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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1201-1300

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1201-1300
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CREYE - Creye - Christina ★★★ (2023-05-23 21:44:20)

80年代だったらヒットチャートを賑わせてたって不思議ではない
ダンサンブルでキャッチーなハードポップ・チューン。
ソレン・クロンクヴィストとマイケル・パレスの共作曲というのも
納得のクオリティですよ。


CRIMINAL - Victimized ★★ (2006-06-10 09:16:00)

リフが図太くうねるへヴィ・パートは、如何にも90年代のバンド的だが、
スピード・パートにおける小気味良い疾走感は、直球ド真ん中でスラッシュ・メタルしてくれていて嬉しくなる。
へヴィ・パートにしても、南米のバンドならでは(?)の強靭なしなやかさを感じさせるグルーヴが心地よく、
意外に退屈しない。個性的なソロを聴かせるGも○。
「傑作!」と断言するには、そのGソロも含めて、楽曲の練り具合とサウンド・プロダクションの詰めの甘さ、
特に単調なVoパフォーマンスは大いに改善の余地アリなれど、作品全体から迸る前のめりな熱気と勢いは「買い」。


CRIMSON GLORY - Astronomica ★★★ (2018-07-30 23:16:14)

仮面装備のミステリアスな出で立ち、ミッドナイト(Vo)の超音波ハイトーンと劇的に踊るツインGをフィーチュアした高品質な正統派HMサウンドで話題を攫ったCRIMSON GLORYが再結成を果たし、ミレニアム目前の'99年に発表した復活作。
ブルージーなエッセンスを持ち込んで当時のHR/HMシーンの流行にいっちょ噛みを目論んだ3rd『STRANGE & BEAUTIFUL』(’91年)はファンの失望を買い、急転落の要因ともなりましたが、本作では荘厳なインスト序曲①からダークな緊迫感を湛えた②へと繋ぐ冒頭の構成から早々と宣言している通り、自らの個性とファンの期待を的確に踏まえたドラマティックな正統派HM路線を堂々展開。Bの存在を強調した音作りとか、1stや2ndの頃に比べるとへヴィネスが増量された楽曲とか、90年代然とした要素も散見されるものの、ツインGがハモリながら突き進む重厚な③、エキゾチックな雰囲気漂わす④⑥、重々しく哀切に満ちた⑤、エレアコをフィーチュアした抒情バラード⑧、劇的にクライマックスを締め括る⑩等、流行に飲み込まれるのではなく、逆に流行を飲み込んで血肉へと変えることで新たな魅力に開眼したサウンドは、前作の失敗を繰り返してはいません。引退してしまったミッドナイト('09年に病死)の跡を継ぐ二代目Vo、ウェイド・ブラックの実力も確かで、前任者に比べると声質がやや野太い感じなれど、荒々しさを増した楽曲にはぴったりフィット。高低差の激しい歌唱を以て本編の劇的さを際立てることに貢献しています。
1曲ぐらい疾走ナンバーがあっても良かった気がしますが、まぁ考えてみりゃ、元々スピードを売りにするバンドではありませんでしたよねと。力作。


CRIMSON GLORY - Astronomica - Astronomica ★★★ (2018-08-01 00:43:49)

ヘヴィネスを湛えてうねる曲調とブンブン唸りを上げるBが
いかにも90年代の作品といった趣きのアルバム表題曲。
それでいてメロディックに絡み劇的にハモるツインGは
CRIMSON GLORYならではの個性を主張していて、
何より喉よ裂けよとばかりに歌いまくるハイトーンVoの
壮絶な歌いっぷりに圧倒されてしまいます。


CRIMSON GLORY - Astronomica - War of the Worlds ★★★ (2018-08-01 00:35:11)

戦時中の演説や放送をコラージュした劇的な序曲“MARCH TO GLORY”から
繋がる形でアルバムの開幕を宣言する重厚且つアグレッシブなOPナンバー。
ウェイド・ブラックの荒々しいハイトーンVoとヘヴィネス漲る曲調と合わせて
モダンな印象も強いですが、ツインGが緊迫感を湛えて奏でるメロディには、
しっかりとこのバンド独自のドラマ性が宿っています。
新生CRIMSON GLORYの門出を祝う名曲。


CRIMSON GLORY - Crimson Glory ★★★ (2013-12-30 01:28:44)

仮面の忍者・・・ならぬ仮面のバンドとして話題を集め、'86年の発表当時、BURRN!!誌のレビューにおいて伊藤政則氏が97点を献上したことでも語り草となったCRIMSON GLORYのデビュー作。
今は亡きミッドナイト(ことマーク・オーメンズ)の天を突いて伸びていく超音波ハイトーンVoと、光沢を放ちながら絡み合う2本のGを武器に、劇的に展開される、どこか気高さを漂わせた正統派HMサウンドは、『運命の翼』を発表した頃のJUDAS PRIESTから、欧州風味の湿り気を減じた代わりにメタリックな硬質感を増量したような趣き。
個人的には、少々表情に乏しいハイトーンVoと、似通ったテンポの楽曲が連続する構成とが相俟って、一気に通して聴くと「聴き疲れ」を覚えなくもない作品なので、作中において特にお気に入りの①③④⑦⑧といった楽曲を摘み食い的に愛聴させて頂いております。
また、よりメロディアスで強く叙情性を宿したこれらの楽曲におけるミッドナイトの歌声を耳にすれば、彼がハイトーンだけが武器の一発芸系シンガーとは一線を画する存在であることが良く分かるというもの。
今更ですが、惜しい人物を亡くしました。


CRIMSON GLORY - Transcendence ★★ (2015-01-13 23:20:10)

面積の縮んだ仮面や、シングルカットされた⑦のストレートなラブ・ソングっぷりに代表される、ファンタジー色が薄れ始めた歌詞が、次作における音楽性の変化を予感させた'88年発表の2ndアルバム。
・・・なんて知った風なことを書いてみましたが、それは「今にして思えば」という完全に後付レベルのお話。ミッドナイト(Vo)の天を突くハイトーンと、華麗に咲き乱れるツインGを軸に、ドラマティックに様式美HMサウンドが回転する本作を初めて聴いた時は、ただ単純に感心するばかりでしたよ。
歌唱力はともかく、歌メロのフックに乏しいミッドナイトのVoは、実のところ大好物とは言い難かったけれども、そこはそれ。劇的に曲展開を牽引する2本のGと、後に小野正利もソロ・アルバムでカヴァーした①や、本編の勢いを加速させる②、歌詞から曲調までエピカルな重厚感を湛えた⑤、シングル曲に相応しいメロディの秀逸さが際立つ⑦等、優れた収録曲の魅力でカバー。長岡秀星の手によるアートワーク(『スペース・ヴァンパイア』!)も印象的。
間違いなく、高評価を受けたデビュー作に匹敵する完成度を有する1枚でありました。


CRISIX (2015-02-02 21:43:40)

スペインの首都バルセロナを拠点に活動する5人組スラッシュ・メタル・バンド。
'08年、スラッシュ・メタルとコミックブックを愛する(『スポーン』『X-MEN』『ドラゴンボール』を題材に取り上げる歌詞から推察)メンバーらによって結成。元々はCRYSYSを名乗って活動をスタートするも、ゲーム会社CRYSISとの法的なトラブルを避けるために、今のバンド名へと改名。
'11年にKAIOWAS RECORDSから1st『THE MENACE』でデビュー。更に'13年に発表視した2nd『RISE・・・THEN REST』は日本の輸入盤市場でも好評を博した。


CRISIX - Against The Odds ★★ (2019-03-26 01:06:33)

過去3作がいずれもスラッシュ・メタル愛好家の間で好評を博し、確固たる支持基盤を築き上げてきたスペイン出身の5人組スラッシャー、’18年発表の4thアルバム。
勿体ぶった前置きなんぞいらねぇ!とばかりに、いきなりアクセル全開で走り出すOPナンバー①、間髪入れずにブッ込む②、ツインGの暴れっぷりが痛快な③というスピード・ナンバーが小気味良く叩きつけられる冒頭の流れは、本作が高純度なスラッシュ・メタル・アルバムであることの証左。一方で、重厚な④や、ドラマティックに盛り上げる⑨のようなタイプの楽曲も収録する等、これまでに比べ炸裂感を意識的に抑制した感じのサウンドからは、CRISIX作品で初めて「試行錯誤」の形跡がうっすらと顔を覗かせてもいるという。
とはいえ、だからダメなんてことはまるでなく。テンション高くわめき倒すVo、キレ味鋭いリフを間断なく打ち出す2本のG、ハキハキと突っ走るリズム、そしてテンポ良く嚙まされたギャング・コーラスを武器に畳み込んでくる収録楽曲一つ一つは、十二分なカッコ良さを担保しています。特に恒例の映画ネタ――今回は『エイリアン』を題材に取り上げて緊迫感を孕み突進する⑤と、“FREEZA THE TYRANT”に続く『ドラゴンボール』シリーズ第2弾、TVアニメの劇伴も用いてタイトル通り今度はベジータについて歌っている⑥(好戦的なだけでなくほんのり哀愁も漂わす辺り、しっかりキャラを掴んでいるなと)なんて、まさにCRISIX印の名曲ですよ。
スラッシャーの期待にきっちり応える力作であると同時に、次作辺りでぼちぼち冒険して来るかも?とそこはかとなく予感させられる1枚でもありました。


CRISIX - Against The Odds - Prince Of Saiyans ★★★ (2019-03-26 23:48:02)

前作収録の“FRIEZA THE TYRANT”に続き、CRISXの「ドラゴンボール」愛が炸裂した逸品。
「サイヤ人の王子」のタイトル通りベジータについて歌っており、
イントロでは劇中曲と台詞(但しスペイン語吹替)も引用。
まぁそれだけだったらネタ曲でしかないのですが、
感心するのは自分のような然して「ドラゴンボール」に思い入れのない人間にも
きっちりと響く格好いいスラッシュ・ソングに仕上げてくれている点ですよ。


CRISIX - Against The Odds - Xenomorph Blood ★★★ (2019-03-26 23:59:33)

タイトル(エイリアンの強酸性の血液の意)と歌詞からもお察しの通り、
映画『エイリアン』を題材に取ったスラッシュ・ナンバー。
スリリングに突っ走る曲調はテーマに相応しい(エイリアンに襲われているかの如き)
切迫感を孕んでいます。個人的にはアルバムのハイライト・ナンバー。


CRISIX - From Blue to Black ★★★ (2017-02-22 23:45:29)

スペイン出身の若手スラッシャー注目株が、所属レコード会社をKAIOWAS RECORDSからLISTENABLE RECORDSに変えて’16年に発表した3rdアルバム。
スラッシャーたるもの3作目ともなりゃ、ボチボチ音楽性を拡散させて大人の階段上ることに興味が向く頃合い。しかし本作の場合は開巻早々から、猛然と畳み込む①、パンキーな②、前半で溜め込んだエネルギーを後半で解放する③…といった具合に、キレもコシもある楽器陣の演奏力と機動力を活かし、スカッと走り抜ける「らしさ」満点のスラッシュ・ナンバーが矢継ぎ早に連打。これを聴くとCRISIXが拡散の道ではなく、持ち前の音楽性を一層収斂させる「スラッシュ・バカ路線」を選択したことが分かって、思わずニッコリ笑顔になってしまうという塩梅。
とは言え、オールドスクールなスラッシュ・メタル・スタイルに軸足を置きつつも、作曲能力には着実な成長の跡も刻まれています。初期ANNIHILATORが演りそうな躁鬱スラッシュ・ナンバー⑤、シリアスな緊迫感を孕んだ⑥、スペイン内戦をテーマに7分以上の長尺を中弛みなしに突っ走る⑨等、バラエティ豊かに揃った収録曲の数々はその好例。中でも『ターミネーター』へのトリビュート・ソング④は、メカニカルな響きと切迫感を湛えて疾走する(さながらターミネーターに追跡されるが如き)、アルバムのハイライトを飾る名曲ではないかと。映画の有名なテーマ・メロディを頭と尻に組み込むセンスもニクイねぇ。
今回も国内盤リリースは実現しませんでしたが、いつ日本デビューを飾っても不思議ではない個性と質の高さを併せ持った1枚であります。


