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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3101-3200

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3101-3200
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KILLERS(FRENCH) - ...Fils de la haine - Mercenaire ★★★ (2020-01-26 22:11:03)

3分弱のタイトなランニング・タイムをひたすら直線的に突っ走る
スピード・メタル・チューンながら、フランス語の歌詞が生み出す
柔らかな感触(声質はオッサン臭いのに)と、Voが歌う憂いを湛えた
メロディの魅力とが相俟って、いっそ優雅な印象さえ受ける
独特の味わいの名曲に仕上がっています。


KILLERS(FRENCH) - Cités interdites ★★★ (2021-02-03 23:14:02)

80年代初頭の結成以来、メンバー・チェンジを繰り返しながら現在も活動中という、ブルーノ・ドルギー(G)率いるフランスのKILLERSが’92年に発表した、嘗て新星堂から発売されていた帯付輸入盤には『閉ざされた都市』なる邦題が冠されていた5thアルバム。
声がウド・ダークシュナイダー激似だった前任シンガーがいつの間にか脱退しており、後任として加入したVoはも少し柔軟に歌えるタイプ。それに合わせてか音楽性の方にも若干の変化が見受けられ、「フランスのACCEPT」と評された初期の馬力にあかせて走りまくるスピード・メタル・スタイルは後退。代わって機動力に富む2本のGが切れ味鋭く動き回り、シンガーが時折フランス産ならではの優美なメロディを歌い上げる(語感の柔らかさもそれに貢献)、よりスマートでメジャー感溢れる正統派サウンドへとシフトしています。
とはいえメタル以外の何者でもないサウンドに違いはありませんし、シーンがダーク&ヘヴィ一色に塗り潰されようとしていた'92年という時代を鑑みれば、この愚直に貫かれたオールドスクールっぷりは頼もしいことこの上なし。特にイントロで焦らした後、痒い所に手の届く2本のGに先導されて疾走する②のカッコ良さは相当なもの。憂いに満ちたメロディを重厚に聴かせる③、山あり谷ありの曲展開からジャーマン・メタルっぽさも漂う④⑦、タイト&キャッチーな曲調とクラシカルなGソロが印象に残る⑧等もなかなかですよ。
バカバカしいまでの迫力を誇った1stの頃の作風を恋しく思わないわけではありませんが、音質が向上し、好き者以外にもアピールし得るより普遍的な魅力を獲得した本作の方が、入門盤としては薦めやすいのかなぁと。


KILLERS(FRENCH) - Cités interdites - L'armée de la mort ★★★ (2021-02-05 01:03:11)

アコギによるイントロの焦らしを経てスタートするアルバムのOPナンバー。
馬力にあかせた猪突猛進ぶりが薄れ、リフにリードに切れ味鋭く
動き回るメロディックなツインGを活かして、よりシャープ且つスマートに
磨き上げられた正統派HMチューンとしての味わいが強く感じられる
KILLERSの新たな魅力が開花した名曲です。


KIM KYUNG HO - 00:00:1998 ★★ (2009-04-12 22:44:00)

HR/HM好きとして知られ、最近はSABER TIGERの木下昭仁(G)とコラボったEPも発売されている
韓国出身のソロ・シンガー、キム・ギョンホが'98年に発表した3rdアルバム。
全曲が韓国語で歌われ、歌詞カードを読んでもハングル文字が並んでいて、曲名すらチンプンカンプンな本作だが、
にも拘わらずしっかりと楽しめてしまうのは、声域/声量/表現力を兼ね備えたキム・ギョンホのエクセレントな
歌声によって紡がれる、胸を打つ哀愁に彩られた叙情メロディの魅力ゆえ。特に、美しいアコギとストリングスを
フィーチュアした③、本編のハイライト足るドラマティックな④、歌謡曲に通じる泣きメロに思わずコブシが回る⑥、
分厚いコーラスが印象的な⑧といった、ミディアム/スロー・テンポのバラード系ナンバーの出来栄えは絶品だ。
本国韓国では、ビジネス上の戦略からポップなサウンドを志向せざるを得ない状況らしいが、耳をつんざくハイトーン・シャウトで
幕が開く①や、イングヴェイばりのネオクラシカル・チューン⑥といった、ハードロッキンなナンバー(不似合いな⑪はどうかと思うが)
を収録して要所をグッと引き締める本作は、そんな彼のカタログの中では比較的ハードな作風を誇る1枚(らしい)。
キャリアの絶頂期を極めんとするキム・ギョンホの勢いが如実に反映された、HR/HMリスナー向きの充実作かと。


KIM KYUNG HO - Chepter Zero ★★ (2009-06-23 23:32:00)

韓国の実力派シンガー、キム・ギョンホがSABER TIGERの木下昭仁を曲作りのパートナーに迎えて制作した、
新曲(①④)、ソロ作のリメイク(②⑤)、そしてFIREHOUSEのカヴァー(③)で構成される5曲入りEP。
圧巻の歌唱力を誇るキム・ギョンホと、Gプレイ及び曲作りの上手さには定評のある木下の組み合わせゆえ、
クオリティが低い筈はなく、全5曲、何れも聴き応え十分の仕上がりながら、新曲に関して言うならば、フックの効いた
メロディの充実度は流石なのだが、全体的にヘヴィ過ぎるというか、やはりこの人にはバラード②のような
メロウな楽曲を情感たっぷりに歌い上げて欲しい、というのが正直な感想。慣れない英詞という事もあってか、
どうにも彼の歌唱が不完全燃焼に感じられ、ソロ作で聴けたような悶絶号泣モノの熱唱が炸裂する場面は少ない。
これなら無理に英語で歌わない方が良かったような・・・でも日本進出の為にはこうじゃなきゃ駄目なんだろうなぁ。
尤も本作は、全5曲というボリュームや、そのものズバリなタイトルからも明らかなように、日本のHR/HMリスナーへの
名刺代わりの作品でしかないわけで、フル・アルバムへの期待を高める意味ではキッチリと役割を果たしていると言える。
そんなわけで、早くフル・アルバムを作ってね。


KIMBALL JAMISON (2013-02-17 02:05:07)

ラッセル・アレンとヨルン・ランデによるALLEN/LANDEといい、マイケル・キスクとアマンダ・ソマーヴィルによるKISKE/SOMERVILLEといい、シンガー同士をコラボさせることにも熱心なFRONTIER RECORDSの後押しを受けて立ち上げられた、TOTOのボビー・キンボールと、SURVIVIORのジミ・ジェイミソンによるボーカル・プロジェクト。
ちなみにプロデューサーはマット・シナー(Bも兼任)で、バックを固めるのもアレックス・バイロット(G)にジミー・クレシック(Key)ら、彼の人脈に連なる面子で固められています。


KIMBALL JAMISON - KIMBALL JAMISON ★★★ (2013-02-17 02:06:16)

'12年に発表されたジミ・ジェイミソンのソロ作『NEVER TOO LATE』が非常に優れた出来栄えだったので、今更ながらこちらも落穂拾い。
名前からも分かる通り、TOTOのボビー・キンボールとSURVIVORのジミ・ジェイミソンという大御所2人によるメロハー・プロジェクトで、FRONTIER RECORDSのバックアップを受けて'11年に発表された本作は、そのデビュー作。
SINNER~PRIMAL FEARのマット・シナーがプロデュースを担当し、WORK OF ARTのロバート・サール、ECLIPSEのエリック・マーテンセンら辣腕ライター達が腕を振るう本作は、全編、ボビーの艶やかな歌声と、ジミの太く逞しい歌声が映えるスケールの大きなメロディアスHRサウンドが貫かれています。
どっちのソロ・アルバムとしても十分通用しそうな作風は、裏を返せば別にデュエットする必要性もあんま感じられなかったりもするのですが、まぁそんな野暮なことは言わず、素直にこのゴージャスな競演と、彼らが歌うに相応しいハイクオリティな楽曲の数々を堪能するのが吉というもの。
個人的には、①④⑪といったハード且つドラマティックな楽曲がお気に入りなのですが、中でもハイライト・ナンバー推したい名曲④を手掛けているのがジム・ピートリックってのも、SURVIVORファン的には嬉しいものがありますねぇ。
是非、今後とも継続して欲しいプロジェクトであります。


KIMBALL JAMISON - KIMBALL JAMISON - CHASING EUPHORIA ★★★ (2013-02-17 23:37:40)

ジム・ピートリック作曲の力強くシャープなHRナンバーで、
これが「アルバムのハイライト!」と太鼓判押したくなるカッコ良さ。
ボビー・キンボールとジミ・ジェイミソンの歌唱はどっちも個性が強過ぎて、
「ハーモニー」と評せるほど調和が取れているわけではないのですが
ご両人とも非常に気持ち良さげに熱唱しておられ、
これはこれで味が合って良いのではないか?と。
いや本当に。


KIMBALL JAMISON - KIMBALL JAMISON - KICKING AND SCREAMING ★★★ (2013-02-18 20:53:28)

W.E.T.等への楽曲提供もしているエリック・マーテンソンと
ミカエル・パーソンのペンによる楽曲で、
タイトルに相応しいハードネスを効かせつつ、
悲哀を帯びてドラマティックに盛り上がる曲調が
「流石!」と膝を打つ素晴しさ。


KIMBALL JAMISON - KIMBALL JAMISON - WORTH FIGHTING FOR ★★★ (2013-02-18 20:56:23)

WORK OF ARTのロバート・サール提供曲。
爽快にして壮大。
聴き手を一気にアルバムへと惹き込んでいく
求心力を備えた、まさしくOPナンバーに
相応しい貫禄を漂わす逸品です。


KING DIAMOND ★★★ (2013-10-15 23:28:07)

今年のラウド・パークは行くつもりがなかったので
ラインナップをろくに調べてもいなかったのですが、
中古盤屋に貼られていたポスターを見てびっくり。
2日目のトリを務めるのはKING DIAMONDなんですね。
攻めてるなぁ、主催者。
 
ちょっと行きたくなってきましたよ。


KING DIAMOND - Deadly Lullabyes “Live” ★★★ (2016-10-05 23:41:49)

LOUD PARKの予習用に購入した2枚組ライブ盤。尤も、ご存知の通り来日はドタキャンされ、HR/HMファンの間でキング株が大暴落したことは記憶に新しいところです。本作については当初売却も考えたものの、しかし聴けば聴くほど素晴らしい内容なんですよ、これが。今じゃすっかり愛聴盤と化してしまい、「手放すなんてとんでもない!」と。
個人的にKING DIAMONDの楽曲と言うと、プログレ・メタルばりに凝ったアレンジ&複雑怪奇な曲展開のイメージが強かったのですが、ライブで聴くと、(そうした要素を当然内包しつつも)ツインGの劇的なハモリが散りばめられた楽曲は、もっとストレートに疾走感とアグレッションが強調されていて、正統派HM然としたカッコ良さがダイレクトに伝わって来ます。無論、高音と低音を忙しなく行き来する「一人ノリツッコミ」みたいなキングの面妖な歌唱と、手練れ揃いの楽器陣により醸し出される、ホラー映画のサントラに通じる不穏且つ怪しげな空気も、例えライブと言えども微塵も損なわれてはいませんが。
いきなり名盤『ABIGAIL』収録曲の連打で会場のボルテージをMAXまで引き上げるDISC-1、初期の代表曲乱れ打ちのDisc-2、そのどちらも素晴らしく、特にメンバー紹介を挟んでスタートする“HALLOWEEN”前後の盛り上がりは圧巻。この曲に限らず、終始コーラスを歌いまくり、隙あらば「ダイアモンド!ダイアモンド!」コールを繰り返す観客の熱狂も相当なもので、そりゃキングさんだって「アンビリーバボ、メ~ン!」と感動しますわなと。
来日キャンセルの件を聞いた当時、実は大してガッカリしてなかったんですが(熱心なファンでもないので)、本作を聴いてしまった後では、やっぱりライブ見たかったなぁ!と思わざるを得ませんよ。


