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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3501-3600

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 3501-3600
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MAGNUM - Lost on the Road to Eternity ★★★ (2018-03-13 23:23:43)

'18年発表の最新スタジオ・アルバム。前作『SACRED BLOOD“DIVINE”LINE』から2年足らず、リ・レコーディング曲を含むバラード集『THE VALLEY OF TEARS』からは僅か1年のブランクでリリースという、他のベテラン・バンドにも見習わせたいフットワークで活動を続けるMAGNUM。長らく三本柱の一柱だったマーク・スタンウェイ(Key)と、再結成以降のバンドの土台を支え続けたハリー・ジェイムズ(Ds)を失いながらも、本作の完成度の高さには全く揺るぎがないのですから、トニー・クラーキン(G)とボブ・カトレイ(Vo)の看板コンビの旺盛な創作意欲には脱帽ですよ。
音楽性に大きな変化は見受けられず、大英帝国産の貫禄と威厳をその身に纏わせつつも、周囲を睥睨するよりも聴き手に寄り添い、そのハートを芯からポカポカと温めるかのような「遠赤外線メタル」ぶりも健在。マンネリ?とんでもねぇ。比較的ハードな方向に振られていた前作に対し、今回はツアーで得た経験が曲作りに反映され、ノリ易いテンポといい、観客の合唱やバンドとの掛け合いが盛り上がりそうなパートを組み込んだ曲構成といい、全体的にライブ映え重視の楽曲が数多く並んでいるのが新鮮です。
勿論そのことでメロディのフックやドラマ性が薄まる下手を彼らが打つ筈もなく、特にアルバム表題曲である雄大なエピック・チューン⑤は本作の魅力が集約された逸品。この曲に限らず、サウンドの気品とファンタジックな抒情性を効果的に引き上げる、新加入のKey奏者の良い仕事ぶりが光っていますね(カトレイの人肌の温もりを伝えるVo、クラーキンの滋味溢れるGの素晴らしさい関しては今更言及するまでなく)


MAGNUM - Lost on the Road to Eternity - Lost on the Road to Eternity ★★★ (2018-03-13 23:37:15)

Keyによる壮大且つシンフォニックなイントロを経て、
ボブ・カトレイとトビアス・サメットのツインVo体制のもと、
ブリティッシュHMならではの憂いとドラマ性を帯びた
サウンド絵巻が、力強く、ドラマティックに展開。
合唱を誘うコーラス等、ライブ映えするパートが
しっかりと組み込まれている曲作りの巧みさも
心ニクいアルバム表題曲。


MAGNUM - Magnum II ★★★ (2008-03-18 23:08:00)

素っ気無いアルバム・タイトルとジャケット・デザインが災いしたのか、MAGNUMのカタログの中では、イマイチ地味な扱いを
受けがちの'79年発表の2ndアルバム。(プロデュースはTEN YEARS AFTERのレオ・ライオンズが担当)
確かにここには、聴き手を一発で虜にする“KINGDOM OF MADNESS"級の強力な名曲は収められていないものの、
どっこい、1st『KINGDOM OF MADNESS』の音楽性を受け継いだ、優雅で劇的、且つファンタジックな
叙情派HRサウンドには一片の曇りもなく、収録曲のクオリティも押し並べて高め。
前作に比べると、大作主義やプログレ色がやや後退し、楽曲がコンパクトに練り込まれているのが特徴で、
リチャード・ベイリー(Key)を中心にまとまったインスト・パートよりも、本作発表前にボーカル・トレーニングを
受けたという、ボブ・カトレイのエモーショナルなVoに耳を奪われる、「歌」重視の作風に仕上がっている。
(その事が原因かどうか定かではないが、リチャードはこの後、ライブ盤1枚を挟んでバンドを去る事となる)
特に、張り/艶/表現力共に、前作から大きな成長を遂げたボブのVoによって歌われる、OPナンバーに相応しい劇的さを誇る①、
上品なポップ・チューン②、荘厳な冒頭部分でガッチリと掴まれる④、フルート、シンセ、格調高いピアノ・サウンドと、
リチャードが主役を張るプログレ風味色濃い⑤、ホルストの組曲「惑星」より“火星"を思わせる導入部を持つ⑥、
ジャジーな雰囲気漂う前半から、テンポアップして盛り上がっていく⑩といった、コンパクトにまとめられながらも、
多彩且つドラマティックな場面転換が繰り広げられる楽曲の数々は絶品。
NWOBHM勃発前夜の英国に在って、時代の流れに逆行するサウンドゆえ、発表当時はセールス的に
苦戦を余儀なくされたわけだが、全10曲、捨て曲なし。地味?とんでもない。名盤です。


MAGNUM - Magnum II - All of My Life ★★★ (2008-03-18 23:29:05)

ジャジーな雰囲気も漂うクールな前半から、
テンポアップして盛り上がっていく、
アルバムのラストを締めるに相応しいドラマティカルなナンバー。


MAGNUM - Magnum II - Great Adventure ★★★ (2008-03-18 23:14:03)

シンセによる劇的なイントロで一発K.O.となる、
スケールの大きなOPナンバー。
5分に満たないランニング・タイムの中に、
多彩且つドラマティックな曲展開が詰め込まれた名曲。


MAGNUM - Magnum II - If I Could Live Forever ★★★ (2008-03-18 23:18:51)

荘厳なイントロ部分だけで掴みはOK。
憂いを帯びたメロディを、エモーショナルに歌いこなすボブ・カトレイのVoと、
気品漂う叙情性を演出するリチャード・ベイリーのKeyが
胸を締め付ける名曲。


MAGNUM - Magnum II - Reborn ★★ (2008-03-18 23:24:00)

プログレ色が濃厚なダイナミックな曲展開を備えた、
レコードでいうところのA面ラスト・ナンバー。
格調高いピアノ・サウンドにシンセ、フルートをもって、
楽曲のドラマ性を高めるリチャード・ベイリー(Key)の
八面六臂の活躍っぷりが最大の聴きどころ。


MAGNUM - Magnum II - So Cold the Night ★★★ (2008-03-18 23:26:55)

ホルストの組曲「惑星」の“火星"を思わせる
重厚な導入部を経て、雄々しく、ドラマティックに展開していく
プログレ・テイストが色濃い名曲。


MAGNUM - On a Storyteller's Night ★★★ (2008-03-29 10:14:00)

所属レーベルの倒産等、数々の不運が重なり、活動休止(というか事実上の解散)へと追い込まれたMAGNUMが、'84年の
レディング・フェスティバルへの参加を機に復活を果たし、新たにFM RECORDSと契約を結び、'85年に発表した5thアルバム。
全英チャート24位にランクインしたのを筆頭に、欧州全土で好セールスを記録し、MAGNUM起死回生の一撃となった本作は、
ロドニー・マシューズの手による、幻想的なジャケット・アートワークが端的に物語る通り、如何にも英国然とした
湿り気をタップリと含んだ、ファンタジックでドラマティックなHRサウンドが、最初から最後までギッシリと詰め込まれ、
多くのファンが、このアルバムをMAGNUMの最高傑作に推すのも納得のハイクオリティを誇る。
ハード且つソリッドな作風が印象的だった前作から一転、暖かく包み込むようなサウンド・プロダクションの下、
派手さを抑え、大衆性を高めたアレンジの施された収録曲は、ミドル・テンポを中心に、じっくりとメロディを聴かせる姿勢が
徹底されていて、全体的に、プログレ・ハード路線への接近を感じさせる。特に、洗練された爽快なポップ・チューン②や、
リズミックでキャッチーな⑦、ますます円熟味を増したボブ・カトレイの極上の歌声が感動を呼ぶバラード⑩は、
産業ロック的な味わいが強く打ち出されたナンバーで、非常に魅力的。またその一方で、ドラマティカルなOPナンバー①、
表題曲にしてアルバム・ハイライトの③、陰影に富んだスロー・チューン⑤等、仄かにプロウグレッシブ・ロック・風味が薫る、
従来の路線を踏襲した楽曲も収録されていて(フック満載で心地良く弾む④、高揚感に満ちた⑧も素晴しい)、
まさに、MAGNUM黄金時代の幕開けを飾るに相応しい、全方位に渡って隙のない内容に仕上がった1枚。必聴。


MAGNUM - On a Storyteller's Night - How Far Jerusalem ★★★ (2008-03-29 14:22:33)

静かな冒頭から、ボブ・カトレイの熱唱に引っ張られる形で
力強く盛り上がっていく、5thアルバムのOPナンバー。
絶妙な節回し、抜群のリズム感など、
単に音程が正確というだけでは歌いこなすことの出来ない、
この手の楽曲を説得力十分に歌いきる彼のVoを聴いていると、
やはり凄いシンガーだなぁ、と、しみじみと感心。


MAGNUM - On a Storyteller's Night - Just Like an Arrow ★★★ (2008-03-29 14:24:35)

シングル・カットもされた、MAGNUMの代表曲の1つ。
憂いを帯びた、キャッチーなメロディが印象的な
洗練されたポップ・ナンバーで、
後の音楽性を変化を予感させる名曲。


MAGNUM - On a Storyteller's Night - Les Morts Dansants ★★★ (2008-03-29 14:34:40)

憂いに満ちた静かな導入部から、
タメを効かせながら、じっくりと盛り上がっていく
スロー・ナンバー。ある種、神々しさすら備えた曲自体の
完成度の高さも然る事ながら、この曲を更に一段上のレベルへと
高めているのは、間違いなくボブ・カトレイのVoパフォーマンス。
エモーショナルとはこういう事だ!という彼の歌唱は
涙がチョチョ切れそうになるほど感動的。


MAGNUM - On a Storyteller's Night - On a Storyteller's Night ★★★ (2008-03-29 14:28:44)

5thアルバムのタイトル・トラックにして、
アルバムのハイライト・ナンバー。
初期のプログレッシブ・ロック・テイストをホンノリと残した、
雄大且つドラマティックな曲展開と、
胸に染み入る、温かみを帯びた叙情メロディが絶品。
この手の曲を歌わせると、希代のストーリーテラー、
ボブ・カトレイの右に出る者なし!


MAGNUM - On a Storyteller's Night - The Last Dance ★★★ (2008-03-29 14:37:56)

ラストを感動的に締め括る名バラード。
5thアルバムでは、シンセをメインにしたモダンなKeyプレイに
終始するマーク・スタンウェイが、
ここで遂に炸裂させるピアノ・サウンドが
楽曲の一層の盛り上がりを演出しています。


MAGNUM - On the Thirteenth Day ★★★ (2013-05-18 00:38:28)

久し振りに国内盤のリリースが実現した'13年発表の16thアルバム。アートワークは勿論ロドニー・マシューズが手掛けていますが、何かちょこっとテイストが異なるような?
ここ数作の流儀に則り、初期作の如きファンタジックな色合いを抑えた作風は派手さも控えめですが、トニー・クラーキン(G)が匠の業でクリエイトする楽曲の数々は、さり気ない所作から大英帝国の威厳や格式が匂い立ち、例えアレンジや曲展開を大袈裟に盛らずとも既に十二分にドラマティック。
MAGNUM印の荘厳さとスケール感を併せ持つ①②、王宮でダンスのステップを踏むが如き③、アタッキーなリズムが映える④、聴き手を勇気付けるような高揚感に満ちた⑤⑦、重厚なバラード⑧、雄々しくエピカルな⑪等、ボブ・カトレイの深い包容力を湛えた歌声によって綴られる本編は、(彼の歌声同様に)火傷しそうな熱さではなく、体を芯からじんわりと活性化させてくれるような遠赤外線ヒーターの如き暖かみに満ち溢れています。(勿論、気品を備えたマーク・スタンウェイのKeyプレイも貢献度大)
一方で、MAGNUM史上随一のヘヴィネスを誇る⑥のような新味も感じさせる楽曲を投入することも忘れない、ベテランらしい安定感と現役バンドとしての気概とが渾然一体となった充実作。早くも今年のベスト1候補ですよ、これ。


