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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2601-2700

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2601-2700
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HOLY MARTYR - Invincible - Takeda Shingen ★★ (2011-10-28 23:55:12)

榎本孝明扮する上杉謙信のアジと鬨の声からスタートするが、
曲名は“武田信玄”という不思議さよ。
とまれ楽曲自体は非常にカッコイイ。
風林火山の旗印の下、破竹の快進撃を続ける武田軍の
攻勢をそのまま楽曲化したかのような、
アグレッシブで好戦的な曲調にメタル魂がメラメラと燃え上がります。


HOLY MARTYR - Invincible - Zatoichi ★★★ (2011-10-29 00:01:45)

ジャケットにもイラストが描かれている事からも、
彼らの思い入れの深さが伺えますね。
実は『座頭市』は(水戸黄門と同じく)かつてアニメ化された事があり、
その主題歌を英語でカバーしたのがこの曲・・・と言われたら
思わず信じてしまいそうになるぐらい、昭和のヒーロー・アニメばりの
勇ましさを誇る疾走ナンバー。


HOLY MOSES ★★ (2008-11-16 22:40:00)

新作、出たようですね。直ぐにでも買いたいですが、ここは国内盤が出るまでグッと我慢の子。
とはいえ、それもいつになる事やら・・・。LAAZ ROCKITの新作なんて
半年近くも待たされたら、そりゃもう新作じゃねぇっつーの。(出してくれるだけ嬉しいけど)


HOLY MOSES ★★ (2009-06-21 21:05:00)

いつの間にか国内盤が発売されておりました。
ボーナス・トラックはSLAYERのトリビュート・アルバムに提供していた
名曲“GHOST OF WAR"のカヴァー。

さて、歌詞とこれ目当てに買ったもんかどうか・・・。


HOLY MOSES ★★ (2009-11-03 23:42:00)

初来日公演を新宿に見に行ってきました。
いやー、楽しかった。これならPRAYING MANTISのライブを諦めてまで
足を運んだ甲斐があったというもの。
ちゃんと復活後のみならず初期作からもバランス良く選曲された
セットリストが秀逸だったし、アトミック・シュタイフのドラミングが
生で拝めたことも嬉しかったけど、何よりザビーネ姐さんの
チャーミングさ加減ときた日にゃ。
ラストでは客席ダイブまで敢行して、お神輿状態でファンに
運ばれてく姐さんの嬉しそうな顔を見てたら不覚にも目頭が熱く・・・。
バンド的にも客の盛り上がりっぷりにかなり手応えを
感じていたようだったので、今度は間を置かずに来日して欲しいなぁ。


HOLY MOSES - Agony of Death ★★ (2009-01-15 22:49:00)

ヨルグ・マイケル、ウリ・カッシュと並ぶ、ジャーマン・メタル・シーンの三大凄腕(渡り鳥)ドラマーの1人、
アトミック・シュタイフを加入させたHOLY MOSESが'08年に発表した最新作は、気合の感じられる
ジャケット・アートワークといい、曲間をフューチャリスティックな間奏曲で繋ぎ合わせ、全編を流麗に物語っていく
手法といい、SF的なテーマを備えたコンセプト・アルバムに仕上がっている・・・のだとか。(英語なんで詳細不明)
コンセプト作と言っても、ザビーナ・クラッセン姐さんの野獣の如き咆哮に、猛々しくシュレッドされるGリフ、
そして畳み掛けるような疾走感・・・と、相変わらずのHOLY MOSES節が炸裂しまくった内容の方に、小難しさは皆無。
特に今回は、デス・メタルばりのブルータリティに満ち溢れていた前作に比べ、スラッシュ・メタル度が大幅回復。これはやはり
切れ味の鋭さのみならず、良い意味で「軽快」なドラミングを聴かせてくれるアトミックを獲得した事による
効果かと思われる。(ザビーナ姐さんのVoも表現力重視のシャウト・スタイルで幾分聴き易い印象)
また、前作よりHOLY MOSESの看板を背負って立つ事となったミヒャエル・ハンケル(G)も、リフ・メイカーとしての閃きこそ
アンディ・クラッセンには今一歩及ばないまでも、ジャーマン・メタルならではの雄々しさを湛えた楽曲作りの巧さや、
メロディックなGソロの組み立てセンス、DESTRUCTIONのシュミーア、OBITUARYのラルフ・サントーラ、METALIUMのヘニング・バッセら
豪華ゲスト陣を適材適所に配置して使いこなすプロデューサー的手腕の冴えは見事なもの。取り分け、ラルフの官能的なGソロが
炸裂する③⑧、ヘニングの勇壮なVoと劇的極まりないツイン・リード・パートをフィーチュアした⑦といった楽曲は、従来の攻撃的な
スラッシュ・サウンドと、欧州風味のドラマティックなメロディが融合を果たした、素晴しき名曲に仕上がっている。
再結成後の最高傑作と言っても過言ではない完成度を誇る1枚。後は来日あるのみ!(その時は是非アトミックを連れて来てね)


HOLY MOSES - Agony of Death - Dissociative Disorder ★★★ (2009-01-17 09:28:57)

隠し味として使われているKeyが非常に効果的な
11thアルバムのハイライト・ナンバー。
アトミック・シュタイフが叩き出す歯切れ良いリズムに、
ラルフ・サントーラの咽び泣くGが絡みつくようにして疾走する
クライマックスの盛り上がりっぷりには思わず悶絶。


HOLY MOSES - Agony of Death - Imagination ★★ (2009-01-17 09:15:49)

HOLY MOSESのアルバムの1曲目を飾るナンバーにハズレはないが、
今回もその例外ではない。
ザビーナ姐さんの強力なシャウト、猛々しいGリフ、
まさにアトミック・シュタイフ以外の何者でもない
小気味良く疾走するDsに支えられた、
高速スラッシュ・チューンの名曲。
AGENT STEELよりゲスト参加のカルロス・メディーナが
閃かすBも印象的。


HOLY MOSES - Agony of Death - Schizophrenia ★★ (2009-01-17 09:23:37)

サビメロで雄々しい歌声を聴かせるヘニング・バッセの
歌唱の威力もあって、本編中で最も正統派HM寄りの仕上がりとなった1曲。
クライマックスで炸裂するツイン・リード・ギターの
余りのカッコ良さに思わずガッツポーズ。


HOLY MOSES - Agony of Death - World in Darkness ★★★ (2009-01-17 09:20:08)

一聴してそれと分かる、ラルフ・サントーラの濃厚なGソロが頭から炸裂。
全体的にも非常に正統派HM色が濃厚な仕上がりで、
ラルフに引けを取らない、しっかりと構築された
Gプレイを聴かせてくれるミヒャエルのGプレイに星三つを進呈。


HOLY MOSES - Disorder of the Order ★★ (2006-11-17 23:20:00)

EP『MASTER OF DISASTER』で復活の狼煙を上げたHOLY MOSESが'02年に発表した、実に8年振りとなる通算8枚目のフル・アルバム。
驚いた事に、中心メンバーだったアンディ・クラッセンがラインナップにその名を連ねておらず、
「それじゃ復活しても意味ねーだろ」と不安に思うも、裏方として作曲やプロデュースに関わっているようなのでホッと一安心。
そのアンディが全曲手掛けた収録曲はと言えば、これがかなり強力な仕上がり。先のEPを聴いた時点で心配はしていなかったが、
パワーダウンしていたり、モダン方向へ妙な色気を見せる事無く、バンドの全盛期を思わせる
勇猛且つダイナミックなスラッシュ・チューンがズラリ。イントロに続いて②のリフが走り始めた瞬間、
多くのファンが本作のクオリティを確信したのではなかろうか。また、アグレッシブでありながらも非常にキャッチーな
③のような楽曲も収録されていて、全体としては3rd『THE NEW MACHINE OF LICHTENSTEIN』の作風に近い感じ?
アンジェラ・ゴソウの先輩格である、ザビーネ・クラッセン姐御の強力無比な野獣Voも当然健在で、
容姿も声も衰え知らず。(不良娘→女王様といった風格の変化は感じられるが)
HOLY MOSES未体験のスラッシャーにも自信を持って薦められる、会心の復活作である。


HOLY MOSES - Disorder of the Order - Disorder of the Order ★★ (2007-02-07 20:06:08)

リズミカル且つキャッチーなリフがクセになる
8thアルバムのタイトル・トラック。
ゴリゴリのスラッシュ・チューンだけでなく、
こういう印象的なメロディを持った楽曲も作れる点が
アンディ・クラッセンの凄いところ。


HOLY MOSES - Finished With the Dogs ★★ (2006-11-04 22:32:00)

3rd『THE NEW MACHINE OF LIECHTENSTEIN』と並んで、初期HOLY MOSESの最高傑作と名高い、'87年発表の2ndアルバム。
猛々しく刻まれるリフ、地鳴りの如く疾駆するリズム隊、邪悪な絶叫Vo・・・と、ジャーマン・スラッシュ・メタルの
王道を行くそのド迫力サウンドは、マイ・ベストである3rd『THE NEW MACHINE~』のメロディ重視路線に
物足りなさを覚えた硬派スラッシャーの諸兄にも、自信を持ってお薦め出来る強力な仕上がり。
徹底的に磨き上げられたタイトな楽曲(ランニング・タイムは全て2~3分台)に漲る、アグレッション、スピード感、
ドラマ性は、いずれも1stから段違いにパワーアップを遂げ、特に、つんのめり気味に疾走する①、
怒涛の突進力に圧倒される②、歯切れの良い演奏が痛快な③、本作のハイライト・チューン的存在の名曲④という、
頭4曲の高速スラッシュ・ナンバーによる畳み掛けと、ミッド・チューン⑤で一息入れた後の、6曲目以降の再加速感は圧巻。
そして何より重要なのが、このアルバムからバンドに加入した名手ウリ・カッシュの存在。
重量感とタイトさを兼ね備えたその強力無比なドラミングは、楽曲のスケール感とダイナミズム演出に
大きく貢献していて、流石、メタル・シーンきっての「タイム・キーパー」の異名は伊達じゃない。
アンディ・クラッセンの高い作曲能力とツボを突いたGプレイ、ザビーネ・クラッセン姐さんの
まさにアルバム・ジャケットに描かれている野獣を思わせる咆哮Vo、そして新たに加わったウリ・カッシュのDsと、
初期HOLY MOSESの三本柱が揃って高いレベルで機能している、まさに最高傑作の1つに数えられるに相応しい作品。


HOLY MOSES - Finished With the Dogs - Current of Death ★★★ (2009-11-01 00:15:12)

2ndアルバムの頭4曲に漲るテンションの高さは
半端じゃないんだけど、その中でも、この曲と
“IN THE SLAUGTER HOUSE"は頭一つ抜きん出た
インパクトのデカさを誇る。
度を越したアグレッションを発散しつつも
キャッチーなのが良いねぇ。


HOLY MOSES - Finished With the Dogs - In the Slaughterhouse ★★★ (2006-11-05 12:20:06)

いかにもジャーマンな猛々しいリフを刻むアンディ・クラッセンのG、
人間離れした咆哮を響かせるザビーネ・クラッセンのVo、
そして地鳴りの如きリズム隊とが一丸となって突進する様がド迫力の、
HOLY MOSES屈指の高速スラッシュ・チューン。
中でも、前任者とは比較にならないダイナミックなビートを叩き出す
ウリ・カッシュのDsは白眉。


HOLY MOSES - Master of Disaster ★★ (2007-09-05 21:54:00)

