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DEAF DEALER - Keeper of the Flame ★★★ (2017-04-09 14:20:08)

Death Dealerというバンド名で1980年から活動開始、Metal Massacre IVに『Cross my Way』という楽曲も提供しているのですが、1986年にバンド名をDEAF DEALERに改名して1stをリリースするのですが、カナダのバンドと言われなければ気がつかない程、NWOBHMの流れを組むメタリックな正統派サウンドを披露。疾走するツービート、曲間を縫いランニングするベースとツインギターの濃密な絡み、そして力負けしない湿り気のある芯のあるハイートーンヴォイスを披露するシンガーと、その筋のマニアなら腰を上げずにはいられないストレートな音楽性は、まさにこの時代ならではのメイデンスタイルだしJP仕込みの王道メタルでしょうね。風呂場でレコーディングしたような籠り気味の音質なれど、カナダのバンドらしい丁寧な作りは良心的だし楽曲に破綻をきたさぬよう細部に渡り気を配っているのは好感が持てますね。パワフルなサウンドだが勢いでズバッと押し切らないのは素晴らしい事ですよ。その反面、個性不足感は否めず、当時としては厳しい評価を受けざるを、おえない内容だったかなぁとは思いますね。勇壮なドラマ性や硬質感を損なわないダイナミズムがあっても、一曲一曲の完成度は低くないのに、アルバムを通して聴くとサラッと流れてしまうのが難点。構成力ってのは大事なんだぁと思いますね。
2年後にはCD時代に突入を受けSteamhammerからリリースもされるのですが、オリジナルの作品がNEATにMetal Bladeなど複数のレコード会社から出ていて権利の関係がややこしいのが、今日まで日の目を浴びづらい環境を作りっているのなら残念ですね。
正攻法で迫るパワーメタルにマニアならグッとくるでしょう。


VENUS & MARS - NEW MOON RISING - Dying for Your Love ★★★ (2017-04-08 18:25:01)

甘く切ないハードポップナンバーに胸キュンです
丁度エエよ


SACRED WARRIOR - Master's Command - The Flood ★★★ (2017-04-08 18:21:11)

クリスチャンメタルとは思えないヘヴィな曲調に驚きますね
そこがこのバンドの魅力なんですが
邪悪な存在と聖なるものを二つの歌声で表現しているも印象的です
ハイクオリティな一曲です


SACRED WARRIOR - Master's Command - Evil Lurks ★★★ (2017-04-08 18:14:46)

ジェフ・テイトがDIOに加入したみたいな曲ですね
メタリックで艶やかなメロディが映えます
テクニカルなバンドですがスッキリと聴かせてくれます
でも濃いよ
聴き応えたっぷりです


SACRED WARRIOR - Master's Command ★★★ (2017-04-08 18:13:08)

日本国内でも3年遅れの1992年にPony Canyonからリリースされた2nd(4枚目のリリースに合わせて出たような記憶がある)。
QUEENSRYCHEのフォロワー的な立ち位置にいるバンドだが、本家よりもストレートな手法の楽曲構成だが、テクニカルな演奏をビシバシと決めており、高いスキルとセンスを持ち合わせたバンドだと強く印象つけていますね。そこに絡むクリアーでメタリックなハイトーンとIQも高めな楽曲との相乗効果も抜群、不穏なムード漂うイントロから、彼らがクリスチャンHM/HRバンドの系譜たるバンドだと思いださせてくれる⑫まで飽きる事無く聴かせてくれるでしょう。
本家QUEENSRYCHEがよう分からんラインナップと音楽性になり、嘆いていたファンにとっては、このバンド随分と心の隙間を埋めてくれる稀有な存在だったと思いますが、日本ではイマイチ知名度の低い存在でしたね。本物志向で、所謂売れ線ポップな曲無いもんなぁ。そこが取っ付き憎い所なのかも知れませんね。残念じゃ。今聴いてもDIO風の④なんてゾクゾクとさせられますよ。


Speed Queen - King of the Road ★★★ (2017-04-07 16:06:27)

ベルギーの若手バンドが2017年の4月にリリースした6曲入りEP。今のところパッケージ商品は無く大手ダウンロードサイトにて配信中なのですが、全6曲一気呵成に突っ走るスピードナンバーが目白押し、NWOBHM直系のスピードとアグレッションに特化したサウンドは四の五の言わせぬ勢いに満ち溢れており、スカッと行きたい方にはドンピシャリとハマるでしょうね。
疾走するツービート、鋭利なリフワークと良く歌うソロをキメまくるアックスメン、そこに心地よいハイトーンも遠慮なく絡み、借り物のフレーズもチラホラあるのですが、そんな事はどうだってエエよと思わせるブレーキなんて踏む気のない一直線な展開の楽曲は、聴いていて清々しいですね。さりげなく一緒に歌えるようなコーラスパートを盛り込んでいるのも聴きやすさを誘発、曲作りの妙もあり、スピードメタル系のバンドが好きな人にはたまらんモノがあるでしょう。
それにしても、この手のバンドが量産体制にある世界のメタルシーンには目を見張るものがありますね。マニアとしては細うで繁盛記状態ですよ。忙しいわ。


POWERGOD - Bleed for the Gods: That's Metal - Lesson I ★★ (2017-04-05 14:37:04)

1. Lion's Roar / Bound to Be Free (Savage Grace cover)
2. Bleed for the Gods (Agent Steel cover)
3. Metal Church (Metal Church cover)
4. Ruler of the Wasteland (Chastain cover)
5. Kill with Power (Manowar cover)
6. Stars (Hear' n Aid cover)
7. Burning the Witches (Warlock cover)
8. I'm a Viking (Yngwie Malmsteen cover)
9. XXX (Nasty Savage cover)
10. Steel the Light (Q 5 cover)
11. Tor with the Hammer (TNT cover)
12. Madhouse (Anthrax cover)
13. Metal Merchants (Hallows Eve cover)
14. Red Rum (Lizzy Borden cover)
15. Soldiers Under Command (Stryper cover)
16. You and I (M.A.R.S / Driver cover)

所謂ヘアメタル系のバンドTHE TRACEELORDSのアンディ・ブリングスとハーン・ハートマンによるサイドプロジェクトチームのカヴァーソング集。とにかく選曲が渋い、若い人には80年代に活動した日本ではマイナーなバンドから有名なバンドまで、幅広く網羅する事で、ある種のカタルシスを大解放。懐かしきメタルソングを選曲したセンスの勝ちですが、アレンジや演奏を含め、そこまで面白いモノには仕上がっていないが、今作を聴き初期衝動を擽られ、ついついオリジナルを引っ張り出させる呼び水になるような感覚が彼らの狙いなんでしょうね。一番の楽しみはStarsのカヴァーでしょう、サビーネ・クラッセン嬢の濁声にズッコケそうになりますが、ロブ・ロックがお得意の歌唱スタイルで華を添えていますよ。個人的に一番のハイライトはWarlock coverですね、DORO姉さんがゲスト参加で、衰え知らずのキレキレの歌声で存在感を発揮しています。モノが違うわな。流石ですよ姐さん。


SACRED WARRIOR - Rebellion ★★★ (2017-04-05 14:16:50)

シカゴ出身、キーボード込みの5人編成によるクリスチャンHM/HRバンドが1988年にリリースした1st。いきなりBlack Metalというタイトルの曲で始まり、おいおいおい聴いてたんとちゃうぞ、クリスチャンなんだろうと心配になるのですが、英語の分からない小生には、何を歌っているかは分からないので、モヤモヤはしているのですが、そのままスルーして楽しみます。
クリスチャンHM/HRと言う事でSTRYPER辺りをイメージする方もいるでしょうが、こちらはよりソリッドでメタリックな音楽性で勝負、グラマラスなポップメタル全盛の時代に、この深みのある叙情派サウンドで挑む勇気は流石だと思いますが、アイデアだけに埋没するだけではない、聴かせる面にも気を配りバランスが取れているのも好印象。硬質なナンバーが続く中で大らかなバラードを盛り込み緩急を付ける辺りの演出が憎いですね。一頃はわんさかと溢れていたジェフ・テイトタイプのハイトーンも今となっては懐かしく、今なら新鮮に聴けるでしょうね。プログレ過ぎてQUEENSRYCHEは敷居が高いと思う方には、こちらの方がストレートな手法の音楽性ですので取っ付きやすいでしょう。


BURNING WITCHES - Burning Witches(Single) ★★★ (2017-04-05 13:59:19)

スイスが生んだガールズHM/HRバンドが2016年にNuclear Blastからリリースしたシングル。重心低く肝の据わったヘヴィな王道サウンドを披露する彼女達、2曲だけでは全貌は見えてはきませんが、バンド名にパヤパヤしたソプラノヴォイスじゃないパワフルな歌声とくればDORO姉さん率いるWARLOCKを思いださずにはいられませんが、その音楽性を真っ向から引き継いでいる伝統芸能サウンドにNuclear Blastが目をつけるだけのクオリティは備えていますね。その気骨なパワーメタルサウンドと相反する繊細なメロディセンスには、女性的らしさも感じられ力技だけで押し切らないアレンジセンスは頼もしいですね。
今作をバックアップするのはレーベルのみならず、同郷のレジェンダリーなバンド、2016年に見事に復活を果たしたPoltergeistのV.O. Pulverがプロデューサーとして参加、さらにはPanzer、Destructionで同じ釜の飯を食ったSchmierの名前がありますので、この盟友二人に導かれた姿もマニアには食指の伸びる要素でしょうかね。
地道なLIVE活動など、しっかりとした下地を強化してもらい、次なるフルアルバムに期待を抱かせるガールズHM/HRバンドの登場に、この手のバンドが一過性の話題作りじゃないんだという事を証明する大きなムーブメントを作りだして欲しいモノです。


STEVE STEVENS - Atomic Playboys ★★★ (2017-04-04 16:12:09)

ビリー・アイドルとのお仕事などギタリストとして多義にわたるセッション活動を経てリリースに漕ぎつけた自身のソロバンド。ボーカルにWARRIORのペリー・マッカーティー迎え、自身の培った音楽性を惜しみなく披露。ビリーのヒット曲を意識した①に始まり、アコギを生かしたバラードあり、SWEETのカヴァーもありと多彩なギターワークを駆使した楽曲はどれもバラエティ豊かで聴き応えも十分、ペリーのパワフルだが情感のある歌声とも相性も抜群で、そこに主役たるスティーブの柔軟な姿勢から繰り出される艶やかなプレイで聴き手を魅了。バッキングプレイもカラフルな印象を与え、瑞々しい才気に溢れた彼のコンポーズにも目を見張るモノがありますね。ギターオリエンテッドな作風なんですが、奥行きの広い楽曲と高い演奏力のおかげで、遊園地のアトラクションコーナーに足を踏みいれたようなワクワク感があり、ギタリストのみならず楽しむ事が出来るでしょう。
素晴らしい作品だとは思いますが、期待値と予算の割には、思った成功を収める事が出来ず自身のリーダー稼業にスッパリ見切りをつけ、渡り鳥生活に逆戻り、マイケル・モンローのJERUSALEM SLIMに参加するも、高額のギャラにつられヴィンスのソロ稼業に参加してマイケルの怒りを買ったりと(看板ギタリスト不在じゃライブもプロモも出来ないしスケジュール決まってたんじゃんとマイケル・モンローご立腹です)、清水冨美加並みの不義理を果たすスティーブですが、今作は今聴いてもスティーブのエモーショナルなギターと、男臭い歌声が映えるアメリカンHM/HRの名盤として光り輝いていると思いますよ。堪え性が無かったのかね?残念ですよ。


STEVE STEVENS - Atomic Playboys - Atomic Playboys ★★★ (2017-04-04 15:51:41)

REBEL YELLのメタルヴァージョンってとこでしょうかね
挨拶代わりに丁度良いでしょう


SHY - Misspent Youth - Broken Heart ★★★ (2017-04-04 15:36:48)

イメチェンを計ったアルバムの中でも突出した魅力を発散する一曲かと思います
2nd.3rdにも通ずると言うのも好印象なのかも知れませんが方向性が違いすぎますね
でもアルバムのハイライトはこの曲でしょう
何度聴いてもキュンとなるわ


SHY - Excess All Areas ★★★ (2017-04-04 15:32:26)

