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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 301-400

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 301-400
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ANTHEM - Anthem ★★ (2011-09-19 00:20:21)

BURRN!!の大野奈鷹美女史がライナーを執筆しているのが今となっては時代を感じさせる、ANTHEM、'85年発表の1stアルバム。(副題は『パワー・メタル戒厳令』)
5Xのジョージ吾妻がプロデュースを手掛けている本作だが、全体的にとにかくラフで荒削り。音質はもとより収録曲にしても、ファンに広く認知されている現在のANTHEMサウンドとは大きく異なる、整合性よりも初期衝動をダイレクトに叩きつけて来る勢い任せな作風で、再結成以降にバンドのことを知ったリスナーがコレ聴いたらさぞかし面食らうに違いない。取り分け、青さ全開の坂本英三の歌唱にはほっこりさせられますねぇ。
しかし、ギラギラとした若さ剥き出しのANTHEMサウンドってのはここでしか聴けないレア物であり、その筆頭たるACCEPTばりの突撃パワー・メタル・チューン“WARNING ACTION!”は、発表当時イギリスにおいて高く評価されたという話も納得のいく、初期ANTHEMならではの逸曲。また重心低く押し出してくる“LAY DAWN”や、切れ味鋭い疾走ナンバー“STEELER”も問答無用で頭を振りたくなるカッコ良さだし、それに何より本作は、バンドのテーマ・ソングにして後の彼らの音楽的方向性を指し示す名曲中の名曲“WILD ANTHEM”の存在がトドメを刺す!
月並みな表現ですが、まさしく「磨けば光るダイヤの原石」的輝きが感じられるデビュー作ですね。


ANTHEM - Anthem - Warning Action! ★★★ (2011-09-19 00:39:18)

イギリスで高い人気を誇ったという、
初期ANTHEMならではのパワー・メタル・チューン。
ACCEPTばりのGリフのカッコ良さも然る事ながら
福田洋也のドラマティックに疾走するGソロが
大変素晴しい。


ANTHEM - Anthem - Wild Anthem ★★★ (2011-09-19 00:32:34)

まさにANTHEMのアンセム。
坂本の声は未だ青臭いが、曲の良さは文句なし。
先日リマスター盤を購入したらボーナストラックとして
歌い直しバージョンが収録されていて、
聴き比べてみたら坂本の歌唱力の違いっぷりに
思わず笑ってしまいましたよ。


ANTHEM - Black Empire ★★★ (2011-10-08 00:49:01)

レコーディング終盤、出来上がってきたサウンドに不満が生じたため、クリス・タンガリーディスにミックス作業のやり直しを依頼するというゴタゴタが発生したものの、その甲斐あってか、硬質でタイトなリズムの「鳴り」の良さにかけては過去最高レベルを獲得した、'08年発表の12thアルバム。
時にKeyを交えて、屈強さよりもメロディ重視の姿勢が貫かれた作風は前作『IMMORTAL BIND』と同様だが、所謂「昭和歌謡メタル」的な臭みを伴ったメロディが聴かれる場面は徐々に減少傾向にあり、特にそれは坂本英三(Vo)の歌メロに顕著に表れている。
例えばアルバム表題曲“BLACK EMPIRE”はヴァース部分こそ森川時代を彷彿とさせるANTHEM節なのだが、サビメロに関しては、より洗練されたスマート且つキャッチーな歌い回しでまとめられていて、従来の思わずコブシが回る歌唱は影を潜めている。
尤も、涙なしには聴けない叙情HRナンバー“WALK THROUGH THE NIGHT”や、へヴィに刻まれるリフ&リズムとその上を舞う哀メロのコントラストが絶妙な“EMPTINESS WORLD”辺りを聴けば分かる通りクサメロが皆無なんて事はなく、何より前述の“BLACK~”や、リズム隊が主役を張る“HEAT OF THE EMOTION”“GO INSANE”といった楽曲に代表される、唯一無二のANTHEM流HMサウンドのフォーミュラはきっちりと固守しながら、マンネリに陥ることなく、似て非なる名曲を次々に生み出すこのバンドの曲作りセンスには毎度感心させられっ放しですよ。名盤?勿論ですとも。


ANTHEM - Black Empire - Black Empire ★★★ (2011-10-08 00:53:48)

ヴァース部分は“GYPSY WAYS”辺りを想起させる
古き良きANTHEM節なのですが、Keyを巧みに用いて
鮮烈に展開するキャッチーなサビメロは
これまで余り聴かれなかったパターン。
「ならでは」の魅力と新鮮さが同居した名曲ですね。


ANTHEM - Black Empire - Emptiness World ★★ (2011-10-08 01:15:37)

ヘヴィに刻まれるリフ&リズムの上を華麗に舞う
サビメロの、何と哀しくキャッチーなことよ・・・


ANTHEM - Black Empire - Go Insane ★★★ (2011-10-08 01:02:25)

イントロのGリフだけで「勝負あり!」となりますが、
実際のところ本曲の主役は図太くタイトな演奏で全体を牽引する
本間大嗣のドラミングのような気がしなくもありません。


ANTHEM - Black Empire - Heat of the Night ★★★ (2011-10-08 00:58:51)

本間大嗣がパワフルに叩き出すリズムが
気持ち良いったらありゃしない。
坂本英三の熱いVoが映える歌メロに
思わずコブシを突き上げたくなるアルバム屈指の名曲。


ANTHEM - Black Empire - Walk Through the Night ★★★ (2011-10-08 01:10:21)

バラード・・・かどうかは聴く人の判断に
委ねられるところでありますが、無性に泣ける
叙情ナンバーの名曲であることは間違いありません。
この手のメロディ歌わせたら、坂本英三の歌声の涙腺破壊力は
半端ないです。


ANTHEM - Bound to Break ★★★ (2011-09-20 22:31:30)

国内アーティストには点が辛いBURRN!!誌のレビューコーナー(当時)において、90点台のハイスコアを叩き出した事でも話題となった、'87年発表の3rdアルバム。
多くのファンが「初期ANTHEMの最高傑作」と太鼓判を押す本作は、名手クリス・タンガリーディスのプロデューサー起用がドンピシャでハマリ(以後、長い付き合いとなる)、サウンド・プロダクションの格段の向上はもとより、ヘヴィ・メタリックな硬質感やアグレッションは維持したまま、これまで作品全体を濃厚に覆っていたNWOBHM風味のマイナー臭や荒っぽさが取っ払われ、よりメロディアスに、よりキャッチーに洗練された楽曲からはメジャー・アクトとしての風格さえ感じられるようになった。
前2作にはやや地味めな存在の楽曲も散見されたが、今回はアルバム表題曲“BOUND TO BREAK”を手始めに、緊迫感を孕んで切り込んで来る“EMPTY EYES”、雄々しく重厚なミッド・チューン“THE SHOW MUST GO ON!”・・・といった具合にOPから名曲が連打され、トリを締めるファストなヘドバン・ソング“FIRE'N’THE SWORD”に至るまで、埋め曲や捨て曲の類は皆無。中でも個人的にプッシュしておきたいのが“NO MORE NIGHT”で、ツインG風のアレンジを施されて疾走するサビメロのカッコ良さに震える度、「埋もれた名曲」との評価に力強く同意するのであった。
ANTHEM入門編としても強くお薦めする、日本のHR/HM史にその名を刻む名盤です。


ANTHEM - Bound to Break - Empty Eyes ★★★ (2011-09-20 22:39:36)

ダークな緊迫感を孕んだ疾走ナンバー。
音質の向上により、よりクリアに聴こえるようになった
柴田直人の快調なBランも気持ち良いです。


ANTHEM - Bound to Break - Headstrong ★★★ (2011-09-20 22:48:35)

重厚でキャッチーなヘドバン・ソング。
ライブ映え前提の勇壮な曲調には
問答無用でコブシを振り上げたくなります。


ANTHEM - Bound to Break - Machine Made Dog ★★★ (2011-09-20 22:44:43)

骨太で力強くも、どこか哀愁漂う曲調が大変美味。
スタジオ盤も良いが、ライブ・バージョン(『THE SHOW CARRIES ON!』)
の独特の高揚感も捨て難い。


ANTHEM - Bound to Break - No More Night ★★★ (2011-09-20 22:37:47)

あまり顧みられる機会のない楽曲ながら、
個人的にはアルバム中、1、2を争う名曲と確信する
埋もれてしまった名曲。
サビメロにシャープに絡む
福田洋也のGプレイがカッコイイったら!


