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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2301-2400

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2301-2400
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GREAT WHITE - Once Bitten ★★★ (2016-04-04 23:16:46)

GREAT WHITEの知名度を、一介のLAメタル・バンドから全国区へと一気に引き上げた出世作、’87年発表の3rdアルバム。
前2作に比べ、グッと表現力が深みを増したジャック・ラッセルのソウルフルな歌唱にしろ、バブルに浮かれることなく地に足を付けたGプレイを披露するマーク・ケンドールにしろ、如何にもLAメタルな的ザックリ感が薄れて、代わりに粘っこく絡みつくようなエモーションの迸り…所謂「ブルージー」なフィーリングを大幅増強。一般的にGREAT WHITEの名を聞いて想起する音楽性がここに確立されました。7分以上に及ぶ長尺を小粋且つ情感豊かに語り切る③はその好例で、スマッシュ・ヒットを飛ばしたのも納得の名曲ぶり。
それでいて必要以上に泥臭い方向に振れることはなく、都会的センスを活かし、サウンドをスマート&キャッチーにまとめてくれるのが本作の美点。実は「一介のLAメタル・バンド」時代の作品(前2作)ばかり愛聴している身には、洗練を感じさせる哀愁のメロハー⑥、メタリックな疾走ナンバー⑦、ドラマティックなバラード⑨といった楽曲が並ぶ本編後半の方が気に入り度が高かったりするのですが。
個人的にはGREAT WHITEのアルバムで心底楽しめるのは、この辺りのサウンド・バランスがぎりなんすけども、とまれ「彼らのカタログでまず真っ先に聴くべきは?」と問われたならば、やはり本作で決まりでしょうかね。


GREAT WHITE - Shot in the Dark ★★ (2015-07-21 22:39:59)

メジャー・レーベルからリストラされてしまったGREAT WHITE、逆転の一撃となった'86年発表の2ndフル・アルバム。
前作を聴いた時「LAメタルそのものな音」との感想を持ちましたが、どっこい、こっちも負けてなかった。というか、丸み帯びたプロダクション、暗さや疾走感が薄まった分、ミッドテンポを中心にキャッチーなノリ易さの増量された楽曲、そしてKeyを適宜取り入れた洗練を感じさせるアレンジと、本作の方がLAメタルの最終形態にぐっと近付いた印象さえ有り。
レコードで言うところのA面とB面のカラーの違いもユニークで、明るくハジける楽曲が集中するA面が、カラッとした陽光照りつける「昼」の雰囲気漂わすのに対し、雷鳴と共にスタートし、ヒンヤリとした冷気を運んでくるKeyを有用した楽曲が並ぶB面は、さながらネオン瞬く大都会の「夜」といった趣き。アルバム1枚でLAの昼と夜が追体験できてしまう、非常に贅沢な(?)構成が素敵です。
お気に入り具合で言えば、そりゃ後者に軍配が上がることは表明するまでもなく。特に、ムーディだけどまだ土の匂いはしないドラマティックな⑥⑧、クールな哀メロを伴う歯切れ良く軽快なHRナンバー⑦は、初期GREAT WHITEならではの名曲。既に才能の片鱗をチラ見させるジャック・ラッセルのVoは勿論のこと、マーク・ケンドールの表現力と構築美を併せ持ったGソロも聴きモノですよ。
↑上で別の方が指摘されている通り、LAメタルからブルーズ・ロックへと至る過渡期の産物であり、これがGREAT WHITEの最高傑作だとは思いませんが、でも前作と共に彼らのカタログの中では手が伸びる回数が多めな1枚だったり。


GREGG ROLIE - Gregg Rolie ★★★ (2023-11-13 23:50:34)

SANTANA時代からニール・ショーンと行動を共にし、初期JOURNEYを支えたVo兼Key奏者のグレッグ・ローリー(最近またJOURNEYに復帰したんでしたっけ?)が、そのJOURNEY脱退後の'85年に発表した1stソロ・アルバム。輸入盤しか存在していないと思っていたら、いつの間にか国内盤の初CD化が実現していた――しかもたった1,000円(税抜)というお手頃なお値段で――ことには吃驚でしたよ。
プロデューサーにケヴィン・ビーミッシュ、盟友のニールやカルロス・サンタナ、バックVoにCHICAGOのジェイソン・シェフやスタン・ブッシュといった面々をゲストに招いて制作された本作で披露されているのは、同時期のJOURNEYを更にAOR方向に推し進めたようなソフティケイトされたサウンド。冒頭3曲がいきなり他人の楽曲のカヴァーという構成や、グレッグは曲によってKeyを弾かず歌のみに専念していたりと、ソロ・アーティストとして本作に賭ける意気込みのほどが伝わってくる仕上がりとなっています。
なのでHR/HM作品を期待するとスカされることになりますが、グレッグのハスキーな歌声と哀愁のメロディが映える収録曲はいずれも高いクオリティを提示。OPナンバーに相応しいポップな高揚感を湛えた①(Gはダン・ハフ)や、HRテイスト強めのキャッチーな⑥、サンタナの情熱的なGソロが辛抱堪らん⑧、ピアノのイントロとよく歌うGからしてJOURNEYっぽい⑩辺りは、メロディ愛好家なら無視出来ない逸品ではないでしょうか。
折角国内盤リリースが実現したので(期間限定再発らしいですよ)、この機会に一人でも多くのリスナーに触れて頂けることを願って止まない名盤です。


GREGG ROLIE - Gregg Rolie - Marianne ★★★ (2023-11-15 00:33:58)

思わず体が動く躍動感溢れる曲調に、美しくキャッチーなコーラスがマッチした
ハードポップの名曲。後半で情熱的に炸裂するGソロが、まさに
カルロス・サンタナここにあり!といった趣きでグッときますね。


GRIEF OF WAR ★★ (2009-10-08 22:34:00)

'02年に結成。当初はメロディック・デス・メタル/デスラッシュ・サウンドを目指していたらしいが、
井上裕幸(G)、大浦健吾(B)、田中弘行(Ds)という面子に、広瀬学(Vo、G)が加わった事で
スラッシュ・メタル・バンドへと軌道修正。'04年にYGGRDRASILL RECORDSと契約を交わし、
1stフル『A MOUNTING CRISIS・・・AS THEIR FURY GOT REEASED』を発表。
レコーディング中にDsが脱退するというトラブルに見舞われるも、MNEMICの日本公演のオープニング・アクトを
務める等して知名度を高め、'09年には米インディーズのPROSTHETIC RECORDSから2nd『WORSHIP』を発表している。
(尚、この作品でドラムを叩いているのは、前作を最後に脱退した田中弘行と、BALFLAREの松崎功)


GRIEF OF WAR - A Mounting Crisis... As Their Fury Got Released ★★ (2009-10-08 22:37:00)

数年前、帯に踊る「サムライ・クランチ」なる惹句に釣られて予備知識なしに購入した和製スラッシャーの1stアルバム。
FAST KILLやCODE RED等、最近話題になる日本のスラッシュ・メタル・バンドが、どちらかと言えば
プリミティブなスタイルのスラッシュ・メタルを実践している(世界的な傾向か)のに比べ、このバンドは
男臭い濁声ながらメロディアスにも歌えるVoといい、ヘヴィネスの効いたリズム・セクションを活かした
スロー・チューン③⑩を収録していたりと、どこかTESTAMENTやLAAZ ROCKITといったバンドを彷彿とさせる
ベイエリア・スラッシュ寄りの重厚感溢れるサウンドがその持ち味。取り分け、ササクレ立ったGリフの
機関銃の如き刻みっぷりは痛快極まりなく、看板の(ベイエリア・クランチならぬ)「サムライ・クランチ」が
名前倒れに終わっていない点が頼もしい。特に、不穏なSEに続いてザックザクのGリフが猛然と疾走を開始する①や、
しっかりと構築されたメロディを紡ぎ出すリードGの良い仕事っぷりが光る②、本編屈指のアグレッションを誇る
⑨といった楽曲は、このバンドならではの魅力が織り込まれたアルバムを代表する名曲/佳曲じゃないかと。
個人的に好みの音楽性という事もあり、FAST KILLやCODE REDのデビュー作よりも愛聴している1枚だったり。


GRIEF OF WAR - A Mounting Crisis... As Their Fury Got Released - Blood Lust ★★ (2009-10-12 00:35:47)

“HATRED BURNS"と並んで、1stアルバムの中では
1、2を争うアグレッションを撒き散らしながら疾走する
高速スラッシュ・ソング。


GRIEF OF WAR - A Mounting Crisis... As Their Fury Got Released - Hatred Burns ★★ (2009-10-12 00:16:27)

平穏な日常が突如銃撃戦でブチ破られるSEから幕を開ける
激烈な高速スラッシュ・ナンバー。
ザクザクとクランチの効いたGリフがマシンガンの如く
刻まれるイントロのカッコ良さだけでご飯3杯はイケそうな勢い。
野太い濁声Voが歌う勇ましいメロディも○。


GRIEF OF WAR - A Mounting Crisis... As Their Fury Got Released - Rat Race ★★ (2009-10-12 00:20:51)

歌入り前のイントロのひと展開、
雄々しくパワフルな走りっぷり、そして劇的なGソロと、
このバンドの魅力を判り易く伝える1曲。


GRIEF OF WAR - Act of Treason ★★★ (2016-12-19 08:19:56)

長いこと音沙汰がなく、てっきり解散したものとばかり思っていた東京のGRIEF OF WARが7年ぶりに発表した3rdアルバム。「地道に活動を継続していたんだなぁ…」と感慨に耽りつつ雑誌のインタビューをチェックしたら、やっぱり一度は解散状態にまで陥っていた模様で、そりゃそうかと。ともあれ、こうして新作を発表してくれて良かった良かった。
長期間のブランクをアジャストするかの如く、Voの唱法が嘗てのマイケル・クーンズ(LAAZ ROCKIT)辺りに通じる男臭い発声から、エクストリーム・メタル仕様の咆哮型へとチェンジ。またクランチーなリフ&リズムよりも、テクニカルに弾きまくる2本のシュレッドGがサウンド全体の牽引役を担う等、変化の跡も確実に散見される本作ですが、そうした装飾を取っ払ってしまえば、鋭角的なGリフ、切迫感を伴うリズム、疾走感に貫かれた収録楽曲群(それに乾いた音作り)と、バンドの核たる「スラッシュ・メタル」スタイルにブレはありません。1st収録の名曲“BLOOD LUST”のリメイク⑩が違和感なく本編に馴染んでいることもその証左。ついでにガスマスクが描かれたジャケット・デザインや、あと読み難い歌詞カード(笑)も相変わらずで心強い限りですよ。
本作最大の聴きどころなのが、前2作以上に全面的にフィーチュアされ、テクニカルに狂い咲くツインG。バンドが自信作として挙げるアルバム表題曲④を前半のクライマックスに据え、2本のGが劇的且つメロディックに、縦横無尽に激走する様は時にSHRAPNELメタルを彷彿とさせるものがあったりなかったり。
これからの順調な活動に期待せずにはいられない1枚であります。


GRIEF OF WAR - Worship ★★ (2009-10-09 06:57:00)

