この曲を聴け!
火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1901-2000

MyPage

火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1901-2000
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70
モバイル向きページ 


FATES WARNING - The Spectre Within - The Apparition ★★★ (2017-05-02 23:43:30)

FATES WARNINGのことを小難しいだけのプログレ・メタル・バンドと
思ってる奴はこれでも喰らえ!という劇的な構築美とスリリングな
緊張感に満ち溢れた名曲。引っ掛かり気味の曲進行やツインGの
ドラマティックなハーモニーはIRON MAIDENからの影響大。
勢い余りまくりながらもパワフルなジョン・アーチの歌いっぷりも良し。


FATIMA HILL - Melodical Renaissance ★★★ (2008-06-05 23:48:00)

FATIMA HILLの存在を知ったのは、この作品が切っ掛けでした。
東京出身のメロディック・パワー・メタル・バンドGUARDIAN'S NAIL、関西出身の様式美HMバンドVOLFEEDと、現VIGILANTEの丹羽英彰(Vo)が在籍していたスラッシュ・メタル・バンドHIDDEN、そして女性Voを擁し、ミステリアスにして壮大、且つ劇的なエピック・メタルを聴かせる北海道出身のFATIMA HILLという計4バンドが参加して制作、'95年にリリースされたコンピレーション・アルバムで、FATIMA HILLはオリジナル・アルバムには未収録の楽曲2曲を提供している。
トニー・マーティン時代のBLACK SABBATHを思わせる、劇的なヘヴィ・チューン“ICON AND VOODOO DOLL"も素晴しいが、本作の白眉は何と言っても12分以上に及ぶ大作“THE SONG FOR BEATRICE"。重々しく引き摺られるヘヴィ・リフに低くのた打つリズム、そしてFATIMA HILLサウンドの主役と言うべき、可憐に囁いたかと思えば、一転妖しげで大仰なメロディを、司祭の如く朗々と歌いこなす女性Voの圧巻の歌唱とが一体となって、ドラマティック且つ壮大にうねくるエピック・ドゥームの名曲に仕上がっている。CANDLEMASS、TROUBLE、SOLITUDE AETURNUS辺りが好きな人なら要チェックかと。
ちなみに本作、現在では既に廃盤状態のようだが、参加バンドの質も高く(特にGUARDIAN'S NAILの“SECOND WIND"は全メロパワ・ファン必聴の名曲)、中古屋でも結構手頃な値段で売られているので、興味を持たれた方は是非一聴を。


FEINSTEIN ★★ (2009-08-03 22:32:00)

ロニー・J・ディオの従兄弟とか、ELFの初代Gとか、THE RODSの司令塔とか、様々な肩書きを持つ
デヴィッド・フェインシュテインが、ARTENSIONやROYAL HUNT等での活動を通して日本でも高い人気を誇る
実力派シンガー、ジョン・ウェストとタッグを組んで立ち上げた新プロジェクト。
エグゼクティヴ・プロデューサーとして、アマチュア時代に同じ釜の飯を食った旧友ジョーイ・ディマイオ(MANOWAR)の
名前がクレジットされており、ライナーを読むと制作にはロス・ザ・ボスも1枚噛んでいるのだとか。
サウンドの方は、80年代の伝統を今に伝える、適度な疾走感と重厚感を併せ持った実にHMらしいHMで、
最も勢いのあった頃のDIOを彷彿とさせるサウンド・・・と言えなくもないような。
スピードやアグレッションで押しまくるタイプではないゆえ古臭く感じられたのか、リリース当時は
余り話題にはならなかったが、オールドスクールなHM好きなら一聴の価値がある名盤。個人的には
'04年に発表された作品の中では、トップクラスの完成度を備えた逸品と信じて疑わない次第。


FEINSTEIN - Third Wish ★★ (2009-08-03 22:36:00)

元THE RODSのデヴィッド“THE ROCK"フェインシュテインが新たに結成した、自身の名を冠するプロジェクトのデビュー作。
Voとして実力派シンガー、ジョン・ウェストが全面参加していたり、MANOWARのジョーイ・ディマイオと
ロス・ザ・ボスがプロデュースに関わっていたり、BURRN!!誌のレビューで高得点を獲得したりと、いろいろ
話題性はあったにも関わらず、大して評判になる事なく現在では中古屋の片隅で埃を被っている姿を見かける本作。
スラッシュでもデスでもメロスピでもネオクラシカルでもない、実にへヴィ・メタルらしいヘヴィ・メタルが最初から
最後まで詰め込まれた内容は、「何も足さない、何も引かない」サントリー・ウィスキーの如き芳醇な仕上がりで、
全13曲が収録された長丁場にも関わらず、捨て曲なし。一体なぜこのクオリティで人気が出なかったのか・・・。
この時期、ジョン・ウェストは喉の手術の影響で歌唱力の低下が懸念されていたのだが、本作で披露している
胸焦がす極上の歌声に不安定さは皆無だし、ディヴィッドの古き良き伝統美を今に伝える劇的なGプレイもお見事。
特に、HMのカッコ良さが凝縮された疾走曲①に始まり、重厚な②と勇壮な③を経て、壮大な④へと至るアルバム前半の
流れは、ただ速いだけでも、アグレッシブなだけでも、大仰なだけでも表現し得ない、オールドスクールな
ヘヴィ・メタルの魅力が「これでもか!」と詰め込まれた本編のクライマックス。
とにかくメタル好きなら一度は聴いて頂きたい1枚。MANOWARのメンバーが関わってるのは伊達じゃないですぜ。


FEINSTEIN - Third Wish - Masquerade ★★ (2009-08-07 08:10:58)

胸が熱くなるメロディと、ジョン・ウェストの
伸びやかなVoを纏って疾走するHRナンバー。
そのオーソドックスさゆえ「ここが凄い!」ってな
書き方は出来ないのだが、とにかく全体的に完成度高し。


FEINSTEIN - Third Wish - Regeneration ★★★ (2009-08-07 08:06:57)

オーソドックスなHMのカッコ良さが
凝縮されたデビュー作のOPナンバー。
疾走曲だが、スピードは飽くまで
ノリ易く速過ぎない。その上に乗る
ジョン・ウェストの雄々しいVoと、
メロディックなGが最高です。


FEINSTEIN - Third Wish - Streaming Star ★★ (2009-08-07 08:08:25)

これまたジョン・ウェストの雄々しいVoが映えるナンバー。
特に、クライマックスで炸裂する
朗々とした歌い上げの素晴しさと言ったら。
(バックに流れるGメロディも美しい)


FEINSTEIN - Third Wish - Third Wish ★★★ (2009-08-07 08:09:33)

メロウに始まり、重厚な前半を経て、
後半は疾走へと転じるデビュー作の表題曲にして
本編のハイライトを飾る10分近くに及ぶ大作ナンバー。
今にもロニー・J・ディオの歌声が聴こえて来そうなくらい
ドラマティック。


FERGIE FREDERIKSEN (2011-12-08 22:42:11)

ANGEL、TRILLION、LE ROUX、TOTOといったバンドでシンガーを務め、KANSASやSURVIVORのフロントマンの座にも就任しかける等、アメリカン・メロディアスHR街道一筋に歩み続けるベテラン・シンガー。(本名はデニス・ハーディ・フレデリクセン)
近年はFRONTIER RECORDSを拠点に、ANGEL時代の僚友リッキー・フィリップスや、メロハー・プロジェクト仕掛人トミー・デナンダーらと組んで数々の優れた作品を世に送り出していたが、長年患っていた肝細胞ガンの悪化により一時は生命の危険な状態にまで陥り、世のメロディアスHR愛好家を心配させた。
が、不屈の精神力でこれを克服すると、今年、前作『EQUILIBRIUM』以来11年ぶりとなる2ndソロ『HAPPINESS IS THE ROAD』を発表、HR/HMシーンに健在ぶりをアピールした。


FERGIE FREDERIKSEN - Any Given Moment ★★★ (2013-11-18 21:08:42)

アレッサンドロ・デル・ベッキオを筆頭とする実力派ミュージシャン達のバックアップの下、'13年に発表された3rdソロ・アルバム。
順調なアルバムのリリース・ペースのみならず、'12年にはボビー・キンボールやスティーヴ・オウジェリーらと共に来日公演を行っていたりと、ファーギー・フレデリクセンはもうすっかり癌を克服したものとばかり思っていましたが、今回雑誌に載っていたインタビューを読んで、実は現在も、作品をフォローするためのツアーにさえ出られないぐらい体調が思わしくないことを知り愕然。張り良し、艶良し、伸び良しの三拍子揃ったエモーショナルな歌声からは、病魔の影なんて微塵も感じさせないのに・・・。(顔つきには確かにやつれが現れていますが)
それでも、アルバム全編に咲き誇るのは爽やかに澄み渡った曇りなきメロディアスHRサウンド。「体調は良くない」「その時が来たとしても覚悟は出来ている」と率直に語る彼が、にも関わらず、沸々とエネルギーが湧き上がってくるかのような①⑩、LE ROUX時代の僚友がテリー・ブロックと共作した哀愁のメロハー②、ジム・ピートリックのメロディ職人としての筆致が冴え渡る⑧、美しくポップなイッサ嬢とのデュエット・ソング⑨etc・・・といった、どこまでもポジティブなフィールに貫き通された楽曲の数々を力強く歌い上げる様には、胸打たれずにはいられませんて。
決して派手な作品ではありませんが、静かに漲る気迫に思わず背筋が伸びるような思いを味わう1枚であります。


FERGIE FREDERIKSEN - Any Given Moment - Any Given Moment ★★★ (2013-11-23 00:02:03)

伸びやかなVoとG、
さりげなく合いの手を入れるKeyが
透明度の高い哀愁を漂わすメロハー・ソング。
作曲はジム・ピートリックと聞かされて
この名曲っぷりも納得ですよ。


FERGIE FREDERIKSEN - Any Given Moment - Last Battle of My War ★★★ (2013-11-19 23:12:11)

ネバー・ギブアップ!ネバー・サレンダー!な歌詞は
ありがちなメッセージ・ソングかもしれませんが、
幾度となく死線をくぐったこの人が歌うと、
尋常でない説得力でグッと胸に迫ります。
疲れた心身にエネルギーを注ぎ込む、
ポジティブ且つ力強さに満ち溢れた名曲。


FERGIE FREDERIKSEN - Equilibrium ★★★ (2018-01-31 23:26:01)

闘病生活にも挫けず、精力的に新作のレコーディングやライブ(来日公演含む)等をこなし、'14年に惜しまれながらもこの世を去った名シンガー、ファーギー・フレデリクセンが豪華ゲストを迎えて制作し、'99年に発表した自身のキャリア初となるソロ・アルバム。
MTM RECORDSからのリリースだけあって、本作に託されているのはファーギーの「歌」が主役のメロディアスHR。但し、後のソロ2作に比べるとハードさは控えめで、よりAOR/産業ロック寄りの作風であったため、初聴時の感想は「地味だなぁ」とあまりパッせず。当時は日本がCD化大国としてブイブイ言わせてた時期でもあり、毎月大量発売されるHR/HM系カタログの山の中に埋もれてしまっていたところ、しかしその後時間を置いてから改めて聴き直し見たら「いや、全然いいじゃんか!」と。
様々なバンド/プロジェクトで自慢の喉を披露して来たファーギーゆえ、パフォーマンス面に関しては最初から不安要素は皆無であり、後はどんだけ彼が歌うに相応しい曲が揃えられるかが勝負だったわけですが、流石一流どころのライター陣が楽曲提供者として名を連ねているだけあって、適度な疾走感を湛えた曲調がスポーツ番組のテーマ曲にフィットしそうなOPナンバー①、ジム・ピートリックとリッキー・フィリップス共作による哀愁のメロハー③、情感豊かに綴られるバラード⑥⑩、ひんやりと心地良い哀感を湛えた⑧、爽やかに吹き抜ける微風の如き⑪…と、本編に並ぶ楽曲は十分粒揃い。
前述の通りHR/HMとは若干距離がある作風ではありますが、TOTOやTRILLIONからLE ROUXまで、ファーギー関連作品を愛聴する方なら間違いなくマストな1枚かと。


