この曲を聴け!
火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3201-3300

MyPage

火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3201-3300
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70
モバイル向きページ 


LEVERAGE - Tides - Dreamland ★★★ (2007-12-02 00:20:51)

アップテンポな曲調とキャッチーなサビメロ、
全体を貫く如何にも北欧のバンド的な哀愁と透明感、
そしてドラマティックな曲展開と、
まったく聴き手に突っ込む隙を与えない名曲。


LEVERAGE - Tides - Marching to War ★★★ (2007-12-02 00:25:30)

戦争をテーマに取り上げた楽曲だけあって、荒々しく勇ましく、
それでいて哀しげな雰囲気を含んだGリフがこの曲の肝。


LEVERAGE - Tides - Superstition ★★★ (2007-12-02 00:11:31)

とにかく歌メロが絶品なのよ。
よくこんな悲哀に満ちた歌メロを思いつくな~
と、泣きながら感心してしまうぐらい、歌メロが良い。
勿論、北欧的な叙情性に彩られた、素晴しい楽曲が
あってこその話なわけだが。


LEVERAGE - Tides - WATERFALL ★★★ (2007-12-02 00:28:19)

Keyが演出する、如何にも北欧のバンドらしい
水晶の如き透明感を纏って疾走するメタル・チューン。
とてもボーナス・トラックとは思えないクオリティを備える。


LICH KING (2014-10-24 23:09:22)

世界に名だたる名門校が軒を連ねるアメリカはマサチューセッツ州出身ながら、頭空っぽにして楽しめる単純明快な「NEW OLD-SCHOOL THRASH METAL」を追求する5人組。
Voのトム・マーティン(BONDED BY BLOODのバンド・ロゴを手掛けたのはこの人だとか)により'06年に結成され、これまでに数本のデモやEP、そして4枚のフル・アルバムを発表。
ブラック・メタルや他所のスラッシュ・バンド(特にGAMA BOMB)を挑発するような言動や歌詞の数々、かと思えばMANOWARにリスペクトを表明してみたり、また'11年には8ビット音源でファミコン風スラッシュ・サウンドを再現した異色の企画盤『SUPER RETRO THRASH』を発表したりと、血気盛んな活動を繰り広げつつ現在に至る。


LICH KING - Born of the Bomb ★★★ (2014-10-27 23:13:34)

お遊び盤『SUPER RETORO THRASH』で「8ビット・スラッシュ」なる新たなジャンルを開拓して(?)、ファンを引っ繰り返らせつつ楽しませたLICH KING、'13年発表の4thアルバム。(『SUPER~』もカウントするなら5thだけど)
野郎コーラスに先導されて、MANOWARばりに高圧的なアティテュードを撒き散らかしながら突っ走る②が開巻早々に太鼓判を押すように、今回はスラッシャーの本道へと復帰。勢い重視のラフい音作り、ヒステリックに叫び倒すハイピッチVo、腕利き料理人の包丁捌きの如く、刻んで刻んで刻みまくるGリフから、初期衝動に突き動かされるよう遮二無二に突撃するリズムまで、「スラッシュ・メタル」という概念をそのまま音像化したかのようなサウンドを、相変わらずのテンションの高さで展開してくれています。
ガリガリと回転するGリフがSLAYER風の③から、アグレッシブな曲調の中にもLICH KING流のユーモアが光る⑤⑧、ツインGによるメロディックなアプローチが冴え渡った大作⑥、そしてお約束の“LICH KING”シリーズ第4弾⑩・・・と、畳み掛けるVoとGリフとリズムのコンビネーションに血管が拡張する逸品を多数収録。バンドのルーツを開示するANGENT STEELの名曲“ANGENT OF STEEL”のカヴァー⑨もばっちりハマっていますよ。


LICH KING - Born of the Bomb - Lich King IV (Born of the Bomb) ★★★ (2014-10-29 21:30:08)

アルバムのラストを飾るお馴染み“LICH KING”シリーズ。
7分以上もある大作なれど、緩急?知ったことか!
とばかりに猛スピードで押しまくるスラッシュ・ナンバー。
ゲストにMORBID SAINTのメンバーも参加して
華麗なGソロを狂い咲かせてくれています。


LICH KING - Born of the Bomb - We Came to Conquer ★★★ (2014-10-28 23:09:03)

威勢の良い掛け声コーラスを導入に、
爆発的な疾走感から掻き毟るようなGソロ
ハイテンションに畳み掛けるVoまで
スラッシュ・メタルの権化の如きOPナンバー。
あと本作の隠し味はMANOWARでしょうかね。


LICH KING - The Omniclasm ★★★ (2017-11-12 23:00:25)

米スラッシュ・メタル・シーンの中堅選手となったマサチューセッツ州の5人組が、前作から5年ぶりとなる’17年に発表したニュー・アルバム。
間にシングルやEPのリリースがちょくちょく挟まれていたので、然程待たされた気はしないとは言え、何故こんなにブランクが空いてしまったのか?その理由は…いや全然知らんので誰か教えて欲しいぐらいなのですが、もしかすると本作発表後間もなく、これまでバンドの創作面を一手に担ってきたオリジナル・メンバーである、トム・マーティン(Vo)が脱退してしまったことと何か関係あんのか?と。つかLICH KINGの明日はどっちだ。
とまれ、音楽性の方は何一つ変わっちゃいません。どこかファニーな雰囲気も撒き散らす③や、7分以上の長尺が(全く走ることなく)重厚に迫り出して来る70年代HR風味の⑧辺りは今回の新機軸と言えるかもしれませんが、ラフネス優先の音作りの下、間断なく刻まれるササクレたGリフ、突き動かされるように走り回るリズム、その上でひり出されるハイテンションなシャウトetc.と、基本的なサウンドは、ほぼほぼこれまでのスタイルを固守。全方位にちょっかい掛けていく姿勢も健在で、特に今回のヒットは“CROSSOVER SONGS ARE TOO DAMN SHORT”なるタイトルからして最高な⑥ですかね。(ちなみに彼らはD.R.I.の楽曲をカヴァーしているぐらいの彼らのファン)
本編の最初と最後をサンドイッチし、アグレッシブなだけでなく、そこはかとないドラマ性もその身に纏わせたLICH KINGシリーズ最新作②⑩や、切り裂くように突っ走る⑨等、信頼のブランドとしてスラッシュ愛好家の期待にきっちりと応えてくれる1枚。


LICH KING - The Omniclasm - Crossover Songs Are Too Damn Short ★★★ (2017-11-12 22:40:42)

“クロスオーバー・ソングはどれもクソ短い”の
タイトルに相応しく、1分ちょいのランニング・タイムを
畳み込むように突っ走るクロスオーバー・スラッシュ然とした
アグレッションを発散するスピード・ナンバー。
「クロスオーバー・ソングあるある」が綴られた歌詞も
最高なので、国内盤出して対訳付けて欲しい。


LICH KING - The Omniclasm - Lich King VI: The Omniclasm ★★★ (2017-11-12 22:59:09)

ラストに鎮座まします、ファンにはお馴染みLICH KINGシリーズ最新曲。
6分越えの長尺が物語る通り、スラッシュ・ナンバーとしての
攻撃性や疾走感は十二分に保ちつつ、アルバムの締め括り役に相応しい
ツインGを有用してドラマ性とスケール感もさらりと漂わす
堂々たる名曲に仕上がっています。


LICH KING - World Gone Dead ★★★ (2014-10-24 23:12:23)

猛るシャウト・スタイルのVo、殺伐と刻まれる摩擦係数高めのGリフ、そして楽曲に印象的なフックを構築するメロディック且つ正統派へヴィ・メタリックなツインGとが、さながら尿意を堪えてトイレに駆け込む小学生の如き忙しないリズムに乗り突っ走る、「BACK TO 80'S」なスラッシュ・メタル(ブレンド割合はEXODUS:5、SLAYER:3、VIOLENCE:2ぐらい)を実践する、アメリカはマサチューセッツ州チコピー出身の5人組、'10年発表の3rdアルバム。
イントロ①で焦らしてから一気にスパートをかけて来る②や、バンドのテーマ曲的な“LICH KING”シリーズ第3弾の⑩といった、彼らの面目躍如たる高速スラッシュ・ナンバーを最初と最後に配置。その間にはSLAYERの“AGRESSIVE PERFECTOR”のカヴァー⑨を収録して持ち前のスピード感覚に鈍りがないことを宣言する一方で、映画『ロボコップ』へのトリビュート・ソング③では遊び心満載のアレンジを、エピカルなスケール感を有する④や、イーヴルにうねるヘヴィ・チューン⑦ではドラマティックに聴かせきるアレンジ能力の高さを披露して、「俺達の武器は勢いだけじゃないんだぜ?」とのアピールにも余念がありません。
順調な成長の跡が刻まれた1枚・・・と書こうとして、これが初めて聴いた彼らの作品であることに気がつきました。初期作を再発して欲しいなぁ。


LICH KING - World Gone Dead - ED-209 ★★★ (2014-10-26 09:58:13)

ブルータルな暴れっぷりから、階段が降りられなくオロオロする姿まで、
フィル・ティペット渾身のアニメートが冴え渡る傑作ロボ、
『ロボコップ』のED-209を題材にしたスラッシュ・ナンバー。
ちゃんとジョーンズ副社長の誇らしげなプレゼンからスタート、
中盤にはED-209の警告がフィーチュアされ、機銃の発射速度とシンクロして
Gリフとリズムが刻まれるアレンジ、更にはエンディングでは
『ロボコップ』のテーマ曲までちょろっと引用されていたりと
満載の遊び心とクールなスラッシュ・ソングのカッコ良さとが
見事な融合をみた名曲。最高です。


LIEGE LORD - Master Control ★★★ (2014-08-19 22:43:09)

お盆に帰省した際、「確か持ってたよなぁ」とCD棚を漁って発掘して来たLIEGE LORDの3rdアルバム('88年)。JUDAS PRIESTをお手本にしながらも、バラード等の繊細な表現にはまるで興味を示さない辺りが、まさに王道アメリカン・パワー・メタルといった趣きの1枚です。
高音域でも迫力を損なわないVo、スラッシーに牙を剥くGリフ、そして「肉食ってんどー!」とばかりに叩き付けられるリズムとが、馬力にあかせて突進しまくる押しの強いサウンドは、シンガーのジョー・コミュー(当時はジョセフ・コミューと名乗っていた)が後に加入することになる、OVERKILLの初期スタイルに通じる作風と言えなくもないような?
尤も、RAINBOWの名曲のカヴァー④が象徴するように、ルーツは100%メタル!押忍!(推測)な本作にパンクっ気は皆無。全体を支配する体育会系然とした剛直な雰囲気に反して、2本のGがツボを押さえたフレージングで楽曲にフックを作り出していて、特に劇的なイントロだけでハート鷲掴みな①、テクニカルに華咲く2本のGを乗せて、緊迫感を煽り立てながら疾走する③、ツインGが奏でるキラキラと眩いフレーズに思わず目を細めたくなるドラマティックな⑩は強力な出来栄え。
これがラスト作になってしまったことが、俄かには信じがたい程のエネルギーが渦巻く力作です。