米インディーズのPROSTHETIC RECORDSからリリースされた2ndアルバム。BURRN11月号の輸入盤レビューで
取り上げられて(好意的な評価を受けて)いたが、と言う事は今回は国内盤は出ないのだろうか・・・?
言われなければ日本出身とは気付かない、EXODUSやLAAZ ROCKIT、TESTAMENTといったベイエリアのバンド群を彷彿とさせる、
パワフルでスピーディなスラッシュ・サウンドは1stから不変なれど、そういった先達からの影響がしっかりと咀嚼吸収された
本作は、サウンド・プロダクションが洗練され、音質が向上した分(マスタリングはテッド・ジャンセン)、演奏のタイトさ、
楽曲の切れ味/疾走感/重厚感、いずれの要素も大幅パワーUP。一方で、より叙情的な旋律を奏でるテクニカルなGソロも
これまで以上に良く練り込まれており、楽曲のドラマ性底上げに大きく貢献(⑨にはKORNのシェーン・ギブソンが客演)。
①④を筆頭に、1stでは余り聴かれなかったドラマティックなハーモニー・プレイを随所でキメてくれるツインGの
活躍っぷりは本作の聴き所の一つだし、無論、ガリガリとササクレ立ったGリフの鬼の様な刻みっぷりも健在だ。
実力は十分ながら、英詞を一語一語区切るように歌うVoの歌唱スタイルが、せっかくの疾走感をややスポイルしている
ような気がしなくもないが、と言っても弱点という程のものではないし、何より怒涛の突進力とドラマティックな
インスト・パートが融合を果たした①③⑤⑩といった強力な楽曲の前には文句を言う気も失せるというもの。
オールドスクールなスラッシュ・メタルに拘りつつも、現代的なモダンさもちゃんと兼ね備えたバタ臭い作風ゆえ、
舶来志向のスラッシャーにもお薦めできる1枚。


GRIEF OF WAR - Worship - Crack of Doom ★★★ (2009-10-12 21:46:46)

刻みの細かいGリフ、男臭い濁声Vo、パワフルに疾走するリズム、
印象的なハーモニー・プレイを聴かせてくれるツインGと、
GRIEF OF WARというバンドの魅力全部入り状態の名曲。


GRIEF OF WAR - Worship - Lost ★★ (2009-10-12 21:50:04)

劇的な導入部でグッと聴き手を引き込み、
切迫感を纏って疾走する2ndアルバムのラスト・ナンバー。
流麗なGソロがやはり印象に残ります。


GRIEF OF WAR - Worship - Revolt ★★ (2009-10-12 21:48:19)

直球勝負の高速スラッシュ・ナンバー。
それでいて、Gソロがきっちりと練り込まれている辺りが
このバンドの良い所。


GRIM REAPER (2016-09-04 22:47:40)

ニック・ボウコット(G)が未参加のようなので、正直、期待値は微妙なんですよね。
このバンドに限らず、スティーヴ・グリメットにはもっと「良い曲」を書ける人と組んで活動して欲しいのですが。


GRIM REAPER - Fear No Evil ★★ (2009-01-11 19:29:00)

NWOBHMを代表する名盤『SEE YOU IN HELL』と、GRIM REAPERの最高傑作として名高い
3rd『ROCK YOU TO HELL』の間に挟まれて、イマイチ影の薄い'85年発表の2ndアルバム。
最近、リマスター再発されたのを期に初めて購入したのだけれど、パワーと湿り気を備えた作風は、
「これぞブリティッシュHM!」といった魅力に満ち溢れ、上記2作と比べても決して聴き劣りするレベルの作品ではない。
叙情バラードやドラマティカルなナンバーを排し、力押しに終始する本編の流れはやや単調だし、
たった9日間でレコーディングされたというサウンド・プロダクションも(相変わらず)貧相だが、
ヴァイキング風のPVも作られたアルバム表題曲①、フックの効いた歌メロが強力な②、勇壮な⑧といった楽曲を筆頭に、
シャープに疾走するリフ&リズムの上に、心の内なるメタル魂にポッと火を点される、スティーヴ・グリメットの
雄々しく伸びやかな歌唱が乗っかった楽曲の数々は、前作のスマッシュ・ヒットで波に乗るバンドの勢いが
如実に反映された仕上がりで、問答無用のカッコ良さを誇る。
『SEE YOU~』や『ROCK YOU~』が気に入った人なら、当然のように本作もマスト・バイ。


GRIM REAPER - Fear No Evil - Fear No Evil ★★ (2009-01-11 19:34:17)

カッコ悪くてカッコいいヴァイキング風のPVも印象に残る、
アルバム表題曲にしてOPナンバー。
シャープなGリフに、疾走するリズム、勇壮な曲調、
そしてスティーヴの雄々しい歌唱・・・と、
GRIM REAPERというバンドの判り易く詰まった名曲。


GRIM REAPER - Fear No Evil - Never Coming Back ★★★ (2009-01-11 19:36:02)

楽曲自体のカッコ良さも然る事ながら、
そのカッコ良さを数倍引き上げているのが
スティーヴ・グリメットの歌う、強烈なフックを備えた歌メロ。
特にサビの展開にはグッと引き込まれますね。


GRIM REAPER - Rock You to Hell ★★ (2008-11-05 22:31:00)

「ルックスはイマサンだが歌唱力はハイレベル」との(失礼な?)評価を得る、HR/HMシーンでも指折りの実力派Vo
スティーヴ・グリメットを擁し、80年代にはアメリカでも高い人気を博した事で知られる、英国はウースター州出身の
HMバンドGRIM REAPER、'87年発表のラスト作にして、彼らの最高傑作とファンの間でも評価の高い3rdアルバム。
メジャー・レーベルへの移籍を果たし、プロデューサーに名手マックス・ノーマンを迎え初めてプロフェッショナルな
環境でレコーディングされた本作は、サウンド・プロダクションの格段の向上、Gリフ主導のNWOBHMスタイルの
曲作りからの脱却、張り/艶/伸びの三拍子揃ったスティーヴの強力なVoを中心に据え、インスト・パートをコンパクトに
まとめ、よりキャッチーな味わいが強調された楽曲etc・・・と、従来のマイナー臭さが一掃され、
メジャー感溢れる本格派のHMアルバムに仕上がっている。
それでいて、楽曲のパワーやメロディの哀感に鈍りが全く見られないのが、このアルバムの素晴しいところで、
特に、シャープなGリフと、如何にもブリティッシュな湿り気を帯びたメロディが駆け抜けていく①④⑥⑧は、
GRIM REAPER屈指の名曲でしょう。(コブシの効いた歌メロが強力なフックとなる②⑦も大変素晴しいナンバー)
全9曲、捨て曲なし。80年代の英国HMシーンを代表する名盤の1つかと。
ちなみに、バンドは近頃再結成を果たし、欧州圏を中心にフィスティバル出演を重ねているようだが、もし新作を作るつもりなら、
是非ともメイン・ソングライターのニック・ボウコット(再結成には不参加)の助力を仰いで欲しいところ。


GRIM REAPER - Rock You to Hell - Night of the Vampire ★★ (2008-11-05 22:44:44)

単純にかっこいいアップテンポのHMチューンだが、
本曲の肝は、強力なフックを備えた歌メロ。
そのコブシの効きっぷりには、(別の方も仰っておられたが)
どこかジャパメタっぽい雰囲気が漂う。
Gソロも○。


GRIM REAPER - Rock You to Hell - Rock Me 'till I Die ★★ (2008-11-05 22:54:10)

3rdアルバム収録曲は、“ROCK YOU TO HELL"とか
“WHEN HEAVEN COMES DOWN"とか、リズム・パターンの乏しさゆえ、
どの曲も非常に似通った印象を受けてしまうのだが、
でもどの曲も無茶苦茶カッコイイんだから仕方ない。
リフのカッコ良さも然る事ながら、この曲の白眉は
やはりスティーヴ・グリメットの張り/艶/伸びの三拍子揃った
強力極まりない歌声でしょうか。


GRIM REAPER - Rock You to Hell - Rock You to Hell ★★★ (2008-11-05 22:39:34)

凡百のメタル・シンガーとの「格」の違いを見せ(聴かせ)つける
スティーヴ・グリメットの強力なシャウトで幕を開ける
3rdアルバムのタイトル・トラックにしてOPナンバー。
シャープなGリフ、英国然とした湿り気を帯びたメロディが
駆け抜けていく、GRIM REAPERというバンドの魅力を
判り易く示した名曲。


GRIM REAPER - Rock You to Hell - Waysted Love ★★★ (2008-11-05 22:56:27)

バラードではないが、3rdアルバム収録曲の中では最も強く
叙情性が滲む、“ROCK YOU TO HELL"と双璧を為す
3rdアルバムのハイライト・ナンバー。
強烈な憂いを発散するサビメロは、
何度聴いても悶絶モノの素晴しさを誇っている。


GRIM REAPER - Rock You to Hell - When Heaven Comes Down ★★★ (2008-11-05 22:49:34)

ヘヴィ・メタルならではのアグレッションと
キャッチーさを兼ね備えた、GRIM REAPERならではの魅力に
満ち溢れた名曲。
煽情度の高いメロディを紡ぎ出すGソロも良い仕事をしています。


GRIM REAPER - See You in Hell ★★ (2008-11-09 17:05:00)

NWOBHMシーン屈指の実力派シンガー、スティーヴ・グリメットを擁し、イギリスはウースター州ドロイトウィッチから
登場した4人組HMバンドGRIM REAPERが、僅か4日間の突貫レコーディング作業の後、'83年にリリースした1stアルバムがこれ。
個人的に、GRIM REAPERの最高傑作と言えば3rd『ROCK YOU TO HELL』で決まりなのだが、デビュー作ならではの
荒々しさに満ち、未洗練ではあるものの、GRIM REAPERの作品の中では最もNWOBHM然としたアグレッシブな作風に
仕上がっている本作も、こと楽曲の完成度の高さにおいては、決して3rdアルバムに引けを取るものではない。
(つか、マニアの間では本作を彼らの最高傑作に押す人も多いと聞く)
劣悪なサウンド・プロダクションを持ってしても、シャープで疾走感に溢れた楽曲のカッコ良さには一点の曇りもなく、
特に、伸びやか&パワフルな歌唱で、楽曲を華麗に彩るスティーヴ・グリメットのVoの素晴しさは、まさに白眉。
取り分け、勇壮且つキャッチーなアルバム表題曲①、7分半に及ぶドラマティカルな大作バラード⑦における
彼の歌唱は、NWOBHMの凡百ヘタウマ・シンガー達を粉々に吹き飛ばす、威厳と貫禄に満ち溢れていて感動的。
全米で20万枚以上のセールスを上げ、ビルボード・チャート73位に食い込むという、英インディーズ出身HMバンドとしては
異例の大成功を収めたというのも大いに納得の行く、見事なクオリティを備えた1枚。


GRIM REAPER - See You in Hell - See You in Hell ★★★ (2008-11-09 17:10:02)

カッコ悪くてカッコイイPVも印象的な、
1stアルバムのOPナンバーにしてアルバム・タイトル・トラック。
如何にもブリティッシュな湿り気を帯びて、
勇壮且つキャッチーに疾走する曲調、
そして堂々たる歌唱を披露するスティーヴ・グリメットのVoが
カッコイイったらありゃしない。
終盤で炸裂するスティーヴのシャウトは圧巻。


