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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 101-200
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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 101-200
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ACCUSER - Who Dominates Who? ★★★ (2013-01-04 22:34:25)

アートワークに託された、実験に失敗して半人半機の身となり次第に人間性を失っていくキャラクター「ウルトロン6」の内部で起こる“人間”と“機械”の葛藤を描き出す・・・というコンセプトは実に立派なのだけど、肝心のイラストがパッと見、赤ん坊とロボットが戯れてるだけにしか見えずトホホ・・・な、'89年発表の2ndフル・アルバム。
野太いVoに、滅法男臭いコーラス、鉄材から削り出したようなソリッドなGリフを刻み倒す一方、ヨーロピアンな湿り気を帯びたメロディも劇的に紡ぎ出すツインGとが、切迫感を湛えたタイトなリズムに乗って猛進するパワー・サウンドが、まさしくドイツ産ならではの質実剛健さを伝えてくれて、ひたすらにカッコイイ。
大作主義を打ち出している割に、リズム・パターンのバリエーションが乏しいせいで長尺曲だと中弛みを感じてしまうのが玉に瑕ですが、逆にコンパクトに締まった①⑤⑥みたいな楽曲は、鋭利なGリフのカッコ良さやパワフルな疾走感が心行くまで堪能でき、文句なしの出来栄え。(①は7分以上ありますがイントロ込みですからね)
僅か2週間で突貫レコーディングされたという本作ですが、むしろそれを荒々しいエネルギーへと転化したジャーマン・スラッシュ・メタルの力作です。
せっかく良いバンドなのに、旧譜が入手困難な現状は何とかならんもんでしょうかね。


ACCUSER - Who Dominates Who? - Master of Disaster ★★★ (2013-01-05 23:00:49)

OPナンバーにして、いきなり7分半もある
大作ナンバーですが、噛み付くように歌う剛直なVo、
鋭利且つソリッドに刻まれるGリフ、
タイトなリズム・ワークで焦燥感を煽るDsとが
押せ押せで畳み掛けてくるので退屈する暇はありません。
トラディショナルなメロディを奏でるGソロも良い感じです。


ACCUSER - Who Dominates Who? - Symbol of Hate ★★★ (2013-01-05 23:07:41)

アルバム中では比較的ストレートに
畳み掛けて来るスラッシュ・ソング。
濁声で男臭さを撒き散らすVoと
ガチムチ感演出に大きく貢献するリフ&リズム、
メロディアスに切り込んでくるGソロの
カッコ良さにはテンションが上がりますね。


ACCUSER - Who Dominates Who? - Who Dominates Who ★★★ (2013-01-05 23:16:04)

滅法男臭ぇ野郎コーラスによりシャウトされる
“WHO!DOMINATES WHO!”のサビメロにアガリまくる
男おいどん系スラッシュの名曲。
ライブで聴いたらさぞかし盛り上がること請け合い。


ACE FREHLEY - Frehley's Comet ★★ (2020-02-04 23:51:01)

エース・フレーリー(Vo、G)がKISS脱退後に、元707のトッド・ハワーズ(Vo、G)、KISSの影武者メンバーとして有名なアントン・フィグ(Ds)、ピーター・フランプトンのバンドに在籍していたジョン・リーガン(B)らをバックに従えてソロ・プロジェクトを立ち上げ。ベテランのエディ・クレイマーをプロデューサーに招いてレコーディングを行い、'87年に発表したデビュー作がこれ。
こちとらKISSと言えば、何はさておきポール・スタンレー。続いてジーン・シモンズという認識ゆえ、エースに関しては人気メンバーと知っちゃいても興味は殆どなかったのが正直なところでして。ましてやソロ・プロジェクトなんて…。本作の入手経緯も「お店で中古盤を見かけて安かったので購入した」ぐらいの適当さだったのですが、聴いて吃驚。本家KISSに勝るとも劣らぬ良質なロックンロール・サウンドが託された秀盤じゃありませんか。
長らくライブ・アクトとして研鑽を積んでいただけあって、重厚にしてアンセミックなOPナンバー①、フィグの豪快なドラミングが冴え渡る②、拳を振り上げ合唱を誘われる⑤等、本編は実戦の場で映えそうな楽曲を多数収録。そうしたKISSのアルバムに収められていても違和感のないタテノリの楽曲も勿論良いのですが、個人的にはラス・バラードのペンによる哀愁を帯びた③とか、売れ線狙いのキャッチーなポップ・ナンバー⑦とかに特にグッと来た次第。それらを華やかに彩るエースのGプレイも実に生き生きと輝いていますよ。
ストライクゾーンど真ん中の音楽性ではなくとも、エース・フレーリーに対するぼんやりとした印象を、一気に塗り替えられるぐらいの感銘を受けた1枚でありました。


ACE FREHLEY - Frehley's Comet - Calling to You ★★★ (2020-02-06 00:31:45)

歌の上手さではやはりトッド・ハワーズに一日の長あり。
曲調も707で演っても違和感なさそうな爽快感溢れるハードポップで、
リードVoを彼に譲ったエースの慧眼に星3つ。
久々に聴き直しましたが、良い曲ですよ。


ACE FREHLEY - Frehley's Comet - Into the Night ★★★ (2020-02-06 00:22:48)

シングル・カットされ、PVも作られた哀愁のHRチューン。
どちらかと言えばラス・バラード色が強く感じられる仕上がりながら、
エースもGプレイでしっかりと己の個性を楽曲に刻んでいます。


ACID - Acid ★★ (2007-05-04 20:31:00)

ベルギアン・メタルの草分け的存在、女性Voを擁する5人組HMバンド、ACIDの'83年発表の1stアルバム。
モコモコと不明瞭なサウンド・プロダクションは要改善だが、「VENOMやMERCYFUL FATEに対するベルギーからの返答」
と評されたそのダークでアグレッシブなサウンドは、前記2バンドの名前から想像されるほどの
オドロオドロしさは感じられないものの、アルバムOPを飾るバンドのテーマソング①、
その勢いを受け継ぐパワフルな②、起承転結の組み込まれたドラマチックな⑥、ラストを締める
本編最速ナンバー⑩といった楽曲を筆頭に、ギャンギャンと騒々しく刻まれるリフにスピーディに疾走するズムと、
まさにスラッシュ・メタル誕生前夜的なエネルギーに満ち溢れていて、非常にカッコイイ。
そして何より、このバンドを特別な存在にしているのが、女性Voケイトの存在。HMバンドの女性シンガーに
ありがちなドスを効かせまくった歌声ではなく、メロディを大切にして歌い上げるその歌唱は、
荒々しい楽曲と絶妙なミスマッチ感を演出していてナイス。あと、ルックスもイケてます。(ここ重要)
NWOBHMファンだけでなく、スラッシュ・メタル・ファンにも自信を持ってお薦め出来る1枚。


ACID - Acid - Acid ★★ (2007-05-04 20:40:49)

1stアルバムのOPを飾る、バンドのテーマ・ソング。
ギャンギャンと刻まれる騒々しいリフに、
スピーディに疾走するリズムは、丁度、NWOBHMと
スラッシュ・メタルの中間に位置する感じ。
荒々しくも歌心を失わないケイトのVoが素晴しい。


ACID - Acid - Woman at Last ★★ (2007-05-04 20:45:16)

1stアルバムの(個人的に)ハイライト・チューン。
ヘヴィに幕を開け、徐々にスピードを上げながら
盛り上がっていくという、3分44秒の中に起承転結が
きっちり織り込まれた、ドラマチックな名曲。


ACID - Maniac ★★ (2007-05-10 21:11:00)

'83年1月にセルフ・タイトル・アルバムでデビューを飾ったACIDが、同年の11月に早くも発表した2ndアルバム。
RAINBOWの名曲“SPOTLIGHT KIDS"を思わせる疾走チューン①で幕を開ける本作は、荒削りだったデビュー作に比べて
サウンド・プロダクションが格段に充実。リフやメロディも一層練り込まれた事で、全体的に
かなり洗練された、聴き易いヘヴィ・メタル・アルバムに仕上がっている。
黎明期のスラッシュ・メタル的な、破天荒な勢いが薄れてしまったのは残念だが、①④⑥⑧と
本編の半数を占めるスピード・チューンは健在だし、バラ付きなく良い曲が揃っている分、
トータルの完成度では前作を上回るんじゃなかろうか。そして何より、それらの楽曲を歌うバンドの
紅一点ケイト(Vo)の、メタル・クイーン時代の浜田麻里を彷彿とさせる歌唱が素晴しいったらありゃしない。
また、MAXIM METAL RECORDから発売されたリイシュー盤には、'83年12月発表のシングル音源3曲が
ボーナス・トラックとして追加収録されているのだが、本編に比べてこちらはかなりパワー/スラッシュ・メタル色が
濃厚なので、スラッシャーにはこちら(再発盤)がお薦め。特に、MANOWARばりの大仰な曲展開が魅力の⑪は、
とてもオマケ収録とは思えぬ存在感を放つドラマチックな名曲だ。
尚、バンドはこの後、更にポップ方向に舵を切った3rd『ENGINE BEAST』(未聴)を発表して解散してしまった。


ACID REIGN - Obnoxious ★★ (2015-02-16 23:30:24)

メイン・カラーがピンクという、スラッシュ・メタル・アルバムにあるまじき配色のアートワークを見た途端「こりゃアカン」と頭を抱えてしまった、'90年発表の3rdアルバム。しかも1曲目からミドル・チューンだよ、おい・・・。
というわけで当時はあまり良い印象を持てなかったのですが、殆ど十数年ぶりぐらいに聴き直してみれば、これが普通に良く出来たスラッシュ・アルバムに感じられ、おや?と。速度を落として展開を重視し、大作化に拍車の掛かった楽曲や、これまで以上にメロディを意識しているVo等からは、90年代に突入したスラッシュ・シーンの潮流の変化を感じないわけにはいきませんが、しかしながらミッド・テンポの①さえもテンション高く聴かせ切ってしまう、バンドの曲作り/パフォーマンスの熟達振りは大したもの。自殺した青年の日記を歌詞として抜粋するメランコリック且つ劇的な③なぞは、90年代だからこそ生み出し得た名曲と言えましょうや。
あと個人的に本作を語る上で忘れ難いのが⑤。ドン・コスカレリのカルト作『ファンタズム』を題材に、デビューEPの『サイコ』に続いて彼らのホラー映画愛が炸裂した逸品で、二部構成、10分に迫る長尺をアイデア満載で畳み掛ける本編のハイライト・ナンバーですよ。
(結果論なれど)これを最後に解散したACID REIGNの有終の美を飾った1枚でした。


ACID REIGN - The Fear ★★ (2015-02-15 11:37:09)

斜陽の時を迎えていた80年代末期の英国HR/HMシーンにおいて、独特の音楽性とコメディ方面に振り切ったライブ・パフォーマンスをもって「UNITED KINGDOM APPLE CORE」なるブランドを確立、人気を博したヨークシャー出身の5人組スラッシャー、'89年発表の1stフル・アルバム。ちなみにそのUK APPLE COREが何を意味しているのかは今もって不明。誰か教えて下さい。
アルバム・タイトルでもある『FEAR』をコンセプトに据え、デビューEP『MOSHKINSTEIN』の作風を引き継ぐ一方で、手っ屁からスタートする本編は(そうしたジョーク・センスも含めて)よりクロスオーバー・スラッシュ色を増強。緩急を意識しつつも全体的にスピード感の底上げが図られたサウンドを支えるのは、後にCATHEDRALに加入することになるマーク・ラムゼイ・ワートン(Ds)のドラミングで、彼がジャストなノリで叩き出す硬質なビートが、ツタツタと突っ走った時の気持ち良さにはクセになるものが有りますよ。
これといった決め曲には乏しい印象ですが、収録曲の粒は十分揃っていますし、ACID REIGN未体験のスラッシュ・メタル・ファンに入門盤としてお薦めするなら、やはり本作が最適でしょうかね。


ACID REIGN - The Fear / Moshkinstein ★★★ (2015-02-11 09:35:36)