7th『NO MATTER WHAT'S THE CAUSE』を最後に、長らく休眠状態にあったHOLY MOSESの復活の狼煙となった、'01年発表の5曲入りEP。
翌年の復活第1弾アルバム『DISORDER OF THE ORDER』ではプロデュースと楽曲提供のみ。それ以降の作品には
完全不参加ということでファンを落胆させた元リーダーのアンディ・クラッセン(G)なれど、取り敢えず、
このEPでは作曲・プロデュースのみならず、Voを除く全てのパートを担当する等、八面六臂の大活躍。
個人的に何より賞賛したいのは、全くブランクを感じさせない、相変わらずハイレベルな曲作りの巧さで、
活動末期にはハードコア色を強めていたHOLY MOSESだが、復活を経て初心に立ち返ったのか、本作では再び己の立ち位置を
「スラッシュ・メタル・バンド」に定め、全5曲、往年のファンの期待に見事に応える景気の良い突っ走りっぷりを魅せてくれる。
特に、スピーディな①に始まり「お、いいね」と思わせておいて、更にアクセルを踏み込んで来る②③のカッコ良さ、
分けてもアンディのスリリングなGソロが楽曲のスピード感を倍化させる③は、往年の名曲群と比較しても何ら遜色ない出来じゃないかと。
勿論、相変わらず衰えを知らない、ザビーネ・クラッセン姐さんの野獣の如き咆哮も強烈極まりなし。
この曲は↑の方が仰る通り『DISORDER~』にもボーナス・トラックとして収録されているが、
その他の収録曲も押し並べてクオリティは高いので、スラッシャーはこのEPも是非買いましょう。
尚、現在は更にMOTORHEADや、トム・エンジェルリッパーとザビーネのデュエットが聴けるHenry Valentino & Uschiのカヴァー等、
未発表曲7曲を追加収録して、殆どアルバム並のボリュームとなったお得なリイシュー盤も発売されているので、そちらがお薦め。


HOLY MOSES - Queen of Siam ★★ (2006-11-06 21:43:00)

女性ブルータル・シンガーの元祖、ザビーネ・クラッセン擁するドイツのベテラン・スラッシャー、'86年発表の1stアルバム。
本作を一聴してまず耳を捉えるのは、やはりザビーネ姐御の強烈なVo。その断末魔の如きシャウトは
女性・・・いや、人間離れした凶悪なブルータリティを発散。しかもブックレットの写真を見れば判るとおり、
ARCH ENEMYのアンジェラ・ゴソウに勝るとも劣らない美貌の持ち主なんだから、素晴しいじゃありませんか。
その彼女によって歌われるサウンドの方は、既に「スピーディで勇猛な王道ジャーマン・スラッシュ・メタル」という方向性が
しっかりと定まっているものの、デビュー作という事で、まだまだ大人しい印象が強い(飽くまで2nd以降と比較しての話だけど)。
これはウリ・カッシュの前任Dsが、オーソドックスなドラミングに終始している事も大きいと思われる。
尤も、それが悪いなんて事もなく、エッジーなリフ主導で突っ走る楽曲の数々は、①④⑦辺りを筆頭に
NWOBHMからの影響が色濃く薫り、アンディ・クラッセン(G)も、後にも先にもこれっきりの
メロディックなGプレイを随所で炸裂させている。未完成な部分も含めて、非常に魅力的な1枚。


HOLY MOSES - Queen of Siam - Necropolis ★★ (2007-01-29 22:49:41)

記念すべき1stアルバムのトップを飾る疾走チューン。
ザビーネ・クラッセンの野獣の如き咆哮は圧巻だが、
それでも今聴くと、やはり若さと青さが感じられて微笑ましい。
曲自体も、ウリ・カッシュ加入前ということで、
それほど常識外れの疾走感はなく、
スリリング且つメロディックに斬り込んで来る
アンディ・クラッセンのGと共に、
そこはかとなく正統派HMテイストが漂う。


HOLY MOSES - Reborn Dogs ★★ (2006-11-11 01:19:00)

次作『NO MATTER WHAT'S THE CAUSE』をアンディ・クラッセンのソロ・アルバムと考えるなら、
実質、HOLY MOSESのラスト作となる'92年発表の6thアルバム。
ランニング・タイムはいずれも2~3分台、ギター・ソロも殆どなし、欧州のメタル・バンドならではの湿り気を排し、
徹底的にビルドアップが図られた硬質な楽曲群は、最早、スラッシュ・メタルと言うよりハードコアの領域。
マッチョ化に一役買ってるベースを前面に押し出した音作りは、如何にも90年代的なモダンさを漂わせるが、
本作が素晴しいのは、スローダウンして内省方向に流される事なく、リフのカッコ良さにも疾走感にも、
全く鈍りが見受けられない点。特に④⑦⑧⑩といった、殺気立ったスピード・チューンの破壊力は相当なものだ。
HOLY MOSESの真価が発揮されている作品か?と問われれば答えは「NO」だが、単品で評価するなら、暴力的にイカス1枚。
ちなみに、自分が初めて購入したHOLY MOSESのアルバムだったりする。BURRN!!のレビューで30点(うろ覚え)という
ハイスコアを叩き出し、ボロクソに貶されていたのを読んで逆に興味を惹かれたんだっけな・・・。


HOLY MOSES - Reborn Dogs - Five Year Plan ★★★ (2009-11-01 00:30:27)

どっかで聴いたことある曲だなー
と思ったら、D.R.I.の名曲のカヴァーでした。
違和感なくハマッているし、
バンドが『REBORN DOGS』でどういう方向性を
目指していたのか良く分かる選曲かと。


HOLY MOSES - Redefined Mayhem ★★ (2014-10-16 00:07:37)

BURRN!!誌で早々に輸入盤がレビューされてしまい、しかもその評価がパッとしなかったので「こりゃ今回は国内盤は出ないな」と諦めていたHOLY MOSESの新作が、ありがたいことにRUBICON MUSICからリリースされました。感謝。
メイン・ソングライター役を務めていたマイケル・ハンケル(G)や、名手アトミック・シュタイフ(Ds)が相次いで脱退(アトミックに至ってはこれを機にミュージシャン稼業から足を洗ってしまったというのだから大きな損失ですよ)。代わりに新加入のギタリストが中心となって曲作りが行われた本作について、ザビーネ・クラッセン(Vo)が「3rd『THE NEW MACHINE OF LIECHTENSTEIN』の正常な進化系」と語っていて、同作をHOLY MOSESの最高傑作の一つに位置付けている身としては、そりゃ期待しないわけにはいきません。
で、とりあえず実際に聴いてみた感想としては、スラッシーな疾走感を保持しつつも、グッとメロディの増量された作風は確かに『THE NEW~』に通じますが、殺気立ったへヴィネスが楽曲のキャッチーさを弱めてしまい、中盤以降に息切れが感じられる点において、今一歩あの名盤には及んでいないかな?と。
それでも、80年代のヤンキー少女から今や「姐御」「女帝」にランクアップしたザビーネ姐さんの貫禄の咆哮がフィーチュアされた、②③みたいな秀曲を収める本作をスルーするのは、スラッシュ・メタル・ファンなら勿体無さ過ぎるというものですが。


HOLY MOSES - Redefined Mayhem - Triggered ★★★ (2014-10-22 01:06:45)

HOLY MOSESのスラッシュ魂の迸りを
叩きつけるかのようなスピード・ナンバー。
新加入のGソロも良いメロディを紡いでいて
バンドが本作において新たに目指した音楽性と
従来のスラッシュ・テイストが最もバランスよく
具現化された逸品ではないでしょうか。


HOLY MOSES - Redefined Mayhem - Undead Dogs ★★ (2014-10-22 01:14:09)

HOLY MOSESといえば“DOG”ということで。
疾走セクションも設けられているものの
全体としては重量感溢れるリフ&リズム、
そして凶暴なVoのコンビネーションで
聴き手の身体を揺らすミッド・チューン。
こういうスピードに頼らないカッコ良い曲を
書けるのが、バンドの地力の高さの証明ですよねと。
Gソロも美味。


HOLY MOSES - Strength, Power, Will, Passion ★★ (2006-11-23 00:42:00)

長らくバンドの司令塔だったアンディ・クラッセンが、その活動から完全に身を引いてしまったため、
HOLY MOSES史上初めてアンディ抜きで製作された、'05年発表の9thアルバム。
今回、曲作りの中心に座ったのは、バンドの看板Voザビーネ・クラッセンと、新加入のGマイケル・ハンケルで、
正直、その情報を耳にした時は不安に思ったものだが、実際、出来上がった作品を聴いてみると、
これが嘗ての作品群と比較しても何ら遜色のないクオリティを誇っていて、嬉しい驚きを覚えた。
勿論、アンディ不在の影響が皆無なわけではなく、ミッド・テンポの曲にイマイチ冴えが感じられない点や、
欧州的な陰りを湛えたメロディが後退してしまった点は(個人的には)痛い。
しかし、以前よりもグッとビルドアップされて、デス・メタル的な殺気すら放つようになった硬質な楽曲群は単純にカッコイイ。
更にブルータル度を増したザビーネ姐御のVoと、ボトムの効いたサウンド・プロダクションも迫力の演出に大きく貢献。
総合的には、新生HOLY MOSESの門出を祝うに相応しい力作に仕上がっている。


HOLY MOSES - Terminal Terror ★★ (2006-11-09 20:52:00)

バンドのグレードアップに大きく貢献したウリ・カッシュが脱退し、何だかアンディ&ザビーネのWクラッセンによる
スラッシュ・メタル・プロジェクトと化した感のある(グループショットにも2人の姿しかない)'91年発表の5thアルバム。
とは言え、出来の方は相変わらず強力だ。ウリ・カッシュ離脱の影響か、ダイナミックな曲展開は
それほど聴かれなくなったものの、直線的な楽曲からは前作で目立ったパンク色が一掃され、
再び、曲調が王道ジャーマン・スラッシュ・メタルのスタイルで統一されているのが、本作の大きなポイント。
頭1つ抜きん出た楽曲が見当たらないので、聴き始めこそ地味な印象だが、総合点では前作を
上回っているのではないだろうか。個人的には、OPを飾るお約束のスピード・チューン②、
メロディックなインスト・パートを持つ③、ソプラノ声を導入して荘厳な雰囲気を演出する⑧なんかがお薦め。
ザビーネ姐御のVoも凶暴性に一層拍車が掛かった印象で、今回はデス声に片足(両足?)を
突っ込んだかのような咆哮を披露。最早、この声を聴いて「実は女性Vo」と言われても誰も信じまいて。


HOLY MOSES - The New Machine of Liechtenstein ★★ (2006-11-03 23:54:00)

HOLY MORSESの全カタログの中でも、1、2を争う高い完成度を誇る'89年発表の3rdアルバム。
バンドのメジャー・デビュー作(日本でも国内盤が発売された筈)と言う事で、クリーンな
サウンド・プロダクションの下、以前よりメロディ重視の姿勢が貫かれ、リフが
よりキャッチーに練り上げられて、正統派へヴィ・メタルへの接近を感じさせるのが本作の大きな特徴。
例えば、野獣の如き咆哮を響かせるザビーネ・クラッセンのVoも、ここでは(ダーティではあるものの)一応メロディを
なぞって歌っているし、そこはかとなく「艶」を感じさる歌唱は、これなら女性Voだと信じる気になるというもの(笑)。
また、②の間奏部分のように、押しと引きを活かしたメロディアスなGソロも、以前には聴かれなかった要素だ。
全体的にかなり聴き易い作風に仕上がってはいるが、それでも十分過ぎる程にアグレッシブ。
何しろ収録全9曲のうち、ラストを重厚に締める⑨を除く全ての楽曲がスラッシーな疾走チューンと来たもんだ。
(その⑨にしても、ちゃんと疾走パートが組み込まれているわけで)
HOLY MORSESの作品に初めて触れるという方には、まず本作を聞く事を強力にお薦めさせて頂く。


