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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1601-1700

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1601-1700
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DR.MASTERMIND - DOMINATION ★★ (2012-06-09 22:41:31)

DR.MASTERMINDの自己紹介から始まるOPナンバー。
スラッシーな疾走曲で、ディーン・カストロノヴォの
タイトで痛快なドラミングが映える映える。
この手の曲を聴くと、ディーンにはまたこんな演奏を
聴かせてくんないかなぁ、と思ってしまいますね。
剛直な曲調に大輪の華を咲かせるカート・ジェイムズの
Gソロも聴き応え十分です。


DR.MASTERMIND - DR.MASTERMIND ★★ (2012-06-09 07:00:27)

オジー・オズボーンとブラッキー・ローレスを足して2で割ったような顔面力を持つ男、Dr. MASTERMINDことマット・マッコート(Vo)率いるトリオ・バンドが'86年に唯一残したフル・アルバム。
首魁マイク・ヴァーニーの肝煎りでレコーディングに参加した速弾ギタリスト、カート・ジェイムズと、マットとはWILD DOGS時代に同じ釜の飯を食った仲間でもある凄腕ドラマー、ディーン・カストロノヴォをバックに従え制作された本作には、団子状の音質といい(エンジニアは勿論スティーヴ・フォンタノ)、パワフルだが大味な楽曲といい、隙あらば弾き倒すGといい、もう典型的なSHRAPNEL流パワー・メタル・サウンドが詰め込まれていて嬉しくなります。
肝心要のマットのVoが、メロディに頓着せずガナリ立てるばかりなのは「しっかりせぇよ、ドクター!」ってな感じですが、その弱点を補うのが鮮烈な輝きを放つカートの流麗なネオクラGと、ディーンのタイトにして痛快極まりないドラミング。
8分に及ばんとする劇的な④や、RAIBOWの“SPOTLIGHT KIDS”が引用された⑤なんて完全に主役の座をGに譲っていますし、ディーンのためにドラム・ソロ・パートまで用意された⑧を聴くと、「あんなナリしてるけど、多分Dr. MASTERMINDって凄く良い人なんだろうなぁ」と思わされますね。(社長に無理矢理ネジ込まれたのかもしれませんが)
無論、シンガーとして全く魅力に欠けるわけではなく、スラッシーなアグレッションに貫かれた①⑦では、お世辞にも広いとは言えない声域の中でもカッコイイ歌メロを拾い上げ、スピード・ナンバーの名曲に仕上げてくれています。


DR.MASTERMIND - DR.MASTERMIND - ABUSER ★★★ (2012-06-09 22:48:31)

イントロのスピード・メタリックなGリフから
一気に惹き込まれてしまうスピード・ナンバー。
この手の直線的な楽曲にはDR.MASTERMINDの
野卑のVoも違和感なくはまっていて、
狭い声域の中で一生懸命カッコイイ歌メロを
拾ってくれていてナイスです。


DR.MASTERMIND - DR.MASTERMIND - DOMINATION ★★ (2012-06-09 22:41:31)

DR.MASTERMINDの自己紹介から始まるOPナンバー。
スラッシーな疾走曲で、ディーン・カストロノヴォの
タイトで痛快なドラミングが映える映える。
この手の曲を聴くと、ディーンにはまたこんな演奏を
聴かせてくんないかなぁ、と思ってしまいますね。
剛直な曲調に大輪の華を咲かせるカート・ジェイムズの
Gソロも聴き応え十分です。


DR.MASTERMIND - DR.MASTERMIND - THE VILLA(2631) ★★ (2012-06-09 22:46:37)

8分に届かんとする大作ナンバーですが、
前半のパワフルなHMソング・パートと
後半のカート・ジェイムズのネオクラ・ソロ・パートが
乖離しており、何やら独立した2曲を無理矢理1つに
まとめてしまったような印象あり。良くも悪くも
「俺が主役だ!」と言わんばかりのカートの自己主張に満ちた
Gプレイを聴いていると、苦虫を噛み潰したような
ドクターの顔が思い浮かぶようです。
(実際どうだったかは知りませんが)


DR.MASTERMIND - THE VILLA(2631) ★★ (2012-06-09 22:46:37)

8分に届かんとする大作ナンバーですが、
前半のパワフルなHMソング・パートと
後半のカート・ジェイムズのネオクラ・ソロ・パートが
乖離しており、何やら独立した2曲を無理矢理1つに
まとめてしまったような印象あり。良くも悪くも
「俺が主役だ!」と言わんばかりのカートの自己主張に満ちた
Gプレイを聴いていると、苦虫を噛み潰したような
ドクターの顔が思い浮かぶようです。
(実際どうだったかは知りませんが)


DRAGON - Fallen Angel ★★ (2008-12-08 22:25:00)

'84年、ヤレク・グロノウスキー(G)が中心となってポーランドはカトヴィツェにおいて結成された
「ポーランドのメタル・レジェンド」ことDRAGONが'90年に発表した2ndアルバム。
デビュー作では、同郷のTURBO辺りに通じるパワー・メタル・サウンドを聴かせてくれていたらしいが(未聴)、
フロントマンをチェンジした本作では、禍々しい咆哮を響かせるVoといい、ドロッと粘着質に刻まれるGリフの質感といい、
一気にデス・メタル化。「サタニズムとは無関係に、現代世界におけるサタンの存在について考察したコンセプト・アルバム」(ヤレク談)
との発言がコケ脅しに聴こえない、重く、ダークで、オドロオドロしい雰囲気が全編を包み込んでいるが、ブラスト・ビートの一歩手前で
前のめりに疾走するスラッシュ・メタル然としたリズムや、如何にも東欧的な雰囲気の漂う、寒々として硬質な叙情メロディを
紡ぎ出すGの存在もあって、これが案外聴き易い。(②なんかはドラマティックでかなり良い曲だ)
まぁ、サウンド・プロダクションは冴えないし、詰めの甘い曲作りといい、全体的に垢抜けない印象は拭い切れないが、
それでもゴミ扱いされるのはちょっと勿体無い1枚である事は確か。最近、METAL MINDより
リマスター盤が再発されたので、B級HMマニアの方は挑戦してみては如何でしょうか?


DREAMHUNTER - KINGDOM COME ★★★ (2021-08-30 23:02:44)

結成は80年代半ばまで遡り、メジャー・デビューまであと一歩のところで夢破れたスウェーデンのLIFELINEが、再出発を図ってDREAMHUNTERと名を変え、'96年にZ RECORDDSから発表した1stアルバム。
出身が北欧で、Key奏者を含む編成で、このバンド名で、このアルバム・タイトル、おまけにアートワークはダークでファンタジック…こりゃもう絶対に様式美HM作品でしょう?と「おいでませ北欧へ」な手招きを幻視しながら再生した本作でしたが、意表を突いて始まったのはハスキーなVoによって歌われる、カラッと湿度低めのメロディと厚めに盛られたハーモニーとが、存外ハードにロックするアメリカンなメロハー・サウンド。初めて北欧旅行に出掛けたら記録的な熱波の年で、街中を殆ど水着みたいな恰好の人達が闊歩しているのを見て「フロリダかな?」と戸惑ったことをふと思い出してしまいましたよ。
それはともかく。(一方的な思い込みは棚上げして)JAROに駆け込んだりしなかったのは、やはり収録曲の完成度の高さゆえ。哀愁が最も色濃く薫る④みたいな楽曲の素晴らしさは当然にしても、技ありなアレンジが光る③とヒット・ポテンシャル溢れるバラード⑤は、LIFELINE時代にシングルとしてリリース済みなのも納得のフックを有していますし、アコースティック・ギターの隠し味が効いているアルバム表題曲①や、キャッチーなサビメロが秀逸な②⑦⑧を始め、明るさの中からもヒンヤリと哀感が滲み出すようなメロディの組み立てからは、やはり北欧のバンドならではのセンスが迸っています。
EDGE OF SANITYのダン・スウァノが関与しているという次作も聴いてみたかった。


DREAMHUNTER - KINGDOM COME - MY DAYS ARE COUNTED ★★★ (2021-09-01 00:39:32)

前身であるLIFELINE時代に発表済みの楽曲を
わざわざリメイクしていることからも、バンドの
このバラードに対する自信の程が伺えるというものですが
実際、ピアノをフィーチュアしてじっくりと盛り上がる曲調は
実に感動的。音質がもうちょい良ければ…というのは
ないものねだりというやつですかね。


DRIFTER - Nowhere to Hide ★★ (2013-01-09 22:20:13)

'89年発表の2ndアルバムにしてラスト作。
MOTORHEADのフィル・キャンベルがゲスト参戦して②⑨(後者はROSE TATOOのカヴァー)でGプレイを披露。更にリリース当時BURRN!!誌でもレビューされてそこそこの点数を獲得する等、DRIFTERの代表作と言えばコレっつーことになるのでしょうか。
プロデューサーには再びカレ・トラップが登板しているものの、示唆に富んだ幻想的なイラストから直球勝負の写真へとアートワークの変化が物語る通り、全体的にファンタジックな色合いは後退。より重量感を増し、頑健に鍛え上げられたパワー/スラッシュ・メタル然とした内容となっています。
さりとて、別にドラマティック路線の楽曲が姿を消してしまったわけではなく、ちゃんと「歌う」Voに、相変わらず劇的にハモるツインG等、聴き進めるに従ってその手の楽曲が顔を覗かせる本編は、核の恐ろしさについて歌った②、掛け声コーラスも勇ましく社会問題について提起する③④、アルバムのハイライト・ナンバーに挙げられるエピック・ソング⑧等、グッと来る良い曲が揃っています。
ただ、これぞ!という強力な決め手に欠ける構成はデビュー作同様なんスけどね。


DRIFTER - Nowhere to Hide - Concrete Jungle ★★ (2013-01-12 07:14:12)

タイトルに相応しく
ターザンの雄叫びからスタートするパワフルなナンバー。
シンプル且つマッシブに鍛え上げられた曲調に絡む、
荒々しく畳み掛けて来る野郎コーラスが
非常にカッコ良く、2ndアルバムの
魅力を伝えてくれる逸曲。


DRIFTER - Nowhere to Hide - The Elder ★★★ (2013-01-12 07:10:46)

実質的なアルバムのラスト・ナンバーで
従来の雄々しいドラマ性と、今作ならではの
鍛え上げられたマッチョさが上手く融合した名曲。
個人的には本編のハイライトはコレです。


DRIFTER - Reality Turns to Dust ★★ (2013-01-07 22:11:38)