ANTHEM - Bound to Break - Show Must Go On! ★★★ (2011-09-20 22:50:23)

イントロの劇的なGリフだけで完全に掴まれましたね。
これといい、“HEAD STORNG”や“MACHINE MADE DOG”といい
『BOUND TO BREAK』は優れたミドル・チューンが多数収録された
アルバムだったんだなぁ。


ANTHEM - Burning Oath ★★★ (2012-11-25 00:11:33)

不動のメンバー(再結成以降)の一角にヒビが入ってしまったものの、それをモノともせずにハイクオリティな作品を提示してみせたANTHEMの胆力にまず感服。
UNIVERSAL RECORDSへの移籍や、プロデューサーにロイ・Zを招聘する等、よりワールドワイドな活動を見据えてアルバム作りが進められた・・・と小耳に挟んだので、「じゃあ、日本的な(歌謡曲的な)メロディの減少傾向が更に加速してんだろうなぁ」と、残念に思いながら本作を聴いてみてビックリ。まるで何かが吹っ切れたようにその手のメロディがそこかしこで噴出しているじゃありませんか。坂本英三(Vo)はこのタイプのメロディを歌ってこそ輝くと信じて疑わない身としては嬉しい限りですよ。
特に、ゲスト参加の高浜裕輔(!)のKeyプレイが華を添える、昭和の特撮ヒーローばりの哀愁を背負った“UNBROKEN SIGN”、“OVERTURE”から劇的に展開する“ON AND ON”、力強く重厚に盛り上がっていく“GET AWAY”といった逸曲が連続する本編前半の充実っぷりは、過去の名作群にも比肩し得るレベル。
無論、メロディアスだからといってANTHEMならではのパワー感は微塵も損なわれておらず、ロイ・Z謹製の密度の濃い音作りの下、屈強なGリフが刻まれる先行シングル曲“EVIL ONE”や、ラストをタイトに締め括る“DANCE ALONE”は、坂本の熱い歌声、清水昭夫のシャープでメロディックなGワーク、柴田直人とヘルプ参加の田丸勇の屈強なるリズム隊とが火の玉となって突っ走る、アグレッシブ且つキャッチーなANTHEM印の名曲。
長々と書いてしまいましたが、まぁ要するに全編捨て曲なしの名盤っつーことですね。本作を聴きながら、本間さんの一日も早いご復帰をご祈念申し上げます。


ANTHEM - Burning Oath - Dance Alone ★★★ (2012-11-25 22:28:01)

ハードネスとキャッチネスが絶妙な融合をみた
軽快に駆け抜けていくHRナンバー。
作曲は清水なんですね。Gプレイのみならず
作曲面でも素晴しい仕事をしてくれました。


ANTHEM - Burning Oath - Evil One ★★★ (2012-11-25 22:14:37)

強靭に刻まれるGリフに表れている通り
ストロングでキャッチー。
再結成ANTHEMの得意パターンというべき楽曲で、
これが先行シングル&OPナンバーに
選ばれたのも大いに納得です。


ANTHEM - Burning Oath - Get Away ★★★ (2012-11-25 22:25:32)

これまた高浜祐輔のKeyがスケール感と
フックを構築する重厚且つ劇的なヘヴィ・ソング。
楽曲のドラマ性を効果的に高める清水のGソロも◎。
『NO SMOKE WITHOUT FIRE』収録の
“BLINDED PAIN”の系譜に連なる楽曲ですかね。


ANTHEM - Burning Oath - On and On ★★★ (2012-11-25 22:20:35)

序曲から繋がっていく華のある疾走曲。
ゲスト参加の高浜祐輔のKeyプレイが
絶妙なフックを作り出していて、
聴いていて何となく『NO SMOKE WITHOUT FIRE』の頃を
思い出したりも。


ANTHEM - Burning Oath - Unbroken Sign ★★★ (2012-11-25 22:17:18)

泣かせに来る清水のGソロといい、
アルバム中、最もクサいメロディが
聴かれる哀愁のHRナンバー。
この手のメロディを歌わせると
坂本英三は絶品ですよ。


ANTHEM - Domestic Booty ★★ (2011-09-25 21:46:56)

福田洋也の後任に無名の新人ギタリスト、清水昭男を抜擢してレコーディング、'92年に発表するも、残念ながらANTHEMのラスト作となってしまった7thアルバム。
新メンバー加入で気持ちが若返ったのか、はたまた90年代HR/HMシーンの潮流の変化を読んだのか、ともかくサウンドがマッチョにビルドアップされているのが本作の特色で、情念は抑え気味にパワー重視の歌唱を聴かせる森川之雄のVoも、そうした印象に拍車を掛けている。パワフルに畳み掛けて来るOPナンバー“VENOM STRIKE”はそうしたアルバムの特性が見事結実した名曲ですね。
まぁ、正直に申さば、艶に欠ける森川のガナり気味Voは一部楽曲の大味さを冗長させており、必ずしもアルバムにとってはプラスに作用していない印象なのですが・・・。
個人的には、前作『NO SMOKE WITHOUT FIRE』に引き続きゲスト参加を果たしたドン・エイリーのKeyサウンドが華麗な彩りを加える、RAINBOW風味のエキゾチックなGリフが印象的な“GOLD & DIAMONDS”、物悲しくもキャッチーに駆け抜けて行く“CRY IN THE NIGHT”、タメを効かせて劇的に盛り上がる“SILENT CROSS”といった、ANTHEMらしい哀愁のメロディと、本作ならではの骨っぽい味わいが上手く溶け合わされた楽曲がお気に入りです。


ANTHEM - Domestic Booty - Cry In The Night ★★★ (2011-09-26 22:05:28)

ドン・エイリーのKeyがしょっぱなから良い仕事しまくりの
哀愁のハードロック・ナンバー。
森川が感情移入たっぷりに歌うメロディが胸に沁みます。
(一部“SHADOW WALK”の歌メロと似てますが)


ANTHEM - Domestic Booty - Gold & Diamonds ★★★ (2011-09-26 22:02:12)

柴田直人のリッチー・フリークぶりが強く出た1曲。
エキゾチックに刻まれるGリフにドン・エイリーのKeyが絡むと
そこはもうくつろぎのRAINBOWワールド。
ミステリアスな歌メロを朗々歌い上げる森川のVoも良い仕事してます。


ANTHEM - Domestic Booty - Silent Cross ★★★ (2011-09-26 22:33:50)

“STARGAZER”調の重厚なヘヴィ・チューンなのですが、
タメを効かせつつ、全身全霊を込めて熱唱する森川の歌声が
楽曲全体に猛烈な悲壮感を漂わし、結果、バラード的な
メランコリックな空気を醸成するに至っています。


ANTHEM - Domestic Booty - Venom Strike ★★★ (2011-09-26 19:32:28)

ゴツゴツと角張ったリフ&リズムが
猛然とラッシュしてくるパワー・チューン。
噛み付くように歌う森川のVoも強力だ。


ANTHEM - ENGRAVED ★★★ (2017-08-25 00:43:05)

絶対的支柱である柴田直人(B)と、昨今HR/HMシーンでも猛威を振るうガンとの闘病という一大事を乗り越えて、’17年にANTHEMが発表した新作。そうした緊急事態がレコーディング作業にどの程度影響を及ぼしたかは知る由もありませんが、本作のクレジットを確認して先ず吃驚するのが、収録曲の半数近くを清水昭男(G)が手掛けている点。復活前を含めてもこんなことなかった!(よね?)ってな前代未聞の大事件ですが、それでいて聴き終えてみると「やっぱANTHEM最高」という会心の仕上がりになっているのですから2度吃驚ですよ。
いやこれまだって清水は曲作りにタッチしてましたし、多数の有名アーティストに楽曲提供をして来た作曲家としての実力に疑問符なんぞ付きようもありません。しかしこうしてANTHEMの重責をこれまで以上に柴田の親分と分け合っているのを目撃すると、「アラ~、ANTHEMさん家の昭男君が立派になっちゃってまぁ!」と、正月ぐらいにしか顔を合わせない親戚のオバちゃんよろしく肩をバシバシ叩きたくなるという(なんだそりゃ)。特に哀愁が絶妙に効いたコーラスが秀逸な⑤は本作のハイライトの一つではないか?と。
そして勿論、柴田御大もしっかりと存在感を主張しています。歯切れ良くキャッチーに躍動する①、哀愁のHRナンバー②、田丸勇(Ds)のタイトなリズム・ワークが冴える疾走ナンバー③という、破壊力よりも機動力(メロディ)重視という、アルバムの完成度と方向性を保証する頭3曲の畳み掛けは「さすが柴田直人!」と喝采を上げる出来栄え。またそれらの楽曲において、メタリックな熱量は十二分に保ちつつも、青筋は幾分控えめに伸びやかな歌い回しを披露する森川之雄(Vo)の熱唱も本編に新鮮な風を吹き込んでくれていています。
各メンバーのより一層の成長で、ANTHEMが後10年は余裕で戦えることを証明した力作。


ANTHEM - ENGRAVED - FAR AWAY ★★★ (2017-08-28 23:30:15)

メタリックな強靭さと哀愁とキャッチネスが
絶妙な塩梅で配合された、アルバム『ENGRAVED』の
作風を端的に表しているかの如き名曲。
練りに練られた清水のGソロも美味しい。


ANTHEM - ENGRAVED - MIDNIGHT GROWL ★★★ (2017-08-28 23:25:58)

キャッチーなようでいて、
ドラムを始め、楽器隊が結構難易度の高いことを
さらっとこなしている印象のメロディック・メタル・チューン。
憂いが溢れ出すサビメロに掴まれますね。


ANTHEM - Eternal Warrior ★★★ (2011-10-05 22:07:27)

再結成から早3作目を数え、内容的にもホップ・ステップ・ジャンプの要領でグレードアップを遂げた、'04年発表の記念すべき10thアルバム。
坂本英三の劇画チックな灼熱Vo、清水昭男のテクニカル且つキャッチーなGプレイ、タイトなビートを刻む柴田直人&本間大嗣のパワフルなリズム隊・・・と、メンバー間のコンビネーションやケミストリーは更に磐石なものとなり、タフネスと哀愁兼備の「情に篤いマッチョ」とでも表したくなる(?)新生ANTHEM流HMスタイルは、前2作を軽く凌駕するハード&へヴィなアグレッションを有するだけなく、硬派な哀愁を湛えたメロディのフックにも益々磨きが掛けられているのが強み。
特に、熱く激しく、それでいてキャッチーに畳み掛けて来る屈強なOPナンバー“ONSLAUGHT”と、胸抉られる程の悲壮感を湛えたメロディに、坂本の男泣きVoが映えまくる“LIFE GOES ON”は、アルバムのハイライトを飾る必聴の名曲だ。
この2つ以外にも、清水のペンによるメロウなヘヴィ・チューン“DISTRESS”等、本編には優れた楽曲がズラリ敷き詰められ、1曲目から8曲までの流れはグゥの音も出ない程の隙のなさ。これでラスト2曲がもうちょい締まった出来栄えだったなら完璧レベルだったのですが・・・。
とは言えそれも贅沢な文句か。個人的には復活ANTHEMの最高傑作に推したいぐらい気に入っている1枚です。


