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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2401-2500

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2401-2500
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HAIL OF BULLETS (2011-08-19 21:40:34)

'06年にギタリストのステファン・ゲベティが音頭を取って結成。BOLT THROWERやPESTILENCE、ASPHYX、GOREFESTといったバンドのメンバーが名を連ねるダッチ・デス・メタル・バンド。
元EDGE OF SANITYのダン・スウォノの協力を得て'07年に制作した4曲入りデモテープが高評価を獲得した事で、METAL BLADE RECORDSとの契約を手に入れ、'08年、第二次世界大戦の東部戦線を題材としたコンセプト作『・・・OF FROST AND WAR』でデビュー、これがメディアやメタル・ファンの間で好評を博す。
翌年にはワルシャワ蜂起をテーマにした新曲を含む6曲入りEP『WARSAW RISING』をリリース。
更に本邦初登場となった'11年発表の2ndフル『ON DEVINE WIND』(邦題『吹けよ神風!』)では、太平洋戦争と大日本帝国の栄枯盛衰をテーマに掲げ、禍々しく好戦的、且つ重厚なブルデス・サウンドを炸裂させている。
果たして今後も、松本零士の『戦場まんがシリーズ』ならぬ『戦場コンセプト・アルバムシリーズ』を続けていくつもりなのだろうか?


HAIL OF BULLETS - On Divine Winds ★★ (2011-08-19 21:42:11)

バンドの事も碌に知らず本作を購入したのは、このアルバムが「大日本帝国の栄枯盛衰」をテーマに据えたコンセプト・アルバムである事に戦争映画ファンとして食指をそそられたからだが、アルバム1枚で太平洋戦争開戦から終戦までを語り切ろうとする欲張りな構成ゆえ、真珠湾攻撃、満州事変、ガダルカナル、飛び石作戦、東京大空襲、沖縄地上戦、そして玉音放送・・・と、主要なポイントは押さえれているものの、総じて展開が駆け足気味で、学校の教科書を流し読みしているかのような食い足りなさが残る。
ただメンバーは百戦錬磨のベテラン揃いだけに曲作りの巧さは確かで、凶悪且つ殺伐としたデス/スラッシュ・サウンドを基本としつつ、シチュエーションに応じて2本のGを効果的に用いたドラマティックなメロディや曲展開を導入する等、収録曲はいずれも良く練られており、特に、ハワイへと向かう零戦の大編隊の如く轟然と突き進む②、東南アジア資源地帯を瞬く間に制圧する日本軍の進撃を禍々しく綴った⑤、「バターン死の行進」の犠牲者たちに捧げられた⑧、神風アタックに対する激烈なる鎮魂歌⑪といった楽曲が発する重厚な迫力は特筆モノ。あと、情緒の類を一切排して、ひたすらブルータルに迫る筆致は戦勝国出身バンドならではと言えなくもないような?
この調子で、次は郷土オランダを舞台に展開された「マーケット・ガーデン作戦」や、もしくはイタリア軍視点で北アフリカ戦線を描くコンセプト作なんてどうでしょうか。


HAIL OF BULLETS - On Divine Winds - Full Scale War ★★ (2011-08-21 00:25:46)

南方作戦実施中の日本軍の快進撃を
禍々しく好戦的に綴った重厚なデス・メタル・ナンバー。
アルバムの中では一番好きな曲かもしんない。


HAIL OF BULLETS - On Divine Winds - Kamikaze ★★★ (2011-08-21 17:21:45)

ご存知、神風特別攻撃隊について歌われており、
2本のGが幾度となく奏でるテーマ・メロディが
まるで鎮魂歌の如く重く哀しく響き渡るスピード・ナンバー。
ただ、情緒やエモーションの類がバッサリと
排された歌詞は欧米のバンドならでは。


HAIL OF BULLETS - On Divine Winds - Operation Z ★★ (2011-08-21 00:16:46)

タイトルは真珠湾攻撃を目的とする「ハワイ作戦」
のアメリカ側の呼称より(邦題は“極秘指令Z”)。

ドラマティックなインスト曲“THE EVE OF BATTLE”を
イントロ代わりにスタートするスピーディ且つ
アグレッシブな曲調が、ハワイ上空を飛ぶ零戦の大編隊や
激しい戦闘を想起させるOPナンバー。


HAIL OF BULLETS - On Divine Winds - Sugar Loaf Hill ★★ (2011-08-21 17:17:16)

沖縄本島攻略作戦「アイスバーグ」を開始した米軍は、
硫黄島での戦訓を活かし、丘陵地帯に群島のように
構築された反射面陣地に立て篭もった日本軍に
多量の出血を強いられた。曲名はこの時、沖縄戦の
天王山とも言える血みどろの死闘が繰り広げられた
丘の名前より取られている。
楽曲の方も「まさに」といった仕上がり具合。


HAIL OF BULLETS - On Divine Winds - Tokyo Napalm Holocaust ★★★ (2011-08-21 16:57:27)

欧米視点から太平洋戦争を点描している
『ON DIVINE WINDS』だが、この曲に関しては
タイトルが示す通り東京大空襲の非人道性を
冷静な視点で告発。
まるで炎に照らし出されて夜空を不吉に舞う
B-29の巨体の群が目に浮かぶような、
無慈悲で緊迫感に満ちたヘヴィ・ソング。


HALESTORM (2012-04-30 21:45:27)

リジー(Vo)とジョン(Ds)のへイル姉弟が中心となって活動を開始。当初は姉弟以外のメンバーは流動的だったらしいが、'00年発表の6曲入りEP『DON'T MESS WITH THE TIME MAN』の制作を境にラインナップが固まり、更に積極的なライブ活動が実を結んで、'05年には米メジャーのATLANTICとディールが成立。
まずは挨拶代わりにライブEP『ONE AND DONE』('06年)をリリースし、そして'09年には本命の1stフル・アルバム『HALESTORM』を発表。(プロデュースはハワード・ベンソンが担当)
同作は80年代HR/HMからの影響が色濃く打ち出された作風にも関わらず、全米総合チャートの40位にランクインを果たし、シングル“I GET OFF”とIT'S NOT YOU”もメインストリーム・チャートのトップ10に入るという好リアクションを獲得している。
'10年にはLOUD PARK 10に出演するため初来日を果たす等、アルバム・リリース後は積極的にツアーに勤しみ、'12年には再びプロデューサーにハワード・ベンソンを招いて2ndアルバム『THE STRANGE CASE OF・・・』を発表した。


HALESTORM - Halestorm ★★★ (2012-05-01 06:52:09)

'09年リリースの1stフル・アルバム。
「80年代メタルから影響を受けたバンド」という前評判やジャケットのイメージから、何となくJUDAS PRIESTやIRON MAIDENの流れを汲む正統派HMが聴けるものと思い込んでいた作品ですが、再生ボタンを押してみたら聴こえてきたのは、ゴリゴリのメタルというよりも、歌物ロックやポップスといった幅広い80年代ミュージックからの影響も内包されたHRサウンド。
無論、最大の影響源がHR/HMであることは疑いようがないわけですが、一方で音作りにしろ、演奏やアレンジにしろ、NWOTHM一派にありがちなチープさ(それはそれで好きなんですけど))が微塵も感じられないのは、ATLANTICというメジャー・レーベルと辣腕プロデューサー、ハワード・ベンソンの後ろ盾、それに叩き上げのライブ・バンドでもある彼ら自身の潜在能力の高さゆえでしょうか。
特に、洗練された哀愁と、強力なフックを擁するメロディの魅力はこのバンドの生命線とでも言うべき輝きを放っており、それをパンチの効いた歌声で熱唱するフロント・ウーマン、リジー・ヘイル嬢のVoがこれまたメチャ強烈。
「女セバスチャン・バック」の異名を取るのも納得の、鮮烈極まりない彼女の歌声が活かされた本編には捨て曲が全く見当たりませんが、取り分け突出して感動的な③を手始めに、更に④⑤⑥と一騎当千の名曲が連続する中盤の盛り上がりはアルバムの白眉。
評判に違わぬクオリティの高さに舌を巻く1枚でしたね。


HALESTORM - Halestorm - Bet U Wish U Had Me Back ★★★ (2012-05-01 22:55:03)

リジー・ヘイルの情熱的なVoと、
彼女の歌声を効果的に盛り立てる
バックの演奏とが一体となった
感動を呼ぶロッカ・バラード。
'09年屈指の名曲の1つですよ。


HALESTORM - Halestorm - Familiar Taste of Poison ★★★ (2012-05-03 00:23:44)

Keyがメロディから漂って来る悲壮感を
一層盛り上げてくれていますね。
ドラマティック且つ哀愁に彩られた
サビのメロディには息苦しさを覚える程ですよ。


HALESTORM - Halestorm - I'm Not an Angel ★★★ (2012-05-03 00:27:09)

この曲が収められた1stアルバム中盤は
スロー~バラード系の似通ったテンポの楽曲が
連続するのですが、にも関わらず全くダレた印象がなく、
寧ろ一気に本編に惹き込まれてしまうのは
やはりこのバンドの並々ならぬメロディ・センス
(とそれを十二分に表現するリジー・ヘイルの歌唱力)
の賜物。この名曲でもそれをしかと確認する事が出来ます。


HALESTORM - Halestorm - Innocence ★★★ (2012-05-01 22:58:49)

モダンな哀愁を伝えるメロディが
EVANESCENCEにも通じる雰囲気を
発するロック・ソング。
ただ、内向的なノリよりも
弾けるような躍動感が伝わってくるのが
このバンドならでは。
ここでもリジー・ヘイル嬢の熱唱には
いたく胸を打たれます。


HALESTORM - Into the Wild Life ★★ (2015-07-24 23:35:55)

前作『THE STRANGE CASE OF・・・』の大ヒットを受けて、リズム重視、エフェクト処理やエレクトロニックな味付けを用いたアレンジの強化等、更に「今のアメリカで受ける音」方向へ踏み込んだ感のある'15年発表の3rdアルバム。
米HR/HMシーンの第一線で活躍する若手ロック・バンドのトップランナーとしては、実に手堅い次の一手であり、バンドの推進剤の役割を担うリジー・ヘイルストーム(Vo)のパンチの効いた歌唱を中心にスクラム組んだバンドのパフォーマンスからは、自信と実績に裏打ちされた貫禄がビンビンに漲る。間違いなく本作もアメリカで好評を博するに違いない、と思わせてくれる仕上がりです。
ただ反面、正統派HMテイストは大きく後退。メロディへの拘りが希薄になったことと併せて、ここ日本では評価が二分されそうな予感あり。例えば前2作の楽曲が、リジー嬢よりも実力の劣るシンガーが歌っても「歌はダメだけど曲は素晴らしい」との評価を得られたであろうキャッチーさを備えてたのに対し、今回の楽曲はリジー嬢専用フォーミュラといった趣き。彼女が歌ってこそ光るというか、彼女以外が歌ったら退屈に感じられるのでは?というか・・・。これを「サウンドの個性が磨かれた」とポジティブに評価するか、「普遍的なメロディの魅力が薄まった」とネガティブに捉えるかは、聴き手の判断に委ねたいところであります。
個人的には、名曲②で炸裂するような聴いてるだけで全身の血流が促進されてしまう、リジー嬢の絶唱がもっとアルバム全編で聴きたかったかな、と。