'83年、スイスはチューリッヒにおいてピーター・ヴォルフ(G)を中心に結成。バンド初期の活動(ロゴ制作とか)にはCELTIC FROSTのトム・G・ウォリアーとマーティン・E・エインが関与していたことでも知られる4人組が、'88年に発表した1stアルバム。
畳み掛ける疾走感や、威勢のいい野郎コーラスといったスラッシュ・メタル的アグレッションと、(プロデューサーのカレ・トラップ繋がりでか)同時期のBLIND GUARDIANなんかに通じるファンタジックなドラマ性、それにプログレ・メタル風味の技巧と展開美を詰め込んだパワー/スラッシュ・サウンドは、ひと口に○○風とは括れない個性を感じさせてくれます。
ただ、たまに朗々と芝居がかった歌唱を披露するVo、起伏の激しい曲展開を堅牢に支える楽器陣など、1つ1つの要素を抜き出して評価すれば高品質なのに、何故かトータルだと今ひとつモッサリとした印象を受けてしまうのは、やっぱ些かキャッチーさに欠けるせいでしょうかね?(特に歌メロとGリフ)
豊富なアイデアを消化し切れていない、やや頭でっかちな部分が見え隠れするアルバムですが、ケルティックなメロディを導入した表題曲①、歌えるVoの存在が光る②、ツインGが印象的なユニゾン・プレイを繰り広げる③、本編中最も正統派HM色が強く出た⑥、“ハイランダー”なるタイトルに相応しい勇ましさを誇る⑦、エピカルにラストを飾る⑧(その後おまけカヴァーの“LA BAMBA”が続きますが)・・・といった具合に、個々の楽曲は良く出来ているので、個人的には結構気に入っているアルバムであります。


DRIFTER - Reality Turns to Dust - Highlander ★★★ (2013-01-10 23:12:49)

ストレートに突っ走るパワー・チューン。
タイトルと歌詞から察するに映画「ハイランダー」が
元ネタにあると思われますが、実際曲調の方も
勇ましい高揚感に満ち溢れています。
劇的なツインGハーモニーにも闘魂を煽られますよ。


DRIFTER - Reality Turns to Dust - Reality Turns to Dust ★★★ (2013-01-10 23:10:15)

アルバム・タイトルを冠しているだけあって
かなり気合の入った作り込みが為されています。
イントロ“DUST TO DUST”から繋がり、
起伏に富んだ曲展開や、欧州民謡風味が取り入れられた
メロディを聴いていると、同時期の
BLIND GUARDIANを思い出したりします。
(もっとパワー/スラッシュ寄りですが)
単なるリズム楽器に留まらない働きぶりを披露する
ベースも○。


DRIVE,SHE SAID - Drive, She Said ★★★ (2020-12-21 23:20:10)

半世紀近くに亘り活動を続けるアメリカン・メロハー界の良心、マーク・マンゴールド(Key)が、盟友アル・フレッチ(Vo)と立ち上げたプロジェクト、最早マークのライフ・ワークとさえ言えそうな(の割に余り評価がパッとしないのが痛し痒し)なDRIVE, SHE SAID。本作は彼らが'89年にCBS傘下のIMAGINE RECORDSからリリースしたデビュー・アルバムで、プロデュースはマーク本人が担当。幾つかの楽曲ではアルド・ノヴァの名前も共同プロデューサーとしてクレジットされ、またボブ・キューリックやフィオナ、トニー・ブルーノ、ケニー・アーロンソンらをゲストに迎えレコーディングが行われています。
ここで聴けるのは、「TOUCHがアルバム1枚きりで解散せず、80年代も作品リリースを重ねていたら、多分こんな音を出すようになってたんじゃなかろうか?」と思わされる、ポップで洗練されたメロハー・サウンド。ヤスリでエッジを削ぎ落したみたいな売れ線狙いのプロダクションがHR/HMならではのエキサイトメントを著しく低下させつつも、楽曲にフックを作り出すマークのKeyと、アル・フレッチのパワフルなVoがサウンドにメリハリを付与してくれていて、右から左へBGMとして聴き流すような真似はさせません。
正直、TOUCH時代の名曲“愛は謎のストーリー”のリメイク③のインパクトが他の楽曲の存在を食ってしまっている感はあるのですが、それでもフロア対応のリズムとファッショナブルなシンセ・サウンドに負けじとアルのロック・シンガー然とした熱唱が芯を通す⑨等、本編はマークの曲作りの腕前が既に健在であることを示す秀曲揃い。
数年前の引っ越しで国内盤の帯をなくしてしまい非常に落ち込んだので、そろそろ再発してくれないものかなぁと。


DRIVE,SHE SAID - Drive, She Said - Don’t You Know ★★★ (2020-12-22 23:22:29)

TOUCH時代の名曲“愛は謎のストーリー”のリメイク。
シンセが増量され、よりモダンなアレンジが施されていますが
アル・フレッチのパワフルな熱唱にドライヴするG等、
これはこれでカッコイイ。
というかこれがカッコ良すぎて、他の楽曲の印象を霞ませてしまっている感が
無きにしも非ずなのですが・・・。


DRIVER - M.a.r.s. ★★ (2016-07-18 08:59:50)

トニー・マカパイン(G)のM、トミー・アルドリッヂ(Ds)のA、ロブ・ロック(Vo)のR、ルディ・サーゾ(B)のSと、各メンバーの頭文字を取ってM.A.R.S.と命名されたHMプロジェクト…と長いこと思い込んでいたので、当サイトの「M」の項目を探していたのですが、そうか、DRIVERが正式名称だったんですよね。そりゃ探しても見つからん筈だわ。
んで、本作は’87年発表のデビュー作。音楽性は、パワフルなハイトーンVo、流麗な速弾きギター、重心低く突進するリズム・セクションetc…と、もう典型的なSHRAPNEL系パワー・メタル。当初はメジャーからのリリースを念頭に置いていたそうですが、どう考えたってこれはSHRAPNEL RECORDSのために誂えた作品としか思えないサウンドですよ。
起伏に乏しい曲調&平易な音作りとが相俟って、仕上がりの単調さは多少気になるところではあるのですが、それを補うのが名手トニー・マカパインの鮮烈なるGプレイ。解説でゴッドが指摘している通り、彼のGソロが走り始めた途端、それまでモノトーンだった楽曲が眩い輝きを放ち始め、更にはKeyまで演奏してサウンドに抒情的なフックを作り出してくれているのですから、本作MVPは間違いなくトニーさんに贈られるべきですよ。昔はスピーディな楽曲が連打されるA面ばかり聴いていたのですが、こうして改めて聴き直してみると、ドラマティックな⑩を始め、Keyを適宜取り入れたメロディアスな楽曲が並ぶB面サイドもなかなか良いなぁと。
「トニー・マカパインには興味はあるけどインスト物は苦手」という方は、まずこの作品から試してみるのも良いのではないでしょうか?


DRIVER - M.a.r.s. - You and I ★★★ (2016-07-19 22:37:15)

トニー・マカパインが、ギターのみならず
Key奏者としても良い仕事をしているドラマティックなバラード。
「歌ってくれりゃ誰でも良いよ」的な、歌メロの練り込み不足が
少々気になった本編にあって(まずインストで曲を作った後、
適当な歌メロを押っ付けた感じ?)、この曲はロブ・ロックの
歌唱力が十分に活かされています。


DUBLIN DEATH PATROL ★★ (2008-12-23 18:33:00)

TESTAMENTのチャック・ビリー、LAAZ ROCKITのウィリー・ラング、
そしてチャックとは幼馴染でもあるEXODUSのスティーヴ・ゼトロ・サウザら、
スラッシュ・シーンの錚々たる面子が寄り集まって'06年に立ち上げられた
パワー/スラッシュ・メタル・プロジェクト。(実際の結成は80年代初頭まで遡るらしいが)
'07年にはMACHINE HEADのフィル・ダメル、VIO-LENCEのエディ・ビリー、TESLAのトロイ・ルケッタらを
ゲストに迎えて5曲入りEP『DDP 4 LIFE』を自主制作・インターネット通販のみでリリース。
RAMPAGE時代に作られたという収録曲は、パワフル&スピーディ、且つ適度なキャッチーさも
備えた優れもので、TESTAMETNTやEXODUS、LAAZ ROCKITファン以外のスラッシャーにも
必ずやアピールするであろうカッコ良さを誇る。
(ちなみに、METALLICAのラーズ・ウルリッヒが本作への参加を希望したものの、
「ダブリン出身者じゃないから」との理由でオファーを断ったとの、豪快な逸話あり)
メンバー的には「プロジェクトじゃなくてバンド」らしいので、
だったら1日も早いフル・アルバムの登場を望みたいところ。


DUBLIN DEATH PATROL - DDP 4 Life ★★ (2008-12-23 18:35:00)

TESTAMENTのチャック・ビリー(Vo)、元EXODUSのスティーヴ“ゼトロ"サウザ(Vo)、LAAZ ROCKITのウィリー・ラング(G)ら、
カリフォルニア州ダブリン出身のミュージシャン達が寄り集まって立ち上げたパワー/スラッシュ・メタル・プロジェクトが
'07年に発表した5曲入りデビューEP。(国内盤は、更にここに有名バンドのカヴァー曲を追加収録)
いくらスラッシュ・シーン屈指のミュージシャン連中が関わっているプロジェクトとは言え、この御時世、自身のバンドでは
やれないような実験的な音楽性を追求してたら嫌だなぁ、と購入には二の足を踏んでいたのだが、実際に聴いてみれば、
これが実にオールド・スクールなノリのパワー/スラッシュ・サウンドが最初から最後まで詰め込まれていて
ホッと一安心。何せMORTORHEAD、UFO、THIN LIZZYといったバンドの名曲のカヴァー⑦⑧⑨⑬が
全然浮いて聴こえないんだから。(殆どがRAMPAGE時代に作られた楽曲なんだとか)
荒々しさとキャッチーさが同居した作風は、スラッシュ誕生前夜のハードコア化したHM的なアグレッションが強く漲り、
解説ではHALLOWS EVEやEXCITERが比較対象に挙げられているが、実際、あの線のバンドが好きな人なら、必ずや本作も
ピンと来る筈。それでいて自棄っぱちな疾走感よりも、ずっしりとした重厚感が強く伝わってくる辺りは、やはりベテラン揃いの
プロジェクトゆえか。個人的には、2本のGがドラマティックな盛り上がりを演出するバンドのテーマ曲⑤が一番気に入ったかな。
5曲のみではどうにも物足りなさが残るので、一日も早いフル・アルバムの登場を待ち望む次第。


DUBLIN DEATH PATROL - DDP 4 Life - Ddp 4 Life ★★ (2008-12-23 22:03:57)

重量感に溢れた、アルバムのタイトル・トラックにして
バンドのテーマソング。
メロディアスな2本のGが盛り上がりを演出する、
終盤のドラマティックな展開が聴き所か。


DUBLIN DEATH PATROL - DDP 4 Life - Iron Fist ★★ (2008-12-23 22:05:46)

言わずと知れたMOTORHEADの名曲のカヴァーだが、
他のカヴァー曲に比べても、その音楽性ゆえ
最もDDPというバンドにハマッて聴こえる。


DUBLIN DEATH PATROL - DDP 4 Life - R.I.P. ★★ (2008-12-23 21:58:32)

Gが派手に弾きまくられるイントロで「おっ」とさせ、
パワフルでノリの良い前半~中盤で聴き手を引き込み、
爆走を開始する後半で一気に寄り切るOPナンバー。


DUKES OF THE ORIENT - Dukes of the Orient ★★★ (2022-02-01 00:13:54)