メタルバブルが世界中を埋め尽くす中、大手RCAのサポート受け全米デビューを果たす英国産HM/HRバンドの3rd。英国特有の湿り気を擁した哀愁漂うハードポップサウンドを巧みに歌い上げるのは、トミー・ミルズの透明感溢れるハイトーンヴォイス、その歌声を駆使した音楽性は、ポピュリズム溢れるコマーシャル性を有しつつも、アーティステックな魅力にも富んでおり、時代性を感じさせる繊細なギターのトーンも懐かしいが、随所に華のあるフレーズを導入、ソロでも煌びやかなセンスを感じさせるメタリックなギターも飛び込んできたりと、非常にバランス感覚に優れた音楽性で勝負。
時代性と売れさせたいという意向が働きすぎ、少々装飾過多な音作りにはなっていますが、ソングライティングにドン・ドッケン、プロデュースにニール・カーノンを迎え丹精込めて作り上げた音楽性は耳馴染みの良さも手伝い、今聴いても遜色のない時代を超越したスタンダードな響きがあり、メロディ派のマニアならマストバイな一枚として強く勧めますね。
普遍の魅力に富んだ楽曲重視の作風は多くのアーティストに少なからず影響を与えたし、この手の歌モノロックの手本を示すような完成度を誇っているでしょう。個人的には、このアルバムを聴くと無性に1stが聴きたくなりますね。


BLACK SHEEP - Trouble in the Streets ★★ (2017-04-02 13:45:32)

テキサス生まれのアフリカ系アメリカ人のウィリー・バッセが立ち上げたバンドのデビュー作。あのエニグマレコードからデビューを果たしたように、けっして期待値の低いバンドではなかったかと思うのですが、我が国では低評価の人種差別発言も飛び出す酷評をウケ(顔に墨塗ってもどうにもならないみたいな事を日本のメタルゴットがレビューに書き連ねたらしい)、そりゃもう酷い扱いでしたね。2曲目でいきなり予想外のカヴァー、シュープリームスの『Stop in The Name of Love』取り上げたりと面白い試みもあるのですが、概ねロン・キール率いるSTEELER辺りを思わせる平坦なノリのアメリカンロックに突如切れ込んでくる速弾きがありますなので、その筋のマニアには興味も惹かれる所ですかね。つまんねぇ楽曲ばっかりの箸にも棒にもかからねぇアルバムだなぁと言われたら返す言葉も見つかりませんが、派手なトッド・デビートのドラムも悪くないし、なんと言っても今作に参加する二人のギタリストがマニア心をくすぐります。
今もって大きなバンド活動で爪痕を残せませんが、速弾き系ギタリストとしてデビュー前のM.A.R.S.やインギーの後任としてSTEELERに参加、その後マスターマインド博士やニール・タービンと活動を共にするカート・ジェイムス。もう一人の相棒はマキタの電動ドリルの売り上げに絶大なる貢献を果たした男。ギタースクールを卒業して間もないポール・ギルバートが参加している事が最大の聴きどころでしょう(プロキャリアの出発はRACER Xじゃなったんだね)
この二人が同時に参加しているのですが、既に出来上がったバンドにはめ込まれた程度と推察されるので、正直二人のプレイは、その後の活動を考えると物足りないのですが(リフやソロにらしさは垣間見える)主役はあくまでもシンガー兼ベースのウィリー・バッセですからね。でも時折ねじ込まれる速弾きに耳を傾け楽しみのが一番でしょう。ゴスペルが強めの曲を歌うバッセ氏も悪くないですよ。
ちなみにこのバンドはエニグマからのデビューと言う事もあり、音源は残していませんが、MSGに参加するミッチー・ペリーや有名になる前のGUN'Sのスラッシュ、ランディ・カスティロなど名を連ねていますのでマニアなら食指も伸びると言うモノですよね。


WRATHCHILD - Stakk Attakk ★★★ (2017-04-02 13:07:42)

ケバケバしいロックスが懐かしい、イギリスの出身のグラム系HM/HRバンドの1st。1988年にCD化された時にジャケットが差し替えられたのですが、オリジナルの持つトゲトゲのケバケバしい奴の破壊力は忘れられませんよ。
サウンド的にはPOISONのようなパワーポップスタイルに初期MOTLEY CRUE辺りが醸し出した退廃的なムードに包まれたグラマラスなハードサウンドを掛け合わせ、そこに本当は素行の正しい英国人らしい生真面目さが加わり、わりとしっかりとしたサウンドメイクを施されています。陽性なノリのよさ、コマーシャル性を高めた楽曲は洗練されたイメージも手伝い、過度にやり過ぎる傾向の高い音楽性の中でも、バランス良く聴かせる一品として愛聴しています。このアルバムを聴き真っ先に思い出されるのは、Pretty Boy Floydなので、その辺のサウンドに愛着を覚える方にはグッとくる要素も高いと思いますよ。ポップなんだけど、ハードで身体の悪そうな毒気のあるサウンドにロックな精神性を感じますね。


JADE - If You're Man Enough ★★★ (2017-04-01 13:45:17)

イケ面ギタリスト、パット・ベルローズ率いるカナディアンHM/HRバンドは1985年にリリースした2nd。シンガーがスウィート・マリア・ブラック嬢に交代したのですが、声の張り艶、共に申し分ない魅力を秘めており、安定したパフォーマンスは見事にフロントマンの重責を果たしています。演奏技術は高いが録音時のバランスの悪さが足を引っ張っていて、もう少し低音域に迫力があれば、このダイナミックなカナディアンHM/HRサウンドの魅力がバチコーンと伝わるのですが、いかんせん、その辺りのツメの甘さが残念な仕上がりですね。キャッチーで耳馴染みの良いダイナミックなサウンドは、ノリの良さも手伝いシンプルに王道HM/HRのカッコよさを伝えており、聴いていて実に清々しい気分を味わえますね。豪快だが繊細なメロディを組みこみ、丁寧に作り上げた音楽性はカナダならではの味わいでしょう。全編に渡り施されたフックに富んだメロディの旨みを存分に味わってほしいですね。
根っこにある骨太さを、軽めのミックスで仕上げた事が個人的には本当に残念な気持ちになりますね。同時期活動していたカナダのメタルクィーン、リー・アーロン辺りが好きな方なら聴いて損はしないでしょう。本当に力まずとも凄みを出せるメタルバンドだと思うんだけどなぁ。ミックスが残念じゃぁ


QUARTZ - Fear No Evil ★★★ (2017-03-31 18:15:24)

2011年に再結成を果たし活動と続けるレジェンダリーな英国産HM/HRバンドが2016年にリリースしたアルバム。最近まで知らなかったので慌てて購入。これが期待通りの往年のテイストをそのまんまに現代に蘇らせた滋味深い一品。シンガーは3枚目で歌っていたジェフ・バートなので、マイク・タイラーの親父声じゃないのがチョイと残念なのですが、問題なく収まりウネウネドロドロとしたダークテイストたっぷりの英国サウンドと向き合い聴き手を魅了。マルコムの鋼鉄の鞭がしなるようなドラミングは健全、ミックの蛇のような厭らしいカッティングに硬派なリフワーク、そして妖艶なメロディを奏でるリードプレイと、当時を彷彿とさせる出来栄えにマニアなら悶絶必死。ボーカル以外はオリジナルメンバーでの復活となり初期の音楽性を支えた、あのBlack Sabbathの正式メンバーとして最後まで認められなかった男、メタル界の熊切あさ美と呼ばれるジェフ・ニコルズが全面参加してるのが作風にも影響を及ぼしているでしょうかね。
かつてトニー・アイオミに気に入られアルバムのプロデューサーまで務めてもらいデビューアルバムを制作するかれら、その世界観を踏襲しつつ、今の時代性も無視する事無く再構築された今作はサバス的なニュアンスを携えた、実に彼ららしい一枚へと仕上げてきましたね。そして、おそらくジェフ・ニコルズ最後の仕事でしょうRIP。


GALNERYUS - Voices From the Past Ⅲ ★★★ (2017-03-31 17:09:17)

LIVE会場限定メンバーがチョイスしたカヴァーアルバムの第3弾。
シンガーも小野先生に交代、その効果は如実に表れ表現力のバカ高い歌声を駆使し圧巻のパフォーマンスで魅了。このバンドをワンランクもツーランクも高いステージへと押し上げたと思います。演奏技術の高さもさることながら、アレンジセンスの妙技が最大の魅力で、本当に原曲の良さを最大限に高め、古臭さを排除した再生技術に舌を巻きますね。インギーのカヴァーは誰がやっても至難の技で、あのタッチや間を再現するのは不可能ですが、ジョージ・リンチを向こうに回し弾き倒した⑤には脱帽です。④の選曲も渋いがオリジナルを完全に超えた全てのパートがエグイ、何度聴いても胸を掻き毟られる慟哭サウンドですよ。
ちなみに第2弾も魅力的なアーティストのカヴァーを取り上げ、相変わらずのアレンジセンスと選曲で楽しませてくれるのですが、個人的にはYama-B臭がキツくて聴き通せないのですが、そこが気にならない方には、物凄く楽しめますよ。本当に凄い事をやってのけ、オリジナルを殺さないアレンジセンスは見事なんだから。恐ろしいポテンシャルを秘めたバンドだと言う事を見せつけていますよね。若い人には教科書のようなバンドなのかも知れませんね。今と昔を伝えてくれる貴重な存在だと思います。


GALNERYUS - Voices From the Past ★★★ (2017-03-31 16:47:55)

① selected by Syu
② selected by YAMA-B
③ selected by YUHKI
④ selected by YU-TO
⑤ selected by JUNICHI

上記メンバーのセレクションからなるLIVE会場限定販売のカヴァーアルバム。
AC/DCのカヴァーなんて、このバンドからは想像もつきませんでしたが、仕上がりは思いのほか、自分達仕様に仕上げてあり聴き応え十分。やっぱり上手いってのは素晴らしい事ですね。そして彼らのファンとなる若い人たちにとっては、メンバーのルーツたる音源に触れる事によってメタルへの興味や造詣も深まり一石二鳥の効果とお楽しみを味わえる一品として重宝するでしょうね。とにかく選曲が渋い。それにアレンジの上手いがハンパい。オリジナルの良さを残しつつバンドのカラーを注入する事に大成功。Vandenberg coverなんてオリジナルを超えた出来栄えだし、ASIAも良かったしゲイリーの曲もタイトにシェイプされて良かった。スコピ節も今風なエッセンスがあり、本家を超えたと言っても過言ではないでしょう。
このバンドのファンのみならず、普遍的なHM/HRが好きな方なら迷わずゲットできる一品ですね。個人的にはYama-Bの歌がどうしても苦手なのでオリジナルアルバムの方は中々手を出せないのですが、今作のアイデアには恐れ入りましたね。


CYNTIA - Urban Night ★★ (2017-03-29 12:23:51)

前作ではいきなりダンスミュージックなノリで幕が開け、結構な戸惑いがありましたが、今作は3rdと4thの中間を行く仕様。ロックバンドとしての体裁を保ちつつ、ポップさを嫌みなく前面に引き出し等身大の魅力を打ち出しています。力負けしないハードさと、キュートだがビターテイスト漂う楽曲には、媚を売りすぎない女のプライドを感じさせ、丸くなっても捨てきれないバンドとしての葛藤が、進むべく新たなる方向性とのハザマで揺れ動いていますかね。
Aldiousのトキちゃんがゲスト参加した④みたいな広がりのあるナンバーを聴き、HM/HRへの偏見が解けるのなら、彼女たちには頑張ってほしいですが、中途半端な事をするのなら(今作をHM/HRの範疇で語るのは無理目かな)ハピネス路線の方がこのバンドに似合っていると思いますよ。個人的には今作を聴き昔懐かしい、白田一秀や西川茂のいたプレゼンスを思い出しましたね。


早川めぐみ - Metal Version ★★ (2017-03-29 12:12:08)

