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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2101-2200

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2101-2200
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FROM THE FIRE - THIRTY DAYS AND DIRTY NIGHTS ★★★ (2018-11-14 00:32:11)

NY出身の5人組が、ジーン・ボヴアー(CROWN OF THORNS)のプロデュースを得て'92年に発表したデビュー作。結構長い間オフィシャルなCDが日本盤しか存在しなかったため、世界中のメロハー・マニアの間で争奪戦が繰り広げたレア・アイテムとして知られる1枚でしたが、現在はYESTERROCKからリマスター盤が再発済み。安価にて容易に購入が可能なのですから良い時代になりましたなぁ。(その昔大枚叩いて中古盤を落札してしまった我が身の嘆きをともかくとすれば)
それはさておき。本作がプレミア価格で取引されていたのは単に「希少盤だったから」という理由だけではなく、その内容の素晴らしさがあったればこそ。本編はRASPBERRIESの名曲“GO ALL THE WAY”のカヴァーを含めて全9曲を収録。捨て曲の類は当然一切なし。特に哀愁のメロディをJ.D.ケリーがエモーショナルに歌い上げ、それを美しいボーカル・ハーモニーと、後にRAINBOWに加入するポール・モリスが奏でるKeyとがメロウ且つドラマティックに彩る①は、OPナンバーにしていきなりアルバムのハイライトを飾る名曲で、これで掴みはOK。後に続く愁いを帯びて駆け抜ける④や、ブリッジにおけるメロディ展開とJ.D.の熱唱ぶりに涙ちょちょ切れる⑥、女性シンガーがデュエットで華を添える劇的な⑦なんかも、その①に匹敵するインパクトを放つ逸曲であり、こうした強力な出来栄えを誇る楽曲群に適度なエッジを加えるトミー・ラファティのGプレイも、後日ジーンに誘われてCROWN OF THORNS入りするのも納得のセンスと腕前がキラリ光ります。
メロディ愛好家なら一家に1枚は常備しておきたいメロハーの名盤ですよ、これは。


FROM THE INSIDE (2018-12-02 00:53:27)

90年代の逆風を受けてTYKETTOが解散した後も地道にシンガーとして活動を続けていた
ダニー・ヴォーン(Vo)が、イタリアのFRONTIER RECORDSから提案を受けて立ち上げたプロジェクト。
「外部ライターが書いたメロディアスHRナンバーをダニーが歌う」という企画意図のもと、
'04年と'08年に2枚のスタジオ・アルバムを発表。但し後者においてはダニーも積極的に曲作りに関与し、
またメンバーも固定されたバンド・スタイルが取られている。(が、これ以降作品のリリースはない)


FROM THE INSIDE - Visions ★★★ (2018-12-02 00:54:25)

“FOREVER YOUNG”の名曲ぶりが未だメロディ愛好家の間で語り継がれるアメリカのバンド、TYKETTOのフロントマンだったダニー・ヴォーン。彼が主役を務めるプロジェクトFROM THE INSIDEが’08年に発表した2ndアルバムがこちら。日本盤は当時キングからリリースされたものの既に廃盤で(キングは廃盤になるのが早いね)、現在では中古盤市場で1st共々結構なプレミア価格で取引されていることで知られる1枚であります。
レコーディングはイタリアのメロハー梁山泊FRONTIER RECORDSの仕切りで行われ、プロデューサーにはファブリッツオ・グロッシを起用。更にVEGAで活動するトムとジェームズのマーティン兄弟が曲作りに関与と、「細工は流々、仕上げを御覧じろ」とばかりにお膳立てはほぼ完璧。そうして出来上がった、掴みに持ってこいの①、劇的なバラード③、サビメロの絶妙なメロディ展開にフラッシーなGプレイが華を添える④、胸のすくような爽快ハードポップ⑥、高揚感を伴うキャッチーな⑪etc…と、適度にエッジも効いた珠玉のメロディック・ロック・チューンの数々を、ダニーが持ち前のハート・ウォーミングな歌声で熱唱するわけですから、もはや完成度の高さに疑念が入り込む余地はありません。そのダニーも曲作りに積極的に関わっている以上(名盤『DON’T COME EASY』がそうだったように)、ある程度はアメリカンなノリも混入しているものと思いきや、意外やほぼ全編が北欧メロハー風味の哀愁と透明感、爽快さを保ったまま進行していく辺りも嬉しい驚きです。
再結成TYKETTOでの活動で多忙なのか、近年は作品リリースが途絶えてしまっているプロジェクトですが、本作を最後にこのまま消滅させるのは勿体なさ過ぎますよ。


FROM THE INSIDE - Visions - 21st Century ★★★ (2018-12-02 23:45:30)

力強く駆け抜けるメロディック・ロック・ナンバー。
ダニーの熱唱とテクニカルに閃くGソロが得も言われぬ爽快感も運んできてくれます。
このレベルの楽曲がゴロゴロ収録されているのですから
本作がダニー・ヴォーンが関わった作品の中でも1、2を争う傑作と
高評価を受けているのも納得です。


FROM THE INSIDE - Visions - If It's Not Love ★★★ (2018-12-02 23:38:58)

ダニー・ヴォーンの熱い歌声が映える名バラード。
彼がピアノをバックに切々と歌う前半、
楽器隊が加わってエモーショナルに盛り上がる後半、
どちらも涙ちょちょ切れる思いですよ。
日本盤にはアコースティック・バージョンが収録されていることからも
バンド側がこの曲をリーダートラックに位置付けていることが伝わってきます。


FROM THE INSIDE - Visions - Listen to Your Heart ★★★ (2018-12-02 23:32:54)

心地よい疾走感を伴って哀愁のメロディが駆け抜け
聴き手を勇気づけるようなダニー・ヴォーンと
テクニカルなGソロがその上を爽快に舞うアルバムでも
1、2を争う名曲の一つではないかと。


FUELED BY FIRE (2011-06-19 00:42:04)

'00年に、カリフォルニア州はノーウォークにてカルロス(Ds)とリカルド(G)が音頭を取って結成したスラッシュ・メタル・バンド。
ジオ(Vo、G)加入後にレコーディングしたデモテープや自主制作アルバム『SPREAD THE FIRE』、並びに積極的なライブ活動が実を結んで、'06年、METAL BLADE RECORDSとディールを締結。ARMORED SAINTのジョーイ・ヴェラの手によりリミックス/リマスター作業が行われた新生『SPREAD THE FIRE』をもって、バンドは日本デビューも飾った。('07年には、NWOTMの嚆矢的役割を果たしたPERFECT CRIME RECORDS編纂のオムニバス盤『THRASHING LIKE A MNIAC』(邦題『狂気のスラッシュ講座』)にも参加)
あと、実はカナダのRAZORらと共にこっそり来日公演を行った実績も持つ。

Vo兼Gだったジオの脱退という事件を乗り越え、今年('10年)に入って4年ぶりに2ndアルバム『PLUNGING INTO DARKNESS』を発表したが、どうやら沈黙期間中にMETAL BLADEと切れてしまったらしく、今回は国内盤のリリースはなし。その上どういうわけかAMAZON辺りにも『PLUNGING~』は流通しておらず、入手が妙に困難。
見かけたら取り敢えず購入しておく事をお薦めさせて頂きます。


FUELED BY FIRE - Plunging Into Darkness ★★ (2011-06-20 22:38:41)

期待の新人スラッシャーとして注目を集めながら、2作目で早くも音楽性を広げにかかって「時代は繰り返すのね・・・」とガックリさせられるバンドが目立ち始めた昨今、彼らの変わらぬ「スラッシュ馬鹿」ぶりにはホッと安心させられるモノがありますね。何せこの2ndアルバム、威勢の良いインスト曲①に始まり、中盤に息継ぎ代わりのアコギ・パートを用意して、あとはササクレたスピード・ナンバーで終始強気に攻め立てまくる・・・という構成からして、デビュー作の作りをほぼそのまま踏襲しているわけでして。
無論、音作りや演奏の精度等、成長すべき点はしっかりと成長を遂げており(メンバー・チェンジに伴う悪影響も皆無)、特にサウンドがストレッチされ、一層研ぎ澄まされた楽曲がその攻撃性と疾走感を倍化させている点は大きな評価ポイント。良くも悪くも勢いと愛嬌が最大の武器だった前作に比べ、アマチュア臭が抜けた本作からは「これでSLAYERやDARK ANGELと同じ土俵に立ったるでぇ!」というバンドの意気込みがひしひしと感じられる。
尤も、楽曲の切れ味と引き替えにHALLOWS EVE風味のキャッチーなノリの良さや、IRON MAIDEN、JUDAS PRIESTといった正統派HMバンドばりのツインGハーモニーが減量されてしまった事は個人的に残念でならないが、とは言え、そういった要素が完全に消え失せてしまったわけではなく、①や③、そして⑨といった楽曲では、弾きまくりの2本のGの劇的なユニゾン・プレイを聴くことが出来るし、叙情的なアコギ・インスト⑦を前奏に、シャウトVoと執拗に刻まれるGリフとが、スラッシュ・ビートに乗って激走する⑧は、彼らの新たな代表曲になり得るポテンシャルを秘めた名曲なのだが。


FUELED BY FIRE - Plunging Into Darkness - Evoke the Curse ★★★ (2011-06-21 22:25:36)

アコギ・インスト曲“INTRO”を経て、
後半戦開始を宣言する高速スラッシュ・ナンバー。
マシンガン・リフに畳み掛けるように疾走するリズム、
前任者よりハードなシャウトを炸裂させるVo、
それに攻撃的に弾きまくる(そして時に印象的にハモる)
ツインG・・・と、これぞスラッシュ・メタル!な
旨みに満ちた2ndアルバムのハイライト・ソング。


FUELED BY FIRE - Spread the Fire ★★★ (2011-06-19 22:29:04)

'06年レコーディングの自主制作盤にリミックス/リマスターのお色直しを施して、新たにMETAL BLADE RECORDSから再リリースされた1stアルバム。
ササクレ立って疾走する③⑥⑨といった高速スラッシュ・ナンバーの数々が端的に示す通り、彼らが聴かせてくれるのは、カラッと乾いた音作りに、ヒステリックなシャウト・スタイルのVo、刻みの細かいGリフと、暴れ馬の如く跳ね回るリズム等、EXODUSの名盤『BONDED BY BLOOD』からの多大なる影響が根っこに据えられた80年代テイスト満点のストレートなスラッシュ・メタル。
もっさりとした演奏のせいで垢抜けないB級感覚が漂うものの、IRON MAIDEN、JUDAS PRIEST由来のメロディックなツインGの存在が十二分に活かされた、スラッシュ一歩手前の「ハードコアな正統派HM」・・・例えばHALLOWS EVE辺りを思い起こさせる、勇ましさと荒々しさ、そしてキャッチーなノリの良さも併せ持った楽曲はかなり秀逸。(考えてみりゃHALLOES EVEフォロワーってあんまりおらんような)
特に、威勢のいいインスト・ナンバー①をイントロ代わりにスタートするスラッシュ・メタル賛歌の②、ライブではさぞかし盛り上がるに違いないアルバム表題曲④、作中でも指折りのドラマティックなツインGの絡みっぷりが炸裂する⑤といった楽曲が連続する、本編前半のテンションの高さにはメタル魂が昂ぶりっぱなしですよ。
ことサウンドの方向性という意味においては、同時期にデビューを飾ったどの新人スラッシャーの作品よりも好ましく感じられた1枚。


