この曲を聴け!
火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1801-1900

MyPage

火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1801-1900
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70
モバイル向きページ 


EXODUS - Exhibit B: The Human Condition ★★ (2010-08-01 21:12:00)

久し振りにメンバー・チェンジなしで制作、'10年に発表された9thアルバム。
「人類の残虐行為」をテーマに据えた、7th『THE ATROCITY EXHIBITION(EXHIBIT A)』と対を成すコンセプト作
ということで、基本的には前作の作風を受け継ぐ、殺伐とした空気が充満するスラッシュ・アルバムなのだが、
テーマがテーマなだけに「重苦しい」「キャッチーさに欠ける」と賛否が分かれた『EXHIBIT A』に比べ、
こちらは疾走感3割増しの上、ゲイリー・ホルトとリー・アルタスのGコンビが、前作以上に華麗にして流麗な
ツイン・リードを随所で炸裂させまくっているため、取っ付き易さでは本作の方に軍配が上がる。
「EXODUSの声」として益々凄味を増したロブ・デュークスの肉食獣シャウト、独特の音色と切り口で刻まれるGリフ、
高揚感を生み出すリズム、それに正統派へヴィ・メタリックなツインGとが抜群のコンビネーションを発揮して
畳み掛けて来る、キレとノリの良さを併せ持つ①②④⑤⑧といった疾走曲のカッコ良さはこのバンドならではで、
②⑧なんぞ、聴いていてテンション上がり過ぎて、血管がぶち切れるかと思いましたよ。
通常のスラッシュ・アルバム2枚分に相当する、70分超の収録時間は明らかに詰め込み過ぎだし、
楽曲の中にはもっとストレッチ出来たのでは?と感じさせられるモノもあるにはある。また「南京大虐殺」を
題材に取ったヘヴィ・チューン⑦の対訳を載せないレコード会社の腰の引けた姿勢も気に食わないが、
そうした諸所のマイナス点を差し引いても、本作のクオリティの高さはやはり脱帽モノ。EXODUS凄し。


EXODUS - Exhibit B: The Human Condition - Beyond the Pale ★★★ (2010-09-18 01:22:11)

凶悪にしてキャッチー
禍々しくもドラマティック
これぞEXODUS!と思わずコブシを握り締める
リズミック且つ鋭利に畳み掛けるリフ&リズム、
そして飛翔するGソロのあまりのカッコ良さに
血管がプツンといきそうになりました。
再結成後のEXODUSが生み出した
屈指の名曲の一つじゃないでしょうか。


EXODUS - Fabulous Disaster ★★ (2007-01-17 21:48:00)

歯切れの良い疾走感が小気味イイ①、EXODUS史上屈指の名リフが炸裂する②、バンドが一体となって
生み出すグルーヴに思わず体が反応する③という、冒頭からの名曲3連打が圧巻の、'89年発表の3rdアルバム。
アグレッシブ且つキャッチーなリフ、リズミカルでノリの良いVo、印象的なフレーズを閃かせるツインG、
適度なユルさで疾走するリズム隊etc・・・と、EXODUS流スラッシュ・メタルの醍醐味がギュッと詰め込まれた、
この頭3曲のインパクトが余りにも強烈過ぎるせいか、後に続く楽曲の存在感が思いっきり霞んでしまっているのは
問題だが(メロディックなGソロが美味しい⑥⑦なんて普通に良く出来た曲なのに・・・)、
その辺りを差し引いても、聴く価値は大いにある作品。
あと付け加えておくなら、WARのカヴァー④、ブルーズ風の⑤、AC/DCのカヴァー⑩といった
楽曲を聴けば明らかな通り、彼らのアルバムの中では最も陽性のノリが強く出た1枚でもあります。


EXODUS - Force of Habit ★★ (2007-04-10 22:15:00)

トム・ハンティング(Ds)に続きロブ・マッキロップ(B)まで脱退。その後任にマイク・バトラーを迎え入れて
'92年に発表された5thアルバムにしてラスト作(その後、再結成したわけだけど)。
うーん、ごく普通のへヴィ・メタル・アルバムですな、こりゃ。この時期、進むべき音楽的方向性を巡って
所属レーベルのキャピトルとかなり揉めたらしいが、その結果、メンバーのモチベーションの著しい低下が
はっきりとレコードに刻み込まれてしまっていて、全体的に、やや緊張感に欠ける散漫な仕上がり。
中でも、スティーブ・ゼトロ・サウザ(Vo)のテンションの低さはどうした事か。また、楽曲が無駄に長いのも
緩い雰囲気に拍車を掛けていて、特に、年寄りの小便の如くダラダラとキレのないアルバム後半の構成には、
もっと工夫が必要だったのではなかろうか?カヴァー2曲も思いっきり浮きまくってるし・・・。
と、前4作と比較するとどうしても文句が先行してしまう本作なれど、じゃあ救いようのない駄作なのかと言えば
決してそんなことはない。相変わらずリフのアイデアは秀逸だし、H-TEAMによるメロディックなツイン・リードも聴き応え十分。
本編屈指の名リフとツイン・リードが炸裂する②、高速スラッシュ・ナンバー⑤、スラッシーに始まり、山あり谷ありの展開を経て、
アコギで締め括られるドラマチックな⑦といった楽曲は、過去の名曲群と比べても全く遜色ないカッコ良さを誇る。
王道スラッシュ・アルバムを期待するとスカされるが、ヘヴィ・メタル・アルバムとしては良く出来た1枚のように思う。
まぁ、何も彼らがこういう作品を作らんでも・・・と思わなくもないけどね。


EXODUS - Impact Is Imminent ★★ (2007-01-17 22:05:00)

バンドのメジャー・デビュー作という事で、キャピトル・レコードが権利をガッチリ握っているせいか、
なかなか再発が掛からずに最近はめっきり店頭でも見かけなくなってしまった、'90年発表の4thアルバム。
本作を先ず一聴して圧倒されるのが、その強烈極まりないサウンド・プロダクション。まるで耳に
ヤスリを掛けられているかの如く、ジャキジャキと刻まれるエッジの立ちまくったリフは、重く、分厚く、
ベイエリア・クランチの完成型とでも言うべき迫力を誇る。この特性を存分に活かして歯切れ良く疾走する
アルバム・タイトル・トラック①は、本編の幕開けを飾るに相応しいインパクトを備えた、必殺の名曲。
前作『FABULOUS DISASTER』は、EXODUSの持つファニーな面が強く表れた1枚だったが、今回は幾分か
メロディに欧州的な湿り気が戻ってきていて、特に、緩急の効いた⑦、よく歌うツインGが印象的な⑧、
ラストを猛スピードで駆け抜ける⑨という後半3曲の畳み掛けは、間違いなく本編のクライマックス。
正直、地味な曲が並ぶ中盤はダレなくもないのだけれど、この後半の一山があるお陰で、聴き終えた後の満足感はかなりのもの。


EXODUS - Let There Be Blood ★★ (2009-09-23 02:18:00)

ロブ・デュークス(Vo)、ゲイリー・ホルト(G)、リー・アルタス(G)、トム・ハンティング(Ds)、
ジャック・ギブソン(B)という編成に落ち着いたEXODUSが、「黎明期のスラッシュ・シーンに燦然と輝く名盤」と
高く評価される、'85年発表の1st『BONDED BY BLOOD』をセルフ・リメイク。
本作はTESTAMENTの『FIRST STRIKE STILL DEADLY』の方法論に触発されて制作されたらしいが、様式美HMに通じる
構築美やドラマ性を湛えた初期TESTAMENTの名曲群が、リ・レコーディングによって一層魅力的に蘇っていたのに対し、
『BONDED~』の魅力は、楽曲のカッコ良さのみならず、ヘタクソなVoや劣悪な音質といったマイナス要素すらも
強力な武器へと転化してしまう、当時のEXODUSが放っていた圧倒的「初期衝動」や「カリスマ性」にも負うところが
大であり、そうした要素は単純に録り直したからといって再現できるものではなく(というか不可能)、
正直な話、本作からオリジナル版を超えるようなインパクトを受ける場面は殆どない。
とは言うものの、単純に「優れたスラッシュ・ソングの数々が良好な音質で楽しめる作品」としては文句なしの内容であり、
特に名曲⑤なんて、サウンドの切れ味が増したことで明らかに原曲を上回るカッコ良さを獲得しているんじゃなかろうか。
「①~⑤の流れは何度聴いても完璧」とか「ラストを締める⑨はやっぱり名曲」とか、改めて『BONDED BY BLOOD』の
素晴しさを再認識させてくれる1枚。先日行われたTHRASH DOMINATION 09で、本作が完全再現されたのも嬉しかったなぁ。


EXODUS - Pleasures of the Flesh ★★ (2006-07-21 23:21:00)

Voをポール・バーロフからスティーブ・ゼトロ・サウザに代えて、'87年に発表された2ndアルバム。(国内盤には『栄光への挑戦』なる邦題がつけられていた筈)
良い意味でも悪い意味でも尖がっていた1st「BONDED BY BLOOD」に比べ、格段に聴き易くなっているのが大きな特徴で、
これは、前任者よりメロディを追えるタイプのVoの存在、サウンド・プロダクションの向上と、
演奏のキレをしっかり捉えた整理された音作り、そして何より、フックに富んだキャッチーなクランチ・リフに由るところが大。
個人的に、EXODUSの名前を聞いて想起する音像は、本作に於いて確立された感あり。
勿論、楽曲が親しみ易くなったとは言え、攻撃性は微塵も損なわれてはおらず、アルバム全編、スラッシーに疾走しまくり。
ゲイリー・ホルト&リック・ヒューノルトのH-TEAMによるツイン・ギターも、益々メロディの煽情力を高め、
特にキャッチー且つアグレッシブに刻まれるリフが秀逸な③“PARASITE"、2本のギターが互いに煽り合って
クライマックスへと昇り詰めていくドラマチックな曲展開が失禁モノの⑧“SEEDS OF FATE"(序曲代わりのインスト曲⑦も美しい)
といった楽曲では、その真髄が存分に堪能できる。
スラッシュ・メタル・バンドとしてのEXODUSの代表作は、間違いなく本作だろう。


EXODUS - Pleasures of the Flesh - Seeds of Hate ★★★ (2006-04-13 20:26:22)

EXODUSと言えば、一番好きなアルバムは『BONDED BY BLOOD』だが、一番好きな曲はこれ。
アコギによる美しい小曲“30 SECONDS"(正確には“35 SECONDS"だが/笑)をイントロに、
「攻撃的でありながらキャッチー」という相反する要素を兼ね備えて疾走するリフが凶悪なまでにカッコイイ。
憑かれたかのように突っ走るトム・ハンティングのDs、
エキセントリックでありながら、しっかりと歌っているスティーヴ・ゼトロ・サウザのVoも強烈ながら、
やはり主役はゲイリー・ホルト&リック・ヒューノルトのH-TEAM。
2本のギターが絡み合うようにして高みへと昇り詰めていくクライマックスのソロ・パートは、
あまりの恍惚感に失禁しそうになりましたですよ、はい。


EXODUS - Shovel Headed Kill Machine ★★ (2006-07-24 17:24:00)

再結成2作目を前に早くもラインナップが崩壊。ゼトロ離脱は予想範囲内だったが、H-TEAMの片翼リック・ヒューノルトと、
EXODUS独特の疾走感の要トム・ハンティングの脱退には心底驚かされた。ともあれ、その後任にポール・ボスタフとリー・アルタスを
迎え入れるというサプライズ人事で体制を立て直し、殆どベイエリア・スラッシュ・オールスターズと化したEXODUSが
'05年に発表した7thアルバム。しかもこれが傑作ときたもんだ!
メロディ無視で吠えまくるVo(ポール・バーロフ程の狂気はないが)、キャッチーさより攻撃性を重視した作風は、
1st「BONDED BY BLOOD」を思わせるが、これまでになくベース音が強調された音作りと、重量感溢れるタイトなドラミングによって、
ガチガチにビルドアップされまくった硬質な楽曲は、明らかにその1stの頃の路線とも異なる。
「ショベル付き殺人戦車」の進撃の如きミドル・チューンも迫力だが、やはり本作の肝は高速スラッシュ・チューン。
中でも頭3曲のリフのカッコ良さは強烈の極みで、スラッシュ・ファンならハートを鷲掴みにされること請け合い。
また、こうした楽曲に流麗に斬り込んでくるリー・アルタスのGも期待通りのドラマ性を誇り、
ともすれば剛直一辺倒になりがちな楽曲に潤いをもたらすと共に、美醜の対比によるダイナミズムをも生み出している。
前作『TEMPO OF THE DAMNED』も良く出来た作品ではあったが、本作を聴いてしまうと、やはり人間関係の歪みが、
その完成度に多少なりとも影を落としていたのかな・・・と思わざるを得ない。
新たなEXODUS流スラッシュ・メタルの創出に成功した、底なしの才能の持ち主ゲイリー・ホルト、恐るべし。
そして、同じく豊かな作曲能力を有するリー・アルタスが曲作りに参加するであろう、次作以降のアルバムが今から楽しみでならない。


