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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1101-1200

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1101-1200
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CHINA - Sign in the Sky ★★★ (2022-09-15 00:06:32)

80年代のスイスHR/HMシーンを代表するバンドの一つであるCHINAが、プロデューサーにEZOやSTRYPER等との仕事で知られるステファン・ギャルファスを起用してレコーディングを行い(当初はブルース・フェアバーンとの仕事を希望していたもののスケジュールが合わず断念)、’89年に発表した2ndアルバム。長らく廃盤のままほったらかしにされていたところ、昨年ようやく国内盤のリイシューが実現。しかもこれがたった千円(税抜)というお手頃価格なのだから嬉しいじゃありませんか。まぁ廃盤期間中に大枚叩いて中古盤をゲットした身としては泣き笑い顔にならざるを得ませんけどもね…。
なんて愚痴はともかく、内容に関しては「素晴らしい」の一言に尽きます。Keyの存在が脇へと下がり、ギター・オリエンテッドな音作りが施されている辺りは90年代の足音が聞こえ始めていますが、だからといって大味になってしまうようなことはなく、本作から加入した二代目フロントマン、パトリック・メイソンの表現力豊かに歌い上げるタイプのVo、ツボを心得たメロディをコンパクトに奏でるG、重厚なコーラス・ワークとに彩られた楽曲のクオリティやフックの精度には益々磨きが掛かっていますよ。
欧風のメロディをベタ付かせずに(大陸的なポップ・センスで)料理してみせるバンドの曲作りの上手さが光る収録曲は、哀愁のメロハー④⑥、爽快に駆け抜けていくHRナンバー⑦、インストの小曲⑧から繋がり、メロディアスに歌うGが胸を打つ⑨、本編を大団円で締め括るバラード⑬等、確かなヒット・ポテンシャルを感じさせる逸品揃い。
母国チャートで最高第2位をマークしたのも当然といえる名盤。CHINA入門盤にどうぞ。


CHRIS LANEY - Only Come Out at Night ★★★ (2022-11-15 00:55:55)

ロニー・アトキンスからの信頼篤いPRETTY MAIDSのG兼Key奏者にして、グラミー賞ノミネート経験も持つ売れっ子プロデューサー、最近だと80年代の大ヒット映画主題歌をHR/HMアレンジでカヴァーするプロジェクト『AT THE MOVIES』シリーズ2作を手掛けたことでも知られるスウェーデン出身のマルチ・アーティスト、クリス・レイニーが’10年に発表した2枚目のソロ・アルバム。
ブライアン・ロバートソン、コニー・ブルーム、イアン・ホーグランドらをゲストに迎えて制作されている本作は、序盤はダークで重厚なHMナンバーが連続するためそっち路線の作品なのかと早合点しそうになってしまいますが、あいやしばらく。クリスの本領が発揮されるのは、悲哀に満ちたメロディを自らハスキー声を振り絞るように熱唱する哀愁メロハーの名曲④からであり、以降は溌剌と躍動感溢れる曲調に、思わず一緒に歌いたくなるキャッチーなコーラス、フックの効いたメロディとに彩られた80年代風味満点のポップ・メタル・ナンバーが立て続けに繰り出されますのでご安心を。
収録楽曲の中ではやはり④の素晴らしさが際立っているものの、それ以外にも世が世ならビルボード・チャートを賑わしたって全然不思議ではないキャッチーな⑥、スタジアムで大合唱が巻き起こる光景を幻視してしまう⑧、エッジを効かせてエネルギッシュに疾走するHRナンバー⑦⑨等々、逸曲がズラリ。
80年代のポップ・メタルの名盤群、あるいはクリスがプロデュースを担当したCRAZY LIXX辺りを愛する向きには猛烈にプッシュする1枚に仕上がっています。


CHRIS LANEY - Only Come Out at Night - B4 It’s 2 Late ★★★ (2022-11-16 00:40:12)

叙情性を増幅するKeyのアシストも得て
クリスのハスキー声を駆使した熱唱と
猛烈な悲哀を発散するメロディの魅力とが
ガッチリ噛み合ったアルバムのハイライト・ナンバー


CHRISTOPHER LEE - Charlemagne: The Omens of Death ★★★ (2020-11-10 00:04:37)

ドラキュラ俳優として世界的にブレイクし、近年は『スターウォーズ』『ロード・オブ・ザ・リング』といったヒット作で重厚な存在感を放っていた名優クリストファー・リー。カール大帝の血筋に連なる名門貴族の家系に生まれ、堪能な語学能力を買われて大戦中は特殊部隊に出向、1939年にはフランスで行われたギロチンによる最後の公開処刑を目撃する等、映画以上に波乱万丈な生涯を送った御大が'13年に発表した2枚目のHMソロ・アルバム。
仕切りはカイリー・ミノーグ等との仕事で知られるマルコ・サビューで、「ヨーロッパの父」とも言われるカール大帝の生涯をテーマに据えたコンセプト作なのも前作同様(いくつかの楽曲の編曲はJUDAS PRIESTのリッチー・フォークナーが担当しています)。MANOWAR、RHAPSODYとの共演をきっかけにHR/HM界隈と縁を結んだ御仁ゆえ、本作で披露されているのもドラマティックなシンフォニック・メタルであり、そこに持ち前の美声を活かした朗々たる歌い上げから厳粛な語りまで、齢90を越えるご老体とは思えぬリー翁の、カール大帝を憑依させたような張りと威厳に満ちた熱唱が乗っかるという塩梅。
まぁいくら名優といえども本業のシンガーではないので、良く言えば泰然自若、ぶっちゃけリズムに乗り切れていない感もあるVoに当初やや違和感を覚えたりもしましたが、なにしろ「声」の圧と説得力が半端ないので、繰り返し聴き込むうちに強引にねじ伏せられてしまうという。攻撃的な曲調に乗せてゲストVoと白熱の歌合戦を繰り広げる④を筆頭に、聴いているだけで思わず平伏したくなってしまう堂々たるパフォーマンスはやはり圧巻です。
メタル・シンガーとしては本作が最終作となってしまったことが残念でなりません。


CHRISTOPHER LEE - Charlemagne: The Omens of Death - Massacre of the Saxons ★★★ (2020-11-10 23:24:19)

アルバムで最もアグレッシブな疾走ナンバー。
カール大帝役を演じるクリストファー・リーの
威厳を湛えた歌声の素晴らしさは勿論のこと、
対話形式でデュエットするゲストVoもなかなかの歌いっぷり。
クレジットがないので誰が歌っているのか判然としないのが残念。


CHROME MOLLY - Angst ★★★ (2018-01-13 23:23:38)

その昔、帯付の中古盤が安く売られていたので「ビクターが出してるし、ジャーマン・メタルかな」ぐらいのテキトーな認識で購入してみたら、聴いて吃驚。思わぬ完成度の高さに瞠目させられた1枚であります。尚CHROME MOLLYはドイツではなくイギリス北西部レスター出身。本作は’88年発表の3rdアルバム…ではなく、解説によればメジャー・デビュー用に1st『YOU CAN'T HAVE IT ALL…OR CAN YOU?』(’85年)収録曲の幾つかにリミックスを施し、そこに未発表曲を加えて再構成した特別編集盤とのこと。
音楽性は一言で言えばポップ・メタル。ただ本場アメリカの芯からネアカなその手のバンドに比べると、こちらはやはり英国産。溌剌とハジけきれていないというか、いまいち垢抜けない印象で、雑誌では「どっちつかず」「中途半端」と酷評されていましたっけ。ただ今にして思うのは寧ろ、その洗練され過ぎないどっちつかずな部分こそが、このバンドならではの個性だったのではないか?と。ハーモニー重視のアメリカンなポップ・メタル・テイストと、ブリティッシュHM然とした湿ったメロディやハードネスの融合という試みが、本作では結構上手く機能しているんですよ。ピアノの瀟洒な味付けが効果的な②、愁いを帯びたメロディが駆け抜ける⑤、キャッチーなんだけど明るくはなりきれない⑨、ドラマティックなバラード⑩等、噛めば噛むほど旨み成分が染み出してくる楽曲が本編には揃っていて、中でもメタリックに刻まれるGリフが、透明感を湛えた哀メロと共に疾走する②はほんのりNWOBHMの薫りも漂ってくるCHORME MOLLY屈指の名曲。
この文章を書くにあたって久し振りに聴き直してみて、オランダのHELLOISEに通じる魅力を感じた次第。Voの歌い回しや声質がどことなく似ているせいかな?


CHROME MOLLY - Angst - Cut Loose ★★★ (2018-01-13 23:32:43)

元々は'85年発表の1stアルバム収録曲のリミックスということで
リフ主導で突っ走る様はそこはかとなくNWOBHM的な雰囲気も漂う。
少々野暮ったいながらも愁いを帯びた魅力的な歌メロを拾っていくVo、
盛られたコーラスとツインGのハーモニーが一緒くたに疾走する
終盤の盛り上がりが熱い。久々に聴き直しましたが名曲ですよ、これ。


CHROMING ROSE - Louis XIV ★★ (2011-02-21 22:32:35)

'92年には同郷のSTS 8 MISSIONを前座に付けて来日公演を行ったこともある(客入りはそこそこだったけど)、ドイツはバイエルン州出身の5人組が'90年に発表し、多くのファンから彼らの最高傑作として愛されている1stアルバム。
作品を重ねる毎に独自性を確立して行った(と同時に日本では人気が低下していった)バンドなれど、このデビュー作に関しては、既に多くの方々が指摘されている通り、ツーバス主体でドコドコと疾走するリズムの上に、ハイトーンVoと明快にハモるツインGが紡ぎ出す朗々たるメロディが乗っかった、もう直球ど真ん中のジャーマン・メロディック・パワー・メタルを演っており、そのサウンドは完璧にHELLOWEENフォロワー。
尤も、二番煎じとは言え確かなクオリティを備えている事は間違いなく、特に「アニメの主題歌のよう」とも評された勇壮なメロディと、サビ部分で鳴り響くトライアングル(?)が微妙なダサカッコ良さを演出するOPナンバー①は、自他共に認めるバンドの代表曲にして必聴の名曲。また典型的なジャーマン・メロパワ・ソング③⑥も、彼らの確かなメロディ・センスが確認できる疾走ナンバーの佳曲だ。
太陽王ルイ14世について歌ったアルバム表題曲⑤のような折角のドラマティックな題材を、オチャラケたアレンジで台無しにしてしまう悪い意味でHELLWEEN的な性質は頂けないし、音程に無頓着な喚き型Voや、どうにも垢抜けないアレンジなどイモい部分も目に付くが、繰り返し聴いていると、逆にだんだんそれが「味」となって来るB級メタルの逸品。


CHROMING ROSE - Louis XIV - Power And Glory ★★★ (2011-02-21 22:37:19)

1stアルバムのハイライト・ナンバーにして
バンドの代表曲。
「ジャーマン・メロディック・パワー・メタルとは何ぞや?」
と問われた時に、「こんなんですよ」と差し出したい1曲。
コテコテ過ぎて初めて聴いた時は笑ってしまいましたが、
それもまた味。


CHTHONIC - 高砂軍 (Takasago Army) ★★★ (2011-07-30 23:48:45)