FUELED BY FIRE - Spread the Fire - Betrayal ★★★ (2011-06-19 22:37:31)

劇的なイントロでぎゅっと掴まれる
アルバムのハイライト・ナンバー候補。
リフ&リズムの冒頭の猛烈なシュレッディングは
スラッシュ・メタルそのものだが、
楽曲自体は本編でも屈指の正統派HM度の高さを誇る。
ドラマティックなハーモニーを聴かせてくれる
ツインGが素晴しいったら。


FUELED BY FIRE - Spread the Fire - Command of the Beast ★★★ (2011-06-19 22:40:05)

タイトルからも察しがつく通り、
切れ味鋭い走りっぷりがEXODUS風味・・・というか
“BONDED BY BLOOD”風味満点の高速スラッシュ・ナンバー。
本編の幕引きに持って来いの名曲だ。


FUELED BY FIRE - Spread the Fire - Spread the Fire!!! ★★ (2011-06-19 22:34:31)

思わず一緒に叫びたくなる、
カラッと弾けるようなノリの良さを備えた
ライブでの盛り上がりが容易に想像できる
キャッチーなアルバム表題曲。


FUELED BY FIRE - Spread the Fire - Thrash Is Back ★★★ (2011-06-19 22:32:46)

帯に書かれた秀逸なキャッチコピー
「俺達、どうしようもなくスラッシュ・メタル!」
を地で行く疾走ナンバー。
執拗なリフの刻みはスラッシュ・メタルそのものだが
スピードは飽くまで頭を振り易いレベルに留められており、
キャッチーなノリの良さが感じられる辺りは
HALLOWS EVEに通じるものあり。
IRON MAIDEN由来の劇的なツインGも美味しい。


FUELED BY FIRE - Trapped In Perdition ★★★ (2013-10-09 23:29:10)

スラッシュ・メタル・バンドの3枚目のアルバムともなると、ぼちぼち「クリーン・ボイスで歌い上げてみようかな」とか「モダンな要素を取り込もうかな」とか「バラードでも演ってみっかな」といった、音楽的変化に対する欲求が鎌首をもたげ始める頃ですが、このカリフォルニア出身の5人組はそうしたことには一切頓着せず、メロディ無視で激情を吐き出すVo、鑢のように刻み目の粗いGリフと性急なリズムとが、脇目も振らず突進する、極めてオールドスクールなスラッシュ・メタル道を、全身全霊をこめて邁進しております。別に変化に興味がないのではなく、サウンドの幅を広げることよりも、自身のスタイルを一層深く掘り下げることにのみ集中していると言うべきか。
プロデューサーにエリック・ルータンを迎えた成果も、図太さを増したGサウンド、時に禍々しくトグロを巻くへヴィネス演出、そしてアグレッシブな曲調と対比を為すかのように劇的に噴出するメロディックなツインGといった要素に覿面に反映(ちなみにエリックも③でGソロを披露)。特にスラッシャーの血を沸騰させる①⑤⑥は、本編の魅力を結集したかのような好ナンバーですよ。
演奏の精度を高め、更にマッシヴに「スラッシュ・メタルらしさ」が鍛え上げられた逸品で、FUELED BY FIRE入門盤としてお薦めする1枚。


FUELED BY FIRE - Trapped In Perdition - Catastrophe ★★★ (2013-10-10 23:15:13)

荒っぽく鋭角的に刻まれる湿度低めの
Gリフに前へ前へと突進するリズムが
「俺たちどうしようもなくスラッシュ・メタル!」
を地で行くOPナンバー。
暴力的な曲調に相反して、劇的な構築美を
感じさせるGソロも美味しいです。


FUELED BY FIRE - Trapped In Perdition - Rotten Creation ★★★ (2013-10-10 23:20:56)

ストレートに突っ走る、実にスラッシュ・メタルらしい
スラッシュ・ソングなんですが、この曲の白眉は
激情を吐き出すかのように2本のGが荒れ狂う
後半のインスト・パートにあり。


FUMIHIKO KITSUTAKA'S EUPHORIA - DREAM CASTLE ~BEST OF FUMIHIKO KITSUTAKA~ ★★★ (2010-12-06 21:34:32)

AROUGEに始まり、筋肉少女帯、X.Y.Z→A、そしてソロ・ワークに至るまで、橘高文彦(G)というハイテク・ギタリストの25年に及ぶこれまでの音楽活動歴を、お手軽に振り返る事の出来る便利なベスト盤。
ビジュアル系のルックスと、筋肉少女帯のメンバーという出自から、彼のことを色眼鏡で捉える向きもあろうが、ジャケットに描かれたヨーロッパの城塞の如き堅牢な構築美を宿した楽曲作りのセンスと、ギター・オーケストレーションを用いてブライアン・メイばりにポップにGを歌わせたかと思えば、一転、イングヴェイを彷彿とさせるネオクラシカルな速弾きまで流麗にこなす、確かなテクニックと表現力に裏打ちされたこの人のGプレイは間違いなく本物。
取り敢えず、HR/HMファン・・・分けても様式美HM好きを自認している人で、未だ⑨⑫辺りの名曲に触れた事がないというのは、ミュージック・ライフにおける大きな損失ですよ!とだけ。(大槻ケンヂのヘタウマVoはかなり好き嫌いが分かれるところかもしれませんが)
リマスタリングが施されてるとは言え、収録曲のほぼ全てが既発曲で占められているため、橘高のキャリアをそれなりに追い掛けているファン的には食指の動き難い作品かもしれないが、個人的には、本編唯一の新曲にして、大槻ケンヂや二井原実、山田晃士ら、同じ釜の飯を食ったシンガー達が勢揃いしてデュエットを披露、ドラマティック且つ壮大に本編ラストを締め括るエピック・ソング⑱が聴けただけでも、本作を購入した価値は十分あったかな、と。


FUMIHIKO KITSUTAKA'S EUPHORIA - FUMIHIKO KITSUTAKA'S EUPHORIA ★★ (2008-06-24 21:46:00)

BLIZRD辺りに通じる、王道ジャパニーズHMサウンドを聴かせた東京出身の5人組 AROGUE出身で、
現在は、再結成を果たした筋肉少女帯や、X.Y.Z→A等で活動中の橘高文彦(G)が、DEAD ENDの湊雅史や、
ZIGGYの宮脇“JOE"和史ら、多数のゲストを迎えて制作、'94年にEUPHORIA名義でリリースした1stソロ・アルバム。
(ちなみに、今ではその名前は、彼が運営する自主レーベルに受け継がれている)
筋肉少女帯時代、バンド唯一のメタル畑の人間として、“詩人オウムの世界"“スラッシュ禅問答"“再殺部隊"
“小さな恋のメロディー"といった、数多くの名曲を生み出してきた彼氏のソロ作ということで、さぞかし、カッコイイ
HMナンバーが詰め込まれている事だろう、と期待して購入したのだが・・・実際のところ、バリバリのHMソングは、
華麗な序曲①から展開するスピーディな②や、これぞ様式美!といった趣きの、ドラマティックなインスト曲⑨
ぐらいのもので、残りは、ポップ・チューンあり、ホーン・セクションを導入したノリの良いナンバーあり、
QUEENを彷彿とさせるキュートなバラードありと、かなりバラエティに富んだ楽曲が本編の大半を占める。
ふにゃっとした(LUNA SEAとか、あっち系の)ナルシスティックな歌声を聴かせるVoの歌唱スタイルは好き嫌いが
分かれるところだし、ヘヴィ・メタリックな作風を期待して本作に臨むと、肩透かしを食らう事になりかねない
(そっちのノリを期待するなら、2ndソロ『NEVER ENDING STORY』の方がお薦め)作品ながら、橘高の曲作りの上手さや、
相変わらず、お城建ちまくりの(笑)Gプレイがしっかりと堪能できるので、個人的には結構好きな作品だったりもする。
とりあえず、ファンなら名曲②を聴くために本作を買いましょう。


FUMIHIKO KITSUTAKA'S EUPHORIA - FUMIHIKO KITSUTAKA'S EUPHORIA - JUSTICE OF BLACK ★★★ (2008-06-25 22:26:58)

繊細且つ美しいクラシック・ギターから、流麗な速弾きまで、
橘高文彦の構築美溢れるGプレイが
これでもか!と堪能できるインスト・ナンバー。
起承転結がバッチリ決まった、ドラマティックな曲展開も素晴しい。


FUMIHIKO KITSUTAKA'S EUPHORIA - FUMIHIKO KITSUTAKA'S EUPHORIA - 絶望という名の…~THE ROOM (NAMED DESPERATION)~ ★★★ (2008-06-25 22:23:27)

ドラマティックなイントロから、
期待通りに疾走へと転じる、アルバムのハイライトを飾る
様式美HMナンバー。
この曲を聴くためだけに、アルバムを買っても損はない・・・かな?


Fatal Attraction (2017-10-25 00:38:07)

DEEP PURPLEからBEATLES、更にはEAGLES等のAOR/産業ロックまで、幅広いジャンルを愛するメンバー達の「破滅的な出会い」(FATAL ATTRACTION)により80年代末期にスウェーデンはストックホルムにて結成された、Key奏者を含む5人組。
幾つかのコンピレーションCDに参加した後、’96年に1st『END OF REGULATION TIME』でデビュー。同作はSOUND TREASUREを通じて日本盤もリリースされた。
'03年には2nd『SIMPLICITY RULES』を発表するも、’04年にバンドは解散してしまった模様。


Fatal Attraction - End of Regulation Time ★★★ (2017-10-25 00:42:07)

バンドについては殆ど何も知らんのですが(他グループで活動していたりするメンバーがいるわけでもなし)。中古盤屋で安く売り出されているのを見つけたのと、《北欧より届いた夢幻の調べ――》なるこっちの食指をそそる帯惹句、あと国内盤の解説を平野和祥氏が書いてることに興味を惹かれて、「まぁ酷い作品ってことはないだろう」と試しに購入してみたらこれが大当たりだった…というスウェーデンの5人組が'96年に発表した1stアルバム。
基本的な音楽性は、北欧産らしい透明感と哀感を宿したハードポップ。そこにプログレ・タッチのKeyワークやドラマティックな曲展開等の凝ったアレンジの数々、更にはほぼ全編に亘りフィーチュアされているストリングス(本物)が加わることで、クラシカルな気品も漂わす、このバンド独自のサウンドの醸成に成功しています。OPナンバー①を初めて聴いた時に思い浮かんだのは「北欧版NEW ENGLAND」という例えでしたね。
インスト・パートの充実っぷりに比べると(北欧メタルらしく)シンガーの歌唱力がやや弱く、そこが引っ掛かるという人もいらっしゃるかもしれませんが、プレーンであるがゆえにボーカル・ハーモニーによく馴染み、楽曲に備わった繊細さやリリカルな美しさを引き立たせるこのVoは、個人的には結構「有り」。特に、劇的な曲展開に乗せて冷ややかなメロディとハーモニーが華麗に舞う④に始まり、曲間を設けずに⑤⑥と組曲形式に綴られていく壮大な流れは、間違いなく本編のクライマックス。
どうやらアルバムをもう1枚残しているようなので(そちらは日本未発売)、機会があればそっちもチェックしてみたいと思わされる完成度を有した1枚です。


Fatal Attraction - End of Regulation Time - Message from the Past ★★★ (2017-10-25 01:49:37)