EXODUS - Tempo of the Damned ★★ (2007-01-22 21:10:00)

再結成EXODUSが、紆余曲折を経て'04年に発表した復活の6thアルバム。
かなり迷いの感じられる内容だった前作『FORCE OF HABIT』の反省を踏まえて、本作は自らの原点に
立ち返ったかのような、強力なスラッシュ・メタル・アルバムに仕上がっている。
アンディ・スニープが手掛けたサウンド・プロダクションは、これまでの作品とはかなり違った感触を伝えるものの、
OPチューン①における、キャッチー且つアグレッシブに刻まれるリフ、そして何より躍動する
トム・ハンティングのDsを聴いた瞬間、“あの"EXODUSが帰ってきた!と実感。
全体的にアグレッシブさが前面に押し出されていて、特に、スティーブ・ゼトロ・サウザの力みまくった歌唱は
それを強く意識させる。ただ、迫力は十分だが少々躍動感に欠ける印象が無きにしも非ずで、
折角のミドル・チューンの魅力をスポイルしてしまっているような・・・。
その代わり、精彩に欠けるゼトロのVoを補って余りあるのがH-TEAMの活躍っぷりで、特に④⑤⑥といった楽曲で
炸裂する、2本のGが互いに煽り合って昇り詰めていく、EXODUS必殺のメロディックなツイン・リードは最高としか!
アルバム後半、テンションが下降線を描いてしまうのは残念だが、ファンの期待に見事に応えた力作なのは間違いない。


EXODUS - The Atrocity Exhibition: Exhibit A ★★ (2007-12-06 23:23:00)

精神疾患を理由にバンドから離脱したオリジナル・ドラマーのトム・ハンティングが戦線復帰を果たした、'07年発表の8th。
基本路線は前作『SHOVEL HEADED KILL MACHINE』と同様ながら、今回は「組織化された宗教と、その名の下に行われた
残虐行為の数々」をテーマに取り上げたセミ・コンセプト作ということで、いつになくダークな雰囲気がアルバム全編を支配。
『IMPACT IS IMMINENT』を更に強力にした感じのヤスリ状サウンド・プロダクション(アンディ・スニープ謹製)や、
収録曲の大半が7分以上という大作主義が貫かれた作風と併せて、圧し掛かってくるかのようなへヴィネスが圧倒的迫力を誇る仕上がり。
そんな重苦しい空気の中で存在感を発揮するのが、トム・ハンティングのDsと、ゲイリー・ホルト&リー・アルタスの
Gコンビで、前者はEXODUS流スラッシュ・メタルの要とも言うべき躍動感溢れるドラミングで、後者は、ダークな曲調の中で
閃くメロディックなツイン・リードでもって、その重苦しいトーンを緩和する機能を果たしている。
中でも、劇的なインスト曲①の時点でグッと掴まれ、OPのドクランチなリフが炸裂した瞬間ガッツポーズを取ってしまう
高速スラッシュ・ナンバー②や、ロブ・デュークスがクリーンVoによる歌唱も披露する④、ドラマティックなツインGの
ハーモニー・プレイが聴かれる⑦、ラストを激烈に締め括る⑨といった楽曲は、両者の魅力が存分に堪能できる名曲じゃないかな、と。
あと、いよいよリー・アルタス(G)が本格的に曲作りに関わり始めたこともあり、
HEATHEN(特に2nd『VICTIMS OF DECEPTION』の頃)を思わせる部分もチラホラと見られるような?


EXODUS - The Atrocity Exhibition: Exhibit A - Children of a Worthless God ★★ (2007-12-08 01:56:33)

リー・アルタスが曲作りに加わっているせいか、
他の楽曲よりもドラマティックな仕上がりのナンバー。
たっぷりフィーチュアされたツインGと、
ロブ・デュークスのクリーンVoによる歌唱も効果的。


EXODUS - The Atrocity Exhibition: Exhibit A - Iconoclasm ★★ (2007-12-08 02:03:20)

暴力的なまでのアグレッションを撒き散らす曲調と、
美しくすらあるツインGのハーモニー・プレイとの対比が
ドラマティックなスラッシュ・チューン。


EXODUS - The Atrocity Exhibition: Exhibit A - Riot Act ★★★ (2007-12-08 01:48:07)

EXODUSのアルバムのOPナンバーにハズレは1曲も存在しないが、
今回も、無事その法則は守られた。
ドラマティックなイントロから、ドクランチなOPリフが炸裂した瞬間、
思わずガッツポーズ取ってアルバムの出来の良さを確信しましたよ。
比較的、長尺曲の揃った『THE ATROCITY~』なれど、
この曲は3分台のランニング・タイムを、一気呵成に突っ走る。


EXORCIST (2015-09-21 22:19:08)

'86年にCOBRA RECORDSからアルバム『NIGHTMARE THEATRE』でデビューを飾った覆面スラッシュ・メタル・バンド。
プロデュースや作曲をVIRGIN STEELEのデヴィッド・ディフェイズとエドワード・パッシーノが手掛けており、てっきりVSの弟分バンドなのかと思いきや、後に、弟分も何もVIRGIN STEELE自身の変名バンドであることが判明。
彼らはこの時期、PILEDRIVERの2nd『STAY UGLY』や、デヴィッド・ディフェイズの妹がシンガーを務めていたORIGINAL SINのアルバム『SIN WILL FIND YOU OUT』に全面参加したりと、積極的に課外活動に精を出していて、このバンドもそうした中の一つだった模様。


EXORCIST - Nightmare Theatre ★★★ (2015-09-21 22:21:59)

突如HR/HMシーンに現れた、謎の(というか、そもそも誰も正体を知りたがらなかった)覆面スラッシャー、EXORCISIT。ジャケットのインパクトも強烈な本作は、彼らが'86年にCOBRA RECORDSに残した唯一作で、スラッシュ愛好家が「EXORCISTは実はVIRGIN STEELEの変名バンドだったのです!!」と、いくら!!マークを多用して熱弁を振るっても、堅気のメタル・ファンからは「それがどうした」ってな醒めた(至極ごもっともな)反応しか返ってこなくてしょんぼりする1枚でもあります。
尚、マスクの下の正体はVIRGIN STEELEですが本編にエピック・メタル的要素は皆無。ラフなプロダクションに、メロディ無視でダーティに吐き捨てるダミアン・ラス(デヴィッド・ディフェイズ)のVo、チリチリとした音色でササクレたリフを刻み、狂ったようにソロを弾き倒すG、押して押して押しまくるリズム隊・・・と、徹頭徹尾、アングラ感満載のスラッシュ・サウンドを実践しています。
但し、不気味なSEやインスト曲等を曲間に配置して、見世物小屋的いかがわしさというか、ホラー映画ライクな雰囲気を演出してみせる手腕には、(方向性は異なるものの)VIRGIN STEELEに通じる「大仰さ」に対する拘りが感じられなくもないかな?と。
昭和のSLIPKNOT・・・と言ったら明らかに褒め過ぎですが、個人的には結構お気に入りの1枚。切り立ったGリフが荒々しく突進する③や、スピード・メタリックな⑫とか、かなりカッコイイ出来栄えですし、確か収録曲の幾つかは後にVIRGIN STEELEのアルバムでもリメイクされた筈。


EXORCIST - Nightmare Theatre - Riding to Hell ★★★ (2015-10-01 23:23:28)

音程無視のシャウト型Voに、ヤケクソ気味に引き倒すG、
ひたすら直線的に突っ走るリズムと、
アクセルべた踏みで突っ走る(その結果、最後に事故を起こす)
高速スラッシュ・ナンバー。
スピード・メタリックなGリフのカッコ良さは本編随一。


EXUMER - Fire & Damnation ★★★ (2022-07-13 23:54:07)

『北斗の拳』と『マッドマックス』と『13日の金曜日』をゴタ混ぜにしたようなマスコット・キャラと、オフロードを力尽くで踏破するモンスタートラックの如きスラッシュ・サウンドが強烈なインパクトを放った1st『POSSESSED BY FIRE』(’86年)が、今もマニア筋から熱狂的に支持されるドイツのEXUMERが'12年に発表した復活作。通算3作目。
アルバム・デビューから間もなくバンドを去った中心メンバー、メム・フォン・シュタイン(B、Vo)がラインナップに復帰していることもあって、怪作『POSSESSED~』の再来に期待が高まりましたが、キャリアを重ね安定感を獲得した演奏といい、「キ」印成分控えめのシャウトVoといい、強引な展開が整理されストレートに疾走する楽曲といい、本作で披露されているのは、まぁビックリするぐらいに普通のスラッシュ・メタル。丸大ハンバーグばりに《ポンコツでもいい。ワンパクに育って欲しい》と念願していたスラッシャー諸兄がこれ聴いて嘆息する気持ちも分からんではないのですが、でも80年代のあの時期のEXUMERだからこそ生み出し得た『POSSESSED~』を狙ってもう一度作るのなんてほぼ無理…つか不可能な所業ですわな。(翌年リリースの2ndですら既に作風が変化していたわけで)
なので、アレはアレ/コレはコレと切り分けて接しさえすれば、スピード・ナンバーの連打で畳み掛ける本作だって決して退屈な内容ではなく、むしろ良質なスラッシュ・アルバムとして楽しめるのではないかと。猛烈なリフの刻みと欧州風味のダークネスを纏って突っ走る⑨のカッコ良さなんてなかなかにグッときます。
まだEXUMERを未聴の方は、何なら本作を入門盤にするのだって有りだと思いますよ。(で遡って1stを聴くと)


EXUMER - Fire & Damnation - I Dare You ★★★ (2022-07-15 00:30:07)

猛烈なリフの刻みとダークな雰囲気が初期作を彷彿とさせる
・・・と思ったら、2nd『RISING FROM THE SEA』収録曲の
リメイクだったという。でもカッコイイですよ。


EXUMER - Possessed by Fire ★★ (2011-03-29 22:21:16)

VENOMの登場に衝撃を受けたメム・フォン・シュタイン(B)が音頭を取って結成、彼の父親が提案したバンド名「EXHUMER」からHを抜いて「EXUMER」を名乗ったドイツ/フランクフルト出身の4人組スラッシャーがDISASTER RECORDSから'86年に発表した、ジャケットに描かれたジェイソン風怪人のインパクトも十分なデビュー作。(イラストレーターがアルバム・タイトルからイメージを膨らませて創作したキャラクターなのだとか)
個性派スラッシュ・メタル・バンドが群雄割拠するドイツにあって独自色を強調するため、「THE U.S. TRASH METAL BAND FROM GERMANY」を目指したという彼らのサウンドは、破壊的に刻まれる禍々しいGリフや、狂ったように掻き毟られるGソロ辺りにSLAYERからの影響を滲ませつつ、基本はVENOM直系のゴリ押しスラッシュ路線を爆走。演奏力はやや覚束なく、音質もしょっぱいが、「でも演るんだよ!」とばかりにガムシャラに押し出してくる喧しい楽曲の数々と、全編を覆うヨーロッパ的ダークネスが本作に独特の色合いを付与している。
特に、不穏なイントロを荒々しく引き裂いてスタートする②、緩急の効いたドラマティックな③、唐突に繰り出される「躁」パートに意表を突かれる⑥、印象的なGソロが疾走して行く⑦、ラストを仰々しく締め括る⑩なんかは、繰り返し聴き込んだ覚えがある名曲だ。
本作発表直後に中心メンバーのメムが脱退し、バンドは2枚の作品を残して解散するも、00年代に入って再結成を遂げた・・・らしいが、現在に至るも新作アルバムを発表したという話は聞こえてこない。


EXUMER - Possessed by Fire - Destructive Solution ★★★ (2011-03-31 22:38:43)

執拗なGリフの刻みっぷりと強引に走りまくるDs、
それに喉よ裂けよとばかりに喚き倒すVoが
ヤケクソ気味に突貫するアルバム屈指の名曲。
SLAYER型のキチガイGソロから一転、
美しいメロディを叙情的に紡ぎ出す
Gの振れ幅の大きい良い仕事っぷりがギラリと光っていますね。


EXUMER - Possessed by Fire - Possessed by Fire ★★ (2011-03-31 22:33:15)

不穏なイントロを突いて、喧しく鳴りまくる
Gリフとリズム、そして「とにかく力一杯叫んでます!」感溢れる
Voとが、後は野となれ山となれってな感じで疾走するOPナンバー。
押し出しの強いサビが結構カッコ良い。
曲間には禍々しい雰囲気を演出するミドル・パートも組み込まれているが
息も絶え絶えなVoのパフォーマンスにちょっと笑ってしまう。