GRIM REAPER - See You in Hell - The Show Must Go On ★★★ (2008-11-09 17:14:00)

1stアルバム後半のクライマックスを飾る、
7分以上に及ぶ大作パワー・バラード。
エモーショナルな歌唱で憂いに満ちたメロディを歌い上げる
スティーヴ・グリメットのVo、そしてしみじみとした泣きメロを
紡ぎ出す、ニック・ボウコットのGプレイが聴きモノ。


GRIM REAPER - Walking In The Shadows ★★★ (2020-06-08 00:09:49)

'17年の南米ツアー中重度の完成症に罹患し、右足切断という悲劇に見舞われたスティーヴ・グリメット(Vo)。現在はそれを乗り越えて復帰を果たし精力的に活動を継続している彼が、自らの名を一躍HR/HMシーンに知らしめる切っ掛けとなったバンド、GRIM REAPERを復活させ、'16年に発表した再結成第1弾アルバム(通算4作目)がこちら。
つっても嘗ての中心メンバー、ニック・ボウコットはミュージシャン稼業から足を洗ってしまい不参加。肝心のスティーヴに関しては、LIONSHEARTの2ndからこっち「ちゃんと曲を書ける人材を登用してくれ」と常々感じていたので、無名のメンバーと組んで果たしてどれほどの作品を作れるものか?と、正直事前の期待値はあまり高くなかったという。
しかしコレが聴いて吃驚。本作で披露されているのは、エッジの切り立ったGリフ&軽快に疾走するリズムといい、その上に乗る憂いを帯びて勇壮、それでいてキャッチー(←重要)なメロディといい、紛うかたなき在りし日のGRIM REAPERそのものなサウンド。ソリッドに突き進むアルバム表題曲②や、思わず拳を突き上げたくなる⑥、雄々しくメロディアスな⑩等、秀逸な楽曲をパワフルに歌い上げるスティーヴのVoも経年劣化を殆ど感じさせない全盛期の張りと伸びをキープ。多少地味な楽曲も彼が歌うことで3割増しで輝いて聴こえる神通力も衰えていません。
“SEE YOU IN HELL”や“ROCK YOU TO HELL”級のキメ曲は見当たらないので、一聴地味に感じられるかもしれませんが、繰り返し聴き込むことで徐々に魅力が浸透して来る燻し銀な1枚。そういう意味では2nd『FEAR NO EVIL』に近い仕上がりと言えるかも。


GRIM REAPER - Walking In The Shadows - Walking In The Shadows ★★★ (2020-06-09 00:43:16)

適度にアグレッシブで適度にノリ易く、適度にキャッチー。
スティーヴ・グリメットのVoはメロディアスで雄々しく、
ツインGが奏でる旋律はブリティッシュHM然としたドラマ性を帯びていて…と
「GRIM REAPERだなぁ」としみじみ聞き入る1曲。
バンドがこれでPVを作った気持ちが分かります。


GRIMMSTINE - Grimmstine ★★★ (2022-10-13 00:34:02)

スティーヴ・グリメットが急死してしまったのは今年8月のこと。折しも彼が過去に関わったバンドのカタログが一斉にリマスター再発され、コツコツと買い直していたタイミングだったので驚きもひとしおでしたよ。そんなわけで(?)今回紹介させて頂きたいのが、彼が一時期アメリカに住んでいた頃に縁を結んだスティーヴ・スタインなるギタリストと結成したバンド、GRIMSTAINが'09年に残した唯一のアルバムであるこちら。
グリメット+スタインだからグリムスタイン…あんまし購買意欲をそそられるバンド名じゃありませんが、今時のギタリストらしい切れ味鋭いシュレッド・ギターと、オールドスクールなハイトーンVoを組み合わせた正統派HMサウンドのカッコ良さはなかなかのもの。モダンな味付けが目立つ序盤こそ「悪くはない」ぐらいの感想ですが、アグレッシブな疾走ナンバー⑤を境に空気が一変。以降は7分越えのヘヴィ・バラード⑥、印象的なGリフを伴って突っ走る⑦⑫、重厚にしてドラマティックな⑧、暗から明へのメロディ展開が絶妙な⑨、ピアノによるイントロだけで掴みはOKとなる⑩、爽やかで抜けの良い⑪、ブルージーな哀愁漂わす⑭…といった具合に、キャラの立ちまくった楽曲が大集合しています。ボートラの⑯まで素晴らしいのですから何をか況やですよ。
まぁ流石に収録時間70分オーバーってのは明らかに詰め込みが過ぎますけども、スティーヴ・ステインの作曲者/ギタリストとしての才能の煌めき、張り/艶/伸びのいずれの面においても衰え皆無のグリメットの歌声が存分に堪能できる力作であること疑う余地がありません。このまま埋もれさすのは余りに勿体なさ過ぎるので再評価を是非。中古盤も安いですしね。


GRIMMSTINE - Grimmstine - Straight as an Arrow ★★★ (2022-10-13 23:50:59)

モダンなシュレッド・ギターと、スティーヴ・グリメットの
力強くオールドスクールなVoをフィーチュアして
ドラマティックな盛り上がりを呈するアルバム後半のハイライト・ナンバー。
冷ややかな抒情性を楽曲に付与するKeyも良い仕事しています。


GRINDER (2011-04-02 23:14:43)

'86年にドイツはフランクフルトにて誕生。JUDAS PRIESTの名曲からバンド名を頂き、GRINDERを名乗る。
2本のデモテープ『SCARED TO DEATH』と『SIREN』を制作した後、METAL HAMMER誌の元編集長チャーリー・リンが興したNO REMORSE RECORDSと契約を結び、エイドリアン・ハーン(Vo、B)、ラリオ(G)、アンディ・ユルゲン(G)、ステファン・アーノルド(Ds、現GRAVE DIGGER)というラインナップで1st『DAWN FOR THE LIVING』('88年)、2nd『DEAD END』('89年)、EP『THE 1st EP』('90年)をリリースし、そのタイトなスラッシュ・サウンドが評判を呼ぶ。また'90年の5月にはトルコのインスタンブールでライブを行い、「初めてトルコでライブを行った外国のHMバンド」の称号も手に入れている。
90年代に入りNRRが倒産すると、バンドはNOISE RECORDSへ移籍し、アンディ・リヒャルト(B)を加えた5人編成でレコーディングされた3rd『NOTHING IS SACRED』を発表。
だがスラッシュ・シーンの衰退期と重なり活動は徐々にフェードアウト。結局、彼らはバンド名をCAPRICORNと改めて活動していく事となる。
 
尚、所属レーベルの倒産等があり、このバンドのカタログはとにかく入手が困難なことで知られ、今じゃリプロ盤すら高値で取引されているという本末転倒な有様。
一日も早いリマスター再発が待たれます。特にEP『THE 1st EP』。聴いた事がないんスよね・・・。


GRINDER - Dawn for the Living ★★★ (2011-08-06 00:18:51)

ドイツはフランクフルト出身の4人組が、METAL HAMMER誌元編集長のチャーリー・リンが興したNO REMORSE RECORDSから'88年に発表した1stアルバム。
OPからガツンとカマしてくれるキラー・ソング①が判り易い形で示す通り、タイトでキレのある演奏力を生かし、徹底的に刻みまくる速射リフやドラマティックなメロディを奏でるツインG等のヨーロピアン・スラッシュ然とした要素と、しっかり歌うVoに、陰に篭らずカラッとスポーティな疾走感といったアメリカン・スラッシュ的な要素とが組み合わされて畳み掛けるサウンドは、このデビュー作の時点で実に立派な完成度を誇る。
後のアルバムに比べると、Voの歌唱スタイルは歯切れの良さよりも荒っぽさの方が勝っており、また、次作以降のアートワークを手掛けるアンドレアス・マーシャルの洗練にはまるで及ばないチープなジャケット・イラストの存在も相俟って、GRINDERのカタログの中では最もスピード/スラッシュ・メタル色が濃厚に感じられる内容で、取り分け1stアルバムを発表した頃のHEATHENを思わせる③は本作でしか聴けないタイプの名曲。それとGが勇ましいメロディを奏でる⑦も、思わず昂ぶらずにはいられない逸品ですね。
本当、このバンドのアルバムにはハズレがないな。


GRINDER - Dawn for the Living - Sinners Exile ★★★ (2011-08-07 22:09:52)

1stアルバムのハイライト・ナンバー。
マシンガン・リフと歯切れ良く疾走するリズムに乗って、
Voが朗々と歌うスタイルは、『BREAKING SILENCE』を
発表した頃のHEATHENを思わせます。


GRINDER - Dead End ★★★ (2011-04-03 09:09:11)

ドイツの4人組スラッシャーが、デビュー作に引き続き名手カレ・トラップをプロデューサーに迎えてレコーディング作業を行い、'89年に発表した2ndアルバム。
アンドレアス・マーシャルが手掛けた美しくも不気味なアートワークはデス・メタル調なれど、本作で披露されているのは、シニカルな声質(哄笑が良く似合う)と抜群のリズム感を武器に切り込んで来るVoと、鋭利なGリフを小気味良く刻むG、痛快且つリズミックに疾駆するB&Dsとが一分の隙もなく畳み掛けて来る、キャッチーでタイト極まりないスラッシュ・メタル。
ドイツというよりはアメリカ寄り・・・それもベイエリアではなくNY派を思わせる硬質感とノリの良さを兼ね備えた作風ながら、Voが歌うメロディやGが紡ぎ出す翳りを湛えた旋律には、ヨーロピアンな美意識とドラマ性が宿る。
スピードで一点突破を狙う多くのジャーマン・スラッシュ勢に比べると、その速さは常識の範囲内に収まっているのだけれど、とにかく演奏にキレがあるため体感速度は実際のスピード以上。
ハイエナジーな①⑤⑥、緩急の効いた②④、切れ味抜群の③、ドラマティックなインスト曲⑦、ファニーな異色曲⑧・・・といった具合に、聴いてるだけで運動中枢を刺激され猛烈に頭を振りたくなる、辛抱堪らん名曲がズラリ揃った捨て曲なしの大名盤。
一日も早いリマスター再発を願う。


GRINDER - Dead End - Agent Orange ★★★ (2011-04-03 20:38:04)

SODOMの名曲を思わせるタイトルだが、実際、同レベルの名曲。
行進のリズムに併せてBがハジかれるイントロだけで体がウズウズしてしまいます。
ハイテンションに畳み掛けて来るVo、キレのあるGリフも最高だが、
何と言ってもこの曲の肝はステファン・アーノルドのタイトなドラミング。
もー気持ちいいったら。


GRINDER - Dead End - Dead End ★★★ (2011-04-03 21:00:17)

鋭利なリフの刻みから緊迫感を演出するリード・パートまで
緻密にこなすGコンビと、シャウトだけでなくしっかりと
メロディを歌うことも出来るVoが楽曲を牽引。
聴き終えて「え?6分もあったの?」と気付くぐらい
長さを全く感じさせない名曲。


GRINDER - Dead End - The Blade Is Back ★★★ (2011-04-04 21:04:59)