HALESTORM - Into the Wild Life - I Am the Fire ★★★ (2015-12-03 23:34:22)

オフィシャル・ビデオも制作されている
3rdアルバムのリーダー・トラック。
実際、本編中最も出来が良い。
特に歌心を燃焼させるかのようなリジー嬢の
全身全霊を込めた絶唱はメタル魂にビンビン響きます。
来日公演に行きたかった・・・。


HALESTORM - The Strange Case of... ★★★ (2012-05-03 09:03:04)

セルフ・タイトルのデビュー作が好評を博した事を受け、再びプロデューサーにハワード・ベンソンを起用してレコーディング、'12年に発表された2ndアルバム。
リジー・ヘイル(Vo)のエネルギッシュな歌声をメインに据え、哀愁とフックの効いたキャッチーなメロディで勝負するメロディックHRサウンドは勿論今回も健在。と言うか、リジー嬢の歌声に関しては前作より更なるパワーアップを遂げていて、アグレッシブなメタル・チューンにおけるガッツ溢れるシャウトから、バラードで聴かせる入魂の歌い込みに至るまで、溢れ出すようにエネルギーが迸る歌唱は唯一無二の個性として昇華され、アルバム最大の聴き所となっています。
また、ヘヴィ・メタリックに疾走するOPナンバー①で幕が開く事に象徴されるように、収録楽曲についても全体的に攻撃性の底上げが図れている印象が強く、それでいてメロディの質に大味化が見られない点にこのバンドのセンスの良さが見て取れる。
“BET U WISH U HAD ME BACK”級の名曲が見当たらないため一聴してのインパクトは前作に及ばないものの、それでも並のバンドじゃ束になっても敵わないほど楽曲のクオリティは充実。特に⑤⑥⑦⑧といったバラード~メロディアスHRナンバーが連続する中盤は強力な求心力をもって耳を捉えて離さない。ちなみに個人的な一押しは、優れたメロディ・センスとモダンなセンスが光る⑧(ライブの楽しさについて歌った歌詞も○)でしょうかね。
1stアルバムの成功がフロックでなかったことを見事に証明する充実作。


HALESTORM - The Strange Case of... - Beautiful With You ★★★ (2012-05-03 21:38:23)

世が世なら大ヒットしていてもおかしくない
ポテンシャルの高さを感じさせるメロディアスHRナンバー。
抑えて歌っても振り絞って歌っても、
感情の迸りを感じさせてくれる
リジー・ヘイルはやはり優れたシンガーです。


HALESTORM - The Strange Case of... - Break Me ★★★ (2012-05-03 21:40:31)

取り澄ましたような部分や
男勝りたらんと過度に力んだ部分もない、
等身大の親しみ易さを感じさせる声質も
このシンガーの武器なのかな、と
この名曲を聴きながら考えたり。


HALESTORM - The Strange Case of... - In Your Room ★★★ (2012-05-03 21:46:04)

ピアノをバックにリジー嬢が
切々と歌い上げるバラード。
シンガーの表現力が問われるタイプの楽曲ですが、
難なくクリアされていて何より。
楽器隊が入って盛り上がる後半の展開も良し。


HALESTORM - The Strange Case of... - Rock Show ★★★ (2012-05-03 21:50:19)

ダンサブルなビートに乗せて
「ライブの楽しさ」について歌われるロック・ナンバー。
実際、リズミックなノリがライブでは盛り上がりそうな感じで
アレンジだけ取り出すとマドンナとかに通じるものを
感じたり感じなかったり。


HALESTORM - Vicious ★★★ (2018-10-24 23:42:38)

並の野郎シンガーじゃ束でかかっても鼻息だけで吹き飛ばされそうな強靭な喉の持ち主、リジー・ヘイル(Vo)率いるバンドが、EP『REANIMATE 3.0』(’17年)でタッグを組んだニック・ラスクリネッツを再びプロデューサーに迎えて、’18年に発表した4thアルバム。
作風的には3rd『INTO THE WILD LIFE』の延長線上で、横ノリのグルーヴとモダンなアレンジに彩られたサウンドはいかにも今時のアメリカンHMといった趣き。但し、今回はヘヴィ・メタリックな疾走ナンバー③があったかと思えば、サビメロに被さるGの泣きのフレージングが印象的な④や、アコギ・バラード⑥、憂いを帯びたコーラスが秀逸なアルバム表題曲⑪のような楽曲があったりと、全体的にアグレッションやダイナミズム、及びメロディのフックに関しては大幅な強化が図られていて、聴き終えた後の満足感は『INTO~』を大きく上回ります。ついでにボートラで“TOKYO”なる楽曲が収録されている点も本作の評価ポイント。ぶっちゃけ出来栄えとしては並かな…と思わなくもありませんが、それはそれ。わざわざこんな楽曲を書いてくれるバンドの心意気に感謝感激ですよ。
そして何より、外へ向かう解放感より内側へ向かって煮詰まっていくような感覚が支配的な本編に風穴を開ける、リジー嬢の風通しのいい存在感がやはり今回も傑出しています。繊細な歌い上げからパワフルなスクリームまで、振れ幅の大きい、まるで感情の濁流でサーフィンしているかの如き彼女の激唱によって、例え地味めな楽曲であろうともその魅力が数倍にも引き上げられていることは疑う余地がないという。
ジャケットのインパクトにも引けを取らないクオリティを有する1枚かと。


HALESTORM - Vicious - Vicious ★★★ (2018-10-25 23:42:48)

近作に顕著なモダンなアレンジ・センスと
デビュー以来磨きを掛けてきたメロディ・センスとが
リンゴとハチミツばりに恋をした(BYバーモントカレー)
4thアルバム表題曲。
憂いを帯びたサビメロとそれを絶唱するリジーのVoに胸打たれます。


HALLOWEEN - Don't Metal With Evil ★★ (2019-01-29 00:38:27)

HELLOWEENではなくHALLOWEEN、ドイツではなくアメリカはミシガン州デトロイト出身の4人組が、'85年に地元のインディー・レーベルMOTOR CITY METAL RECORDSから発表した1stアルバム。
メンバーの早過ぎた白塗りメイクと、《DETROIT’S HEAVY METAL HORROR SHOW》の肩書が何やら怪しげな雰囲気漂わす本作は、チープなプロダクションから台所事情の苦しさが透けて見えますが、カイ・ハンセンに通じる(やや弱々しい)味わいのハイトーンVoをフィーチュアして、ササクレ立ったアグレッションを放ちながらスピーディに畳み掛けるスラッシュ・メタルの一歩手前…いわゆる「スピード・メタル」に分類されるサウンドは、バンド名同様に4人編成時代のカボチャ軍団に似通う趣きあり。但しメロディに欧州民謡調のクサ味やドラマ成分は控えめで、収録曲のランニング・タイムも殆どが3分台とタイト。ドラム連打を皮切りに嵐の如く吹き荒れるOPナンバー①を始め、より直線的に突っ走っている辺りは流石アメリカのバンドらしいなぁと。
とてもじゃないが万人向けとは言い難いアングラ感を発散しつつも、例えばこのバンドなりのバラードと言える抒情的な③、あるいはそこから繋がっていく、弾きまくるツイン・リードGをフィーチュアしてスリリング且つ忙しなく疾走する④(デビュー・シングル曲でもあった)のカッコ良さなんかには無視できない魅力が漲っていますよ。
極初期のHELLOWEENは勿論のこと、SAVAGE GRACE辺りが楽しめる方にお勧めする1枚。


HALLOWEEN - Don't Metal With Evil - Trick or Treat ★★★ (2019-01-29 23:41:00)

'84年に発表されたデビュー・シングルでもある
HALLOWEENの代表曲。Voは少々弱いが
その分、鋭角的に切り込んでくるGリフのカッコ良さが
疾走感溢れる曲調をグイグイと牽引してくれます。


HALLOWS EVE - Death & Insanity ★★ (2007-04-01 17:23:00)

音質、楽曲、全体の構成と、デビュー作『TALES OF TERROR』から格段のクオリティUPを遂げた、'86年発表の2ndアルバム。
多分にIRON MAIDEN的というか、正統派へヴィ・メタリックな要素を残していた前作に比べ、
サウンド・プロダクションの著しい向上に伴い、音の輪郭がハッキリして、切れ味の鋭さと重量感を得た本作は、
いよいよスラッシュ・メタルらしい硬質な歯応えの感じられる、よりビルドアップされた内容に仕上がっている。
(ちなみに、バンドと共同でプロデュースを手掛けたのは、METAL BLADE社長のブライアン・スラゲルだ)
鋼の如き強靭なリフが刻まれるパワフルな②、アコギ・イントロから勇壮に疾走する⑤、問答無用の高速スラッシュ・ナンバー⑥、
腰の据わったヘヴィ・チューン⑦、ドラマチックなインスト曲を経て、まるで土砂崩れのように押し寄せる⑨といった楽曲は、
何れもこれまでとは比較にならない程の攻撃性とダイナミズムを誇り、それでいて、メロディアスに斬り込んで来るGや
一層逞しさを増したVoの歌メロには劇的なドラマ性が宿っているため、ヘヴィさ一辺倒で無味乾燥になる事もない。
HALLOWS EVE未体験のスラッシャーが先ず最初に聴くのなら、本作がお薦めではないだろうか。


HALLOWS EVE - Death & Insanity - Nobody Lives Forever ★★ (2006-05-17 21:33:08)

ダイナミックな展開が魅力の名曲。
それをガッチリとキレのある演奏で支える楽器陣も、1stアルバム時より格段にスキルUPを遂げており、
中でもリフ/リズム/ソロに、時にメロディアスに、時にアグレッシブにと、縦横無尽に動き回る
デイビッド・スチュアートのGプレイは白眉。勇壮且つハイテンションなVoパフォーマンスも迫力十分。


HALLOWS EVE - Evil Never Dies ★★ (2007-04-01 17:39:00)