‘06年にオリジナルASIAの復活が実現。長年の相棒だったジェフ・ダウンズがそちらへ参加してしまったため微妙な立場に置かれることとなった「もう一つのASIA」のシンガー、ジョン・ペイン。本作は彼がプログレ・フィールドでの活躍で知られるエリク・ノーランダー(Key)を曲作りのパートナーに、ブルース・ブイエ(G)、ガスリー・ゴーヴァン(G)、ジェフ・コールマン(G)、ジェイ・シェレン(Ds)ら豪華アーティストをゲストに迎えて――といえば聞こえは良いけど実際は制作期間が長期に及んだせいでメンバーが入れ替わっただけ――レコ―ディングを行い、DUKES OF THE ORIENT名義で’18年に発表したアルバム。
例によってBURRN!!誌では酷評され60点台を食らっていましたが、「ペインが歌いノーランダーが曲作りに噛んでいるのだから、そんな酷い内容なわけなかろう」と購入してみれば、これが元々はASIA FEATURING JOHN PAYNE名義でのリリースが予定されていただけあって、オリジナルASIAの向こうを張るような抒情的でドラマティックなプログレ・ハード・サウンドが全編に亘って展開される力作に仕上がっていましたよ。
特に英国シンガー然とした威厳と包容力溢れるペインの歌声に導かれて、力強くアルバムのOPを飾る①、美麗なハーモニーに彩られた重厚にして劇的な⑤、侘しげに爪弾かれるアコギの導入が効果的な大作⑨といった楽曲は、「ASIAらしさ」の底上げに注力するノーランダーのナイス・アシストも相俟って、まさしくこのタッグに期待する要素が凝縮されています。
ダウンズ/ペイン期のASIAは勿論のこと、MAGNUM辺りの正調ブリティッシュHRサウンドを愛する向きにも強くお勧めできる力作。


DUKES OF THE ORIENT - Dukes of the Orient - Brother in Arms ★★★ (2022-02-02 01:28:48)

アルバムのOPナンバーに相応しい力強さと高揚感を伴い、
聴き手を沸々と勇気づけるような曲調は
近年のMAGNUMに通じる魅力あり。
そのMAGNUMのボブ・カトレイにも通じる
ジョン・ペインのジェントルメンな歌声にも聞き惚れます


DUST - Hard Attack ★★★ (2019-10-06 23:13:27)

フランク・フラゼッタのファンタジックなイラストを配したジャケットが印象的な1枚。後にRAMONESに加入するマーキー・ラモーンことマーキー・ベル(Ds)が在籍していたことで知られるNY出身トリオで、本作は’72年発表の2ndアルバム。雑誌なんかでクラシック・ロック特集が組まれると「隠れた名盤」として取り上げられる機会も多く、昔から気にはなっていたのですが、先日CDショップに足を運んだら何と国内盤が発売されているじゃありませんか。しかも1,000円ぽっきり(税別)。こりゃお買い得でっせぇ。
…ってな宣伝活動はさておき。朴訥とした哀愁を伝えるVoとアコギを有用して曲展開に静と動の起伏を設け、土煙蹴立ててダイナミックにドライヴしまくるHRサウンドは、マニア筋からの高評価も納得のカッコ良さ。特にリード楽器の役目を担うマーキー・ベルの豪快なDs(RAMONES時代とはかなり異なる)は本作の大きな聴き所です。抒情的に始まり緩急を効かせながら熱量を高めていく①、初期MANOWARに通じるエピック性も宿す④、メタリックな攻撃性を放射するインスト・ナンバー⑤、ヘヴィに叩きつけられる曲調を突いてGが鋭角的に暴れ回る⑦といった、炸裂感溢れるドラミングが映える楽曲の数々を聴けば、伊達や酔狂で北欧ヴァイキング・メタルを先取りしたようなマッチョなアートワークを採用し、表題『HARD ATTACK』を名乗っているわけじゃないことが分かりますよ。
甘く美しいストリングスの調べに酔いしれるバラード③や、本編をアコギのイントロとアウトロで挟む構成等からはプログレッシブ・ロックの薫りも漂いますが、全体としては「元祖HM作品の一つ」と評されるのも頷ける圧の強い仕上がり。これが最終作とは残念至極。


DUST - Hard Attack - Learning to Die ★★★ (2019-10-07 23:20:49)

ドカスカと炸裂感に溢れるマーキー・ベルのドラミングと、
動~静~動とダイナミックに繰り広げられる曲展開が
『地獄の鎮魂歌』を発表した頃のMANOWARを思わせもする
埃っぽいドラマ性を宿した6分越えのエピック・チューン。


DUST - Hard Attack - Suicide ★★★ (2019-10-07 23:25:29)

フラゼッタのイラストが違和感なくハマる、
荒々しいヘヴィネスが跳梁するアルバム・ラスト・ナンバー。
Gが鋭角的に荒れ狂いDsが雷鳴の如く轟くインスト・パートは
まさしく元祖HMといった趣きでテンションが上がります。


DUST BOLT (2014-09-02 23:36:54)

ドイツはバイエルン州ランツベルグにて'06年に活動を開始した時、中心メンバーは若干13歳だったという早熟なスラッシュ・メタル・バンド。
KREATOR、METALLICA、PANTERA、パンク/ハードコアをお手本に(特にベイエリア・スラッシュからは影響を受けまくったとのこと)、ライブ活動と曲作りに邁進し、'10年にはかのWACKEN METAL BATTLEで優勝を果たす等、ドイツ国内において確固たる支持基盤を築き上げる。
こうした評判を後ろ盾にNAPALM RECORDSとの契約を実現させたバンドは、'12年にデビュー作『VIOLENT DEMOLITION』を発表。更には'14年発表の2nd『AWAKE THE RIOT』で本邦初登場も果たした。


DUST BOLT - Awake the Riot ★★★ (2014-09-03 23:57:24)

'14年発表の2ndアルバム。デビュー作に引き続きアンドレイ・ボウジコフの手掛けたアートワークや、社会問題について物申す歌詞が、彼らがスラッシャーらしく「言いたいこと」を山ほど抱えたバンドであることを物語ります。
NAPALM RECORDSとの契約を得てレコーディング作業が行われているだけあって、自主制作だった前作とはサウンド・プロダクションの質が段違い。その結果、耳から出血する勢いで刻み倒されるGリフの鋭利な求心力や、猛烈なアップダウンを息を止めて全力疾走しているかのような、手数の多いリズムの迫力が、スポイルされずにダイレクトに伝わって来るようになりました。
PVも作られた②、7分超のドラマが託されている⑩等、単なる彩りの域を超えて「聴き所」として機能するメロディを奏で始めた2本のGに、抑揚の増したシャウトを繰り出すVo(別にメロディアスに歌っているわけではない)・・・と、今回は欧州パワー・メタル成分が上昇。整合性と引き換えに破天荒さが薄れたことに不満を覚える向きもあるようですが、気持ち聴き易くなったからと言って、ジャーマン・スラッシャーらしい突撃感覚に鈍りがないことは、初期KREATORとベイエリア・スラッシュの併せ技一本な①③⑤といったハイテンション/ハイスピード・ナンバーの数々を聴けば明らか。ことに⑧のGリフの只事ではないカッコ良さには、胸の鼓動が早まらずにはいられませんよ。
DUST BOLT入門盤としてお薦めする1枚です。


DUST BOLT - Awake the Riot - Eternal Waste ★★★ (2014-09-05 23:16:43)

パワー・メタリックなGリフを
フィーチュアしつつ、ゆったりとツインGが
ハモる中間部を境に、リズムが更にブーストする
後半パートのカッコ良さにはドキが胸胸ですよ。


DUST BOLT - Mass Confusion ★★★ (2016-08-13 08:41:00)

DUST BOLTも気が付けば本作で3作目('16年発表)。ちゃんと国内盤が発売され、かつて栄華を誇ったスラッシュ帝国ドイツの面目を保っています。
ハードコア/パンク由来の爆発力を有する①と、間髪入れずに畳み掛けるDUST BOLTらしさ全開の②が先制パンチをカマしてくる本編は、千切っては投げ、千切っては投げ…といった歯切れの良さで歌詞を投げつけて来るVo、切れ味鋭いカミソリGリフ、俊敏なフットワークを誇るリズムetc.をフィーチュアして、「せかせか疾走感する微塵も落ち着きのないスラッシュ・メタル」という大枠を今回もしっかりと維持しています。
一方で、Voが適宜にメロディを追う④や⑩辺りを聴けば分かる通り、これまで以上に歌メロやGソロがメロディアスに、曲展開には緩急を導入。特にVoがノーマル声でムーディに歌い上げる⑦なんてまるでバラードのよう…と書くと、「じゃあ聴くのやめようかな」と迷いが生じる硬派なスラッシャー諸兄がいらっしゃるかもしれませんが、どうしてどうして。この曲も愁いに満ちたメロディに胸打たれる逸品ですし(後半はへヴィにパワーUPする)、何よりも、アカペラ・コーラスによる人を食ったイントロ、腰の位置の高いパンキッシュな疾走感、トライバルなグルーヴ、そして劇的なタイミングで炸裂するGソロが一緒くたに突撃する⑥のような、新しい音楽的試みと従来からの持ち味が高いレベルで結実した、魅力的な楽曲の数々を聴かずに済ませてしまうなんて勿体なさ過ぎますよ!と。
一般的に「勝負作」とされる3作目のハードルも楽々と飛び越える力作ではないかと。


DUST BOLT - Mass Confusion - Exit ★★★ (2016-08-18 23:05:35)

儚く爪弾かれるアコギに続いて
ノーマル声で歌い上げるVoが入って来る様は完全にバラード。
中盤以降は全楽器が加わってダイナミックに盛り上がりますが
物悲し気な空気は最後までキープされています。
DUST BOLT史上最大の異色曲と言いつつも、
いやでも胸打たれずにはいられない逸品ですよ。


DUST BOLT - Mass Confusion - Mind the Gap ★★★ (2016-08-18 22:56:38)

陽気なアカペラ・コーラスで幕が開くイントロに
意表を突かれますが、確かな演奏力を活かして
パンキッシュな重心位置の高い疾走感を保持しつつ
曲展開はタテノリからヨコノリまで変幻自在。
ここぞ!というタイミングで炸裂するGソロも
楽曲を効果的に盛り上げてくれます。


DUST BOLT - Violent Demolition ★★★ (2014-09-02 23:38:57)

ドイツ・バイエルン州ランツベルグ出身の若きスラッシュ・メタル・バンドが自主制作でレコーディング、'12年にNAPALM RECORDSから発表したデビュー作。
アンドレイ・ボウジコフの手掛けたアートワークも目を惹く本作ですが、内容の方も決してジャケット負けしていません。ザクザクと刻まれるクランチーなGリフはベイエリア・スラッシャーから、怒りに塗れた野獣シャウトと、手数多めに迫るヤケクソ気味な疾走感は初期KREATORを筆頭とするジャーマン・スラッシャーから・・・といった具合に、欧米それぞれからの影響を取り込んだ折衷スラッシュ・サウンドが彼らの魅力。
リフ/リズム・チェンジを頻繁に繰り返す、アップダウンの激しい曲展開を淀みなくこなすメカニカルなアンサンブルにドイツ人っぽさを漂わせつつも、小難しさがないのは、OPナンバー①からラス曲⑨(SEPULTURAのデレック・グリーンがゲスト参加)に至るまで、ハモりまくるツイン・リードGと前のめりな突撃感覚が、焦燥感を伴って猛烈に肉体に訴えかけて来るせいでしょうか。特に、忙しなく動き回るツインGをフィーチュアして憑かれたように畳み掛ける⑤は、とびきりアッパーな名曲ですよ。
もうちょい楽曲をキャッチーにまとめてくれると、1曲1曲の個性が際立ってくると思うのですが、これが1stフルなら将来に大いに期待が持てるってもんです。