MAGNUM - On the Thirteenth Day - All the Dreamers ★★★ (2013-05-19 21:39:15)

7分のランニング・タイムの中に
威厳、スケール感、人間的暖かみ等
「大英帝国の至宝」たるMAGNUMの魅力が
ぎゅっと凝縮されたOPナンバー。


MAGNUM - On the Thirteenth Day - Blood Red Laughter ★★★ (2013-05-19 21:44:09)

まさしくブリティッシュな湿り気と重厚感が漂って来る楽曲。
国内盤にはボートラとして本曲のアコースティック・バージョンも
収録されていますが、メロディの質が高いので
どっちのバージョンでも魅力が削がれていることがありません。


MAGNUM - On the Thirteenth Day - Shadow Town ★★★ (2013-05-19 21:52:03)

気分が高揚させてくれるポジティブな
エネルギーに満ちた、MAGNUM印の名曲。
トニー・クラーキンの印象的なGソロと共に、
聴いているとアガってくるハリー・ジェイムズの
ドラミングが地味に良い仕事しています。


MAGNUM - On the Thirteenth Day - So Let It Rain ★★★ (2013-05-19 21:46:42)

親しみ易いポップな曲調であっても
聴いていると思わず背筋を正したくなる
凛とした気品が漂ってくるのは
MAGNUM第三の男たるマーク・スタンウェイの
Keyの貢献が大。


MAGNUM - Princess Alice and the Broken Arrow ★★★ (2008-04-06 16:53:00)

再結成後のMAGNUMが生み出した最高傑作と言うべき、必殺の名曲“WHEN WE WERE YOUNGER"で幕を開ける、'07年発表の13thアルバム。
5th『ON A STORYTERRER'S NIGHT』以来、実に久し振りに名匠ロドニー・マシューズの手による、ファンタジック且つ美しい
「本当は残酷なお伽話」風味のイラストを、ジャケット・アートワークに採用した事でも話題となった本作だが、
実際、その内容の方も、決してジャケット負けしていないクオリティの高さを誇る。
前作『BRAND NEW MORNIG』の路線を更に磨き上げ、HR的なエッジと重厚感、そしてブリティッシュ然とした、
憂いを帯びた叙情メロディが見事に同居する楽曲の数々は、ロドニー先生の絵の魅力に引っ張られたのか、
再結成後の作品としては最高値と言えそうな、高いドラマ指数を叩き出す仕上がり。
その最たる例と言えるのが、前述したOPナンバーの①。マーク・スタンウェイのリリカルなピアノの調べに導かれて
スタートする、力強く勇壮な曲調といい、堂々たるボブ・カトレイの歌声といい、そして中盤で炸裂するアコギ・ソロが、
劇的な効果を上げているトニー・クラーキンのGといい、MAGNUM三本柱の素晴しい仕事っぷりが光り輝く、
初期MAGNUMテイストをも醸し出すドラマティックな名曲。その①を手始めに、優れた名/佳曲が連打される
アルバム前半の充実度は特に半端なく、全盛期の作品群と比較しても、何ら遜色はないんじゃなかろうか。
そして後半には、優美なヴァイオリンの調べ(SLADEのジム・リーがゲスト参加)が気品と劇的さ演出する、①にも匹敵する
アルバムのハイライト・チューン⑪が控えていて、最後までテンションが下がることなく、一気に聴き通すことが出来る。
結成から30年も経とうと言うベテラン・バンドに、ここまで優れた作品が作り出せるとは・・・いやはやMAGNUM畏るべし、な1枚。


MAGNUM - Princess Alice and the Broken Arrow - When We Were Younger ★★★ (2008-04-06 16:59:51)

13thアルバムのOPナンバーにして、
再結成MAGNUMが生み出した最高傑作と言うべき、必殺の名曲。
リリカルなピアノの調べに始まり、
力強く勇壮な曲調、ドラマティックな曲展開、
堂々たるVo、華麗さと叙情性を強化するKey、
絶品のアコギ・ソロを披露するGと、
MAGNUMの三本柱が揃って高いレベルで機能している、
初期MAGNUMっぽさも漂う名曲中の名曲。


MAGNUM - Princess Alice and the Broken Arrow - You'll Never Sleep ★★★ (2008-04-06 17:04:52)

SLADEのジム・リーがゲスト参加して、気品漂う
ヴァイオリン・プレイを聴かせてくれる、
13thアルバムのラスト・ナンバー。
同作のOPナンバー“WHEN WE WERE YOUNGER"にも匹敵する、
華麗にして劇的な哀メロが炸裂する名曲。


MAGNUM - Rock Art ★★ (2011-05-23 22:49:41)

'94年発表の10thアルバム。
同時代性を意識してか、全体的にハードさが増量されているが、かつてのようなブリティッシュ然としたドラマ性や幻想性は引き続き減少傾向にあり、またリズム面が強調された分メロディのフックが割を食った印象で、MAGNUMのカタログの中において本作の存在は正直かなり地味。
従来の「らしさ」が希釈され、ますます普通のHRバンド化が進んだハード系の楽曲は少々退屈だが、一方で、凛とした気品と懐の深い包容力を備えた③⑤⑦⑧⑪等のミドル~バラード系の楽曲は相変わらず絶品。この手の楽曲ではト二ー・クラーキンのメロディ・センス(それにGプレイ)と、そしてMAGNUMの看板シンガーたるボブ・カトレイの歌声が映えまくる。特に、以前にはなかったタイプのブルージー&ソウルフルな⑧や、逆に本編収録曲中、最もかつてのMAGNUM風味を色濃く残したラスト・ナンバー⑪は、ボブ・カトレイという稀代の名シンガーが、このバンド最大の武器であることを改めて確認させてくれる逸曲に仕上がっている。
尚、MAGNUMは本作を最後に一旦解散した後、HARD RAINでの活動を経て、'02年に再結成。以降、現在に至るまで順調に活動を継続している。


MAGNUM - Sacred Blood “Divine” Lies ★★★ (2016-05-05 08:26:57)

前作『ESCAPE FROM THE SHADOW GARDEN』が欧州各国のアルバム・チャートで軒並み好リアクションを獲得し、更にそれに伴うツアーもライブ盤をリリースする程の評判を呼ぶなど、目下、80年代以来で訪れた2度目の全盛期を謳歌中のMAGNUMが、その余勢を駆って'16年に発表した最新スタジオ作。
相変わらず目のご馳走と言うべきロドニー・マシューズ謹製アートワークが内容の素晴らしさにお墨付きを与えてくれる本作ですが、ここ数作に比べるとシンフォニックな味付けは控えめ。その分、トニー・クラーキン(G)がクリエイトするサウンドはハード&へヴィな方向に振れていて、いつになく青筋立て気味のボブ・カトレイ(Vo)の歌唱と、リズム隊が叩き出すタメの効いたビートに思わず背筋がシャンと伸びてしまうOPナンバー①は、本作のそうした特色を印象付けてくれる逸曲ではないかと。
さりとて、今更彼らが大雑把にエクストリーム・メタル化する筈もなく、聴き手を包み込むような包容力も、威厳と格式に身が引き締まるような思いのドラマ性も、当然の如く厳然として健在。例えて言うなら本作における変化は、「英国紳士が、着ていたスーツのネクタイを緩めて腕まくりをした」程度のものなのですが、たったそれだけの行為でも「こやつ、只者ではない…!」と相手を圧倒できるのが紳士たる証であると。例えが分かり辛いですが。優美且つ壮大な②、ライブ映えするコーラスを有した⑦、MAGNUM印の劇的な名曲⑨、ラストを厳かに締め括る⑩といったところをハイライトに、現在のバンドの絶好調ぶりが如実にクオリティに反映された1枚。頼むから来日公演に繋がって欲しいなぁ。


MAGNUM - The Eleventh Hour ★★★ (2008-03-26 23:47:00)

MAGNUM屈指の名盤と誉れの高い、3rd『CHASE THE DRAGON』と5th『ON A STORYTELLER'S NIGHT』の間に挟まれて、
イマイチ影の薄い'83年発表の4thアルバム。前作に引き続いてロドニー・マシューズがデザインを手掛けながらも、
ファンタジックと言うより、不気味さの勝るジャケット・アートワークや、トニー・クラーキン自身が担当した、
シンプルで飾り気に乏しいサウンド・プロダクションも、そうした印象を強めるのに一役買っているのかな?
確かに、全体的に華やかさに欠ける作風だし、本作には、バンドを代表するような名曲も収録されてはいない。
だが、プログレ色を排し、コンパクト且つストレートにまとめらた収録曲は、ソリッドなGといい、これまでになく
ヘヴィなリズムを叩き出すDs&Bといい、MAGNUMの全カタログの中でも随一と言うべきハードさを誇り、
それでいて、ボブ・カトレイの神々しい歌唱と、マーク・スタンウェイの気品と潤いに満ちたKeyにより、
ドラマ性も叙情性もしっかり健在と、全く持って隙のない仕上がり。全10曲捨て曲なし。楽曲の平均クオリティに関しては
3rdや5thにも匹敵する程で、個人的には、『ON A STORYTELLER'S NIGHT』よりも気に入っているぐらいだ。
特に、ミステリアスなアコギのイントロに導かれてスタートする、OPナンバーに相応しい劇的さを備えた①、
ボブ・カトレイのタメの効いた歌唱が感動を呼ぶ②から、間髪入れずにハードな③へと繋がり、荒涼としてメランコリックな④、
そして再び、アップテンポでドラマティックな⑤へと展開していく、アルバム前半の隙のない構成は圧巻。
悪名高きJET RECORDSのやっつけ仕事が災いして、セールス的に惨敗。しかもこれを最後にレーベルから契約を打ち切られて
活動休止状態に追い込まれる等、まさに踏んだり蹴ったりな扱いの本作だが、それと質の高さは無関係。
(JETと切れたことも含めて)後の飛躍を予感させるに十分なクオリティを誇る名盤です。


MAGNUM - The Eleventh Hour - Breakdown ★★★ (2008-03-26 23:59:16)

ボブ・カトレイの歌唱が前面に押し出された、
ダークでドラマティックなナンバー。
メインのメロディを、ワンテンポ遅れで追いかける
細川たかし唱法とでも言うべき、
ボブ・カトレイのタメとコブシの効いた歌声が
感動を呼びます。


MAGNUM - The Eleventh Hour - The Great Disaster ★★★ (2008-03-27 00:07:56)

ダークでドラマティックな“BREAKDOWN"から
間髪入れずに繋がる、ハード・ロッキンなエッジの効いた疾走チューン。
それでいて、ブリティッシュ然とした湿り気を
タップリと含んだメロディと、マーク・スタンウェイによる
潤いに満ちたKeyプレイの威力により、
楽曲が無味乾燥になることもない。


MAGNUM - The Eleventh Hour - The Prize ★★★ (2008-03-27 00:01:25)

ミステリアスなアコギのイントロに導かれてスタートする、
OPナンバーに相応しい劇的さを備えた名曲。


MAGNUM - The Visitation ★★★ (2011-03-20 00:45:52)

突如として東日本一帯を襲った地震と津波によりもたらされた未曾有の惨禍、一向に収束する気配のない福島原発事故、計画停電の影響で会社への出勤すらままならず、新たな引越し先探しに追われる毎日・・・といった具合に、実際に被害に遭われた方々に比べれば耳糞レベルの苦労にも関わらず、正直なところ、最近は文章を書くことはおろか、まともに音楽を聴く気すら起きないぐらいヘタレていたのですが、そうしたストレスフルな状況を大幅に緩和してくれたのが、英国のMAGNUMがいつの間にか発表していた(去年?)、この最新15thアルバム。
稀代のストーリー・テラーたるボブ・カトレイの情感豊かなVo、ト二ー・クラーキンの歌心溢れるGプレイ、気品を湛えた演奏でサウンドの格調を高めるマーク・スタンウェイのKeyを三本柱とした、「大英帝国の至宝」の名に相応しい、優雅さ、スケール感、それにドラマ性とを併せ持った楽曲の数々は、聴いてるだけで、失われた気力をふつふつと蘇らせてくれるポジティブなエネルギーを発散。
今日び、彼らよりドラマティックな音楽性を売りにしているバンドは山程いるだろうが、ここまで聴く者を励まし、前向きにしてくれるサウンドを力強く歌い上げる存在はそうは居まい。本作に触れたお陰で「よし、いっちょやったるか」と、かなり気力を回復することが出来ましたよ。
ケツをガンガン蹴っ飛ばしてくれるスラッシュや、心を奮い立たせてくれるパワー・メタル系とは異なる(それはそれで平時なら非常に効果的なのですが)、厳かな高揚感と包み込むような懐の深さが魅力の1枚。
最近、精神的に疲れ気味だという方は是非ご一聴を。


