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Kamikoさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1-100

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UMBRA NIHIL - The Borderland Rituals ★★ (2009-02-04 22:07:00)

フィンランド産ドゥーム2008年作2nd。
別プロジェクトAarniがシュール路線にシフト、こちらはというと、眠るようなデスヴォイスがなくなって前作の濃密な陰鬱ドゥームから一転、イーヴルなドゥームロックな感じに仕上がってて、クセのあるクリーンヴォイスに変化している。
前作の陰鬱でファンタジックな雰囲気は随分と影を潜め、特殊な世界観を感じさせた前作ほどのインパクトは感じなかったが、もともと実験的な色が強い方々なので、一筋縄ではいかないアヴァンギャルドな面は垣間見ることができる。
ボクとしては、前作の陰鬱ドゥームの世界が好みだが、イーヴルなサイケデリックドゥームとしてこれほど完成度の高いサウンドというものも滅多に出会うことはない。
演奏技術とアイデアが豊富な懐の深い人たちだ、というのは1stやAarniを聴けばわかるが、持ってるポテンシャルが高いんだから、何を作っても独創的で完成度が高いものになりますよねぇ。
前作より若干ライトに聴けて、それでいて奥深い音楽性がある、玄人向けの渋さを感じさせるアルバムですね。
ライトとは言っても、毒気は結構豊富に詰まってて、異端好みでないと何が良いのかさっぱいわからないかも知れない。


DEIMOS - Never Be Awaken ★★ (2009-02-02 23:41:00)

ロシア産プログレメタル。随分前に聴いて興味を持ち、もし2ndが出たら買おうと思いつつじっと待ってても出ないし、安く手に入るのでとりあえずゲットしてみた。
コレは処女作の自主制作版の再発というワケで録音状態・音質は奥深さはない。
ヴォーカルはクリーンとダミ声を使い分けるタイプだが、微妙にヘタ。
また、多彩なリズムを駆使するリフ構成なため、リズム感にやや安定感を欠くし、全体的にB級の臭いが漂っている。
しかし、やっている内容は相当面白く、個々の演奏技術は高いと思うので、一体感とサウンドプロダクションがもっと良ければな~とホント痛感する。
情報が少ないので、現在も活動しているバンドなのかどうかわからないが、ロシアでは今一番次の作品に期待しているダークホース的存在だ。
多彩なリフを組み合わせた楽曲構成が独創的で、不思議なリズムを刻むリズム隊、フュージョン的なギター&ベースが絡み合う作風。
個々の演奏技術は相当高いと思うが、それぞれの楽器の自己主張が強すぎるのか、ドラムが難しいリフを決めようとしてモタってるのか、やや一体感に欠ける印象。
ギターは良いメロディを持っており、オーソドックスな美しい旋律と意外性のある進行が同居してて「おっ!」と思わせるリフが結構あって、演奏技術の高さとハイセンスを思わせる片鱗が随所に現れる。
基本はデス寄りのテクニカルプログレメタルだが、アルバムタイトルにもなっているトラック①のみテイストが違う。
セッションミュージシャンとしてゲスト参加していると思われる女声ヴォーカルと、アコギの絶妙なメロディがとても美しく、どこかノスタルジックなオルタナテイストが宿っていて素晴らしい。
ともかく、変わったメタルに興味があるなら聴くべき作品。ただ、結構クセがあり聴き手は選ぶだろうと思う。


MOURNFUL CONGREGATION - The June Frost ★★ (2009-02-02 21:25:00)

オージー産悲哀陰鬱破滅ドゥーム3rd、4年ぶりの作品。
もはや前作のThe Monad of Creationでスタイルの完成形を見た印象だったが、今作も素晴らしい出来だ。
重量や激しさで聴かせるタイプではなく、極限まで遅い速度と必要最小限に削ぎ落とした音数で、徐々にゆったりと展開していく様を堪能するスタイル。
現実の葬式と同様に、慎ましやかで厳粛な雰囲気の中に悲哀・絶望的な感情が情緒的に鬱々と現れる感じが見事に表現されていると思う。
重厚で歪んだギターがスローに展開する黒々とした感じと、透明感あるアコギ・残響音のバランスが素晴らしい。
単に激しく重いドゥームでは終わらない魅力は、そういった陰と光の対比がバランス良く織り交ぜられて、独特の叙情性を生み出しているからだろうと思う。
1stから感じることができる、暗黒世界ではあっても神々しい一寸の光のような感触は、このアルバムでも感じられる。
前作同様、美しいアートワークやバンドロゴが見事に作品にマッチ。前作の黒いジャケから真っ白なジャケになり、モノトーンな世界と闇と光を印象付けられる。
基本路線は前作の延長ながら、やや厚みを増した印象。持ち味のメランコリックさとドラマチックさは期待を裏切らないハイクオリティ。
もはやこのスタイルで右に出るバンドはいないのでは?と思う。


TEARS OF MANKIND - Silent Veil of My Doom ★★ (2009-01-26 05:26:00)

ロシア産ゴシックメタル。
もう少しロシアらしい異国情緒とか個性が欲しいと感じるものの、王道の作風、安心して聴ける内容だ。
際立った個性はあまり感じないが、楽曲がしっかりしてて聴き応えがあり、よく出来ていると感じる。
硬派で地味だが、逆に仰々しいSEもコーラスもなく、曲で勝負している姿勢が好きだ。


ASTRAL SLEEP - Unawakening ★★ (2009-01-26 04:52:00)

フィンランド産ドゥーム。まずジャケがダサくて良い。
デス声は濃密で良い。クリーンヴォイスは下手でヴァイキング臭があって良い。
結構濃いドゥーム+ヴァイキングテイスト+フィンランド特有の寒さというところが独創的だ。
録音はまあまあって感じだから音圧は控えめだが、ギターの歪み具合はブラッディで渋い。
全体的な完成度はまずまず、って印象だが、フィンランドカルト臭が程好くて魅力的だ。


FRAILTY - Lost Lifeless Lights ★★ (2009-01-22 21:45:00)

ウクライナ産ゴシックドゥーム。とは言っても、スローな曲が多いだけでドゥーミーな雰囲気は一歩譲り、純粋なゴシックメタルに近い音だ。
録音状態が良く、空間系のエフェクトの奥行きが程よく、さりげないSEへの気遣いが感じられ、ダークサイドな音楽性ながら宇宙的な神秘さと美しさがある。
ギターの音数は少なめだが、その分際立って存在感があり、ドゥームのゴリゴリ感はナイものの、太く心地よい響きだ。
ドラムのリフが意外と多彩で良い仕事をしているように感じた。
ゴシックメタルとして全体的に完成度の高さを感じる安定感、こういう音が好きな人にはたまらない音だ。
楽曲はワリと独創的で充分に毒も含んでいるんだけど、録音の良さからか綺麗な雰囲気が先に立つ分、意外と毒気をあまり感じず、インパクトよりもオーソドックスな印象を受ける。


MOSE - Halfway to Nowhere ★★ (2009-01-15 01:33:00)

ロシア産。SolitudeProductionではスラッジとして紹介されており、そのスタイルは確かにスラッジとも言えるが、重量級で掻き毟るような感じではなく、一言では語れない奥深い独創的な感じだ。
リズム隊が抜群の安定感で、芯のある低音をクリアに聴かせ、ドゥーミーというよりは比較的ミドルテンポで様々なリフに展開させる感じ。
派手に聴かせるコマーシャルなところが全くなく、荒々しさや凄み・重さは控えめで、相当地味なスタイルで、ヴォーカルも必要最小限。メロディや理に叶ったコード進行というのも見当たらない。
だから聴き手を随分選ぶ音だと思うが、音へのこだわり・演奏力は相当のもので、淡々と地味だからこそ表現できる冷たい緊張感がある。
それでいて、ドラムのリフ回しの多彩さや、単調なリフながらもそこに見え隠れする細部への気遣いが、聴き手を没頭させる。
知的・硬派・クールという言葉がしっくりくる感じ。冷たく静かなる迫力というか、なんとも玄人臭が漂う稀少な作品。
説明しづらいが、この控えめな空気・緊張感はグレンダンジグに近く、そこから魔性を無くした感じだろうか。
このレーベルのアーティストはレベルが高いなあとは思っていたが、この作品は只事ではないな。
地味すぎて日本ではまず売れない音で、コマーシャルを一切排除した内容なので、マニア向けだろうと思うが、個人的にこういう音を理解してくれるメタラーがいるとホント嬉しい。


SOMNOLENT - Monochromes Philosophy ★★ (2008-12-26 00:29:00)

ウクライナ産フュネラルドゥーム2008年作、爆発的に増殖中のロシア・ウクライナ産のダークサイドサウンドの中でもかなり異端作品。
最低で残念な人生を歩んでいるかのような、冷たく寂しい不幸サウンドがもう病みまくりでイタイ!
演奏のウマい下手はこういうサウンドでは関係なく、雰囲気と音作りが抜群にイイ。
卓越したトリッキーさは微塵も感じないが、その音の出し方がワザありである。
単純に悲しい旋律を単音でギターを鳴らしているだけなのに、何故か強力な負のオーラがある。
テンポの微妙な変化、意表をつくブレイク、ワザとチューニングを狂わせたかのような音、波ともノイズとも言えない音の挿入などなど、超スロー葬式ドゥームのツボをつきまくりである。
無骨で洗練された感じはナイが、コレはダイヤの原石のような作品で、語り尽くせないほどの魅力がフンダンに詰まっている。
壮絶に寒い人生残念ドゥームを体験したい人は、手に入らなくなる前に必ずやゲットして聴かなければならない作品だ。


ABSTRACT SPIRIT - Liquid Dimensions Change ★★ (2008-12-26 00:13:00)

ロシア産フュネラルドゥーム2008年作。
へヴィでオーソドックス路線の安定感抜群なフュネラルドゥームで完成度高い。
海底を思わせる青で彩られたジャケのイメージそのまま、水中を思わせる雰囲気があり
適度な奥行きを持つ音空間とへヴィさ、好みにもよるだろうが知的な印象のリフから、妙に引き込まれる魅力がある。
極端な異端作品ではなく、オーソドックスな路線から外れてはいないので安心して聴ける。
葬式ドゥームでオーソドックスな音は星の数ほどあるが、コレは総合的なクオリティの高さで長く聴けそうなサウンド。