KING DIAMOND - Fatal Portrait - The Candle ★★★ (2010-09-08 22:18:51)

雰囲気たっぷりのイントロといい、
キングの薄気味悪い歌唱といい、
個人的に「KING DIAMOND」と聞くと
この曲の事が思い浮かびます。

学生時代、カセットテープにダビングして
コンビニの夜勤に行く途中でこの曲を聴いていたら、
夜道がとても恐ろしく感じられて仕方ありませんでした。


KING KOBRA - II ★★ (2019-03-12 00:08:28)

忘れた頃に新作を届けてくれる復活KING KOBRAが'13年に発表した5th。だのにタイトルが『Ⅱ』なのはカーマイン・アピスお爺ちゃんがボケちゃったから…ではなく、オリジナル・メンバーが再結集(シンガーを除く)して作った2枚目のアルバムという意味なのだとか。
シンガーは今回もポール・ショーティノ。実力はとうの昔に証明済みの本格派ながら、タイプ的にはブルージーでソウルフルな歌い回しを得意とする人。オリジナルVoのマーク・フリーとは声質から歌唱スタイルまで大きく異なるので、こちとら「ミスキャストだわー」とテンションだだ下がりで、発表当時は購入スルーを決め込んでしまいましたよ。
しかし本作、そうしたこっちの不見識を嘲笑うかの如く出来が良い。ショーティノの資質に合わせたのか、全体的に埃っぽさを増したHRサウンドは、メンバーのパフォーマンスの成熟具合と相俟って実に味わい深く、それでいて年齢相応に落ち着いてしまったわけじゃないことは、カーマイン総帥のパワフルなDsに引っ張られて疾走する“READY TO STRIKE”風OPナンバー①や、アップテンポの⑦といったエネルギッシュな楽曲のカッコ良さが証明してくれている通り。全体的に収録曲の出来・不出来にムラがあるものの、ダレそうになると、遊び心を感じさせる④、女性コーラスをフィーチュアしたソウルフルなバラード⑤、壮大な盛り上がりを呈する⑪といった佳曲で場を引き締めに掛かる卒のない手腕は、流石ベテラン・バンドといったところ。
ジャケットに漢字で「蛇」と書かれているせい…というわけでもないのでしょうが、時折WHITESNAKEっぽさも感じられる正統派HRの秀盤に仕上がっています。


KING KOBRA - II - Hell On Wheels ★★★ (2019-03-12 00:20:25)

カーマイン・アピスの年齢を感じさせない
豪快なドラミングに先導される形で疾走するOPナンバー。
曲作りの際に念頭にあったのは間違いなく名曲“READY TO STRIKE”だと思いますが
ポール・ショーティノの熱唱、勇ましくもキャッチーなコーラス、
アグレッシブに切り込んでくるGと、安易な焼き直し感は皆無。
このレベルの楽曲が生み出せるのならKING KOBRAはまだまだイケル!
と思わせてくれるに十分なカッコ良さですよ。


KING KOBRA - Ready to Strike ★★★ (2015-09-14 23:20:31)

個人的に「昭和の三大コブラ」と言えば、アントニオ猪木のコブラツイスト、マリオン・コブレッティ刑事、そしてこのKING KOBRAで決まりですよ。(次点は『ベストキッド』のコブラ会)
LAメタルの盛り上がりを目の当たりにしたカーマイン・アピスが「乗るしかない、このビッグ・ウェーブに!」と結成したKING KOBRAは、集められた野心に燃える新人メンバー(後にそれぞれ確固たるキャリアを築く腕利き揃い)全員を金髪で固め、カーマインを含むグループショットが「金色毬藻に囲まれたウニ一匹」みたいな様相を呈するビジュアル戦略も話題を呼んだような呼ばなかったような。
しかし何より彼らを語る上で欠くことが出来ないのが、'85年発表のデビュー作たる本『READY TO STRIKE』と、その幕開けを劇的に飾るアルバム表題曲の存在。キャッチーなVoメロディ、印象的にハモるツインGを散りばめた、疾走感溢れる曲調にドラマティックな曲展開・・・これぞまさしくLAメタル史に燦然と輝く至高の逸品。HR/HMファンなら避けては通れぬ名曲ではないかと。
昔はこの曲ばかりヘヴィロテしていたものですが、それ以外の収録曲にしても、アリーナ・ロック然としたスケール感を有するサビメロが秀逸な②、ハード・ドライヴィンな⑥、哀愁溢れる⑨等、十分に魅力的。いずれも“READY~”とは方向性が異なりますし、同曲の衝撃の前に存在が霞みがちってのは確かなんですけどね。
90年代に一度CD化されたきりで、中古屋じゃ手の出し難いプレミア価格で売られている本作を見かけるにつけ、ぼちぼちこの名作の国内盤をリマスター再発するべき時期が来ているのではないでしょうか!?と。(カーマイン・アピス総裁考案「コブラのポーズ」を決めながら)


KING KOBRA - Ready to Strike - Ready to Strike ★★★ (2015-09-19 01:46:20)

KING KOBRAの代表曲なのですが
バンドやアルバムの音楽性の核心を表した楽曲なのかといえば
実はそうでもないという。
しかし、マーク・フリーが熱唱するキャッチーなメロディに、
カーマイン・アピスが叩き出す心地良く乗れるビートから、
印象的にハモるツインG、それらに導かれるドラマティックな
曲展開に至るまで、問答無用の名曲であることは疑うべくもありません。


KING KOBRA - Thrill of a Lifetime ★★★ (2018-04-03 23:48:09)

「人工甘味料チックなイケメン4人と成分無調整のオッサン1人」というビジュアル戦略や、楽曲のクオリティも万全だったのに、なぜかデビュー作『READY TO STRIKE』がコケてしまったカーマイン・アピス率いるKING KOBRA。万全過ぎたイメージ戦略が逆に「作られたバンド」感を強調してしまい足を引っ張ったのか…。ともかく、その失敗を踏まえた'85年発表の本2ndアルバム(邦題『街角のスリル』)では音楽性を転換。HR/HM色を薄めた代わりに、Key類やポップなメロディが大幅増量された、AOR/産業ロック方向へと大きく舵を切ったサウンドに仕上がっています。
映画『アイアン・イーグル』主題歌⑥はともかく、ラップ調の⑦まであったりする節操のなさは如何なものかと思いますが、聴き進めていくと実は本編後半では、哀愁を帯びて駆け抜ける隠れた名曲と言うべき⑧や、キャッチーなコーラスがライブ映えしそうな⑨、ノリノリで最後を締め括る⑩といったハードな疾走ナンバーが連続。これにはバンド側の「ポップに日和ったと侮んなよ?」との意地や矜持が垣間見えるようで好感度が上がります。勿論、アルバム前半で固め打ちされるハードポップ・チューンだって、爽やかに吹き抜けるOPナンバー①、Gが歌う②、明るく弾む③等いずれも質が高く、何よりマーク・フリー(Vo)の伸びやかでソウルフルな歌声は、この手の楽曲においても絶品の味わいを発揮してますよ。
LAメタルを代表する1stの表題曲級のインパクトを有する名曲は見当たらなくとも、総合的なクオリティでは前作に決して引けを取らない1枚。ただ残念ながら本作もさっぱり当たらず、一先ずバンド活動にはこれで幕が降ろされてしまうのですが…。(現在は再結成済)


KING KOBRA - Thrill of a Lifetime - Overnight Sensation ★★★ (2018-04-08 00:52:24)

この前の曲がラップ調の楽曲で「ちょっと勘弁してよ」と
挫けそうになったメタル魂を、一気に奮い立たせてくれる
ハード・ナンバーにして、本編後半の反転攻勢の口火を切る
2ndアルバムのハイライト的名曲。


KINGDOM COME - Twilight Cruiser ★★★ (2019-04-26 00:32:30)

なまじ売れたばかりに「LED CLONES」としてLED ZEPPELIN信奉者から袋叩きの目に遭ったKINGDOM COME(「ZEPなんか聴いたことない」発言がそれに拍車を掛けたようですが、あれはインタビューの一部のみを恣意的に切り取られてしまったのだとか)。吹き荒れる逆風とセールスの伸び悩みが相俟って、その後まもなくバンドは崩壊。失意のうちにドイツへと戻ったリーダーのレニー・ウルフ(Vo)のソロ・プロジェクトとして新たに再編されたKINGDOM COMEが、'98年に発表した5thアルバムがこちら。
本作で披露されているのは、ブルーズ色(LED ZEPPELIN風味)はぐっと薄まった都会派HR。グランジ/オルタナ・ロックがHR/HMシーンを席巻していた時節柄、作品全体を仄暗く内省的な雰囲気が覆い、ところどころでモダン(当時基準)なアレンジも顔を覗かせますが、シャウトしてもどこか物悲しいレニーの憂いを孕んだハスキー・ボイスと、冷ややかな哀メロに彩られた楽曲には意外なぐらいそうした作風がマッチしているという。特に、じっくりコトコト煮込むかの如く盛り上がっていく6分越えのドラマティックな大作曲③と、VoとGが欧州バンドらしい猛烈な泣きを発散するバラード④は胸に沁みる名曲。そこからHR然とした疾走ナンバー⑤や、爽やかな⑥へと繋いでいく流れも巧妙ですよ。
KINGDOM COME以上にSTONE FURYを愛する身としては、「90年代エキスの注入された『BURNS LIKE A STAR』的な楽しみ方だって出来なくもない本作は、意外なぐらいツボにハマった1枚でした。哀メロ派の方なら、これをKINGDOM COME入門盤にするのだって全然有りなんじゃないでしょうか?


KINGS-EVIL - Deletion of Humanoise ★★ (2006-12-29 15:49:00)

全く予備知識なしに購入した、日本の逆輸入スラッシュ・メタル・バンド、'01年発表の1stアルバム。
メロディ無視の高音わめき型Voやチリチリと歪んだGリフは、なるほど、KREATORやDESTRUCTIONといった
80年代のジャーマン・スラッシュ・メタル勢を彷彿とさせる(それを現代的にアップデートした感じ?)が、
あそこまでの毒々しさはなく、寧ろ良い意味で非常に聴き易いサウンドに仕上がっている。
小気味良く疾走するリズムに乗って刻まれる、ヨーロピアンな湿り気を含んだリフはかなりキャッチーだし、
何より、2人のギタリスト(兄弟?)によって紡がれる、劇的且つメロディックなGソロが最高に素晴しい。
痒い所に手の届く、ツボを突いたメロディ展開が魅力のこのツイン・リードは、始まった途端に
曲のテンションを大きく跳ね上げる、アルバム最大の聴き所にして、このバンドの強力な武器。
あとは、本編に「ここ!」という山場が乏しいためか、クオリティの高さの割りに一聴しての
インパクトがそれほど強くない・・・という弱点さえ改善されれば、次はとんでもない傑作を作ってくれそうな予感。


KINGS-EVIL - Sacrosanct ★★★ (2012-04-14 14:56:14)

ツインGコンビとして、バンドの中核を担って来た聖迪(G)と渉(VO,G)の山田兄弟が袂を分かつ等の紆余曲折を経て、'11年に発表された2ndアルバム。(でもブックレットには兄弟の写真が載っている・・・どういうこと?)
それにしても、VADERやHOLY MOSESの日本公演のオープニング・アクトを務めたりとコンスタントにライブは行われていたので活動を継続していることは分かっていましたが、まさかデビュー作との間が10年も空くことになろうとは一体誰に予想できたでしょうか?
ノイジーで破壊的なサウンド・プロダクションの下、耳を劈くカミソリ・シャウトVo、ジリジリとした音色で刻まれるササクレたGリフ、激烈に荒れ狂うリズム・セクションとが、全てを薙ぎ倒さんばかりの勢いで猪突猛進するバタ臭いスラッシュ・メタルという基本スタイルそのままに、ますます研ぎ澄まされた疾走感、格段に逞しさを増した音の太さと突進力からは、10年間のブランクをきっちりとクオリティに反映させたバンドの成長振りがしかと伝わってきます。
往年のKREATORばりに狂い咲く③、EXODUSに通じるタテノリのグルーヴが痛快な④、練られたGソロをフィーチュアして突っ走る⑨等、我が家のおんぼろスピーカーを粉砕せんばかりの勢いで炸裂するスラッシュ・ソングが次々に畳み掛けて来る凶暴極まりない1枚。
体力勝負を強いられるので、万全の体調の時にお聴き下さい。