MAGNUM - The Visitation - Black Skies ★★★ (2011-03-20 16:56:57)

力強く重厚にアルバムのOPを飾る名曲。
切々と、胸に響くメロディを熱唱する
ボブ・カトレイのパフォーマンスが
とにかく素晴しいったら。
あと何気にBも良い仕事してますね。


MAGNUM - The Visitation - Spin Like a Wheel ★★★ (2011-03-20 17:11:49)

暖かみに溢れたドラマティックなバラード。
この手の楽曲を歌わせたら
ボブ・カトレイの独壇場ですね。
ストリングスをフィーチュアした
リッチなアレンジが時折X-JAPAN風(?)に
聴こえたり聴こえなかったり。


MAGNUM - The Visitation - The Last Frontier ★★★ (2011-03-20 17:20:15)

アルバムのハイライトを飾る超名曲。
官能的なトニー・クラーキンのGに
マーク・スタンウェイの気品溢れるKeyが絡み、
グッとエモーションの込められたボブ・カトレイの
歌が入ってくるイントロで掴みはOK。
そこに力強いリズムを刻むハリー・ジェイムズと
アル・バロウも加わり、気高く壮大に盛り上がっていく
曲展開は総毛立つほどにドラマティック。
聴いてるだけで、みるみるうちに気力が充填されていきますよ。


MAGNUM - The Visitation - The Visitation ★★★ (2011-03-20 17:09:25)

力強く、ポジティブな曲調が心地良い
アルバムのタイトル・トラック。
Vo、G、Keyというこのバンドの三本柱は勿論の事、
高揚感を誘うビートを叩き出す
ハリー・ジェイムズとアル・バロウの
リズム隊も存在感を発揮しています。


MAGNUM - Vigilante ★★ (2008-03-30 21:31:00)

前作『ON A STORYTELLER'S NIGHT』の成功を受け、メジャー・レーベルのPOLYDORとの契約を手に入れたMAGNUMが、
QUEENのロジャー・テイラー(数曲でバッキングVoも担当)をプロデューサーに迎えて制作、'86年に発表した6thアルバム。
ほんのりと漂うプログレ・テイストと、如何にもブリティッシュHR然とした陰影やドラマ性が大幅に後退した代わりに、
洗練の度合いをググッと上げて、ポップでキャッチーな産業ロック路線へと足を踏み入れたサウンドが、初期MAGNUMの
音楽スタイルを愛するファンの間で賛否両論を巻き起こした本作。だがしかし。高い大衆性と、強力なフック、
そして、哀愁のメロディに彩られた楽曲の数々は相変わらず強力極まりなく、コクが薄れアッサリ風味になったとは言え、
これはこれで非常に魅力的。このアルバムに伴うツアーがソールド・アウトの連続で大成功を収めたというのも、
大いに納得の行くクオリティを誇っているんじゃないかな、と。
特に、リズミックに弾むキャッチーな③、サックスをフィーチュアした哀愁のハード・ポップ④、優しく包み込むような
バラード⑦、力強く劇的なアルバム・タイトル・トラック⑧、ライブでの大盛り上がりが容易に想像できる、壮大で
ダイナミックな⑨といった、MAGNUMの新たな魅力を開拓した楽曲の平均レベルは総じて高く、初期の名曲群と比べても何ら遜色はない。
当時としてはモダンだったのだろうが、今となってはやや古臭い印象の否めないサウンド・プロダクションが惜しまれるし、
個人的には、この路線がボブ・カトレイのVoの魅力を十二分に引き出しているとも思わないが、ともあれ、質の高い作品である事は確か。


MAGNUM - Vigilante - Back Street Kid ★★★ (2008-03-30 21:47:21)

アルバムのラストをダイナミックに締め括る、
壮大なハード・ロック・チューン。
ライブ映えしそうなノリの良さと、
湿り気を帯びたメロディの相性が抜群で、
インスト・パートの華麗さも印象に残る。


MAGNUM - Vigilante - Midnight (You Won't Be Sleeping) ★★ (2008-03-30 21:50:13)

初期の面影は殆ど感じられない
洗練されたハード・ポップ・ナンバーなれど、
相変わらず、哀愁を帯びたメロディのフックは強力。
効果的にフィーチュアされたサックスも○。


MAGNUM - Vigilante - Vigilante ★★ (2008-03-30 21:41:46)

比較的ポップな曲が揃った6thアルバムの中では、
異彩を放つ(というと大袈裟か)
力強く劇的なアルバムのタイトル・トラック。


MAGNUM - Wings of Heaven ★★★ (2008-04-01 22:54:00)

6th『VIGILANTE』に伴うツアーが、全公演ソールドアウトという大成功を収め、アンコール・ツアーまで実現させて
勢いに乗るMAGNUMが、プロデュースにアルベルト・ブックフルトを迎えて制作、'88年に発表すると、
全英チャート4位に輝く等、MAGNUM史上最大のヒット作となった7thアルバム。
いきなり、爽やかなメロディアスHRチューン①で本編の幕が開く事からも察しの付く通り、本作は『VIGILANTE』の作風を
順当に継承した産業ロック路線を取りつつも、(QUEENやBON JOVIのライブでお馴染みの)ウェンブリー・アリーナで
ライブを行える程の国民的人気を得たバンドの自信が、覿面に作品のクオリティに反映されていて、メンバーのパフォーマンスと
楽曲の説得力は、前作から桁違いにUP。初期の音楽性に拘るファンの不満をも粉砕するその貫禄は、まさに横綱級。
また、前作のポップ方向に振れ過ぎた仕上がりを反省してか、今回はHR的な重厚感とドラマ性がやや回復傾向にあり、
その好例と言えそうなのが、名作『ON A STORYTELLER'S NIGHT』の頃を思わせる、陰影に富んだドラマティックな曲展開を
備えた②と、本編のハイライトとも言える、ラストを荘厳に締め括る10分以上に及ぶ大作⑧。それ以外にも、
ゴスペル・コーラスをフィーチュアした叙情バラード(⑤)あり、キャッチーなポップ・チューン(③)ありと、
強力なフックと哀愁のメロディに彩られた収録曲は、何れも粒揃い。まさにMAGNUMの絶頂期を飾るに相応しい名盤と言える。


MAGNUM - Wings of Heaven - Don't Wake the Lion (Too Old to Die Young) ★★★ (2008-04-01 23:04:57)

英国の曇天を思わせる、湿度高めのメロディと重厚感が
全編を彩る、7thアルバムのラスト・チューンにしてハイライト・チューン。
初期のようなプログレ色は然程強いわけではないが、
起伏に富んだ曲展開と、凝ったアレンジ、そして哀メロの魅力で、
10分以上に及ぶ長尺を、ダレることなく一気に聴かせきる名曲。


MAGNUM - Wings of Heaven - Wild Swan ★★★ (2008-04-01 23:08:31)

後期MAGNUMは産業ロック色を一気に強めたが、
この曲は『ON A STORYTELLER'S NIGHT』の頃を思わせる、
陰影に富んだ劇的な曲展開を聴かせてくれる名曲。
まさに「熱唱」と表現するに相応しい歌声を響かせる
ボブ・カトレイのVoが胸を締め付けます。


MAKE UP - Howling Will ★★★ (2013-12-05 23:22:24)

大ヒット・アニメ『聖闘士星矢』の主題歌を手掛けたことで知られるMAKE UPが'84年に発表した1stアルバム。
LOUDNESSの弟分的存在として、樋口宗孝のプロデュースを受けてデビューを飾った彼らですが、国内HR/HMシーンでも指折りのメロディ・メイカー、松澤浩明(G)がここで目指しているのは、(LOUDNESSとは趣きを大きく異する)エッジを残しつつも「聴かせる」ことを最重要視した、ポップでメロディアスなHRサウンド。
ガナったりシャウトに逃げたりしない、山田信夫の丁寧且つパワフルに歌い上げるVoを中核として、それを(作曲スタイル同様に)歌心溢れる松澤のGプレイと、リード楽器としての存在感も放つ河野陽悟のKeyとが華やかに盛り立てる本編は、突出したキメ曲は見当たらない代わりに、Keyによるドラマティックな幕開けからラストに至るまで、歌謡曲風味の哀愁とキャッチーさを宿したハイクオリティな名曲/佳曲が流れるように次々繰り出される隙のなさ。(経年劣化を感じさせない、地に足の着いた歌詞も○です)
MAKE UPのアルバムで単独でCD化されているのはコレのみ。非常に残念な話ではあるのですが、逆に考えれば、本作にはそれだけの価値があると認められているとも言えます。名盤。


MAKE UP - The Voice from Yesterday ★★ (2010-09-23 21:50:00)

山田信夫(Vo)、松澤浩明(G)、河野陽吾(B)らを中心に正式に再結成されたMAKE UPが、
帰還の挨拶代わりに(?)'09年に発表した6曲入りEP。
往年(特に1st『HOWLING WILL』の頃)のメロディアスHRサウンドを継承し、更にスケールアップさせたかの
ような新曲③⑤と、バンドの代表曲として知られるアニメ『聖闘士星矢』のOPテーマ曲
“ペガサス幻想"や、EDテーマ曲“永遠ブルー"のリメイク②⑥、それにLOUDNESSのドラマー、故樋口宗孝のソロ作
『DESTRUCTION~破壊凱旋録~』収録の名バラード“RUNAWAY FROM YESTERDAY"のカヴァー④から構成された本編は、
収録時間の短さに反してかなりの充実っぷり。これ聴いて失望するMAKE UPファンはまず居ないんじゃなかろうか?
ストリングスをフィーチュアして、より優美に蘇った②⑥も良いが、個人的に最も心震えたのは④。
壮大でドラマティックな楽曲自体の出来栄えも然る事ながら、オリジナル・バージョンと聴き比べても
全く衰えの感じられない・・・と言うか寧ろ一層のパワーアップを遂げている、山田信夫のエモーショナルな
歌いっぷりには心底惚れ惚れとさせられますね。(無論、松澤浩明のよく歌うGプレイの素晴しさは言うに及ばず)
いずれ発表されるであろう、フル・アルバムへの期待がぐんぐん高まる1枚。


MAKE UP - The Voice from Yesterday - Runaway from Yesterday ★★★ (2010-09-23 21:58:50)

オリジナル版に比べ、Keyの存在を活かした
スペーシーなアレンジが施され、よりドラマティックに、
より大スケールに蘇った名バラード。
解散から20年以上を経て、益々表現力を増した
山田信夫のエモーショナルなVoと松澤浩明の泣きのGは
涙なしには聴けません。


MALICE - Crazy in the Night ★★ (2013-08-12 23:46:12)

2枚のアルバムを残して米メジャーのATLANTICからドロップしたMALICEが、新たにMETAL BLADE RECORDSと契約を結んで'89年に発表した4曲入りミニ・アルバム。
どうもこの時期の彼らはメンバーの出入りが激しくて、一応クレジット上のシンガーはジェイムズ・ニール1人ですが、実際にはマーク・ウェイツと、(現在ではソロ・アーティストとして活動している)ポール・サブーも参加しているらしく、国内盤の解説ではこの辺のことには触れられていないのでこっちでテキトーに推測すると、①④がジェイムズ、映画『VICE VERSA』に提供した②がポール、アルバム表題曲③がマーク担当って感じかな?と。(全然違う可能性も有り)
本編については、従来のMALICE節を継承する「アメリカンな解釈を施した正統派HM」路線で、シンガーはパワフルに歌い、ジェイ・レイノルズ(G)もテクニカルに弾きまくっているのでファンも安心です。
ただ、たった4曲ではやはり欲求不満が残る・・・というか、ぶっちゃけ、満足するに十分なインパクトを備えた楽曲が見当たらないことが最大の弱点。③④辺りはそれなりにカッコイイ出来栄えなんですけどね。
尚、本作の国内盤リリースが実現したのは、バンド解散後の'94年になってからでした。(その後、再結成を果たしていますが)