ANTHEM - Eternal Warrior - Distress ★★★ (2011-10-05 22:15:34)

これ清水昭男が作った楽曲だったんですね。
ギタリストのみならず、作曲者としての彼の豊かな才能が
如何なく発揮された、濃厚な哀愁に胸が詰まりそうになる
ヘヴィ且つメランコリックな名曲。


ANTHEM - Eternal Warrior - Life Goes On ★★★ (2011-10-05 22:12:05)

まさに男泣き!
こんな悲壮なメロディを思いつく柴田直人のセンスは脱帽もの。
そして、それをコブシ効かせてエモーショナルに歌い上げる
坂本英三の哀愁背負った歌唱も絶品です。


ANTHEM - Eternal Warrior - Onslaught ★★★ (2006-04-02 00:21:25)

未だにこんな名曲を生み出せてしまう、柴田直人の計り知れないポテンシャルに脱帽。
まさに天才。
こういう曲を歌わせたら、坂本英三の歌も天下一品!


ANTHEM - Gypsy Ways ★★★ (2011-09-22 22:54:10)

『BOUND TO BREAK』という名盤をモノにしながら坂本英三が脱退。バンドは直ちに後任として「和製グラハム・ボネット」の異名を取る逸材Vo、森川之雄を加入させ、再びクリス・タンガリーディスをプロデューサーに起用してレコーディング作業に突入、'88年にこの4thアルバムを発表した。
まさにメタルを歌うのに打ってつけだった坂本の金属質な歌声を「剛」とするなら、日本人離れしたパワーのみならず、情の深さも感じさせる森川の歌声は「柔」。そうした彼のしなやかな歌唱を得た事で、HM以外の何者でもなかった前3作のガチガチに硬派な鋼鉄路線に比べると、今回はKeyを隠し味に使用しサウンドが一気にスケールアップ。また、時に歌謡曲的臭みを発するメロディがこれまで以上に哀愁を帯びてキャッチーに練り込まれる等、より幅広いリスナー層にアピールし得る魅力を備えるに至った。
本作のハイライト・ナンバーたる“GYPSY WAYS”“LOVE IN VAIN”“CRYIN' HEART”“SHOUT IT OUT”を筆頭に、収録曲全てについて詳細に語れてしまうほど名曲が詰まった本編は『BOUND~』にも匹敵する捨て曲皆無の充実っぷりで、個人的にはANTHEMの全アルバムの中でもトップレベルで愛して止まない1枚。
確か柴田直人も、このアルバムが最もお気に入りだったんじゃなかったっけ?


ANTHEM - Gypsy Ways - Cryin' Heart ★★★ (2011-09-23 22:17:15)

アルバム中盤の山場を飾る疾走ナンバーだが、
ガチガチのHM路線をひた走っていた1st~3rdの頃と比べると、
肩の力が抜けて、より哀愁を帯びたメロディを
「聴かせる」姿勢が感じられる仕上がり。
ポップになったわけではなく、貫禄がついたと表現すべきか。


ANTHEM - Gypsy Ways - Gypsy Ways (Win, Lose or Draw) ★★★ (2011-09-23 19:25:15)

同じようにパワフルさを誇りながら、
直線的な坂本英三のVoとは趣きを異する
まろやかな感触も備えて朗々と歌い上げる
森川のVoが、楽曲にこれまでになかった
スケール感を与えている。


ANTHEM - Gypsy Ways - Legal Killing ★★ (2011-09-23 20:26:25)

大内貴雅のドスの効いたドラミングがこの曲の肝。
森川が凄んで歌うメロディは案外キャッチーだ。


ANTHEM - Gypsy Ways - Love in Vain ★★★ (2011-09-23 20:19:04)

これまでになかった、
都会的な洗練と哀愁を湛えて駆け抜ける
HRナンバーの名曲。


ANTHEM - Gypsy Ways - Shout It Out! ★★★ (2011-09-23 19:27:59)

ライブでの盛り上がりを約束する
勇壮且つキャッチーなHMナンバー。
アルバム・バージョンもカッコイイが、
『LAST ANTHEM』で聴ける観客との掛け合いを
効果的に取り入れたライブ・バージョンも素敵だ。


ANTHEM - Gypsy Ways - Silent Child ★★ (2011-09-23 20:21:07)

雄々しさと歌謡曲的な哀愁が同居した曲調は
何となく昭和アニメのOP曲っぽい雰囲気が漂います。


ANTHEM - HERALDIC DEVICE ★★ (2011-10-09 02:00:15)

こっちが「新生ANTHEM」だの「復活ANTHEM」だの言っている間に、当のバンドは順調にアルバム・リリースを重ねて本作で早13作目に到達。再結成してからは6枚目のフル・アルバムということで、気が付けば、あと1作で前期ANTHEMの作品数に並ぶところまで来てしまった。随分あっという間な気がするのはバンドの活動がそれだけ順調だった証でしょうね。
で。肝心のアルバムの内容に関しては、ANTHEM以外の何者でもないHMサウンドを展開しつつ、タフネスよりもメロディ重視という11th『IMMORTAL BIND』以降の方向性が今回も堅持されており、また、減少傾向にある昭和歌謡メタル的なクサメロよりも、洗練されたスマートでキャッチーなメロディが多く聴かれる辺りも近作の例に倣う。
それゆえ、柴田直人のB主導で突っ走るOPナンバー“THE SIGN”や、その勢いを引き継いでハジける“CONTAGIOUS”といった、まさしく「今」のANTHEMの魅力が凝縮された名曲を除くと、全体的にやや薄味な仕上がりの印象。
即効性に乏しい点は物足りなくも感じられるのだが、そうは言っても、猛烈な哀愁に思わず呻き声を上げてしまう“WAYFARING MAN”のような楽曲もちゃんと収録されており、決してメロディのクオリティが下がってしまったわけではない。
あと、個人的に本編で推しておきたいのが清水昭男(G)作曲の“CODE OF THE SILENCE”。作品毎に彼のペンによるインスト曲が収録されるのは再結成ANTHEMのお約束だが、その中でもこの曲の完成度はピカイチ。劇的且つ勇壮なテーマ・メロディに心震わされる度に「ソロ・アルバム作ってみない?」なんて思ったりもする次第。


ANTHEM - HERALDIC DEVICE - CODE OF THE SILENCE ★★★ (2011-10-09 02:05:05)

アルバム収録曲としても、清水昭男作曲のインスト・ナンバーとしても
ハイライト・ソング級の存在感を放つ名曲。
繰り返される勇壮なテーマ・メロディに、思わずメタル魂が燃え上がります。


ANTHEM - HERALDIC DEVICE - THE SIGN ★★★ (2011-10-09 02:07:55)

柴田直人のBとKeyがリード楽器の役割を果たす
異色曲だが、その上に乗る硬派な哀愁を帯びた
メロディは紛うかたなきANTHEM印。
アルバムOPナンバーにして、個人的には
本編のハイライト・ソングの一つですね。


ANTHEM - HERALDIC DEVICE - WAYFARING MAN ★★★ (2011-10-09 02:09:52)

これこれ。こういう坂本英三の熱唱が映える、
劇的且つ胸締め付ける哀愁を帯びた
メロディ展開がないと、ANTHEMのアルバムを
聴いた気がしませんね。


ANTHEM - Heavy Metal Anthem ★★★ (2011-09-27 21:51:04)

セットリストに関してはこちらのサイトが参考になるかもしれません。
ttp://www.geocities.co.jp/MusicStar-Live/7185/
(HYSTORYの項目からセットリストのページに飛ぶ事ができます)

ANTHEMの名曲をグラハム・ボネットが歌い上げるという、ファンに取っちゃまるで盆と正月が一緒に来たような贅沢極まる企画盤。しかもこれがANTHEM再結成への呼び水になったのだから、確かにこんなに嬉しい事はないですね。
選曲に関しては、やはり殆どが「和製グラハム・ボネット」こと森川之雄が歌っていた時代からのチョイスとなっており、また“WILD ANTHEM”や“NIGHT AFTER NIGHT”といった定番曲が外されているのも、本作がベスト盤ではなく、飽くまで柴田直人が「グラハムに歌って欲しい、もしくは彼に合う楽曲」を優先的に選出した結果なのかな、と。
それだけにANTHEMの楽曲と御大の歌唱は、違和感を覚える場面は皆無と言って良いぐらいにぴったりフィットしていますし、正直、本作に関してはANTHEMとやっさんの幸せな共演を楽しむばかりで、いちいち細部を批評する気にはなれないのでありました。(まぁ新曲なんかが収録されていたら尚嬉しかったんだけど)
今となっては難しいだろうが、選に漏れた楽曲で第2弾、第3弾もやって欲しかったなー。


ANTHEM - Hunting Time ★★★ (2011-09-23 22:19:00)

