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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3201-3300
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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3201-3300
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LAAZ ROCKIT - Annihilation Principle - Fire in the Hole ★★★ (2007-04-14 21:48:52)

4thアルバムをOPを飾る必殺の名曲。
でも、個人的には『TASTE OF REBELLION』バージョンがイチオシ。
選曲に難のあるライブ・アルバムですが、
この曲における観客の「FIRE IN THE HOLE!」大合唱は
聴いてると血圧が上がるぐらい燃えます。


LAAZ ROCKIT - Annihilation Principle - Mirror to Madness ★★ (2006-04-10 20:19:53)

ドラマチックなイントロからしてガシッと掴まれる突撃スラッシュ・チューン。
カラリとした歯切れの良さ(陽性だが脳天気には非ず)が持ち味の彼らには珍しい
欧州へヴィ・メタリックなリフが非常にカッコイイ。
そこから、もろヨーロピアン風味なパワー・バラード“THE OMEN"に繋ぐ構成も上手い。


LAAZ ROCKIT - City's Gonna Burn ★★ (2007-06-28 22:46:00)

サンフランシスコのクランチ軍団ことLAAZ ROCKITが、'84年に発表した1stアルバム。
3rd『KNOW YOUR ENEMY』以降の、まるでベイエリア・スラッシュ・メタルの権化の如きアグレッシブなサウンドで
知られる彼らも、このデビュー作の時点では、JUDAS PRIESTやIRON MAIDENから大きな影響を受けたと思しき、
オーソドックスなヘヴィ・メタル・テイストが色濃く薫る。ブックレットに大きくロン・キールの名前が
クレジットされているせいか、時に明快なリフ・ワークからはLAメタルっぽさも感じ取れるような・・・。
とは言え、(メンバーのルックスも含めて)マッチョで硬派な本作にチャラチャラと浮付いた雰囲気は皆無。
マイケル・クーンズの男臭く攻撃的なVoは、とてもじゃないけどキャッチーとは言い難いし、流麗なツインGは
欧州的な湿り気をタップリと帯び、中盤にクールなリズム・チェンジ・パートを備えた③や、シュレッド・リフに
圧倒される本編最速の⑤といったスピード・チューンからは、既に後のスラッシュ・メタル路線の萌芽が確認できる。
そして何より本作は、そのサウンドに宿る重量感が半端なく凄まじい。へヴィ・メタルどころかスラッシュ・メタルすら
凌駕する勢いのこの特異なヘヴィネスは、ライブでもお馴染みの名曲⑦に、特に強く表れているので必聴だ。
正統派HMと呼ぶにはアグレッシブ過ぎ、スラッシュとして括るにはメロディアス過ぎるという、
まさに王道パワー・メタル・サウンドが堪能できる1枚・・・なんだけど、発表時期がパワーメタルというジャンルの定義が
曖昧だった時代せいか、日本では「中途半端」と取られて(?)高い評価が得られなかったのが惜しまれる。


LAAZ ROCKIT - Know Your Enemy ★★ (2007-02-03 00:54:00)

サンフランシスコのクランチ軍団が'87年に発表した3rdアルバム。上り調子のバンドの勢いが如実に反映された1枚で、
次作『ANNIHILATION PRINCIPLE』と並んで、LAAZ ROCKITの最高傑作に推すファンも多い力作。
その『ANNIHILATION~』がベイエリア・スラッシュ・メタルの王道を行く内容だったのに対し、
本作はメロディ重視の作風で、リフにしろ、歌メロにしろ、流麗なツイン・リードGにしろ、
ヨーロッパ風味の哀愁や湿り気が多分に含まれていて、叙情的に始まり劇的な盛り上がりをみせる
名曲中の名曲④を筆頭に、パワーで圧倒するのではなく、よりメロディを聴かせようとする姿勢が感じられる。
とは言え、前2作に比べれば格段にスラッシュ・メタル度が高まっているのも間違いないのない事実で、
特に、イントロの「これぞLAAZ ROCKIT!」というリフの刻みからして強烈極まる②や、
日本のファンに人気の高い③なんかは、全スラッシャー納得のそっち系の名曲だ。
全体的に見て、このバンドの全アルバム中、攻撃性とメロディのバランスが最も絶妙な1枚と言えるんじゃなかろうか。


LAAZ ROCKIT - Left for Dead ★★ (2008-12-31 17:21:00)

前作『NOTHING$ $ACRED』以来、実に16年ぶりに発表された待望の新作アルバム。(6th)
・・・と言っても国内盤が出るまでに半年近くかかっており、それって最早新作とは言わんよなぁ。
THRASH DOMINATION 05で見た彼らは、ルックス的には完全に「セミ・リタイアしたアメリカの普通のオッサン」状態だったのだが、
こうしてちゃんと復活アルバムを発表してくれて、しかもそれが全盛期の作品群を彷彿とさせる、素晴しいクオリティを
誇っているのだから驚く。そりゃゼトロやチャック・ビリーも「傑作!」との賛辞を寄せますわな。
一発で掴まれる強力なGリフ、マイケル・クーンズのパワフル且つアグレッシブなVo、そして鋼の如き強靭なリズムとが
一丸となって疾走する高速スラッシュ・チューン①で幕を開ける本編は、(GACK時代の悪夢を払拭する)まさに『NOTHING$~』の
後に来るべきスラッシュ・メタル然とした内容に仕上がっており、若干、速さよりもヘヴィネス重視の姿勢も伺えるが、
元々、地を這うようなヘヴィ・チューンのカッコ良さにも定評のあったバンドゆえ、これは落胆には当たらない。
何より、嘗てベイエリア・スラッシュ・シーン随一の巧者と評判を取った、アーロン・ジェルムとフィル・ケトナーの
Gコンビが紡ぎ出す、欧州風味の湿り気を帯びたメロディが随所に配され、本編がヘヴィ一辺倒で味気なくなる事をしっかりと防止。
前述の①や、地響きを立てて押し進む④、叙情的に始まり、へヴィに盛り上がり、怒涛の如くクライマックスを駆け抜けていく劇的な⑨は、
スピード、パワー、メロディが見事に融合を果たした、新生LAAZ ROCKTならでは名曲に仕上がっているんじゃないかな、と。
まぁパワフル過ぎて、アルバム1枚聴き通すと(良くも悪くも)疲れる作風も相変わらずだけどね(笑)


LAAZ ROCKIT - Left for Dead - Brain Wash ★★★ (2008-12-31 17:39:56)

OPのGリフが炸裂した瞬間、がっちり掴まれました。
新生LAAZ ROCKITの門出を祝うに相応しい、
パワフル且つスピーディなスラッシュ・ソングの名曲。


LAAZ ROCKIT - Left for Dead - Desolate Oasis ★★★ (2008-12-31 17:41:58)

叙情的にスタートし、へヴィに盛り上がり、
後半はスラッシーの駆け抜けていく
6th『LEFT FOR DEAD』のハイライトを飾る
ドラマティカルな名曲。


LAAZ ROCKIT - Left for Dead - My Euphoria ★★ (2008-12-31 18:45:46)

重心低く、地響きを立てて突進するリフ&リズムがド迫力。
ドスの効いたシャウトを決めるVoと、
流麗にメロディを紡ぎ出すツインGも流石の存在感を示す。


LAAZ ROCKIT - No Stranger to Danger ★★ (2009-08-09 17:13:00)

「ベイエリアのクランチ軍団」の異名を取るLAAZ ROCKITと言えども、デビュー当時はシンプルなHMを演っており
(飽くまでこのバンドにしてはだけど)、特にこの'85年発表の2ndアルバムは、ブライトな音色で刻まれる
Gリフ、シンプルでノリ易いリズム、メロディアスに歌うマイケル・クーンズのVoに、華やかさすら漂わす
コーラス・ハーモニー、曲によっては(③とか⑤とか)「ポップ」とさえ表現できそうなナンバーが収録されていたりと、
彼らのカタログの中でも、一際LAメタルからの影響が強く感じられる作風に仕上がっている。
尤も、そこはLAAZ ROCKIT。デビュー作『CITY'S GONNA BURN』がそうであったように、メロディは常に欧州風味の
湿り気を帯び、流麗に弾きまくる構築度高めのツインGも健在。JUDAS PRIEST風のクールなGリフが映える②や、
叙情的でドラマティックな⑥、メロウ且つ軽快に駆け抜ける⑦なんてこの頃の彼らでしか作り得ない名曲だし、3rd以降の
作風を予感させる荒々しく畳み掛けて来る③や、ゴジラの咆哮からスタートするスラッシーな⑧のような楽曲もちゃんと収録。
LAAZ ROCKITの名から想起するサウンドとはやや異なる仕上がりながら、この完成度の高さは流石だ。
長らく廃盤で、家には昔友人にダビングして貰ったカセットテープしかなかったのだが、最近になってようやく
オフィシャルなリマスター再発が叶ったので、嬉しいったら。ブート盤買わずに耐えていた甲斐があるってもんです。


LAAZ ROCKIT - Nothing$ $acred ★★ (2011-04-29 01:44:53)

'91年中に完成していたものの、所属レコード会社の倒産に巻き込まれたため、'92年になって漸くROADRUNNER RECORDSからリリースされた5thアルバム。
当時は、息苦しさを覚えるほど重厚な作風が負担となって、あまり頻繁に聴き返すことはなかったが、HR/HMシーンが過激化の一途を辿った90年代~00年代を経て、今改めて本作と対峙してみると、案外普通にスピーディでパワフルな良質のスラッシュ・メタル・アルバムに聴こえてしまうんですな、これが。
テクニカルなツインGが華麗に乱舞する中、ド迫力で突っ走る高速スラッシュ・ナンバー①④や、バラード調にスタートし、徐々に速度を増しつつ盛り上がっていくドラマティックな⑧といった楽曲は、まさしく良く出来た「LAAZ ROCKIT印」の名曲ですよ。
とは言え、本作が彼らのカタログ中随一のヘヴィさを誇っているのも確かで、マイケル・ローゼンが手掛けた重厚なサウンド・プロダクションの下、マイケル・クーンズのドスの効いたシャウト、肉厚なクランチ・リフを徹底的に刻みまくる2本のG、そして重量感溢れるリズム・セクションとが分厚い音の壁を築いてズンズンと迫り来る、ゲップが出るほどの濃厚さも健在。
ただ今回は“FIRE IN THE HOLE”級のキラー・ソングが収録されていない(=山場に欠ける)ため、従来作品に比べ、否が応にも「聴き疲れ」を意識させられる内容なのも事実なのだが・・・。
んなわけで、通して聴くよりも1曲1曲をピックアップして楽しみたい1枚かな。


LAAZ ROCKIT - Taste of Rebellion: Live in Citta ★★ (2007-04-15 17:16:00)