MALICE - In the Beginning... ★★ (2011-03-02 22:32:07)

山ほど居た「LAメタル最後の切り札」バンドの一つで、現在はVICIOUS RUMORSのフロントマンを務めているブライアン・アレンや、後にMETAL CHURCH等にも参加する(あとMEGADETHに入り損ねた)ジェイ・レイノルズらが在籍していた5人組のデビュー作。('85年)
雑誌なんかでLAメタル特集が組まれると、代表的名盤の1つとして取り上げられる機会の多い本作は、光沢を帯びた音色で刻まれるGリフといい、高音域がロブ・ハルフォードそっくりなジェイムズ・ニールの歌声といい、LAメタルらしからぬJUDAS PRIEST直系の正統派HMサウンドを聴く事が出来る優れもの。
但し、飽くまで「アメリカ人のフィルターを通したJPサウンド」が展開されているのがミソで、ここだけの話、“THE HELLION”や“死の番人”のノリを求めて本作を初めて聴いた時は、劇的さよりも“YOU'VE GOT ANOTHER THING COMIN”系のシンプルなノリ重視の楽曲が連続する作風に、ちょっとガッカリした記憶があったりなかったり・・・。
いやでもMALICE版“METAL GODS”といった趣きの重厚なOPナンバー①や、“死の国の彼方に”の線を狙ったと思しき陰気なバラード⑧、ラストをパワフルに締める⑩辺りは耳惹かれずにはいられない楽曲だし、“HELLRIDER”という曲名からして本家先取りだった疾走ナンバー⑦なんぞ、何も知らない人に「JPが『BRITISH STEEL』を制作した時の未発表曲」と言ったら信じかねないレベルの名曲なんですけどね。(ジェイムズのVoがそりゃもうロブそっくりで可笑しい)
『復讐の叫び』や『背徳の掟』よりも『BRITISH STEEL』の方が好きだ!という貴方にお薦めする1枚。


MALICE - In the Beginning... - Godz of Thunder ★★★ (2012-02-12 23:16:37)

身も心もJUDAS PRIESTになりきった名曲。
フォロワーもここまで徹底されれば、もはや至芸です。
ロブ・ハルフォードそっくりのハイトーンを
聴かせてくれるこのVo、今改めて聴き直すと、
8:2ぐらいでデーモン小暮成分も入っているような。


MALICE - In the Beginning... - Hellrider ★★★ (2011-03-02 22:39:55)

バイクのエンジン音をイントロに据えた導入部や
シャープなGリフ、小気味良い疾走感以上に、
ブライアン・アレンの歌唱が濃厚なJUDAS PRIEST臭を演出。
サビの歌い回しや、クライマックスのタイトル連呼パートなんて
ロブの生き写しで笑っちゃうやら感動するやら。


MALICE - In the Beginning... - Rockin' With You ★★ (2011-03-02 22:43:34)

重厚にアルバムのOPを飾るヘヴィ・ナンバー。
Gリフやリズム・パターン、サビの展開を聴くと、
ついつい「メ~タル・ゴォ~ッズ」と歌いたくなってしまいますが
そんな部分も含めて愛すべき名曲。


MALICE - License to Kill ★★ (2012-02-16 22:41:20)

JUDAS PRIESTが憑依したかの如き、LAのバンドらしからぬ劇的なブリティッシュHMサウンドを詰め込んだ1st『IN THE BEGINING』でデビューを飾ったMALICEなれど、プロデューサーをマイケル・ワグナーからマックス・ノーマンに代えた本2ndアルバムにおいては、逞しさを増し「ロブ・ハルフォードのそっくりさん」から「ロブ・ハルフォード型ハイトーン・シンガー」へとクラス・チェンジを果たしたジェイムズ・ニールの歌唱、ミッドテンポのヘヴィ・チューンが中核を成す本編の構成等、全体的にソリッドなアメリカンHM(LAメタル)テイストが強化されている印象を受ける。
このJUDAS PREIST成分の減量をプラス/マイナスどちらに評価するかは人それぞれだが、個人的には、身も心もJUDAS PRIESTになりきった“HELLRIDER”や“GODS OF THUNDER”のような強力なキメ曲が見当たらなくなってしまった点は明らかに減点要素。
それでも、挑みかかるようなOPナンバー“SINISTER DOUBLE”を手始めに本作で聴くことが出来るのは紛れもない正統派HMサウンドであり、光沢を帯びた音色で構築美を備えたメロディを奏でるツインGも相変わらずの存在感を発揮。ダークで重厚な“VIGILANTE”、MEGADETHのWデイヴがゲスト参加しているアグレッシブな“CHAIN GANG WOMEN”(ギタリストのジェイ・レイノルズは一時MEGADETH入りが取り沙汰されたりしてましたね)、そして本編中最も濃厚なJP風味を発散する“MURDER”といった、前作を気に入った人を失望させることのない楽曲の数々を収録したアルバムのクオリティは実に堂の入ったもの。
近年、再結成を果たして活動中とも聞くが、だったら新作を作って欲しいなぁ。


MALICE - License to Kill - Chain Gang Woman ★★ (2012-02-16 22:48:03)

荒々しく駆け抜ける
アップテンポのHMソング。
バックVoとして当時親交のあった
MEGADETHのデイヴ・ムスティンと
デイヴ・エレフソンが参加しています。


MALICE - License to Kill - Murder ★★★ (2012-02-16 22:46:10)

アグレッシブでキャッチー。
2ndアルバムの中では最も強く
JUDAS PRIEST風味が感じられた名曲です。


MALICE - License to Kill - Sinister Double ★★★ (2012-02-16 23:22:38)

いかにもマックス・ノーマン的な
ソリッドな音作りの援護射撃を受けて
良く伸びるハイトーンVoと楽器陣が
一体となって突き進む様が
まさに「メタル!」な2ndアルバムOPナンバー。


MALICE - License to Kill - Vigilante ★★ (2012-02-16 23:19:46)

ダーク且つ重厚に迫り来るヘヴィ・ナンバー。
LAのバンドらしからぬ劇的な構築美を放つ
Gソロが聴かせてくれますね。


MAMA'S BOYS - Growing Up the Hard Way ★★★ (2019-01-11 00:18:45)

パット(G)、ジョン(B)、トミー(Ds)のマクマナス三兄弟により結成されたアイルランドの電撃三銃士ことMAMA’S BOYSが、専任シンガーとしてキース・マレル(Vo)を迎え入れて4人編成となり、'87年に発表した5thアルバム。(邦題は『栄光へのハード・ウェイ』)
マネージメントとのトラブルや、末っ子トミーの白血病再発といった苦難を経てリリースに漕ぎ着けた本作で聴けるのは、マイルドな音作り、キースのスムーズで伸びやかな歌唱、脇に下がったリズムに格段にフィーチュア度の高まったKeyの存在といい、HR/HMというよりはガッツリAOR/産業ロックのフィールドに足を踏み入れたサウンド。哀愁のHRナンバー“夢見る逃亡者”に涙した古参ファン諸兄がこれ聴いて肩を落とした気持ちは非常によく分かりますし、自分も彼らの入門盤に本作を薦めることはまずありませんが、それでも個人的に初めて聴いたMAMA’S BOYS作品だったこともあり、どうしても嫌いになれない…寧ろ積極的にプッシュしたい1枚だったりするこのアンビバレンツな乙女心よ(?)。
確かに楽曲自体は、「電撃」というよりも最早「電気マッサージ」ばりの心地良さに満ち溢れているものの、例えば曲調はメロハーそのものながら、パットのGソロから放たれる泣きにはAOR/産業ロックの領域からは明らかにはみ出す熱き血潮が迸っているOPナンバー①が体現する通り、決して本作はこのバンドの個性が脱臭されてしまったような内容ではないのですよ。キースの絶品の歌唱が堪能できるバラード⑥や、ラストをしめやかに締め括る渋い泣きのインスト・チューン⑨辺りも実に味わい深い逸品。
国内盤が長いこと廃盤のままほったらかしなので、ぼちぼち再発してくれないものか。


MAMA'S BOYS - Growing Up the Hard Way - Last Thing at Night ★★★ (2019-01-12 23:28:22)

“夜に抱かれて”という邦題に相応しく
何となくピロートークでも始まりそうな
アダルトで気怠い哀愁漂うインスト・ナンバー。
パット・マクマナスの泣きのGプレイはやはり絶品ですよ。


MAMA'S BOYS - Growing Up the Hard Way - Waiting for a Miricle ★★★ (2019-01-12 23:26:30)

邦題は“勝利へのミラクル”
格段に上がったKeyのフィーチュア度とキース・マレルのスムースな歌唱のお陰で
気分は洗練されたメロハーといった趣きですが
白血病を患う末弟トミー・マクマナスに対する思いを綴った歌詞といい
骨の太い泣きを伴ったパットのGプレイといい、
一皮剥けばその下にはMAMA'S BOYSらしい熱い血潮が
変わることなく脈打っていることが伝わってくる名曲ですよ。


MAMA'S BOYS - Power and Passion ★★ (2014-09-10 23:16:59)

HR/HMファンにとって「三銃士」と言えば、アレクサンドル・デュマでもプロレスラーでもなく、アイルランドの「電撃三銃士」ことMAMA'S BOYSで決まり!・・・とは別に限らんでしょうが。ともあれ本作は彼らが'85年に発表し、バンドの代表作として広く認知されている4thアルバム。
マクマナス三兄弟が阿吽の呼吸で繰り出す、骨太でソリッドなハード・ロックンロールを基本にしつつも、アンセミックなOPナンバーを始め、一層強化されたコーラス・ワークやKeyを適宜取り入れたアレンジ等からは、当時日の出の勢いだったLAメタルからの影響が如実に感じ取れます。
そうした音楽性の変化が時代の波にマッチして、英米両チャートで好リアクションを得た本作なれど、サウンドをヘヴィ・メタリックに引き締める故トミー・マクマナス(Ds)のパワー・ヒッティングや、ロックンロールを演っても決して明るくなりきれない泣きのメロディ・センス(アイリッシュの血の為せる業か)が、LA色には染まりきれないMAMA'S BOYSならではの個性を強固に主張。
フィドルとアイルランド民謡の旋律を取り入れた③とかも良い出来ですが、やはり本編の真髄は、構築美に溢れたGソロに耳惹かれる⑤、シャープに疾走する⑦、スリリングなインスト曲⑧といった名曲が並び、よりハードにロックしているB面サイドにこそ有り!と思うわけで。


MANDATOR - Initial Velocity ★★★ (2017-12-04 22:51:33)

MYSTO DYSTO名義でアルバム1枚を残したオランダ出身の5人組が、ドイツのインディ・レーベルとの契約を機に、よりワールド・ワイドな活動を視野に入れてバンド名をMANDATORと改名(他にもNIGHTMAREやGOBLINも候補だったそうだが同名バンド多数のためボツった)。’88年に発表した再出発デビュー作がこれ。
トレブリーな音色でガンガン暴れ回る「好きやねん、スティーヴ・ハリス」な新Bの演奏にリードされ突き進む、IRON MAIDENからの影響を根っこに据えた荒っぽいパワー/スピード・メタル…という基本スタイルはMYSTO DYSTO時代から変わりなし。と同時に今作では、彼らの主戦場たる欧州でのスラッシュ・メタル人気の高さを踏まえ、噛み付くようなアグレッション剥き出しに歌うVo、ササクレ感倍増のGリフ、畳み掛けるリズム等々、よりスラッシュ・メタル・テイストの底上げが図られています。
前者(パワー・メタル路線)の筆頭が、緩急と泣きのドラマを活かして盛り上げる②、2本のGが勇壮に歌う④、このバンドなりのバラードと言えるドラマティックな⑧辺りであるならば、荒々しく斬り込んで来る①③、躍動するBに引っ張られて突っ走る⑤といったスピード・ナンバーの数々は後者路線の代表格。また、スラッシーな攻撃性と劇的なツイン・リードGの絡みという、両者の特性を併せ持つ⑦のカッコ良さも耳を惹きますし、展開多めの⑥は次作の作風への布石として機能しています。
演奏には相変わらずドタバタ感がつきまとうものの、そうした忙しなさを良質の「スパイス」として受け止められる、業の深い…もとい度量の広いスラッシュ愛好家なら、本作が愛聴盤になることは間違いありませんよ。