EXUMER - Rising From the Sea ★★ (2007-01-31 20:16:00)

ドイツ出身の4人組スラッシャーが、'87年に発表した2ndアルバム。
正直な話、アルバム前半は冴えない内容。キレに欠ける演奏で聴かされる楽曲はフックに乏しく、
声質は迫力十分ながら一本調子なパフォーマンスのVoの存在と相俟って、どの曲も似たり寄ったりに聴こえてしまう。
ミドル・パートを組み込んで楽曲に緩急を演出しようとする姿勢は買えるのだが、それが単に
「かったるい」だけの印象で終わってちゃ拙いだろ、と。Gソロの魅力不足も如何ともし難し。
ところが、エンディングに叙情味を持ち込み「おや?」とさせられる⑥辺りから空気が変わり始め、
ハイテンションに突っ走る⑦、ジェットコースターの如くアップダウンを繰り返す⑧、
バイオレントな高速スラッシュ・チューン⑨、本編ラストを激烈に締める⑩・・・と、アルバム後半には
それまでの失点を取り戻すかのようにテンションの高い楽曲が並ぶ。
まぁ、それでも前半のダレた印象を完全に覆せる程ではないし、1stに比べるとかなり聴き劣りがする・・・というのが
実際のところだが、それでも個人的には⑥~⑩の流れは「スラッシャーなら一聴の価値あり」と、小声でコッソリ主張しておきたい。


EXUMER - The Raging Tides ★★★ (2019-08-15 23:24:49)

80年代に2枚のアルバムを残し解散したEXUMERが、1st『POSSESSED BY FIRE』(’86年)発表後にバンドを去った中心メンバー、メム・フォン・シュタイン(Vo、G)を擁するラインナップで復活を果たしたのは00年代初頭のお話。ただ、その後待てど暮らせど作品リリースの動きはなかったので「ああ、ライブで小銭を稼ぐだけなのね」と油断していたら、ここ数年で3枚のスタジオ・アルバムを次々発表。それまでのブランクを取り返すようなアクティブな活動っぷりを見せてくれて意表を突かれましたよ。
本作は’16年発表の復活第2弾アルバム(通算4作目)で、プロデュースは前作同様ヴァルデマー・ゾリヒタが担当。アートワークには『13日の金曜日』のジェイソンと『北斗の拳』の雑魚キャラを足して2で割ったようなお馴染みのマスコットキャラが登場しています。
再結成後の彼らの音には本作で初めて触れたのですが、ストレートに突っ走るピュアピュアなスラッシュ・サウンドはそのままに、演奏にしろ楽曲にしろ随分とスマートになっていて、「おお、普通だ」と。1stの悪路をダンプカーで強引に走破するような出鱈目っぷりが影を潜めていることを残念に思う向きもありましょうが、アレは若き日のEXUMERのガムシャラさが生んだ奇跡であり、決して狙って再現できるものではないので諦めるしかねぇ。
鋭利且つキャッチーに刻まれるGリフと、欧州風味のダークネスを孕んだGソロが疾走するOPナンバー①でいきなりMAXに達したテンションが、本編の一本調子な構成とリズムのキレ不足が相俟って、聴き進めるうちに徐々にパワーダウンしていくいかにもB級スラッシュ然とした弱点さえも、「味」として愛しく思えてしまう1枚。


EXUMER - The Raging Tides - The Raging Tides ★★★ (2019-08-15 23:38:06)

鋭利でキャッチーなGリフを前面に押し立ててスマートに疾走するアルバム表題曲。
欧州風味のダークネスを湛えたGソロもしっかり練られていて
かつての「無理を通せば道理が引っ込む」出鱈目っぷりは影を潜めています。
若干の寂しさを覚えつつも、でもこれも十分カッコイイですよ。


EYES - Eyes ★★ (2017-03-07 22:28:03)

ジェフ・スコット・ソートがフロントマンを務める(ついでに盟友マルセル・ヤコブもヘルプ要員として数曲でBをプレイしている)LAの4人組が、CURB RECORDSとの契約を得て'91年に発表したデビュー作。
熱く歪んだメタル・ボイスで正統派HMを歌わせたら業界屈指と評判のジェフですが、それだけに留まらず、メロハーにもファンクにも対応できる、幅広い柔軟性と表現力の持ち主であることはファンならご承知の通り。土の匂いが薫る活きのいいHRナンバーから、キャッチーなハードポップ、更には美しいバラードまで、バラエティ豊かな楽曲が取り揃えられた本作では、主に彼氏の後者の才能が如何なく発揮されています。BURRN!!誌レビューでの高評価に釣られて購入した当時は、一聴して「ちぇっ、イングヴェイみたいな音楽性じゃねえのか」とガックリした覚えがあるものの(浅はかな…)、しかし折角買ったんだからと繰り返し聴き込むうちに、どんどんお気に入り度が高まっていきました。
というのも、精度の高いフックが備わったメロディがこの手のサウンドを普段主食にしていない身にも猛烈にアピって来ますし、何よりそれらを時に熱く、時に黒いノリを駆使して粘っこく歌い上げるジェフのVoがやはり絶品。特にダイアン・ウォーレン提供の③、感動的な⑧、またはアカペラによるゴスペル風バラード⑪といった抒情的な楽曲におけるエモーショナルな歌声は実に沁みますよ。
良質なメロディックHRが詰まった好盤なのに、オルタナティブ・ロックでも演ってそうなジャケットで損してる気がしてならない1枚。


EYES - Eyes - Nobody Said It Was Easy ★★★ (2017-03-07 22:52:34)

美しいバラード。
アグレッシブなHMナンバーだけでなく
この手の抒情的な楽曲を歌わせても
ジェフ・スコット・ソートは絶品の実力を
発揮してくれますね。


Eastern Orbit (2014-03-02 22:47:33)

中島優貴(Key)率いるHEAVY METAL ARMYが、より幅広い音楽性を追求すべく、メンバー・チェンジ(ギターがシンキから多田勇に、ベースがチェピート竹田からデイヴ伊藤に交代)を契機にEARSTEN ORBITと改名。
ハードネスは維持しつつも、中島の操るKeyをこれまで以上に前面に押し出し、プログレ・テイストを増強した1st『FUTURE FORCE』を'82年に発表して出直しデビューを飾る。
アルバムのクオリティのみならず、横田基地で収録された『LIVE! JOURENEY TO UTOPIA』('83年)を聴けば明らかなようにライブ・アクトとしての実力も確かだったが、結局、その後間もなくバンドは自然消滅・・・。


Eastern Orbit - Future Force ★★★ (2014-03-02 22:49:35)

これまで良い評判は耳にしても「でもプログレ作品なんでしょ?」と、あまり食指が動かずにいたEARSTEN ORBITのデビュー作('82年)を、紙ジャケ再発を機会に購入してみたのですが、これが聴いてビックリ。スペーシー且つ攻撃的に切り込んでくる中島のKeyに、新加入の多田勇(G)とデイヴ伊藤(B)、それに宮永英一のドラミングが嵐のように暴れ回るOPナンバー①の迫力からして度肝を抜くカッコ良さ。余計な先入観を彼方へと吹き飛ばされてしまいましたよ。
「近未来への警鐘」をテーマに据えたトータル・コンセプト作で、アメリカン・プログレ・ハード調の③や、KING CRIMSONの不朽の名曲“EPITAPH”のカヴァーに挑んだ⑨といった楽曲も収録。辣腕ミュージシャン同士の鬩ぎ合いによって生じるスリルや豪快さよりも、Keyがアンサンブルのまとめ役を担った整合性重視の作風は、確かにこれまで以上に中島のプログレ志向が強く打ち出されている仕上がり。
一方でサウンドはエッジの鋭さを失ってはおらず、メリハリの効いた劇的な曲展開を有する④、アップテンポで駆け抜けていく②⑤、リッチー・ブラックモアが演りそうなシャッフル・ナンバー⑦、そして原曲とは異なる魅力の創出に成功した⑨等、J.J.(Vo)の熱い歌声がタフネス/ハードネスを燃え立たせる楽曲の数々は、よりメロディアスに、よりドラマティックにスケールアップ。
HR/HMリスナーにもアピールしうる魅力を備えた、もっと早く聴いておけば良かったと後悔しきりな名盤でした。


Eastern Orbit - Future Force - Epitaph ★★★ (2014-03-03 22:33:53)

KING CRIMSONの不朽の名曲“墓碑銘”のカヴァー。
オリジナルに匹敵する出来栄えとは口が裂けても
言えませんが、でも原曲の深遠な静謐さは敢えて
オミットして、よりHR的なアプローチを試みた
攻めの姿勢を感じさせるアレンジは買い。
どうせリスキーな挑戦ですし、カヴァーするなら
これぐらいやった方が聴いていて楽しいですよ。


Eastern Orbit - Future Force - Space Strut ★★★ (2014-03-03 22:24:06)

OP曲。スペーシーな響きを湛えつつ
切れ味鋭く暴れ回る中島のKeyを筆頭に、
プログレ・バンドというこちらの先入観を
豪快に粉砕するハードなインスト・ナンバー。
曲中で繰り返される「THE FORCE WITH YOU」の
元ネタは『スターウォーズ』の「理力と共にあらんことを」
でしょうかね?


Eastern Orbit - Future Force - Time Limit Man ★★★ (2014-03-03 22:28:18)

静から動、動から静、そして再び静から動・・・
といった具合に、プログレシッブ・ロック的な
ドラマティックな構築美と、HR然とした疾走感とを
併せ持ったアルバムのハイライト・ナンバー。
触れ幅の大きな曲調を完璧にこなしてみせる
高度なテクニックと表現力を併せ持ったメンバーの
力量に瞠目させられます。


Eastern Orbit - Live-journey to Utopia ★★★ (2017-01-14 10:23:17)

‘83年11月に、EASTERN ORBITが米軍横田基地内の将校クラブ「NCO CLUB」で行ったライブの模様を収めた実況録音盤(前座は十二単だったという)。
メンバーはJ.J.(Vo)、中島優貴(Key)、宮永“CHIBI”英一(Ds)、多田勇(G)、デイヴ伊藤(B)、それに特別ゲストのCHAR(G)という布陣。英語のMCも流暢にこなせるJ.J.の熱唱を始め、手練れの面子が繰り出す熱く激しいパフォーマンスと、初っ端からテンションが振り切れている観客の熱狂とが相俟って、本作を聴いていると、何やら海外で(そも米軍基地内はアメリカの領土なんですけども)、海外のバンドのライブを見ているような錯覚に陥る瞬間もしばしば。中でも個人的には、イアン・ペイスばりのタイトで流れるようなドラミングのみならず、RAIBOWのカヴァー③ではリードVoも担当する(しかも巧い!)という多才ぶりを発揮している、宮永英一の存在に特に感銘を受けましたね。
HEAVY METAL ARMY時代の代表曲①に始まり、疾走ナンバーの名曲②が後に続く「掴み」や、CHARの独奏“星条旗よ永遠なれ”からスタートする印象的なリフレインを持った⑥、全楽器が火花を散らして衝突し合うインスト曲⑦といった楽曲からは、スタジオ・バージョンを軽く凌駕する迫力と熱量が迸ります。「Key奏者が創作面のイニシアチブを握るバンド」と聞くと、プログレ・ハード系の音を想像しがちですが、ここに詰まっているサウンドは完全にHR/HMの領域にダイブ・イン。もしかすると1st『FUTURE FORCE』よりもEASTERN ORBIT入門盤にお薦めできるかもしれません。


Eastern Orbit - Live-journey to Utopia - Fire Ball ★★★ (2017-01-15 08:34:15)

このタイトルでこのバンドですから
DEEP PURPLEのカヴァーかな?と思ったのですが、違いました。
Charをゲストに招いてのステージ上でのジャム・セッションに
曲名を付けたものなのですが、これがまさしくタイトルを地で行く
火を噴くような楽器陣の掛け合いがスリリングな出来栄え。
疾走感溢れる曲調はテーマ・メロディも印象的で
ちゃんと「インスト曲」として成立しています。


Eastern Orbit - Live-journey to Utopia - Journey to Utopia ★★★ (2017-01-15 08:27:30)

1stアルバムには収録されておらず、このライブ盤でしか
聴くことができない(多分)アルバム表題曲。
宮永英一の流れるようなドラムロールと、Charが奏でる
“星条旗よ永遠なれ”をイントロ代わりにスタート。
一度聴けば耳に残る印象的なリフレインを持った哀愁のHRナンバーで
熱く激しく咽び泣くGソロも強烈。
それまでバリバリ英語の楽曲とMCをこなしてきたJ.J.が
曲紹介で「Char、オ願イシマス」と
凄い丁寧に日本語を話しているのも微笑ましい。


Evil Invaders (2014-02-24 23:51:04)