CRISIX - From Blue to Black - T-Terror Era ★★★ (2017-02-23 23:26:25)

「スポーン」や「マスク」、更には「ドラゴンボール」まで
取り上げて来たCRISIXですが、今回の歌詞のネタは「ターミネーター」。
メカニカルな感触のGリフと切迫感溢れるリズムとが激走する
スラッシュ・ナンバーで、歌詞のみならず曲調の方でも
まさしくタイトな出来栄えだったあの映画のノリがきっちり再現されていて流石。
冒頭とラストに映画のメイン・テーマをちらっと引用するアレンジも◎。


CRISIX - Full HD ★★★ (2022-07-12 00:39:08)

順調にアルバム・リリースを重ね、'19年には来日公演の初ステージを踏む等、着実に経験値を積み上げているCRISIXが、コロナ禍を乗り越えて'22年に発表した5thアルバム。
4th『AGAINST THE ODDS』は、彼らのカタログの中で初めて明確に試行錯誤を伺わせる内容でしたが、その後EXODUS、VIO-LENCE、FORBIDDEN、EVILDEAD、DEMOLITION HAMMER等々、80年代の米スラッシュ・シーンを語る上で欠かすことのできない諸先輩方への熱いリスペクトを込めたカヴァー・アルバム『AMERICAN THRASH』を制作して自分達のルーツを見つめ直す機会を得たことで、本作においては再びギアをトップに入れ直し、切れ味鋭い強襲型スラッシュ・メタル路線へと軌道修正を図っています。
刻んで刻んで刻みまくるGリフ、歯切れ良くハキハキと突っ走るリズム、キャッチーなギャング・コーラスとが一体となって駆け巡る④⑦⑪辺りにはCRISIXの魅力が分かり易く詰め込まれていますし、「かめはめ波ー!」のシャウトと共に激走を開始する⑧なんかも、“SHONEN FIST”なる曲名共々、変わることなく迸り続けるバンドの漫画愛が確認できて嬉しい限りですよ。
中にはクリーンVoを組み込む等、モダンなアレンジが施された楽曲もあったりしますが、それらに関しても基調となっているのは飽くまでストレートなスラッシュ・メタル。息せき切って目まぐるしく畳み込む⑥は、新たな試みと従来の持ち味とが違和感なく溶け合った本作のハイライトたる名曲に仕上がっているんじゃないかと。
スペイン産スラッシャー筆頭の地位はまだまだ揺るぎないことが確認できる充実作です。


CRISIX - Full HD - Beast ★★★ (2022-07-13 00:03:46)

切迫感を煽るGリフ、機動力に富むリズムが
合唱を誘うコーラスを伴って小気味良く駆け巡る
CRISIXというバンドの強みが最大限に発揮されたスラッシュ・ナンバー。


CRISIX - Rise... Then Rest ★★★ (2015-02-02 21:45:23)

スペイン・バルセロナ出身の若き5人組スラッシャーが'13年に発表した2ndアルバム。
バンドの代表曲であり、決意表明でもある“ULTRA THRASH”を聴いて彼らに興味を持ち、折りよくリリースされた本作を購入。飾り気のないソリッドな音作りの下、高速Gリフ&リズム&ハイピッチVoがハキハキと畳み掛け、ツイン・リードGが劇的なメロディ・ワークでアクセントを加えるサウンドは、茶漉しで不純物を完全除去したかのような高純度スラッシュ・メタルっぷり。思わず顔も綻びますよ。
ついでに、アグレッシブでありながら陰に篭ったところがない、飲めや騒げやな陽性のノリの良さが支配的なのはお国柄かな?とも。
躍動感溢れるアッパーな突進力を前面に押したて、クライマックスでは2本のGがIRON MAIDENばりのドラマティックな絡みを披露してくれるOPナンバー①に血の沸かないスラッシャーはいないと思いますが、日本人的に気になるのは⑥。タイトルからも分かる通り『ドラゴンボール』の名悪役フリーザについて歌っていて、繰り返し聴いてるとだんだんVoの声が中尾隆聖っぽく聴こえて来る・・・こともなくはない。
次作で日本デビューを飾ってもおかしくない逸材っぷりが発揮された好盤です。


CRISIX - Rise... Then Rest - Frieza the Tyrant ★★★ (2015-02-04 23:15:56)

フリーザ!フリーザ!カカロット!カカロット!
な「ドラゴンボール」トリビュート・ソング。
単純にスラッシュ・ソングとしても十分カッコイイですし
曲中で、番組のアバンでよく流れてたBGMのメロディを
再現する等、芸の細かいアレンジからも
「ああ、本当に好きなんだな」ということが伝わってきて
好感が持てますよ。


CRISIX - Rise... Then Rest - Rise…Then Rest ★★★ (2015-02-04 23:34:37)

アルバムのOPナンバーにして、
タイトな演奏が生み出す痛快な疾走感と
そこに勇壮な彩りを加えるIRON MAIDEN型ツインGの威力に
「これ聴いてアガらんスラッシャーはおらんでぇ!」
と、つい強弁したくなるルバムのハイライト・ソング。
ミドル・パートで醸成されるしなやかなグルーヴも気持ち良し。


CRISIX - Sessions:#1 American Thrash ★★★ (2020-03-16 00:55:53)

昨年JAPANESE ASSAULT FEST 19において初来日公演を成功裏に終わらせ、更にそれに合わせて1stと2ndアルバムの国内盤緊急リリースが実現する等、ここにきて俄然注目が集まっている(…と、いいなぁ)スペインの若手スラッシャーの有望株CRISIXが、’19年に発表したカヴァー曲集。こっちも国内盤出してくれればいいのに。
若手つっても既にスタジオ盤4枚を発表して中堅バンドのキャリアを築きつつある連中で、となるとぼちぼちメンバーが「俺達、実はこんな意外な音楽からも影響受けてるんだぜ」とか「スラッシュ・メタルばかり聴いていないで、もっと色々なジャンルを聴こうぜ?」とか言い出しそうなものですが、本作収録曲のチョイス――①VIOLENCE、②NUCLEAR ASSAULT、③EVILDEAD、④FORBIDDEN、⑤EXODUS、⑥ANTHRAX、⑦TESTAMENT、⑧DEMOLITION HAMMER――を見る限り、彼らにその心配は無用な模様。
カヴァー対象は全てスラッシュ・メタル・バンド。(表題が物語る通り)例外なくアメリカ出身なのもCRISIXの影響源が伺えて興味深いという。誰もが知る有名曲ではないけれど、さりとてマニアック過ぎもしない選曲センスからは、スラッシャー同士が酒飲みながら「あれって良い曲だったよな」「あの曲も最高!」と思いつくまま列挙していったような気負いのなさが感じられ、親近感が湧くというもの。
アレンジは完コピが基本であり、本編にビックリするような仕掛けも見当たりませんが、そうしたストレートな作りからもCRISIXがカヴァー対象へ捧げるリスペクトと、スラッシュ・メタルというジャンルに対する深い愛情が読み取れるようで和める1枚ではないかと。第2弾もお待ち申し上げております。


CRISIX - The Menace ★★★ (2015-02-12 23:22:07)

2nd『RISE・・・THEN REST』の出来の良さに感心し、遡って購入した'11年発表のデビュー作。
タイトな演奏、シャープな切れ味、カラッと歯切れの良い疾走感とが小細工無用で畳み掛ける、これまたULTRA FUCKIN' THRASHな会心作で、敢えて次作との相違点を挙げるならば、こっちの方が(デビュー作ゆえ)前のめりな勢いが先行気味で、プロダクションもラフ。あとIRON MAIDEN由来の劇的なツイン・リードGも控えめかな?と。
尤も裏を返せば、このジャンルの基本により忠実な作風とも言えるわけで、馬鹿騒ぎするメンバーの写真をコラージュしまくったブックレットも「スラッシュ・メタルあるある」で微笑ましい1枚であります。
叙情インスト①を助走に大跳躍するバンドの代表曲②や、③⑦⑪といったキレキレの高速スラッシュ・ナンバーを基軸に、正統派HM的ドラマ性も携えた⑤⑪、ノリノリで躍動する⑧、次々に展開していく⑨といった楽曲で巧みに起伏の作り出された本編(メロディックなリードGが華を添えます)は、60分オーバーという長尺にも関わらず、殆ど中弛みを感じさせません。まぁ、収録時間はもっと絞り込むべきだと個人的には思いますけども。ともあれ、この曲作りの上手さは素直に賞賛されて然るべきですよ。
スラッシャーなら「2ndより好き」という人がいても全く不思議ではない充実作。


CRISIX - The Menace - Brutal Gadget ★★ (2015-02-15 22:48:08)

ジム・キャリーの「マスク」が歌詞の元ネタかな。
基本はアゲアゲな高速スラッシュ・ナンバーですが、
思わず踊り出したくなるファニーなグルーヴが
良いアクセントとなっています。


CRISIX - The Menace - Ultra Thrash ★★★ (2015-02-15 22:43:58)

叙情イントロから爆走へと繋がっていくという
METALLICAの"FIGHT FIRE WITH FIRE”から
連綿受け継がれるスラッシュ・メタルの様式美を体現した
バンドの代表曲であり、決意表明でもある名曲。


CRO-MAGS - Alpha-Omega ★★ (2007-01-06 20:14:00)

NYHCシーンの顔役的存在、ハーレー・フラナガン率いるクロスオーバー・スラッシャー、'92年発表の3rdアルバム。
前作『BEST WISHES』は、疾走感と重量感を兼ね備えたスラッシュ・メタルの名盤だったが、
それに比べると本作は、かなり実験的というか、如何にも「92年」という時代を感じさせる仕上がり。
まず、直線的な疾走感が大きく後退(速い曲がなくなったわけではないものの、スラッシュ・スピードにまで
達する曲は少ない)、代わりに飛び跳ねるように躍動するリズムが強調されていて、楽曲の速度が緩まった分、
これまで以上にVoの歌うメロディにスポットライトが当たっている印象。実際、その男の哀愁を感じさせる
歌メロはなかなかに魅力的で、特に、男泣きを誘う熱唱が映えるラスト・ナンバー⑧は、
静かなアコギに始まり、メロディアスなツインGをフィーチュアしつつ、激しくアップダウンを繰り返しながら
盛り上がっていく劇的な(CRO-MAGSとしては)異色の名曲。また、ラップを導入した高速スラッシュ・チューン②も、
従来のスラッシュ・サウンドと実験精神が上手く噛み合った佳曲だ。
2ndアルバムのような硬派なスラッシュ・アルバムを期待すると落胆しかねないが、個人的には、
これはこれで「有り」の1枚。でも、やっぱり最初に聴くべきは前作だよな、と。