FERGIE FREDERIKSEN - Equilibrium - Blaze Of Love ★★★ (2018-02-02 00:31:21)

軽快に疾走する印象的なテーマ・メロディが
夜11時台のスポーツニュースのBGMっぽい…と
書くと褒めてんだか何なんだかですが、褒めてます。
名曲です。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road ★★★ (2011-12-09 07:14:17)

LE ROUXの『SO FIRED UP』、TRILLIONの『氷牙』、TOTOの『ISOLATION』といったアメリカン・メロディアスHRを語る上で外せない名盤、あるいはマルチ・ミュージシャン、トミー・デナンダーと組んだメロハー・プロジェクトの数々で素晴しい歌声を披露してきたファーギー・フレデリクセンが、FRONTIER RECORDSの全面バックアップを受けてレコーディング、'11年に発表した2ndソロ・アルバム。
大病を患っていた彼の復活までの険しい道程については平野和祥氏が執筆したライナーノーツに詳しいが(この人がこの手の音楽性のアルバムに寄稿するのって珍しいような?)、少なくとも本作で聴ける彼の声の張り/艶/伸び具合に、病魔の悪影響は微塵も感じられない。
WORK OF ARTのメンバーや現PRIDE OF LIONのジム・ピートリックらが提供した心打つキャッチーなメロディに彩られたメロハー・ソングの数々を、時に繊細に、時にダイナミックに歌い上げる様は、とても病床を脱して間もない人物の歌声とは思えぬエネルギーの迸りが感じられ、取り分けファーギー自身が作詞を手掛けたアルバム表題曲⑤は、逆境の中にあっても決して希望を失わない前向きな姿勢が綴られた歌詞と、ポジティブな躍動感に満ち溢れた曲調とが相俟って深い感動を呼ぶ、今年のベスト・チューン候補に推したい名曲の一つ。
爽やかに駆け抜けていく①や⑨、情熱的な歌唱が五臓六腑に染み渡るバラード④、哀愁のメロハー・ソング⑧、瀟洒なKeyの旋律が心地良い⑫等、優れた楽曲が揃えられた本編はまさしく復活作に相応しいクオリティ。
ファーギー・フレデリクセンの前途が洋洋であることを切に願います。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - Angel ★★★ (2011-12-11 18:14:42)

心躍るポップな曲調に
ファーギー・フレデリクセンの哀愁の
ハイトーンVoが乗っかった
OPナンバーに相応しい名曲。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - Follow Your Heart ★★★ (2011-12-11 18:26:49)

ピアノとVoのみの前半から、
全楽器が加わって壮大に盛り上がっていく曲展開が
たまらなくドラマティックな名バラード。
繊細でエモーショナルな歌い込みから、
堂々として伸びやかな歌唱まで
幅広い表現力を駆使するファーギー・フレデリクセンの
歌いっぷりが素晴しい。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - Happiness Is the Road ★★★ (2011-12-11 18:32:01)

アルバム表題曲にしてアルバムのハイライト・ナンバー。
この曲のみファーギー自身が作詞を手掛けており、
重病を患っても決して希望を失わない決意表明が綴られた歌詞と、
その歌詞に相応しいポジティブな躍動感に満ち溢れた曲調は
聴いているだけで沸々と力が湧き上がって来るような
エネルギーに満ち溢れています。

今年のベスト・チューン候補。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - Love Waits for No One ★★★ (2011-12-11 18:35:31)

絵に描いたように典型的なメロハー・ソング。
哀愁とフック兼備のサビメロは聴く度に
安心感をもたらしてくれます。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - The Savior ★★ (2011-12-11 18:44:26)

これまた(良い意味で)典型的な哀愁のメロハー・ソング。
AOR/産業ロック然とした、流麗な演奏を聴かせてくれる
Keyの良い仕事っぷりが際立つラスト・ナンバー。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - Writing on the Wall ★★ (2011-12-11 18:37:53)

アルバム収録曲の中では
かなりロックしているナンバーですが、
勿論大味なんてことはなく、
メロディにもきっちりとフックが効かせられ
本編の流れに緩急を付ける
重要な役割を担ってくれています。


FIFTH ANGEL - Fifth Angel ★★ (2008-10-12 23:32:00)

ATLANTIS RISINGのジェイムズ・バード(G)や、HOUSE OF LORDSのケン・メアリー(Ds)が嘗て在籍していた事で知られる、
米ワシントン州はベルビュー出身の5人組HRバンド(と言ってもBは幽霊メンバー)FIFTH ANGELが、'86年に発表した1stアルバム。
本作は、当初、マイク・ヴァーニーが主宰するSHRAPNEL RECORDSからリリースされたものの、日本を含む世界中の
HR/HMファンの間での、このアルバムの評判の良さに目をつけた米メジャーEPIC RECORDSが契約を申し出て、
'88年にアートワークを差し替え(このジャケットが美麗で非常に秀逸な出来)、リマスターを施してリリースし直された・・・
というエピソードを持っているだけあって、実際、その完成度の高さには目(と耳)を瞠るものがある。
哀愁とフックに富んだメロディを、確かな力量で歌い上げるテッド・パイロットのVo、エモーショナルに歌う
ジェイムズ・バードのメロディアスなGプレイ、そして、とてもアメリカのバンドとは思えぬ、欧州HR然とした湿り気を
たっぷりと帯びた曲調を更に盛り上げる、叙情的且つドラマティックなツイン・リードGを大フィーチュアした楽曲は、
全9曲収録で捨て曲は1つもなし。ライナー・ノーツではオランダのHELLOISEなんかと比較されているけど、
ヨーロピアンな風情を漂わせつつも、決して暗く/重くなり過ぎず、どこか爽やかさを感じさせる作風は確かに共通点が多い。
特に、この1曲のためだけに本作を購入しても損はない!と断言したくなるナンバーが連続する、アルバム前半の隙のない構成は見事で、
取り分け、舞うようなツインGと、心地良く疾走する哀愁のメロディが、どこかRIOTの代表曲“WARRIOR"を彷彿とさせる③は、
FIFITH ANGELというバンドの魅力の粋を結集したかのような名曲。(勿論、スピーディな⑥から劇的な⑨へと至るB面パートも充実)
ここ日本では、UFOの名曲“LIGHTS OUT"のカヴァーを収録し、国内デビュー作となった2nd『TIME WILL TELL』の方が
人気が上のようだが(実際、甲乙付け難いクオリティ)、個人的には、FIFTH ANGELの入門編には、まずこの1stをお薦めしたい次第。


FIFTH ANGEL - Fifth Angel - Call Out the Warning ★★★ (2008-10-12 23:39:24)

華麗に舞うツインGと、強烈なフックと哀愁を伴った歌メロが
心地良く疾走する様が、どこかRIOTの名曲“WARRIOR"を彷彿とさせる、
FIFTH ANGELというバンドの魅力の粋を結集したかのような、
1stアルバムのハイライト・ナンバー。哀メロ派は必聴かと。


FIFTH ANGEL - Fifth Angel - Fifth Angel ★★ (2008-10-12 23:41:41)

フックと哀愁に富んだメロディの良さ(あとVoの上手さ)が際立つ、
バンドのテーマ曲でもあるミドル・チューン。
勿論、ツボを押さえたジェイムズ・バードのGプレイも最高だ。


FIFTH ANGEL - Fifth Angel - Wings of Destiny ★★★ (2008-10-12 23:44:57)

タイトルはJUDAS PRIEST調で、導入部はIRON MAIDENの
名曲“審判の日"を彷彿とさせる、1stアルバム随一の
ドラマ性の高さを誇る名曲。


FIFTH ANGEL - Time Will Tell ★★ (2008-10-13 19:29:00)

中心メンバーのジェイムズ・バードとケン・メアリーの脱退(但しケンは、ヘルプ参加で引き続き本作でもDsを叩いている)
というバンド存亡の危機を乗り越えて、1st『FIFTH ANGEL』に勝るとも劣らぬクオリティの作品を作り上げた事で、
FIFTH ANGEL凄し!との評価が一層高まった、日本デビュー作でもある'89年発表の2ndアルバム。(邦題は『時の呪文』)
音楽性に大きな変化はなく、前作同様、UFOの名曲“LIGHTS OUT"のカヴァーがピタリとハマる、
アメリカのバンドらしからぬ叙情的でドラマティックなブリティッシュHR路線を迷いなく邁進。
但し、今回はメジャーからのリリースという事で、若干作風がVo中心になったというか、前作にあったような疾走曲が姿を消し、
全体的にミドル・テンポの楽曲をメインに手堅くまとめられているため、そこに物足りなさを覚えるファンもいるかもしれない。
とは言え、相変わらずツインGが紡ぎ出すメロディの哀愁とフックは強力極まりなく、取り分け、リリカルなアコギの音色に導かれて
スタートする、“夢幻"という美しい邦題が付けられた④は、涙腺を刺激しまくる表現力豊かなGといい、憂いを帯びたメロディを
切々と歌い上げるテッド・パイロットのエモーショナルなVoといい、まさに「絶品」としか言いようのないバラードの名曲に仕上がっている。
それ以外にも、躍動感溢れる②や、曲作りの上手さが光るミドル・テンポの③、ポップ風味を巧みに取り入れた⑤等、
楽曲の粒は非常に揃っていて、完成度の高さに揺ぎはない。これがラスト作になってしまったとは残念至極。


FIFTH ANGEL - Time Will Tell - Broken Dreams ★★★ (2008-10-13 19:31:41)

リリカルなアコギの調べに導かれてスタートする、
叙情的で劇的なバラードの名曲。
VoとGの豊かな表現力がこれでもか!と堪能できる、
2ndアルバムのハイライト・ナンバー。


FIFTH ANGEL - Time Will Tell - Midnight Love ★★★ (2008-10-13 19:34:49)

ミドル・テンポの楽曲が大半を占める2ndアルバムの中にあって、
躍動感溢れるこの曲の存在はキラリと光る。
単にアップテンポなだけでなく、
哀メロ満載で切り込んで来るツインGの威力も大変素晴しい。


FIFTH ANGEL - Time Will Tell - Time Will Tell ★★ (2008-10-13 19:38:14)

従来の「らしさ」と、ポップ風味を上手くブレンドした
2ndアルバムのタイトル・トラック。
曲作りの上手さが光りますね。


FIND ME - Angels in Blue ★★★ (2019-05-06 08:51:59)