ベルギーはリンブルグ州モルにおいて、Vo兼Gのジョー・アヌス(凄ぇ名前だな)が結成。
バンド名がRAZORの2ndアルバムから取られていることは想像に難くなく、事実、彼らが演奏しているのはカミソリの如きGリフとリズムがハイテンションに突っ走る、RAZORはもとより、MOTORHEAD、IRON MAIDEN、EXCITER、その他諸々からの影響をちゃんぽんしたスピード/スラッシュ・メタル・サウンド。
'13年発表のセルフ・タイトルの6曲入りデビューEPが高評価を受け、また同作を引っ提げて参加した、地元リンブルグが隔年で開催する音楽コンクール「LIMBOMANIA」では見事優勝。
'14年には早くもTRUE THRASH FESTでの来日公演も決定している等、期待と注目を集める逸材。


Evil Invaders - EVIL INVADERS ★★★ (2014-02-24 23:52:22)

ベルギーから現れた期待の新人5人組が'13年に発表したデビューEP。
前評判やジャケットの印象から、てっきりスラッシュ・メタル・バンドだと思っていたのですが、当たらずと言えども遠からず。
熟練職人の刃物捌きのような鋭利にして軽快なリフ・ワークや、スタッカート気味に走り抜けるリズムがスラッシーな攻撃性とスピード感を具現化しつつも、サウンド全体としては、FASTKILLの伊藤昭博似のハイトーンでテンション高くまくし立てるVoがしっかりとメロディを「歌い」、尚且つツイン・リードGがメロディックに、ドラマティックに駆け巡っていることもあって、その印象は「限りなくNWOTHM寄りのスピード・メタル」といった趣き。
特に、MOTORHEAD遺伝子を組み込んでフルスロットルで高速回転するGリフ&Bラインと、起承転結を背負って劇的に疾走する曲展開が血中メタル成分を沸騰させる②と、主張しまくりなBと、2本のGが奏でるキメのフレーズが微笑ましいぐらいIRON MAIDENしているバンドのテーマ曲⑥は、間違いなく本作のハイライトにしてこのバンドの個性が刻印された名曲。
そう遠くない将来リリースされるであろう、フル・アルバムに対する期待を煽りまくる1枚です。


Evil Invaders - Feed Me Violence ★★★ (2018-05-22 00:12:57)

なかなか国内盤が発売されず、「まさか今回はスルーされてしまうのか?」と危機感を募らせていたら、’17年発表の4曲入りEP『IN FOR THE KILL』とドッキングした豪勢な2枚組仕様でのリリースが実現しホッと一安心。ベルギーの切り込み部隊EVIL INVADERSが’18年に発表した2ndフル・アルバム。
鼓膜をつんざく高音スクリームVo、カミソリGリフ、性急なリズムが一丸となって畳み込む、カナダの元祖スラッシュ・メタル・バンド、EXCITERの名曲“VIOLENCE & FORCE”のカヴァー⑩が「オリジナル曲か」っつーぐらい違和感なくハマりまくるスピード・メタル路線を迷いなく突撃する一方で、従来の疾走疾走また疾走という力業スタイルに比べると、今回は重厚なインスト小曲③から繋がるヘヴィな④、ラストを締め括るドラマティックなエピック・ナンバー⑨といった楽曲を要所に配置することで、これまで以上に作品全体に緩急とダイナミクスを演出。聴き手の鼻面を掴んでブン回すが如きアップダウンの効いた本編構成や、厚みを増した音作り等からは、バンドが次の段階へ進むために課題を設け、それを一つ一つクリアしていったような着実な成長の跡が刻まれています。
かといって、エピカルであることを意識し過ぎて切れ味を失い、鈍重になったりしていない点もナイスで、いきなりトップギアから爆走を開始する①②、高速回転するGリフがクールな⑤、本編最速の⑧といった、タイトに締まった激走ナンバーの数々からは、バンドの変わらぬスピード/スラッシュ・メタル魂の迸りを感じることができましたよ。
全10曲で収録時間は40分弱。何度でもリピートしたくなる実にスカッと痛快な1枚です。


Evil Invaders - Feed Me Violence - Feed Me Violence ★★★ (2018-05-24 00:04:21)

高速で刻まれるイントロのGリフの切れ味だけで
その名曲ぶりを確信させられるアルバム表題曲。
前掛かりな突進から、2本のGを活かした中間部の
ドラマティックなタメを経て、再び突進へ転じるという
緩急の効いた曲展開からもバンドの確かな成長が聴き取れます。


Evil Invaders - Pulses of Pleasure ★★★ (2015-04-22 23:34:29)

セルフ・タイトルのデビューEPが絶賛されたベルギーの5人組が、満を持して'15年に発表した1stフル・アルバム。(日本デビュー作でもある)
剃刀Gリフを目まぐるしく刻み倒し、IRON MAIDENへの憧憬も露わに劇的にハモりまくるツインGにグイグイ引っ張られて、ハイピッチVoと、敏捷な機動性を誇るリズム隊を伴い一気呵成に突っ走るサウンドは、NWOTHMの一派に含めるには尖がっていて、スラッシュ・メタルで括るにはメロディアス。さてこの音を何と表現するべきか…と一瞬考え込んでから、あ。「スピード・メタル」でいいじゃんかと。
ただ、字余り気味のテンションで押し込んで来る②のような楽曲にしても、曲展開には緩急やドラマが仕込まれ、Gソロにも尺がたっぷりと取られています。昨今評判のSPEEDTRAPやDEMOLITION TRAINといったプレ・スラッシュ/スピード・メタル勢に比べるとパンクっけが殆ど感じられず、そうしたメタリックな作風も個人的には好みに近い感じ。特に、イントロ一発でハート鷲掴みな、一際雄々しくメロディアスに歌うVoのフィーチュアされた⑤と、序曲⑧とセットで本編の幕引き役を担うドラマティックな⑨は、デビュー作よりも更に構築感を増した本作を代表するナンバーかと。
全体をもうちょい整理すると、更に一段上のレベルを狙えそうな気がしますが、現時点でも十分星3つ評価に値する力作。


Evil Invaders - Pulses of Pleasure - Master of Illusion ★★★ (2015-04-23 23:00:46)

序曲“BLINDED”とセットで劇的に本編の幕を引く、
勢いは抑え気味に、聴かせることに主眼を置いたエピック・ソング。
ツインGが奏でる印象的なメロディを手始めに、
これまたIRON MAIDENからの影響が濃厚に打ち出されていますね。


Evil Invaders - Pulses of Pleasure - Stairway to Insanity ★★★ (2015-04-23 22:54:08)

“BE QUICK OR BE DEAD”か、
はたまた“PURGATORY”かといった趣きの
Gリフでグワシッと掴まれるスピード・メタル・ナンバー。
シャウトだけでなく、ここではきっちりとメロディを
追いかけるVoも楽曲の荒ぶる勇ましさを援護射撃。


Evil Invaders - Shattering Reflection ★★★ (2022-06-20 23:15:27)

これまでに3度の来日公演を敢行する等、今やベルギーを代表するHMバンドへと成長を遂げた感のあるEVIL INVADERSが、プロデューサーにFLESHGOD APOCALYPSEのメンバーであるフランチェスコ・パオリとフランチェスコ・フェリーニを招聘してレコーディングを行い、'22年に発表した3rdフル・アルバム。
積極的なツアー攻勢と、折からの新型コロナウィルス感染症蔓延による世界中の混乱が重なって、前作リリースから5年ものブランクが空いてしまいましたが、ジョーのハイピッチ・スクリーム、カミソリGリフとタイトなリズムとが、一糸乱れぬ統制のもとで突っ走るテクニカルなスピード・メタル・サウンドは健在。その一方で、よりメロディックに歌うようになったVoといい、スピードは抑え気味にして、ダイナミズム演出にこれまで以上に気の払われた構成といい、前作あたりから顕著になった正統派HMスタイルへの接近も更に押し進められています。これについて「曲調の幅が広がった分、Voの力量不足が気になる」との指摘もあるようですが、確かに決してテクニカルなタイプではないものの、持てる力全てを振り絞るような熱唱ぶりには個人的には心動かされずにはいられませんし、特にバラード⑤における劇的な盛り上がりは彼の絶唱あったればこそじゃないかと。
インストの小曲と重厚なミッド・チューンが連続するため、やや尻すぼみな印象を受けてしまう本編ラストの流れに若干の疑問を感じつつも、切れ味鋭いスピード・ナンバーを要所に配して小気味よく畳み込む本編尺は、スッキリとタイトに40分台。新味とらしさがバランス良くブレンドされた、ブランクの影響を全く感じさせない快作です。


Evil Invaders - Shattering Reflection - Forgotten Memories ★★★ (2022-06-21 23:52:16)

EVIL INVADERSにとって初(?)のバラード。
といっても悲壮感を湛えて劇的な盛り上がりを呈する曲調に
甘さの類は皆無。Voもムーディに歌い上げたりはせず、
喉から血を吐くような激情シャウトで聴き手のハートを鷲掴んでくれます。


Exarsis (2013-10-12 00:08:36)

ニュース番組的には財政問題で、HR/HM的には新世代スラッシュ・メタル・バンド勢の台頭で注目を集めるギリシャはキアトにおいて、'09年に結成。
'10年に入り、アレックス(Vo)、クリスP(B)、パナヨティス(G)、クリスT(G)、ジョージ(Ds)というラインナップが揃うとバンド活動が活性化。デモ音源のリリースやスプリット・アルバム『3 WAYS OF THRASHERS』に参加して地歩を固めると、'11年には自主制作した1st『UNDER DESTRUCTION』を、アテネのインディーズATHENS THRASH ATTACKからリリースする。
同作が国内外で評判となったことから、新たにドイツのMDD RECORDSと契約を交わしたバンドは、'13年にはプロデューサーにジョージ・ボコスを迎えて2nd『THE BRUTAL STATE』(2nd)を発表。彼らはこのアルバムで日本デビューも飾っている。


Exarsis - New War Order ★★★ (2017-12-06 22:16:14)

シンガーを交代して2作目、通算では4作目ともなるスタジオ・アルバム。(’17年発表)
そろそろ中堅バンドの仲間入りというキャリアを積み重ねながらも、バタバタと落ち着きのない、どこかB級感漂うスラッシュ・サウンドは相変わらず。と言ってもこれは貶しているわけじゃなく、寧ろ褒め言葉。演奏はキレキレですし、普通デビュー当時の初期衝動は作を重ねる毎に貫禄や整合性といった要素に上書きされていくものですが、このバンドの場合はラフい音質の下、ハイテンションで歌いまくるVo、マシンガン・リフを間断なく吐き出すG、せかせか忙しないリズム、テンポ良く炸裂する威勢の良い野郎コーラスetc.と、未だ(良い意味で)「スラッシュ小僧」感を保ち続けててくれているのだから貴重ですよ。
イントロ序曲①をブチっと強引に断ち切って②が突っ走り始める、笑っちゃうぐらい荒っぽい導入で掴みはOK。その後も猛然とラッシュを仕掛けて来る③、これまたインスト小曲⑤が前置きに用意された⑥の激烈メドレーが続き、締めは7分越えの大作ながら、メロディックに駆け巡るツインGをフィーチュアして一気呵成に畳み掛ける⑨。そしてバンドのルーツを詳らかにするSLAYERとRAZORの好カヴァー⑩⑪がボーナス・トラックとしてオマケ収録されているという、全編に亘ってひたすら前のめりな姿勢が貫かれた1枚。
各曲にフックを構築する2本のGの活躍ぶりや、「一発キメたロブ・ハルフォード」てな風情のハイピッチ・シンガーがメロディを追えることもあって、ふとFORBIDDENの1stアルバムのことが頭を過りました。あちらよりも大分荒々しい感じですが。
今後もその意気で走り続けてくれることを切に期待致します。


Exarsis - New War Order - Human Project ★★★ (2017-12-08 00:28:15)

前作のタイトル・トラックがここに収録されている理由は不明。
本編の幕引き役に相応しく7分以上に及ぶ大作ですが、
鋭利なリフ、小回りの利くリズム、アッパーなVoが緊迫感を伴い
一塊に突っ走って、勿体ぶった雰囲気が皆無なのがこのバンドらしい。
ただよくよく聴くとVoはハイピッチを活かしてメロディを
歌っていますし、何より劇的にハモりながら駆け抜けて行く
ツインGが、楽曲が持つドラマ性を効果的に高めてくれています。


Exarsis - New War Order - Twisted Logic ★★★ (2017-12-08 00:23:02)

普通、序曲とそれに続く楽曲ってのはシームレスに
繋がって行くもんだと思うのですが、ここでは曲と曲の継ぎ目が
くっきりと露呈していて、「いいんだよ、細けぇことは!」
というノリ一発(雑な)姿勢が微笑ましくて良い。
濁声とハイトーンを使い分けテンション高く迫るVo
Gリフを痙攣気味に刻み倒したかと思えばソロは劇的に響かせるツインG、
それらを乗せてわっせわっせと一心不乱に突っ走るリズムとが畳み掛ける
炸裂感に溢れたOPに打ってつけのスピード・ナンバー。