「TAKASAGO ARMY(高砂義勇隊)」と言うと、まず真っ先に'45年の終戦から'74年までのおよそ30年間、かの横井庄一氏や小野田寛郎氏よりも長くインドネシアのジャングルに潜み続けた元日本兵・中村輝夫(台湾名:スニヨン)氏のことが思い浮かびますが、そうした驚嘆すべきガッツのオーナーである高砂義勇隊の兵士たちを主人公に、時代に翻弄され続けた彼らが辿る悲劇的な運命を台湾近代史に絡めて描き出したのが、CHTHONICが'11年に発表したこの5thアルバム。
インタビュー記事における受け答えを読むと、かなり高い政治意識を持っている事が伺えるバンドだが、さりとてそれを理由にこのアルバムを小難しく捉えたり、敷居の高さを感じたりする必要は全くない。本作は単純に、恐ろしく勇猛でドラマティック、そして幽玄なニ胡の調べが儚さをも演出する、ムチャクチャ日本人好みのサウンドが詰め込まれた力作である。
特に、終戦を告げる玉音放送をバックに、デス声Voが血の涙を流さんばかりの気迫で次々に倒れ行く兵士たちの最期を歌い上げ、悲壮極まるメロディが猛然と疾走する本編のリーダー・トラック⑦は全身が総毛立つ程にエモーショナル&ドラマティックで、間違いなく今年のベスト・チューン候補の一つですよ。
また個人的には、長大になりがちなコンセプト・アルバムにも関わらず、収録時間をタイトにまとめ上げる姿勢にも好感が持てましたね。


CHTHONIC - 高砂軍 (Takasago Army) - 玉碎 (Broken Jade) ★★★ (2011-08-03 21:14:23)

戦争の終結を知りながらも死地へと赴く
兵士たちの最期を悲壮に歌い上げた慟哭の名曲。
状況設定、歌詞、そしてメロディ、
全ての要素に男泣きを誘われます。


CHTHONIC - 高砂軍 (Takasago Army) - 鎮魂醒靈寺 (Quell the Souls in Sing Ling Temple) ★★★ (2011-08-05 23:22:01)

和風の旋律(日本語詞もちょこっと登場)を
ふんだんに用いた前半を経て激走を開始する
悲壮なまでにヒロイックなメロディを聴いて、
血が滾らないメタル者はおらんでしょう。
アルバムのクライマックスを飾るに相応しい名曲です。


CIRCUS MAXIMUS ★★★ (2015-10-18 22:53:53)

CIRCUS MAXIMUSと言えば、最近よく見ているのが
LOUD PARK 12に彼らが参加した際の模様を捉えた、こちらのドキュメンタリー。


https://www.youtube.com/watch?v=qjgskpEkmUA


CIRITH UNGOL - One Foot in Hell ★★ (2015-03-06 00:14:48)

『指輪物語』に着想を得て「キリス・ウンゴル」を名乗った4人組、'86年発表の3rdアルバム。
MANILLA ROADと並んでエピック・カルト・メタルの最重要バンドと目されるだけあって、ここに渦を巻くのは、HR/HMシーンが華やかに浮き足立ってた超バブリーな時期に(しかもカリフォルニアで)制作されたとは俄かに信じ難いほど、暗くてジメジメ湿気ってキャッチーさ絶無のバーバリックなHMサウンド。ルックスも含めて、もう清々しいくらい女の子からきゃーきゃー言われそうなモテ要素ゼロ。
一口にエピック・メタルと言っても、例えばMANOWARがメロディやアレンジといった同ジャンルの構成要素一つ一つを丹念に磨き上げた宝石だとすれば、こっちは武骨な原石を無造作にゴロンと提示してる感じ。そもそも端から宝石になど興味はなく、「原石であること」に価値と誇りを見出しているというべきか。
アルバム後半、ガクっとテンションが落ちてしまうのが玉に瑕ですが、好戦的なBLACK SABBATHといった趣きの②、ドカスカ喧しいDsが全体を牽引する④、NWOBHM風味満点の疾走ナンバー⑤、勇ましさと哀愁を両立させたGに聴き惚れる⑥といった楽曲が並ぶ前~中盤だけでも、アルバム代の元は十分に回収できます。相変わらず音程に無頓着に喚き倒す爬虫類系Voも、ここまで貫き通されると「立派な個性」と認めざるを得ないわけで。
破天荒な迫力に(好き嫌いはさておき)思わず気圧されること請け合い1枚ですよ。


CIRITH UNGOL - One Foot in Hell - 100 MPH ★★★ (2015-03-07 09:39:34)

タイトルや歌詞は勿論のこと、シャープ且つメロディアスに
動き回り、ハモリまくるGがNWOBHMを彷彿とさせる
ストレートなHM賛歌。ストレート過ぎて逆に意表を突かれました。


CIRITH UNGOL - One Foot in Hell - Chaos Descends ★★★ (2015-03-07 09:27:50)

「数ヶ月便秘が続いてる人inトイレ」みたいな呻き声からスタート。
BLACK SABBATHを野蛮にした感じのGリフ、
制御不能な奇声Voと、ドカドカ打ち鳴らされるドラムが
豪快に渦を巻いてうねるまくる様がド迫力のエピック・ソング。


CIRITH UNGOL - One Foot in Hell - Nadsokor ★★ (2015-03-07 09:35:06)

ドッカンドッカンと力の限りブッ叩かれるドラムが
リード楽器役を担い、そこに薄っすらと被る
「オ~オ~オ~」というお経みたいなコーラスが
エピック・メタルな雰囲気を盛り上げます。
中盤で突如、哀愁に満ちたメロディを奏で始める
Gソロも良いアクセント。


CIRITH UNGOL - Paradise Lost ★★★ (2015-05-06 10:53:57)

'91年発表の4thアルバムで、個人的に初めて聴いたCIRITH UNGOLの作品がコレ。当時はどういった来歴のバンドか殆ど何も知らぬまま、「雑誌レビューで褒められてたから」という単純極まりない理由で購入。で、シンガーの調子っ外れな歌唱がどうにも受け入れられず、1、2度聴いたきりでCDラックの奥の方へ放り込んでしまいました。
しかし、その後初期作に触れる機会を経て、このバンドの個性(Voの歌唱スタイル含む)をそれなりに咀嚼した上で聴き直したらば、実は独特のチープネスやクサ味、アクの強さが抑えられた分、ドラマティックな曲展開やキャッチーなメロディといった、普遍的な正統派テイストの増強された本作が、彼らのカタログの中でも頭抜けた「取っ付き易さ」(及び完成度の高さ)を有していることが理解できた次第。
IRON MAIDENエキスが筋肉注射された勇壮な④を始めとするアルバム前半もなかなかのモノですが、圧巻なのは、ミルトンの『失楽園』を下敷きとした劇的極まりない楽曲が次々畳み掛けるラスト3曲。中でも8分以上に及ぶ大作ナンバー⑦は、エピック・カルト・メタルというジャンルを切り開いたCIRITH UNGOLの最高到達地点とも言える名曲ぶり。
マイケル・ウィーラン画伯の手による素晴らしきアートワーク『この世の海の彼方』に全く引けを取らない充実した内容を誇る力作。


CIRITH UNGOL - Paradise Lost - Chaos Rising ★★★ (2015-05-06 22:52:19)

押しと引きのツボを心得たGに
緩急を飲み込んだリズム、
そして荘厳且つ大スケールの曲展開とが
8分以上の長尺をテンション高く引っ張ります。
すっぽ抜けのハイトーンが気になるVoも
ここでは変幻自在な歌唱で楽曲の
ドラマティックな盛り上がりに貢献。
この声あってこそのCIRITH UNGOL!
と思わせてくれますよ。


CITIES - Annihilation Absolute ★★★ (2011-06-13 22:33:17)

TWISTED SISTER全盛期の屋台骨を支えたドラマー、A.J.ペロが在籍し、ファミリー・ツリーを眺めてみると、ANTHRAXやNUCLEAR ASSAULTといったNY出身のスラッシュ・メタル・バンドとの繋がりも見えてくる4人組パワー・メタラーが、'85年に発表した6曲入りEPに、ジャケットやドラム・パートの差し替え、更に新規トラック追加収録等のマイナー・チェンジを施して、'86年にMETAL BLADE RECORDSから再リリースした1stフル・アルバム。(国内盤リリース時の邦題は『暗黒の戦い』)
勇壮なメロディをしっかりと歌い上げるVo、金属的色艶を帯びて刻まれるGリフと、ラウドに打ち鳴らされるリズム、テクニカルで歌心に溢れたフレーズを紡ぐGソロがフィーチュアされたバンドの代表曲“IN THE STILL OF THE NIGHT”に代表されるよう、本作はヨーロピアンHM(主にJUDAS PRIESTとIRON MAIDEN)からの多大なる影響を基本にしつつ、そこへNY出身バンドらしいニヒリズムと劇画チックな陰影も投入。
その結果として、前述の“IN THE STILL~”以外にも、ダークで重厚な①、パワフル且つ緊迫感に満ちた④、勇ましさと物悲しさが同居する⑤、後半にクラシカルなGの独奏パートを備えた⑧から間髪居れずに展開していく必殺の疾走ナンバー⑨といった名曲を収録する本編は、HMならではの熱気と都会的な冷気、相反する要素を兼ね備えた独特の味わいを獲得するに至った。
一見武骨で無愛想だが実は熱い心意気を秘めているという、昭和の番長みたいな1枚。(なんだそりゃ)


CITIES - Annihilation Absolute - Cruel Sea ★★★ (2011-06-15 21:29:06)

アルバム『ANNIHILATION ABSOLUTE』収録曲中、
最もメロディアスで最もドラマティックな名曲。
思わずコブシを振り上げたくなる、力強く
勇壮な曲調にメタル魂が燃え上がります。


CITIES - Annihilation Absolute - Deceiver ★★★ (2011-06-13 22:56:04)

邦題は確か“裏切り者”だったかな。
アルバムの幕引きの役割を担うHMナンバーで、
疾走するGメロディが劇的ったらありゃしない。
前曲“SHADE OF BLACK”のクラシカルな
インスト・パートから間髪入れずに繋がる
ドラマティックな構成も白眉。


CITIES - Annihilation Absolute - In the Still of the Night ★★★ (2011-06-14 23:26:33)

IRON MAIDENの“審判の日”を思わせるイントロから
スタートするバンドの代表曲。
Gソロは、この時期のギタリストらしく音数がぎゅっと
詰め込まれているが、しっかりとしたメロディの流れが
感じられる構成ゆえ、単なるテクニックのひけらかし的な
印象はない。


CITIES - Annihilation Absolute - Not Alone in the Dark ★★ (2011-06-14 23:29:36)

「夜の都会に佇む一匹狼」的なイメージが脳裏に浮かぶ、
ハードボイルドな緊迫感に満ちたHMナンバー。
“暗闇に生きて”という邦題も良かった。


CITY BOY - The Day the Earth Caught Fire ★★★ (2021-11-11 01:00:04)

CITY BOYといえば、大竹まこと、きたろう、斉木しげるの3人からなるコント・ユニット…ではなく、KANSASのスティーヴ・ウォルシュと結成したSTREETS、あるいは様々なメロディアスHRプロジェクトへのメンバー/プロデューサーとしての関わりで知られるマイク・スラマーのキャリアの出発点ともなったイギリス出身の6人組のこと。彼らの代表作といえば、シングル・カットされ英米でスマッシュ・ヒットを飛ばした名曲“君のナンバー5705”を収録する4th『BOOK EARLY』(’78年)ということになるのでしょうが、個人的に最も聴き直す機会が多いのはこの5thアルバム(’79年)ですよ。
一層の成功を求めてアメリカに拠点を移してレコーディングが行われているため、てっきり更にポップな方向を追求した作風に仕上がっているかと思いきや、ハードネスと優美なドラマ性が程よくブレンドされたOPナンバー①や、QUEENを思わすドラマティックなバラード⑤といった楽曲が物語る通り、レコーディング予算が増えたのをいいことに生オーケストラを起用し、壮麗なコーラス・ワークの強化も図られたそのサウンドは、よりハードかつ壮大な仕上がりを聴かせてくれるようになりました。特にラストに鎮座まします三部構成の組曲⑧は、シアトリカルな曲展開といい、キャッチーに練り上げられた哀愁のメロディといいい、10分越えの長さを全く意識させない集大成的名曲に仕上がっています。
オイルショックに端を発する世界的不景気の煽りを受けて思惑通りの大ヒットとはなりませんでしたが、本作をCITY BOYの最高傑作に挙げる声が少なからず存在しているというのも得心のいく名盤です。


