も高いバンドが多く存在する事に驚かされる。サッパリ雑誌を読まなくなったので昨今のメジャーシーンでは、どのような音楽性が主流なのかは浦島太郎状態なので分からないが、この手のヤングスラッシャーがどのような扱いを受けているのか、ふと気になりましたね。
まぁ昨今の価値観でいけばヴォーカルの歌声と言うのはそんなに重要なピースではないと認識はしているが、もうチョイなんとかならんかったかね。


OSSIAN - Az Igazi Szabadság ★★★ (2017-04-25 14:41:07)

ハンガリーのメタルシーンを語る上では外す事の出来ないレジェンダリーなバンドの2017年リリースの最新作(ダウンロード版だと1280円)。アコギを生かしたバラードあり王道メタルあり、シンガロングしたくなるロックアンセムや、ポップロックもありと近年の中でも最もバラエティに富んだ楽曲収録された一枚。多様性を帯びたサウンドの中でも充実したメロディを導入する事で統一感を持たせているのはベテランバンドのならではの成せる技、どのような楽曲にもロックテイストをさりげなく注入、そしてモノ悲しいメロディもあるが、今作ではどこか朗らかで春愁といった温もりを感じさせる面が強く、その辺りに洗練されたメジャー感が強く打ち出されていますね。マイナー調は減れども、その手練手管な寝業師ぶりは健在。古めかしいスタイルに埋没するだけではない現役感が今作でも貫かれています。メタルなアグレッションを強く打ち出すよりもくキャッチネスさを前に出した作りも悪くないですね。そして歌メロも近年になくポップだ。やたらコーラスを重ねるのはエンドル・パクシーの衰えによるものなのかな?還暦前のオッサンだもんなぁ。仕方ないかぁ。


P.A.F - Patent Applied For - I'm so Blah -'omboro knight'no yume- ★★★ (2017-04-24 18:27:36)

雄大なロッカバラードです
まぁ色々と目につくところもありますが
NoBの熱唱に胸打たれます
でもサビで歌われる『おんぼろナイトが見る夢』ってのがねぇ
ハズいわ


P.A.F - Patent Applied For - Mr. Bomb ★★ (2017-04-24 18:25:34)

苦手な人にはトコトン嫌われそうですが
NoBのベッタリとまとわりつく歌い回しがセクシーです
リズミカルなグルーブが心地よいですね


P.A.F - Patent Applied For - Love & Fake ★★★ (2017-04-24 18:23:55)

弾けるポップセンスが生きています
ハードに迫っていますが聴きやすいってのが念頭でしょう
サビの持って生き方もNoBらしいNoB節炸裂の一曲


P.A.F - Patent Applied For - Forever Young ★★★ (2017-04-24 18:22:05)

P.A.F流Wanted Dead Or Alive
訴えられても文句は言えませんがX-JAPANファンの99.999999999…%は原曲を知らないのでね
NoBの熱量がハンパない歌声に唸ります
NOBがBON JOVIをカヴァーするって企画モノが聴きたくなりました


P.A.F - Patent Applied For ★★ (2017-04-24 18:19:37)

MAKE-UP解散後、NoBこと山田信夫と河野陽吾が中心となり1988年GRAND PRIXを結成するも4年後には解散。その後は、ソロ活動などに精を出しアルバムやシングルなどをリリースしていたのですが、X-JAPANのPATAが立ち上げたプロジェクトなのかな?P.A.Fのボーカリストの一人として参加、11曲中6曲で衰え知らずのパワフルヴォイスを披露。その灼熱の喉はやっぱりロックが似合いますね。軽めの歌モノロックの中で、恐ろしい位に芯の太い歌声で華を添え見事な役割をこなしています。主役は誰なのか分からなくなる活躍ぶりに目を細めますね。おんぼろナイトと歌う歌詞はダサいのですがロッカバラード③など、NoBの熱量に嫌われそうですが、十分J-POPファンにも聴いてもらえる要素も強いかと思います。オープニングの①もX-JAPANの何倍もハードなギターで迫っており、今作におけるPATA氏のやる気も伺えますよね。これならばNoBを飼殺ししないで済みますよ。

