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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2801-2900
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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2801-2900
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JAMES CHRISTIAN - Rude Awakening - Labour of Love ★★★ (2021-03-16 23:39:22)

アコギによる物悲し気なイントロから、全楽器が加わって劇的に盛り上がっていく
アルバム中盤のハイライトを飾る名曲。この手の哀愁に満ちたメロディを
熱唱させるとジェイムズの歌声は絶品なハマリ具合を聴かせてくれますね。


JAMES CHRISTIAN - Rude Awakening - Pleasure and Pain ★★★ (2021-03-16 23:36:32)

ジェイムズ・クリスチャンとマーク・ベイカー共作のバラード。
フックの効いたメロディが炸裂するサビメロが絶品で
80年代に発表されていたら間違いなくCMや映画主題歌に
引っ張りだこだったろうに…と思わされる名曲です。


JAVAN - SOMEWHERE IN THE NIGHT ★★★ (2018-02-21 22:45:29)

バンド名はジャバン?ギャバン?(宇宙刑事?)どう読む?と思ったら、どうもドイツ語で「ジャワ」と読む模様。メロディ愛好家から地味に寵愛を受ける名盤『SOMEWHERE IN THE NIGHT』1枚を残して解散してしまい、その後はメンバーの動向もよう分からんかった謎多きドイツの6人組が’92年に残した最初で最後のアルバム。リリース当時BURRN!!誌のレビューで高得点を叩き出していたので、「じゃあ日本盤も出るだろ」と高を括っていたのですが、いつまで経ってもその気配はなく、そうこうする内にバンドが解散してしまったとの噂を耳にして、仕方ないので輸入盤を買いに走りましたよ。
雑誌レビューではRISING FORCEが比較対象として挙げられていましたが、個人的にはそこまでバリバリの様式美HM路線な印象はなく、煌びやかなKeyをフィーチュアして、哀愁と透明感を湛えた音像は北欧ハードポップに近い感じ。かと思えば、ジェフ・スコット・ソート似のVoの声質が、サウンドの繊細さからするとやや太めな辺りがゲルマン風味も主張しているという。しかしハード・ナンバーからバラードまでエモーショナルに歌いこなす、このシンガーの歌唱能力の高さは保証できますし、彼が歌うクラシカルな風情を湛えた⑥、儚く爪弾かれるアコギをバックに切々と歌い上げる⑫といったバラード2曲は、メロディの泣きっぷりといいドラマティックな曲展開といい、まさに珠玉。そして当然、テクニカルなGをお供に涼し気に駆け抜けていく①のようなHRナンバーも魅力的です。
今となっては余り顧みられる機会のない1枚ですが、メロディ愛好家を自認する方なら一度ぐらい聴いておいて損はないかと。


JAVAN - SOMEWHERE IN THE NIGHT - DREAMS ★★★ (2018-02-22 22:36:09)

薄っすらと敷かれたKeyと、儚く爪弾かれるアコギをバックに
エモーショナルなVoが悲哀に満ちたメロディを切々と
歌い上げるという、「哀愁のバラード」のお手本のような逸品。
大仰さはなくとも、感情が溢れ出すような
終盤の盛り上がりっぷりに胸を突かれます。


JEFF PARIS - Lucky This Time ★★★ (2022-10-11 00:08:18)

ソロ・アーティストとしてアルバム・リリースやツアーを行う傍ら、リタ・フォード、VIXEN、MR. BIGといったバンドに楽曲提供を行う等、80年代からシンガー/ソングライターとしても活躍してきたジェフ・パリスが、'93年に乞われてイギリスのNOW AND THEN RECRODSから発表した3rdソロ・アルバム。
プロデュースからエンジニアリング、果ては全パートの楽器演奏まで一人でこなすマルチ・プレイヤーぶりを発揮してレコーディング作業を敢行。それに関してはご本人が「エナジーとアイデアがあればどんな状況でもアルバム制作は可能。大金は必要はない」との男前な発言を残してくれています。カッコイイじゃないのさ。
収録曲は、共作者としてMR. BIG、売れっ子セッション・マンのマイケル・トンプソン、KISSのポール・スタンレー、BAD ENGLISHのリッキー・フィリップスら豪華な面子がクレジットされていて、気の利いたアレンジから、痒い所に手の届くメロディ展開に至るまで、長年かけて培われたソングライターとしての腕前が存分に振るわれた仕上がり(歌の上手さに関しては言うまでもありません)。MR. BIGの1st『LIVE AND LEARN』にも収録されたゴージャスなOPナンバー①や、80年代ならヒット・チャートを賑わしていても不思議ではないバラード⑩辺りも素晴らしいのですが、個人的に特に一押ししたいのが⑧。知る人ぞ知る才人ブレット・ウォーカーとの共作で、胸打つ哀愁の名曲っぷりには「この顔合わせによるの楽曲がもっと聴いてみたかった…」と、つくづくブレットの早逝が惜しまれます。
もう長いこと日本盤リリースと縁がありませんが、ご健在でいらっしゃるのでしょうか?


JEFF PARIS - Lucky This Time - After the Tears Are Gone ★★★ (2022-10-12 00:48:56)

故ブレット・ウォーカーとジェフ・パリスの共作曲。
才人同士の組み合わせですから素晴らしい楽曲に
仕上がらない筈はなく。
フックの効いた哀愁のメロディ、情感豊かな歌と
潤いを増幅させるKeyの共演が胸を打つ逸品です。


JEFF SCOTT SOTO - Love Parade ★★ (2020-06-04 23:53:27)

ジェフ・スコット・ソート(Vo)がプロデュースのみならず、殆ど全てのパフォーマンスを自らプレイしてレコーディング作業を行い、’95年に発表した(文字通りの)ソロ・アルバム。意外なことにこれが初めてのソロ作品。日本盤はゼロ・コーポレーションからリリースされました。
今でこそ、メロハーからゴリゴリのメタルまで何でも歌いこなせるオール・ラウンダーとして重宝されているジェフなれど、この頃はイングヴェイのバンドやTALISMANにいたことぐらいしか情報がなく、なのでこっちも当然本作には様式美HM寄りの音楽性を期待していたわけですが、ここで聴かれるのはHR/HMとはぐっと距離を置き、彼のルーツであるファンク/ソウル方面に全力投球したファンキー・モンキー・ベイビーなサウンド。
これには流石に落胆した…かというと、別にそんなことはなく。何せ表題が『LOVE PRADE』とピースフルな感じだった上に、微笑ましいアートワークはジェフのご子息ジェイソン君(当時6歳)のイラストが叩き台になっているという親バカぶりが炸裂していますので、そもそもダークな音楽性じゃないことはアルバムを手に取った瞬間から大体感じ取っていましたですよ。
それに、例えストライク・ゾーンにハマる音楽性ではなくとも、哀愁を帯びたお洒落なバラード④におけるジェフの歌の上手さにはやはり聴き惚れますし、ホットなグルーヴが小気味良く躍動する⑧みたいな楽曲にも問答無用で体が反応してしまいます。
質は十分高いので、あとは聴き手の好みの問題じゃなかろうかと。


JEFF SCOTT SOTO - Prism ★★★ (2017-10-25 22:45:50)

これまで数多のバンド/プロジェクトをマイク片手に渡り歩き、様式美HMからメロハーまで「何でもこざれ」で歌いこなしてきた実力派シンガー、ジェフ・スコット・ソートが'02年に発表した、ソロ名義では8年ぶりとなる2ndアルバム。
本作で聴けるのは、まさにアルバム・タイトルを地で行く「プリズム」の如き煌めきを放つ、美しく抒情的なメロディアスHRサウンド。JOURNEYの名曲“SEND HER MY ANGEL”のカヴァーも含め、まるで喉を傷めてバンドを脱退したスティーヴ・オウジェリーの後任として、数年後にジェフ自身がJOURNEYに参加することとなるのを予感させるような作風と言うべきか。そんなわけで、OPナンバーらしい躍動感溢れるエネルギッシュな曲調に、テクニカルなGプレイが華を添える①にて幕が上がる本編は、バラード~ミディアム・テンポのナンバーを中心にじっくりと「歌」を聴かせに掛かる構成で、RISING FORCE時代のような様式美HM路線を期待する向きにうっちゃりをカマしてきます。
しかしその一方、感動的な盛り上がりっぷりが胸を打つ②、黒っぽさ全開で、グレン・ヒューズにも匹敵するんじゃなかろうか?というファンキー且つソウルフルなフィールが痛快な⑤、打って変わって哀愁ダダ漏れのドラマティックな(イングヴェイ時代を思い起こさせる)⑥等々、収録楽曲の曲調は結構多彩。その上、それらを歌い上げるジェフの熱くエモーショナルな歌唱がサウンドに陰影とダイナミズムを付与してくれているため、右から左へまったりと流れて行ってしまうような緩さは皆無という。
ソングライターとしてもジェフ・スコット・ソートの才能が存分に発揮された1枚ですね。


JEFF SCOTT SOTO - Prism - Heaven Knows ★★★ (2017-10-27 00:00:17)

「歌うめぇー」と聴き惚れているうちに
毎度楽曲がエンディングを迎えてしまっているという名バラード。
ジェフの歌の上手さは勿論のこと、コンポーザーとしても
その才能に脱帽です。↑の方が仰られる通り、Gソロも沁みます。


JEFF SCOTT SOTO - Prism - Holding On ★★★ (2017-10-27 00:10:50)

初めて聴いた時はイングヴェイ時代を思い起こさせる
ドラマティックな泣きに満ち溢れたバラードだと思いましたが
言われてみると確かに初期TENっぽい叙情性も感じられますね。
ここでもGが実に良い仕事をしてくれています。


JEFF SCOTT SOTO - Prism - I Want to Take You Higher ★★★ (2017-10-27 00:08:12)

しっとりとした楽曲だけでなく、
こうした黒っぽさ全開でアゲアゲに攻めて来る
ロック・チューンも歌いこなせるのがジェフの強み。
ファンキーなリズム感が冴え渡ります。


JERUSALEM - Jerusalem ★★★ (2018-07-01 00:19:39)

結成時期やメンバーの動向等、バイオに未だ空欄が目立つ謎多き英国の5人組が'72年に残した唯一のフル・アルバムで、00年代に入ってCD化されるまで長らく入手困難な状態が続いたことから「幻の名盤」扱いされていた1枚。(現在は紙ジャケ国内盤が容易に入手可能)
ブルーズやプログレ臭の薄い、直線的且つスピーディに押して来る、同時代のHR作品と比較しても頭抜けてアグレッシブなサウンドから、NWOBHMを引き合いに出して語られる機会が多いという話も納得の本作。流石に現代の感覚からすると音作りは素朴で隙間も目立ちますが、楽曲が放つインパクトは今もって全く色褪せてはいません。
腕の立つ面子が余裕綽々で高度な演奏バトルを繰り広げるのではなく、20歳そこそこの無名の野郎共が、演奏は多少荒っぽくとも爪先立ちでHRの限界を押し広げようとするかの如く突っ走る様は、まさに元祖NWOBHM。1曲だけ飛び抜けてハードってのとは異なり、疾走感に溢れたGに耳奪われるOPナンバー①、“殺人者の悲歌”なる邦題に相応しいオカルト・ロック的オドロオドロしさと、Voが歌う軽快なメロディの捻じくれた組み合わせが印象的な④、“21世紀の精神異常者”を思わすへヴィネスを湛えた⑦、エキゾチックな風情も薫るミステリアスな⑧等、ほぼ全編に亘ってハードネスが維持されている点もNWOBHM的か?と。あとDEEP PURPLEの一員として、HRを新たなステージへと押し進める名盤『IN ROCK』誕生に貢献し、イケイケだった頃のイアン・ギランに見出され、彼のプロデュースを受けたことも本作の先鋭的な作風に少なからず影響があったのではないでしょうか。
バンドがこれ1枚で終わってしまったことが残念で仕方なくなる1枚ですよ。(…と思ったら何と再結成して'09年に2ndを発表していたと知ってびっくり)


JERUSALEM - Jerusalem - Beyond the Grave ★★★ (2018-07-01 00:42:31)

呪詛の詠唱を思わせる朗々響き渡るVo、
バンド名に相応しいエキゾチックな味わいのメロディを奏でるGとが
怪しげなムードを醸成するアルバム後半のハイライト・ナンバー。
ちょっぴり60年代サイケデリック・ロックの名残りも感じられたり。


JERUSALEM - Jerusalem - Frustration ★★★ (2018-07-01 00:24:25)

ブルーズやプログレとは一味違う、
疾走感溢れるGを前面に押し出して走り抜ける曲調が
メタリックなアグレッションを放つOPナンバー。
元祖NWOBHM的な扱いを受けているのも納得ですよ。


JERUSALEM - Jerusalem - Murderer's Lament ★★★ (2018-07-01 00:29:59)

“殺人者の悲歌”なる邦題に相応しい、オカルト・ロック的
不気味さとへヴィネスが横溢する曲調と、
Voの歌メロを始め、人を食ったような軽快さとが同居した
独特の味わい漂う逸品。


JESUS - Le Dernier Slow ★★★ (2020-06-22 23:27:07)