DUST BOLT - Violent Demolition - Toxic Attack ★★★ (2014-09-05 23:08:44)

5分というランニング・タイムは
スラッシュ・ソングにしては長尺ですが
全編を支配するのは性急な疾走感。
鋭利なGリフとリズムのコンビネーション、
それに欧州バンドらしいメロディックな
ツインGが、聴き手の気持ちを逸らせてくれます。


Daemonia (2013-12-02 22:39:27)

GOBLINのメンバーにして、HR/HMファン的にはイタリアのプログレ・メタル・バンドDGMの作品等を手掛けたプロデューサーとしても知られるクラウディオ・シモネッティが、盟友のダリオ・アルジェント監督作品やGOBLINの作品を中心に、ホラー映画の音楽に独自の解釈を加えてカヴァーするために立ち上げたプロジェクト。
'00年にデビュー作『DARIO ARGENTO TRIBUTE』を発表し、'02年には同作を引っ提げて来日公演を敢行。この時の模様は翌年リリースのライブ盤『LIVE IN TOKYO』で聴くことができる。


Daemonia - Live in Tokyo ★★★ (2013-12-03 22:03:27)

ホラー/サスペンス映画の劇伴を、プログレ/ハード・ロック調にリ・アレンジしてカヴァーするプロジェクト、DAEMONIAが'02年に行った来日公演の模様を収めた実況録音盤。
映画雑誌で(音楽雑誌ではなく)ライブ・リポートを読んだ時にゃ「行きたかった!」と臍を噛みましたが、後に本作がリリースされたので結果オーライ・・・と思いきや、美しく/禍々しく/繊細に/破壊的に、サウンドを変幻自在に彩るクラウディオ・シモネッティの鍵盤捌きを中心に、精緻な演奏力を結集して繰り出される名曲の数々、そして大盛り上がりの観衆の反応を聴いたら、余計に「やっぱり行きたかった!」と枕を濡らす羽目になりましたよ。
バンマス役を担うのは勿論シモネッティですが、楽曲はしっかりとビートを効かせてハードにカヴァーされています(ちなみにドラマーはイタリアのプログレ・メタル・バンド、DGMの2代目シンガーとして知られるティッタ・タニ)。
中でも、荘厳かつ邪悪な③、ひときわ観客の熱い反応を呼び起こす『ハロウィン』の④から『エクソシスト』の⑤へと繋がる名曲メドレー、バッハの代表曲をパワフルにカヴァーした⑨、HR然とした熱気を帯びてドラマティックに盛り上がる⑪、そしてラストを怒涛の如き迫力で締め括る⑱といった楽曲は、メタル者にもアピールし得る音圧と熱量、それにエキサイトメントが備わった逸品。
無論、それ以外の楽曲だって劇的な音楽好きなら必ずや心震わされるであろう珠玉の名曲揃いで、映画ファンとプログレ・ファンだけの物にしておくのは勿体ないライブ盤であります。


Daemonia - Live in Tokyo - Demon ★★★ (2013-12-04 22:26:37)

愛すべきホラー映画『デモンズ』のテーマ曲。
冷ややかで禍々しく、でもキャッチーでノリノリな名曲。
ペールギュントの“山の魔王の宮殿にて”のメロディを
引用している辺りが、いかにもユーロ・プログレ・バンドの
手による作品っぽいですね。
「デモン!デモン!デ、デ、デ、デモン!」のコーラスを
一緒に唱和したくならない奴がいるでしょうか?


Daemonia - Live in Tokyo - Phenomena ★★★ (2013-12-04 22:34:20)

ピアノとオペラティックな女性Voの共演による
荘厳な序盤から、切り裂くように入ってくる
シンセをきっかけに楽曲がスピードアップ。
野太い音色で唸りを上げるBと疾走するDsの上で
GとKeyがドラマティックなメロディを狂い咲かせる様は、
メロディック・パワー・メタルさながらの迫力。


Dallas - Dallas ★★★ (2023-08-09 23:49:16)

Vo、G、B、Ds、Key等、あらゆる楽器をこなすサンフランシスコ出身のマルチ・プレイヤー、ブライアン・ダラスがDALLAS名義で’18年に発表した1stフル・アルバム。
ネックレスじゃらじゃらの裸のあんちゃん(ダラスご本人)が遠い目をして収まっているアートワークを初めて目にした時は、てっきりしっぶいブルーズ・ロックか、はたまたヒップホップでも演ってんじゃないかと思ったもんですが、日本での発売元は当時良質なメロハー作品を数多くリリースしていた信頼のブランドANDER STAIN MUSIC。なので本作で聴けるのもレーベル・カラーに沿った、メロディを大切にしたポップ・メタルなのでご安心を。
レコーディングはほぼ独力で行われており(Dsのみ数曲で助っ人が参加)、デジタル配信のデビューEP収録曲から、以前に別名義でリリースされた楽曲、更には新たに書下ろした新曲まで、取りまとめられた楽曲の作曲時期はバラバラながら、「DEF LEPPARD辺りからの影響を伺わせる80年代風味溢れるサウンドに、モダンなアレンジを施して調理する」という方向性は一貫して明確なので、散漫な印象は皆無。ブライアン・ダラスの曲作りのセンスも遺憾なく発揮されており、特に⑥⑦等、アリーナ・ロック然とした魅力を放つ(思わず合唱を誘われる)サビメロ作りの上手さは際立っています。彼自身の全霊を傾けるような熱唱系Voも楽曲を力強く盛り上げていて、とりわけ哀愁に満ちた②や、タメを効かせてエモーショナルに盛り上がるバラード⑤は、聴き手をグイグイと惹き込む名曲っぷり。
ANDERSTAIN MUSIC閉鎖後、その消息は杳として知れませんが、日本市場へのカムバックを期待せずにはいられない魅力の備わった力作です。


Dallas - Dallas - This Love ★★★ (2023-08-11 00:25:43)

曲が進むにつれて哀愁の度合いが深まっていく
メロディアスHRナンバーで、熱唱系Voのエモーショナルな
歌声と相俟って、ぐっと惹き込まれる名曲に仕上がっています。


Dante - In the Lost Paradise ★★ (2022-01-20 00:56:32)

「イカ天」に出場してベスト・プレイヤー賞を受賞する等、インディーズ・シーンにおいて確固たるファンベースを築いていたDANTEが、’91年に満を持して発表した1stアルバム。
購入当時は「加瀬竜哉がBで参加している」ということ以外、本作に関する情報は殆ど手元になかったのですが、バンド名がDANTEで、アルバム・タイトルは『IN THE LOST PARADISE』。しかも発売元がMANDRAKE ROOTとくれば、「これもう絶対にドラマティックな様式美HMアルバムでしょ」と期待に胸膨らませて再生ボタンを押したらば、聴こえて来たのはラフでノリ重視のHMサウンド…。様式美作品でなくとも加瀬のソロ『SISTER LEESA』(’93年)みたいな作風であってくれればと期待していた我が身には肩透かし感が半端なかったものの、クレジットをよく見りゃ作曲担当はギタリスト氏。そもそも加瀬はバンドの中心メンバーでもなんでもなかったという。(思い違いしてたこっちが悪い)
そんなわけで、ファースト・インプレッションにしくじった感のあった本作でしたが、繰り返し聴き込むうちに「これはこれであり」と評価を上方修正。インディーズ制作ゆえの音質的ハンデや、楽器陣の達者さに比べるとVoの弱さが如何ともし難いというジャパメタにありがちな弱点を抱えつつも、キレのある演奏とアレンジ・センスに支えられた楽曲は、キャッチーなコーラス・ワークをフィーチュアして疾走するOPナンバー①といい、躍動感溢れるDANTEの代表曲④といい、アルバム後半を引き締めるスピード・ナンバー⑧といい、時折ギラリと光るカッコ良さでこちらの耳を惹き付けてくれます。
MANDRAKE ROOTも店仕舞いしてしまい、今では余り見かけなくなってしまったのが残念な1枚ですね。


Dante - In the Lost Paradise - Shadowdancer ★★★ (2022-01-21 00:22:00)

テクニカルなGとそれに並走するB等、
楽器陣の見せ場を盛り込みつつ疾走するアルバムのOPナンバー。
大味な勢い任せと思わせておいてからの、
意外にメロディアスに展開するサビメロにハッとさせられます。


Dark Heart (2020-01-13 23:35:17)

英国はヨークシャー州ノーザラートン出身。
GUARDIAN RECORDS N’ TAPESからリリースされたコンピレーション・アルバム『PURE OVERKILL』に参加していたTOKYO ROSEを前身に誕生。ドラマーはBATTLEAXEの1stと2ndに参加していたイアン・トンプソン。
印象的なジャケット含め、マニアから愛されるデビュー作『SHADOWS OF THE NIGHT』(’84年)1枚をROADRUNNER RECORDSに残してバンドは消滅。'87年にEPを発表しているとの情報もありますが、実在を示す証拠はない模様。


Dark Heart - Shadows of the Night ★★★ (2020-01-13 23:40:16)

先日BATTLEAXEのアルバムを聴き直していて、ふと思い出したのがこのDARK HEARTのこと。英国はノース・ヨークシャー出身の5人組で、GUARDIAN RECORDSリリースのコンピ盤『PURE OVERKILL』(’83年)に、MILLENIUMやSPARTAN WARRIOR、INCUBUS、RISK等と共に名を連ねていたTOKYO ROSEを前身とするバンドで、ドラマーが元BATTLEAXEのイアン・トンプソンだったなぁと。
美しい絵画的なジャケットが目を惹く本作は、彼らが'84年にROADRUNNER RECORDSに残した最初で最後のアルバムで、長らく未CD化だった物が'08年にMETAL MINDから1000枚限定でリイシュー。果たして1000枚も需要があるのだろうか…ってな(失礼な)疑問はさておき、篭った音質にヘタウマVo、特段速くもアグレッシブでもない楽曲等々、NWOBHM愛好家の琴線に触れるいなたいサウンドは、若い頃に聴いたら「地味」「面白味に欠ける」と切って捨てていた気がしますが、今聴くとこの愚直なまでのメタル一直線ぶり、天カスだけ振りかけられたウドンみたいな味わいに胸がホンワカパッパしますよ。そういう意味では音的にもBATTLEAXEに通じるバンドと言えるかもしれません。
ただ、いかにも英国然とした湿った旋律を懇々と紡ぎ、随所でメロディアスにハモる2本のGの活躍ぶりはBATTLEAXE以上に顕著で、荘厳なコーラスと劇的な2本のGの絡みが辛抱堪らん⑤、疾走するツインGが主役といっても過言ではない⑥、バラード調に始まってドラマティックに盛り上がりながら本編を締め括る⑨辺りは、このバンドの真骨頂が刻まれた逸品。
積極的に人に薦めるよりも、個人的にこっそり聴き続けていきたい愛すべき1枚ですね。