Exarsis - Sentenced to Life ★★★ (2022-06-16 00:30:24)

作を重ねても落ち着く気配が全然ない、メタル馬鹿っぽさを漲らせながら全力疾走を続けるギリシャのEXARSISが、こっちが知らぬ間にリリースしていた5thアルバム(’20年発表)。いやマジでいつの間に出てた?
このCD不況の折、無事国内盤が発売されただけでも寿ぐべきこととはいえ、解説もついてないソリッド過ぎる仕様はそりゃないぜと。なので、かつてSUICIDAL ANGELSへと去った筈のクリス・T(G)がしれっとバンドに出戻った理由については不明のままなれど(脱退以降も両者は良好な関係を保っていたようですが)、一聴してすぐに分かるのは、鼓膜をつんざくハイピッチVo、手数多めに押し込んでくるリフ&リズムを軸としたサウンドのけたたましさには微塵の変化もないこと。
キャリアを積んだスラッシュ・メタル・バンドにとってスピード・ダウンは避け難い宿命みたいなものとはいえ、彼らの場合、アッパーなテンションとドタバタ忙しない疾走感はそのままに、Voが歌うメロディと、楽曲を彩る劇的なツインGハーモニーをこれまで以上に増量することで、ストレートなスラッシュ・メタルから、EXCITER辺りに通じるスピード・メタル・スタイルへと自然にシフト・チェンジを果たしています。
挨拶代わりにOPからブッ飛ばす①②に始まり、ムーディなインスト・ナンバー⑥から破れかぶれな激走へと転じる⑦を経て、メロディックなツインGに先導される形で突っ走ってアルバムを締め括る⑪に至るまで、ほぼスピード・ナンバー一色に塗り固めれた本編を聴くにつけ「上手いこと年齢を重ねてるなぁ」(老成という意味ではなく)と感心させられる1枚。


Exarsis - Sentenced to Life - ...Against My Fears ★★★ (2022-06-17 00:45:07)

ムーディなインスト・ナンバー“THE DRUG”をイントロ代わりに
スタート。メロディアスな前半はミドル・テンポで抑え気味ながら、
中盤からは血管切れそうな勢いでシャウトをひり出すVo及び全楽器が
アクセルべた踏みで猛加速。スラッシュ魂にボッと炎を点火してくれます。


Exarsis - The Brutal State ★★★ (2013-10-15 23:16:39)

日本デビュー作ともなった'13年発表の2ndアルバム。
1st『UNDER DESTRUCTION』最大の欠点だった安普請のプロダクションが劇的な改善を遂げ、オーラ0だったジャケット・アートワークもVEKTORやMUNICIAL WASTEとの仕事で知られるアンドレイ・ボウジコフが手掛けることによって大幅グレードアップ。加えて、刺々しくドライでキャッチーなリフ&リズムが「トルクより回転数で勝負!」とばかりに高速で畳み掛ける収録楽曲には、『UNDER~』を凌駕せんとする前のめりな威勢の良さが漲っているのですから素晴らしい。
それと今回、アコギ序曲のしじまをブチ破って猛突進へと転じる②や、本編最高速度を誇る④、それに1st収録の代表曲をより強力にリメイクした⑤といった優れたスラッシュ・ナンバーの数々を聴いて驚かされるのが、Voの著しい成長っぷり。前作では割とありがちなシャウト・スタイルだったのに、ここでは全編に亘って金属質なハイピッチ・スクリームを繰り出していて、もはや別人と聴き紛う逞しさ。
このハイテンションなVoに、メロディアスに焦燥感を煽り立てるツインG、コール&レスポンスを喚起する雄々しい野郎コーラス、そして猛烈に肉体に訴えかけて来るノリの良さが豪快にトッピングされたスラッシュ・サウンドは、ボーナストラックのEXODUSとNUCLEAR ASSUALTのカヴァー⑪⑫の存在が端的に示す通り、確かに「もし初期EXODUSにNUCLEAR ASSAULTのジョン・コネリーが加入したら?」的な味わいが漂ってきます。
前作から弱点を改善し長所を伸ばした、文句なしの1枚。


Exarsis - The Brutal State - Dying Earth ★★★ (2013-10-16 22:24:09)

キャッチーな疾走感とキビキビとしたノリの良さを
併せ持つ、ANTHRAX風味のスラッシュ・ナンバー。
1stアルバム収録曲のセルフ・リメイクですが、
音質、Voの迫力、楽器陣の演奏の精度、
それにアレンジの練り具合まで、完成度は段違いに増しています。
(サイレン音を取り入れた楽曲にハズレなし)
歌詞には「EXARSIS」という言葉も登場しますし、
バンドの代表曲なんでしょうかね。


Exarsis - The Brutal State - Mind Poisoning ★★★ (2013-10-16 22:16:43)

エンジンふかし過ぎてタイヤが空転するのもなんのその、
アクセルべた踏みで突っ走る突撃スラッシュ・ナンバー。
ハイテンションで叫び倒すVoとメロディアスに疾走する
ツインGも切迫感を煽ってくれます。


Exarsis - The Brutal State - Vote for Crisis ★★★ (2013-10-16 22:19:09)

疾走感にかけてはアルバム収録曲中、1、2を
争うハイスピード・ナンバー。
でありながら、キャッチーさを失っていないのが
このバンドの良いところ。
随所で炸裂する掛け声コーラスが
良い感じに高揚感を盛り上げてくれます。


Exarsis - The Human Project ★★★ (2015-07-06 00:10:42)

メンバー5人中3人が脱退するという、バンドによっては致命傷にもなりかねない大幅な編成替えを経て、'15年に発表された3rdアルバム。それでいて音楽性は拡散することなく、寧ろその切っ先を益々鋭く研ぎ澄ませて健在です。
ジタバタと焦燥感を伴い喧しく炸裂する①、硬質に畳み掛けて来る④、アグレッシブな中にもキャッチーさを宿らせた⑩等、従来の「80年代型スラッシュ・メタル」のフォーマットをブレずに受け継ぎつつ、本作はプロダクションの強度が増したことで、リフ&リズムの切れ味、野郎コーラスの迫力、そしてメロディックに閃くGソロの鮮烈さetc・・・が、一層ダイレクトに伝わって来るようになりました。また「元メタル雑誌のライター」というユニークな出自の新Voが、前任者ほどのクレイジーネスを感じさせない代わりに、よりコントロールされたハイピッチ・シャウトを提供。
結果として、熱に浮かされたような破天荒さは薄れてしまったかもしれませんが、その分、サウンドの方には(若干ながらも)整合性が出て来て、取っ付き易さが増したかなと。中でもリードBに導かれて突っ走るパートの勇ましさが際立つ⑧は、彼らの今後の進むべき方向性を示唆するかのような名曲です。
バンドのLIVE FOR THRASH, DIE FOR THRASHな心意気が全編に漲る充実作。


Exarsis - The Human Project - Skull & Bones ★★★ (2015-07-11 22:59:53)

陰謀論でお馴染みの秘密結社について歌ったスラッシュ・ソング。
攻撃的ハイピッチVoを持ち味としながらも
メロディをなぞっても歌えるニュー・シンガーの
存在が活かされた、本編中にあってはパワー・メタリックな
感触も味わえる名曲。オフィシャル・ビデオを制作していることからも
バンド側のこの曲に対する手応えの確かさが感じられますね。
リードBと共に走り出すパートのカッコイイこと。


Exarsis - The Human Project - The Brutal State ★★★ (2015-07-11 23:07:09)

キャッチーさを伴って、歯切れ良く
跳ねるように疾走する曲調と、
合唱を誘う威勢のいいコーラスが
ANTHRAX辺りを彷彿とさせる本編ラスト・ナンバー。


Exarsis - The Human Project - The Human Project ★★★ (2015-07-11 23:15:04)

3rdアルバム表題曲にしてOPナンバー。
嵐のように吹き荒れるリフ&リズムの絨毯爆撃、
脳天から突き抜けるようなハイピッチVo、
目まぐるしく駆け巡るGソロが怒涛の如く聴き手を煽り立て、
居ても立ってもいられない気分にさせてくれる曲調は
実に「スラッシュ・メタルらしさ」に満ち溢れています。


Exarsis - Under Destruction ★★ (2013-10-12 00:10:15)

ギリシャ出身の5人組スラッシュ・メタル・バンドが、アテネのインディーズATHENS THRASH ATACKから'11年にリリースした自主制作の1stアルバム。
いかにも「身近な知り合いにちゃちゃっと描いて貰いました」感漂うチープなジャケット・アートワークと、ダビングを繰り返した聴き古しのカセットテープの如き劣悪な音質とが、リスナーの聴く意欲を著しく削いでくれますが、それさえ乗り越えられれば(高過ぎるハードルだけれども)、収録曲の出来は非常にハイクオリティで驚かされます。
デモテープでWHIPLASHの名曲“POWER THRASHING DEATH”をカヴァーしていることからもこのバンドの趣味嗜好は明らかで、音程無視のシャウト型Vo、ササクレたGリフ、突っ込み気味のリズムとが「止まったら死ぬ!」とばかりに前のめりな生き様を炸裂させまくったスラッシュ・サウンドは、野生動物ばりの猪突猛進ぶりと共に、すこぶるつきのキャッチーさも提示。バンドが秘めた高いポテンシャルをギラリと輝かせます。
スラッシュ馬鹿ぶりダダ漏れの④⑦、バンドのテーマ曲⑤を筆頭に、奔放に弾きまくりつつ、ギリシャ人らしい(?)メロディ・センスも垣間見せるGソロをフィーチュアして、ノリ良く/歯切れ良く/気持ち良く突っ走って、ランニング・タイムは30分弱。
明らかにマニア向けですが、個人的には愛すべき1枚。


Exarsis - Under Destruction - The Return ★★★ (2013-10-14 20:36:56)

ランニング・タイムは2分台とコンパクトですが、
前のめりな疾走感、キャッチーなノリの良さ、
高揚感を煽る掛け声コーラス、それに印象的なGソロと、
このバンドの魅力が全て凝縮されていると
いっても過言ではない、アルバムのハイライト・ナンバー。


Exarsis - Under Destruction - Thrash Is Back ★★★ (2013-10-14 20:30:54)

タイトルからして若気の至り感炸裂しまくりな、
スラッシュ・メタル・バンドのデビュー作に
収録されるに相応しい逸品。
攻撃的でありながら、ノリ易いキャッチーさも備えた
実にこのバンドらしい仕上がりです。


Excalibur(france) - Fils Vengeur ★★★ (2023-02-06 23:23:23)

バンド名はX-CALIBERでもEXCULIBERでもなくEXCALIBUR(間違い探しか)。80年代初頭のフレンチ・メタル・シーンで頭角を現し、一時はベルギーのMAUSOLEUM RECORDSと正式契約寸前まで漕ぎ着けたらしいですが、主要メンバーの脱退等で活動が軌道に乗らず、結局アルバム・デビューを果たせぬまま解散してしまったという4人組。本作は彼らが残した幻のデモテープ『FILS VENGEUR』(’84年)を始め、貴重なライブ音源等を取りまとめて収録した特別編集盤…なのかな?
フレンチ・メタル熱が盛り上がっていた時期に行きついた作品で、ファンタジックなバンド名とは裏腹に、神秘さの欠片もねぇジャケット・アートワークは海原雄山が「このイラストを書いたのは誰だあ!!」と怒鳴り込んできそうなヘボヘボ具合ですし、元がデモ音源だけにプロダクションのショボさも相当なもんですが、しかしそれを補って余りあるぐらい楽曲がカッコ良いんですよ。目玉はやはり『FILS VENGEUR』収録曲で、NWOBHMのみならず当時台頭し始めていたスピード/スラッシュ・メタル勢からの影響も咀嚼したアグレッション撒き散らかす楽曲、分けてもササクレた音色で刻まれるGリフに荒々しく突っ走るリズム、自棄っぱちなハイトーンVo(歌詞は当然フランス語)が一丸となって畳み掛けるJUDAS PRIESTとEXCITERを足して2で割ったようなOPナンバー①と、「タガが外れたACCEPT」といった趣きの⑤は頭抜けたインパクトを放っています。
一応’07年に再結成しているらしいですが、以降も作品発表には至ってないので、「アルバム・デビューして欲しかったな」と思わずにはいられない1枚。


Excalibur(france) - Fils Vengeur - Fils Vengeur ★★★ (2023-02-10 00:15:56)

EXCALIBURの代表曲。リマスターしようが元がデモなので
音質の改善具合はたかが知れていますが、忙しなく刻まれる
Gリフ、ガムシャラに突っ走るリズム、劇的に舞うインスト・パートの
カッコ良さには「それがどうした」と思わされるだけの
魅力が備わっていますよ。