ギタリストの足立祐二が、TERRA ROSAやDEADEND参加以前の一時期、籍を置いていたことで知られるJESUS。本作はそのJESUSが’85年に発表し、会場等で販売していたカセットテープを正式商品化したもので、CD化に際しては、新たにリ・レコーディングされた未発表曲や貴重なライブ音源がボーナストラックとして追加収録されています。これまでバンドの名前だけは見聞きする機会がありましたけども、実際にその音に触れられる日が来ようとは…。ありがてぇ、ありがてぇ。
音楽性はTERRA ROSAに通じる様式美テイスト入ったHR。そもそも足立作曲の②はTERRA ROSAの名曲“THE ENDLESS BASIS”の元になった楽曲というのですから、さもありなん。テクニックとエモーションを両立させた劇的なインスト・ナンバー⑤を聴けば、これが本当に二十歳そこそこの若造のGプレイか?と驚かされますし、最新曲である①と比較しても、当時既に彼が独自の世界を築き上げていたことが分かるというもの。
かようにGプレイが傑出しているだけに、インスト・パートで高まったテンションを著しく下降させてしまうシンガーの力量不足には如何ともし難いものがありますが、今となってはこの少々頼りない歌唱も、昭和ジャパニーズ・メタルの「味」として許容できるのではないでしょうか。(無茶を言う)
本作の発掘や、ソロ・アルバムのリリース、更に復活を遂げたTERRA ROSA再結成ライブへの参加等々、近年再び活動を活発化させ、これからの足立祐二の動向に注目が集まっていた矢先だけに、今回の訃報には絶句せざるを得ませんでしたよ。


JESUS - Le Dernier Slow - Farewell ★★★ (2020-06-24 01:13:20)

イングヴェイ系統とは異なるクラシカルな味わいと、エモーションを喚起する
泣きを湛えたメロディ&テクニカルなGプレイに彩られた、
歌入りの他の楽曲よりも遥かに眩い輝きを放っているインストの名曲。
“FAREWELL”というタイトルが、今聴き直すと複雑な気分にさせられます。


JETBOY - Feel the Shake (2017-08-15 22:34:26)

デビュー直前にELEKTRA RECORDSとの契約を破棄されるという辛酸を舐めるも、《NO PAIN, NO GAIN》(苦労なくして得られるものなし)のポリシーの下、自棄を起こさず踏ん張って、再度メジャー・レーベルMCA RECORDSとディールを交わすことに成功したLAの4人組が、'88年に発表したデビュー作。(プロデュースはトム・アロムが担当)
シンガーのミッキー・フィン(Vo)がモヒカン頭だったり、メンバーの1人が元HANOI ROCKSのサム・ヤッファ(B)だったりと、センセーショナルなアピアランスが注目を集め、GUNS’N ROSESの対抗馬とも目された(当時)彼らゆえ、さぞかしエネルギッシュでデンジャラスなサウンドを聴かせてくれるものと思いきや、意外にも本作で聴かれるのは、ブルーズやグラム・ロックからの影響を散りばめつつシンプルにプレイされる、時に渋みすら漂わすロックンロール。帯に書かれた惹句《LAメタルのトリは俺達が務める!》の勇ましさからすると「もっと派手にハジけて、パンキッシュに攻めてくれてもいいんじゃない?」と。これではミドル~スロー・テンポの楽曲中心の本編に物足りなさを感じる方がいるのも無理からぬことのような。
泣きや哀愁とは無縁の作風であり、嘗てはガン無視を決め込んでおりましたが、HR/HM名盤ガイド本に本作が取り上げられていたことに興味を引かれ中古盤をゲット。決して主食にはなり得ない作品だとは思いつつも、例えば作中では浮いてるようにすら感じられる、キャッチーなハードポップ・ナンバー⑧の名曲ぶりは大したものだと感心させられたりも。
バンドの地力の高さは十分に伝わって来る出来ゆえ、あとは好みの問題でしょうか。


JETBOY - Feel the Shake - Hard Climb ★★ (2017-08-15 22:39:01)

派手な見た目に反して落ち着きすら感じさせる
ロックンロールを聴かせてくれたデビュー作において
この曲のみ売れ線ハードポップ・ナンバー風。
ハッキリ言って本編からは浮いているのですが
いやでも良い曲なんですよ、これが。
甘くキャッチーなサビメロに虫歯が疼きますよ。


JILL'S PROJECT - Crazy Me ★★★ (2017-11-29 23:16:55)

再結成TERRA ROSAのライブ盤を愛聴しているうちに、ふと「そういや買ったけど聴く暇がなかったなぁ」と思い出し、棚から引っ張り出してきた岡垣“JILL”正志率いるJILL’S PROJECTが'06年に発表した3曲入りマキシ・シングル。余談ですが、この文章を書くにあたって現在プロジェクトがどういう状態なのか調べてみたら、何やらゲーム・ミュージックに絡んだ大量の音源を発表しているようで驚きましたよ。そっち方面に活路を見出していたんですねぇ。(閑話休題)
音楽性は1st『LAST CONTRACT』同様、TERRA ROSAに通じる様式美HMを実践。華麗なる鍵盤捌きでバンマス役を担う岡垣(Key)、パワフルな喉を披露する祇上養一(Vo)、ボトムを引き締める関勝美(パチプロ…もといB)のメイン・メンバーに加え、①で和製マイケル・シェンカーこと足立祐二が、②にGITで学んだアメリカ帰りの井之上剛、そして③では元SNIPERの日下部正則という「腕に覚えあり」なゲスト・ギタリスト勢が、それぞれテクニカルなGプレイで楽曲に華を添えてくれます。
岡垣のKeyと足立のGが火花を散らす①や、祇上の歌いっぷりの良さも際立つ疾走ナンバー②も大変素晴らしい出来栄えですが、やはり本作のハイライトは③。各メンバーの聴かせどころを盛り込みつつ、10分以上に及ぶ長尺が重厚且つドラマティックに押し寄せる名曲で、欲を言えば疾走パートも欲しかったか?とも。(逆にそれだとありがちか)
僅か3曲のボリュームながらも、十分な満足感が味わえる1枚でありました。


JILL'S PROJECT - Last Contract ★★ (2008-10-11 09:59:00)

ANTHEMの柴田直人がゲームのサントラを手掛けたり、VOW WOWの人見元基が教育テレビで歌ったりと、油断してると贔屓の
ミュージシャンが、意外なところで仕事をしていたりして驚かされるが、元TERRA ROSA~現SLAZY WIZARDの岡垣正志と、
元WOLF~現パチプロ(笑)の関勝美がタッグを組み、突如、パチスロ界から出現したこのJILL'S PROJECTも、そんな中の1つ。
本作は彼らが'04年にリリースした1stフル・アルバムで、ゲストとして、藤本泰司、日下部正則、足立裕二ら、錚々たる
ミュージシャン達が客演。ジャパメタ・ファンならもうこの面子だけで即買いものだが、本作品が素晴しいのは、
岡垣正志の手による楽曲の数々が、そうした豪華なゲストが演奏するに相応しいクオリティを、しっかりと備えている点。
ネオ・クラシカル路線とも、メロスピ/メロパワ路線とも異なる、RAINBOW直系の華麗な様式美HMサウンドはまさに彼の真骨頂で、
特に、BURNYの粘っこいGプレイに痺れる劇的なOPナンバー①、足立のGが咽び泣く(TERRA ROSA時代の名曲のリメイク)②、
若手ギタリスト井之上剛が、岡垣のKeyと堂々渡り合う⑥、藤本のGプレイをフィーチュアしてパワフルに疾走する⑧、
そしてアルバム表題曲にして、10分に及ぼうかと言う“STARGAZER"型の重厚な大作ナンバー⑩・・・といった楽曲は、
これぞまさしく「21世紀版TERRA ROSA」といった感じの仕上がりで、今時ここまでコテコテの様式美HMを聴かせてくれるのって、
AXEL RUDI PELLとこのバンドぐらいのものじゃないの?と、思わず頬が緩みます。(コブシの効いたメロディを
パワフルに歌い上げる実力派の新人Vo.祇上養一の歌声が、赤尾和重タイプなのもそう思わせる要因かな、と)
ちなみに、本作の好評を受けJILL'S PROJECTはその活動を恒常化。現在では、ゲームやアニメとコラボした作品を、
かなりの枚数リリースしているので、気に入った人はチェックしてみるのも一興かと。(個人的には聴いた事ないんだけど)


JILL'S PROJECT - Last Contract - Last Contract ★★★ (2008-10-11 10:13:39)

RAINBOWの名曲“STARGAZER"を彷彿とさせる、
10分近くに及ぶドラマティックな大作ナンバー。
楽曲のカラーを決定付ける岡垣正志のKey、
エモーショナルでスリリングな足立裕二のG、
壮大にうねるリズムをダイナミックに叩き出す関勝美&出原卓の
リズム隊の素晴しさも然る事ながら、この曲一番の聴きモノは
やはり新人Vo、祇上養一のパワフルな歌声でしょうか。


JIM JIDHED - Full Circle ★★★ (2019-11-05 00:20:49)

ALIENのフロントマンとして、そしてソロ・アーティストとして活動するジム・ジッドヘッド(Vo)が'03年に発表した、ソロの方では3枚目となるアルバム。以前に聴いた最新作『PUSH ON THROUGH』(’16年)の出来栄えにいたく感動し、遅ればせながら本作も落穂拾いしてみましたらば、こちらも『PUSH~』に負けず劣らず大変に素晴らしい内容で、思わずホクホク顔ですよ。
今回はRADIOACTIVEで縁を結んだトミー・デナンダーがプロデューサー兼ギタリスト、曲作りの相棒としてレコーディング作業を全面サポート。北欧ハードポップならではのキャッチネスと透明感を湛えた哀メロの充実のみならず、爽快な疾走ナンバーが要所を引き締めるHR然としたエッジも効いたこの作風には、彼の起用がばっちりとハマっています。
本編への期待感をのっけから最高潮に引き上げてくれるOPナンバー①に始まり、ジムの伸びやかな歌声が映える抒情バラード⑤を経てスピーディな⑥へと繋ぐ流れ、80年代だったらドラマや映画の主題歌に起用されて大ヒット間違いなしのポテンシャルを感じさせる⑦⑨、ポップな高揚感を湛えた⑩etc…といった逸品が揃うハイクオリティな本編は、作曲家としても確かな腕前を誇るジムと、マルチ・アーティストとして鳴らすトミー・デナンダーの組み合わせによる最適解の産物と言えるのではないでしょうか。(ちなみに⑧はスティーヴ・ペリーがソロ・アルバム用にクリフ・マグネスと書き下ろした未発表曲のカヴァー)
こうなると、長らく廃盤状態のまま放置されている1stソロ『飛翔』(’91年)の国内盤再発を願掛けしたくなるのが人情というものなのですが…。


JIM JIDHED - Full Circle - I Will Never Leave You Now ★★★ (2019-11-06 00:20:41)

ロック然とした躍動感溢れる曲調と、爽やかな哀愁を湛えたメロディ、
声を張っても透明感が失われないジムの伸びやかな歌声とがベストマッチ。
OPナンバーとして良い仕事しまくりの名曲です。


JIM JIDHED - Full Circle - Now We Cry ★★★ (2019-11-06 00:25:00)

キャッチーなサビメロが素晴らしい。
世が世ならドラマや映画の主題歌に起用されて大ヒット飛ばしていても全くおかしくな
抜群のヒット・ポテンシャルを感じさせてくれるハードポップ。


JIM JIDHED - Push On Through ★★★ (2018-04-26 00:46:22)

名盤『ETERNITY』(’14年)で復活を遂げたALIENから、その後音沙汰が全然ないと思っていたら、フロントマンのジム・ジッドヘッドが12年ぶりにソロ作を発表。「仕方ねぇからアンタで我慢しといてやっか」ぐらいの何様目線で聴き始めてみれば、これがまぁメロハーの傑作。のっけから、去年の内に耳にしてたら年間ベスト・チューン候補入りは確実だったであろう強力なメロディック・ロックの名曲①が始まってしまい、速攻「舐めた態度取ったりしてスイマセンッした!」とスライディング土下座でひれ伏したくなったという。
声質自体に透明感と哀感が滲む伸びやかな歌声で、本編の主役を堂々務め切るジムのパフォーマンスが経年劣化と無縁なのは当然のこととして(ALIENで確認済みでしたし)、何より今作において特筆すべきは、楽曲のハイクオリティっぷりですよ。FIND MEのダニエル・フローレスやPALACEのマイケル・パレスといった、ソロ・アーティストとしても活動中の面々を始めとする敏腕ソング・ライター勢の集結に加えて、ジム自身が優れた作曲家であった点も本作の勝因の一つかと。何せ、爽やかに疾走する曲調にフック満載のメロディが乗った名曲も名曲の①、躍動感溢れるミッド・チューン②、物悲しくもドラマティックに染み渡るバラード④といった、アルバムの目玉たるいずれの楽曲にもジムの名前がクレジットされているのですから大したもの。(正確には、上記3曲は全てSAHARAのユンリク・レンクヴィストと、SWEDISH EROTICAのモーガン・ジャンセンとの共作名義)
こうなると、ジム・ジッドヘッドの過去のソロ・アルバムに俄然興味が湧いて来るわけですが、調べると国内盤はどれも中古価格が高騰していて、畜生、遅きに失したなぁと。


JIM JIDHED - Push On Through - Glorious ★★★ (2018-04-26 23:44:33)