ANTHEMファンなら一度ぐらいは、自分が「坂本英三派」と「森川之雄派」のどちらに属するのか考えた事があるかと思いますが、活動後期にバンドに興味を持った我が身は断然森川派で(飽くまで再結成以前の話)、特に'89年リリースの本5thアルバムは、そんな彼のパワーと表現力を併せ持った絶品の歌声と、起承転結が完璧に決まった劇的極まりない曲展開とがガップリ四つに組んだ名曲中の名曲“HUNTING TIME”を収録した作品として、ファン人気の高い1枚として知られている。
全8曲とボリューム的にはやや小ぶりな内容ながらも、無駄に詰め込み過ぎるよりはずっと賢明な構成だし、収録曲一つ一つの完成度もハイレベル。前作『GYPSY WAYS』は森川の情念に満ちた歌声が映える歌謡曲的なメロディ使いが目立っていたが、今回はそうした要素は抑え気味に骨太でストレートな楽曲が顔を揃えており、殊に前述の“HUNTING~”を含む1曲入魂の名曲が連打される本編前半の隙のない流れはお見事。
その分アルバム後半が弱く感じられる点は惜しいが、それでもラストを締める“BOTTLE BOTTOM”がキレのあるHMナンバーゆえ聴後感はすこぶる快調。
森川を擁するANTHEMの創作意欲がいよいよピークを迎えていたことを如実に物語る充実作ですね。


ANTHEM - Hunting Time - Hunting Time ★★★ (2011-09-24 21:55:28)

獲得票数を見れば一目瞭然な通り、
ANTHEMの数ある名曲の中でも特に高い人気を誇る
起承転結が完璧に決まった名曲中の名曲。
個人的にも「ANTHEM=この曲」なイメージがあります。


ANTHEM - Hunting Time - Tears for the Lovers ★★★ (2011-09-24 22:01:47)

濃厚なエモーション背負って絡み付くような歌メロに
「よっ森川節!」と大向こうから声をかけたくなる、
重厚且つ劇的なヘヴィ・ナンバー。
収録位置もばっちりですね。


ANTHEM - Immortal ★★★ (2011-10-06 22:13:09)

新生ANTHEMのハード&へヴィな側面を追求したかのような屈強な作風に仕上がっていた10th『ETERNAL WARRIOR』から一転、曲によってはKeyを導入し、キャッチーなメロディ重視の姿勢を打ち出す等、新味を増量して曲調の幅を広げに掛かった'06年発表の11thアルバム。
“ONSLAUGHT”や“LIFE GOES ON”クラスの名曲が見当たらないため、購入当初は「前作には及ばない出来かなぁ」とも思ったものですが、繰り返し聴き込む内にジワジワと楽曲の良さが五臓六腑に浸透し始め、印象が向上。
“IMMOTAL BIND”や“ECHOES IN THE DARK”といったANTHEM印の名曲を手始めに、フック満載のメロディに彩られた捨て曲なしの楽曲群がぎゅう詰めの本作は、トータルの完成度ではラスト2曲が弱かった『ETERNAL~』をも上回るクオリティを有する印象。(その代わり前作のストロング・テイストを期待すると肩透かしを食う事になりますが)
スピード・メタリックなGリフが軽快に駆け抜けて行く“SOUL MOTOR”、Keyを効果的に味付けに使い、ミステリアスに浮遊するサビメロがRAINBOW風味も漂わす“MOB GROOVE”、哀メロとキャッチネスが絶妙に塗された歯切れの良いHRナンバー“THE BEGINING”といった、このアルバムならではの新味を携えた楽曲をきっちりと「名曲」レベルに昇華させる手腕は、流石ANTHEM、そして流石柴田直人といったところか。


ANTHEM - Immortal - Mob Groove ★★★ (2011-10-06 22:17:49)

Keyを巧みに用いて
ミステリアスに浮遊するサビメロが出色。
ちょっとRAINBOWっぽさを感じたりも。
個人的にもアルバムのハイライト・ソングに推したい1曲。


ANTHEM - Immortal - Soul Motor ★★ (2011-10-06 22:27:19)

MOTORHEADというか、80年代前半のスピード・メタリックな
Gリフに当初は違和感感じまくりでしたが、
聴き込む内に愛着が湧いてきました。
クセになる味がありますよね。


ANTHEM - Immortal - The Beginning ★★★ (2011-10-06 22:24:54)

リフとリズムは図太いが
哀愁を纏って歯切れ良く弾む曲調はキャッチー。
サビが良いねぇ。


ANTHEM - Last Anthem ★★ (2007-02-19 22:36:00)

皮肉な事に、ANTHEMのアルバムで一番最初に購入したのがこの作品でした。(バンド名は以前から知ってたけど)
いま改めて聴き直すと、音質やプレイ面で色々と粗も目立つものの、初めて聴いた時は単純に、
次々に繰り出されるハイクオリティなメタル・チューンの数々(選曲は文句なし。勿論漏れはあるが)と、
森川之雄の熱唱に「日本人でもこんなにパワフルに歌えるシンガーがいたんだなぁ」と圧倒されまくり。
彼の歌う“WARNING ACTION!"“LAST ANTHEM"“NIGHT AFTER NIGHT"“BOUND TO BREAK"といった、
ANTHEM初期の名曲群は、やはり強力だ。(1st時の坂本英三の歌唱も大概なもんだったしね/笑)
柴田直人のインタビューを読む限りでは、再発される事はあり得ない作品のようなので
(それともファンの声が高まれば封印が解かれる事もありうるのでしょうか?)、
今後も、ひっそりこっそりと愛聴していきたい1枚。


ANTHEM - No Smoke Without Fire ★★ (2011-09-24 22:04:15)

初の海外(ロンドン)レコーディング、元RAINBOWのドン・エイリー(Key)のゲスト参加、そして福田洋也(G)最後の参加作品・・・と、様々な話題を背負って'90年にリリースされた6thアルバム。(ちなみにタイトルは『火のない所に煙りは立たぬ』の意)
爆走する“THE VOICE OF THUNDERSTORM”“DO YOU UNDERSTAND?”のようなパワー・メタル・ナンバーを収録しつつも、作品自体は、これまではサウンドの隙間を埋めるための小道具程度の扱いに過ぎなかったKeyが完全にアレンジの一部に組み込まれて機能していたり(ドン・エイリーの存在が影響しているのかな)、またアリーナ・ロック調の“POWER & BLOOD”みたいな楽曲も収録する等、ANTHEMのアルバムの中では比較的ライトな作風に仕上がっている・・・と言えるかも。(飽くまで「彼らにしては」レベルだけどね)
尤も、泣きの入ったメロディとキャッチーに跳ねるKeyフレーズが印象的な“LOVE ON THE EDGE”はこのアルバムならではの名曲だし、森川之雄の情念迸る熱唱に昂ぶらずにはいられない“BLINDED PAIN”、そして何と言っても、個人的に森川時代の楽曲としては5指に入るぐらい愛聴している名曲“SHADOW WALK”の存在が本編をキリリと引き締め、本作もやっぱり「ANTHEMらしい名盤」との評価に揺らぎはない。


ANTHEM - No Smoke Without Fire - Blinded Pain ★★★ (2011-09-25 21:44:41)

この手の情念渦巻くムーディな楽曲歌わせると
森川は天下一品ですね。
終盤のエロチック(?)な熱唱が
息苦しい程の盛り上がりを演出してくれます。


ANTHEM - No Smoke Without Fire - Love on the Edge ★★★ (2011-09-25 21:42:46)

“SHADOW WALK”と並ぶ、アルバム『NO SMOKE WITHOUT FIRE』の
ハイライト・ナンバー。Keyが演出する軽快さはある意味「ポップ」とさえ
表現できそうだが、メロディはしっかりと泣いています。


ANTHEM - No Smoke Without Fire - Shadow Walk ★★★ (2011-09-25 21:39:29)

イントロのGリフ一発で虜となってしまう
“HUNTING TIME”と並ぶ森川時代屈指の名曲。


ANTHEM - Official Bootleg ★★★ (2017-12-30 23:33:47)

これまで未発表だったデモ音源やライブ映像、それに現在では入手困難なEXPLOTION RECORDS発のオムニバス盤『HEAVY METAL FORCE』に提供した楽曲等を、蔵から引っ張り出して来て柴田直人(B)監修のもと取りまとめた、CD2枚・DVD1枚からなる正に『OFFICIAL BOOTLEG』の名に相応しい作品。この手の高価なBOXセットは、資料価値に釣られて大枚はたいて購入するも、その行為自体に達成感を覚えてしまい、結局本編は大して聴かずに放置という本末転倒なことになりがちで、本作もしばらく棚で埃を被ってしまっていたのですが、EP『READY TO RIDE』の再発を切っ掛けに初期ANTHEMに対する情熱が再燃。ここ暫くは毎日のように聴いている次第で。
特にANTHEM初代フロントマンにして、ジャパメタ愛好家からは藤本泰司(G)率いるDANCERのシンガーとして有名な前田“トニー”敏仁が歌う“WARNING ACTION!”や“WILD ANTHEM”といった名曲や、完全未発表のDisk-B③④、更には中間英明(G)擁する編成でのライブDisk-A⑦⑧⑨まで聴けてしまうという大盤振る舞いは最大のトピック。これらに耳を傾けていて、自分の本作購入動機が上記楽曲群聴きたさだったことを今更思い出したぐらいですよ。トニーに関してはDANCER時代は「線の細いハイトーン・シンガー」との印象だったのですが、ここでのパワフルな歌いっぷりは柴田御大をして「エグイ」と言わしめるだけのことはあるな!と。余談ながら、彼が歌う“WILD ANTHEM”は何となくDANCERの名曲“BLUE FIRE”に通じるものがあるような、ないような?
あと、できれば『HEAVY METAL FORCE』シリーズの再発も是非お願いしたいところであります。