LIEGE LORD - Master Control - Fallout ★★★ (2014-08-21 23:22:07)

叙情的な導入に始まり、山あり谷ありで
本編中、最も高いドラマ性を発揮する
アルバムのラスト・ナンバー。
パワー重視のバンドのようでいて、
この曲において2本のGが煌くように紡ぎ出す
メロディには、繊細な構築力が感じられます。


LIEGE LORD - Master Control - Fear Itself ★★ (2014-08-21 23:11:34)

劇的なイントロだけでJUDAS PRIESTからの
影響は明らかですが、アクセルべた踏みの
猪突猛進っぷりや、直線的なサビメロは
スラッシュ/パワー・メタル的・・・というか
王道アメリカン・パワー・メタルの魅力を放っています。


LIEGE LORD - Master Control - Master Control ★★★ (2014-08-21 23:19:02)

アルバムのハイライト・ナンバーの一つ。
切迫感を煽り立てながら図太く疾走する曲調は
パワー・メタルの権化のようですが、
一方で2本のGがテクニカルなフレーズを
華咲かせる辺りは、いかにも80年代の
アメリカのバンドといった華やかな感触も
残してくれます。


LILLIAN AXE - Lillian Axe ★★ (2012-11-21 22:38:08)

『POETIC JUSTICE』で初めてLILLIAN AXEサウンドに触れ、その後、遡って'88年リリースのこのデビュー作を聴いた時は、叙情性や繊細さよりもLAメタル然としたノリの良さが勝りがちな作風に「あれれ?」ってな感想を抱いたことを思い出します。何せ、本編の幕が上がってのロン・テイラー(Vo)の第一声が「OH! YEAH!」ですからね。そりゃRATTのロビン・クロスビーがプロデュースするよね、と。
尤も、こうしたアメリカンでグルーヴィな要素もLILLIAN AXEの重要な個性の1つ。それに何より、既にスティーヴ・ブレイズのギタリストとしての、メロディ・メイカーとしての才能の煌きは③等を手始めに随所で確認することも出来ます。中でも、じんわりとした温もりを感じさせるバラード⑦、憂いと緊迫感を帯びた⑧、そしてアルバムのハイライトにして、LILLIAN AXE史に残るドラマティックな泣きの名曲⑨が連続する終盤の盛り上がりには素晴しいものがあります。
過ぎたるは及ばざるが如しで、若さに任せた大味な楽曲もチラホラ見受けられたりもするのですが、それもまたデビュー作ならではの魅力と言えるのではないでしょうか。


LILLIAN AXE - Lillian Axe - Waiting in the Dark ★★★ (2012-11-21 22:47:36)

どちらかと言えば明るいノリが支配的だった
デビュー作の中において、ダークな光沢を帯びた
歌詞と曲調が一際異彩を放つ超名曲。
猛烈な泣きとドラマティックな構築美を兼ね備えた
スティーヴ・ブレイズのGプレイは、既にこの時点で
只者じゃないオーラを纏っていますよ。


LILLIAN AXE - Love + War ★★ (2012-11-23 11:57:51)

アーティスティックな美しささえ感じさせる女性ヌードを戴くモノクロ調のアートワークも評判を呼んだ、'89年発表の2ndアルバム。当時、LILLIAN AXEの音は全く聴いたことがなかったのですが、雑誌等でも取り上げられたこのアルバム・ジャケットのことは妙に印象残っています。いや、単にスケベ心だけでなく。いやいや。
随所でこのバンドならではのリリカルなメロディ・センスを閃かせつつも、全体的に溌剌としたLAメタル・テイストが強く漂って来ていたセルフ・タイトルのデビュー作に比べ、より叙情性と構築美の底上げが図られた本作は、個人的に「LILLIAN AXEサウンド」と認識しているスタイルにぐっと近付いた感がある一方、まだまだ楽曲の完成度にバラつきは見られるのは、やはり過渡期の作品だからでしょうか。
殊にスティーヴ・ブレイズの劇的なGプレイは、冒頭の①②やダーク&ウェットな⑤、美麗なハーモニーが沁みる⑨など益々冴え渡っており、そのセンスの結晶と言えるのが、侘びサビの効いた泣きのバラード⑥。1st収録の“WAITING IN THE DARK”、3rd収録の“THE PROMISED LAND”と並ぶ「LILLIAN AXE三大名曲」の1つに数えられるこの名バラードを聴くためだけにでも、本作は購入する価値が大いに有りですよ。


LILLIAN AXE - Love + War - Ghost of Winter ★★★ (2012-11-23 12:01:35)

言い知れぬ物悲しさを伝える
侘びサビの効いた曲調と泣きのメロディが
冬の情景に「これでもか!」というぐらい
マッチするLILLIAN AXE史に残る名バラード。
イマジネーションを刺激される
タイトルからして最高ですよね。


LILLIAN AXE - Poetic Justice ★★ (2009-11-10 23:13:00)

とんちんかんなジャケット・アートワークに関しては擁護のしようもないが、名曲“THE PROMISED LAND"を
収録する等、内容の方は、前作『LOVE AND WAR』を最後にメジャー・レーベルからドロップしたとは思えぬ
充実っぷりを誇り、LILLIAN AXEの最高傑作とファンの間でも評価の高い'91年発表の3rdアルバム。
アメリカのバンドらしい快活さと、ポップでロマンティックな叙情メロディ、それに美麗なボーカル・ハーモニーが
同居したLILLIAN AXE流メロディアスHRサウンドは本作を以って完成の域へと至り、ここに収められた楽曲の
平均レベルの高さは、彼らのカタログの中でも屈指。取り分け、ロン・テイラーの暖かみのある歌声が映える
ハートウォーミングなバラード⑤や、民俗音楽調の旋律を奏でるアコギに耳奪われる⑨、そして、数あるLILIANE AXEの
名曲の中でも燦然と輝く、美しく劇的な泣きの逸品⑩といった楽曲の素晴しさは筆舌尽くし難いほど。
こうした楽曲を更に引き立てるのがスティーヴィー・ブレイズの華やかさと構築美を湛えたGプレイで、特に、
繊細且つ味わい深く爪弾かれ、楽曲に強力なフックを生み出すアコギ・プレイは何度聴いても胸に沁みます。
LILLIAN AXEの作品の中では比較的入手が容易な1枚であり、クオリティの高さと併せて入門編に最適な作品かと。


LILLIAN AXE - Psychoschizophrenia ★★ (2009-11-13 22:53:00)

濁り気味のGサウンドや、へヴィさを増したリズム・セクションなど、当時ロック・シーンを席巻していた
グランジ・ミュージックからの影響を感じさせるダークな作風がファンの間で賛否両論を呼んだ、'93年発表の4thアルバム。
キャッチーでポジティブな空気が全体を包み込んでいた前作『POETIC JUSTICE』に比べ、今回はシリアスな
雰囲気漂わす楽曲を数多く収録。とは言え、ハートウォーミングなロン・テイラーのVo、劇的な構築美を備えた
スティーヴィー・ブレイズのG(相変わらずアコギの腕前が冴え渡る)、美麗なボーカル・ハーモニー、
そして繊細な泣きを湛えた叙情メロディetc・・・と、LILLIAN AXEの「肝」とでも言うべき魅力の数々は
しっかりと健在であり、特に、悲哀に満ちた泣きメロが胸に突き刺さる④、劇的且つメランコリックに盛り上がって行く⑦、
透明度の高いボーカル・ハーモニーが重たげな曲調を儚く彩る⑧といった楽曲は、従来のおセンチな叙情性に、
仄暗くシリアスなテイストがブレンドされた、本作でしか聴く事の出来ないタイプの名曲。勿論、胸キュンを誘う
バラード⑥⑪のような、前作に収録されていてもおかしくないタイプの楽曲もちゃんと聴く事ができるのでご安心を。
正直、キャッチーさの薄れた作風は地味だし、収録曲の出来・不出来にバラつきが見られる点もマイナスながら、
個人的には、哀メロ・ファンなら上記した楽曲を聴くためだけにでも購入する価値は十分にある1枚かと。


LIMELIGHT - Limelight ★★★ (2016-06-27 22:14:27)

マサ伊藤が「NWOBHM最強のバンドの一つ」と記す、英国はノッティンガムシャー、マンズフィールド出身で、マイクとグレンのスクリムショー兄弟を中心に結成された(活動開始は60年代まで遡るという)トリオ・バンドが、'80年に残した唯一のフル・アルバム。
「イギリスのRUSH」と評されただけあって、RUSH、YESを彷彿とさせる凝った曲展開やヒネリの効いたアレンジ、曲によってはメロトロンをフィーチュアする等、プログレ方面へのアプローチに余念のない本作ですが、軸足は飽くまでメタル側にキープ・オン・ロッキン。疾走感溢れるインスト・パートがスリリングなOPナンバー“GOING HOME”、ビートを効かせたダークな“KNIFE IN YOUR BACK”、タイトルからしてド直球のスピード・ナンバー“METAL MAN”、哀愁塗れの“MAMMA”から悲壮且つ重厚な大作曲“MAN OF COLOURS”に至るまで、NWOBHMらしいハードネスも泣きも十二分に堪能できる本編は、「プログレっぽいの?じゃあパスで!」なんて後ろ向きな発言かます輩(俺のことですが)を、張り倒して正気に返らせ得るインパクト&クオリティを兼備しています。
尚そんな本作。オリジナル盤と、後に発売されたベルギー盤では曲順が全く異なる上に、後者には、シングルとして発表されたNWOBHM史に足跡を刻む名曲“ASHES TO ASHES”がOPナンバーとして収録されているので、聴き比べてみるのも一興かと。ちなみに、テイチクから再発された日本盤はオリジナルの曲順に準じつつ、ボートラとして“ASHES~”も収録するという両者の美味しいトコ取りな構成で、そりゃ中古盤がプレミア価格で取引されるよな…と。一日も早い再発を希望する次第。


LIMELIGHT - Limelight - Ashes to Ashes ★★★ (2016-06-28 22:05:09)

LIMELIGHT=“ASHES TO ASHES”と言っても
過言ではない、NWOBHN史にその名を刻む逸品。

DARK STARの“LADY OF MARS”、INCUBUSの“HELLEN TO TROY”と並ぶ
三大(NWOBHM限定)「影響元が“DOCTOR,DOCTOR”」な名曲ではないかと。


LIMELIGHT - Limelight - Man of Colours ★★★ (2016-06-28 21:48:45)

8分に及ばんとする重厚な曲展開、哀愁のVoとGが紡ぐ
泣きに満ちたメロディに、全編を物悲しげに包み込む
メロトロンの音色・・・。
LIMELIGHTのプログレッシブ・ロックへの傾倒が
最も強く表れている名曲です。


LIMELIGHT - Limelight - Metal Man ★★★ (2016-06-28 21:43:44)

“METAL MAN”という全くヒネリも何もない曲名に相応しく、
ひたすらストレートに飛ばす疾走ナンバー。
「イギリスのRUSH」と評されたLIMELIGHTですが
ここにはラッシュのラの字も見たりません。
その代わりGリフで押しまくる曲調はNWOBHM度満点。
素晴らしい。