とは言え④⑦を歌う女性シンガーYukaちゃんの稚拙な歌唱が完全に足を引っ張り、アルバムの流れを黒部ダムな如く堰き止め、個人的には聴く気力を抉り取り、忍耐力を決壊させるのが難点。思わず彼女でも力技で参加させたのかなぁと思いましたね。
NoBの後だけに余計ですよ。ジェフ・テイトとポール・ショティーノに挟まれて歌うドン・ドッケンの比較にならない破壊力の持ち主でした。アルバムの中でポップな曲は必要なのは分かるが決壊させてはいけない。

そんな個人的な不満をぶちまけましたが、そこは嗜好の問題なのでね。許していただきたい(もったいないんじゃ)
④から⑦までスキップすれば、飛び込んでくるのはヘヴィブルースなP.A.F流『Wanted Dead Or Alive』な⑧、貫禄の熱演ぶりにバンドの本気度も伺え気分を持ちなおし最後まで聴きます。
PATA氏のルーツたる音楽性をより高い次元で披露するメンバーを従え、J-POPな要素も当然あるがロックフィールドへと果敢に挑み、やりきった一枚。セールス的には惨敗だったようですが、日本語が気にならず、所謂アメリカかぶれなロックサウンドを楽しめるマニアなら心躍る力作でしょう。X-JAPANだからと言って舐められる要素のない一枚です。


PATA - PATA - Psychedelic Jam ★★★ (2017-04-24 17:42:32)

タイトル通りのジャミング感覚が聴いていて心地よい
トミー・アルドリッチとティム・ボガートによるリズムプレイが最大の聴きどころ


PATA - PATA - Story of a Young Boy ★★ (2017-04-24 17:40:45)

アコースティカルですね
ジェイムスのピッタリです


PATA - PATA - Road of Love ★★★ (2017-04-24 17:39:47)

日向大介大活躍
ジェイムスのソウルフルな歌声が印象的ですね
メロディの持って生き方が日本的なのも面白い
この曲を聴きたくてアルバムを引っ張り出す事が年に数回あります
特別素晴らしい曲でもないのだが聴きたくなります
今でも風呂場で鼻歌交じりです
体調不良なのか手抜きなのかジェイムスの熱量を押さえた省エネ歌唱が逆に良かったりする


PATA - PATA (2017-04-24 17:35:16)

言わずと知れたX-JAPANのギタリストPATAのソロアルバム第一弾。アレンジ&プロデュースに日向大介と、エンジニアやミキシングとして数多くのバンドを手掛けたスタン片山(ブルース・デッキンソンのソロやLOUDNESSにMEGADETHなど)を迎え入れ。自身のルーツたる音楽性を、何の制約も設ける事無く披露。X-JAPANの音楽性など一ミリも引きずってはおらず、参加メンバーのバックボーンを考えると順当な音楽性になったとも言えますね。
また個人的にも参加メンバーにつられ購入を決意、自身のネームバリューと潤沢な資金を利用し参加したのが、ドラマーにトミー・アルドリッチとサイモン・フィリップス。ベースにティム・ボガート、マイク・ポーカロ、ジェラルド・ジョンソン。ボーカルにジェイムス・クリスチャンですからね。ブルージーなアメリカンロックを期待したいところです。

作品としてはX-JAPANファンを完全に向こうに回した作風で、ジェフ・ベックやラリー・カールトンとか好きなのかなぁと個人的には感じるのですが、メタル系アーティストを師と崇める口の超えたギタリスト達からは辛口の意見も飛び交い、正直ギタリストのソロとしては凡庸なフレーズとプレイが多く、ソロを作るのは時期尚早といった印象。やはり自身のトーンと言うモノが無く、これを弾けばPATAという音が欲しかったですかね。
豪華ゲストも借りてきた猫状態で名前以外に聴くべき所がないと言った仕上がり。そんな参加メンバーが全員共倒れの中で、一人気を吐くパフォーマンスを披露したのはジェイムス・クリスチャン、彼のソウルフルな歌声が冴えわたるバラード⑥は今作のハイライトでしょうね。

