当初はあまりのポップさとパンクなサウンドに、外れを引いたかもという気がしましたが、メロディが頭から離れず、気が付いたらヘヴィローテーションしてました。エモ系のバンドに多い要素ですが、彼等がパンクのみならずメタルの影響も強く受けているからこそ出来る、HR/HMファンへのアプローチだったのかもしれません。 このアルバムといい『The Black Parade』といい、マイケミは生と死を主題に持ってくることが多いですね。しかしヘヴィな主題でありながら変に青臭くならず、どこまでも誠実に響きます。 コンセプト・アルバムの完成度としては次回作の方が上ですが、本作ではデビュー間もないバンドならではの疾走感が魅力です。
ライヴ音源の方はいきなり「Terrible Lie」の予想以上の爆音にびっくりさせられます。「March Of The Pigs」の曲間のタメも原曲以上に効いている。「Closer」のベースもよりカッコよく響く。「Starfuckers, Inc.」の疾走を経て「Hurt」で泣きのラストという終焉にも溜息が出る。 動(崩壊)と静(内省)が入り乱れたライヴの名盤ですね。 もしノイズが好かないという理由でNINのスタジオ盤を敬遠してる人がいたなら、このライヴ盤がお勧めです。 『Still』は上記の「静」のパートで作られた世界。それもNIN屈指の美しさです。 特に冒頭の「Something I Can…」とラストの「Leaving Hope」に泣かせられます。
本作については、完成度の高い1stという評価もさることながら、Oasisの本質をデビュー作の一番最初の曲でもって完璧に言い表してしまったという点も大きいです。「今夜俺はロックンロールスターなんだ」って一言で。 実際、M1「Rock'n Roll Star」は彼らのアンセムになり、以来彼らの曲の多くはロックのアンセムになり、彼らは今夜どころか普遍的なロックンロールスターになってます。
1st、2ndの壁を超えるのはもはや不可能と割り切ったせいか、吹っ切れてのびのびやってる感があります。 しかしその割に先行シングル「Lyla」には「手堅い」という印象が抜けません。 アルバムトータルで見たら、相変わらずクオリティの高さを誇れるし、ギャラガー兄弟の暴言の数々も許せる(笑)出来栄えなのですが。 あと、ラストの「Let There Be Love」もノエルボーカル曲の名曲ですよ。
予想はしていたけど、あの独特の声のおかげで、ビートルズもストーンズもクリムゾンも、どっぷりオジー色です。 ケースに付いてたシールの言葉を借りるなら「Ozzified」か。本当上手い言葉編み出したなぁ。 オジーは実際「Working Class Hero」だからレノンの歌詞もものにしてるし、クリムゾンの「21st Century Schizoid Man」なんか、終盤はもはや病んだ人間の笑い声です。 何をやっても自分のカラーを出せるという点、しかもそれをほとんど天然でやってのけるという点で、オジーのセルフ・プロデュース力はジーン・シモンズに勝るのかも。
'06年発表のDVD。『Dancing With The Dead』のツアー映像収録です。 '05年のポーランドライヴがメイン、ボーナスに同年のポーランドスタジオライヴ、フィンランドのクラブライヴ、PV集、インタビュー、フォトギャラリー、バイオグラフィー、ディスコグラフィーetc……。 ボーナスの方がボリューム多いです。 『Dancing With The Dead』ツアーのはずなんですが、このアルバムから演奏された曲は何故か少ないです。ステージはアルバムカラーのブルーで主に統一されているんですが。 今回のツアーメンバーはギタリストとベーシスト(2人とも兼バックボーカル)が女性だったのが意外でしたが、Painの楽曲に漂うゴス/インダストリアルの冷やかな印象を引き立てるのに、彼女らのトーン高めのコーラスは効いていたと思います。 ピーターはMC少ない方ですが、時折入れるオーディエンスへの煽りは効いていて、観ているこちらまで歓声を上げたくなってしまうほど。スタジオライヴでの「ここは教会じゃないんだ、アクションを起こせ!!」の叫びはカッコ良かった。 尚、PVは幾つか凝ったものがあって面白いです。特に「Just Hate Me」はクレイアニメのピーターがそっくりだし、ストーリーも単純ながらティム・バートン作品のような物悲しさがあります。
音は悪いしミックスも良くないですが、曲自体はキャッチーで良い。正直、「Never For Fun」よりこっちをシングルカットした方が良かったんじゃないかと思いました。 歌詞は……最低だなこいつ(笑)。自身ワンマンプロジェクトのデビュー作でいきなりこれかよ。まぁ、サビはKMFDMの「Kickin' Ass」とほぼ同じ歌詞ですけど……。