1st収録曲“FRENZIED HATRED”の続編で
キレのある演奏が生み出す疾走感は半端じゃない。
それでいてキャッチーなのも良い。
歌もシャウトもいける器用なVo、
エッジの効いたリフの刻みからメロディアスなリード・パートまで
無駄なくこなすG、硬質な音色で全体を牽引するB、
ジャストなタテノリ・ビートをキビキビと叩き出すDsなど、
メンバーも全員良い仕事しまくってます。


GRINDER - Dead End - Total Control ★★★ (2011-04-09 01:12:49)

鋭角的に刻まれるエッジの効いたGリフのカッコ良さ、
タイトに駆動するリズム、抜群のリズム感で畳み掛けるVo等、
個人的に、2ndアルバム後半のハイライト・チューンと
位置付けている名曲。
一緒に叫びたくなる雄々しさを備えた
野郎コーラスもナイス。


GRINDER - Nothing Is Sacred ★★★ (2011-04-04 19:50:59)

専任Bが加わり5人編成となったGRINDERが、'91年にNOISE RECORDSから発表した3rdアルバム。
まるでホラー映画の一場面を切り取ったかのような、おぞましくも詩的な美しさすら漂うアンドレアス・マーシャル画伯の手によるジャケット・アートワークも秀逸な本作は、タイトでキレのある演奏から生み出される、痛快でキャッチーなスラッシュ・メタルという基本ラインに変わりはないが、今回は各楽器間に隙間の設けられた音作りがスラッシュというよりもオーソドックスなHR的。
また、これまで以上にメロディと緩急を重視して組み立てられた楽曲は、よりパワー・メタリックな色合いを強めていて、エイドリアン・ハーン(Vo)がしっかりと「歌う」重厚な⑤、グルーヴィな横ノリ・ナンバー⑧、パンキッシュな⑩辺りの楽曲は、このアルバムならではの味わいと言えるかも。
但し、前2作同様、鋭利なカミソリの如き疾走感は十二分に保たれており、美しいインスト曲①を開巻の合図とする冒頭②③④の猛烈な畳み掛け、勇壮なBラインが隠し味の劇的な⑥、前2作の一部楽曲と共通するコンセプトを備えた⑦、一気呵成に本編を締め括る⑫等、胸のすく高速スラッシュ・ソングが今回もズラリ。特にアルバム表題曲でもある④は、切迫感溢れる曲調と豊かなメロディとが絶妙なバランスで融合を見たGRINDER屈指の名曲ですよ。
本作も願・リマスター再発。


GRINDER - Nothing Is Sacred - Hymn for the Isolated ★★★ (2011-04-28 23:20:53)

美しくもどこか恐ろしげな雰囲気漂うインスト序曲
“DRIFTING FOR 99 SECONDS”を皮切りに、
スパスパと切り裂くように走り出す3rdアルバムOPナンバー。
G、B、Ds、楽器陣のキレのある演奏も特筆ものだが、
個人的に最も感心させられたのはVo。
ドイツ人シンガーとは思えぬ滑らかな英詞の歌いっぷり、
そして聴き手をグイグイと引き込むリズム感の良さが
とにかく際立っている。


GRINDER - Nothing Is Sacred - None of the Brighter Days ★★ (2011-04-29 22:04:10)

エキゾチック且つ勇壮なメロディに心躍る
スラッシュ・メタルというよりは
完全にパワー・メタル風味のミッド・チューン。
ただ、Voの歌い回しやバックの演奏にキレがあるため
鈍重な印象は皆無。


GRINDER - Nothing Is Sacred - Nothing Is Sacred ★★★ (2011-04-27 23:17:07)

3rdアルバム表題曲。
スラッシーな切れ味の鋭さと疾走感を保持しつつ、
よりメロディアスに歌うようになったVo、
よりドラマ性を増量したツインGと、
新たな魅力(と方向性)が提示された
同バンド屈指の名曲。


GRINDER - Nothing Is Sacred - Superior Being ★★★ (2011-04-29 22:06:27)

重々しい曲調に絡む、メロディアス且つドラマティックな
Bラインがカッコイイったら。
溜めて溜めて、後半で一気に疾走へと転じる曲展開が
もたらすカタルシスには凄まじいもの有り。


GROUND ZERO ★★ (2009-10-22 22:01:00)

'84年に結成。当初はHRバンドとして活動していたようだが、神楽坂EXPLOSIONへの出演を切っ掛けに
スラッシュ・メタル・バンドへと転向。'86年に3曲入りシングル『ETHERIALIZE』でデビューを飾る。
その後、専任Voが脱退するというアクシデントに見舞われるも、トリオ編成で活動を継続。'87年にオムニバス盤
『SKULL THRASH ZONE VOLUM.1』に、DOOM、SHELL SHOCK、X、JURASSIC JADE、ROSE ROSEら錚々たる面子と共に参加。
同年には6曲入りEP『GATE OF DEATH』を発表し、それが米『MAXIMUM R&R』誌で高評価を得るなど順調に活動を
展開していくものの、相次ぐオリジナル・メンバーの脱退などでライナップが固定されない事がネックとなって
やがてバンドは解散・・・と思いきや、再発盤のライナーによればGROUND ZEROは近年活動を再開しており、
新作発表の予定もあるのだとか。本当なら楽しみだ。


GROUND ZERO - GATE OF DEATH ★★ (2009-10-22 22:04:00)

80年代のジャパニーズ・メタル・シーンを彩ったスラッシュ・トリオが、'87年にEXPLOSIONから発表した6曲入りEP。
勉強不足ゆえ、彼らの音は『SKULL THRASH ZONE VOLUM.1』でしか知らなかったのだが、本作に詰め込まれているのは、
その『SKULL~』で聴く事が出来たのと同様、ガリガリと荒っぽく刻まれるGリフ、ちょっとデス・ボイス入った
シャウトを繰り出す濁声Vo、それにつんのめり気味のリズムが一塊となって攻撃性剥き出しで突進する、
VENOM、SLAYERといったバンドを彷彿とさせる、実にスラッシュ・メタルらしいスラッシュ・メタル。
正直音質はかなりチープだし、字余り気味の歌詞を強引に捻じ込んでくるVoや、突っ込み気味のDsなど
ドタバタ感溢れる演奏はかなり不安定なんだけど、それは単にヘタクソと言うよりも、己の身の内から溢れ出る
制御しきれない初期衝動に突き動かされた結果こうなってしまった・・・とポジティブに(?)解釈したいところ。
元々はHRバンドという出自ゆえか、Gは要所でおッと耳を捉えるフレーズを紡ぎ出してくれるし、静と動の
ドラマティックな対比が効いた⑥のような楽曲も収録。個人的には、印象的なGソロを伴って前のめりに突っ走る
①③⑤といった、GROUND ZEROというバンドの個性がきちんと刻印された高速スラッシュ・ナンバーの数々がお薦め。
尚、'09年にキングからリリースされた本作の再発盤には、デビュー・シングル『ETHEREALIZE』とソノシート収録の
ライブ音源の計4曲がボーナストラックとして追加収録。特に、歌える専任Voが在籍していた4人編成時代の
楽曲⑧⑨⑩は、より正統派HM風味が色濃い仕上がりでかなり新鮮。よくぞ発掘してくれました。


GROUND ZERO - GATE OF DEATH - DRIVEN TO THE WALL ★★ (2009-10-24 23:49:08)

多少リズムがズレようが「そんなの関係ねえ!」とばかり
前のめりに突貫する高速スラッシュ・ナンバー。
後発のバンドには再現不可能な、この時期のバンドにしか
生み出し得ないガムシャラな疾走感が素敵だ。


GROUND ZERO - GATE OF DEATH - GATE OF DEATH ★★ (2009-10-25 00:00:22)

EPのタイトル・トラック。
基本はSLAYERばりの殺傷力を備えた
高速スラッシュ・ナンバーながら、
きっちりと緩急の効いた曲展開や
不穏さを湛えた印象的なインスト・パートが
このバンドならではの個性を主張している。


GROUND ZERO - GATE OF DEATH - SUICIDE! ★★ (2009-10-25 17:40:12)

EP収録曲の中では最も正統派HM色が
強く感じられるナンバー。
静と動の大きな落差を備えた
劇的な曲展開が印象に残る。


GROUND ZERO - GATE OF DEATH - WORLD WAR 3 ★★ (2009-10-25 17:37:40)

鋭利なGリフがガリガリと刻まれ、ハイテンションに疾走する
ストレートなスラッシュ・ソングながら、
ちゃんとキャッチーさが効いてる辺りに曲作りの上手さが光る。


GROUNDBREAKER - Groundbreaker ★★★ (2022-03-08 01:05:57)

ベテラン・シンガーと、お抱えの気鋭ミュージシャン/ソングライター達を組ませニュー・プロジェクトとして次々デビューさせるのがFRONTIERS RECORDSの得意技。今回白羽の矢が立ったのは、FMのスティーヴ・オーヴァーランド(Vo)、WORK OF ARTやW.E.Tでの活動で知られるロバート・サール(G)、そしてFRONTIERS RECORDS作品には欠かせないマルチプレイヤー、アレッサンドロ・デル・ヴェッキオ(Key)という顔触れ。
プロジェクト名はGROUNDBREAKER。名前だけ聞くとゴリゴリのパワーメタルでも演っていそうな感じですが、この座組であれば当然そんな筈もなく、’18年にリリースされた本デビュー作で披露されているのは、ポップで華やかなメロディアスHRサウンド。
面子が面子だけに完成度の高さは約束されたも同然で、その鉄壁の仕上がりに驚きや新鮮さは殆ど感じられないものの(むしろこの安定感こそが本作の魅力なわけで)、ただ一点だけ意外だったのは、スティーヴの持ち味であるブルージーなエッセンスがほぼほぼ排除されていること。本人も作曲には積極的に関与しているので、こうした作風はレーベルの意向を汲んだものと思われますが、透明感を湛えたAOR/産業ロック寄りの楽曲の数々を、流石の上手さで伸びやかに歌い上げるスティーヴのVoも乙なもの。特に躍動感溢れる曲調に爽やかなメロディが映えるアップテンポのロック・ナンバー③や⑩は、FMでは聴くことの出来ないタイプなので非常に新鮮で印象に残ります。
単発プロジェクトで終わるかと思いきや、'21年には2ndアルバムのリリースに漕ぎ着けており、そのことからも本作の評価の高さがお分かり頂けるのではないでしょうか。


GROUNDBREAKER - Groundbreaker - The Days of Our Lives ★★★ (2022-03-09 00:51:37)

FMじゃまず演りそうもないアップテンポで爽快なHRナンバー。
こういうスポーティな楽曲を伸び伸びと歌い上げる
スティーヴ・オーヴァーランドのVoもかなり魅力的です。


GRUDGE CURSE (2011-07-12 22:00:35)

元HARKENKREUZのメンバーらによって結成され、'96年にSKULL CRUSHER RECORDSから1st『INSANITY BRAIN』を発表してレコード・デビューを飾ったビジュアル系スラッシュ・メタル・バンド・・・という事ぐらいしか彼らについては知らなかったのだが、当サイトのHARKENKREUZのページを参考に調べさせて貰ったら、VoのSADAYAは後に「叫」と変名して下山武徳脱退後のSABER TIGERに加入しているし、他にもHARD GEARやSIXRIDEのメンバーとして知られる境周一(B)や青柳慎太郎(G)らも在籍していたりと、実はSABER TIGERとかなり近しい関係にあるバンドと判明。(というか単に北海道のメタル・シーン繋がりなのだろうが)
SADAYA改め叫がシンガーを務めていた頃のSABER TIGERは何か音源を残してはいないのだろうか?