KINGS-EVIL - Sacrosanct - Bind Toture Kill ★★★ (2012-04-16 21:34:58)

タイトルからしてKREATORっぽいですが、
実際曲の方も、禍々しさを撒き散らすVoに
息吐く暇なく吹き荒れる暴風の如くリフ&リズム、
突き刺さってくるかのようなGソロ・・・と
80年代のKEREATORを更に先鋭化させたかのような
高速スラッシュ・ナンバー。


KINGS-EVIL - Sacrosanct - Hollow the Pledge ★★★ (2012-04-16 21:41:27)

LIMITED EDITIONのみに収録された
ストレートな高速スラッシュ・ナンバーですが、
これが限定収録なのが勿体ないほど強力な出来栄え。
攻撃的でありながら、しっかりと組み立てられた
Gソロも良いアクセントとなっていますね。


KINGS-EVIL - Sacrosanct - Retaliation for the Wretch ★★ (2012-04-16 21:38:52)

ヨーロピアン・スラッシュ風味の前曲“BIND TOTURE KILL”から
一気に大西洋を飛び越えて、この曲はベイエリア・スラッシュ風味。
弾むように疾走するタテノリのリフ&リズムを聴いていると
自然と体が動き出します。


KINGSTON WALL - II ★★★ (2016-01-14 23:51:50)

生前、たまたま本作の「出て来いシャザーン!」「パパラパー!」みたいなジャケットを目にした田舎の婆ちゃんが「アラビヤン・ナイトの世界のようだ」との感想を述べた(“ヤ”の発音がいかにも明治生まれ)、フィンランドのプログレッシブ・ロック・トリオが'93年に発表した2ndアルバム。
同時期に目覚しい躍進を遂げたDREAM THEATERが、プログレとHMの融合を図りモダンさを打ち出していたのに対し、こっちは超絶テクニックや精緻な構築感よりも、Voの素朴な歌唱や、空間を活かした感覚重視の楽曲設計、あと曲によってはヴァイオリン、鳴り物もフィーチュアする等、往年のプログレッシブ・ロック・サウンドをより忠実に継承しているとの印象です。
但し、アートワークの世界観を反映させ大量導入されたエスニックなメロディ並びにリズム・ワークが、本作の個性を際立たせると共に、楽曲の輪郭を明瞭に保ち、サイケ色や大作主義を打ち出した本編に散漫さ/冗長感が発生することを防止。また、カラッと抜けの良い曲調と弦楽器の調べがKANSASを思わす②を演ったかと思えば、⑧ではムーディに泣いてみせたり、スパニッシュ・タッチの⑨があったり・・・と、確か演奏技術と表現力を有するメンバーのバックアップも実に的確です。(ディスコの女王の名曲⑦も、見事自分達色に染め上げてカヴァーしてます)
ゼロ・コーポレーションからリリースされたプログレ系の作品の中でも、トップクラスの品質を誇る1枚ではなかったでしょうか。


KIP WINGER - From the Moon to the Sun ★★★ (2018-03-12 23:38:46)

WINGERは初期作しか知らず、熱心なファンとは言い難い身ゆえ、その中心メンバーたるキップ・ウィンガー(Vo)の2枚目のソロ・アルバム(’08年発表)と言われても「ふーん…」と然程ありがたみを感じなかったのが実際のところ。しかし本作を聴いてクオリティの高さにビックリさせられるや否や、速攻で「キップ、ありがとう!」と手のひらをくるり。
とは言え、合唱を誘われるキャッチネスやライブ映えするノリの良さといった、華やかな80年代ポップ・メタル要素を期待すると、肩透かしを食いかねないサウンドなので注意は必要かと。スケールの大きなドラマティックな楽曲から、BEATLES風、エスニック風、中には映画音楽風インスト曲まであったりと本編は非常にバラエティに富む反面、ここで披露されているのはG以上にシンセやピアノ、オーケストレーションといった要素が印象的な、モダンでムーディでシリアスなポップ・ロック。収録曲はいずれもHR/HMとは距離を感じさせつつも、重層的なコーラスの重ね方から残響音の一つに至るまで、微に入り細を穿つキップのアーティスティックな拘りに貫かれた本編はそれでも聴き応え十分。
マカロニ・ウェスタン風のテーマ・メロディを持つ①、メランコリーなピアノが効果的な④、美しく重厚なハーモニーに聴き惚れる⑥、プログレ・エッセンスも感じられる劇的な⑩、静謐にアルバムを締め括る⑬等々…。アートワークの世界がそのまま音へと転化されたような、深遠に響き渡る抒情メロディと、何よりそれを歌い上げるキップのVoが非常にエモーショナルで感動的。この人こんなに歌が上手かったんだ?と、失礼な感想を抱いてしまうぐらいでしたよ。
キップの他のソロ作や、再結成以降のWINGERのアルバムもチェックしたくなる1枚。


KIP WINGER - From the Moon to the Sun - One Big Game ★★★ (2018-03-12 23:50:13)

物憂げにたゆたう抒情メロディと気だるげに鳴らされるサックス、
聴き進めるに従って徐々に熱を帯びて曲展開等
何となくKING CRIMSON的なプログレ・テイストも感じられる名曲。


KIP WINGER - From the Moon to the Sun - Pages and Pages ★★★ (2018-03-12 23:44:30)

ピアノが奏でるメロディだけ拾っていくと
何やら久石譲テイストっぽさも感じられるバラード。
静謐に染み渡る哀切なメロディを、
エモーショナルに歌い上げるキップ・ウィンガーの
深みを湛えた歌声にうっとりですよ。


KISS - Creatures of the Night ★★★ (2021-12-30 00:57:59)

アルバム・セールスの不振、メンバーの相次ぐ離脱、長年連れ添ったビル・オーコインと袂を別ち、次作以降メイクをやめ素顔で活動していくことになる等、転換期を迎え苦境に喘いでいたKISSが’82年に発表した10thアルバム。邦題は『暗黒の神話』。
アメリカにおけるHMブームの胎動を敏感に察知したのか、KISSのカタログの中でも一際メタリックに磨き上げられたサウンドが託されている本作。ジャケには載ってるけどレコーディングには不参加のエース・フレーリーの後任として、新たにバンドに加わったヴィニー・ヴィンセントの新世代ギタリストらしいテクニカルで華やかなGプレイ(但し本編には彼以外にも複数のセッション・ギタリストが参加)と、エリック・カーの打撃の重いドラミングもこの新たな方向性に合致しています。
ポール・スタンレーの攻撃的なシャウトを伴って力強く開幕を告げるアルバム表題曲①、個人的に本作のハイライトの推したい重厚にしてキャッチーな④、全日の殺人魚雷コンビ(スティーヴ・ウィリアムス&テリー・ゴディ)の入場テーマとして知られた⑤、エリックのドラミングが劇的な曲調を一層盛り上げる名バラード⑧、現在もライブにおけるジーン・シモンズの火吹きソングとしてお馴染みの⑩等、本編にはエッジの効いたGリフとダイナミックに駆動するリズムによって、これまで以上に輪郭がソリッドに研ぎ澄まされた印象的な楽曲がズラリ揃っています。
低迷期の作品ということであまりスポットライトの当たる機会に恵まれていない印象なれど、KISSが80年代をサバイヴする上で絶対に作る必要があった1枚であり、個人的にも彼らのアルバムの中で聴き直す頻度の高い愛聴盤であります。


KISS - Creatures of the Night - Danger ★★★ (2021-12-31 02:03:20)

エリック・カーのアタッキーなドラミングが
勇ましい曲調をより一層盛り上げる名曲。
デイーンジャ!デイーンジャ!と思わず一緒に
歌わずにはいられないキャッチーなコーラスも素晴らしい。


KISS - Creatures of the Night - I Still Love You ★★★ (2021-12-31 02:11:10)

ポールの熱唱に、泣きのギター、そしてエリック・カーの
曲調を劇的に盛り上げるドラミングといい、それまでKISSに
対して抱いていたイメージを一変させられ「ちゃんとKISS聴いてみよう」
と決意する切っ掛けともなった個人的に想い出の名バラード。


KISSIN' DYNAMITE (2011-05-29 20:10:47)

昨今デビューが相次ぐ、所謂「NWOTHM」系バンドの中にあって、個人的に最も強いインパクトを受けたのが、ドイツはシュツットガルト出身のこの5人組。
デビュー作『STEEL OF SWABIA』('08年)の国内盤も出してくれないものか。


KISSIN' DYNAMITE - Addicted to Metal ★★★ (2011-05-29 20:12:52)

日本デビュー作ともなった'10年発表の2ndアルバム。
メンバーの派手なビジュアルが目に付くが、演ってる音楽は、粒子の粗い灼熱声が聴く者のメタル魂を鼓舞するVo、JUDAS PRIEST~ACCEPT直系の劇的なリフの刻みからユニゾン・プレイまでこなすツインG、そして重厚なビートを叩き出すリズム隊とが一丸となってパワフルに躍動する、非常にオーセンティックな正統派HM。
溌剌としたノリの良さと、欧州のバンドならではの哀メロ&ドラマ性を併せ持った楽曲はすこぶる強力なフックを有し、特に、一度聴いただけで口ずさむ事が出来るサビメロのキャッチーさは出色。
例えば、ウド・ダークシュナイダーがゲスト参加しているアルバム表題曲①なんて、下手なバンドが演った日にゃ大味感もろ出しになりかねないアンセム調のへヴィ・ナンバーなのだが、この手の楽曲にもメロディにグッとくる「憂い」を忍ばせてフックを構築するセンスには、本当に新人バンド?と思わず問いかけたくなるほど老練な手腕が光る。
DAMN YANKEESの名曲④(しっかりと自己流に昇華している好カヴァー)を含む本編前半の素晴しさも然る事ながら、圧巻は、緩急の効いたドラマティックな⑥、MANOWARばりの大仰さを誇る⑦・・・といった具合に劇的な楽曲が連続する本編後半の怒涛の盛り上がりっぷり。
是非ともライブが見てみたくなる逸品ですね。


KISSIN' DYNAMITE - Addicted to Metal - Addicted to Metal (feat. Udo Dirkschneider) ★★★ (2011-06-02 21:37:30)

ウド・ダークシュナイダーがゲストVoとして
参加している2ndアルバムのリーダー・トラック。
まさにACCEPTタイプの重厚なミドル・テンポの楽曲で、
思わずコブシを振り上げながら一緒に歌いたくなる
覚え易いサビメロが秀逸。
それでいて単純過ぎることなく、メロディにフックを
効かせているあたり、このバンドが只者じゃねえ!
と思わされます。


KISSIN' DYNAMITE - Addicted to Metal - All Against All ★★★ (2011-06-03 22:36:06)

JUDAS PRIEST、ACCEPT、MANOWARといった
漢メタルのエッセンスを濃厚に受け継いだ、
思わず力瘤る劇的なメタル・ナンバー。


KISSIN' DYNAMITE - Addicted to Metal - Hysteria ★★★ (2011-06-03 22:33:04)

EDGUYあたりが演りそうな重厚でダイナミックなHMナンバー。
メタル魂を燃焼させるような、胸焦がすVoの歌いっぷりが見事。


KISSIN' DYNAMITE - Money, Sex & Power ★★ (2012-04-18 07:21:58)