CRO-MAGS - Best Wishes ★★ (2007-03-14 21:49:00)

NYHCシーンの顔役ハーレー・フラナガン率いるCRO-MAGS、'89年発表の2ndアルバム。
如何にもハードコア・バンド的な強面のルックスとは裏腹に、本作で聴けるのは、スピードだけに頼らない
重厚さも兼ね備えた正統派へヴィ・メタル寄りのスラッシュ・サウンド。勿論、元々はハードコア畑のバンドだけに、
その手の要素も至る所に顔を覗かせているわけだが、それ以上に耳を奪われるのが、カッチリとまとめ上げられた楽曲、
シャープで緊迫感に満ちたリフ、スリリングなGソロ、大仰なラインを刻むB、妖しげだが、しっかりと歌えるVo、
随所で湧き上がる男の哀愁を背負ったメロディ等、へヴィ・メタリックな要素の数々。
特に、イントロのリフの刻みだけでゾクゾクさせられる本編最速の④、より正統派メタル風味の強い⑤といった
高速スラッシュ・チューンは、スラッシャーなら即死必至の威力を秘めた名曲だ。
次作『ALPHA&OMEGA』では、更にメロディ分を強化して拡散の方向へと進んでいく事になる彼らだが、本作はサウンド的にも
その3rdと、もろハードコア路線だったデビュー作の中間に位置する、非常にバランスの取れた1枚。


CRO-MAGS - Best Wishes - Down, But Not Out ★★★ (2007-03-14 21:54:06)

OPのリフの刻みを聴いただけで、
「超名曲」という事が確信できる、
アルバムのハイライト・チューン。
また、本編最速のスピード・ナンバーでもある。


CROSSFADE - Innocent Days ★★★ (2023-10-31 00:39:40)

ヨラン・エドマンをフロントマンに据えたスウェーデン発のメロハー・プロジェクト、CROSSFADEが'23年に発表した4thアルバム。(全6曲収録なので「アルバム」で括るには若干ボリューム不足か?)
彼らの作品を聴くのは、国内盤も発売されたデビュー作『WHITE ON BLUE』(’04年)以来随分と久々なれど、叩きつけるのではなく、聴き手を穏やかに包み込むような音楽性は全く変わっていなかったので一安心。というか“THORN OF LIFE”のような比較的ロック・テイストの感じられる楽曲も収録されていた『WHITE~』に比べると、今回はより一層AOR方面に踏み込んだ仕上がりとの印象あり。
なので、「Mr.北欧ボイス」の存在から様式美HMテイストを求めるリスナーの期待には一切関知してくれない本作ですが、ラーズ・ハルバック(G)&リチャード・ステンストロム(Key)という名うての職人達によって奏でられる、透明感を湛えたメロディのフックが本編への集中力を途切れさせませんし、何より、ムーディな楽曲からブルージーなナンバーまで、まろやかに歌いこなすヨランの美声がアルバムの肝。改めて「バラード系の楽曲を歌わせたら天下一品だなこの人」との思いを再認識させられましたよ。中でもソウルフルな歌唱、リチャードが美しく奏でるピアノ、エモーショナルなラーズのGによって繊細に彩られた⑤は本作のハイライトに挙げたくなる逸品です。
派手さはないものの、聴くほどに味わいを増す1枚。秋の夜長のお供にいかがでしょうか。


CROSSFADE - Innocent Days - Living it Up ★★★ (2023-11-02 00:19:42)

ヨラン・エドマンのソウルフルなVoの素晴らしさは言わずもがな
メロウでアーバンな雰囲気を盛り上げるピアノ、
少ない音数で多くを語るギターの仕事ぶりもキラリと光る逸品です。


CROSSFADE - White on Blue ★★★ (2020-04-23 01:26:52)

北欧シーンのセッション畑で長年活躍してきた二人のミュージシャン、ラーズ・ホールバック(G)とリチャード・ステンストロム(Key)が2年がかりでレコーディング作業を行い、CROSSFADE名義で'04年に発表した1stアルバム。
リズム隊を務めるのはABBA人脈に連なるペール(B)&スヴェン(Ds)のリンドヴァル兄弟。そしてシンガーは「Mr.北欧ボイス」こと我らがヨラン・エドマン。個人的に本作の購入目的の大半はヨランの歌聴きたさだったと言えるぐらいなのですが、そうしたこっちの期待を裏切らない見事な歌唱を全編に亘って響かせてくれています。
主張し過ぎないGとKeyが大人の彩りを加える洗練された音楽性は、(COOL SOUNDの社長が解説文を寄稿していることからもお察しの通り)ほぼほぼ完全にAOR/産業ロック。HR/HMとはかなりの距離を感じる作風ではあるのですが、そうしたサウンドを、時にクリア且つ伸びやかに、時に節回しで酔わせつつ、ソウルフルに歌い上げるヨランのVoがとにかく絶品。「バラードを歌わせたらメタル界隈において右に出る者なし」との評判は知っていましたが、この手のサウンドをここまで歌いこなせるシンガーだったとは…。歌神様グレン・ヒューズに肉薄するレベルで、新たな引き出しの中身を見せて貰った気分ですよ。
特にファンキーなバッキングに乗るウィスパーなVoに聴き惚れる④、美しいピアノ・バラード⑤、涼し気な哀メロとHR寄りの熱を帯びた曲調のコントラストにグッとくる⑥等は、楽曲の出来栄えとエモーショナルなVoが相俟って、耳奪われずにはいられない仕上がり。
2nd以降の作品も聴いてみたいのですが、国内盤が出ているのは本作のみなんですよね。残念。


CROSSFADE - White on Blue - Flying ★★★ (2020-04-23 23:37:16)

ファンキーに踊るバッキングにリラックスした歌声を乗せる
ヨラン・エドマンのVoが、ハイトーンを使わずとも実に魅力的。
「こういう曲を歌うこの人もイイなぁ」としみじみ聞き惚れます。
ウィスパーボイスを交えたソウルフルな歌唱は
グレン・ヒューズにだって負けていませんよ。


CROSSFADE - White on Blue - Thorns of Life ★★★ (2020-04-23 23:43:07)

哀愁を帯びたメロディを切々と歌うヨラン・エドマンは
勿論のこと、間奏パートで派手さはないが歌心を感じさせる
ソロを差し込むGもじっくり楽曲を盛り上げてくれています。


CROSSROADS (2019-10-25 00:11:53)

ACCEPT型パワー・メタル・バンドとしてマニアから愛されたFACTのシンガーだったレーント・フローリック(X'MAS PROJECTとかにも参加していましたね)を中心に結成された、ドイツはニーダーザクセン州出身の5人組HMバンド。
METAL HAMMER誌主催のコンテストで優勝したことを切っ掛けにメジャー・レーベルとの契約をゲットして'91年に1st『THE WILD ONE』でデビュー。翌年2nd『HYPE』を、メジャー・レーベルからドロップ後の’94年に『GASOLINED』を発表。その後まもなく解散。
FACT時代は微笑ましいぐらいウド・ダークシュナイダーへの憧憬丸出しなシャウトを響かせていたシンガーも、ここでは音楽性に合わせてより柔軟な歌声を披露しています。


CROSSROADS - The Wild One ★★★ (2019-10-24 23:15:54)

METAL HAMMER誌主催のコンテストでグランプリを受賞したという、ドイツはニーダーザクセン州出身の5人組が、プロデューサーに売れっ子トニー・プラットを迎えてレコーディングを行い、'91年にEMI RECORDSから発表した1stアルバム。
アンドレアス・マーシャル謹製のジャケットだけ見るとDESTRUCTIONの『ETERNAL DEVASTATION』みたいですし、当時国内盤を買っても解説がついてなかったのでどういう来歴を持つバンドなのかよう分からんかったのですが、とりあえず本作で聴くことが出来るのは、欧風のメロディと、米風のグルーヴが4対6ぐらいの割合でブレンドされたHRサウンド。《ドイツのライブハウスを荒らし回り、日本へ!》の惹句通り、メタリックなシャウトをひり出す少々クドめのVoやキャッチーなコーラス・ワーク等、確かにライブで映えそうな音を出しています。特にヒット・ポテンシャル十分の感動的なバラード④は彼らの試みが最も上手く結実した、グッとくる名曲と言えるのではないでしょうか。
BONFIREやTHUNDERHEAD辺りに通じるカラッとベタつかないノリの良さを終始保ちつつも、キレのあるツインGが印象的な疾走ナンバー⑨、ジャーマン・パワー・メタリックなGリフがザクザク刻まれる⑩、TANKの名曲を思わすタイトルに相応しいドラマ性で本編を締め括る⑫等、アルバムを聴き進めるうちに徐々に欧州風味が強まりを見せ始める辺りは、やはりドイツのバンドだなぁと。
発表当時リアルタイムで購入した2nd『HYPE』(’93年)は音楽性が拡散しており、あんまし感心した記憶がないのですが、本作はかなり楽しめましたよ。


CROSSROADS - The Wild One - Mr. Hi Stuff ★★★ (2019-10-27 23:46:50)

全体的にアメリカンなテイストが勝る本編にあって
この曲のGリフの刻みっぷりやリズムの疾走感は
紛うかたなき独産HMならではのパワフルさを有しています。
FACT時代をちょっぴり彷彿させなくもないという。


CROSSROADS - The Wild One - War Drags On ★★★ (2019-10-27 23:53:22)

アルバムの締めを重厚に飾る大作ナンバー。
TANKの超名曲を思い出さずにはいられないタイトルですが、
実際そのイメージ通り、荘厳なマーチング・ドラムに
Voのメタリックな熱唱が乗っかったドラマティックな名曲に仕上がっています。


CROWLEY - Evil Bride ★★★ (2022-02-15 23:48:38)

名古屋が生んだ和製サタニック・メタルのレジェンド、CLOWLEY。再結成を実現し、今度こそ活動を軌道に乗せつつある彼らが'20年に発表した待望の1stフル・アルバム。
復活後のCROWLEYがこれまでにリリースしてきたのは、幻の名盤と化していたデビューEP『WHISPER OF THE EVIL』のリマスター再発だったり、過去の名曲の数々を現編成でリメイクしたセルフ・カヴァー曲集『NOCTURN』だったりと、ある程度クオリティが担保されている作品だったので購入に躊躇はなかったのですが、純然たる新作ともなると「伝説のバンドだけにもし退屈な出来栄えだったら目も当てられない…」と、購入に若干の尻込みを覚えてしまったのが正直なところ。ただ実際にトライしてみれば、うだうだ悩んでないでもっと早く聴けばよかったと、ホッと胸を撫で下ろす見事な力作に仕上がっていましたよ。
収録曲はどれもダークでシアトリカルな雰囲気を濃厚に漂わせつつ、「サタニック」の看板に囚われ過ぎることなく、ヘヴィ・メタリックなエッジと疾走感、憂いを帯びたメロディ、そして耳に残るキャッチネスも適度に兼備。アルバム表題曲に相応しいインパクトを放つ③、ゲスト参加のケリ・ケリーのGプレイが劇的な曲調に華を添える⑤、坂本英三時代のANTHEMが演っていても違和感なさそうな⑨(初期デモ収録曲のリメイク)等は、芝居がかったVoの歌唱と相俟って、縁日のカーニバルや見世物小屋の暗がりから、こちらに向かって笑顔で手招きしているような(?)妖しげな魅力を振りまいています。
楽曲のクオリティの高さに比べると、音作りに関しては若干の物足りなさを感じなくもないのですが、レジェンドの1stフル・アルバムとして文句のない出来栄えを誇る1枚。