LION - Dangerous Attraction ★★★ (2017-10-29 00:43:03)

不幸の波状攻撃に翻弄されながらも立ち向かう、大映ドラマのヒロインばりに健気な姿(?)が日本のHR/HMファンの胸を打ったBIG IN JAPAN筆頭LION、'87年発表の1stフル。(国内盤は『宿命の砦』なる副題あり)
とは言え、彼らが判官びいきのみで人気を集めたわけじゃないことは、タレント揃いのメンバーと、彼らによってクリエイトされる高品質な楽曲の数々からも明らか。元TYTANの英国人シンガー、カル・スワン(Vo)の情念迸るディープ・ボイスを活かしたサウンドは、基本的にはWHITESNAKE辺りからの影響を伺わせるヒンヤリとした哀感を身に纏うブリティッシュHMなのですが、そこにメタリックなエッジの鋭さや、ライブでの大合唱を誘うキャッチーなコーラス・ワーク、そして若きギター・ヒーロー、ダグ・アルドリッジのフラッシーなGプレイといった、LAメタル仕込みの華やかなエッセンスが加わることで、英米混合バンドたるLIONならではの個性が眩い輝きを放ちます。
特にアップテンポのHMナンバー④は必殺の名曲。今は亡き日曜洋画劇場で繰り返し放送されていたB級アクション映画『処刑ライダー』劇中歌で、LIONの存在なんぞまるで知らなかった時分から「イカス曲だなぁ!」と痺れまくっていただけに、これが彼らの手による楽曲だったと知った時は感激もひとしおでしたよ。他にも重厚な②、バンドの代表曲のリメイク⑥、ブリティッシュ・ボイスが冴え渡る⑦、本編ラストをアグレッシブに締め括る⑨と、収録曲はどれも逸品ぞろい。いや、もしかすると今日びの若いリスナーには地味に響くやもしれませんが、そこで手放なすのはぐっと堪えて、もう数年熟成させた後で改めて聴き直してみると、芳醇な味わいに気付いてガツンとやられることも案外あるのではないかと。


LION - Dangerous Attraction - Never Surrender ★★★ (2012-06-03 02:16:54)

自分の中では「LION=この曲」ですね。
その昔、テレビでしょっちゅう放送されていた
B級アクション『処刑ライダー』という映画の
劇中歌に採用されていて、「このカッコイイ曲はなんぞ?」
と思ったのがLIONに興味を持つ切っ掛けでした。


LION - Dangerous Attraction - Shout It Out ★★★ (2017-10-29 23:13:36)

切り裂くように刻まれるGリフのカッコ良さにメタル魂が燃え上がります。
ライブではさぞかし盛り上がったであろうキャッチーなサビも熱い。
“NEVER SURRENDER”と並ぶアルバムのハイライト・ナンバー。
こうしたハードな楽曲でアルバムを締め括る姿勢も「買い」ですよ。


LION - Dangerous Attraction - The Transformers (theme) ★★★ (2017-10-29 23:09:21)

劇場版アニメ「トランスフォーマー」主題歌。
勇ましく、キャッチーで良い曲ですよね。
'93年に再発された『DANGEROUS ATTRACTION』の
スペシャル・エディション盤にボーナス・トラックとして追加収録されていました。
LIONは映画主題歌や挿入歌をぼちぼち手掛けているのですが
メジャーでの大ヒットが見込めないB級アクション、ホラー、アニメと
ジャンルが見事に偏っていて(作品自体の出来はさておき)
マネージメントやレコード会社の援護の弱さが透けて見えてしんみりしてしまうという。


LIONHEART - Hot Tonight ★★ (2008-03-12 22:11:00)

個人的にデニス・ストラットン(G)と言えば、現PRAYING MANTISのメンバーで、叙情的なHRサウンドが持ち味のバンドに、
隙あらばアメリカン・ロック・テイストを持ち込もうとする困った人、ってなイメージがあったのだが、そんなネガティブな
印象は、このLIONHEARTの'84年発表のデビュー作を聴いたら、綺麗サッパリ吹き飛んでしまった。
元々、生来のアメリカン・ロック嗜好が原因でスティーヴ・ハリスと対立、IRON MAIDENを去る羽目になったぐらいの人ゆえ、
そんな彼がイニシアチブを握って制作された本作は、NWOBHMや元メイデンといった肩書きや、勇ましいバンド名から
HM然としたノリを期待すると、大いに肩透かしを食らう事になる、ボーカル・ハーモニーとKey、そしてキラキラと眩い
アレンジをふんだんに取り入れた、ポップ且つキャッチーな産業ロック路線寄りの内容に仕上がっている。
また、↑で別の方が仰られている通り、PRAYING MANTISっぽい要素も散見されるので、
そういう意味では彼のマンティス加入は必然だったのかな、と。
本作において特筆すべきは、チャド・ブラウン(Vo)の絶品の歌唱力で、憂いを帯びたソウルフルなその歌声は、
ただ正確に音程をなぞるだけでは説得力が出せない、⑤のようなノリの楽曲すら、余裕で歌いこなす真の実力派。
これだけのシンガーが、その後パッとしたキャリアを築けなかったのは、何とも勿体無い話だ。そして勿論、メロディ重視の
心地良いGプレイを聴かせるデニスも、非常に優れた仕事をしている事は言うまでもない。
とりあえずメロハー・マニアは、サックスの哀愁の調べが胸に沁みる洗練されたHRチューン①と、
ポップでキャッチー、且つ叙情的な③という2つの名曲を聴くためだけにでも、本作を買ってください。


LIONHEART - Hot Tonight - Die for Love ★★★ (2008-03-12 22:19:24)

“WAIT FOR THE NIGHT"と並ぶ、
アルバムのハイライト・ナンバーの1つ。
たっぷりと哀愁を帯びつつも、ポップ且つキャッチーに
弾ける曲調が素晴しい。


LIONHEART - Hot Tonight - Wait for the Night ★★★ (2008-03-12 22:15:54)

邦題は「今宵 ザ・ナイト」。80年代やなぁ(笑)
それはともかく、楽曲は絶品。
洗練された産業ロック寄りの曲調で、
アルバムの出来の良さを確信させるに十分なOPナンバー。
哀愁と都会的なお洒落な雰囲気を演出する、
サックスの音色が非常に効果的。


LIONHEART - Second Nature ★★★ (2017-08-17 23:11:26)

英国のLIONHEART(スティーヴ・グリメットのLIONSHEARTに非ず)が、約30年ぶりに発表した2ndアルバム。
再編されたバンドのラインナップは、デニス・ストラットン(G)、ロッキー・ニュートン(B)、スティーヴ・マン(Key)のオリジナル・メンバーに加えて、旧知の間柄であるクライヴ・エドワーズ(Ds)、そしてSHYのリー・スモール(Vo)という布陣。1st『HOT TONIGHT』で素晴らしい喉を披露していたチャド・ブラウンの不参加を惜しみつつも、リーとてシンガーとしての実力は折紙付きゆえ不安は微塵もなし。LIONHEARTが得意とするハードポップ寄りの楽曲を歌うには声質的にやや「重い」かと思わなくもありませんでしたが、本作の方向性自体がハード気味に振られていることもあり、危惧したような違和感はありませんでしたね。
蔵出し音源集『UNEARTHED』収録曲のリレコと、書下ろしの新曲が半々で構成された本編は、コンピ盤的色合いが感じられなくもないものの、それでもイントロ①に続いて、爽やかな曲調にKeyが涼し気な彩りを加える②、カヴァー曲とは思えぬハマリ具合でアルバムのハイライトを飾る③、デニスがIRON MAIDEN在籍時代に書き上げた(スティーヴ・ハリスと共作予定だったという)⑤、キャッチーな⑩、実質的なデビュー曲であった疾走ナンバーにしてバンドのテーマ曲⑫等、「LIONHEART is BACK!」と確信させられるに十分な高品質な楽曲の数々を耳にすれば、そんなことは些細な問題であると。
今更ながら、PRAYING MANTISと共同で行われたという彼らの来日公演に足を運べなかったことが悔やまれる、復活作として十分な手応えを感じさせてくれる1枚です。


LIONHEART - Second Nature - Don't Pay The Ferryman (Chris De Burgh cover) ★★★ (2017-08-18 00:21:21)

アイルランドで活躍する英国人シンガー/ソングライター
クリス・デ・バーが'82年に英米でヒットさせた
『THE GATEWAY』収録曲のカヴァー…と教えて貰わなかったら
LIONHEARTのオリジナル曲と信じて疑わなかったであろうぐらい
見事にハマっている哀愁のHRナンバー。
(確かドイツのDOMAINもカヴァーしていたはず)


LIONHEART - Second Nature - Give Me The Light ★★★ (2017-08-18 00:25:24)

幻想的な“PRELUDE”からスタート。
仄かな哀愁を湛えつつ、煌びやかなKeyを身に纏って
爽やかに躍動する曲調は、まさしく往年の
LIONHEARTサウンドを現代にそのままよみがえらせたかのよう。
OPナンバーの大役を任されたのも納得の輝きを放つ名曲です。


LIONS PRIDE (2012-01-23 07:06:33)

「MAUSOLEUM CLASSIX」は、貴重音源の再発は非常にありがたかったものの、当時、CD化大国と持てはやされていた日本で贅沢に慣れきっていた身としては、海賊盤と紙一重(ブックレットがペラ紙1枚とか)のソリッド過ぎる仕様がネックとなって何となく購入に二の足を踏むシリーズだったのですが、最近は「贅沢抜かしてないで、もっと色々買っておけば良かった・・・」と悔やむ事しきり。
・・・で、そのMAUSOLEUM RECORDS所属バンドの中でも特にマニアから高い評価を受けていたのが、このLIONS PRIDE。

ttp://users.telenet.be/denofiniquitybe/lionspride.htm

上記リンク先のバンド・フォトで馬面のシンガーが着用している日章旗プリントのTシャツには、マジックで「有名」と手書きされているが、実際はインターネットが発達した現在でも、殆ど情報が手に入らない謎のベールに包まれた(?)ベルギーの5人組。
海外のサイトを見て回っても「ブリュッセル出身」「'84年に唯一のフル・アルバムを発表」ぐらいの事しか分からない正体不明さだが、YOUTUBEで見る事が出来るTV出演時の模様やライブ映像から察するに、本国ではそれなりに人気を博していたのかな?と。


LIONS PRIDE - Breaking out ★★ (2012-01-23 22:26:22)