FRONTIERS RECORDSのバックアップを受け、プロデューサー/ソングライター/ミュージシャンとしてマルチな活躍ぶりをみせる売れっ子ダニエル・フローレスと、兄弟デュオFURYやBLANC FACES(新作待ってます)等での活動で知られるシンガー、ロビー・ラ・ブランクによるメロディアスHRプロジェクトが、4年ぶりに発表した3rdアルバム(’19年)。余談ですが、デビュー作が『WINGS OF LOVE』で次作が『DARK ANGEL』と来て、今回が『ANGELS IN BLUE』。どうやらこのプロジェクト、「天使」推しで行く気らしいということがハッキリしましたよ。
前2作がメロハーの好盤だったこともあり本作にも期待値を上げて臨んだところ、当初は最も印象に残るのがSURVIVERの名曲“DESPERATE DREAMS”のカヴァー⑫という結果に、「流石に3作目ともなるとマンネリか?」と思わなくもなかったと。しかし聴き込むことで「あれ、この曲意外に良い」「おや、こっちも素敵」とメロディの良さが浸透して来ると、爽快なコーラスが感動を呼ぶバラード⑥をハイライトに、涼し気なメロディが心地よい②、メロディのフックもロックのエッジも効いた④、高揚感を湛えたハードポップ⑨、印象的なファンファーレから高らかにスタートする⑪、キャッチーに本編を締め括る⑬等、ダニエルの作曲センスと、力強さ&繊細な表現力とを併せ持つロビーの卓越した歌唱力が、お互いを引き立て合う優れた楽曲が要所に散らされていることに気付かされ、「やっぱりFIND MEは良いなぁ」としみじみ呟く結論に落ち着くのですから流石じゃないですか。
「前2作が気に入った方ならマストな1枚」と、お決まりの文句でお薦めさせて頂きます。


FIND ME - Angels in Blue - One Last Kiss ★★★ (2019-05-08 23:51:26)

日本盤ボーナス・トラックとして別バージョンが
収録されていることからも、FIND MEがこのバラードを
アルバムのリーダー・トラックに位置付けていることが伺えます。
スケールの大きな曲調にロビー・ラ・ブランクの力強さと
説得力を併せ持った歌声が映える感動的な名曲。


FIND ME - Lightning in a Bottle ★★★ (2022-05-27 01:38:29)

早いもので企画立ち上げから既に10年を数える、ロビー・ラ・ブランク(Vo)を中心とするメロディアスHRプロジェクトFIND MEが、メモリアル・イヤーたる'22年に発表した4thアルバム。(ちなみに今回もアートワークや表題には「天使」を絡めて来るものと思いきや、蓋を開けてみればほぼ無関係なネタで「あら?」と肩透かしを食いましたよ)
スタート当初から寸分たがわぬ…どころか、初めてのソロ・アルバムのリリース等の経験を経ることで、張り/艶/伸びと年齢を重ねて益々パワーアップしている感すら漂うロビーのグンバツな歌声から、プロデュースを担うダニエル・フローレスを筆頭に、FROINTIERS RECORDSお抱えの腕利きソングライター/ミュージシャン勢が作曲と演奏の両面を漏れなくバックアップする体制に至るまで、これまでの勝利の方程式を手堅く踏襲した作りゆえ、ぶっちゃけ取り立てて目新しさはなく、感想を書いても過去3枚と同じような感じになってしまうのですが、その安定感こそ(自分含め)FIND MEファンは求めているわけで、別に悪いこっちゃないですわな。
特筆すべき点としては、映画『ステイン・アライヴ』のテーマ曲②を本家からヴィンス・デコーラをゲストに招いてカヴァーしており、これがまたHR調のアレンジがばっちり決まった実に秀逸な出来栄え。というか秀逸過ぎて本編の他の楽曲の存在を霞ませてしまっている気がしなくもないのですが、ともあれ素晴らしい仕上がりなので是非一聴をお薦め致します。
FIND MEが今後10年も戦えることを確信するに十分な1枚。できればロビー・ラ・ブランクにはBLANC FACESの再始動もお願いしたいところではありますが…。


FIND ME - Lightning in a Bottle - Far from Over (feat. Vince DiCola) ★★★ (2022-05-31 01:33:14)

オリジナルはロッキーの弟ことフランク・スタローンが歌った
映画『ステイン・アライヴ』の主題歌で、それを本家から作曲担当の
ヴィンス・デコーラ(Key)を招いてカヴァー。この名曲に目を付けただけで
星3つは確定ですが、スピーディな曲調に派手なKeyをフィーチュアした
HR調のアレンジがばっちり決まった秀逸なカヴァー・バージョンに仕上がっています。
他のオリジナル収録曲を完全に霞ませちゃってる点は痛し痒しか。


FIND ME - Wings of Love ★★★ (2019-02-06 00:03:11)

「敏腕ミュージシャン/プロデューサー」+「実力派シンガー」÷「腕利きソングライター陣」=「名盤」一丁上がり!というのが、イタリアのFRONTIER RECORDSが編み出した勝利の方程式。まぁ必ずしも上手く機能するとは限らないというのが現実のままならぬところではありますが、スウェーデン出身のミュージシャン/プロデューサー/ソングライターのダニエル・フローレスと、FURYやBLANC FACESの活動で知られるシンガー、ロビー・ラ・ブランクを上記計算式に当てはめて立ち上げられたプロジェクト、FIND MEが’13年に発表したこのデビュー作は、間違いなく大当たりに分類される1枚です。
ロビーの歌の上手さや、G、Keyを始めとする参加ミュージシャン達の的確な仕事っぷりは勿論のこと、特筆すべきは収録曲の出来の良さ。適度にロック然としたエッジを保ちつつ、哀愁とフックの効いたメロディを盛り込んだ曲作りは、ダニエルを始めアレッサンドロ・デル・ベッキオ、トム&ジェームズのマーティン兄弟、エリック・マーテンソンといったFRONTIER RECORDSお抱えソングライター陣の真骨頂。アルバム開巻を力強く宣言する①、ポジティブなフィール漂う爽やかな③、Bメロのメロディ展開にグッとくる⑥、エネルギッシュなポップ・チューン⑨等、この1曲が聴けたならアルバムを買った価値はあったと思える楽曲が次から次へと繰り出されるのですから大したもの。
こっちの知らぬ間に2nd『DARK ANGEL』が発表されていたり、近々3rdアルバムのリリースがアナウンスされていたりと、プロジェクトが単発の打ち上げ花火で終わらなかったことも、本作のクオリティの高さを裏付けてくれているのではないでしょうか。


FIND ME - Wings of Love - Bottom of My Heart ★★★ (2019-02-06 00:15:16)

アレッサンドロ・デル・ベッキオ提供のHRナンバー。
ポジティブなエネルギーを放射するメロディを纏って
アップテンポで駆け抜ける曲調と
ロビー・ラ・ブランクのエネルギッシュな歌唱が
高揚感を大いに盛り上げてくれます。


FIND ME - Wings of Love - On the Outside ★★★ (2019-02-06 00:10:49)

トーマス・ヴィクストロムが提供した楽曲で
ロビー・ラ・ブランクの伸びやかな歌声をフィーチュア、
HR然としたエッジと躍動感を併せ持ち、
何よりメロディのフックの効きっぷり(特にBメロが素晴らしい)に
思わず「たまらん!」と膝を打ちたくなりますよ。


FIONA - Beyond The Pale ★★ (2013-05-22 22:56:42)

いよいよボー・ヒルがレコーディング・プロセスに全面的に関わって作り上げられた、'86年発表の2ndアルバム。(キップ・ウィンガー、レブ・ビーチらも参加)
HR色は一気に後退しましたが、角の取れたモダンなプロダクション、踊りやすく(ノリやすく)ビート感が強調された楽曲等、サウンドは格段に洗練され、歌だけでなく作曲作業にも積極的にタッチし始めたフィオナ嬢のパフォーマンスからもメジャー・アーティスト然とした成熟が感じられるようになりました。
ただその反面、万人受けする歌メロを無難になぞってる印象も無きにしも非ずで、デビュー作でこちらの胸を打ったひたむきさというか、思わず保護欲をそそられる「ギリギリまで力を振り絞っている感じ」が薄れてしまっている点は痛し痒し。
まぁそうは言っても、フックの効いたメロディを盛り込んだ⑥や、高いヒット・ポテンシャルを備えたバラード⑧みたいな楽曲の出来栄えとかは流石なんですが。
あと本作の大きな問題点として挙げておきたいのは、(伊藤政則氏も指摘している通り)裏ジャケの写真こそフロント・カバーに相応しかったのではなかろうか?!ということでしょう。


FIONA - Fiona ★★★ (2013-02-24 01:19:24)

'12年にはショーケース規模ながらも初来日公演を行う等、未だ根強い支持を集めるFIONAことフィオナ・フラナガンが'85年に発表したデビュー作。
「ボー・ヒルの(元)嫁」のイメージに引き摺られ、本作については「豪勢なソングライター陣のバックアップを受けた産業ロック/ハードポップ作品」的な先入観を持っていたのですが、再発を機に購入して聴いてみたら、作曲はGOOD RATSのペピ・マルチェロ(息子は後にMARCHELLOを率いてデビューを飾るジーン・マルチェロでしたか)がほぼ一手に担っている上、何より、予想よりもずっとハードにロックしているサウンドにガツンと一撃ドツかれた次第。(ボー・ヒルも1曲のみ参加しています)
色気ムンムンではなく、さりとて男勝りなメタル・クィーン風でもない、ガール・ネクスト・ドア的な自然体が魅力のフィオナ嬢は、端正な容姿とは裏腹に、例えば②④⑦といった楽曲に顕著に表れている通り、根性の入ったパワフルな熱唱も披露。華奢なルックスにも関わらず渾身の力を振り絞るように歌うスタイルは確かに保護欲を刺激するものがあって、失恋船長さんが「守ってあげたい」と思わされたのも無理はないなぁ、と。
適度にポップで適度にハード、哀メロのフックもきっちりと効いた侮れない名盤です。


FIONA - Fiona - Over Now ★★★ (2013-02-24 22:23:23)

これまたフィオナ嬢の熱唱が映える
ミディアム・テンポのエモーショナルなロック・ナンバー。
負けてらんねぇ!とばかりに
ボビー・メッサーノのGソロも熱いですよ。


FIONA - Fiona - Rescue You ★★★ (2013-02-24 22:16:51)

エモーショナルな熱唱を感動を呼ぶ、
アルバムでも1、2を争う名曲。
力を振り絞るようにして歌うフィオナ嬢の歌唱は
華奢な外見と相俟って(実際どうなのかはともかく)
「健気」で「一生懸命」な印象が強く感じられ、
聴いてるこっちも何やら応援したくなってしまいます。


FIONA - Fiona - Talk to Me ★★★ (2013-02-24 22:09:28)

全米チャートでも64位と健闘したシングル曲。
ボー・ヒルが手掛けており(ジョニ・ミッチェルとの共作)、
サックスがモダンでアーバンな空気を演出する一方、
フィオナ嬢の性根の座った歌いっぷりが
メタル魂をもビンビンに刺激してくれる名曲。


FIONA - Heart Like a Gun ★★ (2013-09-15 22:59:37)

ボー・ヒルとキース・オルセンの2人がプロデュースを担当。ブラッド・ギルス、キップ・ウィンガー、ドウィージル・ザッパ、デヴィッド・グレン・エイズリーらをゲストに迎えてレコーディング、'89年に発表された3rdアルバム。
売れっ子プロデューサーの全面協力を受けることで「鮮烈さ」は色褪せた代わりに、(良くも悪くも)「商品」としてより完成された2nd『BEYOND THE PALE』の作風を受け継ぐ内容ではありますが、単純に本作の方が自分好みの楽曲が揃っているせいか、『BEYOND~』よりも楽しんで聴くことが出来ました。
米シングル・チャート54位にランクインしたという、キップ・ウィンガーとのデュエット曲②を含むアルバム序盤は「ふーん」ぐらいの心持ちで聴き流していたのですが、暖かみに溢れたバラード④で「おや?」と思わされ、マイク・スラマー共作のロック・ナンバー⑤で「おお」と身を前に乗り出して以降は、サビメロの素晴しさにメロディ職人の匠の業が光る⑥⑧、思わず一緒に歌いたくなるキャッチーな⑨・・・といった具合に、フィオナ嬢の艶やかな歌声によって眩い輝きを与えられた良質なメロハー・ソングが連続。最後までダレを感じることもなく聴き通すことができました。
最近、FIONAのATLANTIC時代のカタログ3枚が再発されましたが、どうせならGEFFEN移籍後のアルバムのリイシューも宜しくお願い致します。