RAVENTALE - Long Passed Days ★★ (2008-12-25 23:48:00)

2008年作ウクライナ産ゴシック。
アルバムタイトルはロシア表記っぽい文字だったのでリリース元のBadMoonManMusicのショップにあった英訳で登録しました。
淡々と続く2ビートの単調なリズムに、ゴシックメタル調の厚めのギターコードの繰り返し。
感じる世界は、BurzumのFilosofemをゴシックメタルにした印象で、淡々と延々繰り返されるリフから荒廃的で気だるさ満点な感覚に陶酔できる。
とはいえ、Filosofemほど真性ではなく、また、強力にトリップできる類いの音ではないのでかなり聞き手を選ぶ音だと思う。
ジャケにある朽ち果て植物の侵食を受けつつある石造建築、それでいて永久不変なところに浪漫を感じることができれば、この音楽性は大いに魅力を感じる筈だ。
曲展開など皆無、そこにドラマチックさを感じる人でないと、この音はツライ。上級者向け。


SKEPTICISM - Alloy - March October ★★★ (2008-12-25 22:38:43)

抉るような超スローの刻みとパイプオルガンの組み合わせのリフが、オーソドックスながら相当カッコいい。また、曲が展開する中、思わぬところでグッとテンポを抑えて聴かせるあたりは、流石だなーと思う。ホントカッコいいわ。


SKEPTICISM - Alloy ★★ (2008-12-25 22:31:00)

2008年作、相当期待していた作品。
ある意味従来の作品の延長上にある音楽性ながら、流石老舗バンドだけあって抜群の安定感、安心して聴ける。
極限までテンポを落としたドゥームスタイルで、パイプオルガンで神々しさを出し
ギターは歪みすぎず音像がハッキリした感じは、このバンドの持ち味で、好感触です。
フュネラルドゥームのルーツThergothonに一番近い位置にいる音を出しているバンドで、ボクはこのオーソドックスなスタイルを堅持して欲しいと思っている。
そんな期待に見事に応えてくれた会心の作品だ。
葬式サウンドに魅力を感じる一部ファンのための作品で、まったく興味ない人には「なんじゃこりゃ」だろうが、好きモノにとっては最高です。
特にトラック②March Octoberは、スローで抉るようなギターが刻むリフといい、グッとテンポダウンする緩急のつけ方など
フュネラルドゥームの魅力をふんだんに散りばめた名曲だ。


STEELER(GERMAN) ★★ (2008-12-02 22:07:00)

うわ、懐かしいな。
強力なパンチはないが、地味にB級路線で佳作といった印象のバンドだった。


LUGUBRUM - albino de Congo ★★ (2008-11-17 21:51:00)

ベルギー産ブラック2008年作。
不穏さを感じさせないアルバムジャケに不安を感じながらも、いざ聴いてみるとその不安は一蹴。
もはやこのジャンルではボクの中ではナンバーワンのバンドですわ。
演奏技術に裏づけられた複雑で技巧的な楽曲は相変わらず素晴らしいです。
なんといっても、このバンドの特徴は、不穏で醜悪な空気と知的さが同居しているところだ。
蛮族が崇める魔性のような感覚は以前から感じられたが、アートワークやタイトルからその感触が明確に理解できるところからも、聴き手にとってその感覚は更に強まった。
速度や重圧の激しさで聴かせるのではなく、SEや残響・呪術的なヴォイス、ざらついたギターの不協和、不思議なベースラインなどの独創的な個性が前面に出ているから好きだ。
強力な異端作品で人を選ぶ。激しいブラックが聴きたい人は敬遠して正解だが、ブラックに潜む神秘性や魔性に共感する人は必聴盤だと思う。
ブラックの多くは北欧的だが、このバンドは南半球の空気があるのが特徴。
この作品はその特色がより明確に現れており、そういう世界をブラックメタルの手法でアヴァンギャルドに料理した、稀少で、より想像力を掻き立てる奥深い作品だ。


JEX THOTH ★★ (2008-11-11 04:00:00)

この動画がまたスゴイ(汗)
あんたら何しとんじゃ。
http://jp.youtube.com/watch?v=uh6irmFRpGU


JEX THOTH - Jex Thoth ★★ (2008-11-11 03:58:00)

米産ドゥームロック。正直、好きモノにとっては驚きのクオリティの高さだ。
70~80年代ドゥームロックの息吹をそのまま伝えたかのような鈍重なギターといい
やたらサイケデリックなギターの中高音域は職人芸で、まるで昔のPentagramが甦ったかのよう。
そして、更に「女声ヴォーカル」というのがポイント高い!このテイストのロックで女声はかなーり稀少だわ。
ゆったりと聴かせる曲構成に、オルガンがジンワリと鳴り響くと、不思議なカルト空間にトリップ。
このスタイルと女声ヴォーカルの魅力とカルトな感じの調和が素敵すぎる!
コレはまいった、最高です。


MISERY'S OMEN - Hope Dies ★★ (2008-11-10 21:09:00)

オージー産プログレッシヴブラック。
Star Gazer、Mournful Congregationのメンバーを含むハイテク集団のプロジェクト。
オーストラリアのカルトサウンドの大御所の夢のコラボだけあって、相当な異端作品。
Star Gazerばりの構築的な曲と、Mournful Congregationのようなメランコリックな感触が、ブラックメタルで料理されているからスゴイ。
曲作りのセンスは流石といった感じで、特に②はStar Gazer的なテンポの緩急が凄まじい臨場感を生み出していて、更に、このバンドの不穏さの核ともいえるベースのウネリが驚くほど効果的だ。
合間のアコギの曲はMournful~のメランコリーを感じさせるところが多い。この作品全体に漂う鬱蒼とした空気をより掻き立てて素敵だ。
このテの異端作品には滅多に出会うことができないので、とても貴重な盤だ。


HAWAII - The Natives Are Restless ★★ (2008-11-10 02:31:00)

↑のとおりのシロモノ。
ハワイアンから始まって疾走感あふれるカコフォニーばりのメタルサウンドを堪能できる。
古い作品だが、80年代頃のB級スピードメタル風味が満載で、「さくらのうた」のギターで悩殺される。


CELTIC FROST ★★ (2008-10-27 23:45:00)

>メタルおばさん
解散ですか。1stからずっと追いかけてきたファンとしては残念。
再結成&新譜には歓喜し、新譜も期待を裏切らない出来だったが
初期のインパクトや、into~のアヴァンギャルドさが甦ったかというと・・
初期への思い入れが強いぶん、当時熱を入れたほどにはハマれなかったというのが現実だった。
作品のクオリティ云々ではなくて、きっとボク自身、年を取ったんだろうな。
彼らが次にどういう活動をするのかを楽しみにしたいですね。
ロージーさん
1年以上前の書き込みに返事するのもヘンだけど
into~の手法で離れたファンとよりハマったファンに分かれるんだろーね。
初期の無骨な感触ではないが、Vanity/Nemesisは一番へヴィメタルしてる作品じゃないかな。聴いてみるとイイと思うよ。


AMON AMARTH - Twilight of the Thunder God ★★ (2008-10-26 19:09:00)

Bathoryの不朽の名作「Twilight of the Gods」がイナズマの神様になってるアルバムタイトルに惹かれゲット。
メロデスという程メロディアスではなく単調で変化に乏しいが何故か欲しくなる音を持っている化石B級路線は決して衰えてはいない。
ヴァイキングでややクサめな進行がミドルテンポ主体で進行するが、素直にリフがカッコよかったり、なかなか意外な展開が隠し味のように現れるところなどがかなりオイシイ。
へヴィ・漢・ミドルテンポ、ボクを惹きつける要素が満載で、地味なんだけどコレが結構飽きずに愛聴できそうな作品なんだよねー。
長くやってるバンドだが、前作あたりから一皮剥けた印象で、路線は延長上でもクオリティは確実に上がっているね。


CYNIC - Traced in Air ★★ (2008-10-26 18:39:00)

有り得ないと思っていた再結成の作品が物凄いクオリティの高さだ。
次々と展開する構築的な楽曲と演奏力の高さ、理に叶った展開。
前作との大きな違いはプログレ寄りの幅広い音楽性が前面に出て、デスメタル度が随分下がっているところだ。
裏返る高めの音程主体のヴォーカルはサイケデリックで、デス声も見事に調和している。
プログレの空気を感じるフレーズや音使い・コードワークは前作よりも進化・深化している。
電気的処理も見事で、サイバーで神秘的な世界が展開され、ジャケの美しい世界そのまんまを体験しているような錯覚に陥る。
CynicのFocusで衝撃を受けた経験者はもちろん、初めての人でも是非体験すべき作品。
メンバーは変わっているが、Cynicファンが新生Cynicに期待する要素は全てクリアしている上に、更に高みに登り詰めていると思う。
唯一残念なところは、収録時間が三十数分で、まだまだこの世界に浸っていたいのに、終わってしまうこと位かな。
いや~ホントにCynicが帰ってきたよ(歓喜)!!こんなに嬉しい作品は滅多にナイよね。


IT BITES - The Tall Ships ★★ (2008-10-19 05:10:00)

まさかの新譜、このバンドが新譜を出したらとりあえず買わんワケにはいかない。
美しく心洗われるかのようなキラキラした感じと、哀愁漂う湿り気は、今も変わらず。
10分超えの大作もあり、かなり力のこもった作品だ。
旋律こそストレート過ぎる感じはあるものの、凝った曲展開は流石といったところ。
普段毒のある音ばかり聴いてると、こういう音がとても新鮮でイイね。
まったくもって毒気の無い、透き通った音で、80~90年代の雰囲気そのまんま甦ったような作品。
この盤は職人の仕事だ。この路線で右に出るバンドは無い。
ノスタルジーを感じる30歳以上限定の音だろうと思う。


HOUSE OF LORDS - Come to My Kingdom ★★ (2008-10-12 14:53:00)