ハワード・H・スミス(Vo)は後にスタンダップ・コメディアンに転身、更にギャリー“ギャズ”ジェニングス(G)、アダム・レハン(G)、マーク・ラムゼイ・ワートン(Ds)らがCATHEDRAL結成に参画する等、数奇な経歴を辿ったことで知られる英国のスラッシュ・メタル・バンド、'88年発表のデビューEP。(タイトルはモッシュ+フランケンシュタインの造語か)
ハードコア上がりのバンドですが、クロスオーバー・スラッシュの匂いは微々たるもの。Gはメタリックに弾きまくってますし、展開の持ち込まれた収録楽曲の尺も長め(この手の音にしては)。何せインスト曲③まで演ってるぐらいのもので、あえてその手の要素を探すなら歪んだBサウンドぐらいのもんかなぁ?と。あ、ブリブリ鳴りまくるのB主導で突っ走る⑥は痛快な名曲ですよ。
初めて聴いた時は、青臭いVoと、デビュー作にしちゃ覇気に欠けるサウンドにあまり感心しなかったのですが、時を経てリトライしてみれば、英国産スラッシュ・メタルの滋味がじわじわ浸透。特に、映画『サイコ』にオマージュを捧げた④は、スラッシーな攻撃性と、Keyまで取り入れた怪奇な雰囲気とが一体となって突進する、このバンドの風変わりな個性が刻印された逸品ではないかと。
6曲収録と言えども、聴き終えた後の満足度はかなり高め。個人的にACID REIGNのカタログの中ではこれが一押し。


ACROPHET - Corrupt Minds ★★ (2008-02-10 21:59:00)

Dsのジェイソン・ムーニーが中心となって'86年に結成。メンバー全員が同じ高校に通うティーン・エイジャーという事も
話題となって、嘘か誠か、発売一週間で1万枚を売り上げたという、ウィスコンシン州はミルウォーキー郡、
ブルックフィールド出身の4人組スラッシュ・メタル・バンドが、'90年にROADRUNNNER RECORDSから発表した1stアルバム。
高校時代に作り上げた楽曲を元に制作されたという本作、確かなテクニックに支えられ、急かされるような切迫感に
満ち溢れた疾走感と、上擦り気味のシャウトを吐き出すVoのノリはハードコア・チックだが、②を筆頭に、躍動する縦ノリの
リズムを聴いていると、ANTHRAXの姿もチラつく。例えて言うなら、倍速化したANTHRAXから正統派メタル分を薄めた感じ?
とは言え、初期スラッシュやハードコア同様、IRON MAIDENやBLACK SABBATHといったバンドも愛聴していたとメンバーが
語る通り、正統派HMからの影響も確実に作品に影を落としていて、曲によってはGソロが結構メロディックだったりするし、
何より極めつけは、ドラマティックと表現しても差し支えないであろう、ツインGのハーモニー・プレイを聴く事が出来る
⑥。個人的には、この1曲を聴くためだけでもアルバムを買う価値がある!と断言させて頂きたい。
最近、嬉しい事にMETAL MINDからデジタル・リマスター盤が再発されましたので、この機会に是非。


ACROPHET - Corrupt Minds - Crowd Distress ★★ (2008-02-10 22:04:44)

畳み掛けるような性急な疾走感と、
上擦り気味なシャウトを吐き出すVoはハードコア風味、
縦に躍動するリズムはANTHRAX、ドラマティックなGの
ハーモニー・プレイは正統派HMからの影響が薫るという、
ACROPHETというバンドの魅力を判り易く示した1曲。


ACROPHET - Corrupt Minds - Haunting Once Again ★★ (2009-01-03 19:40:14)

抑えたイントロから疾走へと転じるラスト・ナンバー。
その走りっぷりといい、正統派へヴィ・メタリックな
ツインGの絡み具合といい、この曲はもろ
ベイエリア・スラッシュ風味に仕上がっている。


ACROPHET - Faded Glory ★★ (2009-01-03 19:29:00)

メンバー全員が若干17歳のティーン・エイジャーという事も話題になった、ウィスコンシン州はミルウォーキー出身の
4人組スラッシュ・メタル・バンドが、'91年に発表した2ndアルバムにしてラスト作。
デビュー作で披露した「ハードコア/パンクがかったスラッシュ・メタル」という作風に大きな変化は見られないが、
スピードをやや抑え目にして、リズム・パターンや曲展開に起伏を持たせた楽曲は、更にスラッシュ・メタル色を
強めており、前作に比べると「勢い」や「テンションの高さ」という点においては物足りなさが残るものの、
しっかりと練り込まれた楽曲群は、これはこれで聴き応え十分。中でも、メロディが増量された④や、
正統派へヴィ・メタリックな味わいを備えた(特にGソロ)高速スラッシュ・チューン⑨⑩のカッコ良さは、本作ならではの味わい。
あ、勿論⑤の如きハイテンションなハードコア・ナンバーもちゃんと収録されているので心配なきよう。
1st『CORRUPT MINDS』が気に入ったスラッシャーは、こちらもマスト・バイ。
尚、バンドはこの後3rdアルバムもレコーディングしたが、結局、発表することなく解散へと至っている。


ACROPHET - Faded Glory - Forever the Fall ★★ (2009-01-03 19:37:52)

疾走するGリフはちょいパンキッシュだが、
Voはメロディを追いかけているし、
ツインGの絡み具合は正統派へヴィ・メタリック。
良い曲です。


ADX (2016-01-17 10:01:25)

これ、昔気になって調べたことがあるのですが
どうやら「軟鉄」を意味するフランス語
「Acier doux」の略みたいですね。
なので発音はエーディーエックスで良いのではないかと。


ADX - Exécution ★★★ (2014-08-07 00:12:02)

80年代、フランスのHR/HMシーンにおいて確固たる地位を築き、アルバムも複数枚リリースしているADXですが、自分が所有している彼らのアルバムは'84年発表のこのデビュー作のみ。
なので後のカタログと音楽性を比較して語ることは出来ないのですが、取り敢えずここで聴かれるのは、「フランス人ミュージシャン=少女漫画の登場人物みたいな優男」とのイメージを木っ端ミジンコにする、漫画ゴラクの登場人物みたいなメンバーによる、滅法男臭ぇハイボルテージなスピード/スラッシュ・メタル・サウンド。
JUDAS PRIEST、初期IRON MAIDEN、初期DIO等からの影響を糧にハジけるように駆け巡り、スピード・メタル然とした魅力を振りまくGリフ作りの腕前には特にシビれるものがあって、「掴み」としてのインパクト十分なOPナンバー①と、ローマ帝国が誇る暴君カリギュラについて歌った(推測)ラスト・ナンバー⑧という、機動力に富む疾走ナンバーのカッコ良さは出色。力押しだけでなく、欧州メタルらしい構築美を織り込んだインスト曲④やドラマティックな⑥みたいな楽曲も良い。
アルバムを発表する度に、ここ日本では「フランス語はメタルに合わない」と低評価に泣かされ続けた彼らですが(日本語ロック論争を思い出しますね)、少なくともVoについては、多少語感が柔らかいか?と感じるぐらいで、個人的には違和感はナッシング(すっぽ抜けるハイトーンは好き嫌いが分かれるやもしれんけど)。「フランス語はリズムに乗り難い」なんて批判もありましたが、スピード/スラッシュ・メタルがリズム無視で歌詞を強引にねじ込むのなんて日常茶飯事ですからね。
機会があれば、2nd以降の作品もチェックしたいという気分にさせられる1枚です。


ADX - Exécution - Caligula ★★★ (2014-08-08 00:05:54)

初期IRON MAIDEN調のGリフと、
JUDAS PRIESTばりのツインGが
スラッシュ/スピード・メタリックなリズムに乗って大激走。
アッパーなハイトーンVoが歌うのは
「フランス語だから何歌ってるか分からない」との
イチャモンを粉砕する、「カ~リギュラ!カ~リギュラ!」と
シンプルで覚えやすいサビメロ。
まさにバンドの代表曲に相応しい名曲っぷりです。


ADX - Ultimatum ★★ (2015-12-11 22:54:59)

90年代に一度復活して、その後なりを潜めていたかと思ったらいつの間にか再復活していたADX、'14年発表の(現時点での)最新作・・・かな?
お月さんに照らされて、断頭台がぽつねんと佇んでいたデビュー作のアートワークから幾年月。今回のジャケットはギロチンだけじゃなく、悪魔やら骸骨やらが「どこの煉獄か」っつーぐらい執拗に描き込まれていてゴージャスさ(なのか何なのか)大幅UP。
これで内容がショボかったら失笑の一つもお見舞いするところですが、どっこい本作には、鋭角的なGリフから疾走感溢れるリズム、その上で劇的にハモるツインG、「語感がメタルに合わない」との難癖にも屈せず拘り続けたフランス語による歌詞まで、ADXならではの個性がしかと刻印されているのだから侮れません。
「フランスの飛ばし屋」ってな風情のスピード・メタリックな荒々しさは薄れましたが、ベテランらしく安定感と構築感推しの「完成度」で勝負を仕掛けて来るサウンドは、フランス産ワインの如き熟成された味わい。それでいてメンバーのルックスが優男感ゼロの「キープ・オン・ムサ苦しさ」なのも好感度大ですよ。
とりあえず、ドラマティックなOP序曲①を経て、キャッチー且つアグレッシブに突っ走る②は一聴をお薦めしたくなる名曲ではないかと。


ADX - Ultimatum - Comando suicide ★★★ (2015-12-19 09:54:38)

ドラマティックなインスト序曲に誘われ、
研ぎ澄まされたGリフと勇ましげにハモるツインGを伴って
スピーディに駆け抜けていくOPナンバー。
少々オッサン臭いVoが歌う、思わず一緒に歌いたくなる
キャッチーなサビも良い出来です。


ADX - Weird Visions ★★★ (2018-10-03 00:13:24)

現在も活動中のフレンチ・メタル・シーンの古豪ADXが、プロデューサーにRAGE作品等で知られるラルフ・クラウスを迎えてレコーディング、'90年に発表した4thアルバム。ドイツのNOISE RECORDSと契約を交わし、全曲英詞に挑戦する等、果敢に国外へ打って出んとした作品で、彼らがフランス語で歌っていない作品は本作のみじゃないかなと。
音楽性の方もそれに合わせて若干マイナー・チェンジ。重心を低く下げてBがバキバキ鳴りまくる骨太な音作りや、硬質に刻まれるリフ&リズム、1曲目のイントロから明らかに、これまでよりダイナミズムと複雑さをいや増した曲展開etcと、楽曲はパワー/スラッシュ・メタル色を強めたソリッドな仕上がり。独産メタルっぽい…というか、3rd~4th   の頃のMETALLICAに影響を受けたことを推測させる作風というべきか。
ADX独自の個性はやや薄まった感はあるものの、従来のノリを受け継ぐスピード・メタル・ソング⑩を始め、相変わらず疾走感重視の姿勢は不変。ツインGが奏でるクサいメロディも本編を引き締めてくれています。特にOP序曲①に続いてパワフル且つテクニカルに突っ走る②はアルバムの完成度を確信するに足るカッコ良さ。CDのみのボーナス・トラックとして収録されているRAINBOWの名曲“KILL THE KING”のカヴァー⑪も、選曲はベタながらもそのハマリっぷりはなかなかもの。一聴の価値ありですよ。
この路線変更がもう数年早ければ欧州進出の足掛かりになり得たかもしれず、逆にもう数年後だったら独産メタル・ブームに沸く日本でデビューが飾れたかもしれませんが、残念ながら時代の節目に落ち込み評価の機会を逸してしまった不運な名盤。


ADX - Weird Visions - Invasion ★★★ (2018-10-03 23:34:03)

回転の速いGリフのカッコ良さといい、ストレートな飛ばしっぷりといい
4thアルバムにおいて、おそらく最も従来の「ADXらしさ」を
担保しているスピード・ナンバー。
疾走するツイン・リードGがまたドラマティックで良し。


ADX - Weird Visions - Kill the King ★★★ (2018-10-03 23:35:38)

ベタな選曲だなぁと思いつつも、
ADXがカヴァーするならこの曲しかないよね、
と思うのもまた事実。
ちゃんと自分たちの色を加味した
忙しないスピード・メタル・バージョンに仕上がてくれていますし。


ADX - Weird Visions - King of Pain ★★★ (2018-10-03 23:30:49)

Bが不穏な唸りを上げるイントロからして
これまでとは一味違う感が漂います。
音作りからリフ&リズムに至るまで
これまでより硬質且つスラッシーな感触ですが
スピード重視の姿勢やGが奏でる陰りを湛えたメロディ等
ADXらしさもしっかりと保たれた逸品。