1985年の2月にアルバムをリリースした早川めぐみ嬢が、2ヶ月後には全曲カヴァーによるEPをリリースさせられると言う、エグイ扱いに薄給でコキ使われるアイドルの姿を重ね涙するのですが、前作よりも歌唱力がUP。てっきり事務所の戦略でヤラされたメタルシンガーデビューだと思っていたら、RUNAWAYSのファッションに興味を持ち高校2年にはVAN HALENのカヴァーバンドを組んでいたというエピソードのある彼女。(他にもアイドルらしい自分のファッションブランドを立ち上げたいとか、両想いより片想いいの方が好きとか、カレーの隠し味にこぶ茶が良いとかライナーに書いてありますよ号泣)
その麗しいルックスを生かしたいのですが、硬派なメタルファンからは稚拙な歌唱力を前に叱られ、アイドルおたくにとっては馴染めない音楽性、今の時代ならどうなっていたのかなぁと考える事もありますが、当時としては完全なイロモノで今作における評価もすこぶる悪かったと聴かされています。
なんとか洋楽層に切れ込もうと今作は全曲カヴァーに取り込み、アナログ盤なんでA面がOLD SONGSと銘打ちKISSとSLADEによる70年代の楽曲をカヴァー。B面がNEW SONGSと銘打ちALCATRAZZとTWISTED SISTERによる80年代の楽曲をカヴァー、その出来栄えは脇を固める日本人ミュージシャンによる芸の細かいアレンジとツボを押さえた再現性に期待はずれな要素は無く、流石だなぁと思わせてくれます。ソロで客演したジョージ吾妻と松川RUN敏也のプレイは楽曲の性質もあり、さほど目立ってはおらず、松本孝弘の若々しいメタルギターだけで十分満足できる仕様になっていますかね。
今作の2ヶ月後には2ndをリリース、さらにポップ性を高めたアルバムを2枚&4曲入りのEPをリリースさせられるめぐみ嬢。そのハイペースなリリースはデビューして1年以内の出来事と言うのだから驚きです。もっとステージで経験を積み、しっかりとしたサポートの上、実力をつけていたらな今日の評価も変わっていたのですが、可哀想な芸能人生ですね。こんなにヤラされたら擦り切れるわい。


早川めぐみ - Metal Version - I Wanna Rock ★★★ (2017-03-28 15:23:23)

オリジナルはTWISTED SISTERのヒット曲
オリジナルアルバムの流れ的に好きなタイプの曲ではないので幾度聴かない一曲
正直めぐみちゃんヴァージョンの方が聴いている気がします
やっぱり彼女は元気いっぱい歌っていますよ
演奏レベルはオリジナルに負けていませんね
流石は日本人ミュージシャンによる芸の細かい仕事ぶりに目を細めますね


早川めぐみ - Metal Version - Sons and Lovers ★★★ (2017-03-28 15:20:08)

スティーブ・ヴァイの挑戦するのは若かりし日の松本孝弘
彼のフラッシーなメタルギターを堪能できますね
めぐみちゃんは元気いっぱい歌っています
オリジナルはALCATRAZZ
ポップでキャッチーなエエ曲ですね


早川めぐみ - Metal Version - Good Bye Jane ★★★ (2017-03-28 15:17:27)

オリジナルはSLADE
ソロで客演するのは我らがジョージ吾妻
オリジナルを知らないのですが
めぐみちゃんは元気いっぱい歌っていますよ


早川めぐみ - Metal Version - 激しい愛を(C'mon and Love Me) ★★★ (2017-03-28 15:15:41)

オリジナルはKISSの曲
ギターを弾くのは松本孝弘
ソロは松川敏也
松川はおとなし目の客演なので
そのまま松本でもよかったような気がしますね
めぐみちゃんは元気いっぱい歌っていますよ
テンポアップされたLIVEヴァージョンを意識したカヴァーですかね


VIXEN - Tangerine ★★ (2017-03-28 14:06:17)

90年代に入り激変するミュージックシーンの流れに飲み込まれ解散の道を辿ったガールズHM/HRバンドのVIXENが、ジャネット・ガードナーとロキシー・ペトルーシに新ギタリストのジーナ・スタイルらが中心となり再結成され1998年にリリースされた3rd。2000年を前に華やかなポップロックサウンドなど許されるわけも無く、生々しいロックの持つヴァイブと彼女たちの持つ等身大の魅力が無理なく押し出された意欲作。ヘヴィでファットな芯の太さもあるが、キャッチネスと言う煌びやかな往年の空気を送り込み、時代との折り合いをつけた折衷案は見事。
今の感性で聴けばバランスの取れたロックサウンドとなるのだが、当時としては、やっぱり復活したらこの路線になったかと言う意見が多く、かつての音楽性を期待したファンを裏切る形となり、セールス的にも跳ねる事の無かった彼女達、尖りまくったガレージパンクなL7など、新しい形もあったし、再出発が成功とはいえなかったのでしょうが、③のような曲を聴かされると、今作もけして捨てたもんじゃないと思わずにはいられませんね。
テクノロジーに頼り切った音楽じゃないリラックスムード漂う演奏は開放的で良かった。ジャネット・ガードナーの生っぽい歌も良かった、コーラスワークも懐かしい感じがあって良かった、この時代ならではの装飾過多にならないアレンジも良かった。やっぱり時代なんだよね。この音はね。
ちなみにメジャーデビュー前の彼女達の音源を聴いた事があるのですが、メンバーの出で立ちも、華やかなルックスを押し出したポップロックではなく、ジャンのギターをフューチャーしたかなりハードな音楽性だったので、案外今作の方が精神性としては近いのかも知れませんね。
ジーナ・スタイルと言えばPoison Dollys時代の実績もあるからなぁ。期待しちゃうのよ。


BLACK STAR RIDERS - The Killer Instinct ★★★ (2017-03-28 13:37:54)

THIN LIZZYサウンドを現代に蘇らせたバンドによる2nd。前作同様アイリッシュフレーバーたっぷりのメロディ、そこに絡むダンディズムにこのバンドの魅力を感じずにはいられません。ツインリードから繰り出される哀愁味、耳馴染みの良いコーラスハーモニー、適度なハードさと生々しいヴァイブを纏ったロックなリズム、ヤラされていない分、そこにあざとさは無く自然体なアイデアが反映された楽曲は、無駄な贅肉を削ぎ落しコンパクトに纏め上げられ、テンポよくスッと進むのも好印象。独自のカラーをしっかりと持つバンドは強いですね。この瑞々しい響きに癒しを与えられますよ。前作を聴いて気に入ったマニアは勿論ですが、多くのバンドの影響を与えたTHIN LIZZYサウンドに興味のある方は是非とも手にとって欲しい一枚です。


BLACK STAR RIDERS - All Hell Breaks Loose ★★★ (2017-03-27 13:07:02)

元はTHIN LIZZYの再結成バンドだったのだが、作品をリリースするにあたりバンド名をBLACK STAR RIDERSと改め2013年にリリースした1st。アイリッシュフレーバーたっぷりの③辺りを聴けば、このバンドがTHIN LIZZYの遺伝子を継ぐものと即座に分かるものですが、それはけっして安易な焼き回しに起因する過去の遺物を喰い尽くす姿とはチョイと違う、本気度の高いバンド活動を示唆する音楽性を高らかに鳴らすもので、男のダンディズムを醸し出す屈強なリフワークと哀愁のある男泣きのメロディ、その随所に盛り込まれるアイリッシュな響きに、このバンドの本質を見出す事が出来るでしょう。

またスコット・ゴーハムのワウをかましたお得意のギターソロなどの古典的な手法も今の時代では逆に新鮮な響きがあり、ソフトな感触のロックナンバーから、エモーショナルなバラードは勿論、ツインギターのハーモニーを生かしたお得意のナンバーとアイデアの出し惜しみのない、長い歴史の総括のような印象があり、THIN LIZZYここにありという印象も強く刻まれていますね。

古典的な作風故に若い人には、少々地味に感じるでしょうが、個人的にはどうしようもないくらい”男”を感じさせる音で、その哀愁美とロックの持つダイナミズムに酔わされますね。なんでかわからんけど、男の生き様としか聞こえません。上手く言えないのですがたまらんのです。


HERICANE ALICE - Tear the House Down ★★★ (2017-03-26 13:30:47)

メロディックなアメリカンHM/HR好きにはたまらんでしょうね。優等生過ぎるきらいはあるが、計算され導かれた素直さが心地よく鳴り響き、安定感のある演奏は抜群の相乗効果を生みだしていますね。歌い手が若い頃のジェフ・スコット・ソートを思わせるのも個人的には好印象、ポップなメロディと柔らかな感触だがハード&ヘヴィなグルーブ感を損なわないリズム隊と、堅実さと華やかさを併せ持つ職人肌のギター、ある種の完成系とも言えるスタイルを手堅く引き継いだ音楽性は、奥行きのあるアレンジが行き届いており、地味だがコマーシャル性の高さと職人技が共存する良質な作品へと仕上がっています。
メロディックなアメリカンHM/HRも1990年を前に斜陽を迎えようとしていました、時期的に厳しいデビューもあり、さほど話題に上らず解散の道を辿る彼ら、個性を出す事の難しさを感じますね。


PRETTY WILD - Pretty Wild ★★★ (2017-03-26 13:04:59)

北欧はスウェーデン出身の4人組による2014年リリースのアルバム。Dead End Exit Recordsという、あまり馴染みのレーベルからのリリースのせいか知名度が低いようですが、出している音は、ビックギターにビックドラムから繰り出される耳馴染みの良い豪快なアリーナロックサウンド。全編に渡り張り巡らされるキャッチーでフックに富んだメロディ、好きな人には頭からケツまで安心安全の保証付きとなるのですが、その反面、物凄く個性不足でもあるので、そこが評価を分けるでしょうね。
ある意味、究極のポピュリズムをフォローする音楽性は鼻につく事もあるでしょうが、キッチリと図面を広げ、丁寧に作り上げた楽曲の持つ輝きは、世代を超え愛される普遍的ロックサウンドとして、デカイステージと会場の中で大音量で聴きたくなる音楽だと思います。良く練り上げられたアレンジとフックの富んだメロディの数々、ロックの持つ豪快さと親しみやすいメロディの融合、無駄のないツボを押さえた演奏は、伝統と革新さを武器に硬軟交えたバランス感覚に優れており、売れる事の匂いを嗅ぎ取った実に良く出来た音楽性だと思います。よう考えているわ。ノリの良さ、視聴後の爽快感、北欧ブランドは揺るがんね。


MIDNIGHT PRIEST - Midnight Steel ★★★ (2017-03-25 13:14:16)

やる気のないジャケットに興味も削がれそうですが、バンド名にアルバムタイトル通りのド真ん中を行く80年代型の正統派サウンドを披露、ポルトガル出身のバンド故に、適度な疾走感とハードさの合間にチョコチョコと顔出す、何とも言えない望郷心を擽るあのメロディがあったりとしますが、変な癖は無く、この手のオールドスクール丸出しの音楽性に共感できるマニアなら大いに楽しんでもらえるでしょう。個性不足もなんのその、全10曲(短いインスト3曲)30分少々のランニングタイムが示すように、無駄のないアレンジの楽曲が勢いよく駆け抜けていく清い音楽性は懐かしさも手伝い一気に聴けるでしょう(スカッとしてままっせ)。その反面、飽きのサイクルも早いが難点なんですけどね。今作は2014年リリースの2ndで、ワタクシが初めて触れた音源こちらで1stからシンガーは変わっており、よりストレートな作風に転じたのはメンバーチェンジがもたらした要因なのかなぁと思いましたね。ちなみに前作は、もう少し芝居がかったドロドロとしたダークな世界観を演出した音楽性になっていますよ。


DIRTY BLONDE - Passion ★★ (2017-03-25 12:56:40)

アルバムジャケを飾るメンバーショットとバンド名、頭の中に描かれるのはラフでグラマラスなアメリカンロック、今作は、その期待を裏切らない音楽性ではありますが、こちらはもう少し繊細で淡いタッチの叙情性が加味されており、独自の路線を切り開こうと工夫を凝らしているのがメロディ派には朗報と言えるでしょうかね。とは言え楽曲の個性不足とデジャブ感がハンパなく、○○と○○をガッチャンコして○○風に仕上げましな作風が評価を分ける最大の要因となるでしょう。
そのデジャブ感が気になると最初から最後までダメなのですが、ふわっと盛り上がる軽めのコール&レスポンスにパツキンの黄色い歓声も聞こえてきそうな軽やかさと、これまたふわっとした哀メロが新鮮な風を運んでくるのが聴きどころ、嫌みのない音楽性故に、ハードなモノを好む方や、見た目とちゃうやんかとワイルドさも薄目なので、その筋のファンには物足りなさもあるでしょうが、逆にラフでスリージーな奴はチョットと思う方には、丁寧な作りのアメリカンロックとして楽しんでもらえるんではないでしょうか、でも13曲個性不足はチョイとキツイですかね。


WHIPLASH(Indonesia) - War of Terror ★★★ (2017-03-23 16:37:10)

