最初に言っておきたいのが、このアルバムは原点回帰のアルバムでもなければ過去の集大成的なアルバムでもないということである。その証拠に本作では「MADE IN SEX」「LOCK AND KEY」あたりでプンプン漂わせていたL.A.のバンドからの影響はほとんど感じられない。むしろその後リズムロールやグルーヴを強調させていったバンドの延長線上、ごく自然な未来への進化といえる。あえて変化したところといえばそれまでは楽曲にいろいろな意味で幅をもたせていたが、今回のアルバムでは全くその反対でスタイリッシュ&タイトなバンドサウンドとなっている(湿ったサウンドプロダクションがグッド!)。もちろん過去最高の仕上がりで、各パートで細かい仕事がなされている。激震の85点。
CANNIBAL CORPSEこそデスメタルバンドの理想のバンドといえるでしょう。 メンバー全員が驚異的テクニックをもっていても、ある種の“B級くささ"、もっと言ってしまえば“かっこ悪さ"がカッコイイバンド。 この筋ではMORBID ANGELが神格化されているが、このバンドももっと評価されるべきだと思う。後期のアルバムを聴けばテクニック面においては、なんら劣るところがないことは、すぐにご理解いただけるでしょう。