HOLY MOSES - The New Machine of Liechtenstein - Near Dark ★★★ (2007-01-29 19:58:43)

歌に入る前のイントロの一捻り、アグレッシブ且つキャッチーなリフ、
痛快に疾走するリズム隊、劇的なフレーズを奏でるツインG、
獣性を控えめに、より「聴かせる」歌唱を披露する
ザビーネ・クラッセンのVo(飽くまで姐御にしては、だが)・・・と、
捨て曲なしの3rdアルバムの中にあっても、頭1つ抜き出た完成度を誇る名曲。


HOLY MOSES - World Chaos ★★ (2006-11-08 22:49:00)

サイドGが抜け、1st以来の4人編成に戻って'90年に発表された4th。(実際はBもアンディ・クラッセンが弾いてるのだが)
完成度は高かったにも関わらず、3rdアルバム1枚きりでメジャー・レーベルからドロップしてしまった
鬱憤を晴らすかの如く、今回はスラッシーな雰囲気が復活。①からゴリッゴリに飛ばしまくる。
いつになくアグレッシブに刻まれる、ハードコア風の硬質なリフ・ワークが前面の押し出された分、
メロディが後退。ザビーネ・クラッセンのVoも、再び凶暴性を取り戻している印象。
パンクからの大きな影響を筆頭に、実は曲調は前作以上にバラエティ豊かだったりするのだが
(⑥はDEAD KENNEDYSの、⑫はBEASTIE BOYSのカヴァーだ)、①④⑨⑩⑪といった高速スラッシュ・チューンが
物語る通り(②も良い曲)、バンドとしての基本軸にブレがないので、散漫な印象は皆無。
まぁ個人的には、各楽曲のクオリティは今一歩前作には及んでいないような気がするけど・・・。
尚、ダイナミックなドラミングでバンドのグレードアップに大きく貢献したウリ・カッシュは、本作を最後に脱退。


HOLY MOSES - World Chaos - Diabolic Plot ★★ (2007-01-31 20:23:12)

ブンブンと唸りを上げるBが印象的な、骨太なミドル・チューン。
スラッシュ・メタル・バンドとしての攻撃性が強調されていく
4th以降、アンディ・クラッセンのGプレイからは
急速に「湿り気」が失われていくのだが、この曲で聴けるソロには
まだ「艶」が感じられ印象に残る。


HOLY SOLDIER (2017-04-09 23:20:45)

‘85年の冬に、カリフォルニア州ロサンゼルスにて弦楽器隊が中心となって結成。バンド名からも察しのつく通り(?)、キリスト教福音派にフォーカスしたクリスチャン・メタル・バンドでもある5人組。
「STRYPERの弟分」という触れ込みで'89年に発表された1st『HOLY SOLDIER』、並びに“STRANGER”を始めとする楽曲群が、翌年のダヴ・アウォード(クリスチャン・ミュージック・シーンで最も権威ある賞)でメタル・アルバム/ソング・オブ・ジ・イヤーを受賞する大成功を収める。
しかし折からのグランジ/オルタナ・ブームが逆風となり、2nd『LAST TRAIN』(’92年)、もろ流行に流された3rd『PROMISE MAN』(’95年)発表後、'97年に解散。
'05年に再結成を果たしたようだが、4thアルバムのリリースには至っていない。


HOLY SOLDIER - Holy Soldier ★★★ (2018-04-23 09:01:44)

聖戦士と言えばダンバインですが(?)、こちらの聖戦士ことHOLY SOLDIERは、端正なイケメンが揃ったカリフォルニア出身の5人組クリスチャン・メタル・バンド。後にAORシンガーに転身を遂げるBLOODGOODのシンガー、デヴィッド・ザフィーロがプロデュースを手掛ける本作は'90年発表のデビュー作で、米ビルボードCCMチャートじゃ最高第7位を記録。翌年のDOVE AWARDS(クリスチャン・ミュージック界のグラミー賞?)においては「ベストHRソング/アルバム」二部門を受賞する等、いわゆる「STRYPERの弟分」バンドの作品の中では特に大きな成功を収めた1枚として知られています。
音楽性の方は、少々クセのあるハイトーンVo(でも十分上手い)とフラッシーに絡み合う2本のGが哀愁の旋律を歌い上げ、分厚いボーカル・ハーモニーが甘美なメロディを華やかに包み込む…ってな感じの、まさしくSTRYPER路線。バンドに独自性を求める向きには苦言の一つも呈したくなる作風やもしれませんが、こちとら「まさにこれが聴きたかった!ハレルヤ」なので無問題。DOVE AWARDSのHRソング部門受賞曲であるエネルギッシュなOPナンバー①、PVも作られたメロディアスなミッド・チューン②(こちらもDOVE AWARDSノミニー)、ドラマティックなバラード③、ノリ良くアグレッシブな疾走ナンバー⑤、メタリックなエッジと華やかなハーモニーの組み合わせという、このバンドの武器が分かり易く打ち出された⑩等、単にSTRYPERに似ているというだけでなく、当然ちゃんと曲として優れている点も評価ポイントですよ。
ジーザス賛歌の歌詞がオッケーなメロディ愛好家の方には、すべからくお薦めする1枚。


HOLY SOLDIER - Holy Soldier - Stranger ★★★ (2018-04-24 23:49:22)

適度なアグレッションに溌剌としたノリの良さ、
思わず一緒に歌いたくなるキャッチーなメロディに至るまで、
’91年のDOVE AWARDSにおいて「ベストHRソング賞」を
受賞したというのも納得のアルバムOPナンバー。


HOLY SOLDIER - Holy Soldier - The Pain Inside of Me ★★★ (2018-04-24 23:37:47)

哀愁に満ちたメロディを切々と歌い上げるVo、
2本のGが奏でる悲しくも劇的なメロディ、
それらを壮麗に彩るボーカル・ハーモニーetc.と
うっとりと聴き惚れてしまう
クリスチャン・メタル・バラードの逸品。


HOLY SOLDIER - Holy Soldier - We are Young, We are Strong ★★★ (2018-04-24 23:31:36)

リフにソロに、ツインGが生み出す
ヘヴィ・メタリックな切れ味と、
重厚なコーラス・ワークによって
醸成される華麗さとが同居した、
HOLY SOLDIERというバンドの
強みを端的に示してくれる名曲。


HOLY SOLDIER - Last Train ★★★ (2017-04-09 23:24:55)

カリフォルニア出身の5人組クリスチャン・メタル・バンド、’92年発表の2ndアルバム。
1stからシングル・カットされた楽曲が軒並みヒット・チャートを賑わす等、デビュー早々にしてクリスチャン・ミュージック・シーンでの成功を手中に収めた彼らでしたが、その後メンバー・チェンジに絡むすったもんだに巻き込まれて2年間の沈黙を余儀なくされます。そうこうするうちにシーンにはグランジ/オルタナ・ブームが到来。もしや本作にもその影響があるのでは…と、メンバーの「よりルーズな仕上がり」発言等を見聞きするにつけ危惧していたのですが、実際に聴いてみたらそんなことは全然なかったという。
ボトムを強調した音作りや飾り気の減ったアレンジこそ90年代的ながら、張りのあるハイトーンVo、歌心に溢れたG、美旋律、キャッチーなコーラスを分厚く包むハーモニーといった、前作で聴かせてくれたクリスチャン・メタル然としたサウンドの美点はここにもきっちりと受け継がれています。特に、冒頭から繰り出される哀メロ・チューン三連打は、聴き手の本編への没入度を一気に高める役割を果たしていて非常に秀逸。泣きを孕んだ声質のシンガーはもしかすると好き嫌いが分かれるかもしれませんが、この声が楽曲の哀愁度をより引き立ててくれているので、個人的には大いに「有り」であると。
美しいバラード⑤⑦、ハードな疾走ナンバー⑥といった逸曲の数々を経て、アルバムのハイライトと呼ぶべきドラマティックな⑨にて締め括るられる本作は、兄貴分のSTRYPERの作品群にも決して引けを取らないクオリティを有していました。…だのに大して話題にならずフェードアウトしてしまったのは、やはり発表時期が悪過ぎたとしか。


HOLY SOLDIER - Last Train - Dead End Drive ★★★ (2017-04-10 22:49:55)

エンジン音と共に走り始める、「哀愁のアメリカンHR」を
絵に描いたようなハード・ナンバー。
Voと2本のGが鮮烈に紡ぎ出すメロディには
フックと哀愁が抜かりなく効かせてあって、
このバンドの曲作りの巧みさに感心させられます。


HOLY SOLDIER - Last Train - Last Train ★★★ (2017-04-10 23:00:42)

人生という名の旅を終えた者が乗り込む
最終列車について綴った歌詞と、
物悲しくもドラマティックな曲調、情感たっぷりに熱唱するVo、
哀切に満ちた旋律を紡ぐGの威力とが相俟って
ぐっと胸に迫る仕上がりの名バラード。
国内盤の解説でも指摘されている通り、
アルバムのハイライトですよ。


HOLY SOLDIER - Last Train - Virtue & Vice ★★★ (2017-04-10 22:44:48)

リズムを強調した音作りに一瞬ギクッとなるものの
歌が始まればクリスチャン・メタル然とした
泣きのハイトーンVoが歌う哀愁のメロディと
ツボを心得たGに、鮮やかなコーラスが堪能できるので一安心。
OPナンバーに相応しい名曲と言えるのではないでしょうか。


HOLY TERROR - Mind Wars ★★ (2006-06-01 21:59:00)

1st「TERROR AND SUBMISSION」の時点で既に高品質だった楽曲が更なるレベルUPを遂げ、しかも音質の向上に伴い、よりシャープに、
アグレッシブに、ドラマチックに聴き手へと斬り込んでくる、「スラッシュ・メタルの隠れた名盤」と呼ぶに相応しい'88年発表の2ndアルバム。
バンドのアキレス腱だったキース・ディーンのVoも、技量を上げるのではなく、欠点の「リズム感の欠如」に一層磨きをかける事で、
逆にそれを強力な武器(個性)へ転じてしまうという、コペルニクス的発想の転換でこれを克服(・・・克服?)。
とにかく“DO UNTO OTHERS"“NO RESURRECTION"といった楽曲を聴いてみて欲しい。スピーディ且つドラマチックなメロディラインと
噛み合うことなく、強引に捻じ込まれるハイテンションな歌メロは、正常な感覚の持ち主が聴けば単にヘタクソというだけだが、
一度ツボにハマってしまうと、その狙っては出来ない天然ボケ的ズレの妙技の虜になること請け合い。
斯く言う私めも「やっぱHOLY TERRORのVoはこれじゃないと」と、のたまう中毒患者の1人であります。


HOLY TERROR - Mind Wars - No Resurrection ★★★ (2006-06-03 00:39:02)

メロディック・パワー・メタルにも通じるドラマティシズムの海で乱舞するツインG、
ヤケクソ気味に前へ前へと押し出してくるリズム隊、
メロディの流れに全く無頓着に歌メロを叩き込んで来るハイテンションなVo・・・
全てが崩壊しそうで崩壊しない、ギリギリの境界線上を猛スピードで突っ走る、
余りにも個性的なスラッシュ・メタルの超名曲。