ベルギー出身の5人組が'84年に残した唯一作で、聴き手に媚びない硬派な佇まいや雄々しいコーラスはACCEPTから、忙しないテンポ・チェンジが仕込まれた曲展開や、劇的に絡むツインGはIRON MAIDENからの影響が伺える、剛直なパワー・メタル・サウンドが全編に亘って炸裂する1枚。
Voが「超」の付く音痴っぷりを露呈しており、いっそメロディ無視で開き直る手もあったろうに、オヤジ臭い声質に反して案外真面目な好青年らしく、丁寧に歌い上げようとするあまり却って傷口を広げてしまっている感バリバリなのですが、ある意味、このVoがバンドの個性になっていると好意的に評価する事も可能・・・イヤイヤ、流石に無理がある。でも男泣きのへヴィ・バラード③に関しては、上手い/下手といった技術的な問題をぶっちぎった熱いエモーションの迸りに心打たれますよ。マジで。またパワーで押し切る⑤⑧のようなNWOBHM系の楽曲も似合っている。
Voの弱さをカバーするかの如くツインGがメロディアスに歌いまくっており、この2本のGが紡ぐ勇壮なキメのフレーズを追いかけているだけで、本作を楽しむ事は十分に可能。特に猛々しいリフ&リズムと、緩急の効いた劇的な曲展開にメタル魂が猛る②は必殺の名曲です。
多少Voが弱くてもイカした男気メタルを堪能したいというマニアなら楽しめること請け合いの力作。


LIONS PRIDE - Breaking out - A Real Friend ★★★ (2012-01-24 22:56:19)

全編で炸裂する不器用な泣きっぷりに
男泣きを誘われるヘヴィ・バラード。
Voは率直に言ってヘタクソなのだが、
テクニックよりもエモーションに偏った
暑苦しい歌声が、この曲調には似合っています。
名曲。


LIONS PRIDE - Breaking out - Let the Music Rule the World ★★ (2012-01-24 22:50:02)

回転の速い鋭角的なGリフが疾走する
NWOBHMテイスト溢れるラスト・ナンバー。
この手の勢いで押しまくるタイプの楽曲では
Voの下手さもさほど気になりません。


LIONS PRIDE - Breaking out - Working Class ★★★ (2012-01-24 22:59:28)

アルバム屈指の名曲。
雄々しいリフとリズムのコンビネーション、
熱く炸裂するツインG、それにアコギも有用された
起伏に富んだドラマティックな曲展開等、
いずれの要素もメタル魂をビンビンに鼓舞してくれます。


LIONSHEART - Abyss ★★★ (2023-07-07 01:11:27)

先日AFTER HOURSの感想を書いていたらふと思い出して聴き直したくなり、CD棚から引っ張り出して来たスティーヴ・グリメット(Vo)率いるLIONSHEARTが’04年に発表した4thアルバム(最終作なのかな)。
3rd『UNDER FIRE』リリース後にバンドは一度解散しており、これは復活作に当たるようなのですが、お世辞にも話題になったとは言い難い…というか「まだやってたの?」「4thアルバムなんてあったか」ってな反応も珍しくはないくらい。いやでもこれが内容は悪くないんですよ。ここまで付き合えば今更様式美系HMナンバーが見当たらないことに不満を感じることはありませんし、寧ろLIONSHEARTにとってはデビュー作の作風こそが例外であったことが了解できているので、本作においては仄かにブルージーな香り漂う、ブリティッシュHMらしい愁いを湛えた収録楽曲の数々を素直に楽しむことが出来るという塩梅で。
とか言いつつも、アグレッシブな疾走ナンバー①から派手なGプレイをフィーチュアした⑬(日本盤のみのボートラ)まで、適度にアップテンポの楽曲も散らされた本編はこのバンド史上最もヘヴィ・メタリックな仕上がりといえ、これなら「ブルージー」なるキーワードに拒否反応を覚える向きにもお楽しみ頂けるのではないかと。とりわけ重厚にしてドラマティックに盛り上がっていく⑤は、スティーヴの伸びやかで情念迸る熱唱が映える名曲っぷりに特にグッときましたね。
前3作に比べると中古盤屋でもとんと見かけませんが(かといってプレミアが付いてるわけでもないのが悲しい)、もし遭遇したら是非レスキューをお勧めしたい1枚。


LIONSHEART - Abyss - How Can I Tell You ★★★ (2023-07-11 00:58:26)

ブリティッシュHM然とした威厳と重厚感漂わす逸品。
コーラス・パートにおける劇的な盛り上がりをアシストする
スティーヴ・グリメットの見事な歌唱に耳奪われますよ。


LIONSHEART - Lionsheart ★★★ (2011-02-26 23:44:35)

いかにも英国的な湿り気とドラマ性を備えたGRIM REAPERやONSLAUGHTにおいて、ルックスに似合わぬ(失言)美声を聴かせてくれたスティーヴ・グリメットの新バンド、しかもBURRN!!誌ではアルバム・リリース前から異例の大プッシュ、ラジオでも伊藤政則氏が大絶賛、オマケにCMで聴いた“CAN'T BELEAVE”はドラマティックな超名曲。「こいつぁきっとJUDAS PRIESTやIRON MAIDENの系譜に連なる様式美HMの傑作に違いない!」と、事前に思いっきし期待値を上げまくって本作に挑んでみれば、聴こえて来たのは渋めのブルージーなHRチューン①・・・。この時俺が感じた「こんな筈ではなかったのに」感の正体について、↑上でcozy_imaさんが的確に文章化されています。英国は英国でもそっち寄り(WHITESNAKEとかTHUNDERとかQUIREBOYSとか)でしたかー、みたいな。
無論、今ではそれらの楽曲も愛聴しているし、冷やかなKeyに包まれた④なんてアルバム序盤のハイライトを飾る名曲だとも思っているが、それでもやはり本作を聴く時は、ついつい⑤⑥⑦といった様式美HM路線の名曲を摘み食いしてしまうことが多いのも事実。
もし全曲がこの方向性で統一されていたならば、例えお粗末なライブ・パフォーマンスを露呈しようとも、あそこまで急激な人気の失墜はなかったんじゃないかなぁ等と思ってみたりもするのですが、まぁ今となっては詮無い考えですね。


LIONSHEART - Lionsheart - So Cold ★★★ (2011-02-26 23:50:12)

様式美HMバンドかと思いきや、実はブルージーなHRサウンドが
その持ち味だったLIONSHEART本来の魅力を伝える名曲。
確かにスティーヴ・グリメットの熱唱はピタリはまっているし、
思わず体が動くグルーヴィなビートを叩き出すリズム隊、
冷やかな音色で楽曲を包み込むKey、
テクニカルな速弾きを繰り出すG(曲調からするとやや違和感があるが)、
いずれも効果的な仕事ぶりを披露。


LIONVILLE - Ⅱ ★★★ (2013-03-11 23:05:29)

イタリアン・メロディアスHRバンドの有望株、ステファノ・リオネッティ率いるLIONVILLEが'13年に発表した2ndアルバム。
1stとの連続性を感じさせるアルバム・タイトルやジャケット・アートワーク、そしてWORK OF ARTのラーズ・サフスンド(Vo)、EDEN'S CURSEのアレッサンドロ・デル・ベッキオ(Key奏者兼プロデューサー)ら、お馴染みの参加メンバーetc・・・といった要素が堂々宣言している通り、前作同様、心洗われるような瑞々しく清涼なメロディ満載のメロハー・サウンドを、今回も寸分の迷いもなく実行しています。
取り分け、かのビル・チャップリン(と奥方のタマラ・チャップリン)がゲストVoとして参加する爽やかなハードポップ・ナンバー④は、LIONVILLの魅力の何たるかを如実に表した名曲。また、サックスを導入した都会派の⑧、小粋なKeyの活躍がアクセントになっている⑪なんかも、個人的には外せない楽曲です。
大陸的な洗練の施された作風はイタリアっぽさを殆ど感じさせない一方、このメロディの質の高さは流石イタリア人!とも感じられる「イタリアっぽくないのにイタリアらしい」という、まぁ要するにメロディ愛好家の方なら安心してお求めになれる1枚。


LIONVILLE - Ⅱ - HIGHER ★★★ (2013-03-12 23:09:40)

ラーズ・サフスンド、ステファノ・リオネッティ、
それにビル・チャップリンという3人のリード・シンガーの
競演が生み出すハーモニーが、えも言われぬ美しさと
高揚感を演出しながら疾走するハードポップの名曲。
個人的には、日本盤にボートラとして収録されている
よりボーカルを強調したバージョンの方がお気に入りです。


LIONVILLE - Ⅱ - SHINING OVER ME ★★ (2013-03-12 23:21:28)

楽曲自体は歌心に溢れたメロハー・ソングですが
途中で挿入されるKeyソロが秀逸なアクセントなって
そこはかとなくプレグレ・ハードっぽい空気を
運んでいるような、別にそうでもないような。


LIONVILLE - Ⅱ - WAITING FOR A STAR TO FALL ★★ (2013-03-12 23:16:17)

ポップな曲調と、さらっと取り入れられたサックスに
バンドの洗練されたセンスがキラリと光る佳曲。


LIONVILLE - LIONVILLE ★★★ (2011-09-04 09:03:18)

イタリア出身のマルチ・ミュージシャン、ステファノ・リオネッティが、EDGE OF FOREVERやEDEN'S CURSE等との仕事で知られるプロデューサー兼Key奏者のアレッサンドロ・デル・ヴェッキオの助力を得て立ち上げたメロハー・プロジェクトのデビュー作。
イタリアと言えば、最近だとWHEELS OF FIREの『HOLLYWOOD ROCKS』がポップ・メタルの好盤として話題に上ったが、本作はあれよりも、もっとずっとAOR/産業ロック寄りの瀟洒な音楽性を志向しているものの、完成度の高さでは負けていない。
クセのない歌声で叙情味を帯びたメロディを伸びやかに歌い上げるVoと、心憎いほどにツボを押さえた演奏を聴かせてくれるG&Key、それにマッタリし過ぎぬよう適度に躍動感の効いたリズムがフィーチュアされたメロハー・サウンドは、まさしくメンバーがTOTOやSURVIOVR、GIANTといったバンドからの影響を告白する通り、すこぶるキャッチーでロマンチックな出来栄え。
本編への期待感を気持ちよく煽ってくれるOPナンバー①や、エレガントなKeyが良い仕事しまくりの②、高揚感溢れるロック・ソング(ジョン・ファーナムのカヴァー)④、女性Voもフィーチュアされたトミー・デナンダーのペンによる爽快な⑦等、この手の音楽好きの食指をそそるに十分な、強力なフック満載の名が数多く顔を揃えた力作。
メロディ愛好家の方は是非ともご一聴を。


LIONVILLE - LIONVILLE - WITH YOU ★★★ (2011-09-04 09:10:59)

零れ落ちるように奏でられるメロウなピアノ
(生ピアノじゃないのが残念)の旋律が
曲中に漂う哀愁を更に増幅してくれる、
個人的に本編中で最も愛する名曲。
これが聴けただけでも本作を購入した価値が
ありましたね。


LIONVILLE - Magic is Alive ★★★ (2020-10-21 22:59:42)