CROWLEY - Evil Bride - Gate of Golden Dawn ★★★ (2022-02-16 00:37:31)

憂いを帯びたメロディがまとわりつくように妖しく舞い、
曲調のテンポアップに合わせて走り始めるケリ・ケリーの
Gソロが劇的に華を添える、アルバムのハイライト・ナンバーの一つ。


CROWLEY - Nocturne ★★★ (2017-11-27 00:30:21)

「和製オカルト/サタニック・メタルの雄」として、SABBRABELLSと並び称された名古屋の5人組が、30年ぶりの復活を果たした上に新作まで発表してくれて、こちとら思わず「姉さん、事件です!」と叫びそうになったという(古い)。SABBRABELLSやDOOMのデビュー作さえ再発される昨今、そりゃあ先ずは廃盤のままほったらかしのEP『WHISPER OF THE EVIL』のリイシューを!と思わなくもありませんが、本作が過去音源のリメイク集であり、またこうしてバンドが復活して活動を継続してくれれば『WHISPER~』再発の可能性だってグンと高まるわけですから、今後に期待すりゃいいだけのことよねと。
内容の方はダークでアグレッシブなHM。「オカルト」「サタニック」と聞くと構えてしまう方もおられましょうが、リメイクに当たって音質が向上を遂げ、また歌詞が英詞化されたことでVoの歌い回しからジャパメタ的なクサ味が緩和される等、全体的にオリジナルと比べるとアングラ感は然程でもなく。聴き易くなった印象もあって、これを「コクが薄まった」と残念がるかどうかは聴き手の判断次第。どちらにせよ英語で歌うことで海外市場へ打って出んとする、バンドの積極果敢な姿勢は大いに支持したいところであります。
何よりも、劇的なツイン・リードGが突っ走る②、怪しく大仰にうねるオドロオドロしい⑦、日本語詞を熱唱するVoのコブシの効き具合にグッとくる⑩等々…ダークなHMの名曲が居並ぶ本編の味わいは、やはり噎せ返るほどに濃厚です。
伝説のバンドの帰還の挨拶に相応しい内容に仕上がっている1枚かと。


CROWLEY - Nocturne - Don't Be in a Hurry ★★★ (2017-11-27 22:48:23)

CLOWLEYのライブの定番曲でもあったという
地底深くをウネウネとうねくるかの如きヘヴィネスと
憂いを湛えたメロディが合体したヘヴィ・チューン。
音質並びにVoの技量向上に伴い、
劇的さも更なるパワーアップを遂げています。


CROWLEY - Nocturne - Evening Prayer (1985 demo) ★★★ (2017-11-27 23:01:15)

ボーナス・トラックとして収録された幻の名曲。
この曲のみ歌詞が日本語で、お陰でVoのコブシが
ぐるんぐるん回る回る。
そのせいか、どこかTERRA ROSA辺りにも通じる
関西様式美HMっぽさも感じられたり。
つまりそれぐらい劇的な名曲ということで。


CROWLEY - Whisper of the Evil ★★★ (2019-01-05 00:09:11)

元祖・和製サタニックHMバンドの一つであり、’18年に再録アルバム『NOCTURN』を発表して復活の狼煙を上げた名古屋出身のCROWLEY。暮れにCD屋を覗いたら、彼らが'86年に発表した1st『WHISPER OF THE EVIL』がしれっと再発されて棚に並んでいるじゃありませんか。思わず「?!」と我が目を疑ってしまいましたよ。
内容は1st収録曲①~⑥に加え、’85年発表のEP『THE SCREAM OF DEATH』(’85年)から⑦~⑨、それに’17年に録られた“DESTITUTE SONG”のアンプラグド・バージョン⑩の全10曲を収録。いくら伝説的名盤と謳われても30年も昔の、しかもインディーズ作品。賞味期限切れを起こしている可能性もあるのでは?との疑念は、しかし悪魔降臨を奉じるが如き邪悪なイントロに続き、ハイトーンVoとGリフが鋭角的に切り込んでくるOPナンバー①、ヘヴィな曲調と泣きのメロディのコントラストが劇的な②…と続いた時点で、遥か彼方へと吹っ飛ばされてしまったという。本作の評価に下駄を履かせる必要なんぞ皆無。中でも8分以上に及ぶ⑥は、ショーンこと岩井高志の見事な歌唱に、メンバーの厄いパフォーマンス、和製サタニック・バンドならではの「情念」を増幅する日本語詞の威力が相俟って、海外バンドの借り物ではない禍々しくもドラマティックな魅力に圧倒される名曲に仕上がっています。(リマスタリングによる音質改善も本作の魅力向上に大きく貢献)
再発にご尽力頂いたメンバーとレーベルにはいくら感謝してもし足りない、いい年こいてお年玉を貰った気分に浸れる1枚。アクマしておめでとうございます。


CROWLEY - Whisper of the Evil - Floating Man ★★★ (2017-11-27 22:53:13)

オカルト/サタニック・メタル的な大仰さよりも、
NWOBHMの洗練を受けたダークな正統派HMといった趣きの
ストレートな疾走感が勝るスピード・ナンバー。
特に中間部で劇的に炸裂するツインGハーモニーは
「待ってました!」となりますね。


CROWLEY - Whisper of the Evil - Woman in a Black Cape ★★★ (2019-01-05 00:36:01)

地獄の釜でぐつぐつと煮立てられているかのような禍々しさと、
全てを振り絞るようなハイトーンVoによる絶唱、妖しくのたうつGによって
生み出されるドラマティックなメロディ、そしてタメにタメてから
終盤で疾走に転じる劇的な曲展開に胸を鷲掴まれてしまう名曲ですよ。


CRY OF DAWN - Anthropocene ★★ (2023-07-13 00:42:18)

様々なバンド/プロジェクトに参加しては衰え知らずの伸びやかな美声を提供し続ける「Mr.北欧ボイス」ことヨラン・エドマンを主役に据えたFRONTIERS RECORDSのプロジェクト、CRY OF DWANが’23年にまさかの2ndアルバムをリリース。1st『CRY OF DWAN』は大変素晴らしい内容でしたけど既に7年前の作品であり、「ああ、1枚きりの単発プロジェクトだったのね」と納得しかけていただけに今回の続編リリースには意表を突かれましたよ。
制作チームの顔触れは一新されており、ブレーン役にはダニエル・フローレスに代わってトミー・デナンダーが就任。それに伴い音楽性の方にも若干の路線変更が見受けられます。例えばKeyの役割が透明感や抒情性の増幅から、華やかさやキャッチネスの演出へと変化していることが物語る通り、北欧メロハー風味よりもAOR/ハードポップ方向へ大きく踏み込んだ仕上がり。とはいえ一般的なAORに比べりゃサウンドには遥かにエッジが効いていますし、インスト・パートにおける技ありなアレンジからはTOTOを信奉するトミー・デナンダーならではの拘りがチラ見え。そこに北欧メロハーだろうがAORだろうが、悠々歌いこなすヨラン・エドマンの卓越した歌唱力が加わるのですから、完成度の高さは推して知るべしといったところじゃないでしょうか?
“LIGHT A LIGHT”級のキメ曲に欠けるため、入門盤にするならまずは前作をお勧めさせて頂きますが、ポップに躍動する②、メロウなバラード⑤、歯切れ良くロックする⑧等、確実に耳を捉える収録曲が並ぶ本作とてクオリティ面では引けを取りません。「次があるならもう少し早めリリースをお願いしまっせぇ」とリクエストしたくなる1枚ですよ。


CRY OF DAWN - Anthropocene - Edge Of A Broken Heart ★★★ (2023-07-21 00:24:40)

アコースティック・バージョンが収録されていることからも
バンドがこの曲をアルバムのリーダー・トラックの一つに
位置付けていることが分かる美しいバラード。
やはりこの手の楽曲を歌わせるとヨラン・エドマンの歌唱は絶品すね。
トミー・デナンダーのギターも楽曲をエモーショナルに彩ってくれています。


CRY OF DAWN - Cry of Dawn ★★★ (2022-09-19 23:12:58)

ネオクラシカルな疾走ナンバーで威力を発揮するクリアなハイトーンと、バラード系の楽曲の魅力を引き立てるソウルフルな歌い回しを武器に、ここ日本では「Mr.北欧ボイス」の称号を欲しいままにするシンガー、ヨラン・エドマンを主役に起用したFRONTIERS RECORDS発のプロジェクト、CRY OF DOWNが’16年に発表した1stアルバム。
プロデュースはダニエル・フローレスが担当、曲作りにはFIND ME、ONE DESIRE他のソレン・クロンクヴィスト、PALACEのマイケル・パレスら、ハリー・ヘス(HALEM SCAREM)主演のプロジェクトFIRST SIGNALに関わっていた面子が再結集していて(NEWMANのスティーヴ・ニューマンもゲスト参加)、これまでのFIRST SIGNAL作品の打率の高さを思えば本作に対する期待値も跳ね上がろうというもので、実際その期待を裏切らない見事なクオリティを誇っているのですから大したもの。
まぁホームラン級の出来栄えというよりは、ヒットで出塁→バントで進塁→犠牲フライで1点を取りに行くような手堅さの方が印象に残る仕上がりではありますが、この安定感さこそFRONTIERS RECORDSのプロジェクトに求められているものであることは間違いありませんし、ヨランの美声が映えるよう設計された北欧ハードポップ・チューンの数々だって、冷ややかに疾走する②、印象的なKeyのイントロからスタートする③、キャッチーに躍動する④等々、耳を確実に捉える秀曲がズラリ勢揃い。中でも涼し気な哀感とポップな高揚感を併せ持って駆け抜ける⑤は、本編のハイライトとして一際眩い輝きを放っていますよ。
ぼちぼち2枚目を聴いてみたいのですが、作らないんでしょうかね?