80年代メタルからの多大なる影響を基本に据えつつ、そこに独産メタルならでは重厚感を加え、更に新人バンドらしいフレッシュな感性で仕上げられた2nd『ADDICTED TO METAL』('10年)がここ日本でも評判となった、ドイツはシュヴァーベン出身の5人組が'12年に発表した3rdアルバム。
Voの熱い歌声、リフにリード、ユニゾンからソロまで劇的にこなす2本のG、堅牢にボトムを支えるリズム隊といった、前作でこちらの耳を捉えたエレメントはしっかりと保持しながらも、今回はACCEPTやMANOWARっぽさを減少させ、その分溌剌としたアメリカン・メタリックなノリの良さを強化。これをどう受け止めるかで本作に対する評価は分かれるかな?
個人的な好みを正直に申さば、ドラマ性の薄れた作風にはやや物足りなさを覚えた口なのですが、それでも強力なフックを有するメロディ作りのセンスは相変わらず冴えており、分けても各楽曲を彩るキャッチーなサビメロはここでも健在。
表題曲にしてアルバムのリーダー・トラックたる①はKISSIN' DYNAMITEというバンドの個性を如実に伝えるナンバーですし、思わずシンガロングを誘われる②、HELLOWEENの“I WANT OUT”を彷彿とさせる④、パワフルに炸裂する⑤といった秀曲が並ぶ本編前半には、聴き手を惹き込むだけの力強さが宿る。
ただ彼らの実力を勘案すると、アルバム後半に核となる楽曲があと1つくらいあって欲しかったかな・・・と、つい注文を付けたくもなるのですが。


KISSIN' DYNAMITE - Money, Sex & Power - Dinosaurs Are Still Alive ★★★ (2012-04-21 00:25:10)

タイトル通り、恐竜風の嘶きを上げるGが
印象的なミッド・チューン。
全体的にロックンロール風味が増量された印象のある
3rdアルバムの中にあって、この曲の
力強く重厚な存在感は耳を捉えるものあり。
胸の内のメタル魂に火を点されるVoの熱唱が熱い!


KISSIN' DYNAMITE - Money, Sex & Power - I Will Be King ★★ (2012-04-21 00:27:57)

パワフルなロックンロール・ソング。
思わず合唱を誘われるサビメロに
このバンドの曲作りの上手さが
よく現れています。
ライブで演ったらさぞかし盛り上がるんだろうなぁ。


KISSIN' DYNAMITE - Money, Sex & Power - Money, Sex & Power ★★★ (2012-04-21 00:13:58)

前イタリア首相の乱痴気パーティ
「ブンガブンガ」に着想を得たと思われるOPナンバー。
こんなタイトルですが、独産パワー・メタリックな
重厚感と、アリーナ・ロック調のスケール感、
そして強く耳を捉えるキャッチーなサビメロとを兼ね備えた
このバンドの魅力を判り易く伝える名曲です。


KISSIN' DYNAMITE - Money, Sex & Power - Sex Is War ★★ (2012-04-21 00:20:24)

パーティロックっぽいタイトルですが、
ストレートに押してくる引き締まったHRナンバー。
曲調はHELLOWEENの“I WANT OUT”風で、
彼らもそれを意識して、インスト・パートでは
確信的にそれ風のフレーズを取り入れています。


KIX - Kix ★★ (2016-06-01 00:20:52)

メリーランド州ボルチモア出身の5人が、ATLANTIC RECORDSから'81年に発表した1stアルバム(邦題は『反逆の館』)。KIXと言えば、バラード“DON’T CLOSE YOUR EYES”のヒットで遅咲きの栄光を掴んだ4th『BLOW MY FUSE』(’88年)が代表作ということになりましょうが(別に異論もない)、でも「最も贔屓にしているKIXのアルバムは?」となると、そりゃあやっぱりこのデビュー作かなと。
AC/DCやKISSがお手本のダイナマイト・ロックロールは、聴いてるだけで勝手に体が動き出すシンプルなノリの良さに加えて、「泣きと哀愁が足んねぇよ」とブーブー文句たれな輩(俺です)をも問答無用で巻き込んでノせてしまうようなイキの良さが充満。流石アメリカ中をツアーして回り、一晩で5ステージをこなす生粋のライブ・バンドとして鍛え上げられただけのことはありますぜ。
サイレン音に導かれて威勢よくスタートするOPナンバー①を手始めに、80年代仕様にアップデートされたサウンドは、ロックンロールと言えどもルーズに流れ過ぎることなく、へヴィ・メタリックなエッジやタイトさも備わっていて、同時期にイギリスで大きな盛り上がりをみせていたNWOBHMとのシンクロニシティを感じたりも。中でも、汗が飛び散る金切りVoとリフ&リズムのタテノリ波状攻撃にケツを蹴り上げられる⑥は、新宿ツバキハウスのメタル・キッズをヘッド・バンギングさせまくったというのも納得のアンセムっぷり。
こんな力作が中古屋じゃ三桁のお値段で転がってる今が買い時ではないかと。


KIX - Kix - Kix Are for Kids ★★★ (2016-06-02 23:55:43)

聴く者の体を問答無用で揺り動かすタテノリの躍動感と
メタリックな切れ味、タイトさを同居させて
ワイルドにドライヴしまくるKIX屈指の名曲。


KREATOR - Coma of Souls ★★ (2006-08-08 21:53:00)

「おおぅ、こりゃ本当にパワー・メタル・アルバムだ」と、思わず感心してしまった、'90年発表の5thアルバム。
とは言っても、メロスピ/メロパワ・バンド宜しく、ミレ・ペトロッツァが朗々とハイトーンVoで歌い上げたり、
楽曲自体がメロディアスになったりする筈はなく、触れれば切れそうな疾走感も、高い殺傷力の誇るシャープなリフも、
ミレのヒステリックなシャウトも健在。それより寧ろ、とにかく勢い重視で、無軌道に暴走しまくっていた(そこが大きな魅力だった)
初期作品に比べ、楽曲の枠組みがキッチリ定まり、その枠内で「タメ」と「疾走」を繰り返しながら、
ダイナミックに盛り上がっていく曲展開、そして、これまで以上に流麗に、欧州へヴィ・メタリックな
ドラマ性に満ちたメロディを紡ぎ出すGの存在が、非常にパワー・メタル的なカッコ良さを感じさせる。
これを「大人しくなった」と不満に思う硬派スラッシャーも多かろうが、個人的には、前作「EXTREAM AGGRESSION」辺りから
明確になってきた、敢えてスピードよりも完成度の高さを追求する姿勢を支持したい。
特に(その甲斐あってか)アルバム前半の楽曲の充実度は半端でなく、中でも、JUDAS PRIESTの“THE HELLION"を
思わせるイントロを持つ⑤“TERROR ZONE"は、様式美的な「起承転結」がドラマチックな盛り上がりを演出する、
本作のハイライト・チューンとでも呼ぶべき逸品。
次作「RENEWAL」が、かなり実験色の濃い作品だったことを考えると、本作は、初期KREATORの集大成とも言えるのではなかろうか。
(ここから、1stアルバムへ向かって遡って聴いていくのが、KREATORの本質に迫る近道じゃないかな、と)


KREATOR - Enemy of God ★★ (2006-11-30 21:28:00)

前作『VIOLENT REVOLUTION』において、初期のカミソリの如き疾走感と、中期ゴシック路線で培った
激しくも悲しいメロディを融合させることで、新たな激烈スラッシュ・メタルの創出に成功した
KREATORが、そのスタイルを更に発展させて'05年に発表した傑作11thアルバム。
とにかく楽曲が粒揃い。前作に比べ、ササクレ立った突進力は若干後退したように感じられるものの、
それ以上に魅力的なのが、リフにしろサビメロにしろ、1度聴いただけで簡単に覚えてしまえそうな「キャッチー」さ。
特に頭3曲は、アグレッシブで尚且つキャッチーという、今回の作風を象徴したかのような名曲。
そして何より本作の白眉は、アルバム全編で激情のメロディを展開する、ミレ・ペトロッツァ(意欲的に表現力の幅を広げたVoも◎)
&サミ・ウリ・シルニヨによるツイン・ギター・プレイ!
マイケル・アモットまでもがゲスト参戦を果たし、期待通りのトリプル・ギター・バトルを繰り広げる⑦に至っては、
シャープ且つ勇壮に疾走する楽曲そのものの完成度の高さと相俟って、間違いなく本作のハイライト・チューン。
ラストを劇的に締める⑪~⑫の流れも素晴しい。
11枚もアルバムを発表したベテランでありながら、全く守りに入らないKREATOR。いやはや、恐れ入った。


KREATOR - Gods of Violence ★★★ (2017-03-19 23:37:22)

’17年発表の新作アルバム。鼓膜に突き立つ鋭利なGリフとミレのシャウトが、ヨーロピアンな暗黒美迸るメロディを纏いササクレて疾走するという、今世紀に入って再度確立されたKREATOR流スラッシュ・サウンドは本作においても揺るぎなく屹立しています。荘厳な序曲を前触れに炸裂する、禍々しさとエピカルなドラマ性を併せ持つ突撃スラッシュ・ナンバー②を聴いただけで、こちとら「よし。勝った!」と確信しましたよ。
そして今回、KREATORは更なるメロディの増強にも着手。聴き手をただ暴れさせるのではなく、ライブにおいてシンガロングを誘発するような、アンセミックなコーラスや曲構成も仕込まれた収録曲の数々からは、バンドのルーツたる「独産パワー・メタル」の色合いが一層強く感じられるようになりました。無論、明朗快活なメロパワ/メロスピ系とは趣きを異するものの、旋律や音程の流れがそこはかとなくでも聴き取れるミレの激情Voが、時折ウド・ダークシュナイダーっぽく響くこともあり、ライブ会場で観客の大合唱や無数の腕が突き上げられる光景が目に浮かぶ③⑤⑦⑨辺りを聴いていると、謹んで「フォースの暗黒面に堕ちたACCEPT」との形容詞を進呈する次第。(褒め言葉として)
スラッシャーの期待にきっちり応えるアグレッシブ&キャッチーな④、切れ味鋭い⑥、ツインG主導で速度を上げていく⑧といったカミソリの如きスピード・ナンバーから、緩と急、美と醜を飲み込んでドラマティックに本編を締め括る大作曲⑪に至るまで、彼らのスタジオ・アルバムの連勝記録がまた一つ積み上がったことを確信する逸曲が揃った充実作。「KREATORっておっかなそうで聴いたことない」という方にもお薦めですよ。


KREATOR - Gods of Violence - Gods of Violence ★★★ (2017-03-20 00:08:24)

KREATORらしいダークネスと疾走感は保ちつつ、
コーラスは今後ライブで披露されれば間違いなく
会場が大合唱で包まれるであろうACCEPT的な
アンセム感を有していて、そう思って聴くと
ミレのVoがウドっぽく響いて来るというね。


KREATOR - Gods of Violence - Totalitarian Terror ★★★ (2017-03-19 23:51:37)

ミレは勿論のこと、ヴェンダーさんが
もう笑ってしまうぐらい元気溌剌。
その猛烈なマシンガン・ドラムに支えられ
激烈でありつつキャッチー、更にツインGのハーモニーは劇的という
アルバムのハイライト的名曲に仕上がっております。


KREATOR - Gods of Violence - World War Now ★★★ (2017-03-19 23:56:24)

荘厳な序曲を前振りにして激烈な疾走を開始。
中間部にはACCEPTばりに会場を揺らしそうな
アンセミックなパートを組み込んで…と、
作りとしては前作収録のOPナンバー
“PHANTOM ANTICHRIST”とほぼ同じなのですが
これほど上手く演られては文句の付けようがないという。