ステファノ・ライオネッティ(G)率いるLIONVILLが、日本では所属先をキングからマーキー/アヴァロンに変えて'20年に発表した4枚目のアルバム。
イタリア系ミュージシャンを中心とする一大メロハー企画SHINIG LINEから派生したため、当初は「豪華なゲスト・ミュージシャンの顔触れが目を惹くメロハー・プロジェクト」的な立ち位置でしたが、ライブ活動を見据えて参加メンバーを固定する等、作を重ねる毎にバンド感が強化。これまでステファノがGと兼任していたKeyパートには専任奏者を加え、曲作りも助っ人は迎えずステファノ自身が一手に担う形で制作された本作においても、そうした方向性が更に推進されています。
となるとぼちぼち収録曲のクオリティ低下が懸念され出す頃合いなれど、すでに4作目を数えてもそういった兆候がまるで見受けられないのだから大したもの。また曲作りにおいてバンド感の重視とライブ映えを意図した場合、ともすればメロディが蔑ろにされることが多々あるのですが、本作収録曲は相変わらず強力なフックを有しており、特にそれは、適度にロックのエッジを効かせて躍動する⑤、キャッチーなサビメロが印象的な⑥、ラーズ・サフサンド(Vo)の伸びやかな歌声が楽曲に備わった爽快感を倍加させてくれている⑦、冷ややかに奏でられる流麗なピアノの調べがアクセントになっている⑨等々、アルバムのハイライト級の逸品が連続する本編中盤以降に顕著に表れています。
前作を聴いた時はちょっぴりマンネリ化を懸念したのですが、それが完全に杞憂であったことを証明する快作。


LIONVILLE - Magic is Alive - I'll Never Give My Heart Away ★★★ (2020-10-23 00:31:14)

冷ややかな哀感を宿したメロディアスHRチューンで、
個人的にはアルバムのハイライト。
零れ落ちるように奏でられるピアノの流麗な調べが
楽曲の絶妙なアクセントとなっています。


LIONVILLE - Magic is Alive - If You Don't Know Me ★★★ (2020-10-23 00:27:17)

心地良く躍動するハードポップ・ナンバー。
仄かな哀愁が薫るフックに富むサビメロが絶品で、
豊かに湧き出すステファノ・ライオネッティの曲作りの
アイデアの泉が、まだまだ枯れる気配がまったくないことに
感心させられますよ、


LITA FORD - Dangerous Curves ★★ (2018-08-19 01:14:45)

勝負作『LITA』(’88年)をヒットさせ、「元RUNAWAYS」の肩書から解放されたリタ・フォードが、シャロン・オズボーンのマネージメントを離れ、旦那クリス・ホルムズ(元W.A.S.P.)とも別れて心機一転、’91年に発表した5枚目のソロ・アルバム。ちなみにタイトルの『デンジャラス・カーブス』とは、ジャケットを飾るリタ姐さんの悩ましい腰つきの曲線美のことを示している…のではなく。スリルと興奮が連続するアルバムをF1レース場の華であるヘアピン・コーナーに例えているのだとか。
大物ミュージシャンや売れっ子ソングライターを結集し、80年代ポップ・メタル・アルバム勝利の方程式に則って制作されていた前2作に対し、今作は90年代らしくバンド感を強調。収録曲の殆どがリタとバック・メンバーによって書き上げられています。それでも尚、ギターがハードにドライヴする疾走ナンバー①、甘くロマンティックなパワー・バラード⑤、ミステリアスな空気を纏った⑦等、バラエティ豊かに取り揃えられた収録楽曲の数々は依然として高いクオリティを維持しているのですから、リタ姐さん達の実力の高さが分かろうというもの。中でもキャッチーなポップ・チューン⑤⑧はアルバムのハイライトで、後者にはリッチー・ブラックモアとジョー・リン・ターナーの名前がクレジットされている点でも興味をそそられます。果たしてRAINBOWやDEEP PURPLEの未発表曲だったりするのか否か。そういえばリッチーもジョーもリタと付き合っていた時期があったんでしたっけね、確か。(ちなみにジョーはジェフ・スコット・ソートら共にバックVoとしても本作に参加)
『LITA』と併せて、リタ・フォード入門盤にお薦めできる1枚ですよ。


LITA FORD - Dangerous Curves - Little Too Early ★★★ (2018-08-19 23:24:27)

“PLAYIN' WITH FIRE”と並んでアルバムのハイライトを飾る名曲。
コンパクトにまとめられたハードポップ・チューンなのですが
クレジットを見るとリッチー・ブラックモア、ジョー・リン・ターナー、
アル・ピトレリの名前が並んでいて思わず仰け反ります。
後期RAINBOWのアウトテイクだったのか、はたまた他のセッション時に書かれた楽曲なのか…。
実は嘗て本アルバムの購入に踏み切ったのは、この曲聴きたさだったという。


LITA FORD - Dangerous Curves - Playin' With Fire ★★★ (2018-08-19 23:13:16)

ジム・ヴァランスの名前も共作者としてクレジットされているハードポップ・チューン。
爽やかなポップ・フィーリングが全編を貫きつつ、ひたすらフワフワと甘ったるいだけでなく、
リタ姐さんの歌とギターが楽曲にきっちり一本芯を通してくれています。


LITA FORD - Lita ★★★ (2017-07-18 23:28:45)

元RUNAWAYSのセクシー・ダイナマイツ、またNITROマニアからは「ジム・ジレットの嫁」('11年に離婚)として知られるリタ・フォードが’88年に発表した3枚目のソロ・アルバム。PHANTOM BLUEの1stや、LIV MOONの3rd(初回限定盤)同様、「ジャケットのオッパイに釣られて買ってしまった。だが後悔はしていない」作品の一つでもあります。
自らの名を表題に冠していることからも、彼女が本作に賭ける意気込みの程が伝わって来ますが、更に今回からマネージメントをシャロン・オズボーンが担当。加えて、ゴージャスな疾走ナンバー②にはMOTORHEADのレミーが、どことなくFREEの“WISHING WELL”を思わす⑤にはMOTLEY CRUEのニッキー・シックスが、そして“永遠の眠り”なる邦題付き劇的なバラード⑨には、オジー・オズボーンの名前がそれぞれ共作者としてクレジット。かような「水も漏らさぬ」バックアップ体制が功を奏したのか、本作からシングル・カットされたオジーとのデュエット・バラード⑨がシングル・チャート最高第8位にランクイン、アルバム自体も第26位に食い込むヒット作として立派な成績を収める結果に。
それでいて、本作がゲストの知名度におんぶに抱っこな代物なのかと言えば、さに非ず。OPナンバー①でのっけからGを渋く歌わせたかと思えば、エロティックな③では大人の色気を振り撒き、逆にハジけるパワー・ポップ・チューン④では溌剌とした歌唱を披露…といった具合に、これまでに比べ格段にキャッチーなメロディが増量/洗練された本編中において、リタ姐さんは歌にギターに、その才を存分に振るって生き生きと躍動しまくっています。
彼女の名前は知ってても聴いたことはない方は、本作辺りから入ってみるのが宜しいかと。


LITA FORD - Lita - Close My Eyes Forever ★★★ (2017-07-19 23:56:19)

全米シングル・チャート最高第8位にランクインした
オジー・オズボーンとのデュエット・バラード。
邦題“永遠の眠り”が物悲しくもドラマティックな曲調にマッチしています。
曲調といい、Voの比率といい、主役の座はオジーに譲って
(シャロンにブッ込まれたのか?とか邪推したくなりますが/笑)
リタ姐さんはギタリストとして楽曲を支えることに専念している印象です。
実際、エモーションが溢れ出すGプレイは非常に素晴らしい。


LITA FORD - Lita - Kiss Me Deadly ★★★ (2017-07-20 00:02:47)

ハッキリと「売れ線」を意識しているハードポップ・ナンバーですが
実際、ポップでキャッチーな素晴らしい楽曲で
ビルボード・チャート最高第12位も納得。
セクシーに次ぐセクシーなPVも脳裏に焼き付いておりますですよ。


LITTLE ANGELS - Don't Prey For Me ★★ (2018-01-15 00:39:10)

80年代後半、斜陽の季節を迎えた英国HR/HMシーンを活性化させる期待の新人バンドとして、QUIREBOYSやTHUNDERと共に注目を集めたイギリス北部スカボロー出身の5人組が、シングルやEPのリリース、国内クラブ・ツアーを経て、満を持して英POLYDOR RECORDSから'89年に発表した1stフル・アルバム。
嘗てBURRN!!誌で、2ndだったか3rdだったかが酒井編集長から「こんなのロックじゃねえ」と酷評されていたのが妙に記憶に残っているのですが、このデビュー作に関して言えば、元気一杯に声を張るVoといい、弾きまくりのGといい、要所に疾走ナンバーを散らした本編の構成といい、HR/HMアルバムの範疇で語るべき作品であることに異論は出ない筈。明るくハジけるロックンロールをサウンドの基盤に据えつつ、土の匂いが殆ど漂って来なかったり、またメロディから漂うそこはかとない哀感が、大陸産とは一味異なるブリティッシュな味わいだなぁと。あと③④を始め、随所で軽快に奏でられるエレピが楽曲にナイスなアクセントを加えてくれている点も、ピアノ好きとしては非常にポイントが高い。
流石に13曲、50分オーバーのボリュームだと影の薄い楽曲も幾つかあったりするわけですが、だとしても、踊り出さずにはいられないノリノリな①③⑨や、へヴィ・メタリックとさえ言えそうな⑦のような疾走ナンバー、あるいは熱っぽく盛り上がるバラード⑤⑩、シンガーのエモーション迸る熱唱と哀愁を湛えたメロディがドラマティックに交錯する⑤といった優れた楽曲は、そうした弱点を帳消しにして余りあるというものですよ。
「英国HR/HMシーンを背負って立つ逸材」として評判を呼んだのも納得の1枚。


LIV MOON - GOLDEN MOON ★★★ (2011-12-04 19:26:17)

才色兼備のフロント・ウーマン、アカネ・リヴ嬢のセミヌード写真を戴くジャケット・アートワークの色香に誘われ、ついフラフラと高価な初回限定版の方を購入してしまった、LIV MOON'11年発表の2ndフル・アルバム。
頭4曲はその彼女の麗しき歌声と、新メンバー大村孝佳(G)らのテクニカルな演奏が活かされたWITHIN TEMPTATIONやNIGHTWISHに通ずる(?)ダークでドラマティック、且つ荘厳な雰囲気漂うHMナンバーが連続するが、更に聴き進めていくと中盤以降は、ダンサブルなビートやポップで小洒落たアレンジなんかも取り入れられた、HR/HMの枠内のみに留まらない楽曲も用意されているので、ヘヴィ・メタリックなテイストを希求する向きには注意の必要があり。
とは言え、ウージェーヌ・ドラクロワの名画『民衆を導く自由の女神』を題材に取って雄々しく疾走する名曲⑧や、優美で芝居がかった曲展開がQUEENを彷彿とさせる⑪、淡々と刻まれるリズムの上に凛として玲瓏なメロディが乗せられた⑭等を筆頭に、本編後半に並べられた楽曲もクオリティは十二分に高く、何よりこのバンドの「貌」たるアカネ嬢の歌唱がエクセレント。元タカラジェンヌという出自を持つ御方ゆえシンガーとしての基礎能力がズバ抜けており、時に神々しく、時に妖艶に、時にコケティッシュに・・・と、表情豊かに様々な魅力を振りまく彼女のゴージャスな歌声はまさしく至宝だ。
まぁでも、もうちょっと収録曲数は絞って欲しかったと思わなくもないですが。


