今のところデジタル配信しかされていない、短命に終わったLock up the Wolvesに伴うツアーのライブ音源。実は、今作はラジオ向けの音源であり、その為に9曲収録の52分という短いランニングタイムになっています。さらにはSpotifyでは聴けず、Amazonミュージックのアンリミテッドじゃないと楽しめない。うーん微妙だなぁ、そしてタイトル違いで同様の内容の音源が多数あるというカオス状態になっており、ディオを制覇するのは大変だと思う。あれは何とかしてほしい。金払ってダウンロードしたら死ぬど。
オープニングはLock up the Wolvesなのだが、これがフェードアウト、おいおい最後までやれよだし、選曲がここからベストオブDIOへと流れ、もはやLock up the Wolvesに対する面影のなさが好悪を分けるでしょう。せめてWILD ONEはやって欲しかったよ。この時代、ディオはステージ衣装をカジュアルなものに換え時代に合わせてきた、それだけに新作を楽しみたかったので個人的には残念だが、貴重なラインナップによるステージであることに代わりは無い。正直、このミックスで問題は無かったのか、色んな疑問はある。新しいアルバムから2曲しかない、キーボードもあまり目立たない、機材トラブルなのかバランスの悪さなのか、レコーディング環境なのか分からないが、それらも含めステージだと思っているので、貴重な音源を前に戯れ言はやめます。
2004年と2006年にもライブ盤を出していますが、こちらは1986年にリリースしたライブアルバム。アルバム『Headhunter』から②③⑧⑨の4曲と直近のアルバム『Change of Address』は④、『The Blitz』から⑤と硬軟のバランスを考えた1986年仕様の選曲で魅了、ラストが名曲Headhunterというのも嬉しいですね。叩き上げのライブバンドとして知られる、KROKUSだけに、その勢いのあるステージとサウンドは王道を貫き理屈抜きで楽しませてくれます。 2000年以降の円熟味を増したステージも良いが全盛期とも言えるエネルギッシュなステージに客席の興奮度も伝わりますね。ノリの良い楽曲を中心とした硬軟のバランスが良い選曲も視聴感を上げています。
ハンガリー産のメロディアスHM/HRバンドの1st。FRONTIERSレーベルのバックアップを受けてワールドワイドな展開しているのですが、ハンガリーな癖を押さえた謹製FRONTIERSサウンドに驚きます。軽快でメロディアスな①などラウドネスのFACES IN THE FIREを想起させるような曲調で魅了、カヴァーソング②も自分たちの持ち歌のような仕上がりで、これまた魅了と今風のサウンドメイクもハマり、この軽やかな哀愁のメロディアスHM/HRサウンドにロックな血を滾らせています。FRONTIERSなメンツが縁の下を支えているのだから当然と言えるのかも知れないが、その期待に応えたハンガリーな男達に賞賛を送るべきだろう。音楽性に反比例するように汗臭そうなメンバーショットもワタクシは大好物です。チョイハスキーな声に哀愁のメロディが似合うのよ。ハードさが絶妙なのよ。新しい事なんてしなくても良いのよ。デジャブ感も満載なのよ、でもベタには叶いません。しかし、日本人はこの手の哀愁系は弱いのに、どうして日本からは、同様のバンドが現れないのだろう?日本の若者がFrontiers Recordsの目に止まる日が来ることを願いますねぇ。
WHITE LIONのヴォーカリスト、マイク・トランプのソロアルバム第一弾。1997年にリリースされた作品ですね。Freak of NatureよりはWHITE LIONに近い作風になっており、乾いたアメリカンロック風の楽曲はどこかメロウな響きがあり、ヴィトと培った音楽性の芽吹きを思い出させるような、あの独特の風合いを感じ取る事が出来ます。 ある意味、円熟味を増した歌声は親しみやすさがあり、かつては元はアイドルグラムロック出身だった事をチョイと思い出させたりする瞬間がなきにしもあらずな彼だったが、ここでは、そういう馬脚を現す瞬間を押さえ自分のカラーに完全に持って行っている。彼もまたWHITE LIONの強烈なブレインであり、相棒だったんだということを再認識させるパフォーマンスを味わえます。 上手い下手では表現できないマイクの歌声、その個性無しが個性的に映るのも彼の魅力の一つ、究極のヘタウマシンガーである。ジェリー・ベストにケニー・コリードと言った仲間がバックアップしていたのも充実感に繋がったのでしょう。
収録曲 1. Losing You (Joe Lynn Turner cover) 2. Can't Turn It Off (Michael Bolton cover) 3. Arms Of A Stranger (Signal cover) 4. More Than Meets The Eye (Europe cover)
上記4曲を収録したEPを9月にリリースしたケント・ヒッリ。バンド活動のみならず、ソロのキャリアも精力的に築き上げてきていますね。それにしてもジョー・リン・ターナーのカヴァーから幕が開けるのは渋い。シグナルをやったのも渋い、そしてヨーロッパはOUT OF THISからのシングルカットされたキャッチーでマイルドになったが北欧の風を吹かせまくったあの曲をカヴァーと、彼の瑞々しいハイトーンヴォイスを駆使し、見事にやりきっています。自分の持ち歌のように歌い切る姿の頼もしさもあり、どの楽曲も令和3年に新たなる息吹を与えられ蘇りましたね。 選曲はけしてベタではない、しかしツボは突いてくるというセンスにメロディ派のマニアならニンマリさせられるでしょう。上手い歌と良い楽曲が聴きたいというマニアにはもってこいのEPです。彼のメロディに対する拘りが心に浸透していきますよね。マニアを唸らせる選曲だよなぁ。シグナル忘れていた。