AFFAIR - Face to Face ★★★ (2015-08-03 23:21:02)

ドイツ出身のHRバンド――と言ってもメンバーはVo、G、Keyの3人のみ(Dsは打ち込み)、ライブも行っていないので、正確にはレコーディング・プロジェクトと呼ぶべきか――が、'97年に発表した1stアルバム。
キャッチーなメロディに彩られた、健康的且つ爽快なメロディックHRは、歌詞も含めて80年代風味満点(実際、80年代から作り溜められてきたマテリアルが元になっている)。これらのサウンドをクリエイトしたグループの中心人物は、ドイツ人ギタリストのボビー・アルトヴェイターですが、個人的に本作の購入動機の大半は、フロントマン役を担うピーター・デ・ウィントの存在にありました。
80年代はCROSSFIREやOSTOROGOTHで男臭いパワー・メタルを、90年代はMYSTERYでポップなメロディック・ロックを演って来た、このベルギー人ベテラン・シンガーのパワフルな歌声は、本作でも全く衰えることなく健在。ザックリとエッジの効いた曲調に、フッキーなメロディが彩りを添える①⑪、ノリ良くキャッチーな躍動感溢れる④⑨、そして本編のハイライトを飾る哀愁の名バラード⑥等、MYSTERYと同路線のメロディックHRソングの数々を、今回も持ち前の情熱的な歌い回しを駆使して熱唱してくれています。
ギタリストとしてもソングライターとしても優れた才能を発揮するボビー・アルトヴェイターという相棒を得たことで、ピーターの歌唱力もそのポテンシャルを十二分に引き出された、コラボ作の見本のような仕上がりの1枚。


AFFAIR - No Substitute ★★ (2015-08-04 23:13:35)

ドイツ人ギタリストのボビー・アルトヴェイターと、MYSTERY等の活動で知られるベルギー人シンガー、ピーター・デ・ウィントによるメロディック・ロック・プロジェクトが、5年間の沈黙を経て'02年に発表した2ndアルバム。
過去にコツコツと作り溜めて来たマテリアルが用いられたことで、全体が濃厚な80年代テイストによって覆われていた前作に比べると、新たに書き下ろされた楽曲が大半を占める今回は、時代に即したシリアスさが大幅増(正式メンバーを揃えて「バンドらしさ」をアピールする狙いもあったのかも)。逞しげに疾走するOPナンバー①を聴いていたら、ふと、従来のメロディの魅力はそのままにハードさを増した、MYSTERYの1stから2ndにおける作風の変化を思い出しましたよ。ピーターの粗めな声質も、こうしたサウンドの方がフィット率が高いかな?と。
多少地味になってしまった感は否めないものの、その分メロディはヨーロッパ的な叙情成分が一層蓄えられていて、特に重厚且つドラマティックな⑩なんかは、AFFAIRの新たな魅力を伝えてくれるアルバムのハイライト・ナンバー。この名曲に限らず、ヘヴィネスが悪目立ちしないようにアコースティック・ギターやKeyを有用したアレンジも冴えています。
本作以降、音信が途絶えてしまいましたが、ピーターにしろボビーにしろ、元気でやっているのでしょうか?


AFTER HOURS - After Hours ★★★ (2023-07-04 00:06:02)

マークとスティーヴのオウワーズ兄弟といえば、故スティーヴ・グリメットが率いたLIONSHEARTの衝撃のデビュー作『獅子の咆哮』(’93年)制作に多大な貢献を果たしながらも、あのアルバムが日本で評判を呼んだ頃には既にバンドを去っていた謎多き双子ミュージシャン。このAFTER HOURSは兄弟がLIONSHEART参加以前に在籍していたバンドで、本作は’89年リリースの2ndアルバム。LIONSHEART人気を当て込んだのか、発表から4年が経過した’93年になって唐突に日本盤の発売が実現しています。(但しその時には既にバンドは解散状態にあった模様)
1st『TAKE OFF』(’88年)ではBON JOVI路線のメロディアスHRを演っていましたが、ここでは80年代末期HR/HMシーンの流行に則り、ブルージーな味わいを飲み込んだ、よりギター・オリエンテッドなサウンドを披露。メジャー制作だけあってプロダクションはしっかりしていますし、ワイルドな声質のVoのガッツ溢れる熱唱と、泣きの入ったメロディを奏でるGを生かした劇的な名曲③を筆頭に、エモーショナルな盛り上がりっぷりに惹き込まれるバラード④、キャッチーに弾む⑤、WHITESNAKE風味の愁い振りまく⑥、1st路線の爽快ポップ・メタル⑦等、本編(とりわけ中盤戦)には聴き応え十分の秀逸な楽曲が並んでいます。オウワーズ兄弟は既に曲作りに関与していないものの、不思議とLIONSHEARTに通じるテイストが感じられたりも。(どっちもWHITESNAKEから影響を受けてるだけか)
LIONSHEARTが気に入った方なら、探し出してチェックする価値は十二分にあると太鼓判を押せる1枚。1stも再発してもらえないでしょうか。


AFTER HOURS - After Hours - You're Never Alone ★★★ (2023-07-06 00:08:17)

ワイルドに歌いまくる熱唱型のVoと、泣きの入ったメロディを
奏でるGとが劇的かつエモーショナルな盛り上がりを演出する
アルバムのハイライト・ナンバー。


AGENT STEEL - Skeptics Apocalypse ★★ (2006-10-09 20:46:00)

ジョン・サイリース(Vo)率いるパワー/スラッシュ・メタル・バンド、'85年発表のデビュー作。
人格的には問題の多い人物らしいが、その歌唱能力は確かだったジョン・サイリースの
パワフル(過ぎて少々鬱陶しく感じられる場面も・・・笑)なハイトーンVoと、鋭く切り込んでくる
ツイン・ギターを前面に押し出したサウンドは、スラッシーになったJUDAS PRIESTといった趣きで、なかなかにカッコイイ。
勿論、本家に比べれば楽曲にも歌唱にも深みはないし、繊細な表現力なんぞを求めるべくもないが、
それでも、この、ただひたすらに押して押して押しまくる、剛球一直線な猪突猛進振りは、聴いてて非常に痛快。
特に、そのコテコテさ加減が嬉しいバンドのテーマ・ソングとも言える①~②と、
華麗なるツイン・ギター(片割れは後にEVILDEADを結成するホアン・ガルシア)プレイが聴きモノの
アルバム後半のハイライト・チューン⑦は、劇的なメタル・ナンバー愛好家なら一聴の価値がある名曲。
尤も、この2曲のインパクトが大き過ぎるせいで、アルバム全体の印象が薄まってしまっているような気が
しないでもないが、まぁ、そんなところもB級(?)バンドらしくて良い、ということで。


AGENT STEEL - Skeptics Apocalypse - Agents of Steel ★★★ (2006-04-02 20:35:11)

短いイントロに導かれて始まるのは、クスリでハイになったロブ・ハルフォード風Voがシャウトしまくる、
JUDAS PRIEST型やけっぱち爆走スラッシュ・チューン。
しかも曲タイトルがバンド名、サビもバンド名の連呼というコテコテ具合がたまりません。
なんの小細工もなし、ひたすら前のめりに突っ走ってランニング・タイムは僅か3分ちょい。
この曲のインパクトが強過ぎて、アルバム自体の印象が薄れてしまうぐらい強力。


AGENT STEEL - Unstoppable Force ★★ (2010-10-06 23:09:42)

刻みの細かいGリフに、光沢を湛えた音色でJUDAS PRIESTばりに劇的にハモるツインG、そして天を突くようなジョン・サイリースのハイトーンVoとが、忙しないビートに乗って疾走する、AGENT STEEL屈指の名曲“UNSTOPPABLE FORCE”を収録した'86年発表の2ndアルバム。
「元祖スピード・メタル・アルバム」とも評されたデビュー作『SKEPTIC APOCALYPSE』に比べると疾走感が抑え気味にされた分、これまで以上に起伏に富んだメロディを歌い上げるジョンのVoと、一層濃密に絡み合うドラマティックなツイン・リードGの存在が前面に押し出され、正統派HMテイストが増強。スピード・メタリックな走りっぷりが薄まった事を残念に思う向きもあろうが、個人的には、ミドル・テンポの重厚な名曲⑤を収録する等、より緩急が意識されドラマ性を高めた本編の流れは、パワフル&スピーディな反面、やや単調な部分も見受けられた前作以上に魅力的に響く。(特にVoの歌メロの魅力向上は大きい)
先頃実現した初来日公演では、オーラ皆無の冴えないルックスは兎も角、高音域が相当苦しげな上にカンペをガン見したままドラムセットの前から動こうとしないシンガーのメロメロなパフォーマンスと、代表曲“AGETNT OF STEEL”を欠いたセットリストがファンの落胆を誘った彼らだが、インストの名曲“THE DAY AT GUYANA”をイントロ代わりに、本作タイトル曲でライブがスタートした瞬間だけは全身の血液が沸騰するかのような興奮を味合わせて頂きました。
知名度では1stアルバムに劣るものの、個人的にはAGENT STEELの最高傑作と信じて疑わない1枚。


AGGRESSION - The Full Treatment ★★ (2007-04-30 19:58:00)

カナダはケベック出身の4人組スラッシャーが、'87年に発表した2ndアルバム。
かつては、あのNew Renaissance Recordsのコンピレーション・アルバムに楽曲を提供したりしていたらしいが、
チープなアルバム・ジャケットにチープなサウンド・プロダクション、終始がなり立てまくるハードコアなVo、
強引極まりない演奏&曲展開等、それも大いに納得の(笑)非常にダーティでノイジーなスラッシュ・メタルを聴かせてくれる。
兎に角、全パートがグシャグシャに絡まり合って、土砂崩れでも起こしたかのように突撃してくるサウンドは
圧倒的迫力を誇り、各楽器がてんでバラバラに自己主張しまくる④なんか、最早曲の輪郭すら定かじゃなくて空中分解寸前。
にも関わらずギリギリのラインで踏み止まって崩壊を免れているのは、彼らの演奏は例え強引ではあっても、
ヘタクソではないからか。特に、このアルバムの作風を象徴するかのような土砂崩れスラッシュ・メタルが堪能出来る①、
気合一発、印象的なリフが走り出す②、疾走パートが殆どノイズの様相を呈している③という、アルバム冒頭の3連発。
そしてブラスト・ビートが炸裂する本編最速の⑥や、ハイテンションなVoの歌メロが非常にカッコイイ⑦といった、
力ずくでがむしゃらに押し込んで来る高速スラッシュ・チューンの数々の迫力は圧巻。
完成度とか、メロディアスとか、キャッチーといった言葉とは無縁の内容ながらも、高い中毒性を有した
不思議な魅力に満ちた1枚。普通のスラッシュ・メタルじゃ物足りないぜ!という重症スラッシャーの貴方に。


AGGRESSION - The Full Treatment - Rotten by Torture ★★ (2007-04-30 21:09:57)

2nd『THE FULL TREATMENT』の中にあっては、
比較的まともな(笑)スラッシュ・メタル・チューン。
ハードコア・スタイルのVoが歌う、キャッチーというのとは
ちょっと違うが、印象的なサビが非常にカッコイイ。


AGNES - Hegemony Shift ★★★ (2022-10-31 23:33:40)

「韓国のCONCERTO MOON」ことZIHARDのアルバムでも見事な歌声を披露していたMEVIN KIM(ZIHARD時代はキム・サンホン名義)が中心となり、バンドメイトであるRACHEL MOTHER GOOSEのメンバーや、EDWINE DARE、COSMOSQUAD等での活動で注目を集めたバカテク・ギタリスト、ジェフ・コールマンらをゲストに迎えて立ち上げた日韓米の多国籍プロジェクトAGNESのデビュー作(’21年発表)。
ZIHARD同様、テクニカルなGとKeyがスリリングに絡み合いながら突っ走る様式美HMサウンドを劇的に炸裂させる作品で、プログレ・メタルばりの曲展開も難なくこなすメンバーの演奏力の達者さもさることながら、個人的に最も感銘を受けたのは痒い所に手の届くメロディの充実っぷり。シンフォニックな序曲①から間髪入れずにスタートする②のイントロを数秒聴いただけで、こちとら長年抱え続けている「韓国のバンドはクサメロ作りに秀でている」との持論を益々強化されてしまいましたよ。
とりわけ、雄々しくドラマティックに疾走するアルバム表題曲③、そこはかとなくX JAPAN風のバラード⑥、火花散るスピード・ナンバー⑩、ZIHARDの名バラード“WITHOUT YOU”を思い出す物悲しい⑫といった楽曲は、起伏の激しいメロディを堂々歌い上げるキムの卓越した歌唱力と、いちいちこっちの泣きのツボを突いてくるメロディに彩られた楽曲自体の素晴らしさとが相俟って、聴いていると思わず眉毛が八の字になってしまうという。
ZIHARDの活動状況が日本まで伝わって来ない現在、是非ともこのAGNESは継続プロジェクトになって欲しいと思わずにはいられない力作です。