MANDATOR - Initial Velocity - Black Rose ★★★ (2017-12-05 00:12:07)

MYSTO DYSTO時代を思わせるパワー・メタル・ナンバーながら
ササクレたGリフの刻み具合からはスラッシュ臭も漂います。
そんな本曲の主役は間違いなく2本のG。
前半の弾きまくりから、スロウダウンしてじっくり聴かせにかかる
後半まで、縦横無尽、メロディックに駆け巡って曲展開を
ドラマティックに彩ってくれています。


MANDATOR - Initial Velocity - Posers ★★★ (2017-12-05 00:20:35)

イントロ聴いた時はMETALLICAの“FOR WHOM THE BELL TOLLS”
のカヴァーかと思いましたよ。
イントロ後は、劇的なツイン・リードGを伴ったスラッシーな疾走に転じる、
MADATORの魅力が分かり易く体現された逸品です。


MANDATOR - Perfect Progeny ★★ (2017-12-05 23:27:12)

専任シンガーが脱退した穴を、GがVoも兼任する形で埋めて’89年に発表されたMANDATORの2ndアルバム。
演奏に安定感が出て来て、リフやリズムの刻みは一層スラッシュ・メタル然としたものとなり、新Voの歌唱法がかなりジェイムズ・ヘッドフィールドを意識したスタイルだったり、またこれまで以上に曲展開にテクニカルな起伏が仕掛けられていたりと、前作が「IRON MAIDEN影響下のパワー・メタル」だったとするならば、今作におけるサウンドは「METALLICA影響下のスラッシュ・メタル」といったところでしょうか。
収録曲の多くが6~7分台と、大作志向が目立ち始めた本編は、(後にメンバーが反省している通り)豊富なアイデアを上手くまとめきれていない印象で、曲によっては少々ダレるというか、即効性に関しては前作に今一歩及ばない印象が無きにしも非ず。しかしスラッシーな疾走感と、ツインGが紡ぐ欧州のバンドらしい湿ったメロディ・ラインは、聴き込むことにより次第にこちらの耳を捉え始め、特に2本のGのメロディックで劇的な絡みにハッとさせられるアルバム表題曲⑥は、本編のハイライトとして存在感を放つ名曲ではないかと。ショパンの“葬送行進曲”のフレーズを取り入れた④もユニークな仕上がり。
数年前に、ディスクユニオンが無料配布していた音楽冊子(読み応えがあって好きでしたね)のスラッシュ・メタル特集号で、NUCLEAR ASSAULTの『SURVIVE』やEXODUSの『OBJECTION OVERRULED』なんかと一緒に「再発が難しそうな廃盤12選」に選出されていた本作ですが、'17年に目出度く初CD化がなりましたので、この機会に是非。


MANIA - Changing Times ★★★ (2016-05-15 00:18:01)

後にABRAXASに合流するクリス・クラウケ(Vo)が在籍していたドイツ・ハンブルグ出身の5人組が、’89年にNOISE RECORDSに残した唯一のフル・アルバム。
結成は'82年とその歴史は結構長く、ゆえに音楽性も「ドコドコ疾走するツーバスの上にハイトーンVoがゆったりしたメロディを乗せる」例のお約束スタイルよりももうちょい荒々しく、印象的なツインGのハモリが散りばめられたパワーメタル・サウンドは、初期HELLOWEENにNWOBHMからの影響を掛け合わせたような感じ。
油断するとすぐ声が引っ繰り返りそうになるVoの危なっかしさ等、全体を覆う垢抜けなさはとても万人向けとは言い難い。しかし、それでもHELLOWEENフォロワーの域を脱せんとする意気込み漲る今作では、アンドレアス・マーシャルが手掛けたアートワーク(バンドのトレードマーク「マフティー君」も健在)のみならず、どこか欧州民謡っぽく響くメロディの哀愁、凝った曲展開のドラマ性、スケール感、いずれの面においてもレベルUP。美しいイントロを経て、2本のGが劇的に絡み合いながら疾走する様に痺れる①②のメドレー、その勢いを引き継ぐ③、そしてバンドのクサメロ・センスが爆発する④と、畳み掛けるA面のカッコ良さは、ジャーマン・メタルが盛り上がっていた90年代前半に本作の日本盤を出しても良かったのでは?と思えるクオリティですよ(劇的な⑥を配したB面も○)。
確かにイモ・メタルではありますが、「甘くて美味しいおイモだよ~、イモイモ」と、焼き芋屋ばりの口上でついお薦めしたくなる1枚。


MANIFEST DESTINY ★★ (2010-06-23 23:30:00)

アメリカ覇権主義時代のスローガン「明白なる使命」(MANIFEST DESTINY)から
バンド名を頂いて、80年代末にオクラホマ州はスティルウォーターにて誕生。
2本のデモテープを制作する傍ら、D.R.I.やFORTE、OLIVER MAGNUMといった、同郷ないし
アメリカ西部に拠点を置くバンドのツアーに同行、腕を磨きながら知名度を高めていく。
'95年に制作した3本目のデモテープが、ドイツのインディ・レーベルCRAZY LIFEの目に留まり
ディールを締結。翌'96年に1st『ALL LIFE ALL MAINDS』を発表してデビューを飾った。
国内盤も出たこの作品で聴く事が出来るのは、トレンドに左右されない、良質且つオーセンティックな
アメリカン・パワー/スラッシュ・メタルだったが、なぜか日本ではパッとした評価を得る事が叶わず、
そのままフェードアウト。てっきりすぐに解散したものと思っていたのだけれど、これを書くに当たって
調べてみたら、他にも数枚の作品を残してる上に、'05年には再結成を果たしていた事が判明して吃驚。
他のアルバムの聴いてみるかな・・・。


MANIFEST DESTINY - All Life All Minds ★★ (2010-06-23 23:28:00)

オクラホマ州はスティルウォーター出身の5人組が、独インディーズのCRAZY LIFE RECORDSから
'96年に発表した1stアルバムにして日本デビュー作。
国内盤の帯には「ネオ・スラッシュ」なる単語が踊っているが、実際のところ本作で聴くことが出来るのは、
全盛期のVICIOUS RUMORSやMETAL CHURCH、マイナーどころではPOWERMAD、同郷の先輩バンドFORTEといった
バンドの名前が思い浮かぶ、非常にオーセンティックなアメリカン・パワー/スラッシュ・メタル。
欧州のバンドに比べると、メロディのフックやドラマティックな曲展開の機微などには欠けるが、その分、
ぶっきらぼうな歌い回しがジェイムズ・ヘッドフィールドを思わせる男臭いVoと、強靭なリフの壁を築く
ツインG、小気味良く鳴りまくりリード楽器の役割も果たすB、それに音数の多い(ドタバタしてる?)Dsとが
一丸となって突き進むサウンドは、滅法パワフルでストロング。中でも、血管がブチ切れそうなパワーと劇的な
メロディが雪崩を打って突進する⑤は、全スラッシャー(及びパワー・メタル好き)必聴の超名曲。
ぶっちゃけ、本作はこれ1曲のために買う価値ありですよ!(中古盤メチャクチャ安いしね)
リリース当時は、パッとした評価の得られないまま有象無象の作品群の中に埋もれてしまったが、
今からでも再評価を望みたい1枚。
尚、本作で屈強な歌声を披露しているオリジナル・シンガーのスティーヴ・ブライアントは、
アルバム発表からほぼ一月後の5月、突然の交通事故により不慮の死を遂げている。R.I.P.


MANIFEST DESTINY - All Life All Minds - God Watchers ★★ (2010-06-26 00:27:24)

これぞアメリカン・パワー/スラッシュ・メタル!
といった趣きでガンガン押し出してくる
重厚感溢れるパワー・チューン。


MANIFEST DESTINY - All Life All Minds - Paths of Thought ★★★ (2010-06-23 23:44:30)

パワー、スピード、メロディと三拍子揃った
MANIFEST DESTINYの1stデモのタイトル・トラックにして、
デビュー作のハイライト・ナンバー。
のみならず、「90年代の隠れた名曲コンテスト」を開催した日にゃ
上位に食い込むこと間違いなしの名曲。
スラッシュ/パワー・メタル・ファンなら聴かずに死ぬ事なかれ。


MANIFEST DESTINY - All Life All Minds - Private Crime ★★ (2010-06-26 00:31:40)

“PATHS OF THOUGHT"と双璧を為す
本編屈指のスピード・ナンバー。
噛み付くように歌うVo、強靭なリフ・ワークから
メロディアスなソロまで澱みなくこなすG、
ゴキゴキと鳴りまくり、楽曲をビルドアップするB、
いずれの要素もカッコイイ。


MANIFEST DESTINY - What You Fear ★★ (2010-06-27 21:48:00)

シンガーの交通事故死という悲劇を乗り越えて、'97年に発表された2ndアルバム。
新Voの声質は故スティーヴ・ブライアントと同タイプで、基本的には前作で披露した
アメリカン・パワー/スラッシュ・メタル路線を踏襲しているが、この時代、そして制作経緯からも
想像がつく通り、案の定、本作は暗い怒りに満ちたへヴィネス重視の作風に仕上がっており、
新Voのメロディに無頓着な歌唱スタイルと、ダウン・チューニングの施された音作り、
そしてシンプルでラフなサウンド・プロダクションも、そうした印象に拍車を掛けている。
但しこのバンドの場合、それでもちゃんと楽曲が疾走感を保ち続けているのが、他の多くの
パワー/スラッシュ系バンドとは異なる点で、ザクザクと刻まれる強靭なGリフが、パワフル且つスピーディに
突進する③⑤辺りの楽曲は迫力十分のカッコ良さ。(全体的にスピード・ナンバーの方が出来が良い)
これで、前作と同じくらいツインGがメロディアスに歌っててくれれば文句はなかったんだがなぁ。


MANILLA ROAD - Open the Gates ★★ (2014-08-27 23:46:12)

エピック・メタルの開祖として海外ではカルトな支持を集めるアメリカはカンザス州ウィチタ出身のトリオが、'85年に発表した4thアルバム。
エピック・メタルと聞くと、マッチョなバイキングが血の雨降らせて大暴れする姿を思い浮かべるやもしれませんが、清々しいぐらいにオシャレ感とかモテ要素を感じさせないルックスのメンバーと、貧相なサウンド・プロダクションによって生み出される、猛烈なシケシケ感に覆われた本作には、そうした派手で猛々しいノリは薄め。バイキングつっても、他所の土地への侵略とか大移動とかには余り興味なさそうで、自宅でまったりしてる方が落ち着くインドア派バイキング的というか。
スロー~ミドルハイ・テンポのリズムに、シンプルなメロディを乗せて押し出してくる楽曲は、曲調にしろ曲展開にしろ華を欠けていて、正直かなりオッサン臭いのですが、どっこい。繰り返し聴き込むことによって味わいを増す中年親父の魅力を舐めてはいけません。怪しげなイントロから勇ましく駆け出す①、退屈と紙一重の愚直さと粘り腰で盛り上げていく③⑨、ドゥーミーでドラマティックな⑤、気持ち良いぐらい捻りのない⑥、大仰なエピック・メタル道を突き進む⑧・・・と、収録楽曲はいずれも結構聴かせてくれます。
垢抜けないエピック・メタル路線を邁進していた『INTO GLORY RIDE』の頃のMANOWAR(⑦なんか特にそれっぽい)を愛する向きにお薦めな1枚・・・か?


