ZIGGYからSNAKE HIP SHAKESへの改名の件ですが、もともとZIGGYは85年頃G.D.FLICKERSに在籍していた戸城憲夫と大山(したの名前は忘れた)に森重樹一と松尾宗仁が意気投合し、結成されたのが最初だ。それから音楽性をR&Rからビートルズ系ロック、ポップへと変えていくたびにメンバーも減ったり増えたりした。だがいつの時代もZIGGYを支えていたのは、森重と戸城の2大オヤジなのである。その中で戸城はランスオブスリル(90年代前半)やスラットバンクス(90年代後半)などいったサイドプロジェクト的なバンドも抱えていたので、やがてZIGGYとのバランスが崩れ脱退(1999年年末だったと思う)。この時ZIGGYとレコード会社との間で「主要メンバーがいなくなった場合、契約を打ち切る」というのに引っかかり改名を余儀なくされたのである。ただスネイクスはZIGGYのオリジナルメンバーである松尾宗仁をギタリストに迎え入れたため、ある期間を置いたあとZIGGYへと返り咲いたのである。
ハノイロックスとダブらせてしまうことも多いがデイビットボウイの名盤「ジギー・スターダスト」からその名を考えたとZIGGYは、なんといってもグラムロックバンドNEWYORK DOLLSの影響を感じずにはいられない。スネイクスの3枚はそのままZIGGYの初期3枚のアルバムにあてはめることはできないであろうか。R&Rの型、いや自分たちのR&Rを表現した1st。森重のもつメロディセンスを存分に発揮させる2nd。集大成てきな3rd。そしてZIGGYの最新アルバム「HEAVEN AND HELL」は洗練に洗練を重ねたオヤジどもだけができるR&Rが凝縮された1枚、是非聴いてもらいたいものである。
②④⑤⑧などKISSばりのフック効いたキャッチーなリフのキレにさらに磨きがかかっている。僕は前作に比べ曲そのものは若干シンプルになったのではないかと感じた。ただサウンドプロダクションはメインストリーム的な発想であり類似作品として挙げられるTHE PEEP SHOWSの新作とはその趣を異にする。従来どおりのR&Rになんらためらいはないのだが洗練されすぎたR&Rがどこかで悲しく感じたファンも多いはずだ。95点。
日本のブルータルメタル・バンドの新作。本作は、あのSLAYERの傑作『DIABOLUS IN MUSICA』のリードトラック「BITTER PIECE」を彷彿とさせる①②で幕を開ける。明らかにアグレッシブメタルであることへの並々ならぬ自信と強いこだわりだ。③以降は2本のギターが徐々に北欧叙情メタル的なメロディも奏でるようになる。日本のメロディックなパワーメタルバンドといえばすぐにVOLCANOを連想してしまうが、あの系統のベタベタメロディックではないのでご安心を。ヴォーカルは基本的にはディストーションだが、随所でブラックメタルばりのつやのある歌唱も披露している。激烈の88点。