GRUDGE CURSE (2011-07-14 22:19:47)

ライブをご覧になった事があるってのは羨ましい限りですね。
Vo:叫、Ds:鈴木政行という編成の時にアルバム1枚ぐらいは
作って欲しかったなぁ。残念。


GRUDGE CURSE - INSANITY BRAIN ★★ (2011-07-12 22:03:29)

北海道出身の4人組スラッシュ・メタル・バンドが'96年に発表した最初で最後の作品。
所属レーベルからも察しのつく通り、ルックスの方はもろビジュアル系だが、本作に詰め込まれているサウンドに軟弱さは欠片もない。
序曲代わりの美しいインスト曲①と、人を食ったような曲調でエンディングを締め括る⑧を除くほぼ全編が、ザクザク刻まれる硬質なリフ&リズムと、そして道産子スラッシュ・メタルの元祖、FLATBACKERの山田雅樹の系譜に連なる金属質な声で挑みかかるように歌うVoとが一丸となってパワフルに駆動する、正統派パワー/スラッシュ・メタル・ソングで固められており(ただDsのタム回しはPANTERA登場以降のバンドな味わい)、取り分け、スピード/パワー/メロディが鋭利な切れ味を伴って融合をみた⑤はアルバム屈指の名曲。
またこの曲に限らず、ドラマティックなメロディを随所で豊かに奏で、ともすれば力押し一辺倒に陥りそうな作風にフックを構築するGの良い仕事っぷりはキラリと光りを放つ。
「大傑作!」と声を張り上げる程ではないにせよ、ROSENFELDやTHRED WORMといったSKULL CRUSHER所属の先輩バンドが気に入った人、それに勿論スラッシュ好きならチェックして損はない気合の感じられる1枚。


GRUDGE CURSE - INSANITY BRAIN - (BE)UNDER(A)CURSE ★★★ (2011-07-14 22:22:20)

アルバム収録曲中、最もストレートにパワー/スラッシュ・メタル色が
打ち出された、それゆえ非常に魅力的な疾走ナンバー。
メロディアスに切り込んで来るGソロが美味しいったら。


GRUDGE CURSE - INSANITY BRAIN - HEATHEN ★★ (2011-07-14 22:26:08)

美しいインスト序曲“CAN LUST BE A SIN?”を打ち破って
スタートするアルバムの実質的OPナンバー。
スピーディだが、雪崩を打つと言うより縦に跳ねるような感じが
如何にも90年代のバンド。とは言え、この曲がカッコイイことに
変わりない。劇的なGソロも◎。


GUARDIAN - First Watch ★★★ (2017-07-06 00:27:16)

「STRYPERの弟分」(お前もか)として注目を集めたLA出身の4人組が、’89年にENIGMA RECORDSから発表した1st。ちなみにバンド名や、「ジーザス・パワー」というお馴染みのフレーズが飛び出す歌詞等からもお察しの通りのクリスチャン・メタル・バンドです。
レーベルから本作のプロデュースを依頼されたSTRYPERのオズ・フォックスが、試しにメンバーと面会してみたところすっかり意気投合。逆にオズの方がGUARDIANのギタリスト、トニー・パラシオスのギター教室の生徒になってしまった…なんて国内盤解説で語られるエピソードが伝えてくれるように、バンドの実力の高さは折紙付き。そんな彼らが奏でるのはジャンル愛好家が手を叩いて喜びそうな哀愁と美旋律、それに分厚いコーラス・ハーモニーを満載にした、STRYPER直系の優等生ライクなクリスチャン・メタル・サウンド。
流石にSTRYPERと比べると収録曲はやや小粒な仕上がりかと。華やかさも然程でもありませんが、それでもVoが伸びやかに歌い上げるドラマティックなパワー・バラード④から、高揚感を湛えて駆け抜ける⑤やアルバム随一のハード・ナンバー⑥といった楽曲に至るまで、ハードネスとメロウネスのバランスを上手く取った本編は高品質。中でも、キャッチーなコーラスが哀切な響きも湛えて疾走する⑩は、個人的に「クリスチャン・メタル」と聞くと思い出す名曲の一つです。フラッシーなGプレイが映えるシャープなメロディック・メタル・チューン⑫もグッとくるカッコ良さですよ。
正統派HMを愛する向きには、とりあえず⑩⑫辺り目当てでも構わないのでチェックをお薦めする1枚であります。


GUARDIAN - First Watch - Rock in Victory ★★★ (2017-07-07 00:08:56)

メタリックに切り込むG、ハード・ロッキンな疾走感、
哀愁を帯びたメロディを伸びやかに歌うVoと
キャッチーなコーラスを分厚く彩るハーモニー…と、
クリスチャン・メタルの魅力が「これでもか!」と詰め込まれた
GUARDIAN屈指の名曲。
これ聴いてピンと来なかったらGUARDIANを聴く必要はないのではないかと。


GUARDIAN - Miracle Mile ★★ (2018-12-03 23:44:08)

GUARDIANといえば、ヘヴィ・メタリックな疾走ナンバーから哀愁のバラードまで揃った1st『FIRST WATCH』(’89年)において、STRYPER直系の正統派HMを聴かせてくれたクリスチャン・メタル・シーンの優等生でしたが、国内盤リリースがなかった2nd『FIRE AND LOVE』(’90年)を間に挟み、'93年発表のこの3rdアルバムでは当時HR/HMシーンを席巻していたブルーズ・ロック・ブームに感化されたのか、随分と落ち着いた、茶色いHRサウンドを聴かせるバンドに変貌を遂げていて、初めて聴いた時は面食らってしまいましたよ。(ちなみにプロデュースは、ディノとジョンのエレファンテ兄弟が担当)
美旋律と分厚いVoハーモニーに彩られた正統派クリスチャン・メタルから、アコースティックギターが乾いた空気と土の匂いを運んでくる渋めのブルーズ・ロック路線へ。未だ折に触れては1stを聴き返す身としてはこの路線変更は少々残念であったものの、前作から加入した新Voのハスキーボイスによる熱唱はこの作風に非常にマッチしていますし(歌唱力も上々)、味のあるプレイを走らせるGを始め、「僕たち、デビュー当時から一貫してこの音楽性を追求してましたけど、何か?」としれっと主張するかのような、堂に入ったパフォーマンスを楽器陣が披露しているのがまた小憎らしいという(笑)。
「これ!」という強力なキメ曲は見当たらないですが、イキイキとポップに弾む⑩等魅力的な楽曲も散見され、特にフィドルが踊る⑤、哀愁を帯びたマンドリンの音色が印象的な⑨といったバラード系のナンバーには、ついつい聴き惚れてしまいますね。
今だったら「これはこれで悪くない」と冷静に評価できる1枚ですよ。


GUARDIAN - Miracle Mile - Sweet Mystery ★★ (2018-12-05 23:21:18)

気持ち良さげに掻き鳴らされるアコギと軽快に踊るバイオリンが
乾いた哀愁と土の匂いを運んでくるリラックスしたバラード。
ハスキーなシンガーの歌声も曲の雰囲気にマッチしています。


GUARDIAN'S NAIL - MERODICAL RENAISSANCE - SECOND WIND ★★★ (2009-07-12 18:32:18)

これは名曲。昔、新宿のレコード屋で読んだフリーペーパーに
この曲を絶賛するレビューが載っていて、興味を駆られて
『MELODICAL RENAISSANCE』を購入したのだけど、大正解でした。
Voがもっと上手ければ・・・と思わなくもないが、多少の不満は
ドラマティックな曲展開と痒い所に手の届くメロディの魅力に
吹っ飛ぶと言うもの。
できれば、この路線でEPも作って欲しかった・・・。


GUILD OF AGES - Citadel ★★ (2010-01-30 10:59:00)

コロラド州出身で、AXEのボビー・バースのバックアップを受けてデビューを飾ったメロディアスHRバンド、
CAUGHT IN THE ACT改めGUILD OF AGESが'01年に発表した3rdアルバム。(CITA時代も含めると5枚目のスタジオ作)
バンド名を巡ってポップ・グループと揉めた事がトラウマになったのか(?)、改名以降の彼らはどんどん
ヘヴィな方向へと歩みを進め、『神聖なる城塞』という欧州メロパワ・バンドばりの仰々しい邦題が
付けられた本作も、そのタイトルに相応しく、更にHM路線へと踏み込んだ内容に仕上がっている。
尤も、フックの効いた哀メロ作りの上手さには定評あるバンドゆえ、大味だったり無機質だったりする印象は全くなく、
特に今回は、ボビー・バースの伝手でJADED HEARTのマイケル・ボーマン(今や立派なグラミー賞ノミネート・シンガー)が
助っ人として曲作りに全面的に関わっているためか、練られたサビメロのキャッチーさは前作以上。粒揃いの楽曲の中でも、
へヴィ・メタリックな攻撃性、キャッチネス、そして鮮やかなハーモニーが一体となって疾走するOPナンバー①、
印象的なGリフがノリ良く刻まれる②、重厚且つメロディアスな③、悲哀に満ちた旋律が胸に沁みるバラード④・・・
といった逸曲が並ぶ、本編前半のクオリティの高さは際立っており、トドメはアルバムのハイライトを飾る
名曲⑤の存在。曲終盤の、美しくも切ない、そして堪らなくドラマティックなサビのメロディ展開を初めて
聴いた時は、感動の余り「オオゥ・・・」と、思わずニセ外人みたいなリアクションを取ってしまいましたよ。
斯様な名曲を含むハイクオリティなアルバムを作り上げながら、雑誌等ではパッとした評価を得る事が叶わず、
その後、バンドの消息が不明になってしまったことはつくづく残念。今も元気にしてるんでしょうか?


