'05年発表の5th。 ギターとドラムだけという制約を大幅に取り払い、マリンバやピアノを導入しています。 これが大々的に賛否を醸すような実験作ととられるのではなく、自然なことであるように映るのが彼らの凄いところ。何をやっても、ジャックのブルース愛が裏打ちとなり、The White Stripesの音になってます。
'10年のデビュー(?)盤。 Nirvana/Foo Fighters、Led Zeppelin、Queens Of The Stone Ageのツワモノが揃い、それぞれの特色がものの見事に浮き出た作品となりました。デイヴのパワフルなドラム、ジョン・ポール・ジョーンズのベースがグルーヴを生み出し、ジョシュの気だるいボーカルがQOTSAのトリップ感を醸し出しているといったところで。 しかし、これが「それぞれの才能/カラーのぶつかり合い」とも、ましてや「互いに譲り合い」とも思えません。むしろ、3つのバンドの音楽性が重なり合う部分を上手いことぐっと掴み取ってみせたような。しかもその掴み取って見せた部分が、ストレートにカッコいいロックンロール。 ロックンロール(HRであれそんなにハードでない曲であれ)のノリが好きな人は、それぞれのバンドを詳しく知らなくても楽しめると思います。
確か「第三の目」は額にあって(宗教画にも額に目のようなものがある神がいますね)全てを知覚し見通す力がある……というようなものだったと思います。うろ覚えなのですが。 この曲は聴き手の額にメスを入れ、新たなる複雑怪奇なToolの世界を見せてくれる目を開かせる力があるのかもしれません。 クライマックスの「Plying Open My Third Eye」の繰り返しは何度聴いてもノックアウトされます。
初っ端から11分に渡る闇です。ここで音をあげてはとても最後までついていけない、リスナー最初の試練。 スローで幕開け……かと思ったらヘヴィで邪悪ながら小気味いいリフと、「うっ!!」でファンがよく知る姿を見せ、しかし次には再び息苦しいほどの暗黒ドゥーム空間……と、嬉しいぐらいにひねくれた曲展開です。 ちなみに「Under a frozen sun…」のデス声はギターのV.サンチュラのようです。 どうでもいいけど、「Lord, have mercy upon me」のリリックは、「Ground」(『Monotheist』収録)の「Oh God, why have you forsaken me?」と繋がっているように思えます。
2ndで急に失速するというジンクスに、はまったようなぎりぎりはまらなかったような、微妙なラインになってしまいました。決して失敗とは言えないんですが、小奇麗にまとまって大人しくなってしまったのかもしれません。 M1「Let It Roll」は勢いあるし、他に良曲もありますが、後半が弱かった。 結果的に、このアルバムを最後にバンドはまとまらず、スコットはSTPへ出戻りしてしまう訳ですが……両者とも今後どうなることか。
荒い、汚い、音悪い……ってヒドい要素揃えまくって、何でこんなにかっこいいんだよ。さすがNWOBHM裏の王者。 タイトルこそ「Black Metal」ですが、これはもうHR/HMの域を超えた、全てのロック賛歌だと思います。 「Lay down your soul to the gods rock'n roll」だって? ……喜んで魂捧げますとも!!
Murderdollsのフロントマン、ウェンズデイ13のソロ作。'05年発売。 サブタイトルは「Songs Of Death, Dying And The Dead」……って全部死んでるじゃないか(笑)!!! ポップなロックンロールで、歌詞内容はB級ホラー……と、やってることはMurderdollsや、それ以前に彼がやっていたプロジェクト、Frankenstein Drag Queens From Planet 13とあまり変わりません。 ただ、ソロになった分ウェンズデイのB級ホラーオタク趣味に磨きがかかったようです(実質彼のワンマンプロジェクトだったFrankenstein…も趣味全開ですが)。B級ホラーというものは、ある種のチープさが魅力になります。それを踏まえると、本作のサウンドのチープさと、安っぽい(それでいて愛すべき)モンスターのようなウェンズデイのボーカルはいい雰囲気出してます。こういう空気に乗せると、どんな悪口雑言もガキの幼稚な悪口です。「お前なんか死ねーー!!」レベルの。 ウェンズデイの根幹は、お菓子食べながらホラー映画観てたり、安っぽいけど面白いハロウィングッズ買い漁ってる子供と変わらないのかもしれません。 B級ホラーやハロウィンのチープな魅力が好きな方にお勧めしたいです。ハロウィンシーズン特有の毒々しいキャンディと一緒にどうでしょう(笑)。 そういえば、本作の帯にあったウェンズデイの肩書は「唯一無二のパーティー・ホラー・ロック・アーティスト」でした。 この「唯一無二」は「他に追随する者がいない!」と褒めるというより、「そんなことやってるのお前ぐらいだよ(笑)」と馴れ馴れしく肩を叩きたくなる意味合いに思えるのは自分だけでしょうか。
'08年発表の5th。被せた全てのCDジャケを台無しにするパンツ柄スリーブ付き(笑)。 「有名になりたい」でQueenの「We Will Rock You」、「オクサーヌ」でThe Policeの「Roxanne」、「おかあさん」でJohn Lennonの「Power to the People」等、端々でロックの名曲を匂わせているのがロック好きをニヤリとさせるポイントです。 でも歌詞は相変わらずバカでしょうもなくて下ネタ。この歌詞考えてる暴動さんがつくづく凄い。 オマージュというにはあまりにも情けなく、パクリというにはあまりにも完成度が高いので、ここは『TMC』で港カヲルが語るところの「おまんじゅう」が一番しっくりくるように思えます。