オーソドックスで安定感あるメロハーが欲しくなったらこのバンドがイイ。
オリジナルメンバーが変われど、House of lordsの看板を背負う限りこの路線を貫いて欲しい。
名作3rdには譲るものの、今の時代にストレートで完成度の高いメロハーをやっているのは嬉しい。
80~90年代にトップで活躍するバンドの陰に、常にこういう派手さはないものの叙情性の高いバンドが堅実に活動していたが、そんなサウンドを現代に伝えてくれる盤だと思う。
突出した試みがあるワケではなく、今や化石サウンドなんだろうが、ノスタルジーに浸るにはもってこいの好盤。


THE WOUNDED KINGS - Embrace of the Narrow House ★★ (2008-10-01 19:47:00)

英国産ドゥーム。
Orodruinのようなイーヴルな感じのギターが渋い。とてもわかっているギタリストなんだろう。
ハウリングやフィードバックノイズなど重厚にいろいろな音が重なり合う瞬間のサイケデリックな感じが強力。
ただ、この盤は、全体的な録音がやや勿体無いと思わせるところがある。
個々の音は埋もれることなく聞こえるんだけど、もう少し厚めにしたらスゴいサウンドになるのに。
いろんな音が混ざり合ってるところのバランスは最高なんだけども、楽器単体が鳴ってる箇所はちょっと録音の粗さが目立つ。素材が最高なだけに惜しい。


FALCONER ★★ (2008-09-22 14:57:00)

善蜩さん
5年前の書き込みに返事ありがとうw


URIAH HEEP - Wake the Sleeper ★★ (2008-09-18 00:27:00)

ヒープの新譜が出てたんで買ってみたがコレはスゴイ!
楽曲はオーソドックスな印象ながらも、構成する音の細部へのコダワリは流石ベテラン。
各々のパート全てにおいて芯のある極太の音が自己主張をしているのに、全体のバランスが高レベルで保たれている、非常に安定感のある録音が素晴らしい。
特にヒープの特色でもあるコーラスワーク、オルガンの心地よさは、全盛期を思わせるクオリティ、それに加え、今作はリズム隊がとても気持ち良くて素晴らしい仕事をしている!
プログレっぽさよりも正統派なロックサウンドが前面に出ているように感じるが、その端々に往年のプログレッシヴロックを感じさせるアレンジがスパイスのように見え隠れするあたり、敷居が低いのに底なしに奥深さを感じさせる。
目新しさを求めるような異端作ではないが、曲・演奏・録音・臨場感、どれをとってもまったく隙のナイ、最高のロックサウンドを聴かせてくれる逸品に間違いナイ!


METALLICA - Death Magnetic ★★ (2008-09-17 00:32:00)

1st~4thまでがツボだと思う典型的な初期ファンなボクです。
5thはカッコいいと思ったが、初期の魅力が半減したと感じ、そこからメタリカ離れしたかな。
今回は3nd~4thあたりの構築的な曲構成に、1stの荒々しさ、5thのへヴィネスを織り交ぜた感じに仕上がっていると思う。
初期4作品には、血生臭さや悲愴感、鬱蒼とした雰囲気・・といった毒気が含まれていたと思う。5thにはそれが感じられなかった。
今作には、残念ながらそういった毒気があまり感じられず、初期の楽曲スタイルと5thの前向きなカッコよさで勝負していると思った。
そういう意味では集大成的で、他のバンドには真似できない独創的なサウンドだが、初期作品にドップリとハマって5thから離れた自分にとっては、もう少し毒のある世界をどうしても求めてしまう。


MAR DE GRISES ★★ (2008-09-13 02:16:00)

とりあえず2008年ベスト候補。


MAR DE GRISES - Draining the Waterheart ★★ (2008-09-13 02:11:00)

前作の路線から大きく変化はないが、相変わらず渋いゴシックメタルを聴かせる。
なんといっても楽曲がドラマチックでアヴァンギャルドでカッコいい。
凍てつくようなギターのザックリ感や残響を持たせたシミュレートが素晴らしいんですが
それ以上に、静寂を演出するSEが細部まで作り込まれてて、シンセがホント良い仕事をしていると感じる。
そろそろゴシックファンの間でブレイクしても良さそうなもんだが・・
普通のゴシックメタルよりもダウナーな方向性にシフトしてて、重量感よりも雰囲気重視な感じ。
ちょっとそこらへんのゴシックとは格が違うな~と思う。


PAGANUS - Paganus ★★ (2008-09-12 16:41:00)

フィンランド産フューネラルドゥーム。
単に垂れ流しで聴かせる葬式ドゥームではない。
ヴォーカルはブラックを思わせるガナリ声が基本だが、呟くようなトコとか、なかなか多彩。
ギターはきちんとサステインの微妙なハウリング音にもこだわってて、重量もかなりのモノ。
ドラムのリフも多様で、とても良い仕事をしてる。
一筋縄ではいかない曲展開、また、ドゥームファンを唸らせるテンポの緩急のつけ方が素晴らしい。
玄人臭が漂い、異端度も高く、コレは相当クオリティが高い作品。


AARNI - Tohcoth ★★ (2008-09-01 18:55:00)

2008年作。
前作と同メンバーによるUmbla Nihilがあまりに衝撃的だったので随分期待してたが
期待を裏切らない摩訶不思議な作風。
基本にはドゥーミーなテイストがあるが、ドゥームというよりはやはりアヴァンロック。
陰鬱さよりもシュールで異質な世界を描いており、前作の世界観の延長にある音ではあるもののユーモアが前面に出てきた感じで、よりこのバンドの描きたい世界やスタンスの輪郭が見えてきた。
ドゥームを純粋に楽しみたい人には相変わらず向かないが、他にはないAARNI独自のシュールさとユーモアが詰まっていて、異端作品を好む人は必聴盤だろうと思う。
こういう世界観をドゥームやフォークといった下地で聴かせるから面白い。


TZUN TZU - Kunoichi ★★ (2008-09-01 17:53:00)

オーストラリア産オールドスクールデスの2ndでMCD6曲入り。
アルバム名が示すとおり、日本かぶれバンドである。
月夜に血塗れの刀を持つ芸者風の女性が描かれるジャケ
背面は血塗れ芸者が三味線を奏でる姿が描かれているなど
きちんと日本かぶれのポイントを押さえている!
九ノ一、外人、命日といった曲名も素敵だ。
作風は至ってオーソドックスなオールドスクールデスの王道だが
琴が入ったり、やたら古風な旋律を織り交ぜるなど、日本へのコダワリが垣間見える逸品。
B級デスの魅力があり、こういう作品は30代以上のメタラーがターゲットなんだろうが
スペインのBANZAIなど日本かぶれメタル好きには持っておいて欲しいと思う作品だ。


KATHAARSYS - Verses in Vain ★★ (2008-02-14 16:00:00)

スペイン産プログレッシヴメタル。
ゴシック・ブラック・ドゥームを程よくミックスしたような音楽性。
5曲で2枚組85分強で、大作主義。
ボクとしてはどうせここまで長い曲やるんなら、終止ドゥーミーにやって欲しいのに。。と思うが
アグレッシヴでファストブラックのようなトコもあり、ドローリとスローなドゥームありなどなど
結構起伏に富んだ曲展開が聴き所のように思う。
演奏・録音共に優秀、大作主義なところは聴き手を選ぶと思う。
草木が生い茂るジャケから森林崇拝的なイメージを持っていたが、聴いたら特にそういう雰囲気が濃厚というワケではなかった。
良いバンドだが、次に期待といった印象。


LONGING FOR DAWN - A Treacherous Ascension ★★ (2008-02-14 15:49:00)

カナダ産シンフォニックドゥーム。
海・山・空がモノトーンで写されたジャケとバンド名から路線はストレートに自然崇拝。
暮れなずむ風景描写から鬱々とした心情をスローに重くそのまんま音にしたような感じ。
よくある路線ではあるけど、録音状態が良くて、シンフォニックなところも地味に抑えているから良い作品に仕上がっていると思う。
ヘヴィだけど、淡々としててオカルトのようなものを感じさせないので地味だが、そこがむしろイイ感じかな。


LUGUBRUM - De Ware Hond (stavelot - Ghent) ★★ (2008-02-08 02:52:00)

異端ブラックでは屈指のLugubrum2007年作。ブラックでは一番好きなバンド。
病気になりそうな不穏な空気ではコレに勝るブラックはナイ!と言ってもイイくらい。
コレ、金かかってナイチープな自主制作B級スプラッタ映画のような世界なんだよね、空気が。
超ヘタウマヴォーカルのガナリ声とか不条理なコードワークとか、異様な呪術的な雰囲気があって、それが決してゴージャスじゃないから隠れ新興宗教のようでイイね。
録音状態は確信犯なのか、ギターのプチプチとシャーシャーな感じが丁度よく中和したような、なんとも言えないステキな音なのです。
演奏力はピカイチで、変則な展開など高度なコトを結構平気にやってのける。
ホントやりたい放題な異質ブラックで、ブラック上級者というよりは、異質な世界を楽しみたい人向け。
Maudlin of the Wellあたりの音楽性に近い感じはあるが、アレよりはダーク。


AIRTIME - Liberty Manifesto ★★ (2008-01-03 19:39:00)

リックエメットが同郷カナダのバンドと組んだらしいHR作品。
特に何が新しいというワケではなく、オーソドックスなHRなんですが
TRIUMPH時代のハードさと、リック独特の哀愁漂う美声が甦る感じで
当時のファンとしては、再びこの路線でアルバムを出したことに感動した。
トリオという最小限の編成でありながら、巧みなギター・コーラスのハーモニーが重厚で美しい。
昔のHR作品からは、アコースティックギターと歌声から、繊細で冷たい哀愁を感じるんですが、今作にその雰囲気が復活しているのが涙モノですわ。
そして、当時と変わらずハードでカッコイイから、感動もヒトシオ。
テクニックはもちろん、アレンジや録音状態もパワーアップしていると思う。
まさか今の時代にTRIUMPHの息吹が濃厚に詰ったHRを聴けるとは思わなかった。
一時路線が変わってボクの中では消えていたリックが帰ってきた!
とにかく、TRIUMPHファンにはツボ突きまくりの作品であることには間違いナイぞ。


NEX - Zero ★★ (2007-12-18 17:21:00)