アルバムのOPナンバー。躍動感溢れる曲調に続いて
ジム・ジッドヘッドが美声を駆使して歌い上げる
爽快感と透明感と哀愁が絶妙なバランスで配合された
「フックの効いたメロディ」の見本のような
コーラス~ブリッジ・パートが涙モノの素晴らしさ。
北欧ハードポップの一つの理想形を体現した名曲ですよ。


JIM STEINMAN - Bad for Good ★★★ (2017-09-02 23:32:27)

俳優兼シンガーのミートローフとタッグを組んで、『地獄のロック・ライダー』を世界中で大ヒットさせたプロデューサーのジム・スタインマンが、相方ミートローフの急病で思うように活動できなかった時期にレコーディング作業を行い、’80年に発表したソロ・アルバム。
同シリーズの創作面を一手に担う人物だけに、本作に託されている、トッド・ラングレンが奏でるハードなGの調べ、ピアノ、オーケストラ、更には女性Voやコーラスまで導入して、大仰/壮大/ドラマティックに綴られるスケールの大きなロック・サウンドは、まさに『地獄のロックライダー1.5』の趣き。大作主義を志向しつつも、様式美やプログレ・テイストよりも華麗な「ミュージカル風味」が色濃い音楽絵巻っぷりも本家同様です。
ミートローフと比べると、ジムのVoはやや線の細い印象があれど(下手ではない。寧ろ巧い)、とにかく収録楽曲の素晴らしさがそれらを補って余りあるという。特に口角泡を飛ばしまくりのイントロの大演説から繋がっていく、ボニー・タイラーが歌った『フットルース』挿入歌…というよりも、『スクールウォーズ』主題歌“ヒーロー”(By麻倉美稀)の原曲である④は名曲中の名曲。前述の2バージョンに比べると70年代HR感が強めでキャッチーさには乏しいのですが、それはそれで良し!他にもOPナンバーに相応しい劇的さでグイグイ盛り上がっていく表題曲①、高揚感に満ちた(『スクールウォーズ2』の主題歌としても思い出深い)⑤等、名曲揃い。収録曲の内何曲かは後に『地獄のロックライダーⅡ』でリメイクされているので、聴き比べてみるのも一興かと。
本家シリーズに肉薄する圧倒的完成度を誇る傑作。リマスター盤再発を切に希望します。


JIM STEINMAN - Bad for Good - Out of the Frying Pan (And Into the Fire) ★★★ (2017-09-03 23:20:56)

『スクールウォーズ2』主題歌として
丸山みゆきが“FIRE”のタイトルでカヴァー、
スポーツドラマのテーマ曲に相応しい高揚感と躍動感に満ち溢れた名曲です。
ドラマの方は1作目ほどは入れ込めませんでしたが
主題歌の良さは印象に残っていて
あとでこれを聴いた時に「あ、これが元曲だったのか!」と。
『地獄のロック・ライダーⅡ』では
ミートローフ・バージョンも聴けますので
是非聴き比べて頂きたいところ。


JIM STEINMAN - Bad for Good - Stark Raving Love ★★★ (2017-09-02 23:43:36)

イントロ聴いただけで「この物語は…」と芥川也寸志の
名調子が脳内で再生されてしまいますが、
楽曲自体は7分以上(イントロも含めると10分近く)に達する
大作ナンバーで、ボニー・タイラー/麻倉美稀バージョンとは
一味異なる、70年代HRテイストが強く打ち出されています。
まぁどっちにしたって名曲には違いありませんが。
あとこの印象的なメイン・リフは、今聴くとちょっと
『太陽にほえろ!』のテーマ曲っぽくもあるような?


JIMI JAMISON - Crossroads Moment ★★★ (2012-11-13 22:14:14)

ジミ・ジェイミソンが、盟友ジム・ピートリックの全面的な協力を仰いで制作、'08年に発表した2ndソロ・アルバム。
この2人の組み合わせにはSURVIVORマジックを期待せずにはいられないわけですが、実際本作には、鮮やかにアルバムの幕開けを飾る名曲①を手始めに、心憎いまでにフックの効いたメロディ、胸のすく爽快感、それに心踊らせられるポップ・フィーリングまで、天才メロディ・メイカー、ジム・ピートリックの匠の業が冴えまくるメロディアスHRサウンドがスシ詰め。
フランキー・サリヴァンを中心に再編されたSURVIVORの復活作『REACH』を聴いて物足りなく思った要素が、ここには漏れなく網羅されています。
ジミ・ジェイミソンも自身のソロ・アルバムということで全身全霊を込めた歌唱を全編に亘って披露。特にバラード⑩における声域/声量/表現力、いずれもパーフェクトな情熱迸る歌声には心震わされずにはいられません。そして本編のハイライト・ナンバー、両者の才能が余すところなく引き出された(ジムに対するジミのリスペクトが感じられる歌詞も秀逸な)⑥は、もう名曲中の名曲ですよ。
全15曲、70分オーバーの収録時間はいくらなんでもトゥーマッチですが、「じゃあお前、どの曲を外せばいいんだよ?」と聞かれたら「うーん・・・」と考え込まざるを得ないぐらい、優れた楽曲がズラリ揃った力作。ある意味、本家SURVIVOR以上にSURVIVORらしい1枚です。


JIMI JAMISON - Crossroads Moment - As Is ★★★ (2012-11-13 23:09:20)

こんな素晴しくエモーショナルな歌を目の前で
聴いたら、そりゃミッキー・トーマス(STARSHIP)
でなくとも泣くわ、と思わせられる
感動的な名バラード。
泣きのGも良い感じに雰囲気を盛り上げてくれています。


JIMI JAMISON - Crossroads Moment - Battersea ★★★ (2012-11-13 23:12:00)

エキゾチックなイントロから一転、
軽やかに、爽快に疾走を開始する
OPナンバーに相応しいパワフルなロック・ソング。
涼やかなKeyの音色も良いアクセントとなっていますね。


JIMI JAMISON - Crossroads Moment - Behind the Music ★★★ (2012-11-13 22:26:10)

ジミ・ジェイミソンとジム・ピートリックの
組み合わせにはやっぱりマジックが働くのだなぁ、と
しみじみと納得する名曲。
心躍る爽快な曲調と、滲み出す哀愁に
胸締め付けられるサビメロ、
それにジミのジムに対するリスペクトが
綴られた歌詞にもグッと来ますね。


JIMI JAMISON - Never Too Late ★★★ (2012-11-14 22:09:14)

VOICE OF ROCK、ジミ・ジェイミソンが'12年に発表した3rdソロ・アルバム。
今回、彼の相棒を務めているのはエリック・マーテンソン。W.E.T.やECLIPSE、それにトビー・ヒッチコックとの仕事等で既にメロディアスHRファンから篤い信頼を獲得している彼氏ですが、ここでもメロハー職人として期待に違わぬ仕事振りを披露してくれています。
経年劣化とは無縁の、パワフル且つ雄弁なジミ・ジェイミソンの歌声を、透明感と叙情味を湛えた北欧ミュージシャン勢の的確な演奏がバックアップするサウンドは、もろSURVIVORを思わせる爽快さとポップな高揚感が溢れ出す①②③の畳み掛けを挨拶代わりに、ジミが歌うに相応しい洗練されたアメリカン・メロディアスHRのシルエットを、アルバム全編に亘って美しく描き出しています。
SURVIVOR時代の盟友ジム・ピートリックがブレイン役を務めた前作『CROSSROAD MOMENT』(これまた捨て曲なしの傑作)に比べると、幾分ハードな味わいも堪能させてくれる本作ですが、取り分け、タイトルからしてニヤリとさせられるアップテンポ⑤と、ポロポロと奏でられるピアノのイントロから劇的に盛り上がっていくメリハリの効いたHRナンバー⑧⑨は、そうしたアルバムの方向性が理想的な形で表現された名曲と言えるのではないでしょうか。


JIMI JAMISON - Never Too Late - Bullet in the Gun ★★★ (2012-11-17 23:10:42)

エリック・マーテンソンの趣味なのか、
アルバム『NEVER TOO LATE』はピアノのイントロから
始まる楽曲が結構収録されているのですが、
その何れも「名曲」と評価するに十分なくクオリティを
備えているのだから、ピアノ好きとしては嬉しい限りです。
特にこの曲は、一際ハードでメリハリの効いた曲展開が
印象に残る逸品。


JIMI JAMISON - Never Too Late - Street Survivor ★★★ (2012-11-17 06:01:10)

タイトルからして良いですね。
シャープなハードロック・ナンバーで
SURVIVORと北欧メタルの幸せな結婚
とでも言うべき名曲に仕上がっております。


JIMI JAMISON'S SURVIVOR - Empires ★★★ (2010-03-07 21:41:00)

JIM PETERIK'S SURVIVORや、FRANKIE SULLIVAN'S SURVIVORなら分からなくもないが、流石に
JIMI JAMISON'S SURVIVORはねぇだろう。だってオリジナル・メンバーでもメイン・ソングライターでもなかったわけだし・・・とか思いながら聴き始めたら、意外やこれが、劇的な曲展開を備えたスケールの大きな楽曲の数々といい、心打つメロディを伸びやかに、そしてエモーショナルに歌い上げるジミ・ジェイミソンのVoといい、SURVIVORのオリジナル・アルバムにも匹敵する、高いクオリティを備えた内容で思わず唸らされてしまった。
特に、ジミと女性Voとのデュエットが心揺さぶる④、そしてジミ自身が「本編のハイライト・ナンバー」に位置付けるドラマティックな⑦といった、バラード系の楽曲が生み出す感動の深さは半端じゃあない。
オリジナルSURVIVORに比べると、太めのGサウンドや重厚なリズム等、全体的にややヘヴィな味付けがなされており、特に頭2曲ではその傾向が強く感じられるが、TVドラマ『ベイウォッチ』のテーマ曲として知られる軽やかな③(流麗なピアノの調べが◎)以降は、このバンド名の下に発表されるに相応しい、洗練されたポップな楽曲が目白押しだし、頭2曲にしても、メロディやGソロ、曲展開はフックに富み、決して無駄にダーク&グルーヴィな仕上がりというわけではないので、ファンは安心されたし。
自身の名を冠したプロジェクトにも関わらず、良い曲なら他人が書いた曲でも積極的に採用・収録したと言う、ジミ・ジェイミソンの度量の広さが見事にその完成度に結実した、捨て曲なしのメロディアスHRの名盤。
個人的には、再結成SURVIVORの新作『REACH』よりも愛聴させて頂いております。


JOE LYNN TURNER - Rescue You ★★ (2010-02-06 19:54:00)

これまで数々の優れたソロ・アルバムを残して来たジョー・リン・ターナーだが、個人的に、それらの作品の中でも
最も愛して止まないのは、RAINBOW解散後の'85年に発表された、この1stソロ・アルバム。
ジョーと共に、元FOREIGNERのアラン・グリーンウッド(Key)が制作の中核を担った本作で聴く事が出来るのは、
G以上にVoとKeyが前面に押し出され、曲によってはダンサブルなアレンジが施されてたハードポップ・サウンド。
発表当時、HR/HMとはかけ離れたコマーシャルな作風が批判に晒され、セールス的にも惨敗を喫したらしいが、
フックを備えたキャッチーなメロディの組み立ての上手さは流石だし、「産業ロック寄りになった後期RAINBOW」か、
はたまた「洗練されたFANDANGO」かといった趣きの収録曲は、どれも非常にハイクオリティ。
何より、楽曲にポップスやAORとは一線を画するエネルギーやダイナミズムを付与する、本編の主役たる
ジョーのパッション漲るソウルフルな歌声が素晴しいったら!
歌唱力とヘアスタイルは今も全く変わらぬ彼氏だが、この頃の「売れたるでー!」というギラギラした野心と
若々しいパワーに満ちたVoはまた格別な味わいで、特に、高いヒット・ポテンシャルを備えた楽曲がズラリ揃った
本編前半(①~⑤)の完成度の高さは、このアルバム最大の聴き所。短いアカペラ曲をイントロ代わりに
スタートする、切ない哀愁漂うメロディアス・ハード④なんて、聴く度に感動が味わえる本編屈指の名曲よ?
DEEP PURPLEやRAINBOWもいいけど、個人的には、またこの路線のソロ・アルバムを作って欲しいなぁ。


JOE LYNN TURNER - Second Hand Life ★★ (2010-02-07 17:37:00)

俺も見に行きました、ジョー・リン・ターナー&再結成ALCATRAZZのカップリング・ツアー。正直、ライブに冠しては
真剣なのかジョークなのか図りかねる(多分天然)、グラハム・ボネットの爆笑パフォーマンスに全部持って行かれて
ジョー組の印象は殆ど残っていないのだけれど、その後購入した本作の完成度の高さには、大いに感心させられた次第。
DEEP PURPLE風のハード・ロックンロール有り、RAINBOW風の劇的なナンバー有り、『RESCUE YOU』を思い起こさせる
ポップ・チューン有り・・・と、自身のこれまでのキャリアを総括するかのように、バラエティ豊かに取り揃えられた
収録曲の数々は、何れもがキャッチーなメロディに彩られ、しかもそれを、ジョーが持ち前のソウルフルなVoを
駆使して歌い上げているのだから、素晴しい仕上がりにならないわけがない。
実際、伸びやかで爽快な①、ブルージーな泣きとポップ・センスがガッチリ噛み合った本編屈指の名曲②、
元々はDEEP PURPLE用に書かれた、SURVIVORのジム・ピートリックとの共作曲③、ジョーの歌の上手さを
再確認させられるエモーショナルなバラード④、コブシの効いたメロディがどうしたってRAINBOWを思わせる
ミステリアスな⑤・・・と、優れた楽曲が連続する本編は、シンガー及びソング・ライターとしての
ジョー・リン・ターナーの才能を立派に証明するクオリティ。
円熟味を増したミュージシャンの余裕と貫禄が感じられる、充実した内容を誇る1枚かと。