CRY OF DAWN - Cry of Dawn - Light a Light ★★★ (2022-09-20 23:36:10)

青空に向かって昇り詰めていくような
爽やかさと高揚感を併せ持ったハードポップ・チューンで
ヨランのクセのない歌声もこの曲調に見事にハマっています。


CRYSTAL VIPER ★★ (2009-09-24 23:33:00)

'03年、ポーランドはカトヴィツェにてマルタ・ガブリエル(Vo)と、マネージャー兼プロデューサー
(そしてマルタの旦那でもある)バート・ガブリエルが音頭を取って結成。W.A.S.P.、MANILLA ROADといった
バンドのトリビュート・アルバムに参加しつつ知名度を高め、ドイツのインディーズ・レーベル
KARTHAGO RECORDSと契約。'07年にデビュー作『THE CURSE OF CRYSTAL VIPER』を発表、好評を博す。
'08年、VIRGIN STEELEのカヴァーやライブ、未発表音源を収録した企画盤『THE LAST AXEMAN』を、
翌'09年にはジャケットはレベルダウンしたものの、内容はグレードUPを果たした2ndフル・アルバム
『METAL NATION』をリリース。元RAGEのマンニ・シュミット、STORMWARRIORのラーズ・ラムケらが
ゲストに迎えられたこのアルバムが日本デビュー作ともなった。


CRYSTAL VIPER - Crimen Excepta ★★ (2012-06-06 07:15:02)

「間違いなくCRYASTAL VIPERの音楽だが、これまでとは異なるサウンドを目指した」というマルタ・ガブリエル(Vo)のコメントが、判り易く本作の方向性を表している'12年発表の4thアルバム。
「中世の魔女狩りと宗教裁判」をテーマに据えたコンセプト・アルバムということで、従来前面に出ていたヒロイックなメロディや明快な疾走感が抑制された代わりに、これまで以上に表現力をフル活用してダークなストーリーを歌い綴っていくマルタ姐さんのVo、起伏の激しい曲展開や、楽曲間をSEで繋いだプログレ・メタル的手法等、本編はヨーロッパの暗黒面を暴き出すコンセプト作に相応しい、ミステリアスでシアトリカルな空気が充満している。(解説でも触れられていますが、確かにところどころでKING DIAMONDを思い起こさせます)
バンド史上初の試みということでやや力み過ぎたのか、全体的にキャッチーさに欠ける傾向が見て取れ、特に地味めなOPナンバー①で掴みに失敗している点は痛い。それでも、劇的に絡み合う2本のG主導で展開していく③以降は、オルガンの導入が効果的な疾走ナンバー⑤、HELLのシンガー、デイヴィッド・ボウアーが客演して大仰な曲調に更に華を添える⑦、スラッシーなスピード・ナンバー⑪、怒りと悲しみに満ちたドラマで物語のエンディングを締め括る⑮・・・といった具合に、優れたHMソングの畳み掛けで聴き手の集中力を途切れさせない作りは流石なのですが。今回のテーマとも見事に符合するDEMONの名曲“NIGHT OF THE DEMON”のハマリっぷりも素晴しい。
それとMETALUCIFERの“WARRIORS RIDE ON THE CHARIOTS”をカヴァーしていることにも驚きましたね。日本のHR/HMファンだって「俺、METALUCIFER聴いた事あるぜ」って人は、そうそういないような気がするのですが・・・。


CRYSTAL VIPER - Crimen Excepta - Child of the Flame ★★★ (2012-06-08 22:32:53)

暗黒時代のヨーロッパに放り込まれたような
不安感を煽る、ダークでミステリアスなヘヴィ・ナンバー。
高低差の激しいメロディを歌いこなす
マルタ・ガブリエルのVoはもとより、
ガッツポーズものの劇的さを誇る
ツインGのハモリっぷりにも拍手。


CRYSTAL VIPER - Crimen Excepta - Crimen Excepta ★★★ (2012-06-08 22:35:34)

シアトリカルな色合いの強い楽曲が揃った
4thアルバムの中でも、本曲は飛び抜けて
そのテイストが濃く感じられるのは、
やはりHELLのデイヴィッド・ボウアーが
大仰な歌唱で華を添えているからか。
IRON MAIDEN風のインスト部分もドラマティックだし、
アルバムの性格を象徴する、まさしく
タイトル・トラックに相応しい1曲かと。


CRYSTAL VIPER - Crimen Excepta - Fire Be My Gates ★★★ (2012-06-08 22:43:07)

これまたKING DIAMONDを思わせる
オルガンの音色からスタートする
アルバム屈指のドラマティカルな大作曲。
ヒロインの強い怒りと悲しみを見事に表現した
マルタ姐さんの熱唱と、慟哭のメロディを伴った
サビメロには胸を打たれずにはいられませんて。


CRYSTAL VIPER - Crimen Excepta - It's Your Omen ★★ (2012-06-08 22:37:52)

CRYSTAL VIPERお得意のスピード・ナンバー・・・
なのですが、KING DIAMOND風のオルガンが
取り入れられているせいか、勇壮さと共に
ダークな雰囲気が漂ってくるのが本作ならではの味。


CRYSTAL VIPER - Legends ★★ (2010-12-31 08:39:18)

ポーランドのメタル・ゴッデス、マルタ・ガブリエル(Vo)率いるCRYSTAL VIPERが、日本未発売のライブ盤『DEFENDERS OF THE MAGIC CIRCLE:LIVE IN GERMANY』を間に挟んで'10年に発表した3rdフル・アルバム。
元MANOWAR(現ANGEL OF BABYLON)ライノのナレーションに導かれてスタートする、パワフルなOPナンバー②を耳にした瞬間に理解できる通り、本作もまた、猛々しくドラマティックなパワー・メタルという前2作を通じて確立した「型」を忠実に踏襲。収録楽曲はいずれもCRYSTAL VIPER印がクッキリと刻印されているが、個人的には、もろジャーマン・メロパワ風味の③⑨のような疾走ナンバーよりも、猛々しさの中に一抹の東欧的な物悲しさを宿した、②⑤⑧のようなスピードに頼らない楽曲の方がより好みだったり。
男勝りのストロングな歌いっぷりを披露する一方、楽曲にキャッチーさや潤いも付与するマルタ姐さんのパワフルな歌唱も、相変わらず眩いばかりの存在感を放っており、中でもバラード⑥におけるエモーショナルな歌いっぷりは本編の白眉。また、シンガー/コンポーザーとしての実力のみならず、前作の“AGENT OF STEEL”に続いて今回はACCEPTの名曲“TV WAR”をカヴァーする等、「あぁ、この人本当にメタルが好きなんだな」と実感させてくれる選曲センスも素敵だ。
前2作を気に入られた方、及び正統派HM/パワー・メタル好きに安心してお薦めできる良品質な1枚。


CRYSTAL VIPER - Legends - Sydonia Bork ★★★ (2011-01-03 00:37:39)

ピアノをバックにマルタ姐さんが
しっとりと歌い上げる叙情バラード。
ファンタジー映画の挿入歌として使えそうな
美しくも悲哀に満ちたメロディが胸に沁みます。
楽器隊が加わる後半の盛り上がりも含めて、
個人的にアルバムで一番好きな曲だったり。


CRYSTAL VIPER - Legends - The Ghost Ship ★★★ (2011-01-03 00:30:42)

毎度、アルバムのトップには強力な楽曲を配してくれる
CRYSTAL VIPERですが、これもその例外に非ず。
ライノ(元MANOWAR)のナレーションに導かれて
パワフルに疾走する曲調は思わずコブシを振り上げたくなるカッコ良さ。
東欧民謡風というか、荒々しさの中に一抹の物悲しさを宿した
Gメロディが秀逸ですね。


CRYSTAL VIPER - Metal Nation ★★ (2009-09-26 00:05:00)

レザー・ウィッチ改めマルタ・ガブリエル(Vo)率いる、ポーランド出身の4人組パワー・メタル・バンドが、
ミキシング&マスタリング・エンジニアにアンディ・ラ・ロックを迎えて制作、デビュー作との間に
EP『THE LAST AXEMAN』('08年)のリリースを挟んで'09年に発表した、日本デビュー作ともなった2ndフル・アルバム。
新Bとして元DRAGONのトム・ヴォリナが加入したりと陣容に若干の変化はあれど、マルタ(とその旦那で、バンドの
プロデュースも務めるバート・ガブリエル)が健在な以上大勢に影響がある筈もなく、前作『THE CURSE OF CRYSTAL VIPER』で
披露した、彼女のパワフルな歌唱を中心に据えたヒロイックでドラマティック、且つキャッチーな
パワー・メタル・サウンドには一転の曇りもない。寧ろ、よりスピーディに、よりドラマティックに、より大スケールにと
その内容は確実にレベルUPを遂げており、前作ではもろ出しだったIRON MAIDENやMANOWARといったバンドからの影響が、
しっかりと消化吸収され自らの血肉へと変えられている点もポイントかと。Bが随分大人しくなっちゃったのは残念だけど。
特に、美しく物悲しげな序曲に導かれてスタートし、勇ましくもどこか寒々とした(東欧のバンド然とした)
民俗音楽調のメロディを纏って疾走するアルバム表題曲②や、3部構成からなるドラマティックな
ラスト・ナンバー⑩は、今後、CRYASTAL VIPERの代表曲として君臨すること間違いなし(?)の名曲。
(オマケ収録された、AGENT STEELのカヴァー⑪も素晴しいハマりっぷり)
B級チックなジャケットとは裏腹に、本格派の風格すら漂う正統派パワー・メタルが全編に渡って堪能できる力作。


CRYSTAL VIPER - Metal Nation - Agents of Steel ★★★ (2009-09-26 19:49:34)

言わずと知れたAGENT STEELの代表曲のカヴァー。
見事なハマりっぷりで、個人的にはジョン・サイリースの
ヒステリックなハイトーンVo版よりもこっちの方が
好きなくらいなもので。


CRYSTAL VIPER - Metal Nation - Gladiator, Die by the Sword ★★★ (2009-09-26 19:47:15)

2ndアルバムのクライマックスを飾る、
3部構成からなる力強く重厚なエピック・チューン。
東欧調のテーマ・メロディが印象的。


CRYSTAL VIPER - Metal Nation - Her Crimson Tears ★★ (2009-09-26 19:52:30)

女性シンガーならではの「艶」を活かした
マルタ・ガブリエルのしっとりとした歌声が
楽曲の叙情性を増幅するパワー・バラード。


CRYSTAL VIPER - Metal Nation - Metal Nation ★★★ (2009-09-26 19:40:49)

物悲しげな序曲“BREAKING THE CURSE"を経て、
劇的に疾走を開始する2ndアルバムのタイトル・トラック。
どこか民俗音楽的な風情を湛えた雄々しくもキャッチーな
サビメロが秀逸。


CRYSTAL VIPER - Possession ★★ (2014-03-19 22:53:16)

映画『エクソシスト』を思わせるコンセプト・アルバムということで、パワー・メタル然とした突撃感覚よりも、緩急やドラマティックな曲展開といった、全体の整合性を重視した'14年発表の5th。
同じくコンセプト作だった前作のスタイルを継承しているわけですが、ことサウンドの疾走感に関してはかなり回復基調にあり、何よりも聴く者のメタル魂を震わせ、「彼女が歌えばどんなタイプだろうとも、それがCRYSTAL VIPERの楽曲になる」とさえ思わせてくれる、マルタ・ガブリエル(Vo)のヒロイックな歌唱が、流石の存在感で本編をビシッと引き締めてくれています。
東欧調のどこか物悲しい旋律が、時に叙情的に、時にパワフルに疾駆する③、勇ましくもキャッチーな④、メロディ・センスが際立つ重厚なミッド・チューン⑥⑧等、CRYSTAL VIPERが安心と信頼のパワー・メタル・ブランドであることを証明する秀曲を多数収録。加えて今回は故マーク・リアリに捧げるべく、RIOTの名曲“THUNDERSTEEL”をカヴァー。マルタ姐さんの趣味の良さは相変わらず冴えていますよ。
まぁ「怯えるヒロイン」を演じるには彼女の歌唱は少々逞し過ぎる気がしなくもないですし(笑)、音楽性に比して重厚さに欠ける音作りや、ラストのドンデン返しが笑撃的過ぎる、トンデモ系映画に通じるストーリー展開は評価が割れるところかも知れませんが。


CRYSTAL VIPER - Possession - Julia is Possessed ★★★ (2014-03-21 23:41:14)

叙情的な導入部はIRON MAIDEN調ですが、
勇ましく疾走しながらも、どこか一抹の物悲しさを
漂わすメロディがいかにも東欧的で
楽曲自体はまさにCRYSRTAL VIPER印の名曲に
仕上がっています。


CRYSTAL VIPER - The Curse of Crystal Viper ★★ (2009-09-24 23:36:00)