HOLY TERROR - Terror and Submission ★★★ (2017-10-17 00:10:06)

元AGENT STEELのギタリスト、カート・キルフェルトにより結成されたスピード/スラッシュ・メタル・バンド(なおバンド名は「ホーリー・テラー」ではなく「ホリー・テラー」表記)が、彼らの評判を聞きつけ接触を図って来たイギリスのMUSIC FOR NATIONSと契約を結び、'86年にカート自身がプロデュースも手掛け発表したデビュー作。
スラッシーなアグレッションは保持しつつ、より整合性に磨きが掛かった2nd『MIND WARS』(’88年)に比べると、本作はプロダクションも曲構成もまだまだラフで荒削り。ですがそれすらも武器へと転化して、立ち塞がる全てを勢いのみでぶっちぎらんとする前のめりな攻めの姿勢は大いに「買い」でして、音痴でリズム感にも欠けるキース・ディーンの歌唱に眉を顰める向きもありましょうが、破れかぶれな迫力に満ちたこのVoが、バンドの重要な個性の一つであることはHOLY TERRORファンの多くが認めるところではないでしょうか。
怒涛の如く荒れ狂う2本のGの破壊力も存分に発揮されており、手数多く鋭角的に刻まれるリフ、前へ前へ高圧的に押し出してくるリズム隊、そして高みへ向かってグイグイ昇り詰めていくツイン・リードGとが一体となり、土砂崩ればりに押し寄せる楽曲の数々はハイテンションなカッコ良さ。(この時点ではまだ⑥みたいなパワー・メタル的楽曲もあったり)
初期衝動剥き出しのアグレッションが迸る本作の方が、次作よりも好きだというスラッシャーが多数いるのも納得の1枚。ちなみに国内盤は未発売だとばかり思ってましたが、実際は'93年にポニーキャニオン傘下のALL FIRED UP!から国内盤がリリースされていて、先日そちらを適正価格にて遂にゲット。嬉しさ余ってつい感想を投稿してしまった次第であります。


HORRORSCOPE ★★ (2008-02-03 22:10:00)

有望なデス・メタル・バンドの産出国として知られる、ポーランドはホジュフ出身の5人組スラッシュ・メタル・バンド。
OVERKILLの5th『HORRORSCOPE』をバンド名として頂き、'97年にGが中心となって結成。3本のデモテープを制作し、
'00年に発表した3rdデモの好評が切っ掛けとなり、地元のインディーズと契約。'01年に1st『PICTURES OF PAIN』でデビューを飾った。
その後、ドイツのSHARK RECORDSへと移籍して、'04年に2nd『THE CRUSHING DESIGN』、'06年に3rd『EVOKING DEMONS』を発表。
デビュー作の頃は、モダンなパワー・メタルといった感じの音楽性だったが、作品を重ねる毎にスラッシュ・メタル度が上昇。
歌えるVoと、メランコリックなメロディを奏でるツインGを擁したそのサウンドは、TESTAMENTやEXODUS、
ANNIHILATORファンなら、グッとくるものがあるんじゃないでしょうか。


HORRORSCOPE - Evoking Demons ★★ (2008-02-05 22:59:00)

2nd『THE CRUSHING DESAIGN』の世界的な好評を受け、ポーランド国外でも長期ツアーを行う等、
積極的な活動で勢いに乗るHORRORSCOPEが、'06年に発表した、現時点での最新作となる3rdアルバム。
基本的には『THE CRUSHING~』で聴かせた、スラッシュ・メタル(+モダンな味付け)路線を順当に継承/発展させた
作風ながらも、バキバキにビルドアップされまくったサウンド・プロダクションや、ヴァース部分はチャック・ビリー風の咆哮で、
サビはブルース・ディッキンソンばりにメロディアスに歌い上げる・・・といった具合に、歌唱スタイルを
使い分けるVoの存在ゆえか、かなり北欧エクストリーム・メタル勢からの影響が感じられる内容に仕上がった本作。
(一番近いのは、最近惜しくも解散してしまったらしいスウェーデンのSILENT SCYTHEかな)
全体的にスラッシュ・メタル色はやや薄れた印象だが、とは言え、ザクザクと刻まれる鋭利なGリフのカッコ良さ、
メロディックなツインGの練り込み具合、ダイナミックな曲展開、そして前回のDIOに続き、今回はMERCYFUL FATEの
カヴァー⑪をきっちりと歌いこなす器用なVoと、あらゆる面において、前2作を上回るクオリティが備わっている点は
間違いなく、特に、歌えるVo、EXODUSばりに切れ味鋭いリフ、タイトで強靭なリズム、劇的なツインGとが、
一丸となって突進する③④⑥⑦は、スラッシャーなら1度は聴いておきたいカッコ良さを誇っている。
(スパニッシュ・タッチのアコギ・ソロからスタートする、一際メロディックでドラマティックな⑤も素晴しい曲だ)
個人的には、これ以上のエクストリーム化は止めて欲しいところなれど、ともあれ、そろそろ4thアルバムが聴きたいぞ、と。


HORRORSCOPE - Evoking Demons - Branded ★★ (2008-02-06 23:04:47)

スパニッシュ・タッチのアコギ・ソロからスタートし、
いきなりメロディックなGプレイが炸裂する、
3rdアルバムの中でも一際ドラマティックな仕上がりのナンバー。


HORRORSCOPE - Evoking Demons - Traumatic Legacy ★★ (2008-02-06 23:03:07)

ザクザク刻まれるGリフ、タイトなリズム、歌えるVo、
そしてメロディックなツインGが、一丸となって突進する
「まさにHORRORSCOPE」な高速スラッシュ・チューン。


HORRORSCOPE - Picture Of Pain ★★ (2008-02-03 22:12:00)

ポーランドはシュレジン地方、ホジュフ出身のツインGを擁する5人組スラッシュ・メタル・バンドが、'01年に
ポーランド国内のみでリリースした1stアルバム。(翌年にジャケット・デザインを変更して国外でも発売)
日本デビュー作となった2nd『THE CRUSHING DESIGN』では、OVERKILLの5thアルバムのタイトルをバンド名に
頂いているだけあって、古き良きスラッシュ・メタルに、現代的なアグレッションを加えて、再構築したかの如き
サウンドでスラッシャーから好評を得たが、このデビュー作の時点では、まだスラッシュ色は希薄。
速い曲がないわけではないが、重苦しいミドル・チューンを中心としたダークでヘヴィな作風は、モダンな要素を
飲み込んだパワー・メタルといった感じ。(オランダのHARROWとか、あの線)
リフのアイデアや、リズムGの刻みっぷりに、ANNIHILATORのジェフ・ウォーターズからの強い影響が滲んでいて、特に、
病的な雰囲気漂うイントロから始まる⑦や、荒々しくも勇壮な⑧といった楽曲は、劇的なメロディを奏でるツインGといい、
歌メロの組み立て方といい、アルペジオの使い方といい、もろ初期ANNIHILATOR路線を彷彿とさせる仕上がり。
スラッシュ・メタルそのものを期待するとスカされるし、次作以降の完成度には流石に及ばないものの、
デビュー作としては十分及第点が与えられる内容。ANNIHILATORファンにお薦め?(ANNIHILATORのフォロワーって珍しいしね)


HORRORSCOPE - Picture Of Pain - Deal WIth The Devil ★★ (2008-02-03 22:17:45)

アルペジオを用いた怪しげな雰囲気漂うインスト曲“THE DEAL"を経てスタートする、
ドラマティカルなスラッシュ・ナンバー。
リズミックに歯切れ良くリフを刻むGや、歌メロの組み立て方、
メロウなリズムを紡ぎ出すツインG、緩急の組み込まれた劇的な曲展開、
そしてアルペジオの用い方と、ANNIHILATORからの強い影響が伺える1曲。


HORRORSCOPE - The Crushing Design ★★ (2008-02-04 21:45:00)

昨今のスラッシュ・メタル・ブームの一角を担う、ポーランド出身の5人組スラッシャーHORRORSCOPEが
'04年に発表した、彼らの日本デビュー作でもある2ndアルバム。
ダークでヘヴィ、且つパワフルな、ANNIHILATOR風味のモダンなパワー・メタルを演っていた1st『PICTURES OF PAIN』に比べ、
本作は、Gプレイにジェフ・ウォーターズからの影響を残しつつも、楽曲単位ではANNIHILATOR色は後退。それよりも
鋭角的にザクザクと刻まれる分厚いGリフといい、歯切れ良く疾走感抜群のリズムといい、EXODUSやTESTAMENTに代表される
ベイエリア・スラッシュ・メタル・テイストが強調された、スピーディで痛快極まりない内容に仕上がっている。
DIOのカヴァー曲⑥を、しっかりと歌いこなせるだけの力量を備えたVoと、メロディックでテクニカルなソロをビシバシと
決めまくるツインGを擁している辺りもベイエリア・スラッシュっぽいが、キャッチーさよりも、無骨な荒々しさや、
寒々とした感覚が勝っている辺りが、如何にも東欧出身のバンドといったところか。(先入観かもしらんけど)
タイトだが、やや面白味に欠けるリズム面にもう少しフックが出てくれば、更に良くなるのでは・・・等とも思うが、
とりあえず現時点でも、歌えるVoを活かした劇的な構成が光る④、炸裂するように疾走する⑧、序曲⑨から繋がる、
本編のハイライト・チューン足る⑩といった楽曲は十分にカッコイイ。また、国内盤にはボーナス・トラック2曲が
追加収録されているのだけど、これが本編収録曲よりも正統派HM色が強く出た仕上がりで、かなり美味しい。
下手すりゃ「メインよりもこっちの方が良い」と言う人もいたりして・・・なんて。


HORRORSCOPE - The Crushing Design - Burden of Faith ★★ (2008-02-04 21:52:11)

ドラマティックなインスト曲“ROOM NO.2"から繋がる、
高速スラッシュ・チューン。メロディックなツインGと、
歌えるVoを活かした劇的な構成が光るが、それ以上に
寒々しさや無骨さといった印象が勝っている辺りが、
まさに東欧のスラッシュ・メタル・バンドといった感じ。


HORRORSCOPE - The Crushing Design - Disbelife ★★ (2008-02-04 22:02:16)

国内盤のみに収録されているボーナス・トラックだが、
これがオマケにしておくのが勿体無い程のクオリティ。
本編収録曲よりも、よりメロディックで正統派HM色が強いので、
こちらの方が気に入ったという人もいるかも。


HOUSE OF LORDS - Demons Down ★★ (2020-02-07 00:43:36)

KISSのジーン・シモンズに見い出され、彼が設立したSIMONS RECORDSから華々しくデビューを飾るも、その後は大きくブレイクすること叶わず(ジーンに見い出されたバンドに多いパターン)。所属レーベルをVICTORY MUSICに変えたHOUSE OF LORDSが’93年に発表した3rdアルバム。それでもKISSとは良好な関係を保っていたようで、本作にはポール・スタンレーがゲスト参加しています。あとフィオナも。
ざっくり分けると、グレッグ・ジェフリア(Key)主導期と、ジェイムズ・クリスチャン(Vo)主導期の二期に分類されるHOUSE OF LORDS。日本人好みのメロディック・ロックを聴かせてくれて評価も高い後者に比べると、前者は存在感もアルバムに対する評価もあまりパッとしない印象がありますが(そもそも今じゃ作品の入手自体が困難なのもそれに拍車を掛けている)、どっこい、導入となるOPナンバー①のドラマティックなイントロの段階で早くもリスナーを掴みに来る本作は、初期3作の中にあってはメロディ面において頭一つ抜きん出た充実ぶりを提示してくれているのではないかと。
「哀愁のバラード」のお手本のような③、タメと泣きと緩急を効かせてドラマティックな盛り上がるアルバム前半のハイライト④、ジェイムズのエモーショナルな歌声が映える洗練されたメロハー⑤、マイク・スラマー提供の爽快な疾走チューン⑦、ストリングスの哀切な調べが堪らなく胸を打つ劇的なバラード⑧等々…。これだけ優れた楽曲を揃えたにも関わらず、レコード会社からは適切なバックアップを得られず本作はセールス的に失敗。バンドはこれにて一旦解散の道を選択すること余儀なくされるのですから、嗚呼、無情。