AGNES - Hegemony Shift - Hegemony Shift ★★★ (2022-11-02 00:51:17)

力強さと技巧を併せ持つ曲展開、スピーディに駆け抜ける
サビメロの高揚感に惹き込まれずにはいられないアルバム表題曲。
ハイトーンの連続する難易度の高いメロディを見事に歌いきる
キム・サンホンの堂々たる歌唱力に痺れますよ。


AGNOSTIC FRONT - Cause for Alarm ★★★ (2017-10-15 23:51:46)

S.O.D.やD.R.I.、SUCIDAL TENDENSEIS etc.と共に、ハードコア/パンクとスラッシュ・メタルのクロスオーバー現象を語る上で欠かすことのできないバンドであるNYHCシーンの筆頭格、ヴィニー・スティグマ(G)&ロジャー・ミレット(Vo)率いるAGNOSTIC FRONTが、'86年に発表した2ndアルバム。
収録曲はいずれも1~3分台とショート/シャープ/ショックの姿勢が鮮明で、ロジャーのVoも通常のスラッシュ・メタル・バンドのそれに比べると線が細いふにゃふにゃとした感じ。この辺りはやはりHC畑出身バンドだなと。しかし、前作『VICTIM IN PAIN』と比較してみると、音作りにしろ曲構成にしろ、格段にスラッシュ・メタル度が高まっていることは明白で、「人が殺せるのと違うか?」というメンバーのルックス…じゃなかった切っ先の鋭さで刻まれるGリフと、抜群の安定感で猛然と畳み掛けるリズムとが、徹頭徹尾アグレッションを撒き散らしながら突っ走るサウンドは、スラッシャーなら問答無用でアガってしまうカッコ良さ。本編のスピード感をさらに加速させる、荒々しく迸るようなGソロが各曲にしっかりとフィーチュアされている点も好印象ですよ。
刻みの細かいGリフにのっけからテンションが上がりまくるOPナンバー①、続く②は…と、お気に入りの曲について感想たれようかとも考えましたが、そんな野暮せんと、頭からケツまで大音量で一気に浴びるのが本作を聴く上での正しい作法ではないかと。何せ全10曲でも収録時間は30分に満たないタイトさですからね。
「クロスオーバー・スラッシュの名盤」評に偽りなし、な1枚です。


AGNOSTIC FRONT - Cause for Alarm - The Eliminator ★★★ (2017-10-15 23:56:10)

痙攣気味にぶっ飛ばすビートに乗って
乾いた音色で鋭利に刻まれるGリフは
スラッシュ・メタル以外の何者でもありません。
Voの線の細さがハードコア/パンクっぽくはありますが、
タイトな曲構成の中にもしっかりとGソロが迸っていて、
文句なしにカッコイイ名曲です。


AGNOSTIC FRONT - One Voice ★★ (2007-05-04 23:37:00)

「BURRN!!のレビューで高い評価を受けてたから」という実に単純な理由から購入した、'92年発表の4thアルバム。
Voのロジャー・ミレットが麻薬密売の罪(所持じゃなくて密売という辺りが如何にもこのバンドらしい)で逮捕され、活動停止状態に陥っていたバンドの出直し/再出発作でもあった作品。AGONISTIC FRONTと言えば、NYハードコア・シーンの首領的存在として知られているが、ここで聴けるサウンドはメロディよりもリズム重視で歌うVoこそハードコアちっくながら、重厚なリフといい、ズッシリとしたヘヴィネスを備えたリズムといい、それよりずっとスラッシュ・メタル寄りの印象が強い。
特にインスト③から繋がる、メロディアスなGソロをフィーチュアした疾走曲④なんて、歌さえまともなら
正統派へヴィ・メタルと言って通用するのでは?と思わされる仕上がり。その他にも、①⑤⑩といった楽曲を頂点に、問答無用のカッコ良さを誇る高速スラッシュ・チューンを多数収録。
筋金入りのファンからは、このメタリックな作風は不評だったようだが、個人的には本作は、「スラッシュ・メタル冬の時代にリリースされた質の高いスラッシュ・メタル・アルバム」として、当時、非常に楽しませて頂きました。


AGONY ★★ (2010-05-07 22:32:00)

'84年、スウェーデンはストックホルム近郊の街ソルナにて誕生(当初はAGONIと名乗っていたのだとか)。
2本のデモテープ『EXECUTION OF MANKIND』『MFN』と、1枚のスタジオ・アルバムのみを残して解散した
短命なバンドだったが、未だにマニア筋からの評価は高く、彼らがMUSIC FOR NATIONS傘下の
UNDER ONE FLAG RECORDSから'88年にリリースしたデビュー作の正規盤は、中古盤市場において
非常に高価な価格で取引されている。個人的にこのバンドの名前はROADRUNNER RECORDSの
コンピ盤『STARS ON THRASH』で初めて知ったが、本作の入手にはドえらく苦労させられた覚えあり。
尤も、現在は安価なリプロ盤が出回っているので、聴く事自体は然程難しくないと思われ。
また、テクニカルなスラッシュ・サウンドのカッコ良さと併せて本作を語る上で外せないのが、
荘厳なジャケット・アートワークの美しさ。不遇の英国人画家、ジョン・マーティン
(ANGEL WITICHがこの人の代表作の一つ『万魔殿の堕天使』をデビュー作のジャケットに使ってましたね)
の晩年の傑作として知られる、『大いなる神の怒りの日』が使用されており、
これはCDじゃなくてレコードで持っていたいよなぁ、と。


AGONY - The First Defiance ★★ (2010-05-07 22:35:00)

英国人画家ジョン・マーティン晩年の大作として知られる、名画『神の大いなる怒りの日』を用いた
壮麗極まりないジャケット・アートワークと、裏ジャケのメンバーの毬藻パーマが強烈な印象を残す、
スウェーデンはストックホルム出身の5人組が、UNDER ONE FLAG RECORDSに残した唯一の作品。
2本のGが猛烈な勢いで刻み倒すエッジの効いたGリフ、威勢の良いシャウト型Vo、安定感と豪快さを併せ持った
リズム隊とがスリリングに絡み合いながら突進する、インテレクチュアルなスラッシュ・サウンドを
身上とするバンドで、複雑なリフ/リズム・チェンジが組み込まれた楽曲群を覆う、
ダークで湿った雰囲気は如何にも北欧的だが、ドラマティックと言うにはメロディや曲展開に
少々愛想が欠ける辺り、英国産スラッシュ(とNWOBHM)に近いノリも感じられたり。
個人的にはややストライク・ゾーンからは外れる音楽性なのだが(Gソロにもう少し華があればなぁ)、
とにかくこのバンド、切れのあるリフ・ワークとドカドカと豪快に鳴りまくり、全編をスピーディに牽引する
Dsのカッコ良さが半端じゃない。特に、ARTILLERY辺りに通じるGリフのクールさは本作の肝。
ラストを締め括る⑧なんて、頭に「超」付けたくなる名曲っすよ。
正規盤には高額なプレミアが付いてしまっているので、今となっては入手が困難な作品ゆえ、
METAL MIND辺りが頑張ってくれて、リマスター盤再発に漕ぎ付けてくないかなー。


AGONY - The First Defiance - Deadly Legacy ★★★ (2010-05-08 01:09:09)

「スラッシュ!」のシャウトと共に
トリッキーなGリフが猛烈に走り始める
高速スラッシュ・ナンバー。
名リフが詰め込まれた『THE FIRST DEFIANCE』なれど、
印象度で言えば、この曲のGリフのカッコ良さはピカイチ。
ラス曲に相応しい劇的な曲展開も○。


AION - Human Griefman ★★ (2008-09-07 22:36:00)

SABBRABELLSの『SABBRABELLS』、DOOMの『NO MORE PAIN』、SACRIFICEの『CREST OF BLACK』なんかと並んで、
個人的に「一度は聴いてみたい廃盤の名作(ジャパメタ編)」の上位にランクインしている、AIONがインディーズ時代の
'87年にリリースした1stアルバム『DEATHRASH BOUND』。本作は、その『DEATHRASH~』を新たな編成で
リ・レコーディングした作品で、発表後、オリコンのインディーズ・チャートで№1を獲得した1枚でもある。
サウンド的には、歌えるVoを擁したパワー/スラッシュ・メタルといった趣きで、当時、ライバル的存在でもあった
Xとの共通点も感じられなくもないが、あれよりもずっとコアでストレートな雰囲気が強く、とにかく、全編をスピード・ナンバーで
ラッシュしまくり、メジャー・デビュー以降目に付くようになる、明るいロックンロール調の楽曲もここには皆無。
畳み掛けるように疾走するOPナンバー①、攻撃的な曲調の中で閃くアコギが鮮烈な印象を残すアルバム表題曲⑦、劇的なGソロが
炸裂するラスト・ナンバー⑩・・・と、ひたすら荒々しく押せ押せの作風に仕上がっていて、痛快極まりない。
個人的には、もう少し歌メロにフックが欲しいとか思ったりもするが、それもここまで完成度が高ければ枝葉末節。
中古屋にて安価(3桁)な値段での入手が可能な作品ゆえ、未聴の方に是非ともお薦めしたい逸品。
こうなるとやはり、HISAYOSHIが歌っているという『DEATHRASH BOUND』が、1度でいいから聴いてみたくなるなぁ。


AIR PAVILION - Cutting AIR(Act 1) ★★ (2018-01-08 01:07:14)

ミュージシャン業のみならず、ライター業でも知られたVo兼Gの米持孝秋氏により結成されたバンドが’89年に発表した1stアルバム。
大阪万博か、はたまた愛・地球博か…ってなバンド名のふんわりとしたイメージから、何となく売れ線のメロハーでもやってんだろうと思い込み購入はパスっていましたが、再発を機に聴いてみたらば、元FASTWAYのリー・ハートが歌い、LION(当時)のダグ・アルドリッジが鮮烈に弾きまくるOPナンバー①からして結構ハードに疾走する楽曲で、思わず居住まいを正してしまったという(数作あるAIR PAVILLIONのカタログ中、本作が最もHR/HM寄りの作風なのだとか?)。尤も、2曲目以降はポップでアメリカンなノリの楽曲もチラホラ見受けられ、全体としてはメロディアスHRというジャンルに属する作品であることは間違いないのですが。
前述の①のみならず、Keyの仕事振りが光る③、キャッチーに駆け抜ける⑤、再びリーとダグが共演する、アルバムでも1、2を争う優れた出来栄えの哀愁のメロハー⑥等、収録曲の質も演奏も安定しています(その名曲⑥をちゃっかり自作でも使い回すリー・ハートは抜け目ねぇな)が、だのにどういうわけか、各メンバーのパフォーマンスがイマイチ馴染み合っていないというか、バンドとしての一体感に欠けるように感じられてしまうのは、プロダクションのせいなのか何のか(俺の気のせい説もあり)。あとは本編に「このバンドと言えばこれ」というキメの1曲があれば尚良かったかな、とも。
ともあれ、再発してくれて感謝しかない1枚であることは間違いありません。


AIR PAVILION - Cutting AIR(Act 1) - A Lonely Heart's Bleedin' ★★★ (2018-01-08 01:12:40)

静謐なイントロをハードなGリフが切り裂いて
疾走を開始するOPナンバー。
リー・ハートがシンガーとして、
ダグ・アルドリッジがGで客演。
特にダグはハードな曲調に拮抗する
鮮烈なソロを提供してくれています、


AIR PAVILION - Cutting AIR(Act 1) - Trapped ★★★ (2018-01-08 23:43:03)