才色兼備のフロント・ウーマン、レザー・ウィッチによってポーランドはカトヴィツェにて結成された
4人組パワー・メタル・バンドが、'07年に独インディーズのKARTHAGO RECORDSより発表した1stアルバム。
ファンタジックなコンセプト、マッチョなジャケット・アートワーク、そしてヒロイックな楽曲群が端的に
物語る通り、本作に詰め込まれたサウンドは、MANOWARやIRON MAIDENといったバンドからの影響を叩き台とした、
スピーディでドラマティック、それでいてキャッチーな味わいも備えた正統派パワー・メタル。
その個性確立に大きく貢献しているのが、CRYSTAL VIPERの中心人物でもあるレザー・ウィッチのパワフルなVoであり、
ガテラル系でも、オペラ系でも、ゴシック系でもない、正しく女ロニー・ディオの系譜に連なる彼女の歌声は、
楽曲のキャッチーさを際立たせるだけでなく、マッチョな作風の脂っこさをも中和する絶妙な作用を発揮。これで
曲作りまでこなすんだからホント大したもんだ。(雑誌インタビューでの男前な発言にも大いに痺れさせて頂きました)
力強く朗々と歌い上げるVoに、劇的なフレーズを紡ぎ出すGや活発に動き回るBと、微笑ましい程にIRON MAIDENへの
憧憬が滲み出す③や、疾走感溢れるサビメロのカッコ良さにグッと来る④、壮大且つドラマティックに本編の
クライマックスを飾る⑩といった名曲の数々を収録。国内盤こそ出ていないが、今年リリースされ
高い評価を獲得した2nd『METAL NATION』が気に入った人なら、本作もチェックする価値は大いにあるかと。


CRYSTAL VIPER - The Curse of Crystal Viper - City of the Damned ★★ (2009-09-25 23:28:08)

攻撃的且つキャッチーに疾走するサビメロが
痛快極まりないスピード・メタル・チューン。


CRYSTAL VIPER - The Curse of Crystal Viper - City of the Damned ★★ (2009-09-26 19:59:50)

雄々しくキャッチーに疾走するサビメロが
秀逸且つ痛快極まりない、本編でも1、2を争う名曲。


CRYSTAL VIPER - The Curse of Crystal Viper - Shadows on the Horizon ★★ (2009-09-25 22:05:56)

ブンブン唸りまくるBといい、
ドラマティックなフレーズを奏でるGといい、
ブルース・ディッキンソン風の歌い上げを披露するVoといい、
「自分ら、IRON MAIDEN尊敬してますから!」
ってな感じの曲調が微笑ましくもカッコイイ。
1stで一番好きな曲かも。


CRYSTAL VIPER - The Curse of Crystal Viper - The Last Axeman ★★ (2009-09-26 00:00:55)

後にEPのタイトル・トラックともなったエピック・チューン。
スピードに頼らずとも、こうした重厚なHMナンバーが
作り出せるのがこのバンドの(というかマルタ・ガブリエルの)
素晴しいところ。


CRYSTAL VIPER - The Curse of Crystal Viper - The Last Axeman ★★ (2009-09-26 20:01:12)

後にEPのタイトル・トラックともなった
重厚なエピック・チューン。
スピードに頼らずともこうした優れた楽曲を
作り出せるのがこのバンドの良いところか。


CYCLONE TEMPLE - Building Errors in the Macine ★★ (2009-09-23 02:02:00)

Voをブライアン・トロックからマルコ・サリナスにチェンジして'93年に発表された6曲入りEP。
跳ねるリズムやヘヴィネスが強調された、所謂「モダン・へヴィネス」影響下にある作風が、リリース当時、
スラッシャー諸氏の落胆を誘った作品で、個人的にも初めて①を聴いた時は「CYCLONE TEMPLEよ、お前もか・・・」と
溜息を吐いたクチなのだが、先日、THRASH DOMINATION 09に足を運んでスラッシュ・メタル熱が高まった勢いを駆って、
久し振りに棚から引っ張り出して本作を聴き直してみたら、これが案外悪くない。と言うか結構良いんですわ、これが。
確かにリズムからはストレートな疾走感が、曲展開からは劇的さが、そしてメロディからは憂い/泣きといった要素が
薄れてしまっているのだけど、それでも尚、スラッシュ・メタル然としたスピード感は必要にして
十分保たれているし(前述の①も後半からは疾走へと転じる)、何より、バンドのブレインである
グレッグ・フルトン(G)のメロディ・センスの冴えっぷりも、本編のそこここで確認する事ができる。
特に④は、1stアルバムに収録されていたって不思議ではない、憂いを帯びたメロディが
スピーディに疾走する名曲。(全体的にGソロが大人しめなのは残念だけどね)
当時は時流に日和った作品として、例えばBURRN!!の輸入盤レビューなんかでも酷評されていたが、
今現在このEPがリリースされたなら、恐らくは「オールドスクールなノリを受け継いだスラッシュ・メタルの好盤」
と高く評価されるじゃなかろうか?・・・などと考えてしまう1枚。1stや2nd程ではないにしろ、良く出来てます。
(まぁ2ndアルバムを既に持ってる人が購入する必要は全くない作品だけどね)


CYCLONE TEMPLE - I Hate Therefore I Am ★★ (2006-06-17 21:44:00)

黒人スラッシャー、グレッグ・フルトン率いるドラマチック・スラッシュ・メタル・バンド、'91年発表のデビュー作。
ドラマチックと言っても大仰さは然程感じられず、物憂げな叙情性と、スラッシーな疾走感を併せ持つ練り上げられた楽曲からは、
むしろ洗練されたクールな雰囲気が強く漂う。都会的とでも言いましょうか・・・。
特に、作品の二枚看板とでも言うべき、鋭いカッティングが気持ち良いリフ・ワークから、繊細なアコギ・プレイ、
多分に「泣き」を含んだソロまで流麗にこなすグレッグ・フルトンのGと、憂いを帯びた歌メロを確かな歌唱力で歌い上げる
(太く掠れた声質がイカス)ブライアン・トロックのVoとが、タイト極まりないリズム隊と一体となって疾走する①“WHY"
③“WORDS JUST ARE WORDS"⑥“I HATE THEREFORE IAM"といった起伏に富んだスラッシュ・チューンの数々は劇的なまでのカッコ良さを誇る。
中でもアルバムのタイトル・トラック“I HATE~"におけるGソロの泣き具合ときたら、思わず眉毛が八の字になるほど強力。


CYCLONE TEMPLE - I Hate Therefore I Am - Why ★★★ (2006-05-07 16:52:26)

物憂げな雰囲気漂わす叙情パートと、小気味良い疾走パートとの対比が劇的なドラマを演出する曲展開や、
それをしっかりと支えるタイトなリズム隊、気持ち良いぐらいザクザクと刻まれるクランチーなリフetc・・・
と、絶賛すべき点は多いが、やはりこの曲を名曲以上の「超名曲」足らしめているのは、確かな歌唱力を持ったVoが歌う
憂いを帯びた歌メロ。「よくもまぁこんなフックに富んだ歌メロを思い付くな」と感心させられる程、
ツボを突いたメロディ・ラインが秀逸。取り敢えず、スラッシュ界の「歌メロチャンプ」の称号を進呈したい。


CYCLONE TEMPLE - My Friend Lonely ★★ (2009-10-03 13:21:00)

'93年に発表された6曲入りEP『BUILDING ERRORS IN THE MACHINE』を、新加入のVo.ソニー・デルーカを
フィーチュアした編成で再レコーディング、新曲3曲を追加収録して'94年に発表された変則構成の2ndアルバム。
デビュー作で聴かせた、憂いを帯びたメロディが疾走する劇的なスラッシュ・サウンドに、PANTERA型のヘヴィ・リフや
跳ねるリズム、横ノリのグルーヴを加味した音楽性(でも今の耳で聴き直すと非常に真っ当なスラッシュ・メタルに
感じられる)は『BUILDING~』と同様ながら、突貫作業でレコーディングされたが故にかなりラフな仕上がりだったEPに対し、
本作は、サウンド・プロダクションが格段の向上を遂げ、また、新Voの声質が初代フロントマンのブライアン・トロックの
それを彷彿とさせるため、よりデビュー作寄りの作風に仕上がっているとの印象を受ける。独特の憂いを帯びたメロディが、
都会的な硬質感を纏ってスラッシーに疾走する⑦は何度聴いても名曲です。(グレッグ・フルトンの流麗なGソロも○)
追加収録された新曲3曲に関して言えば、③⑥はまぁ「並」ってな感じがなくもないですが、Voの熱唱が映える
CYCLON TEMPLE版バラードとも言えそうな⑧はなかなかの出来栄え。(尚、⑧の後にシークレット・トラックが1曲収録されている)
嘗ては国内盤もリリースされていたが、今となってはデビュー作以上に入手が困難になってしまった事が惜しまれる1枚、か?


CYCLONE TEMPLE - My Friend Lonely - Killing Floor ★★ (2009-10-03 13:29:19)

全体的にPANTERAっぽさを強めた作風の2ndアルバムの中にあって、
最もデビュー作の頃の面影を留めた高速スラッシュ・ナンバー。
ヨーロッパのバンドとは一味違う、独特の硬質感を湛えて
疾走する憂いを帯びたメロディが素晴しい。
EP『BUILDING ERRORS IN THE MACHINE』にも収録されているので
聞き比べてみるのも一興かと。


CYCLONE(BELGIE) (2012-09-04 07:35:50)

'81年、ベルギーの首都ブリュッセル近郊の街ビルボーデルにて誕生。活動初期はCENTURIONと名乗っていたが、後にCYCLONEと改名する。
メンバー・チェンジを繰り返しつつ数本のデモテープを制作(FEAR FACTORYのクリスチャン・オルデ・ウォルバースやCHANNEL ZEROのエグゼヴィア・カリオンらも一時在籍)。またROADRUNNER RECORDSがリリースしたコンピ盤『METAL RACE』にも楽曲を提供し、これが切っ掛けとなって同レーベルと契約が成立。'86年に1st『BRUTAL DESTRUCTION』でアルバム・デビューを飾った。
'86年と言えばスラッシュ・メタルの名盤の数多くが生み出された言わば黄金時代。それゆえ同作は一部マニア以外の注目を集める事が出来ずに埋没してしまい、バンドは長期間の雌伏を余儀なくされることに。
90年代に入ると、大幅にンバーを入れ替え2nd『INFERIOR TO NONE』をレコーディング。同作は'90年にリリースされたが、当時の所属レーベルの財政状況悪化に伴いプレス数が極端に制限されてしまったため、アルバムは殆ど市場に出回ることはなかったという。これにショックを受けたバンドは間もなく解散の道を選択している。


CYCLONE(BELGIE) - Brutal Destruction ★★★ (2012-09-04 23:00:28)