FIONA - Squeeze ★★★ (2018-08-13 09:28:41)

名物A&Rとして知られたジョン・カロドナーの引きもあり、ATLANTICからGEFFIN RECORDSへと移籍を果たしたフィオナが、’93年に発表した4thアルバム。
フィオナ一人がフィーチュアされていたこれまでのジャケットに対し、今回はローラ・マクドナルド(B)、ジミー・デグラッソ(Ds)、デヴィッド・マーシャル(G)ら、新加入のメンバーも平等に――なぜか全員裸で――登場。乱交パーティー感…じゃなかった「バンド感」をアピってきます。そんなアダルトな雰囲気も漂うジャケットのイメチェンぶりから、すわ落ち着いたAOR/産業ロック路線への鞍替えか?と危惧を覚える向きもありましょうが、実際のところ作風に大きな変化はなく、益々表現力に磨きの掛かったフィオナの歌を主役に据える、キャッチーな躍動感に溢れたゴージャスなハードポップ・サウンドは、前3作の路線を順当に踏襲する仕上がり。敢えて変化を探すならば、バンド感の強調に伴い前作より多少ギターの存在が目立っているかな?程度かと。
ダイアン・ウォーレン、WARRANTのジェイニー・レイン、CHEAP TRICKといった手練れの面子との共作曲が並ぶ本編のクオリティもド安定。特に豪快に刻まれるGリフからスタート、たまらなくキャッチーなサビメロが印象的な②、愁いを帯びたメロディを熱唱するフィオナ嬢のVoに惹き込まれる③という序盤の2連発は、本編開始早々に「勝負あった!」と白旗を掲げたくなるヒット・ポテンシャルを感じさせる名曲です。
レーベルが異なることから、数年前にFIONAの国内盤が再発された際にラインナップから漏れてしまった作品ですが、完成度の高さでは全く引けを取らない1枚ですよ。


FIONA - Squeeze - Ain't That Just Like Love ★★★ (2018-08-15 01:47:37)

ソロ・アーティストではなく、バンドとしての一体感を強調するべく、
エッジの効いたGリフがイントロから豪快に刻まれます。
ライブ映えしそうな躍動感とフックを有したメロディとが
ポップにハジける、アルバムでも1、2を争う名曲ではないでしょうか。


FIREHOUSE - Bring 'em Out 'Live' ★★★ (2016-10-01 08:55:17)

'99年に来日したFIREHOUSEが、大阪の梅田HEAT BEATで行った公演の模様を収録。意外にもこれが彼らの初ライブ・アルバムだとか。
セットリストは、この時点でリリース済みだった4枚のスタジオ・アルバムからヒット曲、代表曲を中心に網羅。比率はやはり1st『FIREHOUSE』と2nd『HOLD YOUR FIRE』に偏り気味ですが、このことに異議を唱えるファンは恐らく少ないですよね。C.J.スネアの伸びやかな歌声を始め、美しいコーラス・ワークから楽器隊の安定したパフォーマンス、更にはOPで必殺の名曲“OVERNIGHT SENSATION”をブチかまし、後に続くのは“ALL SHE WROTE”。このFIREHOUSEが誇る代表曲2連打でいきなり会場を興奮の坩堝に叩き込むステージ進行に至るまで、場数を踏んで鍛えられたライブ・バンドとしての実力が如何なく発揮された出来栄え。
それを受けての観客の盛り上がりも半端なく、特にハイライトはヒット・バラード“I LIVE MY LIFE FOR YOU”にて訪れます。伴奏なしでバンドからサビを託された観客が、(ワンフレーズどころか)ワンコーラス丸々を見事な大合唱で歌いきる様は、メンバーは勿論、聴いてるこっちも感動しますよ。
正直、購入前までは「90年代前半にライブ盤を出しときゃ、クラブなんかじゃなくてホールクラスで収録できたろうに」とか舐めたこと思っていたのですが、本作を聴いてしまったら、そんな風に考えた我が身の不明を恥じ入るばかり。会場の大小に関係なく、これほど熱いお客さんに恵まれたら、そりゃ記録として残しておきたくなるってもんです。


FIREHOUSE - Firehouse 3 - I Live My Life for You ★★★ (2016-10-01 09:04:38)

優し気な曲調のバラードで、FIREHOUSEのバラードとしては
並みの出来かなぁとか思っていたのですが、
日本で収録されたライブ・バージョンを聴いて、いや素晴らしい!と。
楽曲の良さだけでなく、リズム隊だけの援護でコーラス部分を
見事に大合唱する観客に感動。
あんな長い歌詞、英語バカな自分にゃよう歌えませんよ。


FIRST SIGNAL - FIRST SIGNAL ★★★ (2019-05-31 00:23:22)

日本でも高い人気を誇るカナダのHAREM SCAREM。そのシンガーであるハリー・ヘスを主役に迎えたプロジェクトのデビュー作。(’10年発表)
改名騒動に音楽的試行錯誤等、再結成以前のHAREM SCAREMは、バンドが演りたい音楽とファンが彼らに期待する音楽とが微妙なすれ違いを続け、その距離を埋めきれぬまま解散へと至った印象が少なからずありますが、FRONTIERS RECORDSの仕切りで実現した本作は、「俺達が理想とする初期HAREM SCAREM風の楽曲をハリー・ヘスに歌って貰いたい!」との願望ありきでレコーディングされているため、その辺りの思惑のズレが皆無。デニス・ワードがプロデュースを担当し、盟友ダレン・スミス(B)らのゲスト参加を仰ぎ、マーティン兄弟、ダニエル・フローレス、エリック・マーテンソンら、名うてのソングライター陣がハリーのために腕を振るうというお膳立ての揃いまくった本編には、まさに1st~2ndの頃のHAREM SCAREMを彷彿とさせるフック満載のメロディック・ロック・ソングが大集合しています。
特に、華麗に咲き誇るボーカル・ハーモニーからGソロまで、OPナンバーに相応しい高揚感で駆け抜ける①に始まり、爽快な②、哀愁を湛えた重厚なミッド・チューン③と来て、悲哀のメロディが胸を打つドラマティックなバラード④へと至るアルバム前半の流れは掴みとして文句なし。キャッチーなハードポップ⑧⑩が用意された後半戦まで、ハリーの伸びやかで情熱的な歌声の素晴らしさを「これでもか!」と堪能できる、隙のない仕上がりをアピールする1枚に仕上がっていますよ。最近3rdも出たらしいのでチェックせにゃ。


FIRST SIGNAL - Face Your Fears ★★★ (2023-04-25 00:54:20)

HAREM SCAREMのハリー・ヘスとFRONTIERS RECORDSの愉快な仲間達によるメロディアスHRプロジェクト、FIRST SIGNALが'23年に発表した最新作。これで早くも5枚目に到達、しかも前作『CLOSER TO THE EDGE』から僅か8ヵ月のブランクでのリリースというハイペースな活動ぶりが、安定した人気の高さとレーベル側がこのプロジェクトに賭ける意気込みのほどを物語っているんじゃないでしょうか。
アレッサンドロ・デル・ヴェッキオを始めとするブレーンの顔触れに大きな変化はないものの、前作が(良くも悪くも)やや煮詰まりの気配を感じさせる仕上がりだったため、リリース間隔の短さと相俟って本作に関しては購入時に若干の懸念を覚えなくもなかったのですが、実際に聴いてみたら、いやこれが全くの杞憂でしたね。Gの存在を前面に押し出し、よりパワフルな歌唱を披露するハリー、アップテンポの曲調、ライブ映えしそうな抜けの良いコーラス・ワーク等々によって新風を吹き込まれた楽曲は、これまで以上にハードネスの増強が図られており、それでいてメロディのフックやハーモニーの美しさを損なわない曲作りの巧みさは、ヤン・アケソン(STONELAKE)、クリスティアン・フィール(SEVENTH CRYSTAL)、ピート・アルペンボルグ(ARCTIC RAIN)ら、優れたソングライター勢を次々招集できるFRONTIERS RECORDS発プロジェクトの強みだなぁと。特に憂いを帯びたメロディとアタッキーなリフ&リズムが力強く突き進む②と、壮麗に華開くようなサビメロが秀逸なアルバム表題曲⑦は本作ならではの魅力が詰まった名曲ですよ。
FIRST SIGNALがこの先まだまだ戦えることを見事に証明してくれた力作。


FIRST SIGNAL - Face Your Fears - Face Your Fears ★★★ (2023-04-26 01:22:00)

リフもリズムもハリーの歌唱も「HMナンバー」と形容可能な
逞しさですが、壮麗なハーモニーに包まれたサビメロのフックの強度が
如実に物語る通り、大味感は皆無。新味とらしさがバランス良く
ブレンドされた名曲に仕上がっています。


FIRST SIGNAL - Line of Fire ★★★ (2020-07-28 00:08:04)

前2作の内容の素晴らしさと高評価を受けて、完全にハリー・ヘス(Vo)のレギュラー・プロジェクトとして定着した感のあるFIRST SIGNALが'19年に発表した3rdアルバム。
プロデューサーにはダニエル・フローレスが続投。参加ソングライター勢は前作から一新され、BAD HABITのハル・マラベルや、XORIGINのダニエル・パルクヴィスト、FRONTIRES RECORDS絡みのプロジェクトで頻繁に名前を見かけるソレン・クロンクヴィスト等、ダニエル人脈に連なる北欧系ミュージシャンが多数起用されています。なので音楽性にブレが生まれる筈はなく、ハリーのエモーショナルなハスキー・ボイスが映えるよう、作曲陣は抒情的でキャッチーなメロディアスHRソングを集中的に提供してくれているわけですが、個人的に嬉しかったのがスタン・メイズナーの名前がクレジットされていたことでして。METROPOLISのアルバム(秀作でした)を最後に、近年は殆ど活動状況が伝わって来なかった彼氏がアルバムの掴み役でもあるOPナンバー①を提供し、その健在ぶりをアピールしてくれているのは嬉しい限り。これを機に活動を再開してくれると尚嬉しいな、と。
収録曲に関しては、年間ベスト級の名曲が収録されていた前2作に比べると若干インパクトは弱めの印象なれど、それは飽くまで比較論であり、北欧に吹く一陣のそよ風の如き哀メロが駆け抜けていく②や、J-POPシーンにも多数のヒット曲を提供しているというアンダース・レゾフのペンによる爽快感に満ち溢れた④みたいな、凡百のメロハー・プロジェクトじゃ逆立ちしたって出てこないような名曲を聴くことが出来る本作が、三ツ星に値する力作なのは疑いようがありません。前2作が気に入った方なら是非に。


FIRST SIGNAL - Line of Fire - A Million Miles ★★★ (2020-07-29 00:38:45)

スウェーデンのソングライター、ヘンリク・ヘドストロムなる人物の提供曲。
ハリーの歌声が映える哀切な響きを湛えたメロディに煌びやかなアレンジ等、
北欧ハードポップ風味溢れる名曲で、女性Voのさりげない導入や、
マイケル・パレスの泣きを湛えたGプレイも効果的に楽曲を盛り立ててくれています。