CITY BOY - The Day the Earth Caught Fire - The Day the Earth Caught Fire ★★★ (2021-11-12 01:20:45)

アルバムのOPナンバーにして表題曲。
生オケや壮麗なハーモニーが生み出す優美さと
バンドのハードな演奏とがドラマティックな融合を果たした、
イントロで高まるこちらの期待を微塵も裏切らない名曲です。
ちなみにヨルン・ランデがソロ・アルバムでカヴァーしている模様。


CLIF MAGNESS - Lucky Dog ★★★ (2020-12-29 00:45:47)

ジェイ・グレイドン、グレン・バラードと結成し、デビュー作『A HEART FROM THE BIG MACHINE』(’91年)が日本でスマッシュ・ヒットとなったPLANET 3での活動や、様々なアーティストへの楽曲提供で知られるシンガー/ソングライターのクリフ・マグネスが、1st『SOLO』(’94年)以来、24年ぶりにリリースした2ndソロ・アルバム(’18年発表)。
雲ひとつない青空、パームツリー、アメ車、あと犬…と、わたせせいぞう感溢れるジャケットから想起される通り、クリフのクセのないハイトーンVoが伸びやかに響き渡る、ポップで爽快なメロディアスHRサウンドが心地良い1枚。前作がメロディ愛好家から「まるで青春映画のサントラのよう」と絶賛されていたことを踏まえると、変わらない魅力を湛えつつも、どこか過ぎ去った日々を懐かしむような郷愁が漂ってくる本作は同窓会映画のサントラ的趣きも感じられたり。
…なんて書くと、何やら後ろ向きで覇気に欠ける作品のように思われるやもしれませんが、どうしてどうして。アルバムのOPを飾るVAN HALENばりに溌剌と駆け抜ける①、歯切れ良く軽快に弾む④、ゲストVoのロビン・ベックが華を添える⑤等、要所に配されたHRナンバーがしっかりと気分をアゲてくれます。特にキャッチーなコーラスと哀愁のメロディに思わず合唱を誘われる⑧はアルバムのハイライトに推したい名曲。無論、「80年代にトレンディドラマかCMに主題歌として起用されてなかった?」と尋ねたくなるヒット・ポテンシャル充填120%な③、バグパイプを効果的に取り入れた⑥といったバラード系の楽曲の素晴らしさに関しては、今更言及するまでもなく。
前作を気に入った方なら迷わず買えよ買えば分かるさな1枚。前作を知らない方も是非に。


CLIF MAGNESS - Lucky Dog - Shout ★★★ (2020-12-30 01:35:16)

力強くロックする曲調に、哀愁のメロディと、合唱せずには
いられないキャッチーなコーラス(バックVoにロビン・ベック参加)
が華を添えるアルバムでも1、2を争う名曲。HR然としたエッジを
加えるトミー・デナンダーのGプレイも光っていますよ。


CLIF MAGNESS - Lucky Dog - Unbroken ★★★ (2020-12-30 01:29:27)

「80年代にCMで使われていました」と言われたら
全く疑わずに信じてしまいそうなパワー・バラード。
むしろ現在CM(あるいはドラマ)に起用されていないのが
不思議なぐらいですよ。


CLIMB - Take a Chance ★★ (2020-08-13 01:11:33)

巨人軍の歴代助っ人外国人選手の中でも抜きん出た知名度と人気を誇ったウォーレン・クロマティが、ドラマー兼エグゼクティブ・プロデューサーとして関与していることで話題を呼んだプロジェクトCLIMB、'88年発表の唯一作。(と思ったら2ndもあるらしい)
当時BURRN!!誌で、ゴッドが「Voじゃなくて良かった」的なレビューしていましたが、こっちとしては寧ろ「なんでぇ、歌ってねえのかよ。つまらん」と急速に興味を失い、購入は見送ってフォアボールを選んでしまいました。ところが先日、古本屋のCDコーナーで本作を発見し、懐かしさに駆られて衝動的に購入してみれば、聴いて吃驚。質の高いAOR/産業ロック・アルバムに仕上がっていて、「やったねクロマティ!明日はバンド・ホームランだ!」と思わず声をかけたくなったという。
それもその筈で、作曲陣にはラス・バラード、ビリー・スタインバーグといったヒットメイカーが名を連ね、バックを固めるのもゲディ・リー、ルー・グラム、デヴィッド・ローゼンタールetc…と巨人マネーにモノ言わせたような豪勢な面子が集結。クロマティはKeyバリバリの柔和なサウンドの中で終始リズムを淡々とキープするのみゆえ、ドラマーとしての腕前は判然とせず、また曲中でチビッ子に向けて田淵や川上監督ばりの野球指導を行ったりはしませんので、一発退場モノの危険球的作品を期待するとやや肩透かしですが、哀愁のメロディをソウルフルに歌い上げるジョー・ハミルトンの歌声が絶品なOPナンバー①を始め、キャッチーで洗練された抒情メロハーを楽しむ分には何の問題もない仕上がり。
野球選手の舐めた片手間仕事とは思わせぬ、きっちりと作り込まれた1枚です。


CLIMB - Take a Chance - Girl Like You ★★★ (2020-08-14 01:02:56)

確かシングル・カットもされていたアルバムのOPナンバー。
タイトルがFOREIGNERっぽいですが、方向性としてもそっち路線。
メロディは程よく哀愁が効き、コーラスも実にキャッチー、
シンセBが80年代の薫りを運んでくるお洒落なハードポップです。
YOUTUBEで探すと楽しそうにドラム叩いているクロマティの勇姿も拝めますよ。


CLOCKWISE - Nostalgia ★★★ (2013-04-29 21:33:58)

北欧メタルの魅力を凝縮した名盤『MAKING GOLD』を引っ提げて彗星のように現れたスウェーデンのFORTUNE。その中心メンバーだったベニー・スドベリ(Vo、Key)が、GLORYのヤン・グランウィック(G)らと共に立ち上げたプロジェクトのデビュー作。
FORTUNEでは流行に擦り寄った結果、現れた時と同じぐらいのスピードで人気を失ってしまったベニーですが、本作では初心に立ち返ったのか、煌く美旋律と繊細な泣きメロを満載にした、ファンの期待に応える『MAKING~』路線のサウンドを実践。
相変わらず生硬い歌唱は今ひとつですが(それでもFORTUNE時代よりは格段の進歩)、この絶品の歌メロ及び作曲センスと、楽曲を時にリリカルに、時にドラマティックに彩るKeyプレイの素晴しさが、それを補って余りありますよ。
特に、楽曲のクオリティが3曲目を過ぎた辺りから急カーブを描いて上昇。5曲目に控える“RUN THE RACE”なんて、ヤンの後期GLORYにおける変節を帳消しにするクラシカルなGプレイも相俟って「この1曲のために本作を買うんだ!」と道行く人の肩を掴んで通り魔的に力説したくなる名曲っぷり。
『MAKING~』以上の傑作か?と問われればそれはどうかとも思いますが、それでも美しいアートワークに秀逸な邦題、ツボを押さえたパフォーマンス、それに水晶細工の如き輝きを放つ収録楽曲etc・・・が取り揃えられた、数え役満級の北欧メタルの名盤であることに疑いの余地はありません。


CLOCKWISE - Nostalgia - Run the Race ★★★ (2013-04-30 22:45:44)

決して上手くはないものの、寒々しく憂いに満ちた
メロディを拾っていく朴訥としたVoから、
クラシカルなドラマを盛り上げるKeyソロまで
「ベニー・スドベリここにあり!」な
北欧様式美メタルの粋を結集したかのような名曲です。


CLOVEN HOOF - Cloven Hoof ★★★ (2017-07-14 00:49:08)

CLOVEN HOOFつったら、大英帝国印の正統派HMサウンドが詰め込まれた2nd『DOMINATOR』が愛聴盤でして。ゆえに初めて’84年発表のこの1stを聴いた時は「え。こんなに演ってる音楽性が違ってたの?」と結構驚いたという。まぁ本作と次のアルバムとの間にメンバーの大半が入れ替わっているので、それも道理なわけなのですが。
とは言うものの、シケシケな音質が如何にもNWOBHMな地下室臭を醸し出す中、テクよりも芝居がかった「味」で勝負するVo(後にフランスのメタル・バンド、H-BOMBに参加)や、英国然とした湿気まみれのリフとメロディを紡ぐG等、それぞれ「地」「水」「火」「風」を名乗る4人のメンバー(後で「雲」とか「山」とかも加わると思ったんだがなぁ←それ違う作品)によって奏でられるサウンドは、全編がダークな色彩と大仰な大作主義に貫かれていて、確かにこっちの音の方が「悪魔の蹄」を意味するバンド名には相応しい…かも。
特にバンドのテーマ・ソング①は、荘厳なコーラスをフィーチュアしたシアトリカルな曲展開といい、「エコエコアザラク」なんて古賀新一先生ばりの歌詞まで登場するオカルティックなノリといい、本作の旨みが全て詰まっている名曲っぷり。また重厚なインスト曲③から繋がる、『運命の翼』の頃のJUDAS PRIESTに暗黒色を加味したような④、静と動を飲み込んで10分近い長尺がドラマティックに紡がれる⑦等も、このバンド独自の音世界がガッチリと構築されています。シンプルなGリフで押していくQUARTZ風の⑥もカッコイイなぁ。
ANGEL WITCHやMERCYFUL FATEがイケる諸兄には猛烈にお薦めする1枚。つか、本作を一言で表す表現で最も腑に落ちたのは「英国のWARLORD」という例えなんですが。


CLOVEN HOOF - Cloven Hoof - Cloven Hoof ★★★ (2017-07-17 22:23:01)

OPナンバー兼バンドのテーマ・ソングに相応しく、
静と動を行きつ戻りつする大仰な曲展開といい、
歌ったりガナったり語ったりと忙しいVo、
湿度の高いメロディを奏でるG、
「エコエコアザラク エコエコザメラク」と
オカルト風味全開の歌詞世界etc.と
CLOVEN HOOFというバンドの何たるかが
ギュッと凝縮された名曲です。


CLOVEN HOOF - Cloven Hoof - Gates of Gehenna ★★★ (2017-07-17 22:28:48)

デビューEP『THE OPENING RITUAL』のOPナンバーでもあった楽曲。
1stアルバム・バージョンでは、重厚なインスト曲“MARCH OF DAMMED”から
繋がっていくドラマティックな構成が用意されています。
Voの歌唱法といい、G主導で導かれる少々プログレ掛かった劇的な曲展開といい、
『運命の翼』を発表した頃のJUDAS PRIESTからの影響が濃厚に息衝く逸品。


CLOVEN HOOF - Cloven Hoof - Laying Down the Law ★★★ (2017-07-17 22:33:20)

ギミックは排して、シンプルなGリフで押して行く
メタリックな曲調は、『STAND UP AND FIGHT』を
発表した頃のQUARTZに通じるものあり。
NWOBHMらしさを前面に出した、こういう楽曲も
また味わい深くてカッコイイ。


CLOVEN HOOF - Cloven Hoof - Return of the Passover ★★★ (2017-07-17 22:43:04)