ハーモニーが立体的に舞い、
曲展開は華麗にしてドラマティック、
尚且つメロディは北欧メタルらしい冷ややか哀感を宿しているという
まさに北欧版NEW ENGLANDと評したくなる名曲であります。
後に続く“THE CURSE OF Mr. FUTURE”と“GOOD TIMES, BAD TIMES”の
2曲と併せて一つの組曲としてお楽しみください。


Freefall - Rebel Hard ★★★ (2021-10-07 01:01:58)

東京サマーランドに設置されていた今はなき絶叫アトラクションみたいなバンド名を名乗るのは、マイク(Vo、B)とクリス(G)のジョーンズ兄弟により結成されたイギリス発のメロディアスHRプロジェクト。本作は80年代半ばから国内のパブやクラブを回って腕を磨いてきたという彼ら(ライブを演る際には、ここに更にもう一人の兄弟であるドラマー、ティム・ジョーンズが加わるらしい)が、'96年に満を持して発表した1stアルバム。
‘96年といえば、猛威を振るうダーク&ヘヴィのトレンドで欧米のHR/HMシーンが塗り潰されていた頃合いですが、本作に託されているのはそこに差し込む一筋の光明の如き、英国的…というよりは寧ろアメリカンな開放的キャッチネスを湛えたメロディ、厚めに盛られたボーカル・ハーモニー、そして要所で「おっ」と耳惹くフラッシーなソロを繰り出すテクニカルなGプレイ等々に彩られた80年代風味満点の華やかなメロディアスHRサウンド。
13曲も収録されているので若干クオリティにムラが生じるのは致し方ないところですが、爽やかにOPを飾る①、ポップ・メタル然としたコーラスを配してキャッチーに弾む④、一転してどっぷりと哀愁に浸ったバラード⑦、流麗に奏でられるピアノがハード・ロッキンな曲調に秀逸なアクセントを加える名曲⑨、クリスの鮮烈なGソロをフィーチュアしてメタリックに疾走する⑬等、作品全体としては平均レベルを悠々越えていく見事な出来栄えを誇っています。
確かな才能の煌めきが感じられる力作だったのに、プロジェクトは本作1枚のみで消滅してしまい、その後兄弟の名前を聞くこともなくなってしまったのが残念でなりません。


GALACTIC COWBOYS - Galactic Cowboys ★★ (2006-06-28 20:21:00)

GCの代表作を2nd「SPACE IN YOUR FACE」とする意見に異論はない(寧ろ賛成だ)が、
個人的に、彼らのアルバムの中で最も気に入っているのは、'91年発表のこのデビュー作だったりする。
アグレッシブなリフ&リズムの上に乗っかる、浮遊感漂う歌メロと、美麗なボーカル・ハーモニーの妙・・・という
個性的なスタイルは既に完成されているのだが、それを美しく彩るメロディの質が「ポップ」「キャッチー」「ソウルフル」な
2nd以降とは異なっていて、ポップでキャッチーなのは間違いないのだけど、もう少し叙情的で哀感が強く演出されている
(ように感じられる)のがその理由。言うなれば、GCの前身バンドAWFUL TRUTHの音楽性に最も近い感じ?
スパニッシュ風のアコギやら、カントリー調のハーモニカやら、スラッシーな疾走パートやら、
色々な要素をギュッと詰め込んでドラマチックに仕上げた①“I'M NOT AMUSED"や、スピーディな⑦“KILL FLOOR"から、
組曲形式で大作⑩“SPEAK TO ME"へと展開していく、スペーシー且つプログレッシヴな流れは、何度聴いても最高。


GALACTIC COWBOYS - Galactic Cowboys - I'm Not Amused ★★★ (2007-04-14 21:39:32)

1stのOPナンバー。スラッシーなリフ&リズムの上に乗っかる
歌メロとVoハーモニーは非常にポップでキャッチーという
このミスマッチ感。スパニッシュ風味にブルーズ風味に
カントリー風味にプログレ風味と、
様々な要素をごった煮してドラマチックに仕上げた
これぞGALACTIC COWBOYS!な名曲。


GALAXY (2012-01-26 05:27:48)

母体となるバンドの誕生はソビエト連邦時代('81年頃)まで遡るというベテランHRバンド。正式名称はGALAXY GROUP。日本盤だと「ガラクチカ」表記でしたっけね。
'88年に1stアルバム『В Атмосфере Гласности』を発表してデビューを飾り、同時期のロシアン・メタルの盛り上がりの波に乗ってアメリカ進出も狙ったようだがが、結局は上手く運ばなかったらしい。
'91年にインディー・レーベルから全曲英詞で歌ったセルフ・タイトルの2ndアルバムを発表。ハイレベルな叙情HRサウンドが詰め込まれた素晴しい内容とCDのプレス枚数の少なさから、現在では同作はかなりのプレミア価格で取引されている模様。
尚バンドは今も存続しており、'11年には『GALAXY』から発表20周年を記念するアニバーサリーEP『Последний Летний День』をリリースしている。


GALAXY - GALAXY ★★★ (2012-01-26 05:29:01)

今から20年前ほど前に、西新宿のCD屋でDOMAINのベスト盤と一緒に購入した事をいやに鮮明に覚えている、ロシアはモスクワ出身のHRバンドが'91年に発表した2ndアルバム。
線は細いが泣きをたっぷりと含んだ歌声が魅力のVo、時にネオクラシカルなフレーズも紡ぐG、ゆるふわ系とは一線を画すメリハリの効いたビートを刻むリズム隊、それに水晶細工の如き繊細さと透明感を演出するKeyらによって形作られる叙情HRサウンドは、淡い色彩で描かれたファンタジックなジャケット・アートワークがそのまま音となって抜け出して来たかのような美しさ。
全曲が英詞で綴られた楽曲からも(薄っぺらい録音状態を除けば)イモっぽさは殆ど感じられず、ロシアン・メタルと言うよりも一線級の北欧メタルに近しい作風かな?と。
捨て曲/埋め曲の類は一つも見当たらない比類なき完成度を誇る本編ですが、取り分け、哀愁と美旋律が溢れ出すセンチメンタルな⑤、イングヴェイからの影響も感じられる様式美HMナンバー⑥、そして力強く劇的な曲展開に痺れる(歌メロが良い!)アルバム後半のハイライト・ナンバー⑨といった楽曲は、このバンドの何たるかも見事に体現した名曲。
東欧メタル・ファンのみならず、メロディ愛好家なら必ずや心打たれること間違いなしの逸品ですよ。


GALAXY - GALAXY - JULIE ★★★ (2012-01-27 23:02:58)

ネオクラシカルなフレーズを連発するGや、
そのGとKeyの絡み具合など、イングヴェイからの
影響が感じられるネオクラ様式美チューン。
線は細いが魅力的な歌メロを構築するVoが
ここでも存在感を発揮していますね。


GALAXY - GALAXY - LADY MUSIC ★★★ (2012-01-27 23:05:47)

力強く、ドラマティックにアルバム後半の
山場を飾る本編でも指折りの名曲。
痒い所に手の届く歌メロを、猛烈な悲哀を
発散しながら歌い上げるVoの存在が
光りまくりの1曲で、聴く度にしみじみと
「良いシンガーだなぁ」と感心させられます。


GALAXY - GALAXY - SWEET ROSANNA ★★★ (2012-01-26 22:23:14)

どっぷりとセンチメンタルな気分に浸れる
美しくも切なさを満載にした叙情ナンバー。
邦題は“可愛いロザンナ”。
胸を締め付ける繊細な情感を湛えた
パフォーマンスを聴かせてくれるGとVoの
泣きっぷりはお見事の一言に尽きます。
この名曲の存在を持って、GALAXYの名は
私の胸にしかと刻まれましたよ。


GALNERYUS - Angel of Salvation ★★ (2012-11-07 22:45:20)

小野正利(Vo)加入以降も順調にアルバム・リリースを重ねて本作で早くも8枚目に到達。
テクニック的にも表現者としてもハイレベルな実力派が集まったバンドゆえ、今更アルバムの質がガクッと下がることは考え難く、今回も小野の唯一無二のハイトーンVoと、鮮烈な速弾きからクラシカル/泣きのフレージングまでエモーショナルにこなすSYUのGプレイを両翼に、そこへテクニカルなYUHKIのKeyも加えて、スピーディに、メロディアスに、ドラマティックに羽ばたくシンフォニックなHMサウンドの飛翔感には一点の曇りもありません。
前作収録の名曲“NO MORE TEARS”のような聴き手から涙を搾り取るバラードが見当たらない本編は、代わりに楽曲が一層壮麗且つシンフォニックに、メロディック・パワー・メタル風味の強化が図られている印象。劇的極まりないイントロだけで満腹感が味わえる①②、朗々としたサビメロがもろメロパワ・メタル風味の⑤、勇壮な曲調がアニメの主題歌っぽいなーと思ったら本当にアニメの主題歌だった⑥等、そうしたアレンジは概ねプラスに作用しているのですが、あまりにキラキラし過ぎていて、いい年したオッサンが聴くには少々気恥ずかしく感じられる部分も無きにしも非ず・・・。これはバンドの問題というよりも、こっちの趣味嗜好の問題なんですけどね。
個人的にはオーソドックスなHMテイストと、脇腹に差し込んでくるような泣きのGソロにグッと来る④、本編中最もメロディアスな仕上がりの⑦なんかの方が好みです。


GALNERYUS - Phoenix Rising ★★★ (2011-10-21 22:53:17)

前作『RESUTTRCTION』は非常に楽しませて頂いたアルバムだったのだが、一方でGALNERYUSと小野正利の組み合わせにイマイチ脈絡が感じられなかったため、「1枚限りで終わっちゃうんじゃねぇの?このタッグ」との疑念が拭いきれずにいたのですが、無事、こうして2作目(7th)をリリースしてくれて先ずは一安心。しかも内容の方も前作に劣らぬ高品質さとあっては、最早何も言う事はありません。
ハイテクニックを駆使して縦横無尽に駆け巡る楽器陣、そして屹立する小野のクリアなハイトーンによって生み出される、独特の高揚感と飛翔感を湛えたドラマティックなメロパワ・チューンの数々は相変わらずの素晴しさを誇るが(ハイライトは⑦かな)、今回、それ以上に心打たれたのは日本語詞で歌われる③や⑧といったJ-POP風味も感じられるタイプの楽曲。特に後者は小野のポップ・シンガーとしてのキャリアが存分に活かされた切なくも劇的な名バラード。泣きまくるSYUのGとヴァイオリンの調べ、そして余りに美しく哀しいサビメロには涙ちょちょ切れずにはいられませんて。
ちなみに本作にはカヴァー・ソングの数々を収めたボーナスCDも付属しているのだが、こちらもなかなの聴き応え。取り分けSILVER MOUNTAINの名曲“1789”を超強力にバージョンUPしてカヴァーしてくれたことが嬉しいったらないですね。


GALNERYUS - Phoenix Rising - Future Never Dies ★★★ (2011-10-21 23:06:36)

ガチガチにメタリックなハイテク全開のアグレッシブな曲調と
J-POP風味の爽快なポップ・フィーリングを湛えたメロディの
組み合わせがユニークな味わい。
この曲は日本語詞で正解ですね。


GALNERYUS - Phoenix Rising - No More Tears ★★★ (2011-10-21 22:59:40)