JOE-ERK - Living Alone ★★ (2017-09-01 00:10:28)

竹内光雄というと、元XのTAIJIが結成したD.T.R.のフロントマンとして知られていますが、個人的にはこの人の名前を聞いて真っ先に思い出すのは『メタルフォーク』なんですよね。一世を風靡したANIMETALブームにいっちょ噛みすべく現れた無数の便乗作品の中にあって頭抜けたクオリティを誇った1枚で、こちとら未だにシングル盤を持ってますよ。
…って前置きが長くなりましたが、あのプロジェクトで堂々たる歌唱を披露していた彼氏が、現在は作曲/編曲家として活動する清水武仁(G)と組んでいたバンドが’93年に残したEPが本作。後に未発表曲を追加したフル・アルバムの体でTOY’S FACTORYからお色直し盤がリリースされています(それでも全7曲、30分強のボリュームですが)。《原石…ゴロリ…ピカリ!》という妙に脱力を誘われる帯の惹句が、逆に記憶に残っているという。
サウンドの方は、スラッシーに刻まれるササクレGリフの上で硬質なシャウトが轟く名曲①に代表されるような、モダンな都会派メタル。EZOに90年代的エッジを加味した感じの音…と言うと、どんな作風か伝わるでしょうか?インディーズ制作ゆえ音質のハンデは如何ともし難く、また②以降の楽曲も少々華に欠ける印象ではありますが、それでも「6種類の声を持つ男」と評されたアクセル・ローズよろしく、噛み付くようなシャウトから、男臭い朗々とした歌い回し、更にはバラードを切々と歌い上げたりと、多彩な歌声を駆使して本編の主役を張る、竹内の歌いっぷりを堪能するには十分な品質が備わっているのではないかと。隠し味のKeyに、嘶く清水のGを活かした⑤みたいな秀曲も収録されていますしね。
本作を購入した中古盤屋の店長さんが、その才能を惜しんでいたのも納得の1枚ですよ。


JOE-ERK - Living Alone - Living Alone ★★★ (2017-09-01 00:25:46)

いかにも90年代的な装飾を排した音作りの下、
ササクレて刻まれるGリフとへヴィなリズムに乗って
ドスを効かせたシャウトから、メロディアスな歌い上げまで
独特の声質を駆使して歌いまくる竹内光雄のVoの魅力が堪能できる名曲。
しっかりと脇を固める清水武仁のGプレイも印象的です。


JOEY TAFOLLA - Out of the Sun ★★★ (2015-11-20 22:48:51)

JAG PANZERの一員として世に出た後、ギタリスト発掘人マイク・ヴァーニーの眼鏡に適いSHRAPNEL RECORDSからソロ・デビューを飾った、速弾きムーブメント第二世代に属するギタリスト、ジョーイ・タフォーラが'88年に発表した1stアルバム。
ぼちぼち粗製濫造の気配も漂い始めていた同ブーム渦中にあって、本作が(特にここ日本で)頭抜けて話題を呼んだのは、何も師匠にあたるトニー・マカパインやポール・ギルバートのゲスト参加が衆目を集めたせいだけはなく、ギターを巧みに歌わせる本人の演奏能力の高さ、それでいてテク至上主義に溺れない作曲能力&メロディ・センスの確かさがあったればこそ。
例えば、個人的に本作の購入動機の一つであった⑧なんて、これ見よがしに和音階を用いたりせずとも、きっちりサムライの硬派な生き様を聴き手に伝えてくれるのですから大したもの。また自己アピールに汲々とすることなく、楽曲内にKeyやBの聴かせ所を配置するバランス感覚の良さも買いです。トニー・マカパインが奏でる煌びやかなKeyなんて本作のもう一人の主役扱いですよ。(欲言やピアノを演奏して欲しかったけど)
起承転結が劇的に決まった6分越えのOPナンバー①、アルバムのハイライトを飾る壮大な④、スピーディなネオクラシカル曲⑤等、日本人好みのメロディ・ラインとフックが連続するインスト物の好盤。


JOEY TAFOLLA - Out of the Sun - Samurai ★★★ (2015-11-23 00:02:56)

空を裂く白刃の如きGプレイに
硬派な哀愁漂わすメロディと、
これみよがしに和風テイストを用いなくても
ちゃんとサムライの生き様を聴き手に伝える、
ギタリストとしてだけでなくジョーイ・タフォーラの
コンポーザーとしての実力がきらり光る逸品。


JOHANSSON - Sonic Winter ★★ (2009-12-02 22:41:00)

イェンスとアンダースのヨハンソン兄弟がJOHANSSON名義で'95年に発表、様式美HMファンの間では、
イングヴェイ・マルムスティーン(G)がゲスト参戦を果たし、ヨハンソン兄弟と火花散る楽器バトルを
繰り広げる超ド級の名インスト・ナンバー、“ENIGMA SUITE"を収録している事で有名な作品。
SILVER MOUNTAIN時代、“VIKINGS"における劇的極まりないピアノ・ソロを以って世のHR/HMファンに計り知れぬ
衝撃を与え、RISING FORCE、DIO、STRATOVARIUSなど数々の様式美HMバンドを渡り歩いて、ドン・エイリーに
次ぐKeyヒーローの座を嘱望されながらも、ついぞSILVER MOUNTAIN時代を超えるインパクトを放つKeyプレイを
披露してくれる事のなかったイェンスが遂にやりやがった!と、本作を初めて聴いた時は思わず感涙に咽んだ。
まぁ、実際のところ本編のメインとなるのは、歪んだ音色のKeyがリード楽器の役割を果たす、ブルージーな味わいも
ある渋めのHRサウンドなんだけど、リーフ・スンディンのソウルフルなVoの説得力もあって退屈せずに聴く事が出来るし、
こうした楽曲におけるイェンスの指捌きもなかなかに味わい深く乙なモノ(⑤の軽快なピアノ・プレイとかね)。
とは言え、やはり本編のハイライトは冒頭で述べた名曲④であり、それと同系統のインスト・ナンバー⑥。
特に④は、かの“VIKINGS"を彷彿とさせる華麗且つ流麗なピアノ・ソロを手始めに、全編に渡ってイェンスの
ネオクラシカル・プレイが炸裂しまくった(イングヴェイも良い仕事をしてくれています)失禁モノの名曲。
フュージョン好きが高じて、なかなかこうした楽曲を手掛けてくれなかったイェンスに対する不満は、
この名曲の存在をもって完全に雲散霧消した・・・と言っても過言ではない、かも。


JOHANSSON - The Johansson Brothers ★★ (2014-06-10 23:56:34)

イェンス&アンダースのヨハンソン・ブラザーズによるプロジェクトが、'94年に発表したデビュー作。
この時期の兄弟はHR/HMとは距離を置いた活動を繰り広げており、本作に託されているのもシンプルでブルージーなHRサウンド。例えばBEACH BOYSのカヴァー⑪が象徴するように、ファンが彼らに期待するようなネオクラ風味は薄めです。
尤も、そのちょい前にイェンスの初ソロ作『飛べない創造物』を期待に胸膨らませて購入し、ロック色皆無のアバンギャルド方面に振り切れた内容に膝から崩れ落ちた身としては、取り敢えずHR/HMのフィールドに留まってくれていただけで、もう万々歳。
特に本作には、兄弟と、彼らの盟友マルセル・ヤコブ(B)がテクニック全開でぶつかり合い、スリリングに火花を散らすインスト曲③⑥⑨や、リーフ・スンディン(元GREAT KING RAT)のエモーショナルな歌声が堪能できる哀愁のバラード⑧、DEEP PURPLE型HRナンバー⑩といったグッと来る逸曲も収録されているので尚更です。
全体的にはブルージーな仕上がりながらも、土の匂い以上に透明感の方が強く印象に残るのは、やはり北欧ミュージシャンの血のなせる業でしょうかね。


JOHANSSON - The Last Viking ★★ (2009-12-06 19:51:00)

ブックレットのクレジットや写真から推察するに、前作『SONIC WINTER』の成功に気を良くした日本のレコード会社からの
「今度は全編ネオクラなヤツを作ってくださいよ~」とのリクエストに応えて、イェンスとアンダースが
日本市場向けにちゃちゃっとレコーディングした・・・かどうかは定かじゃないが、ともかく非常に
日本人好みの作風に仕上がっている、99年発表の2nd(兄弟コラボ物としては3作目か)アルバム。
特に“SAMURAI"の名を持つ疾走チューン⑦は、生真面目なメタル・ファンなら失笑を漏らしかねないタイトルに反して、
これが北欧ネオクラ・メタルの美味しい部分を凝縮したかのようなクサメロ満載の名曲で思わずガッツポーズ。
こうした楽曲のクオリティをガッチリと支えるのは、勿論、今回もネオクラシカル風味全開で贈るイェンス・ヨハンソンの
流麗なKeyプレイなわけだが、本作においてその彼と同レベルの存在感を発揮するのが、ゲストVo、ヨラン・エドマンその人。
「Mr.北欧ボイス」の異名を取り、元々歌の上手さには定評のある人だったが、ここで披露する歌声・・・取り分け、泣きの入った
④⑥のようなスロー/バラード・ナンバーにおける強烈にコブシの効いた熱唱は、息苦しい程にエモーショナルで感動的。
作品全体としては、イェンスのピアノの早弾きが聴けなかったり、せっかくGとして全面参加しているSYMPHONY Xの
マイケル・ロメオが、イマイチ本領を発揮し切れていなかったり(イングヴェイの時のような化学反応は起きなかったか)と
些細な不満点はあれど、OPナンバー①を皮切りに、絵に描いたような北欧ネオクラ・メタルが全編に渡って
繰り広げられる充実した内容を誇る1枚であり、様式美HMファンならこれを聴かずに済ます手は無い!・・・ような。


JOHANSSON - The Last Viking - Fading Away ★★★ (2009-12-06 19:59:10)

猛烈に泣きの入ったクサいメロディを
コブシを効かせてドラマティックに歌い上げる
ヨラン・エドマンの歌声が大いなる感動を呼ぶ
スロー・ナンバー。
個人的には『THE LAST VIKING』で一番好きな曲かも。


JOHANSSON - The Last Viking - Samurai ★★★ (2009-12-06 19:56:25)

日本市場を意識して制作された『THE LAST VIKING』の中でも
更に日本人向けに作られたスピード・ナンバー。
尤も、ここまで素晴しい楽曲なら文句はない。
クラシカルなイントロからぐっと引き込まれてしまいます。


JOHN ELEFANTE - The Amazing Grace ★★★ (2022-10-04 00:38:41)

クリスチャン・ミュージック・シーンの名プロデューサーにしてKANSASの二代目フロントマン、あと個人的にはMASTEDON名義でリリースした3枚のアルバムの素晴らしさも印象に残っているジョン・エレファンテ(Vo)が、’22年にESCAPE MUSICから10年ぶりに発表したソロとしては5作目となるアルバム。
KANSASやMASTEDONの諸作は愛聴していても、この人のソロ・ワークまではフォローしきれていませんでした。ので久々に日本盤の発売が実現したのを機にチェックしてみれば、これがファンの期待にきっちりと応える、衰え知らずの伸びやかな歌声、しっとりと心潤わす哀愁のメロディ、それにクリスチャン・ミュージックならではの美麗なボーカル・ハーモニーに心癒されるAOR/産業ロック・サウンドに仕上げられていて、思わず虎眼先生ばりに「できておる喃、ジョン・エレファンテは…」と呟いてしまった次第で。
80年代からコンビ芸を披露してきた兄ディノ・エレファンテは今回残念ながら不参加。曲作りは主に新加入のフランク・ボックスバーガーと共に行われているのですが、このギタリストが楽器の腕前のみならず作曲者としてもなかなかの逸材ぶりを発揮。本編の幕開けを劇的に飾る①、アルバム表題曲に相応しい哀メロの洪水に押し流される③、ヴァイオリンの存在のみならず、軽快さとドラマ性を併せ持った曲展開でもKANSASらしさを振りまく⑤、Gの泣きっぷりにグッとくるバラード⑤や重厚な⑧等々、KANSAS、MASTEDON時代に勝るとも劣らぬ収録楽曲は、ディノの不在をまるで意識させない充実っぷりを誇っていますよ。
名前聞いたことあるけど音は知らないという方は、本作を入門盤にいかがでしょうか。


JOHN ELEFANTE - The Amazing Grace - Won't Fade Away ★★★ (2022-10-05 00:53:19)

ドラマティックだけど大仰にはならない曲展開から、
軽快に踊るヴァイオリンにピアノ、
叙情的かつキャッチーな歌メロに至るまで
確信的にKANSASサウンドの再現が試みられているのですが、
なおかつそれを「名曲」レベルで成し遂げていることに
拍手喝采せずにはいられませんよ