チリチリと不吉なイントロが
幾ばくかのオカルト臭を醸し出すものの、
湿ったメロディを豊かに紡ぐGに主導される形で
長尺をドラマティックに紡いでいく楽曲自体は
正統派のブリティッシュHMの伝統美に満ち溢れていますよ。


CLOVEN HOOF - Dominator ★★★ (2015-03-21 23:39:37)

派手なメイクのメンバーが、それぞれ「地」「水」「火」「風」を名乗る等、南斗五車星な要素・・・じゃね、シアトリカルな要素を売りにHR/HMシーンへ打って出た英国ウルヴァーハンプトン出身の4人組、'88年発表の2ndアルバム。(ジャケットに戴くは、WHITE DWARF誌の表紙を飾ったことでも知られるジョン・ブランシェ画伯のアマゾニア・ゴシックのイラストですよ)
ラインナップの大幅刷新を経て、メンバーのルックスも名前もノーマルに落ち着いてしまった本作なれど、託されているサウンドは、変わらず・・・というか一層筋肉質に鍛え上げられた、トゥー・マッチ・ピュアな正統派HM。例えSF映画風のコンセプトを擁していようとも、大袈裟なSEやKeyによる味付けは用いず、またポップ・メタルやスラッシュ・メタルといった当時流行の音にも目もくれず、「マイナー」「古臭い」と謗られようとも、徒手空拳で真っ向勝負を挑まんとするその意気や良し!ってなもんで。
パワー・メタリックにブチかまされる①、ドラマティックに展開する②④⑧等も最高ですが、何と言ってもガッツポーズ決めたくなるのが③と⑥。薄曇りな声質のVoが歌い上げる、勇ましいけど派手さ控えめ、翳りは湛えているがクサ味控えめな、英国産HMの醍醐味に満ちたこの名曲っぷりにゃ身悶えしたくなる次第。
メタルバブル真っ盛りの中にあって、この地に足の着いた作風。発表当時は雑誌レビューじゃケチョンケチョンでしたが、むしろ時を経た現在の方が正統な評価を得られるタイプの作品ではないかと。


CLOVEN HOOF - Dominator - Fugitive ★★★ (2015-03-23 00:26:12)

勇壮なバッキングの上に、憂いを帯びつつも、
どこか透明感漂わす歌メロが乗っかり
アグレッシブだけど押し付けがましくないという
英国産メタル独特の醒めた雰囲気も形成する疾走ナンバー。


CLOVEN HOOF - Dominator - Reach for the Sky ★★★ (2015-03-23 00:15:34)

正統派HMのカッコ良さを体現する
イントロのGメロディだけでやられますが、
ブリティッシュな憂いを湛えた歌が入ってくると更に良い。
シャウトに逃げずに、丁寧にメロディを歌い上げる
シンガーの大変素晴らしい仕事ぶりに星3つ。


CLOVEN HOOF - Dominator - Rising Up ★★★ (2015-03-22 23:56:32)

見(聴)違えるように逞しく生まれ変わった
新生CLOVEN HOOFを猛烈アピールするOPナンバーにして
ACCEPTばりのパワフルさを誇る疾走曲・・・と思ったら
中盤で“FAST AS A SHARK”風Gリフがちらり登場。


CLOVEN HOOF - Dominator - Road of Eagles ★★★ (2015-03-23 00:31:40)

他の収録曲と若干趣きを異する、
完全にエピック・メタル路線が取られた本編ラス曲。
時に語り、時に朗々歌い上げる
大仰な曲調に対して一歩も引かない
シンガーの実力者っぷりが堪能できる名曲です。


COASTLINE - Coastline ★★ (2019-02-13 00:08:28)

紅一点の女性シンガー、ヘレナ・ローゼンタールを擁し、“名前のない馬”や“銀色の髪の少女”等のヒット曲で知られるイギリスのフォーク/ロック・グループAMERICAのアルバム・タイトルからバンド名を拝借して、「COASTLINE」を名乗ったスウェーデンの5人組が、'03年にVINNY RECORDSに残した最初で最後のフル・アルバム。
Keyが軽やかに弾むイントロからして絵に描いたようなメロハー感を醸し出すOPナンバー①や、明るくキャッチーな③が作品全体の方向性を示唆する通り、本作はポップな「歌」を主役に据えたメロディアスHRアルバム。お世辞にも上質とは言い難いプロダクションと、ベタ足気味のリズム・ワークが、本来サウンドが持ち得る筈の躍動感を多少スポイルしている感は否めないものの、ヘレナ嬢の耳に心地よく響く健康的な歌声と、そのVoをメロディアスな演奏で堅実にサポートするG、煌めくKey、それに北欧産ハードポップらしい透明感とフックを宿すメロディに彩られた楽曲の完成度の高さは、そうした粗を補って大いに余りあるという。
特にアルバムの締め括り役を担うハード・ナンバー⑪は、Gによる泣きのイントロからテンポアップ、哀感と爽快感を併せ持って走り抜ける曲調に思わず「おっ」と声が出てしまう、曲名通りまさに“MIRACLE”な魅力を湛えた本編のハイライト的名曲です。
かように今後の成長が楽しみな逸材だっただけに、本作以降は消息不明になってしまったのが残念な限り。頑張ってもう2、3枚、アルバムを発表してくれたら大傑作をものにしてくれそうだったのですが…。


COASTLINE - Coastline - Masterplan ★★★ (2019-02-13 23:54:41)

甘く軽快な曲調にヘレナ嬢の可憐な歌声が映えるハードポップ・ナンバー。
キャッチーに弾むメロディを聴いていると
こちらの荒んだハートもいつしか弾み出すという塩梅で。


COASTLINE - Coastline - Miracle ★★★ (2019-02-13 23:24:24)

緩急を効かせてアルバムの最後を哀愁たっぷり且つハードに締め括る名曲。
切ないフィーリングを発するヘレナ嬢の歌声のみならず、
要所でテクニカル且つ泣きに満ちたメロディを噛ませてくる
Gの活躍ぶりにも耳惹かれます。


CODE RED ★★ (2010-07-30 23:39:00)

CDデビューを飾ったのは最近のことながら、結成は90年代前半まで遡るという(その頃はMINDFIELDと
名乗っていた)、息の長い活動歴を誇る神奈川県出身のスラッシュ・メタル・バンド。
これまでに彼らが発表した、デモテープやCD-Rの数々については公式サイトに詳細なデータが
あるのでそちらをどうぞ。(サンプル音源なんかも聴けますよ)
'08年に発表され、バンドの知名度向上に大きく貢献したデビュー作『WOLVES OF WARFIELD』から早2年。
そろそろ2ndアルバムが聴いてみたいぞ、と。


CODE RED - Fang of the Sun ★★★ (2018-02-08 23:28:26)

横浜のスラッシュ・メタル・バンドが'17年に発表した2ndフル・アルバム。彼らの音源に触れるのは随分と久し振りな気がしますが(FASTKILLとのスプリットEP以来?)、こっちが知らなかっただけでバンドは弛まぬ研鑽を積んでいた模様。いつの間にかVoがチェンジして、4人組のツインG編成になっていたことにも驚かされましたよ。
Gリフが機銃弾の如く撃ち出され、情け無用!ファイア!とばかりに連続炸裂するリズム。その上で急降下爆撃機の風切り音を思わすGソロと、兵士の断末魔ばりのシャウトが吹き荒れる、常在戦場スピリッツに貫かれたスラッシュ・サウンドは、「戦争」を曲作りの重要なテーマに据えるバンドに相応しい殺気を放っています。
一方で今回のメンバー・チェンジは、メロディと重厚感の増量という点において、多少なりとも本作に変化をもたらしており、特に「聴かせる」Gソロが疾走する④、メロディアスな(解説にある通り確かにKREATOR風の)ミッド・チューン⑤、アグレッションを剥き出しにしつつも今風の怒号Voがさりげなくメロディをなぞる⑧辺りは、本作ならではの新味が効いた楽曲ではないかと。いや単に新しいだけでなく、きっちりとスラッシュ・ソングとしてカッコイイのも評価ポイント。取り分け⑩は1stアルバム収録の名曲“DESTROY”を彷彿とさせるクールな出来栄えだぜ…って、彷彿もなにもリメイクだった。よくよく曲目を眺めてみれば、その他にも既発曲を現行メンバーでリ・レコーディングした楽曲がチラホラ。
何はともあれ、前作を気に入った人は勿論のこと、CODE RED入門盤としてもお薦めできる1枚。


CODE RED - WOLVES OF WARFIELD ★★ (2010-07-30 23:40:00)

横浜出身のスラッシュ・メタル・トリオが'08年に発表し、雑誌等で高い評価を受けたというデビュー作。
バンド名やジャケット・アートワーク、戦争をテーマにした歌詞の数々がSODOMっぽさを漂わせているが、
実際、整合性よりも勢い重視の荒々しく好戦的なスラッシュ・サウンドは、『NUCLAER WINTER』『AGENT ORANGE』
の頃のSODOMと重なる部分多し。(Voはトム・エンジェルリッパーというよりもミレ・ペトロツァってな感じだけど)
何より、結成が90年代初頭のベテラン・バンドが演ってるとはとても思えぬ、若々しく刺々しい初期衝動に塗れた
楽曲の数々がカッコイイったら。特に、畳み掛けるように疾走するリズムの上に、ささくれ立ったGリフと、
攻撃的且つキャッチーな歌メロが乗っかった④は、どうしても似たり寄ったりの楽曲が多くなってしまう、
この手のタイプのスラッシュ・ソングの中ではかなり強いインパクトを受けた1曲。デストローイ。
戦場を思わせるSE①に導かれて、ドカドカと豪快に突進を開始する②に始まり、ライブ映えしそうなラスト・ナンバー
⑨に至るまで、全9曲収録でランニング・タイム30分強という、無駄なくタイトに絞り込まれた構成も○。
裏声シャウト型(FAST KILLと良く似たタイプ)のVoは好き嫌いが分かれるところなれど、80年代の
ヨーロピアン・スラッシュ・メタルが好きなお人なら、買って損はない(というか積極的に買うべき)1枚。


CODE RED - WOLVES OF WARFIELD - DESTROY ★★★ (2010-07-30 23:58:38)

ガリガリと刻まれるSLAYER~SODOM直系のGリフ、
豪快に打ち鳴らされるリズム、
ヒステリックに喚き立てるVoが怒涛の如く突進する
アグレッシブでキャッチーな高速スラッシュ・ソング。
溜めたエネルギーを解き放つようなサビが問答無用の
カッコ良さ。聴く度に頭振りながら一緒に叫びたくなりますね。
デストローイ!