Excalibur(frence) - Fils Vengeur ★★★ (2023-02-06 23:23:23)

バンド名はX-CALIBERでもEXCULIBERでもなくEXCALIBUR(間違い探しか)。80年代初頭のフレンチ・メタル・シーンで頭角を現し、一時はベルギーのMAUSOLEUM RECORDSと正式契約寸前まで漕ぎ着けたらしいですが、主要メンバーの脱退等で活動が軌道に乗らず、結局アルバム・デビューを果たせぬまま解散してしまったという4人組。本作は彼らが残した幻のデモテープ『FILS VENGEUR』(’84年)を始め、貴重なライブ音源等を取りまとめて収録した特別編集盤…なのかな?
フレンチ・メタル熱が盛り上がっていた時期に行きついた作品で、ファンタジックなバンド名とは裏腹に、神秘さの欠片もねぇジャケット・アートワークは海原雄山が「このイラストを書いたのは誰だあ!!」と怒鳴り込んできそうなヘボヘボ具合ですし、元がデモ音源だけにプロダクションのショボさも相当なもんですが、しかしそれを補って余りあるぐらい楽曲がカッコ良いんですよ。目玉はやはり『FILS VENGEUR』収録曲で、NWOBHMのみならず当時台頭し始めていたスピード/スラッシュ・メタル勢からの影響も咀嚼したアグレッション撒き散らかす楽曲、分けてもササクレた音色で刻まれるGリフに荒々しく突っ走るリズム、自棄っぱちなハイトーンVo(歌詞は当然フランス語)が一丸となって畳み掛けるJUDAS PRIESTとEXCITERを足して2で割ったようなOPナンバー①と、「タガが外れたACCEPT」といった趣きの⑤は頭抜けたインパクトを放っています。
一応’07年に再結成しているらしいですが、以降も作品発表には至ってないので、「アルバム・デビューして欲しかったな」と思わずにはいられない1枚。


Excalibur(frence) - Fils Vengeur - Fils Vengeur ★★★ (2023-02-10 00:15:56)

EXCALIBURの代表曲。リマスターしようが元がデモなので
音質の改善具合はたかが知れていますが、忙しなく刻まれる
Gリフ、ガムシャラに突っ走るリズム、劇的に舞うインスト・パートの
カッコ良さには「それがどうした」と思わされるだけの
魅力が備わっていますよ。


Excess (2018-02-23 23:39:32)

80年代に活躍したフランスのHR/HMバンドは、海外にまで伝わって来る情報が少なく、このバンドもまた然り。 ‘83年にフランスはシェール県ブルージュで結成。80年代に2枚のスタジオ・アルバム(1stのプロデュースを担当したのはSATAN JOKERのドラマー、ルノー・ハントソンだった)を、90年代に1枚のEPを発表するも、レーベルの後押しを受けられずに21世紀を迎える前に解散したことぐらいしか、調べてみても分からない。
あとシンガーだったジャン・ルイ・トゥーブノとドラマーのアラン・トゥーブノ(兄弟?)は、'07年と'08年にそれぞれお亡くなりなっていて、’17年にNO REMORSEからリリースされた再発盤は、彼らに捧げられているという。


Excess - Melting Point ★★★ (2018-02-23 23:40:15)

フランスはシェール県ブルージュ出身で、アルバム2枚(とEP1枚)を残して解散した今もオリジナルLPの中古盤が高値で取引される等、マニア筋から根強い支持を受ける5人組が'86年に発表した1stアルバム。
夢見が悪くなりそうな人相の悪い兄ちゃんが描かれたジャケットだけだと、オカルト/サタニック・メタルでも演ってそうな感じを受けますが、実のところ、JUDAS PRIESTの“THE HELLION”か、はたまたY&Tの“FROM THE MOON”かというツインGによる重厚なイントロで幕が上がる本作で聴くことが出来るのは、オーソドックスな正統派HMサウンド。(フランスのバンドには珍しく歌詞は全曲英詞です)
良好とは言い難いプロダクションと、煮え切らないウェットな声質のシンガーの歌唱が相俟って、全体的に小ぢんまりとしていて些か音に迫力は欠けますが、聴き手の期待を煽るドラマティックなイントロからテンポアップして切り込んで来る①⑧という、なかなかの名曲ぶりを発揮するナンバーを本編の最初と最後に配置。その合間にもノリ良くアグレッシブな③、RAINBOWを思わす重厚な④、メロディアスなミッド・チューン⑤、哀愁を帯びたメロディが疾走する⑥等、粒の揃った収録曲が引きも切らず繰り出される本編は、マニアから愛されるのも納得の完成度の高さという。
「フランス語はメタルに合わない」という決まり文句の下、ここ日本では正当に評価されたとは言い難い80年代フレンチ・メタル・シーンですが、実際は数多くの優れたバンドが群雄割拠していたという、その充実っぷりを裏付けてくれる名盤の一つではないかと。


Excess - Melting Point - Foreign Lands ★★★ (2018-02-26 00:08:21)

JUDAS PRIESTの“THE HELLION”や、Y&Tの“FROM THE MOON”を
思い出さずにはいられない、重厚なGによるイントロだけで
名曲の貫禄は十分。こぢんまりとしたプロデュースのせいで
今一つ問答無用の迫力には欠けますが、憂いを帯びたメロディと、
劇的に駆け巡るツインGとを乗せて疾走する楽曲自体は十分にカッコ良い。


Excess - Melting Point - The Game ★★★ (2018-02-26 00:12:51)

アルバムのトリを務めるナンバーで、これまたKeyと
泣きのGの共演によるイントロだけで名曲の貫禄は十分。
勿論、ウェットな声質のVoが歌う、透明感を湛えた哀メロが
軽快に疾走するイントロ後の曲展開だって
こっちの期待を裏切るものではありません。
Voに負けじと歌うGソロがまた素晴らしい。


F.K.U. (2015-03-18 23:21:41)

S.O.D.の活動に触発され、'87年に結成されたという古参スラッシュ・メタル・バンド。
現メンバーは、元MIDAS TOUCHのパトリック・スポロング(B)、DARKANEのローレンス・マックローリー(Vo)、WUTHERING HEIGHTSのテディ・モーラー(Ds)、LOST SOULSのピーター・ランス(G)と腕利き揃い。その代償として継続的な活動を行うことが難しかったようなれど、過去にリリースした4枚のスタジオ・アルバムは何れも高評価を獲得し、'13年発表の4th『4:RISE OF THE MOSH MONGERS』では待望の日本デビューも飾っている。


F.K.U. - 1981 ★★★ (2018-02-06 22:51:24)

楽曲の題材選びから、全身に血塗れメイキャップを施したメンバーの扮装まで、「ホラー・スラッシュ」を標榜するスウェーデンの5人組が'17年に発表した5thアルバム。
キレッキレなGリフ、機動力に富むリズム、メロディも追えるハイピッチVoという、抜群の安定感を誇るパフォーマンスがスクラムを組み、ランニング・タイム2~3分台とタイトにまとめ上げられた高速ナンバーが次から次へと畳み掛ける、速戦即決のスラッシュ・メタル…という基本スタイルは勿論継続。但しGソロが殆ど聴かれなかったり、前作『4:RISE OF THE MOSHERS』に比べるとややクロスオーバー方面に揺り戻されている感有り。
ヘドバンに興じてるうちにアッという間に聴き終っているという、頭よりも体で楽しむタイプの作品であり、1曲1曲のインパクトはそれほどでもない…かと思いきや。歌詞のテーマに『バーニング』『13日の金曜日PARTⅡ』『ローズマリー』『ゾンビ3』etc.といった1981年に撮られたホラー映画の名作(もしくはポンコツだけど愛される迷作)を取り上げることで、各曲のキャラ立ちを明快にしてしまうという仕掛け。ジャンル映画ファン的には、『バーニング』のバンボロって誰だよ?とか、『ローズマリー』のトム・サヴィーニの殺人芸術は見事だったなとか、思わず1曲毎に語りたくなってしまいますよ。楽曲的には、アルバム全体のテーマ曲でもある①、炸裂感に溢れたサビメロにアガる④、「キ・キ・キ…マ・マ・マ…」コーラスまで組み込んだ⑤、歌えるVoが活かされた⑧、歌詞的にも曲調的にも見事にハマったDEATHのカヴァー⑮辺りのカッコ良さが特に印象的。
次はもうちょい早いペースで出してね、と思わずお願いしたくなる充実作です。


F.K.U. - 1981 - Corpse Mania ★★★ (2018-02-06 22:57:02)

2分に満たないランニング・タイムを一気呵成に突っ走る
身も蓋もないスピード・ナンバーですが、
高速で刻まれるGリフのカッコ良さや、
一度聴いただけで耳に残る印象的なコーラスや、
それをド迫力で歌うVoの実力の高さがハッキリと示された
非常に濃密な仕上がり。


F.K.U. - 4: Rise of the Mosh Mongers ★★★ (2015-03-18 23:23:31)

「フレディの下着」なる人を食ったバンド名や、ジョージ・A・ロメロの『ランド・オブ・ザ・デッド』を思わせるアートワーク、それに映画や尽きせぬスラッシュ愛を題材に取った歌詞のアイデアが物語る通り、「ホラーとスラッシュ・メタルの融合」をコンセプトに掲げたスウェーデンの4人組が'13年に発表した4thアルバム。
瞬間風速ナンバー“THE UBERSLASHERS”シリーズを含む全20曲もの楽曲を擁する等、クロスオーバー・スラッシュの薫りをそこかしこに漂わせつつも、全体を見渡せば、タイトな中にも緩急を飲み込んだダイナミックな曲展開や、ソロでもきっちり自己主張するメタリックなG、そしてメロディも歌えるハイトーン・シンガーの存在等、ここに来てますます正統派のメタルへと接近。例えば②なんて、勇壮なサビメロがジャーマン・パワーメタルを彷彿とさせるほどですよ。
映画のOPを思わせる大仰なイント①がくっ付けられた、スラッシュ・アンセムちっくな曲調に気分が高揚する②、抑えた前半から解き放たれたように爆発的疾走へと転じる後半が血管ブチ切れモノのカッコ良さな⑰は、特にこのバンドの魅力全開の逸品。
4枚目にして漸く国内盤のリリースが実現したこともあり、F.K.U.入門書にするなら先ずは本作からどうぞ。


F.K.U. - Where Moshers Dwell ★★★ (2015-03-19 23:21:11)

メンバーの気合の入ったコスプレ姿から、ブックレットに載せられた「MISTRESS OF MOSH AGENT」誕生秘話を描いたコミック、あと歌詞は勿論のこと、D.R.I.をパロったロゴマークまで、ホラー映画とクロスオーバー・スラッシュへの深い愛情を示す、FREDDY KRUEGER'S UNDERWEARことF.K.U.が'08年に発表した3rdアルバム。
本家『エルム街の悪夢』でフレディ役を演じたロバート・イングランドによる、芝居がかった前口上で雰囲気たっぷりにスタートを切る本作は、全16曲で収録時間は30分台、瞬間風速ナンバーを収録し、Gソロも殆どなし・・・と、典型的クロスオーバー・スラッシュ・スタイルを採用。その一方で、例えば②③④⑧⑨⑯といった楽曲に明らかな通り、ラリー・リーサルのメリハリの効いた歌唱や、鋭くエッジの切り立ったマシンガンGリフと、緩急を飲み込むアタッキーなリズムは正統派スラッシュとして存在感を主張しまくり。特にGソロ有りの本編最速ナンバー④は「サイレン音を取り込んだ楽曲にハズレなし」という自説を補強してくれる名曲ですよ。
国内盤も出た4thが気に入った人なら、必ずや本作もピンと来るはず。


FAITHEALER (2011-06-21 22:47:40)

「日本のHR/HMファンがいなかったら、今の自分のキャリアはなかったし、
それどころか、メロディアスHRすら生き延びられなかったと思う」

と、アイヴァン・ガンが語ってくれていたBURRN!!誌のインタビューを読んで
「嬉しいこと言ってくれるじゃないのさ。そこまで言ってくれたなら、
こりゃアルバム買わんわけにはいかんでしょう!」と
思わず購入してしまったFAITHEALERの1stアルバム。
捨て曲なしの力作でしたよ。


FAITHEALER - Welcome to the Edge of the World ★★★ (2011-06-21 22:28:12)