スウェーデン産。
Celtic Frostにドゥームをミックスした感じで、基本ドゥーミーだが、結構起伏があって聴き応えアリですわ。
Celtic~の初期作品の引き摺るような感覚とトムウォーリア張りのダミ声ヴォーカルがツボ。
なかなかのカリスマヴォーカルで、あの当時の感触がなんとなく甦る感じがイイね。
ギターの音はドゥームのゴリゴリ感よりもプチプチ感あるブラック寄りな感じ。
Celtic似バンドの中ではかなりクオリティ高いと思う。


DEXTER JONES CIRCUS ORCHESTRA - Side by Side ★★ (2007-12-18 17:13:00)

2007年作、ライトに聴ける渋いロック。
カントリーとかブルースのような泥臭さとサイケデリックな感じがツボ。
演奏もうまいし、曲もなかなかいいし、安心して聴ける一枚。
結構ヴォーカルに魅力アリで、コーラスと絡んだ時なんかはホント心地イイね。
ギターも「いかにも」な渋~い音を出すね♪
今年買った中では結構上位、よく聴いてます、オススメよ。


WORSHIP - Dooom ★★ (2007-11-26 23:07:00)

この救いのナイ音の塊はスゴイ・・
重厚な音の中にあるひとつひとつのノイズがツボすぎる。
教会系シンセがこんなにもハマってるバンドってないね。
ギターノイズに乗せるとこんなにもエゲツない音になるのか、もう悶絶しました。
曲がシンプルで大胆なので、余計にインパクトがあると思う。
極太ノイズにディレイかけまくりなんですが、アタックが強いのでスゴイ聴き応えあります。
もう、これ以上の絶望なんてナイかも。


RAUTA - Haudanmaa ★★ (2007-10-07 14:40:00)

フィンランド産プログレッシヴフォークロック。FIREBOXからのリリース。
ヴァイオリンが前面に出ているからか、70年代プログレライクな雰囲気があり、ステキ。
あまり他の楽器が前面に出るとこういうユニットはメタル色が薄れ気味なんですが
この作品はギターも弾くところは弾きまくってて、メタルファンでもオッケー。
アコーディオン(バンドネオンかも)も入ってて、民族風味があります。
演奏はウマイし、特にドラムがイイ仕事をしているから、聴き応えがあります。
曲の盛り上げ方もイイし、ちょっと一目置きたいバンド。


SWALLOW THE SUN - Hope ★★ (2007-10-02 20:47:00)

耽美なヘヴィな超スローゴシックメタルではこのバンドのセンスが一番光ってると思う。
この作品は前作の延長上にあるものの、音作りの点で更に磨きがかかった印象。
芯のある重低音と、メランコリックなアコギ&SEはかなり作り込まれてて、このジャンルにありがちな白玉垂れ流しじゃない。
音の良さや作り込みが耳に残る反面、ワリと似たような雰囲気の曲が多くて、あまり楽曲が印象に残らないかなぁ。
それを差し引いても他のバンドよりレベルの高さを感じる作品。
↑の人と同様、前作の雰囲気の方が好き。


TROUBLE - Simple Mind Condition ★★ (2007-10-02 02:22:00)

オーソドックスでシンプルでこのバンド特有のウネリが微妙にサイケ。
コレは純粋なTroubleファンでないと何がステキなのかさっぱりわからんと思う。
Trouble特有の地味で硬派で適度にサイケな雰囲気は往年のファンならまず納得の出来じゃないかな。
前半はライトに楽しめるまさに王道路線の曲が多いが、トラックが進むにつれ徐々に切なく荒廃的なテイストでトリップできる。
ギターは薄すぎず厚すぎず、聴けば聴くほど味の出そうな職人気質さを感じる、期待通りの王道路線で一安心といった感じ。


WITCHCRAFT - The Alchemist ★★ (2007-09-20 19:28:00)

相変わらず聴いた瞬間70年代サイケデリックな空気に満たされる音。
処女作ほど音が薄くなく、前作やや骨太になった感じの録音状態に近い。
ひとつひとつの音にコダワリを感じ、曲構成はシンプルなのに様々なアレンジが施されている。
処女作にあった翳りがより一層前面に出ているような感触で、現代ではなかなかお目にかかれない湿り気・翳りの質感をオーソドックスなサイケデリックロックで堪能できる逸品に仕上がっていると思う。
ホント味のある音を出すバンド、とりあえず今年ナンバーワンはほぼ確定。


宇多田ヒカル ★★ (2007-07-26 00:38:00)

なにげに好きなんだけども
DVDやライヴはイマイチだねー・・。


GACKT ★★ (2007-07-26 00:15:00)

独特な鬱蒼とした世界観がイマイチ肌に合わないにしても、完全に自分の世界に入り込んでいるステージパフォーマンスには昔から強烈なインパクトを感じるな。
男も女もファンがいると思うが、ガクト好きのゴス女性ファンが好みそうなテイストを散りばめているあたり、この人は売れる音を知ってるなあ、と思った。
ウタも曲も結構イイ感じ、ボク実は昔マリスミゼルのビデオを持ってたりする。


ENYA - Watermark ★★ (2007-07-26 00:01:00)

Enyaの出世作といえばコレでしょう!
オリノコフロウのビデオクリップが当時はBSでよく流れてました。
当時ここまで重厚にSE多重録音を施して癒しを追求する音ってのは他には無かったように思う。


ROYAL ANGUISH - A Journey Through the Shadows of Time ★★ (2006-11-22 23:16:00)

米産シンフォニック・ゴシック。2006年作。
デス男声、ヘヴンリーヴォイス調女声を含む4人組、その他正式メンバーでない人が参加してるらしい。
クラシカルなシンセ&ピアノ、ツインで弾きまくるギター、など聴き応え充分。
メンバー紹介にドラムがナイみたいなんだけど、走ったりモタったりする独特なノリのドラムが大きな特徴(リズムマシン?)で、大きな個性となっている。
辺境ペイガンメタルのような土着的でストレートにクラシカルな旋律は米産とは思えない不思議な感覚がある。
全体的に荒削りだが、リズム隊が起伏に富んでて、個々の曲は結構面白い。
女声・アコギ・シンセがオリエンタルなテイストを持ち、音自体細いながらもピアノの存在感が大きい。
シンセやギターの音・リズム感など、違和感を感じるところがあるけど、未完の大器といった印象。
他のバンドにはない魅力が感じられるダイヤの原石のような作品。
演奏力とサウンドプロダクションが向上すれば、屈指の個性派ゴシックバンドになると思うな。
ただ、正式メンバーでないキーボード、誰がやってるのかよくわかんないドラムに個性を感じる分、どうなんだろ?とやや悩む。
というワケで、この作品を聴いて暫く追いかけようと思った。


QUEENSRYCHE - Operation: Mindcrime II ★★ (2006-11-18 01:13:00)

OPERATION:MINDECRIMEの続編ということで当然ゲットしました!
そこらへんのHRに比べると比べ物にならないくらい、曲構成とアレンジが奥深い。
音を詰め込みすぎず、必要最小限の厚みで、巧みなコードワークとハーモニーで聴かせるところは、QUEENSRYCHEの職人芸だ。
ただ、Iと比較して、あまりにシンプルになったサウンドプロダクションに違和感がある。
今作でも当時に似た張り詰めた空気を感じることができるが、Iほどではない。
Iの緊張感は、甲高く響き渡るような美しさを持つドラム、クリーンギターとコーラスワークにかかるリバーブ、奥行きのある残響音、が生み出していると思う。
今作は、若干空間系のエフェクトが浅めで奥行きが感じられない。線の細い芯のある個々の音が重なり合う独特の響きが感じられない分、Iほどの緊張感に達していない、と感じる。
また、IとEMPIREでは、ディミニッシュコードの不安定な響きが緊張感を掻き立てるスパイスになっていた。今作は曲作りで、より緊張を与えるようなコードワークはあまり使用されていないように思う。続編として作っているから、Iと同様かそれ以上の緊張を期待するのだが、それは成功していない、と感じる。
過去作品の焼き直し的な作品ほど面白くないモノはないが、今作は決して二番煎じではない。ただ、肯定的な前向きな変化と受け止めてはいるものの、続編としての作品、という点では悩むところがあるなあ・・。


OBITUARY - Slowly We Rot ★★ (2006-11-16 00:04:00)

2ndを先に聴いたからか、コノ頃はまだ整然としていない印象が強い。
とはいえ、ミドル~スローなリフと高速なキザミを織り交ぜたスタイルと悶絶するようなヴォイスは、当時としては異端。


FETOCIDE - Redefine ★★ (2006-11-15 20:39:00)

友人がスペインでゲットしてきた正体不明デスメタルバンド(国籍不明、たぶんドイツかスペイン)の作品。
バンド名の単語すら辞書に載ってない・・どういう意味なんだろうか?
おまけにバンドロゴはどう見ても「FETCIDE」なんですが、調べた結果FETOCIDEのようだ。
ボクが知らないだけなのかも知れないが、ネットショップでもどこにも売ってないし、リリース元のObscure Domainレーベルも初耳で2バンドしか紹介されてないし、かなり無名なんでしょう。それこそ、星の数ほどあるアンダーグラウンドデスの駆け出しバンドかも知れない。
そもそもくだらんダメバンドなら追加登録しないんですが、コレがかなりイケてます。
路線は初期MORBID ANGEL+初期ATROCITYといった感じ。特に王道ヴォイスとギターワークは、MORBID ANGELの影響大、きっとメンバーは大好きなバンドだったんだろうなあ。
演奏は完璧とは言えないが、微妙なズレやモタリが不思議なグルーヴを生んでいます。
曲構成がアヴァンギャルドで、単なるオールドテイストに止まらない固有のモノを持ってます。とても起伏ある曲展開に聴き入ってしまいます。
まさにボクがデスメタルに求める魅力がふんだんに散りばめられた作品で文句ナシの隠れた名盤ですね。
MORBID ANGELのような王道オールドスクールデス路線にB級の魅力がスパイスされた妙に魅かれる作品で、曲構成の面白さと大胆なリフは本家より楽しいかも。むしろMORBID ANGELを知ってて聴くと楽しさ倍増。アレンジの至るところにその影響がある。
バンドロゴとジャケはイマイチ。


AHAB - The Call of the Wretched Sea ★★ (2006-11-13 19:21:00)