MANOWAR (2016-05-26 23:22:55)

明らかに迷走している感のあったここ数年の活動を振り返ると
驚くと共に「やはり・・・」と、ある程度納得する部分が無きにしも非ず。
でもやはりファンとしては寂しいですね。
SCORPIONSみたく、フェアウェルツアーやってみて「やっぱ解散なしよ」でも
全然オッケーなのですが。


MANOWAR (2016-05-29 08:40:36)

初来日公演を川崎クラブチッタまで見に行ったのですが
その時もエリック・アダムスは「すぐまた戻って来るからな!」と
力強く宣言してましたからね。
それから再来日まで20年近く待たされたことを考えると
MANOWARタイムの「すぐに」は俗世での「だいぶ」に
相当すると思った方が良い…なんて。
LOUD PARKのトリ話が本当だと良いですね。


MANOWAR - Battle Hymns ★★★ (2007-06-05 21:36:00)

'82年発表の記念すべきデビュー作。レコード会社と契約を交わす時、自分達の血でサインとか、国内盤の邦題が『地獄の鎮魂歌』だったとか、語り継がれる仰々しいエピソードの数々に反して、内容は明るいメロディを持った、ノリの良い楽曲が大半を占める。
尤も、ロックンロール・テイストはMANOWARというバンドを構成する重要な一要素なので、本作をして「異色作」と呼ぶには当たらない。それにアルバム中盤以降には、俳優のオーソン・ウェルズの語りをフィーチュアした⑥、ファンにはライブのエンディング曲としてお馴染みの、劇的極まりない⑧といったドラマチックな名曲が並び、実際のところ、聴き終えた後の印象は2nd以降のアルバムと大差ない感じ。
バンドの2枚看板であるジョーイ・ディマイオ閣下のBと、エリック・アダムスの超絶Voは既にその存在感を存分に発揮していて、前者はクラシックの有名曲をベース1本でカヴァーした⑦が最大の聴き所。エリックのVoは、比較的ストレートな楽曲が多く収録されているアルバムゆえ才能全開とまではいかないものの、坂本英三も自らカヴァーするぐらい大好きな②、バンドのテーマ曲であり、ライブのOPナンバーでもある⑤といったノリノリの曲調を備えた楽曲を、彼がドラマチックな歌唱で歌い上げるミスマッチ感は非常にユニークで味わい深い。
お世辞にも良好とは言い難いサウンド・プロダクションと、ドニー・ヘムズィクの大人しめのDsの影響か、後の作品ほどのスケールの大きさは伝わって来ないが、明るい曲を演っても決して能天気にはならない、NY出身のバンドらしい硬派なサウンドが堪能できる名作。


MANOWAR - Battle Hymns - Battle Hymn ★★★ (2007-06-09 01:10:12)

必ずライブのエンディングで演奏される超名曲。
まさに「地獄の鎮魂歌」(?)
1st収録バージョンは、オモチャの太鼓みたいにチープな
ドラム・サウンドがイマイチなので、
個人的にはスコット・コロンバスの雷鳴の如きドラミングが堪能できる
劇的さ4割増しのライブ・バージョンを聴く事をお薦めしたい。


MANOWAR - Battle Hymns MMXI ★★★ (2011-02-05 20:01:04)

アルバム・タイトルと、マッチョな色使いで上書きされたアートワークが物語る通り、'82年発表のデビュー作『BATTLE HYMNS』を現代の録音技術とメンバーの技量を持って録り直した作品。
一瞬「何で今?」と首を捻ってしまったが、元々『BATTLE~』は貧弱なサウンド・プロダクションが足を引っ張っていた作品ゆえ、このリレコーディングはファンとしては願ったり叶ったり。
デビュー当時とは比較にならない貫禄と説得力に思わず平れ伏すエリック・アダムスのVo、豪快且つ強靭なジョーイ・ディマイオのB、ロス・ザ・ボスよりもHM度の高いGプレイでサウンドを引き締めるカール・ローガン、そして威厳溢れるドラミングで、嘗ての己を遥か彼方へと吹き飛ばしてみせたド二ー・ヘムズィクの存在を得て、一層のドラマ性と鋼の如き硬質感を獲得した収録曲の数々は、聴いてるだけで無心に頭を振りたくなるカッコ良さ。
重厚感をいや増して蘇った⑥の中盤に挿入されるナレーションが、オーソン・ウェルズからクリストファー・リー(じき90歳なのにHMのソロ・アルバムを作っちゃうハリウッド屈指の美声俳優)へと変更された点を除けば、全体的なリメイク作業は聴き馴染んだアレンジを活かす方向で進められているが、名曲⑤⑧のアレンジについてはライブ・バージョンに準拠。クドイぐらい引き伸ばされた大仰なエンディングには胸が熱くなりますね。(ちょっと笑っちゃいますが)
とにかく、良いこと尽くめで失われた物が何もないという、オリジナル盤を持っている人にも持っていない人も薦め出来る1枚。で、国内盤は出ないの?


MANOWAR - Battle Hymns MMXI - Battle Hymn ★★★ (2011-02-05 22:16:06)

オリジナル・バージョンを完全に凌駕する迫力と
ドラマ性を獲得したリメイク・バージョン。
威厳に満ちたエリックのVo、マッチョなジョーイのB、
メタリックなカール・ローガンのGも良いが、
何と言ってもこの曲最大の聴き所は、
デビュー当時の大人しさが嘘のような
ラウド且つダイナミックな叩きっぷりを披露する
ド二ーのドラム・プレイ。
つーかこの人、いつの間に出戻ってたの?


MANOWAR - Fighting the World ★★ (2007-06-07 21:39:00)

メジャー・レーベルのATCOに移籍して'86年に発表された、MANOWAR史上最大の問題作として知られる5thアルバム。
かつては「こんなポップなアルバムはらしくない」「ジャケットもKISSの『DESTROYER』のパクリじゃん」とボロクソに貶されていたが、現在ではどちらかと言えば「前半(①②③④)に明るめの曲が並ぶだけで、後半はいつも通りのMANOWAR節が堪能できる作品」との、冷静な評価がファンの間では大勢を占める。
個人的にも本作の作風は、ポップではなく「元気溌剌」と表現したいところだし、もしポップに聴こえるのなら、それは楽曲よりも、クリーンでカラッと垢抜けた、健康的(?)なサウンド・プロダクションに因るところが大きいと思われ。
まぁ、では(今じゃライブの重要なレパートリーとなった①は兎も角)問題の②③④といった楽曲は優れた出来なのか?と問われれば「それほどでもない」というのが正直な感想だし、再びオーソン・ウェルズの語りをフィーチュアした⑤も“DARK AVANGER"の完成度には及ばない。それゆえ、ポップか否か以前の問題で余り思い入れのないアルバムだったりするのだが、それでもダークで重厚な名曲“HOLY WAR"を含む組曲形式の⑥⑦⑧や、全楽器が一丸となって16分音符を刻む野蛮で勇壮なスピード・チューン⑨は聴かずには死ねない強力な仕上がり。何より、本作でメジャー・アーティストとして一皮剥けたからこそ、次作『KINGS OF METAL』の成功があったんじゃないのかな、と。
その他の作品に比べて「クドさ」が薄い作風ゆえ、もしかするとMANOWAR初体験者の入門書に最適かもしれない1枚。


MANOWAR - Fighting the World - Black Wind, Fire and Steel ★★★ (2007-06-09 20:42:23)

個人的には思い入れの薄い5thアルバムだが、
間違いなくアルバムのハイライトを飾るこの曲は、
文句なしで素晴しい。
エンディングがクドイという意見が出ているようですが、確かに(笑)。
ただ来日公演の時には、引き伸ばされたエンディングの最中に、
ジョーイ・ディマイオがベース弦を1本1本、
力任せに引き千切っていくという
圧巻のパフォーマンスを披露して会場を沸かせていたので、
映像付きで見るとまた印象が違うのかもしれませんね。
“BATTLE HYMNS"のエンディングもまた然り。


MANOWAR - Gods of War ★★ (2007-07-04 21:28:00)

ここ数作のコンパクトにまとめられた楽曲重視路線から一転、久し振りに重厚長大なコンセプトを全面に押し出した、'07年発表の記念すべき10thアルバム。
コンセプト重視といえば、30分近くに及ぶ大作組曲“ACHILLES,AGONY AND ECSTASY"を収録した7th『THE TRIUMPH OF STEEL』を思い出すが、全体的にメロディの弱さが目立ったあのアルバムに比べて、今回は1曲1曲がきっちりと練り上げられていて、メロディの煽情度も高め。長尺曲で圧倒するのではなく、キャッチーなHMソングを、SEやナレーション、インスト曲で繋ぎ合わせ、映画のサウンド・トラックの如き壮大さを演出するという手法が取られていて、ジョーイ・ディマイオが『THE TRIUMPH~』から得た教訓をちゃんと本作に活かしている事が判る。例えるなら、6th『KINGS OF METAL』に収録されていた笑撃・・・もとい、衝撃的な組曲“THE WARRIORS PRAYER"~“BLOOD OF THE KINGS"の流れをアルバム全編で展開してみた作品?
また、ここのところ「メタル応援歌」的な歌詞の比率がどんどん高まっていただけに、本腰を入れてジョーイが神話世界を題材に取ってスケールの大きな歌詞を書き上げてくれた点もファン的には嬉しい限り。
ただ、疾走曲が並ぶ前半に対して、(そのクオリティは兎も角)似通ったテンポのへヴィ・チューンが並ぶ後半はSEやナレーションの長さと相俟って明らかにダレる。ので、個人的には通して聴くのは遠慮させて貰って③⑤⑥⑦⑩⑫といった楽曲のみを摘み食いしていきたい1枚。


MANOWAR - Hail to England ★★★ (2007-06-05 22:07:00)

前作『INTO GLORY RIDE』が、NWOBHMに沸くイギリスで高く評価された事に感謝を捧げてこのアルバム・タイトルになった・・・という実にMANOWARらしいエピソードを持つ、'84年発表の3rdアルバム。
デビュー作『BATTLE HYMNS』のロックンロール路線から、ドラマ性重視のヘヴィ・メタル路線へと舵を切った『INTO~』は、重厚長大で劇的な楽曲がズラリと並んだ力作だったが、その反面、やや力み過ぎたのか、冗長な部分が無きにしも非ずだった。(飽くまでMANOWARにしてはの話で、有象無象のバンドに比べればそのクオリティの高さは驚異的)
その辺の反省点を踏まえて(?)製作された本作は、余分な贅肉が削ぎ落とされた楽曲はソリッドに研ぎ澄まされ、ランニング・タイムは何れも3~4分台と非常にタイト。それでいて大仰なドラマ性は減じるどころか、益々磨き上げられているのだから畏れ入る。
特に、雄々しく力強い①、ライブでは物騒な「DIE!DIE!」の合唱を誘うスラッシーな③、隠し味の女性コーラスが楽曲の持つ荘厳な雰囲気を引き立てる④、そして本編唯一の大作にして、これぞMANOWAR!たるドラマチックな名曲⑦といった楽曲の素晴しさは、本作の白眉。つーか、このアルバムに捨て曲はありません。
また、前2作の大きな弱点だった劣悪なサウンド・プロダクションが大幅に改善されているのもポイントで、未だ十分とまでは行かないまでも、これで漸くスケールの大きな楽曲の魅力が余すところなく伝わるようになった。目出度い。
僅か13日間でレコーディングされた代物とは俄かに信じ難い、初期の傑作の1つ。


MANOWAR - Hail to England - Hail to England ★★★ (2007-06-09 00:42:44)