この1曲を聴くためだけにでもアルバムを買う価値はあった!
と、思わず聴きながら天を仰ぎ見てしまった絶品のバラード。
“YOU’RE MY ONLY”を数倍ドラマティックにしたような曲調で
日本語詞ゆえ小野の歌唱も一層ダイレクト且つエモーショナルに
迫ってきます。
Gとヴァイオリン、そして小野のVoが泣きまくる余りに切なくも
美しいサビメロに思わず絶句。沁みるわー。


GALNERYUS - Resurrection ★★ (2010-07-04 23:03:00)

何ゆえ小野正利がGALNERYUSに加入したのかは知る由もないが、FORTBRAGG以来、十数年振りに
本格派HMバンドの一員となった彼が自慢の喉を披露してくれるというならば、こりゃ聴かずにおらいでか!
と慌てて購入に走ったGALNERYUSの6thアルバム。で、結論から述べさせて貰うとこれが非常に素晴しかった。
このバンドの事は「ギター・ヒーローを擁するバタ臭い様式美系HMバンド」だとばかり思っていたのだが、
どっこい本作で聴くことが出来るのは、時にJ-POP的なポップ・センスも垣間見えるメロディック・メタル。
それでもクオリティは十分に高いうえに、この路線だからこそ、長らくポップ・シンガーとして
キャリアを積んできた小野の歌唱もズバリはまっている。声域/声量/表現力の豊かさはFORTBRAGG時代の比ではなく、
何より、澱みなく真っ直ぐに伸びていく彼のクリアなハイトーンVoは相変わらず絶品。
そんな小野の伸びやかなVoと、テクニカルで歌心に満ち溢れたG、そしてイェンス・ヨハンソンを彷彿とさせる
Keyといった、このバンド最大の武器が高いテンションを保ってドラマティックに疾走する②③⑩辺りの楽曲は、
現在のGALNERYUSの充実振りが否が応にも伝わってくる怒涛の名曲。これで本編に(↑上の方が仰られる通り)
“YOU'RE THE ONLY"級のバラードでも収録されてた日にゃ、号泣してたかもしれませんよ。いや、ホント。


GALNERYUS - VETELGYUS ★★★ (2016-01-07 23:04:32)

8th『ANGEL OF SALVATION』が、メロパワ色を強め大作方向に振った作風が必ずしもストライクゾーンど真ん中とは言い難かった為(好きだけどね)、何となく気乗りせずに購入をズルズル後回しにしてしまっていた'14年発表の9thアルバム。
6分越えの楽曲が半数を占め、収録時間も70分オーバーの超過ボリュームと知った時はゲップの一つも出そうになりましたが、ところがどっこい。GALNERYUS印の名曲①~②によって力強い疾走感と飛翔感を伴い幕を開ける本作は、テクニカルな演奏の応酬が演出する緊張感とカタルシス、ドラマティックな曲展開を際立たせるシンフォニックなアレンジ、そして「単に高い声が出る」とかいう次元を遥かブッちぎり、聴く者の心胆を奮い立たせてくれるような高揚感に満ちた小野正利の歌唱を基軸に畳み込む楽曲群のお陰で、本編の長大さに反し、退屈を覚える暇は皆無。気が付けば当初感じていた不安も綺麗に払拭されていましたよ。
中でも、天高く駆け巡るかの如き疾走曲⑥、仄かに西部劇テイストも薫る⑤、優美なポップ・センスが冴える⑨辺りは、前述した②にも匹敵する本編のハイライトではないでしょうか。
普段「ヘドバンで首の骨を折れ」とか「メタルの旗を掲げろ」的な歌詞を綴るバンドに嬉々として親しむ身には、一人称が「僕」で、語尾が「~の?」で終わる疑問系が多用されるセンシティブな歌詞に若干のムズ痒さを覚えたりもするのですが、枝葉末節っすな。
さぁ、早く10thアルバムも聴かんと。


GALNERYUS - VETELGYUS - ENDLESS STORY ★★★ (2016-01-09 00:32:01)

9thアルバムOPナンバーにしてハイライト。
聴いているだけで沸々と腹の底から力が湧き上がってくるような
高揚感に満ちた曲調を、小野正利の強力無比なハイトーンVoと
SYUの縦横無尽に駆け巡るGプレイが援護射撃するのですから
これで素晴らしい仕上がりにならないわけがない!と。


GALNERYUS - VETELGYUS - SECRET LOVE ★★★ (2016-01-09 00:37:34)

キャッチーなポップ・センスも垣間見える
GALNERYUSの曲作りのセンスの良さが発揮された
メロディアスなHRナンバーの名曲。
楽曲に優美な感触を加味してくれる
YUHKIの鍵盤プレイが秀逸。


GAME OVER (2014-06-16 23:43:38)

イタリアのフェラーラを拠点に、'08年に結成された新人スラッシュ・メタル・バンド。
'09年に4曲入りデモと、デビューEP『HEAVY DANCE』を制作。更に'12年に1stフル『FOR HUMANITY』を発表すると、アルバムをフォローするためイタリア中をツアー(小規模ながら国外も周った様子)。
そして'14年には、新たにSCARLET RECORDSと契約を交わしたバンドの2ndフル・アルバム『BURST INTO THE QUIET』のリリースが決まっている。


GAME OVER - Burst Into the Quiet ★★★ (2014-11-27 22:38:29)

デビュー作が好評をもって迎えられたマカロニ・スラッシャー5人組、'14年発表の2ndアルバム。
熱血シャウト型Voと荒っぽく炸裂する体育会系コーラス、好戦的Gリフを手数多く刻む一方で、正統派HM由来のユニゾン・プレイも目まぐるしくこなすツインG、それらを乗せてアクセルべた踏みで突っ走るリズム・・・と、オールドスクールここに極まれり!なスラッシュ・サウンドには今回も一点の曇りもなし。
加えて、音質の向上から、ラフさが薄れてよりタイト且つソリッドに鍛え上げられた楽曲まで、1stアルバムで出されていた宿題にきっちりと答えを出している点も素晴らしい。漫画家志望の中学生男子の習作みたいだったアートワークも格段のクオリティUPを遂げていますよ。
ぶっちゃけるとGリフのカッコ良さに関しては、前作の方に軍配が上がるかな・・・?とか思わなくもないのですが、それでも、後半に向けてズンドコ加速していくOPナンバー①、RIOTの名曲“THUNDERSTEEL”を思わすGリフと、俳優チャック・ノリス(!)について歌った歌詞が妙にハマる④、パワー・メタリックとも言える仕上がりの⑧といった楽曲を筆頭に、一層キャッチーさを増した本編の総合的な完成度は間違いなく本作の方が上。
次作あたりで日本デビューを飾ってくれることを期待します。


GAME OVER - Burst Into the Quiet - C.H.U.C.K. ★★ (2014-11-30 00:14:24)

ちょいとRIOTの名曲“THUNDERSTEEL”を思わす
俊敏なGリフからスタートするスラッシュ・ナンバー。
地獄のヒーローことチャック・ノリスについて歌っていて
「チャック・ノリス・ファクト」を思わす歌詞が楽しい。
ノリ良く好戦的な曲調もカッコイイ。


GAME OVER - Claiming Supremacy ★★★ (2018-02-05 23:37:17)

順調にアルバム・リリースを重ねる5人組マカロニ・スラッシャー、’17年発表の4th。前作『CRIMES AGAINST REALITY』の感想を書き込んだ際に「日本盤が出ない」ことを愚痴ったら、その願いが天に届いたわけでもないでしょうが、今回初の国内盤発売が実現。愚痴ってみるもんだなぁと。まんじゅう怖い。
内容については、レコード会社に国内盤発売を決意させただけあって、流石のクオリティ。イントロで十分に焦らしてからファスト&フューリアスな突進へとシフトする冒頭①②の流れだけで、スラッシュ愛好家の皆様が握り拳を振り上げる姿が目に浮かびましたよ(幻覚)。チャック・ノリスについて歌ってたようなバカスラッシュ感はすっかり影を潜め、徐々に明確になりつつあったシリアス且つテクニカルなアプローチは、本作でも継続。例えば⑤⑥を筆頭に、全編に亘って弾きまくるツインGを軸に、押しと引き/緩急を纏って目まぐるしく展開していく楽曲からは、プログレ・メタル的な風情も漂ってきたり。
そうした音楽性の幅の広がりに気を取られて足元が疎かになることもなく、全編を貫くのは飽くまでスラッシュ・メタル然とした突進力であり突破力。硬質なプロダクションを得て(エンジニアとしてTOXIC HOLOCAUSTのジョエル・グラインドを起用)、男臭い発声のVo、粗挽きリフと構築感に溢れたメロディを次々紡ぎ出す2本のG、ドカスカとラウドに打ち鳴らされるリズムが一丸となった本編前半のスタート・ダッシュ、並びに抒情インスト⑧を皮切りとする⑨⑩のラスト・スパートには思わず血が滾ります。
この力作での日本デビューを機に、更なる人気を獲得することを願って止みません。


GAME OVER - Claiming Supremacy - Show Me What You Got ★★★ (2018-02-06 00:05:30)

3分と、スカッとタイトにまとめられたランニング・タイムを
ドカスカとストレート且つ豪快に走り倒すスラッシュ・ナンバー。
印象的に閃くGソロと、実は結構メロディを追いかけている
Voの効果もあってかパワーメタリックな感触も無きにしも非ず。
…いや、でもこの喧しさはやっぱりスラッシュ・メタル的。


GAME OVER - Claiming Supremacy - Two Steps into the Shadows ★★★ (2018-02-06 00:10:33)

勇壮なイントロダクションを蹴破って
ドッカンドッカン騒々しく激走を開始。
アルバムに対する期待感を一気に最大限まで引き上げるという
OPナンバーとしての責務を十二分に果たしている逸品。


GAME OVER - Crimes Against Reality ★★★ (2016-08-17 23:17:10)

マカロニ・スラッシャーの三作目(’16年発表)。ぼちぼち国内盤リリースがあるかも?と期待していたのですが、全くその兆候が見られないので仕方なく輸入盤を購入。日本じゃ早くもNWOTMブームが沈静化してしまった現状を突きつけられるようで世知辛い限り…。
という不景気な話はさておき。劇的なインスト曲①を枕にスタートする②と、その勢いを更に加速させる③という痛快なスラッシュ・ソングの連打を挨拶代わりに、エネルギッシュなシャウトVo、切れとフックを兼ね備えたリフ・ワーク~構築度高めのソロ・パートまで威勢よくこなすツインG、突っ込み気味に駆け巡るリズム隊etc.と、国内盤の発売は実現せずとも、研ぎ澄まされたGAME OVER流スラッシュ・サウンドには一点の曇りもなし!と。
尤も「ANOTHER DOSE OF THRAH!」とか歌ってた頃に比べると、バカバカしいまでのハジケっぷりや、Gリフのカッコ良さのみで一転突破を目論むような図々しさが薄れて来ており、それよりもシリアスさを増したアートワークにしろ、「聴かせる」姿勢を鮮明にした楽曲にしろ、全体の「完成度」で勝負を仕掛けてくるようになりました。これを成長と取るか、丸くなったと取るかが評価の分かれ目でありますが、断言出来るのは「質が高い」ということ。特に抒情的に始まり、聴き進むに従って速度を上げていく③や、エジプト神話の題材に相応しいミスティックなGワークが映える⑧といった楽曲は、デビュー当時よりバンドの根っこにあった正統派HMからの影響を、改めて全開にした逸品ではないかと。
個人的には全然「有り!」な1枚ですね。