こちらはインドネシアのWhiplashが2016年にリリースした1st(アメリカ以外にも知っているだけでドイツと我が国日本にいます、いずれもスラッシュメタルじゃ、ややこしいわ)。アジア圏からどんなサウンドが飛び出してくるかと思ったら、モロオールドスクールなTHEスラッシュな音楽性を披露。こんなもん○○だと叱られそうですが、この懐かしき響きがたまりませんね。ジャギジャギとしたギターリフ、麦踏ツーバスのモッサリとしたリズム、懐かしいわ。アイデア的にも多くのバンドがシェアしてきたアイデアをそのまんな、ヒネリなく継承する事で逆に清々しいまでのピュアスラッシュを刻む事に成功しており、聴き手のよってその辺りの解釈で評価を分けそうですが、欠点よりも長所を愛でるせいしつ故に、この愛するべき暴走サウンドを継承する姿は憎めないですね。工夫を凝らしたドラマ性、一緒に歌えるボーカルパートのキャッチーさ、エッジの切り立ったサウンドだが丸みを帯びた聴きやすさもあり、全般的なバランス感覚が、やはり懐かしい空気を生みだしている。そしてこのラフさ加減がインドネシアの味なんでしょうね。くどいようだが、それが逆に懐かしい風を運んでいるもの個人的には嬉しい限りです。こういうの聴きたかったッス


OMEN - Huszonöt év ★★★ (2017-03-20 13:57:21)

ハンガリー代表する古参メタラーが結成25周年を祝うべく2015年にリリースしたアルバム(アルバムタイトルも25周年みたいな意味らしい)。元はPokolgépのシンガー、ジョセフ・ハンマーとラシュロ・ナジフィらが、音楽性の相違により脱退し結成されたバンドなのですが、1997年リリースのアルバムを最後にジョセフは脱退、今は4代目シンガーのアルパドに交代し活動を続ける彼らですが、ヘヴィでファットな今風の音を咀嚼しつつも根底に流れるのは麗しきハンガリアン正統派HM/HRサウンド、屈強なリズム隊が屋台骨を支え、整合性とダイナミズム溢れるサウンドは一朝一夕では作り上げる事の出来ない深みがあり、その練り上げられた音楽性は聴き手の感性を、ジンワリと身動きが出来ないように拘束。少々投げやりだがメロディを追っかけて歌うアルパドの歌い回しも、この手のサウンドにピッタリとハマり、しっかりと磨き上げていますね。
東欧的な独特の音色を巧みに操り、土着的になりすぎないワールドワイドな音楽性、でも拘りの展開には、ハンガリーならではの構築美を感じずにはいられませんね。ダークでシリアス、その生っぽい音作りは今を感じさせるし、ザクザクと刻まれるヘヴィなリフワークも耳を惹くし、メリハリの効いた演奏は心地よい響きを重ねており、今を生きる正統性の高い音楽性を貫いているが一番の聴きどころでしょう。ヘヴィなミドルナンバー中心ではあるがバラードタイプのスローナンバーやガッツィなミドルハイも用意し飽きさせない工夫はベテランならではのオモテナシですかね。


PANIKK - Unbearable Conditions ★★★ (2017-03-20 13:25:20)

スロベニア産のベイエリア直系オールドスクール丸出しのスラッシュサウンドを轟かすバンドが2014年にリリースした1st。スタスタスタターンとキレのあるドラムにニヤニヤとさせられますが、これぞクランチーなリフと言わんばかりの疾走感溢れる楽曲は、まさにDEATH ANGELやEXODUSあたりを想起させるもので、キャッチーなんだけど暴力性の高いスピードナンバーの中に、小気味良いドライブ感を誘発するノリのよいリズムを盛り込み、思わず身体が勝手に動き出します。先輩たちをお手本に起伏に富んだ構成や、練り込まれたリフワーク、テクニカルなソロなど、既に確立された部分を持ち合わせており、あとはどれだけ自身のカラーをバンドサウンドに持ち込むかが次作以降の飛躍へと繋がるんでしょうね。今や正調スラッシュの復権も目まぐるしいモノがありますが、最近の若手は初っ端から完成度は高いが、荒削りでも個性的なカラーが薄味なのが残念ですね。まぁ無いモノねだりのI WANT YOUなんですけどね。


RAPIDFIRE - Ready to Rumble ★★ (2017-03-19 13:40:50)

のちにアクセル・ローズと名乗るロック界のスターが、ビル・ベイリー名義で活動していたバンドの5曲入りEP。1983年録音のデモ音源が2014年に商品化されたもので、リリースするに当たり相当揉めた事が予想されるのですが、軽快でありながらも骨太なグルーブ感のあるワイルドでブルージーなロックサウンドが収録されており、ガンズマニアなら手元に置きたいところでしょうかね後の独創的な歌い回しはありませんが、アクセルが歌っていると感じる事が出来るでしょうね(1983年のデモ音源だし、Hollywood Rose時代のデモと比べるとアクセル感は数段下がる内容です)。


ALIEN - Best & Rare - Tokyo Night (1985 Demo) ★★★ (2017-03-19 13:20:17)

歌い手の雰囲気もありホワイトスネイク風ですかね
ソロでグッと北欧の風を吹かせます


CHACKO - Chacko - Once Bitten Twice Shy ★★★ (2017-03-19 13:09:05)

ノリノリですね
ワイルドなパーティーロックナンバー
シングル向けの一曲です


CHACKO - Chacko - I Know ★★★ (2017-03-19 13:06:27)

切なげなメロディが印象的ですね
パワーポップな一曲
そんなに力まないリラックスした歌声も悪くないですね


CHACKO - Chacko ★★★ (2017-03-19 13:04:27)

ドイツのAXXISやDOROのソロアルバムなどのプロデューサーを務めたジョーイ・バリンに見出されデビューを果たすロリ・チャコのソロバンドが1986年にリリースした1st。アフリカ系の女性なのかな?健康的な小麦色の肌とパワフルな歌声が魅力の彼女、リリースは1986年と言う事でバブリーな香りが漂う乾いた軽めのリズムセクションですが、力強さと憂いのある繊細さが同居した歌声は、バラードありのハード目のポップサウンドありの多彩な楽曲も見事に歌いこなしモノにしているのが印象的。ハードでポップな歌モノロックが好きな方なら聴いて損はしないでしょう。長身で見た目の印象もロックシンガー然とした雰囲気があってカッコいい歌い手でしたね。


SAXON - Greatest Hits Live! ★★ (2017-03-19 12:45:24)

プロデビュー10周年を祝う1989年に行われた欧州ツアーの模様を収めたLIVEアルバム。1989年にリリースされたビデオと同じ音源ですね。所謂、低迷期と呼ばれる渡米し成功を胸に、腰の据わりの悪い活動でお茶を濁した感のある彼らが、その中で行われたLIVE、選曲的にはタイトル通りベストアルバム的なニュアンスが強くまさに代表曲のオンパレード、色んな意味で丸くなった彼らのライブに何を感じ求めるかで評価も別れるのでょうが、当時の彼らの姿が色濃く反映されており、80年代後期の彼らを等身大で受け止める事が出来る入魂の力作です。

リリース当時彼らは、タテノリの曲をヨコノリでプレイしているとかなんとか言われ、そうりゃもう国内での人気は凋落する一方、バンド史上もっともひよった歌モノロックアルバム『Destiny』リリース後のツアーってのも影響しているんだろうなぁと思いますね。今もその影響を受けて日本ではイマイチ評価の低いベテランバンド、20年も前の批評を知らない世代にはフラットの気持ちで向き合えると思うので、機会があれば是非トライしてもらいたい一品ですね。英国紳士による貫禄のステージを楽しめますよ。でもポップでもスピードが命って方には厳しいかな。


ALIEN - Best & Rare - Wild, Young and Free (unreleased Single) ★★★ (2017-03-15 15:46:03)

ピート・サンドベリが歌う未発表曲
北欧らしい甘美で叙情的なメロディ
そこに有機的に絡むピートの切ない歌声
このバンドの魅力を端的に物語っていますね
このリズムセクションとギターの音はポップス畑じゃきけないもんね


ALIEN - Best & Rare - Eagle (B Side Angel Eyes) ★★★ (2017-03-15 15:40:05)

サビだけ歌があるというハーフインストと呼びたくなる一曲
トニー・ボルグのギターが泣きまくりの歌いまくりなので歌は入らないのだが
これも歌入りの予定だったのかなぁ?と推察しますね
それにしても胸にグッと迫ってきますね


ALIEN - Best & Rare - Hot Summer Nights (B Side Turn on the Radio) ★★★ (2017-03-15 15:34:24)

アルバムShiftin' GearからシングルカットされたTurn on the Radioのカップリング
ピートの絡みつく切ない歌声が映えますね
軽めのハードポップナンバーだが手練手管の名手たちがそう簡単に聴かせてはくれない
グッと胸に迫ってきますよね
北欧の風が狂おしいほど吹いていますね
この曲はWalter Eganのカヴァーです


ALIEN - Best & Rare - How Long (B Side Easy Livin') ★★★ (2017-03-15 15:27:56)

エイリアンお得意の甘く切ないハードポップナンバー
トニー・ボルグ渾身のソロに悶絶
ピートの歌声もピッタリと寄り添っていますよ


ALIEN - Best & Rare - Somewhere out There (B Side Only One Woman) ★★★ (2017-03-15 15:23:58)

シングルカットされたOnly One Womanのカップリングナンバー
トニー・ボルグのエモーショナルなギターに酔いしれます
タイトルを連呼するパートがあるので当初は歌入りの予定だったのかな?
そんな事を推察させるハーフインスト?ですかね??


ALIEN - Best & Rare - Headstrong (original Single) ★★★ (2017-03-15 15:18:11)

ジムの繊細な歌声が映えますね
北欧ロマネスクオーロラサウンドがキラキラと輝いています
今ではすっかり北欧でも見かけなくなったサウンドですね


ALIEN - Best & Rare - I'll Survive (original Single) ★★★ (2017-03-15 15:15:33)

フルアルバムリリース前のシングルのみの音源
歌うはジムです
甘美だが冷ややかなメロディが爽快な風を運んでくる北欧スタイル
次なるアルバムの方向性を示唆していますね


ALIEN - Best & Rare - Easy Livin' (Single Version) ★★★ (2017-03-15 15:07:31)

所謂ピート・サンドべりヴァージョンがリリースされた後に世に出たシングル
ピートの若々しい歌声を堪能できます
甘く切ない北欧サウンドに胸キュンですね
軽やかだねぇ
突き抜けてるわ


LAST IN LINE - Heavy Crown ★★ (2017-03-14 13:02:27)

ある意味、DIOの黄金期を支えたジミー・ベイン、ヴィニー・アピス、ヴィヴィアン・キャンベルの三人が集まり、ディオに捧げるが如き名盤『HOLY DIVER』を現代的アレンジで蘇らせたような一枚。ヘヴィなミドルナンバーが中心な為、若い人には睡魔に襲れ、つまらんといわれそうなので、スピード=HM/HRと思う方は棄権する事を進めるが、王道も王道、そのド真ん中を地響きを立てながら闊歩するヘヴィなミドルナンバーの迫力と、往年の輝きを取り込んだ音楽性に胸が焦がれます。勿論、モダンな色合いも存分にあり、ファットなギターから繰り出される新旧のヘヴィロックサウンドを網羅したヴィヴィアンのプレイは、懐かしくもあり、今の活動から鑑みると新鮮でもありますね。トリビュートの意味も込めロニー・ジェイムス・ディオよ、再びという音楽性ではあるが、アンドリュー・フリーマンのディオとは異なるタイプの歌い手だが、見事な歌いっぷりで新たなる息吹を吹き込んでいるのが、パロディバンドで終わらない本気度を感じますね。Martyrのようなスピードナンバーでも粘り腰だが爽快感があるし、素晴らしいパフォーマンスで魅了してくれます。堂々たる顔ぶれが揃い期待通りの音楽性を貫いた一枚、マンネリズムと言う安定感を甘受するのもたまには良いかと思います。


JETTBLACK - Raining Rock ★★★ (2017-03-13 13:04:45)

元気いっぱいに飛び出している音はラフでスリージーなL.A風の音だが英国出身の4人組。耳馴染みの良いキャッチネスさが懐かしい匂いを発散しているが、ヘヴィでファットな音作りはグランジ以降のロックサウンド、そこに塗されるメインストローム寄りの80年代型メタルと、ある意味ありがちなスタイルだが豪快なリズムとギタープレイ、そして鮮やかさも加味されたメロディと実に計算された作りが施されており、視聴後の爽快感は中々のお手前だ。
まずは豪快なロックアンセム『Raining rock』で幕が開き、お約束感満載だがエモーショナルなロッカバラード『Black gold』、ノリの良い疾走ナンバー、ヘヴィグルーブが心地よいミドルナンバーに、メインストリームメタルと、聴き易さを誘発する多様な音楽性を盛り込みつつも、八方美人にならぬよう、一つの方向性に纏め上げた手腕は見事。個性は無いがツギハギだらけのロックンロールで終わらないスムーズな構成力が肝、フックに富んだサビメロ、ノリのよいドライブ感、その質の高さは及第点を十分に超えたものだし、Kissin' Dynamiteタイプの質実剛健なHM/HRが好きな方なら安心して身を任せる事が出来るでしょう。