'88年発表の3rd『MONUMENT』以降、さっぱり音沙汰の無かったHALLOWS EVEが、
突如'05年に発表した、実に17年ぶりとなる復活のニュー・アルバム。(通算4作目)
ローランDEATHさんの仰る通り、初期のオカルトちっくなオドロオドロしい雰囲気が復活を遂げていて、デス声を多用するVoや、
ブラック・メタルにも通じる禍々しいリフを刻むG、時にブラスト・ビートまで炸裂させるリズム隊などの存在もあって、
全体的に、これまで以上にヘヴィネスとダークネスを強調した仕上がりのように感じられる。(特にデス・メタルからの影響は大)
重心の低いヘヴィ・リフがザクザクと刻まれ、Voがパワフルに歌いまくり、後半の疾走パートでは
ツインGが劇的なメロディを紡ぎ出す①の出来は文句なしで、聴いた瞬間に「おお、あのHALLOWS EVEが帰って来た」
と実感させてくれる名曲なのだが、如何せん②以降、メロディの質が下降線を描いてしまう点と、
どんなにヘヴィだろうと、これまでの作品では必ず感じられた「キャッチーさ」が大きく後退してしまっている点が惜しまれる。
そのため、どうにも地味な印象は拭いきれない作品なれど、でもやっぱりファンなら名曲①のために本作も聴きましょう。


HALLOWS EVE - Monument ★★ (2006-11-16 20:30:00)

快活なアメリカン・パワー/スラッシュ・メタルを聴かせる5人組の、'88年発表の3rdアルバム。
良くも悪くもB級スラッシュという印象の強かった前2作に比べ、本作は一皮ベロリと剥けて、本格派の装いのその身に纏わせている。
とにかく音の太さがまるで違う。そこに宿る重量感もこれまでの比ではない。お陰で①(タイトルもズバリ“SPEED FREAK")を
筆頭にスピード・チューンには迫力が出たし、③④のようなヘヴィ・チューンにも説得力が増した。特に、ブッ太いリフが
力強くザクザクと刻まれるミドル・チューンのカッコ良さは、本作の肝。ドスの効いたVoと、歯切れの良い演奏、
そして以前よりも練り上げられたGのフレーズと相俟って、聴いていると勝手に体が動き出します。
ちなみに②はQUEENの有名曲のカヴァーだが、元々、カラリと湿度の低いサウンドが持ち味のバンドなので、
このノリノリのロック・チューンも違和感なくハマっている。収録位置も良い。


HALLOWS EVE - Tales of Terror ★★ (2007-03-28 21:15:00)

末期ラインナップには、必殺仕事人ことジェイムズ・マーフィ(G)がその名を連ねていた事で知られる、
ジョージア州はアトランタ出身の4人組スラッシャー、'85年発表の1stアルバム。
日本デビュー作となった3rd『MONUMENT』では、スカッと爽快で歯切れの良いアメリカン・パワー・メタルを披露していた彼らだが、
この1stの時点では、IRON MAIDENを始めとする欧州へヴィ・メタル勢からの影響も濃厚な、暗く湿ったスラッシュ・サウンドを実践。
音質がイマイチで全体的に垢抜けない印象は拭えないが、それがまた、ダークな楽曲の味わいを増す結果になっていて、
特に、スピーディな③から間髪入れずに繋がる④、バンドの代表曲でもある勇ましい⑥、そして序曲⑦を経て、
ドラマチックに盛り上がる大作⑧といった楽曲はメチャ強力。ドスを効かせた低音や金切シャウトだけでなく、
しっかりと歌う事も出来るパワフルなVoと、ツボを突いたメロディを紡ぎ出すGの存在も頼もしい。
スラッシュ・メタルそのものと言うよりも、その誕生前夜の「ハードコア化したヘヴィ・メタル」的エネルギーが漲る1枚。


HALLOWS EVE - Tales of Terror - Hallows Eve (including Routine) ★★ (2006-05-16 21:18:09)

一皮剥けた3rd「MONUMENT」では、堂々たるアメリカン・パワー/スラッシュ・メタルを披露していた彼らだが、
1stアルバムの時点ではまだ青さが先行気味で、この8分に及ぶ大作曲にも、どこか垢抜けなさが漂う。
んが。そんなものは、この「IRON MAIDEN大好き!」と主張しまくりの攻撃的なリフと力強い曲調、
しかもその曲のタイトルにバンド名を冠して、自分達のテーマ・ソングにしてしまう
直球勝負のメタルバカっぷりの前には些細な問題。
実際、後半のドラマチックな盛り上がりは、かなり聴き応え有り。


HAMMERCULT (2014-04-30 22:55:15)

イスラエルはテルアビブから登場した、限りなくデス・メタル寄りのスラッシュ・サウンドを聴かせてくれる5人組。(CD屋ではデス・メタルのコーナーに陳列されてること多し)
'11年に出場した「WACKEN BATTLE」で最優秀バンドに輝いたことから、元NOISE RECORDS創始者カール・ウォルターバックが新たに設立したSONIC ATTACK RECORDSとの契約をゲット。同年、EP『RISE OF THE HAMMER』を発表してデビューを飾る。
'12年には1stフル『ANTHEMS OF THE DAMMED』を、そして'14年には日本盤も発売された2nd『STEELCRUCHER』をリリースしている。


HAMMERCULT - Anthems of the Damned ★★★ (2014-04-30 22:56:00)

元NOISE RECORDS総帥、カール・U・ウォルターバックに見出された5人組が、'12年に、その彼が新たに興したSONIC ATTACK RECORDSから発表したデビュー作。
デス/ブラック・メタルの洗礼を通過した暴力性をもって、けたたましく吹き荒れるリフ&リズムの暴風に晒される本作は、「イスラエル出身」と聞いて、勝手にエキゾチックな要素を期待してしまうこちらの先入観を爆砕する、タイトに締まったバイオレントなスラッシュ・サウンドが持ち味。
その一方で、本編半ばに鎮座ましますのは、アートワークの世界観を反映したかのような野蛮にしてエピカルな雰囲気も湛えた③⑥⑧。かと思えば、終盤にはANNIHILATOR風のロックンロール・スラッシュ⑩、パンキッシュな⑫、クリスマス・キャロルとブラック・メタルが悪魔合体した(その結果、なぜかジャーマン・メロパワ・メタリックな仕上がりになった)⑬があったりして、とにかく「思い付いたアイデアを片っ端からブチ込んでみました」的な作品。
激烈なスラッシュ・メタル・アルバムとしては一本筋が通っているので、焦点が絞りきれていない!と目くじら立てるよりも、演りたいことを演りたいように演り散らかした、新人バンドらしい前のめりな勢いを買いたい1枚。


HAMMERCULT - Anthems of the Damned - Black Horseman ★★★ (2014-05-01 22:43:19)

嵐のようなドラムの連打で幕が上がる
スパルタンな曲調、このバンドにしては
長尺の4分弱というランニング・タイムが
エピック・メタル/ヴァイキング・メタルに通じる
雄々しさでもって聴き手の闘争心を煽り立ててくれます。


HAMMERCULT - Anthems of the Damned - Hell's Unleashed ★★★ (2014-05-01 22:49:38)

2分台のタイトなランニング・タイムを
好戦的に駆け抜けていくストロング・スタイルの
スラッシュ・ナンバーですが、テンポダウンして
壮大に展開するサビメロは、勇猛且つドラマティックで
メタル魂を大いに盛り上げてくれます。


HAMMERCULT - Built for War ★★★ (2015-11-09 22:47:23)

イスラエルから世界に向かって飛び出した5人組、'15年発表の3rdアルバム。
順調なリリース・ペースが彼らの活動の好調ぶりを物語りますが、充実した内容の方でもそれをしかと裏付ける。映画のサントラを思わすスペクタキュラーな序曲①に導かれる本編は、バンドの主戦場たる昨今の欧州メタル・シーンの嗜好を踏まえたのか、従来作に比べるとエクストリーム・メタル成分を減退させて、メロディック且つ戦闘的なヴァイキング・メタル成分を増量した印象あり。幕開け役の②が圧倒的スピードで押しまくるのではなく、闘争心を煽り立てる「ヘイ!ヘイ!」コーラスを伴ったエピカルな仕上がりであることもその証左かと。
無論、続く③がヤケクソ気味に飛ばしまくる高速スラッシュ・ナンバーであることからも分かる通り、作品の根幹を成すバイオレントで炸裂感溢れるスラッシュ・サウンドのテンションの高さには微塵も緩みなし。中でもスピード・メタリックなGリフをフィーチュアし猛然と駆け抜ける⑥と、パンキーな喧嘩っ早さとメタリックな構築感を併せ持つ⑨は、メタル魂にボッと点火される名曲っぷりですよ。
3作目なのでぼちぼち変化球でも投げ込んでくるかと待ち構えていたら、予想の裏をかく直球勝負の配球で見事空振り三振を取られてしまったような心持ちに浸れる痛快作。「DESTRUCTION meets MANOWAR」の前評判に偽りなし。


HAMMERCULT - Steelcrusher ★★★ (2014-05-01 22:54:51)

デビュー作『ANTHEMS OF THE DAMNED』の高評価をバネに、プロデューサーにKILLSWITCH ENGAGE等との仕事で知られるクリス“ゼウス”ハリスを迎え、ジャケット・アートワークを名匠アンドレアス・マーシャルが手掛けるという万全の布陣を敷いてレコーディング、'14年に発表された2ndアルバム。
本編収録のカヴァー曲⑭⑮⑯の存在が端的に物語る通り、ACCEPTの重厚な突進力、RUNNING WILDのエピカルな構成力、そして聴き手を煽動するノリの良さをMOTORHEADから抽出した上で、それらを現代的にアップデート、更にデス/ブラック・メタル/パンク/ハードコアのブルータリティで攪拌したかのようなスラッシュ・サウンドは、勿論今回も健在。
エピック・メタリックな勇ましさと野蛮さを撒き散らしながら猛然と突進する②④⑦⑬や、聴いてるだけで思わず暴れ出したくなるバイオレントな③⑤⑥といった、リフ&リズムが硝煙弾雨の如く降り注ぐ情け無用のスラッシュ・ナンバーの数々には血を滾らせずにはおられんですよ。
洗練と引き換えに豪快さを薄れさせてしまった音作りは、個人的にはあまり好みとは言えないのですが、ともあれ完成度では確実にデビュー作を上回る充実作。


HAMMERCULT - Steelcrusher - Burning the Road ★★★ (2014-05-06 08:59:21)

スラッシュ・メタルならではの突進力、
エピック・メタルに通じる勇猛果敢さ、
そして体を揺するシンプルなノリの良さ等、
このバンドの持つ様々な魅力が凝縮された
アルバム一押しの名曲。


HAMMERCULT - Steelcrusher - Steelcrusher ★★★ (2014-05-06 08:54:46)

バイオレントなスラッシュ・ナンバーでありつつ
欧州パワー・メタリックな血沸き肉踊る野蛮さ、
勇壮なドラマ性が増量された仕上がりは、
まさしくアンドレアス・マーシャルのイラストを
ジャケットに戴くに相応しい出来栄え。


HAMMERHEAD - Heart Made of Steel ★★ (2024-08-09 00:08:23)

