知らないうちにリリースされていました、豆にチェックしないと巡り合えないのは残念ですが、参加メンバーも前作同様のラインナップを従え相変わらず質の高い欧州産の叙情派HM/HRサウンドを堪能させてくれます、我等が様式美メタルの覇王アクセルの2012年リリースの最新作。安定感抜群のリズムを奏でるフォルカーとマイク・テラーナの献身的なプレイ、灼熱のVoジョニーの熱を帯びた歌声と今までと同様にクオリティの高いパフォーマンスを披露、この手の様式美サウンドを愛する方には安心して身を任せることの出来る名盤となっています、とりわけ今作は前半にテンポアップされたナンバーを配置しムーディーなミドルナンバーを少なめに収録することによりアルバム全体の流れもスムーズで繰り返すリピートしても苦にならない聞きやすさを感じさせてくれますね。またタイトルトラック⑤のアコースティカルな前半の構成は今までは違う雰囲気を醸し出し新鮮に映りました、カヴァーアルバムの影響が出ているのか彼のルーツを窺い知れる一品ですね、ロマンティックなバラード⑧、マスカレード・パートⅡのタイトルを冠している⑩(後半の疾走パートのゾクゾク感は最高ですね)RAINBOWのカヴァー⑪とアクセルサウンドの魅力を凝縮していますね、お馴染みのミステリアスなイントロからの疾走ナンバー②のカッコよさもさることながら、③④⑥⑨とメロディアスかつキャッチーでノリの良いナンバーを固めたことが今作を名盤への域へと押し上げている点も見逃せませんね。ある意味、湿り気を帯びたジャーマン様式美サウンドに乾いた声質であるジョニーの歌声の噛み合せは、M・S・Gに加入したロビン・マッコリーのときと同じ感覚を受けますが、パワーを内包するアクセル流の様式美サウンドにうってつけの情感豊かなシンガーだと思っています。90年代に日本ではBIG IN JAPANと言う言葉もあり、それらを取り巻く環境に功罪もあったのでしょうが、世界基準に伴い揺れ戻しを行うべく有様を僕は遠くから見ていたように思います。興味の持てなかった空白の時代を支えてくれたのがトレンドとは無用なこの手のサウンドだったのです、ある意味ヘヴィーメタルと言えば僕にとってこの音を指すべく世界なのですね。温故知新も甚だしいクラシックな世界観を是非とも堪能して欲しいですね
第一印象は世紀の名盤「HONOUR AND BLOOD」の前哨戦とも言うべきメロディに拘りをもった作風が新境地を開いたと強く印象付けました。①なんて今後の彼らを示すメロディアスな名曲ですよね(フィルの入り方が好き)ミック・タッカーの加入によりツインギター編成になったのが音楽性の幅を広げたのでしょうかキーボードも巧みに取り入れ格段にレベルUPを遂げています。漢メタルサウンドが奏でる荒々しい世界観と彼らにしか表現できない哀愁が高次元で絡み合い独自のスタイルを築いている。まさに映画「男たちの挽歌」や「インフェナルアフェア」のようなヤクザな生き様が映し出されていますね。哀愁のメロディを大切にしながらも荒々しい男臭さを失わない剛毅なHM/HRサウンドが確立された名盤です