ドイツ産フュネラルドゥーム。
ジャケ見た瞬間MASTODONのLEVIATHANではないか?と思った(笑)。
こっちのジャケもあちらと同様に白クジラが船を転覆させとります。
こっちのジャケの方がやや暗めで霞んでて、不穏な感じがします。いいジャケだ。
TYRANNYやSKEPTICISMあたりの真性暗黒ドゥームをザブンと海に沈めました!のような音。
極限までスローで、引き摺りまわるようなリフが犇いてます。巨大な石を引き摺るようなリフがスゴイ。
オフィシャルサイトのメンバー紹介も「クルー」だし、海が大きなテーマなんでしょう。
大海原を感じさせる奥行きあるエフェクト、ヘヴィなリフに絡む単音ギターが霊的で不穏極まりない。
淡々と展開する王道葬式ドゥームですが、時折挿入されるシンセやアコギなどが絶妙で、決してよくあるメランコリックな感触ではなく、この作品特有の雰囲気作りになっているところはスゴイと思う。
真性な雰囲気とヘヴィさで勝負する同型の葬式ドゥームバンドと比較して、きちんと曲展開が存在して説得力があるところはこのバンドの強みだ。
音楽性は、初期CATHEDRALのような質感のドラム、初期SOLITUDE AETURNUSのようなリフ構成を感じさせるところがツボでありながら、真性葬式ドゥームの範疇に留まっているからスゴイ。
世界観は、BATHORYほど汗臭くないが、冷気を帯びた潮風を浴びながら航海するような感じとか、LEVIATHANのような湿り気たっぷりで濃厚な魔性をも感じさせる。
真性葬式ドゥームがダメな人には向かないが、叙情的でドラマチックで・・聴き応えあります。


TOTO - Falling in Between ★★ (2006-11-09 02:26:00)

The Seventh Oneの頃には部屋の壁にポスターを貼ってた程のファンでした。
久々のオリジナル曲での新譜というワケで、当然当時のようなクールなAORを期待するんですが
↑↑で既に仰ってる通り、期待とは微妙に雰囲気が違い、涼しげというよりはやや賑やか。
全体的に骨太になっている分、やや音が詰め込みすぎの感じと、加工されすぎの印象があるギターに戸惑いを感じるものの、何度も聴いているうちに気にならなくなった。コレはコレでアリでしょう。
チョイと苦言を吐いてみたものの、コンポジション&アレンジは相変わらず素晴らしく、と~っても聴き応えがある。
肯定的に見れば進化なんだろうが、旧作に思い入れが深ければ深いほど、変化はなかなか受け入れ難いモノで、ホントにイイなあと思って聴けるようになるまでに結構時間がかかった。
持ってるポテンシャル自体、格上のバンドなだけに、上質な作品です。
段々とハマリつつあり、今年ナンバーワンのAOR作品になりそうな感じです。


THE DARKNESS - One Way Ticket to Hell... And Back ★★ (2006-11-04 21:12:00)

英国ロック&クイーン風味という噂を聞き、友人宅で聴きました。
なるほど、受けそうな要素満載のHRでした。
ドラムがやや平坦に感じられたものの、ツボを突くリフやアコースティックな美しさが光る曲など、聴き手を飽きさせない豊富な楽曲群が魅力でした。
純粋にカッコいいと感じる反面、楽曲やアレンジはオーソドックスで毒気や個性といったものが突出してるとはいい難い感じ。
但しヴォーカルスタイルが個性的でコーラスはクイーンを彷彿させる箇所があり、とても楽しめる内容でした。
70~80年代のブリティッシュHRが甦ったかのような存在感がステキで、ある意味定番な展開やギターソロを恥かしげもなく堂々とやってくれるところに愛情を注ぎたくなる気持ちになる。
蒸気機関車の煙に魔的なカオが描かれるジャケはHR/HMならではの味わいがあり、とても素晴らしいデザインだと思う。


ISOLE - Throne of Void ★★ (2006-10-29 03:26:00)

スウェーデン産Solitude Aeturnus似ゴシックドゥーム。ボクのモロツボ。
孤独感を掻き立てる悲愴な雰囲気とキャッチーなメロディが融合した良質作品。
真性さはないが、楽曲がよくできている。
特に朗々と歌うクリーンヴォーカルがSolitude Aeturnusを彷彿させてカッコいいね。
伸びやかなヴォーカルに乗るコーラスワークがまた大きな魅力で、聴き応えあります。
淡々としたオーソドックスなゴシックドゥームで、異端作品を求める人には向かないが
細部のアレンジまでとても丁寧に作られているなあ、と思わせる。


TROLLMANN AV ILDTOPPBERG - Arcane Runes Adorn the Ice-veiled Monoliths of the Ancient Cavern of Stars ★★ (2006-10-22 01:20:00)

コレはかなーり異端のドゥーム・・というよりドローン・アンビエント。
チープな録音で微妙に揺れ動くロングトーンのノイズが徐々に移り行く様を楽しむ超マニア向けで、聴き手をかなり選ぶと思う。
単調な音で曲構成などナイに等しい音楽性で、一聴したら「何じゃコリャ」だが、
実に不思議なんだけど、洞窟の中でポツンと孤独にトロルが立っているモノクロジャケの世界観にベストマッチ。
空想のトロルが住む世界で、そのトロルは一人ぼっち、みたいな濃厚な夢物語が脳裏に過ぎります。
コレはある意味、孤独の極致を表現している音源と言えるかも。
ベースのみの曲では、歪ませたノイズが徐々に擦れて風化していくような様が見事に表現されており、まさにドゥームの音素材の魅力に特化したサウンドだ。
作品として世に出したこと自体、素晴らしいと感じる希少価値のある表現方法だと思う。
芸術性高い逸品だと思う反面、ドゥーム上級者でないと厳しい内容だろうと思う。


OMEN - Teeth of Hydra ★★ (2006-10-21 18:25:00)

初期作品のベスト盤。
硬派なトゥルーメタルを相変わらずやっている。
このバンドがイマイチ受けなかったのは、ズバリ地味だったからだろう。
常にB級を漂わせる痒いところに手が届きそうで手が届かないような楽曲でありながら
正統派でドラマティックな作風に愛着が湧いて仕方がない。
今改めて手にすると、コマーシャルな部分を排除した80年代の空気を漂わせたトゥルーメタルの姿勢を貫いていたんだなあ、と感慨深いモノがある。


LEVIATHAN ★★ (2006-10-21 17:53:00)

スピード一辺倒だったり画一的になりがちなブラックをゲットしてしまうことが多いが、久しぶりにスゴイ作品に出会ったような気がした。
凶悪さや陰鬱さ以外に、叙情的な印象的な雰囲気が漂うブラック。
このバンド、スゴイです。


LEVIATHAN - Tentacles of Whorror ★★ (2006-10-21 17:37:00)

米産フュネラルブラック。
同レーベル発XASTHURに近いノルウェイジャンスタイルだが、高速ブラストやスローパートもあり、よりアヴァンギャルドな作風。
アコギやアトモスフェアなSE、凄みを増すヴォイスエフェクトなどの様々な工夫があり、更に画一的にならない非常に練られたアヴァンギャルドな楽曲がツボ突きまくりだ。
全体に漂う湿度高めなジメジメ感と鬱蒼とした雰囲気はスゴイ。
霧がかったようなシンセと深めの残響音を駆使しているので不穏な空気が漂っている。
特にエフェクトの拘りを感じる作品で、霧の立ち込めた大海原を感じさせる叙情的な雰囲気、悲しみに満ちた荒廃的な感じが素晴らしい。
ジャケのアートワークもシュールで、同型陰鬱系ブラックの中では一歩上を行っている個性と世界観が素晴らしい。
決して他では体験できない素晴らしい盤、米国産が決して北欧に敵わないというワケではない、ということを知らしめる作品だ。
ヴォーカルスタイルとアコギの使い方がCORONERにも似たインテリジェンスさを漂わせているところもポイント高い。
ファストブラックよりアンビエントにシフトしたマニア向けブラックだがブラックファンは必聴盤だと思う。
これほど完成された世界観を持つブラックというのもなかなか出会うことがナイね。


STALAGGH ★★ (2006-10-17 23:31:00)

YOUTUBE観ました。
カオティックノイズではとてもレベル高い作品と思う。
YOUTUBEで検索してた時に発見したXanaxasaXっていうユニットが
STALAGGHに似てますね。
XanaxasaXの方がインパクトありましたが共通のメンバーなんでしょうか?
コメントのトコにそれらしき文章があるような気が・・
誰か翻訳してくれー。


THORR'S HAMMER - Dommedagsnatt - Norge ★★★ (2006-10-12 01:20:50)

壮絶な掻き毟りギターのコテコテスラッジなんですが、初々しいクリーンヴォーカルと猛獣のようなロウなヴォイスで、まるで呪詛のように歌い上げる様が、やたら呪術的。スゴイ・・・。


THORR'S HAMMER - Dommedagsnatt ★★ (2006-10-12 00:54:00)

BURNING WITCHの前身バンド。KHANATE解散につき、衝動買いしてしまった。
KHANATE~BURNING WITCH~SUNN O)))のスティーヴン・オマリーのドゥーム・スラッジユニット1996年作。
ジャケでは若干17歳の美形女性ヴォーカルの麗しいステキなお姿が。
時に美しく歌うんですが、え?ホントにこの女のコが?と思うほど凄まじい唸り声がメインの病んだスラッジです。
そこらへんのデス声では全く敵いません(汗)。あり得ん。
僅かに存在する女性デス声バンドの中では間違いなくナンバーワンの迫力だろう。
このヴォーカルのクリーンな声が妙に初々しくて、その演奏スタイルとのギャップに度肝抜かされる。
ギターは当然のことながら筋金入りの鈍重さで、クオリティの高さと個性はピカイチ。
ちなみにインナーではステキな口元に牙が生えてます。


BURNING WITCH - Crippled Lucifer ★★ (2006-10-12 00:28:00)