G-FORCE - G-Force ★★★ (2017-03-12 16:03:07)

結成当初はB.Voでグレン・ヒューズが参加していた事で知られる短命に終わったゲイリー・ムーアのプロジェクトバンド。後にグレンに、俺の歌い方を模倣しているんだよと言われるゲイリーだが、ギタリストのみならず、シンガーとしての実力も上がり、随分と骨太な印象を受ける一枚、勿論、ポップでキャッチーな面を残してい入るが、THIN LIZZY時代にも通ずる大人のダンディズムさと、ハードなエモーションが哀愁を纏い掻き鳴らされるクレイジーギターぶりに悶絶、歯切れの良いリフが映えるポップな①から②の流れは今聴いてもゾクゾクとさせられる流れの良さも手伝い、最後まで飽きさせる事無く聴かせるコンパクトさが好きですね。表現力の高いギターばかりに耳が行きがちなゲイリーのアルバムだが、今作は適度なコマーシャル性が高いラインで設定されおり、フックに富んだ歌メロは聴きやすさを誘発、実にバランスに気を配した作りになっています。こうして改めて聴くとゲイリー・ムーアって優れたコンポーザーだったんだなぁと思い知らされますね。良い曲ありきソロだもんね。レゲエ風の③も違和感無いっす。流石だなぁ。


GARY MOORE - Back on the Streets ★★★ (2017-03-12 15:43:10)

THIN LIZZYのカヴァーもあったり、フィル・ライノットがB.Voのみならず作曲面でも深く関わっているゲイリー・ムーアのソロ作第一弾。全般的にポップーでキャッチーな陽性面が強く前に出てはいるが、十八番とも言える泣きのギターが堪能できるバラードもありと、広くバランスの取れた一枚として知られていますね。ギタリストとしての弾けっぷりも、この時点で確立されているのも面白く、ハードなリフワークと哀愁のメロディ、そこに濃厚に絡みつくエモーショナルは響き、ゲイリー渾身の一撃は多くのギタリストを魅了する事となったでしょう。またラストに収録される⑧はジェフ・ベックの『哀しみの恋人達』と共に、ギタリストの入門曲として広く知れ渡っていますかね。


GARY MOORE - Back on the Streets - Parisienne Walkways ★★★ (2017-03-12 15:30:15)

ゲイリーとフィル・ライノットの共作によるムーディーな一曲
ゲイリーのチョーキング一発の泣きのギターを堪能できますね
この曲は使い方を間違えると完全に
つのだひろがメリージェーンと歌いだしそうだし
場末のスナックのチークタイムである
昭和カラオケ喫茶である
その辺りが若い人には進めづらい要因かもですね
羽生君の時はハズかったわ
この曲はジェフ・ベックのCause We've Ended As Loversと双璧をなす
ギタリスト達の登竜門としても知られた名曲ですよ


ASCALON - Reflections ★★★ (2017-03-12 15:17:48)

英国産の4人編成によるツインギターバンドが2016年にリリースした8曲入りのEP。オープニングから勢いよく駆け抜ける様は、まさにNWOBHM直系のハードサウンド、ロニー・アトキンス似のマット・ジェラードの歌声も少々青臭いが、この手の音楽性にガッチリとハマり、ギラギラとしたツインリードに導かれ場面展開も導入する姿はメイデンフォロワーだ。
屈強なアンサンブルから弾けだされる勢いを殺さない歯切れの良いリズム、ギターリフが生みだす逞しい男臭さのみならず、アコギを生かしたエモーショナルなパートでも魅了する二本のギターから繰り出される、力強さと憂いを帯びた哀愁系のメロディが生みだすドラマ性もこのバンドの魅力だ。そしてヘヴィメタルのなんたるかを雄弁に物語っているでしょう。その疾走感と躍動感に満ち溢れた活きの良いサウンドは、往年のファンの心を読み取った実に明快な方向性を示唆しており、正統派HM/HR復権の道を辿っていますね。


D.C. LACROIX - Crack of Doom ★★ (2017-03-11 15:04:22)

シルヴィ・ラクロア嬢がフロントマンを務めるシアトル出身の正統派HM/HRバンドが1986年にリリースした1st。ラストに収録されているタイトルトラックのCrack of Doomのリフなんてリッチーマニアならニアニアさせられるだろうし、アメリカのバンドなので明るめのライトな楽曲もあるが、ダークな色合いが強くバンドの目指している方向性と、お国柄がバッチンバッチンとぶつかっているようで聴いていてチョット面白い。スケールの大きなロックサウンドを母体にいかような方向性に進むかを試行錯誤する姿に可能性を大いに感じるし、とにかく空間を引き裂くようにヨーロピアンテイスト溢れるリードギターが顔を出す瞬間に、この時代ならではのUSアングラメタルシーンの在りし日の姿を垣間見ますね。初期Twisted Sisterあたりが持つアングラな雰囲気が好きな人なら愛着を覚える一枚でしょう。


STATETROOPER - Statetrooper ★★★ (2017-03-11 14:51:34)

オリジナルは1986年リリースの1st。この時期はメイデン組のポール・ディアノのDIANOや、デニス・ストラットンのLIONHERATなど、ポップ路線へと舵を切ったバンドも多く、MSGのゲイリー・バーテンはどうのような方向性に進むのか個人的にチョイと気にしていたのが当時の思い出、血気盛んな若者に、この手の音楽性をパッと聴いてカッコ良いと思わせず即効放置プレー、やっぱり歌ヘタじゃんで受け付け終了である。でもね、これが物事の分別がつく大人になってから聴くと全然違うんだもんね。10代、20代の自分がどんなヌルヌルのド痛い事を吹聴していたのかを想像しただけで、切腹したくなるほど恥ずかしいと思いますね。
少々ラフな音質が、この手のメロディックサウンドとの相性は良くないと思うのですが、英国風味満点の泣きメロとライトな作風の洗練度の高さは目を見張るほどの出来栄えを誇り、もはや国境を越えた絶対的な魅力を誇示。歯切れの良い演奏と熱はあるのにクールな演奏のキレ味が洗練された空気を運び非常に高いステージへと上り詰めています。
ソツのない曲作りとソフトだが迫力のある楽曲はメロディ派の自負するHM/HRファンな手にとって損はしないでしょう。温もりのあるゲイリーの歌声が優しく寄り掛かってくれますよ。ジェフ・サマーズって良いアイデアを持ったギタリストだったんだなぁ。


DI'ANNO - DI'ANNO ★★★ (2017-03-11 14:27:47)

公的年金みたいなもんを不正受給して逮捕されたと言うニュースがあったり、長年の不摂生がたたり歩行困難になり歌手業を引退するも車椅子にてシンポジウムに参加したり、結局引退撤回したりと何が何だかなぁ、その晩節を汚しまくっている元IRON MAIDENのシンガー、ポール・ディアノが最初に組んだプロジェクトチーム、当初はLONE WOLFと名乗っていたがアルバムリリース時にDI'ANNOに改名、満を持してディアノのパワフルヴォイスが聴けるぞと身構えたメイデンファンを吹き飛ばすライトなポップ路線に舵を切り多くのファンを落胆させたと言われる一枚。その終始ライトな作風とディアノの控えめなヤサグレシャウトとの噛み合わせも悪く、ハーモニーをつけてフンフンフ~ン♪と鼻歌交じりのお気楽歌唱に目が点になりましたね。

でもそんなディアノの在りし日の姿を頭から外して聴くと、これが実にメロディックな歌モノHM/HRサウンドとして聞こえるから不思議なモノです。⑤曲目に収録される『Tales Of The Unexpected』の英国紳士たるプログレポップサウンドなど同郷のMAGNUM辺りがやりそうなナンバーもあったりと、鍵盤楽器を前に出した柔らかい感触の歌モノサウンドを惜しげもなく披露。色んなタイプの洗練されたポップロックを聴かせてくれました。

多くのファンが求めたのはゴジラが地響きを立てて歩き回るような、原始的響きの豪快な恐竜サウンドだっただけに期待したほどの成功には至らず、シングル2枚を出した後、このバンドに見切りをつけBattlezone結成へと走るディアノ氏。その活動もままならず、目先のギャラに走り転々とした音楽人生をおくり、まさにLONE WOLFな男となってしまったディアノ氏。どんな方向性であれ、辛抱して続ければ良かったのだが、なまじ実力があるのと、メイデンの金看板に寄り掛かる節操の無さが、全ての作風にケチをつけている印象は拭えないが、今作のような作風も歌いこなせる実力を鑑みると惜しい人材だったと思いますね。だってメイデン以降の代表作が全然ないじゃん!!

英国風味満点の哀愁のメロディとライトに打ち出したポップサウンド、NWOBHMも斜陽に差し掛かり米国進出を果たすバンドが増えた1984年、そんな流れの中でご多分に漏れず方向転換をなした勝負作であった事は間違いないでしょう。これも時代の流れですね。


SERAFIL - 黒イ光と白イ闇 ★★★ (2017-03-10 14:59:20)

キーボード奏者のみならず、バイオリン奏者も専任でいる男性3人+女性3人の6人編成のバンド。APHASIAのボーカルだった流風こと高山留歌をフロントマンに据え、プログレバンドASTURIASのキーボードが合体、そこに女性ヴァイオリニストや女性ベースが加わり、絵的にもサウンド的にも綺麗な画が描かれており、個人的には少々うっとしいと感じるヴァイオリンの音色も、バンドの個性として完全に消化されており、安易なプログレ風味のJ-POPになっていないのが見事だ。むしろ他のバンドとの画一性を避ける為にも重要なマスターピースになっている。耳馴染みの良いポップセンスとキャッチーなメロディ、そこに絡むハードテイスト、そしてテクニカルなインストパートも盛り込んでいるが、聴きやすく纏め上げる手腕も素晴らしい。

個人的には癒し系のロックサウンドとしてヘヴィなモノの合間に聴く耳休めサウンドとして重宝する部類のスタイルですね、それもこれも、高山留歌さんのパヤパヤした歌声ではない、地に足を着けたパフォーマンスのおかげ、メジャー流通にありがちな裏声ヴォイスに辟易しているので、それが一番ありがたい。通常女性シンガーでプログレ&ヴァイオリン奏者が居るバンドと聴けば逃げ出したくなるタイプなのですが、APHASIAの流風さんがいると言うのが一番のポイントでしたからね。色んな意味でバランスがエエわ。そして、どセクラハですがベースのAzusaお姉さまに叱られたいと思いましたね。


NITEHAWKS - Vendetta ★★★ (2017-03-10 14:29:34)

Crystal Viperのマルタ・ガブリエルの夫として知られるバート・ガブリエルが主宰するポーランドのSkol Recordsから2015年にリリースされた1st。希少な作品を発掘する事に精を出すレーベルとして知られるSkol Recordsからのリリースだけに聴く前から否応に期待も高まるのですが、前がかりなドラム、ハリスよろしくなランニングベース、良く歌うテクニカルなギター、熱の籠ったパワフルヴォイスとガツーンとパワフルにかましているのですがもう少し落ち着いて演奏してくれと、個人的にはチョイとしたズレが気に掛るのですが、典型的なメロディックパワーメタルの影響も多分に含んだNWOTHMサウンドを披露、どこか懐かしいデジャブ感もあるが、これといったバンドを指すものでないのが面白い。また妙な明るさを含んだ楽曲などには、メインストリームメタル風のアイデアも盛り込んだりと、小技を効かした演出もあったりして、暑苦しいパワー一辺倒じゃないのも面白いですね。
ガッツィーでパワフルでスピーディーな楽曲は、即効性の高さと感触の良さも手伝い、初心者にも手を出しやすい馴染みやすさが最大の聴きどころでしょう。ドッカンバッカンとけたたましく走っていますわ。この剛毅な雰囲気はイタリアンだし、叙情味には欧州の風を感じますね。テクノロジーに頼り切らない有機的な響きと男臭さがこのバンドの魅力でしょうね。


MIDNIGHT MALICE - Proving Grounds ★★★ (2017-03-10 13:54:47)