Dark Heart - Shadows of the Night - Don't Break The Circle ★★★ (2020-01-14 23:58:42)

DEMONの名曲みたいなタイトルですが
実際ちょっと通じる雰囲気を感じたりもするという。
Voの力量不足は如何ともし難いですが、
ツボを押さえたGソロと、印象的に舞うボーカル・ハーモニーが
それを補って余りある魅力を提供してくれていますよ。


Dark Heart - Shadows of the Night - Shout It out ★★★ (2020-01-15 00:04:58)

インストの前半と、テンポアップする後半の二部構成からなる
アルバム最長の7分半に及ぶ大作ナンバー。
その割に大仰さよりも素朴な雰囲気が勝ってしまうのがこのバンドらしいところ。
ここでもやはりメロディアスに駆け巡るGが非常に印象的な仕事をしてくれています。


Death Dealer - War Master ★★★ (2013-07-23 23:05:12)

元DUNGEONのステュ・マーシャル(G)、元MANOWARのロス・ザ・ボス(G)とケニー“ライノ”アール(Ds)、元HALFORDのマイク・デイヴィス(B)・・・と、参加面子の名前を書き連ねただけで、むさ苦しさから体感温度が5、6度は上昇する(錯覚)DEATH DEALERの1stアルバム。
遠足前夜の小学生をも凌ぐテンションの高さで歌いまくるショーン・ペック(Vo)を筆頭に、メンバー全員が青筋立てて演奏してる姿が目に浮かぶようなサウンドは、スピーディ&パワフルにパンプアップされたJUDAS PRIEST・・・というよりもSHRAPNEL風パワー・メタル路線。
まるで真夏に特濃豚骨ラーメンをスープまで飲むことを強要されているかのような、もしくはクーラーのない体育館でボディビルを鑑賞させられているかのような脂っこい作風は、この手の音に耐性のない人が聴いたら最後、高脂血症か熱中症で病院送りになること確実の60分一本勝負。
ですが、逆にツボにハマれば、スピード・ナンバー③⑥⑧や、激情迸るロッカ・バラード④といった収録楽曲における、この高圧的且つ好戦的な畳み掛けはクセになるカッコ良さ。何より筋肉一辺倒ではなく、しっかりとメロディの魅力にも気を払っている辺り、なかなかに侮れません。
大量に汗をかいた後は不思議と爽快な気分も味わえる・・・ポジティブな意味で体育会系根性溢れる1枚。


Death Dealer - War Master - Children of Flames ★★★ (2013-07-24 22:52:41)

バラードなんですが、疾走曲に負けず劣らず
テンションが高いのがこのバンドらしいところ。
勢いで誤魔化すことなく、ちゃんとメロディの
構築にも心血を注いでいることが伝わって来る
ドラマティックな逸品。
アルバムで一番好きな曲かもしれんです。


Death Dealer - War Master - Heads Spikes Walls ★★★ (2013-07-25 23:03:21)

タイトルからしてメタルしてますが、
楽曲自体も、のっけからオッス!オッス!と
畳み掛けて来るムサ苦しくも雄々しくHMナンバー。
昭和の応援団の掛け合いみたいなサビもカッコイイ。


Death Dealer - War Master - War Master ★★★ (2013-07-24 22:43:33)

好戦的且つ高圧的に畳み掛ける
ホルモン過積載なスピード・ナンバー。
それでいて、一緒に歌いたくなる
キャッチーなサビメロや、ブリッジ部分での
メリハリの効かせ方など、力押し一辺倒で
ない辺りが素晴しい。


Death SS (2013-09-01 21:52:18)

ホラーのエレメントを取り入れたHR/HMサウンド(メンバー曰く「ホラー・ミュージック」)を追求すべく、'77年にスティーヴ・シルヴェスター(Vo)によって結成された、デス/ブラック・メタルやオカルト・メタルの源流の1つにも数えられている、カルト的人気を博すイタリア出身の5人組。(ちなみにバンド名はIN DEATH OF STEVE SYLVESTERの略)
・・・といっても、そうした情報を知ったのはインターネット発達以降の話で、結構最近までは単に「妙ちきりんなコスプレ集団」ぐらいにしか思っていなかったのですが。
'88年のアルバム・デビュー以降、無数のメンバー・チェンジを繰り返しながら活動を継続。'13年には最新作もリリースしている様子。


Death SS - Heavy Demons ★★★ (2013-09-01 21:50:13)

吸血鬼、ゾンビ、ミイラ男、狼男、死神の扮装に身を包んだ、前世紀のLORDIか、はたまたイタリアのGWARかといったメンバーの出で立ち、並びにジャケット・アートワークに興味を惹かれて購入した、5人組オカルト・メタル・バンドの'91年発表の2ndアルバム。
結成は70年代まで遡り、時代毎に音楽性を変化させていったと聞く彼らですが、ここで披露しているのはオカルティックな瘴気を纏った正統派HM。荘厳なインスト曲を頭と尻に配置し、シアトリカルに歌うVo、卓越したテクニックとメロディ・センスを併せ持つG、仰々しいドラマを演出するKeyとが一体となって生み出すそのサウンドは、80年代のイタリア製ホラー映画のサントラを彷彿とさせる怪しげなハッタリ感満載。聴いてるとついニヤニヤしちゃいますね。
音質はチープですが、むしろそれが往年のイタリアン・オカルト/ホラー・・・いわゆる「ジャーロ」物が漂わせていた「いかがわしさ」「縁日のお化け屋敷感覚」をイイ感じに底上げしてくれています。
パワフルに疾走する②⑥、濃い口の泣きを湛えたGソロに耳奪われる④⑪やバラード⑦、シャープなGリフのカッコ良さが耳を捉える⑧、ドラマティックな怪奇ムードを湛えた⑤⑨といった楽曲は、このバンドならではの個性を携えて眩しく・・・いやさ、禍々しく黒光りする出来栄え。


Death SS - Heavy Demons - Baphomet ★★★ (2013-09-02 22:38:11)

そのまんまなタイトルに相応しく
怪しげな呪文詠唱からスタートしますが
Gリフは意外なぐらい正統派HMしていてカッコイイ。
個人的には本編で一番お気に入りの楽曲かも。


Death SS - Heavy Demons - Lilith ★★★ (2013-09-02 22:34:16)

イタリアン・ホラーとRAINBOWが
悪魔合体したかのようなドラマティックなヘヴィ・ナンバー。
楽曲が醸し出すオドロオドロしさに比べると
Voがノーマルで(下手というわけじゃないのですが)
キング・ダイアモンド程とは言わないまでも
もうちょいエキセントリックだったら尚良かったかなぁ、と。


Den of Thieves (2014-02-11 20:39:20)

デイヴィッド“ディー”マックニーリー(G)を中心にアイルランドはベルファストにて結成。
そこに後期SWEET SAVAGE(当時はEMERALDを名乗る)で歌っていたジョン“ハーヴ”ハーヴィンソン(Vo)が合流する形でラインナップが整うと、日本のゼロ・コーポレーションと契約を交わし、'94年に1st『HONOUR AMONGST THIEVES』を、'95年には『CONSPIRACY』をリリース。
そこに託された流行とは無縁の高純度ブリティッシュHMサウンドがマニアからは高く評価されたが、時はダーク&へヴィな音が持て囃されていた90年代真っ只中。またゼロ・コーポレーションが音楽事業から撤退してしまった不運も重なり、バンドは解散。
ハーヴは現在はSTORMZONEを率いて元気に活動中。


Den of Thieves - Conspiracy ★★★ (2014-02-13 23:39:11)

沈滞する90年代の英国HR/HMシーンにおいて気を吐いたDEN OF THIEVES、'95年発表の2ndアルバムにして(残念ながら)ラスト作。
勢いよく切り込んでくるKeyリフが、どことなくVOW WOWの名曲“SHOT IN THE DARK”を思わす疾走ナンバー①によるOPだけで「よっしゃ、合格!」と膝を打つ本作は、英国声シンガーの熱唱とバックのタイトな演奏を活かして、憂いを帯びたメロディがキャッチーに駆け抜けていく、「華」はないけど聴けば聴くほどに旨味が染み出す燻し銀のブリティッシュHMサウンドが、今回も徹頭徹尾貫かれています。
①③⑦⑩といった疾走曲のカッコ良さに一層の磨きを掛けると共に、ソロを取ったかと思えばリフも刻み、時にはGとバトルを繰り広げたりと、ゲスト参加とは思えぬ八面六臂の活躍を魅せるKeyのフィーチュア度が格段にUP。これにより潤いとドラマ性が増強された本編は、キャッチーな哀メロ・ナンバー④に、ドラマティックに盛り上がる⑤⑨、爪弾かれるスパニッシュ・ギターが絶品の⑧、ハードポップ風味の⑫etc・・・といった具合に、個々の楽曲のキャラ立ちがより明確になりました。
メリハリ不足やチープな音質といった前作の弱点もきっちりと改善、ポテンシャルの高さを遺憾なく発揮した力作・・・なんだけどこれも廃盤。無念。


Den of Thieves - Conspiracy - New World ★★★ (2014-02-16 22:29:45)

VOW WOWの“SHOT IN THE DARK”を思わせる
リフで切り込んでくるKey(ソロも取る)が、
楽曲の持つキャッチーさも高めてくれている、
アルバムのOPを飾るに相応しい疾走ナンバー。


Den of Thieves - Honour Amongst Thieves ★★ (2014-02-11 20:42:16)

北アイルランドはベルファスト出身のツインGを擁する5人組が、'94年に発表した1stアルバム。
アイルランドといってもケルト音楽の要素はまるでなく、湿気った質感と適度な疾走感を伴って刻まれるリフ&リズムの上で、凛々しく絡み合う2本のGと、熱唱型のVoとが憂いを湛えたメロディを拾っていくサウンドは、見事なまでに「正調英国産HM」していて嬉しくなりますねぇ
Keyがさりげなく効かされた楽曲は、哀愁に満ち溢れた⑧を筆頭に、いずれも一聴して耳を捉えるキャッチーさも備わっていて、何よりそれを歌うハイトーン・シンガーが、カル・スワン系ブリティッシュ・ボイスの持ち主なのも、このバンドが志す音楽性にピッタリとハマっていて雰囲気を盛り上げてくれます。
厚みに乏しいチープな音質と、初めてのアルバム制作に舞い上がって手持ち曲を全部注ぎ込んじゃいました・・・的な締まりに欠ける構成が足を引っ張りますが、期待を煽る序曲①から激しく盛り上がっていく②、その勢いを受け継ぐスピーディな③、高揚感を生み出す④と来て、泣きを纏った劇的なへヴィ・バラード⑤においてクライマックスへと到達する本編前半の流れに明らかなように、1曲1曲の完成度はなかなかのモノ。
NWOBHMファンは勿論、英国メタル好きなら押さえておいて決して損のない1枚。