SUNN O)))やKHANATEがあるのに未登録だったのが不思議。
SUNN O)))やKHANATEのスティーヴン・オマリーのユニット。2000年作。
激重ドゥームスラッジ作品で、現在やや入手困難かも。手放さなくて良かった。
KHANATEが解散した今、最も近い音楽性はコレか。
KHANATEのカオティックなヴォーカル&フィードバックノイズの渦・鈍重な遅さは、まさにこの作品で培われているといっても過言ではないと思う。
壮絶な重さ・掻き毟るギターが凄まじく、尋常ではないスクリームが大きな魅力。
当時はコレよりも激しいスラッジには出会ってなかったと思うし、現在も匹敵する作品はなかなかナイ。
(ただ当時はスラッジっていう言葉も知らず、そこまで夢中になれなかったけどね)
KHANATEがどちらかというとスラッジを基本にカオティックでアンビエントな感触が楽しめる作品だと思うが、こちらはヘヴィさと鈍重さの魅力に特化したかのようなドゥーム・スラッジの基本を貫いた名作だと思う。


MAR DE GRISES - The Tatterdemalion Express ★★ (2006-10-01 16:13:00)

チリ産ゴシックドゥームFireBox発2003年作。
FireBox発だからフィンランド産かと思ってた・・
ストレートに悲しいコード進行や曲展開がクサめに感じることはあるものの
アレンジは非常にアヴァンギャルドで、このバンド、タダモノではない。
ドゥームフリークを納得させ得る硬派な音作りと、卓越した曲作りのセンスを併せ持つ。
曲中で不安定に壊れてしまう異質な曲や、不思議なコードがさりげなく使用されるリフなど一筋縄ではいかない固有の個性を放つ。
反面、旋律が理に叶いすぎるほどベタなので、コアなファンでなくても聴けそうな楽曲。
聴き易さとアヴァンギャルドさのバランスがとてもよくて、妙に玄人っぽさを感じさせる。
全くの無名なんだろうけど、コレは掘り出し物でした。


TERRORIZER - Darker Days Ahead ★★ (2006-10-01 15:59:00)

老舗バンドのまさかの2nd。
17年前の前作の勢いはそのまま、音像がヘヴィになり帰って来た。
演奏力が凄まじいので、迫力満点です。
ヘヴィになった反面、エフェクトで加工された音作りが好みの分かれ目かも。
クッキリとクリアにブラスト&キザミが心地よく聴けた前作とはやや趣向が違い
むしろ極太の音像が怒涛のように入り乱れるサウンドになっている。
ボクとしては個々の音が音像に埋もれてしまっているのがやや残念なところだ。
看板曲DEAD SHALL RIZEの2006年ヴァージョンは当時の衝撃がそのまんま甦ります。


FUNERAL - Tragedies/tristesse ★★ (2006-10-01 15:52:00)

ノルウェー産フュネラルドゥーム。
デモ音源などのボーナストラックを多く含む1stのリマスター。
アコギの音など録音状態は万全とは言えないが、硬めのゴリッとしたギターが渋い。
メランコリックさを含む王道フュネラルドゥームだが、女性によるヘヴンリーヴォイスが入る分、個性を放っている。
2枚組みで盛り沢山だが、曲構成等はしっかりしているので聴き応えある。


UPWARDS OF ENDTIME - Sadly Never Fore ★★ (2006-09-27 21:41:00)

米産HM、半ば記憶から消えかけていた元Atrocity(独でなく米)のメンツによる2006年出来たてホヤホヤ作品。
とりあえず、ギターはかなりのテクニシャンだと思うが、ドラムがモタるなど、リズム隊が不安定で、ヴォーカルがヘタ(笑)。ギタリストと技術の差があるんではないかい?と思った。
もともとAtrocityはB~C級のハードコア~デスメタルで、今やトレンドと言えるスプラッターだったり血みどろだったりというワケではなく、趣味の悪いやたらキモイ世界だった。
しかし、そんな異質な世界観と比べても・・こちらも負けてない(笑)。
赤ん坊の死体のような物体が落書きのように描かれた白黒ジャケで・・
インナーは王様のミイラにウジムシが湧いているようなイラストが描かれているな(汗)。
オフィシャルではビデオクリップが観れるが、コレまたキモイ、イタイ世界観である。
過去は純粋にハードコアしてたが、今回はドゥーミーな楽曲が多少含まれている。
イタ~イ世界を表現する楽曲群はというと、意外に正攻法のHM的楽曲でコレがなかなか起伏に富み、聴き応えがあるのだ。
ミドル~ハイテンポの曲が多いが、適度にドゥーミーなリフを織り交ぜ、また、密かに響き渡るオルガンが隠し味になっており、なかなか味わい深い作品になっている。
B級の香りがプンプン漂うジメジメした妙に湿っぽいサウンドで、部屋にウジムシが湧きそう。
コレはAtrocityを知る人なら尚更楽しめる作品、正攻法のコンポジションながら決してマンネリではない固有の異質さを秘める作品だ。
そんな異質さはギターとベースの低音がドゥームに通じるゴリッとした感触だからだろう。抉るような感じがなんともいえないドロドロ感を表現している。
また、録音はあまり良くないが、カビ臭さを際立たせるにはいい音質だ。
完成度は高いとは言えないが、純粋にHMしてる楽曲に反してやたら瘴気を漂わせる雰囲気はB級ながら大きな魅力がある。


GOATWHORE - A Haunting Curse ★★ (2006-09-27 19:09:00)

米産ブラック。
以前ほどオールドテイストの味わいを感じないものの、確実に進歩している。
コマーシャルな部分や濃厚な暗さなどが突出していないところが渋さになっている。
無機質でブラスト満載、複雑な曲展開とパワーあるヴォイスなど、聴き応え充分。
トラック3などは初期CelticFrostを感じさせるリフやノリを含み、とても味わい深い曲であり、こういうトラックがあるからオールドファンのボクのツボにハマるんだろう。
決して真性ブラックではないと思うが、こういうスタイルを貫く硬派なバンドは好きだ。


MENTORS ★★ (2006-09-15 00:29:00)

ジャケも凄いイタイですが
インナーのあの黒覆面のイラストがたくさん散りばめられてるデザインは
更にイタイですねぇwwww


NECARE - Ruin ★★ (2006-09-12 21:13:00)

フィンランド産フュネラルドゥーム。
芯のあるギターやクリアなアコギなど録音が素晴らしくとても聴き易い。
マルチな2人組のようで、それぞれ多くの楽器を担当しているようだ。
ということはライブとかはやってないんだろうか・・?
陰鬱系でややゴシック寄りだが、きちんとドゥーミーで適度なメランコリックさがある。
デス声や呟きもあり、シンセも大袈裟でなく垂れ流しでない所もポイント高い。
楽曲も適度な長さで練られているし、必要なモノは一応揃っているオーソドックスさがイイ。
フュネラルドゥーム初心者には持って来いかも知れない。


ATROCITY(US) ★★ (2006-09-12 00:34:00)

当時は独Atrocityの盤を漁っている時に間違えて買ってしまった。2枚も(涙)。
あまりの音楽性の差にCDを円盤のように投げようかと思った。
今はThe Art of Deathしか手元にないですが、10年経ってふと聴いてます。
録音がボロイですが、ブラスト中に掻き毟るようなギターソロが入ると物凄い臨場感があり、コレがなかなかカッコいいんです。
コレは万人にオススメできるバンドではないですが、当時のハードコア・グラインドコアシーンの一線級にはない、B級クサさと勢い溢れるバンドです。
このメンバー、今はなんとドゥームをやっているらしく、ついに発見!
Upwards of Endtimeというバンドらしい。
コレがまたAtrocityジャケに負けず劣らずメチャクチャ趣味が悪い!!(笑)


ATROCITY(US) - Infected ★★ (2006-09-12 00:25:00)

普段CDを売るなんてコトはボクにはできないんですが
当時コレはポンコツすぎて理解できず、買ってすぐに売ってしまった。
今になって買い戻したいと思うから不思議だ。
路線はThe Art of Deathとそう変わりないハードコア。
ネチョーッとした粘液の上でおぞましいゾンビのようなモノどもが臓器をぶちまけているイラストは、極悪センスでB級ジャケ好みのボクとしては忘れがたく感慨深いモノがある。


ATROCITY(US) - The Art of Death ★★ (2006-09-12 00:19:00)

US産デスメタル・・というよりハードコア寄りデスメタル。
同名ジャーマンデスと混同してゲットし、それと比較したため録音のポンコツさに愕然。
録音が安いスタジオ臭が漂っているのが難点だが、破天荒な勢い、短めの楽曲でスカッと聴ける。
Terrorizerのような大御所の完成度には程遠いが、同様の雰囲気があり、ボクは好きである。
キモイ胎児の卵のような物体が多く描かれる鮮明色ジャケの極悪センスは、B級ジャケの中でも屈指で存在感がある。
CDケース裏もやたらサイケな目が痛い鮮明色で丁寧に曲名が書いているモノの読めん。


XASTHUR - The Funeral of Being ★★ (2006-09-11 18:24:00)

どちらかというと過去作はあまり聴かず新譜をよく手に取るんですが
ジャケの雰囲気とカオティックさではこれ以降の作品よりお好みかも知れん。
シャリシャリシャーシャーとした粉のようなカオティックブラックの名盤だと思う。


MYTHOLOGICAL COLD TOWERS - The Vanished Pantheon ★★ (2006-09-11 16:30:00)

ブラジル産エピック~ゴシックドゥーム。
硬派なギターの音とシンフォニックなシンセはとてもオーソドックス。
もっさりとだるーく淡々とミドルテンポのサウンド。
ヴォーカルが結構多彩で、王道でロウなヴォイスもあれば、漢に雄叫びを上げたりする。
南半球のイロなんだろうか。結構クセのあるヴォーカルだ。
楽曲はやや中弛みして冗長になりがち、旋律が露骨にクサめなのも特徴だ。
アクの強いヴォーカルとクサめの世界がOKなら聴いて損はナイ。結構パワフルだ。


MORGOTH - Odium ★★ (2006-09-11 16:12:00)

アグレッシヴな音やホンモノ感溢れる音は屈指で凄みも感じる正統派。
だが、初期作から拭えない楽曲の弱さを抱える作品ではある。
何かもうひとつ物足りないモノがあるのが残念だ。
しかし、音数や飛び道具のような演出に頼らない真っ向勝負なデスメタルが好感触。
オールドスクールデス好みの中でも好みは分かれるかと思う。


CIRCULUS - The Lick on the Tip of an Envelope Yet to Be Sent ★★ (2006-09-06 21:38:00)