カナダのSkull Fistに籍を置いていたメンバーが集まり2010年に結成されたバンドの1st。ドタバタとけたたましい爆裂感のあるリズム、エネルギッシュに弾けるツインリード、まさに往年のスタイルをそのままにパッケージした80年代型の王道HM/HR。余りにも実直なスタイル故に、その筋のマニア以外には少々厳しいように感じるのですが、哀愁と屈強さが見事に共存しているメロセンスと手堅い楽曲構成は、THEヘヴィメタルを知る上では重要な音楽性であり、彼らが目指している方向性を端的に物語っています。極端なスピードや耳馴染みがやたら良いキャッチネスさが欲しいと思う方は止めた方が良いので、適度にヘヴィでメタリックでワイルドでスピード感を煽るノリの良い、あの音を噛みしめれる正統派サウンドをお探しの方にはドンピシャリですかね。
8曲入りで33分ってランニングタイムも手伝い実に聴きやすく纏めたのも好印象、オッサン達の慰み者では終わらない作り込みが面白い、ローファイな音質でNWOBHM勃興当時を意識しても、この手のNWOTHMバンドにありがちな、ギターの作りが90年代以降の所謂グランジからの影響を飲み込んでいるのがポイント。また、そこを聴き分けれるかも評価の対象となるでしょう。


DOOGIE WHITE & LA PAZ - Granite ★★ (2017-03-09 14:56:09)

Praying Mantisの来日公演に参加しリッチー・ブラックモアの関係者にデモテープを渡した事がきっかけでRAINBOWのシンガーの座を射止め一躍売れっ子シンガーの仲間入りを果たしたドゥギー・ホワイトがスコットランド時代に組んでいたバンドの復活作。メンバーの楽曲も80年代当時のモノを再利用、懐かしきメロディックサウンドに淡白だがドゥギーの歌声は有機的に絡み楽曲に暖か味を与えています。9スパニッシュギターに導かれ始まる9分を超える大作ナンバー『Shame the Devil』のような例外はあるが、基本はポップでキャッチーなメロディラインを中心に派手さはないが、細かいニュアンスを伝える繊細なタッチの音楽性を披露、楽曲志向の枠の中で、ドゥギーのソウルフルな歌声が優しく響きます。
このような作風のアルバムがポーランドのMetal Mindからリリースされた事に驚いたが、ワタクシの趣味を度外視してレーベルの音源をチェックしたら、実に幅広いバンドをフォローしていた事に驚いた。世界は広いなぁ。
ドゥギーファンは勿論ですが、アダルトな雰囲気のHM/HRが好きな人にはウケるでしょう。スピードなモノを求める方にはチト厳しいでしょうね。


COLD SWEAT - Break Out ★★★ (2017-03-09 14:29:34)

権利の関係でFerrariというバンド名が使えなくなり改名したあとにリリースされた1枚。シンガーもオニー・ローガンからロリー・キャッシーに変わったのですが、これが大正解。甘めのトーンも使いこなせる良く通る伸びやかな歌声は、この手のアメリカンロックにピッタリ、②のようなブルージーなナンバーも難なく歌いこなし、その魅力を遺憾なく発揮。人材の宝庫アメリカの底力を垣間見ましたね。楽曲クレジットをみるとオニー・ローガンの名前が半数くらいあり、大人の事情を感じるのですが、マーク・スローターとXcursionを組んでいたドラムのアンソニー・ホワイトが中心となった楽曲が半数あり、中心人物と目されるマーク・フェラーリばかりに話題が集まるが、実にバランスのとれたバンドだったんですよね。
良く歌うメロディックなツインリードを軸に、幅広い音楽性を持ち合わせた実力者揃いのアイデアを遺憾なく取り込んだ楽曲は頭からケツまでバランスのとれたアメリカンHM/HRサウンドが目白押し、何にも考えずに気持ちよくノレますね。ポップでキャッチーなんだけどダンディズムが溢れているんだよね。大人になってから聴くとなお感じますね。良く計算されているわ。成功したいと願う思いがコマーシャルリズム溢れる王道ロックサウンドに顕著に表れているが、それと同じくらいロックバンドのもつ屈強な精神性が混在する良質のメロディックロックサウンドとしてマニアのハートを打ち抜くでしょうね。


ALIEN - Best & Rare - In a Crazy World Like This (Tokyo Night (1988 Demo) ★★★ (2017-03-07 13:36:23)

ワタクシが知っているだけでも
パット・ベネター、エリック・マーティン、トーン・ノーラム、ロビン・ベックと複数のアーティストが取り上げていますね
ラフなデモ音源ですので完成品とはいきませんがハードな男前度も十分伝わります
パワフルなパット・ベネター
ハンパない声量のエリック
キュートなトーン・ノーラム
ロビン・ベックヴァージョンも素晴らしいね


SIDINEX - Forever Young ★★ (2017-03-07 13:10:23)

後にTriumphや自らの音楽性をTurbo Popと呼んだ女性シンガーを擁するPowder、そしてよもやBon Joviのギタリストに迎えられるとは、一大出世を果たしたPhil Xことフィリップ・ゼニディスが初めて世に出たバンドが1985年にリリースした6曲入りのEP。
レコーディング時はメンバーが20歳前後という若さもあり、力いっぱい演奏しましたよという青臭さもありますが、ポップで軽快な雰囲気のある音楽性はVan Halenあたりの影響も色濃く感じられ、そこにカナディアンなメロセンスを導入、その楽曲には純粋に自分たちの求めるロックが好きだという感情が色濃く反映されており、硬軟バランスよく纏めたドライブ感溢れるハードサウンドはオーセンティックなHM/HRらしい熱きエモーションが迸っています。この手の若手がゴロゴロと転がっていた80年代中期、その隆盛を極めつつあるシーンの底力を強く感じますね。自主制作でもレベル高いよ。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - An All Star Tribute to Bon Jovi ★★★ (2017-03-07 12:57:50)

1. Have a Nice Day  [Fred Coury - Cinderella]
2. Welcome To Wherever You Are  [Colby Veil - Hollywood Roses]
3. Runaway  [Alex Mitchell - Circus Of Power]
4. In and Out of Love  [Stevie Rachelle - Tuff]
5. You Give Love a Bad Name  [Kelly Hanson - Foreigner]
6. Livin' on a Prayer  [Marq Torien - Bulletboys]
7. Wanted Dead or Alive  [Phil Lewis - L.A. Guns]
8. Lay Your Hands On Me  [Jani Lane - Warrant]
9. Bad Medicine  [Jizzy Pearl - Love/Hate]
10. Born to be my Baby  [John Corabi - The Crue Union]
11. Living in Sin  [Spike - Quireboys]
12. I'll Be There For You  [Chaz - The Jason Bonham Band]
13. Blaze of Glory  [Kory Clarke - Warrior Soul]

同時期凌ぎを削ったミュージシャンが集い、上記楽曲を収録したボン・ジョヴィのトリビュートアルバム。
デヴィット・ブライアン風味を押さえハードなアレンジが耳を惹きますが、原曲の持つ眩い光がいかようなアレンジも寄せ付けないのが今作を聴いた一番の印象。実力のある著名なシンガーが歌ってもボンちゃんのセクシーな歌声が頭の中で大きくイメージされ、心の底からボンちゃんて個性的で凄い歌い手なんだなぁと思い知らされましたね。
ボン・ジョヴィ通のお知り合いの女性によると、今作は別バージョンが以前リリースされていて、どのような経緯から分からないが
数曲差し替えて再度リリースされたものらしい?個人的には奇をてらわないベストな選曲と豪華メンバーにつられ購入したクチなので気にならないが、慌てて手に入れると悔しい思いをしかねないですからね。
しかしこうして改めて聴くとエエ曲のオンパレードですね、偉大なバンドだったなぁ。
ボン・ジョヴィのハードファンの方なら、ここはああだこうだと言いながら楽しめるだろうし、最近彼らはちょっとと思う方も、気になる面々がどのように歌いあげるか気になるところだろうし、エエ曲に変な個性をぶち込まなければ、当然楽しめますよね。スリルは無いし、プロのカラオケ大会的なニュアンスは拭えないが、ベスト的な選曲も手伝い月1位で聴きたくなりますよ(その後、モヤモヤを吹き飛ばしたくなり原曲を思いっきり聴きたくなるのです)
クドイようだがエエ曲を持っているバンドの偉大さと彼らの商業的にも歴史的にもシーンにとって重要なマスターピースだった事を再確認させられましたね。
バックを支えるメンツはコチラ
Guitar – DJ Ashba, Eric Turner
Bass – Jerry Dixon
Drum – James Kottak


G.I.ORANGE - G.i. Orange - Psychic Magic ★★ (2017-03-07 12:16:12)

タイトルを歌うサビが忘れられませんね
軽やかなポップソングです
今でも口ずさみたくなりますよ


KING DIAMOND - The Graveyard ★★ (2017-03-04 19:41:23)

小児性愛をテーマにキング氏お得意のシアトリカルな世界観を全開に放出した意欲作。テーマがオカルトやホラーじゃない分、その絶唱が聴き手の感情を揺さぶり、激しい嫌悪感を誘発しております。神経を逆なでするシアトリカルな歌唱スタイルばかりに目がいきがちですが、このバンドを支えるのはギターのアンディ・ラロックなので、彼が奏でる不気味で幻想的ななムードの中に、繊細なタッチを描いたフレージングは相変わらずの冴えを見せていますね。被害者となった者たちの絶望感や、救おうとする人達の思いがストーリー仕立てで演出されていて、その社会に蔓延る重々しいテーマを真っ向から取り組んでいます。
乾いた音像により少々情念が薄いと感じる趣はありますが、相変わらずキングらしい、ダークな世界観は貫かれているのでキングファンなら安心して聴けるのではないでしょうか。被害者の悲鳴にも似たキング氏の慟哭ヴォイスに耳が持っていかれますよね。


LADY KILLER - Lady Killer ★★★ (2017-03-04 19:27:22)

ニューヨークを拠点に活動していたツインギター編成5人組によるUS産の正統派HM/HRバンドが1983年にリリースした1st。どこか退廃的なムードの中に、切れ込んでくるシャープなギター、そこに絡むは、投げやりなムードのラフな歌声、このルーズなノリにロックを感じますね。そしてハードに打ち鳴らされるドライなグルーブ感にUS産ならではの味わいを感じます。時代的にNWOBHMの勢いはアメリカ全土に広がり有象無象なバンドも多く現れるも一大ムーブメントを形成してくのですが、このようなバンドが確実にシーンの底を支えていたのは間違いのない事で、名も知れぬバンドですが、シャープなギターがドライブするラストに収録されたタイトルトラックのキレ味など、この時代のUS正統派メタルシーンでなければ味わえない代物、厚みやパワー不足の音質でも危険な香りのするハードサウンドに剥き出しのロックスピリットを感じますね。楽曲によってはシャープに切れ込んでくるツインリードを堪能できるので、次のアルバムを聴き、どのような方向性に進むのか真贋の程を嗜みたかったのですが、次が出なかったのが残念でしたね。こういう音は好きなんだよなぁ。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - L.A. Steel ★★ (2017-03-03 18:22:18)

①Savage Grace / Sins Of The Damned
②Panther / Set Me Free
③Bitch / Make It Real
④Lace / Knightmares
⑤Cirith Ungol / I'm Alive
⑥Pandemonium / Evil Face
⑦Stainless Steel / Goin Deaf For A Living
⑧Ruthless / Gates Of Hell
⑨Stormtrooper / Armies Of The Night
⑩Savage Grace / Bound To Be Free

上記9組のアーティストが楽曲を提供した1986年リリースのコンピ作。
マイナーシーンでは割と知られたバンドが多く、Savage Graceが頭とケツでハイエナジーなスピードメタルをかましていますが、既発音源が多くレア感は少なめです。その中でも②に収録されたジェフ・スコット・ソートがシンガーを務めるPantherの曲は、今作のみの収録だと思われるし、パワーメタルバンドRuthlessの⑧も1984年リリースのEPに収録されたものだが2015年に再結成第一弾のアルバムにボートラとして収録されるまで日の目を浴びる事の無かった一品だし、Stormtrooperなんて存在自体が天竺みたいな幻のバンドなので、なんだかんだで、マニア筋を喜ばせるラインナップと楽曲が収録されています。最近すっかり見かけなくなったサンプラー的役割を果たすコンピ作。1986年にポップメタルじゃない、血管ブチ切れの熱血メタルを集めた事に最大の意義があるように思います。同時は結構聴いたい一枚ですね。それにしてもシケシケドゥームメタルで知られるCirith Ungolは、この中で一際異彩を放っていますね。場違い感が逆に前半後半の句読点になっているから不思議なモノですよ。


BLAZE(大阪) - The Rock Dinosaur ★★★ (2017-03-03 17:52:42)