アルバムでも1、2を争う名曲ぶりを発揮する
哀愁のメロハー・ナンバー。
ここでもリー・ハートとダグ・アルドリッジの共演が実現しています。
後に自身のソロ・アルバムでこの楽曲を使い回すリーは
抜け目ないというかちゃっかりしているというか…。


AIR PAVILION - Kaizoku ★★ (2016-05-06 23:58:27)

米持孝秋(Vo、G)率いるAIR PAVILIONが、バブル絶頂期でブイブイ言わせてたジャパン・マネーの威力と、アーティストというより「業者」なイメージのリー・ハート(Vo、G)のコネクションを活用して、NWOBHM終息後、イギリスで暇持て余してた連中…もとい、チャンスを伺っていたベテラン・ミュージシャン勢を大挙招いてレコーディングを行った、OVA作品『敵は海賊~猫たちの饗宴~』のサントラ・アルバム(’89年)。
ペラッペラなGサウンド、バラつきが見られる収録楽曲のクオリティ、「お仕事」感漂う参加者の演奏ぶり…何より、こんだけ濃い面子を集めておいて、演っているのが小洒落たハードポップってのは(サントラという作品の性格上、仕方ないとは言え)そりゃあんまりでない?とか、当時は苦言ばかりが先立ちましたが、時が経過して気持ちがフラットとなった今聴くと、別にまなじりを決して指弾する程のことはなかったよなぁと。
こんだけ豪勢(NWOBHM好きにとっては)なミュージシャン達の共演はそれだけでテンションが上がるというものですし、それをまとめ上げた米持氏のプロデューサー/コンポーザー/ギタリストとしての働きっぷりも素直に称賛に値します。個人的には、ジョン・スローマンとポール・ディアノがデュエットしているイキの良いHRナンバー②、ビフ・バイフォードが歌うノリノリの⑤、ドン・エイリーやバーニー・マースデンも華を添えるキャッチーな⑥辺りがお気に入りですかね。(疾走ナンバー⑩はちゃんと専任シンガーに歌ってほしかったところでありますが)


AIR SUPPLY - Now and Forever ★★★ (2023-08-04 00:25:16)

AIR SUPPLYが’82年に発表した7thアルバム。本作からシングル・カットされた“EVEN THE NIGHTS ARE BETTER”(邦題“さよならロンリー・ラヴ”)が期待通り大ヒット、エルヴィス・プレスリー以来となる「7曲連続でシングル・チャートTOP5入り」という偉業をバンドにもたらしています。(アルバム自体もプラチナムを獲得)
但し、創作意欲を満たすべく自作曲の収録を望むバンド・サイドと、手堅いヒット狙って外部ライターの楽曲を持ち込もうとするレコード会社との関係は軋みを上げ始めており、これ以降大きなヒットに恵まれなくなったAIR SUPPLY人気は緩やかに下降線を描いていくこととなるという…。
そんなわけで、絶頂期最後の作品というやや寂しい位置付けを受ける本作ですが、内容は「素ん晴らしい!」の一言に尽きます。アートワークの世界観をそのまま音像化したような、グラハム・ラッセルとラッセル・ヒッチコックの爽快で伸びやかなVoと胸を打つ哀メロを満載にした楽曲は、1曲目からバラード系の楽曲が連続するという微妙な構成すらものともしないクオリティを提示。特に洋楽ファンならずとも、きっとどこかで耳にしたことがある筈の②は所謂「ペパーミント・サウンド」の真骨頂というべき名曲。またAORの枠内で語られがちなアルバムながら、甘美なストリングスとツインVoの掛け合いを生かした③あり、プログレ・ハード風のドラマティックなアレンジが施された⑤あり、快活なロック・チューン⑦ありと、収録曲のバラエティは実は結構多彩であることも強調しておきたいところであります。
今夏の寝苦しい熱帯夜のお供にお薦めせずにはいられない名盤ですよ。


AIR SUPPLY - Now and Forever - Even the Nights Are Better ★★★ (2023-08-07 23:31:06)

切なくもどこかノスタルジックな哀愁漂う
AIR SUPPLYの真骨頂というべきヒット・チューン。
後に郷ひろみもカヴァーしてましたよ。


AIR SUPPLY - Now and Forever - Taking the Chance ★★★ (2023-08-07 23:24:37)

甘美なストリングと哀愁のメロディに彩られたバラードながら
曲中に散りばめられたドラマティックなアレンジからは
プログレ・ハードの匂いもふんわり漂う名曲です。


AIRTIME ★★ (2008-01-16 20:41:00)

来日してくれー。
TRIUMPHが再結成しても、日本公演は飛ばされそうな悪寒がするので、
このAIRTIMEで是非とも。


AIRTIME - Liberty Manifesto ★★ (2008-01-04 20:27:00)

「祝・リック・エメット完全復活!」と思わず小躍りしたくなる、元TRIUMPHのリック・エメットが、VON GROOVEの
マイケル・ショットンとタッグを組んで制作したプロジェクト(現在は正式にバンドとなったらしい)の1stアルバム。
ファンとしては、久し振りにエメット師匠絡みの作品が国内発売されただけでも嬉しいが、そのうえ内容が
師匠がこれまで発表してきたソロ・アルバムは元より、TRIUMPHのオリジナル・アルバムと比べたって、
全く聴き劣りをしないクオリティを備えているのだから、何をか況や。
勿論これには、曲作りに大きく関わっている、才人マイケル・ショットンの貢献も大きかろうが、やはり本作の主役は、
華麗なるリフ・ワークに、パッションに満ち溢れたGソロ、そして多分に「泣き」を含んだエモーションなVoと、
黄金時代のTRIUMPHを思い起こさせるプレイを連発する、リック・エメットその人。
ドライブするハード・ロック・チューン①、エメット師匠の熱唱が劇的な盛り上がりを演出する③、ソロ時代の名曲
“EL CUENTO DEL GADJO"ばりのラテン・テイストにうっとりとなるインスト曲④から繋がっていく、
TRIUMPH時代の名曲“ALL THE WAY"を彷彿とさせる泣きのハード・ナンバー⑤、エメット節が堪能できる
哀メロ・ナンバー⑥といった楽曲が並ぶ、アルバム前半の聴き応えは半端じゃありません。
勿論、後半の充実度も見事なもので(⑨の曲作りにはジム・ピートリックも参加)、後期TRIUMPHよりもTRIUMPHっぽい作風に感動も一入な
(足りないのはプログレッシブな大作ぐらい?)、個人的には、今年のベスト3作品に入れても後悔はないぐらいお気に入りの1枚。


AIRTIME - Liberty Manifesto - Edge of Your Mind ★★★ (2008-01-04 20:45:41)

ドライブする曲調、華麗なリフ、熱を帯びた歌声とGプレイ、
強烈なフックの効き具合に、思わず涙腺と口元が緩むサビメロと、
まさに掴みに持って来い、アルバムの出来の良さを
確信させるに十分なカッコ良さを誇るハード・ロック・ナンバー。


AIRTIME - Liberty Manifesto - Find Your Way ★★ (2008-01-04 20:58:02)

リック・エメットの哀メロ職人としての腕前に、
全く鈍りがないことが確認できる叙情ナンバー。
爽やかなサビメロはマイケル・ショットン風味と言えるかも。


AIRTIME - Liberty Manifesto - Liberty ★★★ (2008-01-04 20:50:05)

胸を締め付けるような、泣きまくりのリック・エメットの歌声が
劇的な盛り上がりを演出する、タメの効きまくった感動的な名曲。
譜面通りに歌っているだけでは、
これほどのエモーションは生み出せませんぜ。


AIRTIME - Liberty Manifesto - River Runs Deep ★★★ (2008-01-04 20:54:36)

ラテン・テイスト溢れるインスト曲“HEADSTREAM"から繋がる、
泣きのハード・ナンバー。
TRIUMPH屈指の名曲“ALL THE WAY"と同タイプの楽曲だが、
この手のメロディを歌わせると、やはりエメット師匠の歌声はハマリます。
隠し味として効いている、仄かなポップ風味も美味しい。


AIRTIME - Liberty Manifesto - Transmutation ★★ (2008-01-04 21:07:53)

本編ラストを締め括る、ハードで劇的なインスト・チューン。
この黄金時代のTRIUMPHを彷彿とさせる配置に思わずニンマリ。
叙情的な“LIBERTY"と併せて、インスト曲を
2曲収録している辺りもTRIUMPHっぽいか?


ALCATRAZZ ★★ (2007-06-01 23:01:00)

7年ぶりぐらいでグラハムの勇姿を拝見しましたが、やっぱり老けたなぁ(笑)
風貌は完全に「お爺ちゃん」といった感じで、パワーはともかく音程は相変わらず怪しく、
しかも堂々とカンペ見まくり。老眼なのか目を眇めてるし・・・(苦笑)と、
普通のシンガーにやられたら大ブーイング物のパフォーマンスも、
何故かこの人がやると「それでこそグラハム!」と妙に安心してしまうから不思議です。
ズボンを開けてチ○コに水をかけた出した時には、すわ伝説の再現か?!とヒヤヒヤさせられましたが・・・。
寝転がったり欽ちゃん走りしたり三転倒立したりと、入魂の熱演(?)に
終始ニコニコ笑いが止まらず、最初から最後まで非常に楽しませて頂きました。


ALCATRAZZ - Dangerous Games ★★★ (2015-03-10 00:02:29)

前任者達に比べると、名前からして既に押しが弱い感じの三代目ギタリスト、ダニー・ジョンソンを迎え、'86年に発表された3rdアルバム。
こちらのサイトの獲得ポイントが厳然と示す通り、ALCATRAZZのカタログの中では断トツの低人気。それ以前に「3rdは聴いたことない」と、のたまうHR/HMファンも多いと聞く不遇の1枚で、斯く言う自分も本作の購入動機は、バンドのファンだからというより「“OHAYO TOKYO”が聴いてみてぇ」が主な理由だった気が・・・。
小洒落たHRナンバー②や、デデデ、デンジャラス!キャッチーな⑥、歌の上手さに聴き惚れる⑧、哀愁の⑨、本編中最もヘヴィな⑩等、前2作のような「個性的なHR/HM」というより『孤独のナイト・ゲームス』辺りに通じる「普遍的な歌物ロック」の魅力を湛えた収録楽曲は、(↑上で多くの方が仰られてる通り)決してクオリティは低くありません。
そして何より本作は⑤ですよ。グラハムが、あの特徴的な青筋声で「オ・ハ・ヨ~、ト~キョ~♪」ってな暢気な歌詞を熱唱するギャップだけで、聴く者を百発百中で笑顔にする、みんなが笑ってるお日さまも笑ってるレベルの名曲。それでいてポップなメロディや立体的なコーラスワークにはNEW ENGLANDを彷彿とさせるフックも備わっていて、単なるネタ曲と舐めたもんじゃない。
まぁ、良い出来だよ!地味だけど・・・とか、いきなりカヴァー曲①で幕が開く構成はどうかな・・・とか、語る上でやたら語尾に「・・・」がついてしまう作品ではありますが、しかし聴き込めば聴き込む程に味わいを増すスルメ盤であることも確か。聴かずに済ますのは勿体無いですよ。


ALCATRAZZ - Dangerous Games - Dangerous Games ★★★ (2015-03-10 22:01:33)

都会的な哀愁を帯びたイントロだけで
「おっ」と身を前に乗り出させるアルバム表題曲。
“デデデ、デンジャラス”なコーラスは
キャッチーで、思わず反芻したくなる魅力が備わっていますね。
GとKeyの的確な仕事ぶりも特筆に値しますよ。


ALCATRAZZ - Dangerous Games - Ohayo Tokyo ★★★ (2015-03-10 21:52:59)

グラハムが、例によって大口開けて
「オ・ハ・ヨ~、ト~キォ~♪」と
青筋浮かべながら熱唱してる姿が思い浮かび、
ほっこりした気分になれる名曲。
一度でいいから生で聴いてみたいのですが・・・
一緒にコーラス歌っちゃうよ。


ALCATRAZZ - Dangerous Games - Only One Woman ★★★ (2015-03-10 22:20:08)

言わずと知れたグラハムの代表曲。
つか、グラハム歌うまっ!
テクよりもキャラクター勝負の愛すべき個性派シンガー的
扱いを受けることの多いやっさんですが
ここで聴かせる伸びやかでエモーショナルな歌声は
紛うかたなき実力派シンガーのそれ。
聴き惚れますよ。