FIRST SIGNAL - Line of Fire - Tonight We Are the Only ★★★ (2020-07-29 00:44:10)

嵐やKA-TUN等にも楽曲提供をしているというシンガー/ソングライター
アンダース・レゾフ提供曲で、オフィシャルなリリック・ビデオも
制作されているアルバムのリーダー・トラック的1曲。
ハリーの爽快な歌声を得て、爽やかに伸びやかに、澄み切った青空へ
溶け込んでいくような清々しさに満ち溢れた名曲に仕上がっています。


FIRST SIGNAL - One Step over the Line ★★★ (2020-07-07 00:36:49)

'13年にHAREM SCAREMの再結成が実現したこともあり、もはやハリー・ヘスに副業に勤しむ時間的余裕はねえだろうと続編は諦めかけていたFRONTIERS RECORDS発「俺達が書いたメロディアスHRナンバーをハリー・ヘスに歌って貰おう」プロジェクトことFIRST SIGNALから’16年に届けられた、まさかの2ndアルバム。
プロデュースはデニス・ワードからダニエル・フローレスにバトンタッチ。作曲陣もアレッサンドロ・デル・ヴェッキオ、マッツ・ヴァレンティン、ナイジェル・ベイリー、トーマス・ヴィクストロム等々、前作から顔触れが一新されていますが、音楽的方向性は全くブレておらず、今回も抒情的なメロディ/キャッチーなコーラス/ダレン・スミス(B)続投による重厚なボーカル・ハーモニーを山盛りに、ハリーの爽快な歌声が映えるメロディアスHRソングが大集合しています。HAREM SCAREMが再始動したことで敢えてそっち方向へ寄せる必要がなくなったからなのか、若干楽曲に漂う北欧臭が強まったように感じられますが、個人的にはこっち路線も好みなので全く問題はありません。
いずれの楽曲もサビメロの素晴らしさが際立っていて、特にポジティブな空気が聴き手にも伝播するような②、清涼感に満ちたメロディに心洗われる③、情感豊かなハリーの熱唱にグッとくる④…と、冒頭からメロディ愛好家の琴線を速弾きギタリスト並にハジき倒す楽曲が連打され、トドメは歌もGも哀愁塗れのハードポップ⑥。’16年のベスト・チューン候補だったこの名曲が聴けただけでもアルバムを購入した価値はあった!と。
当然最後まで捨て曲なし。前作に勝るとも劣らぬ傑作に仕上がっている1枚ですよ。


FIRST SIGNAL - One Step over the Line - Minute of Your Time ★★★ (2020-07-08 01:20:44)

元BLOOD RED SAINTSのドラマーで現TAINTED NATIONのシンガー、
ピート・ニューデックと、イアン・ナッシュ(何者?)の共作曲で、
ハリー・ヘスの熱唱が映えるメロディからマイケル・パレスのGに至るまで
だだ漏れの哀愁が胸を締め付けるハードポップの名曲。
感傷的だけどベタつかない清涼感を振りまくコーラス・ワークが絶品です。


FIST - Turn The Hell On ★★★ (2016-04-06 22:58:44)

英国はタイン・アンド・ウィア州にて結成。当初はAXEと名乗るも、アメリカに同名バンドが存在することを知り、名をFISTと改めた5人組が、デビュー・シングル『NAME, RANK AND SERIAL NUMBER』をスマッシュ・ヒットさせた勢いを駆って、メジャーのMCA RECORDSから’81年に発表した1stフル・アルバム。
どうもFISTについては、NWOBHMの中にあってアグレッシブ方向にもメロディアス方向にも振り切れない、中途半端というか地味な立ち位置のバンド…との偏見を持っていたのですが、いやいやいや。90年代の国内盤CD化を契機に購入したらば、これが熱気を孕んでドライヴするOPナンバー①が始まって早々にノックアウト。つか、そもそもつまんねぇ作品だったら何遍も日本盤がリイシューされるわきゃねえよな、と。気付くのが遅すぎましたね。
リフまたリフ攻勢で突き進む、NWOBHM然とした疾走ナンバー①④⑦と共に「FISTサウンド」の基軸を成す、五臓六腑に沁み渡るメロディの哀愁っぷりも本作の大きな魅力。特にシンプルな曲調に熱い泣きメロがアクセントを加える②、劇的に盛り上がる③、演歌ばりの嗚咽が入った⑧…と、これらを歌い上げるキース・サッチフィールドの塩辛いVoがまた良いんですよ。「味で勝負」系の人で抜群にテクニカルってわけじゃないのですが、持てる力すべてを振り絞るような熱唱はメタル魂を十二分に震わしてくれるという。
今にして思えば、シンガーを元HOLLOW GROUNDのグレン・コーツに代え5人編成でレコーディングされた2nd『BACK WITH A VENGEANCE』も買っときゃ良かったなと。


FIST - Turn The Hell On - Collision Course ★★★ (2016-04-07 22:45:06)

70年代ブリティッシュHRに通じる哀愁と
ドラマ性迸るアルバム・ハイライト・ナンバーの一つ。
VoとGの泣きの競演には胸打たれずにはいられませんて。


FIST - Turn The Hell On - Terminus ★★★ (2016-04-07 22:54:43)

イントロから「演歌かい!」っつーぐらい
泣き・・・というか嗚咽?に満ち満ちていて
聴いているだけで眉が八の字になる名バラード。
決して器用なタイプのシンガーではないキース・サッチフィールドですが
逆にだからこそ、全身全霊を傾けての熱唱が
この曲調にドはまりしています。


FIST - Turn The Hell On - You'll Never Get Me Up (in One of Those) ★★★ (2016-04-07 22:49:27)

3分に満たないランニング・タイムを
ひたすらリフ・リフ・リフ、そしてリフ!で押し通す、
まさに「ザ・NWOBHM」な疾走ナンバー。その潔さに乾杯。
しゃがれ声でまくした立てるVoもカッコ良さを増強してくれます。


FLAMES - Last Prophecy ★★ (2011-06-02 22:12:06)

デス声Voに、音数多く暴走がちのリフ&リズム、おまけにアルコール万歳ソングまで演ってみたりと、騒々しくとっ散らかった独産スラッシュ・メタル風味のサウンド・スタイルを身上とする(でも実際はギリシャ出身の)4人組が'89年に発表し、彼らのラスト作ともなった4thアルバム。
いきなり厳かな般若心経の読経で幕を開ける、衝(笑?)撃のOPナンバー①に度肝を抜かれる本作だが、内容に関しては前作『SUMMON THE DEAD』に比べると、ずっと常識的で聴き易い仕上がり。
デス声Voの凶悪度が下がり、音質はそれなりに改善、演奏もタイトに締まって楽曲がキャッチーさを増すなど、全体的に整合性と取っ付き易さの底上げが為されているが、その一方で、小じんまりとまとめられているため、バカバカしいほどの迫力が薄れてしまったとの印象もあり、痛し痒し。
SLAYERばりに荒ぶる②、TANKやMOTORHEADに通じる突撃感覚を備えた③、ヨーロピアン・スラッシュならではのササクレ立ったアグレッションを撒き散らす④⑤⑥等、収録楽曲の疾走感や切れ味に鈍りは見られず、何よりクライマックスに控えし名曲“LEGEND Ⅱ”の流れを汲むドラマティックな大作ナンバー⑦の素晴しさなんかも最高なのですが・・・。
しかし、前作と比較せずに本作単体で評価するならば十分にイケてる1枚。


FLAMES - Summon the Dead ★★★ (2011-06-01 23:08:15)

デスラッシャーの先駆け的存在とも目される、ギリシャのカルト・スラッシュ・メタル・バンドが'88年に発表した3rdアルバム。
結成当初はNWOBHMの匂いも香る正統派HMを演っていたが、本作で完全にスラッシュ・メタル・フィールドへと移行完了。“EASTEN FRONT(東部戦線)”のタイトルやSEからも分かる通り、映画『戦争のはらわた』へのトリビュート・ソングたる①を手始めに、ペラっペラな音質のもと、鬼のように刻まれるGリフと、けたたましく打ち鳴らされるDs、そして野蛮なデス声Voとがグシャグシャの塊となって突進する暴走スラッシュ・メタルは、初期のKREATORやSODOM、BULLDOZER辺りを比較対象に挙げたくなるとっ散らかり具合だが、とにかくバカバカしいまでの迫力は十分。
痙攣気味に炸裂するGリフのクールさにも侮れないものがあるし、曲によっては泣きのGソロからドラマティックな曲展開、果てはブラスト・ビートまでが組み込まれ、またドイツ民謡“小さなハンス”(日本では『ちょうちょ』のタイトルで有名)、酒飲み賛歌“BIER HER,ODER ICH FALL UM”、ロシア民謡“カリンカ”を挿入して本編のアクセントとする等、風変わりなアレンジ・センスもユニーク。7分以上に及ぶ大作⑤や劇的な⑦なんかは彼らの実力がしかと発揮された名曲だ。
あと、ビシッと決めた裏ジャケの集合写真で、ドラマーが目を瞑ってしまっているのにも親近感が沸きますね(笑)。きっと出来上がりを見て「俺って奴は・・・」と頭を抱えたに違いない。


FLESHGOD APOCALYPSE - Agony ★★★ (2011-11-05 01:08:37)

メンバーに専任ピアノ奏者がいるとの情報にピアノ・サウンド愛好家としての食指をそそられ、バンドの事も碌に知らずに衝動的に購入してしまった作品。
で実際聴いてみると、確かに流麗にピアノが閃く場面は多々あるものの、へヴィな演奏にその音が埋もれがちで期待していたほど目立ってはいませんでした。
それでもブルータルなデス声Voと寒々しいメロディを朗々歌い上げるクリーンVo、暴力的に吹き荒れるリフ&リズムの嵐と、壮麗に楽曲を包み込むドラマティックなオーケストレーションetc・・・といった、数々の相反する要素を飲み込んで突進する陰影の濃ゆいシンフォニック・デス・メタル・サウンド(流石イタリア産)は全身が総毛立つ程に劇的で高品質。買って良かった。
そうした本編を個性的に彩るのが、ネオクラシカルな旋律とエモーションに満ちた泣きメロを紡ぐG、胸抉る程の悲壮感を醸し出すクリーンVo(Bが兼任)、それに人間離れした手数足数の多さに、思わず「プレイヤー」というよりも「アスリート」と表現したくなるDsの存在。(勿論、サウンドに気品を付与する我が愛するピアノの調べも良い仕事をしております)。殊に、凍えるような冷気と慟哭が渦巻く②⑤⑥⑦⑨といった楽曲のドラマティックさは圧巻ですね。
唯一、曲のパターンが少ないため1曲1曲のクオリティの高さに反して、通して聴くと少々引っ掛かりに乏しい点が玉に瑕かな。(各曲がブランクなしで繋がっている構成もそうした印象に拍車を掛けている印象あり)


FLOTSAM AND JETSAM - Doomsday for the Deceiver ★★ (2006-07-31 22:45:00)