個人的にイアン・パリーの名前を初めて意識するようになったのは、旧ユーゴスラビア出身のギタリスト、ミシャ・カルビンのソロ作にゲスト参加した辺りだったと記憶していますが、勿論彼氏はそれ以前から様々なバンドを渡り歩いてキャリアを地道に積み上げてきており、イギリスからオランダへと活動拠点を移す切っ掛けともなったこのHAMMERHEADもそうしたバンドの一つ(ちなみにDsは後にTWISTED SISTERに加入するジョー・フランコ)
本作はHAMMERHEADが'85年に残した最初で最後のフル・アルバムで、わざわざ元RAINBOWのKey奏者デイヴ・ローゼンタールをプロデューサーに招聘する等、かなり気合を入れてレコーディング作業が行われたにも拘わらず、所属レーベルの方針転換により遭えなくお蔵入りとなってしまった不運な1枚。ゴリゴリにヘヴィ・メタリックではないものの、メロハーというほどポップではない…という中庸な正統派HRサウンドが託されており、VENGEANCEやELEGYに比べるとどうしたって作曲面に弱さが感じられるのはやはり致し方なし。それでもキャッチーにハジける②、歯切れ良くタイトに駆け抜けていく③、欧州産らしい哀愁を湛えた④やしっとり聴かせるピアノ・バラード⑩、アルバムを疾走ナンバーで締め括るバンドは信頼できる!な⑪といった楽曲にはスルーするには惜し過ぎるフックが備わっていますし、それらを時にパワフルに、時にエモーショナルに歌い上げるパリーの説得力抜群のVoも、既にダイヤの原石としての輝きをキラキラに放っていますよ。
人知れず実現していたイアン・パリーとデイヴ・ローゼンタールの顔合わせに興味を惹かれるクチにはお薦めできる一作ではないでしょうか。


HAMMERHEAD - Heart Made of Steel - Down 'n Out ★★★ (2024-08-12 21:52:14)

タイトに疾走するHRナンバー。
イアン・パリーがこの手の楽曲を歌っているのも貴重といえば貴重。
思わず合唱したくなるキャッチーなサビメロが秀逸です。


HARDLINE - Danger Zone ★★★ (2019-05-12 23:00:58)

1st『DOUBLE ECLIPSE』(’92年)の名盤ぶりはつとに有名でも、再結成以降の活動については殆どフォローしてこなかったので、'12年に発表され、久々に購入した本作がHARDLINEの4thアルバムと知ってビックリ。いつの間にかそんなにアルバム・リリースを重ねていたとは…。
すでに兄ジョーイ・ジョエリの姿はラインナップにはなく、今やジョニー・ジョエリ(Vo)のソロ・プロジェクト的な色合いが濃厚に漂う現在のHARDLINEですが、ジョニーのホットなハスキー・ボイスによって歌われる楽曲には、ベタつかない哀愁と大陸産らしいスカッと爽快な抜けの良さという、デビュー作で披露されていたメロディックHRサウンドの美点が脈々と受け継がれていて、これならバンド名の継承にファンから異議を申し立てられることはないのではないでしょうか。
流石に“LOVE LEADS THE AWAY”クラスの名曲は見当たらないものの、FRONTIER RECORDSの仲介でイタリアのメロハー職人アレッサンドロ・デル・ベッキオ(Key)の全面参加が実現したことで、収録楽曲のクオリティは粒選り。広く真っ青なアメリカの空に溶け込んでいくような爽快感を発散するなバラード⑦、哀愁を効果的に増幅する楽器陣のサポートが秀逸な⑨、トルステン・コーウェン(EDEN’S CURSE)の歌うGが心地よい⑪、ハード・チューン⑫等、特に本編後半に集中する名曲/佳曲を得て、ジョニーも持ち前の熱を帯びてパワフルな歌声を駆使し伸び伸びと歌いまくってくれています。
HARDLINEブランドの名に恥じぬ充実作でしたよ。


HARDLINE - Danger Zone - Stay ★★★ (2019-05-14 00:37:36)

哀愁のメロディをホットに歌い上げるジョニー・ジョエリのVoと
爽快に舞うコーラスが、まるで澄み切った真夏の青空へ
溶け込んでいくかのような錯覚を覚える、これぞHARDLINE!な名バラード。


HARLOT - Room with a View ★★★ (2015-04-11 00:26:38)

ROYAL HUNTの母体になったことでも知られるデンマークのWITCH CROSS。そこのシンガーだったアレックス・サヴェージが、新たに(つっても80年代の話ですが)立ち上げたバンドの唯一作。
WITCH CROSS時代は、肩イカらせてNWOBHM風味の荒くれパワー・メタル・ソングを歌っていた彼氏ですが、ここでは打って変わって小洒落た衣装に身を包み、“So Much For Happy Ending~♪”と明るく伸びやかな歌声を披露していて、加藤みどりも「なんということでしょう」と度肝抜かれるレベルの劇的改造ビフォーアフター。
見た目だけに留まらず歌唱力の方も、表現力から何から見(聴)違えるような成長を遂げていますし、何よりも本作に託されている、煌びやかなボーカル・ハーモニーとKeyを惜しみなく注ぎ込んだ、80年代ど真ん中のメロディック・ロック・サウンドは、WITCH CROSSの幻影を追い求めるファンをも力ずくで納得させてしまうクオリティの高さ。
特にポップなサビメロがキャッチーな②はアルバムを代表する名曲。それだけでなく、例えばケネディ大統領のベルリン演説を引用した④ではドラマティックな空気を醸成する等、本編はちゃんとハード・ロッキンなエッジと、北欧のバンドらしい哀感/透明感の保全も図られているのだから隙がない。
月並みな表現ですが、アルバム1枚きりで終わってしまったことが惜しまれるバンドでしたね。


HARLOT - Room with a View - So Much for Happy Endings ★★★ (2015-04-13 22:40:19)

ポジティブな歌詞から、爽やかなKeyを纏って
ポップに跳ねる曲調、美しいハーモニーに彩られた
キャッチーなサビメロまで、WITCH CROSS時代とは
まるで異なる仕上がりの楽曲ながら
これはこれで全然あり!な北欧ハードポップの名曲。
アルバムのリーダー・トラックではないでしょうか。


HARLOT - Room with a View - Spirits ★★★ (2015-04-13 23:14:32)

北欧ハードポップ路線のアルバムの中においては
比較的重厚且つ大スケールに盛り上がっていく
曲調が異彩(ってほどでもないけど)を放つナンバー。
中盤には“Ich bin ein Berliner”の文句で知られる
ケネディ大統領のベルリン演説(だよね?)の音源が引用され
ドラマティックな曲展開に華を添えます。


HARMONY - Chapter II: Aftermath ★★ (2009-10-17 01:00:00)

スウェーデン出身の5人組様式美HMバンドが'08年に発表した2ndアルバム。(国内盤リリースは'09年)
ここ最近、この手の音楽性のバンドとはトンとご縁がなかったのだが、評判の高さに釣られて思わず本作を購入、
早速聴いてみて「なるほど、こりゃ確かに素晴しい作品だ」と膝を打った次第。
重厚に刻まれるリフ&リズムは、デビュー作がMASSACRE RECORDSから出ていたのも納得のいくダーク&へヴィさを
誇っているが、アルバム全編を、北欧のバンドならではの悲哀と冷気に満ちたクラシカルなメロディが劇的に
彩っているため、大味感や無機質さは皆無。流麗にネオ・クラシカルなフレーズ紡ぎ出すGや、重心低くパワフルに
疾走するリズム隊が非常に良い仕事をしているが、何と言っても本作の主役を張るのは、泣きの入ったハイトーンを駆使して
顔が歪む程の強烈な「憂い」を撒き散らすメロディを熱唱するVoと、冷やかに零れ落ちていくようなピアノの音色で
楽曲のドラマ性&叙情性増幅に大きく貢献するKey。特に、この両者の特性が遺憾なく発揮されたパワフルなOPナンバー①や、
アルバム表題曲②、そして名曲中の名曲⑦の素晴しさと来た日にゃ、「この曲を聴くためだけに本作を買え!」と
思わず極論を述べたくなるほど。取り分け、北欧様式美HMの魅力を体現したかのような劇的極まりない疾走チューン⑦は、
個人的に'09年度のベスト・チューン候補の1つ。尚、この曲で強力な喉を披露しているのは、
元LOST HORIZON~現HEEDのダニエル・ハイマン(Vo)である事も付け加えておきます。
いやー、いい買い物した。今度1stアルバムも買って来よう。


HARMONY - Chapter II: Aftermath - Inner Peace ★★★ (2009-10-17 01:05:23)

疾走するリズムに乗って流麗にクラシカルなフレーズを
紡ぎ出すGやKeyといい、寒々とした歌メロを熱唱するVoといい、聴いてるだけで「これぞ北欧様式美HM!」と
思わずガッツポーズ取りたくなってしまう名曲。


HARMONY - Dreaming Awake ★★ (2010-05-05 17:37:00)

日本デビュー作となった、2nd『CHAPTER Ⅱ:AFTERMATH』が各所で高く評価された
スウェーデン出身の5人組HMバンドが、'03年にMASSACRE RECORDSからリリースしていたデビュー作。
北欧のバンドらしい叙情性と冷気は保ちつつ、へヴィネスとダークネスを増量して、よりパワー・メタル色を
強めた『CHAPTER~』に比べると、本作はオーソドックスな北欧ネオクラ・メタル寄りの作風で、
コブシの回りまくるVoの歌いっぷりもあって、ヨラン・エドマン在籍時のイングヴェイ・マルムスティーンを
彷彿とさせる部分多し。(ブルーズ色は皆無だけどね)
特に、短いインスト曲をイントロに配して疾走するスピード・チューン②⑦は、劇的なメロディを流麗に紡ぎ出すGといい、
楽曲全体を華やかに/冷やかに彩るKeyといい、そして何より「これぞネオ・クラシカル!」といった趣きのメロディを
コブシを効かせて歌い上げる強力なVoといい、北欧メタル・ファンなら思わず歓声を上げること必至の名曲。
次作に比べると、後半にこれといったキメ曲がない事、クオリティは高いものの全体的に楽曲が無駄に長く
(半数以上の楽曲が6分越え)、通して聴くとややダレる等の弱点も目に付くが、そうしたポイントも
2ndアルバムではちゃんと修正されている辺り、このバンドの潜在能力の高さが伺えて頼もしい。
とりあえず、『CHAPTER Ⅱ:AFTERMATH』が気に入った人なら購入しておくべき1枚かと。


HARMONY - Theater of Redemption ★★ (2015-02-14 00:20:26)