CONCEPTION - Flow ★★ (2018-06-03 23:52:10)

ノルウェーのCONCEPTIONの最終作となった、'97年発表の4thアルバム。
ロイ・S・カーン(Vo)の艶やかな歌唱と、トゥーレ・オストビー(G)の変幻自在のGプレイを軸に、ジャーマン・パワー・メタル勢からの影響&北欧メタルらしい透明感を湛えるメロディをトッピングしたドラマティックなサウンドを聴かせてくれた初期の頃から、作を重ねる毎に今時メタル(といっても'97年当時の話)要素も拡充。空間を活かした揺らめくヘヴィネスやグルーヴ、エフェクト類、ダンサンブルなアレンジの数々が投入された本作では、モダンでプログレッシブなHM路線へと完全にシフト・チェンジを済ませています。
正直、当時は「どんどん地味になっていくなぁ」とあまり感心した覚えがなかったのですが、凝ったリズムを織り込んでテンポ良く駆け抜ける④、妖しくも神秘的なロイの熱唱が映えるバラード⑤、ストリングスをフィーチュアした⑧、憂いを湛えたメロディが緊迫感を湛えて展開していくCONCEPTIONならではの旨みに満ちた⑨といった、北欧の冷ややかな霧にしっとりと包み込まれているかの如き感覚に陥る楽曲には、やはり心打たれるもの有り。
何より、CONCEPTION解散後にロイが加入したKAMELOTが世界的な人気バンドへと羽ばたいた今、改めて本作を聴き直すと、ここで繰り広げられるミステリアスでモダンなプログレ・メタル・サウンドは、間違いなく現在へと至るKAMELOTに多大なインスピレーションを与えたことが伺え、より一層興味深く聴くことが出来るという。
CONCEPTION入門盤としては1stや2ndアルバムをお薦めさせて頂きますが、KAMELOTファンなら本作も押さえておいて損はない筈。


CONCEPTION - Flow - Cardinal Sin ★★★ (2018-06-04 23:33:51)

KeyとトゥーレのGが奏でる浮遊感と透明感を
湛えた抒情メロディ、立体的に編まれた
リズムに絡みつくロイの妖艶でしなやかな歌唱が
緊迫感を漂わせつつ駆け抜ける、
この時期のCONCEPTIONならではの名曲。


CONCEPTION - In Your Multitude ★★★ (2020-06-19 00:50:44)

CONCEPTIONが再結成作をリリースしたのをきっかけに、まだ感想を書いていなかった’95年発表のこの3rdアルバムを引っ張り出して聴き直している今日この頃。
所属がビクター、プロデューサーはトミー・ニュートン、解説をキャプテン和田が寄稿という、数え役満でメロパワ・メタルの一群に括っていたCONCEPTIONが、直線的な疾走感は控えめに、技巧を凝らしたグルーヴや複雑に編まれた曲展開といった、プログレ・メタルのエレメントをより強調したサウンドへと軌道修正を図る端緒となった1枚で、全体を覆うドヨンと薄暗い空気感、ブン回すように刻まれるヘヴィ・リフ等は、明らかに90年代の流行りからの影響が感じられます。正直彼らのカタログにおける存在感は薄めであまり聴き返す頻度は高くなかったのですが、ロイ・S・カーン(Vo)とトゥーレ・オストビー(G)の歩みを俯瞰で見ると、現在に至るまで2人が追求していくこととなる音楽性の原点は本作にあったことが確認できるという。(メロパワ方向に振った初期2作は寧ろ例外で)
最初に「存在感薄め」とか書いてしまいましたが、暗い情念を宿したバラード⑤、トゥーレ必殺のスパニッシュ・タッチのGソロが炸裂する⑥、テクニカル且つドラマティックに繰り広げられる⑦等々…神性を帯びたロイのしなやかな歌唱とトゥーレの流麗なGプレイを軸に展開される楽曲は、改めて聞き直すまでもなく凡百のバンドを大きく突き放す魅力と個性を誇っています。中にはザクザクと刻まれるGリフが疾走する⑪みたいなパワー・メタリックな楽曲が未だあったりするのも、過渡期の作品ならではの楽しさではないかと。
中古盤屋500円コーナーの常連作なので、見かけたら押さえておいて損はないですよ。


CONCEPTION - Parallel Minds ★★ (2008-09-15 18:13:00)

CONCEPTIONの日本デビュー作にして、ファンからはバンドの最高傑作との呼び声も高い、'93年発表の2ndアルバム。
優れた内容ながら、今聴き直すと、サウンド・プロダクションや曲作りの点に置いて、ややチープな感が無きにしも非ずな
1st『THE LAST SUNSET』(でも、個人的に一番好きなアルバムだったりもする)に比べ、プロデューサーに独メタル・ファンには
お馴染みの、名手トミー・ニュートンを迎えて制作された本作は、先ずサウンド・プロダクションが飛躍的に向上。
ザクザクと刻まれる重厚なGリフや、疾走感はそのままにヘヴィネスとダイナミズムを増したリズム、そして、様式美HM然とした
ドラマティックな曲展開のカッコ良さ/迫力が、一層ダイレクトに伝わって来るようになった。
また、スパニッシュ風味は減退してしまったものの、相変わらずエキゾチカルなフレーズを流麗に紡ぎ出すGは、
更に練り込まれたソロを聴かせてくれるようになったし、何より、ロイ・S・カーン(Vo)が本格的に曲作りに
参画し始めた事で、歌メロの煽情力が格段にパワーUPを遂げている点も大きい。起伏に富んだメロディを朗々と歌い上げる、
色艶と神性を兼ね備えた今に至るロイの歌唱スタイルは、本作をもって完成されたといっても過言ではないような?
悲痛なバラード④から、劇的な疾走ナンバー⑤への流れをハイライトにしたアルバム前半や、本編をドラマティックに
締め括る、三部構成からなるプログレ・メタル風味の組曲⑨等、収録曲の粒は前作同様、非常に揃っていて、
CONCEPTION未体験者の方には、先ず本作から聴くことをお薦めさせて頂きます。(中古盤も格安の値段で入手可能だしね)


CONCEPTION - Parallel Minds - Parallel Minds ★★★ (2008-09-15 18:20:27)

泣きのバラード“SILENT CRYING"の
静かな余韻を切り裂いて、この曲の劇的なイントロが
疾走を始めた途端、勝負あった。
この流れは、間違いなく2ndアルバムのハイライトかと。


CONCEPTION - Parallel Minds - Silent Crying ★★★ (2008-09-15 18:16:59)

繊細なアコギと、零れ落ちていくようなピアノの音色、
そしてエモーショナル極まりないロイ・S・カーンの歌声が
聴く者の涙を搾り取る悲痛なバラード。
猛烈な「泣き」を発散するトゥーレ・オルスビーの
Gソロの素晴しさも、筆舌尽くし難いものあり。


CONCEPTION - The Last Sunset ★★ (2008-09-13 17:43:00)

現在はKAMELOTで活躍中の名シンガー、ロイ・S・カーンのプロ・キャリアの出発点として知られる、
南ノルウェーはトーテン出身の、Keyを含む5人組HMバンドCONCEPTIONが'92年にリリースした1stアルバム。
作品を重ねる毎にプログレッシブ・メタル色を強めていった彼らだが、このデビュー作で聴く事が出来るのは、
北欧のバンドならではの、透明感溢れる哀メロをその身に纏った、メロディックなパワー・メタル・サウンド。
特に本作は、新人バンドならではの勢いと荒々しさに満ちた作風で、彼らのディスコグラフィーの中でも
随一のヘヴィ・メタリックさを誇る仕上がり。
北欧のバンドにありがちな、線の細い頼りないハイトーン・シンガー達とは一線を画す、ロイのしなやかで艶やかかなVoと、
バンドの中心人物、トゥーレ・オレスビーの流麗且つラテン・フレーバー薫るGプレイが、凡百の北欧メタル・バンドとは
一味も二味も異なる、確固とした個性を主張しており、取り分け、両者の持ち味が十二分に発揮された、
スピーディなパワー・メタル・チューン②、スパニッシュGの妙技に心奪われる③、ロイの神々しい歌唱が映える、
美しく雄大でドラマティカルなバラード⑧、緊張感とドラマに満ちた曲展開、巧みに導入されたフラメンコ調のメロディとGプレイ、
そして起伏に富んだメロディを堂々と歌い上げるVo・・・と、「CONCEPTION全部乗せ」な仕上がりと言える、10分以上に及ぶ
大作ナンバー⑩といった楽曲を聴けば、本作がリリース当時、輸入盤市場において話題を呼んだという話にも、大いに納得が行くはず。
実は、契約を得るために自主制作された作品ゆえ、音質はイマイチだし、パフォーマンス的にも未洗練な印象は否めないものの、
その辺りも込みで、個人的に、彼らのアルバムで一番好きな作品だったりする1枚。


CONCEPTION - The Last Sunset - Among the Gods ★★★ (2008-09-13 17:58:36)

プログレ・メタル風味の緊張感とドラマ性に満ちた曲展開、
随所に散りばめられ、強力なフックとなるフラメンコ・タッチの
メロディとGプレイ、そして、起伏に富んだメロディを
堂々と歌い上げる、ロイ・S・カーンの神々しい歌唱・・・。
まさにCONCEPTIONというバンドの何たるかが、ギュっと詰め込まれた1曲。
どことなく、TRIUMPHの名曲“THE CITY"を思い出したりも。


CONCEPTION - The Last Sunset - The Last Sunset ★★★ (2008-09-13 17:53:47)

曇天の隙間から射し込む陽光の如き、
ロイ・S・カーンの色艶と表現力を兼ね備えた歌声に涙を絞り取られる、
まさに、アルバムのジャケット・アートワーク通りの仕上がりと言える
絶品の名バラード。


CONCERTO MOON - Make It Shine Vol.2 - Change My Heart ★★★ (2006-04-02 00:49:37)

この超名曲を初めて聴いたのはオムニバス・アルバム「MAKE IT SHINE VOL.2」において。
同シリーズ1作目に完成度の高い様式チューンを提供していた
CRYSTAL CLEARのGとZENITHのVo・Key・Dsが結成した新バンドの曲という事で
聴く前からある程度の期待はしていたが、その完成度の高さはこちらの予想の遥か上を行くものでした。
イントロが流れ出した瞬間、早くもガッツポーズ。
ギターが素晴しいのは言わずもがな、良い仕事してるKey、コブシの効いた歌を聞かせるVoも素晴しい。


CONDITION CRITICAL (2014-06-12 23:30:52)

QUIET RIOTのアルバムからバンド名を取った・・・なんてことは絶対になかろうが、「重体」を意味するバンド名を名乗る、アメリカはニュージャージー州において'11年に結成された若きスラッシュ・メタル・バンド。
GとDsがネット上で知り合い、実際にジャムって手応えを感じたのを切っ掛けにバンド活動がスタート。メンバー・チェンジを繰り返してラインナップを固めた後、'12年に発表した3曲入りデモ『BREAD TO KILL』が各方面で好評を得る。
勢いに乗ったバンドは'13年に自主制作のデビュー作『OPERATION HAZARD』を発表。こちらも高く評価されている。


CONDITION CRITICAL - Operational Hazard ★★ (2014-06-12 23:33:16)

公共の場で広げた日にゃドン引きもんの、エド・レプカ謹製『ZOMBIO/死霊のしたたり』チックなゴアゴア・ジャケットを目印に戴く、ニュージャージー出身の若き4人組が'13年に発表した自主制作の1stアルバム。
スラッシーな攻撃性とスピード感の醸成に主眼を置きつつも、引っ掛かり気味に進行するダイナミックな曲展開や、鮮烈に噴き出すメロディックなGソロを、バイオレントな楽曲のアクセントに用いるスラッシュ・サウンドから、「DEMOLITION HAMMER Jr」なるニックネームを頂戴しているという彼ら。他にもMGADETH、VIOLENCE、SEPULTURA、TESTAMENTの名を影響源として挙げており、事実、そうしたバンドからの影響はアルバムの随所に息衝いています。
特に思わず血管が拡張する③④のカッコ良さは格別。目の粗い鑢で削ぎ卸すように刻まれるGリフ、巨大肉食獣が喉を鳴らしているかの如きB、そして猛烈な手数をもって立体的に荒れ狂うDsとが、突っ込み気味に畳み掛ける様には、このバンドの強みがくっきりと焼き付けられていますよ。
一筋縄では行かないヒネリを有しながら、野卑なVoとマッシヴなコーラスが体育会系のノリ易さも演出。「プログレ」とか「インテレクチュアル」的な複雑さ/難解さを殆ど意識させない、肉体派スラッシュな1枚。