HOUSE OF LORDS - House of Lords ★★★ (2021-01-08 00:15:46)

GIUFFRIAの2ndが期待したほどのセールスを上げられなかったことから新たな展開を模索していたグレッグ・ジェフリアと、自身のレーベルを立ち上げて有望な新人バンドを物色中だったKISSのジーン・シモンズ。両者の思惑が一致した結果、フロントマンをデヴィッド・グレン・アイズレーからジェイムズ・クリスチャンに替えたGIUFFRIA改めHOUSE OF LORDSが、’87年に発表した出直しデビュー作がこれ。邦題は『神々の館』。
EL&Pばりのシンセによるイントロに始まり、ラニー・コードラのGから泣きが染み出す②から、チャック・ライト&ケン・メリーの渡り鳥コンビのタイトなリズム・ワークが冴えるHRナンバー④⑥、重厚かつキャッチーなコーラスが鮮烈な⑦、ファンファーレの如くKeyが鳴り響く高揚感に満ちた⑧、共作者としてデヴィッド・ロバーツが名を連ねる⑩に至るまで、多彩な楽曲が集う本編で披露されているのは、基本的にはGIUFFRIA時代を踏襲するスケールの大きなアメリカン・ロック。但し、前任者よりも情感豊かに歌い込むタイプのシンガーであるジェイムズを得たことで、サウンドの方は派手さを控えめに、よりメロハー色が強化。またほんのりブルージーな味わいも加味されるようになりました。
特に、ジェイムズの熱唱とラニーのエモーション迸るGの競演が息苦しいまでの盛り上がりを演出する③はその真骨頂。そして何よりスタン・ブッシュのペンによる感動的な名バラード⑤には感涙に咽ばずにはいられませんよ。
グレッグ・ジェフリア主導期の3枚の中では、個人的には本作が一番好きだなぁと。それだけに国内盤が廃盤のままほったらかしなのは勿体ない。


HOUSE OF LORDS - House of Lords - Love Don't Lie ★★★ (2021-01-18 23:59:43)

STAN BUSH & BARRAGEが誇る泣きの名バラードをHOUSE OF LORDSがカヴァー。
ジェイムズ・クリスチャンも素晴らしいシンガーなので
秀逸な出来栄えになることは約束されたも同然。
スタン・ブッシュのバージョンも是非お聴きください。


HOUSE OF LORDS - Sahara ★★ (2018-12-09 00:48:19)

才能と商魂を武器にKISSのジーン・シモンズが立ち上げたレコード会社といえば、目をつけられたアーティスト達が悉く大成できずに終わってしまう不幸の女神チックなレーベルとして一部で有名ですが(?)、幸か不幸かジーンのお眼鏡に適いSIMONS RECORDSからデビューを飾ったのが、グレッグ・ジェフリア(Key)がGIUFRRIA解散後に新たに結成したこのHOUSE OF LORDSであり、本作は彼らが'90年に発表した2ndアルバム。
ジェイムズ・クリスチャン(Vo)を中心に再編された現在のHOUSE OF LORDSが聴かせてくれる、ヨーロピアンな憂いを湛えたメロディックHRサウンドに比べると、この頃の彼らの持ち味は、大味…もとい抜けが良くド派手に繰り広げられる、限りなくGIUFFRIAと同一路線のアリーナ・メタル・サウンドであります。
メロディに泣きや哀愁といった要素は薄く、正直好みのタイプとは言い難い作風。しかし「駄作か?」と漫然と聞き流していたA面が終わってからが実は本作の真骨頂であるという。イントロで客演のクリス・インペリテリが高速Gプレイを閃かせる、エキゾチックな雰囲気も湛えたアルバム表題曲⑥以降には、ジェイムズの熱唱とダグ・アルドリッチ(G)のフラッシーなソロがダイナミックな盛り上がりを演出するバラード⑦、しみじみと沁みるメロハー⑧、ケン・メリー(Ds)大暴れなスピード・ナンバー⑩等、前半戦の印象の弱さを挽回するかの如く逸曲が並んでおり、聴後感は決して悪くありません。寧ろ後味爽快。
HOUSE OF LORDSの初期作は長らく国内盤が入手困難な状態が続いており、気軽に買えるようにならんかねぇと思わずにはいられない1枚であります。


HOUSE OF LORDS - Sahara - It Ain't Love ★★★ (2018-12-10 23:29:23)

ジェイムズ・クリスチャンのパワフルな歌いっぷりと
派手に炸裂するコーラスが大仰な盛り上がりを援護射撃するバラード。
特に2分過ぎ辺りからの盛り上がりっぷりは(良い意味で)息苦しさを覚えるほど。


HOUSE OF LORDS - Sahara - Remember My Name ★★★ (2018-12-10 23:35:56)

“IT'S AINT LOVE”とは対照的にしっとり聴かせるバラードで、
シングル・カットされPVが作られたのも納得です。
この曲でもジェイムズ・クリスチャンのソウルフルな歌唱が光っていますよ。
ただこのクオリティでシングル・チャート最高第72位というのは
ちと物足りない。もっと上でもおかしくないのに・・・。


HOUSE OF LORDS - Sahara - Sahara ★★ (2018-12-10 23:23:29)

タイトルに相応しくどこかミステリアスな空気を身に纏った
重厚にしてドラマティックなミッド・チューン。
トライバルなリズムに乗って雰囲気を盛り上げるイントロ部分では
クリス・インペリテリが客演し高速プレイを閃かせています。
といっても一瞬な上に音量控えめなので「来る」と分かっていないと
聞き逃してしまいそうな贅沢な使い方なのですが。


HUGHES / THRALL - Hughes/Thrall ★★ (2009-08-16 00:05:00)

歌神グレン・ヒューズがギタリストのパット・スロールとタッグを組んで、HUGHES/THRALL名義で
'82年に発表した唯一のアルバムにして、現在でもグレンのライブで必ず演奏される名曲を
数多く収録した、彼を語る上で欠かす事の出来ない重要作品の一つ。
自分がこの作品を購入したのはかなり遅く、'94年に行われたグレンのソロ公演で聴いた名バラード“COAST TO COAST"の
余りの素晴しさに感動した事がその切っ掛けだったのだが、当初の予想ではグレンとパットの組み合わせという事で、
かなり通好みの渋い作風を想像していたのだけれど、実際に聴いてみると、そうした渋みや、如何にもグレン的な
ファンキーな要素を端々に漂わせつつも、全体としては、これが時に産業ロック的なキャッチネスも感じさせる、
非常に洗練されたハードポップ・サウンドが詰め込まれていて良い意味で驚かされた。しかもそれを、グレンが持ち前の
黒いソウルフルな歌唱を駆使して歌い上げるのだから、本作がどんだけ個性的なサウンドに仕上がっているかは想像が付くというもの。
特に、心浮き立つ爽快感に溢れたHRナンバー①、パットの魅力的なGプレイが映える叙情的でキャッチーな②、
ダイナミックな曲展開とフックの効いたメロディが上手く組み合わされた⑨といった楽曲は本編の白眉。
勿論、前述した名バラード⑧もやはり素晴しい名曲だ。(実はTRAPEZE時代の楽曲だったと、この時初めて知りました)
グレン・ヒューズ好きはもとより、「彼の作品は興味の範疇外」というメロディ愛好派リスナーにもお薦めしたい1枚。


HUGO - Fire in the Night ★★★ (2023-03-14 01:04:29)

スティーヴ・ペリーそっくりの美声と、TENメンバーのバックアップを受けて制作したソロ・アルバムのハイクオリティっぷりがメロディ愛好家の間で評判を呼んだ、VALENTINE~OPEN SKIEZのシンガー、ヒューゴ。ガンで母親を亡くし、ショックでミュージシャン稼業から半ば引退状態にあったという彼が、奥さんの励ましもあって立ち直り、STREET TALK作品へのリハビリ的なゲスト出演等を経て、'04年に発表したカムバック・アルバム(ソロとしては3作目)がこちら。
いきなりフラッシーなGのイントロで本編の幕が上がる構成や、飾り気を抑えてシンプルにまとめたプロダクションが物語る通り、前2作に比べるとグッとハードにロックしている仕上がりなのが今作の特色。透明感と繊細な表現力に冴えを発揮するヒューゴのVoと過度にアグレッシブなサウンドの相性は良好とは思えないので、聴き始めこそ一瞬嫌な予感が脳裏を過ったりもしましたが、彼の清涼感溢れる歌唱が映えるOPナンバー①の伸びやかなサビメロを耳にした途端、そうした不安は瞬く間に雲散霧消していきましたよ。
HR然としたエッジを強調しつつも、フックと美しいハーモニーをふんだんに盛り込んだハードポップ・サウンドは、変わることなくメロディ重視の姿勢が貫かれており、特にGによる小曲③をイントロ代わりにして爽快に駆け抜けていく表題曲④や、キャッチーなコーラスが耳を捉える⑧は、このアルバムならではの魅力を端的に提示してくれる名曲。
前2作に勝るとも劣らぬクオリティを有しているだけに、これ以降ソロ作のリリースが途切れてしまっているのが残念。そろそろ復活してくれませんかね?