ANTHEM - Overload ★★★ (2011-10-04 22:50:21)

森川之雄(Vo)時代の楽曲を坂本英三(Vo)が歌っているような印象もあった再結成第1弾アルバム『SEVENTH HILL』に比べ、メロディのフックライン強化はもとより、星飛馬が瞳を燃やしながら泣いているかの如き(何だそりゃ)劇画チックなOPナンバー“REVENGE”、図太いリフの刻みから繊細なバッキングまで清水昭男の振れ幅の大きなGプレイが光る“VOICES”、ドスの効かせて突き進む“DEMON'S RIDE”という強烈な先制パンチを浴びせてくる冒頭3曲が雄弁に物語る通り、収録楽曲が一層屈強に鍛え上げられて「新生ANTHEMはこの路線で行くぜ!」との柴田直人(B)の気合が伝わってくるかのような、タフでストロングな作風に仕上がった、'02年発表の9thアルバム。
頭3曲は勿論のこと、中盤にはライブに欠かせないアルバム表題曲“OVERLORD”、後半にはノリ良く突っ走る“GOTTA GO”といった名曲が控える等、もしかして前作は小手調べだったんじゃねぇの?というぐらい粒選りの楽曲が並んでいる点も本作の強み。
再結成ANTHEMがいよいよ本領を発揮し始めたことが伝わってくる1枚ですね。


ANTHEM - Overload - Gotta Go ★★ (2011-10-04 23:02:09)

ああ、そうか。
言われて見れば一時期のLOUDNESSを
思わせる1曲かもしれませんね。
“GOTTA FIGHT”辺りと(タイトルだけでなく曲調的にも)
共通点が見出せるかも。


ANTHEM - Overload - Revenge ★★★ (2011-10-04 22:56:21)

こういう曲を歌わせると坂本英三は天下一品。
昭和のスポ根アニメばりに燃えながら泣いている歌声に
メタル魂を炙られますね。


ANTHEM - Overload - The Voices ★★★ (2011-10-04 22:54:10)

歌メロのカッコ良さと華のある清水のGプレイが光る名曲。
先行シングルに相応しく、アグレッシブだけどキャッチーな
仕上がりなのも素晴しい。


ANTHEM - Ready to Ride ★★★ (2017-12-29 09:59:41)

バンド自身のプロデュースでレコーディング作業を行い’85年に発表された、初見時に思わず「ダサッ」と呟いてしまった若気の至り感溢れるジャケットと、レーベル面に印刷された《今やパワー・メタル全開!A面に針を落とした瞬間からもうインパクトの連続!成長したアンセムの怒涛のようなサウンドにメタルゾンビも逃げ出す!?》という昭和センス爆発のひょうきん(死語)な叩き文句が目印の5曲入りEP。
長らくCD化が待望され続けたレア・アイテムで、内容は福田洋也(G)のペンによるキャッチー&ワイルドな“READY TO RIDE”と、終盤に繰り出される扇情的なGフレーズにグッとくる疾走ナンバー“SHED”という2曲の新曲に、1st『ANTHEM』収録曲である“STEELER”“ROCK’N ROLL STARS”“LAY DOWN”の英詞バージョンを加えた全5曲からなる構成。新曲・既発曲共に若さ漲るパワー・メタル・ナンバーばかりで、今聴くとコーラスの軽さといい、音質のラフさといい、坂本英三のVoの青さといい、どうしたって微笑ましさが先立つ部分がありつつも、この火傷しそうな熱さ、空回り上等の前のめりな爆発力には、やはり問答無用でメタル魂に火を点けられてしまいますよ。
収録曲はどれも1stや2ndのリイシュー盤でボーナス・トラックとして聴けてしまうため、現在では音源としての貴重度はそれほどじゃないかもしれませんが、やはりファンとしちゃEP単品でちゃんと所持したかったところなので、今回のCD化はまさに快挙。ありがとう、ネクサス!


ANTHEM - Seven Hills ★★ (2011-10-03 20:58:21)

柴田直人(B)、坂本英三(Vo)、清水昭男(G)、本間大嗣(Ds)というラインナップで復活を遂げたANTHEMが、'01年に発表した通算では8枚目となるニュー・アルバム。
上記面子での再結成がアナウンスされた当初は「Voは森川之雄じゃないのか・・・」との考えが一瞬脳裏を過ぎりもしましたが、アニメタルの大ヒットにより常に第一線でHMソングを歌い続け、持ち前の「メタルを歌うためにある灼熱声」に磨きを掛けていた坂本ほど新生ANTHEMのフロントマンの座に相応しい男はなく(森川も『まんが日本メタルばなし』を演ってたけどね/笑)、それはHMならではの硬質感と哀愁に満ちたメロディが同居する先行シングル曲“GRIEVE OF HEART”における、彼の堂々たる歌唱を聴けば明らか。
新生ANTHEMがこれ以降も傑作/力作を連発した事もあって、改めて対峙するとやや色褪せて聴こえる部分が無きにしも非ず・・・とは言え、前述の“GRIEVE~”と、本編後半のハイライトを飾る猛々しさ溢るる“RUNNING BLOOD”は、バンドの新たな代表曲と化した名曲であり、それ以外の楽曲にしても凡百のバンドには決して書けっこないレベル。
復活作に相応しいクオリティを有したアルバムである事は疑いようがありません。


ANTHEM - Seven Hills - Grieve of Heart ★★★ (2011-10-03 21:05:37)

これはまさにANTHEMにしか作り得ないタイプの名曲。
「歌謡メタル」ってのはけだし名言ですね。
個人的には森川時代を思い起こさせる楽曲なのですが、
それを見事に歌いこなす坂本のシンガーとしての
成長っぷりにも瞠目させられます。


ANTHEM - Seven Hills - Running Blood ★★★ (2011-10-03 21:00:58)

聴き手を鼓舞する勇ましさだけでなく、
キャッチーなノリの良さを備えている辺りも
素晴しいですね。


ANTHEM - The Show Carries On! ★★★ (2011-09-21 22:27:21)

2nd『TIGHTROPE』がアメリカでCMJチャート入りした事を追風に、渡米してLAのクラブで敢行したコンサートの模様を捉えたライブ盤。坂本英三最後の参加作品であり、ビデオ版も3ヵ月後にリリースされている。
これ以前にも、既にLOUDNESSやVOW WOWが海外でのライブを成功させていたわけだが、彼らは英詞メインで活動していたバンドであり、果たして日本語で歌うANTHEMが海外で受け入れられるもんなの?と恐る恐る聴いてみたら、これが大ウケしていて驚くやら安心するやら。
英会話能力の不足からかMCが単純なセンテンスの繰り返しに終始していたり、時々気不味い「間」が開いてしまったりする辺りには親近感を覚えずにはいられませんが(笑)、例えそれらを差し引いたとしても、全身全霊を込めてシャウトする坂本の灼熱のVoを手始めに、和製エディ・ヴァン・ヘイレンこと福田洋也のフラッシーなGプレイ、柴田直人の快調なBラン、そして走りまくりの大内貴雅のドラミング等、ANTHEMの魅力が余すところなく捉えられたライブ内容は火傷しそうなぐらいに熱い。
現在はリマスタリングが施され、語り継がれる伝説の「落雷Gソロ」まで収録した2枚組完全版(坂本英三のラスト・ライブ音源もオマケ収録)がリリースされているので、旧盤を持ってる方も買い直す価値大いに有りだ。


ANTHEM - Tightrope ★★ (2011-09-19 21:33:31)

1st『ANTHEM』との間にEP『READY TO RIDE』のリリースを挟んで'86年に発表された2ndフル・アルバム。
セルフ・プロデュースの上、殆ど一発録りに近いノリでレコーディングされたという本作は、音の悪さにかけてはANTHEMのアルバムの中でも1、2を争うが、その分ホットで荒々しい勢いが損なわれる事なく封入されており、全編に満ちる攻撃性の高さにおいてもANTHEMのカタログ中トップクラス。
デビュー作だって相当に荒っぽい内容だったが、未熟さゆえ図らずもラフな仕上がりになってしまったあちらに対し、今回は意図的に荒々しさが前面に押し出されているのが大きく異なる点で、例えばキャッチーなアカペラ・パートからスタートする“VICTIM IN YOUR EYES”、スラッシュ・メタルばりの突進力を誇る“DRIVING WIRE”、激烈にラストを締め括る“BLACK EYED TOUGH”といった怒涛の如きスピード・ナンバーの数々にも今回はきっちりとコントロールが効いている。硬派な哀愁背負って疾走する名曲“NIGHT AFTER NIGHT”なんて、一層逞しさと表現力を増したメンバーの成長っぷりがしかと刻まれた(未だライブでも欠か事の出来ない)初期ANTHEMを語る上で忘れてはならない本編のハイライト・ナンバーですね。


ANTHEM - Tightrope - Driving Wire ★★★ (2011-09-19 21:35:51)

確かにバンド史上最速ナンバーかも。
それでいてメロディにもちゃんとフックが効いていて
大味に流さない辺りが流石ANTHEM。


ANTHEM - Tightrope - Night After Night ★★★ (2011-09-19 21:45:51)

整合性よりパワー重視の楽曲が並んだ
2ndアルバムの中にあって、
後のANTHEMの方向性を指し示した必殺の名曲。
バンカラちっくな哀愁背負って疾走する
キャッチーなメロディに思わず男泣き。


ANTHRAX - Among the Living ★★ (2006-09-25 21:36:00)