'92年に実現した日本ツアーにおける、川崎クラブチッタ公演の模様を収録した、LAAZ ROCKIT初のライブ・アルバム。
力み過ぎたのか、全体的にイマイチ地味な仕上がりだった5th『NOTHING SACRED』に伴うツアーのため、
ベストとは言い難い選曲に、ドラム・サウンドばかり目立ってしまっているバランスの悪い音作り、
そしてアルバムでは兎も角、ライブでは単調さが気になるマイケル・クーンズのVoと、とてもじゃいないが
「ライブ・アルバムの傑作!」と絶賛できる内容ではないものの、それでも俺もこの作品は大好き。
演奏自体が非常にタイトで聴いていて気持ち良いし、何より、世界規模でのヘヴィ・メタル人気の低下、
オリジナル・ラインナップの崩壊、所属レコード会社の倒産と不運が相次ぎ、どん底の状況化にあって
遂に実現した待望の日本ツアーという事で、バンド・観客共にテンションの高さが尋常じゃない。
この怒涛の盛り上がりの前には、多少の不満なんぞ吹き飛んで、グイグイと引き込まれてしまいます。
(あと、黄色い歓声の多さも日本収録のライブ・アルバムならではの味か?)
特に、サビの「FIRE IN THE HOLE!」の大合唱が鳥肌を誘う名曲③や、アルバム・バージョン以上の疾走感と、
バンドと観客のコール&レスポンスに血圧上がりまくりの⑪辺りの盛り上がりは圧巻。
また、『悪魔のいけにえ4』のサントラに提供していた音源⑤が、ここで聴けるのも嬉しい。
・・・とまぁ、本作ならではの名演も多数収録されているので、スラッシャーなら1度はトライして頂きたいこのアルバム、
今ではCD屋の中古盤コーナーにて手頃な値段で転がっているのを見かけるので、機会がありましたら、皆さん是非。


LANCIA (2017-12-27 22:52:52)

バンド名を頂くシンガーのマイク・ランシアと幼馴染のDsを中心に、'89年にLAで結成。メンバーはGITで学び、クレイマーギター主催のコンテストではカート・ジェイムズ(ご存知?)を破って優勝を果たしたというG、ジョーイ・タフォーラの来日公演に帯同していたらしいB等、なかなかの腕利き揃い。ただ既にLAメタルは下火となっており、活動開始からレコード契約を得るまでに3年の歳月を必要とし、'92年にようやくAIE RECORDSからセルフ・タイトルのアルバムでデビューを飾る。
国内盤の解説では「ヨーロッパでチャート急上昇中」と書かれていますが、本国(並びにここ日本)では大きな話題になることもなく、バンドはアルバム1枚を残して消滅した模様。


LANCIA - Lancia ★★ (2017-12-27 22:53:57)

'89年に結成されたLA出身の4人組が、AIE RECORDSから’92年に(日本盤はポニー・キャニオンを通じて’93年に)リリースした最初で最後のフル・アルバム。
フロントマンであるポール・ランシアの名前をバンド名に冠しているため、何となくBON JOVIフォロワーの連中なのかと思っていましたが、イントロからDsの派手なフィル・インが炸裂し、エネルギッシュなVo、フラッシーに弾きまくるヴァン・ヘイレン・タイプのG、それに対抗するかの如く躍動するBという、全メンバーが対等に火花を散らして疾走するOPナンバー①が、いきなり挨拶代わりにブチかまされることからも明らかなように、スカッと豪快で抜けの良いパーティ・メタル・サウンドがその持ち味だったという。
90年代当時は、華やかなルックスも含めて完全に時代遅れ扱いされていた音であり、殆ど話題に上ることもありませんでしたが、確かな技量及び熱量を有するメンバーのパフォーマンス、及びメタリックなエッジや重量感と、ポップなメロディ・センスとを併せ持つ曲作りの巧さは決して侮れません。特に80年代にシングル・カットされていたならチャート上位に食い込むことは必至だったろうと思わされる、キャッチーなポップ・メタル・チューン⑤は名曲。また都会的な哀愁が効いたHRナンバー⑦、ほんわかバラード④といった、しっとりと聴かせるタイプの楽曲も底抜けに明るい本編の丁度いいアクセントとなってくれています。
このバンドが本作のみを残して消えたことを思うと、せめて80年代にデビュー出来ていれば状況も少しは違っていたろうに…と、惜しまずにはいられません。なかんずく、中古盤がそれなりの価格で取引されている現状を見聞きすると尚のこと。


LANCIA - Lancia - Goodbye ★★★ (2017-12-29 09:28:17)

スカッと抜けの良いパーティ・メタルがメインのアルバムにおいて
良いアクセントとなっている哀愁のHRナンバー。
本編から浮くことなく、きっちり自分たちらしさを付与して
料理している辺りに、このバンドの地力の高さが感じられます。


LANCIA - Lancia - Sweet Melody ★★★ (2017-12-29 09:23:58)

キャッチーなメロディが溌剌とハジける、
ポップ・メタル・チューン。
思わず「う~ん、あざとい!」と膝を打ってしまいましたよ。
別に批判しているわけじゃなく、それぐらい良い曲であると。
世が世なら大ヒットしていてもおかしくなかったのですが…。


LAOS ★★ (2010-01-15 23:20:00)

ヨルグ・マイケルとゴドラン・ラオスって
確か夫婦でしたよね。(違ったかな)


LAOS - WE WANT IT ★★★ (2012-07-24 07:17:13)

'92年に、ドイツのHR/HM系ミュージシャン達が一堂に会したGERMAN ROCK PROJECTを企画して、シングル『LET LOVE CONQUER THE WORLD』をリリースするなど、欧州HR/HMシーンではちょっとした顔だった英国出身の女性シンガー、ゴドラン・ラオス率いる4人組HRバンドが、'90年に発表した1stアルバム。ちなみにドラマーは彼女の旦那でもあるヨルグ・マイケル。(一緒になったのはバンド解散後らしいですが)
鼻に掛かった掠れ声がセクシーなラオス嬢の歌声を、煌くKeyサウンドと、元LIVING DEATHのフランク・フリッケ(G)ら、確かな実力を有するメンバーが出しゃばらない演奏で盛り立てる本編は、アリーナ・ロック調のスケール感と、フック満載のメロディに彩られた華やかな楽曲が顔を揃え、「覚えやすさ」と「ライブ映え」を念頭に置いて磨き上げられたであろうキャッチーなそれらは、世が世なら米ビルボード・チャートの上位を賑わせていても不思議じゃないくらい垢抜けたヒット・ポテンシャルを感じさせてくれます。
問題なのは本作がリリースされた'90年は、既にこの手のサウンドがメイン・ストリームの座から凋落し始めていたということで、あと数年早く発表されていれば状況はもう少し違っていたのでしょうが、バンドはこのあと'95年に2ndアルバムをレコーディングするも、結局リリースには至らないまま解散してしまった。


LARS ERIC MATTSSON - Vision ★★★ (2020-04-16 00:35:54)

かのマイク・ヴァーニーに見い出されたフィンランド出身のギタリスト、ラーズ・エリック・マットソン。北欧ならではの透明感と哀愁を湛えたHRサウンドを作り出すセンスには恵まれながら、それを表現する為のテクニックに恵まれなかった彼氏が遂に化けた!と、北欧メタル・ファンの間でちょっぴり話題になった、LARS ERIC MATTSON'S VISION名義で'93年に発表された作品。(ソロとしては3枚目のアルバムになるのでしょうか)
AMAZE MEやアレックス・マシ等との活動で知られる、新Voコニー・リンドのメロウな歌声を前面に押し出したポップな作風は、様式美とかネオ・クラシカルHMとかとは全く無縁の歌モノ路線を志向しながら、適度にエッジの効いたGが必要以上に甘口になるのを防いでいるので、心地良く切ない哀メロ・チューンの数々に浸ることが出来ます。ラーズのGプレイも無理な背伸びはせず、ひたすら「良いメロディ」を紡ぎ出すことに集中しているようで好印象。バラード③なんてかなり泣かせてくれる仕上がりで、やれば出来る子!と、思わず駆け寄って肩を叩きたくなるという。
線の細いGサウンドとVoの垢抜けない歌声が相俟って、作品全体を如何にもマイナーな雰囲気が覆っていますが、とは言え、欧米のメジャーなハードポップ・バンドとは一線を画する洗練やゴージャス感とは無縁の素朴な佇まいが、楽曲の持つ儚げな叙情性を増幅しているように聴こえるので、これはこれであり!と。
捨て曲なしの名盤…とは行かないまでも、北欧メタルならではの侘び寂びが詰まった1枚であることは確か。中古盤が格安の値段で入手可能なので(いやまぁこの人の作品は大概安いんですけども)、見かけたら是非。


LAST AUTUMN'S DREAM ★★ (2007-06-15 22:04:00)

来日公演を見てきました。「良くも悪くもスタジオ・ミュージシャンが集まったバンド」という
イメージが強かったのですが、かなりしっかりとしたライブを見せてくれたので大満足。
特にミカエル・アンダーソンが、あそこまでしっかり歌えるシンガーだったとは嬉しい驚きでした。
てっきり、経験値の少なさからメロメロな歌唱を披露してしまうものとばかり・・・。
また、ファンによる“ROCK'N ROLL IS SAVING MY SOUL"のサビの合唱シーンは、
ミカエルでなくとも感動してしまう、ショウのハイライト的な場面として非常に印象に残りましたね。
唯一の不満は、アンコールなしで1時間弱と、公演時間がえらく短かった点でしょうか。


LAST AUTUMN'S DREAM - Dreamcatcher - Silent Dream ★★★ (2009-02-11 21:36:59)

胸締め付ける悲哀に満ちたサビメロを歌う、
ミカエルの熱唱に涙がちょちょ切れる名曲。
毎度、アルバムは高いクオリティを誇っている彼らだが、
ここまで心揺さぶられたナンバーは久し振りに聞いた思い。
もう少し早く聴いていたら、確実に'08年のベスト・チューン候補でした。


LAST AUTUMN'S DREAM - Saturn Skyline - Rock 'n' Roll Is Saving My Soul ★★★ (2007-06-20 21:05:23)

タイトルからして、KISSの感動的な名曲
“GOD GAVE TO ROCK N' ROLL TO YOU"を彷彿とさせる
ドラマチックな仕上がり。
ライブにおいて観客がサビを合唱する場面は、
ミカエル・アーランドソンでなくとも感動もの。


LAST AUTUMN'S DREAM - Yes - The Sound of Heartbreak ★★★ (2011-01-23 18:37:15)

物悲しく肌寒いメロディを持ち前のハスキー・ボイスで
歌い上げるミカエル、アンディの奏でる印象的なGリフ、
躍動感溢れるジェイミー&ナリー・ポールソンのリズム隊、
そして零れ落ちるようなKeyをフィーチュアした
これぞLADな名曲。なぜか『スクールウォーズ』の
テーマ曲を思い出したりも。(あれの北欧版?)
このレベルの名曲を収録してくれるなら、
これからもアルバムを買い続けますよ。


LAURA BRANIGAN - Branigan ★★★ (2024-01-03 23:08:53)

アメリカはニューヨーク出身の《ブリリアント・レディ》(日本盤帯より)、故ローラ・ブラニガンが’82年にATLANTIC RECORDSから発表した1stアルバム。
彼女の代表作といえば、シンセや打ち込みを多用した80年代ど真ん中なポップ・サウンドを以て世界中で評判を呼んだ3rd『SELF CONTROL』(’84年)ということになるのでしょうが、いきなり“GLORIA”という全米№1ヒット・ソングを生み出している本作も、クオリティ面では決して引けを取りません。つかローラ・ブラニガンのカタログの中で個人的に最も聴き返す頻度が高いのは、大人の色気より若さ全開で溌剌とロックしているこのデビュー作だったりするぐらいでして。(とはいえゴリゴリのHR路線ではなく、飽くまでAOR/ハードポップ範疇内での話ではありますが)。
「西のボニー・タイラー、東のローラ・ブラニガン」と勝手に呼びたくなるほどに、ハスキー・ボイスとビブラートを生かした彼女のパワフルな歌唱もこのスタイルにマッチ。要所で熱の籠った演奏を差し込んでくれるTOTOのスティーヴ・ルカサーやマイケル・ランドゥら、腕利きセッション・ミュージシャン達の援護射撃も得て、エモーショナルかつドラマティックな盛り上がりっぷりに胸打たれる③、からのシャープに疾走する(それこそ “ヒーロー”を彷彿とさせる)ハード・ナンバー④といった、このアルバムでしか聴くことの出来ないタイプの名曲のカッコ良さにはシビれますよ。勿論、ファンでなくとも一度は耳にしたことがあるであろう代表曲たるキャッチーな②が素晴らしいのは当然のこととして。
ローラ・ブラニガンと聞いて「ポップ・シンガーでしょ?」となる向きにお薦めする1枚。