大きな看板を背負わされたアーティスとの苦悩は続き、乾いたアメリカンロックなど、彼のファンは求めているはずもなくセールス的に惨敗。1995年に2ndをリリース、その後X-JAPANは解散。1998年にペガサスファンタジーでお馴染みのメイクアップのシンガーNoBとP.A.Fを結成へと至りますね。


TOSHI - MISSION (2017-04-24 16:53:50)

言わずと知れたX-JAPANのシンガー、TOSHIのソロアルバム第二弾。個人的に彼にはなんの思い入れも無いのですが、参加メンバーと楽曲提供者に興味をもってかれ購入。シングルとしてリリースされていた⑦⑩はNIGHT HAWKSの青木秀一と歌えるドラマー工藤哲也、それ以外は、ほぼ国産プログレバンドVIENNAでLOUDNESS脱退後の二井原実が立ち上げたDED CHAPLINに参加していた茶々丸こと藤村幸宏、フレットレスベースを操る永井敏己、手数王と呼ばれるドラマー菅沼孝三らが全面バックアップ。藤村幸宏に関しては楽曲提供のみならずアレンジ全般に携わるなど八面六臂の大活躍、失意の中、活動休止に追いやられたDED CHAPLINの怨念を晴らすが如く自身の才能を発揮していますね。
とは言いつつも国産ロックにありがちな、ユルめのサウンドプロダクションが好悪を分ける要因の一つ、高い音をカット、ボトムは全然効いていない迫力不足の低音、歪みを完全に押さえクリアーに仕上げてはロックの持つダイナミズムは台無し、永井のエグイベースも聞こえないし、菅沼のドラムもこれでは可哀想、茶々丸のバッキングも全然聞こえない、必要以上に演奏を控えめにし歌を前に出す手法をとっており、これがメタル系だとすれば、相当厳しいサウンドプロダクションとなるでしょう。確かに彼のファンの事を考えると、ロック然としたラウドなサウンドメイクは馴染めないのは分かるが、もうちょい尖ってくんないときちぃッス。
この辺りがヴィジュアル系に通ずる脆弱なサウンドプロダクションなのですが、根本的にバックを固めるプレイヤーの質と芯の太さは桁が違うので十分ロックなモノを期待する方なら楽しめるでしょう。ソロパートでは俄然、色艶が変わりますからね。上手いって事は本当に素晴らしい。

今作最大の聴きどころは、やはり二井原実先輩が楽曲提供している2曲。オープニングの疾走感溢れるロックナンバーを二井原・マーク・フェラリー、KISSで大活躍の世界一エース・フレイリーな男トミー・セイヤーによる共作。そして⑤では二井原・マーク・フェラリー、ボブ・キューリックによる共作ナンバーが収録されており、それらの楽曲がアルバムをロックな方向性へと導いています。②はDED CHAPLINの3rdからリメイク、⑪は藤村の曲で後にVIENNAでも取り上げてましたね。
少々キーボードがうっとおしいのですが、バックのスリリングな熱演に耳が持っていかれる④、切なさ全開の⑥、一番声にフィットしているキラキラしたポップナンバー⑦、ボサノバ調の⑧などバラエティに富んだ楽曲があり、スピードを期待する人たちにとっては眠くなりますが、特に④など実質的なスピードではなく、楽曲のアレンジで疾走感を煽る手法をとっており、そのスピードの質に好みが分かれるでしょうね。所謂スピード歌謡には陥っていないです。そこが一番好感のもてる所でしょう。

主役たるTOSHIさんですが、相変わらず力むと苦しそうだし、線の細さは変わりませんが、リラックスして歌っているのが印象的でしたね。


TOSHI - MISSION - Moonstone ★★★ (2017-04-19 04:51:53)

茶々丸渾身の一曲か
後にVIENNAでリメイクしますね
リリカルな一曲です
ワルツですよね
綺麗な月明かりを浴びて踊る姿が目に浮かびます
個人的にはアルバムのハイライト
ウィスパーヴォイスに安らぎを覚えます
高音域も無理無理じゃないしね
リラックスしてエエ感じですよ


TOSHI - MISSION - Looming ★★ (2017-04-19 04:44:34)

牧歌的な一曲
青木秀一が歌うヴァージョンを聴いているので
線の細い歌い手には合わないが
雄大なメロディが胸を締め付けますね


TOSHI - MISSION - intermission ★★ (2017-04-19 04:41:08)

ハープがエエですね
自然体の歌声が魅力です
喉を締め付けるのは癖なのかな?


