De Mystellies~の頃と比べて邪悪度、悪魔度は減ったが、このアルバムでは病的な世界観、陰鬱な雰囲気が強い、という印象がある。どこかのインタビューでこのアルバムができるまでの経緯を見たが、メンバー間の確執、薬物依存との戦いなどを経てようやく出来上がった作品のようだ。 その薬物依存による戦いの最中に作られた、ということはまずアートワークに表れている。これはキマイラを描写したものだろうが、薬物による幻覚が生み出した怪物をそのままアートワーク化したものとも思える。アルバムの雰囲気を如実に伝える秀逸なジャケである。 サウンドは名作と名高い1stとは違う。しかし、ここのアルバムに表れているサウンドは紛うことなきMAYHEMのそれである。危険で聴き手を圧倒するサウンド、ブラックメタルの真価をまざまざとみせつけるかの質の高い楽曲は1stに勝るとも劣らない。ただ表現方法が違うというだけなのだが。 肝心の楽曲の方は、1曲目のWHOREからやってくれたな、と思った。イントロからヘルハマーの超絶ドラムが炸裂し、邪悪極まりないギターのリフがそこにのる。聴き手を一気に弱悪な世界へとひきずりこみ、MANIACの激烈なデスボイスが炸裂する。これぞMAYHEMである。いきなり魅了された。4曲目のMY DEATHの重く陰鬱な感じや5曲目のYou must fallの厭世的で荘厳かつ悪魔的なサウンドも好きだ。後半少しだけだれるが、アルバム一枚聞き終えたときの満足感は最近のブラックメタルにはなかったものだと確信できる。 あと、このアルバムのサウンドには前々作にはなかった、アジアの密教系の雰囲気も感じられる。特に5曲目の間奏部分とか。 ・・・・まあ個人的には1stの方がすきなのだが、そのアルバムとほぼ同じくらい自分の中でもヘビロテになっている。ブラックメタルファンはマストバイ!
DARK TRANQUILLITYは前作DAMAGE DONEで見事に復活し、メロデスの傑作を作った。だがこの作品はその傑作であるDAMAGE DONEをありとあらゆる面で超えた。前作よりも、よりアグレッシヴに、メロディアスに、そして、疾走感もアップし、ダークでメランコリックなメロディにはますます磨きがかかっている。この作品を作り上げたことによって、彼らは彼らにしか出来ないようなダークでメランコリックな世界観を完成させた。ダートラワールドここに極まれりである。よく、初期の路線も感じられる、といわれているらしいが、彼らは初期に戻ったのではない。初期のエッセンスを、現在のダークでメランコリックな世界と融合させることによって、「超進化」したのである。素晴らしいバンドだ・・・・ ただ、前作ほどのキラーチューンがないのは真実だ。また、ぶっちゃけボーナストラックも要らない感じ。最後の最後ですこーしだけだれる・・・・だが、そんな欠点など感じられないくらいこのアルバムは、「買い」であることは絶対に間違いない!!!!
DARK TRANQUILIITYはこのアルバムから聴いた。そしてこのアルバムを聴いて思った。このバンドの曲の魅力は哀愁で叙情的なメロディとアグレッションが融合して聞き手をぐいぐい引きずり込む・・という点にあると思う。とにかくメロディがいい!!そしてボーカルがそのメロディにのせて叙情的なフィーリングを聞き手に伝えようとしてくる。メロデスのボーカルで、ここまで感心させられたのは、チルボドを聴いて以来そんなになかった。全体的に捨て曲がなく非常にクオリティが高い。といっても、こういうのにありがちな超名曲がない、というものではない。特に、TREASON WALL,MONOCHROMATIC STAINSが超名曲だと思う。メロデス界の重鎮だからこそ出来る、芸術的であり、しかしメロデス本来のアグレッシブさもしっかりと備えたとんでもなく感動的な作品。
漢メタルが好きな人にお勧めです。漢メタルの中でもバイキング系ではなく、どっちかというと陸系(?)の方です。まあこのバンドの特徴を言うと、まず何といっても暑苦しいボーカルです。FALCONARが叙情的に哀愁的に漢臭く歌い上げるのに対し、こっちはめっちゃ漢臭く、そして野太く(ここが一番の特徴)汗まみれの男が歌い上げるかのような感じです。イメージとしては男塾を思い浮かべればいいかな。漢メタルの中ではかなり純度が高いです。ちなみにこのバンドはスウェーデン出身です。 さて、アルバムの紹介ですが、ちなみにこのアルバムはデモ盤です。もうフルは出たみたいですが、ほとんど収録曲は変わってないとか。 曲質は熱い(ていうか暑苦しい)のにキャッチーな要素も多く含まれている、メロディック「漢」パワーメタルです。それを象徴するのが2曲目のHellriderです。イントロなしでいきなりボーカルが野太く入ってきます。うわアツッ(笑)!暑苦しいなあとおもって聴いていると、サビの部分でいきなりキャッチーに歌いだすからびっくり!!そのキャッチーさをキーボードが強力にサポートし、クサさを倍増させています。ていうかキーボードがアルバム全体でクサいフレーズを連発しているので、非常に聴きやすくなっています。でも暑苦しいことにかわりはない(笑)。 このアルバムの中でダントツに暑苦しく、しかしライブで歌いたい曲NO1はHail To the kingです。アップテンポなグレイトな曲です。 あと、キラキラキーボードソロをこの「ボーカルの人が弾いている」ということを知った時は、なんだか訳がわからなくなりました。FALCONARやLOSTHORIZONが好きなら買ってみては?
チルボドがFUCK YOUぶちかますならこっちもやったれってな感じで作った(多分違う)、DEATH UNLIMITED収録のキラーチューンの一つ。 少し遅めのイントロで始まり、曲全体の中で70%くらいのスピードでちょっと疾走。しばらくした後、 「FUCK YOU AND DIE!!!!」と一発派手にぶちかまし、そこから、エンジン全開!!と、怒涛の疾走、疾走とつっぱしり、これでもかこれでもかと怒涛のメロディとリズムで聞き手を圧倒する。めっちゃ派手でカッコいいと素直に言える曲だ。DEATH UNLIMITED収録の中で俺のベストチューン。これを聴いて、「NORTHER気に入った?」と道いく人に聞けばメタル好きなら100人が100人「YEEEEEEES!」とガッツポーズする様が目に見えるようだ。つまりそれほどお勧めってことで。