今となっては「比較的聴きやすい」「前作ほどの激しさはない」とのコメントも納得できるのですが、マンソンに(ひいてはロックに)出会った10年前はこの作品でも十分衝撃的でした。それがまさか聴く度に(あるいはPV観る度に)感動するものだとは。 おそらく聴き始めは「Rock Is Dead」や「I Don't Like The Drugs」のキャッチーさに惹かれるでしょうが、次第にバラード曲の美しさと哀愁にハマると思います。 これは空虚な哀しみと孤独感に溢れた泣きの1枚ですね。
God Of Fuck、Antichrist Superstarを経て一転、「ただの自殺の王様ごっこをしている少年」。ありとあらゆるものを破壊し尽くした後に語られるこの言葉は、一際虚無感を帯びて響きます。アコースティックとシンセがその雰囲気を引き立てています。 尚、『Holy Wood』の日本盤ボーナストラックにこの曲のライヴ盤が収録されています。ギター、ベース、ドラムはより太く、キーボードはより美しくなっていて、そちらも好きです。
荒削りや迫力不足はデビュー作のお約束。ホラー風味もまだB級のノリですし。 でも実は実質的1曲目M2の第一声が「I am a God of Fuck」……社会の至るところに喧嘩売る気満々です。デビューの初っ端からこれだもんな。 やはりこの男は当時から徹底してMarilyn Mansonであり続けているのだなと感じます。
『The Golden…』の作品に顕著なリズム感と言葉遊びが最も炸裂してるのはこの曲だと思います。 こいつはホワイトカラーでもブルーカラーでもなく、ブラックカラーの歌だ!! あと、「I don't want to be like anyone else」「I don't want to even be myself」のフレーズは、多くのHR/HMファン、あるいはアーティストの思うところじゃないでしょうか。 個人的には、自分の10代を表すフレーズです。正確には今なお引きずってます。
選曲良し、音質良し、迫力文句なし。これはライブアルバムの名盤に挙げてもいいでしょう(というかもう挙げてしまいました)。メランコリックなナンバーはさらに哀しく美しく、アグレッシヴなナンバーはさらに爆発。「Lunchbox」なんか観客と一緒に叫びたくなっちゃうし、「Irresponsible…」は拳上がっちゃうし、脳内を完全にライブ会場にできます。 ライブ盤なのにアルバムのラストはスタジオ収録の「Astonishing…」ですが、この疾走具合はライブの余韻を邪魔しないどころか、素晴らしい締めくくりになっています。まさしく最高の「Endtimes」ですよ。 ちなみに、「Lunchbox」「I Don't Like the Drugs」のジンジャーのドラムが聴き心地よくて、そこが父ともども気に入っているポイントです。
自らの身体に傷をつけまくっているマニアックのジャケ写からしてブルータルですが、中身のブルータル度も半端じゃありません。 音質はそこまで良くないのですが、音圧はある方なのでヘルハマーの魔神級ブラストはしっかり堪能出来ます。タム回しの速さもはっきり分かるので、本作を聴きながら「今何があったぁぁ!!??」と驚かされることもしばしば。 マニアックのボーカルもギエギエ声だけでなく、デス声のタイプを使い分けているのが起伏があって良い。 どうもボーカルとドラムにばかり注目しがちになってしまいますが、本作ではギターとベースの仕事ぶりの凄さに改めて気付かされました。 そして注目はアッティラのゲスト参加! マニアックのMC「Attila! Come on the stage!!」の時点でテンション上がりました。呪いの声と人間失格の絶叫、それぞれが唯一無二のボーカルの共演……これはブラックメタル史上における貴重な瞬間と言っていいかも。 ちなみに、「Chainsaw Gutsfuck」を捧げられた教皇を羨ましく思ったのは私だけでしょうか(笑)?
こいつは凄い。呪いのアッティラボイスと人外魔境のマニアックボイスをハモらせたら、暗黒・邪悪に加えてとんでもなくサディスティックな曲になってしまった。 アッティラは低い呪術声も不気味ですが、高音絶叫もイッちゃってます。 ちなみに、最後アッティラは「There's no God」って言っているように聞こえましたが、果たして合ってるのか。
このバンドを知ったのは、Cradle Of Filthのツアー(『Nymphetamine』期)でサポートを務めていたことからでした。DVDのライヴでダニが「友人でもあるMoonspellに!!」とオーディエンスの喝采を求める場面があったし、ドキュメントにも映ってました。 ただしクローズアップされたところは、彼らがクレイドルの悪戯でステージ中に小麦粉をぶっかけられてるシーンでした。それ故、Hellfestに出るからとYouTubeでMoonspellのPVを見ていた時、「あ、小麦粉の人か!」なんて失礼な気付き方をしてしまったり。 でも、いざステージ観てみたら「何だ、カッコいいじゃないか!!」とようやくこのバンドの魅力を認識しました。バックスクリーンの美しい映像も効果的に使われていたし。
ex-The Gathering、現Agua de AnniqueのAnneke van Gierbergenがゲストボーカル参加。 哀愁漂うメロディを重視してか、フェルナンドもデスボイス封印/ヴェルヴェットボイス全開です。 ところで、「デュエット歌謡曲ですか?」っていうツッコミ(ボケ?)は禁句でしょうか。