'08年屈指の名曲“INNER PEACE”でこっちに強烈なインパクトを焼き付けながらも、その後はとんと音沙汰がなかったマーカス・シグフリードソン(G)率いるHARMONYから、久々に届けられた新作アルバム。
前作では、その“INNER PEACE”1曲のみのゲスト参加に留まっていた元LOST HORIZONのダニエル・ハイメン(Vo)が今回は正式参加。全曲で自慢の強靭な喉を披露していることもトピックな本作ですが、音楽性の方は、これまでの疾走感溢れるネオクラ・パワー・メタル路線から若干の軌道修正有り。
全編を冷え冷えと彩るミスティックなメロディは健在なれど、スピードダウンした代わりにエピカルでプログレッシヴな大作感を強調した感じの楽曲は、昨今の欧州メタル・シーンの嗜好を踏まえた仕上がり。クラシカルな疾走チューン⑪が日本盤用ボーナス・トラック扱いなことからも、バンドの基本姿勢は明らか。
KAMELOT風味のエキゾチックなメロディが妖しげに踊る④、悲壮感の充満した曲調にダニエルの熱唱が映える⑤、バンドのテーマ曲とも言えなくもないキャッチーな⑩等、この路線の楽曲もそれはそれで魅力的なのですが、今回は“INNER PEACE”級の決め手には欠ける印象。前作でアレンジの肝となっていた、指先から零れ落ちていくようなピアノの美旋律が殆ど聴かれなくなってしまったことも、その感じてしまう要因かなぁと。質は十二分に高いんですけどね。


HARROW ★★ (2009-01-08 22:29:00)

VENDENBERGのギター・ローディとして来日経験もあるハリー・ヴェイリング(G)が、ジョニー・フレイターマン(B)を
誘って結成した、オランダはオーファーアイセル州ロッシャル出身の5人組パワー・メタル・バンド。
'93年に6曲入りEP『THE RISING PHENIX』をリリースしてデビュー。
VICIOUS RUMORSばりのパワー・メタル・サウンドが好評を博し、
'94年には、1stフル『THE PYLON OF INSANITY』で日本デビューも果たす。
次作『CALL OF THE UNBORN』('97年)がBURRN!!誌で高得点を獲得、
同作に収録されていたRIOTの名曲“ROAD RACIN"のカヴァーがちょっとした話題となるなど、
順調に活動を展開していくが、メタル冬の時代の逆風には抗い切れず、
'99年リリースの4th『EMBRACE THE WORLD』を最後に解散。

リーダーのハリーは、現在はオランダにてスタジオを経営をしているのだとか。


HARROW - CALL OF THE UNBORN ★★ (2009-01-09 21:51:00)

NOISE RECORDSからのドロップ、新たに契約を交わしたレコード会社の倒産、メンバーの脱退といった数々の困難を
乗り越えて'97年に発表された2ndアルバム。
プロデューサーに、当時、OVERKILLに在籍していたジョー・コミューとセバスチャン・マリノを迎えただけあって、
スラッシュ・メタル色を一気に強めた本作は、別人のように逞しいVoの歌いっぷりといい(歌メロの魅力も向上)、
破壊的なGリフの刻み具合、腰の据わったリズムの突進力、そしてダイナミックな曲展開といい、ドスの効いたヘヴィ・サウンドは
前作『PYLON OF INSANITY』からベロリと一皮向けて、ある種、威厳や貫禄のようなモノを漂わすまでに成長。
疾走チューン④⑪、重々しく劇的な⑤⑧、凝ったアレンジで聴かせるインスト曲⑦、ヘヴィ・バラード⑩といった楽曲は、
彼らの影響元であるVICIOUS RUMORSやMETAL CHURCHといったバンドに比べると、一聴してグッと掴まれるような
「キャッチーさ」には欠けるものの、このバンドならではの、ヘヴィネスと叙情メロディの融合を堪能する事ができる。
また本作を語る上で外せないのが、日本盤にオマケ収録され、一部メタル・マニアの間でそのカッコ良さが話題となった
RIOTの名曲“ROAD RACIN"のカヴァー⑪。シャープな原曲をよりパワフルにリメイクしたこのバージョン、
去年だか一昨年だかのTHRASH DOMINATIONの会場でも流れていたので、聴き覚えのあるスラッシャーも多いんじゃなかろうか?
ここ日本ではHARROWの代表作として取り上げられる機会の多い作品であり、個人的にも、彼らの最高傑作として強力にお薦めしたい1枚。


HARROW - CALL OF THE UNBORN - DEMOLITION ★★ (2009-01-09 23:29:20)

疾走パートも織り交ぜつつ、ダイナミックに盛り上がっていくヘヴィ・ナンバー。
歌メロの構築に難のあるバンドだが、この曲は結構フックが感じられて好印象。
劇的なインスト・パートも良い感じ。


HARROW - CALL OF THE UNBORN - FRIENDS ★★ (2009-01-09 23:32:26)

序盤のクリーンな歌い上げといい、
後半の振り絞るようなシャウトといい、
Voの歌唱力向上がハッキリと確認できる
ドラマティックなバラード。


HARROW - CALL OF THE UNBORN - ROAD RACIN' ★★★ (2009-01-09 23:35:04)

言わずと知れたRIOTの代表曲のカヴァー。
シャープで軽快な原曲、へヴィ且つパワフルにリメイク。
これがバンドの音楽性ともマッチしていて非常にカッコいい。
2ndアルバムはこの曲を聴くためだけにでも購入する価値あり!
と、思わず断言したくなる出来栄え。


HARROW - EMBRACE THE WORLD ★★ (2009-01-09 21:52:00)

惜しくもHARROWのラスト作となってしまった、'99年発表の3rdアルバム。
今回は「母なる大地、父なる自然を守ろう」というエコな主張の込められたコンセプト・アルバムと言う事で、
曲間をSEで繋ぎ、楽曲にはKeyを積極導入、シンフォニックなアレンジを施す等、よりスケールの大きな曲作りが
試みられている点が特徴で、また、生々しくシンプルなサウンド・プロダクションや、ヒステリックなシャウトを
多用するようになったVo、重心を低く落としてヘヴィにうねるリフ&リズムには、当時のアングリー・ミュージックからの影響が伺える。
流行を取り入れつつも自らの個性は見失わず、メロディとドラマティックな曲展開への拘りをきっちりと
貫き通しているのは流石で、特にイントロ(SE)を経てスタートする、ヘヴィ極まりない演奏の上に憂いに満ちた
歌メロが乗る②、破壊的な曲調の中から美しさが滲み出してくる③は、本作の作風を象徴するかのような見事な出来栄えを誇る。
また、ラップ風のVoを取り入れた⑤や、哀愁を帯びたサックスの音色をフィーチュアした⑥のような楽曲ですら
珍奇な印象は皆無で、普通にカッコいいパワー・メタル・ナンバーに仕上げているのだから大したものだ。
尚、本作にはボーナス・トラックとしてVICIOUS RUMORS屈指の名曲“DON'T WAIT FOR ME"のカヴァーが収録されているのだが、
これが想像通り、ドンピシャなハマリっぷりで嬉しくなってしまった。まぁ、この曲のインパクトで本編の印象が
吹っ飛んでしまうというのはちと問題だけど・・・。


HARROW - EMBRACE THE WORLD - DON'T WAIT FOR ME ★★★ (2009-01-09 23:43:48)

3rdアルバムにボーナス・トラックとして収録されている
VICIOUS RUMORS屈指の名曲のカヴァー。
「演ったらハマるだろうなぁ」とは思っていたが、
予想以上のハマリっぷりで思わず笑ってしまった。


HARROW - EMBRACE THE WORLD - NATURE'S CRY ★★ (2009-01-09 23:41:22)

ダークなノリの前半を経て、
メロディアスなGソロ、美しいアコギ、
Keyによるシンフォニックなアレンジなどによって
聴き進むにつれてドラマティックに盛り上がっていく
ヘヴィ・チューン。


HARROW - THE PYLON OF INSANITY ★★ (2009-01-08 22:42:00)

'93年に自主制作したEP『THE RISING PHENIX』が評判を呼び、ドイツのNOISE RECORDSとディールを交わした
オランダの5人組HMバンドHARROWが、スヴェン・コンクエストをプロデューサーに迎えてレコーディング、
'94年に発表した(本邦デビュー作ともなった)1stフル・アルバム。
VICIOUS RUMORSやMETAL CHURCHからの影響が伺える、ダークでドラマティックなパワー・メタル・サウンドは
デビューEPの作風の延長線上にあるが、今回は'94年という時節柄、よりへヴィさに拘った内容に仕上がっており、
特に、肉厚な鉈の如きGサウンドと、重厚感をいや増したリズム・セクションにその拘りが顕著に表れている。
とは言え、へヴィネス一辺倒に陥ることなく、疾走曲を要所に配し、叙情メロディにもちゃんと気を配っているのが
このバンドの良い所で、VICIOUS RUMORS風のドスの効いたパワー・チューン⑦や、アコギも取り入れたヘヴィ・バラード⑨、
メロディックに疾走するパワー・メタル然とした⑩等は、まさにこのバンドならではの魅力に満ち溢れたナンバー。
ヘヴィネスが増量された分、歌メロのフックの弱さが浮き彫りになってしまった印象があり、長大な収録時間と併せて
通して聴くとややダレるのが残念だが、不思議と嫌いにはなれない1枚。


HARROW - THE PYLON OF INSANITY - ETERNAL CHASE ★★ (2009-01-08 22:51:35)

1stアルバムはヘヴィネスに拘った分、歌メロの弱さが気になる
仕上がりだったが、この曲は歌メロの弱さをインスト・パートの
劇的さでカバー。ドスの効いたコーラスもカッコいい。


HARROW - THE RISING PHENIX ★★ (2009-01-08 22:31:00)

元VANDENBERGのクルーで(同バンドが'84年に行った来日公演にも帯同した)ギタリストのハリー・ヴェイリングが
中心となり、オランダはオーファーアイセル州ロッシャルにおいて結成された5人組パワー・メタル・バンドが、
'91年に発表した自主制作による6曲入りデビューEP。(後に日本のみで、TYTAN、IRON MAIDEN、TYGERS OF PAN TANG、
MSG、DEEP PURPLE等のカヴァー曲を追加収録したスペシャル・エディション盤がリリースされている)
そのサウンドは、ザクザクと力強く刻まれるGリフと重厚なリズム・セクションの上に、ヘタウマなVoとメロディックな
ツインGが乗っかった、NWOBHMにも通じる垢抜けない雰囲気を漂わせたパワー・メタル。よりコアな方向へと歩みを
進める後の作品に比べると、本作はグッとオーセンティックなHM寄りのスタイルが取られており、こと「取っ付き易さ」に
かけてはHARROWの作品の中でも随一。取り分け、雄々しくパワフルに疾走するメロディック・パワー・メタル・チューン③は、
このバンドの代表曲として今でも時々聴きたくなる名曲の1つ。(ドラマティックに盛り上がる⑤⑥も良い曲)
HARROWの最高傑作と言えば、個人的には2nd『CALL OF THE UNBORN』を推すが、パワーとメロディが丁度良い按配で
組み合わされた本作の魅力もまた捨て難い。国内盤のみに収録されたカヴァー曲の数々も美味しいしね。


HARROW - THE RISING PHENIX - BLUE LIGHTNING ★★ (2009-01-08 22:35:34)

後の作品ではスラッシュ化が進む彼らなれど、
歌い上げるVoといい、強力なGリフといい、疾走感といい、
この曲はもろパワー・メタリックな仕上がり。
初期HARROW屈指の名曲。