F&Jの代表作と言えば、やはり2nd「NO PLACE FOR DISGRACE」で決まりだろうが、ジェイソン・ニューステッドが
唯一参加している、この'86年発表のデビュー作も、完成度の高さでは負けていない。
兎に角、(俺のように)METALLICAでジェイソン・ニューステッドというベーシストの存在を知り、
遡ってこのアルバムを聴くと、その活き活きとハジけるように動き回る魅力的なベース・プレイに
「METALLICAと全然違うなぁ」と驚かされること請け合い。これが若さか・・・なんて。
ぶっちゃけた話、彼が殆ど手掛けたという収録曲のクオリティも、「...AND JUSTICE FOR ALL」以降の
METALLICAの楽曲より断然上だ。(と言っても、これは単なる好みの問題なんだけれども)
本作は、のっけからガツンとカマされる勇壮な①“HAMMERHEAD"を筆頭に、F&Jのアルバム史上、
最もスラッシュ・メタル色が色濃く打ち出されている1枚で、そのエネルギーの原動力は、勿論、ジェイソンのリードB。
一方で、⑤“DOOMSDAY FOR THE DECEIVER"のような劇的な盛り上がりをみせる大作では、
2本のギターが中心となって、美味しいメロディを積み重ねながらドラマ性を演出していく。
この強力なツインGがあったればこそ、中心メンバーだったジェイソンを引き抜かれた後も、
作品のクオリティを落とすことなく活動を継続できたんじゃなかろうか?
また、フロントマンのエリック・AKも、確かな歌唱力を備えながら、3rdアルバム以降の脱スラッシュ路線では
歌メロの弱さを指摘される場面もしばしばだったが、ここでは有無を言わせぬ攻めの姿勢で聴き手を圧倒。
耳をつんざくパワフルなハイトーンVoで、作品のアグレッション演出に大きく貢献している。


FLOTSAM AND JETSAM - No Place For Disgrace 2014 ★★★ (2015-03-04 23:37:27)

'88年発表の2nd『NO PLACE FOR DISGRACE』のリレコーディング・アルバム。切腹ジャケットがオリジナル盤と比較して「使用前」「使用後」状態になっているのが面白くて、つい購入してしまいましたよ。(タイトル直訳と思しき「不面目者に居場所はありません」なる怪しげな日本語が載っているのもポイント/笑)
よりドラマティックに、よりメロディアスに。ジェイソン・ニューステッド脱退というピンチが、逆に残されたメンバーの潜在能力をフルに引き出す好結果へと繋がった名盤『NO PLACE~』の素晴らしさ、殊に、殆ど完璧と言っていい頭4曲の流れの隙のなさについては今更語るまでもなし。なので今作とオリジナル盤の差異について述べさせて貰うと・・・基本的に何も変わっていない(笑)。勿論プロダクションは現代的に進化していますが、アレンジに関しては原典を尊重。これを「だったらオリジナル聴けばいいじゃん」と取るか、歳月を経ても全く衰えを感じさせないメンバーの力量に感服するかは聴き手次第。個人的には、深みも表現力もかつての比じゃないエリックAKの歌声に感服させられましたね。
スラッシュ/パワー・メタル好きなら必聴盤と言っても過言じゃない『NO PLACE~』(もしくはFLOTSAM & JETSAM自体)を未だ聴いたことがないという方は、とりあえず本作から試してみるのも良いのではないでしょうか。


FLOTSAM AND JETSAM - No Place for Disgrace ★★ (2006-12-21 22:04:00)

ジェイソン・ニューステッドをMETALLICAに引き抜かれる(しかも、その後METALLICAが作ったのは
Bの音の聴こえない『・・・AND JUSTISE FOR ALL』・・・)という大事件を乗り越えて、'88年に発表された2ndアルバム。
中心メンバーのジェイソンが抜けた事で、当然サウンドの方にも変化が生じていて、まず大きいのはBの存在感が
後退した事。代わりにツインGが曲作りの中心に据えられ、そのせいか全体的にかなりメロディアスに、
聴き易くなった印象を受ける。疾走感はそのままに、以前よりもドラマチックな曲展開を聴かせるようになった楽曲は、
スラッシュ・メタルというよりは、メロディックなパワー・メタルといった趣き。特に緩急自在のツインGは、
思いっきり弾きまくった時も良いが、じっくりと泣かせに掛かった時のメロディの煽情度が半端じゃない。
必殺の名曲①を始め、ジェイソンの置き土産的楽曲も散見されるが(いずれもスラッシーな雰囲気が強い)、
その①に匹敵する名曲④は、残ったメンバーが総力を上げて作り上げたアルバムのハイライト・チューン。
その他の楽曲も総じてクオリティが高く、当然、捨て曲もなし。本作はFLOTSAM&JETSAMの地力の高さを
見事に証明して見せた、傑作のデビュー作をも更に上回る、彼らの(現時点での)最高傑作だろう。


FLOTSAM AND JETSAM - When the Storm Comes Down ★★ (2009-03-15 00:51:00)

プロデューサーにアレックス・ぺリアラスを迎えて制作、'89年に発表された3rdアルバム。
MCA RECORDS移籍後初のアルバム作りという事で、より幅広いリスナー層にアピールする事を念頭に置いたのか、
前2作に比べるとスラッシーな攻撃性が薄れ、エリックAKのハイトーンVoと、2本のGが紡ぎ出す豊かなメロディが
前面に押し出された楽曲の数々は、これまで以上に正統派へヴィ・メタリック。
名曲①を筆頭に、ストレートなスラッシュ・ソングもちゃんと収録されてはいるものの、それ以上に印象に残るのが、
Gリフと歌メロのカッコ良さが際立つミドル・チューン⑥、「押し」と「引き」がバッチリ決まった⑦といった、
ドラマティックな曲展開が光るメロディアスなナンバーの数々。特に、寂しげなアコギの音色に導かれて
叙情的にスタートする⑨は、その怒涛の盛り上がりっぷりが本編のクライマックスを飾るに相応しい名曲に仕上がっております。
楽曲のバラエティが広がった分、それに対応するエリックの歌メロのフック不足が、徐々に気になり始めた感もあるのだが、
ともあれ、初回出荷分だけで10万枚以上を記録したというのも納得の力作なのは間違いない。


FM - Atomic Generation ★★★ (2018-05-12 02:20:34)

英国のベテラン・ロック・バンドFMが、キャリア30周年を祝う企画盤『INDISCREET 30』のリリースを挟んで'18年に発表した新作スタジオ・アルバム。
FMと言えば、挨拶代わりのOPナンバー①が物語る通り、スティーヴ・オーヴァーランド(Vo)の絶品の歌唱力を活かしたブルージーな味わい漂わすメロディアスHRサウンドが持ち味。当然本作でもそうした渋めのテイストは保持されているわけですが、前作でデビュー作のリメイクにチャレンジしたことが良い刺激になったのか、今回は初期作を思わせるキャッチーなハードポップ風味も随所に編み込む等、FMがこれまで歩んできたキャリア(音楽的変遷)を肯定的に総括する内容に仕上がっています。
哀愁のメロディに、控えめながら的確に仕事をこなすGと美しいハーモニーが華を添える②、爽やかな微風の如く心地良い⑤、哀メロがキャッチーに弾む本編のハイライト・ナンバー⑧、エモーショナルな歌声に聴き惚れずにはいられない感動的なバラード⑨(鍵盤アレンジも効果的)、ヘヴィな曲調とオルガン・サウンドのコントラストがクラシック・ロックの風格漂わす⑩といった、ベテラン・バンドならではの円熟味と、曲作りにおける職人技が冴え渡る名曲の数々を目の当たりにすれば、スティーヴが「FM史上最も成熟した完成度の作品。つまり今作自体こそがFMなんだよ」と胸を張るのにも大いに納得ですよ。
FM=地味めなブルーズ・ロック・バンドとのイメージを持っている向きには是非お薦めする1枚(先入観を覆されますので)。BURRN!!誌で広瀬編集長が90点を献上しているのを見かけた時は眉に唾付けたものですが、今なら同意しないわけにゃいきませんて。


FM - Indiscreet ★★★ (2016-12-29 00:18:05)

名前は知っていても、ちゃんと音に触れたのは名曲“CLOSER TO HEAVEN”が最初ゆえ、FMについては「ブルージーな味わいを取り入れたメロディックHRバンド」という認識でいたのですが、後で「いや、初期の頃は違ってたらしいよ」と教えて貰い、興味を引かれて購入したのが、この’86年発表のデビュー作。
キラッキラに眩く煌めくシンセをふんだんに取り入れた音楽性は、例えばVAN HALENの“JUMP”を思わす曲調に乗せて、屈託なくアメリカへの憧れを歌い上げた⑤に代表されるように、まさしく80年代ど真ん中なハードポップ・サウンド。そのブルーズ要素ゼロっぷりに、なるほど。こりゃ確かに90年代以降のFMとはかなり違っているなぁと。
いやでも、哀愁を湛えて弾むOPナンバー①や、明るく爽やかな②、ドラマティックな導入部だけで掴みはOKな④、心地良く駆け抜けて行く⑥…といった具合に、高いヒット・ポテンシャルとフックを有する収録曲の数々を聴けば、皆様が仰られている通り「これはこれで全然あり!」。何よりスティーヴ・オーヴァーランドはこの頃から既に歌がメチャウマで、80年代初頭から兄クリスと共にWILDLIFEでキャリアを積んで来ていただけあり、感動的なバラード③におけるエモーショナルな歌唱なんて思わず涙がちょちょ切れるレベル。
尚、最近発表された本作のリレコ盤『INDISCREET 30』も素晴らしい出来栄えでして、スティーヴのVoやメンバーの演奏が一層円熟味を増したことで、よりしっとりと抒情的に奏でられるメロディアスHRサウンドに時間を忘れて聴き惚れてしまいましたわい。


FM - Indiscreet - American Girls ★★★ (2016-12-29 12:07:31)

屈託なくアメリカへの憧れを歌い上げた歌詞といい
“JUMP”を思わせるシンセ・リフといい、
80年代感バリバリに躍動するハードポップ・ナンバー。
バンドにしてみりゃ「若気の至り」な1曲かもしれませんが
でもこれ素晴らしい曲ですよね。


FM - Indiscreet - I Belong to the Night ★★★ (2016-12-29 12:12:25)

イントロのシンセだけで「来た、来たぁ!」と。
ポップ・センスとブリティッシュな哀愁が
巧みブレンドされた、この時期のFMならでは名曲。
個人的には1stアルバムで一番リピート率の高い楽曲です。
クリス・オーヴァーランドの歌心に溢れたGプレイも
実に良い仕事してくれていますよ。


FM - Indiscreet - Love Lies Dying ★★★ (2016-12-29 12:05:25)

テクニックだけでなく、ブレスとか節回し、感情表現も含め
こんだけ歌えたらシンガー業が楽しくて仕方なかろうなぁ
と思わせてくれるスティーヴ・オーヴァーランドの歌の上手さよ。
そうした彼の歌唱力が存分に生かされた哀愁の名バラード。
更に抒情性を増して蘇った『INDISCREET 30』のバージョンもお薦めです。


FM - Metropolis ★★★ (2022-04-14 01:12:29)