Den of Thieves - Honour Amongst Thieves - Falling out of Love ★★★ (2014-02-12 22:15:10)

後半へ聴き進むに従って、効果的に導入された
Keyが叙情性とドラマ性をぐんぐん盛り上げていく
アルバムのハイライト・ナンバーに推薦したい
入魂のバラード。熱の篭ったVoの歌いっぷりに
胸を鷲掴みにされる思いです。


Den of Thieves - Honour Amongst Thieves - Never Look Back ★★★ (2014-02-12 22:20:54)

ブリティッシュ・ボイスの威力を
遺憾なく発揮したVoの胸を打つ熱唱と
練り上げられたよく歌うGソロに転げ回る、
キャッチーにして哀愁漂うHRナンバー。


Den of Thieves - Honour Amongst Thieves - The Fools You Know ★★★ (2014-02-12 22:09:28)

不気味なイントロを破って、湿ったGリフと
早過ぎず、遅過ぎもしないリズムが刻まれ、
隙間のない声質のVoがぐっとエモーションを込めて
歌い始めた瞬間、濃厚なブリティッシュ風味に
噎せ返りそうになりましたよ。
Gソロも美味。


Denaro (2014-04-12 09:26:15)

東海岸を拠点に活動していたマーク・デナーロ(G)が、これまでのキャリアで築いた人脈やアイデアを全て注ぎ込んで結成したバンド。
BON JOVIも使用したNYのベアー・トラック・スタジオで、あのデヴィッド・プレイターをプロデューサーに招聘してレコーディング、'93年に発表されたデビュー作は、新人バンドとは思えぬ安定感と完成度を誇るアメリカン・ロックの好盤に仕上がっていた。
同作は評判を呼んで、日本でもゼロ・コーポレーションを通じて国内盤が発売されたが、主戦場たるアメリカではグランジ旋風が吹き荒れる等、いかんせん時代が悪過ぎた。
アルバム1枚のみを残してシーンからフェードアウトしてしまったけれど、デナーロさんは今は何をやってるんでしょうかね。


Denaro - DENARO ★★ (2014-04-12 09:41:46)

マーク・デナーロ(G)率いる4人組が'92年に残した唯一作。(プロデュースはFIREHOUSEらとの仕事で知られるデヴィッド・プレイターが担当)
スカッと晴れ渡った雲ひとつない青空の下で、キャッチーなメロディと、それを効果的に包み込むボーカル・ハーモニーが、時折土の薫りを漂わせつつ健康的に躍動する「80年代アメリカン・ロック」の王道を行くサウンドが詰まった1枚。彼らがカリフォルニア出身と知った時には、あ、やっぱり?と膝を打ちましたよ。
リリース当時は「アメリカン過ぎるなぁ」とあまりピンと来なかったのですが、しかしそれから幾年月。歳食ってから聴き直すと「アメリカンやなぁ」との感想こそ変わらないものの、この完成度の高さには素直に脱帽させられますよ。
時に伸びやかに、時にリズミカルに本編を彩るマーク・デナーロのメロディアスなGプレイといい、ちょっと鼻にかかった声質がこの手の音を歌うには最適のVoに、爽快な疾走ナンバー⑥⑨等でシュアなスティック捌きを披露するDsといい、メンバーが確かな実力を備えた腕利き揃いの上に、乾いた哀愁を湛えたバラード③を筆頭に、強力なフックの盛り込まれた楽曲は、アメリカン・ロックを主食としない身にもアピールし得るクオリティを有しています。
デビューがあと4、5年早ければねぇ・・・。


Denaro - DENARO - Tell Me Why ★★★ (2014-04-13 08:28:32)

アリーナ級の大会場が似合いそうな
雄大なスケール感と、アコギが運んでくる
乾いた哀愁など、いかにもアメリカンな
趣き漂うパワー・バラード。
解説に書かれていた「世が世ならヒット間違いなし」
という文章に全面同意できる名曲です。


Distraught (2014-05-26 23:56:37)

ブラジルはリオグランデ・ド・スル州の州都、ポルト・アレグレ出身で、結成は'90年まで遡る古株スラッシャー。(当初はデス・メタルをプレイしていたようだが)
90年代前半はメンバー・チェンジ、スプリットEPやデモテープ制作で腕を磨き、'98年に自主制作の1st『NERVOUS SYSTEM』でデビュー。
'01年に2nd『INFINITE ABYSSAL』、'04年に3rd『BEHIND THE VEIL』をコンスタントに発表。'07年にはWACKEN OPEN AIR METAL BATTLEに出場して第2位の成績を残す。
'08年、NWOTMの盛り上がりに乗って(?)4th『UNNATURAL DISPLAY OF ART』で日本デビュー。'12年には5th『THE HUMAN NEGLIGENCE IS REPUGNANT』を発表。同作は日本盤のリリースこそ叶わなかったものの、相変わらず強力なスラッシュ・メタル・アルバムに仕上がっていた。


Distraught - The Human Negligence is Repugnant ★★ (2014-05-28 22:58:42)

'12年発表の5thアルバム。
重心位置を低めに設定して、図太いリフ&リズムが、疾走感よりも破壊力重視でブッ込んでくる、モダンな感覚と重量感溢れるスラッシュ・メタル・・・という、前作『UNNATURL DISPLAY OF ART』の路線はそのままに、例えば本編最速のスピード・ナンバー⑤が象徴するように、今回は全体的に「忙しのない疾走感」が3割増し。風通しが良くなった分、湿度と粘度の軽減された音作りの効果が相俟って、これまで以上にオールドスクールなテイストが増強された仕上がりです。
ますます煽情的なメロディを奏でるようになったツインGも、OPナンバー①から早くもその存在感と威力を全開。パワー・メタリックな⑥、そして前作収録の名曲(HIBRIAのディエゴ・カスパルが提供した)“HELLUCINATIONS”を彷彿とさせる③は、その劇的且つ勇壮さから本作のハイライトと評すべき逸品。
残念ながら国内盤は出そうにありませんが、取っ付き易さでは前作を大きく上回り、DISLOUGHT入門盤に打ってつけの1枚ではないでしょうか。(っても、3rd以前の作品は勉強不足で聴いたことがないのですが・・・)


Distraught - The Human Negligence is Repugnant - Justice Done by Betrayers ★★★ (2014-05-31 01:15:50)

勇壮にハモるツインGをバックに
テンポダウンして展開される
エピカルなサビメロに血が滾る
アルバム屈指の名曲。


Distraught - Unnatural Display of Art ★★ (2014-05-26 23:57:59)

ベテラン・ブラジリアン・スラッシャーの日本デビュー作となった、'09年発表の4thアルバム。
歪んだ音作りと、粘着質な咆哮、重量感を伴って刻まれるリフ&リズム、そしてソロ・パートにおいて情熱的なメロディを叩き込んで来るツインGとが、立ち塞がるもの全てを撥ね飛ばして突き進むような骨太サウンドは、南米肉食系スラッシュ・メタルの面目躍如。
前のめりな疾走感より、重心位置を低く据えたへヴィネスを、懐古趣味よりモダンで先鋭的な感覚を・・・といった具合に、今を生きる現役バンドとしての気概を全編に亘って迸らせつつも、ノー・ギミック、ノー・フェイクなセメント・スタイルからも明らかな通り、彼らの根本にあるのは80年代スラッシュ・メタル。
特に、HIBRIAのディエゴ・カスパルが作曲及びゲストGとして参加している④は、(他の収録曲とは少々異なるパワー・メタリックな感触ながらも)血沸き肉踊る勇壮な名曲として存在感を主張しています。


Distraught - Unnatural Display of Art - Hellucinations ★★★ (2014-05-27 23:05:12)

殺気ダダ漏れのブルータルなデスラッシュ・ナンバーですが、
2本のGが雄々しくハモる2ndヴァースは
ちょっとHIBRIAっぽくもあり、
「流石ディエゴ・カスペル提供曲」と思わせてくれます。


Drysill - Welcome to the Show ★★★ (2015-06-09 22:08:24)

中古盤市場ではオリジナル盤LPが数万円~十数万円のプレミア価格で取引されていて、これまでとてもじゃないが手の出なかったアイスランド出身の5人組、'85年発表の唯一作が遂にオフィシャル再発。おめでとう、俺!
人知れず消えてったローカル・バンドのアルバムに何故それ程の高値が付けられているのかと言えば、勿論このバンドの中心人物たるイリルーク・ホークソン氏(Vo)が、後にARTCHでメタラー諸氏の度肝を抜いた驚異的歌唱力のオーナー、エリック・ホークその人だから。でもそれだけじゃなく、内容の方も伝説負けしない素晴らしさなのですよ。
チープな音質や、メタルにかぶれた由紀さおり?が描かれたジャケットは、NWOBHMもどきのイモメタルでも演ってそうな垢抜けなさなれど、いえいえ。ここで彼らが実践しているのは、快活な疾走感を伴ってキャッチーにハジける正統派HM。ライブ映えしそうな②④⑥なんてLAメタルからの影響も伺えるぐらいですが、それでいてメロディが翳りを失っていない辺りはやっぱり欧州のバンドだなぁと。
歯切れの良い疾走ナンバー①、PRETTY MAIDSの名曲“BACK TO BACK”を彷彿とさせるGリフの刻みっぷりが痛快な⑤、TNTのインスト小曲“KRASSIC ROMANCE”を歌入りでカヴァーしたバラード⑦、そしてARTCHにも通じる重厚感溢れる⑧等、エリックの類稀なる歌唱力と組み合わさった収録楽曲はいずれも出色の出来栄えを提示。当然捨て曲なしです。
今回のCD化は666枚限定再発らしいので、ご購入はお早めにどうぞ。


Drysill - Welcome to the Show - Anthem for the Insane ★★★ (2015-06-13 23:48:26)

冒頭のGリフの刻みっぷりだけでテンションが上がります。
ツインGが奏でるメロディは湿っているものの、
全体的にじめじめ度は低く、NWOBHM風味とは一味異なる、
歯切れ良く溌溂とした爽快な疾走ナンバーです。


Drysill - Welcome to the Show - Fiesta for Friends ★★★ (2015-06-10 23:51:26)

ブンブン唸りを上げるBと
重々しくビートを刻むDsに
エリック・ホークのパワフルなVoが
乗っかった重厚な曲調は
様式美BLACK SABBATH・・・というか
ARTCHに通じる魅力を放っています。
ラス曲に相応しい存在感。


Drysill - Welcome to the Show - Play It Loud ★★ (2015-06-13 23:44:57)

KISSの影がちらつくノリノリ・ロックンロール。
それでいて叙情性が滲むブリッジ・パート等は
やっぱヨーロッパのバンドならでは。
歌詞に「TOKYO」が登場するのもポイントです。


Drysill - Welcome to the Show - We're Coming to Rock You ★★★ (2015-06-10 22:53:50)

LAメタルに通じる溌剌としたノリの良さに、
欧州のHMバンドらしい翳りを湛えたメロディ、
ライブ映えしそうな合唱を誘う勇壮なコーラスとが
三位一体となってキャッチーに駆け抜けていく一品。