KREATOR - Hordes of Chaos ★★ (2009-02-23 22:47:00)

10th『VIOLENT REVOLUTION』で王道ジャーマン・スラッシュ・メタル路線に復帰を遂げて以来、KREATORの作り出す
アルバムの完成度の高さには、毎度瞠目させられっ放しなのだが、この12thアルバムもそれは変わらず。
と言うか購入してから結構経つというのに、毎回「いや~カッコイイなぁ」と聴き惚れてる間に
アレヨアレヨと本編が終わってしまうので、感想が書き難いったらありゃしない。>本作。
ミレ・ペトロッツァの「歌心」を感じさせる激情Voに、欧州風味の劇的なメロディを紡ぎ出すツインGを乗せて
切り裂くように突っ走るカミソリの如きアグレッションと、強力なフックを兼ね備えたスラッシュ・サウンドは、
前作『ENEMY OF GOD』の作風を継承しつつ、一層タイト&キャッチーに磨き上げられており、無駄なく30分台に
絞り込まれた収録時間の中、ズラリ揃ったスピード・チューンのカッコ良さといい、まるで実際のライブのように
澱みなく展開していく本編の流麗な構成といい、そのクオリティは傑作だった『ENEMY~』にも匹敵。(というか凌駕?)
印象的なテーマ・メロディに導かれてスタートするアルバム表題曲①、それ以上のスピードで畳み掛けて来る②⑥⑦、
キャッチーな③⑤、緩急の効いた曲展開が光る④⑧、そして本編のハイライトたる、叙情的なインスト曲⑨から繋がり、
IRON MAIENばりの勇壮さと、スラッシュ・メタル然とした攻撃力が見事に融合を果たした名曲⑩といった、
捨て曲なしの収録楽曲の数々を聴けば、「KREATORの最高傑作」という評価もあながち冗談には聞こえません。
「本作と『ENEMY OF GOD』、どちらを選ぶか?」と問われたならば、微妙な判定ながら個人的には本作を選ぶ・・・かなぁ。


KREATOR - Phantom Antichrist ★★★ (2012-06-11 23:22:43)

『VIOLENT REVOLUTION』以降は、ストレートなスラッシュ・アルバムを連発してきたKREATORですが、この13thアルバムでは攻撃性や疾走感を若干抑え気味にして、その代わりにサミ・ユリ・シルニヨの煽情的なGプレイと、全編で狂い咲くミレ・ペトロツァ&サミの劇的なツインGハーモニーの存在を強調した、幾分メロディアスで聴き易い作風に仕上がっているのは、他の方々が指摘されている通り。
カッチリとまとめられた楽曲はパワー・メタリックな感触を孕んでおり、勇壮にしてエピカルな雰囲気漂う④、起承転結が決まったドラマティックな⑥⑩辺りを聴いていると、個人的には5th『COMA OF SOUL』のことを思い出したりも。
尤も、決してメロディアスに歌っているわけじゃないのにエモーションをかきたてられる歌心に溢れたミレのVoや、ヨーロッパ的ダークネスを湛えたメロディのクオリティは、あの頃とは比べ物にならないぐらいの向上を遂げているんですけどね。
一方で、切っ先鋭いシャウト、殺傷力を宿すリフと尖がったリズムのコンビネーションから生み出される、このバンド独特の切り裂くような疾走感が失われてしまうなんてことはある筈もなく、劇的な序曲に導かれてスタートする激烈なアルバム表題曲②なんて、ライブで披露された日にゃ会場が上下に揺れ、サビ部分では大合唱が起こることを容易に想像できる必殺の名曲っぷり。緩急の効いた③⑤、正統派HMテイストも感じられる⑨の秀逸さも必聴です。
らしさを失わず、丸くもならず、それでいて一見さんにも取っ付き易いキャッチーさを兼ね備えた曲作りの上手さは、既にSLAYERと同じレベルで語られるべき境地にあることを改めて納得した1枚。傑作。


KREATOR - Phantom Antichrist - Death to the World ★★★ (2012-06-12 22:17:56)

『ENEMY OF GODS』や『HORDES OF CHAOS』に
収録されていてもおかしくない、攻撃性とキャッチネスが
巧みな融合をみた、緩急の効いたスラッシュ・ソング。
2本のGがドラマティックに絡み合うインスト・パートは
「美しい」とさえ表現できるほどです。


KREATOR - Phantom Antichrist - From Flood Into Fire ★★★ (2012-06-12 22:22:42)

1曲目のインスト・ナンバーから、4曲目にあたる
この曲までの流れは「完璧」とさえ言いたくなる隙のなさ。
本作の個性を象徴するような力強くエピカルな曲調が
思わずコブシを振り上げたくなるカッコ良さを放っていて、
(歌っているわけではないのだが)メロディアスに響く
ミレのVoも胸に響きます。
個人的にはアルバムで一番気に入っている曲だったり。


KREATOR - Phantom Antichrist - Phantom Antichrist ★★★ (2012-06-12 22:13:28)

挑発的な曲名に、切り裂くような
攻撃性や疾走感、それでいて思わず唱和を
誘われるキャッチーなサビメロをも備えた
現行KREATORの魅力の粋が集められた名曲。
まさしく新たなアンセムですね。
ドラマティックなインスト序曲
“MARS MANTRA”と併せてお楽しみ下さい。


KREATOR - Phantom Antichrist - Until Our Paths Cross Again ★★★ (2012-06-13 22:22:57)

起承転結の決まったドラマティックな曲調が
アルバムのラスト・ナンバーに相応しい盛り上がりを
演出してくれます。(日本盤はこの後にボートラがありますが)
サミ・ユリ・シルニヨの攻撃性と激情が迸るGソロに
ハート鷲掴みですよ。


KREATOR - Phantom Antichrist - Victory Will Come ★★★ (2012-06-13 22:17:06)

タイトルといい、思わず荒ぶる勇ましい曲調といい、
KREATOR流「勝利の凱歌」といった趣きの疾走ナンバー。
インスト・パートで炸裂するツインGの半端じゃない
カッコ良さに胸踊らぬHR/HMファンがいるでしょうか。


KREATOR - Renewal ★★ (2007-10-04 23:48:00)

90年代のKREATOR迷走期のファースト・ステップとなってしまった、'92年発表の6thアルバム。(でもこの後に初来日)
リリース当時、トム・モリスの手による生々しさが強調されたサウンド・プロダクションや、激情の昂ぶりを
薄れさせ、フラット気味な歌唱に終始するミレ・ペトロッツァのVo、ダイナミックな展開を排し
シンプルにまとめられた楽曲、そして作品全体を圧し包む、流行を意識したかのような陰鬱な雰囲気が
「らしくない」と賛否両論を巻き起こした本作。個人的にも初めて耳にした時は、これまでのような
爆発的なテンションの高さがダウンした事と、ヨーロッパのバンドならではのドラマティシズムが大幅に
失われてしまった事に落胆を覚えたクチなのだが、ところが、現在の感覚で改めて本作を聴き直してみると、
これが案外悪くない。というか、実に真っ当なスラッシュ・メタル・アルバムに聴こえてしまうのだから、
時の流れってヤツは恐ろしいというか、偉大というか・・・。
特に、スパスパと切り裂くように、カミソリの如く疾走する高速スラッシュ・チューン①④⑦⑧の有無を言わせぬ
カッコ良さは流石だし、90年代型へヴィネス重視の楽曲にしても、サビで奏でられる勇壮なテーマ・メロディが
印象的な③や、ラストを締める⑨なんかは、十分に魅力的な仕上がり。
但し、全体的にテンションが抑え気味なのと、メロディのフックの弱さとが相俟って、大きな山場が作れないまま、
淡々と最後まで流れて行ってしまう感があるのも事実。ぶっちゃけ、地味なのだ。
別に何を置いてもゲットしなければならない程ではないが、「問題作」というレッテルを気にして
スルーするには、惜しいクオリティを備えた(ように思う)1枚かなと。


KREATOR - Terrible Certainty - Blind Faith ★★★ (2007-04-14 21:30:43)

初めて聴いた時はあまりの速さにブっ飛んだ。
後半の「えぇ、まだ速くなるの?!」という加速感が圧巻。


KREATOR - Violent Revolution ★★ (2006-07-11 22:14:00)

'01年発表。リーダーのミレ・ペトロッツァが「初心に立ち返った」と認める通り、スピーディでアグレッシブな作風が
復活を果たした、記念すべき10thアルバム。「ENDORAMA」や「OUTCAST」を聴きながら、「これはこれで悪くないんだけどね・・・」と
遠い目をして呟いていたファン(俺だ)も大満足の内容に仕上がっている。
しかも、工夫なく過去と同じ事を繰り返すのではなく、「RENEWAL」以降のメロディ重視路線で培った叙情性を
巧みに攻撃的な楽曲へ融合。結果、スピーディでアグレッシブ、且つ怒りと悲しみの激情のメロディに彩られた、
新しいKREATOR流スラッシュ・メタルの創造に見事成功している。
特に、殺気立った高速スラッシュ・チューン①④⑥、インスト曲のイントロに導かれて始まるメロディアスな③、
重々しく劇的な⑤といったメリハリの効いた楽曲と曲順によって、ギリギリ高められたドラマ性が、
全てを兼ね備えた名曲⑧“REPLICAS OF LIFE"で頂点に達するアルバム前半の構成は、殆ど完璧と言っていい程の隙のなさ。
後半も、ラストを締めるスピード・チューン⑫まで捨て曲は見当たらないし、これぞまさに名盤と呼ぶに相応しい。
しかも彼らが凄いのは、この後('05年)に本作を更にビルドアップしたかのような強力作「ENEMY OF GOD」まで作ってしまった点。
全く、ミレ・ペトロッツァの底なしの才能には恐れ入る。


KREYSON - Anděl na útěku(Angel on the Run) ★★ (2015-03-31 21:21:13)

チェコスロバキア出身という物珍しさと、美麗なアートワーク――チェコのお城じゃなくてフランスのシャンボール城だけど――に釣られ購入した、ラン・クレイソン(Vo)率いる5人組が'91年に発表した1stアルバム。(正確には、'90年にチェコ語で制作されたした1stのリレコ作品だとか)
RUNNING WILDの名作『DEATH OR GLORY』に彼が参加した縁で、ロックン・ロルフが共同プロデュースを(あとコーラスとGソロとアルバム解説も)担当していることでちょっぴり話題になった本作は、そのサウンド自体に東欧っぽさは薄め。むしろ、OPにバンドのテーマ曲“KREYSON”を配置するコテコテな構成や、歌い易いコーラス・ワーク等からは、独産バンドの影響がちらつく正統派HMを演っています。あえて東欧テイストを探すならば、作品全体を包み込むどこか透明な空気感と、前述のOPナンバーにて醸し出される、クラシカル且つ荘厳なドラマがそれっぽいかな?と。
ポップ・センスが冴えてる“DEEP IN THE NIGHT”のようなタイプの楽曲も収録する等、全体的に卒なくまとまっていてイモ臭さはない代わりに、これといって突き抜けた個性も感じられない点は痛し痒し・・・。というわけで、数年前にもう売ろうと決意して中古屋に持ち込んだのですが、「30円」と鑑定されてしまい、じゃあいいやと持ち帰ってきました。そんな消費税の足しにもならない安値で手放すにゃ、ラストに収められたJUDAS PRIEST型疾走ナンバー“FADE OUT”はカッコ良過ぎるってもんですよ。


KREYSON - Anděl na útěku(Angel on the Run) - Fade Out ★★★ (2015-04-01 22:37:45)

JUDAS PRIESTばりの劇的なイントロの時点で
顔がにやけますが、こういうスピードナンバーを
アルバムのケツに持って来るセンスにも
「よし、合格!」と
駆け寄って肩叩いてやりたくなりますね。


KREYSON - Anděl na útěku(Angel on the Run) - Kreyson ★★ (2015-04-01 22:51:06)

