何故か『Mezmerize』より点数低いですね。2つで1つの作品なのに。 もとより怪しさと変態性が彼らの音楽の特色ですが、催眠2部作はその両者がより怖い方向に向かってます。特に本作ではタイトル・トラックで天安門事件に言及していたり、ラストに若い兵士達の末路を悲しく歌いあげているのに、唐突に「I'm just sitting in my car…」みたいな日常的/パーソナルなパートが入ってくる。そしてバナナ連呼。何よりこのバナナが意味不明すぎて怖い。それら全部が怪しい音楽に乗せられ、混沌状態になっているのも怖い。 既出意見ですが、これはイラク戦争に踏み切ってしまったアメリカに対するシステム流の反逆ロックだと思います。正面切って反ブッシュ/反アメリカを唱えるのではなく、イラク戦争以降の世界を覆う混沌と、それに対する漠然とした恐怖感を体現してみせるという姿勢で。
確か「第三の目」は額にあって(宗教画にも額に目のようなものがある神がいますね)全てを知覚し見通す力がある……というようなものだったと思います。うろ覚えなのですが。 この曲は聴き手の額にメスを入れ、新たなる複雑怪奇なToolの世界を見せてくれる目を開かせる力があるのかもしれません。 クライマックスの「Plying Open My Third Eye」の繰り返しは何度聴いてもノックアウトされます。
今となっては「比較的聴きやすい」「前作ほどの激しさはない」とのコメントも納得できるのですが、マンソンに(ひいてはロックに)出会った10年前はこの作品でも十分衝撃的でした。それがまさか聴く度に(あるいはPV観る度に)感動するものだとは。 おそらく聴き始めは「Rock Is Dead」や「I Don't Like The Drugs」のキャッチーさに惹かれるでしょうが、次第にバラード曲の美しさと哀愁にハマると思います。 これは空虚な哀しみと孤独感に溢れた泣きの1枚ですね。
怖い。 神経症っぽい音の使い方が怖い。 「I want your soul/I will eat your soul/Come to daddy」だけの歌詞が怖い。 リチャードの顔した子供達が走り回り、テレビに歪みまくった顔が映り、しまいにはガリガリのクリーチャーが出てくるPVが怖い。 そのくせ中毒性があるのが怖い。
ラムシュタイン布教の際にはこの曲を使わせていただきました。何せサビは一度聴いたら耳から離れませんから、効果有りですよ。 '05年の来日公演でもやってましたが、第二次世界大戦でアメリカに負けた枢軸国2国の人々が「♪Amerika ist wundarbar~」と合唱している光景はなかなか黒いユーモアです。
「システムといえばサージの変態ボーカル」でしたが、この催眠2部作ではダロンのブチ切れ具合も半端じゃなかったです。とりわけ、2部作前半の2番目に当たるこの曲にはしてやられたと思いました。 でもこの曲が作られた背景を思うと、そりゃダロンがあれだけブチ切れて叫ぶよと納得してしまいます。というか、あの冒頭の半ば裏返り声の「Why do they always send the poor?」はダロンだけの叫びじゃないよ。
クレイドル聴いた当初は、まさかダニのボーカルで泣けるとは思いませんでした。それを覆したのがこの曲です。特に「Dawn discovered Her there……」のところから。あの“Come back to Me"の叫びは本当に悲痛で、思い出しただけでも泣けてきます。 尚、PVはティム・バートンの影響が濃いように思えたので、バートンファンとしては嬉しいところです。