GAME OVER - For Humanity ★★★ (2014-06-16 23:46:54)

そのまんまなバンド名や、秒速スラッシュ・ソングも収録する構成等にはNUCLEAR ASSAULTの影がチラつきますが、実のところ音楽性自体にNUCLEAR ASSAULTっぽさは然程でもなく。
硬派に歌うVoにピロピロ縦横無尽に駆け巡るツイン・リードGを乗せて、聴き手を挑発するオラオラ係数高めのGリフと、直線的に突っ走る硬質なリズムとが、ルーツが正統派HMにあることを物語りながら押せ押せに畳み掛けるスラッシュ・サウンドは、初期EXODUSを筆頭に(メンバーがTシャツ着用の)初期ANTHRAX、FORBIDDENといった様々な先輩バンド群からの影響を屈託なく露わにした、実に新世代スラッシャーらしい仕上がり。スラッシュ愛とホラー映画愛を臆面もなく謳い上げた歌詞も、微笑ましいぐらいにそれっぽい。
Gが派手に弾きまくりながらも構築感を失わないイタリアンなメロディ・センス、全編がスピード・ナンバーの固め打ちでありながら、単調にはならない、個々の楽曲を立てる曲作りのアイデアの豊富さ。分けても切っ先鋭く抉り込んでくる⑧のカッコ良さは只事じゃありませんて。
キレに欠ける音作りと「ヘタウマ」とすら言い難いジャケット・アートワークが弱点と言えるかもしれませんが、それすらも次回作以降への成長に対する期待へと転化できる1枚です。


GAME OVER - For Humanity - Another Dose of Thrash ★★★ (2014-06-17 22:58:37)

「レッツゴー!」の掛け声と共に威勢良く
駆け出すスピード・メタリックなGリフ、
挑みかかるように荒っぽく歌うVo、
ピロピロ派手に疾走するGソロ・・・と
一発でハート鷲掴みなアルバム屈指の
かっこ良さを誇る名曲です。


GARY MOORE - Live at the Marquee ★★★ (2020-06-01 23:59:04)

悪名高いJET RECORDSとの契約解消を目的に’80年11月にマーキーでレコーディングされたライブ盤。危うくお蔵入りしかけましたが'83年に正式リリース。ただレーベル消滅に伴い権利関係が不明瞭になったためCD化には更に10年近い歳月を要しています。
録音時の顔触れはゲイリー・ムーア(G)、ケニー・ドリスコール(Vo)、アンディ・パイル(B)、ドン・エイリー(Key)、トミー・アルドリッヂ(Ds)という布陣。80年代の人気作発表以前ということで、セットリスト的には少々地味に映るかもしれませんが、それを補うようにメンバーがハッスルハッスル(死語)。とりわけ、RAINBOW時代とは印象の異なる攻撃的な演奏を繰り出すドン・エイリーと、長い手足を活かしてパワフルなドラミングで畳み掛けるトミー・アルドリッヂが、ゲイリーから主役の座を奪い取らんと刻み込む白熱の楽器バトルは本作の大きな聴きどころの一つ。
但し、そういった圧の強い面子に囲まれても存在感をびた一文霞まされたりはしないのが流石で(Voの影の薄さとは好対照)、ハード・ナンバーにおける弾きまくりは勿論のこと、Keyをフィーチュアしたポップな楽曲だろうが咽び泣くバラードだろうが、スタジオ盤を軽く凌駕するエネルギーを放射するそのGプレイは、まさしく「ギター・クレイジー」の称号に相応しい神がかり的オーラを放っています。泣きの逸品にして、羽生結弦が本ライブのインスト・バージョンを試合に用いたことで知名度爆上げの⑤や、GとDsのガチンコ・バトルが繰り広げられる⑧は、テンションの高まりが最高潮に達する本編のハイライト。
ゲイリーのライブ盤は色々と出ていますが、最も聴き返す頻度が高いのは本作ですよ。


GASKIN - End of the World ★★★ (2015-01-06 23:15:06)

ポール・ガスキン率いる英国はノース・リンカンシャー州スカンソープ出身のトリオが'81年に発表した1stアルバム。
NWOBHM史に名を残す名盤だけに、90年代に国内盤がCD化された際にゃ速攻買いに走りましたが、その時の感想は「・・・なんか思ってたのと違う」と。アクの薄いシンガーの歌唱や、プログレ方面からの影響を伺わせる整合性重視の楽曲構築術が、ザ・NWOBHM!ってな荒々しいサウンドを期待していた身には物足りなく感じられ、大して聴き込むことなく手放してまいました。で二束三文で買い叩かれた数年後に、本作がプレミア価格で取引されてるようになった時にゃ悔しさ倍増でしたね。
それはともかく。時を経た現在なら本作の魅力が良く判る。薄味なシンガーの歌唱は、だからこそ厚く重ねられたハーモニーに違和感なく溶け込み、その威力を倍化。チリチリした音色で刻まれるGリフから、手数多めのプレイで音の隙間を巧みに埋めるリズム隊まで、楽曲はしっかりとNWOBHMフィールドに根を下ろし、エッジも十二分に確保されています。特に、湿ったメロディに、淡く編まれたハーモニーと曲展開とがハード且つファンタジックに駆け抜けるA面サイドは、全曲が名曲と言っても過言じゃありませんよ。(劇的な⑩で締め括られるB面も負けてはいませんが)
当時マニアが、DREAM THEATERより一足お先に「プログレ・メタル」と評したというのも、大いに得心の行く1枚ではないかと。


GASKIN - End of the World - Burning Alive ★★★ (2015-01-10 18:51:46)

実にNWOBHMらしい疾走感溢れる曲調ですが
分厚いコーラスと薄曇りの哀愁を帯びたメロディが
醸し出すサビメロの透明感は、GASKINならでは。


GASKIN - End of the World - Despiser ★★★ (2015-01-10 19:09:52)

マサ伊藤、イチオシの名曲。
キメがビシバシ入る曲展開やアレンジは
プレグレ方面からの影響がほんのり。
やたらめったらにテンションの高い楽器陣に対し、
やる気があるんだかないんだか、
気だるげな熱唱を披露するVoとのギャップも面白い。


GASKIN - End of the World - Handful of Reasons ★★★ (2015-01-10 18:57:11)

アートワークの情景が目に浮かぶような
7分に及ぶ大作ナンバー。
VoとKeyのみの侘しく叙情的な前半から、
全楽器が加わってドラマティックに盛り上がる後半へと
移行していく曲展開は、元祖「プログレ・メタル」の
面目躍如といったところでしょうか。


GASKIN - Stand Or Fall ★★★ (2020-03-27 00:57:30)

NWOBHMの名物バンドGASKINが今年5月に来日するという。しかもDEMONと一緒に。何その嬉しい組み合わせ!と身を前に乗り出しつつも、それまでにコロナウィルス騒動は終息してくれのか?公演中止にならんといいなぁと、情緒不安定気味にテンションを乱高下させている今日この頃。何はともあれ来日に備えてGASKINが'00年に唐突に発表した3rdアルバムを引っ張り出してきました。
実態としては純然たる新作ではなく、GASKIN再始動に合わせて未発表曲を発掘したお蔵入り音源集らしいのですが、生憎と自分は当時輸入盤の方を購入してしまったため、本作収録曲がいつ頃書かれたものなのかは不明。しかし、どこか透明感を宿した哀愁のメロディといい、ヘタウマ…いやいや実に味わい深いポールのもっさりブリティッシュ・ボイスといい、ここに託されているのは紛うかたなきGASKINサウンド。1stにあったプログレ風味は抑え気味にしてシンプルに押して来るスタイルは、名盤1stと問題作2ndの中間ぐらいに位置していると言えなくもないような?
未発表曲集と聞くと、何やら「余り物の寄せ集め」的なネガティブなイメージが少なからずつきまといますが、RAINBOWの“SPOTLIGHT KIDS”風Gリフが繰り出される疾走ナンバー①や、洗練を感じさせる⑤、BLACK SABBATHの“HEAVEN AND HELL”にインスパイアされていそうな⑥、歌とGがグッとくる泣きを叩き込む⑧、憂いを帯びて本編を締め括るキャッチーな⑫等々、優れた楽曲が結集された本作は立派に「3rdアルバム」として通用するクオリティを有していますよ。来日に合わせて国内盤を再発してくれないものか。


GASKIN - Stand Or Fall - The Man is Back ★★★ (2020-03-29 02:20:36)

RAINBOWの“SPOTLIGHT KIDS”を倍速化したようなスピード・ナンバー。
アルバムの掴みに持ってこいのカッコ良さで、
歌だけでなくGソロでもポール・ガスキンが
健在ぶりをアピールしてくれています。


GASTANK - Dead Song ★★★ (2019-01-07 23:54:03)

国内のメタル/パンク・バンドはもとより、X、DEAD END、黒夢といったビジュアル系バンドにも影響を与えたことで知られるGASTUNKが'85年に発表した1stアルバム。
名をGASTANKと改めたメジャー・デビュー後は、急速に楽曲のメロディアス化を推し進めていくこととなる彼らですが、カオティックな序曲①にて立ち上がり破壊的な②へと繋ぐ本作において披露されているのは、ハードコア/パンク成分とHM成分が激しく拮抗するサウンド。であればこそ、シャウトと歌い上げを目まぐるしく使い分けるBAKIのVo、攻撃的にのたうち廻るBABYのB、切れ味鋭くメロディックに駆け巡るTATSUのGといった、各セクションの個性的なパフォーマンスが一層際立ちます。
轟然と唸りを上げるBがリード楽器の役割を担って突っ走る④や⑤といった直線的なアグレッションを撒き散らかす楽曲が存在感を放つ一方、バンドの活動テーマであり歌詞としても歌われている「HEARTFUL MELODY」も各曲を効果的に彩っていて、ハードコア調のリフ&リズムとヘヴィ・メタリックな歌メロの組み合わせがユニークな⑥、個性的なラインを刻むBの上で泣きのGソロが華麗に舞う様がIRON MAIDEN風ですらある⑧、そしてアルバムの最後を悲痛に締め括る名曲中の名曲、慟哭のヘヴィ・バラード⑨等は特に初期GASTUNKの個性が脈々と息衝く本編のハイライトではないかと。
昔は「METALLICAが認めたバンド」とか、絶賛の声が積み上がれば積み上がる程に敷居の高さを感じ構えてしまっていたのですが、実際に聴いてみればパワー/スラッシュ・メタル好きなら理屈抜きに楽しめる1枚だったという。


GASTANK - Dead Song - Dead Song ★★★ (2019-01-09 00:02:23)

HEARTFUL MELODY~♪
前曲までは散々コワモテなアグレッションを発散していた
Voや楽器陣が、一転してこの曲では激情むき出しで
エモーショナルに泣かせに掛かる。
そのギャップにやられてしまいましたね。


GASTANK - Dead Song - Fastest Dream ★★★ (2019-01-08 23:51:59)

唸りを上げる豪快な暴れっぷりが耳惹くBと
直線的に突っ走るDsというハードコア/パンキッシュなリズムの上に
憂いを帯びた(正統派ヘヴィ・メタリックともいえる)歌メロと
Gソロが乗っかるという取り合わせの妙が非常に美味。


GASTANK - Dead Song - The Eyes ★★★ (2019-01-08 23:57:18)