MANOWARにハマリ始めた当時、3rdアルバムは世界的に廃盤状態だったので、
仕方ないから今は亡き西新宿のDISKLANDで海賊盤を4000円の大枚はたいて購入したのだが、
まぁ板起こし盤ゆえスクラッチ・ノイズが豪快に入ってるのは我慢するにしても、
この名曲を2分ぐらい聴き進んだ所で、いきなり針飛びを起こして、
最後のコーラス部分まで音が飛んでしまうのには参った。
チクショウ、いい加減な録音しやがって!金返せ!
・・・という意味でも思い出の1曲。
後に国内盤が発売されて、改めて聴き直した時には感動しましたね。


MANOWAR - Into Glory Ride ★★★ (2007-06-05 21:53:00)

メンバーがヴァイキングのコスプレをしたアルバム・ジャケットを見ただけで、いよいよMANOWARが本領を発揮し始めたことがよく分かる、'83年発表の2ndアルバム。
前任者とは比較にならないダイナミックなドラミングを披露するスコット・コロンバスの加入により、ロックンロール調の軽いノリが目立ったデビュー作『BATTLE HYMNS』の作風から一転、アルバム全編をヨーロッパ的なダークネスとヘヴィネスが支配する本作は、頭からケツまで、重厚長大、厳粛且つドラマチックな楽曲が次々に繰り出される。
エリック・アダムスのVoも、実力を存分に発揮できるスケールの大きな楽曲を得た事でエネルギー全開。前作ではあまり出番のなかった「ヴィブラートかけまくりの雄々しい歌い上げ」と「豊かな表現力」をフル活用して、起伏に富んだメロディを見事に歌いこなすその歌唱は、まさに圧巻としか。特に、悲壮感を伴って大きくうねる②、メタル魂を鼓舞される高揚感に満ちた③、雄大で幻想的な④、劇的な疾走感に思わず背筋が伸びる⑥、アルバム随一のスケールの大きさを誇る⑦といった楽曲は、曲自体のクオリティの高さがエリックのシンガーとしての実力を120%引き出し、またその強力な歌声が曲の完成度を一層高めるという、理想的なコンビネーションが堪能できる名曲じゃないかな、と。
相変わらずサウンド・プロダクションは×だが、『地獄の復讐』という邦題がコケ脅しには聞こえない、大仰なドラマ性に満ちた1枚。


MANOWAR - Into Glory Ride - Gloves of Metal ★★★ (2007-06-09 01:22:39)

1stに比べ、いよいよエリック・アダムスのVoがパワー全開。
特に、この曲における彼の歌唱には心震えます。
何度聴いても「レザー!メタル!スパイクス!アンチェイ~ンンン」
の歌い回しにコブシを握ってしまう俺がいる。


MANOWAR - Kings of Metal ★★★ (2007-06-08 23:41:00)

タイトルといい、アートワークといい、暑苦し・・・もとい、劇的な楽曲の数々といい、ファンは忠誠を誓い、興味の無い人間は失笑を漏らすMANOWARというバンドの一番「濃い」部分をグツグツと煮詰めたかのような、アクの強くてマッチョな作風を誇る'89年発表の6thアルバム。
個人的に初めて買ったMANOWARのアルバムであり、HELLOWEENの『守護神伝 第2章』やRIOTの『THUNDERSTEEL』と並んでメタルに本格的にハマる切っ掛けとなった1枚だけに思い入れも一入なんだけど、その辺の贔屓目を抜きにしても本作のクオリティは『HAIL TO ENGLAND』『SIGN OF THE HAMMER』等の傑作群に匹敵する高さ。(・・・じゃないかな、と)
CD用ボーナス・トラック⑦がちと弱いが(ネタ曲としては満点)、それ以外は、スラッシーな疾走感とダイナミックなサビメロが圧倒的興奮を生む①に始まり、ラストを締める、余りに大袈裟で芝居がかった展開が笑いと感動を呼ぶ組曲⑨~⑩まで、全編これ捨て曲なし。中でもエリック・アダムスの熱唱が胸焦がす大ヒット・バラード③、100人からの男性コーラス隊が参加した荘厳且つ厳粛極まる⑤、そして劇的にしてキャッチーな(来日公演でも物騒な「HAIL&KILL」コールを巻き起こした)本編のハイライト・チューン⑧といった楽曲のカッコ良さは鳥肌モノ。
また今回特に注目すべきは、これを最後にバンドから脱退するロス・ザ・ボスのGプレイ。一般的に、ジョーイ・ディマイオの作る楽曲と、エリック・アダムスの超絶歌唱があれば、それでMANOWARサウンドは成立するというのがファンの共通認識なれど、このアルバム以前と以後とで、その作風が微妙に変質していく事を鑑みるに「やはりオリジナル・メンバーのロスの存在って重要だったんだな~」と、その豪快さと繊細さを併せ持つGプレイを聴きながらしみじみと実感させられます。
ロス・ザ・ボス在籍時代の集大成とも言える、気合の入った傑作。


MANOWAR - Kings of Metal - Wheels of Fire ★★★ (2007-06-09 21:00:49)

スラッシュ・メタルばりのスピード感と、
炸裂するようにダイナミックに展開する
サビメロのカッコ良さが半端じゃない。
余談だが、RHAPSODYの4thアルバムには、この曲そっくり
(ご丁寧にVoの歌声まで左右のチャンネルに振り分けてある)の
“WHEN DEMONS AWAKE"という曲が収録されていて、
今にして思えば、彼らがジョーイ率いるマネジメント
マジック・サークル・ミュージックに移籍する予兆だったのかな、と。


MANOWAR - Kings of Metal MMXIV ★★ (2014-07-30 23:19:27)

せっかくMANOWARが来日するというのに、こちとら出張日程丸被りで、今年のLOUD PARKには早くも不参加が確定・・・。仕方ないのでラウパ用にプールしていた資金の一部で、『BATTLE HYMNS MMXI』に続くリメイク盤、本『KINGS OF METAL MMXIV』を購入致しました。
尤も、音質の著しい向上からメンバーのパフォーマンスの熟達まで、リメイクの意義が明白に刻まれていた『BATTLE~』に対し、『KINGS ~』はもともと脂の乗り切ったMANOWARの漢汁が滴り落ちる大名盤であり、今ひとつリメイクのありがた味を感じ辛いのが難なんですが。
前任者に比べ馬力不足が目立つドラミング、曲順の変更による作品全体のダイナミズムの低下等もそうした印象を後押し。サビメロから爆発力が失われてしまった“WHEELS OF FIRE”のように、ライブ・バージョン準拠で簡素化の図られたアレンジも個人的には食い足りんなぁ、と。
そんなわけでどうにも苦言ばかりが先立つ本作なれど、語り口の大仰さ倍増の④から、三拍子揃った野蛮さ/勇壮さ/劇的さがメタル魂を鼓舞しまくる名曲⑤(歌詞に日本の名前も登場)へと繋がっていく怒涛の展開等、聴いてるだけで男性ホルモンが過剰放出されて思わずマッチョ化しそうになる、血沸き肉踊る瞬間も多々用意されており、この辺りのマキシマムっぷりは流石MANOWAR。
コール&レスポンスの作法の更新等、今年のラウパに参戦するであれば、是非とも押さえておきたい1枚ではあります。未聴の方には、まずはオリジナル盤の入手をお薦めしますけどね。


MANOWAR - Louder Than Hell ★★★ (2007-06-12 21:00:00)

オリジナル・メンバーの1人であり、生粋のロックンローラーだったロス・ザ・ボス(G)が6th『KINGS OF METAL』を最後にバンドを去って以来、ジョーイ・ディマイオ(B)の妥協を許さぬ完璧主義者っぷりに歯止めを掛けられる存在がいなくなったのか、アルバムのリリース・ペースがオリンピック級の気の長さになってしまったMANOWAR、'96年発表の8thアルバム。
前作『THE TRIUMPH OF STEEL』から参加したデイヴィッド・シャンケル(G)とライノ(Ds)が早くも脱退し、新Gとしてカール・ローガンが加入。Dsの座には前任のスコット・コロンバスが出戻るという慌しい人事異動を経て完成をみた本作だが、大勢には全く影響なし。いや、寧ろやや力み過ぎの感があった『THE TRIUMPH~』を軽く凌駕する内容に仕上がっているような・・・。
前作は、30分に及ぼうかという組曲“ACHILLES,AGONY AND ECSTASY"を筆頭に、気合の入った大作がズラリと並んでいたものの、メロディの弱さがアルバムの印象を弱いものにしてしまっていたが、今回は初心に帰ったのか、贅肉を削ぎ落とされ、コンパクトに絞り込まれた楽曲の数々は、疾走チューンにしろ、ミドル・チューンにしろ、バラードにしろ、非常に明快でキャッチー。
また、前作から飛躍的に向上したエリック・アダムスの歌メロの充実振りも大きい。特に、活きの良いOPナンバー①、タイトル/歌詞/曲調と、どこを切っても100%MANOWAR印な②、中盤の劇的な曲展開がガッツポーズ物のカッコ良さを誇る⑥、壮大なインスト曲⑧~⑨を経て、ラストを猛スピードで締め括る勇壮な⑩といった楽曲は、その両者の最良の部分が上手い具合に組み合わさった名曲じゃないかと。その他の収録曲も何れも粒揃い。当然捨て曲なし。
個人的には、ロス・ザ・ボス脱退(7th)以降のアルバムでは、この作品が一番好きだな。


MANOWAR - Louder Than Hell - Outlaw ★★ (2007-06-12 21:06:05)

↑ドイツではバラードがヒットしたせいか、女性ファンが多いんだとか。

それは兎も角、この曲はシンプル且つ硬派な疾走チューン。
中盤のドラマチックな一捻りに胸躍ります。


MANOWAR - Sign of the Hammer ★★★ (2007-06-06 22:10:00)

ファン・・・いやさ、ブラザーの間でも「MANOWARの最高傑作」と評価の高い、'84年発表の4thアルバム。
結構「音がイマイチ」との意見が出ているようですが、音、そんなに悪いっすかね?個人的には、準メジャー・レーベルと契約して、初めてまともな環境で製作されたアルバムという事で、過去3作に比べてサウンド・プロダクションの質は飛躍的に向上したように思うのですが・・・。ただ、徹底的に作り込まれた最近作のゴージャスさと比べてしまうと、確かに物足りなさを覚えるのも無理ないかな。
ともあれ、内容に関しては他の方同様まったく文句なし。“狂気の掟”“野獣列伝”“死戦士宣言”etc・・・と、仰々しい邦題を眺めているだけでワクワクして来る楽曲の数々は非常に粒が揃っていて、当然の如く、捨て曲は皆無。
何より、従来のスケールの大きなドラマチック路線に、更に疾走感やキャッチーさといった要素が加味されて、これまで以上に幅広いリスナーにアピールし得る魅力を備えているのがポイント。一撃必殺の威力を誇る劇的な疾走チューン③なんかは、その好例ではなかろうか?
勿論、“偉大なる山々”の邦題通り、神々しい荘厳さすら漂う④、そしてMANOWARが単なるファンタジー馬鹿ではない事を証明する、シリアス且つ重厚な名曲中の名曲⑧といったMANOWAR節炸裂の大作群の素晴しさは、今更言うに及ばず。
それにしても驚くべきは、本作が3rd『HAIL TO ENGLAND』と同じ年にリリースされている事実だ。名作と名高い2作を、1年と間を空けずに続け様に発表するとは・・・恐るべしというか流石というか、とにかく凄いぜ、MANOWAR。


MANOWAR - Sign of the Hammer - Guyana (Cult of the Damned) ★★★ (2007-06-09 02:28:32)

ジム・ジョーンズ牧師、救いの手をありがとう。我々はこの腐敗した世界を後に出来ました。
生命のない肉体は聖なる地に崩れ落ち、腐りゆく肉体は生贄の塚となる。
貴方は神か、それとも我々を釘付けにし、喝采を浴びる名優か。
貴方の一言に従い命を絶って、今、皆、貴方の傍で共に。
ガイアナ、呪われた信者たち。最後の勇気ある抵抗にお言葉を与えて下さい。×2

憑かれたように我々は国作りを続けた。真っ直ぐ前を見るのが怖かった。皆、牧師を恐れていたのだ。
我が子を急き立てる。もうあまり時間がないのだ。あの世で、また、みんな会える。
まず、彼らに飲物を手渡そう。喉の渇きに死ぬほど苦しんでいるから。
ガイアナ、呪われた信者たち。最後の勇気ある抵抗にお言葉を与えて下さい。×4
井戸に踏み込んだ足。水の底へと引き込まれる。地獄の叫びを残して。
牧師は教えてくれた。人生というのはホテルだ。
牧師がベルを鳴らした時、チェックアウトするのだと。
ガイアナ、呪われた信者たち。最後の勇気ある抵抗にお言葉を与えて下さい。×2

ママ・・・・・・

『SIGN OF THE HAMMER』の日本語訳を丸写しすると、こんな感じですかね。


MANOWAR - Sign of the Hammer - Guyana (Cult of the Damned) ★★★ (2007-06-09 01:01:07)

カルト教団の教祖ジム・ジョーンズ以下、信者913人以上が死亡した
南米ガイアナにおけるの人民寺院集団自殺事件を
題材に取り上げた、MANOWAR屈指の超名曲。
この曲を聴けば、MANOWARが底の浅い単なるファンタジー・バンドじゃない事が分かる筈。
出来れば国内盤の歌詞も読んでみて欲しいところ。
怒りと悲しみを感じさせるジョーイ・ディマイオのBプレイは絶品だ!