Voが二ール・タービンからジョーイ・べラドナに代わって2作目、バンドの体制もより一層強固なものとなり、
いよいよ本領発揮といった感じの、'86年発表3rdアルバム。
前作「SPREADING THE DISEASE」では、未だ欧州へヴィ・メタルからの影響の名残りがそこかしこに見受けられたが
(そこがまた素晴しかったわけだけど)、今回はそうした要素は一掃・・・というか、その手の影響を完全に消化しきって
自らの血肉へと変え、METALLICAの構築美とも、SLAYERの破壊力とも、MEGADETHの複雑さとも違う、
エネルギッシュでスポーティな(汗の似合う)ANTHRAX流スラッシュ・メタルの創出に、見事成功している。
ヨーロピアン風味の湿り気は大きく後退したものの、躍動感溢れる縦ノリのリズム、引き締まったリフワーク、
そして、どことなく体育祭の応援団を思わせる、気合入りまくりの雄々しい野郎コーラスなど、
スラッシュ・メタル・バンドとしてのカッコ良さは飛躍的に増大。特に、へヴィなイントロから疾走に転じる①に始まり、
シリアスな名曲⑥に至るまでのアルバム前半構成は、「この1曲のためにアルバムを買っても損はない」レベルの
名曲が次々に繰り出されるという、全く隙のない圧巻のクオリティを誇る。勿論、全9曲捨て曲なしだ。
個人的には、ANTHRAXの(現時点での)最高傑作は、本作であると信じて疑わない。


ANTHRAX - Fistful of Metal ★★ (2006-09-23 02:34:00)

スラッシュ四天王の中で、個人的に最も思い入れが少ないのが実はANTHRAXだったりする。他の3バンドと違って
ライブを見た事がないからか、はたまた、アメリカンなネアカさが一番強く感じられるからか・・・理由は自分でも
よう分からんのだけれど、しかしそんな不届き者ですら、彼らの初期3枚のアルバムの完成度には、脱帽せざるを得ない。
特に、この'84年発表の1stは、他のスラッシュ四天王やEXODUSのデビュー作がそうであったように、NWOBHMからの影響が
微笑ましいぐらいにモロ出しで非常に好感が持てる1枚。中でも、アルバムをOPを猛スピードで駆け抜ける①や、
JUDAS PRIESTばりの攻撃的且つ華麗なツイン・リードGがドラマチックな④といった欧州風味の湿り気を帯びた楽曲は、
この1stでしか聴く事の出来ないタイプの名曲。実力的にはジョーイ・べラドナに及ばないとは言え、
如何にも80年代前半のメタル・シンガー的な二ール・タービンのヒステリックな濁声Voも、雰囲気を大いに盛り上げてくれます。
間違っても「ANTHRAXの最高傑作!」とは言えないし、突出した出来の数曲を除けば、残りは詰めの甘さを感じる曲が
多かったりするのだが、それでも気が付くとCDを手に取ってリピート再生しているという、クセになる仕上がりの作品である。


ANTHRAX - Fistful of Metal - Panic ★★★ (2007-01-25 22:28:16)

劇的なツイン・リードに欧州へヴィ・メタルからの影響が色濃く薫る、
『FISTFUL OF METAL』でしか聴く事の出来ないタイプの名曲。


ANTHRAX - For All Kings ★★★ (2016-04-09 10:06:14)

ジョーイ・ベラドナ(Vo)復帰2作目、SHADOWS FALLのジョナサン・ドネイズ(G)を擁するラインナップで'16年に発表されたニュー・アルバム。
今回は初手からジョーイの存在を念頭に置いて曲作りが進められたとのことで、そのためか、全体的にオーセンティックなHM風味が増強。方向性は2nd『狂気のスラッシュ感染』に通じるのですが、しゃにむに限界を押し広げようとする爪先立ち感覚が、スラッシュ・メタルならではの焦燥感/疾走感として具現化していたあのアルバムに比べると、本作はメンバーの技量や作曲能力が格段に洗練され、またサウンドの中核の為すジョーイの歌唱が余裕綽々なこともあり、随分とメロディアスな仕上がりになったとの印象が。
尤も、それが「ユルい」なんて意味じゃないことは、エピック・メタル調のインスト序曲①に続き、スラッシュ界屈指のリズム・カッター・トリオ、チャーリー・ベナンテ(Ds)、スコット・イアン(G)、フランク・ベロ(B)が歯切れ良く刻むリフ&リズムに乗り、タテノリ感全開で突っ走るANTHRAX印の名曲②を聴けば明らか。
ジョナサンのメロディアスなGプレイも映える勇壮&キャッチーなアルバム表題曲④、重厚且つ劇的な盛り上がりを有する⑨、緩急を効かせた⑪⑫、中盤・終盤をそれぞれ引き締めるスラッシュ・ソング⑧⑬等、現行ラインナップのタイトなチームワークが如何なく発揮された楽曲を多数収録、SLAYER、MEGADETHに続き「スラッシュ・メタル四天王ここに在り」の風格をアピールする充実作となりました。
これでMETALLICAが新作で健在を示してくれたら完璧なんですけどねぇ。


ANTHRAX - For All Kings - For All Kings ★★★ (2016-04-11 22:04:11)

朗々歌い上げられ、エピック・メタルと聴き紛うメロディアスなサビメロが
象徴するように、ジョーイ・ベラドナのVoが主役を張るアルバム表題曲。
聴いてるだけで身体が動き出すチャーリー・ベナンテのリズム・ワーク、
ジョナサン・ドネイズのメロディアスなリード・プレイはここでも良い仕事してます。


ANTHRAX - For All Kings - You Gotta Believe ★★★ (2016-04-11 21:57:00)

スラッシュ・メタル・シーン屈指のリズム・カッター・トリオが
歯切れ良く刻むリフ&リズムを伴って、タテノリで突っ走るアルバムOPナンバー。
ジョナサン・ドネイズのメロディアスなGプレイも大々的にフィーチュアされ、
これ1曲でニュー・アルバムの大体の方向性が把握できるという塩梅。
ちなみにCDジャケットだと1曲表記なんですが、実際は序曲〝INPALED”と
“YOU GOTTA BELIEVE”の2曲から構成されています。


ANTHRAX - Spreading the Disease ★★ (2007-04-17 21:36:00)

Voが二ール・タービンからジョーイ・べラドナに交代。陣容を整えて戦闘体勢に入った感のある'85年発表の2ndアルバム。
ANTHRAXの初期3作品はいずれも甲乙付け難いハイクオリティな内容を誇るが、中でも本作は
3rd『AMONG THE LIVING』と並んでバンドの最高傑作の呼び声も高い逸品。
とにかく、未だ欧州へヴィ・メタリックな雰囲気を色濃く残しつつも、デビュー作『FISTFUL OF METAL』から
格段にスピーディ且つエネルギッシュに研ぎ澄まされた収録曲のカッコ良さが半端じゃない。
何しろ、ビデオクリップも作られたバンドの代表曲③が、この中に並ぶと平凡に聴こえてしまうのだから、
本作のレベルの高さが分かろうというもの。勿論、捨て曲なし。
歌メロがIRON MAIDENを思わせる②、重々しくもメロディックな⑤、バラード調に始まりドラマチックに盛り上がっていく
⑦といった一際ヨーロピアンHMの香りが薫る楽曲や、思わずガッツポーズ物の高速スラッシュ・チューン⑨、
そして、欧州風味の湿り気とスラッシュ・メタルならではの疾走感が巧い具合に融合を果たした
④といった楽曲も素晴しいが、個人的には本作のハイライト・チューンは①で決まり。
クールなリフ、エネルギッシュにハジけるリズム、メロディアスに歌えるVoとが一丸となってキャッチーに疾走する
この縦ノリの名曲こそ、次作以降で花開くANTHRAX流スラッシュ・メタルの出発点だったんじゃないかな、と。


ANTHRAX - Worship Music ★★★ (2012-04-25 22:32:34)

ジョーイ・べラドナ(Vo)が出戻ったご祝儀代わりに購入したのですが、想像以上にイカした内容に驚かされた10thアルバム。
名手チャーリー・ベナンテの爆発的ドラミングに導かれてスタートする本作とは言え、今更彼らがストレートなスラッシュ路線へと後戻りするわけもなく、ここで開陳されているのは流行に敏感なANTHRAXらしく、疾走感はそこそこに、ヒネリを加えて刻まれるリフ&リズムと、肉厚でしなやかなグルーヴ、それに今風の空気感もしっかりと捉えられたメタル・サウンド。
そんなわけで2ndや3rdのノリを期待するとスカされること確実ですが、しかしながら昨今のスラッシュ・リバイバルに触発されたのか、はたまた、ここ数年アメリカのモダンなメタル・サウンドが一周回って正統派HM色を強めている事の証左なのか、本作がその端々においてオールドスクールな要素を増量している事は紛れもない事実。シンガーが快活な歌い回しを得意とするジョーイにチェンジしたことで、作品全体の歯切れの良さが強化された点もプラスに作用していますね。
そのジョーイが歌う憂いを帯びたキャッチーな歌メロと、正統派ヘヴィ・メタリックなフレーズを紡ぐ2本のGのカッコ良さには辛抱堪らんものがあり、③④なんて、初期の正統派/スラッシュ・メタル・テイストと現代的なエッセンス、そしてキャッチーなメロディとがハイレベルな融合をみた名曲ですよ。
雄々しく盛り上がる⑤、悲壮感を湛えた⑥、ツインGの絡みが印象的な⑨(その名も“JUDAS PRIEST”!)、メランコリックなヘヴィ・チューン⑩等、オールドスクールなメタル好きの耳をも捉える楽曲が顔を揃え、近年、ANTHRAXと距離を置いていた方にもお薦めできる1枚に仕上がっているのではないかと。