TOSHI - MISSION - Always ★★★ (2017-04-19 04:38:54)

レーベルメイトでくすぶっていたNIGHT HAWKSのメンバーと活動していましたね
シングルとしてリリースしていた楽曲
アルバムの中でかれの歌声を有効に活用した一曲
ポップですがエエ曲ですよ
甘美でメルヘンなムードがエエです
青木秀一もギター&ベースにキーボードまで八面六臂の大活躍です(ガイドボーカルもやってるだろう)


TOSHI - MISSION - Heart of the back ★★★ (2017-04-19 04:33:04)

ソフトな曲を歌うと俄然クリアーな歌声が生きます
雰囲気のある大人びいた一曲です
色気があるね


TOSHI - MISSION - Get-up-and-go ★★ (2017-04-19 04:30:22)

二井原実先輩とマーク・フェラーリ&ボブ・キューリックによる楽曲です
これも二井原実先輩のソロ用だったのかな?
日本人受けするメロディックでストレートなアメリカンロック
歌の弱さをオジー方式で重ねたのは正解
でももう少し厚切りにならんかったかね
仕方がない面はあれどハードな色を抜きすぎです


TOSHI - MISSION - CHASE OF TIMES ★★ (2017-04-19 04:24:22)

DED CHAPLIN組の演奏力の高さが肝
実質的なスピードではなくアレンジ力による疾走感を生みだす姿が重要
スピードだけならメタルじゃなくても良いのでね
歌の弱さが楽曲の魅力を半減していますがバックの演奏は小技が聴いていて面白い


TOSHI - MISSION - Bless You ★★★ (2017-04-19 04:19:24)

こういったロック色のない曲を歌う方が自然体で良いですね
ストリングスアレンジを生かした一曲
菅沼 孝三のドラムはこういう曲でも器用に叩けるから凄い
茶々丸のギターもエエよ


TOSHI - MISSION - LADY ★★★ (2017-04-19 04:14:37)

藤村”茶々丸” 幸宏はこの曲を気に入っていたのかな?
DED CHAPLINのリメイク
ブルージーなヘヴィバラード
線は細いが繊細なタッチの歌声との相性は悪くないですね
二井原実先輩ヴァージョンは少々バタ臭かったので


TOSHI - MISSION - Rusty Eyes ★★ (2017-04-19 04:11:29)

我らが二井原実先輩とマーク・フェラーリ&トミー・セイヤーの共作
二井原実先輩のソロ用の楽曲だったのかな?
贅沢なメンツによるアルバムのオープニングナンバー
バックを支えるのはこれまた二井原実先輩抜きのDED CHAPLINだしね
でも主役たるTOSHIの歌声がヘヴィな楽曲に完全に力負け
苦しそうに力む姿が残念で曲の良さを殺していますが
藤村”茶々丸” 幸宏のアレンジが素晴らしいですね


EDEN - Eden ★★★ (2017-04-16 13:33:31)

August Redmoonと言うバンド名でMetal Massacre IVに『Fear No Evil』を提供、Terracudaと改名、そしてエニグマから今アルバムをリリースする前にEDEN改名した経歴のバンド。
その流浪の経歴を持つバンドの音楽性はPOISONから毒気を完全に抜いて、より正統性を強めた印象のあるスタイルを披露。それも癖の強い歌声が、その印象を強めているのですが、カラッとしたアメリカのバンドとは違う湿ったムードが漂っており、高い演奏技術に支えられた楽曲は、ポップでキャッチーなアメリカンロックからパンチの効いたスピードナンバーとバラエティに富んではいるが、急場凌ぎのポップロックなどは盛り込み、場の空気を悪くしていないのが好印象。実にソツなく纏めてきましたね。
その反面やや個性不足感は否めないが、何を聴かせたいかを明確に見定め、メンバー全員で作り上げたバンドサウンドは誰かが突出した存在ではない脇役の美学が貫かれており魅力的に輝いております。
正統性の強いアメリカンメタルが好きな人なら聴いて損はしないでしょう。ドイツのMetal for MuthasからCD化もされましたが、2016年にDivebomb Recordsから出たヴァージョンの方が手に入りやすいでしょう。