英国産70年代プログレッシヴロック風なヴィンテージサウンド。
7人編成でリコーダー、ムーグ、フルートなどを取り入れたフォーキーな感じで
いかにもその時代の音といった録音と、中世にこだわったファッション
そして、いかにもサイケデリックといったジャケandインナーのデザインがツボだ。
適度に歪ませた線の細いギターとムーグのハーモニーが70年代サイケデリックロックフリークのツボ。
そして、美しい女性ヴォーカルが時にサイケデリックな世界に誘うトコロがポイント高い。
あまり強い毒気のないソフトな感触の曲や、モロサイケな感触の曲など多彩で、非常に安定感のある楽曲群は素晴らしい。
結構細部までこだわっているアレンジには職人気質すら感じる。


WOODS OF BELIAL - Deimos XIII ★★ (2006-09-06 20:39:00)

フィンランド産カルトドゥーム。コレは濃いなあ。
濃密なカルト色の強い只ならぬ雰囲気は強烈で、カルトメタルファンとして度肝を抜くサウンドだ。
結構テンポに起伏があるが、根底にはやはりドゥームメタルが根付いている。EXTIONCTIONやXASTHURのようなカオティックノイズをややインダストリアルにしてドゥーミーにしたような感触の曲が多い。
SEや鐘のような効果音を散りばめ、神々しくも背徳的な雰囲気が強力だ。中には純粋にアンビエントとして楽しむような曲もあり、明らかに他に類を見ない異端。
階段の奥に謎の目玉が描かれるモノトーンの意味不明ジャケは、ホント意味不明。
当初は石造りの遺跡のような建築物かと思っていたが、よく見ると近代的な建築物ではないか。手摺りが付いてるよ、地下鉄かどっかの階段か?
インダストリアルな近代的なイメージと悪魔的な世界観が同居する異質な世界観と感じた。
重低音を通り越してスピーカがワウンワウンとビビリまくりのベース、残響音が異様に深くスペーシーな音空間、地鳴りのようなバスドラムが印象的。
ピアノやパイプオルガンまで登場してもはや音の洪水、カオティックなアンビエントを楽しむ感覚に近いモノがある。
ギターについても、純粋にゴリゴリしたギターを楽しむのではなく、音空間を引き立たせるような様々なエフェクト処理がされているところが楽しい。
ヴォーカルは多彩だが決して表には出てこず、霞がかった残響音に紛れて叫んでたり呟いたりしてます。
アンビエント&インダストリアルドゥーム的異端サウンドを求めるならコレはイチオシ。
アンビエント~ノイズファンのココロをくすぐる音世界でしかもドゥーミーということでマニア向け。敷居はかなり高いと思う。


UFOMAMMUT - Snailking ★★ (2006-08-30 02:13:00)

イタリア産サイケデリックロック。コレは凄い。
Electric Wizardのような重低音ドゥームを、スペイシーにプログレ風にしてみました♪のような、アヴァンギャルド満点のサウンド。
もうツボを悟っているかようなゴリゴリギターがブリブリとウネりまくりで、時にマッタリとシンセが入り、はたまたスペーシーなヴォーカルが入り乱れたり、もはややりたい放題!
割れそうな重低音と、遠くで響き渡るようなヴォーカル、掻き毟るかのような高音部、コーラスやディレイを駆使した残響音、ミニマルミュージックのように徐々に変化する歪みなど、録音バランスとエフェクトの妙がとても光っている。
石化しそうな感覚と神経を逆撫でする感覚が同居している、なんともイタイ心地よいサウンドだ。


ESOTERIC - Metamorphogenesis ★★ (2006-08-27 23:37:00)

1999年作。次作に勝るとも劣らないハイクオリティ。
精神を侵食するかのような異質でドゥーミーな音世界はこのバンド固有の音。
アートワークも含めセンスが他のドゥームバンドとは明らかに異なり
荒廃した世界や露骨に死を意識するような世界観とは別の位置にあるより内面性に訴えかける世界観がツボだ。
スペイシーな音の洪水に絶叫ヴォイスが乗り、カオティックに展開する音に没頭すると
あたかも宇宙の真理に到達したかのような錯覚に陥る。
涅槃ドゥーム決定版、インパクト大。異端ドゥームを求めるなら次作と共にゲットすべし。


REIDO - F:\all ★★ (2006-08-27 22:55:00)

一風変わったベラルーシ産ドゥーム。バンド名は日本語「零度」が由来だそうです。
バッキングの音は王道なんですが、アタックを殺したギター&シンセのピッチを変化させて独自のウネリを聴かせるところが、他のドゥームとは明らかに異質。
加えて、重低音ながらモコモコしてるベースの音も異質さを放っている。
なんだかとても不思議な音空間、アルバムタイトルや曲名・バンド名から、凍りついた世界を表現しているのか?と想像するも、凍りつくような感触はあまり感じない。
しかし明らかに他のドゥームバンドとは異質な固有の色がある。摩訶不思議な世界観だ。
オカルト、死の世界、魔性、涅槃といった従来のドゥーム世界とはどこか違う。
ドゥーム&異端作が好きな人はきっと聴いて損ないと思う。


FORSAKEN - Anima Mundi ★★ (2006-08-27 21:51:00)

マルタ島発エピックドゥーム、前作の延長ながら期待を裏切らないハイクオリティな音。
若干Solitude Aeturnus路線からより正統派HMにシフトした印象を受けた。
むしろHeaven and HellあたりのDioっぽさが感じられる、ミドルテンポメインのまさに王道ヘヴィメタル!
重い石を持ち上げるかのようなヘヴィネスは健在、クリーンに歌い上げるヴォーカルも力強い。握り拳を振り上げながら「うおーっ!」て感じが最高だ。
古き良き80年代正統派HMを若干ドゥーミーにヘヴィにしたこのバンドスタイルが存在すること自体奇跡だ。


FOREST OF SHADOWS - Where Dreams Turn to Dust ★★ (2006-08-27 21:33:00)

スウェーデン産フュネラルドゥーム。
曲構成やアレンジは特に際立って凄いと感じるモノはなく
ストレートに暗い旋律をメインとした安定感のある王道ドゥームを聴かせる。
しかし、ギターの音は抜きん出ており一級品、ゴリゴリに歪ませて引き摺るようなリフが強力だ。
オーソドックスで硬派な世界基準っぽいフュネラルドゥームといった感じ。


NECROS CHRISTOS - Grave Damnation ★★ (2006-08-27 16:21:00)

ドイツ産オールドスクールデス2004年作。
ブラスト皆無のズトボコ2ビートにドロドロ刻みリフのオヤジデスメタラー向け。
今やこのスタイルが稀少になってきたが、数少ないこのテのバンドの中でも
ドロドロネットリ感が濃厚で、ブラッディな感触が素晴らしい。
時に挿入されるシンセや鐘の音が血みどろの世界観にマッチしてます。
Benediction、Pentacle、Bolt ThrowerにAutopsyあたりのブラッディさをプラスした感触だ。


AUTUMNIA - In Loneliness of Two Souls ★★ (2006-08-27 15:04:00)

ウクライナ産シンフォニックゴシックドゥーム2001年作。コレは掘り出し物お宝作品かも。
My Dying Brideのような濃厚な悲愴感とForsakenやCrowberあたりのパワフルな漢メタルを融合したかのようなイイとこ取りだが、決して二番煎じではない固有の魅力が満載。
決して垂れ流しではないシンフォニックなSEや叙情的で繊細なアコギが見事に挿入されている他、ヴォイス風シンセ・ビブラフォン・波の音などの効果がかなーりツボを突く。
アタックの強い線のしっかりしたギターがやたらカッコいいんだが、特にギターソロの導入部分で鳥肌モノのカッコよさがある。
ミドル~スローの曲調だが、ドラマチックな展開アリ、ギターソロもアリで、比較的ライトに聴けるのが良い。
また、録音も良く、個々の音が非常にクリアで説得力があるところも素晴らしい。
パワフルなエピックドゥームやNovembers Doomあたりの真性でなくカッコよい音がツボの人は必聴盤、全く隙のない細部まで作り込まれた作品だ。
朽ち果てた石造り建造物と枯れ木が茂る森が似合う世界観。荒廃的で物静かでありながら非常にパワーのある強力な作品だ。


TYRANNY - Tides of Awakening ★★ (2006-08-27 02:16:00)

フィンランド産真性フュネラルドゥーム。
目も当てられんくらい絶望のどん底、ドロドロズルズルの葬式。
葬式というよりも、自分が埋葬されているかのような夢も希望もナイ真性暗黒世界。
メロディなど感じさせず、ロングトーンで延々と苦行が続くという非常に敷居の高いマニア向けドゥーム。
メランコリックな感じなど皆無、重低音が延々と響き渡り死の世界にイザナう。
悪魔のような分厚い唸り声、それが深めの残響音で多重に響き合う様が見事。
激重なリズム隊と単音のギター、奥行きを感じさせるSEなど、好きモノにはたまらん。
サタニックな感触と、濃厚な絶望感は、過去に出会った暗黒葬式サウンドの中でも屈指。
空間系のエフェクトがツボで、個々の音が絡み合った残響音を超スローで楽しむようなアンビエント的魅力が大きく、旋律的なパッセージがナイにも関わらず10分超えの楽曲の中で様々な様相を見せるから飽きがこない。
(※フュネラルドゥームファン以外は退屈以外のナニモノでもないだろうが)
暗黒の中にメランコリックさを取り入れて味付けするような小技を使わない潔さと真性さがあり、それでいて奥深い音楽性を感じさせるところがこの作品の凄いトコロだと思う。
恐るべしフィンランド。


DOOM:VS - Aeternum Vale ★★ (2006-08-26 22:01:00)

スウェーデン産ゴシックドゥーム。DraconianのJohan Ericsonの別バンド。
Draconianにハマった人は迷わずゲットするのが吉。本家よりもクオリティ高いと感じた。
本家の延長上ながら、濃厚な絶望感が支配する、より真性さを増した音楽性だ。
ただ王道ドゥームと違うのはギターの歪み方であり、ドゥーミーだがゴシック寄りな印象が強い。
ヴォーカルのデス声と呟き声の使い分け、そのヴォイスに施される多彩なエフェクト、メランコリックなアコギなどの味付けがとてもポイント高い。
My Dying Brideのように起伏のある展開はあまりなく、起伏な楽曲を求める人には向かない。
ただ、時間をかけて徐々に展開して盛り上がる様は、ダークサイドなメタラーのツボを突くと思う。
淡々と絶望に浸りたい人向けのゴシックメタルだ。