主張の強いアタッキーなB、
せかせかと前のめりで性急な疾走感、
歌メロは吐き捨てスタイルながらメロディアスで
Gソロは最高にドラマティック…
初めて聴いた時は「IRON MAIDEN?」と思いましたよ。
アルバムでも1、2を争う名曲ではないでしょうか。


GATES OF ISHTAR - At Dusk and Forever ★★ (2009-03-20 20:09:00)

数年前、引越しに伴う金欠とCDの収納スペース不足から、メロデス系の作品の大半を手放してしまったのだが、
SADISTの『ABOVE THE LIGHT』とかEBONY TEARSの『眠れぬ夜の物語』とか、大のお気に入りだったために
売っ払う事が出来ず手元に残した作品も幾つかあって、GATES OF ISHTARが'98年にリリースした、
ファンの間では彼らの最高傑作と評価の高いこの3rdアルバムも、そうした作品の1つだった。
DRUM GODこと、名手オスカー・カールソンの切れ味鋭いドラミングに牽引される形で、強力なフックを備えたGリフと
悲哀に満ちたメロディが、デス/スラッシュ・メタリックなアグレッションを撒き散らしながら激走する楽曲の数々は、
全9曲、荘厳且つドラマティックなインスト曲⑨を除くほぼ全編が、タイトなスピード・ナンバーで固められ、
上で別の方々が仰られている通り、確かにその作風はAT THE GATESの名盤『SLAUGHTER OF THE HOUSE』を彷彿とさせる仕上がり。
とにかく光っているのがオスカーの求心力溢れるドラミングで、ただ手数が多いだけでなく、頭よりも体に強烈に訴えかけてくる
(デス・メタルよりもスラッシュ・メタル寄りな)キャッチーなリズムの組み立ての上手さが堪らなく気持ち良い。
中でも本編前半のハイテンションな飛ばし具合、殊に鬼のようなバスドラの刻みっぷりが痛快極まりない④は、本作を代表する名曲でしょう。
安っぽいGの音色とか、バランスの悪い音作りがイマイチなれど、メロデス・ファンのみならず、
スラッシュ・メタル・ファンにも自信を持ってお薦めできる力作。


GATES OF ISHTAR - At Dusk and Forever - Battles to Come ★★★ (2009-03-20 20:16:15)

デス・メタルというよりも、スラッシュ・メタルっぽい名曲。
ドラムの音が前に出過ぎた、バランスの悪い音作りが玉に瑕な
本作だが、この曲においてはそれがプラスに作用。
オスカー・カールソンの鬼のようなバスドラの刻みっぷりが
とにかく圧巻としか!


GENERATION RADIO - Generation Radio ★★★ (2023-01-10 07:31:01)

FRONTIERS RECORDSが新たに送り出してきたスーパー・プロジェクト、GENERATION RADIOが'22年に発表した1stアルバム。
構成メンバーは、RASCAL FRATSのブレーンとしてカントリー・ミュージック・シーンを主戦場に活躍してきたジェイ・デマーカス(Vo、Key)、CHICAGOの2代目フロントマンとして知られるジェイソン・シェフ(Vo、B)、それに現JOURNEYの歌うドラマーことディーン・カストロノヴォ(Vo、Ds)といった面々。ベテラン揃いの布陣だけにハズレ作品にはならないという圧倒的安心感が心強い一方、ふわっと流れていくだけの毒にも薬にもならないAOR/産業ロック・アルバムだったらどうしようという一抹の不安も拭いきれずにいたのですが、流石にチャート上位にヒット曲をいくつも送り込んで来たジェイ・デマーカスが才能と人脈を活用して腕を振るっているだけあって、収録曲は甘酸っぱいハードポップ③、AORバラードのお手本のような仕上がりの④、JOURNEYを豊富とさせる⑥(だからかリードVoはディーンが担当)、メンバー全員が歌える強みを生かした⑦等々、いずれも心憎いばかりにフックの効いた逸品揃い。メロウな楽曲のみならず、疾走ナンバー⑤やヘヴィな⑧といったHRナンバーも要所に配置されていて、メリハリの演出に対する目配せもばっちりです。まぁ、ぶっちゃけそっち系の楽曲にはそれほど耳惹かれないのですが(おい)…。でも心意気は買える。
顔触れ的に次作があるかどうかは微妙なところではありますが、この完成度を聴いてしまうと、1枚きりで終わらせず継続プロジェクト化してくれることを願わずにはいられませんよ。


GENERATION RADIO - Generation Radio - All Night to Get There ★★★ (2023-01-11 23:46:26)

爽やかでキャッチー、そして切なくもあるという
絵にかいたような胸キュン・ナンバー。
書下ろしの新曲ではなく、RASCAL RLATS時代のヒット曲の
セルフ・カバーらしいので、聴き比べてみるのも一興かと。


GENERATION RADIO - Generation Radio - I Hope You Find It ★★★ (2023-01-11 23:50:46)

オリジナルはマイリー・サイラスが主演した映画『LAST SONG』の主題歌。
哀愁を帯びたメロディとストリングス・アレンジが胸を打つバラードで、
ここではジェイソン・シェフが流石の上手さで見事に歌いこなしています。


GENESIS - Trespass ★★★ (2021-08-10 00:48:33)

IRON MAIDENのスティーヴ・ハリスが影響を受けたバンドとして名前を挙げていたことが切っ掛けで、ボンクラ・メタラーたる我が身も興味を引かれたイギリスのプログレッシブ・ロック・バンドGENESIS。本作は彼らが所属レーベルを替えて出直しを図るべく’70年に発表した2ndアルバム(邦題は『侵入』)。
入口がIRON MAIDENだけに、『創世記』なるカッチョイイ邦題に惹かれて最初に手を出した1stは素朴なフォーク・ロック寄りの作風であまりピンと来なかったのですが、ピーター・ガブリエルの繊細な表現力が冴えるVoと、クラシカルな気品を楽曲に付与するKeyの活躍に彩られ、静と動のメリハリが効かされたドラマティックな曲展開等々、サウンドが各段にプログレッシブ・ロック然とした色合いを強めた本作は、弱火でコトコト沸騰させていくようなOPナンバー①で早くもハートを掴まれてしまいましたよ。
10分越えの大作ながら、Gが展開を先導して楽曲をかっちりとまとめ上げることで、プログレ物にありがちな弛緩した空気を漂わせない⑥なんかは、確かにIRON MAIDENに影響を与えたであろうドラマ性の高さを誇っていますし、軽快に疾走する曲調に乗って儚い泣きメロが迸る②なんて、GENESISの数ある名曲の中でも上位に食い込む逸品だと個人的には思っとります。
フィル・コリンズやスティーヴ・ハケットが加入して役者が揃い、ヒット街道を驀進していく次作『怪奇骨董音楽箱』以降の作品に比べると影は薄いものの、GENESISとして個性が形成され始めた重要作として無視は出来ない1枚ではないでしょうか。


GENESIS - Trespass - White Mountain ★★★ (2021-08-11 01:42:41)

侘し気なイントロを経て、物悲しいメロディを振りまきながら
駆け抜けていく抒情HRナンバー。静と動の起伏に富む曲展開と
ピーター・ガブリエルの繊細な歌声が楽曲のドラマ性を
より一層引き立ててくれています。あまり顧みられる機会のない
2ndアルバムにこれほどの名曲が隠れていようとは…。


GENOCIDE NIPPON - Black Sanctuary ★★ (2012-03-16 07:09:37)

福井県出身の5人組が、'88年に海外のレコード会社から発表した1stフル・アルバム。当時はシンプルに《GENOCIDE》名義のリリースで、BURRN!!誌なんかでは(国内バンドのページではなく)輸入盤レビューのページで取り上げらていて「お、なんかそれってカッコイイ」と思った本作。
オカルト臭が充満するサタニック・メタル・サウンドは、他の方々が仰られている通りSABBRABELLSなんかを想起させますが、個人的に初めて聴いた時に思い出したのは、爬虫類的なファルセットのハイトーンを操るシンガーの存在もあってMERCYFUL FATEとKING DIAMONDでした。あと初期聖飢魔Ⅱをもっとヘヴィ&シリアスにしたような感じもあるかな?
このキング・ダイアモンド風のVoは好き嫌いが分かれるところで、実際、それが理由で雑誌等では批判もされていましたが、70年代HR風バラードの大作④を聴けば明らかなようにシンガーとしての実力は確かな上、何より本作に収められているオドロオドロしさに満ちた歌詞とサウンドの語り部に、これほど相応しい歌唱スタイルはありませんて。
薄気味悪い声、日本人的な侘び寂びを感じさせる泣きメロを紡ぐG、重たいビートを叩き出すリズム隊とが一体となって唸り、ダーク且つドラマティックに盛り上がっていく①②④は本編屈指の名曲と言えましょうや。


GENOCIDE NIPPON - Black Sanctuary - A Bullet in the Wrong Heart ★★★ (2012-03-16 21:30:38)

個人的にはアルバムで最も愛聴している名曲。
重たく刻まれるGリフ、特徴的なファルセット・ボイスで
シアトリカルに歌うVo、そして日本人らしい木目細かい
構築感に満ちたドラマティックなGソロ・・・
長尺を全くそうと感じさせない曲展開の妙に痺れます。


GENOCIDE NIPPON - Black Sanctuary - Landscape of Life ★★★ (2012-03-17 06:15:31)

サタニックな雰囲気漂う本編にあって
『運命の翼』の頃のJUDAS PRIESTにも通じる
このダークなバラードの美しさは一層の輝きを放っています。
朗々歌い上げるVo、泣きの入った物悲しい旋律を
情感豊かに紡ぐG、どちらのパフォーマンスもお見事。


GERMAN ROCK PROJECT ★★ (2008-12-30 11:33:00)

ジャーマン・メタル・シーンのミュージシャン達がレーベルの垣根を越えて、
「HM/HRを暴力的なモノと決め付け、スポイルしていく傾向にあるTVメディアに抗議する」
目的で集結したプロジェクト。
'91年にシングル『LET LOVE CONQUER THE WORLD』を発表。参加バンドは、
AXEL RUDI PELL、CASANOVA、CHROMING ROSE、CORACKO、CROSSROADS、DARXON、
DOMAIN、DORO、EZ LIVIN'、GAMMA RAY、GREAT BIG KISSES、HEADHUNTER、HEAVENS GATE、HOLY MOSES、
JOAL、LETTER X、LOUD&DIE、ASTROS、MEKONG DELTA、OONA、PINK CREAM 69、PYRACANDA、RAGE、ROKO、
HELLOWEEN、SARGANT FURY、SHANGHAI GUTS、SUPERSTITION、THE DUNE、THUNDERHEAD、VELVET VIPER、
WEIRD KONG、ZAR、etc・・・と、端から挙げていくと書ききれないほど多数。
シングルには「RADIO EDIT」と「METAL VERSION」、「ACOUSTIC EDIT」の3バージョンが収録され、
うち「METAL VERSION」では、18人のギタリスト達のGソロの共演を聴くことができる。
ところで、調べてみてもイマイチはっきりとしない、本企画の発起人でもある
トム・C・ハーゲンって一体何者なんでしょうか?