Herazz - Yet to Come ★★★ (2017-04-12 12:39:49)

デトロイト出身、オーソドックスなHM/HRを聴かせる5人組が1985年にリリースした自主制作による1st。2000年に入りRetrothrash Recordsから復刻したリプロ盤なのかな?1985年と言うメタルバブル全盛の時代にどんな、ポップメタルで勝負を賭けているのかと思ったら、ハードでエモーショナルな本格派のHM/HRサウンドで勝負。
一見地味に聞こえるが、感性を揺さぶる泣きとハードテイストを織り交ぜた楽曲は聴き応え十分、勿論、この時代ならではの軽やかさもあるが、そういった陽性な成分よりも、哀愁と泣きを散りばめた極上のエモーションを優先しており、もっと金を掛け音に厚みと奥行きを持たせたらY&Tあたりと比肩出来る魅力を発散していたでしょう。
そこまでギター巧者じゃないし、楽曲優先の作りなので地味な事は地味なんですが、極めてオーソドックスな作りはNWOBHMの影響を受けたアメリカンロックの様相もあり、適度なスピード感とハードさ、そこに絡む泣きのエッセンスにグッときますね。粒だった楽曲の構成力、そして全体的に包まれる哀愁とエモーショナルな響き、メロディックなHM/HRが好きな人にはたまらんでしょう。
特に好感が持てるのは、以上に甘ったるいシングル向けの楽曲が無い事で、アルバムの流れを損なう事無く最後まで聴き通せるのが一番ありがたい。バカでかい音圧やスピードに頼らなくともHM/HRの魅力を伝える事に成功しているのも好感が持てますね。クレジットが無いので分かりませんが、おそらくシンガーが前半と後半では違う人かと思います。前半の癖が強いハスキーヴォイスからマイルドな歌声に変わりますので、ひょっとするとデモを一つの音源に纏めたのかも知れませんね?


ALKATRAZZ - Young Blood ★★★ (2017-04-12 12:05:01)

こちらはインギーの居たバンドとは違う、NWOBHM旋風が巻き起こる英国のバンドによる1981年リリースの1st。シンプルなリフワークを基調としつつも、NWOBHM特有の激しくも哀愁のあるメロディを核に添えたハードブギーサウンドを披露。ブルースベースの骨太なグルーブと軽快さも手伝い聴きやすく纏めています。今の感性だとヴィンテージ臭がプンプンとする古めかしい音なるのでしょうが、小手先のテクノロジーに頼らないシンプルだが小気味の良いロックサウンドの持つ普遍的なヴァイブと輝きは、売れる事を主眼とした虚飾まみれのシーンとは一線を画すもので、この時代の英国でしか味わえない滋味深いロックな躍動感が身体の中を熱く駆け巡ります。
拳を振り上げ頭を振るのがHM/HRの楽しみと言う方には、子守唄のような地味な音楽性となるのでしょうが、エモーショナルな歌声、デビュー作にて円熟味と言う言葉がシックリくる熟成されたロックサウンドの持つ普遍的な魅力に痺れますね。疾走ビートが無くとも十分ハードでロックしてますよ。全10曲収録でバラード無ってのも良いよね。


GHOST B.C. - Opus Eponymous ★★★ (2017-04-11 13:49:00)

