本作で色濃く出している正統ヘヴィ・メタル要素にシンフォニックが絡むという点で、実は次回作への布石だったのではないかとも思えます。劇的ではないもののアルバム内では曲展開がある方だし、サラのコーラスが一番活きているし(というか、他の曲であまり使われていない)、ボーカルは中音域の駄々っ子声(失礼)が効いている。 『Thornography』収録曲の評価を辛くしがちですが、この曲は盲点でした。 ただ、アルバムレビューにも書きましたがダニの「And here we go again!」だけはどうも似合わない気がして笑ってしまうのですが。
クワイアとシンセで荘厳な幕開けですが、本編は疾走ロックンロール。サビと終盤に多いデス声シャウトにあまり迫力がないのが残念ですが、キーボードの旋律と低音ボーカルは相変わらず妖艶で良いです。 ex-Cradle Of Filthのエイドリアン・アーランドソンが参加したバージョンもボーナス・トラックに収録されてます。
イーサーンの美声、サモスのリフ、タリムの人間業とは思えないブラスト……全部が全部神懸かり……いや悪魔懸かり的整合度です。土下座もののクオリティの高さです。しかも、M1「Curse You All Men!」から伝わってくる鬼気にぶっ飛ばされます。 さすが皇帝。演奏面全てにおいては隙がありません。 しかし、編集がな……ほぼ1,2曲おきに途切れてしまうのには違和感を覚えます。 ちなみに、エンハンスドで「I Am The Black Wizards」の映像が観られます。 やっぱりイーサーンのスキンヘッド、デスからクリーンまでの美声、そして「白EmperorTシャツズボンにin」スタイルにのけぞりました。シャツをズボンに入れた姿が怖いのなんてイーサーン様ぐらいですよ……。
同じくDVD付き2枚組をお勧めしたいです。ライヴはCD音声もDVD映像もレベル・クオリティ共に高いし、PVやバックステージ映像まであります。 でもやはり特筆すべきはライヴ。「My Immortal」でのシンガロングと終盤にギター&ドラムが入ってアグレッシヴになる展開はもちろん、「Bring Me To Life」~「Tourniquet」~「Imaginary」の繋がりも素晴らしい。Kornの「Thoughtless」も完全にEvanescence色に染まっていたし、アルバム未収録曲「Missing」「Breathe No More」もオーディエンスを十分に沸かせていました。 それにしても、この頃のPVに映るエイミーは、どこか脆くて哀しい存在であったように思えます。それが2ndのPVじゃ自信と強さに溢れて女王のような風格すら身につけている。やっぱりバンドの危機やこのツアーを経てタフになったんでしょうね。
'06年に発売されたDVD。ベスト盤『And Love Said No』までのPV集とライヴ映像集です。他にもインタビュー、バイオグラフィ、写真あり。ライヴ映像にしても、灼熱の屋外で「Rebel Yell」のカヴァー演ってるもの、「Join Me」のアコースティック・ライヴバージョン等貴重な瞬間が沢山収まっています。DVD一枚にこれだけ詰めてしまっていいのかというほど内容が濃い。 ただ、PVの演出が今一つなものもあるし、ライヴも初期はいまいち、ものによっては撮影があまり良くないものもあるので、玉石混交といったところでしょうか。 尚、3rd発表期はバンド内の人間関係が悪化していたとのことで、その頃のRock Am Ringでのライヴ映像ではどこか空気が刺々しいのは、ある意味見物かもしれません。 それからこのDVD、A-Zの項目を見ないと出てこない映像(パッケージにも表記なし)なんかもありますから、そちらもよく探すこと。Black Sabbathへの愛を誓った彼らの「Hand Of Doom」は見ものです。
アルバムのタイトルトラックにして冒頭を飾る曲。マッチを擦る音の直後、前作より格段に重くなったギターという幕開けが渋い。ヴィレのボーカルもだいぶ低音域です。 中盤にテンポが落ちて、低音ボーカルが最骨頂を迎えるくだりがType O Negativeを彷彿させます(実際、結成初期にカヴァーやってたことあるみたいですし)。個人的には、ここが一番好きなパートです。