B'zのバラエティ豊かなサウンドアプローチという魅力が存分に詰まったアルバム。 大きくロック化した7thから再び「J-POP×ハードロック」サウンドに回帰しつつ、 「IN THE LIFE」「RUN」とはまた違う、新しい「王道」を提示した作品。 全体としては様々なタイプの曲を詰め込んだ印象で、「LOVE PHANTOM」を始めシングルヒットも収録、 非常に楽しめるのだが、アルバム全体としての充実感にやや欠ける気がする。 タイトルの通り、肩の力を抜いて聴くのがいいと思う。
ちなみに歌詞を7thと対比すると面白い。 稲葉浩志の描く歌詞世界の主人公は、「The 7th Blues」での絶望、狂気の末に再生を果たし、 ルーズにでも前を向いて生きていかなければいけないことに気が付いた。 「ねがい」を実現するためにすがる相手は神でもなく君でもなく、自分であること。 綺麗好きな言葉が本音を邪魔していた彼に、不倫を否定しない心を「夢見が丘」が与えた。 「消えない虹」の下で、昨日には戻らない、過去は引きずらないことを決めた。 小さい事で悩んでいられないと自分に言い聞かせた「BIG」、 「drive to MY WORLD」を通して、みんなに倣って生きるだけの悲しい毎日から抜け出すことができた。 ★★★☆☆ 注目曲→「drive to MY WORLD」 出来上がったアルバムを改めて聴いた時、松本はこの曲だけをもう1回繰り返して聴いたという。 非常に完成度の高い、緊張感溢れるハードロック。