LAURA BRANIGAN - Branigan - Living a Lie ★★★ (2024-01-04 23:54:26)

アップテンポの曲調に乗せて軽快に跳ねるKey、哀愁のメロディ、
ローラ・ブラニガンの張りのあるパワフルなVoが映える、
ボニー・タイラーの“HOLDING OUT FOR A HERO”を思い出す名曲。
発表はこっちの方が先ですが。


LAWSHED - LET US NOT TALK FALSELY ★★ (2008-09-02 23:29:00)

東京出身の4人組で、活動初期には、後にCOCOBATやPULLING TEETHで活躍する鈴木慎一(G)が在籍していた事でも
知られるスラッシュ・メタル・バンドが、'91年にHOWLING BULL RECORDSからリリースした1stアルバム。
クランチの効いた鋭利なGリフ、前のめりに畳み掛けてくるリズム、シャウト主体だがちゃんと歌うことも出来るVo、
結構メロディアスなフレーズを聴かせてくれるGソロ・・・と、スティーブ“ゼトロ"サウザ時代のEXODUSを筆頭に、
ベイエリア・スラッシュ・メタルからの影響が濃厚に漂うサウンドがその持ち味ながら、メンバー全員が
KING CRIMSONなどのプログレ・バンドも愛聴していると言うだけあって、スラッシーな疾走感を基調としつつも、
頻繁なリフ/リズム・チェンジや、慌しい曲展開が取り入れられた楽曲には、一筋縄ではいかない捻りが効いている。
音作りにしろ演奏にしろ曲展開にしろ、まだまだ未整理な部分が目立ち、Gリフのカッコ良さや痛快な疾走感といった
パーツ毎のクオリティの高さに反して、1曲1曲の印象がさほど強く残らない点が何とも勿体無いが、とは言え、
ホラー映画調のイントロから一転して爆走を開始する②、一際、プログレッシブ・ロックからの影響が薫る③、
スリリング且つ切迫感に溢れた本編屈指の名曲⑤、Bが生み出す小気味良いグルーヴに体が反応する⑥、ダイナミックに
アルバムのハイライトを飾る⑨なんかは、LAWSHEDならではの個性が、しっかりと刻印された聴き応えのある名/佳曲かと。
次作では、更にプログレ方面からの影響を打ち出したサウンドを披露し、結果的にファンからそっぽを向かれてしまった彼らだが
(でも、今聴くと当時ほどはガッカリしない)、本作は自信を持ってスラッシャーにお薦めできる仕上がり。「買い」の1枚です。


LAWSHED - LET US NOT TALK FALSELY - DON'T URGE DISODERR ★★ (2008-09-06 18:06:38)

不穏なイントロを経て、一気に加速していくアルバム・ラスト・ナンバー。
シャープなGリフといい、疾走感といい、体育会系コーラスといい、
これぞスラッシュ!な1曲。
アウトロで、本編の冒頭へと戻る展開もお約束。


LAWSHED - LET US NOT TALK FALSELY - GO IT BLIND ★★ (2008-09-06 17:56:14)

ホラー映画調の不気味なイントロ“BONDS-A BEGINNING"を
切り裂いて疾走を開始する、アルバムのOPナンバー。
結構メロディアスなGソロと、楽曲にアクセントを加える
Bも良い味を出しています。


LAWSHED - LET US NOT TALK FALSELY - THE WORST DISEASE ★★ (2008-09-06 18:01:07)

ANTHRAX風味のタテノリの前半から、
切迫感溢れるスピード・パートへと展開していく様が
かなりカッコイイ、1stアルバムのハイライト・ナンバー。
LAWSHEDの楽曲では、これが一番好きだなぁ。


LAWSHED - SPIRITS & SOULS ★★ (2008-09-06 11:43:00)

マウスハープをフィーチュアした、土の薫りが漂ってきそうなブルージーなイントロで幕を開ける①で、
全国のスラッシャー諸兄を引っくり返らせたLAWSHED、'92年リリースの2ndアルバムにしてラスト作。
やけっぱちな勢いで突っ走る、前のめりなスラッシュ・サウンドが炸裂しまくっていたデビュー作から一転、今回は
プログレッシブ・ロック風味を増量し、スピードよりも、重心を低く落とした、ヘヴィネスとダイナミズムの演出に重きを置いた、
いわゆる「90年代型モダン・へヴィネス」からの影響が濃厚に漂う作風に仕上がっている本作。
切れ味の鋭さよりも重厚感を、スピードよりもグルーヴを、攻撃性よりも妖しく揺らめくメロディを重視した楽曲が
数多く並ぶアルバム前半は、特にそうした傾向が強く表れていて、中でも④に至っては、Gとハープが気持ち良さげに
掛け合いを展開する異色曲。初めて聴いた時は「ここまで音楽性を変化させるか」と、かなり驚かされました。
まぁ、正直にぶっちゃけるなら1stの音の方がずっと好みなわけだが、とは言え、楽曲のクオリティは決して低くなく、
サウンド・プロダクションの向上により、GやBを筆頭に、演奏の迫力や説得力は格段に増しているし、よりメロディアスに
歌うようになったVoのレベルアップも著しいもの有り。何より、重たいGリフが歯切れ良く疾走する⑤や、前作のノリを
最も色濃く受け継いだ激烈スラッシュ・ソング⑧、ドラマティックと呼ぶには混沌とした印象が強いものの、70年代HR的なダイナミズムに
満ち溢れた二部構成からなる大作⑦(後半の盛り上がりっぷりは圧巻)辺りは、聴き応え十分の素晴しい楽曲じゃあないかと。
発表当時はかなり落胆させられた記憶があるが、今、改めて聴き直すと、さほど悪い印象は持たない1枚。


LAWSHED - SPIRITS & SOULS - MISUNDERSTANDING ★★ (2008-09-06 19:17:12)

アルバムのクライマックスを飾る、10分以上に及ぶ大作曲。
プログレッシブ・ロック風味というか、70年代HR風味が
色濃く表れていて、ドラマティックというのとはちょっと異なるものの、
ダイナミックに盛り上がっていく曲調には、グイグイと引き込まれる。


LAWSHED - SPIRITS & SOULS - NOT A SAME AS PAPER ★★ (2008-09-06 19:12:42)

重く疾走するGリフのカッコ良さが格別なスラッシュ・ナンバー。
以前よりも「歌う」ようになったVoも印象に残ります。


LAWSHED - SPIRITS & SOULS - SHOULD I LAUGH? SHOULD I CRY? ★★ (2008-09-06 19:21:11)

実験色が強く表れた2ndアルバムの中にあって、
最も1stアルバム的なスラッシュ・テイストが色濃く残った
アルバムのラスト・ナンバー。
メロディアスなGソロも○。


LAZARUS A.D. - Black Rivers Flow ★★ (2011-04-05 23:50:20)

もともと、良くも悪くも「スラッシュ・メタル馬鹿」という感じはなく、ある程度モダンな要素も飲み込んだサウンドを身上としているバンドだったが、本作はその「モダン」部分を更に拡大。前掛かりな疾走感が薄れた代わりに、図太いヘヴィネスとメロディが増量されており、Voの歌唱法も、ストレートなシャウト型からスクリームとメロディアスな歌い上げを使い分ける、所謂メタルコア・スタイルへと変化を遂げている。
「自信満々に演ってるけど、これって90年代に、流行におもねったスラッシュ・メタル・バンドが散々俺らを失望させた音だよオイ」と、思わず苦言の一つも呈したくなる作風だが、グッと文句を堪えて本作を聴き込んでみると、これが存外楽しめる。
タイトに組み上げられた⑥⑧等の楽曲が如実に示す通り、キャッチーなGリフ作りの腕前が健在である点や、2本のGが奏でるメロディが前作以上のドラマ性を有している点もその要因だが、何より現代っ子バンドたる彼らは、かつて先輩バンドが扱い慣れぬヘヴィネス&グルーヴを持て余してたのに比べ、そうした要素の導入が非常に自然で無理がない。
タフでストロングな疾走ナンバー③や、緩急を飲み込んだ劇的な曲展開が炸裂する④⑩なんかは、このアルバムならではの名曲と言えるのでは?
もはや「スラッシュ・メタル」で括るには無理のある作品だし、正直にぶっちゃけりゃ前作の方がずっと好みだが(毒)、これはこれで案外お気に入りの1枚。


LAZARUS A.D. - The Onslaught ★★ (2009-09-06 22:22:00)

アメリカはウィスコンシン州出身で、LOUD PARK 09において早くも来日公演が決まっているツインG編成の
4人組スラッシュ・メタル・バンドが、'07年に自主制作したデビュー作にリミックス/リマスター、曲順の変更、
ジャケット・アートワークの差し替え、ブックレットの刷新といった諸々の手を加えてパワーアップを施し、
'09年、新たにMETAL BLADE RECORDSから出し直したのがこれ。
エンジニアとしてクレジットされている、クリス・ジュリチッチ、ジェイムズ・マーフィといった錚々たる面子の
名前を見ただけで、ある程度本作のクオリティの高さは推測できるが、実際、メロディアスにも歌える
ドスの効いたVo、リフにソロにと両ワークに冴えをみせるG、安定感あるリズムを叩き出すB&Dsが一塊となって
猛然と突貫しまくるタフでストロングなスラッシュ・サウンドは、現代的な骨太ヘヴィネスと、時にTESTAMENTや
ロン・ラインハート在籍時代のDARK ANGELを彷彿とさせる、80年代スラッシュ・メタルばりの爽快感を兼ね備えており
非常に魅力的。中でも、豊富なリフのアイデアに圧倒される①、正統派HM然としたドラマティックな
ツインGの絡みをフィーチュアする⑤⑩といった高速スラッシュ・ナンバーのカッコ良さは格別だ。
楽曲が画一的で山場に乏しいとか、全体的にもう少しキャッチーさが欲しいとか、折角のツインGが活かしきれていないとか
色々もどかしさを覚える場面も多いが、それもこれもアルバムの完成度の高さゆえ、ということで。


LAZARUS A.D. - The Onslaught - Last Breath ★★ (2009-09-06 22:28:23)

リフに次ぐリフという、歌に入る前の一捻りが印象的な
デビュー作のOPナンバー。
一聴しただけで、LAZARUS A.D.がどんなサウンドを標榜する
スラッシュ・メタル・バンドなのか良く理解できる
まさに名刺代わりの1曲。


LAZARUS A.D. - The Onslaught - The Onslaught, Part 1: Revolution ★★ (2009-09-06 22:31:25)

正統派へヴィ・メタリックなツインGの
ドラマティックな絡みを活かして突っ走る、
タフ&ストロングな高速スラッシュ・ナンバー。
個人的には1stアルバムのハイライト・ソング。


LAZARUS A.D. - The Onslaught - Who I Really Am ★★ (2009-09-06 22:40:33)

ブラスト・ビートも炸裂するデス・メタリックな
ブルータリティと、メロディックに弾きまくるGソロの同居が
このバンドならではの個性を主張する
アルバムのラスト・ナンバー。


LAZY - Dream A Dream ★★ (2024-05-16 00:32:54)