ALCATRAZZ - Live in Japan 1984: The Complete Edition ★★★ (2018-11-03 23:48:28)

「変な名前の凄い奴」として注目を集めていたイングヴェイ・マルムスティーンの真の実力を、誤魔化しの利かないライブという場においてHR/HMファンに知らしめ、日本における彼の人気を決定付けたALCATRAZZの初来日公演。その模様は『LIVE SENTENCE』『METALIC LIVE ’84』として既に商品化されていますが、前者は曲数が物足りなく、後者は編集やカメラワークが的外れという弱点を抱えていました。本作はそういった諸々の不満解消に着手した、まさにALCATRAZZ実況録音盤の決定版と呼ぶに相応しい内容で、思わず実家に「聴キマシタ、泣キマシタ」と電報を打とうかと思ったぐらいですよ。
まだブルーレイの方は見れていないためCDのみの感想となりますが、まずちゃんとライブ冒頭のSEから始まる構成なのが嬉しい。音質も臨場感を増し、ファンの熱狂ぶり及びイングヴェイのGプレイは一層生々しくクリアに捉えられています。まぁ一緒にグラハムのVoのメロメロさも生々しく蘇っているわけですが、ガナろうがハズそうが吹き出そうが、技術より「らしさ」を発揮できているか否かこそ重要なやっさんはこれでいい。マニアの悲願叶って遂に収録された名曲“JET TO JET”は、確か彼の歌唱に問題があってオミットされたと聞き及んでいたので一体どんだけ豪快なハズシが炸裂するのかと思ったら、別にいつもの愛すべきグラハムで寧ろ拍子抜けしたぐらいですよ。とまれ、強烈なイングヴェイの圧を真っ向受け止めて尚輝くなんざ、並大抵のシンガーに務まることじゃありません。
終盤もストレスの溜まるイントロ寸止めフェードアウトではなく、VHS版同様に“LOST IN HOLLYWOOD”以降の流れを完全収録。まさかこんな作品を聴ける日が来ようとは…と、発売してくれたレコード会社には足向けて寝られない1枚。


ALCOHOLATOR - Free Beer..... Surf's Up! ★★★ (2017-11-08 23:22:36)

アルコール万歳!が徹底されたバンド名・曲名・歌詞、そして「飲めや騒げや」感を前面に押し出した抜けの良いサウンドが、ドイツの酒豪軍団TANKARDを彷彿とさせる(でも出身地はイタリアのサルデーニャ島だという)5人組が'14年に発表した2ndアルバム。キレのある演奏、思わずメートルのアガるキャッチーなコーラス、喉越し爽快。飲み干したらすぐにまたお代わりを所望したくなる後味のスッキリさ加減といい、まさに美味いビールの如きスラッシュ・メタルが醸造された快作です。
クランチーなリフをザクザクと刻み倒す一方、2本のGが紡ぐ欧州のバンドらしい流麗なメロディや、クロスオーバー・スラッシュを思わす前のめりな楽器陣の演奏とが、ビシッと本編に緊張感の糸を通してくれているお陰で、陽性なノリに反して楽曲に緩さや能天気さは皆無。特にドッスンバッタン制御不能の暴れ馬ばりに跳ね回るドラムはこのバンドの大きな武器の一つ。その破壊力は「アルコール!」「レイザー!」コールに導かれ突進を開始するOPナンバー①から早くも全開ですが、中でもお薦めは名曲③。忙しなく動き回るキレッキレなGリフ&リズム、それにディック・デイルの“MISIRLOU”のメロディを引用したGソロを伴う怒涛の突進ぶりには、身の内で燃え盛るスラッシュ魂にガソリン注がれずにはいられませんて。
上記2曲に、ツインGハーモニーが印象的な②を加えた冒頭3曲の畳み掛けが強烈過ぎて、後半の流れにやや尻すぼみ感を覚えなくもなりませんが、それでも収録時間は全10曲で40分ぽっきりというタイトさ。ワッと盛り上げ、悪酔いしてグダグダになる前にさっさと撤収する、腕利き幹事に仕切って貰った飲み会が如き充実した内容を誇る1枚であります。


ALCOHOLATOR - Free Beer..... Surf's Up! - Sulfin' Beer ★★★ (2017-11-09 21:46:35)

雄叫び一発。小気味良く回転するGリフと豪快に突っ走るリズムに乗って
ライブじゃ会場が一体となって盛り上がるであろうキャッチーなコーラスが炸裂。
Gソロに、映画『パルプ・フィクション』のOP曲としても有名な
ディック・デイルの“MISIRLOU”を組み込む小技も効いて、
何となくSACRED REICHの“SULF NICARAGUA”リスペクト?
と思わせてくれる名曲です。


ALDO NOVA - Aldo Nova ★★★ (2019-01-18 00:10:33)

書き、歌い、弾き、奏で、アルバムのプロデュースまでこなす八面六臂の大活躍。カナダ出身のマルチ・アーティスト、アルド・ノヴァの名を一躍世界に知らしめた’82年発表のデビュー作がこちら。(邦題は『ナイト・ファンタジー』)
アルバムのOPを飾るのは、アルドの活きのいいGプレイと甘い歌声(技量的に評価が割れるのは止む無しながら、歌メロは十分魅力的)、それに柔和なKeyアレンジが映える、全米シングル・チャート最高第8位にランクインを果たしたポップな代表曲“FANTASY”。この曲の後に続くヒットに恵まれなかったため「一発屋」扱いされることも多い彼氏ですが、キャッチーなメロディ満載で贈る本作が“FANTASY”一発に頼りきった内容なのかと言えば、さに非ず。躍動感溢れる③、シリアスなHRチューン⑥、プログレ・ハード風味も入ったドラマティックなバラード⑨、シンセを纏って明るく跳ねる⑩等、何だったら“FANTASY”が平凡な楽曲に思えてしまうぐらい他の収録曲の粒も揃っていますよ。
中でも個人的にグッと来るのが、憂いに満ちた抒情ナンバー④のエンディングの余韻を、哀愁を湛えて駆け抜けるロック・ソング⑤のハードなイントロへと繋ぐメリハリの効いた構成。未だにこの流れのカッコ良さには思わず握り拳を固めたくなるという。
アメリカだけで200万枚の売り上げを記録したのも納得の、アルド・ノヴァというミュージシャンの豊かな才能の迸りが克明に捉えられた好盤(この人が残した作品にハズレはないなぁ)。そういえば新作リリースの話はどうなった?


ALDO NOVA - Aldo Nova - Ball and Chain ★★★ (2019-01-20 10:49:36)

アルド・ノヴァの甘い歌声と泣きのGが映える抒情バラード
この曲単体でも十分素晴らしいのですが、
余韻を残すアウトロから次曲のハードなイントロへ
繋がっていく展開でまた魅力的で倍率ドン、更に倍という。


ALDO NOVA - Aldo Nova - Heart to Heart ★★★ (2019-01-20 10:53:42)

バラード“BALL AND CHAIN”の余韻を
ハードなGが断ち切って疾走を開始するイントロの時点で星3つ。
ホットなGソロと涼し気なシンセ、それに哀愁を帯びたメロディを纏って
駆け抜けていくアルバムのハイライト・チューンの一つ。


ALDO NOVA - Blood on the Bricks ★★★ (2018-05-07 23:40:03)

デビュー作『ALDO NOVA』(’82年)をスマッシュ・ヒットさせるも後が続かなかったカナダ人マルチ・ミュージシャン、アルド・ノヴァが、プロデュースから作曲、アレンジメントに至るまで、友人であるジョン・ボン・ジョヴィの全面協力を得てレコーディング作業を行い、「器用貧乏」のイメージを払拭するべく'91年に発表した勝負作の4thアルバム。
そんなわけで、ここで聴けるのは初期作にそこはかとなく漂っていたプログレ・ハード~産業ロック・テイストが一掃された、明るくスカッと抜けのいいアリーナ・ロック。一度耳にしただけで口ずさめてしまうキャッチーなサビメロをフィーチュアするOPナンバー①が明快に示す通り、そのサウンドはまさに80年代のBON JOVIを彷彿とさせます。
前述の疾走ナンバー①や、ジム・ヴァランスも曲作りに参加したパワー・バラード④、シンセを纏って爽やかに弾む⑤、雄大なスケール感を感じさせる⑧、仄かに憂いを孕んで涼しげにハジける⑨等々…。ジョンとの共作による収録曲は非常に粒が揃っていますし、音作りだって上々。アルド自身に関しても、歌唱力はデビュー当時に比べ見違えるように逞しくなり、何よりこの人、相変わらずセンスの良いGソロを弾く。特にアルバムの終盤を盛り上げる6分以上に及ぶ疾走ナンバー⑩における、ホットでスリリングなGプレイには思わず引き込まれてしまいますよ。
斯様に優れた内容に仕上がった本作ですが、既に潮目を迎えていたHR/HMシーンではこの手の健康的なHR作品は殆ど話題にならず(全米チャート最高第124位て…)、アルドは再び裏方稼業へ戻ってしまうのでありました。勿体ない話だなぁと。


ALDO NOVA - Blood on the Bricks - Bright Lights ★★★ (2018-05-08 23:03:01)

アルバムを快活に締め括るロック・チューン。
ノリノリの曲調にランニング・タイム6分越えは
ちと長過ぎると思われるやもしれませんが、
後半にたっぷりと尺を取って弾きまくられる
アルド・ノヴァのGソロが楽曲のハイライトたる
輝きを放っているので何の問題もありませんよ。


ALDO NOVA - Subject ★★ (2013-01-12 22:44:22)

アルド・ノヴァについては「BON JOVIと仲が良い一発屋ミュージシャンでしょ?」ぐらいのボンヤリとした印象しか持っていなかったのですが、そうした失礼な認識を改める切っ掛けとなったのが、'83年発表のこの2ndアルバム。
Keyを効果的に用いたスペーシーなスケール感の創出、並びに短いインスト曲やSEをメドレー形式に繋いでアルバム全体をドラマティックに構成するスタイルはプログレシッブ・ロックからの影響が伺え、躍動感溢れるビートと、ポップでフックの効いたメロディを併せ持った楽曲作りの上手さ、Ds以外の全てのパートをこなすマルチっぷりに至るまで、アルド・ノヴァのミュージシャン・シップの高さには感心させられることしきり。特にGを雄弁に歌わせるギタリストとしての腕前はなかなかのものですよ。(ちなみに⑩にはチャック・バーキ(Ds)が参加)
歌に関しては少々好き嫌いが分かれるかもしれないのと、単純にポップ・メタル・サウンドを楽しみたい向きには、時にプログレ風味の構成がしゃらくさく感じられる部分もなくはないですが、個人的にはこうした若さ迸る攻めの姿勢は嫌いじゃありません。
一般的にアルド・ノヴァの代表作と言えば、ヒットを飛ばしたセルフ・タイトルの1stアルバムで決まりでしょうが、国内盤未発となってしまった本作もなかなかの出来栄えです。


ALEX MASI - The Watcher ★★★ (2020-05-14 01:41:19)

80年代からアメリカを拠点に活動していたイタリア人ギタリスト、アレックス・マシ。'89年には1stソロ『ATTACK OF THE NEON SHARK』がグラミー賞インストゥルメンタル部門にノミネートされるという輝かしい実績を残す等、ある意味アメリカン・ドリームを掴んだ男である彼氏が’97年に発表した、バンド名義(MASI)では3枚目となるアルバム。
「自虐的だなぁ」と名前のインパクトは抜群ながら、過去作ではアメリカン・メタルやフュージョンがかったHRを演っていて今一つピンと来るものがなかったのですが、本作においてはザクザク刻まれるリフ、ドコドコ疾走するリズム、青筋立ててシャウトするVo、その合間を縫ってクラシカルなGソロが華麗に走り抜けるスピード・ナンバー①④が全てを物語る通り、どこを切ってもメタル汁100%、RISING FORCE時代のイングヴェイを更にビルドアップしたようなパワー・メタル・サウンドを全編に亘って追求してくれています。
発表がもう数年早ければSHRAPNEL RECORDSから(日本盤は勿論APPOLONの黄色い帯付で)リリースされてたって違和感のないスタイルながら、メロディアスな②やバラード③等、要所要所で一歩長じた細やかなメロディ・センスの良さが感じられるのは、やはりイタリア人の血のなせる業か。またURIAH HEEPの名曲“EASY LIVIN’”や、スティーヴィー・ワンダーの“汚れた街”(イアン・ギランも演ってました)をカヴァー曲としてチョイスするセンスもヨーロッパ的と言えるのかも。
これぞ!というキメ曲は見当たりませんが、それでも「マシ」どころか、かなり良質なHMアルバムであることは受け合える1枚。