スウェーデン発、暗黒司祭風のメイク姿で演奏するメンバーの素性を明かさない覆面バンドによる1st。バンド名やコスプレ姿にRise Above Recordsとくれば、サバスティカルな音楽性を想像したのですが、確かにヴィンテージ臭はあれど、メロディックで灰汁の薄いスッキリとした音楽性で勝負、勿論、コンセプト色の強い音楽性ですからね、そのオカルト、ロマン主義を貫く、幽玄でダークな音像で迫ってはいるモノの、歌い手の抑揚をつけず朴訥とした淡い歌声でなぞる事により独自性を強くアピール。
ある意味、オカルトメタル界の始祖とも言えるキングダイアモンド風な雰囲気もあるが、個人的にはBOCの感性が北欧風に消化されたような印象を強く受け、地下室で厳かに行われる闇の宴を覗き見たような、ヒンヤリとした手触りと、身の危険を案じさせる焦燥感と不穏な空気にゾクゾクとさせられます。
全てはオルガンの音色ですね。モノクロのヴィンテージ臭が瘴気漂うオカルトテイストを演出、どこか安っぽさもあるのですが、そこは狙ったんでしょう。見事な策略による作戦勝ちですね。
とは言いつつも、少々歌い手の淡白さが好悪を分けると思っていて、いささか表現力に長けているとは言いずらい面があり、そこが評価を分けるのでしょうね。強さを出さない事が、この独特のカラーを生みだしているんだから不思議なモノです。


GILLAN - Future Shock ★★★ (2017-04-11 13:30:27)

所謂ハードロック冬の時代にギランはソロアルバムをリリース、エキセントリックなパフォーマンスを引っ提げ見事に英国チャートを賑やかす事に成功。パープル解散後、一番成功を収めたのがギランだったんですよね。その後の影響力や、日本での認知度ではリッチーやカヴァーデイルなんでしょうが、時代性を見越し的を得たギランの活動は当時のシーンにおいてNWOBHMの架け橋にもなる重要なピースだったとも言えますよね。
今作なんですが1stのような破天荒さは薄まりましたが、パープル風味も落とし込み自身が求められる音楽性をアップデート、バイタリティ溢れるギラン節と、灰汁の強さはあるがマニアックな音楽性に埋没しない多様性のある楽曲が収録されことにより、より高いステージへと上り詰めている姿は実に堂に入ったモノ、これぞギランな④なんて聴かされると尚更そう思いますよ。
何とも言えないキャッチーさとレトロ感、洗練度を隅に追いやり、このメンツだからこそ生みだされるエキセントリックなサウンドに唸りますね。弾けてますね。ロックしてますよ。パープルファミリーの中で一際異彩を放ったギランのソロ活動、何かの枠に留まり、系譜を連ねたリッチーやカヴァーディルとは違う影響力の強さを猛烈に感じます。パープルNo.1シンガーはグレン・ヒューズと思っているワタクシでも今作を聴き、彼の偉大さにひれ伏しました。1stもエグかったが、ある意味、ギランの破天荒な歌声を堪能できるのは今作が一番かも知れませんね。


DEAF DEALER - Journey Into Fear ★★★ (2017-04-09 14:45:39)

オリジナルは1987年にカナダのMercury recordedからリリースする予定だった2nd。そこの1stとのカップリングでブートが出回り、マニア筋からは幻の2ndが出たと話題になりました。今作はまさにカルトな作品を発掘するギリシャのCult Metal Classics Recordsから2014年に正規盤として世に出た一品です(ブートと若干曲名違いがありますがマテリアルは一緒です)
1stよりも音質が良くなっており、スッキリと聴かせる事でバンドサウンドが見違えるようにクリアーに聞こえ、ポテンシャルの高さを存分にアピール、メイデンやJP仕込みのドラマ性も高らかに、マノウォーのような勇壮さもあり、ライオットのようなメロディックな疾走スタイルもありとマニアなら思わず拳を振り上げずにはいられないでしょう。
速い曲も良いのですが、③のような濃密な世界観を築き上げるセンスに、このバンドの魅力を感じますね。ツインリードとベースの絡みにはメイデンからの影響も大ですが、シンガーのデッキンソンばりに朗々と歌い上げる姿も様になり、このバンドのポテンシャルの高さを如実に表しています(③以降ラストに向けてアルバムの盛り上がりがハンパないです)。
個性不足もなんのその、綿密に築き上げた楽曲とパワー漲るメタルスピリッツに身震いさせられますね。今回は曲作りの巧さとアルバムの流れがガッチリと噛み合っていますよ。しっかりと成長してきましたね。