MANOWAR - Sign of the Hammer - Thor (The Powerhead) ★★★ (2007-06-09 00:50:57)

4thアルバムにおいて、“GUYANA"に匹敵するハイライト・チューン。邦題は“戦神トール"。
まさに「戦いの歌」といった趣きの勇壮な歌メロと、劇的なリフ、
それに激烈な疾走感に心が震えます。


MANOWAR - The Lord of Steel ★★ (2015-06-20 00:20:36)

近年は、打つ手打つ手が悉く空回ってる印象が否めないMANOWAR。新作がそのモヤモヤ感を吹き飛ばしてくれることを期待したのですが・・・。
神話を綴るに相応しい壮大な作り込みが為されていた前作『GODS OF WAR』の反動か、今回は楽曲にしろプロダクションにしろ、非常にシンプルでコンパクト・・・っつーか、地味じゃね?と。パンチに欠ける音作りから、起伏に乏しい本編の構成、キャッチネスが不足がちの楽曲、そしてクドさ控えめのメンバーのパフォーマンス(特にエリックのVo)に至るまで、従来作が、聴いてるだけで筋肉が勝手にパンプアップするメタル・プロテインとするならば、今回はまるでOL向けダイエット食品の如き淡白さで、これは一体どうしたことかと。
いや勿論優れた楽曲もあるんですよ。剛毅に疾走するOPナンバー“THE LORD OF STEEL”とか、好戦的に煮え立つ“EL GRINGO”、過去の名作/名曲のタイトルが歌詞に散りばめられた“HAIL, KILL AND DIE”、そして大仰過ぎる程に大仰な“THE KINGDOM OF STEEL”とか。その他のバンドがこのレベルの楽曲や作品引っ提げてやって来たならば、激賞は間違いないところですよ。「メタル蘇民祭」の様相を呈しているジャケットも最高ですし。
ただ、やはりMANOWAR作品としては「食い足りねぇ」と。これまでどんな賛否両論分かれる問題作だろうとも、背筋を伸ばして堂々提示してきた彼らなのに、本作に関しては「背中を丸めて置きに来た」との印象が拭いきれず。まぁ当方の勝手なイメージの押し付けなんですが。
思わず、他のMANOWARマニアの方の意見を伺いたくなる1枚。


MANOWAR - The Lord of Steel - El Gringo ★★★ (2015-06-23 00:09:58)

ちょい前、渋谷に「ガンズ・アンド・ストレンジャー」
(原題は同じく“EL GRINGO”)なるアクション映画を
見に行ったら、この曲がエンドロールで流れてきましね。
これがもう映画のつまらなさを帳消しにするカッコ良さで。
アルバム『THE LORD OF STEEL』においても間違いなく
ハイライト・ナンバーの一つですよ。


MANOWAR - The Triumph of Steel ★★ (2007-06-11 22:33:00)

ロス・ザ・ボス(G)とスコット・コロンバス(Ds)が脱退したり、新しいレコーディング・スタジオを建設したりとドタバタと色々な事があって、前作から実に4年のインターバルを経て、'92年に漸く発表された7thアルバム。邦題は『勝利の鋼鉄(はがね)』。
オリジナル・メンバーにして生粋のロックンローラーでもあるロスがバンドを去った事により、ジョーイ・ディマイオの妥協を許さぬ完璧主義者っぷりに歯止めを掛ける存在がいなくなってしまったせいか、これ以降、MANOWARのアルバム・リリース・ペースはオリンピック級の気の長さになってしまうわけだが・・・。ま、それはともかく。
本編の半数を重々しいミドル・チューンが占め、しかもエリック・アダムス(Vo)がドラマチックな歌い上げよりアグレッシブなシャウトを多用している事もあって、MANOWARのアルバムの中でも際立ってヘヴィな仕上がりの本作。
正直、それらの楽曲はメロディの魅力、分けても歌メロにフックが乏しいため、どうにも地味な印象が拭えない。そして何より、アルバムのOPにドーンと鎮座まします超大作①だ。これを受け入れられるかどうかで真のMANOWARファンか否かが決まるという、ファンにとっては、ある種、踏み絵的な存在のこの組曲。長尺にも関わらずオーケストラやKeyの類に頼らない姿勢は、如何にもこのバンドらしくてナイスだが、やはり各楽器のソロまで組み込んだ構成は、(意図は分かるけど)個人的には冗長に感じられてしまう。
ただパート毎に見れば、エリック入魂の歌唱に胸揺さぶられる第6章や、ライブでも摘み食い的にプレイされていた荒々しくスピーディな最終章なんかは聴き応え十分。また本作には他にも、これぞMANOWAR!なメタル・アンセム②、スケールの大きな哀愁のバラード⑧、そして「この1曲のためだけにこのアルバムを買っても損はない」と思わされる、劇的なドラマ性を飲み込んで勇壮に疾走する名曲⑥なんかが収録されていて、聴き終えてみれば「なんだ、結局はいつもの良く出来たMANOWARのアルバムじゃんか」との結論に落ち着くのであった。
尚、本作発表後に初来日公演が実現。ステージ上でエリックは「日本に来るまで10年かかったけど、今度はもっと早く戻ってくるからな!」と語っていたが、あれから更に10年以上の月日が経っても、未だ再来日公演が行われる気配はないのであった・・・。


MANOWAR - The Triumph of Steel - The Power of Thy Sword ★★★ (2007-06-09 20:29:11)

ヘヴィネスは効いていても、楽曲のメロディの弱さと、
せっかくのエリック・アダムスのVoを活かしきれていない印象が
強い7thアルバムの中にあっても、この曲だけは別格。
疾走感、メロディ、そしてエリックの壮絶な歌唱が
三位一体となって突撃する、アルバムのハイライト・チューンだ。


MANOWAR - Warriors of the World ★★★ (2007-06-25 22:54:00)

前作『LOUDER THAN HELL』から、実に6年のインターバルを置いて、'02年に発表された待望の9thアルバム。
間に2枚のライブ・アルバムを挟んだとは言え、幾らなんでも6年は待たせ過ぎでしょうが!とか、しかも漸くリリースされた国内盤の歌詞には日本語訳がないという、今時有り得ない手抜き仕様(これはバンドよりもレコード会社の怠慢だが)等、湧き上がる数々の不満を力ずくで捻じ伏せてみせる本作の凄まじいクオリティの高さは、流石MANOWAR。
基本は『LOUDER~』同様、コンパクトに練り上げられたキャッチーなHMチューンが次々に繰り出される、コンセプトよりもメロディに重きを置いた楽曲重視路線だが、個々の楽曲のクオリティは、傑作だった前作をも軽く上回る勢い。
ボーナス・トラックも含めて全11曲、熱きメタル魂を胸に思わず行進したくなる勇壮な①に始まり、エリック・アダムスの驚異的な歌唱力が堪能できるプッチーニの③、厳粛且つドラマチック極まりない⑤を経て、後半の小細工無用の剛球メタル・チューン4連発(⑧⑨⑩⑪)からオマケ収録の名曲“KILL WITH POWER”のライブ・バージョン⑫に至るまで、本編のテンションは一時も緩まる事無く、当然、捨て曲なし。
惜しむらくは曲順がイマイチな点で、似たり寄ったりのテンポの楽曲が並んでいるため緩急に乏しく、折角の楽曲のインパクトの強さを、十分に活かしきれていない印象なのが勿体無い。尤も、前半に壮大で劇的な楽曲を、後半にストロングなメタル・チューンを揃えて、「静」と「動」のコントラストが引き立つ構成を狙ったバンドの意図も理解できるので、この曲順も一概には否定できないんだけど・・・。
ともあれ、こうした些細な部分が気になるのも本作の完成度が半端ないからこそ。疑いの余地なく名盤だ。


MANTIC RITUAL (2014-03-28 23:24:12)

'04年頃からロサンゼルスを拠点にMELTDOWN名義で活動するも、同名バンドの存在を知り、MANTIC RITUALと改名。
本拠地を故郷ピッツバーグに戻すと、'09年にアンディ・クラッセンをプロデューサーに迎えてデビュー作『EXOCUTIONER』をレコーディング。同作はキング・レコードから日本盤もリリースされた。
しかし徐々にメンバー間で活動に対する思惑のズレが生じ始め、'13年に解散。現在、ギタリストのデイヴ・ポッツとべーシストのベン・マットソンは、以前から親交の深かったカリフォルニアのスラッシュ・メタル・バンド、WARBRINGERの一員として活動中。


MANTIC RITUAL - Executioner ★★★ (2014-03-28 23:26:25)

いつの間にか解散していた、ペンシルベニア州ピッツバーグ出身の4人組の唯一作となった、'09年発表のデビュー作。(プロデュースは元HOLY MOSESのアンディ・クラッセンが担当)
前掛かりで畳み掛けるパンキッシュなリズムに、手数多めに刻まれるGリフと上擦り気味のシャウトが乗っかったスピード/スラッシュ・メタル・サウンドは、『KILL 'EM ALL』発表時のMETALLICAからの多大なるインスピレーションを受けたこと確実。特にVoはデビュー当時のジェイムズ・ヘッドフィールドくりそつの青臭さですが、曲によってはDESTRUCTION調のカミソリ・ナンバーありーの、ANTHRAXばりにスポーティなタテノリ・ナンバーありーので、まぁ要するに、80年代スラッシュ・メタル全般からの影響を咀嚼した作風ということでファイナル・アンサー。
突っ込み気味の演奏で聴き手の焦燥感をガンガン煽り立てるメンバーの実力は上々です。勢いよくケツを蹴り上げられまくる⑤、キレッキレなGリフのカッコ良さだけでテンションMAXな⑦、アグレッシブ且つキャッチーに炸裂する⑨は特筆すべき名曲。
00年代半ばから盛り上がり始めたNWOTMムーブメントの質の高さを証明する好盤の一つでしたが、本作のみを残してバンドが解散してしまったとは・・・勿体無い。


MANTIC RITUAL - Executioner - Murdered to Death ★★★ (2014-03-31 22:59:14)

親の敵のように執拗に刻まれるGリフから
血気盛んに煽り立てるVo、
それらを乗せてテンション高く突っ走るリズムまで
スラッシャーの血を騒がせる要素満載で贈る
アルバムのハイライト・ナンバー。


MANTIC RITUAL - Executioner - Thrashatonement ★★★ (2014-03-31 23:11:20)

速さだけで言えば「並」なのですが、
一緒に叫びたくなるキャッチーなサビから
ケツをガンガン蹴飛ばされるような
突込み気味のリフ&リズムのコンビネーションまで、
聴いてるだけで暴れ出したくなる逸曲。