ANTHRAX - Worship Music - Fight 'Em Til You Can't ★★★ (2012-04-26 22:05:08)

シーン屈指のリフ・カッター、
スコット・イアンの妙技を堪能するならこの1曲。
タテノリで刻まれるリフ&リズムや、メロディックなGソロは
往年のANTHRAXを、憂いを帯びたメランコリックな
メロディ使いからはモダンな感覚も伝わって来る。
つまり両者の美味しいとこ取り。尚且つキャッチーなのも素晴しい。
この曲にピンと来たら、本アルバムは購入する価値ありですよ。


ANTHRAX - Worship Music - I'm Alive ★★★ (2012-04-28 01:15:37)

ズンズンと力強く刻まれるリフ&リズムに
「オ~オ~オ~♪」というエピック・メタル調の
コーラスが乗った勇壮なメタル・ナンバー。
曲調に併せてエモーショナルなソロを奏でる
ロブ・カッジアーノが良い仕事してます。


ANTHRAX - Worship Music - In The End ★★★ (2012-04-28 01:20:35)

弦楽器による短いイントロからスタートする
ヘヴィなミッド・チューン。
故ダイムバック・ダレルに捧げられているだけあって
全編が悲壮感に満ち溢れているが、メソメソせずに
空を仰いで黙って慟哭するかのようなソリッドな曲調が
このバンドならでは。
熱の篭ったジョーイ・べラドナの歌唱も素晴しい。


ANTHRAX - Worship Music - The Devil You Know ★★★ (2012-04-26 22:12:52)

ジョン・ブッシュが歌ってもハマりそうな曲調ですが、
ジョーイ・べラドナが歌ってこそのこの躍動感でしょうかね。
キャッチーで憂いを帯びたサビメロが秀逸で、
かつてのANTHRAXと現代のANTHRAXのサウンド・スタイルが
無理なく融合をみています。
1stシングルなのも納得。


ANVIL ★★ (2009-05-19 22:54:00)

映画雑誌を読んでいたら、『ANVIL! THE STORY OF ANVIL』という
ANVILのドキュメンタリー映画(!)の記事が目を引いた。
ツアーに出れば散々な目に遭い、CDを自主制作してもレコード会社から
「ロートルに用はねえよ」と門前払いを食ってしまうというドン底状態のANVIL。
だが映画のクライマックス、'06年に日本のLOUD PARKに出演した彼らは大観衆から喝采を浴びるのだった・・・
という紹介文を読んでるだけでかなりグッと来るものがあった。
日本でも公開してくんないかなぁ。


ANVIL ★★ (2009-08-11 10:23:00)



ANVIL ★★ (2009-10-10 01:31:00)

雑誌でANVILの特集が組まれたり、LOUD PARK 09での来日が決まったりと
数ヶ月前の状況が嘘のような盛り上がりっぷりで嬉しい限り。
LOUD PARK 06の時は、FAIR WARNINGの再結成公演とバッティングしたせいで
見に行けなかったので、今回こそは生で見られるといいなぁ。


ANVIL ★★ (2009-11-02 23:45:00)

俺も見てきましたよ、映画。
ドキュメンタリー見に映画館へ行ったのなんて何年ぶりだろう?
ともあれ内容は最高でした。
月並みな表現ですが、笑えるし、泣けるし、感動的。
特にクライマックスのLOUD PARKのシーンは、その前にヨーロッパ・ツアーで
酷い目に遭ってるANVILの姿を散々見せられてるだけに、一層感動的に映りましたね。
(客が4、5人しかいないライブも悲し過ぎるが、個人的にもっと痛かったのは
1万人収容できる会場に客が100人しか来てないライブでしょうか)

尚、映画を見た帰り道『THIS IS THIRTEEN』を購入した事は言うまでもありません。


ANVIL ★★ (2010-04-21 00:02:00)

ANVILの東京公演二日目に行って参りました。いやー、良かった。
「平日だし、雨降ってるし、客入り悪かったらバンドに申し訳ないなぁ」
とか戦々恐々としながら足を運んだのですが、ちゃんと会場は
埋まっていましたし、何よりファンの尋常ならざる盛り上がり具合が
凄まじかった。自分らだけでなく、バンドにも喜んで貰いたいという
献身が感じられてちょっとホッコリしましたね。
心底嬉しそうな笑顔を浮かべながら動き回るリップスが、非常に
チャーミングなオッサンっぷりを発揮していて、そりゃファンも
献身的になるよなぁ、と妙に納得。また、全く休むことなく百面相を
炸裂させながらドラムセットと格闘する、ロブの豪快なドラミングも痛快でした。
この後には大阪と広島公演もあるようなので、行こうかどうか
まだ悩んでいる方は、是非とも足を運ぶ事をお薦めさせて頂きます。


ANVIL - Absolutely No Alternative ★★★ (2021-07-12 22:49:34)

前作のジャケットではアコギをぶっ壊していましたが、今回はオーディオを完膚なきまでに破壊する金床ジャケットが目印の’97年発表の8thアルバム。
『断じてオルタナティブに非ず』という表題が力強く宣言する通り、本作でも徹頭徹尾、オールドスクールなパワーメタル・サウンドが炸裂。何せOPナンバー①のタイトルからして“OLD SCHOOL”というヒネリのなさ。この直球勝負の姿勢は楽曲の方にも反映されていて、重厚感を増した音作りの下、耳に突き刺さるリップスVo、手の骨折を押して弾きまくるG、相変わらずの音数の多さで荒れ狂うロブのDsとが、これまで以上にヘヴィネスを伴い押し寄せる様は、群がる観衆を蹴散らしながら花道を入場してくる昭和の外人プロレスラーばりの威容を誇っています。特に①における、2、3曲分の音符を無理やり1曲の中に詰め込んだみたいなロブのリード・ドラムっぷりは笑っちゃうぐらいに圧巻。
「元祖スラッシュ・メタル」と評される一方で印象的なメロディも散りばめられていた80年代の作品群に比べると、「フックってパンチのことだろ?」というリップスのきょとん顔が思い浮かぶような、馬力にあかせてブン殴りにくる本作のスタイルはキャッチーさに乏しく、大味っちゃ大味。しかしながら、変に気取らずドカ盛りの定食で腹いっぱいにしてくれる下町の飯屋みたいな熱気とサービス精神漲る本編は、足繁く通う常連客よろしく繰り返し聴き込むことが全く苦にはなりません。メタル愛を高らかに表明する一方、堅苦しくなり過ぎず歌詞は下品でバカ(誉め言葉)という「顔は真剣だけど社会の窓は全開」みたいな隙の多さが実に愛すべき1枚。


ANVIL - Absolutely No Alternative - Old School ★★★ (2021-07-13 23:52:22)

愚直なタイトルそのまんまに、ゲンコでガンガンぶん殴りに
くるような迫力に満ちたパワー・ナンバー。
ドラムキットと格闘するロブの姿が目に浮かぶような
ギュウギュウに音数を詰め込んだドラミングが痛快です。


ANVIL - Forged in Fire ★★ (2010-05-04 22:31:00)

意表を突いて、妖しくドゥーミーなヘヴィ・チューンで本編の幕が開く'83年発表の3rdアルバム。
と言っても、おどろおどろしいリップスの歌唱が映えるその①は、現在でもライブに欠かす事の出来ない
ANVILの代表曲の一つだし、それ以外にも本作には、より雄弁に歌うようになったリップスのVoと、音数の多い
ロブ・ライナーのドラミング(ちょっと不安定だけどね/笑)を活かして前へ前へと押し出してくる、
彼ららしいパワフル且つキャッチーな名曲・佳曲がズラリ顔を揃えている。
スラッシュ・メタル勃興に大きく貢献した、前作『METAL ON METAL』に比べると幾らか荒々しさは減ったものの、
その分、重厚感、整合性、それに金属的色艶は格段に増しており、ちょっとRAVENの『ALL FOR ONE』を
思い起こさせる方向性かな、と。(そういやANVILの映画にちらっとマーク・ギャラガーが出てましたね)
前述の①、スラッシーなスピード・ナンバー②⑨、IRON MAIDENの“WRATHCHILD"を彷彿とさせる⑤、NWOBHM風の⑧、
猛々しく畳み掛ける好戦的なラスト・ナンバー⑩・・・といった楽曲も強力な仕上がりだが、
個人的に本編のハイライトは勇ましくドラマティックな名曲③で決まり。これを聴くと、前作からバンドが
その作曲能力(とアレンジ・センス)に、しっかりと磨きをかけてたことが良く分かります。
全盛期のANVILの勢いが封じ込められた『METAL ON METAL』にも引けを取らない力作。(本作発表後、初来日)
せっかく映画を切っ掛けに再評価の機運が高まっているのだから、この時期の作品の国内盤を
まとめてリリースしてくれると嬉しいんだけどなぁ。


ANVIL - Forged in Fire - Free as the Wind ★★★ (2010-05-04 22:22:27)

従来のANVIL流メタルとは趣きを異する
どちらかと言えば様式美HM寄りのナンバー。
個人的に彼らの作品で一番好きなのは
『METAL ON METAL』だけど、曲単位なら
このドラマティックな名曲が一番好きだ。


ANVIL - Forged in Fire - Winged Assassins ★★ (2010-05-04 22:30:02)

唸りを上げるB主導で重心低く突進する、
アルバムのラスト・ナンバー。
これより速い曲は同アルバム中にも存在するが、
攻撃性にかけてはこの名曲が一番。


ANVIL - Hope in Hell ★★ (2014-02-10 22:57:18)