CONDITION CRITICAL - Operational Hazard - Morning Sickness ★★★ (2014-06-14 00:37:36)

少々とっ散らかった印象もありますが、
緊迫感を伴って刻まれるGリフ、
煽りまくるVoとコーラス、
劇的に噴き出すGソロと、
前のめりな勢いがそれをカヴァーして余りあります。


CONTROL DENIED - The Fragile Art of Existence ★★★ (2022-06-27 23:22:44)

故チャック・シュルデナー(G)が「もっとオールドスクールなHMを追求したい」という己の欲求を解消するべく、DEATHとは別に立ち上げたバンドのデビュー作。’98年発表。
国内盤が出るものと思っていたのに、なぜか当時日本発売は見送られてしまい(チャック没後にボーナス・ディスクを加えた2枚組デラックス盤のリリースが実現)、もしや酷い内容なのか?メロパワ・メタルでも演っていたらどうしよう?いやでもそれはそれでスゲェ聴いてみたいか?等とグルグル考え込みつつ買い求めてみれば、スラッシーな猛進から、シートベルトが体にめり込むような急ハンドルに急制動、穏やかなクルーズ・モードから一転して再びアクセルを床まで踏み抜いての急加速…と、これがもし路上だったら一発アウトを食らうであろう危険運転っぷりで聴き手を振り回す、例えるならDEATHの最終作『THE SOUND OF PERSEVERANCE』を歌えるシンガーで録り直したようなスタイルのインテレクチュアルなHMアルバムに仕上がっていて、「流石!」と胸を撫で下ろした次第。
そもそも参加面子からして後期DEATHのメンバーがほぼそのままスライドし、そこに専任シンガーが加わっているだけなので、当然ちゃあ当然の成り行き。まぁ、なればこそチャックの狂えるシャウト不在が物足りなく感じられる場面もあるわけですが、彼のGは全編でテクニカルに狂い咲いてくれていますし、新Voだって金属質なハイピッチ・スクリームを駆使して歌いまくる実力者。
大きな可能性を感じさせてくれる1枚だっただけに、チャックの急逝により、これきりでその可能性が断ち切られてしまったことが残念でなりませんよ。


CORONER - Mental Vortex ★★ (2006-12-16 00:04:00)

スイスの技巧派スラッシュ・メタル・トリオ、'91年発表の4thアルバム。
神経質なまでにリフ/リズム・チェンジを繰り返す、複雑怪奇な曲展開がストレートに整理整頓されているのが
本作の大きな特徴で、それゆえ、発表当時は「地味」「大人しくなってしまった」との評価を受けたが
(実際それは当たってる)、個人的には、この「聴き易さ」を支持したい。
派手な展開が抑えられ、アコギの効果的な導入等で「静」の表現力に磨きが掛けられたことで、
このバンドが持つメロディ・センスの良さが浮かび上がって来たし、何より、これまでどうにも取っ付き難い
印象の強かった楽曲に、キャッチーさが備わった点が大きい。
その最大の成果が、アルバムの幕開けを飾る7分に及ぶ大作①。スラッシーな疾走感と叙情的な
インスト・パートの対比も絶妙なドラマチックな名曲。また、疾走するGソロがパワー・メタル的な
カッコ良さを演出する⑥、BEATLESの名曲の独創的なカヴァー⑧といった楽曲も素晴しい。
その一方で、殆ど印象に残らない地味な曲が幾つか収録されてるのも事実なので、とてもCORONERの
最高傑作と呼べるような作品ではないのだけど(バンドの本質が表れてる作品というわけでもないし)、
個人的には彼らの全アルバム中、最もお気に入りの1枚だったりする。


CORONER - Mental Vortex - Divine Step (Conspectu Mortis) ★★ (2007-01-24 21:34:23)

難解さが薄れ、即効性の高い楽曲が揃った
『MENTAL VORTEX』というアルバムの魅力を
分かり易く伝える名曲。静と動の対比が美しい。


CORONER - No More Color ★★★ (2017-11-15 23:32:47)

スイスの技巧派トリオが'89年に発表し、リアル・タイムで初めて聴いた彼らの作品となった3rdアルバム。ちなみにCORONER作品ジャケットに毎回印刷されている黒塗り模様は、日本盤の「帯」にインスパイアされたデザインなのだというプチトリビア。
ジャズの素養を持ち、トリッキーなリフを刻む一方でネオ・クラシカルなメロディも流麗に紡ぐG、変拍子と起伏だらけの曲展開を一部の隙もなく支え、実はリード楽器の役割を果たしているDs、そのGとDs両方に寄り添い変幻自在に動き回るBと、当時最上クラスの技量を誇る楽器陣が、さながら暴風の如く猛威を振るうインテレクチュアル・スラッシュ・メタルに、聴き手はただただ濁流に飲まれた木の葉のように翻弄されるのみ。
スラッシーなアグレッション以上に、研ぎ澄まされたメンバー間のテクニカルな応酬にサウンドの焦点が絞られた今作は、発表時は「テクニカル・メタル方面に突き抜けたCELTIC FROST」とも、「スイスのWATCHTOWER」とも評されましたが、今聴き直すと、複雑精緻に編まれたアンサンブルの中で欧州的ダークネスと耽美性を宿したメロディ・センスが鮮烈に息衝く様からは、DEATHの名作『INDIVIDUAL THOUGHT PATTERNS』に通じる激と情のドラマが感じられたり。特に全楽器が爆発的に疾走した瞬間アドレナリンが噴出する③、劇的なイントロだけでその名曲っぷりを確信させられる④はアルバムの白眉。
物凄い音数が詰め込まれ/荒れ狂うサウンドはお世辞にもキャッチーとは言い難いものの、孤高のインテレクチュアル・スラッシュ・メタル・スタイルが極まったCORONERの代表作として、間違いなく一聴の価値がある名盤ではないかと。


CORONER - No More Color - D.O.A. ★★★ (2017-11-16 23:45:14)

イントロだけで三ツ星級の名曲であることを確信。
奇想天外且つ流麗なリフとメロディ、
変拍子山盛りのリズムが嵐の如く吹き荒ぶ、
CORONERの個性爆発な名曲。
安易に大作にせず、タイトに5分以内にランニング・タイムを
まとめるセンスも買い。


CORONER - Punishment for Decadence ★★★ (2017-11-13 23:02:11)

オーギュスト・ロダンの代表作『地獄の門』(の一部)がアートワークにあしらわれている、スイスのスラッシュ・メタル・トリオ、’88年発表の2ndアルバム。
高度な演奏技術が狂い咲く、複雑精緻な構築美を有するサウンドはMEGADETHやWATCHTOWER等に通じるインテレクチュアル・スラッシュ(当時はテクノ・スラッシュとも)で括られるスタイルながら、そこに師匠筋であるCELTIC FROSTから受け継いだ禍々しい暗黒色のトーンと、欧州HM流の美意識に裏打ちされた抒情メロディが組み合わさることで、他に類を見ないCORONER独自の音楽性が屹立。
Voの不在を埋めるようにGが歌いまくるネオクラ路線のインスト曲④、爆発を繰り返しながら終局へ向かって昇り詰めていく⑤、メロディック・ブラック・メタルを先取りしてしまったような⑧、ジミヘンの代表曲“紫の煙”をCORONER流にカヴァーしてみせた⑩…といった優れた楽曲の数々が並ぶ本編は、次作『NO MORE~』で頂点に達する(そして4th『MENTAL VORTEX』以降は逆に抑え気味になっていく)テクニック至上主義と、ユーロ・スラッシュならではのダークネスや攻撃性が、グッとくる適切なバランスで組み上げられています。安易に大作主義に走らず、楽曲をタイトにまとめ上げる姿勢も好印象ですよ。
スラッシュ・メタル愛好家にはまず本作をお薦めしたい次第。…というか、本作と次作がカップリング仕様のお得な日本盤を買うのが最良の道ですわな。
マイケル・アモットがCORONERの存在にインスパイアされたことを公言しているのは納得ですし、最近のバンドならVEKTORとかも彼らの存在抜きには語れませんよねと。


CORONER - Punishment for Decadence - Arc-Lite ★★★ (2017-11-14 23:05:40)

ネオクラシカルなGと、前へ前へと出て来るドラムが
火花バチバチの主導権争いを繰り広げながら
スリリングに突き進む様にグイグイ引き込まれます。
その両者の接着剤的役割を果たすBもテクニシャン。
歌の不在がまったく気にならないインストの名曲ですね。


COSMOS FACTORY (2019-01-10 00:03:02)

60年代末期からKey奏者の泉つとむを中心にザ・サイレンサーとして
活動していたバンドが、立川直樹のプロデュースを受けてCOSMOS FACTORYと名を改め
'73年に1st『トランシルヴァニアの古城』でレコード・デビュー。
HUMBLE PIEやTHE MOODY BLUESの来日公演の前座を務める傍ら、
'74年に2nd『謎のコスモス号』、'76年に3rd『BLACK HOLE』を発表。
'77年の4th『嵐の乱反射』を最後に解散。


COSMOS FACTORY - An Old Castle of Transylvania ★★★ (2019-01-10 00:06:01)

60年代末期に結成され、日本のプログレッシブ・ロック・シーン黎明期を駆け抜けた5人組が、’73年にコロムビア・レコードから発表した1stアルバム。
遡ると元々はGSグループとして活動していたそうで、そのせいか歌詞は全て日本語。ファルセットを用いたVoの歌唱スタイルや、歌メロからは歌謡曲テイストが色濃く滲み、「日本語ロック論争」かまびすしい70年代当時はそうしたドメスティックな要素が批判の俎上に乗せられたりもしたそうな。但し、後追いリスナー的には「寧ろそこがいいんじゃない!」と。ムーグ・シンセサイザー、メロトロン、バイオリンというプログレ三種の神器に琴まで加え、時にメランコリックに、時に壮大に紡がれるシンフォニックなサウンドには、欧米のバンドにだって引けを取らないミュージシャン・シップ/楽曲構築力の高さと共に、日本のバンドならではの木目細かいメロディ・センスが注入されていて、こちとら本作のそうした部分にこそ惹かれた次第。
ヘヴィにして悲壮な②や、和のテイスト薫る③等、本編前半に並ぶ楽曲もいちいちこっちの琴線に触れてきますが、圧巻はやはりLPでいうところのB面を占める、全4部構成、収録時間20分に迫る一大組曲“トランシルヴァニアの古城”の存在。Gとメロトロンが重厚に咽び泣く、オカルティックなヘヴィネスと哀切なメロディに彩られたこの名曲には、KING CRIMSONのアバンギャルドな部分を薄め、その代わりに哀愁のメロディを大幅増量したかのようなCOSMOS FACTORYというバンドの魅力が凝縮されていますよ。
評価が割れているバンドだそうですが、個人的には断然「賛」に一票を投じたいところです。


COZY MURAKAMI PROJECT (2013-07-15 10:11:14)

BLINDMANにも籍を置いていた村上克敏(Ds)ことコージー村上が、'98年4月に交通事故により急逝した不世出のドラマー、コージー・パウエルに捧げるべく立ち上げたトリビュート・プロジェクト。
アルバム『SOUL BOUND』は、コージーの6回忌に併せて'04年4月にリリースされた。
参加メンバーはANTHEMの柴田直人、MARINOの大谷令文、MAKE-UPの山田信夫ら多士済々。
収録楽曲はコージーがドラム・スティック片手に渡り歩いた代表的バンド(RAINBOW、WHITESNAKE、BLACK SABBATH、M.S.G.、EL&P、JEFF BECK GROUP)やソロ作からピックアップされている。