LIV MOON - Symphonic Moon ★★★ (2012-03-05 23:21:39)

前2作を大きく上回る完成度を提示し、豪奢にして玲瓏なシンフォニック・メタルの世界にどっぷりと浸りきれる'12年発表の3rdフル・アルバム。
壮大なサウンドを微塵も揺るぎなく支えるバカテク楽器陣の援護射撃を受け、旧作に散見されたポップなノリやダンサブルなアレンジが影を潜めた楽曲は、心打つ哀メロや繊細なアレンジの魅力はそのままに、へヴィ・メタリックな疾走感/ダイナミズム/アグレッションが大幅増量。
これまでよりもグッと引き締まり、最初から最後までダレ場なしに聴き通すことが出来るようになったサウンドに乗る、看板娘たるアカネ・リヴ嬢の歌唱能力もさらなる熟達振りを見せ、生と死を象徴する「白LIV」「黒LIV」の艶姿を戴くゴージャスなアートワークに象徴されるよう、今回は十八番の神々しいソプラノ・ボイスのみならず、中~低音域を駆使した妖艶な歌声も積極活用し、楽曲に更なる深みと陰影をもたらしている。
ANTHEMの清水昭男(G)が提供した神秘的且つ荘厳な“AMEN!”“零の天使”、オペラティックなコーラスとシンフォニックな装飾を纏った“KISS ME KILL ME”、飛翔感と高揚感を併せ持つ“心月世”、そしてアルバムのクライマックスを劇的に駆け抜けていく“THE LAST SAVIOR”といった楽曲は、そうしたバンドの試行錯誤が高いレベルで見事に結実した名曲と言えるのではないでしょうか。
「LIV MOON?まだ聴いたことないや」という方がおられましたら、先ずはこのアルバムからどうぞ。


LIV MOON - The End of the Beginning ★★★ (2012-11-08 22:32:56)

北欧神話をテーマに据えて制作されたコンセプト作で、そのためか(?)フィンランド在住のキコ・ルーレイロや、マグナス・ローゼン、EUROPEのキー・マルセロら北欧のミュージシャン達が多数参加している'12年発表の4thアルバム。
J-POPアルバムと見紛う飾り気のないジャケット・アートワークに意表を突かれる本作(通常盤の方ね)は、中身に関しても、ハードな方向に振られていた前作『SYMPHONIC MOON』とは若干異なる味わい。壮大なスケール感やシンフォニックなドラマ性は十二分に保持されていますが、ゴシック・メタル的なダークネスが抑制されたサウンドは、妖艶さを控えめにしたアカネ・リヴ嬢の歌声から、ポピュラリティ重視のメロディの組み立てに至るまで、全体的に神話世界を綴るに相応しい清廉な空気が色濃く漂ってきます。前作を愛する向きにはやや物足りなく思える部分もあるのですが、まぁこっちの方が幅広いリスナーにアピール出来る作風ではあるのかな。
特にキー・マルセロが楽曲提供し、一緒にデュエットまで披露するモダンなメロハー・ソング④と、ファンタジックに躍動するハードポップ・ナンバー⑧は、LIV MOONの新境地を切り開く名曲。勿論「掴み」に相応しい劇的さを有する①から②への流れ、ミュージカル・テイストの入った(ちょっと笑っちゃうぐらい)大仰な⑤、映画で主人公の旅立ちのシーンに流れそうな勇壮さを備えた⑭といった、従来のLIV MOON節が堪能できる楽曲の素晴しさは言うに及ばず。
前3作同様、ファンの皆様におかれましては安心してお買い求め下さい。


LIV MOON - The End of the Beginning - And Forever More ★★ (2012-11-08 22:12:16)

EUROPEのキー・マルセロが
楽曲提供のみならずアカネ嬢と
デュエットまで披露する
モダンなメロハー・ソング。
特別上手いわけではないものの
淡い歌声は楽曲の雰囲気にマッチしています。


LIV MOON - The End of the Beginning - Free Your Soul ★★★ (2012-11-08 22:08:32)

神秘的な“PROLOGUE”からドラマティックに
繋がっていく曲展開に、
アカネ・リヴ嬢の神々しい歌唱から
荘厳なオーケストラ・アレンジ、
オペラティックなコーラスまで
「LIV MOONここに在り」な1曲。


LIV MOON - The End of the Beginning - Midsummer Eve ★★★ (2012-11-08 22:23:25)

北欧の草原を吹き抜けて行く
微風のように爽やかなハードポップ・ナンバー。
ファンタジックに躍動する曲調の
あまりの心地良さに、「シングル・カットしたら
ヒット間違いなし!」と思わず主張したくなるほど
魅力的な名曲です。


LIV MOON - The End of the Beginning - The End of the Beginning ★★★ (2012-11-08 22:16:48)

アルバム表題曲にして、大仰なアカネ・リヴ嬢の
歌声や曲展開といい、アルバム中、
最もシアトリカルな仕上がりの1曲。
ミュージカル的な雰囲気も感じられ、
あまりに芝居掛かった彼女の歌声に
ちょっと笑ってしまいましたよ。


LIV MOON - The End of the Beginning - Voyage ★★★ (2012-11-08 22:31:23)

映画のサントラの如き壮大さとドラマ性を
感じさせる曲調は、まさしく「旅立ち」に
相応しい力強さに満ち溢れています。
それをアルバムのラストに置くという構成もニクイね。
バイオリンの導入も非常に効果を上げています。


LIVING DEATH - Protected From Reality ★★ (2006-06-23 23:22:00)

ドイツだけで2万枚のセールスを記録したという'87年発表の3rdアルバム。LIVING DEATHの代表作と言えばこれだろう。
国内盤CDは、その前年に発表された4曲入りミニ「BACK TO THE WEPONS」とのお得なカップリング仕様。(だが既に廃盤で入手困難)
その「BACK~」と聴き比べると明らかな通り、これまでの直線的な押せ押せスタイルが後退して、
静と動の起伏や、練られたGソロ、リフ/リズム・チェンジ等のアレンジに凝った曲展開が積極的に取り入れられ、
よりメリハリの効いた、バンドの格段の成長を物語る作品に仕上がっている。
プロデューサーがMEKONG DELTAのラルフ・ヒューベルトゆえか、KEYを導入した邪悪でドラマチックなインスト曲
④“WOOD OF NECROPHILIC"のような異色曲も収録されているが、概ねその実験精神はプラスに作用。
特に、マシンガンの如く刻まれる鋭利なリフ、性急に突っ走るビート、わめきまくる発狂Vo・・・という従来のスタイルに、
メロディックなGソロと、荘厳な男性コーラス・パートが組み込まれた①“HORRIBLE INFANTICED(PARTⅠ)"は出色の名曲。
また、Voさえ普通なら「IRON MAIDENの曲」と言っても通用しそうなリフを持つ⑧“WAR OF INDEPENDENCE"も素晴しい出来だ。


LIVING DEATH - Protected From Reality - Horrible Infanticide(part 1) ★★ (2006-03-11 01:33:43)

狂ったようなテンションで激走しつつも、ギター・ソロはメロディアスで劇的。このコントラストが最高DEATH。


LIVING DEATH - Protected From Reality - Horrible Infanticide, Part One ★★★ (2017-01-21 10:29:53)

いかにもジャーマン・スラッシュ・メタル然とした
刺々しい疾走感の中から、突然朗々とした男性コーラスや
メロディックなGソロが飛び出してきたりする
奇想天外な曲展開は、プロデュースを担当した
ラルフ・ヒューベルトからの助言もあったのでは?と。


LIVING DEATH - Protected From Reality - War of Independence ★★★ (2017-01-21 10:34:19)

Gリフの印象度ではアルバム随一。
勇壮なインスト・セクションの威力もあって
スラッシュというよりはパワー・メタル寄りの感触もあり。
ただそこにトトのヒステリックなシャウトが乗ると
あ、やっぱりLIVING DEATH以外の何者でもねえや、と。


LIVING DEATH - Worlds Neuroses ★★ (2020-10-08 00:44:00)

LIVING DEATHが、引き続きプロデューサーにラルフ・ヒューベルトを迎えて制作、AAARRG RECORDSから’88年に発表した4thアルバム。
布陣は前作と同じなのに一聴して明らかな音楽性の変化に加え、発表後にケルヒ兄弟とそれ以外のメンバーがバンド名の権利を巡って法廷闘争を繰り広げた泥沼の分裂劇の悪印象とが相俟って、今に至るも芳しくない評価に晒され続けている本作。斯くいう自分も初めて聴いた当時は、妙に整理された音作りといい、迸る狂気を抑え気味に中途半端に歌おうとするトーステン“トト”ベルグマンのVoといい、ジャーマン・スラッシュ・メタル史に残る傑作だった前作『PROTECTED FROM REALITY』に比べ、ヨーロッパ的ダークネスや聴き手の神経を逆撫でするようなトンガリ具合が大幅に減退してしまったサウンドには、圧倒的「コレジャナイ」感を覚えたクチなのですが。
とはいえ、発表から30年以上が経過して最早こちらも「ジャーマン・スラッシュ斯くあるべし!」的な面倒臭い拘りが薄れて久しい昨今。フラットな気持ちで付き合ってみると、これが案外楽しめてしまうんですよ。本作がスラッシュ・メタル・アルバムであることは間違いないですし、一緒にシャウトせずにはいられないキャッチーなギャング・コーラスを伴って突っ走る①や、不穏にかきむしられるGソロが印象的な③、クロスオーバー・スラッシュ的な炸裂感をもって畳み掛ける⑦辺りは、改めて聴き直すことでそのカッコ良さを再発見した楽曲です。
前評判を耳にして敬遠されている方も、案外聴いてみたら気に入る1枚かもしれませんよ。


LIVING DEATH - Worlds Neuroses - Bastard (At the Bus Stop) ★★ (2020-10-09 01:00:13)

アメリカのクロスオーバー系スラッシュ・バンドが演りそうな曲調に、
正直「LIVING DEATHらしさ」は薄めと言わざるを得ないのですが
ただ、1曲のスラッシュ・メタル・ナンバーとして評価した場合、
頭を振りたくなるノリの良さと炸裂感を伴う曲調は単純にカッコイイですよ、これが。


LIZZY BORDEN - Love You to Pieces ★★★ (2021-02-11 01:09:45)

その昔アメリカ社会を震撼させたという猟奇殺人事件の女性被疑者(裁判では無罪確定)よりバンド名を頂戴。JUDAS PRIEST、IRON MAIDENからの影響を伺わせるドラマティックな正統派HMサウンドと、KISS、ALICE COOPERの流れを汲むシアトリカルな要素を持ち込んだライブ・パフォーマンスとを組み合わせた「ショック・ロック」を標榜して人気を博したLAの5人組LIZZY BORDENが、'85年にMETAL BLADE RECORDSから発表した記念すべき1stフル・アルバム。
「アメリカのバンドらしからぬ正統派HMサウンドが魅力」と評されることが多く、冒頭にもそのように書きましたが、実のところ2nd以降はエンタメ色(陽性なノリ)が増強されるため、バンドとしての個性はしかと確立された反面、正統派HMそのものな音を期待すると「思ってたんと違う」と肩透かしを食らいかねないので注意が必要かと。
翻って本1stアルバムはというと、リーダーたるリジー・ボーデンのアクの強いハイトーンVoと、適度にテクニカルなツインGを活かして、LIZZY BORDEN版“KILL THE KING”といった趣きで突っ走るOPナンバー①から、劇的な哀愁のバラード⑤を経て、IRON MAIDEN調の回転の速いGリフが刻まれるスピード・チューン⑩に至るまで、大仰なハッタリの効いた、紛うかたなき欧州風味のHMスタイルを全編に亘って徹底。特に⑩は曲名こそ高級チョコレートみたいですが、LIZZY BORDEN屈指の名曲ですよ。
彼らの入門盤として強く推せる名作。日本盤はデビューEP『GIVE ‘EM THE AXE』(こちらも力作)と2㏌1仕様なのでお得ですよ。そしてこれがイケたら次作以降も是非。


LIZZY BORDEN - Love You to Pieces - Godiva ★★★ (2021-02-11 22:34:21)

2本のGが忙しなく刻む回転の速いGリフは
IRON MAIDENを思わせたりもする、
アルバム最速のスピード・ナンバー。
これ以降のアルバムでは聴けないタイプの楽曲のような?