前作から9年ぶりに6曲入りのミニアルバムをドイツのインディレーベル『High Roller Records』からリリースした関西が誇る正統派HM/HRバンドのブレイズ。ファンとしては待ってましたと感慨深いモノがありますが、9年のブランクを埋め合わせるが如くオープニングから迸る情熱と咽び泣く哀愁のメロディが炸裂、NWOBHM直系のサウンドにマイケル・シェンカーばりの泣きの旋律を導入、ある意味、例えるならスコーピオンズにマイケル・シェンカーが加入し、日本人好みに纏めましたと言えるような、マニアの琴線に触れまくる、仕様は圧巻の一言。その泣きのギターは②のエンディングで延々と繰り出されるRIOTの『WARRIOR』風のソロでもニヤニヤとさせられるほど、コッテリしてるが後味すっきりのコッサリ風味にマニアのハートは鷲掴み、④のようなキャッチーさも兼ね備えたメタルアンセムなど、エモーショナルで説得力に満ち溢れた演奏は、古典的な手法ではあるが、単なる懐古主義では終わらない工夫を凝らしヘヴィメタルかく在るべきと、言わんばかりの哀愁と情熱的な響きが高次元で融合を果たし小爆発を繰り返す姿に今を生きる正統派HM/HRバンドの真髄を堪能させてもらいました。
彼らは海外のレーベルから作品をリリースしたとは言えインディーズだし、日本人だし、しかも旬の音じゃないしと、雑誌偏重、洋楽至上主義の牙城を崩すのは容易な事ではないでしょうが、逆にSNSなどを活用し自身の活動を広く認知してもらいたいですね。彼らを正当に評価したドイツ人の耳を信じて海外に出向くのも一つでしょうよ。アンヴィルみたいにカメラ回してさ、なんて偏った思想をブチあげたくなるピュアな音楽性を信条しているバンドだけに成功を切に願いますね。欠点や類似性をあげつらいクサした所で何も始まりませんのでね。


BLAZE(大阪) - The Rock Dinosaur - Underground Heroes ★★★ (2017-03-01 14:53:58)

NWOBHMを題材に歌っているのかな?
バンドの心意気が溢れる一曲
哀愁のあるメロディとキャッチネスさがエエ具合で混ざっています
ツボを突き泣かせるギターソロもエエですよ


SHARK ISLAND - Law of the Order - Bad For Each Other ★★★ (2017-03-01 14:48:32)

器用貧乏なバンドだったなぁ
そんな不憫な彼らを思い出させるロッカバラード
上手いんだよね
しっかりしてんだけど売れなかったなぁ


NO SHAME - Good Girls Don't Last ★★ (2017-03-01 14:44:09)

VIXENに続けとばかりに1989年に大手Columbiaからデビューを果たした4人組ガールズHM/HRバンドの1st。オープニングからワイルドでグラマラスなハードポップサウンドを披露、キュートに弾けるジャッキー・リン嬢の歌声も艶やかにハマり、女性にしか出来ない色を明確に出しています。全般的にそつのない楽曲が収録され、ルックス演奏ともにVIXENとの違いを余り感じないのが気に掛るところで、ジャネット・リンと木の実ななとの見分けがつかない『ややこしやぁ』と嘆いていた、なだぎ武のネタを思い出させる類似性が一番評価を分けるでしょうね。昨今の勢いを増すガールズメタルブームですが、女らしさを損なわず、また媚を売らずハードに迫った本気のアメリカンHM/HRは、ロックとポップな面を巧みに両立させた粋な一品でしたね。


SPEEDRUSH - Endless War ★★★ (2017-03-01 14:22:39)

ギリシャ産スラッシュメタルバンドが2016年にリリースした1st。アートワークからも推察出来るようにKREATOR辺りの影響をモロに受けているのでしょうが、喧嘩番長SODOMばりの身も蓋もないスピード命な粗暴な爆裂感に、TESTAMENTのような表情豊かなアレンジも加わり、邪悪な感情を纏った激音が嵐の如く渦を巻き突進、先人達の足跡を跡形も無く飲み込み昇華した姿は圧巻の一言。やはり速射砲の如く繰り出される硬質でゴツゴツとしたリフワークと表現力の高い多彩なリードプレイは聴き応えもタップリだし、汚い歌い回しもクールでスラッシーなサウンドにピッタリだし、ステゴロで遮二無二殴りかかるような圧の凄いプレイ、その肉体を酷使し極限まで高めたグルーブ感は、スラッシュサウンドの根幹を支えるものだしと、ヘヴィメタルとはスピードではなく、ヘヴィさが大切だと思うようになってからは音楽に対するアプローチも随分と変わった我が身だが、やはりこの手の音楽は、その両面を満たすのに十分な魅力を携えていますね。
2006年前後から、ヘヴィメタルのリバイバルブームを肌で感じるようになりました、そのムーブメントは一過性のもので、4、5年も経てば落ち着くと勝手に思っていたのですが、以降も衰える事無く更に強烈なムーブメントの持続性を感じ驚いたものです。こういったガチンコスラッシュブームを落ち込むどころか当時よりも盛んなんだから不思議なモノですね。若手の台頭に呼応しベテラン勢が原点回帰を成し遂げシーン自体が活性化するのだから2000年代の初めでは想像もつかなかった出来事です。復刻された幻の一品を聴き漁るマイナーなオッサンには、ここ数年でようやっと、今と昔の境目のない音楽ライフを送る事が出来、第二の春がやってきたなぁと痛切に感じますね。特に2016年は激熱だったなぁ。エエ時代になったよ。


LISA PRICE - Priceless ★★★ (2017-02-28 16:09:03)

カナディアンメロディックHM/HRバンドWrabitやリー・アーロンのギタリストして知られるジョン・アルバーニも参加しているカナダ出身の女性シンガー、リサ・プライスが1983年にリリースしたEP。オープニングから軽やかで透明感のあるポップロックが満載、哀愁のメロディと躍動するロックなリズムも相性良く噛み合い、彼女の歌声を際立たせる事に成功、その甘く切ないハスキー系の歌声にキュンと胸がトキメキますね。キャッチーな楽曲の中にふんだんに盛り込まれる哀愁のメロディ、歌モノロックが好きな人は勿論ですが、哀メロ派にはたまらんモノがあるでしょう。エッジは効いてないのでハードなモノを好む方にはチョイと喰い足りないので注意は必要ですが、シンプルだが丁寧に作り込まれた楽曲は聴き応え十分、6曲入りってのが物足りないと思わせるクオリティは携えていますよ。


PAULINE GILLAN BAND - Hearts of Fire ★★★ (2017-02-28 15:45:38)

前年にPAULINE GILLAN'S NORTHERN DANCER名義でシングルをリリース、今作は1985年にリリースした1st。シングル盤の音源よりはロック色を強めていますが、基本はブリティッシュ系のポップロックスタイル、ネームバリューから担ぎ出された感のある、歌いはポーリン・ギラン、その名を聴いて何となく連想できるでしょうが、彼女はイアン・ギランの妹に当たる人物で、その威光は商業的に美味しいですよね。このバンドは、そんな彼女とマイナーなNWOBHM系に参加していたメンバーと合体、彼女を前面に押し出しキーボードを多用したポップロックで勝負、英国らしい哀愁味を含んだメロディは耳馴染みも良く、甘くなり過ぎないようにハードな面を前に出しバランスよく聴かせる小技も効いており、無理なく構築された楽曲は十分な手応えを感じますね。
その主役たるポーリンの歌声が好悪の判断基準となるのでしょうが、ロックシンガーとしてのパンチ不足感は否めないも、もっと歌い込み作品を重ねればその辺りは確実に解消されるはずなので、後続を期待したい所なのに、セールス的に不発に終わり活動は停滞、この名義でもリリースは今作のみで終了。その後の活動も知れずなのですが、今作の出来栄えは金看板に寄り掛からなくとも楽曲だけで十分に勝負できる作風だと思っているので残念でしたね。シリアスな英国風味満点の歌モノロックが好きな人には訴求する魅力は十二分に搭載していると思いますよ。ある意味、パープルファミリーツリーとして考えるとマニアの食指も伸びるのかもな一品です。


Tone Norum - This Time... ★★★ (2017-02-27 13:39:16)

お兄さんもお世話になっているパー・ブロム以外にも複数のプロデューサーが名を連ねるトーン・ノーラムの2nd。北欧産哀メロハードポップナンバーの①では我らがインギーがソロで客演、早速北欧人脈を駆使していますが、今作の主役は完全に彼女であり、前作のような兄弟愛溢れるゲスト参加で話題をさらったのでない、確実に中身で勝負が出来る力作。北欧ならではの糖度も高い哀愁のメロディが映えるハードポップナンバーを主軸に多彩な楽曲を難なく歌いこなし、彼女の成長具合が最大の聴きどころでしょう。④はパット・ベネターやロビン・ベックなど複数のアーティストが歌っているので聴き比べるのも楽しみの一つでしょうね。哀愁のメロディを盛り込んだキャッチーな⑥などアルバムの方向性を示唆するナンバーでタイトルトラックに相応しい出来栄え、トミー・ニルソンとデュエットした⑤もムード満点、女性シンガーあるあるなJefferson Airplaneのカヴァー⑩も漏れなく収録(この曲いろんなヴァージョンあるでぇ)そしてラストはしっとりとバラードで〆てくれます。
アルバム全般的に包まれるロマンティックかつ華やかでコマーシャル性を重視した北欧オーロラサウンド(甘ったるくならぬようハードなビターテイストも加わってます)お国柄のなせる技が泣かせるんですよ。お得意のメロウな奴に泣かされるんですよね。いくつになっても甘えん坊な気分になりますよ。そんな北欧サウンドが大好きな人なら手を出して損はしないでしょうね。


JODI BONGIOVI - JODI BONGIOVI - DANGEROUS ★★★ (2017-02-27 13:06:49)

ハードに迫るも潤いたっぷりな哀メロが耳を惹きますね
エエ曲です
脇の甘い歌も目をつぶって楽しみますよ


JODI BONGIOVI - JODI BONGIOVI ★★★ (2017-02-27 13:03:27)

ジョン・ボン・ジョヴィのいとこだったかな?BON JOVIに所縁のある女性シンガーの1stソロ。甘く切ない哀愁のハードポップサウンドと彼女の甘酸っぱい歌声との相性も良く個性不足感は否めないが初期BON JOVI路線を引き継ぐ音楽性は聴き応え十分。オープニングは散々擦り倒された名曲『Somebody To Love』を元気いっぱいもう一杯にカヴァー、ボトムの効いた②の『Jealousy』、③は仄かな哀愁が漂う甘めのハードポップナンバー『Maryanne』④はビックバラード『Keep The Light Burning』、キーボードを前面に出した⑤『Emergency』哀メロも耳に残りますがサビで明るく弾けます。とバラエティに富んだ楽曲が続くのですが、この辺りで彼女の画一的な歌い回しが気になり、また威光を借りた印象は受けるのがマイナスに働いたのでしょうが、彼女の作品は今作限りで終了。つまらん類似性を取り上げ埋もれさせるのが惜しいと思わせる一枚です。
また歌唱力も経験を積めば確実に表現力も増すもので、当時として確実にあった女人禁制なロックの世界では厳しいのかね。個人的には前半よりも後半の流れの方が好みで、ジョンの歌声も聞こえてきそうな哀メロハードポップナンバー⑥『Two Sides Of Love』、センチメンタルなメロディが耳を惹く⑦の『A Flower Can't Grow In A Shadow』ハードでワイルドな魅力を発散する⑧の『Dangerous』哀メロ具合が丁度よい、キュンキュンとさせられるね。⑨の『Freeze This Moment』などアメリカンな湿っているけど濡れていない、お得意の王道バラードですよ。ラストの⑩もジョンの声が聞こえてきそうですね。ワタクシはBON JOVIと言えば1stが一番好きなたちなので、この甘く切ないハードポップサウンドは大好物なのですが、最近はサッパリ見かけなくなったなぁ。爽やかで親しみやすいメロウな旋律、そこに弾ける微炭酸なポップフィーリングも加味された、煌びやかな叙情派ハードサウンドに癒されますね。


PRIMAL FEAR - Nuclear Fire - Bleed for Me ★★★ (2017-02-26 13:23:45)

アルバムの中盤に設けられたメロウタイム
マットのメロセンスとラルフの慟哭に胸が締め付けられます


PRIMAL FEAR - Nuclear Fire ★★★ (2017-02-26 13:20:23)