Drysill - Welcome to the Show - Welcome to the Show ★★★ (2015-06-10 22:41:02)

既にこの時点で説得力十分なエリック・ホークの歌唱と
歯切れの良く刻まれるGリフが威勢良く突っ走る様に
メタル魂がアガりまくる、アルバム・タイトル・トラック兼
ハイライト・ナンバー。聴けて良かった。


D・A・D - Osaka After Dark ★★ (2017-01-17 00:11:23)

D.A.D.と言えば、大ヒット作『NO FUEL LEFT FOR THE PILGRIMS』(’89年)に対して、BURRN!!誌上ではゴッドが90点台を献上。その後すぐに2度の来日公演が実現する等、「新世代北欧ロック・バンドの雄」として注目を集める存在でした。本作はそんな彼らが’90年に日本で行ったショウケース・ギグ(会場は大阪MIDシアター)の模様を捉えた実況録音盤で、収録曲は7曲と少なめ。また選曲が『NO FUEL~』に偏っていることもあり、バンドの入門盤向けというよりは「熱心なファン向けアイテム」に類される1枚かと。
ぶっちゃけ、哀愁と美旋律まみれのオールドスクールな北欧メタルを愛する身的には、その風変りなロックンロール・サウンドは当時完全に興味の範疇外だったのですが、「日本収録のライブ盤」という点に釣られて本作を購入。そしたら「あ。案外良い曲書けるバンドなんだ」と(失礼過ぎる感想)。特にマカロニ・ウェスタンmeetsパンク・ロック=カウパンクと評された彼らの音楽性の真骨頂と言うべき“GIRL NATION”や、シングル・カットされ話題を呼んだ代表曲“SLEEPING MY DAY AWAY”等は、砂塵とタンブル・ウィード舞う西部の荒野を想起せずにはいられない、乾いた哀愁が心地良いったらないHRナンバー。
既に地元では確固たるステイタスを築いていたバンドだけあって、ライブ・パフォーマンスからは実績と自信に裏打ちされた安定感が漂いますし、掛け合いも盛り込んだ7曲目で飛び交う黄色い歓声を聴いていると「あぁ、日本でも人気あったんだなぁ」としみじみ。
興味本位から購入した作品でしたが、思ったよりもずっと楽しめた1枚でしたよ。


DéTENTE ★★ (2008-07-05 01:10:00)

何だか再結成したらしいじゃないですか。
しかも、故ドーン・クロスビーの代わりにVoに抜擢されたのが、
元HELLIONのアン・ボレインだってんだから、笑えばいいのか驚けばいいのか。
バンドのメイン・ソングライターの一人だったロス・ロビンソン(G)は、
今や売れっ子プロデューサーになってしまったので、再結成に参加するのは
難しいようですが、何とか音源を発表してくれないかな~。


DéTENTE - Decline ★★ (2010-09-07 00:14:00)

女性ブルータル・ボイス・シンガー、ドーン・クロスビー(故人)を擁し、現在では名プロデューサーとしての
名声を確立するロス・ロビンソンが、ギタリストとして在籍していた事でも知られるLA出身の
4人組スラッシャーが再結成を遂げ、デビュー作以来、実に23年ぶりに発表した2ndアルバム。
復活当初報じられた「元HELLIONのアン・ボレインが新Voとして加入」のニュースに、一体どんな音が
出てくるのだろう?と大いに期待に胸膨らませていたのだが、レコーディング作業前に既に彼女は脱退済み。
オマケに多忙なロス・ロビンソンも不参加とあって、本作に対する事前の期待値はみるみる萎んでいったのだが、
実際に聴いてみればコレがなかなかの力作で、バンドの底力を改めて思い知らされた次第。
3代目シンガー、ティナ・ティール嬢はドーン・クロスビーと非常に似通った声質の持ち主で違和感は皆無だし、
武骨なりフ・ワークから、耳を惹くソロまで安定してこなすGの踏ん張りも、ロス・ロビンソン不在の穴を
良く埋めている。それに何より楽曲が、変にモダンな方向へ色気を見せる事なく、往年の作風を素直に
継承した正統派スラッシュ・メタル・スタイルなのが素晴しい。(流石にヤケッパチ感は薄れたけれど)
特に緊迫感を伴って疾走する②は、DETENTEの健在っぷりを強烈にアピールする名曲。
もう少しDsにキレが欲しいのは相変わらずなれど、その辺も含めて、往時と変わらぬ魅力が味わえる1枚かと。


DéTENTE - Recognize No Authority ★★ (2007-09-13 21:40:00)

西のHOLY MOSES、東のDETENTEと評された・・・かどうかは知らないが、ザビーネ・クラッセンばりの
強烈なシャウトを響かせる女傑Vo、ドーン・クロスビー(R.I.P.)を擁するLA出身の
5人組スラッシュ・メタル・バンドが、'86年にROADRUNNER RECORDSから発表した唯一のフル・アルバム。
実際、音楽性もHOLY MOSESと共通点が多く(バンド同士付き合いもあったようで、特にザビーネとドーンの両姐御は親しかったとか)、
猛々しく無骨なリフ、怒涛の如く押し寄せるリズム隊、そして凶悪な存在感を放つ女性Voといった要素から
生み出されるサウンドの迫力は、そのHOLY MOSESに匹敵せんとする勢い。
ただ、本家に比べるとドーン姐さんのVoは、音程無視の喚き型ながらも女性ならではの「艶」を感じさせるし、楽曲の方も
ダイナミズムよりストレートな疾走感重視の仕上がりで、この辺のシンプルで乾いたノリは、如何にもアメリカのバンド的と言えるかも。
疾走感を売りにするにはDsのキレがイマイチで、名手ウリ・カッシュも在籍していたHOLY MOSESと比べると、
この点で明らかに聴き劣りがしてしまうとか、折角のツインGを余り有効活用していないのも勿体無いとか、
色々気になる点があるとは言え、パワフル且つスピーディにアルバムの幕開けを飾る①や、パワー・メタリックな
リフが疾走する⑥等、スラッシャーならガッツポーズ物のカッコ良さを誇る名曲/佳曲も収録されているので、
取り敢えず、ARCH ENEMYやHOLY MOSES、最近ならDECADENCEといった、ブルータルな歌唱スタイルの
女性Voを擁するバンドがイケルくちの人なら、本作も要チェック。


DéTENTE - Recognize No Authority - Losers ★★ (2007-09-13 21:44:31)

アルバムのOPをパワフル且つスピーディに飾る
高速スラッシュ・チューン。
噛み付くように歌うドーン・クロスビー姐さんの歌唱に
圧倒されます。


DéTENTE - Recognize No Authority - Shattered Illusions ★★ (2007-09-13 21:46:39)

劇的なイントロから疾走を開始する、
正統派パワー・メタリックなリフにガツンと掴まれる名曲。
個人的にはアルバムのハイライト・チューン。


E-FORCE - Modified Poison ★★ (2008-10-14 23:40:00)

元VOIVODのエリック・フォレスト(Vo、B)が、移住先のフランスにて結成したエクストリーム・メタル・トリオ
E-FORCEが、'03年のデビュー作『EVIL FORCES』以来、実に5年ぶりに発表した2ndアルバム。('08年)
VIOVODと言えば、CELTIC FROST、MEKONG DELTAと並んで個人的に「苦手なスラッシュ・メタル・バンドBEST3」に
堂々ランキング入りしているのだが(でもライブは楽しめた)、このE-FORCEはVOIVOD因子を濃厚に受け継ぎつつも、
難解さや複雑さは控えめで、特に本作は、正統派ヘヴィ・メタリックなカッコ良さや、スラッシーな疾走感といった、
キャッチーな要素が前面に押し出されている為、非常に取っ付き易い。
まぁ、後半へ聴き進んで行けば行くほど、VOIVODに由来する神経症的リフ/リズム・ワーク、捻くれたエキセントリックな
メロディといった実験的要素も頻出してくるのだが、それでもやはり全編を貫き、作品に一本筋を通すのは、血管の
ブチ切れそうな絶叫型Voを筆頭に、頭よりも身体に訴えかけてくるスラッシュ・メタル然としたアグレッション。
取り分け、切れ味鋭いクールなリフ&リズム、そして緩急を心得たメロディックなGソロが一丸となって押し込んでくる①、
VOIVOD風味の前半から疾走へと転じる④、そして、流麗且つドラマティックなGソロが炸裂する、本編のハイライト足る
激烈なスピード・ナンバー⑩といった楽曲は、VOIVOD由来の実験精神と、スラッシュ・メタル・バンドならではの
攻撃性が巧みに組み合わされた、E-FORCEというバンドの魅力を判り易く伝える名曲かと。
オールド・スラッシャーとVOIVODファン、双方の期待に見事に応える高品質な1枚。


E-FORCE - Modified Poison - Agent 99 ★★ (2008-10-14 23:49:54)

唸りを上げるBがメチャかっこいいイントロから、
メロディアスに浮遊する序盤を経て、スラッシーに疾走を開始する
VOIVOD風味の実験精神とスラッシュ・メタル・テイストが
巧みに組み合わされた1曲。


E-FORCE - Modified Poison - Deviation ★★★ (2008-10-14 23:46:45)

ハイテンションな絶叫型Vo、クールなGリフ、
スラッシーに疾走するリズム、その上を舞う緩急を心得たメロディックなGソロ・・・と、
2ndアルバムとE FORCEというバンドの魅力を、判り易く伝える名曲。


E-FORCE - Modified Poison - Exterminator ★★★ (2008-10-14 23:53:07)

タイトルからして期待させられるが、
実際、カッコ良さにかけては2ndアルバム随一といっても過言ではない。
畳み掛けるように疾走するリズム、
シャープに切り込んで来るGリフのカッコ良さも只事ではないが、
やはりトドメの一撃は、流麗にしてドラマティックなGソロ。
炸裂した瞬間に、思わずガッツポーズ取っちゃいましたよ。


E.L.O. - Out of the Blue ★★★ (2012-01-14 00:52:01)

E.L.O.のアルバムは数枚しか持っていないのですが、その中にあって手の伸びる頻度が高いのが、この'77年発表の7thアルバム。
レコードだと2枚組仕様で収録時間70分オーバーの大作アルバムですが、天才メロディ・メイカー、ジェフ・リンが生み出す「BEATLES以上にBEATLESらしい」とも評されたキャッチーで甘やかな叙情メロディを、エレガントなストリングス、スペーシーなKey、優美なボーカル・ハーモニーを導入した壮麗なアレンジで包み込んで聴かせてくれるスケールの大きなポップ・ロック・サウンドは、あまりの心地良さに時が経つのも忘れてしまいます。
ヘヴィ・メタリックな音像を求める向きには刺激が少な過ぎて聴けたもんじゃないかもしれませんが、本編後半には“雨の日のコンチェルト”と題されたプログレ・ハード・タッチのコンセプト・セクション(⑩~⑬)も組み込まれており、STYXやKANSAS、BOSTONなんかがイケル口の人なら必ずや本作も愛聴盤になり得る筈。
取り分け、軽快なイントロを耳にしただけで雨傘片手に踊り出したくなる躍動感に溢れた“Mr. BLUE SKY”は、ポップでキュート、それでいてドラマティックと、彼らの魅力の真髄が堪能できる名曲ですよ!
予約だけで400万枚に到達したというエピソードからも全盛期のE.L.O.の勢いが感じられる、彼らの入門編にも丁度良い1枚じゃないでしょうか?