HARTER ATTACK (2014-05-11 09:16:52)

80年代半ば、リチャード・ハーター(Vo、G)によってアメリカはニュージャージーにおいて結成。当初は後にNUCLEAR ASSAULTに参加するグレン・エヴァンス(Ds)や、元RIOTのキップ・レミングス(B)を含む編成だったが、その後メンバー・チェンジが発生。リチャード、ニック(B)とジョージ(Ds)のチェホールズ兄弟という陣容に落ち着いた。
しかしバンドを去った後もグレン・エヴァンスとの友情は続いており、彼らが'89年に発表した1stフル『HUMAN HELL』ではグレン(及び彼の運営するレーベル)がプロデュース&配給を手掛けるのみならず、ダン・リルカやアンソニー・ブラマンテらNUCLEAR ASSAULTのメンバーも本編にゲスト参加して作品に花を添えていた。


HARTER ATTACK - Human Hell ★★ (2014-05-11 09:17:33)

グレン・エヴァンスがプロデュースを手掛け、彼の運営するARENA RECORDSからのリリース。加えてダン・リルカが曲作りに関与し、更に⑥ではアンソニー・ブラマンテがリードGとして客演・・・といった具合に、NUCLEAR ASSAULTの全面バックアップを受けるニュージャージー出身のトリオが、'89年に残した最初で最後のフル・アルバム。
そうした縁ゆえか、音楽性の方も「小型NUCLEAR ASSAULT」といった趣き。上擦り気味のハイピッチVoに、限定的な音域を忙しなく行き来するGリフと、オカズ少なめのリズムとが直線的に突っ走る、コンパクト且つソリッドに締まったスラッシュ・サウンド。
これといった突出した楽曲が見当たらないため、NUCLEAR ASSAULT程のインパクトは感じられない・・・というのが正直なところですが、それでも、ハードコアな突破力とへヴィ・メタリックなエッジ、ダイナミズムを併せ持った楽曲の豪快な走りっぷりもあって、本編はダレることなく、あれよあれよの内に最後まで聴き通すことができます。
例えばグレン・エヴァンスのサイド・プロジェクト、C.I.A.の諸作が気に入ったスラッシャーならば、本作も押さえておいて損はないのではないでしょうか。


HATRIOT (2013-04-14 22:16:56)

EXODUS離脱後は、趣味で演ってるAC/DCのカヴァー・バンドや、TENET、DUBLIN DEATH PATROLといったプロジェクトでプレイする以外は、ほぼセミ・リタイア状態にあったスティーヴ“ゼトロ”サウザ(Vo)が、ライブ会場で出会った若きギタリスト、コスタ・ヴァルヴァタキスの存在にモチベーションを刺激されて、'11年に結成したニュー・バンド。
同年、セルフ・タイトルの4曲入りデモテープを制作した後、ドイツのMASSACRE RECORDSと契約。'13年には、ゼトロの実子、コーディ(B)とニック(Ds)を含むラインナップで1st『HEROES OF ORIGIN』を発表している。


HATRIOT - Dawn of the New Centurion ★★★ (2014-04-15 23:47:43)

サウザ・ファミリーと、俊英コスタ・ヴァルヴァタキス(G)により結成されたスラッシュ・メタル・バンドが、デビュー作から1年という短いスパンで発表した2ndアルバム。
あまりに特徴的なゼトロのカミソリ声、切れ間なく撃ち出されるリフ&リズムの機銃掃射、その合間でメロディックなツインGが曳光弾の如く閃く・・・。ライブでの煽動効果も計算に入れた、EXODUSをよりキビキビと引き締めた感じのスラッシュ・サウンドは、本作においてもブレていません。
ゼトロの帰還を満天下に知らしめるべく、敢えて攻めの姿勢を全開放していた前作に比べると、今回は重厚感や曲展開の妙、ダイナミズム演出にも気を払う等、プレッシャーから開放されて、より伸び伸びと音楽性の幅を広げにかかっている感触。
それでも本作が純然たるスラッシュ・アルバムであることは、血気盛んな①②④⑨といったスピード・ナンバーを聴くまでもなく明らか。特に研ぎ澄まされたアグレッションと、緩急の効いた曲展開、それに密度を高めたツイン・リードGとがフィーチュアされた③は、本作ならではの名曲。
従来のスラッシュ・サウンドを堅持しつつも、新たに取り入れられた諸々の要素が、次作辺りで分岐点がやって来そうなことも予感させる1枚・・・ってなところでしょうか。


HATRIOT - Dawn of the New Centurion - The Fear Within ★★★ (2014-04-17 23:17:59)

直線的なアグレッションのみならず、
噛み付くように歌うゼトロの歌メロのカッコ良さから
2本のGを効果的に用いたドラマティックな曲展開まで
より緩急とダイナミズムを重視した2ndアルバムの
作風を象徴するような名曲に仕上がっています。


HATRIOT - From Days Unto Darkness ★★★ (2020-04-05 01:01:07)

本業であるEXODUSの活動が多忙となり、二足の草鞋を履けなくなった看板シンガーのスティーヴ“ゼトロ”サウザが脱退。後任は迎えず、息子のコーディ・サウザがBとVoを兼任する4人編成へと移行したHATRIOT、'19年発表の3rdアルバム。
既に散々言われてますが、でもやっぱり本作を聴いて驚かされるのは父子の歌声が激似なこと。昔友人の家に電話を掛けたらそいつの親父が出て、あまりに声が似ていたので暫く気付かずに一方的に話し続けてしまった学生時代の思い出が不意に蘇るぐらいのそっくりさ加減。何も知らなければメンバー・チェンジにさえ気付かなかったんじゃなかろうか?。
そうした編成替えを経て、父親の目も届かなくなったことだし大胆に作風を刷新だ!…なんてことはなく。イントロで抑え込んだ衝動を一気に解き放つOPナンバー①の苛烈な突撃ぶりが物語る通り、今回も前2作のスタイルを継承するスラッシュ・メタル・サウンドを徹底。寧ろブラスト・ビートの多用や随所で噛まされるデス声コーラス等、これまで以上にマッシヴに音楽性を絞り込んできたとの印象です。特に、噛み付くようにシャウトするヤスリ声Vo、作曲センスのみならず、鮮烈なGプレイも曲中に焼き付けるコスタ・ヴァルヴァタキス、息の合った演奏で硬質なリズムの壁を築くニックとコーディのサウザ兄弟が一丸となって畳み掛ける、7分以上の尺を全く長く感じさせない⑥、メロディックなGソロが劇的に華開く⑦、キャッチーなリフとデス・メタリックなアグレッションが並走する⑨等々、収録曲にはゼトロが抜けた穴をカバーして余りあるエネルギーが渦巻いていますよ。
「親は無くとも子は育つ」の格言の意味をしみじみと実感させてくれる力作。


HATRIOT - From Days Unto Darkness - Frankenstein Must Be Destroyed ★★★ (2020-04-06 00:11:03)

ゼトロそっくりのヤスリ声でシャウトするVoと
ガリガリと鼓膜に突き立つ鋭角的なGリフ、
鮮烈なGソロが硬質なリズムに乗って突撃。
7分以上の長尺を一切テンション緩ませることなく
走り抜ける、HATRIOTというバンドの魅力が
分かり易く詰まったスラッシュ・ソング。


HATRIOT - HEROES OF ORIGIN ★★★ (2013-04-14 22:17:37)

EXODUS脱退後は、単発プロジェクトにバイト感覚で参加する程度だったスティーヴ“ゼトロ”サウザ(Vo)が、コーディ(B)とニック(Ds)という2人のご子息を伴い、自身のバンドを率いてシーンへと戻って参りました。しかも、情け無用に炸裂するリフ&リズムの絨毯爆撃といい、テクニカルに乱れ咲くGソロといい、聴いているだけでケツに火が点く、バリバリのEXODUS路線スラッシュ・メタルへのご帰還ですよ。
ブラスト・ビートも難なくこなす剛性なリズム・セクションの存在もあり、本家に比べ強面な印象も受ける本作ですが、それでもゼトロがTENETで聴かせたエクストリーム・メタル・サウンドよりは「気楽に殺ろうよ」(c藤子不二雄)的なノリの良さが感じられ、やっぱりこの手のスタイルの方が、ゼトロのボン・スコット系へしゃげ声は映えますね。
特に、衰え知らずのカミソリ・シャウトと研ぎ澄まされたGリフが、鼓膜を切り裂かんばかりに襲い来る冒頭①②③の畳み掛け、そしてラスト・ナンバー⑩辺りには「あ~、俺やっぱスラッシュ・メタルが好きだなぁ」と、しみじみと実感させてくれるカッコ良さが宿っています。
本家EXODUSと比較した際に感じられる、頭抜けたキメ曲の不在やツインGのドラマ不足も、これがデビュー作なら、寧ろ将来への期待を高める要素になるってもんですよ。


HATRIOT - HEROES OF ORIGIN - Heroes of Origin ★★★ (2013-04-15 21:36:33)

痛快極まりないアルバム表題曲。
最初から最後まで、全く手を緩めることなく
突貫してアルバムのラストを締め括る様は
まさしく一気呵成。


HATRIOT - HEROES OF ORIGIN - Murder American Style ★★ (2013-04-15 21:33:36)

ドリルの如く回転しながら抉り込んでくる
Gリフと、コスタ・ヴァルヴァタキスが炸裂させる
ド派手なGソロが聴きモノのスラッシュ・チューン。


HATRIOT - HEROES OF ORIGIN - Suicide Run ★★★ (2013-04-15 21:27:09)

トライバルなイントロを切り裂いて
殺傷力満点のGリフ、カミソリVo、性急なビートが
猛然と走り始めれば、あとはもうラストまで
首を振り続けるのみ。
エンディングはちょっと“PAINKILLER”風味?