GUILD OF AGES - Citadel - SO THE COULD BE YOU ★★★ (2010-01-30 11:06:34)

アルバム『CITADEL』のハイライト・ナンバー。
とにかくメロディ愛好派を自認する方なら、
この曲のクライマックスのサビメロを一度聴いてみて頂戴。
よくこんな、美しくも涙を誘う、劇的極まりない
泣きメロを思いつくなぁと、唸らされること請け合いですから。


GUILLOTINE (2011-05-24 23:34:20)

NOCTURNAL RITESのフレドリック・マンベリ(Vo、G)とニルス・エリクソン(B)が、彼らの愛するオールドスクールなスラッシュ・メタルの復権と再評価を目指して'95年に結成したバンド。(結成当初はラインナップが安定せず、殆どデュオ・プロジェクト状態だったらしいが)
3曲入りデモテープの高評価を足掛かりにして、'97年にアメリカのインディーズNECROPOLIS RECORDSから1stアルバム『UNDER THE GUILLOTINE』を発表(タイトルは勿論KREATORの名曲から拝借)。
ジャケットから音質、曲名、楽曲のスタイルに至るまで、溢れんばかりのマイナー・スラッシュ愛に満ちた内容が好き者を中心に支持されたが、本業のNOCTURNAL RITESでの活動が軌道に乗り始めたため、こちらのバンドでの活動は凍結状態に。
どっこい、21世紀に突入し、世界的にスラッシュ・メタル再評価の機運が高まり始めると、2人はGUILLOTINEを再始動。
同郷のパワー・メタル・バンドPERSUADERのメンバー、ダニエル・サンドボム(G)とエフレム・ユンツネン(Ds)をメンバーに加えると、新たにシンガポールに本拠を置くPULVERISED RECORDSと契約を交わし、'08年に2ndアルバム『BLOOD MONEY』を発表(国内盤もリリースされた)。
デビュー作の作風を踏まえつつ、より洗練され、スケールアップを遂げたスラッシュ・サウンドがこれまた好評を博した(よね?)事は記憶に新しい。
近年はNOCTURNAL RITESもアルバム・リリースがないが、もし暇してるなら是非GUILLOTINEの新作を作って欲しいところです。


GUILLOTINE - Blood Money ★★★ (2011-05-25 20:33:02)

新たにPERSUADERのメンバーの助力を得て正式にバンド体制を整えたGUILLOTINEが、11年ぶりに発表した2ndアルバム。(邦題は『血染めの札束(マネー)』)
デビュー作『UNDER THE GUILLOTINE』は、ドイツ勢を主とした、80年代のマイナーなスラッシュ・メタルに対する深い愛情に満ち溢れた好盤だったが、今回はそこから一気に洗練の度合いを高め、SLAYERに代表される正統派スラッシュ・メタル路線へと接近。
カミソリの如きGリフのインパクトに関しては『UNDER~』に軍配が上がるものの、エド・レプカ画伯が手掛けたジャケット・アートワークから漂う風格に、格段の向上を遂げたサウンド・プロダクションや演奏のタイトさ、そして、ツインG編成への移行により迫力とドラマ性をいや増した楽曲の数々・・・と、総合的な完成度の高さでは間違いなく本作の方が上。(各曲に付けられた仰々しい邦題もイイ)
PERSUADERのエフレム・ユンツネン(Ds)が小気味良く叩き出すスラッシュ・ビートに乗って、攻撃性のみならずキャッチーさ(←これ重要)も備えた楽曲が次々に繰り出されるアルバム前半の痛快さは特筆モノで、殊に、2本のGが劇的な絡みまで披露してくれる④、尋常ならざるテンションの高さで突っ走る⑤は本編屈指の名曲。
マニアによるマニアのためのマニアックなサウンドが炸裂しまくった前作に比べ、チープさが完全払拭されて、より間口の広い層に受け入れられる充実作に仕上がった1枚。GUILLOTINE入門編としてどうぞ。


GUILLOTINE - Under the Guillotine ★★★ (2011-05-24 22:33:39)

チープなジャケット、チープなサウンド・プロダクション、コケ脅し感漂う曲名の数々・・・と、予備知識なしで聴いたら先ず間違いなく「80年代のB~C級スラッシュ・メタル・バンドのアルバム」と思う事は必定だが、実際はNOCTURNAL RITESのメンバーが立ち上げた別バンドのデビュー作。('97年発表)
NWOTMに先んじること約10年、彼らの愛する80年代マイナー・スラッシュ・メタル・サウンドの再現に心血の注がれた本作は、安っぽい音作りのみならず、ダーティな吐き捨て型Voといい、手数多めで刻まれるGリフに、緩急もクソもなくひたすら直線的に突っ走るリズムといい、往年のジャーマン・スラッシュ勢からの影響が特に顕著に感じられ、取り分け、鋭利なカミソリが軽快に振り回されているかのようなGリフのカッコ良さは出色。
本編屈指のキラー・リフをフィーチュアしたバンドのテーマ・ソングたる④や、勢い任せのようでいて実はきっちりと構築されたGソロが楽曲に緊張感を演出する⑧辺りをハイライトに、スラッシャーなら頭を振らずにはいられない名曲の数々を多数収録。
決して万人向けの作品ではないが、初期のSODOM、KREATOR、DESTRUCTIONといったジャーマン・スラッシュ三羽烏(あとはRAZORとか)が好きな人ならマスト・アイテムになり得る1枚かと。


GUILLOTINE - Under the Guillotine - Executioner ★★ (2011-05-26 23:23:34)

このタイトル、このGリフ、このVoの叫びっぷり、
そしてこのリズムの疾走感・・・
80年代マイナー・スラッシュ・メタルの「あるあるネタ」で
固められたようなOPナンバー。
初めて聴いた時は笑ってしまったが、
これが'97年の楽曲だってんだから驚きます。


GUILLOTINE - Under the Guillotine - Guillotine ★★★ (2011-05-26 23:32:35)

バンド名を冠するに相応しいカッコ良さを誇る
アルバム前半のハイライト・ナンバー。
アグレッシブなだけでなく、キャッチーさも
備えたカミソリGリフが素晴しい。
Gソロも◎。


GUILLOTINE - Under the Guillotine - Leprosy ★★ (2011-05-29 01:47:22)

これまた秀逸なGリフをフィーチュアして突っ走る
絵に描いたようなオールドスクール・スラッシュ・ナンバー。
DEATHの2ndアルバムを思わすタイトルだが、
実際、少しは意識してんじゃなかろうか。


GUILLOTINE - Under the Guillotine - Tormentor ★★★ (2011-05-26 23:35:29)

絵に描いたようなオールド・スクール臭を漂わす
高速スラッシュ・ナンバー。
勢い任せにはしない、しっかりと構築された
Gソロが疾走する様がガッツポーズ物のカッコ良さ。
後半のハイライト・ナンバーでしょう。


GYPSY ROSE - Gypsy Rose ★★ (2021-11-08 23:53:29)

浅草のベテラン・ストリッパーみたいなバンド名ですが、出身はスウェーデン。結成は80年代初頭まで遡るキャリアの持ち主にも関わらず、レコード会社の方針転換による活動の停滞や、一度の解散と復活といった離散集合を経て、ようやくこの1stアルバムのリリースに漕ぎ着けたのは'05年になってからという苦労人バンドです。
中心メンバーのマーティン・クロンルンドは、その間にプロデューサー/エンジニアとしてメキメキ頭角を現し(再結成WHITE WOLFやマッツ・レヴィンのDOGPOUND等にも関与)、今やトム・ギャレーのロック・オペラ・プロジェクトPHENOMENAの仕切りを任されるほど。そうした彼が本作においてクリエイトしているのは、カラッとキャッチーなメロディ、陰に籠らない躍動感溢れる曲調、合唱を誘うビッグなコーラスをフィーチュした、80年代アメリカへの憧憬がとめどなく溢れ出すポップ・メタル・サウンド。
北欧風味を期待する向きには肩透かしもいいところな作風かもしれませんが、フックを盛り込んだ曲作りにはこの道一筋の職人的センスが迸っており、特にキャッチーで爽快なコーラス・ワークに胸躍る③は、もう一昔前に発表されていたならば必ずやヒット・チャートを賑わしていたであろう名曲ぶり。悪声のVoは評価の分かれ目なれど、バラード④における熱唱を聴けばお分かり頂ける通り歌唱能力自体に不足はなく、何よりこのクセの強い歌声が本作の80年代感を底上げしてくれていると言えなくもないような?
尚バンドはこの後、シンガーを元ACCEPTのデヴィッド・リースに替えてアルバムのリリースを重ねていますので、よろしければそちらも是非。


GYPSY ROSE - Gypsy Rose - Promise to Stay ★★★ (2021-11-10 00:08:01)

哀愁を帯びたヴァースから華開くように展開していく
キャッチーなコーラス・ワークに星3つ。
シンガーの声質は好き嫌いが分かれそうですが
このクセの強さがLAメタルっぽさを強化してくれていて
個人的には有りだなと。


Galleon (2014-02-15 01:12:38)

'81年に、ゴラン(Vo)とダン(Ds)のフォルズ兄弟を中心に結成。
'85年に制作したデモテープが「スウェディッシュ・ロック・チャンピオンシップ」の決勝まで勝ち進む等、着実に認知度と経験値を高め、'91年にはデビュー作のレコーディングを開始。
ところがここでトラブル発生。当時バンドはARAGONと名乗っていたのだが、同名のバンドがオーストラリアにも存在していることが発覚し、バンド名の変更を余儀なくされる。
'92年、名をGALLEONと改め、日本のゼロ・コーポレーションとの契約を得たバンドは、満を持して1st『LINX』を発表。(奇しくもオーストラリアのARAGONもゼロ・コーポレーションから日本デビューを飾っているという)
その後、日本盤がリリースされたのは3rd『KING OF ARAGON』('95年)までだったと記憶していますが、この文章を書くにあたって調べてみたら、現在に至るまで10枚近くアルバム・リリースを重ねていたことを知って驚いた。


Galleon - Lynx ★★★ (2014-02-15 01:14:38)

大雪の晩にはこいつがキクぜ!・・・と、棚から引っ張り出して聴いていたら、どっぷりとその音世界に浸ってしまい、危うくトリップしかけたスウェーデンのネオ・プログレッシブ・ロック・バンドが'92年に発表した1stアルバム。
総収録時間は70分以上、楽曲の殆どが6~7分越えという大作主義が貫かれたプログレ・テイスト全開な作りですが、例えば14分オーバー/全7章からなる⑤のような壮大な組曲にしても、先ずは北欧ならではの透明感と叙情性ありき。素朴な哀メロを暖かく歌い上げるVo(グレック・レイク風)、アルペジオを多用するGに、キース・エマーソン風味のKeyと軽快なリズム・ワークによって彩られた曲展開からも、派手さ/大仰さは必要最低限に抑制されています。
そうしたポンプ・ロック寄りの作風が、HR/HMファンには刺激乏しく響くやもしれませんが、本編中最もハードな仕上がりの①や、BACK-TICKの“JUPITER”を思い出したバラード④、高らかに鳴り響く⑦等、淡いタッチでジャケットに描かれた山猫(リンクス)のイラストが絶妙にハマるこのサウンドに身を浸していると、静寂の中、しんしんと雪が降りしきる北欧の冬の情景が眼前にパノラマとなって広がるようです。


Geff - Land of the Free ★★★ (2022-02-08 01:21:16)

スウェーデン発の5人組プロジェクト、GEFF(ジェフ)が'06年にリリースした今のところ唯一のアルバム。
まず北欧メタル・ファン的には参加面子が食指をそそります。Voがヨラン・エドマン、Bにパー・スタディン、Dsはアンダース・ヨハンソンで、Keyにマッツ・オラウソン、そしてゲストはイェンス・ヨハンソンときたもんだ。元SILVER MOUNTAINのパーを除けばまるでイングヴェイのバンド被害者の会…もとい同窓会状態という。プロジェクト発起人である、肝心のラルフ・イェデステッド(G)のみ日本では全く無名のミュージシャンで、「いや君、名前ジェフじゃないんかい」ぐらいの感想しか思い浮かばないとはいえ、地道にキャリアを積み上げてきた御仁らしく、確かな曲作りのセンスをもってしてこの顔触れにマニアが寄せる期待にバッチリと応える、DEEP PURPLE~RAINBOWの流れを汲む北欧様式美HMサウンドをクリエイトしてくれています。
掴みに相応しい勇ましさとキャッチネスを併せ持って疾走するOPナンバー①、ハードな曲調に絡む流麗なピアノの調べが美しいアクセントとなっている⑧、そして何と言ってもイェンスが参戦してギターとバチバチバトルを繰り広げ、ヨランが自慢のハイトーンVoを駆使して冷ややかな哀メロを伸びやかに歌い上げる名曲④は、北欧メタル・ファンなら握り拳を固めずにはいられないカッコ良さを誇っています。
例えばヨハンソン兄弟が立ち上げたJOHANSSONの3rd『THE LAST VIKING』辺りにグッとくる諸兄なら押さえておいて損はない1枚かと。