COZY MURAKAMI PROJECT - SOUL BOUND -DEDICATED TO COZY POWELL- ★★★ (2013-07-16 07:38:35)

『OCTPUS』風のフロント・カバー/腕組ポーズの裏ジャケ、ドラムセットの再現具合から、本作の主役たるコージー村上のドラム・プレイに至るまで、どこを切っても「コージー・パウエル愛」が溢れ出すトリビュート・アルバム。
ツボを押さえた選曲も秀逸で、例えばRAINBOWでは定番曲を敢えて外し“LADY OF THE LAKE”や“DANGER ZONE”といった隠れた名曲をカヴァーしている辺りが、流石「マニア目線で作ったアルバム」と嬉しくなりますね。まぁ、どうせWHITESNAKEを演るなら“SLIDE IT IN”よりも“SLOW AN' EASY”とかが聴いてみたかった・・・とか思いますが。
リスペクトが長じて生み出された作品ゆえ、基本的に楽曲は完コピが大前提。そのためコージー御大に特に関心がない場合には「単なるカラオケ大会」に映りかねないのですが、逆にコージー及び参加ミュージシャン勢に思い入れがある人なら、コージー村上のドラミングを筆頭に、下山武徳のロニー、高谷学のデヴィカバ、井上貴史のトニー・マーティン、島紀史のリッチー、足立裕二のシェンカー、和嶋慎治のトニー・アイオミ、日下部正則のゲイリー・ムーアetc・・・と、参加各人の入魂のなりきりプレイに顔が綻ぶこと請け合いですよ。
作品の性格上、続編を出すのは難しいかもしれませんが、ならいっそのことHR/HMの名曲の数々をコージー風に叩いて『地上最強の渡り鳥/コージー・パウエルもし戦わば』的な企画盤を作ってみるってのは如何でしょう。だめか。


COZY MURAKAMI PROJECT - SOUL BOUND -DEDICATED TO COZY POWELL- - THE LAW MAKER ★★★ (2013-07-19 22:45:12)

Vo良し、Gのリフ&ソロ良し、Bのフレーズ良し、Ds完璧と、
Wトニー&コージー・パウエル時代のBLACK SABBATHの
一つの最高到達地点とでも言うべき名曲なのですが、
日本のアーティストぐらいしかカヴァーしない現状が
悲しいですね。ドラムを壊さんばかりの勢いを感じさせる
コージー村上のドラミングは元より、井上貴史のVo、
BLACK SABBATHマニアっぷりを感じさせる和泉慎治(G)と
鈴木研一(B)の人間椅子コンビの仕事ぶりも◎。


COZY POWELL - Tilt - Sunset ★★★ (2006-04-02 16:49:52)

バリバリのハード・ロック・チューンは勿論のこと、
こういうバラード・チューンにおいても味わい深いプレイを披露するコージー・・・。
まさに唯一無二の存在でした。


CRACK JAW - Branded ★★ (2017-08-11 09:20:21)

SPV/STEAMHAMMER RECORDSとアルバム3枚分の契約を交わし、'85年に名盤『NIGHTOUT』でデビューを飾った西ドイツ・フランクフルト出身の5人組の2ndアルバム。…になる筈が、レーベルとの関係が拗れたことでリリースはご破算。やる気を失ったバンドも解散してしまったためそのままお蔵入りの憂き目に遭った不遇な1枚が、’16年に初お目見え。正式発売に際しては、リマスター音源、再結成後にレコーディングされた新曲(これがなかなかの出来栄えで良い感じ)等の大量ボーナス・トラックに加えて、更にはブックレットにはバンド・ヒストリーから詳細な各曲解説まで収録。如何にもドイツ人らしい几帳面な仕事ぶりが発揮された本作の仕様からも、バンド側の本作のリリースが叶ったことに対する喜びの程が伝わって来るかのようです。
音の方は、1stのスタイルを順当に引き継いだ哀愁のヨーロピアンHR。プロダクションの冴えなさはお蔵入り音源ゆえ目を瞑るとして、“STRUCK BY THUNDER”のようなインパクトあるスピード・ナンバーの名曲が見当たらず、全体的にミッド・テンポの楽曲中心にまとめられた「歌重視」の作風には若干の物足りなさを覚えなくもないという。
それでも、イントロから2本のGが泣きまくるドラマティックな②、重厚に突き進むアルバム表題曲③、キレのある疾走ナンバー⑥、泣きに満ちたバラード⑨、哀メロがキャッチーに躍動する⑩等、きっちりと耳を捉えるハイクオリティな楽曲の数々が収められている辺りは流石。このバンドのポテンシャルの高さは侮れません。「リリースしてくれてありがとう!」と、思わずメンバーに駆け寄って握手を求めたくなる1枚でしたよ。


CRACK JAW - NIGHTOUT ★★★ (2016-03-12 20:54:04)

幼馴染のメンバー達により、西ドイツ・フランクフルトにおいて結成された5人組が、STEAMHAMMER/SPV RECORDSに残した'85年発表の唯一作。
名前は知ってても、CD化されるまで実際に音を聴いたことはなかったのですが、再発を期に購入してみたら、時に切れ味鋭く、時にメロディアスに切り込んで来る2本のGを武器に、溌剌と躍動するHMサウンドが、もう度肝抜かれるカッコ良さ。特に疾走ナンバー②⑤⑧と、荒ぶるツインGが鮮烈且つ劇的に駆け巡る「これぞメタル!」な名曲のツボの押さえっぷりはお見事。聴いてて思わず変な声が出ちゃいましたよ。うひょう!
レコード会社から押し付けられたという、シャレオツなスカイライン・ジャケットが「俺たちAORバンドじゃなくてHMバンドなのに…」とメンバー的には大層不満だったそうで、確かに押し出しの強さには欠けますが、個人的には結構好きですよ、このジャケ。独産メタルらしい質実剛健さを誇示する一方、ポップ・センスが冴える③や、爽やかでキャッチーな④、プログレ・タッチの⑨のようなタイプの楽曲もサラリとこなせる、速球だけでなく変化球もイケるこのバンドのスマートな個性を、案外的確に捉えてくれているのではないかと。
気になる点と言えば、1曲目の印象の薄さとVoのパワー不足ぐらいで、それだってここまで作品自体の質が高ければ愛嬌みたいなもんですよ。当時日本盤がリリースされてたら間違いなく話題を攫ったであろうと確信する1枚。


CRACK JAW - NIGHTOUT - Never Tell No Lie ★★★ (2016-03-15 00:17:02)

オラオラ状態で刻まれる攻撃的なGリフに
メタル魂が燃え上がる逸品。
2分辺りでのリフ/リズム・チェンジ後
更にカッコ良さのギアが一段上がる曲展開が素晴らしい。
このバンドは本当ツインGの用い方が巧みやでぇ。


CRACK JAW - NIGHTOUT - Nightout ★★★ (2016-03-13 21:35:38)

挑みかかるようなGリフと曲調が
いかにもジャーマン・メタルな勇壮さを漂わしますが
この曲の本領が発揮されるのはインスト・パートに突入後。
あまりに劇的に疾走するツインGのインパクトに、
初めて聴いた時は思わず「こう来たか!」と声が出てしまいましたよ。


CRACK JAW - NIGHTOUT - STRUCK BY THUNDER ★★★ (2016-03-13 21:47:50)

初めて耳にした時は「これだからメタルの名曲探しはやめられない!」
と思わせられた逸品ですよ。Voにもうちょいパワーがあれば
“THUNDERSTEEL”級の評価を得られたんじゃないかと思うのですが、
シャープに疾走するリフ&リズムの上で2本のGが華麗に乱舞する
突き抜けたカッコ良さを前にすると、多少の文句は雲散霧消してしまいます。


CRAIG GOLDY - Hidden in Plain Sight ★★ (2017-07-24 23:20:15)

DIO脱退後のキャリアが今一つパッとしないクレイグ・ゴールディが、CRAIG GOLDY’S RITUAL名義で’90年にGRAND SLAM RECORDSから発表した作品。
まず、売れないSF漫画家の没イラストをリサイクルしたみたいな駄目ジャケで1ストライク(読めそうで読めない日本語にイラッ/笑)。書く内容について苦慮を感じさせるゴッドの歯切れの悪い国内盤解説で2ストライク。そしてA面にGIUFFRIA時代の僚友デヴィッド・グレン・エイズレー(Vo)と共作した音源を収録し、B面にはバンド形式(Voはマイク・ストーンが担当)でレコーディングされた楽曲が並ぶという、変則的な…ぶっちゃけ「寄せ集め音源集」とも言える構成で、3ストライク!バッター・アウト!となる1枚。
そんなわけで聴き始めの期待値は限りなくゼロに等しかったのですが、聴き終えてみるといやいやどうして。アメリカンな埃っぽさとも、欧州風味の湿っぽさとも異なる、都会的なクールネスを漂わすベタつかないHMサウンドに、「あれ、これ案外悪くないかも?」と。
トリッキーなGリフが刻まれるOPナンバー①の時点で早くも「おっ」と思わせてくれますし、デヴィッドの熱唱が光る哀愁のバラード⑤、Keyも効いたメロディアスなミッド・チューン⑧、これまた独特なGワークとメロディが耳に残る⑪といった楽曲は、モダンなセンスに裏打ちされたクレイグのGプレイが映える秀逸な仕上がりと言えましょうや。
ただ全体的に地味な感は否めないというか。クレイグ・ゴールディというギタリストがそうであったように、彼の演りたいことや、「この人と言えばコレ!」みたいな強烈なカラーがイマイチ伝わって来ない作品なんですよね…。ファンの方には申し訳ないのですが。


CRAIG GOLDY - Hidden in Plain Sight - Eye for An Eye ★★ (2017-07-25 23:06:20)

跳ねるリズムに乗ってトリッキーに躍動する
クレイグ・ゴールディのフラッシーなGプレイが聴きモノ。
都会的なクールネスを湛えたデヴィッドの歌メロも良い感じですよ。


CRAIG GOLDY - Hidden in Plain Sight - Forever More ★★★ (2017-07-25 23:13:45)

哀愁を帯びた曲調と、それをドラマティックに盛り上げる
デヴィッドの情熱的な歌唱に胸揺さぶられる名バラード。
楽曲に寄り添った、クレイグの歌心を感じさせるGソロも素晴らしい。


CRASH(KOREA) - Endless Supply of Pain ★★ (2012-06-24 07:58:12)

サッカー・ワールドカップの日韓共催辺りを契機として、現在では韓流ファンのマダムからネット愛国者の若人まで、幅広い層から(良い意味でも悪い意味でも)関心を集めている韓国ですが、CRASHがデビューを飾った'93年頃の彼の国に対する自分の知識と言えば、ソウル・オリンピックの開催地で、キム・ヨンジャやケイ・ウンスクの出身国であるということぐらいのものでした。(しょうもなさ過ぎる)
そんなわけで、個人的に初めて購入した韓国産HMバンドの作品でもあった本作は、DEEP PURPLEの代表曲“SMOKE AND THE WATER”のユニークなカヴァーの存在が話題になりましたが、SEPULTURAがMETALLICA風の楽曲を演奏しているような(?)オリジナルのスラッシュ・ソングの数々もなかなかに良く出来ています。
プロデューサーにコリン・リチャードソンが招聘されているだけあって音作りにはデス・メタリックなヘヴィネスが横溢していますが、当時の韓国の辺境ぶり(HR/HM的に)が良い方に作用したのか、同時期に猛威を振るっていたグランジ/オルタナ・ミュージックからの影響は最小限に抑えられ、全編に亘ってオールドスクールなスラッシュ・メタル・サウンドが展開されているのが嬉しいところ。
迫力に欠けるドラムの鳴り具合や怒号Vo等、物足りなさを感じる場面も少なからずあるのですが、それを帳消しにしてくれるのが、琴線に触れる泣きのメロディ、正統派へヴィ・メタリックなGソロを紡ぐヨーン・ドゥ・ビュン(G)の存在。①④⑦⑩といった楽曲は、彼のGプレイと、(バンドのリーダーである)アン・ヒュン・チャン(Vo、B)のクリエイトする楽曲の完成度の高さとが組み合わさった強力な名曲と言えます。