HATRIOT - HEROES OF ORIGIN - Weapons of Class Destruction ★★★ (2013-04-15 21:31:01)

サビに向けてぐいぐいスピードを上げつつも、
縦方向に弾むノリの良さも備えた
本編中、最もEXODUSとの共通点を感じさせる
キャッチーな名曲。
個人的にアルバムで一番お気に入りです。


HAVE MERCY (2016-04-24 10:34:34)

'83年結成。メリーランド州ボルチモア出身の5人組。’86年制作のデモテープ『MASS DESTRUCTION』がアングラ・シーンで注目を集め、更にその中から名曲“THE OMEN”を『METAL MASSACRE Ⅶ』に提供したことが切っ掛けとなり、バンドはCOMBAT RECORDSと契約を締結し、同年、『MASS~』の楽曲をリレコーディングしたEP『ARMAGEDDON DESCENDS』でデビューを飾る。
前途揚々に思われたが、繰り返されるメンバー・チェンジが足を引っ張り(特にシンガーの座が不安定だった)活動は軌道に乗らず、間もなくレーベルとの契約も失ったバンドは、結局フル・アルバムをリリースすることなく80年代末期に消滅した。


HAVE MERCY - Combat Boot Camp(ARMAGEDDON DESCENDS) ★★ (2016-04-24 10:39:28)

HAVE MERCYが『METAL MASSACRE Ⅶ』に提供していた名曲“THE OMEN”の劇的なカッコ良さに度肝抜かれて、こいつら他に何か音源を残してないの?と探し回った末に行き着いた、'86年発表の6曲入りデビューEP。正確には、COMBAT RECORDSが「新人バンドの青田刈り」&「デビューにかかる諸々の経費節減」という一石二鳥を目論んで考案した、『COMBAT BOOT CAMP』シリーズの一作としてリリースされた作品だったりするのですが、ま、それはともかく。
楽器陣が絶え間なく動き回り、テクニカルなキメがビシバシと入る技巧派パワー/スラッシュ・メタルを身上とするバンドですが、そのサウンドに「プログレ」とか「インテレクチュアル」とか評せる程のヒネくれ感や複雑さは薄め。作品全体を支配するのは飽くまで、頭よりも肉体に訴えかけて来る、前のめりな突撃感覚です。
正直、“THE OMEN”を超えるインパクトを持つ楽曲は見当たりませんでしたが、怒涛の如く突っ走る②を筆頭に、聴いてるだけでテンション上がるパワー・チューンが揃っていますし、何より、それらを攻撃的に歌い上げるロニー・フレッチャー(Vo)の歌唱が物凄ぇ。ビブラートを伴いながら鋭く切れ上がるハイトーンは耳をつんざくド迫力で、ほぼ無名のマイナー・バンド(失礼)にこんな実力者がいたりするんですから、ホント、アメリカのミュージシャン層の厚さは半端ねえな、と。
TOXIKとかREALMとかにグッとくる感性の持ち主にお薦めする1枚。


HAVE MERCY - Combat Boot Camp(ARMAGEDDON DESCENDS) - Have Mercy - Mass Instruction ★★★ (2016-04-24 23:15:27)

全楽器が手数多く荒れ狂うハイテンションなOPナンバー。
その楽器陣を前に一歩も引かないにハイトーン・シンガーの
パワフルな歌いっぷりも、テンションの高さに更に拍車を掛けています。


HAVE MERCY - The Years of Mercy ★★ (2016-04-27 00:04:39)

多くのパワー/スラッシュ・メタル・バンド同様、活動開始当初はNWOBHMをお手本にオーソドックスな正統派HMサウンドを志向し、その後作品を重ねる毎に音楽性を先鋭化させていったHAVE MERCYの音楽的変遷を一気に振り返るのに便利なアンソロジー盤。
結成から解散までの間に制作されたデモ音源が取りまとめられていますが、やはり完成度的に傑出しているのは、アングラ・シーンでヒットとなった『MASS DESTRUCTION』(’86年)収録曲。ハッキリ言って音質は相当の覚悟を要するレベル(COMBATからこのデモでデビューを飾る話を貰った際、バンドはわざわざスタジオ入りしてレコーディングをやり直したぐらい)なれど、ロニー・フレッチャーの強力なハイトーンVoとテクニカル且つハイテンションな楽器陣の演奏に彩られた楽曲の数々は、プロダクションの悪さを押して尚伝わるカッコ良さ。
特に、かの『METAL MASSACRE Ⅶ』に提供され(それゆえかデビューEPからはオミットされてしまった)、マニアの間にHAVE MERCYの名を一躍知らしめた名曲“THE OMEN”は、パワフルな疾走感といい、勇ましくドラマティックな曲展開といい、パワー/スラッシュ・メタル愛好家必聴の逸品。
この曲目当てでも購入を考える価値は十分にある1枚ではないでしょうか?と。


HAVE MERCY - The Years of Mercy - The Omen ★★★ (2016-04-24 23:24:00)

『METAL MASSACRE Ⅶ』にも提供されたHAVE MERCYの代表曲。
初期正統派HM路線と後のテクニカル・スラッシュ路線の丁度中間点に
産み落とされた名曲で、キビキビとタイト且つパワフルな疾走感に
溢れた曲調の「これぞメタル!」なカッコ良さも然ることながら、
その上に乗るシンガーの耳を劈くハイトーンもインパクト大。
アメリカン・パワー/スラッシュ・メタル史に残したい逸品ですよ。


HAVOK (2012-07-17 19:48:31)

'04年にコロラド州はデンバーにて誕生。
NWOTMの盛り上がりの中で頭角を現し(LAZARUS A.D.とは特に親交が深いらしい)、'06年にシングル『MURDER BY METAL』を、'07年に1stデモ『THRASH CAN』をリメイクした6曲入りEP『PWN' EM ALL』(元ネタがあからさまに透けてるタイトルですね)を制作後、アメリカのCANDLELIGHT RECORDSとディールを締結。デヴィッド・チャべス以下、ジェス・デ・ロス・サントス(B)、ショーン・チャべス(G)、ライアン・ブルーム(Ds)というラインナップで'09年に1stフル・アルバム『BURN』でデビュー。
主にベイエリア・スラッシュ勢からの影響を散りばめたオールドスクールなスラッシュ・メタルを追及しつつ、勢い任せにしない構築感をも兼ね備えたサウンドが高評価を獲得し、'11年には2nd『TIME IS UP』を発表。Gの片割れとドラマーにメンバー・チェンジが発生していましたが、こちらもデビュー作を上回る快作。
また'12年には4曲入りEP『POINT OF NO RETURN』もリリースしている。


HAVOK - Burn ★★★ (2012-07-17 21:53:17)

コロラド州デンバー出身の4人組が、'09年にCANDLELIGHT RECORDSから発表した1stアルバム。
サンクス・リストに並ぶバンド群、LAZARUS A.D.、BONDED BY BLOOD、SKELETONWITCH、VEKTORらと共にNWOTMの盛り上がりの中から伸してきた彼らですが、ヨーロッパよりもベイエリア・スラッシュ勢からの影響が色濃く感じられるサウンドは、かっちりとした音作り(派手に動き回るBの音がちゃんと聴き取れるのが嬉しい)に、スピードよりも展開を重視した収録楽曲等、良い意味で新人スラッシャーらしからぬ落ち着きが感じられ、特に叙情インスト曲①に導かれてスタートするヒネリの効いた②は、本作の方向性を如実に示した名刺代わりの1曲かと。
テクニカルな2本のGが繰り出す、鋭角的なリフと滑らかなメロディの組み合わせはTESTAMENTがお手本かな?(実際メンバーの1人は彼らのTシャツを着用)
幾つかの楽曲は、こねくりが過ぎて曲の輪郭がぼやけてしまっている点が玉に瑕ですが、VoとGがメロディアスに歌うパワー・メタリックな④、畳み掛けるように襲い来る⑩、切迫感と爆発的な疾走感に血圧が上がる⑫を筆頭に、本編には聴いているだけで血が騒ぐ名曲が多数収められており、デビュー作でこの完成度の高さは実に立派ですよ。


HAVOK - Burn - Afterburner ★★★ (2012-07-21 21:38:33)

アルバム中、最もスラッシュ・メタルらしいスラッシュ・ソング。
“AFTERBUNER”のタイトルに相応しい高推力で突進する
尖がった曲調は、ガンガン頭振らずにはいられない暴力衝動にも
火を点けてくれます。


HAVOK - Burn - Category of the Dead ★★★ (2012-07-21 01:01:20)

デヴィッド・チャべスがシュレッダーとしてはもとより、
シンガーとしての才能も発揮した名曲。
別にメロディアスに歌い上げているわけじゃありませんが
切迫感を撒き散らしながら畳み掛けて来る
歌メロのカッコ良さにテンション上がりまくりですよ。


HAVOK - Burn - Identity Theft ★★★ (2012-07-21 00:19:42)

一応メロディをなぞって歌うVoや
静と動をわきまえた劇的なGソロを聴いていると
TESTAMENTの姿が思い浮かびますが
楽曲自体はそれほどソックリというわけではない。
限りなくパワー・メタル寄りの
スラッシュ・ソングといった趣きの名曲です。


HAVOK - Conformicide ★★★ (2017-11-06 23:13:44)

‘14年には来日公演も行っているコロラド州デンバーの4人組スラッシャーが、新たにCENTURY MEDIA RECORDSと契約を交わし4年ぶりに発表した4thアルバム。何故にそれほどブランクが空いたのかっつーと、リーダーのデヴィッド・サンチェスがハイキング中に左手首を骨折して9か月以上もギターに触れない時期を過ごしたためだとか。
構築感重視のTESTAMENT型だった1stと2nd、奔放なEXODUS型へとサウンドのマイナー・チェンジが図られた3rdと来て、骨折期間中に味わったフラストレーションもたんまり音の方に込められているという今作は、MEGADETHを思わす展開が多用された⑤を筆頭に、5~7分台と割と長尺めの曲を多数収録する等、まるで全編に亘って派手に鳴らしまくる新加入の腕利きBの存在に触発されたかの如く、テクニカル・メタル寄りのアプローチが目立つ。またVoと2本のGがメロディックに歌う正統派HM風の⑩あり、PANTERAのカヴァーに挑戦してみたりと、曲作りの幅もこれまで以上の広がりを提示しています。
果たして1曲目のグルーヴィなイントロを聴いた時はどうなることかと思いましたが、後に続く②は一緒に叫びたくコーラスを有した血沸き肉躍る名曲。以降も、薄暗い緊迫感を湛えて突っ走る③、緩急を効かせた⑥、切れ味鋭く突撃する⑧といった優れたスラッシュ・ナンバーが要所を締めてくれるお陰で、本編は終始高いテンションを保持。そもそも前述の①からしてイントロが終わった後は激走へと展開していく佳曲なわけで。
聴き終ってみたら「これはこれで非常に優れたスラッシュ・メタル・アルバムであった」と、結局前作を聴いた時と全く同じ結論に落ち着くのでありました。良いですよ、これ。


HAVOK - Conformicide - Hang 'em High ★★★ (2017-11-07 22:53:46)

このレベルの楽曲をアルバム毎に用意できるのであれば
HAVOKは今後も安泰だな!と思わせてくれる、
ゴリゴリ鳴りまくるBに引っ張られる形でタイトに
疾走するスラッシュ・ナンバーの逸品。
一緒に叫ばずにはいられないコーラスに血が滾ります。


HAVOK - Conformicide - Masterplan ★★★ (2017-11-07 22:59:38)

インストの前半と爆発的疾走へ転じる後半の二部構成に、
テクニカル且つドラマティックな見せ場を盛り込んで
6分以上の長尺を飽きさせることなく聴かせ切った
アルバム後半のハイライト・ナンバー。


HAVOK - Time Is Up ★★★ (2012-07-19 23:17:35)