当時、和田誠氏がDJをしていたラジオ番組で
流されていた記憶がありますが、
確かにキャプテンが好きそうな
ジャーマン・メタル風味のパワー・チューンであります。
ちなみにバンド名のコールから始まるイントロは
ロックン・ロルフのアイデアなのだとか。


KREYSON - Návrat Krále ★★★ (2019-04-18 00:37:20)

RUNNING WILDのロックン・ロルフのバックアップを受け90年代前半に日本デビュー。マニアの間では(今は無き)チェコスロバキア共和国という出身地の珍しさでも注目を集めた、ラン・クレイソンことラディスラフ・クリチェク(Vo)率いる正統派HMバンドKREYSONが、アンディ・ラ・ロックをプロデューサーに起用してレコーディングを行い'13年に発表した、恐らく5枚目ぐらい?のフル・アルバム。ちなみに歌詞は全てチェコ語。
時間潰しで立ち寄った古本屋の500円CDコーナーで見覚えのあるバンドロゴが掲げられた本作を発見。「まだ活動していたのか」と懐かしさに駆られて購入してみれば、いやこれが嘗ての「イモ臭い部分含めて愛すべきB級バンド」的なイメージを根底から覆される力作っぷりに驚かされてしまいましてね。
以前は線が細く頼りなさのあったクレイソンのVoは、ダンディな低音からハイトーンまで力強くスムーズにグローイングアップ。そうした彼の歌声と、これまた別バンドと聴き紛うような逞しさで刻まれるリフ&リズムを伴いパワフルに突き進むサウンドからは、堂々たる貫禄すら漂います。と同時に、西欧のこの手のバンドと趣きを異する(デビュー当時から一貫してKREYSONの魅力の一つだった)東欧ならではのどこか寒々しい感触を宿した抒情メロディも勿論健在。特にドラマティックな序曲①とセットで、スラッシーとさえ言える鋭利なGリフをフィーチュアしてアグレッシブに疾走する②はアルバムの掴みに相応しい名曲。クレイソンのバリトンVoが映えるバラード⑨にも思わずうっとりですよ。
チェコ語の堅い語感がドラマティックな音楽性に非常にマッチしている1枚ではないかと。


KREYSON - Návrat Krále - Archanděl Michael ★★★ (2019-04-19 01:01:51)

アルバム・タイトルが『王の帰還』で、この曲のタイトルが“大天使ミカエル”ということで、
何らかのコンセプト色を感じさせるのですが、生憎とチェコ語はさっぱりで…。
ただ歌詞の意味は分からずとも、パワー・メタリックなリフ&リズムをフィーチュアして
突っ走る楽曲のドラマティックなカッコ良さはビンビンに伝わってきます。
Voにしろ楽器陣の演奏にしろ、嘗てとは別バンドと聴き紛う貫禄と逞しさですよ。


KROKUS (2011-10-16 01:56:22)

今年はKROKUS(とSTRYPER)目当てでLOUD PARK 11に参加してまいりました。

前座のAMARANTHEが終わった途端、若人が一斉にスタンディング・スペースから
引き上げてしまったため、アリーナ内の客数が少々寂しいことになっていた点と
(代わりにメンバーを間近で拝む事が出来て嬉しいような悲しいような)
期待していた名曲“HEADHUNTER”が聴けなかった点は残念でしたが、
それ以外は概ね満足行くライブだったんじゃないかな、と。・・・まぁファンの欲目ですが。
(Gの1人が病気で急遽帰国したとかで、マンディ・メイヤーが
UNSONICと掛け持ちで助っ人参加してました)

セットリストはやはり『HEADHUNTER』と『METAL RENDEZVOUS』からの選曲を中心に
組み立てられており、個人的には“TOKYO NIGHTS”を生で聴けたことが嬉しかったなぁ。
いやそれにしてもマーク・ストレイスの歌いっぷりの良さと来たら、
ルックスは完全にお爺ちゃん風味入っているというのに、歌声は全く衰えていない
どころか、上記2作品を発表した頃より明らかに上手くなっていて驚かされましたね。


KROKUS (2011-10-16 21:13:09)

贔屓目抜きで言うなら、フェスという短期決戦の場ゆえ
もうちょいアップテンポの楽曲多めで攻めても
良かったような気はしますよね。
(LOUD PARKのメインの客層にアピールするためにも)
ボブ・ディランのカヴァー演るんなら
“HEADHUNTER”演ってくれよ!と(笑)


KROKUS - Headhunter ★★ (2008-11-07 22:49:00)

スイスの国民的人気バンドKROKUSが'83年にリリースした、彼らの最高傑作と名高い7thアルバム。邦題は『髑髏の紋章』
カミソリの如きVo、ソリッドなGリフにタイトなリズム、そして、欧州のバンドならではの翳りを湛えたメロディが
一体となって疾走する楽曲の数々は、(↑上で別の方が指摘されている通り)確かに『KILLNG MACHINE』や
『BRITISH STEEL』の頃のJUDAS PRIESTを彷彿とさせる仕上がりで、実際、プロデュースを担当しているのは
JUDAS PRIESTとの仕事で有名なトム・アロムだし、本家JPからはロブ・ハルフォードもゲスト参加。
だが、何よりも本作最大の魅力は、そのキャッチーさ。この親しみ易いノリの良さがあったればこそ、本作は
全米チャート最高25位にランクイン、ミリオン・セラーを記録する等の商業的大成功を収められたのではないだろうか?
特にアルバム表題曲①は、HM然とした切れ味の鋭さと、KROKUSならではのキャッチネスが絶妙な融合をみた、名曲中の名曲。
また、カミソリVoで楽曲のヘヴィ・メタリックな質感を増強する一方、ダークで劇的なバラード③においては
叙情的な歌い込みを披露する等、幅広い表現力を誇る名ボーカリスト、マーク・ストレイスの存在もこのバンドの大きな武器。
KUROKUSのアルバムの中では、実は例外的な作風の1枚だったりするのだが、ともあれ、HM黎明期を代表する名盤には違いない。
最近、まさかの国内盤再発(しかもリマスター)が掛かったので、また廃盤になる前に正統派HMファンは是非ゲットを。


KROKUS - Headhunter - Headhunter ★★★ (2008-11-07 22:56:01)

カミソリの如きVo、ソリッドで切れ味鋭いリフ、
タイトに疾走するリズム、そしてヨーロピアンな翳りを
湛えた劇的なツイン・リード・・・と、
HMバンドとしてのKROKUSの魅力がギュッと詰まった必殺の名曲。
アグレッシブでスピーディ、尚且つ非常にキャッチー。
いやー、カッコイイ。


KROKUS - Headhunter - Ready to Burn ★★ (2008-11-07 23:08:54)

メタリックな攻撃力と、適度なノリの良さを併せ持ったHMチューン。
バックVoとしてロブ・ハルフォードがゲスト参加。
一聴してそれと分かる特徴的な声でマーク・ストレイスのVoを
食いまくっていて、そのせいか、この曲のJUDAS PRIEST度は
他の収録曲に比べてもかなり高い。


KROKUS - Headhunter - Screaming in the Night ★★★ (2008-11-07 23:02:15)

名盤『HEADHUNTER』のメロウ・サイドを代表する名曲。
ダークでドラマティックな楽曲自体の完成度の高さも
然る事ながら、エモーショナルな歌声を聴かせてくれる、
マーク・ストレイスのVoが素晴しいったらありゃしない。
カミソリ・ボイスでスピード・ナンバーの切れ味を増す一方、
こういった叙情的な楽曲も情感豊かに歌い上げるんだから、
本当に優れたシンガーですなぁ。


KROKUS - Heart Attack ★★ (2020-06-03 00:09:47)

次世代バンドが続々メガヒットを飛ばすアメリカにおいて、徐々に居場所を失いつつあったKROKUSが、オリジナル・メンバーであるクリス・フォン・ロア(G)復帰と、MCA RECORDSへの移籍を経て'88年に発表した10thアルバム。
安定感のあるパフォーマンスや、マイケル・ワグナーが手掛けたプロダクションからはメジャー・バンドとしての貫禄が溢れてくる一方で、やる気が空回りしたかの如くDEF LEPPARDからWHITESNAKEまで、元ネタがスケスケ過ぎて目のやり場に困るような楽曲が続くため、「KROKUSがやらかした作品」として評価が割れる本作。
これ聴いて立腹するHR/HMファンの気持ちも非常に分かるのですが(当時メンバーは曲作りについてインタビューでどう答えていたんでしょうかね?)、後追いリスナーの気楽さゆえか、ライブで盛り上がりそうなアンセミックな③、『悪徳のメタル軍団』収録曲をセルフ・リメイクした劇的な④、ACCEPTの“FAST AS A SHARK”ばりに突進するスピード・ナンバー⑤、言訳不能なレベルでDIOの“WE ROCK”クリソツな⑩等々、元ネタはあからさまでもイカしたHMナンバーが次々繰り出される本作は、彼らのカタログの中でも聴き直す頻度が高めの1枚だったりします。80年代末期にアメリカでビッグ・ヒットを狙うには、DIOとかACCEPTとかJUDAS PRIESTとか、引用先の面子が微妙に時期を外している(失礼)のも、露骨なヒット狙いというよりは「好きが高じてやっちゃった」的な天然ボケ感があって何だかニクめないという。
これを最後にバンドが活動停止状態に陥ってしまったのはむべなるかなですし、入門盤としてもお薦めはできませんが、個人的には今後もこっそり愛聴していきたい1枚かなと。


KROKUS - Heart Attack - Axx Attack ★★★ (2020-06-03 23:49:18)

メイン・リフはACCEPTの“FAST AS A SHARK”っぽいですが、
あの曲のあのリフは世界中のメタル・バンドにインスピレーションを授けた「発明」ですからね。
そこにJUDAS PRIESTの“FREEWHEEL BURNING”までブッ込んでいるのですから、
(オリジナリティはさておき)カッコイイ曲に仕上がらないわけがないという。


KROKUS - Hellraiser ★★ (2020-03-02 00:37:38)

スイスの国民的HRバンドKROKUSが、ドイツのAFM RECORDSに移籍後、1stアルバムのリリースから丁度30年というタイミング(’06年)で発表した15thアルバム。ちなみにプロデュースはPINK CREAM 69のデニス・ワードが担当しています。
タイトルが『HELLRAISER』と何やら厳めしい感じなので、もしかしたら名作『髑髏の紋章』ばりの80年代ヘヴィ・メタリックなサウンドを演ってくれているかも…と、仄かな期待を胸に聴き始めてみれば、立ち上がりからロックンロール・ナンバーが連打されるマッタリとしたお出迎え。やはりAC/DC路線には微塵の揺るぎもなかったという。そりゃそうか。
ただ、母国のアルバム・チャートで№1ヒットとなった前作『ROCK THE BROCK』(’03年)に続き、本作も最高第2位をマークしてゴールド・ディスクを獲得する等、KROKUSの健在ぶりを示す成功作となっただけあって、質の高さは折り紙付き。特に、大味にならぬようメロディにはさりげなくフックが仕込まれ、80年代に比べグッと表現力を増したマーク・ストレイスの歌声と、マンディ・メイヤーのツボを心得たGプレイが好サポートを得た本編は、物悲しさ漂わせつつ重厚に展開する④や、ヘヴィに押し出す⑤、哀メロが胸に沁み入るバラード⑥、仄かな憂いを纏った曲調とGソロが印象的な⑫といった、スロー~ミドル・テンポ系の楽曲の魅力が際立つ仕上がり。それでいて、名曲“HEADHUNTER”を彷彿とさせるスピード・ナンバー⑦をちゃんと用意してくれている抜かりなさも素敵です。
強烈なインパクトを受けることはなくとも、聴き込むほどに味わいが増して来る、ベテラン・バンドの業前が堪能できる1枚。