5th『PARPHERANALIA』(’96年)を最後に活動停止状態に陥るも、復活を遂げた00年代以降は良作を連発して現在まで好調な活動を継続する英国のFM。『バットマン』のパロディ的なアートワークが目印の本作は、再始動の狼煙となった’10年発表の6thアルバムです。
FMの熱心なファンとは言い難い身ゆえ、当時は「あれ?いつの間にか復活してたんだ」ぐらいの認識であり、本作も発売から数年後に中古で購入したぐらいだったのですが、いやこれが本当に素晴らしい出来栄え。FMと言ったらブルージーな味わいが個性と思っておりましたが、当然そうしたエッセンスを端々に散りばめつつも、本編においてそれ以上に印象に残るのはメロディの泣きや哀愁といった部分。
シンプルな音作りのもと、やたら無骨に刻まれる1曲目のGリフが聴こえて来た時は一瞬「げっ」と嫌な予感を覚えたものの、聴き進めるに従ってそれが杞憂であったことがハッキリします。1、2曲目と様子見モードだった聴き手を一気に惹き込む哀切に満ちた③、ライブ映えするキャッチネスと美しいハーモニーを併せ持った⑥、ピート・ジャップの泣きを湛えたGが胸を打つ⑫、アルバムを雄大かつ感動的に締め括る⑬といった強力なキメ曲が要所を引き締め、全14曲収録という長尺もダレさせませんし、それらをエモーショナルに彩るスティーヴ・オーヴァーランドの絶品の歌声も健在。FM解散以降も絶えず様々なバンド/プロジェクトに参加して自慢の歌声を披露してきた御仁ゆえ、当然と言えば当然の話ですが。
「FMって地味なブルーズ・ロック・バンドでしょ?」との先入観を持っている方に是非聴いて頂きたい1枚。復活作として文句なしの出来栄えですよ。


FM - Metropolis - Over You ★★★ (2022-04-15 00:11:53)

ライブ映えする軽快なノリの良さと、スティーヴ・オーヴァーランドの
美声が映える哀愁のメロディ、そしてFMのトレードマークたる美しい
ボーカル・ハーモニーに彩られた(印象的なツインGのハモリも◎)
アルバム中盤のハイライト・ナンバー。
表題曲でもあるインストの小曲“METROPOLIS”とセットでお楽しみください。


FM - Metropolis - Still the Fight Goes On ★★★ (2022-04-15 00:18:56)

アルバムを締め括る7分越えの大作ナンバー。
ラス曲に相応しい重厚感と、視界が開けていくような
爽やかさが同居した感動的な名曲。
スティーヴ・オーヴァーランド絶品の歌声が
五臓六腑に染み渡るでぇ。


FM - Tough It Out ★★★ (2016-12-31 01:40:11)

タイトルとアートワークはガテン系。でも音楽性の方は、ニール・カーノンが手掛けた音作りから、デズモンド・チャイルドら外部ライター勢を起用した形振り構わぬ姿勢まで(バックVoにはテリー・ブロック、ロビン・ベックも参加)、自信を持って放ったデビュー作『INDISCREET』がコケたことで「じゃあこれならどうだ!」とばかりに、一層AOR路線に前のめりになっている’89年発表の2ndアルバム。
いや前作だってポップで煌びやかな作品でしたけども、要所で溢れ出す泣きや哀愁が、隠しようのないFMのブリティッシュ・ロック・バンドとしての出自を物語っていたのに比べ、今回はもう身も心もアメリカンになりきって大陸の爽やかな微風を送り込んで来てくれています。例えるなら、前作収録曲“AMERICAN GIRL”の明るくハジけるノリを全編に行き渡らせたような感じ…とでも申しましょうか。
しかし、それが批判に値しないことは他の皆様の絶賛コメントが証明する通り。というか、こんだけ充実した制作環境だったら悪い作品なんて作りようもないですわな。スティーヴ・オーヴァーランドの「エモーショナルな歌唱」のお手本の如きVoや、兄クリスの弟に負けないぐらい歌心溢れるGプレイ等、メンバーのパフォーマンスも実に手堅い。
収録曲については、初めて聴いた時はジュディス&ロビンのランダル母娘提供の至高のハードポップ・ソング“SOMEDAY”のインパクトに全部持って行かれてしまった感があったのですが、その他の楽曲だって③⑤⑧等、十分に粒揃い。
3年後ぐらい、今度は『TOUGH IT OUT 30』をリリースするってのは如何でしょうか?


FM - Tough It Out - Someday ★★★ (2017-01-03 22:09:30)

ジュディスとロビンのランダル母娘により作曲された
HR/HM史にキラリと輝くハードポップの名曲。
FMの2ndアルバム購入を決意したのも、
実は彼らがこの楽曲を演っていると耳にしたからに他なりません。
で、こっちもマーク・フリーのバージョンには及ばないまでも
大変素晴らしい出来栄えでありました。


FORBIDDEN - Forbidden Evil ★★ (2007-01-19 23:52:00)

ベイエリアの5人組スラッシャーが、アルバム・タイトルに元のバンド名を冠して、'88年に発表した1stアルバム。
曲の出来・不出来に結構バラつきが見られるため、小粒ながら平均的に良い曲が揃っていた
2nd『TWISTED INTO FORM』に比べるとやや聴き劣りがするものの、EXODUSばりのクランチ・リフ、
随所で印象的なメロディを紡ぎ出すツインG、名手ポール・ボスタフのタイト極まりないドラミングを活かした怒涛の突進力、
より荒々しい楽曲&サウンド・プロダクション・・・と、スラッシュ・メタルならではの醍醐味にかけては本作の方が上。
マシンガンの如く刻まれるリフと、Voのハイテンションなシャウトが異様なまでにカッコイイ⑤は、その好例。
何より、パワー/スピード/メロディと三拍子揃ったFORBIDDEN史上屈指の名曲③を収録しているしね。
ベイエリア・スラッシュ・シーンきっての「歌える実力派Vo」として知られるラス・アンダーソンも、ここではシャウトを多用した
アグレッシブな歌唱スタイルを実践。アルバムのスラッシーな雰囲気に拍車を掛けているが、その一方でドラマチックな⑧では、
声域の広さを活かした雄々しい歌い上げを披露。次作で全面開花するその実力の片鱗を伺わせてくれる。
2ndアルバムと甲乙付け難い、スラッシュ・メタルの力作。


FORBIDDEN - Forbidden Evil - Through Eyes of Glass ★★★ (2006-06-22 22:39:36)

ギターのフィードバック音を引き裂いて切り込んでくる、
エッジの立ったシャープなリフにまず耳を奪われる。
ダイナミックなリズムを叩き出して疾走するDs、インスト・パートでの仕事振りがナイスなB、
上下動の激しい難易度高めの歌メロを、楽々と歌いこなすVoも強力だ。
だが、やはりこの曲においては、リフ・ワークだけでなく、
惜しみなく豊かなメロディの注ぎ込まれた、美しく劇的なGソロを披露する
ツイン・ギター・コンビがトドメを刺す。最高!
6分半という比較的長尺の曲ながら、その展開には一分の隙も無駄もなく、
アグレッションとドラマティシズムを撒き散らしながら疾走する、
FORBIDDEN・・・いや、スラッシュ・メタル史上屈指の名曲の一つ。


FORBIDDEN - Omega Wave ★★★ (2011-01-22 00:33:40)

THRASH DOMINATIONで来日して以来、音信の途絶えていたFORBIDDENから漸く届けられた再結成第1弾アルバム。
劇的極まりない序曲①に導かれて、ダークでブルータルなOPナンバー②が始まった時は「カッコイイけど、随分殺伐としてんなぁ」と、若干の違和感を覚えずにはいられなかったのだが、刻みの細かいGリフに忙しないリズム、そしてその上で朗々と歌うラス・アンダーソンのハイトーンVoが畳み掛けるように疾走する④辺りまで聴き進めると、以降は1st~2ndアルバムの頃を思い出させる、押さえるべきポイントがキッチリと押さえられた「これぞFORBIDDEN!」な楽曲が頻出。勇壮なメロディにシンガロングを誘われる⑦、美しいアコギが絶妙なアクセントとなっている⑧⑩といった優れたスラッシュ・ナンバーの数々に心動かされないFORBIDDENファンはまずおらんでしょう、と。
流石に「捨て曲なし」とまでは行かないが、地味めな楽曲にはクレイグ・ロチチェロとスティーヴ・スマイスが鮮烈且つテクニカルなツインGで華を添え、また、ブルータルな②、ヘヴィネスの充満する⑤、最近のANNIHILATORを彷彿とさせる⑫といったモダンな要素を備えた楽曲も、単なる手慰みに堕とすことなく、しっかりと聴き応えある内容に仕上げる等、ブランクの長さを全く感じさせない作曲センスには脱帽。
重苦しいサウンド・プロダクションの影響で、作品全体を覆う空気はかなり澱んでいるものの、再結成アルバムとしては文句なしで合格点に値する1枚。


FORBIDDEN - Omega Wave - Adapt or Die ★★★ (2011-01-30 14:25:34)

THRASH DOMINATIONで来日した時には既に出来上がっていたらしいが、
実際、80年代のFORBIDDENの面影を最も濃く宿した楽曲じゃなかろうか。
疾走するリズムの上で朗々と歌う、ラス・アンダーソンの衰えの感じられない
ハイトーンを聴いていると「ああ、FORBIDDENだなぁ」としみじみと実感。
アルバムで一番好きな曲かも。


FORBIDDEN - Omega Wave - Behind the Mask ★★★ (2011-01-30 14:42:12)

アルバム後半のハイライト・ナンバー。
本作ならではのモダンな攻撃性と
FORBIDDENらしい木目細かい叙情メロディが
上手いこと組み合わされた名曲。
美しく爪弾かれるアコギの旋律にうっとり。


FORBIDDEN - Omega Wave - Dragging My Casket ★★ (2011-01-30 14:31:13)

高速疾走パートと粘っこいヘヴィ・パートを
併せ持つ、激しいアップダウンを伴った曲展開が印象的。
しっかりと歌うラス・アンダーソンのVo、
そしてツインGが奏でる勇壮なテーマ・メロディに
思わずシンガロングを誘われます。


FORBIDDEN - Omega Wave - Forsaken at the Gates ★★ (2011-01-30 14:21:53)

誰もがJUDAS PRIESTの“THE HELLION”を想起するであろう
ドラマティックなインスト曲“ALPHA CENTURY”に導かれて
バイオレントに疾走を開始する5thアルバムのOPナンバー。
野太いラス・アンダーソンのシャウトに一瞬ギョッとさせられる
新生FORBIDDENの新たな側面を提示する楽曲だが、
よくよく聴けばGプレイや歌メロ等に従来の「らしさ」は確認できるし、
単純にスピード・ナンバーとしての完成度は高い。


FORBIDDEN - Omega Wave - Hopenosis ★★ (2011-01-30 14:35:28)

“ADAPT OR DIE”同様、アルバム制作作業の初期の時点で
既に完成していたという楽曲。
かなり野太い仕上がりなれど、アコギを効果的に用いた
サビメロの憂いに満ちた展開はFORBIDDENならでは。


FORBIDDEN - Twisted Into Form ★★ (2006-06-22 22:32:00)

名手ポール・ボスタフ(Ds)が在籍していた事で知られるベイエリア・スラッシュ・バンド、'90年発表の2nd。
デビュー作に比べ、若干スピードが押さえ気味に、サウンドが丸く聴き易くなった事が硬派スラッシャーには不評のようなれど、
なんのなんの。個人的にはEXODUS臭が抜けたシャープなリフと、次から次へと湧き出る豊潤なメロディの魅力が、それを補って遥かに余りある。
一層安定感を増した「歌える」Voと、ガッチリとボトムを支えるポール・ボスタフのタイトなドラミングと併せて、本作こそ、
FORBIDDENが真の個性を確立させた記念すべき作品ではないだろうか。(まぁこの作品以降、迷走を始めてしまうわけだが)
“THROUGH EYES OF GLASS"レベルの名曲こそ見当たらないものの、1曲目のアコギ・イントロに始まり、アウトロ的存在の7曲目まで、
息つく暇なく矢継ぎ早に繰り出されるスラッシュ・チューンの数々は何れもハイクオリティ。トータルの完成度では前作を大きく上回る。
それだけに8曲目以降の曲のつまらなさが(2曲とは言え)痛い。それさえなけりゃ大傑作だったのに・・・。