BALANCE OF POWERやPRIDEといったバンドで、日本人好みの叙情HRサウンドをクリエイトし続けて来たにも関わらず、今ひとつその実績に見合った成功を享受できていない印象の苦労人アーティスト、アイヴァン・ガン(Key)が、元S.I.N.のフロントマン、ジェイソン・マークス(Vo)と組んで新たに立ち上げたプロジェクトのデビュー作。('10年)
このアルバムとて贔屓目に見ても話題になったとは言い難いわけだが、クオリティに関しては(これまでのアイヴァンが手掛けてきた作品がそうであったように)保証書付きの見事さ。楽曲の方向性はPRIDEをもっとハード且つドラマティックにしたような感じで、それを華やかに彩るのが、美しいボーカル・ハーモニーと、重厚且つキャッチーなKeyサウンド、クセのないクリアで伸びやかなジェイソンの歌声、それに元PRIDEのメンバーでもあったクリス・グリーンの劇的な構築美を湛えたGプレイの素晴しさ。
映画のサントラを思わせる壮大な序曲から繋がる②なんて、そうした要素が絶妙に絡み合いつつ展開していく、まさにOPを飾るに相応しいドラマティックな名曲ですよ。
それにしてもクリスのGプレイは素晴しいったら。ラルフ・サントーラ辺りを彷彿とさせるメロディの組み立ての巧さといい、聴いてると胸掻き乱されずにはいられない絶品の表現力といい、ゲスト参加にも関わらず本編の主役的存在感を発揮しまくり。
これほどの逸材が、今じゃ「正統派HR/HMじゃ食っていけないから」とモダンなヘヴィ・ロックを演ってるってんだから、世の中何か間違ってる・・・。


FAITHFUL BREATH - Gold 'n' Glory ★★★ (2015-04-08 23:12:13)

人に歴史あり。と言っても、RISKのハイミィ・ミークス(Vo、G)の過去に興味を持つHR/HMファンが日本にどんだけいるのかっつー話ですが。
RISKの前身として知られるFAITHFULL BREATHは、70年代にプログ・ロック・バンドとしてスタートを切るも、アルバムを重ねる毎にアグレッシブに研ぎ澄まされて行き、ウド・ダークシュナイダー&マイケル・ワグナーをプロデューサーに迎えた'84年発表の本作(5th)では、コスプレ姿も勇ましいルックスから雄々しく突き進む楽曲まで、いよいよ立派なヴァイキング・メタル・バンドへと(RUNNING WILDよりも一足お先に)変貌を遂げるに至りました。
まぁジャケットをよく見りゃ、ガレー船の竜は富永一朗先生(お笑いマンガ道場)が描いたような面してたり、船内に張られたテントが紅白模様だったり、そもそも船が空飛んでたりと、アバウト極まりないヴァイキング像だったりするんだけども。心意気は十二分に伝わって来るので無問題。
何より、メロディックなツインGの援護射撃の下、ハイミィがガラッパチに歌い上げる収録楽曲が、そんな些事への拘りを忘れさせてくれる素晴らしさなのですよ。鋭角的なGリフとキャッチーなメロディの組み合わせが秀逸なOPナンバー①や、無心でフィスト・バンギングに興じたくなる⑥、炸裂感溢れる③⑧等のアッパーな楽曲も最高なのですが、ACCEPTばりの掛け声コーラスに血沸き肉踊る②、戦いにくたびれた中年親父の哀愁漂うバラード④、勇ましさの中に落とし込まれた憂いにグッと来る⑤といった、ミドル/スロー・チューンもハートにズドンと突き刺さる出来栄え。
全8曲で収録時間は30分台、不器用でも簡潔明瞭にHMの魅力を謳い上げた1枚。MAUSOLEUM RECORDSからのリリースは伊達じゃない!と。


FAITHFUL BREATH - Gold 'n' Glory - A Million Hearts ★★★ (2015-04-09 23:19:40)

Gが切々と紡ぐメロディにグッとくる男泣きバラード。
巧いだけでは決して醸し出せない「味」を湛えた
ハイミィ・ミークスのオヤジの哀愁を伝える
歌唱も胸に沁みます。


FAITHFUL BREATH - Gold 'n' Glory - Don't Feel Hate ★★★ (2015-04-09 23:11:59)

プログレッシブ・ロックに始まり
ハードブギーを経て、FAITHFUL BREATHが
HMに辿り着いたことを物語る
鋭利にしてキャッチーな5thアルバムOPナンバー。
キメフレーズからソロまで
Gが非常に良い仕事してますね。


FAITHFUL BREATH - Gold 'n' Glory - Gold 'n' Glory ★★★ (2015-04-09 23:25:26)

ACCEPT辺りに通じる、いかにもドイツ産パワー・メタル然とした
重厚なミッド・チューンですが、サビメロから滲み出す
「戦う漢の哀愁」とでも言うべき憂いを帯びたメロディに
ハッと胸を打たれます。


FAITHFUL BREATH - Live ★★★ (2019-03-13 23:46:19)

後にRISKへと転生を果たすこととなる、ハイミィ・ミークス(Vo、G)が率いた「早過ぎたヴァイキング・メタル・バンド」こと、ドイツのFAITHFUL BREATHが'86年にNOISE RECORDSから発表し、惜しくも最終作となってしまった実況録音盤。タイトルはズバリ『LIVE』。シンプルでソリッド、飾り気はなくとも熱い心意気が詰まった本作に相応しい単刀直入なタイトルではないでしょうか。
‘85年に行われた欧州ツアーから、複数会場のライブの模様をピックアップ。響き渡る野郎共の野太い歓声とヴァイキング音楽風のSEに導かれ、勇ましくもどこか物悲しい名曲①が重厚に炸裂するOPだけで、こちとら胸のエンジンにボッと火が点りましたよ。但し本編は1曲毎にフェードアウトするぶつ切り構成。そのため盛り上がりに水を差されること夥しいのですが、それでも、タイトル通りの猛々しさで突っ走る②は荒っぽく、ヘヴィな④は堂々と、ドラマティックな泣きのバラード⑤はオヤジの哀愁ダダ漏れに切々と…といった具合に、ヒゲ面&ヴァイキングのコスプレというムサ苦しさ満点の風体に相応しい、ガラッパチな熱唱を轟かせるハイミィのVoや、ソロ・タイム⑥やJUDAS PRIEAST型疾走ナンバー⑨でテクニカルな演奏を閃かせるシロ・ハーマンのGプレイが所狭しと暴れ回る楽曲には、スタジオ版を大きく凌駕するライブならではの熱量が渦を巻き、大合唱を呼び起こすラスト・ナンバー⑩まで、前述の欠点を補ってお釣りが来る勢いをキープしてくれています。
BURRN!!誌レビューで、あの酒井前編集長をして「ファンになってしまいそう」と言わしめたクオリティは伊達じゃねえぞと。


FAITHFULL - LIGHT THIS CITY ★★★ (2023-08-24 00:17:41)

隣国スペインに比べるとHR/HMシーンにおいては今一つ存在感が薄い(失礼)ポルトガル出身で、当時91 SUITE、COASTLINE、AIRLESS等々のメロハー系優良バンドを抱えていたVINNY RECORDSとの契約を得た4人組FAITHFULが'03年に残した1stアルバム。
南欧出身と聞くと、どうしてもクサメロやコブシといったラテン・フレーバーを期待してしまうのが人情ですが、本作にその手のドメスティックな要素は皆無。キャッチーで伸びやかなコーラス・ワークを配し、明るい曲調の中から仄かに滲み出す「切なさ」に胸をくすぐられる秀逸な楽曲が揃ったアルバム前半①~④の流れが示す通り、ここで聴かれるのは哀愁と爽快感がポップにブレンドされたメロディアスHR。BON JOVI似のハスキーボイスを駆使して情熱的に歌い上げるVo、⑨のソロ・パートを始め、ウェットなメロディを一音一音丁寧に紡ぎ出すGを両軸に展開される洗練されたサウンドには、JOURNEYの大ヒット・アルバムを思い起こさせるバンド名と、都市の夜景を切り抜いたアートワークがよく似合う。殊に、憂いを湛えて走り抜けるハード・ナンバーっぷりで本編にメリハリを加える⑥と、「ここに音が欲しい」というスペースを的確に埋めてくれるKeyの良い仕事が光るハードポップ・チューン⑨は鮮烈な印象を残してくれる逸品ではないかと。
ハッタリの効いた楽曲や派手な演奏をぶちカマすプレイヤーを擁するわけではなく、人によっては「地味」とも受け取られかねない堅実な作風なれど、サウンドを構成する要素一つ一つを丁寧に磨き上げた結果、付け入る隙のない完成度を有するに至ったメロハーの好盤。それだけに、これ1枚きりでバンドが消滅してしまったのが残念でなりません。


FAITHFULL - LIGHT THIS CITY - You Won't Get Me Now ★★★ (2023-08-25 01:23:39)

愁いを帯びて疾走するHRナンバー。
Voの声質もあってやはり1st~2ndの頃のBON JOVIを
彷彿とさせますが、それが悪いなんてことはある筈もなく
むしろ個人的には最上級の誉め言葉ですよ。


FAR CORPORATION - Division One ★★★ (2023-01-05 00:40:53)

ドイツ人プロデューサーのフランク・ファリアンが音頭を取って結成、LED ZEPPELINの代表曲“天国への階段”をカヴァーしてスマッシュ・ヒットさせ全英チャート最高第8位に送り込んだことや、ボビー・キンボール、スティーヴ・ルカサー、デヴィッド・ペイチらTOTO組を始め、ロビン・マッコーリー、サイモン・フィリップス、メル・コリンズといった参加メンバーの豪華さでも注目を集めたプロジェクト、FAR CORPRATION(FARはプロデューサーの名前に由来)が'86年に発表した1stアルバム。これが唯一作だと思っていたら'94年に2ndアルバムもリリースしていたんですね。
その“天国への階段”だけでなく、FREEの名曲“FIRE AND WATER”もカヴァーしている…と書くとプロジェクトの目指す方向性がさっぱり分からなくなりそうですが、基本的には初期TOTO辺りに通じる洗練されたメロディアスHRに、ニューウェーブ風味を追加投入した感じのサウンドを志向。上記カヴァーもダンサンブルなアレンジが施されており、そのカヴァー曲のインパクトの大きさに本編の他の楽曲の存在感が食われてしまっていたり、今聴くと80年代全開なアレンジにむず痒さを覚える部分なんかもありつつ(そこが魅力でもあるわけですが)、それでも流石に実力派ミュージシャン達が集っているだけあってクオリティは高め安定をキープ。特にロビン・マッコーリーが歌い、TOTOのメンバーがバックを支える叙情的かつドラマティックな⑤は、この1曲を聴けただけでも本作購入価値はあった!と納得できる名曲ぶりですよ。いや強がりでなくて。
廃盤のままほったらかしは惜しい、と再発の願掛けを正月にしたくなる1枚。


FAR CORPORATION - Division One - Johnny Don't Got the Distance ★★★ (2023-01-06 01:00:55)

憂いを帯びたエレピに導かれてスタートするアルバム屈指の名曲。
サックスを効果的に用いたドラマティックな曲展開からは
プログレ・ハード風味も感じられたり。透明度の高い曲調に
ロビン・マッコーリーのエモーショナルな歌声がマッチしています。


FASTKILL - Bestial Thrashing Bulldozer ★★★ (2012-01-03 11:40:07)

平成の世を爆走する昭和スラッシャー軍団ことFASTKILLが、2nd『NUCLEAR THRASHING ATTCK』との間にCODE REDとのスプリット仕様のシングル『THRASHING WARFIELD』のリリースを挟んで'11年に発表した3rdアルバム。
一目見ただけで、その内容について確信を抱かせてくれる相変わらずのアルバム・タイトル(邦題は『恐怖のスラッシュ殺戮兵器』)とジャケット・アートワークが物語る通り、鋭利なカミソリGリフと、俊敏なフットワークを駆使して荒れ狂うリズムとが、「止まったら死ぬぜ」とばかりに猛然と畳み掛けて来るスラッシュ・サウンドは、ローファイな音質まで含めて前2作で披露した方向性を微塵の迷いもなく突貫。
1stデモ収録曲のリメイク⑨が違和感皆無で本編の流れに馴染んでいる事からも、彼らがデビュー当時より一貫してオールドスクールなスラッシュ・メタルに拘り続け、且つ現在に至るもその姿勢が1ミリたりともブレていない事実が伝わってきます。
炸裂感に満ちた②や、刻みの細かいGリフが緊迫感を煽る③、地鳴り如く突っ走る⑦といった高速スラッシュ・ナンバーのあまりのカッコ良さにテンションが上がりまくって、評価が割れる甲高いVoの歌唱スタイルもまるで気になりませんでしたよ。それと個人的には、北海道のスラッシュ・レジェンドNEGAROBOの⑥をカヴァーしてくれているのも嬉しいですね。
FASTKILL入門編としてもお薦めの1枚。(と言っても、基本彼らの作品はどれも同じノリですが)


FASTKILL - Bestial Thrashing Bulldozer - Die in the Pentagram ★★★ (2012-01-03 11:50:02)

