88年発表の5TH。 個人的にはテンションが高く、鬼気迫る情熱が迸るⅢが一番好きだけど、本作は逆に精神的に落ち着いて聴ける「いい作品」だと思う。“Helter Skelter"や“Rock Me Now"が示すように、より幅広い層を意識しての曲作りをした結果がこの音なのだと思う。ニール・マーレイが作詞面でかなり貢献しているので、彼の意見もこっち方向にかなり強かったんじゃないかな。ただ、起承転結とかメリハリを好む日本人にはちょっと退屈に聴こえたのも事実。最後まで特に盛り上がるでなくサラ~、っと聴こえてしまうのが少々残念な気がする。 お奨め曲としては“You're The One For Me"、“Fade Away"です、手に入る機会があったら聴いてみてください。
89年発表の6枚目。 彼らの場合、賛否両論が極端に分かれてしまうのだが、それはやはりこの何とも言えないイモ臭いB級ジャーマンメタルの典型のサウンドのせいではないだろうか?JUDASやMAIDENを基調にし、ドイツ土着のイモ臭さを全編にわたりまき散らすその姿勢は潔いと言えば潔い。本作で言えば、これぞ典型な“Riding The Storm"、“Bad To The Bone"、“Death Or Glory"、“Battle Of Waterloo"等がその代表として挙げられる。私個人としてはこのイモ臭さは愛着が湧いて結構愛聴した作品なのだが、あまりいい意見ばかり読んでこれを聴くと、ダメな人はダメなので要注意である。 今の時代でなら北欧のヴァイキングメタルやSTORMWARRIOR辺りが好きな人ならお奨めします。
82年発表の4TH。 前作を最後にガイがロックビジネスに嫌気が差して脱退。新たにレットが本作から加入する。その影響からか、前作までのスピード+哀愁路線から大きくシフトチェンジし、HR然としたミディアムテンポを中心にしたナンバーがズラっと並んでいる。個人的には当時は随分違和感を感じ、ほとんど聴かなかった。が、今になって聴き直すと、むしろ今のRIOTに最も近いのは本作であると気付かされる。“THROUGH THE STORM"とは随分共通点が多いのだ。 RIOTの本質は実はここにあったのかも知れない。ただ曲自体は今でもイマイチだと思うのだが・・・・
84年発表の2nd。 前作から比較すると格段にメタル化し、スケール感が増した良作。ヘヴィな“Gotta Let Go",まるでSABBATHのあの曲そっくりな“Dancin' On The Edge"、どうしてそんな和訳になる“Dressed To Kill"(怒りの喪服)、と旧A面は充実している。若干旧B面は落ちるが、ラストの“Run With The $"と最後のリタの鼻をすする音と笑い声がなんとも可愛い。LAメタルの波に乗り,彼女も大きくステップアップした作品だと思います。
06年発表の25周年記念であり、来日記念でもあるアニバーサル作品。 随所に耳を引くギターソロが出てくるあたりはさすがだと思わされるが、いかんせん曲そのものが、その短さもあり未完成のような印象をどうしても受けてしまうのが少々残念な気がする。何だか描きかけの油絵を途中で見ているような気がしてしまうのだ。現Voについては白蛇さんチックで、なかなかいいと思う。これ聴いてると、コージーがグラハムと白蛇さんに声をかけた時に、ミイラ捕りがミイラになってなくて、白蛇さんがMSGに入ってたらどうなってたんだろう?って思いますね。ま、たらればの話をしてもしょうがないか・・・ 個人的には“Rock`n'Roll"と“Tell A Story"ばかり聴いてます。
84年発表のデビュー作品。 当時雑誌で「ヘッドフォンで聴くといろんなとこから音がでて結構面白い」っと読んだ記憶があり、00年再発のCDを買ってみたけど、正直そんなところは微塵も感じなかった(笑) カナダ産のバンドなんだけど、どっちかというとアメリカンタイプのハードロックで、出だしの“Heavy Metal Shuffle"からほぼ似たようなミドルテンポの曲が最後まで続く。雰囲気的には褒めればBULLET BOYSの“Smooth Up In Ya"みたいな曲が並んでいるんだけど、何とも退屈なんだなぁ~。まあ68点ってとこでしょうか。 で、このVoって高音域に入るとどことなく人見元基に似てるのよね。そこだけが聴きどころかな!?オフィシャルサイトもあるし、今でも再結成して頑張ってるみたいです。
05年発表の作品で日本では来日記念盤として06年に発表となった作品。 今回はそのタイトルに全てが表されていると思う。彼女が乳がんを克服した人間としての強さ、愛情、優しさが全編にわたって貫かれている。楽曲としてはスローテンポのバラード調のものが多く、サラっと聴きやすいが、歌詞を含めその内実は非常に深い。 以前ハンセン病の方とお話をさせて頂いた際、自分だけが特別だとは思わない、世の中にはいろんな病気で苦しんでいる方々がいる、私達もその中の一人というだけのことだ、っと聞かされ深く感動をしたことを思い出した。生きていく以上、誰もがその人なりの困難を抱えることになる。それぞれ形は違うけれど、その壁を乗り越えていく強さが必要なのだと改めて思わされました。 お奨めは“Stronger Than Before"、“Under The Skin"、“Can I Trust Your Arms"、“Serenity"です。是非聴いて見てください、癒されますよ♪