JOHN LAWTON BAND - Sting In The Tale ★★★ (2023-07-25 00:32:16)

‘21年に急逝された稀代の名シンガー、ジョン・ロートンがJOHN LAWTON BAND名義で’03年に残したスタジオ・アルバムとしては唯一の作品。(ライブ盤はあるのかな)
90年代以降は、クリスマス・シングル用にWHAM!の有名曲“LAST CHRISMAS”をカヴァーしてみたり、ブルージーなアコースティック・アルバムを制作したり、ケン・ヘンズレーとコラボってみたりと、HR/HMとは若干距離のあるマイペースな活動に身を置いていたロートン先生ですが、若手メンバーをバックに従えてレコーディングされた本作では一転、骨太なブリティッシュHRサウンドをパワフルに披露(前年に実現した来日公演も良い刺激になったのかな?と)。エッジの効いたリフ&リズムがズンズン押し出してくるOPナンバー①のイントロが始まった途端、こちとら思わずニンマリ笑顔になってしまいましたよ。
晩年まで衰えとは一切無縁だった御大だけに、ここでも張り良し/艶良し/伸び良し、聴いてるだけで背筋がしゃんと伸びる抜群の歌声を響かせてくれています。無論、歌だけ良くても肝心の楽曲がお粗末だったら話にならないわけですが、前述の①を手始めに、愁いを湛えたメロディに熱唱が映える③、譜面に忠実なだけでは決して歌いこなせない⑤、温もりに満ちたバラード⑦、軽快に弾む⑨等、収録曲は粒揃い。特にダイナミックな曲展開の中にURIAH HEEP時代を思わす壮麗なコーラス・ワークが舞う⑩はまさしく本編のハイライト。終盤に炸裂するロートン渾身のハイトーン・シャウトには痺れずにはいられませんて。
そんなわけで、廃盤のままほったらかしは殺生な名盤。LUCIFER’S FRIEND Ⅱの国内盤発売が実現する昨今ですから、是非本作のリイシューもご一考頂きたいなぁと。


JOHN LAWTON BAND - Sting In The Tale - Angels They Cry ★★★ (2023-07-27 01:18:40)

愁いを帯びたメロディ、きびきびとした曲調、華麗に舞うハーモニー、
ジョン・ロートンの年齢をまるで感じさせない張りのある歌声が
楽曲をドラマティックに盛り上げる本編のハイライト・ナンバー。
テンポアップする終盤にかぶさるロートン先生入魂のシャウトには
メタル魂が燃え上がりますよ。


JOHN NORUM - Face It Live '97 ★★ (2013-08-27 23:40:52)

元GREAT KING RATのリーフ・スンディン(Vo)ら、スウェーデン人ミュージシャンを引き連れて'97年に行われた、ソロとしては初めてのジョン・ノーラム(G)の来日公演の模様を収めた実況録音盤。発売元は勿論「LIVE IN JAPAN商法」でお馴染みのZEROコーポレーションですよ。
“FACE THE TRUTH”で幕が上がり“SCREAM OF ANGER”にて幕が降りる本編は、CDの容量限界ギリギリまで使って、4枚のソロ作(1st~4th)及びEUROPE時代の楽曲から万遍なくチョイスされていた当日のライブのセットリストをほぼ忠実に再現。
選曲はこれがベストか?と問われれば「そうでもない」と即答できますし、何よりバンドと観衆の掛け合いの類が殆どない、ソリッド過ぎる作りも好みが分かれるところではありますが。
それでも、ギターを身体器官の一部のように自在に操るジョン・ノーラムのGプレイ、ヨラン・エドマンやケリー・キーリングは勿論のこと、グレン・ヒューズ時代の楽曲すら不安げなく歌いこなすリーフ・スンディンの熱唱等、白熱のパフォーマンスの前にはそうした不満もフェードアウトしていきます。リリース当時はあまり良い評判を耳にしなかった3rdや4thからの楽曲も、ここで聴く分には十二分にカッコイイ。
ジョン・ノーラムのソロ時代を手っ取り早く振り返りたいという向きにお薦めの1枚かと。


JOHN NORUM - Face the Truth ★★★ (2013-08-26 22:29:22)

北欧メタルの持つ透明感と、ゲイリー・ムーア~THIN LIZZY的HRサウンドとが巧みに溶け合わされた、ソロ・アーティスト、ジョン・ノーラムの最高傑作の呼び声も高い'92年発表の2ndソロ・アルバム。
楽曲のクオリティのみならず、それを支える参加ミュージシャン達も結構豪華。囁かれていた不仲説を粉砕するEUROPEの盟友ジョーイ・テンペスト(Vo)、DON DOKKEN時代の仕事仲間ビリー・ホワイト(G)とピーター・バルテス(B)、そしてアルバムのメイン・シンガーを務めるのは歌神グレン・ヒューズ(Vo)・・・どうです、この布陣。まるでジョン・ノーラムというギタリストの過去/現在/未来を総括するかのようではありませんか。
特にグレンのソウルフルなVoは、アルバムの品質のみならず「格」の向上にも大きく貢献。とても絶賛ヤク中街道邁進中(当時)とは思えぬ、張りも伸びも艶もある歌声を終始響かせていて、流石THE GOD OF VOICE。中でもハード・ドライヴィンに本編OPを飾るアルバム表題曲①は名曲中の名曲ですよ。(ぶっちゃけ、この曲のインパクトが本編の印象を霞ませているきらいもあるのですが)
他にも哀愁のバラード③、ジョーイ・テンペストのエモーショナルな歌声が彩を添える⑥(浮いてないよねぇ)、HUGHES/THRALLコンビ作曲の⑩(PHENOMENAのカヴァー)等、優れた楽曲が目白押しなので、ジョン・ノーラムのソロ作に触れるのならば、まずはこのアルバムからどうぞ。


JOHN NORUM - Face the Truth - Face the Truth ★★★ (2013-08-27 23:35:20)

この名曲のインパクトが強烈過ぎて
2曲目以降の存在が霞みまくりですよ。
(良い曲が揃ってるにも関わらず)
北欧的な透明感と、往年のゲイリー・ムーアを
思わすハード・ロッキンなエッジとがスムーズな
融合をみた、ジョン・ノーラム流HRの完成型。
しかもその上に乗るのがグレンのVoですからね。
もう無敵ですよ。


JOHN NORUM - Total Control ★★ (2013-08-23 23:47:53)

コマーシャル路線に不満を感じてEUROPEから脱退したジョン・ノーラムの初のソロ・アルバムで、キャッチコピーは《俺のギターには金玉がついている》、しかも曲作りの相棒が敏腕ソングライターのマルセル・ヤコブ(B)とあっては、「きっと“SCREAM OF ANGER”風のハードな楽曲だらけの北欧メタル作品に違いない!」と期待に胸膨らませて本作に挑んだので、最初聴いた時は、その思いの外ポップというか歌モノ路線寄りの作風に「ぇえー・・・?」と首をかしげてしまいましたよ。
しかし、よくよく聴けば分かる(いや別によく聴かずとも伝わる)楽曲の出来の良さ。敬愛するゲイリー・ムーア風味のメロディアスHR路線を志向しつつ、②⑤⑥に参加するMr.北欧ボイスことヨラン・エドマンの透明感を湛えたハイトーンVoと、マルセル謹製の甘いメロディが彩りを添えるサウンドは、ジョン・ノーラムのソロ作の中では一際高い北欧メタル度を検出。特にシングル・カットされたヒット曲②は、ジョン・ノーラム版“THE FINAL COUNTDOWN”ライクな名曲です。(“果てしなき想い”という邦題も○)
欲を言えば1、2曲は“SCREAM~”ばりのハードな疾走ナンバーを収録して欲しかったところなんですが、例え曲調はポップであっても、ジョンが伸び伸びと気持ち良さげにGを弾きまくっているので、まぁこれはこれで。確かに金玉付いてるよ。


JOHN WEST - Long Time...No Sing ★★★ (2022-11-10 06:30:54)

ARTENSIONやROYAL HUNT等での活動で知られるシンガー、ジョン・ウェストが'11年に発表したソロ・アルバム。シンガーとしての実力は知っていてもソロ・キャリアまでは追いかけていなかったので、すでに3枚(本作が4枚目)もソロ・アルバムをリリース済みとは結構驚きました。
なので過去作と比較してどうこう語ることは出来ないのですが、ここで披露されているのは重厚なHMナンバーに、哀愁のメロハー、タメを効かせてじっくりと盛り上がるブルージーなバラード等々バラエティに富むサウンドであり、下手すれば取っ散らかった仕上がりになりそうなところを、広いレンジと確かな表現力を誇るジョンのVoがビシッと一本筋を通して引き締めるという塩梅。ガンの後遺症で歌唱力の衰えが指摘されていた時期もありましたけど、本作を聴けばそれが完全に杞憂に終わったことをご納得頂けるのではないかと。
HMナンバー②における「らしさ」全開のパワフルな歌いっぷり、逆にキャッチーな哀メロが踊る③や、ピアノを生かした⑨、ハートウォーミングな⑪といったバラード系の楽曲で披露する肩の力を抜いた歌唱も味わい深く、中でも個人的に強く一押ししておきたいのが“HIGHWAY TO ROPPONGI”なるタイトルが冠された⑤。珍曲好きとしては本作購入動機の大半がこの曲の存在にあったといっても過言ではなくらいなのですが、ブルージーな曲調にジョンのエモーショナルな熱唱が映える楽曲自体非常に胸に沁みる出来栄えで、決して単なる珍名のネタ曲には終わっていない点も評価ポイントです。
これ以前のソロ作もチェックしてみたくなる一作でありました。


JOHN WEST - Long Time...No Sing - Highway To Roppongi ★★★ (2022-11-11 01:27:34)

タメと情感を効かせてブルージーに盛り上がる
スロー・ナンバー。この手の楽曲を歌うジョン・ウェストの
Voもまた魅力的ですし、その感情移入ぶりに
「六本木で一体何が?」と思わずにはいられませんよ。


JOHN WEST - Long Time...No Sing - Set Me Free ★★★ (2022-11-11 01:23:19)

哀愁のメロディと抒情的なKeyを纏って
軽快に跳ねるハードポップ・ナンバー。
この手のタイプの楽曲を
押しつけがましくなることなく、
リラックスして伸びやかに歌い上げる
ジョン・ウェストのVoが非常に魅力的です。


JOHNNY LIMA - Shine On ★★★ (2018-03-11 23:52:41)

グランジ/オルタナ旋風が世界的に猛威を振るった90年代にあって、MTM RECORDSやESCAPE MUSICと並んでメロディ愛好家から心のオアシスとして篤い信頼を得ていたイギリスのNOW & THEN RECORDS。そのバックアップを受け、’97年に1st『JOHNNY LIMA』でデビューを飾った、VoとGのみならずKeyやDsもこなす西海岸出身のアメリカ人マルチ・ミュージシャン、ジョニー・リマが'99年に発表した2ndアルバム。(日本盤はNIPPON CROWNからリリース)
所属レーベルの伝手でTENのゲイリー・ヒューズが本作のミックスダウンを担当していますが、サウンドの方に英国的湿り気は薄め。ここで聴かれるのは80年代の空気を胸いっぱいに吸い込んだような大陸型ポップ・メタルであり、取り分け、カラッとした躍動感溢れる曲調に、煌めくKeyと、哀愁をひとつまみ振りかけたキャッチーなメロディが彩りを加える楽曲や、ラフなエッジを宿した声質がジョン・ボン・ジョヴィ風のジョニーの歌唱等からは、BON JOVIに対する絶大な憧れっぷりが伺えます。
特に哀愁を帯びたメロディが駆け抜けて行く②は初期BON JOVIテイスト溢れる本編屈指の名曲。その他にも、ドラマティックに盛り上がるバラード④、甘くポップな⑨、Voに負けじとGも実によく歌っている⑩等、本編には80年代の息吹を次の世紀へ伝えんとする楽曲が勢揃い。(ちなみにフックの効いたメロディが美味な③と、ライブ映えしそうな⑥でリードGを弾いているのはクレイグ・タケシタなる日系人?ギタリストという)
80年代ポップ・メタルに親しむ向きには、強力にお薦めする1枚であります。


JOHNNY LIMA - Shine On - My Country 'Tis of Thee ★★★ (2018-03-11 23:59:45)

キラキラなシンセと乾いた哀愁、それに分厚いハーモニーに
くるまれたサビメロのフックの効き具合が全く以てお見事な、
2ndアルバムのハイライト・ナンバー候補でもある
メロディアスHRなんばー。


JOHNNY LIMA - Shine On - Star ★★★ (2018-03-12 00:03:38)

イントロだけで出来栄えの良さが確信できる、
ドラマティックな盛り上がりっぷりに
胸打たれるロッカ・バラードの名曲。
一緒に歌わずにはいられないキャッチーなコーラスは、
80年代だったら会場中でライターの火が一斉に揺れていたはず。


JON LORD (2013-01-19 00:53:31)

いつの間にか『BEFORE I FORGET』の
国内盤が再発されていて驚いた。
しかも最新リマスター、ボーナストラック、歌詞、対訳、
ニール・マーレイによる解説付きで、
値段はたった¥1500ぽっきりですよ、お客さん。


JON LORD - Before I Forget ★★★ (2012-07-17 22:01:47)

