A RETURN TO THE ISLE OF MENにすっかり惚れ込んでしまい、それ以降の作品に興味津々でしたが、コレは初期のスタイルとは打って変わって、モダンでスタイリッシュな雰囲気が漂います。 ダークな路線は変わらずだが、クリーンに歌う男声、女声のヘヴンリーヴォイスがかなり質が高い。歌というよりも表現という感覚に近い。声量ある緩急豊かな歌いまわしに惚れる。 また、低音をあえて抑えた尖ったギターがかなりイケている。ゆっくりとフェイドインするようなアタックの弱いギター、ディレイで深みを増したアコギ、フィードバックするノイズを駆使したリフなど、かなりの工夫が凝らされている。 音圧で攻めるのではなく、むしろ少なめの音(ギターも単音が多い)で曲構成が成されているところは面白いです。以前のブラックメタルのような質感は薄れ、アヴァンギャルドな独自の音世界に変貌してます。 曲によっては鳥肌モノのドラマチックさが宿っていますね。凄い!!!
冷たい残響音とスローな曲調に濃密な悲愴感漂う雰囲気が素晴らしい。まさに氷の世界のような音。バフバフいうバスと割れ気味フィードバックノイズが結構ポイント高い。 ケージ(無音の作品を作った人)のマネなのかどうか知らないが、無音時間をワザと挿入する手法は結構巷に蔓延してて、もういいよって感じで、最初コレを聴いた時もそう思った。 しかし、部屋を真っ暗にして心を無にして聴くと、徐々に綻びながら無音空間に消えていく様がツボにハマる。そして、次のトラック~a life for mineが、無音から徐々に生気を取り戻すかのように進行していき、結構良いな、と思った。