TERRORIZER ★★ (2006-08-23 02:06:00)

>GC8改さん
ここまでカルト人気を誇るバンドだから国内盤出てもおかしくないですよね。
ボクの場合は逆に国内盤出ても、作品の雰囲気を損なわないように極力出身国の輸入盤買いますね。


XASTHUR ★★ (2006-08-04 00:13:00)

まあ、きちんと叩けばもっとイイものになるかも知れないけど
淡々としてて打ち込みでもあんまり気にならないかな。


CELTIC FROST - Monotheist ★★ (2006-08-03 19:21:00)

APPOLLYON SUNで完全に魔性を失ってしまったかに思えたトムがココで復活。
インダストリアルな要素が全くなくなってしまったとは言えないにしても、Vanity/Nemesisの頃の音像をもっと破天荒にした感じの音楽性に回帰&進化。
Vanity~から変化したのはヴォーカルスタイル。
女声と共に甘く誘惑するような雰囲気が消え、より真性な魔性に近づいた印象で、インダストリアルな感触のヴォーカルスタイルは、今はなき同郷の後輩Coronerのダミ声に近くなったような感じだ。
基本は初期やVanity~のようなリフ構成をやや複雑にしたかのような感触だが、Into The Pandemoniumの頃のようなアヴァンギャルドさを取り戻したことがファンとしては嬉しい!
飛び道具のように不協和な掻き毟るようなソロが入ったり、唸り声が入ったりするが、それがホントにカッコいい。
初期から徐々に失われていったと思うカリスマ性は、ココにきて復活したように思った。
初期からのファンなので半信半疑で定例行事のように買ってみたんですが、この1枚はホントにファンとして嬉しい痛恨の作品、まさに集大成だ。


APHEX TWIN - Drukqs ★★ (2006-06-18 23:48:00)

2枚組みの大作で、この人の作品では最も好きな作品。
俗に言う顔ジャケ作にアンビエントをスパイスした感じで意外に聴き易くて適度。
ネタとしてこの人自身の過去作延長上にあるかも知れないが、この人の音自体が唯一無二のモノがあり、前衛的で狂気に満ちた作風にやや癒しを加えたようなこの作品がボクの耳には最もソフトにフィットします。
おまけにジャケもコレが一番好きですね。


APHEX TWIN - Richard D. James Album ★★ (2006-06-18 23:40:00)

うーんとりあえずコレはメタルとは無縁の音。
俗に言う「顔ジャケ」で4枚目の作品、たぶんこの人では最も有名な作品。
奇天烈なリズムで低音がカスカスのドラムンベースがメインの狂気じみた音。
前衛的なコンポジションがインパクト大で当時はびっくりしたが、音自体に奥深さを感じることができず、ボクは後の作品を好んで聴いてましたね。
一度聴いたら忘れられないインパクトがあります。


DEAD MEADOW ★★ (2006-05-24 03:43:00)

>ロージーさん
お久しぶり。
コレまた難しい質問だなあ。
語源まではわからないですが、一応サイケはトリップして幻を見てる感じなんでしょう。
PINK FLOYDのような精神世界にも、石化しそうなドゥーム・ストーナーもサイケデリックだよ。
このバンドに関して言えば、トリップ寸前ヒッピーな感触。
風呂で酒飲んでSOUNDGARDEN聴いてるみたいな感じがサイケだ。
随分昔のPENTAGRAMや最近ではWITCHCRAFTのようなヒッピーっぽいヴィンテージサウンドに通じるサイケデリックな感触がこのバンドの渋いところだね。


XASTHUR - To Violate the Oblivious ★★ (2006-05-19 00:53:00)

アメリカ産1人プリミティヴブラック。
Judas Iscariotと併せて、北欧産でなくともアメリカ産顕在!と言いたい。
このスカスカなギターが深い残響音によりカオティックに響き渡る様はタダモノではないな。
以前の作品は音の洪水といった印象でカオティックな音楽性がツボだったが、今作はやや控えめになった印象、しかしそれを補填してなお余りある陰鬱な世界が拡がったと感じた。
より荒廃的で風化しそうな感じが前面に出た印象で、石化後、粉になりそうな感じがツボだ。
音圧や疾走感で攻めるブラックよりも、こういう朽ち果てた感じの世界観の方がボクは好み。
そういう意味でボクが最も好きな時期のBurzumスタイル、Filosofemあたりの音楽性に非常に近い感触。
大作主義ではないから、Filosofemほど鬱々と没頭できる作品ではないが、この陰鬱ブラック作品はかなーりイケてます。


SADUS - Out for Blood ★★ (2006-05-17 20:47:00)

米産スラッシュ。
9年振りの新譜、ボクの場合前作未聴で14年振りか。
ボクにとってはDARK ANGELと共に王道スラッシュの神のようなバンドだ。
以前あったテクニカルに突っ走る感触がやや薄れてはいるが、貫禄の曲展開と音。
疾走する瞬間に、ああ、SADUSが帰ってきた!っていう感覚に浸れる。
ベースの存在感は相変わらず素晴らしく、随所にブリブリと硬い芯のある重低音を聴かせてくれます。
いやー、硬派でカッコいい。マジで。


CATACOMBS - In the Depths of R'Lyeh ★★ (2006-05-09 23:03:00)

カズチンさんチェック素早いなあ。上記の通りの音楽性、大作主義のドロドロズルリンとしたドゥーム。
コモり気味のロウヴォイスと音質がかなりツボのバッキングに、深めのディレイを利かせた尖ったギターが乗るという、孤独で荒廃した世界に没頭できる作風がイイ。
録音状態がとても良くて、重低音なのに硬めのクリアな音質で聴かせる点が、同系葬式ドゥームの中で一歩抜きん出ている印象。
淡々とドロドロと進行する楽曲で起伏ある曲展開を期待する人には理解できない世界とは思いますが、超スローながら印象的なリフが微妙な速度&リズム変化により徐々にドラマチックに展開、大作主義ながら決して無駄に長いだけではなくキッチリと聴かせてくれるところが好感触。
魔性と幻想が融合したかのようなジャケにマッチする神秘的かつ異質な雰囲気と王道スタイルがモロストライクゾーンでした。うーん、渋い。


KAYO DOT - Dowsing Anemone With Copper Tongue ★★ (2006-05-03 16:40:00)

Maudlin of the well時代から徐々にアヴァンギャルドな側面が前面に出てきて、今作ももはや濃厚なアヴァンノイズサウンド。
当時から培われた音楽性を継承しつつ、アトモスフェアな空間と轟音が織り成すカオティックでもあり癒し系でもある独自の雰囲気を創造してます。
もはやここまでくるとHR/HMの範疇は超えてしまって、純粋にHR/HM系統の音を好むリスナーはこちらよりもMaudlin~をオススメする。
前作からも感じられるが、カオティックノイズ、アンビエントファン向け。
混沌としたダークサイドな音楽性とスピリチュアルな癒し系サウンドが同居する異色作でボクはかなりツボ。


布袋寅泰 - All Time Super Best ★★ (2006-04-15 16:11:00)

ギタリスト&ヴォーカリストとしてのテクニック云々はあまり評価しないが、青春時代に染み付いた音だけあって愛着は深い。
じっくり歌を聴かせる曲は恥ずかしくなるほど熱くキャッチーだが、そういう青臭い若さ溢れるところがこの人の魅力なんだろうと思う。
しかし、GUITARHYTHM世代のボクとしては、アップテンポでグルーヴィな曲に魅力を感じる。
このベストにはBOOWYやCOMPLEX時代の曲も含まれ、頑なな性分を感じさせる近作までのイメージを払拭させるモノがあり、好感触です。
ノスタルジーに浸れる作品、布袋も年取ったが、GUITARHYTHM当時を思わせる若さと不良っぽさがイイね。


FALL OF EMPYREAN - A Darkness Remembered ★★ (2006-04-15 16:03:00)

アメリカ産フュネラルドゥーム。
強力なロウグロウルとプチプチ感たっぷりのギターノイズが王道。
スロー~ミドルテンポでガッチリ聴かせ、適度にメランコリックな雰囲気がいい。
光が差し込む墓場のジャケから感じられる淋しさと荒廃的な美しさがそのまんま音に体現されているところは渋い。
ギターサステインとSEの和音の響きを大切にしている作風はMOURNFUL CONGREGATIONに近い。
コレがもっとアトモスフェアな録音だったらかなり渋いのになあ!!と思った。
というワケで、次作は化けそうな気がして期待大だ。
とりあえず王道の秀作です。


CAULDRON BLACK RAM - Skulduggery ★★ (2006-04-15 01:07:00)

オーストラリア産オールドスクールデス。
だるーいどんより感を含むリフが淡々と複雑に展開していく妙はオールドテイストならではの魅力。
まるでSTAR GAZERからやや変態さが減って、B級のヘンな世界を描いている、といった感じ。
よりオールドテイストを感じる音楽性により個人的にはSTAR GAZERより好きな音だ。
海賊がケンカしてるダサめB級ジャケがツボ、インナーのアートワークに地図を使用してたりと、微妙にヴァイキングな世界観ながら漢でないところは異色。
ブラックメタル調のガナリ声が妙にこの世界にフィットしてて面白い。
決して派手なバンドではないが、そういうB級世界観や音楽性が特殊で、オールドスクールデス好きのツボを突きまくる楽曲重視サウンドに感動。


REFUSED - The Shape of Punk to Come ★★ (2006-04-15 00:44:00)

98年作、丁度メタルから離れていた時期に聴いていた結構お気に入り作品。
滾るようなパワー溢れる粘っこいギター&ヴォーカルがメインのパンク~ハードコア。
アートワークやファッションがステキで、音楽性も熱いのにオシャレな印象。
楽曲が素晴らしく起伏に富んでおり、電気的処理を施したりとアレンジも優秀です。
ハードコアの枠に収まらない音楽性を秘めており、聴き応え充分。