WHITESNAKE在籍時代のジョン・ロードが多数のゲストを迎えて制作、'82年に発表した・・・確か3枚目ぐらい?のソロ・アルバム。(邦題は『時の過ぎゆくままに』)
嘗て、コージー・パウエル関連作品を片っ端から買い集めてた時に行き当たったアルバムなのですが、コージー参加曲は②のみに留まり、作品自体、HMはおろかHRとすらかなりの距離を感じさせる内容。
にも関わらず、これまで「買って損した」等とは一度として思った事がないのは、そのコージー参加の②が、余りに特徴的で破壊力抜群な彼のドラミングと、ジョン・ロードの華麗なKeyが激しく火花を散らすハード・ロッキンな名曲であること、それに何より、全編を豊潤に彩る叙情メロディの抗い難い魅力ゆえでしょうか。
特に、美しい女性コーラスが楽曲の持つ幻想性を一層増幅するアルバム表題曲⑤、泣きのG(ミック・ラルフスの名演!)と、ヴィッキー・ブラウンのソウルフルな歌声にどっぷりと酔いしれる⑥、エルマー・ガントリーの酒焼けした激渋の歌声と、ジョン・ロードの流麗にしてロマンティックな鍵盤捌きが例えようのない感動を呼ぶ名曲⑧といったバラード系ナンバー、そして本作のトドメたる(“BACH ONTO THIS"のタイトル通り)クラシカルでプログレッシブな曲展開に、攻撃的なジョン・ロードのKey、バーニー・マースデンのG、サイモン・フィリプッス&二ール・マーレイによるハードなリズム・セクションがスリリングに絡み合い、8分以上に及ぶ長尺を全くダレる事なく一気に聴かせ切る④といった楽曲の威力には凄まじいもの有り。
Key奏者としてのみならず、コンポーザーとしてのジョン・ロードの豊かな才能が全編に渡って発揮された名盤です。
ジョン・ロードの訃報に触れ、久し振りに引っ張り出してしみじみと聴き直すことにします。


JON LORD - Before I Forget - Bach Onto This ★★★ (2009-08-29 21:13:26)

バッハの“トッカータとフーガ"の旋律で幕を開ける、
8分に及ぶクラシカル&プログレッシブなインストの大作ナンバー。
全編を華麗に彩る、攻めの姿勢を持ったジョン・ロードの
Keyプレイがたまらなくカッコイイ。


JON LORD - Before I Forget - Before I Forget ★★★ (2009-08-29 21:01:00)

リッチー・ブラックモアがRAINBOWで演りそうな
美しく幻想的な雰囲気を漂わせたハーフ・インスト・ナンバー。
サビ部分を彩る、PINK FLOYD等との仕事で知られる
サム&ヴィッキー母娘の可憐なコーラス・ハーモニーが印象的。


JON LORD - Before I Forget - Say It's All Right ★★★ (2009-08-29 21:03:53)

ヴィッキー・ブラウンのエモーショナルな歌声に
どっぷりと酔いしれる、ソウルフルなバラード。
BAD COMPANYから客演している、ミック・ラルフス入魂の
泣きのGソロも涙腺を刺激してくれます。


JON LORD - Before I Forget - Tender Babes ★★★ (2009-08-29 21:17:54)

静謐なイントロを豪快にブチ破る、コージー・パウエルの
破壊的なドラミングに総毛立つ。(あと余りに特徴的過ぎてちょっと笑う)
イントロに限らず、終始ジョン・ロードのKeyとコージーのDsが
火花を散らしまくるスリリングなインストの名曲。


JON LORD - Before I Forget - Where Are You ★★★ (2009-08-29 21:10:52)

個人的にはアルバムで最も好きなナンバー。
アルコール焼けしたちょいしゃがれ気味の
エルマー・ガントリーの渋い歌声に絡む、
ジョン・ロードの流麗で包み込むような優しさに満ちた
Keyの調べを聴いてるだけでもう泣けてくる絶品のバラード。
星三つじゃ足りません。


JONO (2018-03-07 00:38:47)

スタジオ・ワークを中心にアレンジャー/マルチ・プレイヤーとして活動していた、スウェーデン人ミュージシャンのヨハン・ノービー(Vo)により立ち上げられたバンド。当初は自身の演りたい音楽を追求するソロ・アルバム制作(’06年にリリース)のためにメンバーを集めただけだったが、確かな手応えを得たことから正式にバンド化。'13年に1st『REQUIEM』を、'15年に2nd『SILENCE』を地元のインディー・レーベルから発表。
その2作が好評を博したことからイタリアのFRONTIER RECORDSと契約を交わし、’17年発表の3rd『LIFE』で晴れて日本デビューを飾った。


JONO - Life ★★★ (2018-03-07 00:41:03)

ヨハン・ノービー(Vo)率いるスウェーデンの6人組が、'17年に発表した3rdアルバムにして日本デビュー作。邦題は『ライフ~華麗なる生涯』(別にコンセプト作ではない模様)。
雑誌等での高評価に興味を引かれて「どれほどのもんか」と購入してみれば、なるほど、こいつは確かにエクセレントな出来栄えですよ。ツインGにKey奏者を擁する大所帯編成を活かして奏でられるのは、重厚にしてスケールの大きなメロディアスHRサウンド。初期QUEENからの多大なる影響を伺わせるオペラティックな曲展開に、芝居掛かった熱唱を披露するヨハンのVo、気品漂わすピアノの美旋律、そして北欧メタルならではの…もっと言うとミカエル・アーランドソンに通じる悲哀に満ちたメロディが冷ややかな彩りを添える楽曲は、こっちの泣きのツボを知り尽くし的確に押してくるかのような、《押せば命の泉湧く》浪越徳治郎ばりのゴッドハンドぶり。
全編これ捨て曲なしですが、特に舞踏のリズムに乗っかって哀メロが踊る①、ブリッジから終盤にかけての劇的な曲展開が辛抱堪らん②、タメと泣きを効かせて劇的に盛り上がる③という、聴き手を一気に作品世界に没入させてしまう頭3曲は、それだけでアルバムのクオリティを確信するに十分。更に荘厳にしてシアトリカルな⑤を経て、トドメの一撃を加えるべくラストで待ち構えているのがバラード⑩で、どこかVIPERの“MOONLIGHT”を彷彿とさせる、この余りに儚く、余りに哀しい名曲によって静かな余韻を残し本編の幕が下りた途端、思わず「ブラヴォー!」と立ち上がって拍手喝采を贈りたくなってしまったという。そう考えると、本作には別にボートラはいらなかったような…。


JONO - Life - Crown ★★★ (2018-03-07 23:43:52)

モダンなアレンジを取り入れつつ、導入部からサビへ向かって
徐々に視界が開けていくような絶妙なメロディ展開に胸がザワつきます。
その盛り上がりが頂点に達するブリッジ・パートなんて
「たまんねぇな、オイ!」と膝を打ってしまいましたよ。


JONO - Life - No Return ★★★ (2018-03-07 23:38:21)

ポロポロと奏でられるピアノが効果的に
フィーチュアされているのと、タメを効かせて
ドラマティックに盛り上がっていく曲展開せいか、
この曲に関しては「北欧メタル風味の泣きと哀愁が大増量されたSAVATAGE」
との趣きを感じたり。つまり最高ってことですかね。


JONO - Life - The March ★★★ (2018-03-07 23:32:55)

アルバムのラストを哀しく、儚い余韻を残して締め括る
泣きの名バラード。囁くように、感情を振り絞るように
歌うヨハン・ノービーの絶品のVoが楽曲が持つ悲哀を
より一層引き立ててくれています。ピアノの美旋律が
VIPERの名曲“MOONLIGHT”のことを思い出させたりも。


JORN - Starfire ★★★ (2021-12-09 01:07:57)

THE SNAKESに関わった90年代末ぐらいからか。日本のHR/HMファンの間でも「どうもノルウェー出身の凄いシンガーがいるらしい」と徐々に噂になりつつあったタイミングで、ヨルン・ランデ(Vo)がリリースした初めてのソロ・アルバム(’00年)。その門出を祝うべく、ロニー・ル・テクロ、トゥーレ・オストビー、ラルフ・サントーラ&シェーン・フレンチ等々、ヨルンがフロントマンを務めたVAGABOND、THE ARK、MILLENIUMといったバンドの面々がゲスト参戦して華を添えてくれています。
ソロ・アルバムといっても、書下ろしの新曲5曲、カヴァー5曲の全10曲からなる内容は若干変則的。ソロ・シンガーとしての表現欲求に突き動かされて作り上げたというよりは、「自分、こんな色々なタイプの楽曲が歌いこなせます!今後ともヨロシク!」ってな、HR/HMシーンに向けたプレゼン的な性格が強めに感じられる仕上がりです。
とはいえ、それが悪いなんてことは全然なく。譜面に正確なだけでは決して歌いこなせない、難易度高めの哀愁のOPナンバー①を情感豊かに歌い上げてみせる導入だけで早くもその実力派シンガーぶりを知らしめてくれる本作は、ソロ・アルバムとしてのクオリティも十分。またCITY BOYの“THE DAY THE EARTH CAUGHT FIRE”や、JOURNEYの“EDGE OF THE BLADE”、FOREIGNERの“BREAK IT UP”、JEFFEERSON STARSHIPの“JUST THE SAME”といった敢えて隠れた名曲を取り上げるセンスにもキラリと光るものがありますよ。
数あるヨルン・ランデのソロ作の中でも、上位に来る完成度を有す1枚ではないでしょうか。


JORN - Starfire - Starfire ★★★ (2021-12-10 00:53:49)

ミドル・テンポで、OPナンバーらしい派手さには欠けるのですが
だからこそ「ハイトーン出せます」程度では絶対に歌いこなせない、
シンガーに高い技量が求められる楽曲であり、これを冒頭に持ってくる辺り、
ヨルンの自らの歌声に対する自信の程が伺えますよ。


JOSHUA - Intense Defense ★★★ (2023-10-06 00:02:20)

名バラード“NOVEMBER IS GOING AWAY”でメロディ愛好家達から涙をカツアゲしたジョシュア・ペラヒア(G)率いるJOSHUAが、80年代半ばに知己を得たドン・ドッケン&ディーター・ダークスの勧めを受け、LAからドイツへと渡ってレコーディングを行い89年に発表した3rdアルバム。(本作のみ国内盤が「ヨシュア」表記に)
ドイツに拠点を移したからといって今更パワーメタル化する筈もなく。本作で披露されているのは前2作の流れを汲む、煌びやかなKeyと分厚いハーモニーに彩られたメロディアスHR。ジョシュアも得意のアーミングを有用した、キラキラと鱗粉をまき散らすようなGプレイをもってアルバム全編を生き生きと躍動。ロブ・ロック(Vo)という強力な相棒を得たことで、そのサウンドはより一層ブラッシュアップされた印象で、特に爽やか&キャッチーな②、歯切れ良く弾む曲調と哀愁のメロディのコントラストが秀逸な⑤、ドラマティックに繰り出されるバラード⑥、ロブの伸びやかなVoとジョシュアの歌うG、両者の個性が最良の結びつきを果たした⑧辺りは、曲調はポップながらメロディからは切なさが滲み出てくるという、JOSHUAの魅力がギュッと凝縮された名曲に仕上がっているんじゃないかと。個人的には本作を聴いていると、親しみ易い音楽性といい、ロブ・ロック+テクニカルなギタリストの組み合わせといい、LAのクリスチャン・メタル・バンドANGELICAのことを思い出しましたよ。(楽曲のクオリティではJOSHUAの方に軍配が上がりますかね)。
今となってはどれも入手困難なJOSHUAの国内盤カタログですが、本作はその中でも更に見かけない1枚なので、是非とも再発をばお願いしたいところであります。


JOSHUA - Intense Defense - I've Been Waiting ★★★ (2023-10-09 01:09:02)

ロブ・ロックの伸びやかな歌唱と、ジョシュア・ペラヒアの
テクニカルに煌めくGプレイを生かしたハードポップ・チューン。
特にキャッチーでありつつ、ふとした拍子に哀愁も薫る
メロディ展開の妙にジョシュアの非凡な才能が伺えます。


JOSHUA - Surrender ★★★ (2012-09-19 22:32:35)

ソロ・パートにおいて垣間見えるどこかエキゾチックなメロディ・センスと、強引な速弾きとを武器にするジョシュア・ペラヒアのGプレイ、そして泣きの名曲“NOVEMBER IS GOING AWAY”の存在で日本のHR/HMファンのハートを鷲掴みにしたJOSHUAが、メンバーを総とっかえして'85年に発表した2ndアルバム。
日本での高評価が耳に入ったのかどうか、よりギター・オリエンテッドで日本人好みの叙情HRサウンドへと軌道修正が図られている本作。それでも「速弾きギタリストを擁するバンドの作品」と聞いて想像される音楽性とは、かなり隔たりのある作風であることに変わりはないのですが、前作において目立ちまくっていたKey奏者やベーシストが脱退、新たに加わったメンバーが脇役に徹してジョシュア・ペラヒアの存在を盛り立てる演奏に終始しているため、内容(とバンドとして)のまとまりの良さに関しては前作を大きく上回る印象です。
前任者以上の歌唱能力を誇るニュー・シンガー(ソングライターとしても貢献)の加入効果も大きく、特に、パワフルにも伸びやかにも歌える彼のVoが映える頭3曲は出色の出来栄え。
散々指摘されている通り“NOVEMBER~”級の名曲は見当たりませんが、収録楽曲の充実っぷりは半端なく、「JOSHUAって“NOVEMBER~”のみの一発屋じゃねえの?」と思っておられる人には是非ご一聴をお薦めしたい捨て曲なしの名盤。