HUGO - Fire in the Night - Fire in the Night ★★★ (2023-03-20 23:06:32)

インストの小曲“PRELUDE:4EVER ENDEAVOUR”をイントロ代わりに
爽やかに駆け抜けていくアルバム表題曲。美しく伸びやかなサビメロは
まさしくヒューゴが歌うに相応しい清涼感が漂います。


HUGO - Hugo ★★ (2010-07-25 00:25:00)

元VALENTINE~OPEN SKYZのフロントマン、ヒューゴ(Vo)が、所属レコード会社を通じて知り合った
ゲイリー・ヒューズ、ヴィニー・バーンズらTENのメンバーの協力を得て制作、'97年に発表した1stソロ・アルバム。
その音楽性は「業界屈指のスティーヴ・ペリーそっくりさんシンガー」と謳われる(?)ヒューゴの
ハスキー・ボイスと、歪みを抑えたロング・トーンが二ール・ショーンを思わせるヴィ二ー・バーンズの
メロウなGプレイを活かした、JOURNEY濃度高めのアメリカン・メロディアスHR路線。
彼はこの後も、同様の作風で2枚のソロ・アルバムを残しているが、100曲近いマテリアルの中から収録曲を
選りすぐったというだけあって、完成度の高さにおいてはこのデビュー作が頭一つ抜きん出た印象を残す。
美しい序曲から飛翔感を伴って展開していく②に始まり、ポップで穏やかな叙情バラード⑪に終わる本編に
捨て曲の類は見当たらないが、取り分け、ポジティブなエネルギーと爽快感に満ち溢れたアップテンポの
曲調に、「メントスを口に含んで歌っているのか?」っつーぐらい清涼なヒューゴの歌唱が乗っかった⑧は、
彼のシンガーとしての資質が120%引き出されたアルバムのハイライト的存在の名曲かと。
本作を聴いて気に入った人は、後の2枚のソロ作やジョッシュ・ラモス(G)と組んだメロハー・プロジェクト
RAMOS-HUGOのアルバムもどうぞ。


HUMAN TEMPLE - Halfway to Heartache ★★★ (2012-05-09 07:07:50)

6年待たされた前作とは打って変わって、さほど間を空けることなく'12年に発表された3rdアルバム。
例によってメンバー・チェンジが発生していますが、もはやリーダー兼フロントマンのヤンネ・フルメ(Vo)さえ健在ならば、それでHUMAN TEMPLEは問題なく回っていくことが分かってきたので心配の必要はなし。実際今回も、声質こそ少々野暮ったいものの、ソロ・キャリアを積んでいるだけあって実力は折紙つきなヤンネの歌声を中心に据えた、北欧のバンドらしい透明感と冷やかさに彩られた(前2作のスタイルを迷いなく受け継ぐ)メロディアスHRサウンドが徹底されていて心地良いったらないですよ。
Keyがソロを取り、背骨の通ったビートを刻むリズム隊がハードに疾走する様式美へヴィ・メタリックなOPナンバーで幕が開く事からも、本作がアグレッシブな色合いを強調した作風であることが伝わってきますが、勿論メロディのフックに手抜かりがある筈もなく、2本のGがドラマ性豊かな絡みを魅せてくれる②、雲間から差し込む陽光のように美しくポップな④、憂いを帯びた歌メロが出色の⑥、じっくりと泣かせにかかるバラード⑪・・・といった具合に、最初から最後まで優れた楽曲がすし詰め。
今回は国内盤リリースも実現したので、メロディ愛好家の方は是非に。


HUMAN TEMPLE - Halfway to Heartache - Bleeding Through ★★★ (2012-05-10 22:11:30)

憂いを帯びた歌メロも良いですが、
この曲の主役は何と言っても
悲哀に満ちた泣きメロを紡ぐG。
2本のGが交錯するインスト・パートの
哀愁には辛抱堪らんものがありますね。
(シングルG編成のバンドなんですが)


HUMAN TEMPLE - Halfway to Heartache - I Will Follow ★★★ (2012-05-09 22:55:37)

太い輪郭で刻まれるGリフ、力強く疾走するリズム、
ソロも取るKeyの存在など、北欧様式美HMばりに
駆け抜けていくOPナンバー。

「サイレン音が取り入れられた楽曲に名曲多し」
の持論を裏付ける事例がまた1つ。


HUMAN TEMPLE - Halfway to Heartache - Our World, Our Time ★★★ (2012-05-10 06:51:34)

頭3曲が緊迫感を湛えたハード・ナンバーで
固められているため、一転して美しくポップな
この名曲が始まった途端、曇り空の隙間から
陽の光が差し込んで来たような錯覚を感じますね。
楽曲自体の素晴しさは勿論のこと、
構成(曲順)の勝利でもあります。


HUMAN TEMPLE - Halfway to Heartache - Run Away ★★★ (2012-05-10 22:08:35)

じわじわと冷気と悲哀が滲み出すような
サビ手前の歌メロが抜群に良いのですよ。
これこそ北欧メタル!と思わず膝を打つ、
アルバムで一番ツボにハマった曲でしたね。


HUMAN TEMPLE - Halfway to Heartache - She Talks to Angels ★★★ (2012-05-11 23:00:15)

Gが咽び泣くイントロの時点で
ぐわしっと涙腺を鷲掴みにされました。
哀愁のみならずスケールの大きさも
感じさせてくれるバラードで、
この手の楽曲がエンディングに用意されていると
アルバムを聴き終えた後の満腹感も向上しますね。


HUMAN TEMPLE - Insomnia ★★★ (2011-07-15 22:29:01)

フィンランド出身で、'04年にデビューを飾るや「URBAN TALEに続くメロディアスHRバンドのニューカマー」と、マニアの間で注目を集めた5人組のデビュー作。
複数枚のアルバムを発表する等、ソロ・シンガーとしても確固たるキャリアを誇るVoの甘く伸びやかな歌声をメインに据え、涼しげな音色でキャッチーな旋律を奏でるKeyと、情感豊かに歌うGとによって優美に盛り立てられたメロハー・サウンドは、メンバーがプログレ方面からの影響を告白するドラマティックな⑨のような楽曲を収録する等、URBAN TALEに比べると幾分ハードな感触だが、北欧のバンドらしい透明度の高い哀メロに彩られた楽曲の数々は、聴いてるだけで今夏の蒸し暑さを緩和してくれるような清涼感に満ち溢れている。
後世に名を残すレベルの名曲が収録されているわけではないが、北欧ハードポップの様式美に則ったKeyのイントロからして心躍るOPナンバー①に始まり、Voの上手さが際立つ美麗なバラード⑪にて幕が下ろされる本編は、捨て曲の見当たらない充実っぷりで、寝苦しい熱帯夜のお供にはぴったりの(?)1枚じゃないかと。


HUMAN TEMPLE - Murder of Crows ★★★ (2011-07-18 20:58:40)

'04年リリースのデビュー作『INSOMNIA』が好評を博すも、その後は「ギタリスト脱退」というニュースが報じられたぐらいでフッツリと消息が途絶えてしまっていたHUMAN TEMPLEから、久し振りに届けられた2ndアルバム。
例え長期間のブランクがあろうとも、メタル大国フィンランド出身のバンドならば、音楽性を大幅に変えてこちらを失望させるような真似はしないだろうと思っていましたが、実際本作は、ヒンヤリとした哀感を湛えるOPナンバー①が始まった瞬間、彼らがその期待に見事に答えてくれたことを確信するクオリティ。
正式ギタリストの座は空席のまま、前作同様、URBAN TALEのエルカ・コーホネン(G)や元SONATA ARCTICAのヤニ・リマタイネン(G)らの協力を仰いでレコーディングされているが、伸びやかなVoと冷やかに楽曲を包み込むKeyを軸に、歌心に溢れたGが絡むメロディアスHRサウンドという、デビュー作で披露したスタイルは今回も健在。
全体的にややヘヴィさが増した印象が無きにしも非ずだが、泥臭い序盤に思わず不安になる④や、ノリノリで疾走するヘヴィ・メタリックな⑧といった、従来にはなかったタイプの楽曲すら心打つドラマティックな内容に仕上げてみせる曲作りの上手さは、相変わらず冴えまくっている。『FINAL COWNTDOWN』を発表した頃のEUROPEを彷彿とさせる⑤や、ダンサブルなビートに悲哀に満ちたメロディが乗る⑥辺りは、メロハー・マニアに猛烈にアピールし得る魅力を備えた逸品ですよ。
日本盤がリリースされていてもおかしくない(寧ろリリースされていない事が不思議で仕方がない)1枚。


HUMAN TEMPLE - Murder of Crows - Emily ★★★ (2011-07-18 21:05:26)

聴いてるだけで体が動き出す
ハードでノリノリなヘヴィ・メタル・ソングだが
メロディのフックの効かせ方は
間違いなくHUMAN TEMPLE印。
劇的に動き回るGのカッコ良さは
ガッツポーズ物ですよ。


HUMAN TEMPLE - Murder of Crows - Lie ★★★ (2011-07-18 21:01:10)

ジョーイ・テンペスト風のVoの歌唱と、
高揚感に満ち溢れた曲調が、
『THE FINAL COUNTDOWN』の頃の
EUROPEを彷彿とさせる逸品。


HUMAN TEMPLE - Murder of Crows - Yours Cold Blooded ★★ (2011-07-18 21:03:22)

淡々と刻まれるダンサブルなビートの上を
冷やかな哀メロが舞うハードポップ・チューン。
シンプルだが、それゆめ胸に沁みるメロディを
奏でるKeyが良い仕事してますね。


HUNTRESS (2012-07-26 06:57:22)

女性シンガーをフロントに据える優れたバンドが次々にデビューを飾る今日この頃ですが、このHUNTRESSもその1つに数えられて然るべき存在で、結成の音頭を取ったのはオペラ歌手としての実績も持つジル・ジェイナス嬢(Vo)。彼女が自身の理想とするHMサウンド――スラッシュ、デス/ブラック・メタルの要素を取り入れたオカルティックな正統派HM――を追及すべくロサンゼルスにおいてメンバー集めに奔走。体制が整うと数枚のシングルを自主制作でリリースした後、オーストリアのインディーズNAPALM RECORDSとディールを締結。
デビューに先駆けて撮影された“EIGHT OF SWORDS”のプロモ・ビデオが評判となる中、'12年に1stフル・アルバム『SPELL EATER』を発表。バンドは同作で日本デビューも飾っている。


HUNTRESS - Spell Eater ★★★ (2012-07-25 21:49:42)

ハイピッチのスクリームからデス声まで自在に操る妖艶なフロント・ウーマン、ジル・ジェイナス率いる5人組HMバンドが、'12年に発表した1stアルバム。
低音域と高音域をシアトリカルに行き来するキング・ダイアモンド唱法を駆使するジル嬢のVo、禍々しいリフを刻んだかと思えば、煽情的なフレーズ・センスに満ちたソロを紡ぐツインG、スラッシュ/ブラスト・ビートを織り交ぜてスピーディに疾走するリズム等々・・・を武器にこのバンドがクリエイトするのは、オカルティックな雰囲気が充満するダークでドラマティックな正統派HM。
体の芯から震えが来るような、KING DIAMONDの如き本格派オカルト・メタルの装いには今一歩届かず、映画に例えるなら「デカイ音と血糊の量とボディ・カウントで勝負!」なB級ホラー的いかがわしさ/コケ脅し感が漂う作品ではありますが、ブラック・メタリックなリフ&リズムの上に朗々たるVoが乗った邪悪な①、ダーク・ファンタジックな曲調と緩急の効いた曲展開が秀逸な④、ハードなツインGが曲展開を牽引する⑤、リフ&リズムにこれまたデス/ブラック・メタルの要素が織り交ぜられた⑧、80年代US産マイナー・メタルの息吹を今に伝える⑪といった疾走ナンバーの数々からは、バンドがこのジャンルに注ぐ前のめりな情熱と勢いが十二分に感じられ好感触。ジル嬢が纏うエロティックな魔女風の衣装も(お金がないので)自分で繕っているというDIYなエピソードにも好感度大ですよ。
未だ荒削りな部分は目立ちますが、ジル嬢の歌唱能力を筆頭に、彼女達が秘めたポテンシャルの高さはしっかりと伝わって来る1枚。


HUNTRESS - Spell Eater - Eight of Swords ★★★ (2012-07-26 22:30:55)

デビューに先駆けてPVも作られたリーダー・トラック。
「HUNTRESSってどんなバンド?」という方には
この曲のPVを見てもらうのが一番手っ取り早い。
端麗な容姿に、胸元パックリ/股間ザックリな
エロティックな衣装に身を包んだジル・ジェイナスの
艶姿に「おおっ」と身を乗り出した諸兄が、
彼女の発するヒステリックなスクリームに「おおっ?」と
思わず身を引く姿が目に浮かぶようです。
あ、楽曲そのものもオカルティックな風情漂う
スピーディな正統派HMナンバーで非常にカッコイイですよ。


HUNTRESS - Spell Eater - Snow Witch ★★★ (2012-07-26 22:25:14)

タメと疾走を繰り返す緩急の効いた曲展開に、
大仰なメロディを歌い上げるジル・ジェイナスのVoと、
煽情的なフレーズ・センスに冴えを感じさせる
2本のGが華を添えた名曲。
個人的にはアルバムで一番お気に入り。