ALEX MASI - The Watcher - The Watcher ★★★ (2020-05-16 09:31:47)

ジェフ・スコット・ソート型のVo、クラシカルな旋律を奏でるKey
ドコドコと突進するリズムとに乗って、アレックス・マシのGが
縦横無尽に駆け巡る、アルバム表題曲でもあるスピード・ナンバー。
非常にイングヴェイ的なサウンドではあるのですが、個人的には
SHRAPNELメタルの世界に通じるものも強く感じたり。


ALIAS - Alias ★★★ (2015-05-31 23:50:52)

“WHEN I'M WITH YOU”のリバイバル・ヒットに後押しされたSHERIFFのフレディ・カーシ(Vo)とスティーヴ・デマーチ(G)が、元HEARTのメンバーらと共に結成したALIAS(エリアス)、'90年発表のデビュー作。
「僕達はSHERIFFの元メンバーによるグループとは見なされたくないんだ」とか語ってる割に、ちゃっかりジャケットに保安官バッチをあしらってたりするのがお茶目ですが、演ってる音楽はSHERIFと同軸線上に位置するカナディアン・メロディアスHRなので無問題。
親しみ易いポップなメロディに、洗練されたアレンジ、そして厚めに敷かれたコーラスとシンガーの爽快な歌いっぷりを武器に、バラードはどこまでも甘く、ロック・ナンバーでリスナーの身体を揺することも忘れず、それでいてどの曲もサビメロはすこぶるキャッチーに・・・と、大衆にアピールするツボを的確に捉え、フックを連続させる作曲術は流石ベテラン・ミュージシャンの集まり。哀愁や泣きの類は薄めですし、パンチの効いたキメ曲も見当たりませんが、聴いても聴いても飽きの来ない計算され尽くしたサウンド設計は、さながら「産業ロック」の申し子の如し。(褒め言葉)
一応、全米チャート第2位にランクインしたヒット・バラード⑧が本作の目玉なのでしょうが、個人的にはそれ以上に、しっとりと染み入ってくる③⑤、軽快にロックする②⑨、ポップ&キャッチーな曲調に心浮き立つ⑦⑩等の楽曲に心惹かれたかなと。アルバム1枚で解散してしまったのが残念・・・と書こうと思って調べてみたら、お蔵入りしていた2ndアルバム(現在はリリース済み)もある様子。


ALICE IN HELL - Creation of the World ★★★ (2018-09-21 00:18:20)

バンド名からして「おっ、君もANNIHILATORのファンなのかい?」と勝手に親近感を覚えてしまう(実際どうなのかは不明)、東京出身のトリオが’16年に発表した1stアルバム。
実はクリスチャン・メタル・バンドらしいとの噂を耳にしましたが、だからと言ってそれを理由に本作に対して身構える必要はまるでなし。ここに炸裂するのは、説法とは無縁にパワフルに突っ走る、(バンド曰く)「ヴィンテージ・スラッシュ・サウンド」。
本編は全8曲収録でランニング・タイムが30分台。現代ならアルバムではなくEPに分類されてしまいそうなボリュームなれど、この手のジャンルの場合、スカッと聴き終えて、またすぐにお代わりを所望したくなるこのタイトな構成は必ずしもマイナスには働きません。寧ろ長所ですよ。
当然それは優れた楽曲の存在が大前提となるわけですが、その点においても本作は抜かりなく、特にガリガリと刻み倒されるGリフ、80年代のパワー/スラッシュ・メタル・バンドに通じる豪快さで炸裂する(綿密過ぎない)リズムとが、吐き捨てVoとメロディックに閃くGソロを乗せてドカドカ疾走するOPナンバー①は、アルバムに対する期待値をいきなりマックスまで引き上げてくれる名曲。またちょっぴり“INTO THE ARENA”を思わせるインスト曲⑥を始め、マイケル・シェンカーから影響を受けたという演奏で楽曲にアクセントを加えるGの存在も、本作のクオリティ向上に大きく貢献してくれています。
失恋船長さんのレビューを読むまで存在すら知らなかったバンドなのですが(申し訳ない)早速2nd『THE FALL』を買いに走ったことは言うまでもありません。


ALICE IN HELL - Creation of the World - Alice in Hell ★★★ (2018-09-23 01:05:41)

絹を引き裂くような女性の悲鳴からスタートする、
タイトルからも明らかな通りなバンドのテーマ曲。
ガリガリと細かく刻み倒されるGリフ、直線的に突貫するリズム、
濁声を吐き出すVoに、その上を華麗に舞うメロディックなGソロと
バンドが標榜する「ヴィンテージ・スラッシュ・メタル」の魅力が
分かり易くブッ込まれた1曲。


ALICE IN HELL - The Fall ★★ (2018-10-09 23:39:29)

「ヴィンテージ・スラッシュ」を標榜する東京出身のトリオが、デビュー作『CREATION OF THE WORLD』(’14年)の好評を糧に、’18年に発表した2ndアルバム。
前作から4年と、新人バンドとしてはかなりアルバムとアルバムのリリース間隔が空いてしまった印象ですが、濁声繰り出すVoに、ガリガリゴリゴリと突き進むリフ&リズムと、その合間を縫ってテクニカルなGソロがメロディックに舞う基本スタイルはまったく微動だにせず不変。全10曲収録でランニング・タイムが30分台という、タイトに締まった構成も前作同様です。
ただ、一口に「ヴィンテージ・スラッシュ」と言っても、倒れる寸前まで前傾姿勢を取り、遮二無二突っ走るSLAYERタイプではなく、リズムがどっしりとしたパワー・メタリックな重量感を湛えているのもこのバンドの特徴。地鳴りの如く突進するリズムと、野卑なシャウト、鋭利なリフ、そして質実剛健な楽曲にパッと華やかな彩りを加える、相変わらず鮮烈に冴え渡るGソロとが並走する①③⑥⑩という、ALICE IN HELLというバンドの魅力を分かり易く捉えた楽曲を要所に配置。疾走ナンバーはより破壊的に、ミッド・チューンはより重厚に、更には前作では聴かれなかったようなシャッフル・チューンにも挑戦する等、収録曲のバラエティが確実に広がりをみせる本編は、よりパワフルに、よりダイナミックに、バンドとしての総合力の成長ぶりが伺える内容に仕上がっています。
あとは演奏に埋もれがちなVoがもうちょい存在感を主張できるようになれば、更に一段階上のインパクトを聴き手に与えられるようになるのではないでしょうか?


ALICE IN HELL - The Fall - Broken Healer ★★★ (2018-10-10 23:05:05)

ゴリゴリなリフ&リズムが野卑なVoを伴って
2分半とタイトなランニング・タイムをひたすら直線的にブッ飛ばす。
スラッシュ・メタル然とした曲調にフラッシーなGソロが華を添える
ALICE IN HELL節が炸裂した楽曲。


ALIEN - Alien ★★★ (2013-04-16 22:17:35)

RAIBOWの『銀嶺の覇者』の廉価版みたいなジャケットはオーラゼロですが、しかしこれが、北欧メタル史を語る上で欠かすことの出来ない名盤の一つなのだから侮れない。
ヒット曲“ONLY ONE WOMAN”(勿論MABLESのカヴァー)を収録し、ALIENの代表作としても知られる本作において、声質自体が憂いを帯びているジム・ジッドヘッドのVo、ソロ・アルバムをリリースする程の実力派でありながら、出しゃばり過ぎることなく、クラシカルなフレーズを適切に紡ぐトニー・ボルグのGとが牽引役となって描き出すのは、しっとりとした潤いと、ヒンヤリと清涼な空気をその身に纏わせた、正しく理想的な北欧ハードポップのシルエット。
Keyが透明感とリリシズムを補強するOPナンバー“BRAVE NEW LOVE”を挨拶代わりに、涼しげ且つ爽やかに駆け抜けていく“GO EASY”、ドラマティックなインスト・パートが印象的な“JAIME REMEMBER”から、壮麗なバラード“MIRROR”にて幕が下ろされる本編は、様式美メタルの要素も入った名曲“DREAMER”を除けば、HRと表現するのにも少々躊躇いを覚えるポップな音像ではあるのですが、とまれ、このメロディの充実度、捨て曲なしのクオリティの高さは、一度体験しておいて損はありません。
といっても現状、入手困難なのが本作唯一にして最大の問題点なのですが・・・。


ALIEN - Alien - Dreamer ★★★ (2013-04-17 21:44:30)

本編随一のハード・ナンバー。
この曲のみ北欧様式美HM的な光沢を放っていて
それを決定付けているのが、トニー・ボルグが
感性全開で弾きまくるクラシカルなGソロ。
楽曲のドラマ性向上に貢献しているKeyも
良い仕事してますよね。


ALIEN - Alien - Go Easy ★★★ (2013-04-17 21:47:25)

北欧ハードポップ・バンドとしての
ALIENの魅力を端的に伝える名曲。
ポップで爽やかなだけでなく、
北欧らしい透明感と涼しげな雰囲気も美味。


ALIEN - Alien - Only One Woman ★★★ (2020-08-28 00:37:04)

グラハムの持ち歌をALIENがカヴァーし、本国では1か月以上にわたって
チャート№1の座に居座り続ける大ヒットとなった、美しくノスタルジックな風情漂う名曲。
オリジナルは1968年発表ながら、既に青筋Voの片鱗を伺わせるグラハムの歌唱から、
当時のやっさんのルックスに至るまで、クドさの塊みたいなTHE MABLES版に比べると、
ALIENのカヴァーの方がポップに聴こえるのが可笑しい。


ALIEN - Alien(3rd) ★★★ (2022-02-10 07:24:54)

アルバム2枚を残して活動を停止したトニー・ボルグ(G)率いるスウェーデンのALIENが、元MADISONのコニー・ペイン(B)らを新メンバーに加えて復活、’93年にセルフ・タイトルを冠して発表したカムバック作がこちら。通算3作目。
今回シンガーとして起用されたのは、オリジナル・メンバーのジム・ジッドヘッドでも、2nd『SIFTIN’ GEAR』で歌っていたピート・サンドベリでもなく、ダニエル・ザンゲル・ボルフなる日本ではほぼ無名の人物(結構キャリアはある模様)。それでも流石トニーのお眼鏡に適うだけあって歌唱力は上々で、ハイトーン系ではなく中音域をメインにじっくり歌い込むタイプゆえ、それに合わせて音楽性の方も、従来の北欧ハードポップならではのキラキラ感が後退し、曲によってはブルージーなテイストも盛り込む等、より洗練されたAOR/メロハー路線へと若干の軌道修正が図られています。(逆に今回の音楽性の変化にマッチするシンガーを選んだのかもしれませんが)
しっとりとスタートするOPナンバー①から早くも明らかな通り、トニーのフックを盛り込んだ作曲センスにもGプレイにもブランクは全く影を落としておらず、特に透明感を湛えた哀メロと、ライブ映えしそうな躍動感を併せ持って駆け抜けていく④や、美しいエレピが奏でるKeyリフも印象的なメロハー⑦、STYXの名曲“BOAT ON THE RIVER”に通じる詩情漂わすバラード⑧等は、「これぞALIEN」と膝を打たずにはいられない名曲に仕上がっています。
帰還の挨拶としてはまずは上々のクオリティを有する1枚ではないでしょうか。


ALIEN - Alien(3rd) - A World Full of Dreams ★★★ (2022-02-11 01:26:06)

透明感と憂いを湛えたメロディが心地良く駆け抜けていく
アルバム中最も北欧メタル・テイストが色濃く感じられる名曲。
こういうキメの1曲があると、アルバム全体に対する印象も良くなりますね。


ALIEN - Alien(3rd) - Song of a Renegade ★★★ (2022-02-11 01:37:01)

アコーディオンとマンドリン(なのか?)の奏でる
寂しげな抒情メロディが、STYXの名曲“BOAT ON THE RIVER”に
通じる詩情を漂わす名バラード。


ALIEN - Crash ★★ (2014-01-30 22:10:52)