KROKUS - Hellraiser - Spirit of the Night ★★★ (2020-03-02 23:29:57)

メタリックに疾走する曲調が、名曲“HEADHUNTER”を
思い起こさずにはいられないスピード・ナンバー。
やればできる子、KROKUS!
メロディックに繰り出されるマンディ・メイヤーの
Gソロも楽曲のテンションを高めてくれています。


KROKUS - Metal Rendez-vous ★★ (2009-01-01 12:56:00)

本作より名Voマーク・ストレイスが加入。サウンド・スタイルも、欧州でのNWOBHMの勃発と歩調を合わせるかのように、
それまでの70年代型HRスタイルから、シンプル且つアグレッシブなエネルギーが迸るヘヴィ・メタル路線へと
転換を果たし、KROKUS躍進の切っ掛けともなった、'80年発表の4thアルバム。
ヘヴィ・メタルといっても、ここで聴く事が出来るのは傑作『HEADHUNTER』('84年)のようなJUDAS PRIEST直系の
それではなく、マーク・ストレイスのカミソリVoを活かして、キャッチーなタテノリのリフ&リズムが疾走するAC/DC路線。
自然に身体が動き出す楽曲の数々は、①を筆頭に理屈抜きの気持ち良さを誇るが、個人的な好みで言えば、
マークの幅広い歌唱力が堪能できる、JPを思わせる重厚なツインGをフィーチュアした③、SCORPIONS風の泣きのバラード④、
タメを効かせながら盛り上がっていく横ノリ・ナンバー⑧といったミドル/スロー・ナンバーの方が、よりお気に入り。
あと、本作を語る上で絶対に外せないのが⑥の存在で、正直、本作の購入動機の大半はこの曲にあったと言っても
過言ではないのだが、実際、日本のソープランドでの思い出話を綴ったアホな歌詞に、炸裂する怪しげな日本語
(ドウカ行カナイデ、愛シテル)と、物悲しげなメロディに彩られた、ムーディな曲調のギャップにヤられること
請け合いの素晴しい名曲に仕上がっています。(いや、冗談抜きで本当に良い曲なんすわわ)
『HEADHUNTER』とはタイプが異なるものの、これもまたHMバンドKROKUSの残した名盤の1つかと。


KROKUS - Metal Rendez-vous - Come On ★★ (2009-01-01 13:06:24)

全体的にAC/DC色が濃厚な4thアルバムの中にあって、
この曲のJUDAS PRIESTっぷりは一際異彩を放つ。
(特にツインGのハモリ具合とか)
そういう意味では、後の『HEADHUNTER』の伏線となった1曲と言えるかも?


KROKUS - Metal Rendez-vous - Fire ★★ (2009-01-01 13:13:31)

マーク・ストレイスの歌唱が映える横ノリチューン。
Gがタメの効いたソロを聴かせてくれる、
中盤の劇的なインスト・パートは何度聴いてもグッときます。


KROKUS - Metal Rendez-vous - Streamer ★★ (2009-01-01 13:11:36)

揺らめくような叙情性に彩られた曲調が、
ブルージー且つダイナミックに盛り上がっていく名曲。
シャウトだけじゃない、マーク・ストレイスの歌の上手さが
際立つ1曲。Gも良い仕事をしてくれていますね。


KROKUS - Metal Rendez-vous - Tokyo Nights ★★★ (2009-01-01 13:03:21)

BABYESのメンバーから聞いた日本のソープランドでの思い出話を
元にしたという歌詞や、ゲイシャが喋る怪しげな日本語
(ドウカ行カナイデ、愛シテル)だけを取り出すと
単なる珍曲だが、それを彩る哀愁を帯びた曲調や、
マーク・ストレイスの歌う泣きの入ったメロディは非常に魅力的。


KROKUS - Stampede ★★★ (2020-05-06 00:14:10)

’89年発表の『HEART ATTACK』を最後に、ほぼ解散状態にあったというスイスのベテランHRバンドKROKUSが、'91年に帰還の挨拶として放った11thアルバム。(日本盤はVICTORからのリリース)
正直、この頃彼らについては「名前は知ってるけど…まだやってたの?」と完全に興味の範疇外。しかもバンドというよりは唯一残ったフェルナンド・フォン・アルプ(G)のソロ・プロジェクト状態ゆえ、本作に対する期待値は限りなくゼロベースだったのですが、しかし後追いで聴いて吃驚。これが名盤『髑髏の紋章』(’83年)にだって負けない気迫が漲る力作じゃありませんか。
脇を固めるメンバーも、元KILLERのマーニー・モーラー(G)、マーク・ストレイス激似のカミソリ・シャウトが鼓膜をつんざくピーター・マクターナー(Vo)、後にPOLTERGEISTに参加するピーター“ラビット”ハース(Ds)等タレント揃い。疾走感溢れる曲調にツインGの劇的なハモリが華を添える①と、緩急を飲み込みアルバムを締め括る⑪という強力なスピード・ナンバーを頭とケツに配し、HM賛歌②(どこかMANOWARの“KINGS OF METAL”風)、重厚な⑤、ノリ良く飛ばす⑥、歌詞が“TOKYO NIGHTS”の続編みたいな⑧、そしてクライマックスをドラマティックに盛り上げるバラード⑨といったバラエティ豊かな楽曲がその合間に敷き詰められた本作は、自らの原点を見つめ直し、再びアクセルを踏み込まんとするバンドの堅固な意気込みが感じられ、好感度もボルテージもうなぎ上り。
HR/HMシーンが大きく変貌を遂げ始めた'90年という時代の節目に不幸にも埋もれてしまった感のある、KROKUSが残した隠れた逸品ですよ。


KROKUS - Stampede - In the Heat of the Night ★★★ (2020-05-07 00:48:19)

KROKUS版“死の国の彼方に”とでも言いたくなる(単なる印象論)
7分以上の長尺を情感豊かに、且つドラマティックに綴る大作ナンバー。
元HEADHUNTERの新Voピーター・マクターナーの
持てる力全てを振り絞るような熱唱に胸打たれます。


KROKUS - Stampede - Stampede ★★★ (2020-05-07 00:37:48)

「ソロ・プロジェクトだなんて言わせねえぜ!」
とばかりにフェルナンド・フォン・アルプが意気軒高に叩きつける、
タイトル通り荒馬の如く疾走するOPナンバー。
ツインGによる劇的なハーモニーと新Voの塩辛シャウトも
JUDAS PRIEST直系な楽曲のヘヴィ・メタリックな感触を増強してくれています。


KRYPTONITE - Kryptonite ★★★ (2024-12-18 01:13:03)

無敵のスーパーマン唯一の弱点として知られる物質からバンド名を頂戴して(るんじゃないかな?多分)KRYPTNITEを名乗ったスウェーデンの4人組が、'17年にFRONTTIERS RECORDSから発表した1stアルバム。
メンバーはTHE POODLESのヤコブ・サミュエル(Vo)を中心に、近年はPALACEやFIRST SIGNALで良い仕事しまくりのマイケル・パレス(G)、現TREATのポンタス・エグベリ(B)、ECLIPSE、W.E.T.他のロバン・バック(Ds)という、いずれも腕に覚えのある面々。更にプロデュース兼ソングライターとして名手アレッサンドロ・デル・ヴェッキオまで参集しているのですから、アルバムの方向性もクオリティの高さも、メロディ愛好家諸兄であればある程度推察できるのではないでしょうか。(実際その予想は当たっています)
正直なところ、1+1が10や20になるようなマジックの発生は感じられず、「この顔触れならば、そりゃこれぐらいの作品仕上げるのは余裕だよね」レベルに留まっているとの印象は拭いきれないところではあるのですが、だからといって本作の素晴らしさにケチなどつけようもないわけで。特にヤコブの熱唱型Voと、アレッサンドロが作り出す哀愁とフックの効いたメロディが絶妙に組み合われた④、ブルージーなイントロから高揚感溢れるサビメロへの展開が胸を打つ⑤、感動的なバラード⑦といった秀曲が並ぶ中盤には、メロディ職人達の底力を見せてもらった気がしますよ。
メンバー各々が本業を抱えて忙しいせいか第2弾アルバムの噂は一向に聞こえてきませんが、お代わりを所望せずにはいられない聴き応え十分の力作です。


KRYPTONITE - Kryptonite - Fallen Angels ★★★ (2024-12-20 07:21:18)

アレッサンドロ・デル・ヴェッキオ提供曲。
ミドル・テンポでじっくり聴かせる哀愁のメロディを
ヤコブ・サミュエルの熱唱型のVoがエモーショナルに盛り上げてくれています。


KUNI - Lookin' for Action ★★ (2008-07-13 22:42:00)

80年代に、アメリカでミュージシャンとして活動を繰り広げ、近年はBIG M.F.代表として、
MANOWARのアルバムにライナーを寄稿したり、ケーブルTV番組の司会を担当したりと、音楽プロデューサー的な仕事を
こなしているKUNI(G)が、渡米時代に制作、'88年にリリースした2ndアルバム。
いかにも「ギタリストのソロ作品」といった印象だった前作『MASQUE』に比べ、メンバーを固定する事でよりバンドらしさを強調し、
アメリカでの成功を手中に収めるべく、ジェフ・スコット・ソートの熱くパワフルなVoを楽曲の中心に据え、
以前よりもグッと「歌」の比重を高めた本作は、親しみ易く洗練されたメロディの魅力が前面に押し出された仕上がり。
曲作りやアレンジメントに、プロデューサーとして参加しているSLAUGHTERのディナ・ストラムや、GIUFFRIA~QUIET RIOTの
チャック・ライトらが関わっているだけあって(他にもSTRYPERのオズ・フォックス、VINNIE VINCENT INVASION時代の
マーク・スローターなんかもゲスト参加。あと、現GPSの奥本亮も前作に引き続き関わっているのかな?)、
1stシングルの①、ヘヴィ・バラード④、アルバム・タイトル・トラック⑤etc・・・と、収録曲は何れも良く練り込まれ、粒揃い。
そして何より評価すべきは、KUNIが単独で書き上げたナンバーが、きっちりとアルバムのハイライトを飾っている点で、
特に、擬似ライブ風のアレンジが盛り上がりを演出する②、哀愁のHRチューン⑦、スピーディな⑧、憂いに満ちた⑪といった楽曲は、
フラッシー且つ歌心溢れる彼のGプレイと併せて、KUNIのミュージシャンとしての成長を端的に物語る、素晴しい出来栄え誇る。
歌謡曲テイストに代表されるような、ジャパメタっぽさが殆ど感じられないバタ臭い作風ゆえ、洋楽志向のリスナーにも
すんなり受け入れられそうな1枚。DOKKEN辺りを好む人には是非とも聴いて頂きたい力作なのだが・・・既に廃盤か。求・再発。


KUNI - Lookin' for Action - Little Rebel ★★ (2008-07-17 23:44:23)

繊細な表現力に冴えを見せるKUNIのGソロが素晴しい、
哀愁のHRナンバー。


KUNI - Lookin' for Action - Lookin' For Action ★★★ (2008-07-17 23:29:51)

キャッチー且つ哀愁の効いたメロディといい、
溌剌と弾けるリズムといい、
LAメタル的な雰囲気が濃厚に漂う、絶品のポップ・メタル・チューン。
個人的にも、この曲が2ndアルバムのハイライトかな。


KUNI - Lookin' for Action - Reckless ★★ (2008-07-17 23:40:04)

アルバム随一のハードさを誇る疾走ナンバー。
ただ速いだけでなく、メロディにしっかりとフックが設けられているし、
カラフルなGソロも聴き応え十分。


KUNI - Lookin' for Action - Say Goodbye ★★ (2008-07-17 23:36:10)