GERMAN ROCK PROJECT - Let Love Conquer the World ★★ (2008-12-30 11:35:00)

30名以上に及ぶジャーマン・メタル・シーンのミュージシャン達が、「ヘヴィ・メタルは暴力的と決めつけ、
スポイルしていく傾向にあるTVメディアに対して抗議する」目的で集結した、ジャーマン・メタル版USA FOR AMERICA・・・
というかHEAR'N AIDなプロジェクト、GERMAN ROCK PROJECT。
本作は'91年に発表されたシングルで、トム・ハーゲンとグドラン・ラオスが作詞/作曲を手掛けたバラード
“LET LOVE CONQUER THE WORLD"のバージョン違い3曲を収録。このうち「METALバージョン」では、
14人のシンガーと共に、総勢18人のギタリスト達がリレー方式でGソロの熱演を繰り広げている。
かの名曲“STARS"と比べてしまうと、参加人数の割りにギタリストのキャラ立ちがイマイチとか(まぁ無理もない)、
大らかさが売りの和み系バラードゆえ、Gソロが10分以上も続くといい加減ダレるとか、色々と気になる点はあるものの、
一種、お祭り騒ぎのようなこの手の企画に、細かい突っ込みは野暮というものでしょう。豪華ミュージシャン達の共演を、
素直に楽しむのが吉かと。1つでも気になるバンドが参加しているのなら、とりあえずご一聴をお薦めさせて頂きます。
ちなみに、本作の売り上げの10%は「熱帯雨林保護基金」に寄付されたのだとか。


GERMAN ROCK PROJECT - Let Love Conquer the World - Let Love Conquer the World ★★ (2008-12-30 11:42:01)

正直な話、突出して出来の良いバラードというわけではないし、
この中になら、もっと良い曲が書ける人は幾らでもいたのでは?
と思わなくもないが、とは言え、やはりこれだけ豪華な面子
(ジャーマン・メタル・ファンにとって)が一堂に会して
リレーVoやGソロの共演を繰り広げてくれると、
それだけでテンションは上がるというもの。


GIANT - Last of the Runaways ★★★ (2011-05-08 18:21:54)

今やミュージシャンとしてよりもプロデューサー業の方で有名になった感のあるダン・ハフ(Vo、G)が、弟のデヴィッド・ハフ(Ds)らと共に結成したGIANTが'89年に発表し、スマッシュ・ヒット作ともなった1stアルバム。
洗練されたメロディを、透明感溢れる演奏に乗せて聴かせてくれるAOR/産業ロック寄りの音楽性を基本に、そこへ大陸のバンドらしい骨の太さと、ほんのりブルージーな味わいを加えて仕上げたメロディアスHRサウンドが本作の魅力で、個人的には「一聴でハート鷲掴み!」と言うよりも、何度も聴きこむ事によって丹念に組み立てられたメロディの魅力や、木目細かいアレンジの妙がじっくりと沁みてくるタイプのように思えるが、どっちだろうが質の高い作品である事に違いはない。
取り分け、ダン・ハフの歌心溢れるVoとGの実力は突出しており、バンドの代表曲たる哀愁に満ちたヒット・バラード⑤を筆頭に、ポップ&キャッチーな②(これまたスマッシュ・ヒット・ナンバー)、豊かなフィーリングを備えたGソロが絶品な⑧、マイルドな高揚感溢れるスロー・ナンバー⑩といった楽曲は、このバンドのそうした魅力をきっちりとフォローしたフック満載の名曲。
GIANTのアルバムはこれしか持っていないのだが、どうやら再結成アルバムもなかなかの出来栄えらしいので、機会があればチェックしてみよう。


GIANT - Promise Land ★★★ (2023-08-31 00:53:56)

「GIANT復活。10年ぶり3度目」と書くと何となく高校野球っぽい。3rd『Ⅲ』(’00年)発表後、長らくの不在が続いていたダンとデヴィッドのハフ兄弟率いるメロハーの名門GIANTが、'10年にFRONTIERS RECORDSから発表したカムバック作。通算4作目。
プロデューサー業で多忙なダン・ハフは残念ながらパーマネントなメンバーからは身を引いてしまいましたが、曲作りとGプレイで引き続きバンドに貢献。また新メンバーとして加わった、この時期様々なバンド/プロジェクトで歌っていた仕事人テリー・ブロック(Vo)と、元MDDIEVAL STEEL(!)で、現在はWINGERに在籍するジョン・ロス(G)が彼の抜けた穴を埋めて余りあるパフォーマンスを発揮してくれています。(余談ながらこの二人が組んだROTH/BROCK PROJECTの作品もメロディアスHRの好盤でお薦め)
これだけ才能ある面子が揃って、なおかつエリック・マーテンソン&ミカエル・ベンソンのECLIPSE組や、マーク・スピロといったFRONTIERS関連作品ではお馴染みのソングライター達が曲作りに協力してくれているのですから、クオリティの高さはお察しの通り。後半多少ダレてしまうのが勿体ないとはいえ、スペーシーなイントロからOPに相応しい高揚感を纏ってスタートする①、聴き手を励まし勇気づけるようなテリーの歌声が絶品の②、キャッチーに駆け抜けていく③という頭3連発の畳み掛け(並びに本編前半の楽曲の充実度)は、その弱点をしっかりとカバーしてくれるインパクトを有していますよ。
既に廃盤になって久しく、1stと2ndの再発が実現した今ではGIANTのカタログ中、最も入手が困難な作品になってしまっているのが惜しまれる1枚です。


GIANT - Shifting Time ★★★ (2022-10-05 23:14:57)

名バラード“I’LL SEE YOU IN MY DREAMS”をスマッシュ・ヒットさせ、2枚のアルバムを残して解散したメロディアスHRバンドGIANT。90年代以降は復活と休眠を繰り返していた彼らがFRONTIERS RECORDSの仕切りで3度目の帰還を果たして'22年にリリースした、通算では5枚目となるアルバムがこちら。
オリメンのデヴィッド・ハフ(G)とマイク・ブリグナーディ(B)は健在ながら、売れっ子プロデューサーとして多忙な日々を送るダン・ハフは今回も不参加で、その穴を埋めるのはFRONTIERS RECORDSの必殺仕事人アレッサンドロ・デル・ヴェッキオ。シンガーはテリー・ブロックに代わって同レーベル一押しの逸材ケント・ヒッリ(PERFECT PLAN)が担当しています。正直なところ、顔触れ的にもサウンド的にも「GIANTの新作」っつーよりは「良くプロデュースされたFRONTIERS RECORDS発のプロジェクト・アルバムを聴いている」ってな感覚に陥ることもしばしばな本作ですが、かと言って、じゃあそれはマイナス要素なのか?と問われれば、さに非ず。抜群のソングライティング・センスとエモーショナルな歌声に下支えされた本編は、高いヒット・ポテンシャルを感じさせるバラード⑥など、フックの効きまくった捨て曲の見当たらない充実度を誇っていて、中でも本編ラストに置かれた⑪は一際インパクトを放つ名曲。果たしてこれがGIANTらしい楽曲なのかどうかはよう分かりませんが、ともかく自分の中で’22年のベスト・チューン候補に燦然と輝くメロディのヨロシク哀愁ぶりにゃ悶絶せざるを得ませんでしたよ。
次回作はもう少し早いスパンでのリリースを、とお願いしたくなる充実作。


GIANT - Shifting Time - I Walk Alone ★★★ (2022-10-06 23:38:26)

アルバムのラストに置かれた、ケント・ヒッリの熱唱が
感動を際立たせる泣きの名バラード。
このメロディの哀愁っぷりはGIANTというより
完全にアレッサンドロ・デル・ヴェッキオの世界ですが
良い曲は良い曲。個人的には今年度のベスト・チューン候補ですよ。


GIANT - Time to Burn ★★★ (2019-02-28 22:48:25)

ダン・ハフ(Vo、G)と言えば、歌もギターもエモーショナル、曲作りに冴えを発揮し、現在はロック/カントリー分野で引く手数多のプロデューサーとして名を馳せる傑物。その彼が弟のデヴィッド・ハフ(B)、アラン・パスカ(Key)ら、名うてのセッション・ミュージシャン達と結成したGIANTが、1st『LAST OF THE RUNAWAY』のスマッシュ・ヒット後EPIC RECORDSへと移籍して、'92年に発表した2ndアルバムがこちら。
折からのグランジ・ブームに巻き込まれ、セールス的には不本意な結果に終わってしまったと聞く本作ですが、高度な演奏技術と卓越したアレンジ・センスをキャッチーで分かり易い楽曲作りのためにに惜しみなく注ぎ込んだ、ほんのりブルージーな香り漂うメロディック・ロック・サウンドは、傑作だった前作にだって引けを取らない充実っぷり。
90年代という時節柄、メロディの透明感やKeyの活躍の場といったAOR/産業ロック色はやや減退。一緒に歌いたくなるアリーナ・ロック然としたOPナンバー①、7分以上に及ぶ重厚且つドラマティックな②、あるいはホットなGプレイをフィーチュアした疾走ナンバー⑥等に代表される通り、今回はよりダイナミックにロックしているとの印象が強い作風です。ただそうした楽曲においても必ず耳を捉えるメロディやコーラス・ワークが仕込まれていて、大味感の蔓延を巧みに逃れているのがニクイ。PVも作られたキャッチネスと仄かな哀愁の同居が秀逸な名曲④、泣きまくる⑤と大らかな⑩という2種のバラードで本領が発揮される、ダンの歌とギターにも涙を誘われずにはいられませんて。
発表のタイミングがもう少し早ければ、ヒット・チャート上位にランクインしたって不思議ではなかった力作。


GIANT - Time to Burn - Chained ★★★ (2019-03-03 10:32:54)

ほんのりブルージーな薫りも漂わせつつ
7分以上に及ぶドラマティックな曲展開と
中間部で奏でられる神秘的なメロディや
弾きまくるダン・ハフのGプレイ等を聴いていると
GIANT版“STAGAZER”的な形容もチラリと脳裏をよぎります。


GIANT - Time to Burn - Lost in Paradise ★★★ (2019-03-03 10:48:44)

名曲“STAY”の後に、この名バラードが続いた時点で、
自分の中で『TIME TO BURN』の名盤評価が確定しましたね。
悲哀に満ちたメロディ、「エモーショナルとはこういうことだ!」
と言わんばかりに、歌とギターに魂込めるダン・ハフの
パフォーマンスに圧倒されてしまいます。


GIANT - Time to Burn - Stay ★★★ (2019-03-03 10:37:30)

抑え気味のヴァースから、パッと花開くようなキャッチーなコーラスへと
繋がる展開が非常に秀逸。曲調はポップで洗練されていますが
そこにダン・ハフの粘っこくエモーショナルなVoとGが乗っかることで
GIANTならではの魅力を放つ名曲が一丁上がり。
バンドがこれをリーダートラックに選んだ気持ちがよくわかります。


GILLAN - Double Trouble ★★ (2013-07-06 08:50:35)