ALIENのカタログの中ではあまり評価の芳しくない、'95年発表の4thアルバム。
やっぱり“SPOTLIGHT KIDS”ソックリな①が不味かったのか、それとも「キーを変えただけの“LONG LIVE ROCK'N'ROLL”」といった趣きの②が不味かったのか、はたまた“EYE OF THE WORLD”のGソロをまんま頂戴してしまった④が不味かったのか・・・。と言うか、90年代という時代に即したハード・ロッキンなサウンドの構築を目指したものの、出来上がった作品からは元ネタが露骨に透けて見えてしまっていたという、ハード方面に関する彼らの引き出しの少なさが不味かった作品なのかな、と。
一方で、しんみりと心温まるバラード⑤、ポジティブな躍動感を伴って駆け抜けていく⑥、メンバー自ら「80年代のALIEN風味」と太鼓判を押す⑧等、傑作デビュー作でこちらの耳に刷り込まれた「ALIEN=北欧ハードポップ」という図式に忠実な楽曲群は、このバンドの持ち味が伸び伸びと発揮されていて実に魅力的。また冒頭で述べた虹色の楽曲にしても、決して駄曲ではないことは記しておきたいところ。
例えセールコーナーで安売りされていても、内容までは安いわけじゃないぜ!な1枚。


ALIEN - Dark Eyes ★★★ (2020-04-16 23:14:35)

中心メンバー、トニー・ボルグ(G)がリッチー・ブラックモア愛を暴投気味に投げ込んだ結果、パク…オマージュ要素満載で賛否両論分かれる仕上がりとなった’95年発表の4th『CRASH』(個人的には嫌いになれない作品でした)以降、長い沈黙期間に入っていたALIENに、オリジナル・シンガーのジム・ジッドヘッドが復帰。デビュー作以来となるジム&トニーのタッグでレコーディングが行われた5thアルバム(’05年発表)。
前年リリースのジム・ジッドヘッドのソロ作『FULL CIRCLE』がメロハーの秀盤だったので、事前にかなりハードルを上げて挑んだ本作でしたが、結論から申さばそうしたこっちの期待に見事応えてくれる内容でしたよ。
「ALIENはノスタルジーではない」とのメンバーの主張を裏付けるように、ロックンロールのエッジやラフネスといった新味も組み込まれたサウンドからは、北欧ハードポップ的キラキラ感や透明感は減退傾向。そのせいか、印象に残る曲とそうでない曲が結構はっきり線引きされてしまう感はあるものの、哀愁を帯びたメロディの魅力、それを盛り立てるジムのエモーショナルなVo、トニーの歌心を感じさせるGプレイは健在。甘く切ない泣きが涙腺を刺激する③、キャッチーな⑦、欧州民謡テイスト(THIN LIZZY風味)が印象的な⑧、爽やかな哀愁が薫るバラード⑫等、従来の「ALIENらしさ」もきっちりと保持されています。中でもKeyを効かせ、ヒンヤリとした哀メロを纏って軽快に疾走する④は名曲!
1st『ALIEN』(’88年)や、三度目の復活作にして大傑作となった『ETERNITY』(’14年)を気に入った方なら、チェックしておいて損のない1枚ではないかと。


ALIEN - Dark Eyes - Fallen Eagle ★★★ (2020-04-19 01:17:08)

冷ややかなKeyを纏って哀メロが疾走する
アルバム『DARK EYES』のハイライト・ナンバー。
ALIENはアルバム毎にこのレベルのキメ曲を
必ず用意してくれるので侮れません。


ALIEN - Dark Eyes - Oh Sarah ★★★ (2020-04-19 01:22:05)

ジム・ジッドヘッドの歌の上手さが堪能できる抒情ナンバー。
涙腺に沁み込むメロディの物悲しさといい、
泣きのGで的確に歌を盛り立てるトニー・ボルグのGといい、
一粒で三度美味しい逸品。


ALIEN - Eternity ★★★ (2014-07-25 00:27:22)

ジム・ジッドヘッド(Vo)を始めとするオリジナル・メンバーが、デビュー作以来、26年ぶりに顔を揃えて制作された6thアルバム。
こっちもALIENの作品を購入するのは4th『CRASH』以来、十数年ぶりという「お久し振り感」の半端ない復活作でしたが、ソロ・シンガーとしてキャリアを積み重ねて来たジムのエモーショナルな歌声、そしてALIENの看板を長らく守り続けたトニー・ボルグ(G)の、聴き手の泣きのツボを的確に突いて来る歌心とハードネスとを併せ持ったGプレイを耳にすれば分かる通り、本作にブランクや衰えを感じさせる要素は皆無。むしろ演奏にしろ楽曲にしろ、一層瑞々しく若返った印象さえ受けるぐらいのもので。
特に、今年のベスト・チューン候補“LOVE WILL LEAD ME HOME”をハイライトとする、秀逸な哀メロ・ナンバー大盤振る舞いのアルバム前半は、重厚なハーモニーとリリカルなKeyに包まれて、浮世の憂さが綺麗さっぱり洗い流されて行くかの如き感覚に陥るALIEN流ハードポップ・サウンドの真骨頂。
爽やかな“SUMMER OF LOVE”、ハードな“BURNING HEART”から鄙びた哀愁漂わすバラード“IN TRUTH”、更にジムの日本語による挨拶を挟んでボートラ“READY TO FLY”へと雪崩れ込む終盤の展開等、名曲で埋め尽くされた本編を聴くにつけ、オリジナル・メンバーが生み出す「マジック」の威力を思い知らされます。アートワークに燦然と輝く「永」の漢字(日本盤のみの模様)は伊達じゃない!な1枚。


ALIEN - Eternity - Love Will Lead Me Home ★★★ (2014-07-26 01:45:33)

ジム・ジッドヘッドが憂いを帯びた声質を生かして歌い上げる
ツボを突いた哀メロから、ぴりりとエッジを効かせて
泣きを迸らせるトニー・ボルグのGまで、その名曲っぷりときたら、
これ聴いた北欧メタル・ファンにアルバムの購入を即決させるレベル。
(まぁ自分の話なんですが)


ALIEN - Into the Future ★★ (2021-03-23 01:05:56)

'14年発表の傑作『ETERNITY』で高らかに復活を宣言するも、その後は再び長い沈黙期間に突入してしまったALIEN。なかなか活動が軌道に乗らずヤキモキさせられる彼らが久々に発表した最新アルバムがこちら。
「新たなリスナーにアピールできるような変化を求めていた」とのトニー・ボルグ(G)の発言が物語る通り、OPナンバー①ではダウン・チューニングの施されたヘヴィ・リフが無愛想に刻まれ、続く②はヴァイキング・メタルばりのエピック・チューン。カッコイイことは間違いないけど、ジム・ジッドヘッド(Vo)の繊細な声質にマッチしているかと言えば、無理くり荒れ声を絞り出しているようで、正直…うーむ。
そんなわけで、背筋を冷たい汗がタラリと流れ落ちていく幕開けでしたが、本編は聴き進めるうち徐々に冷ややかな哀感が立ち上り始め、メロディもどんどん煌めきを増していきます。むしろ合間にヘヴィ・ナンバーが置かれたことで、しっとり憂いを孕んだメロハー・チューン④、アルバムのハイライトに推したい、トニーのRAIBOW愛が仄かに感じられる劇的な表題曲⑥、哀愁に満ちたサビメロの素晴らしさをジムの歌声が引き立てる⑩、冷ややかなピアノの調べと泣きを背負ったGの共演にグッとくるバラード⑪等々、変わらぬALIEN節が堪能できる楽曲の絶品ぶりが際立って聴こえるというもの。脳裏を過る「全部こっち系の楽曲で統一してくれりゃ尚良かったのでは?」との至極もっともな疑問はひとまず脇に置いておくとして。
ともあれ、新味を盛り込みつつ、らしさも見失わず。ブランクをものともしないALIENの曲作りの腕前が健在であることを示す力作なのは間違いありません。


ALIEN - Into the Future - Children ★★★ (2021-03-23 23:38:32)

ピアノとストリングスをバックに、悲哀に満ちたメロディを
切々と歌い上げるジム・ジッドヘッドのエモーショナルなVoに
聴き惚れる抒情バラード。アルバム全体としては不慣れな
ヘヴィ・チューンを歌いあぐねている場面も散見されるジムですが、
やはりこの手の楽曲を歌わせたら絶品です。


ALIEN - Into the Future - Into the Future ★★★ (2021-03-23 23:30:12)

ジム・ジッドヘッドの独唱による神秘的なイントロで掴みはOK。
リッチー・ブラックモアへの敬愛を感じさせるGプレイと、
ミスティックなメロディに彩られた劇的なアルバム表題曲。


ALIEN - Live in Stockholm 1990 ★★★ (2020-08-24 23:57:44)

デビュー作がいきなり本国で記録破りの大成功を収めるも、その代償として発生した諸々の雑事に嫌気が差したジム・ジッドヘッドが「もっと自分の時間が欲しい」とアイドル的なことを言い残して脱退。後任シンガーとして当時MADISONで歌っていたピート・サンドベリを加えたALIENが、2nd『SIFTIN’GEAR』発表前の’90年に、ストックホルムで行われたフェスティバルでトリを務めた際のライブの模様を収めた実況録音盤。(詳細に関してはもうリーダーのトニー・ボルグもあまりよく覚えていないらしい)
'00年にひょっこり本作がリリースされた時は「こんな音源があったんかい!」と、かなり驚かされました。ライブで歌うピートのパフォーマンスが聴けるのはこれぐらいじゃなかろうか?特に会場の盛り上がりが最高潮に達する大ヒット・ナンバー“ONLY THE WOAMN”における彼のエモーショナルな歌声は実に感動動的ですよ。
“DREAMER”みたいなハードナンバーも演って欲しかったなぁとか、選曲に関しては少々注文を付けたくなる部分がありますし、EUROPEの“THE FINAL COUNTDOWN”を思わすシングル曲①(アルバムには未収録)のファンファーレに導かれてスタートする本編は、差し替えやオーバーダブの類を一切行っていない「文字通りのライブ」(ピート談)のため、歌声やパフォーマンスに少々不安定な場面が散見されるものの、そうした要素が逆にライブならではの臨場感を高めてくれているのもまた事実。
何より、本作のようなお宝音源のリリースに踏み切ってくれたバンドには感謝しかないという。できればジムが歌っていた時期のライブも発表してくれると尚嬉しい、なんて。


ALIEN - Shiftin' Gear ★★ (2015-04-04 00:28:36)

デビュー作『ALIEN』がヒットをかっ飛ばすも、その後は増大するレコード会社からのプレッシャーと過酷なツアーに耐えかね、看板シンガーを始めメンバーの離脱が相次ぎ、崩壊の瀬戸際まで追い詰められていたALIENが、'90年に最後っ屁として放った2ndアルバム。
そのためジャケットにクレジットされているのはトニー・ボルグ(G)と、二代目フロントマンのピート・サンドベリ(Vo)のみで、他のパートはセッション・ミュージシャンを起用。Dsに至ってはドラム・マシンで済ませていることからもバンド内部の混乱した状況が伝わってきますが、内容の方は、これが決して悪くない。
殊に、ピートの甘くウェットな歌声をフィーチュアして溌剌と躍動する⑤は、ALIENの新生面をアピールする魅力的な名曲。この曲に限らず、Keyが後方へ下がり、全体的に逞しさを増した(飽くまで前作比の話ですが)楽曲や音作り等は、ハード・ロッキンなソロ・アルバムを作りたかったのにレコード会社からの要請で本作制作に取り掛かざるを得なかったトニーの意向が反映された結果なのでしょうかね。
北欧ハードポップの名盤だった前作と比べてしまうと、メロディの煌きやリリシズムが渋く落ち着いてしまった感は否めませんが、それでも本作が、これを最後に解散するバンド(その後再編して復活)が作ったとは思えぬ充実っぷりを誇っている点には、素直に脱帽させられる次第。


ALIEN - Shiftin' Gear - In The Dead Of Night ★★★ (2015-04-07 22:35:35)

リリシズムが薄れた代わりに
よりスポーティに躍動感を増しつつ、
キャッチーなメロディのフックにも抜かりがないという
2ndアルバム屈指の出来栄えを誇る名曲。