LIZZY BORDEN - Master of Disguise ★★ (2017-12-23 09:54:03)

「そしてリジーだけが残った」プロジェクト状態で、多数のゲスト・ミュージシャンを迎えてレコーディング作業が行われ、'89年に発表された4thアルバム。
といっても基本的にリジーが健在ならそれでバンドは問題なく回っていくわけで、ここでプレイされているのは、旧作の延長線上にある正統派HM。但しサウンドの主役たる彼のVoが、ヒステリックなハイトーンを封印して無理のない音域での歌唱(ちょっとオジー風)に終始していること、疾走感を抑えてハーモニー重視の楽曲等とが相俟って、全体から受ける印象はかなりマイルド。KISS+ALICE COOPERなコンセプト・アルバムということで、オーケストラからホーン、クラシカルなメロディの導入、更にはSEや小曲で各曲間を繋いだりと様々な仕掛けが施されていますが、重厚感やドラマ性よりも、ゴージャス感や足取りの軽やかさ(ポップさ)の印象が勝る本作は、むしろ「ミュージカル・アルバム」と評した方がしっくり来る感じです。ぶっちゃけ、グレゴリー・チャールズ・ハージスというミュージシャンが、「リジー・ボーデン」という、ある種イメージを限定しかねない己の芸名を重荷に感じ始めていることが伝わって来る内容であるという。
それでも、ツインGの活躍も聴きモノなスケールの大きなOPナンバー①や、初期オジー・オズボーン風の大仰さを有した⑧、本編唯一の疾走ナンバーとして気を吐く⑩等、質の高い楽曲を多数収録している辺りは流石ですし、LIZZY BORDENの取り敢えずの最終作(21世紀に入って復活を果たす)としての役割を担うに相応しいクオリティを有した1枚ではないでしょうか。


LIZZY BORDEN - Master of Disguise - Psychodrama ★★★ (2017-12-23 10:02:40)

そのまんまなタイトルといい、オーケストラも有用する
シアトリカルなドラマ性と、キャッチーなノリの良さとが
同居した曲調といい、アルバムの方向性を分かり易く伝える
個人的にはアルバムのハイライト的ナンバー。
声質が何となく似ていることもあって、
初期オジー・オズボーンっぽさも感じたり。


LIZZY BORDEN - Menace to Society ★★★ (2017-07-27 23:32:21)

リジー・ボーデン(Vo)率いるバンドが’86年に発表した2ndフル。雑誌レビューの高評価に後押しされ、初めて購入した彼らのアルバムだったと記憶しますが、事前に伝え聞いていた情報の数々――曰く、リジーさんが提唱する「サイコ・ロック」に、それを実践するための派手なビジュアル&シアトリカルなライブ・パフォーマンスetc.――こりゃきっとKING DIAMONDばりにオドロオドロしいホラーなメタルが聴けるに違いありませんな!と、ニヤニヤ気色悪い笑み浮かべつつ作品を再生してみたら、妙にアッパーなOPナンバー①が終わった時点で「あの…コレ思ってた音と全然違うんスけど」と呟いてしまいましたよ。
いや確かに歌詞のテーマは「暴力」や「恐怖」ですし、甲高いハイトーンを活かして歌いまくるリジーのVoや、切っ先鋭い2本のGによるハーモニーが散りばめられたアグレッシブ且つ疾走感に溢れたサウンドは、紛うかたなき正統派HMスタイルではあるのですが。湿った泣きや哀愁よりも、カラッと豪快な抜けの良さが勝る作風は、例えばKING DIAMONDが思わずゾッとする心霊/オカルト系ホラーなら、こっちは血がブーブー飛び散る様がいっそキッチュな、皆でワイワイ楽しむ陽性スプラッター・ホラーの趣きという。
まぁそれが分かってしまえば、なぜだか『北斗の拳』主題歌を思い出した②、ツインGがシャープに暴れ回るイントロだけで名曲確定な⑤を始め、「これはこれでOK!」と。イントロから泣きまくりのバラード③、物騒なタイトルに反して哀愁を帯びたツインGが映える⑥、本編終盤を劇的に盛り上げる⑨のようなタイプもしっかりと収録されていますし。
当サイト登録のLIZZY BORDEN作品の中で、一番人気なのも納得の1枚ですよ。


LIZZY BORDEN - Menace to Society - Notorious ★★★ (2017-07-27 23:57:37)

疾走感溢れるツインGを活かしつつも
キャッチーなコーラスを始め
陰に籠らない曲調はカラッと快活。
確かに『THUNDER IN THE EAST』の頃の
LOUDNESSに通じるものを感じますね。


LIZZY BORDEN - Menace to Society - Stiletto (Voice of Command) ★★★ (2017-07-28 00:01:46)

もうシャープに踊るイントロのツイン・リードGで
星3つ確定ですよ。
惜しむらくは曲調全体に湿り気が不足気味な点なのですが
そこがこのバンドの個性でもあるわけでして。
スピーディに押しまくりりつつ、メリハリも忘れない
曲作りの上手さが光る名曲です。


LIZZY BORDEN - Terror Rising ★★★ (2017-08-14 23:52:56)

2ndフル『MENACE OF SOCIETY』を以て、ここ日本で一躍評価を高めたLIZZY BORDENが、リジー曰く「新作が出るまでズーっとLIZZY漬けなって欲しい」との目的の下、次のアルバムまでの繋ぎとして'87年に発表したミニ・アルバム。
日本盤とUS盤とでは内容が異なっており、JEFFARSON STARSHIPの代表曲“WHITE RABIT”や、BITCHのベッツィ・ウェイスとリジーの「美女と野獣」デュエットが楽しいTUBESの“DON’T TOUCH ME THERE”といったカヴァー曲①②、及び新曲③④に関しては両盤共通な一方、日本盤はB面サイドに国内未発売だったデビューEP『GIVE ‘EM THE AXE』を丸ごと収録。個人的に本作の購入動機はこれ目当てだったぐらいでしてね。
キャッチーな表題曲⑤、リジーの個性的なハイトーン(歌の巧くなったオジー風)が勇ましい曲調に花を添える⑥、切れ味鋭く切り込み、劇的にハモるツインGの威力がガッツポーズ物のスピード・ナンバーの名曲⑦、バンドの名を一躍HR/HMシーンに広めるのに大きく貢献したRAINBOWの代表曲“LONG LIVE ROCK’ N ROLL”のカヴァー⑧等、『MENACE~』以降の作品よりも明確に欧州風味の正統派HM路線が志向されている楽曲の数々がカッコイイの何のって。勿論、バラード風に始まり、印象的に歌う2本のGを伴ってノリ良く駆け抜ける③のような新曲の出来栄えもお見事ではありますが。
本編全体に占めるカヴァー曲の割合の高さや、3分未満の楽曲がテンポ良く繰り出されていく構成といい、全体的に肩の力を抜き、バンド側も楽しんでレコーディングを行ったであろうことが伝わって来る1枚ですね。


LIZZY BORDEN - Terror Rising - No Time to Lose ★★★ (2017-08-14 23:56:20)

LIZZY BORDEN屈指の名曲。
疾走する曲調、その上に乗るリジーのけたたましいハイトーン、
何より「ここぞ!」というタイミングで劇的にハモってみせる
ツインGの妙技がガッツポーズ物ですがな。


LIZZY BORDEN - The Murderess Metal Road Show ★★★ (2021-03-03 23:53:12)

‘85年2月、13日の金曜日にLAの「カントリークラブ」で行ったライブの模様が収められているLIZZY BORDEN初の実況録音盤。
まだ1st『LOVE YOU TO PIECES』1枚きりしか発表していない時点で、早くもレコード2枚組という大ボリュームのライブ盤リリースに踏み切る辺り、「LIZZY BORDENの神髄はライブ・パフォーマンスにあり!」との自信の程がビンビンに伝わってきます。当時の彼らはド派手なライティングの下、サンタクロースをバットでボコったり、バンド名の元ネタとなった殺人事件をなぞるかの如く、下着姿のモデルを斧で殺害後その生首(勿論マネキン)を掲げ持って歌ったりといった、KISSやALICE COOPERを更にスプラッターな方向にブーストさせたような過激な視覚効果を売りにしたライブを展開しており、映像抜きだとイマイチそのインパクトが伝わり辛い部分はあるのですが、逆に大仰なHMナンバーは芝居っ気たっぷりに、バラードは切々と歌い上げる首魁リジー・ボーデンのシンガーとしての実力や、虚飾に足を取られることなくバックを堅実に支える楽器陣の熟達ぶりに関しては、映像がないからこそ余計にハッキリと伝わってくるというもの。
疾走する名曲“GODIVA”を筆頭に、LIZZY BORDENのカタログの中で最もIRON MAIDENからの影響が色濃く打ち出されていた1st『LOVE YOU~』収録曲に加え、映画007シリーズ第13作『死ぬのは奴らだ』のテーマ曲のカヴァー、更にはアルバム未収録曲2曲まで盛り込まれた本編は、実に70分以上に及ぶサービス満点な内容。
LIZZY BORDENの何たるかが手っ取り早く理解できる、入門盤に最適な1枚かと。


LIZZY BORDEN - The Murderess Metal Road Show - (Wake Up) Time to Die ★★★ (2021-03-05 01:27:17)

ライブ盤『THE MURDERESS METAL ROAD SHOW』に
収められた未発表曲2曲のうちの1曲。
IRON MAIDENを思わす起伏に富んだ展開多めの曲調に、
時折ロブ・ハルフォード風なリジー・ボーデンの
ハイトーンVoがシアトリカルな彩りを加える逸品。
アルバムに正式収録しても遜色ない出来栄えです。