HUNTRESS - Spell Eater - Spell Eater ★★★ (2012-07-26 22:20:56)

イントロからブラック・メタル風のGリフが刻まれ
ジル・ジェイナスのドスの効いたパワフルな歌唱が
炸裂するブルータルなOPナンバー。
楽曲自体のカッコ良さは勿論のこと、
多彩な表現力を駆使して曲調をドラマティック且つ
シアトリカルに彩るジル嬢のVoは本曲の白眉。


HUNTRESS - Starbound Beast ★★ (2014-02-22 00:34:11)

美貌のフロント・ウーマン、ジル・ジェイナス率いるオカルティックHMバンドが'13年に発表した2ndアルバム。
ツアーやメタル・フェス参戦で積み上げた経験値が、如実にクオリティに反映された本作は、迫力と説得力を増したメンバーのパフォーマンスにも支えられ、シアトリカルに練られた曲展開から、2本のGが奏でる煽情的なメロディ、それに逞しさを増したリズムに漲るへヴィネスまで、他の誰でもない、HUNTRESS流HMサウンド確立へと大きく前進。
・・・のわりにイマイチ筆が進まず、感想を書いては消して、消しては書いてを繰り返していたのは、スラッシュ/デス/ブラック・メタルばりの厄いリフ/リズム・ワークや、低音域と高音域を忙しなく行き来するジル嬢の「キング・ダイアモンド唱法」によって醸し出されていた「禍々しさ」や「オカルティックな雰囲気」が大幅減少した楽曲が妙に淡白に響くせいかな?と。
大仰な序曲①から繋がっていく②や、スピード・ナンバー⑥、ツインGを活かした劇的な⑤⑨⑩等、チープさを排して本格派HMバンドとしての貫禄と洗練を感じさせるようになった楽曲が並ぶ作品全体の完成度は、間違いなく前作を凌いでいるんですけどね・・・。尚、⑪は勿論JUDAS PRIESTのカヴァー。


HURRICANE - Liquifury ★★ (2019-09-06 00:36:19)

ルディ・サーゾの弟ロバート・サーゾ(G)、カルロス・カヴァーゾの弟トニー・カヴァーゾ(B)、後にASIA等に加入するジェイ・シェレン(Ds)、そして現FOREIGNERのケリー・ハンセン(Vo)という面子により結成され、文字通り台風の如く大暴れすることが期待されましたが、いつの間にか温帯低気圧化して解散してしまったLAのHURRICANEが復活。'01年にFRONTIERS RECORDSからこの3rdフル・アルバムを発表しました。
尤も、正式メンバーはケリーとジェイの2人のみ。残りのパートはセッション・ミュージシャンで賄うという、バンドっちゅうよりはプロジェクトというべき体制でレコーディングは行われています。ただダグ・アルドリッジが参加するも大味なアメリカンHM化が進行しやや拍子抜けだった2nd『SLAVE TO THE THRILL』(’90年)に比べると、本作はメロディのフックと湿り気がかなりの戻ってきていて、プログレ・ハード風味もあった1st『OVER THE EDGE』(’88年)と、よりギター・オリエンテッドな作風を提示した前作『SLAVE~』の中間ぐらいに位置する、バランスの取れたサウンドに仕上がっています。
特に、イントロ①の焦らしを蹴破って歯切れ良くロックする疾走ナンバー②、ジェイ・シェレンのシュアなドラミングが気持ちいい④、ブルージーな薫りも漂わせつつエモーショナルに盛り上がっていく⑥、都会的な愁いを帯びて駆け抜ける⑩辺りは、そうした本作の魅力を分かり易く体現している楽曲ではないかと。あと、これらの楽曲におけるケリー・ハンセンの情熱的な歌声の素晴らしさについてはいちいち言及しません。最高に決まっています。
復活作として上々の出来栄えでしたが、後が続かなかったのが残念ですね。


HURRICANE - Liquifury - Happy to Be Your Fool ★★★ (2019-09-08 00:48:40)

じっくりコトコト煮込むような感じで盛り上がっていくスロー・ナンバー。
仄かにブルージーな薫りも漂いますが、埃っぽさは全くない辺りがこのバンドらしい。
こういうノリの楽曲を歌わせたらケリー・ハンセンは絶品です。


HURRICANE - Over the Edge ★★★ (2016-07-28 23:28:42)

ルディ・サーゾの実弟ロバート・サーゾ(G)、カルロス・カヴァーゾの実兄トニー・カヴァーゾ(B)により結成され、後にダグ・アルドリッチ(G)がラインナップに加わったことでも知られるバンドが、デビューEP『TAKE WHAT YOU WANT』(’86年)に続いて'88年にENIGMA RECORDSから発表した1stフル・アルバム。
HURRICANEについては、「LIONのマーク・エドワーズ(Ds)ベネフィット・コンサートに絡むゴタゴタに巻き込まれてしまった不運なバンド」程度の認識で、結構最近まで作品自体はまともに聴いたことがありませんでした(申し訳ない)。「まぁLA出身だし、売れ線のロックンロールでも演ってんのかな~」とか思いつつ、暢気にCDを再生してみたらビックリですよ。120人を超えるオーディション参加者の中から選抜されたというケリー・ハンセン(Vo)の抜群にエモーショナルな歌声といい、安定感/表現力に富む楽器陣のパフォーマンスといい、本作に託されているのは「ノらせる」ことよりも「聴かせる」ことに主眼を置いた、プログレ・ハードばりのドラマ性と正統派アメリカンHRの大衆性を併せ持ったサウンド。少々、収録楽曲の出来・不出来にバラつきが見られる点にもどかしさを覚えながらも、本編の幕開け役を担うアルバム表題曲①と、中盤を劇的に引き締める⑦というドラマティックな2曲は間違いなく名曲ですし、“愛は嵐のように”なる邦題を冠されたバンドのテーマ曲(?)④、キャッチーな⑥⑨辺りも「おっ」となる逸品。
メンバーがキャリアを積んだ人達の集まりという点も含めて、こりゃ確かに解説でTOTOを引き合いに出して語られているのも納得だなぁと思わされる1枚。


HURRICANE - Over the Edge - Over the Edge ★★★ (2016-07-30 00:32:26)

一聴して度肝を抜かれるのが、ケリー・ハンセンのVoの素晴らしさ。
そりゃこんだけズバ抜けた歌唱力を持っていたら、
120人のオーディションを勝ち抜けますわなと。
そして勿論、LAのバンドらしからぬ(?)
力強くも愁いを帯びたドラマティックな曲展開も胸を打ちます。


HURRICANE - Over the Edge - Spark in My Heart ★★★ (2016-07-30 00:36:13)

アメリカのバンドというよりもヨーロピアンな湿った風情と
キメがビシバシ入る曲調がプログレ・ハード的な味わいも醸し出す
アルバム後半のハイライト・ナンバー。
劇的な雰囲気を盛り上げる、鐘の音(?)のアレンジが秀逸。


HURRICANE - Slave to the Thrill ★★ (2016-08-28 22:56:32)

初めて目にした時は「ギーガー謹製か?」と思ってしまった強烈なアートワーク(機械に犯されそうになっている全裸の女性)が物議を醸した'90年発表の2ndアルバム。シーンの潮目の変化を察知し、よりアグレッシブな方向へ進むために、ポップ志向の持ち主だったロバート・サーゾと袂を分かち――実際はマネージメント主導の解雇劇だったとのキャプテン和田情報あり――その後任ギタリストに、元LIONのダグ・アルドリッチを加えたラインナップでレコーディングされています。
いかにもアメリカンなノリの良さで攻めて来る豪快なロックンロールと、ドラマティック且つメロディアスなプログレ・ハードというの二路線構成が取られた好盤に仕上がっていた前作『OVER THE EDGE』(’88年)に比べると、吹けよ風、呼べよ嵐状態(まさしくハリケーン)なSEから幕が上がる今回は、明らかに前者に比重が偏っていて「あいやー、そっちへ進んじゃいましたか」と。
無論、ダグ・アルドリッチのフラッシーなGプレイ、ケリー・ハンセンのエモーショナルな歌唱(流石、現FOREINER)をフィーチュアした楽曲の質は低くありません。しかしながら、“失われた愛の夢”なる邦題を冠されたバラード⑤、哀愁のHRナンバー⑥、ブルージーな味わいを有する⑦といった、本編中盤に並ぶメロディアスな楽曲が魅力的なだけに、HURRICANEには是非ともこっち方面へ進んで欲しかったなぁ…と、今更詮無いことを考えてしまうわけです。


HURRICANE - Take What You Want ★★★ (2021-10-21 07:50:23)

FOREIGNERでルー・グラムの後任という大役を担うケリー・ハンセン(Vo)、カルロス・カヴァーゾ&ルディ・サーゾの実弟であるトニー・カヴァーゾ(Ds)&ロバート・サーゾ(G)、後にASIAに参加するジェイ・シェレン(B)らが在籍していたLAのプチ・スーパー・バンドHURRICANEが’85年に発表したデビュー・ミニ。ちなみにレコードは6曲入りで、CD化に際して更にもう1曲(アコギ独演のインスト・ナンバーで秀逸な出来栄え)が追加収録されています。また輸入盤と国内盤でジャケット・デザインが異なっていて、平凡なグループ・ショットが採用されている国内盤よりも、思わず目を凝らさずにはいられない輸入盤のアートワークの方がぐっとくる仕上がりなのは言うまでもありません。
ノリ良く重量感溢れるアメリカンなHRナンバーと、美麗なハーモニーとウェットなメロディに彩られた欧州風味の抒情性薫る楽曲の二本立てからなる本編は、メンバーが手練れ揃いだけあってこのバンドならではの美点が既に開花。タイトル通りHOT&HEAVYにぶちかまされる⑥のような前者路線の楽曲、一転してじっくりドラマティックに聴かせるプログレ・ハード調のバラード⑤のような後者路線の楽曲、それぞれどちらも大変魅力的ですが、取り分け合唱せずにはいられないライブ映えするキャッチネスと、哀愁を帯びたメロディを纏ってワイルドに跳ねる両路線のエッセンスを溶け合わせたバンドのテーマ曲④は、本作のハイライトたるインパクトを放つ名曲に仕上がっています。
「嵐が来る…!」とばかりに、1stフル『OVER THE EDGE』(’88年)に対する期待を煽る予告編としての役割を十二分に果たす逸品ですよ。


HURRICANE - Take What You Want - Hurricane ★★★ (2021-10-21 23:23:02)

PVも作られたバンドのテーマ曲。
重量感溢れる曲調に、分厚いハーモニーに彩られた
ライブ映えするキャッチーなコーラス、そして仄かに
哀愁を帯びたメロディと、HURRICANEの魅力全部入りな名曲です。


HURRY SCUARY - Break It up ★★★ (2011-10-20 22:01:35)