のっけのGリフの刻みっぷりが
「これぞスラッシュ・メタル!」という
カッコ良さで思わず胸が熱くなりますね。
3rdアルバムで一押しの名曲。


FASTKILL - Bestial Thrashing Bulldozer - Endless Game ★★★ (2012-01-03 11:57:09)

基本的には原曲に忠実なカヴァーですが、
NEGAROBOとはVoのタイプが大きく異なるで
仕上がりの印象もかなり違うものに。
これ聴いてカッコイイと思ったら、
是非NEGAROBOのアルバムも聴いてください。


FASTKILL - Bestial Thrashing Bulldozer - In Thrash We Trust ★★ (2012-01-03 11:48:50)

このタイトルに「STRYPERかい!」と
思わずツッコミを入れたくなる
3rdアルバムの実質的OPナンバー。
猛然たる炸裂感溢れる曲調に
あれよあれよと翻弄されまくりです。


FASTKILL - Bestial Thrashing Bulldozer - Toxic Tormenter ★★★ (2012-01-03 11:54:09)

シャウト一発と共に突進を開始する
リフ&リズム(地鳴りのようなDsがえらい迫力)の
破壊力に、首を振らずにはいられない
アルバム後半のハイライト的名曲。


FASTKILL - Infernal Thrashing Holocaust ★★ (2006-11-15 22:23:00)

「名は体を現す」とはよく言ったもので、まさにFASTでKILLなスラッシュ・メタルを聴かせる、
日本の5人組スラッシャー、'04年発表の1stアルバム。
とても90年代を通過したとは思えぬ、80年代的なつんのめり気味の疾走感がアルバム全編を支配していて、
狂ったようなテンションで喚きまくるヒステリックなVo、カミソリの如き殺傷力を備えたクランチ・リフ、
タイトに突っ走るリズム隊、スカッと短いランニング・タイム(全9曲で30分弱)と、初期ジャーマン・スラッシュ・メタル的
雰囲気を濃厚に漂わせた1枚で、成る程、KREATORやDESTRUCTIONのカヴァーを演ったらハマリそうだ。
終始「躁」状態で一瞬たりとも緩まないテンションと、強烈なスピード感に身を任せているうちに、
あれよあれよと聴き終えられる勢いの良さは買いだが、個人的には楽曲の画一性が気になったりもする。
ここぞ!という強力な聴かせ所があれば尚良かったのだけれど・・・まぁ、好みの問題かな。


FASTKILL - Nuclear Thrashing Attack ★★ (2007-11-29 21:48:00)

'04年リリースの1st『INFERNAL THRASHING HOLOCAUST』で披露した、まるで80年代からタイムスリップして来たかのような、
ピュアなスラッシュ・サウンドが、マニアの間で好評を博した東京出身の5人組スラッシャーが、3年ぶりに発表した2ndアルバム。
血管がブチ切れそうなハイテンションVo、鋭利な剃刀リフを矢継ぎ早に繰り出すG、猛烈な勢いで畳み掛けて来るリズム隊から
成る楽曲の数々は、相変わらず初期KREATORを彷彿とさせる尖がった暴走っぷりを誇り、トータル・ランニング・タイムも
全10曲収録で僅か30分。一時もテンションを緩める事無く、頭から尻まで一気呵成に駆け抜けていく。
思わずニヤリとするアルバム・タイトルも含めて、従来の路線を何の迷いもなく突き進んでいるが、
サウンド・プロダクションが向上して音に厚みが出た分、迫力においては前作を上回る印象。特に、キャッチーなリフと
歌メロを備えた④(ポップという意味ではない)から、激烈に炸裂する⑤への流れはムチャクチャかっこいい。
但し、音が良くなったことで、逆に裏声ハイトーン(?)Voのアクの強さがより一層目立ってしまっていて、
この声を受け入れられるかどうかで、本作の評価がハッキリと分かれるような気がしなくもない。


FASTKILL - Nuclear Thrashing Attack - Kill and Possess ★★ (2007-11-29 21:58:27)

弾丸のようなスピード・チューンだが、リフと歌メロは
非常にキャッチーで(ポップという意味ではない)えらいカッコイイ。
更にそこから、炸裂するように疾走する高速スラッシュ・ナンバー
“ANNIHILATION BETRAYER"へと繋がっていく流れも良い。


FASTWAY - Waiting for the Roar ★★ (2013-11-23 00:12:35)

FASTWAYと言えば、若き日のロバート・プラントを彷彿とさせるデイヴ・キングの情熱的なVoと、エディ“ファスト”クラークの骨太にして豪快なロックンロール・センスとが、ガップリ四つに組んだ1stが代表作として知られていますが、自分が持ってる彼らのアルバムは(なぜか)'86年にリリースされたこの3rdのみ。でも一体いつ買ったのかはさっぱり思い出せねぇ・・・。
深めにリヴァーブがかけられたポップな音作りに、シンセを大胆に組み込むことでメロディアス且つスケールの大きなアレンジを施された本編は、一般的にFASTWAYの名を聞いて想起するサウンドとは大きく趣きが異なる。初期作に収録されていたならさぞかしハマったであろうジャニス・ジョプリンの名曲④のカヴァーが、ここでは今ひとつ馴染んで聴こえないこともその証左かと。
前作のセールス的不振を踏まえて、プロデューサーのテリー・マニング主導でレコーディング作業が進められた結果、こうした80年代的モダンさ漂う作風へと至ったらしいのですが(作中でシンセ弾いてるのも彼)、いやでもこれはこれで案外悪くない。58人編成のオーケストラを起用して、OPからいきなり6分を越えるドラマティックな大作ナンバー①や、ストリングスが非常に効果的に取り入れられている②、デイヴの熱唱に涙ちょちょ切れるバラード④といった思わず前に身を乗り出す名曲を収録されていますからね。
「FASTWAY流アリーナ・ロック」(?)という、実験的な試みがきっちりと成果を上げている意欲作ではないでしょうか。


FATES WARNING - Night on Bröcken ★★★ (2017-04-29 09:30:14)

ブライアン・スラゲルに気に入られ、METAL BLADE RECORDSとの契約をゲットしたコネチカット出身の5人組が、名物コンピ盤『METAL MASSACRE』シリーズ第5弾に楽曲提供を行った後、'84年に放った1stアルバム。
アーティスティックな拘りを感じさせるアートワークから音楽性に至るまで、「洗練されたプログレ・メタル」の貫禄漂わす5th『PERFECT SYMMETORY』を先に聴いてから、遡って本作を購入したので、まず手書きの温もりに満ちた…つか温もりしか伝わってこねぇ(笑)ジャケット・イラストのいなたさに吃驚仰天した記憶あり。更に本編にはプログレ色がほぼ皆無だったもんで2度吃驚。じゃあここにはどんな音が託されているかといえば、パワフル且つ音痴なVoが醸し出すマイナー臭と、NWOBHMからの影響がモロ出しのダークでアグレッシブなHMサウンド。起伏に富んだ曲展開が素晴らしくドラマテックな④⑧といった楽曲もありますけど、それらに関してバンドが曲作りのお手本にしたのは、恐らくプログレ方面じゃなくてIRON MAIDENやJUDAS PRIESTじゃねえかなぁ?という。
いやでもそれが悪いかと言えば、断じてそんなことはない!と申し上げたい。圧の強いハイトーンVoと劇的に動き回るツインGを前面に押し立てたOPナンバー①、バンドの前身MISFIT時代のテーマ曲⑥、『METAL MASSACRE Ⅴ』にも提供されていた⑨という、ストレートに駆け抜ける正統派HMナンバーは本作でしか聴けぬタイプの名曲ではないかと。
万人にはお薦めし難い作品であることは事実なれど、個人的には聴き返す頻度がかなり高いFATES WARNINGのアルバムだったりします。


FATES WARNING - Night on Bröcken - Damnation ★★★ (2017-04-30 22:20:29)

アルバムのクライマックスを盛り上げる大作ナンバー。
尺は7分近くありますが、影響源は明らかにプログレッシブ・ロックよりも
IRON MAIDENとかJUDAS PRIESTに求められる感じ。
ぶっちゃけマイナー・メタルではありますが、
勇壮な曲調といい、勢いがあり余ってるVoの熱演といい、
ボンクラ・メタラー的には後の知的路線以上にグッと来る場面多し。


FATES WARNING - Perfect Symmetry ★★★ (2017-05-06 00:30:19)

FATES WARNINGの日本デビュー作であり、個人的に初めて彼らの音に触れた作品でもある、’89年発表の5thアルバム。
ヘヴィ・メタリックな荒々しさや疾走感が影を潜め、哀愁のメロディ、凝ったアレンジに、派手さよりも「味わい深さ」で聴かせる曲展開等がいちいち洗練を感じさせる楽曲を始め、いかにもHM然としていたガビガビのバンド・ロゴがいつの間にかスマートなデザインに改められていたり、ついでにジャケットもモダン・アート風だったり…と、この頃には完全にバンドは「本格派プログレ・メタル路線」へと移行完了。当時は全く気にしていなかったのですが、今となってはDREAM THEATERの初代Key奏者ケヴィン・ムーアがゲスト参加している辺りもその表れと言えなくもなかったという。
益々扇情力を高めた2本のGのメロディアスな絡み、ジェフ・テイト型に分類されるレイ・アルダー(Vo)の表現力に富む歌唱、それに柔軟にボトムを支える元WARLORDの名手マーク・ゾンダー(Ds)の多彩なリズム・ワークを得たことで、サウンドは繊細な抒情面の魅力が大きく開花。バイオリンをフィーチュアした美しい前半を経て、中盤以降はケヴィン・ムーア(Key)も交えた楽器陣がスリリングに盛り上げていく⑤や、哀切に満ちたレイの歌声が胸打つバラード⑦、そして全メンバーの長所が存分に発揮された泣きの大作ナンバー⑧といった楽曲はその好例かと。
こちとら初期作を偏愛する身なれど、やはりFATES WARNING入門盤には、万人に受け入れられるであろう本作あたりをお薦めするのが適当なのでしょうか…。


FATES WARNING - Perfect Symmetry - Nothing Left to Say ★★★ (2017-05-06 00:35:57)

歌に入る前の導入部の一捻りとか
濃淡の塗り分けられた曲展開等、
これぞプログレ・メタル!な逸品。
レイ・アルダーのシンガーとしての熟達から、
新加入のマーク・ゾンダーの柔軟なリズム・ワーク、
表現力を増したツインGの泣きっぷりまで
バンドの洗練具合がしかと刻み込まれた名曲です。


FATES WARNING - The Spectre Within ★★★ (2017-05-01 23:43:13)

FATES WARNINGの名を聞くと思い出すSFタッチのアートワークといい、いきなり7分越えのOPナンバー①で幕が上がり、10分以上に及ぶ⑦にて幕が下りる本編の攻めた構成といい、後のプログレ・メタル路線への息吹があちこちから感じられるようになった、’85年発表の2ndアルバム。
ツインGの劇的なハモりっぷりや、メリハリの効いた勇壮な曲展開が物語る通り、未だサウンドの基軸はIRON MAIDEN、JUDAS PRIEST由来のダークでアグレッシブな正統派HM路線に据え置かれています。その一方で、前作のパワフルな音痴ぶりから確かな成長を遂げ、歌声にブルース・ディッキンソンばりの雄々しさと力強さと心強さが宿った(一つ違う)ジョン・アーチの歌唱力や、ドラマ性及びスケール感の一層の増強が図られた曲展開etc.に下支えされた各収録曲は、1曲毎の中で多彩な表情を見せてくれるようになっています。その好例が前述の①や⑦であり、中盤に置かれたエピカルな④であると。
全体的にはまだまだ荒削りな出来栄えだったりするのですが、普段あまりプログレ物を嗜まないボンクラ・メタル野郎的には寧ろそれが丁度いいぐらいの塩梅でして。特にツインGの活用振りがIRON MAIDEN風の劇的な⑤から、疾走ナンバー⑥と来て、ドラマティックな大作ナンバー⑦へと至るクライマックスの流れは何度聴いてもグッときますよ。
…以上のような絶賛具合からもお察し頂けます通り、個人的には「FATES WARNINGと言えば本作が最高である!」と、今後も熱く推して行きたい1枚であります。


FATES WARNING - The Spectre Within - Epitaph ★★★ (2017-05-06 00:42:38)

別にKING CRIMSONのカヴァーではありませんが
タイトルからして「今後はプログレ路線で行くぜ!」との
バンドの決意の程が伝わって来るかのようです(?)
11分以上に及ぶドラマティックな大作ナンバーではあるものの
ブルース・ディッキンソンへの憧憬が滲むシンガーの歌唱にしろ
勇壮且つアグレッシブな曲調&曲展開にしろ、この時点ではまだ曲作りの基盤は
正統派HMに据え置かれたまま。つか、むしろそこが良い!と。
タイトル負けしていない名曲ですよ。