LIZZY BORDEN - Visual Lies ★★★ (2017-11-23 10:01:00)

《その血管は電線、その脳はブラウン管、テレビが生んだ虚像の怪人。奴の名は「オブリビオン」》…みたいな体で、リジー・ボーデン(Vo)が考案した新キャラのドヤ顔がアートワークを飾る、「視覚」に関するコンセプト作でもあるという、’88年発表の3rdアルバム。
ジャケットがインパクト大なだけに、音の方も負けず劣らず過激になっているのかと思いきや、別にそんなことはなく。マックス・ノーマンがプロデュースを手掛けたことで音作りはスッキリと垢抜け、これまでに比べ荒削りな部分が研磨された楽曲も、よりキャッチー&メロディックに聴き易さマシマシ。お馴染みの甲高いハイトーンのみならず、低~中音域まで、高低差を活かした歌唱に安定感が出て来たリジーのシンガーとしての成長ぶりも、アルバムの洗練された印象に拍車を掛けてくれています。
聴き始めこそ、破天荒さが薄まったように感じられ「小粒になっちまったなぁ」と物足りなさを覚えたものですが、本編が進行すると、後にオジーのバンドに参加するランディ・ローズ門下生ジョー・ホルムズを片翼に、シャープに踊る2本のGに率いられ疾走する④(邦題“視覚泥棒”)辺りからテンションが急上昇。以降は、メロディアスなミッド・チューン⑤、映画『ハロウィン』のテーマ曲を意識していると思しき⑦(邦題“蠅の大王”)、エピック・メタルばりの重厚さでトリを飾るドラマティックな⑨…と、名曲・佳曲が連打される本作を聴き終えた後の満足度は、傑作と評判の前作にだって引けを取るモノではありません。ポップなACCEPT風の①、哀愁漂う③、キャッチーに弾む⑥なんかも、聴き馴染むとこれはこれで素晴らしいですし。
正に、脂が乗り切った時期のLIZZY BORDENの実力が如何なく発揮されている充実作。


LIZZY BORDEN - Visual Lies - Den of Thieves ★★★ (2017-11-23 10:12:48)

疾走するリズムの上に、キレのあるメロディックなツイン・リードGと
朗々歌うリジーの特徴的な歌唱が乗っかったスピード・チューン。
アルバム前半のハイライト役を仰せつかっている
といっても過言ではないカッコ良さ。


LIZZY BORDEN - Visual Lies - Lord of the Flies ★★★ (2017-11-23 10:24:30)

ジョン・カーペンターの「ハロウィン」テーマ曲を思わせる
サスペンス/ホラー映画風のメロディが、リジーが提唱する
ショック・ロック、サイコ・ロック的雰囲気を盛り上げる
3rdアルバム中において従来作のノリを最も色濃く留めた1曲かと。


LIZZY BORDEN - Visual Lies - Visions ★★★ (2017-11-23 10:26:05)

リジーが歌う勇壮なメロディといい、
Bを効かせて重厚に押し出して来るリズム・ワークといい、
ノリは完全にエピック・メタル。
アルバムのトリ役に相応しいドラマティックな名曲です。


LONGINUS - World ★★★ (2015-02-19 23:48:05)

「ANTHEMファンなら聴いて損なし」との評価にずっと気になってたLONGINUSの2nd『WORLD』('13年)を漸く購入。で、これが噂に違わぬ快作でしたよ。
頑健なリフを刻み、熱き血潮迸るソロを奏でるGと、走るにせよ歩むにせよ、地に足を踏ん張って、頭振るのに丁度良いテンポを維持するリズム・セクションが、歌謡曲に通じる哀愁のメロディ羽織って突き進む、思わず「夕焼けの土手に佇む番長」の姿を幻視する鋼鉄サウンドは、前評判通り『BOUND TO BREAK』を発表した頃のANTHEMを彷彿。
これを猛烈に後押しするのが、太く明瞭な発声で劇画チックなメロディを堂々歌い上げるシンガーの存在。勇ましさと哀愁が交錯する疾走ナンバー①④⑩や、Keyも交えて重厚且つメロディアスに迫り来る⑤等は、口先で歌うのではなく、腹の底から熱い塊を吐き出すような彼の熱唱が映える映える。中でも、身の内で燻るメタル魂にガソリン注入される④は「ジャパニーズ・へヴィ・メタル斯くあるべし!」な名曲です。
・・・とか言いながら、個人的に本作で最も印象に残ったのは、(架空の)ラーメン屋バリバリ軒のテーマ曲⑪だったりして。タイトルや歌詞はコミック・ソング調ですが、中身は真性HMナンバー。舐めて掛かると火傷する特濃っぷりで、単なるボーナス・トラックの枠を超えて本編の良いアクセントになってくれています。
注釈一切無用、HM以外の何者でもないHMアルバムをお求めの諸兄にお薦めの1枚。


LONGINUS - World - No Fate ★★★ (2015-02-20 23:53:27)

昭和の熱血ロボット・アニメの主題歌ばりの
熱さで駆け抜ける、アルバムのハイライト・ナンバー。
「熱唱」との表現がぴたりハマるシンガーの歌唱、
勇ましさと表裏一体の哀愁漂うGソロも胸に響きます。


LONGINUS - World - バリバリ軒のうた ★★★ (2015-02-20 23:48:44)

恋愛アドベンチャー・ゲームの挿入歌らしく、
タイトルや歌詞はコミック・ソング風ですが、
だからと言って舐めてかかると、
特濃スープで火傷間違いなしの
キャッチー且つストロングなHMナンバー。
バ!バ!バ!バリバリ! 


LORDS OF BLACK - II ★★★ (2016-10-18 23:18:54)

「リッチー・ブラックモアRAINBOWを再始動」「シンガーは無名の新人ロニー・ロメロに決定」との報に触れても、ロニーもコージーも亡き今「もう遅かりし由良之助」と今一つテンションが上がらず。ところがLOUD PARK でそのロメロが所属するLORDS OF BLACKのパフォーマンスを目撃し、リッチーのお眼鏡に適ったのも当然の彼の歌唱力と、何より楽曲の素晴らしさに感銘を受け、慌てて日本デビュー作たる本2ndを買いに走った次第で。
劇的な序曲①が、コーラス部分でテンポアップする曲展開が胸熱な②へと繋がって行くOP構成が物語る通り、本作に託されているのはRAINBOW直系の様式美パワー・メタル。これに限らず本編には、コブシを効かせた歌い回しと声質が確かにロニーっぽいロメロの歌唱が映えるタイプの楽曲がズラリ揃っていて、バンドの中核を担うトニー・ヘルナンド(G)の作曲センスの高さが伺えます。GITで学んだというテクニカルなGの腕前のみならず、パワフルな④、憂いを湛えた⑧、更には10分に迫るドラマティックな大作ナンバー⑨のような重厚な楽曲においては、叙情的なKeyを奏でてコッテリ感緩和に努める等、八面六臂の大活躍をみせるこの人こそ本作のMVP。
そうした彼の曲作りの手腕と、ロメロの力強い歌唱とが理想的融合をみたのが怒涛の疾走ナンバー⑫。LOUD PARKでもライブの締めに演奏され、個人的にアルバム購入を決心する切っ掛けともなった問答無用の名曲っぷりで、年間ベスト・チューン候補ですよ。
全体的に硬さの感じられるロメロのVoに、もうちょい余裕というか表情が出て来ると、尚良くなるように思えますが、ともあれ、伸びしろ十分な充実作であることは確かです。


LORDS OF BLACK - II - Everything You’re Not ★★★ (2016-10-19 23:17:21)

ねっとりと絡みつくようなロニー・ロメロの
熱唱が映える重厚なミッド・チューン。
猛烈な憂いを発散するメロディと抒情的に奏でられるピアノの旋律が
楽曲を息苦しいぐらいドラマティックに盛り上げます。
パワーだけが売りのバンドじゃねぇぞと。


LORDS OF BLACK - II - Shadows of War ★★★ (2016-10-19 23:12:23)

イントロの猛々しいGリフとリズムのコンビネーションだけで
メタル魂が轟々と燃え盛ってしまいますね。
さらにそこにロニー・ロメロの力強い熱唱と、鮮烈なGソロが
花を添えてくれるのですから何をかいわんや。


LOS ANGELS (2018-11-29 00:08:08)

イタリアHR/HMシーンが誇る実力派シンガー、ミケーレ・ルッピが
若い時期に聴いて感銘を受けたAOR的なサウンドを自分なりの解釈で
再構築するべく立ち上げたプロジェクト。
'07年に、リチャード・マークスを始めとする他人のカヴァー曲が
大半を占める企画色強めの1st『LOS ANGELS』でデビュー。
’09年には多彩なゲストを迎えてよりオリジナリティを高めた2nd
『NEVERLAND』も発表している。


LOS ANGELS - Los Angels ★★★ (2022-10-19 23:20:36)

今ではWHITESNAKEのKey奏者としても知られるイタリア出身の実力派シンガー、ミケーレ・ルッピ。それまで「メロパワ・フィールドの人」との印象が強かった彼氏に対するイメージを大きく覆す切っ掛けとなった(これ以前にもMICHELE LUPPI'S HEAVENとかもありましたけども)プロジェクトLOS ANGELSのデビュー作。'08年発表。
FRONTIERS RECORDSバックアップの下、トミー・デナンダー、ファブリッツォ・V・グロッシ、グレッグ・ジェフリア、デニス・ワードといった同レーベルお馴染みの仕事人勢の協力を得て制作されている本作は、ほぼ全曲がオリジナルで固められていた次作『NEVERLAND』(’10年)に対し、リチャード・マークスをメインに、クレイ・エイケン、BRIDGE 2 FAR、エドウィン・コリンズといったポピュラー・ミュージック・シーンのアーティスト達の楽曲に挑んだカヴァー曲集の体裁が取られています。(中にはゲイリー・ムーン在籍時代のNIGHT RANGERなんつーマニアックなチョイスもあったりも)
ルッピの音楽的ルーツを開陳するようなAOR/産業ロック・アルバムゆえ、メロパワ路線を期待するとスカされてしまいますが、収録曲はフックの効いた端正な逸品揃いの上、オリジナルに比べるとHR色を増したアレンジが施されていますし、何よりVISION DIVINE時代から定評のある、彼の伸びやかなハイトーンVoはやはり惚れ惚れする素晴らしさ。パワーはセーブ気味に、よりまろやかで繊細な表現力にフォーカスした歌唱が映えるOPナンバー①は名曲ですよ。
次作ともども、ミケーレ・ルッピのシンガーとしての才が存分に発揮された力作です。


LOS ANGELS - Los Angels - I Will Carry You ★★★ (2022-10-21 00:35:00)

原曲はアメリカン・アイドル出身のシンガー、クレイ・エイケン。
哀愁に満ちた曲調にミケーレ・ルッピの伸びやか且つダイナミックな
歌声が映える、まさにアルバムの掴みに相応しい逸品です。