相変わらずジャケットはイマイチですが、中身はデビュー作『BURN』を凌駕する高品質なスラッシュ・サウンドが詰め込まれている、'11年リリースの2ndアルバム。
サイドGとDsにメンバー・チェンジが発生しているものの、大黒柱たるデヴィッド・チャべス(Vo、G)と、激しく動き回るBプレイで本編にゴリゴリとアクセントを入れまくるジェス・デ・ロス・サントスの2人が健在ゆえ、音楽性に大きな揺らぎはなし。寧ろ、前任者以上に精密なドラミングをこなせる新メンバーの加入によりサウンドの切れ味が大幅な向上を遂げ、それゆえ楽曲が備える攻撃性や疾走感がグッと際立って聴こえるという好結果に繋がっています。
特に②④⑤は、ザクザクのGリフと起伏に富んだリズムに乗って、力強いシャウトを轟かせるVo、そして息の合ったツインGとがテクニカルに乱舞するという従来の魅力に加えて、メロディや曲展開のキャッチーさも強化が図られているという隙のない名曲っぷり。
他にも、一層タイトに鍛え上げられた①③⑥のような高速スラッシュ・ナンバーの仕上がりも上々で、本作は日本盤が出てないのが不思議なぐらい高品質な1枚となっております。


HAVOK - Time Is Up - Covering Fire ★★★ (2012-07-23 23:45:57)

“援護射撃”のタイトル通り、ガンガン頭振るのを
手助けしてくれる直球勝負の高速スラッシュ・ナンバー。
これまた、ドラマー交代の効果が如何なく発揮された名曲です。


HAVOK - Time Is Up - D.O.A. ★★★ (2012-07-23 23:43:43)

Gリフとリズムのコンビネーションはメロデス風かな?
前作で若干弱く感じられた「キャッチーさ」が
この曲では見事に強化されていて、
イントロから徐々にスピードを上げていく歯切れの良い
曲展開には頭を振らずにはいられません。
個人的にはアルバムで一番お気に入りのナンバー。


HAVOK - Time Is Up - Fatal Intervention ★★★ (2012-07-22 21:43:45)

アルバムでも1、2を争うカッコ良さを誇る
高速スラッシュ・ナンバーの逸品。
2本のGが頻繁に差し込んで来る、TESTAMENTを思わせる
中東風のメロディが素晴しいアクセントとなっています。


HAVOK - Time Is Up - Prepare for Attack ★★★ (2012-07-22 21:41:39)

機敏に動き回るツインGに、ドスの効いたシンガロング・パート、
それに何より、ドラマーの交代で格段に切れ味と突進力を増した
リズム面強化の効果が如実に表れているOPナンバー。


HAVOK - Unnatural Selection ★★★ (2013-10-03 22:30:32)

SLAYERとSEPULTURAのカヴァーも収録したEP『POINT OF NO RETURN』でワンクッション置いた後、'13年に発表された3rdフル・アルバム。
ミックスをテリー・デイト、マスタリングをジェイムズ・マーフィが手掛けるという必勝オーダーが組まれ、歯切れ良いVo、ザックザクのGリフ、機動力に富むリズム、フラッシーに花咲くツインGとが威勢良く突っ走る、HAVOK流スラッシュ・メタルの旨味成分がパンパンに詰まった名曲①で幕が上がる本作ですが、聴き進めていくと何やら違和感が。
全体的に音圧が低く、かっちりとした整合性が感じられた前作に比べ、よりメロディアスに「歌っている」Vo、弾むような軽快感を伴って疾走するリズム等、どちらかといえば、カラッと乾いたノリの良さが重視されていることが原因かと。例えるなら、TESTAMENTのアルバムだと思って聴きてみたら、始まったのがEXODUSのアルバムだった・・・みたいな?
これはこれで間違いなく痛快なスラッシュ・アルバムですし、キレのある演奏が映える楽曲の数々、例えば運動中枢を直撃する③や、キャッチーな曲調に無性に頭を振りたくなる④みたいな名曲は、アルコール類のお供に最適。ただこの音をHAVOKに求めていたかと言えば・・・うーむ。
尤も、他にも①②⑦⑩といったクールなスラッシュ・ソングが並ぶ本作に、三ツ星の評価を与えることに何ら躊躇はありませんけどね。


HAVOK - Unnatural Selection - I Am the State ★★★ (2013-10-06 21:54:57)

カラッと抜けの良いスラッシュ・サウンドが
これまでと異なる印象を与えますが、
歯切れの良いVoと、キャッチーに疾走する
リフ&リズムからメロディックなGソロまで、
聴いてるだけで暴れだしたくなる名曲です。


HAVOK - Unnatural Selection - Under the Gun ★★★ (2013-10-06 21:57:47)

かちっとした整合感よりも、
運動中枢を直撃するキャッチーな
ノリの良さが前面に押し出されていて
「え?これがHAVOK?」と初めて聴いた時は
戸惑いましたが、どっちにしても優れた
スラッシュ・ナンバーであることに違いはありません。


HAWAII - The Natives Are Restless ★★★ (2022-07-18 22:45:45)

元MEGADETHのマーティン・フリードマンや、VICIOUS RUMORSの初代Voとして知られるゲイリー・セント・ピアーが在籍する等、ハワイ出身のHMバンドとしてはトップクラスの認知度を誇っている(んじゃないかと思う)、その名もまんまなHAWAIIが’84年に発表した2ndフル・アルバム。ちなみに今作で歌っているのはゲイリーではなく、エドワード・ポール・デイなる御仁です。
自らの出自をアピールするかの如く、本編は地元民謡“ALOHA OE”の長閑なメロディからスタート。そんな「気分は常磐ハワイアンセンター」なぼんやりとした空気を破壊的なGリフがバリバリと引き裂いてパワーメタル・ソング①が猛然と走り始める冒頭で掴みはOK。尤も、ゴリゴリのハード・ナンバーはこれぐらいで、あくまで本作の基調となるのは、NWOBHMからの影響を伺わせるヘヴィ・メタリックなエッジと、わめき型のVoが歌うキャッチーなコーラス、厚めに敷かれたボーカル・ハーモニー、抜けの良い躍動感といったアメリカのバンドらしさを併せ持つ初期型LAメタル・スタイルなのですが。
かように、いっそ典型的とも言えそうなサウンドにHAWAII独自の味わいをもたらしてくれているのが、マーティのテクニカルかつメロディアスなGプレイであり、また既に健在な彼のオリエンタルなメロディに対する拘りぶり。特に哀愁を帯びたメロディと、ドラマティックに構築されたGソロが絶品の彩りを加える④や、“さくらさくら”を“OMICCHAN NO UTA”と題してカヴァーしている⑧は聴き応え十分の名曲に仕上がっていますよ。
気合漲るパワー・サウンドに満腹になれる1枚。ま、ちょっと胃にもたれるかもですが(笑)


HAWAII - The Natives Are Restless - Beg for Mercy ★★★ (2022-07-20 00:13:14)

歯切れ良く刻まれるGリフに哀愁を帯びたメロディ等、
尖った部分はないけど中庸な魅力を放つミッド・チューン。
ドラマティックに構築されたGソロは、東洋的なメロディも
顔を覗かせたりと、マーティのセンス(とテクニック)が
存分に発揮された素晴らしい仕上がりとなっています。


HAYWIRE (2017-10-22 01:00:58)

カナダ出身の5人組で、ポール・マッカースランド(Vo)とマーヴィン・パート(G)が音頭を取って’81年に結成。バンド・コンテストへの参加や、EP『HAYWIRE』の自主制作等で腕を磨いた後、'86年に『BAD BOYS』でデビューを飾る。ここからは表題曲がヒット(最高第21位)、アルバム・セールスも最終的にプラチナムに到達している。ポップ・メタル色を強めた翌年発表の2nd『DON’T JUST STAND THERE』は更なる好セールスを記録し、特にシングル・カットされた“DANCE DESIRE”はカナダ国内においてTOP10チャートに食い込む大ヒットとなっただけでなく、日本でもヤマハ主催の世界歌謡祭(80年代末まで毎年日本武道館で開催)にエントリーされ金賞を受賞したという。
カナダ国内において確固たる支持基盤を築きつつも、音楽シーンの潮流の変化によりレコード会社から満足のいくサポートが得られなくなり、90年代に入って活動を停止。
00年代に入ってバンドは復活を遂げ、ニュー・アルバムのリリースもアナウンスされているが、まだ発表には至っていない模様。


HAYWIRE - Don't Just Stand There ★★★ (2017-10-22 01:01:47)

『赤毛のアン』の舞台として知られるカナダのプリンス・エドワード島シャーロット・タウン出身で、80年代には本国を中心に人気を博した5人組、'87年発表の2ndアルバム。
自分が持っているのはアルファから発売された国内盤なのですが(邦題は『ダンス・デザイアー』)、ここにボーナス・トラックとして収録されている、シングル・カットもされた⑪がヤマハ主催の「世界歌謡祭」にて金賞を受賞した…とのエピソードからも、当時レコード会社が彼らを売り出すために相当プッシュしていたことがお分かり頂けるのではないかと。
内容については、Key奏者が曲作りの中心的役割を担っているだけあって、まずKeyやシンセサイザー類がサウンドの基盤を作り、そこに適宜に歌うG/軽快に踊るリズム・ワーク/甘いハイトーンVoが絡んで来るという塩梅のメロディアスHR路線。ゴリゴリのメタル野郎には、初めて聴いた時はKeyが少々煩かったり、シンガーの歌唱力がパンチ不足に感じられたものですが、例えばノリ重視で大味に流れてしまいそうな楽曲であっても、常にメロディが仄かな哀愁を湛えている辺りはやっぱりカナダのバンドだなぁと。またGが泣きまくる⑤や、“時は流れても”なる邦題を冠された⑩といったバラードにおける魂の篭ったVoの熱唱を耳にすれば、その実力に疑念を挟む余地なんてありませんわな。大陸的ハードネスと、欧州風味のメロウネスがうまい具合に同居した⑥なんてアルバムのハイライト・ナンバーじゃないでしょうか?
デビュー作『BAD BOYS』(’86年)に続きプラチナムを獲得、HAYWIRE作品で最もチャート・アクションが良好だったという代表作。入門盤としてどうぞ。


HAYWIRE - Don't Just Stand There - Hard Reaction ★★★ (2017-10-22 11:04:39)

全体的にポップな方向に振られた2ndアルバムの中にあって
爽やかに駆け抜けて行くハード・チューン…といっても
飽くまでメロディに重きを置いたポップ・メタル・ソングには
違いありませんが。清涼感溢れるサビメロがキャッチー。


HAYWIRE - Don't Just Stand There - Man Enough ★★★ (2017-10-22 11:11:51)

80年代ど真ん中っぷりにほっこりさせられるパワー・バラード。
ロック・ソングを歌うと声質的にややパンチ不足に感じられるVoですが
この手のメロウな楽曲を謳わせると絶品。更に少ない音数で
聴き手を確実に泣かせに来るGソロにもグッとくる名曲です。