3枚目のシングル“赤ずきんちゃん御用心”が起死回生の大ヒットとなった――これがコケれば大手を振ってHRバンドに戻れると期待していたメンバー的には複雑な思いがあったようですが――LAZYが、’78年に発表した2ndアルバム。
曲作りは全てレーベル・サイドが(主に歌謡曲界隈から)参集した外部ライター勢が担当、歯が浮くような甘い歌詞から、和製BAY CITY ROLLERSの線を狙ったという明朗快活なポップ・ロック・サウンドに至るまで、1st『THIS IS THE LAZY』(’77年)同様、お仕着せのアイドル路線は今回もガッチリと堅持。それでも前作の成功を受け、多少ながらもバンド側の発言権も増したのか、楽曲にしろパフォーマンスにしろ、その端々でLOUDNESSへと至るHR/HM路線の息吹が確認できる仕上がりとなっています。
特に高崎“スージー”晃のGプレイは単なるアイドル枠には収まりきらない「気」が漏れ出す場面が多々あり、疾走ナンバー④なんて切れ味鋭いGリフの刻みっぷりといい、井上“ポッキー”俊次のKeyを生かしたドラマティックな曲展開といい、「アイドル・グループにしては」どころか、この時点で早くも80年代HMスタイルの試し撃ちが如きカッコ良さを誇っていますし、泣きのGとストリングスが効いた劇的なバラード⑥も、後に影山“ミッシェル”ヒロノブがソロ・アルバムでセルフ・カバーしたのも納得の名曲ぶり。あと高崎が歌う③とか、爽やかに駆け抜ける⑨とか、かつては眉をしかめて聴いていたアイドル歌謡風味の楽曲も実は結構魅力的であることに気付かされたりも。
改めて聴き直したことで、グッと評価が高まった一作であります。


LAZY - Dream A Dream - フルカウント ★★★ (2024-05-17 22:26:42)

作曲にメンバーはタッチしていないものの(編曲はバンドで担当)
Gリフのカッコ良さに、Keyを組み込んだドラマティックな曲展開等
'78年の時点で既に80年代HMスタイルの試し撃ちをしていることに驚かされますよ。


LAZY - Lazy V ★★ (2024-05-22 00:37:26)

タイトルが表す通り、LAZYが'80年に発表した5枚目の作品。(フル・アルバムとしてはこれが4作目となる)
HR色の増強が図られた4th『ROCK DIAMOND』(’79年)と、LOUDNESSの原点というべき最終作『宇宙船地球号』(’80年)の間に挟まれているので、当然本作もその流れを汲んだハード&ヘヴィなサウンドが託されているものと思いきや、さにあらず。“フルカウント”や“HOTEL”のような疾走ナンバーは見当たらず、どころか収録曲は全て外部ライターのペンによるもの。メンバーは曲作りに一切関わっておらず、バディ・ホリーやSKYLARK(デヴィッド・フォスターが在籍していたことで知られる)、鹿取洋子バージョンが有名なDIESELのディスコ・チューン“GOIN’ BACK TO CHINA”のカヴァーも収録する等、むしろポップ方向に幅寄せした内容に仕上がっているじゃありませんか。
ダウンタウン・ブギウギ・バンドみたいな①が始まった時はどうなることかと思いましたが、本作がアイドル歌謡路線に逆戻りしているのかといえば、そんなことは全くなく。強引な自己主張は抑制し、HRのエッセンスが曲中により自然に溶け込むよう心掛けられた楽曲及びアレンジは、レコード会社に「やらされている」というよりは「メンバー自らが積極的に新しい領域に取り組んだ」との印象を受ける仕上がりで、曲によっては同時期盛り上がりをみせたAORの線を狙ったのかな?と思わされたりも。特に哀愁を湛えて盛り上がるSKYLARKのカヴァー③は、原曲の良さとメンバー入魂のパフォーマンスが相俟って実にグッと来る逸品ですよ。
もろに過渡期的内容ながら、メンバーの成長ぶりが伝わる1枚となっています。


LAZY - Lazy V - ワイルド・フラワー ★★★ (2024-05-23 00:19:48)

デイヴィッド・フォスターが在籍したカナダのSKYLARKが'73年に大ヒットさせた
名バラードの日本語カヴァー。影山のVoといい、高崎の泣きのGといい
メンバーのミュージシャンとしての一皮むけっぷりにグッとくる仕上がりですよ。


LAZY - Rock Diamond ★★ (2024-05-13 22:23:21)

LOUDNESSの高崎晃(G)と樋口宗孝(Ds)、今やアニソン界の大御所となった影山ヒロノブ(Vo)らがかつて在籍していたバンドLAZY、’79年発表の4thアルバム。
LAZYの作品は、アイドル人気でがっつり稼ぎたいレコード会社と、本格的なHR路線を追求したいと望むメンバーとの間で毎度鍔迫り合いが繰り広げられており、その濃度差が各アルバムに独特の味わいをもたらしていたりするのですが、メンバー自らが収録曲の大半を手掛ける形でレコーディングが行われている本作は、(アルバム・タイトルが物語る通り)比較的バンド側の主張が通ったと言える仕上がり。まぁ赤面を誘う歌詞にしろ曲調にしろ、相変わらずメインとなるのはブリブリのアイドル歌謡路線であり、影山とリードVoを分け合う高崎や樋口のヘタウマな歌唱が、却って当時の男性アイドルっぽさをマシマシにしているのも微笑ましいという。
いやでも今となっちゃ「人に歴史あり!」と、これはこれで興味深く聴けますし、賑々しく跳ねるロックンロール③、柔和なバラード④、レゲエ風味を巧みに取り入れた⑦、感動的にアルバム後半を盛り上げる⑨、影山の歌の上手さが際立つ⑩等はメンバーの強いHR志向が反映されていて手応え十分。何よりも本作のハイライトは⑥で、スージーのフラッシーなGプレイとデイビーのタイトなDsを軸に攻撃的に疾走するこの劇的な名曲は、歌詞さえ書き替えればLOUDNESSの楽曲としても十分通用するカッコ良さを放っていますよ。
LAZYのカタログの中では、5th『宇宙船地球号』に次いでHR/HMファンにも取っつき易い1枚と言えるのではないでしょうか。取りあえず⑥と⑨は必聴。


LAZY - Rock Diamond - Hotel ★★★ (2024-05-15 00:18:32)

リフにリードに切れ味の鋭さを発揮するスージー高崎のGプレイ、
楽曲をパワフルに駆動させるデイビー樋口の攻撃的なドラミングと
後のLOUDNESSを彷彿とさせる要素モリモリのHMナンバー。
ミッシェル影山の歌う歌詞にメタル感はゼロですが、
今となっちゃこれはこれでLAZYならではの味かなと。


LEATHER ★★ (2009-12-28 20:11:00)

一部マニアの間では、TERRA ROSAの赤尾和重、HELLIONのアン・ボレイン、WARLOCKの
ドロ・ペッシュらと共に「女ロニー・J・ディオ四天王」とも呼ばれた女性シンガー。
CHASTAINのフロントマンとしてHR/HMシーンで注目を集め、5枚のスタジオ作に参加。
'89年にはデヴィッド・T・チャステイン(G)のバックアップを受けてソロ・アルバム『SHOCK WAVES』を
ROADRUNNER RECORDSから発表している。(デヴィッドの他に、後にCANNNIBAL CORPSEやNEVERMOREに
参加するパット・オブライエン(G)も正統派へヴィ・メタリックな楽曲を提供してくれている)
シンガーとして最も脂の乗っていた時期の作品ゆえ、ビブラートの効いた雄々しい歌唱は
男性シンガーも裸足で逃げ出す迫力を誇り、逆に迫力があり過ぎてクドく感じてしまう人もいるぐらい。
'91年の『FOR THOSE WHO DARE』を最後にCHASTAINから去り、現在は音楽シーンから
完全に身を引いてしまっている様子。残念。


LEATHER - Shock Waves ★★ (2009-12-28 20:14:00)

男性シンガー顔負けのドスの効いた歌声を誇る、CHASTAINのゴッド姐ちゃんことレザー・レオーネ(Vo)が'89年にLEATHER名義で発表したソロ・アルバム。
ソロという事で女性らしさを強調してポップ路線に冒険してみたり・・・なんて事は全くなく、大半の楽曲をデヴィッド・T・チャステインが手掛けているだけあって、CHASTAINと同一路線の欧州風味漂うダークなHMサウンドが全編に渡って展開されているので安心されたし。
ただ、全体的にミドル・テンポの楽曲が多く収録され、レザーの「歌」を聴かせる事に重点が置かれている辺りがCHASTAINとは異なる点か。(この辺の楽曲の作り分けも含めて、デヴィッドの曲作りの上手さには感服させられますね)
で、その彼の代わりにGとして本作に参加しているのは、デヴィッドの教え子でARCH RIVALのメンバーとしても知られるマイケル・ハリス。ソロ作『DEFENSE MECHANIZMS』収録の名曲“MIND OR HEART"におけるエモーショナルなGプレイで泣きメロ・マニアの涙を搾り取った彼氏だが、ここでも確かなテクニックを以って、楽曲の盛り上がりを的確にサポート。特に、ドラマティックな様式美HMナンバー②、暗く湿ったスロー・ナンバー④は、レザーの見事な歌唱とマイケルのGの魅力がガッチリ噛み合った名曲でしょう。
CHASTAIN程のインパクトはないが、あのバンドのファン以外にもアピールし得る品質を備えたHMアルバムじゃないかと。


LEATHER - Shock Waves - In a Dream ★★ (2009-12-28 21:40:02)

暗く、物悲しげな雰囲気漂うヘヴィ・バラード。
レザーのVoはもとより、美しくエレアコを閃かせる
マイケル・ハリスのGプレイも美味しい1名曲。


LEATHER - Shock Waves - The Battle of Life ★★ (2009-12-28 21:37:32)

メロウに始まり、IRON MAIDENばりに勇壮にギャロップし、
最後は再びメロウに幕が閉じられる、様式美HMならではの
起承転結が美しく決まった名曲。
レザーのパワフルなVoが、曲の持つドラマ性を一層引き立てます。


LEATHERWOLF - Endangered Species ★★★ (2014-08-30 02:30:22)

'85年に5曲入りミニ・アルバムとして発表され、日本では更に未発表の4曲を追加収録して、全9曲のフル・アルバム仕様でCBSから国内盤がリリースされたデビュー作。
誇らしげにクレジットされているトリプルGと、歌いっぷりの良いハイトーンVoが、起伏に富んだ曲展開をグイグイ先導するパワー・メタル・・・というLEATHERWOLFならではのサウンドは既に明確ですが、Keyやボーカル・ハーモニーには目もくれず、ひたすら力押しに押し込んで来るアグレッシブな作風は、後の作品とは異なり、かなりあからさまに欧州HM・・・ぶっちゃけIRON MAIDENからの影響が表出(筋肉質なBプレイもスティーヴ・ハリス風)。後に本家IRON MAIDENまでがトリプルG編成化した時には運命の悪戯を感じてしまいましたね・・・。
通して聴くと、どの楽曲も似たり寄ったり聴こえてしまう詰めの甘いアレンジや曲展開、そしてプアーな音質まで、確かに荒削りな点は目に付きますが、②⑤⑦⑨等で発揮されているメロディ・センスや、3本のGが縦横無尽に暴れ回る(やり過ぎて時にクドく感じられてしまうのはご愛嬌)ドラマティックな楽曲構築能力からは、既に磨けば光るダイヤの原石としてのポテンシャルが垣間見えます。
雑誌では50点を食らってましたが、個人的には80点台を進呈したいぐらいに愛聴している1枚。


LEATHERWOLF - Leatherwolf (2nd) ★★★ (2009-01-17 17:44:00)

