このライブアルバムが素晴らしいのは生々しい演奏もパッケージした清さにもあるのだが、選曲の良さも素晴らしい。特にピートヴァージョンではカットされた1stのDying By The Golden Ruleも聴けたりするのが嬉しい。収録されているギターソロは短めでが、ソロからのつながりで北欧メロディアスサウンドに流れる展開に個人的にはグッと掴まれますよね。ミドルナンバーが多いとか、ポップな曲調は多いなどガチンコメタルが好きな人には少々甘口からも知れないが、メロディ派のメタルリスナーなら絶対に聴いて欲しいエイリアンのライブアルバム。 やはりいい曲とフィーリングを持っているバンドは強いなぁと改めて関心しました。ようやく最近手に入れましたが、苦労しましたよ。
制覇への野望という邦題が逆に仇になってしまった4枚目のアルバム。バンドとしては前作の成功を受け脂が乗り切っていただけに、セールス的な惨敗はトラウマ級の衝撃でしょうね。元々、本格派のアメリカンロック路線だっただけに、どこか前作のヒット曲「EYE OF THE TIGER」は本ネタの合間に紹介したリズムネタが跳ねすぎたお笑い芸人に様であり、いやいや、あれはタイアップソングですからな匂いもしてくる。 それだけに、今作はおもてたんと違うと思われたのか、売れなかったが為に駄作の烙印を押されるのだが、そういう当時の風潮を知らなければ印象は大きく異なるでしょう。むしろアメリカンプログレ的なニュアンスも盛り込み、どこか知性を漂わせているのがポイント。産業ロックなる言葉で揶揄される彼等ですが、ギターもハードに迫りキーボードが全開と言う訳ではない。質の高いアーティステックな感性と親しみやすさ、ヒットポテンシャルもそこそこに、ロックな牙を剥いている。ベタだけど③とかも素直に心に響くバラードじゃないの、と彼等に対する期待値は十分に飲み込んだ力作ですよ。やっぱりベレー帽がイケないのかなぁ?
日本よりも海外のカルトマニアに支持されている可能性の高い国産メタルバンドのコンピ作。チャーチオブミザリーの三上氏が在籍していたバンドとしての認知度も高く、マニアック度に拍車を掛けているのだが、この作品内容が濃いのである。とくに『Back to the Front』というタイトルで世に出たデモであり、のちにドイツのレーベルが『SALEM』というタイトルでリリースした冒頭の3曲など現在では入手不可能なレア物アイテムだけに興奮必死です。 ダークでミステリアス、そして古臭いNOWBHM直系の暴走感、なんたって単なるフォロワーバンドではない個性、名も無き村の奥深く、納屋で集まり繰り広げられる土着的な信仰とも言える、不気味でサタニカルなマイナーダークサイドサウンドは雰囲気タップリ、ドイツのカルトレーベルが、デモを聴いてリリースしたいと思った気持ちに激しく共感できます。時折クラウス・マイネを彷彿とさせるシンガーの声質と歌メロの良さ、自己主張を怠らない動き回るベースと、阿吽の呼吸から繰り出されるドラムが聴き手を幻惑、どこか妖しげなサウンドメイクに一役も二役も買っています。 メロディアスなギターは邪悪で荘厳なるSALEMサウンドをダイナミック描き上げ、そのメロディラインは美しくもあり攻撃的でもある、そういう最強説の高い笠松氏が唄う時代も良いが、前任者である山田さんが唄う1988年にリリースされたデモ2からも3曲収録されており、マニア度もアップ、個人的には全曲聴いてみたいのだが、彼等がハウリングブルからリリースされたのはこういう攻撃的な面をフォローしていたからでもあるのだろうが、今作を聴き彼等がスラッシュとしての枠組みで語るのは適切ではなかったとも言える、そんなジャンル不問のダイハードなHM/HRサウンドであることは間違いない。こちらが本来のヴァージョンなんだと恨み節も聴こえてきそうなデモ音源集、貴重なテイクの多さに興味が持って行かれがちですが、ある意味、ハウリングブルヴァージョンよりもらしいと言うのか、カッコイイと思える瞬間が多々あり、コチラの作品の価値は相当なポテンシャルを秘めていると思いますよ。 このバンドの音楽性を何と紹介すればよいのだろうか?エピックメタルに通ずるような濃度もあった、パワフルでスラッシーな曲もある、しかし正統性の強い叙情派ギタリストをそんな枠組みに放り込めるだろうか?場面展開の多いスリルと疾走感、でも冒頭の3曲が本質的には一番な気がしていますね。
このアルバムをリリース後、ジェフリアはロン・キールと接近するも、結局はHouse Of Lordsまで彼の雄姿を待たされることになる。もし、ジェフリアの3枚目が80年代のメタルバブル全盛に出ていたらどうなっていたのか? このグループの今日の評価も違うものになったのかもしれませんね。世界中のメロディアスロックファンから愛されるジェフリアの2枚目。1stほど、アメリカで売れなかったと言われるが、イタリアの名門、フロンティアレコード関連の商品が好きなメロディアスロックマニアにとってはマストな一枚でしょう。
01. 02. Sammy Hagar cover 03. Rainbow 04. Paul Anka 05. Tony Carey 06. Geordie 07. Chris Norman 08. The Subways 09. The Rolling Stones 10. Screamin' Jay Hawkins 11. Abba