先日、オリビアニュートンジョンのコンサートに行ってきましたが、その時に観たギタリストが気になって彼女のHPで確認したらアンディでした。 “Twist Of Fate"におけるリフとギターソロ、“If Not For You"でのスライドギター奏法を聴いて、絶対にHR/HM畑の人だと思ったけど、やっぱりそうだったんですね。 そして何よりも彼は非常にステージ映えのする佇まいで、コンサート終了後もギタリストがカッコよかった、との感想が帰る人達からチラホラ聞こえていました。やはりHR/HM系のギタリストはカッコイイよ! 道理で僕のHR/HMの血が時々騒いでた訳だ(笑)
今週、オリビアのコンサート行ってきましたけど、いろいろと感慨深かったですね。 会場はほぼ満員で、客層は40~50代が中心の非常に落ち着いた和やかな雰囲気。オープニングの“Have You Never Been Mellow"のイントロが聴こえてきただけで早くも涙腺大決壊(笑)多少動きにギコチなさは最初あったものの、“Xanadu"、“Jolene"での録音通りのスーパーハイトーンを生で聴けて、座席で一人イナバウワー状態。カントリーありロックありでコンサート終了時は会場中がスタンディングオベーション!(ハイソだね~) 確かに年はとったものの、歌姫としての実力は如何なく発揮されたいいコンサートでした。 ただ、僕自身がHM/HRファンにドップリ浸っているため、消化不良だったかなあ。いつも警備員と小競り合いで、最初から立ってヘドバン喰らわしている人間になってしまった自分が恨めしかった。だから“Twist Of Fate"の時やオリビアが革ジャン着た時にゃ~、フィストバンギングしたがる右手を止めるのに大変でしたよ(笑) 彼女は変わらないけど、僕は変わり過ぎたな(涙)
87年発表のカラフルなジャケットが印象的な2nd。 前作で正統派支持層から圧倒的な支持を受けてのセカンドで、これまた期待に違わぬ名盤に仕上がっている。彼らの場合、疾走曲とメロディアスな曲とのバランス感覚が素晴らしく、“Future World"、“Yellow Rain"と“Love Game"、“Eyes Of The Storm"あたりが共存するところが凄い!贅肉を削いだ9曲って所もちょうどいい感じで聴き終えられる。今のファンにも十分アピールするものがあるので、聴いてみて欲しい。 ちなみに妹もこの作品を気に入っていた。曰く、ハウンドドッグの大友康平が英語で歌ってるみたいでかっこいい!との理由だった(笑)その当時はこいつおかしいんじゃないのか!?って思ったけど、言われてみれば似てなくはないかな?
79年発表の4th。 この頃は僕自身まだ本格的にHRなど聴いておらず、普通の洋楽ファンだった。そんな僕の耳にもよくラジオでかかっている“All Night Long"は凄くかっこよく聴こえた記憶がある。ちょっと癖の強いロニーからまるでジェームスディーンのようなグラハムに変わったことで、一般チャートファンにもとっつき易くなったのだろう。この作品を通して聴いたのは2~3年後になったのだが、とにかく最初の2曲が強烈!“Since You Been Gone"も当初から賛否両論あったけど、僕は聴きやすくて好きだった。そしてラストはこれまた超名曲“Lost In Hollywood"! 中には今となっては全く聴かなくなった曲もあるけど、これはHRの鏡のような作品。今月のB誌では最近のHMファンの音楽を飲み込める範囲が狭くなった事を嘆いているけど、これなんかはいい処方箋になるんじゃないかな。きっと若いファンでも大丈夫ですよ!
86年発表の2nd。 前作はデビュー作品なだけにまだまだ青臭い雰囲気が漂っていたが、2作目にしてグッと整合感が出て来て、着実な成長が伺える好盤。畳み掛けるような“Victim In Your Eyes"、メロディアスな“Night After Night"、スピーディな“Driving Wire"等結構佳曲が揃っている。 ただ上記にもあるように、前作同様イマイチ音質は良くない。って言うかひとつひとつの楽器の音が聴き取りづらく、まとまってドーン!っと聴こえる感じだ。ちょっとこもり始めたテープのような聴こえ方をするのが残念かな。でもそこら辺は次作で飛躍的に向上するので、あくまでも着実な成長を遂げている過程ということなんでしょうね。結構この作品、気に入ってます♪
96年発表の2nd。 この頃ほとんど絶滅状態だったブリティッシュハードをモノの見事に体現して見せたTEN。当然、砂漠の中のオアシスのような状況だったため、日本での人気は爆発した。ゲーリーヒューズのVoは本当に英国の気品高い香りに包まれていて、久々の大物登場という感じだったし、タイトルトラック“The Name Of Rose"にはKOされた。 ただ、上記で多くの方が書き込んでらっしゃるように、全体的に曲が必要以上に長く感じて仕方ないのである。5曲が6分以上になってしまっていて、もっと贅肉を削ぎ落とせないものか?という印象をどうしても残してしまう。好みのタイプなだけにもう少しコンパクトにまとまっていれば、大名盤だったのになぁ~、って感じです。