FEAR FACTORYやCHANNEL ZEROのメンバーも輩出しているベルギー出身の名門(?)スラッシュ・メタル・バンドが、'86年にROADRUNNER RECORDSから発表したデビュー作。
強気なアルバム・タイトルが示す通り、同時期に登場したベルギアン・メタル勢の中でも一際アグレッシブな音楽性を標榜していた彼らが本作において披露するのは、ヒステリックな金切りVoに、2本のG(時にはトリプルG)が刻む、ドリルでコンクリートをハツッてるようなGリフ、それにバタバタと忙しないリズムとが一心不乱に突っ走る、小細工無用、ド直球のスラッシュ・メタル。
攻撃的な演奏やテンション高めな疾走感はSLAYERの『SHOW NO MERCY』、荒削りながらもリフ/リズム・チェンジを組み込んでダイナミズムも演出しようと頑張る曲展開はMETALLICAの『KILL 'EM ALL』、刺々しい割に存外キャッチーなGリフがEXODUSの『BONDED BY BLOOD』をそれぞれ彷彿とさせるハイブリッド・サウンドは、清々しいほどストレートに「80年代スラッシュ・メタル」していて、聴いていると猛烈に郷愁をそそられてしまいます。
これぞ!という強力な名曲を生み出しえなかったことが、本作(とバンド自体)がスラッシュ・メタル史に埋もれてしまった理由の1つと推察しますが、とは言え、収録各曲は押し並べて良く出来ており、少なくともスラッシャーならこれを聴いて失望する人はまずおりますまい。
まるで「80年代スラッシュ・メタル」という言葉を、そのまんま音楽として具現化させたかのような1枚です。


CYCLONE(BELGIE) - Brutal Destruction - Long to Hell ★★ (2012-09-06 23:05:08)

インスト“PRELUDE TO THE END”から
繋がっていくOPナンバー。
EXODUS風の鋭利なGリフが、SLAYER風の
荒っぽくハイテンションなパフォーマンスに乗って
突っ走る、アルバムの幕開けを飾るのに
相応しいスラッシュ・ソング。


CYCLONE(BELGIE) - Brutal Destruction - Take Thy Breath ★★ (2012-09-06 23:09:15)

CYCLONE版“FIGHT FIRE WITH FIRE”と
評される高速スラッシュ・ナンバー。
まぁ、あの曲ほどのインパクトは
持ち得ていないのですが、
一心不乱に突進する様には非常に好感が持てますね。


CYCLONE(BELGIE) - Brutal Destruction - The Call of Steel ★★ (2012-09-06 23:07:39)

イントロの重厚なGリフの刻み具合から
一気に惹き込まれてしまいます。
スラッシュ・メタルというよりは
80年代初頭のハードコアなHMといった趣きが
濃厚に感じられ、日本のSACRIFICEのことを
思い出したりもします。


CYCLONE(BELGIE) - Inferior to None ★★ (2012-09-05 23:35:50)

1st『BRUTAL DESTRUCTION』が不発に終わったことから長期間の沈黙を余儀なくされたCYCLONEが、'90年にベルギーのインディーズJUSTICE RECORDSへ移籍してリリースした2ndアルバム。
演ってるのは『BRUTAL~』と大きくは変わらない、実にスラッシュ・メタルらしいスラッシュ・メタルなのですが、溢れんばかりの初期衝動をダイレクトに叩き付けて来た前作に比べると、DEATHとの仕事で有名なエリック・グリーフをプロデューサーに迎えたことでサウンド・プロダクションが格段の向上を遂げた本作は、炸裂感が抑制された代わりにグッと腰を落としたヘヴィネスを身に着けていて、この辺りはやっぱり90年代の作品だなぁ、と。
従来の高音シャウト型から、ドスを効かせたジェイムズ・ヘッドフィールド型へと歌唱スタイルをチェンジしたVoや、インスト・ナンバー⑧が端的に示す通り、これまで以上にメロディと整合性を意識した曲展開等、カッチリと構築されている楽曲の数々からは、同時期、飛ぶ鳥を落す勢いだったMETALLICAの影響が露骨に顔を覗かせていますが、あちらよりは本作の方がストレートにスラッシュ・メタルしてくれていますし、マッチョにビルドアップされたとは言え、疾走感を減じていない楽曲も相変わらずのカッコ良さ。(これといったキメ曲が見当たらないのも相変わらずですが)
個人的な好みで言えば前作に軍配を上げますが、こっちもこっちで(幻の作品扱いなのが勿体ないぐらい)十分に良く出来ています。


CYCLONE(BELGIE) - Inferior to None - Neurotic ★★★ (2012-09-10 21:09:43)

密度の濃い音作り、メロディを追いかけつつ語尾をシャープ気味に
吐き捨てるVo、疾走感は保持しつつも、イントロに当たる
前曲“CONVULTIONS”と併せると10分に迫る長尺等、
METALLICAからの影響が濃厚に感じられるアルバムOPナンバー。
オリジナリティという点については疑問符が付きますが
カッコイイものはカッコイイです。


Carmilla - Live Explosion '88-'89 ★★ (2023-08-21 23:07:21)

『イカすバンド天国』に出演し、女性メンバーのみで構成された陣容でも注目を集めた4人組HMバンドCARMILLA。終ぞアルバム・デビューを果たすことなく、80年代の国内インディーズ・シーンを駆け抜けた彼女達が、’88年から’89年にかけて残した秘蔵ライブ音源(①~⑦)や、コンピ盤提供曲(⑫~⑭)等を取りまとめて収録した貴重音源集がこちら。
女性メンバーのみと聞くと何やら華やかなサウンドを想像してしまいますが、このバンドが叩きつけてくるのは野郎バンドも裸足で逃げ出す迫力を有するゴリゴリのパワー/スラッシュ・メタル。BLACK SABBATHやSABBLABELLSからの影響を伺わせる白塗りのオカルト・メタルから、より過激なスラッシュ・メタル方向へとサウンドをどんどん先鋭化させていったという彼女達の足跡は、本編ライブ(神楽坂EXPLOSIONで収録)において披露されている楽曲にもガッチリと刻み込まれています。アマチュア録音ゆえプロダクションの劣悪さは相当なものとはいえ、唐突な「高木ブー」コールからスタートするヘヴィネス漲る③、怒涛の如く突っ走るパワー・チューン④⑦、バンドの代表曲たる⑤等々、収録曲のカッコ良さは音質面のマイナスを差し引いても痺れざるを得ないレベル。あと、せっかくVoがドスを効かせた声色でMCをこなしているのに、肝心の話の内容は案外可愛らしかったりする(?)ギャップや、物理的にも心理的にもステージと客席の距離が近いライブハウスならではの、バンドと観客の気の置けないやり取りにもほっこりさせられましたね。
大阪のVALKYRIEだって再結成を果たした昨今、CARMILLAの復活にも期待したくなるのが人情というものなのですが…いかがなもんなんでしょうか。


Carrion (2014-04-01 22:19:17)

現在はGURDに籍を置くV.O.パルヴァーによって、スイスはベルンにて結成。
VENOM、SLAYER、METALLICAに刺激を受け、彼らよりも過激で邪悪でスピーディなサウンドを目指したというバンドは、ライブや、地元の教会の壁にサタニックな落書きを施すといった活動(?)と並行して制作した2本のデモテープが評判を呼んだことから、ドイツのインディーズGAMA RECORDSと契約を結び、'86年に『EVIL IS THERE!』でデビュー。
同郷のMESSAIAHや、ドイツのDESTRUCTIONらと親交を深めつつライブ活動を行うも、大きな成功を収めることは出来ず、しばらく後にVoが脱退。
その後任としてアンドレ・グリーダーを迎えたバンドは、POLTERGEISTと改名して活動の継続を図っていくことなる。


Carrion - Evil is There! ★★ (2014-04-01 22:21:12)

スイスのスラッシュ・メタル・バンドと言えば、個人的にCELTIC FROSTやCORONERを差し置いて真っ先に名前が浮かぶのがPOLTERGEISTなんですが、その前身バンドであるCARRIONが'86年にGAMA RECORDSに残した唯一作がこちら。
初期METALLICAやSLAYER、あと地理的にジャーマン・スラッシャー勢にも触発されたという彼らのサウンドは、「腐肉」を意味するバンド名に相応しい邪気がプンプン。顔面にはコープス・ペイント(やり過ぎて志村けんのバカ殿みたくなってるメンバーもいますが)を施し、オカルト思想や悪魔崇拝をテーマに掲げた歌詞を、テクニック度外視のスピードに乗せて叩き付ける来るスタイルは「プロト・ブラック・メタル」的とも言え、その先見性は同郷のMESSIAHに通じるものがありました。(事実、両バンドは仲良しだったという)
僅か4日間で突貫レコーディングされた音質のローファイっぷりといい、青臭さ全開のVoといい、垢抜けない作りはあからさまにマニア向け。しかしながら、バンドのリーダーたるV.O.パルヴァーの曲作りのセンスやGプレイのクリエイティビティの高さは、例えば正統派へヴィ・メタリックなGリフのカッコ良さが耳を惹く③、緩急を効かせたダイナミックな曲展開が魅力の⑥といった楽曲を耳にすれば、十二分に伝わってきます。
本作発表当時、METAL HAMMER誌のレビューにおいて最低点(7段階評価で1ポイント)を獲得したというエピソードも、今となっては勲章みたいなもんですよ!


Carrion - Evil is There! - Demon's Child ★★ (2014-04-05 02:52:02)

へたくそなVoが朗々歌い上げたかと思えば
一転、ドラムが自棄っぱち暴走しまくるといった
静と動が慌しく入れ替わる曲展開を導入。
サタニックな雰囲気を醸し出そうと頑張っていますが
恐ろしさよりも何となく微笑ましさが先立つのが
このバンドの弱点・・・ではなく、
個人的には好きな所でありました。


Carrion - Evil is There! - Games of Evil ★★ (2014-04-05 02:44:28)

ヤケクソ気味に突っ走りながらも
勢いだけで終わらせず、正統派HMに根ざした
GリフやGソロのカッコ良さからは、
後に開花するV.O.パルヴァーの才能の片鱗を
既に伺い取ることができます。


Ciro Dammicco (2019-10-08 23:42:36)

後にDANIEL SENTACRUZ ENSEMBLEを結成し、’74年には“哀しみのソレアード”を世界的に大ヒットさせた(全米チャート最高第2位)ことで知られるイタリア人ドラマー/シンガー/ソングライター。ピンクレディーも“リンダ・ベラ・リンダ”をカヴァーしていましたっけね。
‘72年と'81年にソロ・アルバムを発表していて、特にメロトロンが全面的にフィーチュアされている前者は、プログレ・ファンの間でも高い人気を誇る。


Ciro Dammicco - Ciro Dammicco ★★★ (2019-10-08 23:51:08)

NEW TROLLSの『CONCERTO GROSSO Part1』に涙して以来、「あの感動よ、もう一度」とばかりに、折に触れてイタリア産のプログレ物をチェックするようになりましたが、元々そっち方面に関する知識が薄弱な上に、当然と言えば当然の話ながら、かの国のバンド全てが濃厚な泣きメロを奏でているわけもなかったという。ただ、そうした中にあって個人的に『CONCERTO~』と並ぶ大当たりだと思っているのが、後にポップ・グループDANIEL SENTACRUZ ENSEMBLE を結成して“哀しみのソレアード”を大ヒットさせるイタリア人シンガー/ソングライター、チロ・ダッミッコ(ダミッコ?ダミコ?呼び名がまちまちでどれが正しいのやら)が'72年に発表したこのソロ・デビュー作です。邦題は『オータム』。
基本的には、濃い口なイタリア語による歌い回しが一層エモーションを掻き立てる、ダッミッコの情熱的なVoが主役のカンタトゥーレ作品で(日本だったら布施明とか上条恒彦辺りが歌っていたポップスに通じる魅力あり)、そのサウンドに複雑さや実験性は皆無。全編を詩情豊かに潤すメロトロンの活躍や、哀切な調べを奏でる生ギター、ピアノ、フルートを丹念に織り込んだアレンジ等から、プログレ愛好家の評価が高いのも納得の作品。中でも聴く者の胸を締め付ける猛烈な泣きを発散するOPナンバー①と、EDを甘く切なく締め括るアルバム表題曲⑩は哀メロ野郎終生の友となる珠玉の逸品。HR的ダイナミズムも感じられる③、サビメロの盛り上がりが感動的な⑤や、優しく包み込むようなバラード⑥も胸打つ名曲ですし…って、要は捨て曲なしの名盤であると。
哀愁のメロディを愛する向きは一度はお聴き頂きたい!と強くお薦めする1枚。