輸入盤が出回り始めてから随分と経つのに、いつまでも国内盤が発売されず「まさか今回は出さないつもりでは・・・」とヤキモキしていたところで、漸く昨年末に国内盤のリリースが実現したANVILの15thアルバム。ちなみにHELLHOUNDのCROSSFIRE氏が思い入れたっぷりの解説文を寄稿していて、これはナイス人選。
映画にも出演していたグレン・ファイヴ(B)が脱退してしまいましたが、最早リップスの熱血VoとGプレイ、ロブ・ライナーの暴れ太鼓さえあればANVILサウンドが成立することは衆目の一致するところであり、今作も「らしさ」は微動だにせず。あと後任ベーシストが元CITIESってのもピッタリな人事過ぎてちょっと笑っちゃいましたよ。
重厚な仕上がりだった前作『JUGGERNAUT OF JUSTICE』の反動か、今回は全体的にシンプルなロックンロール・ナンバー中心の構成が取られていて、1曲ずつピックアップすればこれはこれで悪くないのですが、通して聴くとやや覇気とダイナミズムに乏しい印象かな?と。ヘヴィネス渦巻く①や、ANVIL版“SMOKE ON THE WATER”といった趣きの③のようなヘヴィ・メタリックな楽曲も収録されはいるんですけどね・・・。
ファンなら勿論「買い」ですが、入門盤にはちと不向きな1枚か。


ANVIL - Juggernaut of Justice ★★★ (2011-07-31 22:50:46)

レコード会社からのバックアップや、売れっ子プロデューサーの起用等、かつてないレベルの潤沢なレコーディング環境(ANVILがデイヴ・グロールのスタジオでアルバム作りをする日が来ようとは・・・/笑)を手にして制作された14thアルバム。
その結果、本作は全編にリップス(Vo、G)の100万ドルの笑顔が目に浮かぶような、前向きでポジティブな雰囲気が充満。初期RIOTを彷彿とさせるハード・ドライヴィンなアルバム表題曲①を皮切りに、リップスが生み出す勇ましくすこぶるキャッチーなメロディに、ロブ・ライナー(Ds)とグレン・ファイヴ(B)の強靭なリズム・セクションがラウドに炸裂する収録楽曲は、映画の高評価を追風にメンバーがノリノリで曲作りを行った事が如実に伝わってくる充実っぷり。
OPナンバー以降も、タイトでヘヴィ・メタリックな疾走ナンバー②④⑥⑧⑩、BLACK SABBATHへ敬愛の捧げられた重厚な③⑪、キビキビと歯切れのいい⑦、タイトル通りのスウィング感が気持ちいい⑫等、ガッツとエネルギーに満ち溢れた楽曲が連続する、全盛期に肉薄せんばかりの鋼鉄スピリッツが封入された会心の1枚。(THE RODSの復活作に通じるモノも感じられたり)
これだけ確かなクオリティを備えているのだから、願わくば、本作が日本でもヒットしてANVIL人気が一過性のものではなかった事を証明して欲しいところです。


ANVIL - Metal on Metal ★★ (2007-06-13 21:47:00)

EXCITERと双璧を為す、カナダ出身の元祖スラッシュ・メタル・バンド、リップス(Vo)率いるANVILが
'82年に発表した2ndアルバムにして、“METAL ON METAL"“MOTHRA"“JACKHAMMER"“666"といった
ANVILを語る上で欠かす事の出来ない名曲を多数収録した、彼らの代表作と言うべき1枚。
カミソリの如く切り裂くように疾走しまくるEXCITERに比べると、こちらはもう少しオーソドックスというかメロディ重視のサウンドで、
楽曲は意外なくらいキャッチー(ポップという意味ではない)。勇壮なインスト曲④や、初期RIOTにも通じる哀愁を漂わせた
⑧のようなハードロック・チューンを収録していたりするので、EXCITERよりもかなり取っ付き易く感じられるかも。
とは言え、やはり「元祖スラッシュ・メタル・バンド」の称号は伊達じゃなく、アルバム全編に漲る攻撃性は
同年代のバンドに比べるとズバ抜けて高濃度。有無を言わせぬスピード感こそそれ程ではないものの、パワフルなメタル・アンセム①、
ゴジラではなくモスラというチョイスが渋い(?)②、哀愁を帯びて疾駆するRIOT風味の⑤、本編最速ナンバーの⑩といった
名曲群におけるエッジの立ったリフの刻みや、全楽器が一丸となって生み出す突進力は文句なしでスラッシュ・メタル的だ。
本作発表当時、本国よりもNWOBHMに沸くイギリスで高い評価を受けたというのも大いに納得のいく名作。
尚、バンドは現在も元気に活動中で、去年もLOUD PARK06に参戦するために唐突に来日。
オールド・スラッシャーを「なぜANVILが?」と不思議がらせつつも大いに喜ばせた。


ANVIL - Metal on Metal - Mothra ★★ (2007-06-13 21:54:07)

ゴジラではなく、モスラというチョイスが渋いねぇ。
とは言え、タイトルこそ色物臭いが、これが真面目に
アルバムの中でも1、2を争う名曲なんだから侮れない。
中盤、テンポ・チェンジする場面のカッコ良さときたら!


ANVIL - Pound for Pound ★★ (2012-03-22 22:39:27)

レコーディングの最中から既にバンドに対する情熱が感じられなかったというデイヴ・アリソン(G)が脱退。デビュー以来続いたオリジナル編成では最後のスタジオ作品となってしまった'88年発表の5thアルバム。
ANVIL史上、最もポップ方向に振れた内容だった前作『STRENGTH OF STEEL』(個人的には傑作だと思うんだけど・・・)の出来を省みて、一転、ヘヴィネスとアグレッション全開でレコーディングに挑んだという本作は、実際開巻早々から、メンバーが「パワー/スラッシュ・メタル版“666”」と語る名曲“BLOOD ON ICE”をもって強烈な先制パンチを浴びせかけてくる。
特に今回、主役級の存在感を発揮しているのがロブ・ライナー(Ds)その人で、硬質なサウンド・プロダクションの下、ありったけのオカズを詰め込んで荒れ狂う彼のドラミングは、前述の“BLOOD~”から、タイトル通りビシビシと銃弾を体に撃ち込まれているかのような感覚が味わえる“MACHINE GUN”、そして強面のへヴィ・チューン“FIRE IN THE NIGHT”に至るまで、全編に亘って冴えまくり轟きまくり。ロブの演奏を追っているだけで本作は楽しむ事が出来きますね。
反面、へヴィさに拘り過ぎるあまりメロディにフックが欠け、従来の彼らの持ち味だった「キャッチーさ」が発揮し切れていないという弱点も抱えているのですが・・・。
手持ちのANVILのカタログの中では印象の弱い1枚ではあるものの、例えばNASTY SAVAGEみたいなアメリカン・パワー/スラッシュ・メタルがイケル口の人なら問題なく楽しめる作品かな?と。


ANVIL - Pound for Pound - Blood on the Ice ★★ (2012-03-23 05:31:06)

ANVILの「元祖パワー/スラッシュ・メタル・バンド」
としての矜持が炸裂するアグレッシブなOPナンバー。
リップスのVoやGにしろ、ロブのドラミングにしろ
非常に攻撃的で、素手で顔面をガツンガツン殴りつけてくる
ような迫力と怒りに満ち溢れた仕上がり。


ANVIL - Speed of Sound ★★★ (2020-10-19 23:53:19)

ドキュメンタリー映画で再ブレイクの切っ掛けを掴んだANVIL。それは単に幸運が転がり込んできたのではなく、メタル冬の時代である90年代にも挫けず、また「お、まだやってんかい」ってな無神経な輩(俺ですが)の言葉にも心を折られることなく、ヨーロッパに活路を見い出して地道にアルバム・リリースとツアーを重ねた時期の踏ん張りがあったればこそ。
本作はミュージシャン稼業だけでは家族を養っていけないので、それこそリップス(Vo、G)が給食のおじさんとしても糊口を凌いでいた時期(’99年)に発表された9thアルバム。ここに託されているのは、ダンプカーが屋台や通行人を蹴散らしながら爆走するアクション映画のカーチェイス・シーンを彷彿とさせるパワー・メタルで、ぶっちゃけ『SPEED OF SOUND』という直球極まりないタイトルと、翼とジェット・エンジンを装着した金床(ANVIL)が空飛んでるという底抜けにゴキゲンなアートワークが全てを物語る通りの、ヒネリも何もないサウンドです。良い意味で。
バラードには目もくれず、終始肩をいからせまくりの楽曲からは、80年代ANVILサウンドの魅力の一端を担っていた「メロディのキャッチーさ」が薄れてしまっていて、そのせいかリップスのVoやG以上に、ロブ・ライナーの猛烈なドラミングの方が目立っていているという。特にブラスト・ビートまで飛び出す⑤(キャプテンの解説によれば元ネタはTERRORIZERらしいのですが)は本編のハイライト的インパクトを放っていますよ。
「夢を諦めない」ド根性とエネルギーが濃厚に渦巻くパワフル極まりない1枚。迂闊に手を出すと胃もたれ必至なので胃腸薬片手にどうぞ。


ANVIL - Speed of Sound - No Evil ★★★ (2020-10-20 23:58:12)

ロブ・ライナーの荒ぶるドラミングが主役を張るスピード・ナンバー。
ブラスト・ビートまで飛び出すハッスルぶりにたまげますが、
単に奇をてらっただけでなく、暴風の如く吹き荒れるアグレッシブな楽曲は
アルバムのハイライトに推したいぐらいのカッコ良さを誇っています。