初っ端から11分に渡る闇です。ここで音をあげてはとても最後までついていけない、リスナー最初の試練。 スローで幕開け……かと思ったらヘヴィで邪悪ながら小気味いいリフと、「うっ!!」でファンがよく知る姿を見せ、しかし次には再び息苦しいほどの暗黒ドゥーム空間……と、嬉しいぐらいにひねくれた曲展開です。 ちなみに「Under a frozen sun…」のデス声はギターのV.サンチュラのようです。 どうでもいいけど、「Lord, have mercy upon me」のリリックは、「Ground」(『Monotheist』収録)の「Oh God, why have you forsaken me?」と繋がっているように思えます。
'06年発表のDVD。『Dancing With The Dead』のツアー映像収録です。 '05年のポーランドライヴがメイン、ボーナスに同年のポーランドスタジオライヴ、フィンランドのクラブライヴ、PV集、インタビュー、フォトギャラリー、バイオグラフィー、ディスコグラフィーetc……。 ボーナスの方がボリューム多いです。 『Dancing With The Dead』ツアーのはずなんですが、このアルバムから演奏された曲は何故か少ないです。ステージはアルバムカラーのブルーで主に統一されているんですが。 今回のツアーメンバーはギタリストとベーシスト(2人とも兼バックボーカル)が女性だったのが意外でしたが、Painの楽曲に漂うゴス/インダストリアルの冷やかな印象を引き立てるのに、彼女らのトーン高めのコーラスは効いていたと思います。 ピーターはMC少ない方ですが、時折入れるオーディエンスへの煽りは効いていて、観ているこちらまで歓声を上げたくなってしまうほど。スタジオライヴでの「ここは教会じゃないんだ、アクションを起こせ!!」の叫びはカッコ良かった。 尚、PVは幾つか凝ったものがあって面白いです。特に「Just Hate Me」はクレイアニメのピーターがそっくりだし、ストーリーも単純ながらティム・バートン作品のような物悲しさがあります。
インダストリアル・ロック界の巨匠で、Ministryの先輩格。カナダ出身。 Nine Inch Nails、Marilyn Manson、Jakalopeの仕事で知られるデイヴ・オギルヴィーはこのバンドのプロデューサー兼エンジニアでした。 '96年に一度解散して'01年頃再結成。再結成後はどうも活動に関わってないらしいのですが、不確かなので事情をご存知の方はどうぞ訂正をお願いします。 非に登録するかどうか迷ったのですが、Ministryがこっちだし一応「ヘヴィ・ロック」の範疇で語られているのでこちらに登録しました。
2ndで急に失速するというジンクスに、はまったようなぎりぎりはまらなかったような、微妙なラインになってしまいました。決して失敗とは言えないんですが、小奇麗にまとまって大人しくなってしまったのかもしれません。 M1「Let It Roll」は勢いあるし、他に良曲もありますが、後半が弱かった。 結果的に、このアルバムを最後にバンドはまとまらず、スコットはSTPへ出戻りしてしまう訳ですが……両者とも今後どうなることか。
決して曲のクオリティが落ちてる訳ではないのに、どこか物足りない印象が残ります。 デジタルサウンドやオーケストラアレンジで今までと違った方向性を、と行きたいところですが、それらが味付け程度なのであまり大胆さが感じられないからかもしれません。大胆な方向転換があったらそれはそれで賛否を巻き起こしたでしょうが、こういうエフェクトは取り入れるなら豪快に使っちまえというのが私の意見です。 M1「Living In The World Without You」とM2「Ten Black Roses」が極私的聴きどころ。
個人的な話、この曲の初聴きはフェスの場でしたが、「Hunting~」等のキラーチューンに並ぶほど記憶に残ってました。 キーボードリフといい、ミドルテンポといい、哀愁といい、曲のテーマ「冬」といい、「Before The Winter」を思わせます。でもメロディはあれほど大仰ではなく、静かに聴かせるタイプのようです。
'06年に発売されたDVD。ベスト盤『And Love Said No』までのPV集とライヴ映像集です。他にもインタビュー、バイオグラフィ、写真あり。ライヴ映像にしても、灼熱の屋外で「Rebel Yell」のカヴァー演ってるもの、「Join Me」のアコースティック・ライヴバージョン等貴重な瞬間が沢山収まっています。DVD一枚にこれだけ詰めてしまっていいのかというほど内容が濃い。 ただ、PVの演出が今一つなものもあるし、ライヴも初期はいまいち、ものによっては撮影があまり良くないものもあるので、玉石混交といったところでしょうか。 尚、3rd発表期はバンド内の人間関係が悪化していたとのことで、その頃のRock Am Ringでのライヴ映像ではどこか空気が刺々しいのは、ある意味見物かもしれません。 それからこのDVD、A-Zの項目を見ないと出てこない映像(パッケージにも表記なし)なんかもありますから、そちらもよく探すこと。Black Sabbathへの愛を誓った彼らの「Hand Of Doom」は見ものです。
このバンドを知ったのは、Cradle Of Filthのツアー(『Nymphetamine』期)でサポートを務めていたことからでした。DVDのライヴでダニが「友人でもあるMoonspellに!!」とオーディエンスの喝采を求める場面があったし、ドキュメントにも映ってました。 ただしクローズアップされたところは、彼らがクレイドルの悪戯でステージ中に小麦粉をぶっかけられてるシーンでした。それ故、Hellfestに出るからとYouTubeでMoonspellのPVを見ていた時、「あ、小麦粉の人か!」なんて失礼な気付き方をしてしまったり。 でも、いざステージ観てみたら「何だ、カッコいいじゃないか!!」とようやくこのバンドの魅力を認識しました。バックスクリーンの美しい映像も効果的に使われていたし。
1st、2ndの壁を超えるのはもはや不可能と割り切ったせいか、吹っ切れてのびのびやってる感があります。 しかしその割に先行シングル「Lyla」には「手堅い」という印象が抜けません。 アルバムトータルで見たら、相変わらずクオリティの高さを誇れるし、ギャラガー兄弟の暴言の数々も許せる(笑)出来栄えなのですが。 あと、ラストの「Let There Be Love」もノエルボーカル曲の名曲ですよ。
本作については、完成度の高い1stという評価もさることながら、Oasisの本質をデビュー作の一番最初の曲でもって完璧に言い表してしまったという点も大きいです。「今夜俺はロックンロールスターなんだ」って一言で。 実際、M1「Rock'n Roll Star」は彼らのアンセムになり、以来彼らの曲の多くはロックのアンセムになり、彼らは今夜どころか普遍的なロックンロールスターになってます。