憂いを帯びたメロディを、情感豊かに、エネルギッシュに
歌い上げるジェフ・スコット・ソートのVoが
素晴しいったらもう。


KUNI - Lookin' for Action - Shine On ★★ (2008-07-17 23:26:12)

下手するとこっ恥ずかしいだけのライブ風演出が
上手くハマッて、高揚感を演出してくれるノリノリのHRチューン。
フックの効いた歌メロと、フラッシーなGソロも○。


KUNI - Masque ★★ (2010-11-03 22:33:33)

上記で失恋船長さんが挙げておられる通り、LA界隈の名の知れたミュージシャン連中の協力を得て制作、'86年に発表された日本人ギタリストKUNIの1stソロ・アルバムが遂にリマスター再発。いや~、カセットテープしか持ってなかった(しかも随分前にラジカセがぶっ壊れてしまってもう聴けない)ので、この再発は嬉しい限りです。
個人的に、彼の最高傑作と考えている2nd『LOOKIN' FOR ACTION』に比べると、何の衒いもなく正統派HM道を突き進んだ内容だが、元ANTHRAXの二ール・タービン(Vo)が参加する攻撃的な疾走曲⑥や、カル・スワン(Vo)のエモーショナルな歌声が映える哀愁のHRナンバー⑧といった一部の楽曲を除くと、それ以外はやや型にハマッてしまっている印象で、粒は揃っているにも関わらず、通して聴くと然程印象に残らない点が何とも勿体ない。
それよりも、ビリー・シーン(B)や奥本亮(Key)、マーク・エドワーズ(Ds)らとKUNIが火花散るハイテンションなバトルを繰り広げる④⑤⑦、それにゲイリー・ムーアへのトリビュート・ソング(?)⑨といったインスト曲の方がずっと魅力的。KUNIもデビュー作らしく終始派手に弾き倒しており、それでいて無意味な音符の羅列にはならず、ちゃんと心を捉えるメロディを紡ぎ出す辺り、やはりこの人は優れたGプレイヤーであると再確認。①を筆頭に、彼の華を備えたGソロが始まった瞬間、パッと輝きを放ち始める楽曲は多い。
そういう意味では、実にギタリストのソロ・アルバムらしい1枚と言えるかも。


L.A. GUNS - A Fistful of Guns: Anthology 1985-2012 - It's Not True (2017-12-19 00:21:07)

カナダの音楽シーンでスタジオ・ミュージシャンとして活動していたメンバーが結成。CBS/EPICと契約を果たして1st『STRAIGHT LINES』(’80年)でデビューした当時は、ドラマーが二人いるというプログレ・バンドみたいな変則的メンバー構成だった。
キャッチーなメロディを、洗練されたアレンジやテクニカルな演奏に載せて聴かせる音楽性と、セッション畑出身メンバーにより結成されたバンドということで「カナダのTOTO」なる異名を取ったとか。
‘81年発表の2nd『RUN FOR COVER』からは2曲のシングル・ヒットが生まれ、ジュノー賞(カナダのグラミー賞と言われる)にもノミネートされているが、3rdシングルが不発に終わったことでレコード会社がバンドに対する興味を薄れさせ、結果、STRAIGHT LINESは間もなくその活動を停止している。


L.A. GUNS - A Fistful of Guns: Anthology 1985-2012 - Sex Action (Re-Recorded) ★★★ (2017-12-20 23:39:27)

「カナダのTOTO」ことSTRAIGHT LINESが'81年に人知れず発表していた2nd。いや、バンドの存在すら最近まで知らなかったくせに「人知れず」も何もねーだろって話ですが。
1st『カナディアン・ロマンス』の完成度に感激し、速攻、世界初CD化が実現した本作も購入。セールス的不振を理由に当時日本盤リリースが見送られている上、『カナディアン~』に比べるとかなりポップな仕上がりとの事前情報をキャッチして、こりゃあもしや退屈な内容なのでは…?という懸念を払拭できずにいたのですが、どうしてどうして。実際は大変素晴らしい出来栄えで万歳三唱・拍手喝采。疑ったりした俺のバカ。
とは言え、サウンドがよりポップになっているのは間違いなく。ドラマティックな名曲“哀しみのステージ”に代表されるような、プログレ・ハード風味が大きく後退してしまった点は残念なれど、その分、楽曲はアレンジや曲展開がコンパクトに練り込まれ、哀メロのフックにも手抜かりなし。JOURNEYの“SEPARATE WAYS”風OPナンバー①に、小気味良く駆け抜ける⑥等のロック・チューンがあったかと思えば、サックスをフィーチュアしてウッキウキに弾むキャッチーな③もあり、感動的な②と哀切に満ちた④という2曲のヒット・バラードがあり(前者はカナダのシングル・チャートでTOP10入り、後者もTOP40入り)…といった具合に、収録曲のクオリティは決して前作に引けを取らない。終盤にアクセントとなるキメ曲があれば、作品としてはより一層締まった気はしますけども。
カナダのジュノー賞をLOVERBOYと争った(結果敗れた)という話は伊達じゃねぇ!と思わされる、実績も品質も十分に備わった1枚。


L.A. GUNS - Hollywood Forever ★★★ (2019-09-16 22:29:58)

「遅れて来たLAメタル・バンド」として人気博すも、中心メンバーのフィリップ・ルイス(Vo)とトレイシー・ガンズ(G)の仲違いにより、2つに分裂してしまった時期もあったL.A. GUNS(現在は両者の関係も修復され一緒に活動しており、バンドもファンも皆ハッピー)。本作はその分裂期にフィル率いる方のL.A. GUNSが発表したアルバムです。
当時はそうした泥仕合の印象が悪過ぎて購入はスルー。その後、安売りされているのを発見して全く期待せずに聴き始めたぐらいの後ろ向きな態度だったのですが、意外や意外。これが結構な完成度を有しており、耳からポロッとイヤフォンが零れ落ちてしまいましたよ。
このバンドらしいバッド・ボーイズ・ロックンロールを基軸としつつも、経年によりサウンドの方には若干落ち着きが感じられるようになっていて、しかし、それによりメロディの哀愁味が明らかに増すという結果オーライぶり。特に憂いに満ちた②、じっくり聴かせる④、重厚な⑦、フィルの熱唱が胸を打つ⑨等、ミドル~バラード系の楽曲には耳惹かれずにはいられません。一方でアルバムの最初と最後にバンドがRAINBOWからの影響を語る①や、ノリの良い⑪のような疾走ナンバーを配し、全体の流れにメリハリをつける姿勢も「単に枯れただけと見縊んなよ?」ってなバンドの意地が感じられ頼もしいじゃないですか。
フィルのしわがれVoも相変わらず味わい深く、人によっては「いつまで経っても上手くなんねぇな」と思わるかもしれませんが、飾らない分直球で刺さってくるヘタウマ感を今も変わらずに保ち続けられるのは立派な才能。L.A. GUNSに欠かせぬ看板声ですよ。
そんなわけで予想以上に楽しめた1枚。次作も買わないと。


L.A. GUNS - The Missing Peace ★★★ (2024-10-14 22:49:33)

共に成功の美酒を味わっても、一旦人間関係が拗れるとその修復が簡単にいかないことはセバスチャン・バックとSKID ROWを例に出すまでもなくよくある話ですが、一方でかつては「もう仲直りなんて無理なんじゃね?」ぐらい派手に舌戦を繰り広げてたのに、恩讐を乗り越えてトレイシー・ガンズ(G)とフィル・ルイス(Vo)が合流、現在に至るまで順調に作品リリースを重ねるL.A. GUNSのようなバンドもいるわけで。
'18年にFRONTIERS RECORDSから発表された本作はL.A. GUNSが'18年に発表した…もう何枚目のアルバムなのかはよう分かりません。ただ両雄のパートナーシップ復活を祝うに相応しいだけの強力な内容を誇っていることは間違いないところ。トレイシーが刻むGには老成とは無縁の力強さが宿り、看板シンガーたるフィルのVoも円熟味を増しつつ独特のクセの強さも健在。妖しく重厚に押し寄せる④、枯れた哀愁漂わすパワー・バラード⑤、ヘヴィ・メタリックなGリフをフィーチュアして突き進む⑧⑩、Keyを隠し味にドラマティックに盛り上がっていく⑪、悲壮感に満ちたバラード⑫…と、「L.A. GUNS=能天気なロックンロール・サウンド」という先入観にうっちゃりをかます、明るさよりも哀愁成分の方が勝る収録楽曲の数々にもグッと来ますよ。中でもJUDAS PRIEST風のGリフにDEEP PURPLE調の歌メロが乗っかった疾走ナンバー②と、フィルのVoとトレイシーのGから激情が迸りまくる⑨はアルバムのハイライト的名曲じゃないでしょうか。
「今がL.A. GUNSの全盛期」って意見に、冗談でもなく同意したくなる説得力を有した1枚ですね。


L.A. GUNS - The Missing Peace - Speed ★★★ (2024-10-16 00:49:01)

ヘヴィ・メタリックなGリフに、疾走する曲調に乗っけられた
ライブ映えする掛け声コーラスと、L.A. GUNSの新たなアンセムと
呼べそうな会心の名曲。DEEP PURPLEの“HIGHWAY STAR”の歌メロを
部分的に拝借しているのは、タイトルに引っ掛けているからでしょうかね。


LAAZ ROCKIT ★★ (2008-02-17 09:11:00)

新しいアルバム、作ってくれますかね?
THRASH DOMINATION 05で見たメンバーは、セミ・リタイア状態なのか?
というぐらい、もろ「アメリカの普通のオッサン」ちっくな
ルックスだったんですよね(笑)。
とは言え、ライブ・パフォーマンス自体は楽しめたので、
アルバムを作ってくれればそれに越した事はないんですが。


LAAZ ROCKIT ★★ (2008-08-12 21:42:00)

遂に、待望の新作『LEFT FOR DEAD』が発売になりましたね。
店の人の話では、かなり良い感じの内容に仕上がっているそうですし、
ボーナストラックとして、THRASH DOMINATION 05参加時の音源も
収録されていたりして、心情的には今すぐにでも買いたいぐらいなんだけど、
さて、国内盤が出るのかどうか・・・。


LAAZ ROCKIT - Annihilation Principle ★★ (2006-09-26 21:33:00)

サンフランシスコのクランチ軍団こと、LAAZ ROCKITが'88年に発表した4thアルバム。
彼らの最高傑作は?と聞かれると、よりメロディアスでパワーメタル風味の前作『KNOW YOUR ENEMY』とコレ、
どちらを挙げるべきか悩ましいところなのだが、ライブでは観客の大合唱を誘発する、勇壮なOPチューン①、
DEAD KENNEDYSのカヴァーで、シングル・カットもされたノリノリの⑤、叙情的なイントロから
ドラマチックに疾走を開始する⑧、厳粛な雰囲気漂うパワー・バラード⑨等、LAAZ ROCKITの代表曲、
必聴の名曲、ライブの定番曲がズラリ揃ったこの作品こそが、やはり個人的にはベストだろうか。
そして何より、本作を大きく特徴付けているのが、そのサウンド・プロダクション。特に、壁を築くかの如く
ジャキジャキと刻み込まれるエッジの効いた分厚いGリフは、さながらクランチ・サウンドの権化といった趣き。
「ベイエリア・クランチ」という言葉は知ってるけど、それが具体的にどういう音を指すのかはよく分からない、
と言う人は、まず本作を聴いてみるとこをお薦めさせて頂く。
実際、あまりに隙間なく音の塊が攻め立てて来るので、ずっと聴いてると疲れるという欠点はあるものの、
個人的には心地良い疲労感なので無問題。パワフルだが一本調子のマイケル・クーンズのVoも、
ここへ来てかなり上達した感じで、特にバラード⑨での押し引きを心得た歌唱なぞ、立派なものだ。
尚、国内盤はダイナモ・フェスティバルでのライブ・テイク2曲を収録。迫力のパフォーマンスが楽しめる。