Geff - Land of the Free - Land of the Free ★★★ (2022-02-09 07:18:58)

アルバム表題曲。歌うはヨラン・エドマン、迎えうつはイェンスとアンダースの
ヨハンソン兄弟という北欧メタル・ファンにとっては鉄壁の布陣。
冷気と憂いを孕んだ歌メロはまさにヨランのためにあつらえたような仕上がりで
イェンスの華麗な鍵盤捌きともども、グッとくるものあり。
ギタリスト、ラルフ・イェデスデットの確かな才能を伺わせる名曲です。


George Murasaki Project (2017-06-01 23:58:29)

‘87年にジョージ紫が立ち上げたプロジェクト(というかバンド)。恥ずかしながら、インターネット環境が普及するまでその存在すら知りませなんだ。
ジョージ紫自ら設立した音楽事務所、有限会社・紫から自主制作という形でセルフ・タイトルのデビュー・アルバムを発表(’88年)。メンバーはジョージ紫(Key)以下、仲門ウィリー(Vo、B)、厚志ユタカ(G)、CONDITION GREENのエツ(Ds)というラインナップ。
当時、CDが2000枚程度がプレスされたらしく、その後は長らく入手困難な状態が続いていた。
'17年になって、現紫のCHRIS(B)がリマスタリングを手掛ける形で再発が実現。基本的に沖縄限定リリースの模様なれど、専門店でなら入手が可能。


George Murasaki Project - George Murasaki Project ★★★ (2017-06-01 23:59:53)

元紫のジョージ紫(Key)が自主制作、GMP(GEORGE MURASAKI PROJECT)名義にて、'88年にひっそりと(?)リリースしたフル・アルバムが、いつ間にやらシレッとリイシューされていて驚きましたよ。但し、折角のリマスター再発なのに解説文はおろか歌詞カードもなし。ジャケットがペラ紙1枚というMAUSOLEUM CLASSIXばりにソリッド過ぎる仕様はもう少し何とかならんかったのでしょうか。いや再発してくれただけで有難いことではあるんですけども。
音楽性の方は、ハモンド・オルガン大活躍の①や、音数多めのリズム隊のタイトな存在感が映える②、KeyとGが火花を散らす疾走ナンバー⑦といった楽曲が物語る通り、紫時代からのパープル・エッセンスを濃厚に受け継ぐHRスタイルを披露。一方で80年代作品らしく、メロディ重視の楽曲志向も鮮明に打ち出されていて、ねちっこいVoと情感豊かなGが咽び泣く哀愁のバラード⑤⑧があったかと思えば、近未来的雰囲気漂わすインスト④あり、EUROPEの“THE FINAL COUNTDOWN”を思わすポップ&キャッチーな⑥あり、沖縄民謡(島唄?)のメロディを取り入れたプログレッシブな大作ナンバー③あり…といった具合に、硬軟のバランスに優れた収録曲は捨て曲なしの充実っぷり。その上、それらを再現するメンバーも腕利き揃いと来た日にゃ、最早何も言うことはありませんて。
自主制作盤につきものの垢抜けなさとは全く無縁の、寧ろメジャー流通に乗らなかったのが不思議で仕方なくなる1枚。この勢いに駆って是非次は、ジョージ紫&マリナーのカタログ再発に取り組んで頂きたいところであります。


George Murasaki Project - George Murasaki Project - Fly Away ★★★ (2017-06-04 09:28:45)

「島唄よ風に乗る~🎵」という沖縄民謡“島唄”の
メロディを効果的に取り入れられた、10分以上に亘る長尺ナンバー。
プログレッシブ・ロック的味わいも感じられる曲展開は
聴く者を穏やかに包み込む雄大さと優しさに溢れていて
まるで南国時間の流れに身を委ねているかのような忘我の心持に。


George Murasaki Project - George Murasaki Project - Keep on Rocking ★★★ (2017-06-04 09:20:58)

気持ち良いぐらいタイトなドラムのイントロからスタート。
攻撃的にして華麗なKeyワークと、Gのスリリングな絡み、
音数多めのリズムなど「よ!待ってました!」というぐらい
DEEP PURPLE感溢れる疾走ナンバーの名曲。


George Murasaki Project - George Murasaki Project - Peaceful ★★★ (2017-06-04 09:34:49)

仲門ウィリーのエモーショナルな歌唱と、
ジョージ紫が優美に奏でるピアノに
しっとりと聞き惚れる美しいバラード。
この曲からEUROPEの“THE FINAL COUNTDOWN”風の
次曲“FAREWELL TO ARMS”に繋げる曲展開も良し。


George Murasaki Project - George Murasaki Project - Rocking All Night ★★★ (2017-06-04 09:45:25)

ジョージ紫が操るハモンド・オルガンが楽曲の基盤を作り
そこにホットなVoとGがスリリングに切り込んで来るという
DEEP PURPLE感満点のOPナンバー。
この曲に限らず、随所でセンスフルなオカズをガンガン
叩き込んで来るドラムの仕事ぶりも特筆モノです。


George Murasaki and Mariner - Mariner One ★★★ (2022-08-29 23:32:37)

姉さん、事件です(古い)。遂に、遂にジョージ紫&MARINERのカタログ2枚が再発ですよ。SABBRABELLS、DOOM、SACRIFICEといったバンドの1stアルバムが次々CD化された昨今、もしかしたら彼らも…と一縷の希望は抱き続けていましたけど、嘗てオムニバス盤『OKINAWAN HARD ROCK LEGENDRY』に提供されていた2曲を繰り返し聴いて満足していた時期を想うと「まさかこの日が来ようとは」と感慨に浸らずにはいられませんて。
音楽的方向性の違いから紫がアルバム2枚を残して解散した後、ジョージ紫が新たなメンバー(全員アメリカ人)と共に結成したバンドで、本作はニューヨークにてレコーディングが行われ’79年に発表された1stアルバム。多彩に楽曲を色付けるKeyを中心に据えた音楽性は紫時代を継承しつつ、インプロヴィゼーションは控えめに、曲展開からコーラス・ワークまでアレンジをしっかりと作り込み、歌を主役によりメロディアスで整合性を高めた仕上がりとなっているのが特色です。
勿論⑤みたいなGとKeyがスリリングに絡み合いながら疾走するDEEP PURPLEスタイルのHMナンバーも収録されていますが、個人的にそれ以上に印象に残るのは、スペーシーなイントロに導かれてスタートする①であり、ピアノの美旋律をアクセントに、泣きを湛えてエモーショナルに盛り上がっていく④や、哀愁のバラードの小曲⑦から繋がり本編を壮大且つドラマティックに締め括る⑧といった、プログレ・ハード風味が薫る楽曲の方。
長き入手困難な時期を通じて高まりまくっていたこちらの期待を裏切らないどころか、想定していたハードルを軽々と飛び越えていく名盤。再発に心からの感謝を。


George Murasaki and Mariner - Mariner One - When the Morning Comes ★★★ (2022-08-31 00:56:44)

邦題は“朝が来るとき”
バラード風の導入を経て、泣きとエモーションを昂らせながら
テンポアップする中盤の盛り上がりに実にグッとくる
アルバム屈指の名曲です。


George Murasaki and Mariner - Mariner Two ★★★ (2022-09-05 23:51:43)

‘80年のリリース以来、正式にCD化されることなく長らく幻の逸品と化していた、ジョージ紫&MRINERの2ndアルバムがようやくリイシュー。しかも1st『MARINER ONE』(’79年)との2枚組仕様での再発という太っ腹ぶり。まぁ数年後には紙ジャケット化され、別々に再リリースされたものを改めて買い直す羽目になっている自分の姿が、別に占い師でなくともありありと想像できますが、それはともかくまずはこの快挙を心の底から寿ぐべきでしょう。感謝。
前作と同じ布陣でロサンゼルスにてレコーディングされていることもあり、基本的にはこれまでの作風を踏襲しつつ、プログレ・ハード色は若干の薄まりをみせていて、その分⑤のような明るく開放的なノリの楽曲を収録する等、曲作りのバラエティは更なる広がりを感じさせる仕上がり。
そのため初聴時のインパクトに関してはデビュー作に一歩譲る印象は否めないものの、アルバムの幕開けをタイトに飾るHRナンバー①、そこはかとなく沖縄っぽさ薫るバラード④、哀愁のメロディをフィーチュアしてパワフルに盛り上がる⑦、そして「やっぱ最後はこんな感じで〆ないと!」とばかりにドラマティックに展開していく大作⑧…といった具合に、収録楽曲の個々のクオリティでは決して引けを取るものではありません。
メンバーのビザの問題により活動が軌道に乗らず、本作を最後にあっさり解散してしまったことが残念至極。紫にあまりピンと来なかったという方も、諦める前にジョージ紫&MARINERを是非お試し頂ければ幸いです。


Glasgow - Zero Four One ★★★ (2024-06-07 00:46:21)

BOSTON、CHICAGO、KANSAS等、国や都市の名前をバンド名として採用するパターンは結構あって、スコットランド出身のこのGLASGOWもそうしたバンドの一つ。本作は彼らがドン・エイリー(Key)やHEAVY PETTIN’のメンバーをゲストに迎えてレコーディングを行い、SONET RECORDSから'87年に発表した1stアルバム(アルバム・タイトルはグラスゴーの市内局番に因むという徹底ぶり)。先日CD屋に立ち寄ったら、とっくの昔に廃盤となっていた国内盤がまさかのリマスター再発されており「これは夢か幻か」と思わず目を疑ってしまいましたよ。ジャケットが変更されていて最初気が付きませんでしたが。
本作で披露されているのは、SHYやTOBRUKといった同郷バンドに通じるKeyをたっぷりとフィーチュアしたメロディアスHR。哀愁のメロディのみならず、明るいポップ・センスも生かされたこの手のサウンドを歌うには、熱唱型Voの声質がやや重な印象が拭えないものの(でも歌自体は非常に上手い)、個人的にはこのくぐもった声質がいかにも「ブリティッシュ!」な魅力を主張しているようで嫌いにはなれません。というかむしろセールス・ポイントでしょ?と。バラード⑦の素晴らしさなんてこのVoあったればこそですし、キャッチーに弾む②、一転重厚かつドラマティックに展開する③、清涼感を振りまきながらアップテンポで駆け抜けていく④、何となくRAINBOWの“SINCE YOU BEEN GONE”を思い出したりもする⑤…と、連続する逸曲の数々を聴けば、廃盤の国内盤が未だ5桁のプレミア価格で取引されている理由も分かるというものです。
いずれリリースされるであろう復活作を、本作を聴きながら楽しみに待ちますよ。


Glasgow - Zero Four One - Back on the Run ★★★ (2024-06-11 00:07:37)