トリプルGの存在と、ダークでドラマティカルなサウンドが、アメリカのバンドらしからぬ異彩を放っていたカリフォルニア州はオレンジ・カウンティ出身の正統派HMバンドLEATHERWOLF。その彼らのメジャー・デビュー作となったのが、'87年にISLAND RECORDSよりリリースされた本作。(邦題は『メタル・コーリング』)
嘗て、ヘヴィ・メタルの空洞化現象が問題となっていた頃、雑誌のパワー・メタル特集で「その穴を埋める存在」として、VICIOUS RUMORSやOBSESSION、CHASTAINなんかと共にこのバンドの名前が挙げられており、その特集を読んだ後に早速本作を購入したのだが、これが大当たり。
荒削りながらも硬軟を使い分けるVoに、艶と光沢を感じさせる音色で暗く湿ったメロディを豊かに紡ぎ出すGと、重々しくダイナミックなビートを叩き出すリズム隊、そして、重厚にして劇的極まりない曲展開を備えた収録曲の仕上がり具合は、まるで欧州のHMバンドの如き。
その一方で、サビメロを華麗に彩るボーカル・ハーモニーの立体的な組み立てには、アメリカのバンドならではのセンスの良さを感じさせ、特に、名曲中の名曲①に始まり、PVも作られたスマッシュ・ヒット・ナンバー②、パワー・バラード調の③、叙情的に始まり力強く盛り上がっていく④を経て、起承転結の決まったドラマティックな⑤へと至るアルバム前半の流れは、LEATHERWOLFというバンドの魅力が判り易く詰め込まれていて、まさに本編のハイライト。(ジョン・フォガティのカヴァー⑥を挟んでスタートする⑦以降の流れも素晴しいが)
LEATHERWOLFのアルバムでは、個人的に最も思い入れがあり、お気に入りの1枚。国内盤を再発してくんないかなー。


LEATHERWOLF - Leatherwolf (2nd) - Rise or Fall ★★★ (2009-01-17 17:47:52)

重厚にしてドラマティック。
まさにLEATHERWOLFというバンドの魅力を判り易く体現した
名曲中の名曲。


LEATHERWOLF - Street Ready ★★★ (2014-09-01 23:35:35)

プロデューサーに産業ロック勢との仕事で知られるケヴィン・ビーミッシュを起用し、更に最終的なミックス・ダウンは売れっ子マイケル・ワグナーに依頼。「LEATHERWOLFが勝負に出た」と強く印象付けた'89年発表の2ndフル・アルバム。
湿度を抑え、カラッと抜けの良い音作りに併せて、曲展開も比較的ストレートに整理整頓。殊更にトリプルGの存在は強調せず、Voを中心にアメリカンHMならではのキャッチネスの底上げが図られているサウンドは、言うなれば重厚なパワー・メタルから、シャープな高機動型HRへと華麗なる転身を遂げた感じ。強化されたコーラス・ワークを伴い、よりシンプル且つメロディアスに押し出してくる③⑥等も収録した本編を聴いた時は、LOUDNESSの出世作『THUNDER IN THE EAST』のことを思い出したりも。
『THUNDER~』が、全米でブレイクを果たすべく、大きく音楽性を変化させながらも「らしさ」を見失っていなかったのと同様、本作もハードさやドラマ性を損なうことなく、新旧の持ち味をバランス良く配合することに成功しています。特に起承転結がバッチリ決まったOPナンバー①は、本作を代表する名曲中の名曲。切れ味鋭く疾走へと転じる中間部のカッコ良さにテンション上がらないHR/HMリスナーはおらんですよ!と断言したくなるぐらいのもんで。
もう数年早く発表されていれば状況も好転して、LEATHERWOLFがこれを最後に解散することもなかったのでは・・・とか夢想させられる1枚。(後に再結成しましたけどね)


LEE AARON - Metal Queen ★★★ (2021-10-13 23:55:33)

CRYSTAL VIVPERのマルタ・ガブリエルがソロ・アルバムで“METAL QUEEN”をカヴァーしているのを聴き、久々にCD棚を漁って引っ張り出し改めて聴き直している、カナダ出身の女性シンガー、リー・アーロン(Vo)の2ndアルバム。’84年発表。
TRIUMPH、SANTERS、MOXYといった母国の先輩ミュージシャン達がお膳立てを整え、彼女を売り出すためのプロジェクト色が濃厚だったデビュー作に比べると、本作は作曲/演奏両面でバンド感を強化。サウンドに関しても、『コナン・ザ・グレート』の世界から抜け出してきた女戦士の如きコスプレ衣装を余裕で着こなすリー姐さんの勇姿が物語る通り、より正統派ヘヴィ・メタリックな方向に焦点が定まっています。
ライブ映えを踏まえたミドル・テンポを基軸とする収録楽曲は、欧州風味の抒情メロディと、LAメタルの流れを汲むキャッチーなコーラス・ワークという、欧と米の良いトコ取りなカナダ産ならではといえる魅力を兼備。愉快なPVも一見の価値ありなメタル・クイーンのアンセム①(よう聴くとサビのGリフはJUDAS PRIESTの“METAL GOD”から頂いちゃってるような気がしなくもないですが)から、哀愁を帯びてドラマティックに盛り上がる④、キレのあるハイトーン・シャウトをフィーチュアして小気味良く疾駆する⑥、重厚にして華やかな⑦まで、リー・アーロンの艶やかさと力強さを併せ持った堂々たる歌唱に盛り立てられ、いずれも聴き応え十分のクオリティを誇っています。
作を重ねる毎にサウンドがポップ化し、実はそれはそれで結構好きなのですが、メタル・クイーン入門盤にはまず本作(と次作『CALL OF THE WILD』)をお薦めする次第。


LEE AARON - Metal Queen - Deceiver ★★★ (2021-10-14 23:09:14)

ハードな演奏に力負けしない
リー・アーロンの突き抜けて来るような
ハイトーンVoが映える疾走ナンバー。


LEE AARON - Metal Queen - Metal Queen ★★★ (2021-10-14 23:04:25)

合唱せずにはいられないメタル・クイーンもアンセム。
コーラス部分のGリフはJUDAS PRIESTの“METAL GOD”を
擦ってる印象ですが、テーマ的には正しい引用というべきか?


LEGEND(80'S PARTⅡ) - ...AD 1980... ★★★ (2017-01-06 01:28:31)

数年前に古本屋の中古CDコーナーから500円でレスキューした1枚。ピンボケのライブ写真に、そっけなく『…AD 1980』とタイプされただけのジャケットが怪し過ぎて、てっきりNWOBHM期に活動していたジャージー島出身のLEGENDのブート盤か何かかと思った購入したのですが、帰宅後に調べたらLEGENDはLEGENDでもシングル『HIDEAWAY』(’81年)1枚を残して解散したケント出身の方のLEGENDの未発表音源を取りまとめたコンピ盤だったことが判明。あと、こちらのサイトにもちゃんと登録されていましたね。
で。そんな本作で聴けるのは、ジャージーの方のLEGENDにも通じる要素が少なからず感じられる、70年代HR的味わいに、NWOBHM由来のへヴィ・メタリックな光沢と、スピード感や構築感を加味したようなサウンド。加えて、(ヘタウマ・レベルに留まらない)シンガーのしっかりとした歌唱がアルバムの完成度を数段上に引き上げることに大きく貢献しています。例えばハイントーンVoの存在とツインGが奏でる扇情的なメロディの威力が映えるドラマティックな⑥⑫等を聴いていると、『運命の翼』を発表した頃のJUDAS PRIESTのことを思い出す…と言ったら褒めすぎでしょうか。
その他にも、シンプルなノリの良さと反復GリフがクセになるOPナンバー①、タメを効かせて盛り上がっていく④⑩、シャープに疾走する⑤といった、思わず「おっ」と声が漏れる楽曲を収録した本編は、「NWOBHMの掘り出し物」として語り継がれるに十分なクオリティを保持。こんだけ優れた楽曲を抱えていながら、終ぞフル・アルバムを発表出来ぬまま解散してしまったことが残念でなりませんよ。


LEGEND(80'S PARTⅡ) - ...AD 1980... - LEGEND ★★ (2017-01-08 11:08:35)

シンプルに繰り返される反復Gリフが妙に頭に残ります。
しかしながら突き抜けるようなハイトーンを織り交ぜた
Voの熱唱の威力もあって、平坦な印象は受けません。


LEGEND(80'S PARTⅡ) - ...AD 1980... - The Way Loves Meant to Be ★★★ (2017-01-08 11:26:00)

胸を突くハイトーンVoと、泣きを湛えたツインGによって
哀愁の度合いをずんどこ増強されながらドラマティックに
高みへと向かって盛り上がっていく様は、
『運命の翼』を発表した頃のJUDAS PRIESTに通じる涙腺破壊力。
本作のハイライト・ナンバーの一つです。


LEGEND(80'S) - Death in the Nursery ★★★ (2015-08-09 23:29:49)

シングルGの4人編成となって'83年に発表された2ndアルバム。
プログレッシブ・ロックや70年代HRの面影を色濃く留めていたデビュー作に比べると、ノリノリの⑤、劇的なイントロ一発で掴まれる⑥といった比較的シンプルな構成の楽曲が象徴する通り、今回はヘヴィ・メタリックにストレッチされたサウンドを披露。(ラフだが一発勝負的迫力が漲るプロダクションもそれを援護しています)
疾走感をいや増したリズム隊、エッジの効いたリフを刻み、メタリックな光沢を放つメロディを奏でるようになったG、そして楽器陣のオマケ程度の存在感だった前作から一転、憂いに満ちた歌メロを「俺が主役だ!」とばかりに朗々歌い上げるVoまで、大作主義を控えめにコンパクトにまとめ上げられた楽曲は飛躍的に「NWOBHM度」をUP。・・・といっても、ヒネリの効いた②や7分に及ぶ大作⑨等でプログレ色をアピールすることも忘れてはいませんが。
叙情的な導入部を経るOPナンバーに相応しい曲展開がドラマティックな①と、鋭利な切れ味のアルバム表題曲⑧という、従来プログレ風味と新味のHMテイストが巧みに編み合わされた名曲2編をハイライトに、緊張感を途切れさすことなく全編を駆け抜けていく本作は、発表当時、KERRANG!!誌でも好意的なレビューを頂戴する等、LEGENDの代表作として認知を得ているのも納得の1枚です。


LEGEND(80'S) - Legend ★★ (2015-08-08 01:33:06)

似たような名前のバンドが多数存在するため紛らわしいですが、こちらは英国はチャンネル諸島(ジャージー島)出身の5人組、'81年発表のデビュー作です。自主レーベルからのリリースゆえ流通が弱く、長らく入手困難とされて来た1枚ですが、今ではベスト盤『LEGEND ANTHOLOGY』で手軽に聴くことが出来るのですから有り難いこってすなぁと。
ただ、『RED』を発表した頃のKING CRIMSONを思い出すOPナンバー①を耳にすればご承知頂けるように、ここで披露されているのは判り易いNWOBHMの「型」に則った音ではなく、インスピレーション重視で奔放に繰り広げられる、プログレッシブ・ロックや70年代ブリティッシュ・ロックからの影響も露わなサウンド。オジー・オズボーンの薫陶を受けたフォークシンガー風(?)なVoの歌声から、ブルージーというかアーシーなセンスを全編に渡って迸らせるGに至るまで、そのものズバリなNWOBHMらしさを期待すると「あれ?」となるので要注意。
アタッキー且つハイレベルな演奏技術とダイナミックな曲展開に支えられ、全体を貫く威勢の良さからは間違いなくメタルの息吹が感じられますし、上記したOPナンバー①や、“HIROSHIMA”なるタイトルからして興味をそそられる②、10分に及ばんとする大作⑦等、収録曲のクオリティも安定。
キャッチーさに欠けるため取っ付き難さはありますが、NWOBHMサウンドそのものを期待しなければ、これはこれで非常にオツな1枚ですよ。