JOSHUA - The Hand Is Quicker Than the Eye ★★ (2008-07-27 18:14:00)

LA出身の速弾きギタリスト、ジョシュア・ペラヒア率いるJOSHUAが、'82年に発表した1stアルバム(邦題は『旋風』)。
速弾きギタリストの作品と言っても、イングヴェイのようなネオ・クラシカル路線とも、シュプネラル系のHM路線とも
異なり、その作風は、甘く爽やかなメロディを大々的にフィーチュアした、キャッチーなハード・ポップ路線。
切ないメロディを歌うVoと、心の琴線を揺さぶる繊細なGプレイが、猛烈な哀愁を発散する泣きの名バラード
“NOVEMBER IS GOING AWAY"を収録し、メロディ愛好派のリスナーを虜にした事で知られる本作なれど、
実は、そうしたノリの楽曲はどちらかと言えば少数派ゆえ、メロメロに泣きまくる作風を期待すると、肩透かしを
食う事になりかねないので注意が必要かも。“SHE'S GONE"という珠玉の名バラードを収録しつつも、作品自体は
アメリカン・ロックロール路線をとっていた、STEELHEARTの1stアルバム辺りを想像してもらうと分かり易いか?
とは言え、収録曲の質は間違いなく高く、特に、強力なフックを備えた、繊細なメロディの魅力はかなりのもの。
名バラード“NOVEMBER~"や、儚く物悲しげな⑥は元より、楽曲に、華やかさや、STYX、BOSTON的なプログレ・ハード風味を
付与するKeyの良い仕事っぷりが光る、仄かな叙情味を漂わせた①④⑤といったポップ・メタル・チューンの心地良さは格別。
ジャケット・デザインはかなり悲惨だが(苦笑)、優れたメロディと、良い曲が沢山詰まった秀作アルバム。


JOSHUA - The Hand Is Quicker Than the Eye - November Is Going Away ★★★ (2008-07-27 18:23:52)

少々頼りないが、甘い声質で感傷的なメロディを歌うVo、
繊細且つ表情豊かな演奏で聴く者の胸を締め付けるG、
楽曲の華やかさ/可憐さを増幅するKeyの素晴しい仕事っぷりが
キラリと輝く、JOSHUAが誇る泣きの名バラード。


JOURNEY - Arrival ★★★ (2010-12-12 02:32:42)

バンドを去ったペリー&スミスのWスティーヴの後任として、TYKETTO~TALL STORIESのスティーヴ・オウジェリーと、名手ディーン・カストロノヴォを加入させ体勢を立て直したJOURNEYが、'00年に発表した11thアルバム。
レコード会社が11曲収録を提案したのに対し、メンバーは13曲収録を主張。結局バンド側の意見が通り、日本盤はボーナストラックを含めて全14曲を収録、ランニング・タイムは70分弱とボリューミーな内容と相成った本作だが、実際に聴いてみるとこれが不思議と中弛みを余り感じない。ゆったりとしたテンポの楽曲を中心に固められた作風は前作同様ながら、にも関わらずダレた印象がそれほどでもないのは、若々しいオウジェリーの歌声が、本編に溌剌とした空気を運んでくれているからか?
開巻早々に勝負あった!となる①②③の強力な畳み掛け、アダルトでメランコリーなバラード⑤や、二ールのGがガッツリと咽び泣く⑥、いかにも大陸的な雄大な曲調が心地良い⑨、ディーンのタイト&キャッチーなドラミングが映えるラスト・ナンバー⑬といった楽曲における、若き日のスティーヴ・ペリーを彷彿とさせる(まぁ、あそこまで神懸かった声の伸びはないけどね)ソウルフルな歌いっぷりを聴けば、彼がペリーに匹敵する実力者であることが良く分かる。
その他にも、リードVoから、ガラス細工のように繊細で美しいKeyプレイまでジョナサン・ケインが主役を張る憂いを帯びた⑪等、JOURNEYらしい名曲を各所に配置。新生JOURNEYの21世紀への船出を飾るに相応しい、見事なクオリティを備えた作品に仕上がっている1枚かと。
・・・でもやっぱり、曲数はもうちょい絞った方が良かったよな。


JOURNEY - Departure ★★ (2010-11-28 18:26:52)

爽快/ポップ/キャッチーと三拍子揃った「これぞJOURNEY!」な超名曲①“お気に召すまま”で幕が開く、俗に言う「JOURNEY出世三部作」の最終章にして、その集大成的内容を誇る'80年発表の6thアルバム。
スティーヴ・スミスがノリ良く叩き出す軽快なリズムに、ヨーロピアンHR調の暗さや重さが払拭され一気に垢抜けたメロディ、そしてケヴィン・エルソンが手掛けた乾いた質感のサウンド・プロダクション等、ポップさ、キャッチーさ、それに都会的な洗練の度合いを大幅に増した本作は、例えば、本編後半に配置された3部構成からなる組曲⑨~⑪の流れにしても、大仰さやプログレ色は皆無で、さらりと聴き通すことが出来るというコマーシャル仕様。よく言われるように「大多数のHR/HMファンが、JOURNEYと聞いて想起する音楽スタイルは本作をもって確立された」・・・というのは正にその通りだと思う。
正直なところ、名曲①のインパクトが突出しているせいで、後続の楽曲の印象が思いっきり吹き飛ばされている感が無きにしも非ずなこのアルバムだが、じっくりと聴き直してみれば、ポップでスペーシーな③、これを最後にバンドを去るグレッグ・ローリーが、置き土産的に素晴しいブルースハープ・プレイを聴かせてくれる爽やかな⑤、咽び泣くGとKeyがグッと胸に迫るブルージーな⑦など、名曲/佳曲の存在は随所で確認することが出来る。
前作『EVOLUTION』の煮詰まり感を鮮やかに吹き飛ばし、80年代、引いてはJOURNEY黄金時代の幕開けを告げた名盤。


JOURNEY - Eclipse ★★★ (2011-07-02 10:38:30)

アーネル・ピネダ(Vo)参加2作目となる'11年発表の14thアルバム。
日本盤にはボーナス・トラックとして名曲“DON'T STOP BELIEVIN'”のライブ・バージョンが収められているのだが、これ聴いて観衆のあまりの熱狂っぶりビックリ。どうやら同曲がドラマ主題歌に採用されリバイバル・ヒットとなった事に起因しているらしいのですが、改めてJOURNEYがそこらの懐メロ・バンドとは一線を画す存在であることを実感した次第。
また、こうしたファン層の若返りはバンド側にも相当の自信をもたらしたようで、それがアルバムのクオリティにもしっかりと反映されるという好循環。ニール・ショーン(G)がインタビューで「前作よりハードな作品にしたかった」とか答えてるのを読んだ時は嫌な予感もしましたが、実際に聴いてみれば、清涼で爽快で壮大な哀メロの海に頭から爪先までどっぷりと浸れる、どこ切っても100%JOURNEY!なメロハー・サウンドが展開されており、そのクオリティは傑作だった前作『REVELATION』にも匹敵。
張り/艶/伸び、いずれを取っても申し分ないアーネルの極上の歌声と、激しくも繊細に歌うニールのエモーショナルなGプレイを心行くまで堪能できる本編前半(①~⑥)なんぞ、今年のベスト・チューン候補がゴロゴロ転がっていて、思わず忘我の境地へと誘われる程の心地良さ。
70分オーバーの長尺にも関わらず中弛みを全く感じさせないと言う、JOURNEY先輩、まじパねぇっス!な1枚。


JOURNEY - Eclipse - Chain Of Love ★★★ (2011-07-03 00:55:40)

零れ落ちるように奏でられるジョナサン・ケインの
Keyの上に、アーネル・ピネダの明度の高い歌唱が乗る、
澄んだ哀愁を湛えたイントロだけで掴みはOK。
重厚なディーン・カストロノヴォのドラミングをフィーチュアして
力強く、壮大に盛り上がっていく以降の展開も素晴しい。


JOURNEY - Eclipse - Edge Of The Moment ★★★ (2011-07-03 01:04:30)

ある意味、バンドの2ndボーカリストと言っても
過言ではない、印象的且つエモーショナルに歌う
ニール・ショーンのGが存在感を発揮した名曲。


JOURNEY - Eclipse - Resonate ★★★ (2011-07-03 01:01:21)

個人的にはアルバム『ECLIPSE』のハイライトを飾る
悲哀のドラマに満ちたHRナンバー。
アーネル・ピネダが情感豊かに歌い上げる、
あまりに物悲しいサビメロが涙腺に沁みて困ります。


JOURNEY - Escape ★★★ (2010-12-02 21:42:56)

'81年にリリースされ、JOURNEYに初めて全米チャート№1の栄冠をもたらした、ファンからも次作『FRONTIERS』と並び「バンドの最高傑作」と評価の高い7thアルバム。個人的に、AOR/産業ロックと聴くと本作のサウンドのことが真っ先に頭に思い浮かびますね。
Key奏者としてのみならず、ソングライターとしても類稀なる才能を誇るジョナサン・ケインが新メンバーとして加わった事で、前作『DEPATURE』にて確立されたJOURNEYならではの音楽性に一層の磨きが掛かり、よりポップに、よりキャッチーに、よりメロディアスに聴き易さを増した本作は、例えば軽快なロックンロール路線の楽曲にしても泥臭さは皆無で、徹底してお洒落で洗練された都会的な雰囲気が漂う。これはやはり、脇に回ってアレンジの一部としての機能を優先する(前任のグレッグ・ローリーとは資質の異なる)ジョナサンのKeyワークと、その彼が紡ぎ出す透明感を湛えた瑞々しいメロディの効果ゆえ。
日本では、TVや映画等で度々取り上げられるバラード⑩“OPEN ARMS”が有名だが、このアルバムの凄味は、ポジティブな躍動感溢れる①や、二ール・ショーンのGがエモーショナルに歌う③、泣きたくなる程切なくソウルフルな⑤、そして本編のハイライトを飾るプログレ・ハード・バンドとしての面影を残したドラマティック極まりない⑨等、“OPEN~”以上の魅力を放つ楽曲がごろごろと収録されている点。無論、捨て曲なんてない。
JOURNEYのみならず、AOR/産業ロック・シーンを代表する名盤中の名盤。極論が許されるならば、これ聴いて気に入らなかったら、JOURNEYはおろかAOR/産業ロック自体聴く必要はない・・・なんて。


JOURNEY - Freedom ★★★ (2023-01-13 01:08:33)

JOURNEYが11年ぶりに発表した待望のニュー・アルバム。…なんですけども、全16曲収録(日本盤のみのボートラ含む)、ランニング・タイム70分オーバーという、ウチの近所の国道を行きかってる土建屋トラックも顔負けの過積載っぷりにいきなりテンション・ダウン。こっちとしては8曲入り程度のボリュームで構わないので、5年に1枚ぐらいのペースでアルバムをリリースしてくれた方が嬉しいんだけどなぁと。
尤も、今回はコロナ禍に加えて、ロス・ヴァロリー&スティーヴ・スミスの解雇というバンド内部のゴタゴタが重なってしまった止む得ない事情があったことは重々承知しておりますし、何より、ニールの伸びやかなG、叙情性と透明感を増幅するジョナサン・ケインのKey、それに上手いVoとに彩られた優れた楽曲を揃えて、聴き手に「待った甲斐はあった」と思わせるクオリティの作品をちゃんと提供してくれる辺りは流石JOURNEYですよ。
収録曲数の多さに加えて、中盤に並ぶハード・ナンバーにフックが乏しい、その手の楽曲だとアーネル・ピネダのVoが馬力不足(プロダクションもリバーブ掛け過ぎじゃない?)等、通して聴くとどうにも印象がボヤけてしまう弱点は指摘しておきたいところではありますが、とはいえ、イントロが“SEPARATE WAYS”を彷彿とさせる②、躍動感溢れる③、JOURNEY印の感動的なバラード④、美しくメロウな⑧、新たなアンセムになり得る魅力を秘めたキャッチーな⑫、本編を壮大に締め括る⑮etc.と、こちらがJOURNEYに期待する水準をきっちりクリアしてくれていることも間違いない1枚。王者の帰還を祝して、また次作はもっと短いスパンでのリリースへの期待込みで★3つ進呈させて頂きます。


JOURNEY - Frontiers ★★★ (2010-12-03 22:59:06)