TERRA ROSAと並んで、関西圏を代表する様式美HMバンドとして勇名を馳せたHURRY SCUARYが'88年に発表した唯一のフル・アルバム。
映画のサントラとしての役割も背負わされた作品ゆえ、元MAKE UPの天才メロディ・メイカー、故松澤浩明&河野陽吾ら外部から招聘されたライター陣も楽曲を提供しているため本編にコテコテの様式美HM色は薄く(音楽的には間違いなくそっち路線なのだが)、Keyの使い方からコーラスの重ね具合に至るまで、スマートな洗練が施された作風はどちらかと言えば関東出身バンドに近しいノリ。
そういう意味ではバンドの真価が発揮されたアルバムとは言い難いのかもしれないが、とは言え、本作が美旋律と哀メロに満ち溢れた捨て曲皆無の名盤である事は疑う余地のない事実。取り分け、中間英明の華やかにしてドラマティックのGプレイは、劇的なリフ・ワークからフラッシーなGソロまで随所で眩い輝きを放っており、また一方で、バラード“NOTHIN' NEW”を筆頭に素晴しく伸びやかな歌声を披露する南 安秀(Vo)や、安定感抜群のリズム隊等、決して中間の存在のみが突出した一発芸バンドではないことも彼らの強みだ。
ただ余りにスマートな佇まいゆえ、TERRA ROSA程のインパクトの強さを持ち得ておらず、この辺がアルバム1枚で解散へと至った要因でもあるのかな・・・と思ったりも。


HURRY SCUARY - Break It up - Nothin' New ★★★ (2011-10-20 22:13:01)

バラードの小曲だけど、実はアルバムの中でも
1、2を争うぐらいお気に入りのナンバー。
この曲における南 安秀のマイルドな歌声は素晴しい!
英詞の発音に難があるようですが、
こちとら英語が大の苦手なので無問題。


HURRY SCUARY - Break It up - Reaching for the Sun ★★★ (2011-10-20 22:09:28)

松澤浩明流の“EYE OF THE TIGER”って感じでしょうか。
北欧的な透明感を湛えた哀メロが胸を打ちます。


HUSTLER - High Street ★★★ (2017-12-12 23:28:28)

その昔、行きつけの中古CDショップが閉店セールをやった際、遅ればせながら駆け付けてみれば既にめぼしい品は粗方買われてしまっていて、唯一目を引いたのが、イギリス出身のHUSTLERが'74年に発表した、この1stアルバムだったという。
今でこそ「Voは38 SPECIALに参加」とか「Dsは後にSFXを結成」とか、ネット上で彼らに関する情報を集めることが出来ますが、当時は手に取った中古盤に帯がついてなかった為どういった出自の連中なのか分からず、バンド名は輸入エロ雑誌みたいだし、ヒゲ面のメンバーがおどけるジャケットはイケてないし、解説担当のゴッドも初渡英時の思い出話に終始しているだけだしで(でもこれが読み応えあり)、事前のアルバムに対する期待値は高性能レーダーだって探知不可能なぐらいの低空飛行っぷり。
しかし家に持ち帰って聴いてみると、これが実に良かった!軽快に弾むメロディとリズムに、ねちっこく歌うVoが絡む①で「おっ」と思わされ、ハードなGとKeyがDEEP PURPLEばりにユニゾンしながら駆け抜ける②が始まった瞬間、こちとら姿勢を正座へと改めざるを得ませんでしたよ。一般的には方向性が定まり洗練もされた2nd『PLAY LOUD』が代表作とされているようですが、曲の良さでは本作だって引けを取らないのではないかと。
特に哀愁に満ちた前半からスリリングにテンポアップする⑧、熱い盛り上がりで本編を締め括るバンドのテーマ曲⑨というラスト2曲は、前述の②同様DEE PURPLEを大いに彷彿とさせる名曲。オルガンと泣きのG、熱唱型Voが互いに高め合ってクライマックスへ雪崩れ込む劇的な曲展開にゃアガらずにはいられませんて。70年代HRアルバムの秀盤です。


HUSTLER - High Street - Miranda ★★★ (2017-12-13 23:54:30)

とっぷりと哀愁を湛えたバラード調の前半からテンポ・アップ。
緩急を効かせた曲展開を引っ張る泣きのGと、
オッサン声でうら悲しいメロディを歌い上げるVoの熱演に
グイグイと引き込まれていってしまう名曲です。


HUSTLER - High Street - Piranahas ★★★ (2017-12-12 23:43:07)

「エロ本みてえなバンド名だなぁ」とか舐めてかかったら
攻撃的なGとKeyが緊張感を保って並走するこのハードな楽曲で
バシッと姿勢を正されてしまいましたよ。
DEEP PURPLEやURIAH HEEPにも通じるものを感じる名曲です。


HUSTLER - High Street - The Hustler ★★★ (2017-12-14 00:01:53)

身体を揺するグルーヴや、女性コーラス、熱を帯びたVoの熱唱といった、
70年代HR然としたダイナミズムと、プログレッシブ・ロック的な
スリリングな楽器陣の掛け合いを伴ってアルバムを締め括る
バンドのテーマ曲(なのか?)に相応しい劇的な逸品。


HYBRID ICE - Hybrid Ice ★★★ (2020-11-03 00:28:23)

結成は60年代まで遡るという「超」の付くベテラン・バンドが、苦節十数年、ようやく'82年に自主制作でリリースした1stアルバム。
長らくHR/HMシーンの片隅に埋もれてしまっていたところ、トム・ショルツのお眼鏡に適いBOSTONが4th『WALK ON』において、本作収録曲“MAGDELENE”をカヴァーした辺りからマニアの間で注目度が高まり、’00年に入ってESCAPE MUSIC(日本盤はプログレ系レーベルとして知られるマーキー/ベル・アンティーク)からCDとしてリイシューされる運びとなりました。
“移民の歌”っぽいGリフと緊張感を湛えたKeyリフが交錯するOPナンバー①こそプログレ・メタル的な感触ですが、CD化に際して追加収録されたこの曲は本編においてはどちらかと言えば例外的存在。次曲以降は、デニス・デ・ヤング似の張りのあるハイトーンVoや、メンバー全員が歌える強みを生かした分厚いボーカル・ハーモニーはSTYXから、ギターの重ね方はBOSTONから、構築美を感じさせる曲展開はKANSASから…といった具合に、同時期にヒット・チャートを賑わせたアメリカン・プログレ・ハード勢からの影響を伺わせるキャッチーで親しみ易いサウンドが全編に亘って繰り広げられています。
甘くポップなSTYX調バラード③、初期BOSTON風味が薫る④、大仰にならない程度の構築感を宿した⑦、哀愁を帯びて本編を締め括るバラード⑪等、聴き応え十分の楽曲が並び、マニアからお宝盤扱いされるのも納得の仕上がりです。
彼らがリリースしている他のアルバムも聴いてみたいが、もう廃盤なんですよね。


HYBRID ICE - Hybrid Ice - Magdelene ★★★ (2020-11-04 00:47:42)

BOSTONがカヴァーしたことで、HYBRID ICEの再評価の機運を高める
きっかけともなったSTYX+BOSTONといった趣きも感じられるバラード。
かなり異なるアレンジが施されたBOSTONバージョンと聴き比べてみるのも一興かと。


HYDRA(SWEDEN) - Point Break ★★★ (2022-09-27 00:28:02)

FRONTIERS RECORDS関連で名前を見聞きしない日はないんじゃなかろうか?なダニエル・フローレス(Key)と、その15年来の友人で、主にポップ・ミュージック・シーンを主戦場にソングライターとして活動していたというヘンリック・ヘッドストロム(G)、それにSEVENTH WONDERの1st『BECOME』で歌っていた初代フロントマンのアンディ・クラヴルヤカ(Vo)らによって立ち上げられたプロジェクトHYDRAが’22年にリリースした1stアルバム。
仕事帰りに立ち寄ったCDショップでディスプレイされている本作を一目見て、アートワークのイラストのタッチといい、バンドロゴの色味(テカり具合)といい、「これは拾い物の予感」とメタル・レーダーに感あり。久々に予備知識もなんもなしにジャケ買いを敢行した作品でしたが、透明感を湛えた哀愁のメロディがキャッチーな曲調に載るOPナンバー①が流れ始めた途端、「賭けに勝った!」と握り拳を突き上げずにはいられない、期待通りの北欧メロハー・サウンドが堪能できる好盤でありました。
ダニエル・フローレスの曲作りの腕前に関してはこれまで散々目の当たりにして来たことなので不安は皆無でしたし、SEVENTH WONDER時代から歌唱力には定評があったアンディ・クラヴルヤカも、潤いと張りのある歌声で楽曲のクオリティUPに貢献してくれています。美しいハーモニーを伴ってポップに弾む②や、北欧のバンドらしい哀感を纏い涼しげに駆け抜けていく⑦はアルバムの旨みを凝縮したような名曲ですよ。
これ1枚で終わらせず、是非とも今後も作品リリースをお願いしたくなる力作ではないかと。


HYDRA(SWEDEN) - Point Break - Never Be the Same ★★★ (2022-09-27 23:35:04)

アップテンポの曲調の上でヒンヤリとした哀感を
湛えたメロディと美しいハーモニーが舞う
このバンドとこのアルバムの魅力を
端的に伝えてくれる本編のハイライト・ナンバー。
こういうキメ曲があるとアルバムが引き締まりますね。


Harlequin (2013-11-26 07:30:15)

'75年、カナダはマニトバ州ウィニペグにて、ラルフ・ジェイムス(B)とジョージ・ベランガー(Vo)らによって結成。
デモテープを制作した後、ツアーで訪れたトロントのバーで演奏している姿が、偶然その店に来ていた売れっ子プロデューサーのジャック・ダグラスの目に留まり、彼の助力もあってCBS/EPIC RECORDSとのディールが成立。'79年に1st『VICTIM OF A SONG』でデビューを飾る。
同作はカナダ国内でゴールド・ディスクを獲得するヒット作となり、以降バンドは、最高傑作と名高い2nd『LOVE CRIMES』('80年)、日本デビュー作となった3rd『ONE FALSE MOVE』('82年)、最終作の4th『HARLEQUIN』('84年)を発表。
'86年にリリースされたベスト盤を最後に解散の道を選択しているが、多くのベテラン・バンド同様、00年代に入って再結成。'06年にはそれまでの功績が認められ、カナダにおいて音楽の殿堂入りも果たしている様子。


Harlequin - Love Crimes ★★★ (2013-11-26 22:19:39)

BOSTONの成功に端を発するアメリカン・プログレ・ハードのムーブメントの盛り上がりに、カナダより参入したHARLEQUINの最高傑作との評価を戴く、'80年発表の2ndアルバム。
AEROSMITHやCHEAP TRICKの成功にも貢献したジャック・ダグラスがプロデュースを担当してるだけあって、少々オヤジ臭い声質ながらも確かな歌唱力を備えたVo、ハードなGとポップなKeyが適切にバランスを取って展開するカラッと快活なメロハー・サウンドのクオリティは相当なもの。
甘さだけでなくHR的な骨太さをアピールする②、産業ロックの様式美というべき軽やかなKeyワークに胸躍らされる④、青空の下、オープンカー運転してる時にこんな曲がラジオから流れてきたらさぞかし気持ち良いだろうな~と思わせてくれる⑦⑨⑩等、ほんのり欧州風味の湿り気を帯びたメロディと、大陸的な爽やかさ/ノリの良さを併せ持つ楽曲の数々は、これぞまさしくカナディアン・メロディアスHRの王道!といった趣きで、耳に良く馴染みます。
再発ブーム華やかなりし90年代後半にはここ日本でCD化(世界初)もされた本作は、恐らくこのバンドのカタログの中では最も入手が容易な1枚。中古屋で見かけたら是非どうぞ。


Harlequin - Love Crimes - It's All Over Now ★★★ (2013-11-27 21:59:26)

カナディアン・メロディアス・ハードらしい
哀愁と躍動感が滲み出す、アルバムでも1、2を争う名曲。
バックに埋没せず、かといって出しゃばり過ぎもしない
ツボを心得たKeyの活躍ぶりが素晴らしい。