LEROUX - So Fired Up ★★ (2010-01-24 16:49:00)

カントリー系HRバンドとしてスタートを切り、作品を重ねる毎にAOR/産業ロック色を強めていった
ルイジアナ州出身の6人組が、新Voとして元TRILLIONのファーギー・フレデリクセンを加入させて
'83年に発表した、彼らの作品の中では最も洗練された作風を誇る、5thアルバムにしてラスト作。
鮮烈なハイトーンVo、エッジの効いたリード・プレイから泣きのソロまで幅広くこなすG、時にキャッチーに
時にドラマティックに楽曲を肉付けするKey、陰影に富んだリズムを叩き出すリズム隊、そして繊細且つ劇的な
アレンジが織り込まれたメロディアスHRサウンドは、ポップで叙情的でありながら、ハード・ロッキンな
ダイナミズムも失っていないという絶妙なバランス感覚を誇り、その魅力は爽快なOPナンバー①から
早くも炸裂。続くPVも作られたという②、憂いに満ちたメロディに心打たれる③④⑤、悲壮感漂う
バラード⑥・・・と、次々にハイクオリティな楽曲が繰り出されて来る、収録曲全てが名曲と言っても過言ではない
本編を聴くにつけ、本作が「LE ROUXのカタログ中最も売れなかった1枚」とは俄かに信じ難いもの有り。
泣きまくりのHRナンバー⑧なんて、全メロディ愛好家に聴取を義務付けたくなるほどの出来栄えなのに・・・。
せっかく国内盤——しかもリマスター仕様——がCD化されているのだから(現在も生きてるかどうかは未確認)、
この機会に1人でも多くのHR/HMファンに触れて欲しいメロディアスHRの名盤。感動しまっせ。


LEROUX - So Fired Up - Lifeline ★★★ (2010-01-24 17:13:34)

キャッチーなKeyリフとポップに跳ねる曲調の上で、
突き抜けるようなハイトーンを駆使して哀愁を帯びた
メロディを歌い上げるファーギー・フレデリクセンの
鮮烈なVoが映える1曲。
PVが作られたのも納得の名曲。


LEROUX - So Fired Up - Line on Love ★★★ (2010-01-24 17:18:59)

劇的な泣きのイントロに
バチンと頬を張られるスロー・ナンバー。
クサくならない程度に咽び泣く、エモーショナルなGが
楽曲の備える哀愁を数倍にも引き上げている。
振り絞るように切ない哀メロを歌い上げる
ファーギー・フレデリクセンのVoもいいなぁ。


LEROUX - So Fired Up - So Fired Up ★★★ (2010-01-24 17:08:09)

スカッと爽快に駆け抜けて行くアルバムのOPナンバー。
AOR/産業ロックの枠内で語られる機会の多いバンドなれど、
この曲はHRのフィールドに置いても全く違和感はないような。


LEROUX - So Fired Up - Turning Point ★★★ (2010-01-24 17:24:35)

TOTO風の華やかなKeyと、エッジの効いたGプレイ、
そして溌剌としたハイトーンVoとがガッチリと組み合った、
アルバムのハイライト・ナンバーの1つ。
猛烈な泣きを発散しながら劇的に盛り上がって行く
中間部のアレンジが技あり。
AOR/産業ロックとしてよりも、HR/HMのフィールドで
語られるべき名曲かと。


LETHAL - Programmed ★★★ (2018-07-15 00:13:12)

オハイオ州シンシナティ出身のツインGを擁する5人組が、'90年にMETAL BLADE RECORDSから発表した1stアルバム。(日本盤はアポロンから’92年になってリリース)
リフにソロに縦横無尽に駆け巡るツインGはJUDAS PRIESTから、Dsに寄り添い堅牢にリズムを支えるだけでなく、メロディアスに動き回ってGに対するカウンター・パートの役割もこなすBはIRON MAIDENから、そしてプログレ・メタル・テイストを飲み込んだテクニカルな曲展開はQUEENSRYCHEから…と、それぞれ影響を伺わせ、総合すると非常に「SHRAPNELメタルっぽい」という結論に落ち着く正統派HMサウンドが託されている本作。SHRAPNELメタルと異なる点と言えば、団子状ではない音作り。それとメチャウマな実力派シンガーを擁している点でしょうか?(失礼な)。もろジェフ・テイト型なこのシンガーの歌唱がバンドのQUEENSRYCHEフォロワー感に拍車を掛けていると言えなくもないですが、泣きを孕んだ表情豊かなハイトーンVoは、LETHALというバンドと楽曲の「格」を確実にワンランク上に引き上げてくれています。
劇的なイントロを伴いアルバムのOPを飾る①、美旋律を配したドラマティックなバラード④、疾走する2本のGがスリリングに絡み合う⑤、抒情的な小曲⑨からIRON MAIDENを彷彿とさせる⑩へ雪崩れ込む終盤の劇的な展開辺りに、このバンドの旨味がギュッと凝縮。ぶっちゃけ同時期のQUEENSRYCHEよりも本作の方を贔屓にしてたりして…。
通して聴くと少々メリハリに欠け、途中で聴き疲れを覚えなくもないのが玉に瑕ですが、個々の楽曲の完成度の高さはそうした弱点を補って余りありますよ。


LETHAL - Programmed - Fire in Your Skin ★★★ (2018-07-16 08:53:30)

もったいぶるイントロから、テンポアップしてスタートする構成が
ドラマティックなアルバムのOPナンバー。
印象的なフレーズをビシバシ撃ち込むツインGと、
負けじとハイトーンで歌いまくるVoとが、
テクニカルな曲展開に緊張感をもたらし
この手のバンドの楽曲にありがちな冗長さや独りよがり感を
排除してくれています。


LETHAL - Programmed - Killing Machine ★★★ (2018-07-16 09:04:45)

前曲である美しく抒情的なアコギ・バラード“PRAY FOR ME”と
セットでお楽しみ頂きたいアルバムのラスト・ナンバー。
高い技量に溺れることなく、魅力的なメロディの創出に注力する
「できている」VoとGを伴い、適度な疾走感を湛えて盛り上がる
トリに相応しいドラマティックな逸品。
Gが奏でる終盤のフレーズにバンドのルーツが透けてみえます。


LEVERAGE ★★ (2007-12-02 00:42:00)

Gのツォーマス・ヘイッキネンと、Bのペッカ・ライピネンが中心となって、
フィンランドはヘルシンキにて結成された、ツインGとKeyを擁する6人組へヴィ・メタル・バンド。
メイン・ソングライターのGがリッチー・ブラックモアを信奉してるだけあって、
RAINBOWに北欧のバンドらしい透明感を加えたかのようなサウンドは、
哀しく、そしてドラマティックで、特に、確かな歌唱力で胸に沁みる
歌メロを歌いこなすペッカ・ヘイノのVoは、このバンドの大きな武器かと。
1st発表以降、あまり目立った活動の情報は日本には入ってこないが、
最近、国内盤がリリースされたフィンランドのソロ・アーティスト、
アリ・コイヴネンのデビュー作に、ツォーマスが“HEARTSTEALER"という
疾走チューンを提供している。


LEVERAGE - Blind Fire ★★ (2008-02-07 22:17:00)

1st『TIDES』がフィンランドの国内チャートで健闘、イタリアのFRONTIER RECORDSとは、アルバム複数枚の契約を交わす等、
ポジティブな活動を繰り広げる、ツインGにKeyを擁する6人組HRバンドが、前作から約2年振りに発表した2ndアルバム。
クラシカルな速弾きから泣きのソロまでこなすG、如何にも北欧的な透明感と、スケール感を演出するKey、
そして絶品の歌唱力で、悲哀に満ちたメロディを歌い上げるVoと、妙な冒険心を起こすことなく、
前作で披露した美点を素直に受け継ぎ伸ばした作風は、相変わらず叙情的で、プログレッシブで、ドラマティック。
劇的なイントロ一発で、聴き手のハートを鷲掴みにする①に始まり、LEVERAGEというバンドの魅力が判り易く詰め込まれた
様式美HRチューン③⑤⑧、北欧版SAVATAGEといった趣きの④、感動的なバラード⑦⑩と、ハイクオリティな楽曲が
ズラリ揃った本編は、このバンドならではの美しくも冷ややかな哀メロに彩られ、殊に、妖しさの抜けた
ロイ・S・カーンか、はたまた太ましいジミ・ジェイミソンかといった感じのエモーショナルなVoが熱唱する歌メロの
強力な「憂い」っぷりには「よくまぁ、ここまで強力なフックを備えたメロディが思いつくなぁ」と感心しきり。
ボーナス・トラック2曲を含めて、全12曲というボリュームを全くダレることなく聴かせきる、
力作だった1stにも匹敵する高品質な内容に仕上がった1枚。ライブが見てみたい。


LEVERAGE - Blind Fire - Hellhorn ★★ (2008-02-09 00:21:10)

角笛の音色からスタートする、へヴィでダーク、
シリアス且つドラマティックなミドル・チューン。
ゴシック・テイストも有り。
メロディックなGソロが印象に残ります。


LEVERAGE - Blind Fire - Learn to Live ★★★ (2008-02-09 00:25:21)

本編ラストを締め括る、ドラマティックなバラード。
悲哀に満ちたメロディを歌うVoがとにかく最高で、
べらぼうなハイトーンが出るわけでも、個性的な声質を
しているわけでもないが、中音域を駆使して
情感豊かに歌い上げるその歌唱は、ひたすら胸に沁みます。


LEVERAGE - Blind Fire - Run down the Hill ★★ (2008-02-09 00:14:52)

KeyとGのバトルも聴ける、
LEVERAGEというバンドの魅力が判り易く詰め込まれた、
アップテンポの様式美HRチューン。


LEVERAGE - Blind Fire - Shadow in the Rain ★★ (2008-02-09 00:16:50)

ドラマティックな導入部で「掴みはOK」となる、
まさにOPナンバーに相応しいHRチューン。
フックに富む歌メロと、スリリング且つ劇的なGソロも○。


LEVERAGE - Circus Colossus ★★ (2009-11-30 22:25:00)

上手いVoに上手いG、楽曲を壮麗に飾り立てるKeyと分厚いコーラス・ハーモニー、それに北欧のバンドならではの
ヒンヤリとした冷気を孕む叙情メロディに彩られた劇的な楽曲の数々・・・と、格調高い
北欧正統派HMサウンドを聴かせてくれるフィンランドの6人組が'09年に発表した3rdアルバム。
シンフォニックな序曲①に導かれアルバムの開巻を飾る、前2作を大きく上回るスケール感を有したドラマティックな
名曲②を聴いただけで、本編のクオリティに対する期待は高まるが、実際、③以降の流れでその期待が裏切られる事はない。
プログレ・メタル的な凝った曲展開とアレンジで聴かせきる④や、VAN HALEN風のメジャー・キーを用いたKeyリフが
印象的なアクセントとなっている⑦など新味を備えた楽曲を収録しつつも、要所を締めるのは②⑤⑨⑩といった
キャッチーな疾走感が心地良い、劇的なメロディ展開に心震わせられるLEVERAGE独自の魅力が光る正統派HMチューンの数々。
無論、ペッカ・ヘイノの絶品の歌唱は今回も健在で、特に⑧における色気と情感に満ちた歌いっぷりは腰にキます。
流石に3作目ともなると(完成度が高いからこそ)余りに優等生的なまとまり具合が物足りない、といった贅沢な不満を
覚えなくもないのだけど、静と動の対比も鮮やかにアルバムのラストを締め括る本編屈指の名曲⑩を聴けば、そんな些細な
不満は綺麗に吹き飛ばされる。ボートラ2曲含めて全13曲収録で捨て曲はなし。素晴しく良く出来た作品です。