HR/HMに興味がなくとも一度は耳にした事があるであろう、印象的なイントロで幕が開く“SEPARATE WAYS”と、美しく温もりに満ちたバラード“FAITHFULLY”というJOURNEY史上屈指の名曲2篇を収録。マイケル・ジャクソンの『THRILLER』に阻まれ全米チャート№1の座こそ獲得ならなかったものの、全世界で1000万枚以上の高セールスを記録し、多くのファンから「バンドの代表作」と太鼓判を押される'83年発表の8thアルバム。
雄弁且つメロディアスに歌う表情豊かなG、ノーブルな美声を活かしてソウルフルに歌い上げるVo、透明感溢れる音色で楽曲をスペーシーに彩るKey、センスの良さを感じさせるフレーズを随所で閃かせるB、そしてタイト&キャッチーなDsとが一体となって生み出される、JOURNEYならではの都会的な洗練を施されたメロハー・サウンドは益々円熟味を増し、既に王者としての余裕と貫禄が漂う。
名作『ESCAPE』に比べると楽曲が玉石混合というか、曲によってはハードロッキンなリズム面が強調された分、メロディのフックが弱まってしまっているのが惜しまれるが、とは言え、切ない哀メロが五臓六腑に染み渡る②や、勇ましく弾む曲調が心地良い⑥、リズミカルなグルーヴが癖になる⑨辺りを筆頭に、「流石JOURNEYさんやでぇ」と唸らされる名曲・佳曲は引きを切らない。
別項で述べられているように、まさに「夜の首都高ドライブのお供にピッタリ」な、アーバンでロマンティックな魅力を湛えた1枚。『ESCAPE』と併せて持っていたいAOR/産業ロックの名盤ですね。


JOURNEY - Generations ★★ (2010-12-18 00:17:53)

バラードばかり要求される状況にうんざりしたJOURNEY――というか二ール・ショーン(G)――が、敢えてHRテイストを強調して作り上げたという(飽くまで「彼らにしては」だけど)、'05年発表の12thアルバム。
但し、些か力み過ぎたのかその手の楽曲はややメロディが弱く、また、力んで歌っても常に透明感を失わない非常にAOR/産業ロック向きの声質を備えている反面、ハードな楽曲を歌うには馬力不足なスティーヴ・オウジェリーというシンガーの資質もあり、本作に対するファースト・インプレッションは余り芳しいものではなかった。
バンド側もそれは承知で、アップテンポの楽曲は二ールやロス・ヴァロリー(B)、ディーン・カストロノヴォ(Ds)にリードVoパートを割り振っているのだが、今度はそれが本編の統一感を欠き、やや散漫さを感じさせる要因に繋がってしまっているのだから、ままならぬというか何と言うか・・・。
尤も、アルバムへの期待感を高めるというOPナンバーとしての役割を120%果たしている①や、戦場で戦うアメリカ兵たちに捧げられた⑧、躍動感溢れるラスト・ナンバー⑭のような上手くハマッた名曲もあるし、何より②④⑤⑦といった、従来の魅力を素直に披露するメロディアスな楽曲の数々は、やはりこのバンドにしか作り出し得ぬ逸曲揃い。
あーだこーだ言っても、結局は「凡百のバンドが逆立ちしたって敵わないハイクオリティな作品」との評価に落ち着くのであった。但し、今回も曲数は無駄に多いが。


JOURNEY - Infinity ★★★ (2010-11-26 23:20:40)

アメリカン・ロック・シーン指折りの実力派シンガー、スティーヴ・ペリーが遂に加入。これまでのインスト・パート重視のプログレ路線から、ペリーの類稀なる歌声をサウンドの中心に据えた、ポップでコマーシャルなメロディアスHR路線へと方向転換が図られた、'78年発表の4thアルバム。
所謂「JOURNEYサウンド」の基礎が形作られ、全米だけで300万枚以上の売り上げを記録、その後の大躍進の先駆けともなった本作は、実際、儚くも美しい感動的な名バラード⑤を筆頭に、「これぞJOURNEY!」と唸らされる楽曲の数々を収録しているわけだが、その一方で、ヨーロピアン風味の暗さと叙情性を湛えたメロディに、名手エインズレー・ダンバーの重厚なドラミングの存在もあって、作品全体としては、未だ産業ロック的な色合いはさほど感じられなかったりもする。
但し、重たいショットで楽曲の輪郭線を太く縁取るDsに乗って、フォーク/トラッド風味の哀愁のメロディが踊るヒット・ナンバー⑥はこのアルバムでしか聴く事の出来ないタイプの名曲だし、極めつけは、初期プログレ路線の残り香も感じられるアルバムのハイライト・ソング⑧。零れ落ちるように奏でられるKeyの物悲しい旋律、メロディアスに歌う二ール・ショーンのG、そしてスティーヴ・ペリーの伸びやかでソウルフルな歌声が堪らなく胸に沁みる、涙なくしては聴けない珠玉の逸品。(対照的な曲調の前曲⑦から、ブランクなしで繋がっていく展開もドラマティックで素晴しい)
過渡期のJOURNEYならではの魅力が詰まった1枚じゃなかろうかな、と。


JOURNEY - Raised on Radio ★★ (2010-12-08 23:23:10)

サクセスの代償としてメンバー間のパワー・バランスが崩れ自壊への道を転げ落ちていくのは、古今東西、有名バンドが一度は通る道なわけだが、無論JOURNEYもその例外ではなく、『ESCAPE』『FRONTIERS』のメガヒットと引き替えにラインナップが崩壊。ロス・ヴァロリー(B)とスティーヴ・スミス(Ds)が去り、あとに残った二ール・ショーン(G)、スティーヴ・ペリー(Vo)、ジョナサン・ケイン(Key)がセッション・ミュージシャンを雇って制作、'86年にリリースされた9thアルバム。(一部楽曲にはスティーヴ・スミスも参加しているのだとか)
JOURNEYの殆どの楽曲は、元々ショーン/ペリー/ケインの3人によって書かれているので、理屈からすればリズム隊が脱退したからと言って音楽性に大きな変化はない筈なのだが、いやにファンキーに跳ねるBといい、淡々とリズムをキープするこじんまりとしたDsといい、ポップさが強調されスケール感やドラマ性を減じた楽曲といい、実際に出来上がった作品は、これまでの作風とは明らかに趣きを異する。
JOURNEYの名の下に発表されているだけあって、躍動感を伴って快活に駆け抜けていく③、透明度の高い哀メロで泣かせに掛かる名バラード⑩etc・・・と、優れた楽曲を数多く収録するなど質の高さは保証書付きだし、メロディのフックも相変わらず強力無比。「好きか嫌いか客観的に評価せよ」と問われれば、胸張って「大好きだ!」と即答できる作品ではあるのだが、じゃあJOURNEYのアルバムとしてはどうなのよ?と聞かれると・・・正直、そのケミストリーの薄さゆえ、存在感に乏しい1枚である事は否定しきれないのであった。


JOURNEY - Revelation ★★★ (2010-12-19 01:12:51)

STYX、KANSAS、BOSTON・・・と、嘗ての同期バンドが軒並みセミ・リタイア状態に甘んじている中、唯一、定期的に新作をリリースし、尚且つそれらの作品が確かなクオリティと一定以上の商業的成功を収めているという、現役感バリバリの活動を続け気を吐くJOURNEY、'08年発表の13thアルバム。(本作も全米チャート初登場第5位にランクイン)
今回より、四代目フロントマンとしてフィリピン出身の新人アーネル・ピネダが加入。しかもこれが頭に「超」を付けたくなる程の逸材で、若き日のスティーヴ・ペリーを思わせる伸びやかなハイトーンと、スティーヴ・オウジェリーばりの張りと艶を併せ持った歌唱がメチャ強力。のみならず、その歌声は歴代シンガーの誰よりもHR向きの「熱さ」を宿しているという隙のなさ。
この若き逸材獲得に触発されたのか、アルバム自体もメロウな味わいの『TRYAL BY FIRE』『ARRIVAL』と、ハードさが強調された前作『GENERATIONS』の美点を併せ持った、再結成以後に発表された作品群の総決算的内容に仕上がっており、爽快なOPナンバー①に始まり、バンド名を冠した壮大なインスト・ナンバー⑪にて幕を下ろす本編に無駄な楽曲は一つも見当たらない。特にバラード⑥なんて「'08年度最高の1曲」に選出したいほど完膚なきまでに感動的な名曲ですよ。
あと個人的に評価したいのが、収録時間を50分台に収めてくれた点。前3作が中盤でダレを感じさせたのは、曲の問題っつーよりも明らかに詰め込み過ぎが原因だったからなー。
前作のセールス不振やメンバー・チェンジ等で漂っていた低迷感を見事に吹き飛ばした、再結成JOURNEYの最高傑作。入門編としてもどうぞ。


JOURNEY - Revelation - After All These Years ★★★ (2008-11-08 17:25:53)

個人的にも、この曲は今年のベスト・チューン候補。
どこまでも真っ直ぐに伸びていくVo、透明感と叙情性に満ち溢れたKey、
そしてエモーショナル極まりないGが紡ぎ出す哀メロの洪水に、
通勤中に初めて聴いた時は「ぎょえ~、これは堪らん!」と、
身悶えを抑えるのに一苦労でした。やはりJOURNEYは凄い。


JOURNEY - Trial by Fire ★★★ (2010-12-07 23:16:05)

『RAISED ON RADIO』('86年)を最後に活動休止状態にあったJOURNEYが全盛期のメンバーで再結集。'96年にリリースされるや、HR/HM冬の時代真っ只中にも関わらず全米チャート初登場第3位という好成績をマークし、世間に「JOURNEY健在!」を印象付けた復活アルバム。
一音入魂でGをエモーショナルに歌わせる二ール・ショーン、加齢により艶は薄れても、ソウルフルな表現力と節回しは健在のスティーヴ・ペリー、透明感と叙情性を湛えた音色で楽曲に絶品の彩りを加えるジョナサン・ケインのKey等、メンバーのすこぶる強力なパフォーマンスをフィーチュアした都会派メロハー・サウンドは、10年に及ぶブランクの長さを全く感じさせることなく、むしろ前作『RAISED~』以上に全盛期のJOURNEY節の美点を余すところなく継承。何より、ポップでロマンティック、アダルト且つ瀟洒な雰囲気漂わす楽曲のクオリティが相変わらず素晴しいったら。
全16曲で75分オーバーという音楽性に似合わぬ長大な収録時間と、バラード系の楽曲の多さがネックとなって中盤ダレるのが難点なれど、JOURNEYが誇る代表曲“SEPARATE WAYS”にオマージュを捧げ、バンドの再生を高らかに宣言する①に始まる「これで掴みはOK」な冒頭3曲の畳み掛けに、心地良く弾むリズムに絡む哀メロが秀逸な⑤、そしてKeyの透き通った音色が堪らなく美しく切ない⑧といった名曲の数々を聴けば、多少の粗には目を瞑ろうという気になるもの。
ファンの期待に見事に応えた復活作。・・・なのだが、それだけにこのラインナップが長続きしなかった事は惜しまれます。


JUGGERNAUT ★★ (2009-09-08 21:50:00)

'80年代初頭、テキサス州はサンアントニオにてハーラン・グレン(Vo)が中心となって結成される。
元々はKAMIKAZEというバンド名だったらしいが、ハーランのオカンのアイデアを採用してJUGGERNAUTと改名。
『METAL MASACRE Ⅶ』に楽曲を提供する等して知名度を高め、'86年にMETAL BLADE RECORDSより
1st『BAPTISM UNDER FIRE』を発表、レコード・デビューを飾っている。
現在では、凄腕ドラマーとして勇名を馳せるボビー・ジャーゾンベクが世に出る
切っ掛けになったバンドとして知られるが、ボビー以外にも、RIOT休止中のマーク・リアリと一緒に
NARITAをやっていたメンバーが在籍していたりと、何かとRIOTとは縁の深いバンドである。
活動後期にはSACRED REICH~MACHINE HEADの名ドラマー、デイヴ・マクレインも
ラインナップにその名を連ねていた筈。


JUGGERNAUT - Baptism Under Fire ★★ (2009-09-08 21:51:00)

日本のHR/HMファンからはRIOTのメンバーとして親しまれ、現在ではロブ・ハルフォードも一目置く凄腕として
世界的な知名度を誇る名ドラマー、ボビー・ジャーゾンベクのキャリアの出発点となった、テキサス州は
サンアントニオ出身の4人組スラッシュ・メタル・バンドが'86年に発表した最初で最後のフル・アルバム。
プログレッシブ・ロックからの影響を垣間見せる、複雑且つ緊張感に満ちた曲展開を備えたテクニカルな
スラッシュ・メタルを演っており、派手に動き回るB(かなり良い仕事してます)と共にボトムを支えるボビーのDsは、
この時点で既に一級品。力強さと手数の多さを併せ持った彼のドラミングが、その完成度を数段引き上げている
②のような楽曲を聴くと、「やはり巧い人は昔から巧いんだなぁ~」と、感心させられること請け合い。
尤も、いくらリズム隊がサウンドを引き締めようとも、魅力皆無のVoとフック不足の楽曲の冗長さは如何ともし難く、
通して聴くとかなりダレると言うのが正直なところで、ボビー・ファンならともかく、そうでない人にこの内容は
かなり厳しいんじゃないかなぁ、と。個人的には、HM版『ピンクパンサー』といった趣き(?)のOPナンバー①、
勢いで押し切る高速スラッシュ・ナンバー⑤⑪といった楽曲が聴けただけで満足できたけどね。
RIOTファン的には資料的価値は高いように思うが、まぁマニア向けの1枚か。


JUGGERNAUT - Baptism Under Fire - Cut Throat ★★ (2009-09-12 18:05:26)

複雑な事をやろうとすると、
冗長さが気になってしまうこのバンドだが、
こういう小細工なしの突撃スラッシュ・チューンは、
ボビーのDsの威力もあって単純にカッコイイ。