FORCED ENTRY - As Above, So Below ★★ (2007-05-12 00:54:00)

アメリカはシアトル出身で、BがVoも兼任する3人組スラッシュ・メタル・バンド、'91年発表の2ndアルバム。
トリオ編成とは思えない分厚いサウンド、高度な演奏技術に裏打ちされた、テクニカルでプログレッシブな曲展開・・・と、
デビュー作『UNCERTAIN FUTURE』の作風を順当に受け継いだ作風ながら(Gが1曲だけリードVoを取っているのも1stと同じ)
サウンド・プロダクションが向上して音が図太くなった分、疾走パートとミドル・パートのコントラストが
より明確になって、曲展開がかなり整理された事と併せ、随分と取っ付き易くなったとの印象を受ける。
それにしても、ここのBはやはり素晴しい。①を筆頭にスラッシーなスピード・チューンでは猛烈にのたうったかと思えば、
⑧や⑨のインスト・パートでは、曲の持つ叙情性を増幅させるメロウなBプレイを聴かせたり・・・と、非常に芸達者。
ジェイソン・ニューステッドが気に入るのも分かるなぁ。前作の弱点だった彼が兼任するVoも、
相変わらず音程無視のわめき型ながら、声に太さが出て来たので迫力は増している。
前作同様キャッチーさとは無縁の音楽性だが、この捉え所のなさは如何にもシアトルのバンド的とも言えなくもない。
“MORGULON"のようなドラマチック路線の楽曲が姿を消してしまったのは痛過ぎるけどね。


FORCED ENTRY - Uncertain Future ★★ (2006-12-04 21:51:00)

一筋縄ではいかないスラッシュ・サウンドを聴かせる3ピース・バンド、'89年発表の1stアルバム。
スラッシュといっても、有無を言わせぬスピードで聴き手を捻じ伏せるのではなく、複雑且つ自由奔放な曲展開と、
3人編成とは思えぬ音の厚さ&ハイテクニックを誇る楽器陣がスリリングに絡み合い生み出す緊張感が、彼ら最大の武器。
正直、キャッチーとは言い難い作風で個人的には苦手なタイプなのだが、不思議と本作が何度も聴けてしまうのは、
難解さは控えめに走るべきパートでは痛快に突っ走るメリハリの効いた曲構成と、テクニカル且つメロディアスな
フレーズを弾き出すG、そして強烈なウネリの生み出しバンドの中核を担う、個性的なBの存在によるところが大。
(これでVoにもっと魅力があったなら尚良かったのだが・・・)
特に、“ANACONDA"のタイトル通りにBが激しくのたうつ④、目まぐるしく緩急を入れ替えながら、
中盤ではドラマチックな盛り上がりを聴かせる⑦等は、一聴の価値のある佳/名曲かと。
ATHEIST辺りがイケル口のスラッシャーには、是非とも1度試して頂きたい作品。
尚、現在出回っている輸入盤は、解散前の'95年に発表された4曲入りEP『THE SHORE』とのお得なカップリング仕様。


FOREIGNER - 4 ★★★ (2012-12-11 22:41:47)

現在までにトータル1700万枚以上を売り上げる、問答無用のFOREIGNERの代表作、'80年発表の4thアルバム。
「産業ロック」のトップランナーでありながら、Keyにべったり頼り切ることを良しとせず、メンバーの個性を活かしたソリッドでハード・ロッキンなサウンドも得意としていた彼らですが、結成メンバーのイアン・マクドナルドとアル・グリーンウッドの脱退が契機となったのか、徐々にこの辺りからポップ路線へとシフトし始めます。「元祖パワー・バラード」と評される④や、ダンサブルなリズムとクールなサックスが印象に残る⑥のような大ヒット曲は、モダンでお洒落なアレンジをふんだんに取り入れ都会的な洗練の度合いを一層高めた「FOREIGNERサウンド」の象徴的存在でしょうか?
勿論、ノリノリのOPナンバー①や、AC/DCばりのタテノリ・チューン②のような、ビートの効いた楽曲も収録されてはいるのですが、それらにしても荒々しさ以上に耳を捉えるのがそのキャッチーさ。特に本作の「馴染み易さ」「聴き易さ」に貢献しているのがルー・グラムのVoで、元々上手いシンガーでしたが、今回は堂々本編の主役を担い、多彩な表現力を駆使して終始、神罹ったレベルの歌声を披露。中でも胸引き裂かんばかりのエモーションが迸る⑦における絶唱は言葉を失うほどに感動的。
独自のサウンド・スタイルを完全に確立し、その型の中で最大限の成果を導き出した名盤です。


FOREIGNER - 4 - I’m Gonna Win ★★★ (2012-12-12 21:55:23)

なぜだか人気のない楽曲ですが、
個人的には『4』の中でも1、2を争うぐらい
お気に入りの名曲。
始まりこそ地味めですが、後半に進むに連れて
熱を帯びていく曲展開、それに何より
ルー・グラムの入魂の絶唱に何度聴いても
痺れまくりですよ。
この曲を聴け!いや、聴いて下さい。


FOREIGNER - 4 - Juke Box Hero ★★★ (2012-12-12 21:46:52)

なぜか聴いているAC/DCのことが思い浮かぶ
ギンギンにビートの効いたタテノリ・ナンバー。
とはいえ勢いのみならず、キャッチーでフックの
効いたメロディや曲展開をちゃんとちゃんと
備えている辺り、流石FOREIGNER。
アルバムのハイライト・ソングの1つです。


FOREIGNER - 4 - Urgent ★★★ (2012-12-12 21:48:41)

マイケル・ジャクソンが踊り出しそうな
ダンサブルなビートとモダンなアレンジが印象的。
そう、この曲の肝はサックスですね。


FOREIGNER - Double Vision ★★★ (2012-12-07 23:52:16)

1st『FOREIGNER』がビッグ・セールスを記録し、一躍「産業ロック」(当時は悪口だったわけですが)のパイオニアとなったFOREIGNER、'78年発表の2ndアルバム。
70年代HRやプログレッシブ・ロックの残滓も聴き取れたデビュー作に比べ、メロディやアレンジ、曲展開、それに演奏がコンパクトに整理され、よりスマートさを増した作風は、いよいよ「FOREIGNERサウンド」の方向性が定まった手応えがひしひしと感じられます。
特に、タイトル通り血が騒ぐOPナンバー①、モダンで冷やかな哀感を漂わす②、腰に訴えかけるハードさを備えたアルバム表題曲⑥は、チャート上位に食い込む大ヒットとなったのも納得の名曲ですよ。
それ以外にも、ロマンティックなバラード③あり、スペーシーなスケール感を有する⑦あり、ただ正確に譜面をなぞるのでは表現し得ない、メンバー同士の阿吽の呼吸が見事に活かされた⑨⑩あり・・・・といった具合に優れた楽曲が目白押しの本編は、500万枚以上を売り上げたと言うのも納得のクオリティ。
FOREIGNER入門編に最適なアメリカン・メロディアスHR史にその名を刻む名盤であり、個人的には彼らのアルバムではこれが一番好きですね。


FOREIGNER - Double Vision - Blue Morning, Blue Day ★★★ (2012-12-08 23:52:57)

“蒼い朝”という邦題が良いですよね。
ポップなんですが、冷やかでメランコリックな
曲調が、まさしく「都会の憂鬱な平日の朝の空気」を
伝えてくれます。


FOREIGNER - Double Vision - Double Vision ★★★ (2012-12-08 23:58:23)

「タイトルは知らないけど聴いたことはある」
って人も多いんじゃないかと思う大ヒットナンバー。
ズンズンと腰に響いてくる、FOREIGNERの中では
比較的ハードな部類の楽曲ですが、哀愁味を増幅する
キャッチーでメロウなサビメロのアレンジが実に絶妙。


FOREIGNER - Double Vision - Lonely Children ★★★ (2012-12-09 00:05:43)

邦題は“寂しき子供たち”
この頃は未だ70年代HR風味の名残りが感じられますね。
豪快に繰り出されるGリフとコシの強いリズム、
メロディアスに切り込んでくるKey、その上でタメを
効かせて熱唱するVoが一体となって楽曲を
熱くダイナミックに盛り上げてくれています。


FOREIGNER - Double Vision - Spellbinder ★★★ (2012-12-09 00:09:59)

楽曲自体の素晴しさも然ることながら
この曲ではルー・グラムのシンガーとしての
非凡さが光ります。
楽譜通りに歌っているだけでは決して生み出し得ない
「タメ」と「間」を心得た熱唱にハート鷲掴みですよ。


FOREIGNER - Double Vision - Tramontane ★★★ (2012-12-09 00:01:39)

ミック・ジョーンズが「ヨーロッパ方面からの
影響が強く出た楽曲」と語る、透明感と壮大なスケール感を
湛えたスペーシーなインスト・ナンバー。
主役を張るGとKeyが実に良い仕事をしていらっしゃる。


FOREIGNER - Foreigner ★★★ (2012-12-05 23:28:39)

現在ではジャンルの一形態を表す言葉として便利に使われている「産業ロック」という呼称ですが、これがFOREIGNERサウンドを揶揄するために生み出された、要するに悪口の類だったと初めて知った時は結構驚きましたね。
尤もこの'77年発表のデビュー作(邦題『栄光の旅立ち』)に関して言えば、音作りといい、アレンジといい、結構「攻めてる」メンバーの楽曲に対するアプローチといい、AOR/産業ロック度は控えめ。むしろ70年代HRやプログレ・テイストの残り香も漂って来る作風は、バンド・メンバーのFOREIGNER以前の音楽的出自を強く意識させる作りです。
特に、ミック・ジョーンズの泣きまくりのGが辛抱堪らん③や、ハード且つダイナミックに展開していく⑩は本作ならではの逸品かと。
一般的に想起される「FOREIGNERサウンド」とは少々趣きを異するものの、幾重にも積み重ねられたボーカル・ハーモニーが劇的な美しさを演出する名曲中の名曲②を筆頭に、代表曲として知られる①、泣きの強まる後半の盛り上がりっぷりに涙する⑤など充実した本編を聴けば、「本作が一番好き」と言う人が多くいることにも納得がいきます。


FOREIGNER - Foreigner - Cold as Ice ★★★ (2012-12-06 23:07:47)

邦題は“つめたいお前”
個人的に、数あるFOREIGNERの名曲の中でも
最も愛している珠玉の逸品。
都会的で冷やかな哀感を運んでくるピアノと
レイヤー状に重ねられ楽曲を立体的に彩る
美麗なボーカル・ハーモニーが最高に素晴しい!


FOREIGNER - Foreigner - I Need You ★★★ (2012-12-06 23:15:48)

この曲におけるリフとリズムの豪快さ、
火花を散らす楽器隊の応酬っぷりは70年代HR的ですね。
これまた1stアルバムでしか聴くことの出来ない
緊迫感とスケール感に満ちた名曲。


FOREIGNER - Foreigner - Starrider ★★★ (2012-12-06 23:12:23)

プログレ・ハード色が強く出た初期FOREIGNERならでは・・・
というか、このアルバムでしか聴くことの出来ないタイプの
濃厚な哀愁を漂わせた名曲。
ルー・グラムのエモーショナルな熱唱に煽られるように
猛烈に咽び泣くミック・ジョーンズのGプレイを聴いて
眉毛が八の字にならん奴はおらんでしょう。