LEVERAGE - Circus Colossus - Wolf and the Moon ★★★ (2009-11-30 22:33:47)

前2作を大きく上回るシンフォニックなドラマ性で
聴き手を圧倒する、劇的極まりないアルバムのOPナンバー。


LEVERAGE - Tides ★★ (2007-12-02 00:13:00)

最近買ったCDの中でも、大当たりに分類されるフィンランドのソロ・アーティスト、アリ・コイヴネンの
デビュー作『FUEL THE FIRE』に、そう言えばここのメイン・ソングライターであるGが楽曲を提供してたっけな~と、
久し振りに引っ張り出して聴いてみたけど、うん、やはり素晴しい作品ですよ、これは。
本作は、フィンランド出身のKey、ツインGを擁する6人組の正統派へヴィ・メタル・バンドが、'06年に発表した
デビュー作で、リッチー・ブラックモアを師と仰ぐ、高い作曲能力と腕前を備えたG、見事な歌唱を披露するVo、
美しい旋律を紡ぐプログレ風味のKeyが核となって生み出す収録曲の数々が、とにかく絶品。
格調高いピアノのイントロから勢いよくスタートする①、叙情性の滲むサビメロにグッとくる②、キャッチーなサビと
緩急の効いた曲展開が素晴しい④、アコギによるイントロからドラマティックに盛り上がっていくバラード⑥、
勇壮なリフ・ワークを始め、Keyが大活躍する様式美メタル・チューン⑧、クリスタルな雰囲気を纏ってタイトに
疾走する⑪・・・と、「この1曲さえあればCD買っても後悔はない」と断言できるようなクオリティの楽曲がゴロゴロと
収録されているのだから半端じゃない。特に、確かな歌唱力を駆使して、胸に抉り込んでくるような
フックと哀感を備えた歌メロを連発するVoの存在は大きい。
これだけ完成度の高いアルバムを発表しておきながら、その後の活動の様子が殆ど伝わって来ない点が気がかりなので
(前述したアリ・コイヴネンの作品に楽曲を提供したぐらい?)、一日も早い2ndアルバムの発表を宜しくお願い致します。


LEVERAGE - Tides - Dreamland ★★★ (2007-12-02 00:20:51)

アップテンポな曲調とキャッチーなサビメロ、
全体を貫く如何にも北欧のバンド的な哀愁と透明感、
そしてドラマティックな曲展開と、
まったく聴き手に突っ込む隙を与えない名曲。


LEVERAGE - Tides - Marching to War ★★★ (2007-12-02 00:25:30)

戦争をテーマに取り上げた楽曲だけあって、荒々しく勇ましく、
それでいて哀しげな雰囲気を含んだGリフがこの曲の肝。


LEVERAGE - Tides - Superstition ★★★ (2007-12-02 00:11:31)

とにかく歌メロが絶品なのよ。
よくこんな悲哀に満ちた歌メロを思いつくな~
と、泣きながら感心してしまうぐらい、歌メロが良い。
勿論、北欧的な叙情性に彩られた、素晴しい楽曲が
あってこその話なわけだが。


LEVERAGE - Tides - WATERFALL ★★★ (2007-12-02 00:28:19)

Keyが演出する、如何にも北欧のバンドらしい
水晶の如き透明感を纏って疾走するメタル・チューン。
とてもボーナス・トラックとは思えないクオリティを備える。


LICH KING (2014-10-24 23:09:22)

世界に名だたる名門校が軒を連ねるアメリカはマサチューセッツ州出身ながら、頭空っぽにして楽しめる単純明快な「NEW OLD-SCHOOL THRASH METAL」を追求する5人組。
Voのトム・マーティン(BONDED BY BLOODのバンド・ロゴを手掛けたのはこの人だとか)により'06年に結成され、これまでに数本のデモやEP、そして4枚のフル・アルバムを発表。
ブラック・メタルや他所のスラッシュ・バンド(特にGAMA BOMB)を挑発するような言動や歌詞の数々、かと思えばMANOWARにリスペクトを表明してみたり、また'11年には8ビット音源でファミコン風スラッシュ・サウンドを再現した異色の企画盤『SUPER RETRO THRASH』を発表したりと、血気盛んな活動を繰り広げつつ現在に至る。


LICH KING - Born of the Bomb ★★★ (2014-10-27 23:13:34)

お遊び盤『SUPER RETORO THRASH』で「8ビット・スラッシュ」なる新たなジャンルを開拓して(?)、ファンを引っ繰り返らせつつ楽しませたLICH KING、'13年発表の4thアルバム。(『SUPER~』もカウントするなら5thだけど)
野郎コーラスに先導されて、MANOWARばりに高圧的なアティテュードを撒き散らかしながら突っ走る②が開巻早々に太鼓判を押すように、今回はスラッシャーの本道へと復帰。勢い重視のラフい音作り、ヒステリックに叫び倒すハイピッチVo、腕利き料理人の包丁捌きの如く、刻んで刻んで刻みまくるGリフから、初期衝動に突き動かされるよう遮二無二に突撃するリズムまで、「スラッシュ・メタル」という概念をそのまま音像化したかのようなサウンドを、相変わらずのテンションの高さで展開してくれています。
ガリガリと回転するGリフがSLAYER風の③から、アグレッシブな曲調の中にもLICH KING流のユーモアが光る⑤⑧、ツインGによるメロディックなアプローチが冴え渡った大作⑥、そしてお約束の“LICH KING”シリーズ第4弾⑩・・・と、畳み掛けるVoとGリフとリズムのコンビネーションに血管が拡張する逸品を多数収録。バンドのルーツを開示するANGENT STEELの名曲“ANGENT OF STEEL”のカヴァー⑨もばっちりハマっていますよ。


LICH KING - Born of the Bomb - Lich King IV (Born of the Bomb) ★★★ (2014-10-29 21:30:08)

アルバムのラストを飾るお馴染み“LICH KING”シリーズ。
7分以上もある大作なれど、緩急?知ったことか!
とばかりに猛スピードで押しまくるスラッシュ・ナンバー。
ゲストにMORBID SAINTのメンバーも参加して
華麗なGソロを狂い咲かせてくれています。


LICH KING - Born of the Bomb - We Came to Conquer ★★★ (2014-10-28 23:09:03)

威勢の良い掛け声コーラスを導入に、
爆発的な疾走感から掻き毟るようなGソロ
ハイテンションに畳み掛けるVoまで
スラッシュ・メタルの権化の如きOPナンバー。
あと本作の隠し味はMANOWARでしょうかね。


LICH KING - The Omniclasm ★★★ (2017-11-12 23:00:25)

米スラッシュ・メタル・シーンの中堅選手となったマサチューセッツ州の5人組が、前作から5年ぶりとなる’17年に発表したニュー・アルバム。
間にシングルやEPのリリースがちょくちょく挟まれていたので、然程待たされた気はしないとは言え、何故こんなにブランクが空いてしまったのか?その理由は…いや全然知らんので誰か教えて欲しいぐらいなのですが、もしかすると本作発表後間もなく、これまでバンドの創作面を一手に担ってきたオリジナル・メンバーである、トム・マーティン(Vo)が脱退してしまったことと何か関係あんのか?と。つかLICH KINGの明日はどっちだ。
とまれ、音楽性の方は何一つ変わっちゃいません。どこかファニーな雰囲気も撒き散らす③や、7分以上の長尺が(全く走ることなく)重厚に迫り出して来る70年代HR風味の⑧辺りは今回の新機軸と言えるかもしれませんが、ラフネス優先の音作りの下、間断なく刻まれるササクレたGリフ、突き動かされるように走り回るリズム、その上でひり出されるハイテンションなシャウトetc.と、基本的なサウンドは、ほぼほぼこれまでのスタイルを固守。全方位にちょっかい掛けていく姿勢も健在で、特に今回のヒットは“CROSSOVER SONGS ARE TOO DAMN SHORT”なるタイトルからして最高な⑥ですかね。(ちなみに彼らはD.R.I.の楽曲をカヴァーしているぐらいの彼らのファン)
本編の最初と最後をサンドイッチし、アグレッシブなだけでなく、そこはかとないドラマ性もその身に纏わせたLICH KINGシリーズ最新作②⑩や、切り裂くように突っ走る⑨等、信頼のブランドとしてスラッシュ愛好家の期待にきっちりと応えてくれる1枚。


LICH KING - The Omniclasm - Crossover Songs Are Too Damn Short ★★★ (2017-11-12 22:40:42)

“クロスオーバー・ソングはどれもクソ短い”の
タイトルに相応しく、1分ちょいのランニング・タイムを
畳み込むように突っ走るクロスオーバー・スラッシュ然とした
アグレッションを発散するスピード・ナンバー。
「クロスオーバー・ソングあるある」が綴られた歌詞も
最高なので、国内盤出して対訳付けて欲しい。


LICH KING - The Omniclasm - Lich King VI: The Omniclasm ★★★ (2017-11-12 22:59:09)

ラストに鎮座まします、ファンにはお馴染みLICH KINGシリーズ最新曲。
6分越えの長尺が物語る通り、スラッシュ・ナンバーとしての
攻撃性や疾走感は十二分に保ちつつ、アルバムの締め括り役に相応しい
ツインGを有用してドラマ性とスケール感もさらりと漂わす
堂々たる名曲に仕上がっています。


LICH KING - World Gone Dead ★★★ (2014-10-24 23:12:23)

猛るシャウト・スタイルのVo、殺伐と刻まれる摩擦係数高めのGリフ、そして楽曲に印象的なフックを構築するメロディック且つ正統派へヴィ・メタリックなツインGとが、さながら尿意を堪えてトイレに駆け込む小学生の如き忙しないリズムに乗り突っ走る、「BACK TO 80'S」なスラッシュ・メタル(ブレンド割合はEXODUS:5、SLAYER:3、VIOLENCE:2ぐらい)を実践する、アメリカはマサチューセッツ州チコピー出身の5人組、'10年発表の3rdアルバム。
イントロ①で焦らしてから一気にスパートをかけて来る②や、バンドのテーマ曲的な“LICH KING”シリーズ第3弾の⑩といった、彼らの面目躍如たる高速スラッシュ・ナンバーを最初と最後に配置。その間にはSLAYERの“AGRESSIVE PERFECTOR”のカヴァー⑨を収録して持ち前のスピード感覚に鈍りがないことを宣言する一方で、映画『ロボコップ』へのトリビュート・ソング③では遊び心満載のアレンジを、エピカルなスケール感を有する④や、イーヴルにうねるヘヴィ・チューン⑦ではドラマティックに聴かせきるアレンジ能力の高さを披露して、「俺達の武器は勢いだけじゃないんだぜ?」とのアピールにも余念がありません。
順調な成長の跡が刻まれた1枚・・・と書こうとして、これが初めて聴いた彼らの作品であることに気がつきました。初期作を再発して欲しいなぁ。


LICH KING - World Gone Dead - ED-209 ★★★ (2014-10-26 09:58:13)

ブルータルな暴れっぷりから、階段が降りられなくオロオロする姿まで、
フィル・ティペット渾身のアニメートが冴え渡る傑作ロボ、
『ロボコップ』のED-209を題材にしたスラッシュ・ナンバー。
ちゃんとジョーンズ副社長の誇らしげなプレゼンからスタート、
中盤にはED-209の警告がフィーチュアされ、機銃の発射速度とシンクロして
Gリフとリズムが刻まれるアレンジ、更にはエンディングでは
『ロボコップ』のテーマ曲までちょろっと引用されていたりと
満載の遊び心とクールなスラッシュ・ソングのカッコ良さとが
見事な融合をみた名曲。最高です。