アルバム中にあって最も欧州風味の叙情性を色濃く宿したナンバー。
シンガーのやや重めな声質もこの重厚な曲調にマッチして
ドラマティックな楽曲を力強く盛り上げてくれていますよ。


H-BOMB - Attaque ★★ (2016-04-13 23:55:23)

核戦争後の荒廃した世界をイメージしたのか、メンバー全員が息絶えている(!)B級SF映画チックなアートワークが秀逸な、'84年発表の1stフル・アルバム。
BURRN!!誌創刊号の輸入盤レビューにおいて、マサ伊藤からエールを送られていた本作(点数はさておき)。元々演奏はタイトなバンドでしたが、ここではリズムのテンポを抑え気味に、その分、Voはパンチの効いた声質を活かしてより起伏に富んだメロディを歌うようになり、またツインGも随所でドラマティック且つ印象的なハーモニーを重ねる等、勢い勝負の荒々しさ漲るデビューEPに比べ、そのサウンドからは格段に練り込みの跡が伺えます。
中でも、「サイレン音をフィーチュアした楽曲にハズレなし」の自説を補強してくれるOPナンバー①や、レコードB面の幕開け役を担う疾走ナンバー⑥は、H-BOMBが類型的NWOBHMスタイルから脱し、本格派の正統派HMバンドとして第一歩を踏み出した証明と言うべき逸品ではないでしょうか。
…だったのですが、その後メンバー・チェンジが勃発。オリジナル・シンガーのディディエ・イザールが脱退し、その後任には何とCLOVEN HOOFの初代シンガー、WATERことパトリック・ダイアモンドが加入。'86年にはその編成でシングルとEPを発表しているのですが、どちらもサウンドの覇気の衰え著しく…。バンドは間もなく解散してしまった模様。


H-BOMB - Attaque - Exterminateurs ★★★ (2016-04-14 21:55:58)

重厚なイントロに空襲警報のようなサイレンが被さり
そこから一気に疾走へと雪崩れ込む冒頭の展開だけで
ガッチリと掴まれてしまいます。
JUDAS PRIEST思わす劇的なツイン・リードGのハモリも美しい。


H-BOMB - Coup De Metal ★★ (2016-04-11 23:15:08)

「H(エッチ)BOMB」なんて聞くとピンク色の妄想が膨らみますが、実際は「水爆」を意味するHYDROGEN BOMBの略語。そんな物騒極まりない単語をバンド名に戴くフランス出身5人組(なのでバンド名の発音は「アッシュ・ボム」)が、'83年に発表した6曲入りデビューEP。
次作『ATTAQUE』では、JUDAS PRIESTからの影響を彼らなりに消化吸収した正統派HMサウンドを聴かせてくれることになるですが、この時点ではまだその域には達しておらず、Gリフ主体で土煙蹴立てて突っ走る楽曲は、押しも引きもヒネリもへったくれもなくNWOBHM感覚丸出し。「俺たちゃメタルが好きだ!文句あっか!」と全身全霊でアピって来ます。
楽曲は荒々しいことこの上ない反面、演奏はキビキビしていて結構タイト。野太い疾走感がACCEPTを彷彿とさせる、H-BOMBのテーマ曲①や、パワー・メタリックなリフにテンション上がる③を聴くと、バンド並びに本作が、特に(当時からアグレッシブなメタルに対する人気が高かった)オランダで好評を博したという話にも得心がいくというもの。
若い頃に聴いたら「もっと楽曲にフックを盛り込めよ!」とブン投げてた気がしますが、今は寧ろ「この芸のなさが良いんじゃない!」と。BATTLEAXE辺りを楽しめるNWOBHMファンにお薦めする1枚でしょうか。あ、ちなみに歌詞は全曲フランス語です。


H-BOMB - Coup De Metal - Chasseur Du Frime ★★★ (2016-04-12 21:43:56)

ブン回されるように刻まれるGリフと
野太いリズムの疾走感が組み合わさって
スピード・メタリックなカッコ良さを演出する
デビューEP随一の名曲。
お手本はACCEPTと見たがどうか。


H.E.A.T - Live in London ★★★ (2015-09-20 10:16:04)

先日、スウェーデンの俊英H.E.A.T.が初の単独来日公演を行いました。もしガラガラだったら気の毒だし・・・と足を運んでみれば、「んなモン余計なお世話じゃボケ!」とばかりに会場は入り口からファンが溢れ出す大盛況ぶり。
実際、エネルギッシュなパフォーマンスから、観客を巧みに乗せるステージングまで、踏んできた場数の多さが伝わるライブは「北欧バンド=ライブ下手」という先入観を粉砕してくれる内容で、こりゃ人気出るのも当然よなと。特に、メロハー的線の細さとは無縁で、時にパンクロッカーばりのはっちゃけ具合でステージ狭しと動き回るエリク・グローンウォール(Vo)の存在感には大いに感銘を受けた次第。・・・という彼らのライブの素晴らしさを余す所なく捉えているのが、'14年発表の本実況録音盤です(やっと本題)。
イギリスのFIREFESTでトリを務めた時の模様がレコーディングされている本作、まず耳を惹くのが観客の熱烈な盛り上がり。80年代はともかく、今やメタルに関しちゃ冷めてるイメージさえあった(偏見)ロンドンっ子が、バンドの熱量の高いパフォーマンスに呼応するかのように1曲目から歌いまくり叫びまくり。メロハー・バンドとしてスタートを切り、徐々にワイルドでハード・ロッキンな側面を強調し始めた作風の変化が賛否両論を呼んでいるH.E.A.T.なれど、少なくとも本作を聴く限り、(殊にライブという場においては)この変化は正解であり必然だったのかなぁと。
近作中心の選曲に不満を覚える向きもありましょうが、H.E.A.T.ライブ前の予習用に、ライブ後は余韻に浸るための復習用に、何より単純に優れたライブ盤として、一聴をお薦めする1枚であります。


HADES - If at First You Don't Succeed '98 ★★ (2015-03-15 23:15:13)

物憂げなイントロから反転攻勢に出るOPナンバー①が、当時『MASTER OF PUPPETS』をリリースして飛ぶ鳥落とす勢いだったMETALLICAからの影響があからさまでちょっと笑う。また硬質なスラッシュ・ビートが怒涛の如く畳み掛ける⑦も秀逸・・・といった具合に、ことほど然様に「スラッシュ風味のパワー・メタル」だった1stに比べ、1歩も2歩もスラッシュ・メタル方向へ踏み込んだ作風に仕上がっている、'88年発表の2ndアルバム。
その一方、前作で既に大作曲に挑むチャレンジ精神を発揮していたバンドゆえ、今回はアレンジや曲展開に凝り、緩急のコントロールを意識する等、より「聴かせる」姿勢も鮮明化。スラッシーな攻撃力と風変わりなメロディとが同居する⑩や、ハムレットをテーマに取り上げた組曲⑪⑫は、そうした彼らの意欲の賜物と言えましょうか。ただそうなると、ハイパーに歌いまくるアラン・テッシオ(Vo)の低~中音域における音程の甘さが気にならなくもないのですが・・・。
ともあれ、これを最後にバンドが解散するとは思えない「やる気」漲る1枚。(まぁ、その後再結成するわけですけどね)


HADES - If at First You Don't Succeed '98 - I Too Eye ★★★ (2015-03-17 21:58:07)

技巧を強く意識している2ndアルバムの中にあって
前作に通じる破れかぶれな威勢の良さ漂う
ハイテンションなスラッシュ・ナンバー。
耳を劈くハイトーンVoに、荒れ狂うG、
ゴリゴリ鳴りまくるBと畳み掛けるDsと
全パートが青筋立ててパフォームしてる姿が
目に浮かぶようですよ。


HADES - If at First You Don't Succeed '98 - Opinionate! ★★ (2015-03-17 21:49:31)

音作りや、緩急を飲み込んだ曲展開のお手本は
あからさまに『MASTER OF PUPPETS』を発表した頃の
METALLICAですが、それが悪いことかと言えば
ここまでカッコイイ曲に仕上げてくれたんなら、まぁ良いかと。
元々、技巧を凝らすタイプのバンドであり、
何よりアラン・テッシオのハイトーンVoが乗れば
それなりに個性が醸成されますしね。


HADES - Resisting Success ★★★ (2015-03-11 23:44:48)

『BORN TO METALIZE』や『METAL MASSACRE Ⅵ』等のオムニバス盤に参加して名を上げたニュージャージー出身の5人組が、'87年に放ったデビュー作。
ラフい音質、耳を劈くハイトーンVo、ザリザリとした音色で粗挽きリフを刻むG、ドライヴするBに突っ込み気味に駆け巡るDsが、テンションも高く一塊に押し込んで来るサウンドは、こいつらが『METAL MASSACRE』シリーズに参加してたのも当然よな、ってな80'S アメリカン・パワー/スラッシュ・メタル街道を爆走しています。
中でも、やはり聴きモノなのはアラン・テッシオのVo。後にWATCHTOWERに参加して、バカテク揃いのメンバー相手に一歩も引かない飛び道具みたいな歌唱でマニアを仰け反らせた彼氏ですが、ここでもその実力の片鱗を味わうことができる・・・というか、こっちの方が歌メロがキャッチーで取っ付き易いぐらいですよ。
荒々しい攻撃性に満ちた①、鼓膜に突き刺さるように高速回転するGリフが秀逸な③、アーシーなイントロを経てキャッチー且つ猛々しく突き進む⑤なんて、そのアランのみならず、メンバー全員が青筋立ててパフォームしてる姿が目に浮かぶようで好感度大。かと思えば10分に及ぶばんとする3部構成の組曲⑩もあったりするので油断できません。
個人的にHADESの作品では、出たとこ勝負の前のめり感が横溢する本作が一番聴き返す機会が多いかな?と。


HADES - Resisting Success - Legal Tender ★★★ (2015-03-12 22:02:47)

2分ちょっとのランニング・タイムの間中
鋭利に研ぎ澄まされた殺傷力満点のGリフが
ぶん回され続ける通り魔的スラッシュ・ナンバー。
いや、カッコ良い。


HADES - Resisting Success - Masque of the Red Death: I. Red Death / II. The Prince's Masterplan / III. The Masquerade: The Twelfth Hour / Return of the Red Death ★★ (2015-03-12 22:19:53)

エドガー・アラン・ポーの『赤死病の仮面』を題材に取り上げ、
3部構成、10分に迫る大作ナンバー。
派手に自己主張する各セクションの見せ場や
まるで90年代のモダン・ヘヴィネスを先取りしたかのような
(要するにBLACK SABBATH風)スロー・パートを織り交ぜつつ
大仰に展開していく楽曲は、アイデアが先行し過ぎて
やや冗長な出来栄えなれど、意気込みは大いに買える。
頑張ったで賞。


HADES - Resisting Success - Nightstalker ★★★ (2015-03-12 22:09:18)

ブルージーなイントロからスタートするので意表を突かれますが、
思わず一緒に叫びたくなるコーラスをフィーチュアした本編は
勇ましくもキャッチーな出来栄え。そのイントロだけでなく、
インストパートでは猛烈な勢いで弾き倒し、
アラン・テッシオのハイトーンVoと真っ向張り合う
Gの暴れっぷりも堪能できるパワー・チューン。