CRASH(KOREA) - Endless Supply of Pain - Pentalty ★★★ (2012-06-24 22:16:49)

アルバムの中では比較的ストレートなノリが
押し出されたスラッシュ・ナンバー。
琴線に触れる泣きを湛えたソロを紡ぐ
ヨーン・ドゥ・ビュンのGプレイに痺れまくりです。


CRASH(KOREA) - Endless Supply of Pain - Scream ★★★ (2012-06-24 22:14:05)

咆哮型のVoに重苦しいプロダクション等、
リリース当時、初めて聴いた時は
「ん?デス・メタル?スラッシュ・メタル?」と
思ったものですが、今聴くと完全にスラッシュですね。
但し、ストレートな疾走感より展開重視の曲調は
いかにも90年代のバンド的。


CRASH(KOREA) - Endless Supply of Pain - Smoke on the Water ★★ (2012-06-24 22:20:09)

言わずと知れたDEEP PURPLEの超有名曲のカヴァー。
(そういえば、この曲目当てでアルバムを購入したんでした)
原曲は非常にシンプルだが、ここではこのバンドらしく
起伏の激しい曲展開とアレンジが加えれていて面白い。


CRASH(KOREA) - Experimental State of Fear ★★ (2012-06-26 07:19:29)

三度コリン・リチャードソンとタッグを組んで制作、'97年に発表された3rdアルバム。
前2作において正統派ヘヴィ・メタリックなGプレイを披露して、アルバムのクオリティ向上に大きく貢献してきたオリジナル・メンバーのヨーン・ドゥ・ビュン(G)が脱退、新たに2人の新Gを加えた4人編成でレコーディングが行われている本作だが、随一のメタルヘッドであった(推測)ヨーンが去り、バンド側が持ち前の実験精神を更にスパークさせた結果、今回も辛うじてスラッシュ・メタルのフィールドに留まってはいるものの、全体としては演奏からアレンジまで、ヘヴィ・ロック、ハードコア、インダストリアル・サウンド・テイストが色濃く匂い立つラウド・メタル・アルバムの如き様相を呈している。
ところが、本作が流行に擦り寄った駄作かと言えば、これはこれで十二分にカッコイイのだから興味深い。無論、Gプレイに関してはやはり物足りなさを感じざるを得ないわけですが、アン・ヒュン・チャン(Vo、B)の曲作りの才が発揮されたクールなGリフに激烈なリズム、そして迫力を増したハードコアなVoとが、怒気を撒き散らかしながら突進する楽曲は威圧感満点。詰め込みが過ぎて後半にダレを生じさせていた前作に比べ、今回は総収録時間が30分台とタイトに絞り込まれているのも、アルバムの印象向上に大きく寄与しているように思う次第。
ただ、やはり個人的にはこのレベルが許容範囲ギリギリのラインで、更に向こう側へ歩みを進めてしまった次作『TERMINAL DREAM FLOW』は、2、3度試し聴きしてはみたものの、ちょっと俺には敷居が高過ぎる作風でしたね。(5th『MASSIVE CRASH』は未聴)


CRASH(KOREA) - Experimental State of Fear - Breathe/suffer ★★ (2012-06-27 21:11:59)

怒号Voと破壊的に刻まれるリフ&リズムが
図太く押し出してくるOPナンバー。
疾走曲ではあるものの、スラッシュ的な
爽快さよりも重く澱んだ怒気の方が印象に残る。
印象的なユニゾン・プレイを聴かせてくれる
2本のGが良い仕事してます。


CRASH(KOREA) - Experimental State of Fear - Machinery ★★ (2012-06-27 21:14:46)

スラッシュ/パワー・メタリックなGリフの
カッコ良さにかけては3rdアルバムの中でも指折り。
流行の要素が増量されても、アン・ヒュン・チャンの
曲作りのセンスには鈍りがないことを確認させてくれる
疾走ナンバー。


CRASH(KOREA) - The Paragon of Animals ★★★ (2012-06-26 23:31:48)

シンセサイザー奏者を加入させてインダストリアル・サウンドへ傾倒する等、アルバムを重ねる毎に実験精神を強めていたCRASHが、7年の沈黙の間に自分達の原点を見つめ直し、久々にスラッシュ・メタル魂全開で作り上げた'12年発表の6thアルバム。(シンセ奏者は脱退済み)
デビュー当時より一貫して、このバンドの重要な個性として不可分のデジタリィな味付けは必要最小限に抑えられ、代わって全面に押し出されているのは素手で顔面を殴りつけるような、1stアルバム以来・・・というか、1stアルバム以上にオールドスクールな作法に則ったスラッシュ・サウンド。(バンド自身が手掛けている、粘着感や重苦しさを減じた乾いた音作りもスラッシュ感を底上げ)
更にそれを援護射撃するのが、バンドへの出戻りを果たしたヨーン・ドゥ・ビュンのGプレイ。やはりこの人のメロディ・センスは冴えています。特に、クリーンVoによるコーラス・パートを導入しつつOUTRAGEばりの破壊力が炸裂する①、CRASH流バラードと言えそうなメランコリックで劇的な⑤、そして激烈なラスト・ナンバー⑪は、楽曲自体のカッコ良さに流麗なGプレイが華を添える本編屈指の名曲。
CRASHの最高傑作として、バンド入門編にもお薦めできる力作と言えるのではないでしょうか。


CRASH(KOREA) - The Paragon of Animals - Cold Blooded ★★★ (2012-06-27 21:48:17)

バラードと表現して差し支えなさそうな
男前な哀愁を湛えたヘヴィ・ナンバー。
エモーショナルなGの上手さは今更言うに及ばず、
アン・ヒュン・チャンのシンガーとしての
成長振りにも瞠目させられます。


CRASH(KOREA) - The Paragon of Animals - Crashday ★★★ (2012-06-27 21:19:13)

プレ・コーラス部分でクリーンvoが導入されていますが、
レギュラー・チューニング/乾いた音色で刻まれる
Gリフに畳み掛けるように疾走するリズムといい、
猛烈に「スラッシュ・メタル」している6thアルバムの
OPナンバーにしてハイライト・ソング。
ある意味、バンドのテーマ・ソングと言えなくもないような?
ヨーン・ドゥ・ビュン(G)も復帰早々に印象的なフレーズを連発。
やっぱり素晴しいGですよ、この人。


CRASH(KOREA) - The Paragon of Animals - Ruination Effect ★★★ (2012-06-27 21:45:37)

OPナンバー“CRASHDAY”に続いて
この名曲がスタートした瞬間、
アルバムに対する期待が確信に変わりましたね。
印象的なツインGハーモニーから、ヨーン・ドゥ・ビュンお得意の
泣きの入ったGソロを経て、劇的に盛り上がっていく
終盤の展開が熱い。


CRASH(KOREA) - To Be Or Not to Be ★★ (2012-06-25 22:49:23)

再びプロデューサーにコリン・リチャードソンを起用してレコーディング作業を行い、'95年に発表された2ndアルバム。(タイトルは『ハムレット』の名台詞?)
「ドメスティックな要素を殆ど感じさせない、疾走感より展開重視のスラッシュ・メタル」という基本的な音楽性はデビュー作同様ですが、最終ミキシングがデス・メタルの聖地として有名なフロリダのMORI SOUNDスタジオで行われているだけあって、デス・メタリックなヘヴィネスがコレまで以上に拡充。また、スラッシーに畳み掛けるような疾走感よりも図太いグルーヴがクローズアップされる等、当時のHR/HMシーンを席巻していた所謂「モダン・ヘヴィネス」からの影響がじわりじわりと滲み出し始めているのも本作の特徴か。
そんな本編をグッとオールドスクール方向に引き戻してくれているのが、収録各曲において湿度高めのメロディを豊かに紡ぎ出すヨーン・ドゥ・ビュンのGプレイ。特に⑤⑥辺りで聴かせてくれるアジアン・ビューティー(?)な泣きを感じさせるGソロはかなり涙腺に来るものがありました。
実験的要素が増量されるアルバム後半には今ひとつテンションが上がらないのですが、①~⑥の流れだけでCD代の元は十分に回収できるクオリティが備わっているのではないでしょうか。(今なら中古盤も格安ですしね)


CRASH(KOREA) - To Be Or Not to Be - Hate Breed ★★ (2012-06-25 22:48:33)

これまた聴き所はヨーン・ドゥ・ビュンのGソロ。
基本バタ臭いサウンドが持ち味のこのバンドですが、
メロディ・センスからはアジア的な情緒が
確かに感じられます。


CRASH(KOREA) - To Be Or Not to Be - Shadows of Isolation ★★ (2012-06-25 22:46:41)

疾走パートもありますが、それ以上に重たげな空気が勝っていて
スラッシュ的な爽快感は然程でもないのですが、
この曲のハイライトはグッと泣きの入ったGソロで決まり。
アグレッシブな曲調と良い具合なコントラストを描いています。


CRASHDIET - Rest in Sleaze - Riot in Everyone ★★★ (2015-01-13 22:59:04)

来日公演で披露され、イントロから客が沸いてましたね。
自分のようなCRASHDIET?ロックンロールバンドでしょ?ってな
門外漢(更に言うとCRAZY LIXXとごっちゃになってる)の耳すら
一発で捉える、哀愁を帯びて駆け抜けていく曲調からキャッチーな
サビメロまで、強力なフックだらけの名曲であります。


CREYE - Creye ★★★ (2023-05-19 01:02:35)

CREYEは、スウェーデンのHRバンドGRAND SLAMのメンバーだったアンドレアス・グルストランド(G)により、当初スタジオ・プロジェクトとして結成。挨拶代わりにリリースしたシングル『NEVER TOO LATE』が評判を呼んだことから、正式にバンドへと昇格を果たした後、FRONTIERS RECORDSと契約を交わして’18年に発表した1stアルバムがこれ。Voを担当しているのが、ジム・ジッドヘッド(ALIEN)のご子息ロビン・ジッドヘッドであることでも注目を集めましたね。
バンマス役をKeyが担っているので、聴き手によっては「軽過ぎる」と感じるやもしれませんが、いかにも北欧産な涼しげな哀愁を宿したメロディ、出しゃばることなく的確に楽曲を盛り立てるアンドレアスのGとに彩られたキャッチーなハードポップ・サウンドは、それを押しても十分に魅力的。ロビン・ジッドヘッドも父親譲りの美声を生かした伸びやかな歌唱をもってクオリティアップに貢献してくれています。
念願のアルバム・デビューに当たり、より強力な楽曲を揃えるべくバンド外部から協力を仰ぐことに躊躇はなかったようで、収録曲のクレジットにはレーベルの伝手で参集した腕利きソングライター達の名前がズラリ。中でもCODE REDのソレン・クロンクヴィストとPALACEのマイケル・パレス共作の⑦は、この座組に高まる期待を裏切らない透明感溢れる名曲です。勿論、助っ人に頼り切りということもなく、⑪のような逸品を単独で書き上げてしまうアンドレアスの作曲能力も大いに評価されて然るべきですよ。
デビュー作にして早くも(良い意味で)ベテラン・バンドばりの安定感すら漂う力作。