LIEGE LORD - Master Control ★★★ (2014-08-19 22:43:09)

お盆に帰省した際、「確か持ってたよなぁ」とCD棚を漁って発掘して来たLIEGE LORDの3rdアルバム('88年)。JUDAS PRIESTをお手本にしながらも、バラード等の繊細な表現にはまるで興味を示さない辺りが、まさに王道アメリカン・パワー・メタルといった趣きの1枚です。
高音域でも迫力を損なわないVo、スラッシーに牙を剥くGリフ、そして「肉食ってんどー!」とばかりに叩き付けられるリズムとが、馬力にあかせて突進しまくる押しの強いサウンドは、シンガーのジョー・コミュー(当時はジョセフ・コミューと名乗っていた)が後に加入することになる、OVERKILLの初期スタイルに通じる作風と言えなくもないような?
尤も、RAINBOWの名曲のカヴァー④が象徴するように、ルーツは100%メタル!押忍!(推測)な本作にパンクっ気は皆無。全体を支配する体育会系然とした剛直な雰囲気に反して、2本のGがツボを押さえたフレージングで楽曲にフックを作り出していて、特に劇的なイントロだけでハート鷲掴みな①、テクニカルに華咲く2本のGを乗せて、緊迫感を煽り立てながら疾走する③、ツインGが奏でるキラキラと眩いフレーズに思わず目を細めたくなるドラマティックな⑩は強力な出来栄え。
これがラスト作になってしまったことが、俄かには信じがたい程のエネルギーが渦巻く力作です。


LIEGE LORD - Master Control - Fallout ★★★ (2014-08-21 23:22:07)

叙情的な導入に始まり、山あり谷ありで
本編中、最も高いドラマ性を発揮する
アルバムのラスト・ナンバー。
パワー重視のバンドのようでいて、
この曲において2本のGが煌くように紡ぎ出す
メロディには、繊細な構築力が感じられます。


LIEGE LORD - Master Control - Fear Itself ★★ (2014-08-21 23:11:34)

劇的なイントロだけでJUDAS PRIESTからの
影響は明らかですが、アクセルべた踏みの
猪突猛進っぷりや、直線的なサビメロは
スラッシュ/パワー・メタル的・・・というか
王道アメリカン・パワー・メタルの魅力を放っています。


LIEGE LORD - Master Control - Master Control ★★★ (2014-08-21 23:19:02)

アルバムのハイライト・ナンバーの一つ。
切迫感を煽り立てながら図太く疾走する曲調は
パワー・メタルの権化のようですが、
一方で2本のGがテクニカルなフレーズを
華咲かせる辺りは、いかにも80年代の
アメリカのバンドといった華やかな感触も
残してくれます。


LILLIAN AXE - Lillian Axe ★★ (2012-11-21 22:38:08)

『POETIC JUSTICE』で初めてLILLIAN AXEサウンドに触れ、その後、遡って'88年リリースのこのデビュー作を聴いた時は、叙情性や繊細さよりもLAメタル然としたノリの良さが勝りがちな作風に「あれれ?」ってな感想を抱いたことを思い出します。何せ、本編の幕が上がってのロン・テイラー(Vo)の第一声が「OH! YEAH!」ですからね。そりゃRATTのロビン・クロスビーがプロデュースするよね、と。
尤も、こうしたアメリカンでグルーヴィな要素もLILLIAN AXEの重要な個性の1つ。それに何より、既にスティーヴ・ブレイズのギタリストとしての、メロディ・メイカーとしての才能の煌きは③等を手始めに随所で確認することも出来ます。中でも、じんわりとした温もりを感じさせるバラード⑦、憂いと緊迫感を帯びた⑧、そしてアルバムのハイライトにして、LILLIAN AXE史に残るドラマティックな泣きの名曲⑨が連続する終盤の盛り上がりには素晴しいものがあります。
過ぎたるは及ばざるが如しで、若さに任せた大味な楽曲もチラホラ見受けられたりもするのですが、それもまたデビュー作ならではの魅力と言えるのではないでしょうか。


LILLIAN AXE - Lillian Axe - Waiting in the Dark ★★★ (2012-11-21 22:47:36)

どちらかと言えば明るいノリが支配的だった
デビュー作の中において、ダークな光沢を帯びた
歌詞と曲調が一際異彩を放つ超名曲。
猛烈な泣きとドラマティックな構築美を兼ね備えた
スティーヴ・ブレイズのGプレイは、既にこの時点で
只者じゃないオーラを纏っていますよ。


LILLIAN AXE - Love + War ★★ (2012-11-23 11:57:51)

アーティスティックな美しささえ感じさせる女性ヌードを戴くモノクロ調のアートワークも評判を呼んだ、'89年発表の2ndアルバム。当時、LILLIAN AXEの音は全く聴いたことがなかったのですが、雑誌等でも取り上げられたこのアルバム・ジャケットのことは妙に印象残っています。いや、単にスケベ心だけでなく。いやいや。
随所でこのバンドならではのリリカルなメロディ・センスを閃かせつつも、全体的に溌剌としたLAメタル・テイストが強く漂って来ていたセルフ・タイトルのデビュー作に比べ、より叙情性と構築美の底上げが図られた本作は、個人的に「LILLIAN AXEサウンド」と認識しているスタイルにぐっと近付いた感がある一方、まだまだ楽曲の完成度にバラつきは見られるのは、やはり過渡期の作品だからでしょうか。
殊にスティーヴ・ブレイズの劇的なGプレイは、冒頭の①②やダーク&ウェットな⑤、美麗なハーモニーが沁みる⑨など益々冴え渡っており、そのセンスの結晶と言えるのが、侘びサビの効いた泣きのバラード⑥。1st収録の“WAITING IN THE DARK”、3rd収録の“THE PROMISED LAND”と並ぶ「LILLIAN AXE三大名曲」の1つに数えられるこの名バラードを聴くためだけにでも、本作は購入する価値が大いに有りですよ。


LILLIAN AXE - Love + War - Ghost of Winter ★★★ (2012-11-23 12:01:35)

言い知れぬ物悲しさを伝える
侘びサビの効いた曲調と泣きのメロディが
冬の情景に「これでもか!」というぐらい
マッチするLILLIAN AXE史に残る名バラード。
イマジネーションを刺激される
タイトルからして最高ですよね。


LILLIAN AXE - Poetic Justice ★★ (2009-11-10 23:13:00)

とんちんかんなジャケット・アートワークに関しては擁護のしようもないが、名曲“THE PROMISED LAND"を
収録する等、内容の方は、前作『LOVE AND WAR』を最後にメジャー・レーベルからドロップしたとは思えぬ
充実っぷりを誇り、LILLIAN AXEの最高傑作とファンの間でも評価の高い'91年発表の3rdアルバム。
アメリカのバンドらしい快活さと、ポップでロマンティックな叙情メロディ、それに美麗なボーカル・ハーモニーが
同居したLILLIAN AXE流メロディアスHRサウンドは本作を以って完成の域へと至り、ここに収められた楽曲の
平均レベルの高さは、彼らのカタログの中でも屈指。取り分け、ロン・テイラーの暖かみのある歌声が映える
ハートウォーミングなバラード⑤や、民俗音楽調の旋律を奏でるアコギに耳奪われる⑨、そして、数あるLILIANE AXEの
名曲の中でも燦然と輝く、美しく劇的な泣きの逸品⑩といった楽曲の素晴しさは筆舌尽くし難いほど。
こうした楽曲を更に引き立てるのがスティーヴィー・ブレイズの華やかさと構築美を湛えたGプレイで、特に、
繊細且つ味わい深く爪弾かれ、楽曲に強力なフックを生み出すアコギ・プレイは何度聴いても胸に沁みます。
LILLIAN AXEの作品の中では比較的入手が容易な1枚であり、クオリティの高さと併せて入門編に最適な作品かと。


LILLIAN AXE - Psychoschizophrenia ★★ (2009-11-13 22:53:00)

濁り気味のGサウンドや、へヴィさを増したリズム・セクションなど、当時ロック・シーンを席巻していた
グランジ・ミュージックからの影響を感じさせるダークな作風がファンの間で賛否両論を呼んだ、'93年発表の4thアルバム。
キャッチーでポジティブな空気が全体を包み込んでいた前作『POETIC JUSTICE』に比べ、今回はシリアスな
雰囲気漂わす楽曲を数多く収録。とは言え、ハートウォーミングなロン・テイラーのVo、劇的な構築美を備えた
スティーヴィー・ブレイズのG(相変わらずアコギの腕前が冴え渡る)、美麗なボーカル・ハーモニー、
そして繊細な泣きを湛えた叙情メロディetc・・・と、LILLIAN AXEの「肝」とでも言うべき魅力の数々は
しっかりと健在であり、特に、悲哀に満ちた泣きメロが胸に突き刺さる④、劇的且つメランコリックに盛り上がって行く⑦、
透明度の高いボーカル・ハーモニーが重たげな曲調を儚く彩る⑧といった楽曲は、従来のおセンチな叙情性に、
仄暗くシリアスなテイストがブレンドされた、本作でしか聴く事の出来ないタイプの名曲。勿論、胸キュンを誘う
バラード⑥⑪のような、前作に収録されていてもおかしくないタイプの楽曲もちゃんと聴く事ができるのでご安心を。
正直、キャッチーさの薄れた作風は地味だし、収録曲の出来・不出来にバラつきが見られる点もマイナスながら、
個人的には、哀メロ・ファンなら上記した楽曲を聴くためだけにでも購入する価値は十分にある1枚かと。


LIMELIGHT - Limelight ★★★ (2016-06-27 22:14:27)

マサ伊藤が「NWOBHM最強のバンドの一つ」と記す、英国はノッティンガムシャー、マンズフィールド出身で、マイクとグレンのスクリムショー兄弟を中心に結成された(活動開始は60年代まで遡るという)トリオ・バンドが、'80年に残した唯一のフル・アルバム。
「イギリスのRUSH」と評されただけあって、RUSH、YESを彷彿とさせる凝った曲展開やヒネリの効いたアレンジ、曲によってはメロトロンをフィーチュアする等、プログレ方面へのアプローチに余念のない本作ですが、軸足は飽くまでメタル側にキープ・オン・ロッキン。疾走感溢れるインスト・パートがスリリングなOPナンバー“GOING HOME”、ビートを効かせたダークな“KNIFE IN YOUR BACK”、タイトルからしてド直球のスピード・ナンバー“METAL MAN”、哀愁塗れの“MAMMA”から悲壮且つ重厚な大作曲“MAN OF COLOURS”に至るまで、NWOBHMらしいハードネスも泣きも十二分に堪能できる本編は、「プログレっぽいの?じゃあパスで!」なんて後ろ向きな発言かます輩(俺のことですが)を、張り倒して正気に返らせ得るインパクト&クオリティを兼備しています。
尚そんな本作。オリジナル盤と、後に発売されたベルギー盤では曲順が全く異なる上に、後者には、シングルとして発表されたNWOBHM史に足跡を刻む名曲“ASHES TO ASHES”がOPナンバーとして収録されているので、聴き比べてみるのも一興かと。ちなみに、テイチクから再発された日本盤はオリジナルの曲順に準じつつ、ボートラとして“ASHES~”も収録するという両者の美味しいトコ取りな構成で、そりゃ中古盤がプレミア価格で取引されるよな…と。一日も早い再発を希望する次第。