Ciro Dammicco - Ciro Dammicco - Autunno ★★★ (2019-10-10 00:29:15)

アルバムを締め括る抒情的なインスト・ナンバー。
胸をかき乱すように奏でられるピアノを始め、楽器陣が醸し出す
劇的な泣きと儚い美しさに、こちとら聴く度に蕩けるチーズと化してしまいますよ。
個人的にアルバムで最も聴き返す頻度の高い至高の逸品。


Ciro Dammicco - Ciro Dammicco - Tu Mi Eri Scoppiata Nel Cuore ★★★ (2019-10-10 00:15:40)

アルバムのOPナンバーにしてハイライトを飾る名曲。邦題は“君を想う”
ピアノとアコギによる抒情的な導入部から、メロトロンを用いて
ドラマティックに盛り上がるコーラス・パートが発散する哀愁が胸を締め付けます。
イタリア語による濃い口な歌い回しも、楽曲に備わった憂愁を倍増させてくれていますよ。


D.A.M - Human Wreckage ★★ (2007-12-04 22:57:00)

イギリスはランカシャー出身の5人組スラッシュ・メタル・バンドD.A.M.(DESTRUCTION AND MYHEM)が、
'89年にドイツのNOISE RECORDSからリリースした1stアルバム。(プロデュースは勿論ハリス・ジョンズ)
S.O.D.とかD.R.I.とかS.S.S.とか、アルファベット三文字バンド=クロスオーバー・スラッシュ
とのイメージが強いのだけど、このD.A.M.は、重く湿り気を帯びて刻まれるGリフといい、パッと弾けず
煮え切らない曲調といい、疾走感よりも構築感重視の曲展開といい、如何にも英国製(B級)スラッシュ・メタルらしい
魅力に溢れたサウンドを聴かせてくれる(⑨みたいなハードコア・ナンバーもあるけど)
まぁ人によっては、地味過ぎて退屈する可能性も無きにしも非ずなれど、XENTRIXとかPARAIAHとかAPOCALYPSEとか、
この手の音がツボな自分としては、もう大満足な1枚・・・なんだが、シャープ気味に歌うVoの声質がカラッと陽性なせいか、
上記のバンドほどジメジメとした暗さはなく、畳み掛けるように疾走する③や、爽快感すら漂う
⑩のような楽曲には、ベイエリア・スラッシュ・メタル的な趣きも感じられる。
とは言え、やはり本作の核となるのは、アルバムのOPとハイライトを同時に飾るドラマティックな名曲①、
激しくアップダウンを繰り返す⑤、ヘヴィに始まり、徐々にテンションを上げていく劇的な⑧といった楽曲で、
特に、これらの曲に於いて「押し」と「引き」を駆使したメロディアスなソロを連発するリードGは、なかなかの逸材ではなかろうか。
驚くようなクオリティや個性を備えているわけではないが、気が付けばリピート再生しているという、地味に味わい深い1枚。


D.A.M - Human Wreckage - Death Warmed Up ★★ (2007-12-04 23:05:36)

インスト曲“M.A.D."から間髪入れずに繋がる
ドラマティックなイントロ部分で掴みはOK。
重々しい疾走感を基調としつつも、インスト・パートで炸裂する
緩急をわきまえたメロディアス且つ劇的なGソロが胸を打つ、
本編のOPナンバーにして、ハイライト的存在の名曲。


D.A.M - Human Wreckage - Prophets Of Doom ★★ (2007-12-04 23:09:10)

胸に沁みる叙情的なGソロを導入部に、
激しくアップダウンを繰り返しながら突っ走る
高速スラッシュ・チューン。


D.A.M - Inside Out ★★★ (2011-03-27 23:07:53)

イギリスはランカシャー州モーカムにおいて、ジョン(G)とフィル(Ds)のバリー兄弟を中心に結成された5人組スラッシャーが、デビュー作に引き続きプロデューサーにハリス・ジョンズを起用してレコーディング、'91年に発表した2ndアルバム。(CDには④⑧が追加収録されている)
スラッシュ・メタルにしては爆発的な疾走感や尖がった攻撃性に乏しく、パワー・メタルと呼ぶには愛想に欠く本作を「地味」と捉える向きも多かろうが、個人的には、イマイチ派手にハジけ切れない、大向こうから「よっ、英国産スラッシュ・メタル!」と思わず声を掛けたくなる、このドンヨリ薄曇りサウンドがもろにツボ。
しっかりと歌えるハイテンションなVoと、手数多めで刻まれる湿気ったGリフ、歯切れ良く疾走するリズム、そして流麗に切り込んで来るツインGとが、スピードよりも構築感重視の曲展開に併せて矢継ぎ早に畳み掛けるスタイルはそのままに、今回は収録楽曲のメロディとドラマ性に一層磨きが掛けられており、特に起伏の激しい歌メロとキャッチーなGリフがクールな③、緩急の効いた曲展開に、Keyの導入等ドラマティックなアレンジが施された⑩は、本編のハイライトを飾るに相応しい名曲っぷり。また、間髪入れずにスタートするOPナンバー①、B主導でリズミックに突っ走る⑥、デイヴ・ピュー(後にSKYCLADへ参加)のテクニカルなGプレイが荒れ狂う⑨なんかも、メタル・ハートにグッと来る秀逸なスラッシュ・ソングかと。
尚、残念ながら英国スラッシュ・シーンの急速な衰退に抗い切れず、バンドは本作発表後に解散を余儀なくされている。


D.A.M - Inside Out - Appointment With Fear ★★★ (2011-04-02 13:00:08)

尖がりつつもキャッチーでメロディアスな
Gリフと歌メロ、そして縦に刻まれるリズムが
心地良く疾走する2ndアルバム屈指の名曲。


D.A.M - Inside Out - Beneath Closed Eyes ★★ (2011-04-02 13:07:52)

アクセントとしてKeyを導入したアレンジ、
しっかりと歌うVo、徐々に速度を上げつつ
盛り上がっていく曲展開etc・・・と
2ndアルバムをドラマティックに締め括る
6分以上に及ぶ大作ナンバー。
B独演のインスト曲“INSIDE OUTRO”とセットでどうぞ。


D.A.M - Inside Out - The Innocent One ★★★ (2011-04-02 13:02:56)

ブンブン鳴りまくるBに引っ張られる形で
ノリよく疾走するアッパーなスラッシュ・ソング。
それでいて、Gが紡ぎ出すメロディや
緩急の効いた曲展開には
英国バンドらしいドラマ性が宿る。


D.R.I. - Crossover ★★ (2007-07-02 21:15:00)

テキサス出身の4人組スラッシャー、DIRTY ROTTEN IMBECILIES(薄汚い性根の腐った悪ガキ共)ことD.R.I.が、'87年に発表した2ndアルバム。
全世界で10万枚以上を売り上げたD.R.I.の出世作として知られる本作は、『CROSSOVER』という
そのものズバリなタイトルが示す通り、メタルとハードコア/パンクのクロスオーバー現象を語る上で
欠かす事の出来ない名盤の1つであり、個人的には、彼らの最高傑作と信じて疑わない1枚でもある。
ヘヴィなイントロを経て猛烈に疾走を開始。中盤にはGソロまでフィーチュアして、最後は再びミドル・パートに戻って幕となる、
緩急の効いたOPナンバー①が端的に表わす通り、もろハードコア/パンク路線だったデビューEP『DIRTY ROTTEN EP』や
1stフル『DEALING WITH IT』の作風から一転、飛躍的にスラッシュ・メタル度を高めた本作は、重厚な音作りといい、
更に鋭くメタリックに研ぎ澄まされたリフといい、よりダイナミズムを増した曲展開といい、前2作の音圧の低さに
物足りなさを覚えたメタル者の耳すらもガッチリとキャッチする、問答無用のカッコ良さを誇るスラッシュ・チューンがズラリ。
勿論、10秒にも満たない③の如きハードコア・チューンもちゃんと収録されてはいるけれど、やはりそれ以上に魅力的なのは、
ダイナミックに疾走する②、起承転結を飲み込んだ④、切り裂くようなイントロ・リフにノックダウンされる⑦、
ベース主導で忙しなく突っ走る⑩といった、硬派な高速スラッシュ・ナンバーの数々。中でも④は
「聴かせる」インスト・パートまで備えた、本編のハイライト的存在の名曲だ。
それ以外の楽曲も総じてクオリティは高めで、捨て曲は見当たらない。D.R.I.入門編としても最適な名盤じゃなかろうか。


DA VINCI - Ambition Rocks ★★★ (2017-10-23 23:04:18)

80年代に残した2枚のアルバムが、後にゼロ・コーポレーションを通じて日本でもリリースされ、メロディ愛好家達の間で評判を呼んだノルウェーのDA VINCIが再結成。のみならず凡そ30年ぶりとなる3rdアルバムまで発表してくれましたよ。
しかも音楽性の方も、前2作の美点をしっかりと受け継いだ北欧ハードポップを実践。哀愁を含んだキャッチーなメロディを、キラキラなKeyと分厚いボーカル・ハーモニー、それにこの手の音にぴったりフィットする、クセのない声質の持ち主である新Voのプレーンな歌唱とで包んだサウンドは、ジャンル愛好家の顔を綻ばせること請け合い。イントロ序曲①の後を受けて②が爽やかに始まった時には、こちとら「変わってねぇなぁ。最高か!」と、思わず膝を打ってしまったという。
正直なところHR/HMで括るには少々ポップ過ぎる作品ではありますが、オリジナル・メンバーとして踏ん張るグナール・ヴェストリー(G)とダグ・セルボスカー(Key)が、要所で耳を惹くセンスフルな演奏を閃かせ、楽曲内に思わずハッとさせられるフックを構築してくれています。特に、バンドの帰還を高らかに宣言する高揚感に満ちた④、流麗なタッチで奏でられるピアノが曲調のロマンティシズムに拍車を掛けるバラード⑦、キャッチーに躍動する⑥⑩、夜の首都高ドライブのBGMにしたらハマリそうなアーバン且つお洒落な雰囲気漂わす⑫等の楽曲は、変わらぬDA VINCI節が集約された逸品と言えるのではないでしょうか?
これ切りで終わらせず、今後の活動継続に期待を寄せたくなる1枚。


DA VINCI - Ambition Rocks - Angel ★★★ (2017-10-23 23:21:23)

ド直球のタイトルに相応しく、
スウィートでロマンティックなバラード。
しっとり聴かせにかかるGソロもいいのですが、
それ以上に流麗に奏でられるピアノが
実に良いアクセントになってくれています。


DA VINCI - Ambition Rocks - I've Come All This Way ★★★ (2017-10-23 23:17:06)

仄かな哀愁を帯びつつ、
軽快に弾む曲調は爽やかでキャッチー。
且つロック・チューンとしての高揚感もばっちりという、
帰還の挨拶でもある歌詞を含め、
まさに先行シングルに打ってつけの名曲。