E.L.O. - Out of the Blue - Mr. Blue Sky ★★★ (2012-01-14 01:02:23)

ポップで軽やかなメロディとドラマティックな
曲展開に心浮き立つE.L.O.屈指の名曲。
“雨に歌えば”じゃありませんが、
雨の日に聴いたら傘片手に踊り出したくなりますよ。
いや本気で。


EARTHSHAKER - EARTHSHAKER ★★ (2006-04-26 22:02:00)

名曲中の名曲“MORE"を収録している2ndアルバム「FUGITIVE」も捨て難いが、
トータルの完成度で選ぶなら、OPを劇的に飾るバンドのテーマ曲“EARTHSHAKER"、キャッチーな疾走曲“WALL"、
エイドリアン・スミス作曲の如何にも(中期)メイデン風なHMチューン“DARK ANGEL"等、捨て曲なしのこのデビュー作こそがマイ・ベスト。
山本隆士に酒井康に宇井秀雄、おまけにデイヴ・メニケッティといった錚々たる面子がライナーに寄稿している事実からも、本作の完成度の高さが伺えようと言うもの。(?)
伊藤政則氏のプロデュースは、今聴くとソフト過ぎてアグレッションに欠けるように感じられるが、
代わりにバンドの武器の一つである「繊細な表現力」は十二分に活かされているので無問題。
特に、そっち方面の代表曲である泣きの名バラード“I FEEL ALL SADNESS"は、全ロック・ファン必聴。


EARTHSHAKER - EARTHSHAKER - I FEEL All SADNESS ★★★ (2006-04-22 01:36:43)

西田“Mr.ヴィブラート"昌史の胸締め付ける熱唱、繊細な表現力でビシバシ涙腺を刺激してくる石原慎一郎のG、
劇的なリズムを叩き出し、ドラマを重厚に演出する工藤義弘&甲斐貴之のリズム隊・・・
「泣きのバラード」という言葉を音楽にしたら、こんな曲が出来るんじゃなかろうか?
思わずそう考えさせられるぐらい、各パートが壮絶に泣きまくる傑作バラード。
特に、石原慎一郎による慟哭のGソロの涙腺破壊力は圧倒的だ。


EARTHSHAKER - Live in Budohkan ★★★ (2018-01-08 00:54:35)

デビュー以来破竹の快進撃を続けて来たEARTHSHAKERが、国産HR/HMバンドとして初めて日本武道館という檜舞台で行ったライブの模様を収めた’86年発表の実況録音盤。メジャー・デビューから僅か3年足らずで武道館に辿り着いてしまったのですから、当時の彼らにどんだけ勢いがあったか分かろうというものですよ。ちなみに以前のCDは容量の関係上数曲カットされてしまっていましたが、現行バージョンはLPに準じた2枚組仕様に戻っていますので、安心してお買い求め下さい。
収録曲は永川敏郎(Key)が正式メンバーとして加入し、音楽性が拡散し始める5th『OVERRUN』以前の初期4作からチョイス。つまり「哀愁のメロディ」と「独特の歌詞世界」とを大切にした歌謡HRチューンばかりがセットリストに並ぶ上に、シンフォニックなOP序曲に導かれて、のっけから劇的に炸裂するのが名曲中の名曲“MORE”ですよ。そりゃあーた、ハートを鷲掴まれないわけがない。
以降も、大合唱を巻き起こす“RADIO MAGIC”“COME ONE”を始め、個人的に愛して止まない“THE NIGHT WE HAD”や、今にもチャイコフスキーの“序曲1812”が聴こえてきそうな(?)工藤義弘のドラム・ソロを組み込んだ“流れた赤い血はなぜ!”から“記憶の中”に“FUGITIVE”まで、名曲・代表曲の数々が目白押し。これらを聴くと、西田昌史のVoにしろ石原慎一郎のGにしろ、一音一音に「歌心」を込めるバンドの姿勢が、ライブという場であっても全くブレていないことがビンビンに伝わって来ますよ。
EARTHSHAKER入門盤として下手なベスト盤に手を出すぐらいなら、まず本作をどうぞ。


EBONY EYES ★★★ (2013-07-14 01:17:02)

『FINAL FIGHT』のCDが遂にリマスター再発、
しかも2010年に行われライブ音源を追加収録した2枚組仕様で・・・っ!
何も知らずに立ち寄ったお店で現物を発見した時は
思わず鼻水吹きそうになってしまいましたよ。
ジャケットがシンプルなデザインに変更されたのは、
賢明な判断のような残念なような・・・(笑)


EBONY EYES - FINAL FIGHT ★★★ (2013-07-30 23:16:43)

待てば海路の日和あり。
長らく廃盤状態にあったEBONY EYESの2ndアルバムが遂にリマスター再発ですよ、お客さん。'91年のリリース当時は完全スルーだったのですが、その後、金谷幸久(G)のソロ作を聴いたことで一気に変心。以来、ダウンロード版や高額な中古盤に手を出さず、ひたすらCDでのリイシューを待ち続けてきた作品だけに喜びも一入ってもんです。
で。実際に聴いてみた本作は、ジャケットにしろ歌詞や曲調にしろ、90年代というよりは80年代っぽさが濃厚に漂っており(特にアルバム前半)、この辺の野暮ったさというか「ジャパメタ的クサ味」が、発表当時BURRN!!誌のレビューコーナーでこき下ろされた要因なんかな?と。
尤も、80年代はおろか90年代すら遠くへと去った今となっては余り意味のない話で、そういう意味では、今日まで再発が伸び伸びになったのは結果オーライと言えるかも。
前作ほど様式美HM寄りではなく、むしろ歌謡メタル的なポップさも感じられる作風ではありますが、元X-RAYの藤本朗の堂々たるハイトーンVo、メロディアスに踊るツインGをフィーチュアした楽曲・・・特に金谷のソロ作でもリメイクされたクラシカルなインスト曲⑥以降の充実度はなかなかのモノ。本編エンディングを締めるアルバム表題曲⑪なんて、これ1曲のみで「アルバム買って良かった」と思わせてくれるドラマティックな名曲ですよ。
客観的に評価すれば星2つってところですが、待望の再発に対する喜びを加味すれば、星3つでも足りません。ありがてぇありがてぇ。


EBONY EYES - FINAL FIGHT - FINAL FIGHT ★★★ (2013-07-31 22:53:57)

コブシの効いたメロディを歌い上げる
藤本のハイトーンVo、起承転結の決まった
劇的な曲展開から各楽器陣の見せ場まで
盛り込んだ、EBONY EYES全部乗せな名曲。
まぁぶっちゃけ“KILL THE KING”なんですけどね。


EBONY TEARS - Tortura Insomniae ★★ (2007-02-25 21:53:00)

スウェーデン出身の4人組メロディック・デス・メタル・バンド、'97年発表の1stアルバム。
『眠れぬ夜の物語』という秀逸な邦題の付けられた本作、とにかくメロディの魅力が半端じゃありません。
普段、余りメロデスに入れ込んでいない自分でも、これにはバッチリやられてしまった。
デス声も凶悪度控えめ(ちゃんと歌詞が聞き取れる)だし、スピードもブラスト・ビートではなく「スタスタ」という
2ビートが基本なので、良く出来たスラッシュ・メタル・アルバムとしても楽しむ事が出来る優れ物。
(つまり、一般的なデス・メタル・リスナーには物足りない内容という事かも知れないけど)
そして何より本作の肝は、北欧民謡風の寒々としたメロディを奏で、楽曲に気品と幻想的な雰囲気を演出する
バイオリンの存在。
リフにソロにとアルバム全編に渡って大活躍する様は、まさに「北欧版SKYCLAD」の如き趣き。
特に、メロディアスなリフ、ストリングス、アコギ、女性Vo、ノーマルVoといった要素が
ギュッと詰め込まれた疾走チューンが連打される①~④の流れは本作の白眉。
惜しまれるのは、ラストを締める⑨がインダストリアル調の仕上がりで余り魅力的とは言えない点なのだけど、
そこへ辿り着くまでの⑤以降の楽曲の完成度も非常に高いため、大した傷にはなっていない。
本作、現在は既に廃盤らしいが、探し出して聴く価値大いにありの名盤だ。


ECLIPSE - Are You Ready to Rock ★★★ (2015-08-28 22:32:07)

FRONTIER RECORDSが仕掛けた数多のプロジェクトに参加し、ソングライターとしての手腕を振るって来たスウェーデン人アーティストのエリック・マーテンセン。その彼のメイン・バンドたるECLIPSEが'08年に発表した2ndアルバム。
そんなわけで聴く前から出来の良さは約束されたようなもんの本作ですが、実際に聴いた後も、その信頼が裏切られることはありませんでした。80年代風味満点の健康的なメロディックHR(日章旗ジャケットの採用は80年代っぽさを演出するためか?)という、デビュー作で披露したサウンドを継承しつつ、メロハー路線に寄せてた前作に比べると、今回はWHITESNAKEやUFOといった彼らのルーツたるブリティッシュHRバンド勢に対する愛情をつまびらかに開陳することで、楽曲に、よりハード・ロッキンなエッジと躍動感が加味されているのが特徴。その辺は『ARE YOU READY TO ROCK?』なる直球極まりないタイトルが堂々表す通りですね。
それでいて勢い任せで大味になってしまうことはなく、涼しげな哀愁に彩られた歌メロにしろ、メタリックに弾きまくって存在感を主張するGソロにしろ、全編に亘ってフックの大盤振る舞いなのですから、やはりエリック・マーテンセン、只者じゃあない。
無駄なく構成されたアルバムに捨て曲は見当たりませんが、中でもアグレッシブな曲調と伸びやかなサビメロの対比が印象的な②と、アコギ爪弾かれるイントロの後、憂いに満ちたメロディが本編随一のハードさを纏って駆け抜ける⑤の2曲は、それぞれアルバムの山となるハイライト・ナンバー。
これ以降のアルバムも聴いてみたくなる魅力溢れる作品です。


ECLIPSE - Are You Ready to Rock - Hometown Calling ★★★ (2015-08-30 00:37:10)

円を描くような感じで刻まれるGリフ、
疾走するリズムや印象的にハモるツインGまで、
曲調はヘヴィ・メタリックと言っていいぐらい
アグレッシブですが、その上に乗っけられた
歌メロは実に伸びやかでフックに満ちています。


ECLIPSE - Are You Ready to Rock - Under the Gun ★★★ (2015-08-30 00:42:57)

叙情的なイントロから、シャウト一発、
熱く弾ける攻撃的な曲調へと転じる様式美全開な曲展開で
早くもハート鷲掴み。
北欧のバンドらしい憂いをたっぷりと湛えつつも、
一緒に歌いやすいキャッチーさも加味されたサビメロに
メタル魂が燃え上がりますよ。