メンバー・チェンジという事件があったものの、前作『FUTURE SHOCK』から僅か半年のインターバルで発表された4thアルバム。『DOUBLE TROUBLE』なるタイトルは、ライブ盤との2枚組という本作の変則仕様に引っ掛けてあるのでしょうか?
生粋のロックンローラー、バーニー・トーメから、「リッチー・ブラックモアのそっくりさん」改め「赤いリッチー」ことヤニック・ガーズにギタリストが交代。これに伴いサウンドの方も、奔放で刹那的な疾走感が大きく後退し、よりカッチリとまとめ上げられた、整合性重視のスタイルへと軌道修正が図られています。(ヤニックが曲作りに本格参戦するのは次作からですが)
どこか淡々と歌うギランのVoと、洗練すら感じさせる曲調が異色の“NIHTMARE”みたいな、従来のGILLAN節からすると浮いてる楽曲も散見され(悪い曲ではありませんが)、疾走ナンバー不在の本編と併せて「勢いが削がれ、小粒になってしまった」と物足りなさを覚える場面も無きにしも非ずな本作。
それでも、ポップな曲調にギランの青筋シャウトとコリン・タウンズの風変わりなKeyソロが絡む“MEN OF WAR”や、起伏に富んだドラマティックな曲展開が10分近くに亘って綴られる壮大な“BORN TO KILL”といった、思わず「おおっ」と身を乗り出す名曲も収録している辺りは流石。
所謂、過渡期の作品ってヤツですかね。


GILLAN - Double Trouble - Born to Kill ★★★ (2013-07-07 21:16:01)

ギランのVoとKeyによる叙情的な第一部
そこに全楽器が加わる第二部
GILLANらしく疾走する第三部
クライマックスへ向けて上り詰めていく第四部・・・と
10分近くに及ぶランニング・タイムの中で
起承転結がドラマティックに決まった
アルバムのハイライトを飾る名曲。


GILLAN - Double Trouble - Men of War ★★ (2013-07-07 21:09:57)

曲調は結構ポップ寄りなんですが
そこに青筋立ちまくりなギランのシャウトと
空気を読まないコリン・タウンズのKeyソロが
絡むことで、何やら摩訶不思議なインパクトを
残すことに成功しています。


GILLAN - Future Shock ★★★ (2013-07-03 21:33:44)

イアン・ギランに対しては、長らく「リッチーを煩わせる厄介者」という(相当に偏った)悪印象を抱えていたのですが、そのような彼に対する過小評価はGILLAN時代のアルバムを体験することによって、遥か彼方へと吹っ飛ばされることになりました。
全英チャート№1の座に輝いた本作(3rd)は、GILLANとNWOBHMを語る上で欠かすことのできない重要作(ジャケットからは想像し難いですけどね/笑)。前2作に比べると破天荒さが幾分薄まりを見せてはいるものの、ワイルドに唸りを上げるバーニー・トーメのG、フラッシーなKeyワークでサウンドを華麗に彩るコリン・タウンズ、スピーディ且つラウドに疾走するジョン・マッコイ&ミック・アンダーウッドのリズム隊・・・と、プレイもアピアランスも個性的な一癖も二癖もある連中を、バンドとして堂々まとめ上げるギランのカリスマ性は、一層研ぎ澄まされて絶好調。
楽器陣が火花を散らしてスリリングに疾走する“BITE THE BULLET”で余裕の喉を響かせたかと思えば、憂いを帯びたドラマティックな“IF I SING SOFTLY”は伸びやかに歌い上げ、更に“NO LAUGHING IN HEAVEN”では字余り気味の歌詞をハイテンションに速射する早口Voを披露・・・といった具合に、その歌声は第二の黄金時代を迎えてもうオーラ全開ですよ。
デビュー以降、ホップ→ステップ→ジャンプの要領で遂に英国HR/HMシーンの頂点に立ったGILLANでしたが、これを最後にトメさんが脱退。後任ギタリストとして現IRON MAIDENのヤニック・ガーズが加入し、バンドは新たな局面を迎えることになります。


GILLAN - Future Shock - Bite the Bullet ★★★ (2013-07-04 23:06:37)

GとKeyとリズム隊が汗と火花を散らしながら
絡み合い、ノリの良さと緊迫感を併せ持って疾走する
アルバムのハイライト・ナンバーの一つ。
バーニー・トーメの華のあるGプレイも聴き所で
この頃の彼は間違いなくギター・ヒーローの資格を
有していたように思います。


GILLAN - Future Shock - Future Shock ★★ (2013-07-04 22:46:45)

SFとはどう見ても無縁なGILLANが、
コリン・タウンズの煌びやかなKeyソロだけで
サイバーパンクを主張する上げ底仕様ですが(笑)
アルバムのOPを飾るに相応しい、高揚感溢れる
HRナンバーであることは間違いありません。


GILLAN - Future Shock - If I Sing Softly ★★★ (2013-07-04 23:13:43)

ブリティッシュHRならではの憂いと劇的さを
有するドラマティックなナンバー。
有名なロックンロール曲のカヴァー6曲目から、
ヘヴィ・メタリックな疾走チューン7曲目、
そして、この名曲へと繋がっていく展開も絶妙で、
GILLANというバンドの音楽的振幅の広さに
気持ち良く翻弄されてしまいます。


GILLAN - Future Shock - New Orleans ★★★ (2013-07-04 23:40:50)

誰でも一度は耳にしたことがあるであろう
ロックンロールのスタンダード・ナンバーのカヴァー。
ハマッてるのは当然ですが、メンバー全員が
楽しそうに演奏してるのが伝わってくるのがまた素晴しい。
個人的には、タウンズのゴキゲンなピアノ・ソロだけで
ご飯3杯はいけますよ。


GILLAN - Future Shock - No Laughing in Heaven ★★★ (2013-07-04 23:00:02)

香具師の口上を聞いているような
「立て板に水」状態で流暢にまくしたてる
速射Voに圧倒されまくり。
やっぱ凄いシンガーですよ、この人は。
歌というよりはラップに近いのですが
芝居っ気や茶目っ気たっぷりなのが
また独自の味わいを感じさせてくれます。


GILLAN - Glory Road ★★★ (2013-07-01 07:35:00)

全英チャート・トップ10に食い込むヒットとなった『Mr. UNIVERSE』の好評を受けて、'80年に矢継ぎ早に発表された2ndアルバム。
バーニー・トーメ(G)やジョン・マッコイ(B)らも積極的に曲作りに関与するようになった結果、「バンドらしさ」が強化。要所に配された疾走ナンバーや、先行シングル“SLEEPING ON THE JOB”といったイキの良い楽曲が、70年代HRスタイルに別れを告げ、騒々しくハジける本編の「80年代型HMテイスト」を盛り上げます。
ヨーロッパ的な暗さや重さよりも、イアン・ギランのカラッと陽性な歌声を活かした、ワイルドで豪快なノリの良さを前面に押し出す一方、重厚且つドラマティックな“ON THE ROCKS”、B主導でヘヴィに沈み込んでいくような“NERVOUS”もあったりと、この「何でもあり」な感覚がGILLANの魅力でしょうか。アドリブ全開のギランのVoと、コリン・タウンズによるジャジーなピアノをフィーチュアしたブルーズ“IF YOU BELIEVE ME”も最高にクール。
タイトル通り「栄光への道」をひた走るバンド内部で上昇気流となって渦を巻くエネルギーが見事に封じ込められた、全英チャート最高3位をマークする大ヒットを飛ばしたというのも納得の力作です。


GILLAN - Glory Road - Are You Sure? ★★ (2013-07-02 21:51:06)

ぶっちゃけ疾走曲のインパクトは前作程じゃなく、
それ以外のタイプの楽曲の方が光り輝いる『GLORY ROAD』。
この曲はギランの歌メロの良さが特筆モノで
後年はリッチーに「魅力的な歌メロが書けない」とか
ボロクソ言われてましたが、いやいや。
カッコイイ歌メロ作ってますよ。


GILLAN - Glory Road - If You Believe Me ★★★ (2013-07-02 22:08:11)

広く開いた音の隙間を、自由自在に埋めていく
ギランのVoがとにかく圧巻。高い声が出るとか、
音程が正確といったテクニックだけでは決して到達し得ない
ギランの「シンガー力」の高さに感服。
その彼と真っ向ぶつかり合う、コリン・タウンズの
鍵盤捌きにも勿論痺れまくりですよ。


GILLAN - Glory Road - Nervous ★★ (2013-07-02 22:17:36)

疾走曲のイメージが強いGILLANにあって
珍しくジョン・マッコイの重たげなBに導かれてスタート。
まるで、後にギランがBLACK SABBATHに
加入することを予期していたかのような
ヘヴィ・チューン・・・と言ったら言い過ぎですかね。


GILLAN - Glory Road - On the Rocks ★★★ (2013-07-02 21:55:41)

Keyが繰り返し奏でる荘厳なフレーズと、
一瞬のブレイクの後、テンポ・アップして
GとKeyがユニゾンするパートの劇的なカッコ良さは
「これぞブリティッシュHR」といった趣き。
文句なしでアルバムのハイライト・ナンバー。


GILLAN - Magic ★★ (2013-07-08 22:19:56)

表向きの理由は「ギランの喉に出来たポリープの治療のため」、実際は「DEEP PURPLE再結成に向けての布石」からGILLANのラスト作となってしまった'82年発表の5thアルバム。
ヤニック・ガーズ(G)が曲作りに本格参戦したこともあって、てっきりヘヴィ・メタリックな作風で攻めて来るものと思ったら、意外や、キャッチーに弾む“LONG GONE”や、哀愁漂う伸びやかなメロハー・チューン“LIVING A LIE”といったこれまでになくポップな楽曲を収録。基本的に本作は、前のめりな豪快さよりも整合性を重視していた前作『DOUBLE TROUBLE』のスタイルをそのまま受け継いでいました。
尤も、「とにかく時間がないのでちゃっちゃと作りました」的な粗さも目立った(トーメのペンによる楽曲も収録されていた)『DOUBLE~』に比べると、しっかりと煮詰められている印象で、何よりOPを飾る疾走ナンバー“WHAT'S THE MATTER”、“蒼き海原”なる邦題もカッコイイ重厚な“BLUESY BLUE SEA”を手始めに、本編に「勢い」が戻ってきている点もポイント。
英国HR然としたドラマティックな曲展開の上に、浮遊感を湛えたギランのVoが乗っかることで摩訶不思議な味わいを生んでいる“DEMON DRIVER”は、このアルバムならではの名曲と言えるのではないでしょうか。
まだまだ多様な可能性を感じさせてくれるアルバムだけに、これが最終作とは残念至極。


GILLAN - Magic - Demon Driver ★★★ (2013-07-09 22:31:51)

邦題は“悪魔の暴走”ですが、
疾走ナンバーではなく(疾走パートもありますが)、
8分近くに及ぶ長尺を、カラフルに、シアトリカルに、
ドラマティックに聴かせきる大作ナンバー。
変幻自在な歌声を披露する、ギランのシンガーとしての
技量も聴き所。


GILLAN - Magic - Living a Lie ★★ (2013-07-09 22:52:33)

アルバムのポップ・サイド寄りに位置する
哀愁に満ちたメロディアスHRチューン。
ギランは、力の入ったシャウトもいいですが
こうした楽曲で聴ける、肩の力を抜いた
伸びやかな歌声も非常に魅力的です。


GILLAN - Magic - Long Gone ★★★ (2013-07-09 22:45:27)

VAN HALENの“JUMP”の元ネタとも噂される
屈託なく明るく弾むキャッチーなナンバー。
確かにポップですが、個人的にはアルバムでも
1、2を争うぐらいお気に入りな名曲です。


GILLAN - Magic - What's the Matter ★★ (2013-07-09 22:38:36)

ギランのシャウト一発、
ソリッドなGリフと共に滑り出す疾走ナンバー。
トーメ時代のような前のめり感はありませんが、
より80年代らしいヘヴィ・メタリックな仕上がりです。