楽曲の半数がスピードナンバーで占められた勝負作と言われる3枚目。さぞやLIVEでも盛り上がるだろうなぁと思わせる勢い重視の楽曲は突破力も高まり、この手のバンドに必要不可欠なパワー&メロディ、スピードという三拍子がそろい踏み、扇情的なメロディが激しくも疾走する様に圧倒されるでしょう。それもこれも強力無比なハイトーンシンガー、ラルフの歌唱力があってこそだし、しのぎを削るツインギター、緩急を司るリズム隊、2000年と言うこの時代に、これぞヘヴィメタルと言う激奏激唱だが、どの楽曲にもメタルの流儀に乗っ取ったドラマ性があり、今まで以上に強く深く進化しつつも、広がりのあるキャッチネスさも損なっていない、実に堂に入った一枚である。
スピード感を煽る楽曲が増えた事は、この手のバンドに求められる要素なのだろうが、その反面、過去2枚以上にデジャブ感が増えたのも個人的には気になるところで、その辺りが評価の分かれ目になりそうですが、この時代にこの真っ当な音楽性をやり切る姿は実に頼もしく映ったでしょうね。実はワタクシ、このバンド2010年にMetal Mindからボートラ入りで再発されるまで、まともに聴いた事がなかったのでね。


PRIMAL FEAR - Jaws of Death ★★★ (2017-02-26 12:51:40)

ラルフ・シーパースの強烈なハイトーンとスピード感溢れるエネルギッシュな演奏が魅力の彼らが1stでの成功をウケ、翌年に早くもリリースされた2nd。痛烈に連打されるドラム、エッジの効いたギター、ジャーマンメロディックパワーメタルと言えばこれと言いたくなる展開にマニアならずとも拳を振り上げずにはいられないでしょう。ある意味、PAINKILLERパート2的な作風ではあるが、これが俺たちの目指す世界観なんだと言わんばかりの剛毅なムードに圧倒されっぱなし、力技でグイグイと推し進めてきたと思いきや⑥のようなメロウなロックアンセムを放り込み、METAL GODとの姿を重ね合わせたくなる小技もありと、前作以上に練り込まれた楽曲も増え、単なるプロジェクトでは終わらないバンドとしての新たなる船出となる強烈な一枚との印象が強い力作。
疾走するパワー、ドラマ性を称えた展開と叙情的なメロディの数々、ヘヴィだが親しみやすさがあるのは、このバンドならではの魅力でしょう。ドイツ屈指のメロディメイカーのマット・シナーとラルフの共演は、実に理に叶った相乗効果を生みだしていますね。


EVIL KILLER - Witchcraft ★★★ (2017-02-25 12:57:34)

NWOBHM直系とも言えるガリガリと高速回転するリフワーク、疾走するツービート、緩急を効かせつつも全編にわたり激しく駆け抜ける様が何とも心地よいスペイン産の若手スピードHM/HRバンドが2016年にリリースした2nd。問答無用のバカテンポもカッコいいが、リフワークのみならずリードプレイでも随所に盛り込まれる叙情性とドラマにはJPスタイルを基本としながらも、よりスピードに特化した仕様に取り組み、そのクールなキレ味にメタルのカッコよさを体感させてもらえます。単純明快に突っ走るだけではない工夫もあるが、ライブ感のある活きのいい演奏が実に印象的で否応なしに身体が反応しますね。また古典的手法に乗っ取ったアレンジは古臭さに埋没しない旬を感じさせる作りも施しており、豪胆なパワーと、切れ味鋭いクールリフを携え疾走するシンプルな構造だが、自分たちの目指す方向性を凝縮した作風は実に分かりやすく視聴後の爽快感は見事だ。スピード、スピードと言ってもメロスピ系ではないので、そちらの筋の方には少々物足りないでしょうが、多様性を帯びつつも鋭利で硬質な、メタル愛溢れるアノ音に共感を覚えずにはいられませんね。


PRIMAL FEAR - Primal Fear ★★ (2017-02-24 13:28:26)

Tyran' Pace時代からロブを彷彿とさせるシンガーでしたが、Gamma Rayを経て新たなる船出に出たのがコチラ、ジャーマンメロディックメタルを代表するSinnerのマット・シナー、トム・ナウマンと合流、そこに何処までも突き抜ける強靭なハイトーンが加わればどれだけ強力なモノになるのか、想像しただけでゾクゾクとさせられるのですが、アルバム全般的に少々借り物のアイデアが目につきイマイチ乗り切れないのですが、彼らが期待させるべく音楽性を真っ向から受け止め再現した姿勢は大いに買いだ。パワフルだがメロディを蔑にしないアレンジセンス、アグレッシブに打ち鳴らされるドラミング、エッジの立ったギター、そしてラルフのハイトーンときたらね、本家がやらないなら俺がやると言わんばかりの、剛直なストロングメタルを堂々と披露。その失われた伝統芸能を、この時代に彼らが引き継ごうとしたのなら、アルバム全般に漂うデジャブ感も納得がいくものですね。
ベテランがなにも、○○をやらんでもと思っていましたが、そう考えると溜飲が下がりました。90年代半ばに北米ではメタルは死にましたとレコード会社がキャンペーンを打ち出し新しい音楽を紹介しました、そして2000年を前に彼らがやろうとした事をは実に前時代的な事なのですが、混じりっ気なしの剛直ジャーマンメロディックHM/HRサウンドを聴き、欧州では大いに盛り上がり成功を収めたと言うのが皮肉なモノですね。愚直なまでに伝統芸能を引き継いだ高潔なる精神性が息づいたメタルサウンドを前に、何物にも代えがたい大切なモノがあると言う事を再確認させてくれるバンドでしたね。


PRIMAL FEAR - Primal Fear - Chainbreaker ★★ (2017-02-24 13:11:27)

楽曲そのものもデジャヴ感満載だったが
歌が始まり完全に確信犯だと言う事がわかります
JPがインギーの曲をカヴァーしたみたいな一曲です


LADY BEAST - Lady Beast II ★★★ (2017-02-24 13:04:35)

デボラ・レヴァイン嬢をフロントマンに擁するUS産正統派HM/HRバンドが2015年にリリースした1st。今作の3年前にセルフタイトルでミニアルバムをリリースしているので今作はⅡとなっているので少々ややこしいのですが、満を持してリリースされたフルアルバム。その音楽性は前作で魅せた古典的な手法に乗っ取った王道路線を踏襲、ブレる事のない精神性を高め、ガナらない女性シンガーも繊細なタッチの歌唱スタイルで楽曲に色と艶を与え、力負けする事のない張りのある歌声はキンバリー・ゴスを思わせるもので、正統派は歌が命と言われるが、その重責を見事に果たしています。
往年のスタイルを盛り込み純粋培養された音楽性故に真新しさは皆無、故に筋金入りのマニアにとっては、単なるNWOTHMの一群として捉え埋没してしまう要素もありますが、無駄をそぎ落とし再構築した音楽性はノスタルジーを擽るだけでは終わらない純粋で情熱的な響きがあり、ドライだが叙情的なメロディと強靭なリズム、そして弾き出されるキャッチーさと往年のイイとこ取りなサウンドは文句なしに体が勝手に反応するでしょう。メイデン由来のギャロップビート、JP譲りの疾走感と構築美、この伝統芸能を引き継ぎ、おくびにも出さずにやり切る姿に激しく共感します。テンポの速い曲が多いので即効性の高さも手伝い、初心者にとってメタルを知るには丁度良いでしょうね。


AZUZENA - Liberación ★★★ (2017-02-23 14:39:46)

スパニッシュメタルの女帝Azucena Martín-Dorado Calvo嬢がスペルをチョイと変えてAZUZENAと名乗りソロに転向、今作は1989年リリースの2枚目。前作はソフトなロックサウンドに接近、その方向性には従来のファンから不評を買い早速方向転換を図るのですが、おそらく彼女自身にも、こちらの路線で行きたいという思いが透けて見えており、熱を帯びたパワフルシャウトが映えるハードスタイルに回帰。もちろん音楽性の幅を広げる事も怠ってはおらず、バラードあり、ポップナンバーあり、スピードナンバーありと実に多様性を帯びつつもギターオリエンテッドな作風に終始した一枚。全ては熱い熱情が迸るスパニッシュメタルに要約されており『ヨッ待ってました』と声を上げ膝を打ちたくなる方向性にファンとしては安堵しましたよ。
しかしアルバムタイトルを和訳すると『解放して』という意味があり、メタルシンガーとしての看板を下ろしたいのか、この路線こそ生きる道だったのか、今作に多数収録されるメロディックでハードな楽曲を聴き、でも本当は彼女、どんな思いなのかな?そんな事を深読みしつつ楽しんでいますね。


AZUZENA - Estrella Del Rock ★★ (2017-02-23 14:27:51)

初期スパニッシュメタルを語る上では外せないSantaのボーカルだったAzucena嬢が、音楽性を広げていきたいバンドとの軋轢で脱退。こちらは1988年にソロになりリリースされた1st。
メイクも落とし心機一転だったんでしょうが、彼女の熱いロックな歌声が空回りするポップロックサウンドに舵を切っており、スペイン語の硬い語感との相性もあってか、随分と噛み合っていない印象が強く、これソロになったらありがちな奴じゃんと思わされるのが残念無念なのですが、全般的にソフトケイスされてはいるものの、スパニッシュなエレキギターの響きが涙を誘うバラードあり、彼女の歌声はやはり熱き血潮が滾るロックボーカリストである事に変化は無く、その辺りが聴き手の評価を分ける事となるのでしょう。リリース後、従来のファンの失望をウケ、翌年にリリースするアルバムではハードなスタイルに回帰するも、継続する活動には繋がらなかったようです。今アルバムのタイトルを和訳するとロックスターみたいな意味になるのですが、ソロボーカリストの妥協できずに噛み合わなかった典型的な失敗例に映るのが残念。


MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL - Magnus Karlsson's Free Fall - Ready or Not ★★★ (2017-02-21 21:54:29)

こんなに歌が上手いならゲストいらんじゃんと言わしめる一曲
流麗なソロも素晴らしいが曲がいいよね
○○風な曲が多いアルバムですが僕は好きですねぇ
やりきっていますからね


MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL - Kingdom of Rock - Walk This Road Alone ★★★ (2017-02-21 21:49:27)

アルバムのラストはマグナス自ら歌います
堂々と歌声でも渡り合っていますね
一本筋の通った作風を〆るのに相応しいメロディックHM/HRナンバー
繊細さとハードテイストが絶妙です


MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL - Kingdom of Rock - A Heart So Cold ★★★ (2017-02-21 21:45:20)

この曲に限らず歌い手の資質を存分に生かしていますね
ハリー・ヘスの歌声がバッチリとハマっています
瑞々しい北欧テイストがパッと花開いていますね


MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL - Kingdom of Rock - Never Look Away ★★★ (2017-02-21 21:41:49)

トニー・ハーネルの美声を堪能できます
彼の透明感と繊細さが見事に活きていますね
メロディックHM/HRの王道を行く展開が耳を惹きます
サビの持って生き方もトニー・ハーネルらしいね


MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL - Kingdom of Rock - Kingdom of Rock ★★★ (2017-02-21 21:39:11)

アルバムのオープニングを飾るファンタジー路線の北欧ナンバー
広がりのある展開が好きですね
ヨルン・ランデは何を歌っても様になるね


MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL - Kingdom of Rock - The Right Moment ★★★ (2017-02-21 21:37:27)

女性シンガーが甘酸っぱい歌声を披露
10曲目ってのも丁度良い
ハードだが繊細でリリカルな一曲
確かに女性シンガーの方が似合っているかな


MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL - Kingdom of Rock - Another Life ★★★ (2017-02-21 21:32:40)

At VanceやMasterplan最近ではハーマン・フランクのソロで迫力のある歌声を披露したリック・アルティ
アイリッシュな雰囲気のイントロから力強さを兼ね備えたメロディックメタルへと流れていきます
ギターも聴かせるわ


MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL - Kingdom of Rock - Out of the Dark ★★★ (2017-02-21 21:28:18)

元はドラマーとしてキャリアをスタートさせたThe Poodlesのヤコブ・サミュエル
北欧メロディックロックに張りのあるメタリックヴォイスを響かせ
曲調と相俟ってMidnight Sun時代を思い出させますかね


MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL - Kingdom of Rock - I Am Coming for You ★★★ (2017-02-21 21:24:58)

マグナス・カールソン自身が歌っていますね
豪華ゲストに負ける事無く張り切っていますよ
でも相手が悪いわね
フックに富んだ哀メロが耳に残るわ
コンポーザーとしての才にたけた逸材です


MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL - Kingdom of Rock - No Control ★★★ (2017-02-21 21:21:53)

北欧風の爽快な風が吹いていますね
ハードに迫るジョーの歌声もバッチリハマっています


MAGNUS KARLSSON'S FREE FALL - Kingdom of Rock - When the Sky Falls ★★★ (2017-02-21 21:20:49)

重厚でメロディックなミドルナンバー
トニー・マーティンが見事に期待に応えています
スケールのデカい聴き応えのある一曲ですね